JP2017508001A - 新規な単糖様グリシン化糖アルコール組成物の抗糖尿病薬の設計及び開発への使用方法 - Google Patents

新規な単糖様グリシン化糖アルコール組成物の抗糖尿病薬の設計及び開発への使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は新規な糖様化学組成物及びその糖尿病治療への使用方法に関する。具体的に、本発明は単糖様グリシン化糖アルコール化合物の使用を開示し、これによって糖尿病患者の糖に対する吸収を阻害又は低下させ、且つ高血糖症状のリスクを防止する。糖アルコールのグリシン化は報道したことがない新規な反応である。したがって、本発明はグリシン化糖アルコールを新しく発見するだけでなく、該グリシン化糖アルコールを使用して糖尿病を治療する。なお、本発明はこれらのグリシン化糖アルコールを生産する方法を開示する。要するに、本発明は新規な糖様化学組成物及びその糖尿病治療への使用方法を含み、且つ糖又は糖アルコールのグリシン化によってこの新規な組成物を生産する最適なステップと方法を含む。

Description

優先権
本発明は、2014年1月26日に提出した出願番号が61/931,650であり、「生体内及び体外で核酸類薬物を送達するための糖アルコール類複合物の組成及び処方」と題する米国仮出願を優先権として主張する。本発明は、更に、2014年9月13日に提出した出願番号が62/050,107であり、「糖尿病を治療するための新規な単糖様グリシン化糖アルコール組成物」と題する米国仮出願を優先権として主張する。本発明は、更に2014年8月12日に提出した出願番号が14/457,829であり、「生体内及び体外で核酸類薬物を送達するための新規な糖アルコール類組成物」と題する米国特許出願を優先権として主張する。本発明は、更に、2014年9月25日に提出した出願番号が62/054,981であり、「糖尿病を治療するための新規な単糖様グリシン化糖アルコール組成物」と題する米国特許出願を優先権として主張する。
発明の分野
本発明は新規な糖様化学組成物及びその糖尿病治療への使用方法に関する。具体的に、本発明は、修飾された単糖様糖アルコール組成物で患者により吸収できる糖類を置換する使用方法を開示し、これによって糖尿病を処理する。これらの新規な糖アルコール組成物は単糖を模擬するように、「グリシン化」と呼ばれる反応によってグリシン化糖アルコールに修飾される。したがって、本発明はこれらのグリシン化糖アルコールで人類腸内の糖の摂取を低下させる新規な使用方法を提供し、これによって糖尿病患者に食事後に発生した高血糖の症状を予防する。なお、本発明は、糖アルコール及び糖に類似する化学化合物がグリシン化で修飾されることにより、その糖尿病患者体内での病理学的効果を低下させることができることを初めて開示する。したがって、本発明は新規な糖様化学組成物及びその糖尿病の治療への使用方法を含むだけでなく、グリシン化によるこの新規な組成物を生産する最適なステップ及び方法学を更に含む。
背景
I型糖尿病(Diabetes mellitus (DM))は、diabetesとも呼ばれ、代謝性疾患の一種であり、人類及びその他の哺乳類、例えばマウスの体に長期の高血糖症状を発生させる。この高血糖症状は高血糖レベル(即ち>140mg/dL)、頻尿、口渇及び飢餓を含み、そしてより深刻なのは糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis)及び高浸透圧性昏睡(hyperosmolar coma)である。長期の高血糖症状は心臓病、脳卒中、腎不全、四肢の潰瘍、眼の損傷および肥満を引き起こす場合が多い。糖尿病には、膵臓の生成したインスリンの不十分に起因するI型糖尿病(type-I DM)(又はインスリン依存型糖尿病(IDDM)と呼ばれる)と、体がインスリンに対して反応できないことに起因するII型糖尿病(type-II DM)(又はインスリン抵抗、インスリン非依存型糖尿病、NIDDMと呼ばれる)という2種のタイプがある。治療上では、I型糖尿病(type-I DM)はインスリン注射により処理され、II型糖尿病(type-II DM)は必ずしもインスリンにより処理するわけではなく、更にインスリン抵抗の病理学的原因によるものである。
従来、II型糖尿病に対する薬物治療は以下の5種類に分けられている:第一種類薬物は膵臓によるインスリン生成を増加させることができ、例えばスルホニル尿素類(Sulfonylureas)、メグリチニド(Meglitinides)及びStitagliptinである;第二種類薬物は肝臓による糖の生成を低下させ、例えばMetforminである;第三種類薬物は尿による糖の排泄を増加させ、例えばCanagliflozinである;第四種類薬物は脂肪組織及び筋肉におけるインスリン抵抗を低下させ、例えばチアゾリジンジオン類(Thiazolidinediones)である;第五種類薬物は腸内での糖の吸収を遅延及び/又は低下させ、例えばα-グルコシダーゼ阻害剤(alpha-glucosidase inhibitors)である。しかしながら、これらの薬物はある天然の代謝経路に対する動力学的性質のため、常に低血糖(スルホニル尿素類、メグリチニド、Stitagliptin及びα-グルコシダーゼ阻害剤)、腎不全(Metformin及びCanagliflozin)、心不全(Metformin及びチアゾリジンジオン類)、胃腸障害(Metformin及びα-グルコシダーゼ阻害剤)、及び浮腫と貧血(チアゾリジンジオン類)を含む異なる程度の副作用を示す。ある悪い場合に、ひいては死亡に至る報道もある。
II型糖尿病を処理し、腎不全及び心不全などの致命的問題を予防するための最良な方法は腸内での糖の吸収を遅延及び低下させることであるが、エネルギーの供給を失わない条件で前記方法を行うことができる。従来、例えばα-グルコシダーゼ阻害剤といった抗糖尿病薬は、腸内で炭水化物を単糖に変換する酵素を抑制する機能を有し、且つこれによって腸内での糖の吸収を阻害する。しかしながら、消化されていない炭水化物が結腸細菌と反応して、胃腸管上の問題、例えば鼓腸及び下痢を誘発する懸念がある。良い一方で、この副作用が肥満を減らすのに寄与するが、糖の吸収の遮断も体がエネルギーの供給を失うことを意味する。したがって、α-グルコシダーゼ阻害剤の過剰は糖尿病患者の急性低血糖症を引き起こすことができる。
近年、糖類及び糖類の代用品、例えば人工甘味料が糖尿病患者の糖不耐症を悪化させる状況は更に注目されている(Suez et al., (2014)Nature in press, doi:10.1038/nature13793)。
要するに、いままでにII型糖尿病の処理では、正常な身体エネルギー供給を同時に維持することができる安全な薬剤/物又は糖類の代替品がない。したがって、腸内での糖の吸収を低下させることができるだけでなく、もう一つの身体エネルギー供給源を提供する新規な抗糖尿病組成物を開発する必要がある。
発明の概要
幹細胞は宝箱のように、美容、薬学及び治療的薬物及び/又は応用を設計及び開発するための種々の有効成分を含有する。前記薬物及び/又は応用は、生体細胞/組織/臓器の再生の誘発及び促進、受傷組織と臓器の修復/治癒、老化細胞/組織/臓器の活性化、変性疾患(即ち癌、糖尿病、骨粗鬆症、パーキンソン病及びアルツハイマー病……など)の処理、並びに腫瘍/癌の生成、発展及び転移の回避を含むが、これらに制限されない。これらのことに基づいて、発明者は2008年前半にマイクロリボ核酸で誘発される多能性幹細胞(iPSCs)を生産する新規な技術(Lin氏ら,2008、2010及び2011)を開発し、且つ該iPSCsを臨床実験及び使用に潜在的に使用される薬物原料の選別、同定、分離及び生産に使用することに成功した(ChenとLin、(2013)Recent Patents on Regenerative Medicine 3,5-16)。
糖アルコール(sugar alcohols)は糖から誘導したポリオール(polyol alcohols, polyhydric alcohol, polyalcohol, glycitol)の一般的な種類である。糖アルコールにiPSCsの早期にも大量のグリシン化の発生が発見された。化学上でポリマーに対する定義に応じて、ポリオール(polyol)は有機反応に関与できる活性な複数の水酸基を有する化合物であり、重合したポリオール(polymeric polyols)はポリエーテル又はポリエステルの態様を有する場合が多い。ほとんどの糖アルコールは白く、水溶性の天然に存在する物質であり、且つ保湿剤、増粘剤及び甘味剤として、美容術、薬学及び食品工業によく使用される。糖アルコールは一般的に化学式H(HCHO)n+1Hで示され、その化学式は糖のH(HCHO)nHCOとは異なる。更に、糖アルコールは、糖のように環状構造を形成する傾向があることはない。しかしながら、糖アルコールが脱水によって環状エーテルを形成でき、例えばソルビトールが脱水によってイソソルビド(isosorbide)を形成する。糖アルコールは異なる鎖長を有し、且つ鎖の炭素分子毎に1つの水酸基(OH)が結合されている。糖アルコールは更に水酸基の相対方位(立体化学)によって違っており、例えば、マンニトールとソルビトールとは異性体であり、同じ化学式C6H8(OH)6を有するが、第2の炭素原子(C2)における水酸基の方位が互いに異なる。一般的な糖アルコールとしては、アルジトール(alditol)、アラビトール(arabitol)、エリトリトール(erythritol)、フシトール(fucitol)、ガラクチトール(galactitol)、グリセリン(グリセロール)(glycerol, glycerin)、イジトール(iditol)、イノシトール(inositol)、イソマルト(パラチニット)(isomalt)、ラクチトール(lactitol)、マルチトール(maltitol)、マンニトール(mannitol)、ポリグリシトール(水素化グルコース)(polyglycitol)、ソルビトール(sorbitol)、トレイトール(threitol)、ボレミトール(volemitol)、及びキシリトール(xylitol)を含むが、これらに制限されない。
糖アルコールは、モノグリシルグリセロール(monoglycylated glycerol、 MGG)、ジグリシルグリセリン(diglycylated glycerin、 DGG)、及びトリグリシルグリセリド(triglycylated glyceride、 TGG)という3種に分けられている。高速液体クロマトグラフィーを使用して、純粋なMGG及び一部混合したDGGとTGGを分離して収集することができる(図1)。さらなる立体化学的解析から、MGGの構造は単糖類、例えばグルコース、フルクトース、及びガラクトースに類似するが、DGGとTGGの構造は二糖類に類似すると示される。構造上の類似性のため、MGGは単糖を置換して糖尿病患者の糖の吸収を干渉及び減少することができる可能性がある。
本発明はこの新規な糖様(sugar-like)グリシン化糖アルコール化合物が糖尿病の処理に使用されることができることを初めて認識して開示する。更に、本発明は、グリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の糖尿病の高血糖症状及び肥満症を治療する課題上での使用方法を提供することを目的とし、該方法は、グリシン化反応で修飾された、化学式H(HCHO)n+1Hを有する少なくとも1つの糖アルコール、又は化学式H(HCHO)nHCOを有する少なくとも1つの糖に由来するグリシン化糖又はグリシン化糖アルコールを含有する組成物を投与することを含む。
本発明は糖尿病の高血糖症状と肥満症の治療を開発するための組成物を提供する。該組成物は、グリシン化反応で修飾された、少なくとも1つの化学式H(HCHO)n+1Hを有する糖アルコール、又は少なくとも1つの化学式H(HCHO)nHCOを有する糖に由来するグリシン化糖又はグリシン化糖アルコールを含む。
図面及び実施例を特に参照するが、制限するものではなく、説明するためのものだけである。
Suez et al., (2014) Nature in press, doi: 10.1038/nature13793 Chen and Lin, (2013) Recent Patents on Regenerative Medicine 3, 5-16
図1は高速液体クロマトグラフィーによってDGG/TGGとMGGを分離することを示す。 図2Aは中度脱水のグリシン化の化学反応及びそれにより生成したモノグリシン化糖アルコール(モノグリシル化糖アルコール)(monoglycylated sugar alcohols MGG)を示し、該モノグリシン化糖アルコールは1-モノグリシルグリセロール、3-モノグリシルグリセロール、及び2-モノグリシルグリセロールを含む。モノグリシルグリセロールの化学式はpHの状態に応じてNH2CH2CO(HCHO)3H又はNH3 CH2CO(HCHO)3Hである。 図2B及び2Cは高度脱水のグリシン化及び生成したジグリシン化糖アルコール(DGG)及びトリグリシン化糖アルコール(TGG)を示す。グリセリン(グリセロール)のグリシン化を例とし、ジグリシルグリセリン(2B;DGG)と1,2,3-トリグリシルグリセリド(2C;TGG)という2種のグリシン化の高い生成物がある。 図3はグリシン化糖アルコール、例えばMGGの細胞内での代謝を示す概念図である。例えば、構造上の類似性のため、MGGはGLUT2-媒介のポータブル輸送又はピノサイトーシスによって吸収される。細胞により摂取された後に、MGGが解糖作用に類似する機構によってピルビン酸に処理され、ピルビン酸がその他の重要な生物代謝、例えばクレブス回路(Krebs cycle)及び糖新生には有用である。 図4はグリシン化糖アルコールを含有する抗糖尿病薬物の糖尿病を持つマウスの高血糖症状上での生体内治療効果を示す。(マウス:雄、8週齢C57BL/6J、合計6匹) 図5はグリシン化糖アルコールの飲食による肥満症を持つマウスの体重変化上での効果を示す。(マウス:雄、8週齢C57BL/6J、合計6匹)
図2A-2Cは、糖アルコールのグリシン化という新規な化学反応を示し、該化学反応によりMGG、DGG及びTGGを生成する。従来、アミノ酸間のグリシン化の発生のみが観察されたが、糖アルコール又は糖でこの反応が発見されていなかった。ここで定義されたように、グリシン化(グリシル化)は糖アルコール又は糖の水酸基(HO-)をグリシンのグリシル基(NH2CH2COO-又はNH3 CH2COO-)で置換する化学反応であり、またこの反応により該糖/糖アルコールの水酸基が脱去された炭素原子と該グリシル基(glycyl group)との間でエーテル結合(R-O-R)を形成する。この反応は脱水による縮合反応を含む。グリセリン(グリセロール)を糖アルコールとするグリシン化では、1-、2-、又は3-モノグリシルグリセロール(MGG;図2A)、1,2-、又は2,3-、又は1,3-ジグリシルグリセリン(DGG;図2B)、及び1,2,3-リグリシルグリセリド(TGG;図2C)という3種類のグリシン化生成物がある。この例において、グリシン化は部分的又は完全な反応であってもよく、例えば、MGG及びDGGは部分的グリシン化の生成物であり、TGGは完全グリシン化の生成物である。MGG、DGG及びTGGは酸性条件、例えば胃腸管系(GI)内で負に帯電したため、糖を細胞に吸収するグルコース輸送体(GLTU)に対して高い親和性を有する。したがって、MGG/DGG/TGGとGLUTとの結合によって糖がGLUTの吸収で体内、特にGI系内に入ることを防止する。同様に、糖アルコールに類似し、グルコース、フルクトース、ガラクトースを含む単糖など、ショ糖及びラクトースもグリシン化によって修飾されることによって、糖尿病患者の糖の摂取を低下させる。
天然の糖のように、これらのグリシン化糖アルコールはグルコース輸送体(GLUT)及び/又はGLUTにより制御したエンドサイトーシスによりヒト細胞に吸収されることができる。例えば、図3は、ヒト肝細胞HepG2において、大部分のMGGがGLUT2[溶質キャリアーファミリー2(促進性グルコース輸送体)メンバー2(SLC2A2)とも呼ばれる]を介して、タンパク質のコンホメーション変化及び輸送機構によって吸収される。しかしながら、一部のMGG、大部分のDGG及びTGGは、高い親和性によりGLUT2と結合するため、糖の流入に必要なコンホメーション変化を阻害する。その他の経路では、細胞は他のエンドサイトーシス機構を活性化させ、GLUT2とMGG/DGG/TGGとの結合に従ってGLUT2を摂取することにより、細胞表面におけるGLUT2を減少させ、胃腸管(GI)細胞の糖吸収を低下させる。
細胞内のグリシン化糖アルコールの詳しい代謝「グリシルグリセロリシス(glycylglycerolysis)」を図3に示す。細胞内に吸収された後に、グリシン化された糖アルコール、例えばMGGはまずジヒドロキシアセトンリン酸(dihydroxyacetone phosphate (DHAP))に処理され、次に、その異性体であるD-グリセルアルデヒド-3-リン酸(D-glyceraldehyde-3-phosphate (GADP))になる。その後に、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GADPH)によりGADPをD-1,3-ビスホスホグリセリン酸(D-1,3-bisphosphoglycerade(1,3-BGP))に変換し、続いてホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)との触媒反応により3-ホスホグリセリン酸(3-PG)になり、更にホスホグリセリン酸ムターゼ(PGM)により2-ホスホグリセリン酸(2-PG)に変換し、次に、エノラーゼによりホスホエノールピルビン酸(PEP)に変換する。最終的に、PEPがキナーゼ(PK)によりピルビン酸に変換した後に、最終生成物であるピルビン酸は最後に(クレブス回路又はクエン酸回路で)細胞により利用されてエネルギーが発生し、(糖新生により)糖を生成し、且つその他の細胞代謝に関与することができる。したがって、これらのグリシン化糖アルコールは糖尿病患者の血における糖のレベルを低下させることができるだけでなく、もう一つのエネルギー供給源として使用でき、これによって、よく見られた、過剰の抗糖尿病薬、例えばα-グルコシダーゼ阻害剤による急性低血糖症を予防する。
グリシン化糖アルコールが人類胃腸系内の糖吸収を低下させることにより機能するため、経口投与がこのような薬物を送達するための最適な方法である。なお、グリシン化糖アルコールを生産する原料は糖アルコール及びグリシンである一方で、両者が食物源であり、またこのような薬物はテストによって、マウス(四十分の一の体重)体内での投与量が1グラムに達する時に毒性又は低血糖の兆候がない。しかしながら、投与量が高い(>0.65グラム/匹マウス)群では、その中の15%〜20%のマウスにおいて食事後に軽度乃至中度の下痢が観察された。糖尿病及び肥満症の処理での薬効を更にテストするために、発明者は食事前に飲食による糖尿病C57BL/6Jマウス(n=3)毎に1ミリグラム精製されたMGGを1ミリリットル与え、また、別に1ミリリットルの再蒸留水をコントロール群のC57BL/6Jマウス(n=3)に与えた。薬物を投与した後に、マウス毎に毎食に4ミリグラムのグルコース及び2グラムのKayteeマウス飼料を混合した高炭水化物ミールを与える。次に、食事後0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5及び4時間後に、Bayer Contour Next USBシステムによって全血糖レベルを測定する。合計で4時間の測量期間において水の摂取を停止させる。
図4は血糖レベルの変化結果を示す。MGGで処理したマウスは、血中グルコースが測定によって食事後0時間に85、91、77 mg/dL(平均値84.3±7.0 mg/dL)であり、食事後0.5時間に135、147、121 mg/dL(平均値134.3±13.0 mg/dL)であり、食事後1時間に157、151、147 mg/dL(平均値151.7±5.5 mg/dL)であり、食事後1.5時間に155、131、158 mg/dL(平均値148±13.4 mg/dL)であり、食事後2時間に129、137、133 mg/dL(平均値133±4.0 mg/dL)であり、食事後2.5時間に97、121、101 mg/dL(平均値106.3±12.0 mg/dL)であり、食事後3時間に91、89、88 mg/dL(平均値89.3±1.5 mg/dL)であり、食事後3.5時間に93、85、83 mg/dL(平均値87±5.0 mg/dL)であり、また食事後4時間に88、93、85 mg/dL(平均値88.7±4.0 mg/dL)である。測定されたデータに基づいて普通人の体から測定されたデータに類推すると、発明者はグリシン化糖アルコール、例えばMGGによる処理によって、糖尿病を持つ個体が高炭水化物ミールを摂取した後に、明らかに個体に正常に接近/類似する血糖レベルを維持させることができると推論する。一方で、処理しなかったコントロール群のマウスでは、血中グルコースが測定によって食事後0時間に73、79、88ミリグラム/デシリットル(平均値80±7.5ミリグラム/デシリットル)であり、食事後0.5時間に255、167、315ミリグラム/デシリットル(平均値245.7±74.0ミリグラム/デシリットル)であり、食事後1時間に375、267、415ミリグラム/デシリットル(平均値345.7±74.0ミリグラム/デシリットル)であり、食事後1.5時間に315、281、379ミリグラム/デシリットル(平均値325±49.0ミリグラム/デシリットル)であり、食事後2時間に295、285、311ミリグラム/デシリットル(平均値297±13.0ミリグラム/デシリットル)であり、食事後2.5時間に264、284、315ミリグラム/デシリットル(平均値287.7±25.5ミリグラム/デシリットル)であり、食事後3時間に171、222、299ミリグラム/デシリットル(平均値230.7±64.0ミリグラム/デシリットル)であり、食事後3.5時間に157、199、285ミリグラム/デシリットル(平均値213.7±64.0ミリグラム/デシリットル)であり、また食事後4時間に143、166、213ミリグラム/デシリットル(平均値173.7±35.0ミリグラム/デシリットル)である。発明者はMGGで処理されたマウスから得られたデータと、処理されなかったマウスから得られたデータを更に比較すると、グリシン化糖アルコールで処理されることによってグルコースの吸収及び血糖値を顕著に低下させることができるため、糖尿病を持つ動物の高血糖症状を成功に防止した。
なお、MGGで処理されたマウスでは体重損失も観察された。それに対して、コントロール群では体重の損失がない。図5に示すように、糖尿病C57BL/6Jマウス(n=3)を毎食(毎日三回の高炭水化物ミール)前に1ミリグラムのMGG(1ミリリットルの再蒸留水に溶解)で約1ヵ月処理し、その後、マウスには約16%〜30%(平均値23%)の体重の損失が観察された。それに対して、1ミリリットルの再蒸留水のみで処理したコントロール群のマウス(n=3)は平均49%超の体重を得た。この結果は、グリシン化糖アルコールの生体に対してもう一つの潜在的な肥満症、特に糖尿病に関連する肥満症の治療上での用途を明らかに示す。
上記の実験結果に基づいて、発明者は、本発明に係る新規なグリシン化糖アルコール組成物は糖尿病の高血糖症状及び肥満症を治療することに用いられることができるだけでなく、他の抗糖尿病薬によく見られた低血糖リスクを予防することができることを確認した。したがって、この単糖類との競争によって胃腸管系内の糖摂取を阻害又は減少する新薬は糖尿病患者により安全且つより効果的な治療をもたらすことができる。注意すべきなのは、グリシン化糖アルコール組成物を製造するために用いる全ての原料は全く毒性がなく、且つ食品医薬品局(FDA)の規定に準拠して、安全であるため、この新規な抗糖尿病薬も栄養補助食品として、糖尿病患者の日常看護に用いられる。
A.定義
本発明をより理解しやすくするために、幾つかの名詞を以下のように定義する。
処理される細胞:体細胞、組織細胞、幹細胞、生殖腺細胞、腫瘍細胞、癌細胞及びそれらの組合せからなる群から選ばれる1個又は複数個のヒト又は動物細胞である。
グリシン化(グリシル化):化学反応であって、糖アルコール又は糖の水酸基(-OH)がグリシン又はグリシルアミノ酸のグリシル基(NH2CH2COO-又はNH3 CH2COO-)で置換され、且つ該糖アルコール/糖の水酸基を脱去した炭素原子と該グリシン及び/又はグリシルアミノ酸のグリシル基(glycyl group)との間でエーテル結合(R-O-R)を形成する。
薬学上及び治療上の応用:生物医学上の使用であり、診断の処理方法、装置及び/又は設備、幹細胞の生成、幹細胞研究及び/又は治療開発、組織/臓器の回復及び/又は再生、傷口の治癒処理、腫瘍抑制、癌の治療及び/又は予防、疾患処理、糖尿病及び肥満症の処理、薬物の生産、及びこれらの組合せに用いられる。
原核細胞:単細胞生物であり、該単細胞生物は明らかな膜結合(membrane-bound)の細胞核が欠如しており、且つその遺伝物質はDNAの連続鎖(continuous strand)として存在し、該単細胞生物は例えば細菌、古細菌である。
真核生物又は真核細胞:単細胞又は多細胞生物であり、該単細胞又は多細胞生物の細胞は膜結合の細胞核及びその他の構造(細胞小器官)を含有し、該単細胞又は多細胞生物は例えば酵母菌、植物、動物である。
B.組成物及び応用
本発明は新規なグリシン化糖アルコール組成物及びその糖尿病の高血糖症状及び肥満症の治療する課題上での使用方法を開示し、該グリシン化糖アルコール組成物はグリシン化反応で修飾された少なくとも1つの糖アルコール又は少なくとも1つの糖を含む。
なお、本発明は新規なグリシン化の方法及びその正に帯電した糖アルコールと糖の化合物の製造上での使用方法も開示し、該正に帯電した糖アルコールと糖の化合物は静電親和力(electrostatic affinity)及び/又は構造的類似性(structural similarity)によって負に帯電した物質、例えば細胞表面受容体及び膜貫通輸送体を妨げることができる。
本発明が開示したグリシン化糖アルコール/糖組成物、及び糖アルコールと糖とのグリシン化反応は本願で主張される米国優先権出願(出願番号14/457,829、出願日2014年8月12日、発明名称「生体内及び体外で核酸類薬物を送達するための新規な糖アルコール類組成物」)に初めて報道された。更に、このグリシン化糖アルコール及び/又は糖の糖尿病及び肥満症の治療上での使用方法は完全に新規で、従来報道したことはない。なお、本発明に初めて開示したグリシン化糖アルコールに関する代謝は、関連代謝性疾患、例えば糖尿病と肥満症を治療する医薬及び/又は栄養補助食品の開発に寄与する。
実施例
以下の実験説明において、次の略語が使用されている。M(モラー、molar)、mM(ミリモラー、millimolar)、μm(マイクロモラー、micromolar)、mol(モル、moles)、pmol(ピコモル、picomole)、gm(グラム、grams)、mg(ミリグラム、milligrams)、μg(マイクログラム、micrograms)、ng(ナノグラム、nanograms)、L(リットル、liters)、ml(ミリリットル、milliliters)、μl(マイクロリットル、microliters)、℃(摂氏温度、degrees Centigrade)、RNA(リボ核酸、ribonucleic acid)、DNA(デオキシリボ核酸、deoxyribonucleic acid)、dNTP(デオキシリボヌクレオチド-3リン酸、deoxyribonucleotide triphosphate)、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、phosphate buffered saline)、NaCl(塩化ナトリウム、sodium chloride)、HEPES(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタンスルホン酸、N-2-hydroxyethylpiperazine-N-2-ethanesulfonic acid)、HBS(HEPES緩衝生理食塩水、HEPES buffered saline)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム、sodium dodecylsulfate)、Tris-HCl(トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩、tris-hydroxymethylaminomethane-hydrochloride)、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション、American Type Culture Collection、Rockville、MD)、hESC(ヒト胚性幹細胞、human embryonic stem cells)、及びiPSC(誘導多能性幹細胞、induced pluripotent stem cells)。
1.グリシン化糖アルコール組成物の製造
糖/糖アルコールのグリシル化の天然メカニズムはまだ明らかではないが、発明者は既にグリシル化糖アルコール及びグリシル化糖を人工で生成する化学ステップ及び方法を開発した。まず、1.0 M濃度のグリセリン又はフルクトース、及び0.9%(w/v)水酸化ナトリウムを含有する再蒸留水溶液を準備した。次に、グリシンを該溶液に加えて混合した。且つグリシンは該溶液で0.05〜0.3 M(この部分が達成したい最終のグリシン化糖アルコール/糖濃度に応じて調整される)の最終濃度に達した。4℃で、持続的な攪拌で一晩保存し、含まれた水分がほぼ完全に蒸発するまで、グリシンを加えた溶液を45℃より高い温度まで、好ましくは94℃より高い温度まで加熱した。この乾式脱水(dry-style dehydration)ステップでは一般的に約35%のMGG、及び約65%のDGG/TGGを生成する。使用前に、所望の体積の殺菌再蒸留水を加えることによって、該乾式反応による生成物を溶解して、並びに該グリシン化糖アルコールの最終濃度を調整することができる。一方で、MGGの生成率を向上させるために、発明者はオートクレーブを使用した湿式脱水ステップを更に設計した。前述とは異なり、グリシン及びグリセリンと水酸化ナトリウム溶液を混合した後に、この混合物をオートクレーブに入れ、約121℃及び100 kPaで乾式滅菌サイクルを行う。滅菌サイクルが終了した後に、反応物には約78%のMGG及び約22%のDGG/TGGが含まれる。使用前に、所望の体積の殺菌再蒸留水を加えることによって該グリシン化糖アルコールの最終濃度を調整することができる。MGG、DGG及びTGGの化学構造を図2A〜2Cに示す。
2.ヒト細胞処理及び培養
ATCCから入手したヒト肝細胞株HepG2を、メーカーの提案に従って、37℃及び5%CO2の環境に培養する。
3.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析
MGG、DGG及びTGGの電荷の違いに応じて、本発明は逆相HPLC(reverse-phase HPLC)法を採用してMGGをDGG及びTGGから分離する。Ultimate 3000高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置(Thermo Scientific)及びDNA Pac PA-100カラム(BioLC Semi-Prep 9×250 mm)を使用し、3.6 ml/minの流速で行った。出発緩衝液(starting buffer)が50mMのTris-HCl(pH 7.6)であり、移動緩衝液(mobile buffer)が50mMのTris-HCl(pH 7.6)及び500mMの過塩素酸ナトリウムである。UV検出器にて260 nmの波長で、異なる電荷を持つグリシン化糖アルコールのシグナルを測定した。結果を図1に示す。
4.グリシン化糖アルコールで処理された糖尿病マウスの生体評価
MGGの糖尿病治療上での薬効をテストするために、発明者は、食事前に飲食による糖尿病C57BL/6Jマウス(雄、8週齢、n=3)毎に対して、1ミリリットルの1ミリグラム精製されたMGGで処理した。コントロール群のC57BL/6Jマウス(雄、8週齢、n=3)には再蒸留水を1ミリリットルを与えた。薬物を投与した後に、マウス毎に毎食にグルコース4ミリグラム及びKayteeマウス飼料2グラムを混合した高炭水化物ミールを与えた。次に、食事後0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5及び4時間後に、Bayer Contour Next USBシステムによって全血糖レベルを測定した。処理前の4時間及び食事後の4時間において水及び食物の供給を停止した。しかしながら、毎食の間に、マウス毎に2ミリリットルの再蒸留水を与えた。結果を図4に示す。
5.グリシン化糖アルコールで処理された肥満症マウスの生体評価
MGGの肥満症の治療上での薬効をテストするために、発明者は、食事前に飲食による糖尿病C57BL/6Jマウス(雄、8週齢、n=3)毎に対して、1ミリリットルの1ミリグラム精製されたMGGで処理した。コントロール群のC57BL/6Jマウス(雄、8週齢、n=3)には再蒸留水を1ミリリットル与えた。薬物を投与した後に、マウス毎に毎食にグルコース4ミリグラム及びKayteeマウス飼料2グラムを混合した高炭水化物ミールを与えた。約1ヵ月の期間において、マウス毎に毎日に処理及び食事を三回した。再蒸留水の供給に制限がない。結果を図5に示す。
6.統計分析
10%を超える信号強度の変化はいずれも陽性結果と見なされ、これらの結果は分析された後、平均値±標準差(mean±SE)で表された。データの統計分析は一元配置分散分析(one-way ANOVA)で計算された。主効果が有意な場合、ダネットのポストホックテスト(Dunnett’s post-hoc test)でコントロール群と有意に差異がある群を判定した。2つの処理群間の一対比較を行う場合、両側スチューデントt検定(two-tailed student t test)を使用した。2群以上の処理群を含む実験について、ANOVA後にポストホック多重範囲検定(post-hoc multiple range test)を行った。確率p<0.05は統計的に有意と認められた。すべてのp値は両側検定で決定された。
参照文献
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Claims (30)

  1. グリシン化反応で修飾された、化学式H(HCHO)n+1Hを有する少なくとも1つの糖アルコール又は化学式H(HCHO)nHCOを有する少なくとも1つの糖に由来するグリシン化糖又はグリシン化糖アルコールを含有する組成物を投与することを含む、グリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の糖尿病の高血糖症状及び肥満症を治療する課題での使用方法。
  2. 該グリシン化は化学反応であって、該糖又は該糖アルコールの少なくとも1つの水酸基(-OH)がグリシン又はグリシン化アミノ酸の少なくとも1つのグリシル基(NH2CH2COO-又はNH3 CH2COO-)で置換される、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  3. 該糖アルコール又は該糖は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、アルジトール、アラビトール、エリトリトール、フシトール、ガラクチトール、グリセリン(グリセロール)、イジトール、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、トレイトール、ボレミトール、キシリトール及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  4. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールはモノグリシルグリセロール(MGG)を含む、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  5. 該モノグリシルグリセロールは化学式NH2CH2CO(HCHO)3H又はNH3 CH2CO(HCHO)3Hを有する、請求項4に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  6. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは正に帯電した、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  7. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは更に溶液に存在し、且つ0.1 μM〜10 Mの濃度範囲を有する、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  8. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは生体内で単糖と腸管内での吸収を競争する、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  9. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは腸管内での糖吸収を妨げる、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  10. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールはグルコース輸送体を介して細胞により吸収される、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  11. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは栄養補助食品である、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  12. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは生体内のグルコースの吸収を低下させ、糖尿病の高血糖症状と肥満症を防止する、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  13. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは抗糖尿病薬及び治療の開発に用いられる、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  14. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは抗肥満薬及び治療の開発に用いられる、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  15. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは美容、薬学及び治療上での応用に用いられる、請求項1に記載のグリシン化糖又はグリシン化糖アルコール組成物の使用方法。
  16. グリシン化反応で修飾された、少なくとも1つの化学式H(HCHO)n+1Hを有する糖アルコール又は少なくとも1つの化学式H(HCHO)nHCOを有する糖に由来するグリシン化糖又はグリシン化糖アルコールを含む、糖尿病の高血糖症状と肥満症の治療を開発するための組成物。
  17. 該グリシン化は化学反応であって、該糖又は該糖アルコールの少なくとも1つの水酸基(-OH)がグリシン又はグリシン化アミノ酸の少なくとも1つのグリシル基(NH2CH2COO-又はNH3 CH2COO-)で置換される、請求項16に記載の組成物。
  18. 該糖アルコール又は該糖は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、アルジトール、アラビトール、エリトリトール、フシトール、ガラクチトール、グリセリン(グリセロール)、イジトール、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、トレイトール、ボレミトール、キシリトール及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項16に記載の組成物。
  19. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールはモノグリシルグリセロール(MGG)を含む、請求項16に記載の組成物。
  20. 該モノグリシルグリセロールは化学式NH2CH2CO(HCHO)3H又はNH3 CH2CO(HCHO)3Hを有する、請求項19に記載の組成物。
  21. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは正に帯電した、請求項16に記載の組成物。
  22. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは更に溶液に存在し、且つ0.1 μM〜10 Mの濃度範囲を有する、請求項16に記載の組成物。
  23. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは生体内で単糖と腸管内での吸収を競争する、請求項16に記載の組成物。
  24. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは腸管内の糖吸収を妨げる、請求項16に記載の組成物。
  25. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールはグルコース輸送体を介して細胞により吸収される、請求項16に記載の組成物。
  26. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは栄養補助食品である、請求項16に記載の組成物。
  27. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは生体内のグルコースの吸収を低下させ、糖尿病の高血糖症状と肥満症を防止する、請求項16に記載の組成物。
  28. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは抗糖尿病薬及び治療の開発に用いられる、請求項16に記載の組成物。
  29. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは抗肥満症薬及び治療の開発に用いられる、請求項16に記載の組成物。
  30. 該グリシン化糖又は該グリシン化糖アルコールは美容、薬学及び治療上での応用に用いられる、請求項16に記載の組成物。
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