JP2017507940A - タンパク質調製物の凝集体含有量をアリールアニオン処理によって減少させる方法 - Google Patents

タンパク質調製物の凝集体含有量をアリールアニオン処理によって減少させる方法 Download PDF

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Abstract

標的タンパク質を含む調製物の凝集体含有量を減少させる方法は、調製物をアリールアニオンと接触させて、混合物を形成するステップ、及び混合物を少なくとも1種の電気陽性固体と接触させて、過剰のアリールアニオンを除去するステップを含む。【選択図】なし

Description

本明細書に開示した実施形態は、抗体を含めたタンパク質の精製を高める方法に関する。それらは、特に、凝集体のレベルを低下させる方法に関し、細胞培養収集物の浄化方法と組み合わせることができる。それらは、さらに、これらの性能を別の精製法と統合して所望のタンパク質純度レベルを得ることに関する。
凝集体除去は、タンパク質精製の重要な一態様である。低濃度の黄色蛍光性複素環式色素エタクリジンは、抗体製剤の凝集体含有量を減少させ、この結果がクロマチン除去の結果であり得ることが示された(非特許文献1)。エタクリジンは、タンパク質沈殿剤として長い歴史がある。
アリールアニオン性色素メチルブルーは、組織学的染色に使用され、微生物燃料電池において電子伝達を媒介するのに使用されている。メチルブルーは、コットンブルー、ヘルベチアブルー及びアシッドブルー93の名称でも知られる。この試薬は、タンパク質分画の分野では使用されていない。
ガン(Gan)ら、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィA(J.Chromatography A)1291(2013)33〜40
一部の態様においては、本明細書に開示した実施形態は、標的タンパク質を含む調製物の凝集体含有量を減少させる方法であって、調製物をアリールアニオンと接触させて、混合物を形成するステップ、及び混合物を少なくとも1種の電気陽性固体と接触させて、過剰のアリールアニオンを除去するステップを含む方法に関する。
本明細書に開示した実施形態は、タンパク質調製物などの所望のタンパク質を含む試料中の凝集体の量を、調製物をアリールアニオンで処理することによって減少させる方法を提供する。ある実施形態においては、複合体及び/又は凝集体の削減は、低レベルのアリールアニオンを用いて成される。ある実施形態においては、試料を高導電率値(塩濃度)において処理する。ある実施形態においては、処理試料は、続いて、アリールアニオン及び凝集体をタンパク質調製物から選択的に除去する化学成分を有する固体材料に暴露される。
タンパク質の精製のための方法及びキットを提供する。一部の実施形態においては、開示した方法は、抗体又は別のタンパク質の調製物由来の凝集体を、かかる所望のタンパク質と1種以上のアリールアニオンの接触によって削減する。ある実施形態においては、開示した方法は、いわゆる生理的条件からかかる条件の最高3倍以上の導電率値までの範囲の導電率レベルで実施することができる。かかる高導電率レベルによって、該方法を酸性タンパク質に、処理中のその沈殿の恐れなしに適用することができ、それによって、開示した方法を適用することができる所望のタンパク質種の多様性を増すことができる。ある実施形態においては、開示した方法は、0.1%から1.0%などの低濃度のアリールアニオンを用いて実施することができる。開示した方法は、ある実施形態においては、通常、宿主タンパク質の汚染の削減と並行して、処理されたタンパク質調製物を、凝集体含有量を減少させる処理能力全体を高める固体材料と接触させるステップを提供し、過剰のアリールアニオンを除去する追加の利点を提供する。ある実施形態においては、アリールアニオンはメチルブルーである。
ある実施形態においては、開示した方法は、ホモ凝集体などの所望のタンパク質よりも分子量が高い凝集体のレベルを低下させ、ヘテロ凝集体などの所望のタンパク質よりもわずかしか大きくない流体力学的サイズの凝集体のレベルも低下させる。ある実施形態においては、凝集体は、所望のタンパク質と混入物のヘテロ凝集体を含み、ある種のかかる実施形態においては、混入物は、核酸、ヌクレオチド、エンドトキシン、金属イオン、タンパク質、脂質又は細胞培地成分である。ある実施形態においては、所望のタンパク質のホモ凝集体が実質的に存在しなくなる。ある実施形態においては、所望のタンパク質と混入物のヘテロ凝集体が実質的に存在しなくなる。ある実施形態においては、所望のタンパク質を含まないホモ及びヘテロ凝集体が実質的に存在しなくなる。
ある実施形態においては、開示した方法は、さらに、凝集体の削減に加えて、DNA、エンドトキシン、ウイルスレベルなどの混入物も削減する。ある実施形態においては、開示した方法は、アリールアニオン自体以外に抗ウイルス剤を追加して実施される。
ある実施形態においては、目的タンパク質種(例えば、精製すべき所望のタンパク質)は組換え起源であり、タンパク質調製物としては、細胞含有細胞培養収集物、細胞培養上清、浄化された細胞培養上清、クロマトグラフィカラムからの溶出物、又は精製の前段階から得られるタンパク質含有溶液を挙げることができる。ある実施形態においては、タンパク質調製物は抗体を含み、ある種のかかる実施形態においては、抗体は、IgG、IgM若しくはその断片的形態、又はFc融合タンパク質などの抗体若しくは抗体断片の融合タンパク質である。ある実施形態においては、所望のタンパク質は、第VIII因子などの凝固タンパク質とすることができる。ある実施形態においては、所望のタンパク質は、ヒト成長ホルモンなどのペプチドホルモンとすることができる。
ある実施形態においては、開示した方法は、試料の導電率が十分に高いレベルであり、所望のタンパク質が試料から実質的に沈殿しないように実施される。導電率は、当該技術分野で公知の方法に従って塩又は希釈剤の添加によって調節することができる。ある実施形態においては、導電率は、所望のタンパク質が実質的に沈殿しないようにするのに必要であると判断されるレベルよりも5mS/cm、10mS/cm、15mS/cm又は20mS/cm高い。ある実施形態においては、導電率は、12〜17mS/cmなどの生理学的導電率に対応すると一般に考えられる範囲である。ある実施形態においては、導電率は、20mS/cmを超え、25mS/cm、30mS/cm、35mS/cm、40mS/cm、45ms/cmであり、又は45mS/cmを超える。混入物の大部分を高い導電率において除去する方法の能力は、開示した方法の驚くべき特徴の一つである。というのは、これらの系における電荷相互作用は、高い導電率では低下することが知られているからである。ある実施形態においては、操作pHは、中性からわずかにアルカリ性とすることができ、それでもクロマチンを除去するのに十分有用である。一部の実施形態においては、操作pHは、6、5、4の値などの酸性とすることができ、結果として、より低いpHは非ヒストンタンパク質の除去により有効であり得る。かかる実施形態においては、導電率を低下させることも有用であり得る。
ある実施形態においては、アリールアニオンはメチルブルーである。関連する実施形態においては、アリールアニオンは、メチルブルー以外のアリールアニオンとすることができる。
ある実施形態においては、アリールアニオンは、凝集体の所望の減少度を高めるのに十分な実質的に最低の濃度で供給される。ある実施形態においては、アリールアニオンの濃度は、5%、1%、0.5%、0.1%、0.05%未満(重量/体積基準)とすることができる。ある実施形態においては、アリールアニオンは、0.1〜1.0%、又は0.2〜0.8%、又は0.04〜0.06%の濃度で供給される。
ある実施形態においては、開示した方法は、4〜7、又は4.5〜6.0、又は5.0から5.5、又は5.1から5.3、又は5.15から5.25、又は中間値の操作pHで実施することができる。
ある実施形態においては、試料をさらにリン酸トリ(n−ブチル)などの抗ウイルス剤と接触させる。かかる抗ウイルス剤は、約1%(w/v)未満、約0.1%(w/v)未満、又は約0.01%(w/v)未満、又は約0.001%未満の量で存在することができる。
ある実施形態においては、該方法は、さらに、ウレイドが試料に不溶であるのに十分な量のウレイドと試料を接触させるステップを含む。次いで、所望のタンパク質を含む上清を、沈殿混入物を含む試料の残りから分離することができる。ある種のかかる実施形態においては、試料をアリールアニオンと接触させるステップの前にウレイドを供給し、別の実施形態においては、試料をアリールアニオンと接触させるステップとほぼ同時にウレイドを供給し、更に別の実施形態においては、試料をアリールアニオンと接触させるステップの後にウレイドを供給する。ある種のかかる実施形態においては、ウレイドは、尿酸、ヒダントイン(イミダゾリジン−2,4−ジオン)、アラントイン(2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル)尿素、アルクロキサ、アルジオキサ、ヘモカン(hemocane)、ウレイドヒダントイン、5−ウレイドヒダントイン、グリオキシルウレイド、グリオキシル酸ジウレイド、2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル尿素(アラントイン)、イミダゾリジニル尿素、ジイミダゾリジニル尿素及びプリンのいずれかとすることができる。ある実施形態においては、ウレイドはアラントインであり、一部のかかる例においては、アラントインは、0.56%(w/v)、1%、1.5%、2%以上の濃度で存在する。ある実施形態においては、ウレイドは尿酸であり、一部のかかる例においては、尿酸は、0.0025%(w/v)、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、1%以上よりも高濃度で存在する。
ある実施形態においては、該方法は、さらに、ウレイドが十分に溶解する量のウレイドと試料を接触させるステップを含む。ある種のかかる実施形態においては、可溶性ウレイドは、尿素、イミダゾリジル尿素(imidazolydinal urea)、又は別のウレイドとすることができる。ある実施形態においては、ウレイドは尿素であり、一部のかかる例においては、尿素は、0.5Mを超える、又は1Mを超える、又は2Mを超える、又は4Mを超える、又は6Mを超える、又は8Mを超える濃度で存在する。これも、該方法の驚くべき性質を強調するものであり、沈殿の回避は、該方法の特別な一目的である。尿素などの可溶性の高いウレイドは、多数の化合物の溶解性を高める一般的効果を有し、すなわち、その存在が沈殿の形成を阻止する。
ある実施形態においては、開示した方法の有用性は、それらが細胞培養収集物中の細胞片の沈降も加速し、DNA、エンドトキシン及びウイルスが存在するときにはそのレベルを大きく低下させることによって高くなる。実験データの示唆するところによれば、凝集体、エンドトキシン及びウイルスと優先的に相互作用する一部のウレイドの能力は、これらの結果に寄与し、低レベルの溶解ウレイドは、ウレイドの非存在下での多価アニオンによる処理に比べてそれらが支持するより高い抗体回収に寄与し得る。処理後、固体材料を沈降又はろ過によって除去することができ、実質的に凝集体を含まないタンパク質が上清中に残る。
ある実施形態においては、開示した方法は、非イオン性有機ポリマー、有機溶媒、界面活性剤、ウレイドなどの可溶性有機調節物質と試料を接触させる追加のステップと一緒に実施することができる。ある種のかかる実施形態においては、試料を有機調節物質と接触させるステップは、試料をアリールアニオンと接触させるステップの前に行われる。別の実施形態においては、試料を有機調節物質と接触させるステップは、試料をアリールアニオンと接触させるステップとほぼ同時に行われる。更に別の実施形態においては、試料を有機調節物質と接触させるステップは、試料をアリールアニオンと接触させるステップの後に行われる。ある実施形態においては、有機調節物質は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどの非イオン性有機ポリマーであり、ある種のかかる実施形態においては、非イオン性有機ポリマーは平均分子量が約1000D以下、500D以下、250D以下又は100D以下である。ある実施形態においては、有機調節物質は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジメチルスルホキシド、エタノール、フェノキシエタノールなどの有機溶媒である。ある実施形態においては、有機調節物質を約1%(w/v)以上の濃度で供給する。ある実施形態においては、有機調節物質は、Tween、トリトン(triton)、CHAPS、CHAPSO、オクチルグルコシドなどの界面活性剤であり、ある種のかかる実施形態においては、界面活性剤を約1%(w/v)以下、約0.1%以下又は約0.02%(w/v)以下の濃度で供給する。ある実施形態においては、有機調節物質は、亜飽和量で供給されるウレイドであり、ある種のかかる実施形態においては、ウレイドは尿素、ヒダントイン又はアラントインである。
ある実施形態においては、開示した方法は、開示した方法のある種の方法の簡便な実施のためのキットを提供する。かかるキットは、開示した方法の実施に有用である試薬、例えば1種以上のアリールアニオン、ウレイド、有機調節物質、抗ウイルス剤、及び導電率の調節試薬を提供することができる。キットは、タンパク質の精製に使用される開示した方法の実施に適合した量及び濃度の材料を提供することができる。かかるキットは、IgG又はIgM抗体などのある種のタンパク質と一緒に使用されるように作製することができ、ある規模のタンパク質調製及び精製に適した量に適合させることができる。
ある実施形態においては、開示した方法は、追加の処理の前に固体が過剰のアリールアニオン又は別の試料成分を試料から選択的に除去する効果を有することを意図して、試料と固体材料の接触がその後に続くことができる。
ある実施形態においては、開示した方法は、より高い精製レベルを得るために、又は他の混入物を除去するために、従来のタンパク質精製法と組み合わせることができる。例えば、開示した方法は、沈殿、クロマトグラフィ及び液体−液体抽出法を含む従来の精製法に備えて実施することができる。これらの方法に適切な条件を構築し、それらを本明細書に記載の開示方法と統合して、生成物の所望の精製を行うことは当業者の能力の範囲内である。
ある実施形態においては、操作条件は、凝集体が減少する程度、及び所望のタンパク質が溶液中に残る程度を調節するために、pHに関して、及び/又はキレート化剤、有機ポリマー若しくは溶媒、界面活性剤、カオトロープ、及び様々な種類の塩の存在によって、変更することができる。
一部の実施形態においては、標的タンパク質を含む調製物の凝集体含有量を減少させる方法であって、調製物をアリールアニオンと接触させて、混合物を形成するステップ、及び混合物を少なくとも1種の電気陽性固体と接触させて、過剰のアリールアニオンを除去するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態においては、本明細書に開示した方法は、さらに、混合物を、同時に又は順次、少なくとも1種の追加の電気陽性固体と接触させるステップを含む。
一部の実施形態においては、本明細書に開示した方法は、さらに、混合物を過飽和アラントインと接触させるステップを含む。
一部の実施形態においては、アラントインは、(a)約0.6から約50%、(b)約1から約10%、及び(c)約1から約2%からなる群から選択される濃度範囲で存在する。
一部の実施形態においては、アリールアニオンはメチルブルーである。
一部の実施形態においては、アリールアニオンは、(a)約0.1%から約0.5%、(b)約0.02から約0.4%、及び(c)約0.25から約0.3%からなる群から選択される濃度範囲で存在する。
一部の実施形態においては、操作導電率は、(a)約0.1から約50mS/cm、(b)約1から約30mS/cm、及び(c)約5から約15mS/cmからなる群から選択される範囲である。
一部の実施形態においては、操作pHは、(a)約3から約8、(b)約4から約7、(c)約5から約6、(d)約4.5から5.5、(e)約5.1から約5.3からなる群から選択される範囲である。
一部の実施形態においては、混合物は、さらに、抗ウイルス剤リン酸トリ(n−ブチル)を含む。
一部の実施形態においては、少なくとも1種の電気陽性固体の表面が、静電相互作用、疎水性相互作用、水素結合及び金属親和性からなる群から選択される化学相互作用を促進する。
一部の実施形態においては、少なくとも1種の電気陽性固体は粒子である。
一部の実施形態においては、標的タンパク質は、組換えタンパク質、抗体、成長ホルモン及び凝固因子からなる群から選択される一種を含む。
一部の実施形態においては、調製物は、細胞含有細胞培養収集物、実質的に無細胞の細胞培養収集物、及び部分精製タンパク質からなる群から選択される一種である。
一部の実施形態においては、本明細書に開示した方法の簡便な実施のためのキットを提供する。かかるキットは、該方法を実施するための説明書と一緒に、該方法を実施するのに必要な1種以上の試薬を含むことができる。
用語は、開示した方法をより容易に理解できるように定義されている。追加の定義は、詳細な説明全体を通して記載されている。
「凝集体(単数又は複数)」とは、生理的条件で安定であり、広範囲のpH及び導電率条件で安定なままであり得る2個以上の分子の結合を指す。凝集体は、タンパク質、核酸、脂質などの少なくとも1種類の生体分子、及び別の分子又は金属イオンを含むことが多い。結合は、化学相互作用の任意のタイプ又は任意の組合せを介して起こり得る。抗体の凝集体は、2つのカテゴリに分類することができる。すなわち、「ホモ凝集体」とは、同一組成の2個以上のタンパク質の安定な結合を指し、「ヘテロ凝集体」とは、場合によっては1個以上の非タンパク質分子と結合した、同一又は異なる組成の1個以上のタンパク質の安定な結合を指す。非タンパク質成分は、ヌクレオチド、エンドトキシン、金属イオン、脂質又は細胞培地成分からなる群からのもう一つの実体からなり得る。
「抗体」とは、免疫グロブリン、その複合体又は断片的形態を指す。この用語は、天然形態、又はヒト化、ヒト、単鎖、キメラ、合成、組換え、ハイブリッド、変異、移植、インビトロで産生された抗体などの遺伝子改変形態を含めて、ヒト又は他のほ乳動物細胞系から誘導されるクラスIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMのポリクローナル又はモノクローナル抗体を含むことができるが、それだけに限定されない。「抗体」は、免疫グロブリン部分を含む融合タンパク質を含めて、ただしそれだけに限定されない複合形態を含むこともできる。「抗体」は、抗原結合機能を保持するか否かにかかわらず、Fab、F(ab’)、Fv、scFv、Fd、dAb、Fc、別の組成物などの抗体断片を含むこともできる。
「エンドトキシン」とは、溶解によって細胞から放出されるグラム陰性菌の外膜に存在する有毒な耐熱性リポ多糖物質を指す。
「非イオン性有機ポリマー」とは、荷電基がない連結繰り返し有機サブユニットで構成された天然又は合成炭化水素を指す。それは、線状、幾らかの枝分れを含む主に線状、又は主に分枝とすることができる。開示した方法を実施するのに適切な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール及びポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられるが、それだけに限定されない。PEGの構造式はHO−(CH−CH−O)−Hである。例としては、平均ポリマー分子量が100ダルトン未満から1000ダルトンを超える範囲の組成物が挙げられるが、それだけに限定されない。
「アリールアニオン」とは、少なくとも1個の環、少なくとも1個の負電荷、正味の負電荷からなり、正電荷が場合によってはない有機構造を指す。例えば、アリールアニオンは、正電荷がなくてもよい。アリールアニオンが正電荷を有する場合、それは少なくとも2個の負電荷を有することができる。それが2個の正電荷を有する場合、それは少なくとも3個の負電荷を有することができるなどである。
「有機溶媒」とは、液体状態で存在する天然又は合成有機化合物を指す。開示した方法を実施するのに適切な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、エタノール及びフェノキシエタノールが挙げられるが、それだけに限定されない。
「有機ポリマー」とは、有機モノマーの天然・合成高分子を指す。例としては、とりわけ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デキストラン又はセルロースが挙げられるが、それだけに限定されない。
「ポリヌクレオチド」とは、鎖状に共有結合された複数のヌクレオチドモノマーで構成される生体高分子を指す。DNA(デオキシリボ核酸)及びRNA(リボ核酸)はポリヌクレオチドの例である。
「タンパク質」とは、炭素、水素、酸素、窒素、及び通常硫黄を含む複雑な有機巨大分子のグループのいずれかを指し、ペプチド結合によって連結された1個以上のアミノ酸鎖で主に構成される。タンパク質は、天然又は組換え起源とすることができる。タンパク質は、グリコシル化、PEG化、別の化学部分との複合化などによって、非アミノ酸部分で修飾することができる。タンパク質の例としては、抗体、凝固因子、酵素及びペプチドホルモンが挙げられるが、それだけに限定されない。
「不溶ウレイド」とは、特定のタンパク質調製物において一般的な条件下でその最大溶解性を超える量のウレイドを含有する溶液を指す。ある実施形態においては、開示した方法は、かかるウレイドの一部が試料中に溶解していない形で存在するように、かかる試料の条件下でかかる試料中のかかるウレイドの溶解性を超える量で存在するウレイドを試料に供給する。
「界面活性剤」は、それらが両親媒性と称されるゆえんである疎水性部分と親水性部分を一般に含むあるクラスの有機分子などの「表面活性剤」を含む。水溶液における十分な濃度では、界面活性剤は、自己会合してクラスターを形成することができ、疎水性部分は中央に濃縮されて、水との接触が最小限に抑えられ、親水性部分は外向きに放射状に広がって水との接触を最大にする。生物学的調製物、特に、疎水性を有する、又は疎水性の領域を有する材料を含む生物学的調製物の存在下では、界面活性剤の疎水性部分が、界面活性剤の親水性部分の影響によって、疎水性材料の一部と自発的に会合し、その溶解性を高める傾向がある。それらを使用して、どちらも水系溶媒に溶解した異なる疎水性材料間の疎水性相互作用を調節することもできる。開示した方法のある実施形態の実施に適した界面活性剤の例としては、ポリソルベート界面活性剤(例えば、Tween20、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート、及びTween80、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート)、Triton(例えば、ポリエチレングリコールp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルエーテル)などの非イオン界面活性剤、及びCHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート)、CHAPSO(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホナート)、オクチルグルコシド(例えば、(2R,3S,4S,5R,6R)−2−(ヒドロキシメチル)−6−オクトキシオキサン−3,4,5−トリオール)などの両性イオン性界面活性剤が挙げられるが、それだけに限定されない。
「ウイルス」又は「ビリオン」とは、生きている宿主、主に細菌、植物及び動物の細胞内でのみ複製する極微の(直径ほぼ20から300nm)代謝的に不活性な感染病原体を指し、RNA又はDNAコア、タンパク質外被、及びより複雑なタイプでは、周囲のエンベロープで構成される。
ある実施形態に使用されるアリールアニオンの評価の過程においては、適用条件を以下のように調べることができる。アリールアニオンの使用は、ある実施形態において該方法の実施に使用され得る条件に幾つかの制約を潜在的に課している。例えば、アリールアニオンと目的タンパク質の強い相互作用を実質的に阻止する条件を採用することが望ましい場合もある。かかる条件の概略を得る単純な方法は、目的タンパク質をアニオン交換体に接触させ、それを塩勾配で溶出させることである。タンパク質が溶出するしきい値のすぐ上の塩濃度は、該方法を最も効果的に実施することができる最小導電率を大まかに決定するものである。この濃度はpHによって影響され、同じ手段によってモデル化することができる。該方法を細胞培養上清に適用する場合、IgG抗体は、多大な損失を回避するために塩の添加やpHの変更を利用することができる。IgM抗体及び非抗体タンパク質は、より高濃度の塩の添加を利用することができ、更には30mS/cm(生理学的導電率の約2倍)に近い導電率値を与えるのに十分な塩の添加を利用することができる。
ある実施形態においては、IgGモノクローナル抗体を含む浄化された細胞培養上清の条件を評価する有効な一手段は、0.3から0.7%アリールアニオンの範囲、及び生理学的導電率の半分から2倍の範囲の導電率を含むことである。これらの範囲は、そうすることが役立ち得ると結果が示す場合、拡張することができ、又は狭くしてより細かい増分で評価することができる。
ある実施形態においては、浄化された細胞培養上清に対して開示方法に従って精製手順を開発するための簡便な出発点は、0.1%メチルブルーを使用することである。
ある実施形態においては、アリールアニオンを添加する前にタンパク質調製物中に有機調節物質を分散させることによって開始することが有利であり得る。というのは、その実施が抗体回収を改善し得るからである。アリールアニオンの添加前の長いインキュベーションは、不必要であるように見える。15分以下で十分であるが、インキュベーションを長くしても不利になるようには見えない。実験データは、一般に、約1%の過飽和量のアラントインの添加が、IgGの回収を増加させることを示している。
ある実施形態においては、アリールアニオンは、それを試料に添加する前に、例えば水又は緩衝剤中に、溶解させて、タンパク質調製物全体にわたるその急速な分配を促進することが推奨される。例えば溶解アリールアニオンを十分に混合されている懸濁液中に徐々に注入することによって、持続的な局所的過剰を回避するように注意すべきである。インキュベーション時間は、少なくとも15分間、好ましくは60〜120分間とすべきであるが、120分を超える期間が著しく有益であるようには見えない。
該方法は、一般に、周囲温度で実施できるが、それよりも高い又は低い温度、例えば4から37℃で実施することもできる。実験データの示すところによれば、温度は、得られる結果を実質的に変えず、タンパク質の安定性要件は、操作温度の選択における重要な因子のままである。
ある実施形態においては、アリールアニオンを、例えば水又は緩衝剤中に、溶解又は分散させ、それを試料に添加する前にpHを調節する。これは、遊離酸形態などのアリールアニオンのある種の調製物が酸性であり、実験条件を意図せずにかなり変える可能性があるからである。
過飽和ウレイドとアリールアニオンの両方を使用するある実施形態においては、一般に、アリールアニオンを添加する前にタンパク質調製物中にウレイドを分散させることによって開始することが有利であり得る。というのは、ウレイドのアラントインを用いた経験によれば、この実施によって抗体回収を改善できるからである。アリールアニオンの添加前の長いインキュベーションは、不必要であるように見える。15分以下で十分であるが、インキュベーションを長くしても不利になるようには見えない。
方法開発中であろうと製造中であろうと、該方法によってなされる凝集体の解離又は除去をモニターする複数の選択肢が存在する。最も単純には、適切な選択性のカラム上で分析的サイズ排除クロマトグラフィを実施し、280nmのUV波長でモニターすることである。これは、HMW(high molecular weight:高分子量)凝集体を明らかにすることができる。というのは、それらは、通常、複数の非凝集生成物サイズに適度に一致した流体力学的寸法を示すからである。ヘテロ凝集体は、一般に、この方法によって見落とされる。というのは、それらの流体力学的寸法は、非凝集生成物のそれをわずかしか超えない可能性があるからである。かかる例においては、凝集体の異形組成物(heteromorphic composition)を、254nmのUV吸光度と280nmの吸光度の比を計算し、次いで随伴混入物が全くないと考えられる精製タンパク質の吸光度比とその値を比較することによって明らかにすることができる。例えば、DNAを含むヘテロ凝集体は、254/280の高い比によって示される。
ある実施形態においては、開示した方法は、後続の精製の前に、アリールアニオン及び場合によっては試料の別の成分を除去する処理と統合することができる。かかる処理は、それによってアリールアニオンを試料の残りから隔離する目的で、その性質がアリールアニオンの特性と相補的である化学成分を有する固体への試料の暴露を含むことができる。アリールアニオンは、負に帯電し、疎水性であると理解されるので、疎水性の正に帯電した表面を含めて、正に帯電した表面は、したがって、過剰のアリールアニオンを隔離するのに特に有用であるはずである。試料の別の成分を隔離する別の表面組成の固体を含むことができる。
ある実施形態においては、開示した方法は、プロテインA及び別の形態の生物学的アフィニティクロマトグラフィ、アニオン交換クロマトグラフィ、カチオン交換クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、固定化金属アフィニティクロマトグラフィ、ヒドロキシアパタイト若しくは別の混合様式のクロマトグラフィ、及び/又は沈殿、液体−液体抽出などの非クロマトグラフィ方法を含めて、ただしそれだけに限定されない1種以上の精製法と統合することができる。種々の方法に適切な条件を構築し、それらを本明細書に開示した方法と統合して、特定の抗体の必要な精製を行うことは当業者の理解の範囲内である。
実施例1 実験を行って、pH5.2におけるメチルブルーのダイナミックレンジ、及び生理学的導電率を求めた。試料は、IgG抗体約1g/L、宿主タンパク質310,010ppm及び凝集体10.5%を含む細胞培養収集物であった。別々の実験において、メチルブルーを最終量0.01、0.05、0.1及び0.5%まで添加した。混合物を2時間インキュベートし、試料を分析用に抜き出した。抗体回収率は、106%、62%、21%及び0%であった。宿主タンパク質含有量は、239,175ppm、246,497ppm、714,356ppm、0ppmであった。凝集体含有量は、8.6%、4.4%、14.6%、21.8%であった。より高いメチルブルー濃度における宿主タンパク質及び凝集体の増加は、IgGの損失を反映していると判断された。
実施例2 実施例1からの4個の処理試料を、さらに、5%v/vの量でTREN 40 high(Bio−Works)の形の電気陽性金属親和性粒子に暴露することによって処理した。2ステップ(実施例1の処理+実施例2の処理)にわたるIgGの回収率は、90%、91%、87%、0%であった。凝集体は、1%未満、2%未満、2%未満及び測定不能(検出せず)に減少した。宿主細胞タンパク質は、約140,000ppm、約177,000ppm、約60,000ppm及び測定不能数(検出せず)に減少した。回収値は大部分が粒子接触ステップの結果として増加し、さらに、それらは驚くべき相乗効果を示しているので、これらの結果は予想外である。
実施例3 アラントインを濃度1%まで添加してIgG含有細胞培養物を処理し、次いでpHを5.2に下げ、メチルブルーを最終量0.1%まで添加した。混合物を2時間インキュベートし、次いで実施例3に記載のTREN粒子を最終量5%v/vまで添加し、さらに4時間混合インキュベートした。固体を遠心分離によって除去し、pHを7まで滴定し、液体をPC1電気陽性デプスフィルタ(Sartorius)に通した。IgG回収率は84%であった。凝集体は、当初の13.4%から0.4%に減少した。宿主タンパク質は、当初の234、557ppmから47,746ppmに減少した。
上記実施例に記載のものなどの実験結果を、それらの特定の要件を満たすのに必要などんな体積にでもスケールアップ又はスケールダウンする方法を、当業者は理解されたい。
本明細書で引用する全ての参考文献は、個々の刊行物又は特許又は特許出願が参照によりその全体が援用されるように具体的かつ個々に示されたと同じ程度に、参照によりその全体が本明細書に援用される。参照により援用する刊行物及び特許又は特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾する範囲では、本明細書は、こうした矛盾を無効にし、及び/又は矛盾に優先するものとする。
本明細書及び特許請求の範囲で使用する成分量、クロマトグラフィ条件などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されることを理解されたい。したがって、それに反しない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、開示した方法によって得ようとする所望の性能に応じて変わり得る近似値である。
当業者には明らかなように、開示した方法の多数の改変及び変更をその精神及び範囲から逸脱することなく成すことができる。本明細書に記載した具体的実施形態は、単なる例示にすぎず、何ら限定することを意味するものではない。本明細書及び実施例は単なる例示と考えられるものであり、開示した方法の正確な範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって示されるものである。

Claims (14)

  1. 標的タンパク質を含む調製物の凝集体含有量を低下させる方法であって、
    前記調製物をアリールアニオンと接触させて、混合物を形成するステップ、及び
    前記混合物を少なくとも1種の電気陽性固体と接触させて、過剰のアリールアニオンを除去するステップ
    を含む方法。
  2. 前記混合物を、同時に又は順次、少なくとも1種の追加の電気陽性固体と接触させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記混合物を過飽和アラントインと接触させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. アラントインが、(a)約0.6から約50%、(b)約1から約10%、及び(c)約1から約2%からなる群から選択される濃度範囲で存在する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記アリールアニオンがメチルブルーである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アリールアニオンが、(a)約0.1%から約0.5%、(b)約0.02から約0.4%、及び(c)約0.25から約0.3%からなる群から選択される濃度範囲で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 操作導電率が、(a)約0.1から約50mS/cm、(b)約1から約30mS/cm、及び(c)約5から約15mS/cmからなる群から選択される範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 操作pHが、(a)約3から約8、(b)約4から約7、(c)約5から約6、(d)約4.5から5.5、(e)約5.1から約5.3からなる群から選択される範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記混合物が、抗ウイルス剤リン酸トリ(n−ブチル)をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1種の電気陽性固体の表面が、静電相互作用、疎水性相互作用、水素結合及び金属親和性からなる群から選択される化学相互作用を促進する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種の電気陽性固体が粒子である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記標的タンパク質が、組換えタンパク質、抗体、成長ホルモン及び凝固因子からなる群から選択される一種を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記調製物が、細胞含有細胞培養収集物、実質的に無細胞の細胞培養収集物、及び部分精製タンパク質からなる群から選択される一種である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法の簡便な実施のために提供されるキット。
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