JP2017507038A - レンチ用の交換可能な把持用インサート - Google Patents

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Abstract

ハンドルに枢動自在に取り付けられた、移動自在に位置付け可能な複数のあごの集まりを有するレンチ内で使用される複数の把持用インサートが説明される。当該レンチおよび複数の把持用インサートは、掘削産業において特定の用途を見いだす。また、当該複数の把持用インサートの特定の材料および特性も説明される。加えて、当該複数の把持用インサートを構成する、および/またはサイズ設定するための複数の方法も説明される。

Description

本主題はレンチなどのツール用の交換可能な把持用インサートに関する。本主題はまた、典型的には掘削作業において使用される、複数の円筒状部品を係合するための把持用インサートを使用するツールに関する。本主題はまた、把持用インサートを構成するための方法に関する。
コアバレルアセンブリは、鉱石採掘、石油掘削、水井戸掘削、および地質工学的掘削の分野などの様々な掘削産業、ならびに、調査産業において使用される。コアバレルアセンブリは、掘削通路の終端のコア試料を採取するために使用される。典型的なコアバレルアセンブリは、内管アセンブリおよび外管アセンブリを含む。外管アセンブリは内管アセンブリを中に含み、掘削ストリング、または掘削ロッドの集まりなどの他の掘削用部品への係合を提供する。
コア試料採取作業中、掘削孔の底部領域からコア試料を採取した後、内管アセンブリはコア試料を中に含んでいる。内管およびコア試料は、複数の掘削ロッドを通って引かれるワイヤラインを使用して掘削孔の底部から回収される。
コアバレルアセンブリおよび/または内管の構成に応じて、様々な部品は、コアバレルヘッドおよびコアリフターなどの内管と係合され得る。これらの部品および場合によっては他の部品は、複数のねじ接続によって内管と係合される。これらのねじ接続は、コア試料を取り外すために互いに係合解除されなくてはならない。
内管内に含まれるコア試料に接近するときなどの、内管との複数のねじ付き部品の係合または係合解除は問題となる場合がある。比較的高レベルのトルクが必要とされ得る。汚れおよび破片屑が複数の部品および/または複数のねじを覆い得る。露出およびコア掘削液との接触はさらなる課題をもたらし得る。ベントナイト粘土掘削液は粘土粒子を含有し、わずかに腐食性がある場合がある。掘削液はまた、ポリマー濾過制御剤および安定剤、掘削ロッドグリースなどの潤滑剤、ならびに切削油を含み得る。内管および/または複数のねじ付き領域上にこれらの作用物質が存在することにより、特に管の外部表面が滑りやすい作用物質を含む状況では、係合動作または係合解除動作をさらに妨げる場合がある。
コアバレルアセンブリは、典型的には、機械で仕上げられた比較的高い耐久性を有するアセンブリである。故に、従来のパイプレンチを使用するなどして内管の外部表面を損傷したりしないことが重要である。典型的なパイプレンチは、内管の外部表面に「ディッグ(dig)」、バリ、または他の表面欠陥を形成することがある複数の歯を備える複数のパイプ係合面を有する。加えて、パイプレンチによって過度な力が加えられた場合、内管は変形することがある。
これらの理由、および他の理由を考慮して、通常、掘削産業は、複数のコアバレルアセンブリと、特に複数の内管とを把持するための、摩擦コーティング付きの特殊レンチを使用する。特定の態様においては申し分ないが、内管などの複数のコアバレル部品を、部品を損傷することなくしっかりと係合するための改善されたツールおよび関連する方法への必要性は残っている。
これまでに知られた手法およびツールに関連付けられた難点および欠点は、本発明の把持用インサート、そのような把持用インサートを使用するレンチ、および関連する使用方法において対処される。
一態様において、本主題は複数のあご部材を有するレンチでの使用に適応した交換可能な把持用インサートを提供する。複数のあご部材の少なくともいくつかは、把持用インサートを収容し保持するための設置部品(provision)を有する。把持用インサートは凹状の内面を画定する基板を備える。当該基板は、内面に沿った40から49の範囲内のロックウェル硬さCを示す。把持用インサートはまた、基板の内面に沿って配置され、基板の内面に接合された金属炭化物を含む層を備える。当該層は露出した把持表面を画定する。
別の態様において、本主題は、第1の端部と、第1の端部と対向する第2の端部とを画定するハンドルを備えるレンチを提供する。レンチはまた、近位端、遠位端を有する第1のあごを備える。第1のあごは内部面を画定し、第1のあごの近位端は、ハンドルの第1の端部に枢動自在に取り付けられている。レンチはまた、近位端、遠位端を有する第2のあごを備える。第2のあごは内部面を画定し、第2のあごの近位端は、第1の継手アセンブリにおいて第1のあごの遠位端に枢動自在に取り付けられている。レンチはさらに、近位端、遠位端を有する第3のあごを備える。第3のあごは内部面を画定し、第3のあごの近位端は、第2の継手アセンブリにおいて第2のあごの遠位端に枢動自在に取り付けられており、第3のあごの遠位端は、ハンドルの第1の端部と解除可能に係合できる。レンチはまた、第1のあご、第2のあご、および第3のあごのうちの少なくとも1つの内部面に取り付けられた少なくとも1つの把持用インサートを備える。把持用インサートは、(i)凹状の内面を画定する基板であって、内面に沿った40から49の範囲内のロックウェル硬さCを示す、基板と、(ii)基板の内面に沿って配置され、基板の内面に接合された金属炭化物を含む層とを含み、当該層は露出した把持表面を画定する。
さらに別の態様では、本主題は第1の端部および第2の端部を画定するハンドルを備えるレンチを提供する。レンチはまた、ヒンジ式に接続された複数のあご部材を備える。複数のあご部材は、ハンドルの第1の端部に枢動自在に取り付けられた1番目のあご部材と、ハンドルと係合可能な末端のあご部材とを含む。複数のあご部材の各々は、内部面を画定する。レンチはさらに、複数のあご部材のうちの少なくとも1つのあご部材の内部面に取り付けられた少なくとも1つの把持用インサートを備える。把持用インサートは、凹状の内面を画定する基板を含む。基板は、内面に沿った40から49の範囲内のロックウェル硬さCを示す。把持用インサートはまた、基板の内面に沿って配置され、基板の内面に接合された金属炭化物を含む層を含む。当該層は、露出した把持表面を画定する。
さらに別の態様において、本主題は、特定の管を有するレンチにおける提案された複数の把持用インサートの使用が指定の安全係数内であるかどうかを評価するための方法を提供する。当該方法は、管の内径、管の外径、管の弾性係数、および管のポアソン比を特定する段階を備える。当該方法はまた、把持用インサートの弾性係数、および把持用インサートのポアソン比を提案する段階を備える。当該方法はまた、把持用インサートの内径、把持用インサートの外径、および把持用インサートの周長を提案する段階を備える。当該方法はまた、提案された複数の把持用インサートを使用して周囲圧力Pを算出する段階を備える。当該周囲圧力Pは、式(IV)および式(V)によって算出される。当該方法はまた、提案された複数の把持用インサートを使用して把持比率GRを決定する段階を備える。当該方法はまた、式(VI)を使用して調節された圧力P'を算出する段階を備える。当該方法はさらに、管の最大降伏値PMAXを特定する段階を備える。当該方法はまた、最小安全係数FSMINを指定する段階を備える。当該方法はまた、式(VII)を使用して安全係数FSCALCを算出する段階を備える。当該方法はさらに、算出された安全係数FSCALCを最小安全係数FSMINと比較する段階を備える。算出された安全係数FSCALCが最小安全係数FSMINより小さいかまたはそれに等しい場合、提案された把持用インサートは指定された安全係数内である。算出された安全係数FSCALCが最小安全係数FSMINより大きい場合、提案された把持用インサートは指定された安全係数内ではない。
以下の記載から分かるように、本明細書で説明される主題は、他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細部分は、全くクレームされた主題から逸脱することなく、様々な点で変更が可能である。従って、図面および説明は例示的なものであって、限定的なものではないとみなされるべきである。
本主題によるレンチの斜視図である。
図1において示されているレンチの上部平面図である。
図1のレンチの端面図である。
図1のレンチの別の端面図である。
閉位置の図1のレンチを示す。
全開位置の図1のレンチを示す。
同様に、全開位置の図1のレンチを示す。
荷重印加、および内管または他の部品との係合の早期段階の間の摩擦材料の複数の領域に沿った接触圧を示す。
より大きな荷重を印加する間の摩擦材料の複数の領域に沿った接触圧の分布を示す。
本主題のレンチの複数の特定部品の間の係合機構を示す。
本主題のレンチによる過剰な大きさの力を防止するための機構を示す。
本主題のレンチのセルフロック機構を示す。
本主題によるレンチの隣接する2つのあごの間の継手の詳細な図である。
本主題によるレンチにおいて使用される複数のあごおよび付勢部材の図である。
本主題による複数の把持用インサートを評価するための方法を概略的に示す。
本明細書で使用される、把持される管の周りに配置される複数の把持用インサートと、様々な名称を示す概略図である。
本主題は、コアバレルアセンブリに関連付けられた複数の部品の係合および係合解除における使用に特異的に適応した複数のレンチを提供する。本主題の複数のレンチはコアバレルアセンブリの内管での使用のためとして本明細書で説明されるが、本主題の複数のレンチが、他の用途および掘削産業以外の複数の産業にも適用可能であることが理解されよう。本主題の複数のレンチは、概して、ハンドルと、ヒンジ式にまたは枢動自在に接続された複数のあご部材とを備える。複数のあご部材の集まりは、開位置と閉位置との間で位置付け可能である。開位置では、内管または他の部品は、当該複数のあごによって画定される把持領域内に配置可能であり、閉位置では、当該複数のあごは把持領域に配置されたワークピースを係合する。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、当該複数のあごの内面に沿って位置付けられた特定の摩擦材料を含む。当該特定の摩擦材料は、把持領域に配置または位置付けられた内管または他の部品との摩擦係合を促進する。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、バネなどの、当該複数のあごまたは複数のあごを複数の特定の位置に付勢する1または複数の付勢部材を含む。具体的に、複数のレンチの複数の特定の形態は、当該複数のあごを閉位置に付勢または押し付ける複数の付勢部材を含む。しかしながら、本主題はまた、当該複数のあごが開位置に付勢される複数の構成も含む。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、1または複数のあご部材をつかむことを容易にするための1または複数の設置部品を含む。例えば、当該複数のあごのうちの1または複数のあご上に、使用者がつかむことのできる突起または外側に延出する部材が設けられ得る。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、1または複数のあごの咬合、角位置、および/または動きを制限する複数の設置部品を含む。これらの設置部品は、複数のあごの開き量を制限すべくレンチ内に組み込まれ得る。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、管への複数のあごの係合の間に把持領域に位置付けられた内管または他の円筒状部品に特定の接触パターンを与える複数の設置部品を含む。内管に印加される荷重が大きくなるにつれ、特定の接触パターンは、接触表面面積を増やし、より均一な摩擦の印加、およびレンチと内管との間での力の伝達を促進する。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、特定の係合構成、および、あごとハンドル、またはレンチの関連部品との間の接触角を利用する複数の設置部品を含む。当該係合構成は、レンチの使用中における複数の部品の間の力の伝達を容易にする。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチはまた、レンチの使用中に内管への過剰な大きさの力の伝達を防ぐ停止機構を利用する。
本主題のさらなる他の複数の形態において、複数のレンチはまた、複数のあごが内管の周りを閉じることがレンチの使用中にさらに促進されるセルフロック機構を含む。
さらに、本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチは、レンチの使用中、あごとハンドルとの間の係合が生じる領域への接近を制限するための複数のカバーまたは複数の保護具を含む。
本主題の複数の特定の形態において、複数のレンチで使用され得る特定の複数の把持用インサートが提供される。複数の把持用インサートは交換可能であり、レンチの複数のあごへの係合、およびそれらからの取り外しが可能である。複数の特定の形態において、複数の把持用インサートは、把持されるワークピースまたは部品に目標とする所望の力をもたらす複数の要因の組み合わせに基づきサイズ設定される。
本主題のさらに他の複数の形態において、複数の把持用インサートを構成する、および/またはサイズ設定するための特定の複数の方法及び複数の方策が提供される。
本主題の複数のレンチまたは複数の把持用インサートが、決してコアバレルアセンブリの複数の内管での使用に限定されないことが再度理解されよう。代わりに、複数のレンチおよび/または複数の把持用インサートは様々な他の分野および用途において使用され得ることが考えられる。さらに、本主題が、1または複数の特徴または態様と、これらの特徴または態様の複数の組み合わせとを有する複数のレンチおよび/または複数の把持用インサートを含むことが理解されよう。本主題の複数のレンチおよび複数の把持用インサートの様々な特徴および態様の複数の詳細部分は以下の通りである。
図1は本主題によるレンチ10の斜視図を示す。図2は図1において示されるレンチ10の上部平面図である。レンチ10は、近位端22と、全体として24で示される遠位端とを有するハンドル20を備える。レンチ10はまた、複数のあご部材または複数のあご部分を備える。図1において示される形態において、レンチ10は第1のまたは1番目のあご30、第2のあご40、および第3のまたは末端のあご50を備える。本主題のレンチが、2などのより少ない個数のあご、または、4,5、6、またはそれより多い数などのより多い個数のあごを利用できることが理解されよう。
本明細書においてより詳細に説明されるように、レンチ10は、複数のあごによって画定される把持領域C内にワークピース(図示せず)を配置することによって使用される。例えば図1において矢印Mで示されるような力がハンドル20に加わるとき、把持領域Cは内管の周りを締め付け、内管に接触し、内管を係合する。これらの態様および複数の他の特徴の各々に関する詳細部分が本明細書において提供される。図1をさらに参照すると、第1のあご30は、近位端31および遠位端32を画定する。第2のあごは、近位端41および遠位端42を画定する。第3のあご50は、近位端51および遠位端52を画定する。各あご部材はまた、内向きの面を画定する。故に、第1のあご部材30は内部面33を画定し、第2のあご部材40は内部面43を画定し、第3のあご部材50は内部面53を画定する。第1のあご30の近位端31は、ハンドル20の遠位端24に枢動自在に取り付けられている。様々なアセンブリおよび構成を利用可能であるが、図1の形態では、第1のあご30およびハンドル20において画定される位置合わせされた複数の開口部を通って延出するピボットピン60が示されている。第1のあご30の遠位端32は、図1において全体として継手Aで参照される第1の継手アセンブリにおいて、第2のあご40の近位端41に枢動自在に取り付けられている。図1の形態では、ピボットピン62は、第1のあご30および第2のあご40において画定される位置合わせされた複数の開口部を通って延出する。第2のあご40の遠位端42は、図1において全体として継手Bで参照される第2の継手アセンブリにおいて、第3のあご50の近位端51に枢動自在に取り付けられている。図1において示される形態では、ピボットピン64は、第2のあご40および第3のあご50において画定される位置合わせされた複数の開口部を通って延出する。ピボットピン60、62、および/または64と共に、1または複数のスナップリングまたは保持部品が使用され得る。追加の係合用設置部品が、第3のあご50とハンドル20との間、具体的には、第3のあご50の遠位端52において、およびハンドル20の遠位端24において、または、遠位端24に近接して設けられる。これらの係合用設置部品は、本明細書においてより詳細に説明される。
図3および図4は、図1において示されているレンチ10の端面図を示す。図3および図4は、レンチの追加の態様を示す。
レンチ10はまた、内管または他の部品との係合を促進すべく、1または複数の摩擦材料領域を含んでよい。図1において示される形態では、レンチ10は、第1のあご30、第2のあご40、および第3のあご50のそれぞれ内部面33、43、および53の各々に配置された摩擦材料70を備える。摩擦材料は様々な異なる形態および配置で設けられ得る。概して、摩擦材料は、あごの内部面の少なくとも一部分上に配置された層または領域の形態である。本主題の複数の特定の形態では、摩擦材料は、限定はされないが、タングステンカーバイドなどの金属炭化物材料を含む。本主題の複数の特定の形態では、摩擦材料は、1または複数の繊維の種類を集めたものなどの1または複数の繊維材料を含む。繊維は、織り込みなどの整った配列になっていてよく、または、不織のものであってもよい。複数の特定の形態では、本明細書においてより詳細に説明されるように、摩擦材料には圧縮性がある。摩擦材料が繊維を含む複数の形態について、繊維は、通常、金属繊維、ポリマー繊維、ガラス繊維、またはそれらの組み合わせである。複数の特定の形態では、摩擦材料は高分子母材に分散されたガラス繊維の形であり得る。限定はされないが、例えば、鋼、真鍮、マグネシウム、およびそれらの組み合わせなどの多様な金属繊維が使用され得る。ポリマー繊維の複数の非限定的な例としては、ポリアミド、および、特にはKEVLAR(登録商標)としても知られるポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)が挙げられる。金属作用物質、高分子成分、および他の複数の材料の複数の組み合わせが、摩擦材料として様々な比率および配置で使用され得る。本主題の多数の形態において、摩擦材料はアスベストを含まない。
前述されたように、本主題の複数の特定の形態において、摩擦材料には圧縮性がある。本態様は、摩擦材料の典型的な範囲の弾性係数値を参考にして定量化され得る。故に、複数の特定の形態において、摩擦材料は15ksiから1,500ksiの範囲内の弾性係数を示す。
摩擦材料は、キャリア要素などの1または複数の着脱可能部材に備えられ、または固定され、1または複数の着脱可能部材は、次に複数のあごの内部面に沿って係合可能である。摩擦材料が複数のあごの内部面に直接取り付けられ得ることもまた考えられる。複数のキャリア要素および/または複数のあごに摩擦材料を取り付けるまたは付着するべく、多様な係合技術および/または設置部品が使用され得る。例えば、リベット、ねじ付き固定具、ピン、ねじ、または他の部品などの機械的係合が使用され得る。摩擦材料は、摩擦材料をその下にある基板に冶金学的に接合する焼結技術によって複数のキャリア要素および/または複数のあごに取り付け、または付着させられ得る。摩擦材料を複数のキャリア要素に、および/または複数のあごに接着によって接合すべく、接着剤の使用もまた考えられる。摩擦材料はまた、コーティング技術または散布技術によって複数のキャリア要素または複数のあご上に塗布、または別の方法で形成され得る。
本主題の複数の特定の形態において、摩擦材料面の少なくとも一部分にわたって延在する複数の凹部または通路の集まりを示すべく、摩擦材料の外側露出面が設けられ得る、または形成され得る。そのような構成は、破片屑および特には液膜が内管または他の部品の外部表面上に配置される複数の例において有益であり得る。摩擦材料の当該面が内管に接触するとき、破片屑および/または液膜は、摩擦材料の当該面において画定される複数の凹部または通路に向って追いやられ、複数の凹部または通路内に移動させられ、これにより、摩擦材料と内管の表面との間の密着を促進する。故に、レンチの複数の特定の形態において、摩擦材料の当該面は、当該面の少なくとも一部分に沿って延在する複数の凹部の集まりを有する。複数の凹部の集まりは、内管の外部表面からの液体および/または破片屑を収容するのに足るサイズおよび/または構成を有する。
本主題の多数の実施形態において、領域70などの摩擦材料の複数の領域は、交換可能な把持用インサートの形で設けられている。
本主題の複数の特定の形態では、複数の交換可能な把持用インサートは、複数のあごの内面に沿って位置付けられ、掘削孔アセンブリの内管、または把持領域内に配置または位置付けられた他の部品との摩擦係合を促進する。
各把持用インサートは、把持されるパイプまたは管の外周表面と接触するための凹状面を含む。インサートの材料、厚さ、および粗さは、用途の特定の要望に基づいて選択され得る。
本主題の複数の特定の形態において、凹状把持面または複数のインサートの表面は、例えば、タングステンカーバイドなどの1または複数の金属炭化物でコーティングされる。タングステンカーバイドは、本明細書においてより詳細に説明されるように、電着法によって堆積させられ得る。電着は特定の方法であるが、本主題は、タングステンカーバイドおよび/または他の金属炭化物を複数のインサートの把持表面上に堆積させる他の複数の方法を含む。
本主題の複数の特定の形態において、複数の把持用インサートは、鉄基板および特に錬鉄基板を含む。錬鉄の複数の非限定的な例には、鍛造された4140およびD−4512が挙げられる。基板用材料の別の例は鋼である。本主題は、例えば、FN−0208−105HTの名称で市販されている粉末状金属基板などの多様な基板用材料の使用を含む。FN−0208−105HTは、ニッケル鋼と考えられる標準化された金属材料である。導電性があり、本明細書において説明されるような十分な硬度がある限り、ほぼ全ての材料が把持用インサートの基板として使用され得る。
把持用インサート基板として選択された材料に関わらず、本主題の多数の実施形態では、複数の基板は、それらの内面、すなわち把持されるワークピースまたは管に向けられ、1または複数の金属炭化物でコーティングされた面に沿った特定の硬度を示す。複数の特定の実施形態において、基板の内面は、約40から約49、特に45から48、および特定の実施形態では47のロックウェル硬さCを示す。ロックウェル硬さおよびその測定は、規格ASTM E18およびISO6508−1において説明されている。
上記複数の実施形態に関して、複数の把持用インサートの内面の硬度は、比較的硬く、上記ロックウェル硬さの範囲内にあるべきである。基板内面が硬すぎる場合、すなわち、ロックウェル硬さCが約50より大きい場合、把持用インサートは脆すぎ、典型的な最終用途の条件には耐えることができない可能性がある。基板内面の硬度が柔らかすぎる場合、例えば、ロックウェル硬さCが約38より小さい場合、使用中に金属炭化物の粒子または塊が把持用インサートの基板内面の中に押し付けられる。
前述されたように、複数の把持用インサートは、通常、把持用インサートの基板内面上に配置された金属炭化物の薄層、および特にはタングステンカーバイドの薄層を含む。通常、金属炭化物層の厚さは、0.0045インチ(114.3ミクロン)から0.0075インチ(190.5ミクロン)の範囲内である。しかしながら、本主題が、これらの値より大きい、および/または、これらの値より小さい厚さを有する金属炭化物層を含むことが理解されよう。
複数の把持用インサートの内面上へ金属炭化物を形成する、または別の方法で堆積させるべく、様々な技術が使用され得る。そのようなプロセスの非限定的な例が電着である。電着中、電流が金属炭化物および基板のソースを通って流れ、これにより、金属炭化物材料の温度を上昇させ、下にある基板に融解または溶解させる。これにより、金属炭化物の薄層を形成する。
本主題の複数の特定の方法では、複数の把持用インサート上にタングステンカーバイドを堆積させる場合、インサートの複数の他の表面は、それらの上にタングステンカーバイドが堆積するのを妨げるべくマスクされ得る。本手法は、インサートの複数の寸法を保ち、インサートがあごまたはレンチの内面に沿ったその収容領域内に適切に嵌まることを保証する。レンチ、その複数の部品、および複数の把持用インサートが、通常印加される比較的高い荷重に耐えられるように、複数のインサートの適切な固定および配置が望ましい。
各把持用インサートは、ねじ付き固定具でレンチのあごに取り付けられ得る。しかしながら、本主題は、複数のあごに複数の把持用インサートを取り付けるための複数の他の部品および複数の方法を含む。
把持用インサートの厚さもまた変えることができ、レンチが特定の直径の複数のパイプまたは複数の管で使用されることを可能にする。
本主題の特定の形態において、各インサートの周長または円弧長さは、レンチで使用されるインサートの集まりの周長または円弧長さの合計が、把持されるパイプまたは管の外周の半分より大きくなるようにされる。言い換えると、複数の把持用インサートは、レンチ内に組み込まれると、対象のパイプまたは管の外周の周囲に延在し、対象のパイプまたは管の外周の周囲に少なくとも180°接触する。
本主題の別の態様において、各把持用インサートは、特定の比率を有して設けられる。当該比率は、インサートの把持面に沿って測定された周長または円弧長さの寸法が、インサートの把持面の幅の3分の2より大きくなるようにされる。把持用インサートの幅寸法は、インサートを固定し、管状ワークピース上のレンチ内で使用されると、管状ワークピースの中心軸と平行または実質的に平行に延在する。把持用インサートの長さ寸法は、幅寸法に対し横である。複数の把持用インサートについてのさらなる複数の詳細部分が本明細書において提供される。
本主題の複数のレンチは、1または複数のあごを、ハンドルに対し、および/または複数の他のあごに対し、特定の位置に押し付ける1または複数付勢部材もまた備える。特定の形態において、第1のあご30とハンドル20の遠位端24との間にダブルトーションバネなどの付勢部材が配置される。例えば、付勢部材は、ピボットピン60の周りに配置可能であり、あご30(およびそれに取り付けられているあご40およびあご50)を開位置または閉位置などの特定の位置に付勢するよう構成され得る。本主題の複数のレンチの多くのものが、複数のあご、例えば、あご30、あご40およびあご50が閉位置に付勢されるように構成される。そのような動作を提供すべく、ピボットピン60の周りにダブルトーションバネまたは他の付勢部材が使用され配置され得る。
図14は、1番目のあご、例えば、あご30とハンドル20との間に付勢部材90を設けたところを示している。図14に示されているレンチの特定の形態では、付勢部材90はダブルトーションバネの形で設けられている。当該バネはピボットピン60の周りに配置可能である。本主題の特定の形態では、当該バネは、閉位置、例えば、矢印Jの方向に向かって1番目のあご30をピン60の周りに押し付けるよう構成されている。本主題が図14に示されている特定の実施形態の複数の変形を含むことが理解されよう。
複数のあごを閉位置に付勢すると、レンチを使用するときに有用であり得る。この動作は、ラチェット動作を模倣するのに役立ち、それにより、使用者は湾曲運動またはレンチハンドルの角度の変位の経路を通じて内管にトルクを容易に印加し、その後、あごを過度に開くことなくレンチの動きを逆転させることができる。つまり、レンチの逆転中、複数のあごは、近接して配置されたままであるが、バネ、または閉位置に向かってあごを押し付ける他の部材の付勢動作により内管の周りを滑動する。
本主題はまた、継手Aおよび/または継手Bなどの、隣接する第2のあごと第3のあごとの間において設けられた付勢部材の使用を含む。そのような継手付勢用設置部品は、第1のあごとハンドルとの間の複数の付勢用設置部品とは独立して、またはそれらと併せて利用され得る。
複数のレンチの特定の形態において、1または複数の突起、または「指掛け部」などの外側に延出する部材が、1または複数のあご上に設けられ得る。指掛け部の例が75として図1に示されている。本主題が、複数のあごの何れかにおける、様々な他の形状、構成、および方向をとった、図1に示されている指掛け部75以外の複数の指掛け部または複数の同様の部材を含むことが理解されよう。例えば、1または複数の指掛け部が、第3のあご50の代わりに、またはそれに加えて、第2のあご40および/または第1のあご30上に設けられ得る。さらに、指掛け部は、あごから径方向外側に延出する代わりにあごに沿って横方向に延出し得る。多様な構成が複数の指掛け部について考えられる。
本主題の複数のレンチはまた、レンチの開き量を制限する制限された咬合機構を含む。本機構は、例えば内管周りなどのレンチの最初の配置または方向にある間、複数のあごが、ハンドルに向かう方向などの他の位置に制御不可能にまたは無制限に動くのではなく、特定の配置を保持するようレンチを使用する場合に有益であり得る。複数のあごがそれらの閉位置により近い位置を保持することで、レンチの動作効率および使用効率を高める。図5は、閉位置にあるレンチ10、および、その結果として得られるあご30、40および50の間で画定される把持領域Cを示している。図6は、全開位置のレンチ10、および制限された咬合機構を示している。制限された咬合機構では、ハンドル20、例えば、ハンドル20の遠位端24と、第3のあご50、例えば、あご50の遠位端52との間の最大距離は制限されている。
全開位置では、把持領域において係合される内管または他の部品の把持領域への径方向の接近が可能である。具体的には、あご50の遠位端52とハンドル20の遠位端24との間の限定された移動量は、レンチが閉位置にある場合の摩擦材料70の対向面の間の最大スパンまたは最大距離に関連して表され得る。レンチが閉位置にある場合のその最大スパンは、閉位置スパンDとして図5に示されている。レンチが全開の場合の第3のあご50の遠位端とハンドル20との間の最大距離は、スパンEとして図6に示されている。制限された咬合機構に従って、スパンEは閉位置スパンDの割合として表され得る。故に、本主題の特定の形態において、スパンEはスパンDの300%より小さく、特にスパンDの250%より小さく、特にスパンDの200%より小さく、複数の特定の用途においてはスパンDの150%より小さい。複数の参照された図に示されているレンチの複数の特定の形態では、スパンEは閉位置スパンDの約111%に等しい。
本主題の別の態様において、複数のあごの制限された咬合機構はまた、レンチが全開位置にある場合の、第1のあご30および第2のあご40の摩擦材料70の対向面の間で測定された最大距離に関連して表され得る。その最大距離がスパンFとして図6に示されている。本主題の複数の特定の形態において、スパンFはスパンDの300%より小さく、特にスパンDの250%より小さく、特にスパンDの200%より小さく、複数の特定の実施形態においてはスパンDの150%より小さい。複数の参照された図において示されるレンチの特定の形態では、スパンFは閉位置スパンDの約142%に等しい。
本主題の別の態様において、複数のあごの制限された咬合機構はまた、レンチが全開位置である場合の、第2のあご40および第3のあご50の摩擦材料70の対向面の間で測定された最大距離に関連して表され得る。その最大距離はスパンGとして図7に示されている。本主題の特定の形態において、スパンGはスパンDの300%より小さく、特にスパンDの250%より小さく、特にスパンDの200%より小さく、複数の特定の形態においてはスパンDの150%より小さい。複数の参照された図において示されるレンチの特定の形態では、スパンGは閉位置スパンDの約142%に等しい。
制限された咬合機構を具現化する複数のレンチが、閉位置スパンD、ならびにスパンE、F、およびGに関連して説明されたこれらの特性の1または複数を示し得る。故に、より具体的には、そのような複数のレンチは、以下に挙げるもののうちの少なくとも1または複数を示し得る:(a)第3のあごの遠位端とハンドルの第1の端部との間の最大距離は閉位置スパンの300%より小さい。(b)第1のあごおよび第2のあごの対向する内部面の間の最大距離は閉位置スパンの300%より小さい。(c)第2のあごおよび第3のあごの対向する内部面の間の最大距離は閉位置スパンの300%より小さい。
複数のレンチの特定の形態において、制限された咬合機構は、隣接する2つのあごの最大角度変位を指定することにより表されてよい。複数の特定の実施形態では、最大角度変位は約180°である。そのような位置は、図6では第1のあご30と第2のあご40との間で示され、図7では第2のあご40と第3のあご50との間で示されている。
図13は、隣接するあごの間、例えば第1のあご30と第2のあご40との間の継手Aなどにおいて設けられ得る構成を示している。当該構成は、それらのあごの間の咬合または角度広がりを制限する。具体的に、図13は、1または複数の外側に延出するショルダ80を有する第2のあご40を示している。ショルダ80は、あご40の近位端41から延出している。第1のあご30は、比較的近接して位置付けられ、第2のあご40のショルダ80と対面して係合している、あご30の遠位端32における1または複数の停止面81を含む。故に、図13を参照すると、矢印Iの方向などへの第1のあご30に対する第2のあご40の角度広がりに応じ、第2のあご40のショルダ80は、第1のあご30の停止面81と接触し、それ以上の角度広がりを妨げる、または制限することが分かる。本主題は多様なアセンブリおよび構造配置の使用を含み、本明細書において説明される複数の制限された咬合の態様を実現する。故に、本主題が、本明細書において示される、および/または説明されるような任意の特定のアセンブリには限定されないことが理解されよう。
前述したように、本主題の複数の特定の形態では、摩擦材料は特定の構成および/または方向で設けられる。内管または他の円筒状部品の外部表面との最初の接触の間、摩擦材料は、摩擦材料の1または複数の縁部または周辺領域が内管と接触するよう構成および/または方向付けられる。レンチの複数の特定の形態において、摩擦材料と内管との間の接触は、最初に、および/または、レンチから、摩擦材料の各領域の対向する2つの縁部に沿った内管へのトルクの伝達の早期段階の間に生じる。このことは図8に示されている。図8では、摩擦材料70の第1の縁部71および対向する第2の縁部72は、荷重印加中、領域73の内部面などのそれらの縁部の間の摩擦材料70の領域より大きな圧力を受ける。摩擦材料の上記第1の縁部および第2の縁部は、レンチが内管上で使用される場合、概して、内管の長手方向軸に対して平行な方向に延在していることが理解されよう。
図9は、より大きなトルク量がレンチから内管へ印加されたときの摩擦材料70内の圧力分布を示している。このように、摩擦材料の面と内管の外部表面との間の接触面積は、荷重の増加と共に増加する。このことは、内管の外部表面の半径より小さい半径によって画定される弓状の形状または輪郭を示すよう、少なくとも部分的には、摩擦材料の複数の面を形成することで実現される。複数の特定の形態において、摩擦材料面の弓状の輪郭を画定する半径は、内管の外部表面の半径の99.8%から98%の範囲内である。荷重の増加に連れた、摩擦材料面と内管との間の接触面積の増加という特徴はまた、少なくとも部分的には、本明細書において説明されるような圧縮性の摩擦材料の使用によって実現される。前述したように、本主題の複数の特定の形態において、摩擦材料は、材料がレンチの使用中に圧縮されるような弾性係数値を示すように選択される。15ksiから1,500ksiの範囲内の弾性係数値を有する材料は、この点に関して特に有用である。摩擦材料のこれらの弾性係数値は、内管または他の円筒部材の典型的な材料である鋼のそれより大幅に小さい。故に、レンチの使用および摩擦材料への荷重の印加中に、摩擦材料は内管または他の円筒部材の形状および/または輪郭に順応する。
さらに別の態様において、本主題はまた、ハンドルと末端または第3のあごの遠位端との間の特定の係合構成と特定の接触角の使用とを提供する。例えば、図10は閉位置のレンチ10を示している。閉位置では、接触は、ハンドル20の隆起部25と、第3のあご50の遠位端52に沿って延在する係合面54との間で生じる。理解されるように、把持領域C内に内管が配置されると、内管の直径のわずかな変動は、隆起部25と面54との間の接触位置を変化させることで適応される。例えば、より大きな直径は、レンチを閉じる間に隆起部25をピボットピン60に向かって動かすことで適応可能である。より小さな直径は、摩擦材料70と内管との間で十分な接触が生じるまで、レンチを閉じる間に隆起部25をピボットピンから離れる方向に動かすことで適応可能である。本主題の複数のレンチの特定の形態において、隆起部25と係合面54との間の接触角は、10°から30°の範囲内であり、さらに他の形態においては、約20°である。これらの角度はピボットピン62および64の中心軸によって画定される平面から測定される。その平面は図10において平面Hとして示されている。
より具体的には、複数の参照された図において示され本明細書において説明される係合領域は、ハンドル上に設けられた隆起部25などの係合隆起部、および、末端または第3のあご上の面54などの係合面を含む。しかしながら、本主題は構成の複数の変形例を含む。例えば、係合面はハンドル上に設けられ得、係合隆起部は末端または第3のあご上に設けられ得る。
本主題のさらに別の態様では、複数のレンチは、レンチが閉位置にあり、荷重がレンチに印加されるときに、過度の荷重、すなわち、圧縮力および/またはトルクの、把持領域に配置される内管または他の円筒部材への印加を制限する複数の設置部品を含み得る。図11は、本明細書において停止機構と称されるそのような複数の設置部品の例を示す。図11は、第1の停止面38を画定する第1のあご30と、第2の停止面55を画定する第3のあご50とを有するレンチ10を示している。停止面38および55は、それらのそれぞれのあご上に位置付けられ、それにより、内管への最大許容荷重の印加と相関するレンチを閉じる段階、または、内管の降伏点の例えば75%の安全係数を考慮する設計点において、互いに接触する。停止面38と停止面55との間の接触により、対向する摩擦材料の領域の間で測定されたスパンは最小距離に達する。停止機構はまた、レンチの使用中、停止面38および55の互いに対する位置を考慮することで理解され得る。荷重印加の前に、第1および第2の停止面38および55は互いに離される。レンチに荷重が印加され、摩擦材料が圧縮され、トルクが把持領域内の内管に印加されると、第1のあご30および第3のあご50は互いに向かって引き寄せられる。このことが生じると、面38および55は互いに向かって移動させられる。面38および55は、第1のあご30および第3のあご50内に位置付けおよび配置され、それにより、最大許容荷重が印加されると、面38および55は互いに接触する。故に、レンチの把持圧および最大トルクは制限され得る。本機構はまた、レンチのシステム、および既知の直径を有する円筒部材と併せて本明細書において説明される。
本主題はまた、レンチが閉位置にある場合に、停止面の間の間隔または距離の選択的な調節を可能にする複数の設置部品の使用を含む。故に、停止面の互いに対する位置を変化させることにより、レンチが閉じられている場合に把持領域によって画定される閉位置スパンは選択的に変化させられ得る。理解されるように、閉位置スパンを変化させることにより、把持領域にあり、把持領域において係合されている円筒部材上にかけられる最大荷重を増加または減少させる。
図12は、本主題による特定の複数のレンチのセルフロック機構を示す自由体図である。つまり、本機構において、第2のあごと第3のあごとの間の継手またはピボットピンの、それらのあごに対する選択的位置は、第3のあご(および他のあご)と内管との間のさらなる係合を促進できる。同様に、本機構はまた、第1のあごと第2のあごとの間の継手またはピボットピンの、それらのあごに対する選択的位置によって具現化され得る。当該選択的位置は、第2のあご(および他のあご)と内管との間の係合を促進する。図12は、把持領域に位置付けられた内管(図示せず)上でのレンチの使用中における、第2のあご40および第3のあご50、ならびにそれらのピボットピン64を示している。レンチハンドルに力が印加されると、第3のあご50は係合面54における力「F」によって移動させられて摩擦材料70に力を与える。その結果摩擦材料70にかけられる圧力は、摩擦材料の表面にわたって分散される。しかしながら、同等な(または正味の)力「N」が摩擦材料の中央へと径方向に向けられる。クーロン摩擦において、この力は垂直抗力として知られている。同等な(または正味の)摩擦力「f」は「N」に比例し、垂直抗力に対して90°の方向に向けられ、摩擦材料と内管との間の相対運動に抵抗する。これにより、内管または他の円筒状部品にトルクが伝達される。反力「R」はピン64の位置で働く。さらに図12を参照すると、摩擦力「f」の作用線は、摩擦材料を二等分する平面と横方向に交差する線に対応することが分かる。つまり、横方向の線は、摩擦材料を二等分する平面と直角に交差する。
力「F」は、第3のあご50の反時計回りのモーメントをピン64の周りに引き起こすことで摩擦材料70において把持圧を生じさせる(すなわち、正味の力「N」を生じさせる)。摩擦力「f」の作用線はピン64の中心線の外側に位置しているので、摩擦力もまた、反時計回りのモーメントをピン64の周りに生じさせる。故に、摩擦力もまた正味の力「N」に寄与する。摩擦力は「N」に寄与し、「N」に比例するので、摩擦力はある程度自己増幅する。その結果、当該構成はセルフロックと呼ばれ得る。これらの関係は、静的平衡システム(statically balanced system)を考慮する式(I)−(III)として表され得る。
ΣMpin=0=F(Y+Z)+f(X)−N(Y) (I)
N(Y)=F(Y+Z)+f(X) (II)
N(Y)=F(Y+Z)+Nμ(X) (III)
式(I)−(III)において、X、Y、およびZは、複数の部品または機構の間の距離であり、μは摩擦係数である。
故に、本主題のセルフロック機構は、隣接する2つのあごの間のピボット軸を、当該ピボット軸を通って延在し、複数のあごのうちのいずれかにおける摩擦力の作用線に対して平行に向けられた平面がまた、把持領域の少なくとも一部分にわたって延在するように位置付けることにより実現される。
レンチの複数の特定の形態において、ハンドルの係合隆起部と末端または第3のあごの係合面との間の係合領域の周囲に、1または複数のカバーまたはエンクロージャが設けられてよい。複数の特定の用途では、上記係合領域を囲む、または少なくとも部分的に囲む複数の側壁または他の部材を設けて、例えば、ハンドルの係合隆起部および/または末端のあごの係合面などにおける領域に汚れまたは破片屑が蓄積するのを防ぐことが有益であり得る。そのような複数の側壁または他の部材を設けて係合領域を少なくとも部分的に囲むことで、係合領域への接近を制限もする。
本主題はまた、複数のレンチ、および、特定の外径を有する内管などの複数の円筒部材の複数のシステムを提供する。複数の特定の実施形態において、複数のレンチは、特定の外径を有する内管についてサイズ設定および/または構成される。そのようなシステムの、代表的で非限定的な例は以下の通りである。当該システムは、コアバレル内管などの、既知の直径と最大許容荷重限界とを有する円筒部材を備える。最大許容荷重限界は当該円筒部材に関連付けられている。当該システムはまた、(i)第1の端部および第2の端部を画定するハンドルと、(ii)ヒンジ式に接続された複数のあご部材であって、ハンドルの第1の端部に枢動自在に取り付けられた1番目のあご部材と、ハンドルと係合可能な末端のあご部材とを含み、各々が内部面を画定する複数のあご部材と、(iii)複数のあご部材の内部面のうちの少なくとも1つに配置された摩擦材料とを含むレンチを備える。レンチは、開位置と閉位置との間で位置付け可能である。閉位置は、複数のあごの、囲まれた把持領域と、複数のあごの対向する領域上の摩擦材料の面の間で延在する閉位置スパンとの画定をもたらす。当該レンチは、円筒部材を把持領域内に配置し、レンチを閉位置に配置すると、レンチから円筒部材に印加される荷重が、円筒部材に関連付けられた最大許容荷重限界より小さくなるよう、閉位置スパンが円筒部材の直径に対しサイズ設定されるよう構成されている。
当該レンチはまた、第1の停止面が1番目のあご部材上に設けられ、第2の停止面が末端のあご部材上に設けられるように構成されてよい。第1および第2の停止面は、レンチを閉位置に配置すると、第1および第2の停止面が互いに接触するように互いに対して位置付けられる。
本主題は、アセンブリ、構成、および部品の広範な変形例を含む。例えば、本主題は摩擦材料が配置された複数のチェーンアセンブリを使用するレンチの複数の形態を含む可能性がある。
本主題の別の態様は、複数の把持用インサートの構成および/またはサイズ設定を含む。理解されるように、複数の把持用インサートの集まりの全把持表面面積は、レンチ内で利用される複数の把持用インサートの集まりのうちの1若しくは複数または全てのものの全周長を増加させることで増加させられ得る。代替的または追加的に、複数の把持用インサートの全把持表面面積は、複数の把持用インサートのうちの1若しくは複数または全てのものの幅を増加させることで増加させられ得る。しかしながら、全把持表面面積は、管の変形を回避するのに足る大きさでありながら、把持される管への径方向に印加された力または荷重を分散するほど十分に小さくなければならず、それにより、複数のインサートと管との間に十分な摩擦が実現される。複数のインサートの目標の全把持表面面積は、式(IV)として下に示す特定の関係を使用することで評価され得る。
式(IV)は、(本明細書において説明されるようなレンチ内に配置されて、既知の内径D,内側;外径D,外側;ならびに、既知の弾性係数E;およびポアソン比n外側を有する複数の把持用インサートを形成する)弓状の複数の把持用インサートDを使用して、(既知の内径D,内側;外径D,外側;弾性係数E;およびポアソン比n内側を有する)管状部材Dに対して円周方向に印加され得る圧力Pの推定を可能にする。
式(IV)において利用されるインターフェース径差(interface diameter difference)Δは、式(V)によって算出される。
Δ=D,外側−D,内側 (V)
インターフェース径差Δは、レンチ内に配置されたときの、把持される管状部材の外径と複数の把持用インサートの内径との差に対応する。
(把持される)管状部材の最大降伏値と、安全係数値の余裕分とを特定した後、提案された複数の把持用インサートが管状部材を変形させることなく使用され得るかどうかが、本明細書においてより詳細に説明されたように評価され得る。
図15は、把持される特定のワークピースまたは管用の把持用インサートまたは複数の把持用インサートの集まりを評価するための方法100を概略的に示している。図15において工程105−130として示されている第1段階において、方法100は、管の様々な寸法、すなわち、内径および外径、ならびに、管および把持用インサートの特定の材料特性、すなわち、弾性係数Eおよびポアソン比nの特定を含む。方法100はまた、提案された複数の把持用インサートの推定または提案された寸法、すなわち、複数のインサートの把持面の内径および外径ならびに全周長を使用する。方法100は、提案された把持用インサートを使用して管に印加され得る周囲圧力Pを提供し、その後、把持比率GRに基づいてその圧力を調節して、複数の把持用インサートを使用して算出された印加圧力P'を得る。
図15において工程135−165として示される方法100の第2段階において、内管の最大降伏値PMAXが特定される。当該方法はまた、最小安全係数を指定する段階と、その後、その指定された値を算出された安全係数値FSCALCと比較する段階とを備える。当該比較は、提案された複数の把持用インサートが、上記管と併せて、および上記安全性の範囲下で使用され得るかどうかの評価を可能にする。
より具体的には、例えば、方法100は、図16に示されるように、把持される管210の周囲に円周方向に配置され、互いに等距離の3つの把持用インサート215、225および235のシステム200上で実行され得る。図15および図16を参照すると、方法100は、把持される管210、すなわち「内管」の内径および外径を特定または測定する1または複数の工程105を備える。内管の内径は、本明細書において「D,内側」と称され、図16において示されている。内管の外径は、本明細書において「D,外側」と称され、図16において示されている。工程105はまた、本明細書において「E」と称される内管の弾性係数と、本明細書において「n」と称される内管のポアソン比とを得る段階を含む。
方法100はまた、本明細書において「E」と称される複数の把持用インサートの弾性係数と、本明細書において「n」と称される複数の把持用インサートのポアソン比とを特定または測定する1または複数の工程110を備える。Eおよびnの特性は、把持用インサートの基板の材料に関連している。上記特性の特定または測定の工程は、把持用インサートの基板の材料が既知である、または提案されている場合に実行される。当該方法は、上記特性の複数の値を直接提案する段階を含むことが理解されよう。
方法100はまた、複数の把持用インサートの構成またはサイズを提案する1または複数の工程115を備える。典型的には、複数の把持用インサートの集まりが、共に使用される場合、各把持用インサートは同一の複数の寸法および形状、すなわち湾曲した弓状の形を有する。故に、工程115は、本明細書において「D,内側」と称され、図16に示された各把持用インサートの内径を提案する。工程115はまた、本明細書において「D,外側」と称され、図16に示された各把持用インサートの外径を提案する。把持用インサートの内径および外径を指定する段階は、そのインサートの厚さを指定する段階と同等であることが理解されよう。工程115はまた、複数の把持用インサートの集まりの全周長を提案する段階を含む。全周長は、各把持用インサートにとっては、例えば、図16において示されるような、把持用インサート235の一端部231から対向する端部232まで内面234に沿って測定された円弧長さの寸法である。内面234は、管210に接触、すなわち、管210を把持する面である。内面234は、外面236から向かい合う方向に向けられている。レンチ内に把持用インサート235を取り付け、またははめ込むと、通常、外面236はレンチのあごに接触する。故に、全周長は各把持用インサートの円弧長さの和である。
方法100はまた、式(V)を使用して、インターフェース径差Δを算出する工程120を備える。
工程125における式(IV)を使用した圧力Pを算出する段階の後、その圧力は把持比率GRを使用して工程130で調節されて、提案された複数のインサートの把持比率を使用して、印加され得る調節された圧力P'を得ることができる。このことは、以下に式(VI)において示されている。把持比率GRは、複数の把持用インサートの全てと把持される管との間の円周上の接触の割合である。例として、管と、管の外周の3分の2に沿って接触する複数の把持用インサートの集まりについて、把持比率は0.666になろう。
図15は、内管の最大降伏値PMAXを特定または測定する1または複数の工程135を含む方法100の第2段階を概略的に示している。これは、内管を変形させることなく内管に印加され得る最大圧力である。
方法100はまた、最小安全係数FSMINを指定する1または複数の工程140を備える。状況、産業、規制、または他の基準に応じて、この係数は約1.5から100またはそれより大きい値までをとってよい。複数の特定の用途では、この係数は、例えば、約20であり得る。
当該方法はまた、安全係数値FSCALCを算出する段階を備える。FSCALCは、工程135において得られるPMAX値を使用し、式(VII)において示されるように、その値を工程130で得られた調節された圧力P'で除算することで決定される。
FSCALC=PMAX/P' (VII)
このことは、図15において工程145として示されている。
当該方法はまた、算出された安全係数値FSCALCを、工程140において指定された最小安全係数値FSMINと比較する1または複数の工程150を備える。算出された係数FSCALCが最小係数FSMINより小さいかまたはそれに等しい場合、160において示されるように、提案された複数の把持用インサートは指定された安全係数内である。FSCALCがFSMINより小さくも等しくもない、すなわち、FSMINより大きい場合、165において示されるように、提案された複数の把持用インサートは指定された安全係数内にはない。故に、方法100は、特定のワークピースの把持に使用するための提案された複数の把持用インサートを評価する、すなわち、それらの材料ならびに/またはサイズおよび構成を評価するための簡便な技術を提供する。
[実施例]
以下に示される表1は、複数の項をまとめ、当該表に示される複数の提案された値を有する複数の把持用インサートを使用して印加され得る、式(IV)を使用して算出された周囲圧力Pをもたらす複数の代表値を列挙している。
表1において示されるような、複数の把持用インサートを使用して印加され得る4596.928PSIという圧力Pを算出した後、圧力Pは、式(VI)に従って把持比率GRを使用して調節されて調節された圧力P'に達する。表1の複数の把持用インサートに関連付けられた0.514という把持比率を使用すると、表1の管に印加され得る2361.86PSIという調節された圧力P'がもたらされる。
印加され得る調節された圧力P'が所望の安全係数内かどうかの評価は、内管の最大降伏値PMAXを特定または測定することによって実行される。例えば、50,000PSIという内管の最大降伏値を使用して、その値はP'で除算され、算出された安全係数値に達する。算出された安全係数値を所望の安全係数値または最小安全係数値と比較することにより、提案された複数の把持用インサートが所望の安全係数内かどうかを示すものがもたらされる。
具体的には、既に決定された、2361.86PSIという調節された圧力P'、50,000PSIというPMAX、および式(VII)を使用すると、21.16974という算出された安全係数FSCALCがもたらされる。20という最小安全係数FSMINを想定すれば、安全性係数間の比較と、提案されたシステムが受け入れられる安全係数内であるという評価とが可能になる。
将来の応用と本技術の開発とにより、おそらくその他多数の利益が明らかとなるであろう。
本明細書において言及された全ての特許、出願、公開された出願、規格、および論文は、それらの全体がこれにより参照として組み込まれる。
本明細書において説明された一実施形態の任意の1または複数の特徴または構成要素は、別の実施形態の1または複数の他の特徴または構成要素と組み合わせられ得ることが理解されよう。故に、本主題は、本明細書において説明された複数の実施形態の複数の構成要素または特徴のありとあらゆる組み合わせを含む。
上述されたように、本主題はこれまでの方策、システム、および/またはデバイスに関連付けられた多数の課題を解決する。しかしながら、当業者によって、添付の特許請求の範囲に表されるようなクレームされた主題の原理および範囲から逸脱することなく、本主題の本質を説明すべく本明細書において説明され示されてきた複数の構成要素の詳細部分、材料、および配置の様々な変更が成され得ることが理解されよう。

Claims (26)

  1. 複数のあご部材を含むレンチで使用するための交換可能な把持用インサートであって、
    凹状の内面を画定する基板であって、前記内面に沿った40から49の範囲内のロックウェル硬さCを示す、基板と、
    前記基板の前記内面に沿って配置され、前記内面に接合された金属炭化物を含む層であって、露出した把持表面を画定する、層とを備え、
    前記複数のあご部材のうちの少なくともいくつかは、前記把持用インサートを収容し保持するための複数の設置部品を有する、
    把持用インサート。
  2. 前記基板は、前記基板の前記内面に沿った45から48のロックウェル硬さCを示す、
    請求項1に記載の把持用インサート。
  3. 前記基板は、前記基板の前記内面に沿った47のロックウェル硬さCを示す、
    請求項2に記載の把持用インサート。
  4. 前記基板は錬鉄から形成される、
    請求項1から3の何れか一項に記載の把持用インサート。
  5. 前記錬鉄は4140錬鉄である、
    請求項4に記載の把持用インサート。
  6. 前記基板上に配置された前記金属炭化物を含む前記層は、0.0045インチ(114.3ミクロン)から0.0075インチ(190.5ミクロン)の厚さを有する、
    請求項1から5の何れか一項に記載の把持用インサート。
  7. 前記金属炭化物はタングステンカーバイドである、
    請求項1から6の何れか一項に記載の把持用インサート。
  8. 第1の端部と、前記第1の端部と対向する第2の端部とを画定するハンドルと、
    近位端、遠位端を有する第1のあごであって、前記第1のあごは内部面を画定し、前記第1のあごの前記近位端は、前記ハンドルの前記第1の端部に枢動自在に取り付けられている、第1のあごと、
    近位端、遠位端を有する第2のあごであって、前記第2のあごは内部面を画定し、前記第2のあごの前記近位端は、第1の継手アセンブリにおいて前記第1のあごの前記遠位端に枢動自在に取り付けられている、第2のあごと、
    近位端、遠位端を有する第3のあごであって、前記第3のあごは内部面を画定し、前記第3のあごの前記近位端は、第2の継手アセンブリにおいて前記第2のあごの前記遠位端に枢動自在に取り付けられ、前記第3のあごの前記遠位端は、前記ハンドルの前記第1の端部と解除可能に係合できる、第3のあごと、
    前記第1のあご、前記第2のあごおよび前記第3のあごのうちの少なくとも1つのあごの内部面に取り付けられた少なくとも1つの把持用インサートであって、(i)凹状の内面を画定する基板であって、前記内面に沿った40から49の範囲内のロックウェル硬さCを示す、基板と、(ii)前記基板の前記内面に沿って配置され、前記内面に接合された金属炭化物を含む層であって、露出した把持表面を画定する、層とを含む、少なくとも1つの把持用インサートとを備える
    レンチ。
  9. 前記レンチは、前記第1のあごに取り付けられた第1の把持用インサートと、前記第2のあごに取り付けられた第2の把持用インサートと、前記第3のあごに取り付けられた第3の把持用インサートとを備える、
    請求項8に記載のレンチ。
  10. 前記少なくとも1つの把持用インサートは、前記第1のあご、前記第2のあご、および前記第3のあごのうちの少なくとも1つに着脱可能に取り付けられる、
    請求項8または9に記載のレンチ。
  11. 前記基板は、前記基板の前記内面に沿った45から48のロックウェル硬さCを示す、
    請求項8から10の何れか一項に記載のレンチ。
  12. 前記基板は、前記基板の前記内面に沿った47のロックウェル硬さCを示す、
    請求項11に記載のレンチ。
  13. 前記基板は錬鉄から形成される、
    請求項8から12の何れか一項に記載のレンチ。
  14. 前記錬鉄は4140錬鉄である、
    請求項13に記載のレンチ。
  15. 前記基板上に配置された前記金属炭化物を含む前記層は、0.0045インチ(114.3ミクロン)から0.0075インチ(190.5ミクロン)の厚さを有する、
    請求項8から14の何れか一項に記載のレンチ。
  16. 前記金属炭化物はタングステンカーバイドである、
    請求項8から15の何れか一項に記載のレンチ。
  17. 第1の端部および第2の端部を画定するハンドルと、
    ヒンジ式に接続された複数のあご部材であって、前記ハンドルの前記第1の端部に枢動自在に取り付けられた1番目のあご部材と、前記ハンドルと係合可能な末端のあご部材とを含み、各々が内部面を画定する、複数のあご部材と、
    前記複数のあご部材のうちの少なくとも1つのあごの内部面に取り付けられた少なくとも1つの把持用インサートであって、(i)凹状の内面を画定する基板であって、前記内面に沿った40から49の範囲内のロックウェル硬さCを示す、基板と、(ii)前記基板の前記内面に沿って配置され、前記内面に接合された金属炭化物を含む層であって、露出した把持表面を画定する、層とを含む、少なくとも1つの把持用インサートとを備える
    レンチ。
  18. 前記レンチは複数の把持用インサートを備え、各把持用インサートは対応するあご部材に取り付けられる、
    請求項17に記載のレンチ。
  19. 前記少なくとも1つの把持用インサートは、前記複数のあご部材のうちの少なくとも1つに着脱可能に取り付けられる
    請求項17または18に記載のレンチ。
  20. 前記基板は、前記基板の前記内面に沿った45から48のロックウェル硬さCを示す、
    請求項17から19の何れか一項に記載のレンチ。
  21. 前記基板は、前記基板の前記内面に沿った47のロックウェル硬さCを示す、
    請求項20に記載のレンチ。
  22. 前記基板は錬鉄から形成される
    請求項17から21の何れか一項に記載のレンチ。
  23. 前記錬鉄は4140錬鉄である、
    請求項22に記載のレンチ。
  24. 前記基板上に配置された前記金属炭化物を含む前記層は、0.0045インチ(114.3ミクロン)から0.0075インチ(190.5ミクロン)の厚さを有する、
    請求項17から23の何れか一項に記載のレンチ。
  25. 前記金属炭化物はタングステンカーバイドである、
    請求項17から24の何れか一項に記載のレンチ。
  26. レンチ内の提案された複数の把持用インサートの特定の管での使用が、指定された安全係数内であるかどうかを評価するための方法であって、
    前記管の内径、前記管の外径、前記管の弾性係数、および前記管のポアソン比を特定する段階と、
    前記複数の把持用インサートの弾性係数、および前記複数の把持用インサートのポアソン比を提案する段階と、
    前記複数の把持用インサートの内径、前記複数の把持用インサートの外径、および前記複数の把持用インサートの周長を提案する段階と、
    前記提案された複数の把持用インサートを使用して周囲圧力Pを算出する段階であって、前記周囲圧力Pは、式(IV)および式(V)によって算出される、段階と、
    前記提案された複数の把持用インサートを使用して把持比率GRを決定する段階と、
    式(VI)を使用して調節された圧力P'を算出する段階と、
    前記管の最大降伏値PMAXを特定する段階と、
    最小安全係数FSMINを指定する段階と、
    式(VII)を使用して安全係数FSCALCを算出する段階と、
    前記算出された安全係数FSCALCを前記最小安全係数FSMINと比較する段階とを備え、
    (i)前記算出された安全係数FSCALCが前記最小安全係数FSMINより小さいかまたはそれに等しい場合、前記提案された複数の把持用インサートは前記指定された安全係数内であり、(ii)前記算出された安全係数FSCALCが前記最小安全係数FSMINより大きい場合、前記提案された複数の把持用インサートは、前記指定された安全係数内ではない、
    方法。
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