JP2017506676A - C1阻害剤を用いる遺伝性血管性浮腫の治療 - Google Patents

C1阻害剤を用いる遺伝性血管性浮腫の治療 Download PDF

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Abstract

遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者の急性発作を治療するための方法であって、当該方法によって、組換え体C1エステラーゼ抑制剤の初回用量および2回目用量は、それぞれ、患者当たり50IU/kg体重で、患者に静脈内投与され、これにおいて、初回用量および2回目用量は24時間以内に投与される。組み換え体C1エステラーゼ阻害剤は、ヒト血漿由来C1エステラーゼ阻害剤のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列およびヒト血漿由来C1エステラーゼ阻害剤と比較して修飾された炭水化物構造を有する。急性症状の軽減並びに再発および/または新たな発作症状の減少は、当該方法の使用によって達成される。

Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年2月28日に提出された米国仮特許出願第61/946,677に対する35USC119(e)の利益を主張し、すべての目的のため、当該全体の参照によって本明細書に援用される。
[背景]
ヒトC1阻害剤(C1INH)は、C1エステラーゼ阻害剤としても知られており、セリンプロテアーゼ阻害剤のスーパーファミリーの物質である。米国特許7,067,713には、トランスジェニック非ヒト哺乳動物(rhC1INH)の乳中における組換え体C1阻害剤の産生を開示する。その特許は、またC1阻害剤(または当該組換え体調製物)が、HAE患者または免疫抑制を必要とする患者を治療するのに有用であることも示す。
HAEは、稀な、潜在的に生命を脅かす疾患であり、常染色体優性遺伝疾患であると理解されている。C1エステラーゼ阻害剤欠乏を伴う遺伝性血管性浮腫は、組織腫脹の再発性発作によって特徴づけられる。例えば、HAE発作は、顔面、末梢、咽頭/喉頭、消化(GI)管/腹部または泌尿生殖器の腫れの再発エピソードとして示すことができる。HAE発作に苦しむ患者は、激しい痛み、障害、膨満感、吐き気、等にも苦しむことになり、入院、または学校、仕事、および社会的相互作用ならびに睡眠の中断の経験を必要とするかもしれない。急性発作は予測不可能であり、明白な引き金なしに頻繁に発生する。急性HAE発作の患者の症状の軽減を達成する方法のための技術を必要とする。
[概要]
本発明は、ヒトの患者においてHAEの急性発作の新規な治療法の発見に、部分的に基づく。本願に記載される方法および投与計画は、HAE患者の生存に有利、場合によっては重要であるかもしれない。投与計画の恩恵を受け得る患者のグループは、生命を脅かすHAEの症状を有する個人、組換え体C1抑制剤の初回投与後4時間でHAE発作の症状からの軽減を経験しない患者、および組換え体C1抑制剤の初回投与後にわずかな軽減(VASスコアの20mm未満の減少)のみを経験する患者、を除外せずに含む。
本願に記載される一態様は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者における急性発作を治療するための方法である。当該方法は、組換え体C1エステラーゼ阻害剤の初回用量を、50IU/kg患者の体重で患者に静脈内投与し、初回用量の投与後に、組換え体C1エステラーゼ阻害剤の2回目用量を50IU/kg患者の体重で患者に静脈内投与し、それによってHAE患者における急性HAEの発作を治療することを含む。
いくつかの実施形態において、初回用量は、患者においてHAE発作の発病から5時間以内に投与される。更なる実施形態において、2回目用量は、初回投与後、少なくとも4時間で投与される。更なる実施形態において、初回用量および2回目用量は24時間以内で投与される。更なる実施形態において、2回以下の用量が24時間以内に投与される。
いくつかの実施形態において、当該方法は、複数のHAE発作部位を有する患者に実施される。発作部位は、末梢、腹部、顔面、口腔咽頭および/または喉頭であってもよい。更なる実施形態において、HAE発作は、患者の生命を脅かす症状の形態で明示される。更なる実施形態において、発作は、100mmの視覚的アナログスケール(VAS)で、少なくとも50mmの重症度評価を有してもよい。
いくつかの実施形態において、当該方法は、患者に実施され、症状の軽減の開始は、初回投与から4時間以内に起こり、軽減の程度は、2回目投与より前にVASスコアで20mm未満減少する。VASSスコアの減少は、場合によっては、連続する2つの時点に基づいて測定されてもよい。
いくつかの実施形態において、方法は、患者において実施され、患者のHAE発作の症状は、初回投与後および2回目投与より前まで続く。
いくつかの実施形態において、本願に記載される組み換え体C1阻害剤は、ヒト血漿由来C1エステラーゼ阻害剤のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列、およびヒト血漿由来C1エステラーゼ阻害剤と比較して修飾された炭水化物構造を有する。更なる実施形態において、組換え体C1阻害剤は、トランスジェニック哺乳類の乳から精製される。更なる実施形態において、組換え体C1阻害剤は、rhC1INHである。
本願に記載されるいずれかの実施形態において、組換え体C1エステラーゼ阻害剤の初回および2回目投与は、患者によって自己投与されてもよい。
他の態様において、本願で提供されるのは、HAEを治療する方法であり、方法は、C1阻害剤を含む組成物を投与することを含み、当該方法において症状の大幅な軽減が4時間以内に達成される。本願に記載される他の態様は、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含む急性HAE発作に苦しむ患者を治療する方法であり、当該方法において治療は、急性HAE発作の症状から患者を大幅に楽にし、12時間、または好ましくは24時間、またはより好ましくは48時間、またはさらに好ましくは72時間以内に症状が再発(recurrence)することはない。さらに、12時間、より好ましくは24時間、またはより好ましくは48時間、またはさらに好ましくは72時間以内の新たな急性HAE発作はないと好ましい。
本願に記載される他の態様において、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含むHAE患者の治療方法であり、当該方法において、治療は、HAE症状の大幅な軽減を提供するが、患者のD−ダイマーレベルは大幅に上昇しない。より好ましくは、D−ダイマーレベルはC1阻害剤組成物の投与から少なくとも7日間にわたって大幅に上昇しない。
更なる実施形態において、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含むHAE患者の治療方法であり、当該方法において、治療は、HAE症状の大幅な軽減を提供するが、血栓塞栓症の危険性は大幅に増加しない。治療は、好ましくは、深部静脈血栓症の危険性を大幅に増加させない。
上記実施形態のそれぞれに、C1阻害剤組成物を、粘膜下または皮下の1つ以上の発作部位を有する患者に投与することができる。好ましい実施形態において、C1阻害剤は、rhC1INHなどの組換え体C1阻害剤である。上記態様のそれぞれにおいて、組成物は、単回投与、または複数回投与、好ましくは単回投与で投与される。組成物は、25〜100IU/kgで、より好ましくは約50IU/kgで、最も好ましくは50IU/kgで投与される。
上記実施形態において、C1阻害剤は、HAE症状の軽減を提供するために好ましくは投与される。好ましい実施形態において、それらの症状の一つは、HAEによる組織腫脹である。C1阻害剤組成物を、HAEまたは急性HAE発作に苦しむ患者に投与することができる。他の態様および実施形態を以下に記載する。
実施例1の研究に登録された患者に投与されるrhC1INH投与数(単回投与対2回投与)によるHAE発作の内訳を示す円グラフ。rhC1INHの単回投与は、93%の発作に投与されるのに対し、rhC1INHの2回投与は、7%の発作に投与された。 実施例1に記載される研究のためにrhC1INH治療患者における応答と再発率(relapse rates)を示すグラフ。これらの研究のために、応答は、持続性を伴う、4時間以内の症状の軽減の開始として定義された。持続性は、VASスコアの20mm以上の減少を達成する軽減の程度に関する。 実施例1に記載されるrhC1INH治療後、3日以内の発作症状の再発(recurrences)、または新たな発作症状の数を示すグラフ。 D−ダイマー濃度のベースライン中央値を示すグラフであり、実施例2に参照されるHAE患者では正常なレベルから上昇した。 正常のD−ダイマー濃度レベルと比較して、プラセボ患者対rhC1INH患者の時間毎の中央値D−ダイマー濃度の変化を示すグラフ(実施例2)。 正常のD−ダイマー濃度レベルと比較して、粘膜下または皮下の発作部位を有したプラセボ患者のD−ダイマー濃度を示すグラフ(実施例2)。 正常のD−ダイマー濃度レベルと比較して、粘膜下または皮下の発作部位を有したrhC1INH患者のD−ダイマー濃度を示すグラフ(実施例2)。 正常のD−ダイマー濃度レベルと比較して、複数の発作部位対単一の発作部位を有する患者のD−ダイマー濃度を示すグラフ(実施例2)。 rhC1INH対プラセボを投与された患者のD−ダイマー濃度を示すグラフ(実施例2)。
[詳細な説明]
C1エステラーゼ阻害剤(C1INH)欠乏症を伴う遺伝性血管性浮腫は、組織腫脹の再発性発作(recurrent attacks)によって特徴付けられる。組換え体ヒトC1INH(rhC1INH)は、HAE患者における血管性浮腫症状の改善に効果的である。治療は、少なくとも12時間、24時間、48時間または72時間以内で高い応答率を生じさせ、再発(relapses)はないという結果になる。治療は、4時間以内に大幅な軽減または軽減の開始を提供する。更なる実施形態において、rhC1INHの単回投与は、急性HAE発作の治療における持続性および耐久性のある応答を提供する。他の実施形態において、方法は、投与毎に50IU/kg患者の体重で組換え体C1阻害剤の初回用量を患者に投与し、初回用量後、組換え体C1阻害剤の2回目用量を投与することを含む。本願に記載される方法において、本願に記載される組換え体C1阻害剤を用いる治療は、D−ダイマーレベルの上昇、血栓塞栓症、深部静脈血栓症などの副作用は生じず、またはこれらの副作用の危険性は存在しない。
本願に記載される一つの態様は、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含む遺伝性血管性浮腫(HAE)患者の治療方法であり、当該方法において、症状の大幅な軽減は4時間以内に達成される。本願に記載される他の態様において、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含む急性HAE発作に苦しむ患者を治療する方法であり、当該方法において、治療は急性HAE発作による症状の患者を大幅に楽にし、12時間、24時間、48時間、または72時間以内の症状の再発(recurrence)は実質的にない。さらに、12時間、24時間、48時間、または72時間以内の新たな急性HAE発作がないと好ましい。
本願に記載される他の態様は、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含むHAE発作に苦しむ患者を治療する方法であり、当該方法において、治療はHAE症状の大幅な軽減を提供するが、患者のD−ダイマーレベルは実質的に上昇しない。一実施形態において、C1阻害剤組成物の投与から少なくとも7日間にわたって大幅に上昇しない。他の実施形態において、患者のD−ダイマーレベルは、治療後少なくとも7日間を通じて治療の時から4000ug/Lより低いまま、3000ug/Lより低いまま、2500ug/Lより低いままである。
本願に記載される更なる態様は、C1阻害剤を含む組成物を患者に投与することを含むHAE発作に苦しむ患者を治療する方法であり、当該方法において、治療はHAE症状の大幅な軽減を提供するが、患者の血栓塞栓症の危険性は実質的に上昇しない。治療はさらに、深部静脈血栓症の危険性を大幅に増加させない。
上記実施形態のそれぞれに、C1阻害剤組成物を、粘膜下または皮下の1つ以上の発作部位を有する患者に投与することができる。一実施形態において、C1阻害剤は、rhC1INHである。本願に記載される上記態様のそれぞれにおいて、組成物は、単回投与、または複数回投与、好ましくは単回投与で投与される。組成物は、25〜100IU/kgで、より好ましくは約50IU/kgで、または50IU/kgで投与される。投与は好ましくは静脈内に投与される。
上記実施形態において、C1阻害剤組成物は、HAE発作からの症状の軽減を提供するため、すなわち、HAEによる組織腫脹の大幅な減少を誘導するために好ましくは投与される。
[C1阻害剤遺伝子]
Cl阻害剤cDNA配列は、22個のアミノ酸シグナル配列を含む500個のアミノ酸のタンパク質をコードすることが示された(Bock et al.1986,Biochem.25:4292−4301)。C1阻害剤の全ヒトゲノム配列は知られており、遺伝子は7個のイントロンを含むことを示す(Carter P.et al.1988,Eur.J.Biochem.173:163)。本願の参照において記載されるいずれかの原型の配列の対立遺伝子性、同族性(cognate)および、誘導される変異型を発現するトランスジェニック哺乳類は、本発明に含まれる。当該変異型は、通常、公知のC1阻害剤遺伝子とアミノ酸レベルで実質的な配列同一性を示す。当該変異型は、通常、厳しい条件下、公知の遺伝子にハイブリダイズする、または公知の遺伝子の一つによってコードされるポリペプチドに抗体と共に交差反応する。ゲノム配列およびcDNA配列の他の例は、ジェンバンク(GenBank)から利用できる。C1阻害剤遺伝子のさらなるクローン配列を必要とする限り、クローン配列は、公知のC1阻害剤配列を用いて、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリー(好ましくはヒト)から得られてもよい。
[導入遺伝子の設計]
導入遺伝子は、導入遺伝子を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物の乳腺に対して組換え体C1阻害剤の発現を標的に設計される。基本的なアプローチは、外因性DNA断片の発現を促進するために効果的なシグナル配列、および制御配列を用いてタンパク質をコードする外因性DNA断片を操作可能に結合することを伴う。通常、制御配列は、プロモーター、およびエンハンサーを含む。DNA断片は、ゲノム、ミニ遺伝子(除去される一つ以上のイントロンを有するゲノム)、cDNA、YAC断片、2つの異なるC1阻害剤遺伝子のキメラ、またはそれらのいずれかのハイブリッドであることができる。ゲノム配列への組み込みは、一般的により高いレベルの発現につながる。
ゲノムの構成において、すべてのイントロン配列を保持する必要はない。例えば、いくつかのイントロン配列は、DNA操作および続くマイクロインジェクションを促進するより小さい導入遺伝子を得るために除かれることができる。Archibald et al.WO90/05188(全ての目的のために完全に当該明細書において参照によって包含される)を参照されたい。いくつかのイントロンの除去は、場合によっては、発現レベルを高めるためにも役立つ。翻訳後修飾が実質的に完了することを確実にするために、発現レベルを減少させるように一つ以上のイントロンの除去が望まれてもよい。いくつかの、または全ての非コーディングエクソンを削除することも可能である。いくつかの導入遺伝子において、C1阻害剤をコードする配列において選択されたヌクレオチドは、蛋白質分解的切断部位を除くために変異される。トランスジェニック哺乳類によって生成されるC1阻害剤の使用目的は、通常、ヒトへの投与であり、C1阻害剤配列をコードするDNA断片を得る種は、好ましくはヒトである。同様に、使用目的が獣医用の治療(例えば、馬、犬または猫)である場合、DNA断片は、同じ種からであると好ましい。プロモーターやエンハンサーなどの制御配列は、乳腺において発現されるだけの、または少なくとも優先的に発現される遺伝子(乳腺特異的遺伝子など)からである。プロモーターやエンハンサーの源として好ましい遺伝子は、β−カゼイン、κ−カゼイン、αS1−カゼイン、αS2−カゼイン、β−ラクトグロブリン、ホエイプロテイン酸、およびα−ラクトアルブミンを含む。プロモーターおよびエンハンサーは、常にではないが、通常、同じ乳腺特異的遺伝子から得られる。好ましくはこの遺伝子は、導入遺伝子が発現されることになる哺乳類と同じ種の哺乳類からである。ヒト遺伝子からの発現制御配列など他の種からの発現制御配列も使用することができる。シグナル配列は、乳腺からC1阻害剤の分泌を行うことができなければならない。適切なシグナル配列は、分泌される蛋白質をコードする哺乳類遺伝子に由来されることができる。C1阻害剤の天然のシグナル配列が適している。当該シグナル配列に加えて、シグナル配列の好ましい源は、プロモーターおよびエンハンサーが得られる遺伝子と同じ遺伝子からのシグナル配列である。必要に応じて、追加の調節配列は、発現レベルを最適化するために導入遺伝子に含まれる。当該配列は、5’隣接領域、5’転写されるが翻訳されない領域、イントロン配列、3’転写されるが翻訳されない領域、ポリアデニル化部位、3’隣接領域を含む。当該配列は、プロモーターおよびエンハンサーが得られる乳腺特異的遺伝子、または発現されるC1阻害剤遺伝子のどちらかから通常得られる。当該配列を含むことは、真の乳腺特異的遺伝子および/または真のC1阻害剤遺伝子の発現を刺激する遺伝的環境を生成する。この遺伝的環境は、いくつかの場合において(例えば、牛αS1−カゼインなど)、転写される遺伝子の高発現をもたらす。代替的に、3’隣接領域、および、非翻訳領域は、β−グロビン遺伝子、またはウイルス遺伝子のような他の異種の遺伝子から得られる。C1阻害剤遺伝子または他の異種の遺伝子からの3’および5’非翻訳領域を含むことは、転写の安定性も向上させることができる。
いくつかの実施形態において、約0.5、1、5、10、15、20または30kbの5’隣接配列は、発現されるC1阻害剤遺伝子からの約1、5、10、15、20または30kbの3’隣接配列と組み合わせて乳房特異的遺伝子から含まれる。タンパク質がcDNAから発現される場合、プロモーターおよびコード配列の間にイントロン配列を含むために有利である。イントロン配列は、プロモーターが得られる乳腺特異的遺伝子領域の最初のイントロンからの(介在配列からの)5’部分から、およびIgG介在配列またはC1阻害剤遺伝子の介在配列からの3’部分から形成されるハイブリッド配列であると好ましい。DeBoer et al.,WO91/08216(すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)を参照。C1阻害剤cDNAを発現するための他の好ましい導入遺伝子は、pBClベクターキットに基づかれ、インビトロジェン(カールスバッド(Calsbad),カリフォルニア州)から市販されている。pBClベクターは、ヤギβ−カゼインプロモーターおよびヤギβ−カゼイン遺伝子を含み、いくつかのエクソンおよびイントロン、並びに3’非翻訳配列を含む。pBClの特有のXho挿入部位へのC1阻害剤cDNAの挿入は、ヤギβ−カゼインのエクソンおよびイントロン配列が隣接されるC1阻害剤cDNA配列を含むキメラRNAを生成するだろう。しかしながら、このキメラRNA分子の適切なスプライシングに対して、C1阻害剤cDNA配列のみが翻訳される。
ゲノム配列からC1阻害剤タンパク質を発現するために好ましい挿入遺伝子は、コード配列全体をコードするゲノムC1阻害剤配列、およびシグナルペプチド、3’UTR、および3’隣接配列を含み、C1阻害剤タンパク質を十分に直接発現させるために制御配列を含む5’アルファSIカゼインに操作可能に連結される。
DNA配列情報は、少なくとも一つ、多くの場合いくつかの生物において上記に列挙される乳腺特異的遺伝子の全てに利用可能である。例えば、Richards et al.,J.Biol.Chem.256,526−532(1981)(α−ラクトアルブミンラット);Campbell et al.,Nucleic Acids Res.12,8685−8697(1984)(ラット WAP);Jones et al.,J.Biol.Chem.260,7042−7050(1985))(ラット β−カゼイン);Yu−Lee&Rosen,J.Biol.Chem.258,10794−10804(1983)(ラット γ−カゼイン));Hall,Biochem.J.242,735−742(1987)(α−ラクトアルブミン ヒト);Stewart,Nucleic Acids Res.12,389(1984)(ウシ αS1およびKカゼインcDNAs);Gorodetsky et al.,Gene 66,87−96(1988)(ウシ βカゼイン);Alexander et al.,Eur.J.Biochem.178,395−401(1988)(ウシ Kカゼイン);Brignon et al.,FEBS Lett.188,48−55(1977)(ウシ αS2カゼイン);Jamieson et al.,Gene 61,85−90(1987),Ivanov et al.,Biol.Chem.Hoppe−Seyler 369,425−429(1988),Alexander et al.,Nucleic Acids Res.17,6739(1989)(ウシ βラクトグロブリン);Vilotte et al.,Biochimie 69,609−620(1987)(ウシ α−ラクトアルブミン)を参照(すべての目的のためにそれらの全体の参照によって援用される)。
様々な乳蛋白質遺伝子の機能と構造は、Mercier&Vilotte,J.Dairy Sci.76,3079−3098(1993)によって再調査される(すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)。付加的な配列データが必要とされ得る範囲では、すでに得られた領域に隣接する配列は、プローブとして存在する配列を用いて容易にクローン化されることが可能である。異なる生物からの乳腺特異的制御配列は、公知の同族のヌクレオチド配列、またはプローブのような同族タンパク質に対する抗体を用いて当該生物から、スクリーニングライブラリーによって同様に得られる。
乳腺に対する組換え体タンパク質の発現を標的とするためにαS1−カゼイン制御配列を用いる総合戦略および典型的な導入遺伝子は、DeBoer et al.,WO91/08216、およびWO93/25567により詳細に記載される(すべての目的のためにそれらの全体の参照によって援用される)。他の乳腺特異的遺伝子からの制御配列を用いる導入遺伝子の例も記載されている。例えば、Simon et al.,Bio/Technology 6,179−183(1988)およびWO88/00239(1988)(羊の発現用β−ラクトグロブリン制御配列);Rosen, EP279,582およびLee et al.,Nucleic Acids Res. 16,1027−1041(1988)(マウスの発現用β−カゼイン制御配列);Gordon,Biotechnology 5,1183(1987)(マウスの発現用WAP制御配列);WO88/01648(1988)およびEur.J.Biochem.186,43−48(1989)(マウスの発現用α−ラクトアルブミン制御配列)を参照(すべての目的のための当該全体の参照によって援用される)。
上述の導入遺伝子は、非ヒト哺乳類に導入される。マウス、ラット、ウサギなどの齧歯動物、羊などの羊のような動物(ovines)、ヤギなどヤギのような動物(caprines)、豚などの豚のような動物(porcines)、牛、バッファローなどのウシ亜科の動物などを含む、ほとんどの非ヒト哺乳類が適している。ウシ亜科の動物は、乳を大量に生産するという利点を提供し、一方、マウスは、形質転換および繁殖の容易さという利点を提供する。ウサギは、これらの利点の良い妥協点を提供する。ウサギは約14%のタンパク質含有量で一日あたり100mlの乳をもたらすことができ(Buhler et al.,Bio/Technology 8,140(1990)(すべての目的のための当該全体の参照によって援用される)、さらにマウスと同じ原理および同様の施設を用いて、操作および繁殖されることができる。ハリモグラおよびダックビル(duckbill)カモノハシなどのような非胎生哺乳類は、通常用いられない。
形質転換のいくつかの方法において、導入遺伝子は、受精卵の前核に導入される。マウスおよびウサギなどのいくつかの動物の受精は、体内(in vivo)で行われ、受精卵子は摘出される。他の動物において、特にウシは、生動物または畜殺場動物から卵子を取除き、体外(in vitro)で卵子を受精させると好ましい。DeBoer et al.,WO91/08216を参照されたい。体外受精は、導入遺伝子が移植のために細胞周期の最適な段階で(S期までに)実質的に同調細胞に導入されることを可能にする。導入遺伝子は通常マイクロインジェクションによって導入される。US4,873,292を参照されたい。受精卵は、その後、約16〜150個の細胞を含み着床前胚が得られるまで体外培養する。16〜32個の細胞の胚は桑実胚と呼ばれる。32個より多い細胞を含む着床前胚は胚盤胞と呼ばれる。これらの胚は、64個の細胞段階で、通常、卵割腔の発達を示す。着床前の段階に受精卵を培養するための方法は、Gordon et al.,Methods Enzymol.101,414(1984);Hogan et al.,マウス胚の操作:A 実験室マニュアル,C.S.H.L.N.Y.(1986)(マウス胚);Hammer et al.,Nature 315,680(1985)(ウサギ胚および豚胚);Gandolfi et al.J.Reprod.Fert.81,23−28(1987);Rexroad et al.,J.Anim.Sci.66,947−953(1988)(ヒツジ胚)and Eyestone et al.J.Reprod.Fert.85,715−720(1989);Camous et al.,J. Reprod.Fert.72,779−785(1984);and Heyman et al.臨床繁殖学27,5968(1987)(ウシ胚)に記載される(すべての目的のためにそれらの全体の参照によって援用される)。時々、着床前胚は移植保留期間冷凍保存される。着床前胚は、偽妊娠メスの卵管に移植され、導入遺伝子が組み込まれると発達の段階に依存して、トランスジェニックまたはキメラ動物の誕生をもたらす。キメラ哺乳類は、真の生殖細胞系トランスジェニック動物を形成するために繁殖されることができる。
代替的に、導入遺伝子は胚性幹細胞(ES)に導入されることができる。これらの細胞は、体外(in vitro)で培養される着床前胚から得られる。Bradley et al.,Nature 309 255−258(1984)(すべての目的のため当該全体の参照によって援用される)。導入遺伝子は、エレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションによって当該細胞に導入されることができる。ES細胞は、相同組換えを介して特定の染色体の位置に導入遺伝子を導入するのに適している。例えば、C1阻害剤をコードする導入遺伝子を、内因性制御配列に操作可能に連結されることになるゲノム位置に導入することができ、乳腺におけるコード配列の発現を行うことができる。形質転換されたES細胞は非ヒト動物からの胚盤胞と組み合わされる。ES細胞は、胚に、およびいくつかの胚にコロニーをつくり、結果的に生じるキメラ動物の生殖細胞を形成、または生殖細胞に貢献する。Jaenisch,Science,240,1468−1474(1988)を参照されたい(すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)。代替的に、ES細胞は、除核受精卵母細胞への移植核の源として使用されることができ、トランスジェニック哺乳類を生じさせる。更なる実施形態において、トランスジェニック動物、好ましくは、非ヒト哺乳類は、C1阻害剤を発現することができる導入遺伝子を含み、核移植を含む方法によって生成される。種々の型の細胞を、卵母細胞に移植するための核ドナーとして使用することができる。ドナー細胞を、未分化から完全に分化された範囲の分化の様々な段階で、静止細胞および増殖細胞の両方など、様々な細胞周期段階で、成体、胎児、または胚性細胞などのような、C1阻害剤導入遺伝子を含むトランスジェニック動物の全ての組織から得ることができ、および体細胞組織または生殖細胞組織のいずれかから得ることができる。(WO97/07669、WO98/30683、WO98/39416参照。すべての目的のためにそれらの全体の参照によってそれぞれ援用される)。
代替的に、ドナー核は、体外(in vitro)で培養された細胞から得られ、ドナー核へのC1阻害剤導入遺伝子は、Ca−リン酸トランスフェクション、マイクロインジェクションまたはリポフェクションのような、従来の方法を使用して導入され、続いて、導入遺伝子または導入遺伝子の特異的挿入の存在が選択またはスクリーニングされる(WO98/37183およびWO98/39416参照、すべての目的のためにそれらの全体の参照によってそれぞれ援用される)。ドナー核は、電気的もしくは化学的誘導された融合によって(WO97/07669、WO98/30683、WO98/39416のいずれか一つを参照)、またはマイクロインジェクションによって(WO99/37143、すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)、卵母細胞に導入される。移植された卵母細胞は、続いて胚に成長するように培養され、続いて偽妊娠雌動物の卵管に移植され、トランスジェニック子孫の誕生につながる(WO97/07669、WO98/30683、およびWO98/39416参照)。
形質転換の他の方法は、所望の導入遺伝子を導入するために(レトロ)ウイルスに基づくベクターを使用する。当該ベクターの例は、Yeeらによって記載の通りレトロウイルスベクター(VSV−G偽型)由来の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質(VSG−G)MoMLVを含む(1994,MEth.Cell.Biol.43:99−112、すべての目的のため当該全体の参照によって援用される)。非ヒト哺乳類、好ましくはウシの受精前の第2減数分裂の中期IIで停止される卵母細胞は、Chanらによって記載の通り、トランスジェニック子孫の生産のために、当該VSV−G偽型ベクターを用いて感染する(1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA95:14028−14033、すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)。代替的に、遺伝子組み換え動物の生産の代わりに、限定される器官、好ましくは、乳腺は、医薬品タンパク質を作成する目的のためにレトロウイルス感染によって形質転換される。乳房上皮細胞に感染させるために、非ヒト乳腺にC1阻害剤をコードする配列を運ぶ注入レトロウイルスベクターは、これらの動物の乳にC1阻害剤タンパク質の産生を可能にする(Archer et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:6840−6844,すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)。
2つ以上の導入遺伝子を含むトランスジェニック動物の産生のために、導入遺伝子を、単一の導入遺伝子と同じ手順を用いて同時に導入することができる。
代替的に、導入遺伝子を、別の動物に最初に導入することができ、その後、その動物を繁殖することによって同じゲノムに組み込むことができる。代替的に、最初のトランスジェニック動物を、導入遺伝子の一つを含むように生産される。その後、2つ目の導入遺伝子を、その動物からの受精卵または胚性幹細胞に導入する。いくつかの実施形態において、さもなければ約50kbを超えるだろう長さの導入遺伝子を、重複断片として構成する。当該重複断片は、受精卵や胚性幹細胞に同時に導入され、体内(in vivo)で相同組換えを受ける。Kay et al.WO92/03917参照(すべての目的のために当該全体の参照によって援用される)。
本願に記載されるトランスジェニック哺乳類は、上述のようにそれらのゲノムにおいて少なくとも1つの導入遺伝子を含む。ある細胞段階での導入遺伝子の導入は、通常、トランスジェニック動物およびそれらの子孫をもたらし、それらの生殖細胞および体細胞(体細胞変異をうけている数個の細胞の可能性を除く)の全ては実質的にそれらのゲノムに導入遺伝子を含む。後期での導入遺伝子の導入は、モザイク動物またはキメラ動物につながる。しかしながら、それらの生殖細胞系列に導入遺伝が組み込まれたいくつかの当該動物は、それらの体細胞および生殖細胞の全てにおいて実質的に導入遺伝子を含む形質転換体を生産するために繁殖されることができる。乳腺細胞のウイルス形質転換はトランスジェニック哺乳類をもたらし、当該トランスジェニック哺乳類において導入遺伝子は乳腺細胞にのみ存在する。当該哺乳類は、将来の世代に当該生殖細胞系列を伝達しない。
導入遺伝子は、少なくとも主に乳腺にC1阻害剤蛋白質をコードするDNA断片の発現を目的とする。C1阻害剤は、少なくとも100、500、1000、2000、5000、または10,000、20,000、または50,000μg/mlの高いレベルで分泌されることができる。本願に記載されるトランスジェニック哺乳類は、実質的に健康を示す。乳腺組織以外の組織でのC1阻害剤蛋白質の二次発現は、有害な影響を引き起こすのに十分な程度まで起こらない。さらに、外因性C1阻害剤タンパク質は、十分な効率で乳腺から分泌され、分泌器官の動きを妨げる沈着物による問題は生じない。
トランスジェニック哺乳類は乳を生産し始めることができる年齢で、当然、天然の動物とは異なる。トランスジェニックウシでは、当該年齢は生来約2歳半の年齢で、ホルモン刺激を用いて6か月の年齢であり、一方、トランスジェニックマウスでは、当該年齢は約9〜11週齢である。もちろん、種のメスメンバーのみ、乳の生産に役立つ。しかしながら、トランスジェニックのオスは、メスの子孫を繁殖するためにも価値がある。トランスジェニックのオスからの精子は、続く体外受精およびメスの子孫の発生のために冷凍保存されることができる。乳または他の源からのタンパク質のF.リカバリー トランスジェニック成体の雌の哺乳類は、外因性C1阻害剤タンパク質を高濃度で含む乳を生産する。
乳からのC1阻害剤の精製は、遠心分離によって形質転換乳の脱脂、および脂肪の除去、続いて、高速遠心分離、続いて、デッド−エンドろ過(例えば、連続して減少するフィルターサイズを用いることによるデッドエンドろ過など)もしくはクロスフローろ過によるカゼインの除去、またはクロスろ過による直接的なcasinoの除去によって行われることができる。必要な場合、タンパク質を、当該特徴的な物理化学的性質のために乳から精製することができる(一般参照 範囲、Protein Purification(Springer−Verlag,N.Y.,1982))Prograis et al.,(1985)J Medicine 16(1−3):303−350;Pilatte et al,(1989)J.Immunol.Methods 120:37−43,Reboul et al.,.(1977)Febs Lett.79:45−50,Alsenz et al.,(1987)J.Immunol.Methods 96:107−1 14,Ishizaki et al.,(1977)J.Biochem.82:1155−1 160)。精製条件は、非ヒトトランスジェニック哺乳類の内因性C1阻害剤からヒトC1阻害剤を好ましくは分離すべきである。
陽イオン、陰イオン、および金属親和性クロマトグラフィーを、乳または組換え体細胞培養物または天然源などのような他の源から、ヒトC1阻害剤タンパク質の精製のために全て使用することができる。いくつかの方法は、1つより多いこれらのステップを使用し、いくつかの方法は、全ての3つのステップを使用する。ステップを、任意の順序で行うことができるけれども、好ましい順序は、陽イオンクロマトグラフィー、続いて陰イオンクロマトグラフィー、続いて金属イオン親和性クロマトグラフィー行うことである。
陽イオンクロマトグラフィーを、例えばセファロース(商標)ビッグビーズ、またはカルボキシメチルセルロースを用いて行うことができる。低塩ローディングバッファー(例えば、20mMクエン酸ナトリウム、0.02M塩化ナトリウムなど)が使用される。ヒトC1阻害剤を、より高い塩濃度(例えば、20mMクエン酸ナトリウム、0.2Mの塩化ナトリウムなど)で溶出できる。ヒトC1阻害剤を含む溶出液は、その後、陰イオンクロマトグラフィーの対象になる。陰イオンカラムのマトリックスは、セルロース、デキストラン、アガロースまたはポリスチレンなどの物質であることができる。リガンドは、例えばエチルアミノエチル(DEAE)、ポリエチレンイミン(PEI)または四級アンモニウム官能基であることができる。陰イオン交換カラムの強度は、リガンドのイオン化状態に関する。四級アンモニウムリガンドを有するものなどの強いイオン交換カラムは、永続的な正電荷を有する。DEAEおよびPEIのような弱い陰イオン交換カラムにおいて、正電荷の存在は、カラムのpHに依存する。陰イオン交換カラムは、ヒトC1阻害剤のpiを超えるpHで低塩バッファーを用いて一般的にロードされる。カラムを、低塩バッファーで数回、結合しないタンパク質を溶出するために洗浄する。結合しているタンパク質を、その後、塩濃度を増加させたバッファーを用いて溶出する。
QセファロースFFは、他の陰イオン交換カラムと比較して比較的安価であり、ラージスケール精製に適している比較的大きいビーズサイズを有するので、陰イオン交換カラムに好ましい。特定の条件下、ヒトC1阻害剤を、ウサギC1阻害剤、またはウサギの乳で発見される他のタンパク質を溶出することなく、QセファロースFFから溶出することができる。ヒト酸性α−グルコシダーゼのQセファロースFFへの良好な結合を得るために、カラムを、低塩で(例えば、50mM未満のリン酸ナトリウムバッファーなど)プレ平衡化する。バッファーのpHは、カラムへのヒトC1阻害剤の良好な結合を得るために、約7.0±1.0であるべきである。ヒトC1阻害剤は、その後、増加させた塩濃度で、ステップワイズ溶出またはグラジエント溶出によって溶出される。ステップワイズ溶出は、ラージスケールの精製により適している。多くのロードされたヒトC1阻害剤は、1ステップで(約0.25Mの塩で)QFFカラムから比較的高い純度で溶出されることができる。
金属アフィニティークロマトグラフィーは、セファロースのようなマトリックス、および銅、亜鉛、ニコル、コバルトおよびカルシウムなどの結合される金属イオンを用いて構築される。イミノジ酢酸などの有機キレート基も使用することができる。カラムは、比較的高い濃度、例えば0.2Mより高い濃度で存在する非キレート塩(例えば、塩化ナトリウム)を用いて約pH6〜8で平衡化される。これらの条件の下で、タンパク質を夾雑している残渣は、カラムに結合し、一方、ヒトC1阻害剤は、カラムに結合しないので、容易に溶出されることができる。
典型的な精製手順は、実施例に記載される。この手順は、C1阻害剤調製物を提供し、全ての夾雑物に関して少なくとも98%または99%の純度(w/w)で、0.5%、0.1%、または0.05%未満のウサギC1阻害剤(w/w)を含む。
付加的な精製は、少なくとも99%、好ましくは少なくとも99.5%、より好ましくは99.8%、最も好ましくは99.9%の純度のC1阻害剤調製物を得るために用いられる。
[医薬組成物]
いくつかの方法において、乳または他の源から精製されるC1阻害剤は、医薬組成物として、医薬担体と共に、精製された形態で投与される。好ましい形態は、意図された投与方法および治療適用に依存する。医薬担体は、患者にポリペプチドを提供するのに適しているいくつかの互換性のある非毒性の物質であることができる。滅菌水、アルコール、油脂、ワックス、および不活性固体は、担体として使用されてもよい。薬学的に許容されるアジュバント、緩衝剤、分散剤および同類のものは、医薬組成物に含まれてもよい。医薬組成物の阻害剤濃度は、約0.1重量%未満、通常、少なくとも1重量%〜20重量%程度またはそれを超える濃度など、広く変化することができる。
医薬組成物は、好ましくは、例えば、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射または点滴によって、または髄腔内もしくは頭蓋内投与によって、非経口投与される。好ましい実施形態において、静脈内点滴によって投与される。非経口投与の適切な製剤は、当該技術において公知であり、通常は液体製剤である。
[実施例]
本願に記載される実施例および実施形態は、例示を目的とするだけであり、そのことを考慮すると、種々の修飾または変化は当業者に提示され、本出願の精神および範囲内に、並びに特許請求の範囲内に含まれることになるだろう。
実施例1
検査でHAEの確定診断がなされ、静脈内rhC1INH(50IU/kg)を用いて治療される患者(13歳以上)からのデータを、2つの無作為対照試験およびそれらのオープンラベル延長試験から集めた。患者は、5時間未満の症状の発症が観察され、提示および50mm以上のベースライン視覚的アナログスケールスコア(重度)を示した(VAS;Reidl MA Ann Allergy Asthma Immunol 2013,110(4):295−9、参照によって本明細書に援用される)。無作為対照試験のひとつにおいて、患者は、生命を脅かす症状のための救急薬として、または初回投与後4時間で軽減されなかった場合、2回目のrhC1INH投与を受けることが可能である。他の無作為対照試験において、患者は、2回目投与を許可されなかった。オープンラベル延長試験において、rhC1INHの2回目投与は、治験責任医師の判断で臨床応答に基づいて許可された。
127人の患者は4つの臨床試験のコースにおいて一つ以上の発作のためにrhC1INHを50IU/kgを受けた。121人の患者は、rhC1INHの2回目投与を受けることができた。応答、再発(relapse)および再発(recurrence)データは、全ての解剖学的部位での全ての発作のために結合された。応答は、4時間以内の持続的な治療で4時間以内に軽減し(連続する2つの時点でVASスコア20mm以上)、持続前の追加の投与、または救急薬はない、として定義された。再発(Relapse)は、全ての患者の24時間の追跡調査データを用いて決定され、再発(recurrence)または新たな発作症状は、全ての患者の3日間の追跡調査データを用いて決定された。
図1は、急性HAE発作に投与されたrhC1INH投与回数を示す。発作の93%は、rhC1INHの単回投与で治療された。発作の7%は、rhC1INHの2回投与で治療された。
図2は、rhC1INH治療患者の応答と再発率(relapse rates)を示す。応答は、持続的で4時間以内の症状の軽減の開始として定義された。2つの無作為対照試験および2つのオープンラベル延長試験の患者は、rhC1INHで治療後、血栓性または血栓塞栓性事象なく、アナフィラキシー反応はなく、中和抗体の誘導はない。
図3は、rhC1INHで治療後3日以内の発作の再発(recurrences)数、または新たな発作症状の数を示す。93%の患者において、再発(recurrences)または新たな発作症状はなかった。
この調査に基いて、rhC1INHでの治療は、4時間以内に軽減を開始する発作数として評価され、高い応答率をもたらすことが明らかになった。4時間以内に軽減を開始する多くの発作は、単回rhC1INH投与で効果的に治療された。いくつかの発作は、2回のrhC1INH投与を必要した。4時間以内に軽減する発作は、24時間以内に重大に再発(relapses)は起こらなかった。rhC1INH治療の3日以内の再発(recurrent)または新たな発作症状は低かった。さらに、rhC1INHの単回投与は、急性HAE発作の治療において、持続性および永続性の応答を提供した。
実施例2
血栓塞栓性事象(TEE)は、組み換え体ヒトC1INHではなくいくつかの血漿由来C1INHで報告されている(rhC1INH;1000投与を超える)。この研究は、TEEの監視、およびD−ダイマーフィブリン分解産物の評価(D−ダイマーレベル)および深部静脈血栓症(DVT)の危険性を含む急性HAE発作のためのrhC1INHの安全性および有効性を評価した。
急性HAE発作の74人の患者は、3:2に無作為に選ばれ、50IU/kgのrhC1INHまたはプラセボを受けた。D−ダイマーレベルを(25番目〜75番目四分位数を中央値として提示)、薬物注入前、薬物注入後2時間、7日に評価した。DVTの危険性を、Wells予測ルールを用いて評価した。Wells PS,et al.Thromb.Haemost.2000:83:416−20。D−ダイマー濃度は、ベースライン(例えば、開始から5時間未満で、試験薬を投与する前など)、試験薬の静脈内投与後2時間および7時間(発作が回復した後)で集められた血液サンプルによって評価された。250μg/L以下の値は、正常値(例えば、参照標準)と考慮される。
患者および研究デザイン;これはHAE患者の急性血管性浮腫発作の治療における、生理食塩水と比較してrhC1INHの有効性および安全性を評価するための、無作為化、二重盲検、プラセボ(生理食塩水)対照試験、多施設試験、多国試験であった。75人の患者(13歳以上、米国およびカナダ以外の18歳以上)は、HAEであると検査で確定診断されており、対象となる血管性浮腫発作の治療のための、rhC1INH(84kg未満の患者に50IU/kg、84kg以上の患者に4200IU)または生理食塩水の静脈内投与の二重盲検を受けるために、一元的(3:2)に無作為化した。患者は、(i)発作部位が末梢(四肢)、腹部、顔面、および/または咽頭−喉頭であり;(ii)これらの発作の開始は、臨床への提示前5時間未満であり;および(iii)患者の発作の全体的な重症度は、100mmの視覚的アナログスケールで少なくとも50mmであるとされる場合に治療に適格であった(Reidl MA,Ann Allergy Asthma Immunol 2013,110(4):295−9)、参照によって本明細書に援用される)。複数の対象となる発作部位を有する患者にとって、主な発作部位は、ベースラインで最も高いVASスコアを有する部位と定義された。
血栓症の危険性評価:全ての無作為化患者は血栓性事象を臨床的に監視された。深部静脈血栓症(DVT)の危険性は、Wells予測ルール(Wells PS,et al.Thromb.Haemost.2000:83:416−20)を用いることによって評価され、投与後上昇したスコアを有する患者は、DVTを除外するために末端超音波検査をする必要があった。患者は、(臨床的に示される場合は、超音波を含む)血栓性事象が進行しうるために、D−ダイマーレベルにおける注入後の増加を評価された。
血漿試料収集:D−ダイマーレベルの決定のために、クエン酸血液試料をベースラインで(例えば、発症から5時間未満で試験薬の静脈内注入前)、試験薬の静脈内注入後2時間で、および7日で(発作が回復した後)収集した。全ての分析では、救急薬を受けた後のいくつかの評価のために、食塩溶液を受けるために無作為化された患者は、救急薬としてrhC1INHも受け、食塩溶液治療グループから、rhC1INH治療グループへ転換された。
D−ダイマー測定:血漿中のD−ダイマーレベルを、中央研究室で測定した(正常範囲<540μg/L)。
患者の人口統計:適格な急性HAE発作を呈する75人の患者は、試験薬を受けるために参加した:44人の患者を、50IU/kgのrhC1INHに無作為化し、31人を、生理食塩水に無作為化し:rhC1INH治療に無作為化された1人の患者は、治療されず、分析に含まれなかった。
患者の内訳、主要統計、およびHAE発作頻度、および適格な発作の重症度は、表1において治療グループによって要約された。患者の人口統計およびベースライン特性は、治療グループ間で一般的に類似していた。ベースラインでの発作の重症度は、100mmVASスケールを用いた患者によって評価されるように、両グループ間で類似していた(平均rhC1INHグループ73.5mm、対、生理食塩水グループ77.3mm)。主な発作部位も、rhC1INHグループおよび生理食塩水グループで類似していた(rhC1INHグループの44%、対、生理食塩水グループの45%で末梢部位、rhC1INHグループの37%、対、生理食塩水グループの39%で腹部部位)。
深部静脈血栓症の危険性:患者のいずれもが、Wells予測ルールスコアに基づくDVTの危険性を上昇しないということが認定された。rhC1INHグループの39人の患者および生理食塩水グループの30人の患者において記録された全てのスコアは、低く、−2〜0の範囲であり、患者は、DVTを有する可能性が非常に低いことが示された。Wellsスコアが0である2人の患者(1人はrhC1INH、1人は生理食塩水)に対する超音波は腹部および下肢深部静脈の両方においてDVTの証拠は有さず正常であった。
D−ダイマーレベル:D−ダイマーレベル(中央値[25〜75番目四分位数]として提示)を、3つの時間点(ベースライン、rhC1INH注入後2時間、およびrhC1INH治療後7日)で評価した。さらなる分類を、主な発作部位型(粘膜下:腹腔および口腔咽頭−喉頭、対、皮下:顔面および末梢)、重症度(中程度:主な発作部位のVAS 50mm〜75mm;重度 主な発作部位のVAS 76以上)、および単一、対、複数の影響部位、によって評価することによって行った。
全体の中央値D−ダイマーレベルは、ベースラインでの患者において上昇した(2149[480−5105]μg/L、正常範囲<540μg/L)(表2)。D−ダイマーレベルは、全ての患者において、rhC1INH、または生理食塩水それぞれにおいて治療後2時間で上昇を続け、中央値レベルの2469(643〜5827)μg/Lレベルになった。治療後7日で両治療グループのD−ダイマーレベルは、正常に近いレベルに戻った。そのことは、中央値D−ダイマーレベルが、rhC1INH、または生理食塩水のそれぞれを用いて治療後2時間および7日で、両グループ間で統計的に違わないことに注目すべきである。両治療グループ間でベースラインからの平均変化も、2時間(rhC1INH:145μg/L;生理食塩水:192μg/L)および7日(rhC1INH:−2401μg/L;生理食塩水:−1923μg/L)において2つの治療グループ間で同様であり、このことは、rhC1INHが、HAE患者においてD−ダイマー産生に影響を与えなかったことを示す。
HAE発作は、皮膚、腸および上気道に影響を与える皮下または粘膜下浮腫として提示する。D−ダイマーレベルは、皮下または粘膜下が主な発作部位であることに基づく患者集団において評価された(表3)。中央値D−ダイマーレベルは、皮下発作を有する患者と比較して、粘膜下発作の患者では、ベースライン時(p=0.00274)、および治療後2時間(p=0.0126)で、少なくとも3倍高かった。全集団においてみられるように、rhC1INH治療は、投与後の両時間点でD−ダイマーレベルに対する明らかな影響はなかった。個々の発作部位(例えば、顔面、末梢、腹部、咽頭−喉頭)でのD−ダイマーレベルの比較は、更に評価されなかった。
主な発作部位での重症度は、ベースラインで中程度(VAS 50mm以上、75mm未満)、または重度(VAS 75mm以上)に分類された。全体的に、ベースラインの中央値D−ダイマーレベルは、中程度(1674[593−5241]μg/L)および重度(2320[260−5550]μg/L)の発作を有する患者と同様であった(表4)。rhC1INHで治療された重度の発作は、治療後7日で、生理食塩水で治療された重度の発作より(560[273−4056]μg/L)、低いD−ダイマー値(280[109−925]μg/L)を有する傾向があった。
多くのHAE発作は、単一の部位に孤立した症状を示すけれども、いくつかの発作は、同時に複数の解剖学的部位で示してもよい。このため、D−ダイマーレベルが、複数の影響部位の存在によって影響を受けたかどうかも決定された。64人の患者は、単一部位の発作を報告し、10人の患者は、複数の部位の発作を報告した。ベースラインで中央値D−ダイマーレベルは、単一部位の発作を有する患者(4568[2065〜24634])よりも複数の影響部位を有する患者(9555[4315〜13300]μg/L)で高くなった。治療後2時間で、D−ダイマーレベルは、単一部位よりも複数の発作部位を有する患者でさらにより上昇した(5040[812−11045]μg/L対2294[615−5065]μg/L)。治療後7日で、D−ダイマーレベルは、両グループ間で正常に戻った。
結果は、図4〜図9に更に要約される。D−ダイマーレベルは、寛解の時間と比較してHAE発作中に上昇した。しかしながら、D−ダイマーレベルの上昇は、rhC1INH治療と関連しなかった。血栓塞栓症は、rhC1INH治療では観察されなかった。
全ての参照、特許、出願中の特許出願、および本出願を通して引用された公開特許は、参照によって、明示的に本明細書に援用される。特に記述がない限り、本願で使用される専門用語は、当業者によって理解される従来の使用に従う。分子生物学の一般的な用語の定義は、標準テキスト(例えば、Benjamin Lewin,Genes V,オックスフォード大学によって出版 Press,1994(ISBN 0−19854287−9);Kendrew et al.(eds.),The Encyclopedia of Molecular Biology,ブラックウェルサイエンス社(Blackwell Science Ltd)によって出版,1994(ISBN 0−632−02182−9);and Robert A.Meyers(ed.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,VCH出版社によって出版(VCH Publishers,Inc.),1995(ISBN 1−56081−569−8)に明らかにされてもよい。

Claims (20)

  1. 患者において遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作を治療する方法であって、前記方法は:
    前記患者において50IU/kg体重の組換え体C1エステラーゼ阻害剤の初回用量を前記患者に静脈内投与すること;および
    前記初回用量の投与後、前記患者に50IU/kg体重の組換え体C1エステラーゼ阻害剤の2回目用量を前記患者に静脈内投与することにより、前記患者のHAEの急性発作を治療すること、
    を含む、方法。
  2. 前記初回用量は、前記患者におけるHAEの発作の開始から5時間以内に投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記2回目用量は、前記初回用量を投与後、少なくとも4時間で投与される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記初回用量および前記2回目用量は、24時間以内に投与される、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 2回以下の用量を24時間以内に投与する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記患者は複数の発作部位を有する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記発作部位は、末梢、腹部、顔面、口腔咽頭、または喉頭である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記発作部位は、末梢である請求項7に記載の方法。
  9. 前記発作部位は、腹部である請求項7に記載の方法。
  10. 前記発作部位は、顔面である請求項7に記載の方法。
  11. 前記発作部位は、口腔咽頭である請求項7に記載の方法。
  12. 前記発作部位は、喉頭である請求項7に記載の方法。
  13. 前記患者は、発作と関連する生命を脅かす症状を有する、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記発作は、100mmの視覚的アナログスケール(VAS)で、少なくとも50mmの重症度評価を有する、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記患者は、症状の軽減の開始が初回投与から4時間以内に起こり、軽減の程度が2回目投与より前にVASスコアで20mm未満減少する個体であり、および/または、ここでVASスコアの減少は連続する2つの時点に基づいて測定される、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記患者は、発作症状が初回投与後に持続する個体である、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記組み換え体C1阻害剤は、ヒト血漿由来C1エステラーゼ阻害剤のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列およびヒト血漿由来C1エステラーゼ阻害剤と比較して修飾された炭水化物構造を有する、請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記組み換え体C1阻害剤は、トランスジェニックウサギの乳から精製される請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記組み換え体C1阻害剤は、rhC1INHである、請求項1〜請求項18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記初回投与および2回目投与は、患者によって自己投与される、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の方法。
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