JP2017506273A5 - - Google Patents

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JP2017506273A5
JP2017506273A5 JP2016548218A JP2016548218A JP2017506273A5 JP 2017506273 A5 JP2017506273 A5 JP 2017506273A5 JP 2016548218 A JP2016548218 A JP 2016548218A JP 2016548218 A JP2016548218 A JP 2016548218A JP 2017506273 A5 JP2017506273 A5 JP 2017506273A5
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ポリエチレン組成物及びそれから作製されるフィルム
本発明は、ポリエチレン組成物及びそれから作製されるフィルムに関する。
現在、世界中のポリエチレンの対する需要は、1年当たり8000万メトリックトンを
超える。ポリエチレン業界において、ポリマー製品の著しいかつ継続した差別化に対する
必要が存在するため、研究者たちは、そのような新しい製品をもたらすプロセス変更を探
求するために甚大な努力を捧げている。1つの焦点は、新しい触媒を探索することに関与
する。
沈殿MgCl上に支持されたTi前駆体に基づく、従来の溶液ポリエチレンチーグラ
ーナッタ触媒は、広い分子量分布及び組成分布を有する直鎖低密度ポリエチレン(LLD
PE)樹脂をもたらす。
LLDPE生成物において、エチレンは一般に、短鎖オレフィンコモノマー(例えば、
1−ブタン、1−ヘキセン、及び/または1−オクテン)に共重合される。結果として得
られるポリマーは、実質的に直鎖状であるが、著しい数の短鎖分岐部を含み、これらの特
徴は、低密度ポリエチレン(LDPE)の場合よりも、より高い引張強度、より高い衝撃
強度、及びより高い穴あけ抵抗をそれに与える。これらの改良された特性は、転じて、よ
り低い厚さ(ゲージ)のフィルムが吹込され得、製品が改良された環境ストレス亀裂抵抗
を呈することを意味する。LLDPEは、その靱性、可撓性、及び相対的透明性のために
、フィルム用途において主に使用される。製品例は、農業フィルム、食品保護ラップ、及
び気泡緩衝材から、多層及び複合フィルムまでの範囲にわたる。
第1の実施形態において、本発明は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、以下の特性、すなわち、ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI、ASTM D−792に従って測定される、0.910〜0.935g/cm(g/cc)の密度、6〜7.4のメルトフロー比I10/Iであって、I10が、ASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比I10/I、2.5〜3.5の分子量分布及びMWD(M/M)のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
第1の実施形態において、本発明は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、以下の特性、すなわち、ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI、ASTM D−792に従って測定される、0.910〜0.935g/cmの密度、6〜7.4のメルトフロー比I10/Iであって、I10が、ASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比I10/I、及び2.5〜3.5の分子量分布MWD(M/M)のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
特定の実施形態において、本ポリエチレン組成物は、ASTM D1238(190℃
で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI
を呈する。0.9〜5g/10分の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、
かつ本明細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組成物のIは、0.9、1.
9、2.9、3.9、または4.9g/10分の下限から、1、2、3、4、または5g
/10分の上限までであり得る。例えば、本ポリエチレン組成物のIは、0.9〜5g
/10分であり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物のIは、0.9〜
2.5g/10分であり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物のIは、
2.5〜5g/10分であり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物のI
は、2〜4.5g/10分であり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物の
は、1.5〜3.5g/10分であり得る。
特定の実施形態において、本ポリエチレン組成物は、(ASTM D−792に従って
測定される)0.910〜0.935g/cm(g/cc)の密度を有する。0.91
0〜0.935g/ccの全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、かつ本明
細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組成物の密度は、0.910、0.91
5、0.92、0.925、または0.930g/ccの下限から、0.915、0.9
2、0.925、0.930、または0.935g/ccの上限までであり得る。例えば
、本ポリエチレン組成物の密度は、0.910〜0.935g/ccであり得、または代
替形態において、本ポリエチレン組成物の密度は、0.910〜0.920g/ccであ
り得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物の密度は、0.920〜0.93
5g/ccであり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物の密度は、0.9
15〜0.925g/ccであり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物の
密度は、0.912〜0.920g/ccであり得る。
特定の実施形態において、本ポリエチレン組成物は、6〜7.4のメルトフロー比I
/Iであって、I10がASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定
される、メルトフロー比を有する。6〜7.4の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細
書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組成物のメルトフ
ロー比は、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6
.9、7、7.1、または7.3の下限から、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5
、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、または7.4の上限までであ
り得る。例えば、本ポリエチレン組成物のメルトフロー比は、6〜7.4であり得、また
は代替形態において、本ポリエチレン組成物のメルトフロー比は、6〜6.7であり得、
または代替形態において、本ポリエチレン組成物のメルトフロー比は、6〜7.2であり
得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物のメルトフロー比は、6.2〜7で
あり得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物のメルトフロー比は、6.3〜
6.9であり得る。
特定の実施形態において、本ポリエチレン組成物は、2.5〜3.5の分子量分布MW
D(M/M)を有し得る。2.5〜3.5の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細
書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、MWDは、2.5、2.7、2.
9、3.1、3.3、または3.4の下限から、2.6、2.8、3、3.2、3.4、
または3.5の上限までであり得る。例えば、本ポリエチレン組成物は、2.5〜3.5
のMWDを有し得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、2.5〜3.5
のMWDを有し得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、2.7〜3.5
のMWDを有し得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、3〜3.5のM
WDを有し得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、2.8〜3.1のM
WDを有し得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、2.5〜3.4のM
WDを有し得る。
代替的な一実施形態において、本発明は、本明細書に開示される任意の実施形態に従う
1つ以上のポリエチレン組成物を含む流延フィルムを提供する。
本ポリエチレン組成物は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含む。
特定の一実施形態において、本発明は、溶液重合が単一反応器内で発生することを除い
て、本明細書に記載される任意の実施形態に従うポリエチレン組成物を提供する。別の実
施形態において、本発明は、溶液重合が二重反応器システム内で発生し、同一の生成物が
、二重反応器のそれぞれの中で生成作製されることを除いて、本明細書に記載される任意
の実施形態に従うポリエチレン組成物を提供する。
本反応生成物は、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下で、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとを反応させることによって生成される。本反応生成物の生成に使用される多元金属プロ触媒は、少なくとも三元金属であるが、3つ以上の遷移金属もまた含み得るため、一実施形態において、より包括的に多元金属として定義され得る。これらの3つまたはそれ以上の遷移金属は、触媒の生成前に選択される。特定の一実施形態において、多元金属触媒は、1つの元素としてチタンを含む。
触媒組成物は、まず調節されたハロゲン化マグネシウム系支持体の調製から始めて、調
製され得る。調節されたハロゲン化マグネシウム系支持体の調製は、有機マグネシウム化
合物または有機マグネシウム化合物を含む複合体を選択することから始まる。そのような
化合物または複合体は、望ましくは不活性炭化水素希釈剤中に可溶性である。構成成分の
濃度は、好ましくは、金属または非金属ハロゲン化物などの活性ハロゲン化物と、マグネ
シウム複合体とが組み合わせられるとき、結果として得られるスラリーが、マグネシウム
に関して約0.005〜約0.2モル濃度(モル/リットル)であるような濃度である。
好適な不活性有機希釈剤の例としては、液化エタン;プロパン;イソブタン;n−ブタン
;n−ヘキサン;様々な異性体ヘキサン;イソオクタン;5〜10個の炭素原子を有する
アルカンのパラフィン混合物;シクロヘキサン;メチルシクロペンタン;ジメチルシクロ
ヘキサン;ドデカン、灯油、ナフタ、またはこれらの組み合わせなどの飽和または芳香族
炭化水素で構成される工業溶媒(特にオレフィン化合物及び他の不純物を含まない場合、
かつ特に約−50℃〜約200℃の範囲内の沸点を有するもの)が挙げられる。エチルベ
ンゼン、クメン、デカリン、及びこれらの組み合わせもまた、好適な不活性希釈剤として
挙げられ得る。
好適な有機マグネシウム化合物及び複合体としては、例えば、マグネシウムC2−C8
アルキル及びアリール、マグネシウムアルコキシド及びアリールオキシド、カルボキシル
化マグネシウムアルコキシド、ならびにカルボキシル化マグネシウムアリールオキシドが
挙げられ得る。マグネシウム部分の好ましい供給源としては、マグネシウムC2−C8ア
ルキル及びC1−C4アルコキシドが挙げられ得る。そのような有機マグネシウム化合物
及び複合体は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはフッ化物などの金属もしくは非金属ハ
ロゲン化物源と反応されて、好適な条件下でマグネシウムハロゲン化物化合物を作製し得
る。そのような条件としては、−25℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の範囲の温
度、1〜12時間、好ましくは4〜6時間の範囲の時間、またはその両方が挙げられる。
結果物は、マグネシウムハロゲン化物系支持体である。
その後、このマグネシウムハロゲン化物支持体は、調節されたマグネシウムハロゲン化
物支持体を形成するために好適な条件下で、ボロン、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、及びテルルからなる群から選択された元素を含有する選択された調節化合物と反応さ
せられる。その後、この化合物及びマグネシウムハロゲン化物支持体は、調節されたハロ
ゲン化マグネシウム系支持体をもたらすのに十分な条件下で、接触させられる。そのよう
な条件としては、0℃〜50℃、好ましくは25℃〜35℃の範囲の温度、4〜24時間
、好ましくは6〜12時間の範囲の時間、またはその両方が挙げられる。いかなる機構の
理論によっても拘束されることを望むものではないが、このエイジングが、追加の金属の
支持体上への吸着を促進または改良するための役割を果たすことが示される。
調節された支持体が調製され、好適にエイジングされると、それは、チタン化合物と接
触させられる。特定の好ましい実施形態において、チタンハロゲン化物もしくはアルコキ
シド、またはこれらの組み合わせが選択され得る。条件としては、0℃〜50℃、好まし
くは25℃〜35℃の範囲内の温度、3時間〜24時間、好ましくは6時間〜12時間の
時間、またはその両方が挙げられ得る。このステップの結果は、チタン化合物の少なくと
も一部の、調節されたハロゲン化マグネシウム系支持体上への吸着である。
最後に、本明細書では便宜上「第2の金属」及び「第3の金属」と称される2つの追加の金属もまた、マグネシウム系支持体上へと吸着される、「第2の金属」及び「第3の金属」は独立して、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)から選択される。これらの金属は、当業者に既知である様々な方法のいずれかで組み込まれ得るが、追加の金属を析出させて、ここで多元金属プロ触媒である「プロ触媒」と称され得るものを形成することを確保するためには、一般に、チタンを含む調節されたマグネシウム系ハロゲン化物支持体と、例えば、適切な炭化水素溶媒などの液相にある、選択された第2及び第3の金属との接触が好適であるだろう。
多元金属プロ触媒は、プロ触媒から作製される触媒に起因し得る、所望されるポリマー特性を確保する上で重要な特徴であると考えられる、特異的なモル比構成を有する。具体的には、プロ触媒は、望ましくは、多元金属プロ触媒を形成するために十分な条件下で、30:1〜5:1の範囲である、マグネシウム対チタンと第2及び第3の金属との組み合わせのモル比を呈する。したがって、マグネシウム対チタンの全体的なモル比は、8:1〜80:1の範囲である。
プロ触媒が形成されると、それは、それと、アルミニウムのアルキルまたはハロアルキル、アルキルアルミニウムハロゲン化物、グリニャール試薬、アルカリ金属アルミニウム水素化物、アルカリ金属ホウ水素化物アルカリ金属水素化物、またはアルカリ土類金属水素化物などの少なくとも1つの有機金属化合物からなる共触媒とを組み合わせることによって、最終触媒を形成するために使用され得る。プロ触媒と有機金属共触媒との反応からの最終触媒の形成は、in situで、または重合反応器への進入前に実行され得る。したがって、共触媒とプロ触媒との組み合わせは、幅広い条件下で発生し得る。そのような条件としては、例えば、窒素、アルゴン、または他の不活性ガスなどの不活性雰囲気下、0℃〜250℃、好ましくは15℃〜200℃の範囲内の温度でそれらを接触させることが挙げられる。触媒反応生成物の調製において、炭化水素可溶性構成成分を炭化水素不溶性構成成分から分離することは必須ではない。プロ触媒と共触媒との接触の時間は、望ましくは、例えば、0〜240秒、好ましくは5〜120秒の範囲であり得る。これらの条件の様々な組み合わせが用いられてもよい。
本発明の触媒組成物が調製されると、それらは、オレフィン重合のための使用に好適で
ある。特定の実施形態において、これらは、LLDPEを調製するための(ポリマーが担
体中に溶解されない)スラリーまたは(担体中のポリマーを可溶化するのに温度が十分に
高い)溶液重合などである。一般に、これは、一般にイソパラフィンまたは他の脂肪族炭
化水素希釈剤などの反応培地において実行され得、オレフィンまたはオレフィンの組み合
わせは、選択された触媒の存在下で、好ましくは唯一の触媒として反応培地と接触させら
れる。条件は、好適である任意のものであり得、分子量制御因子、しばしば水素は、反応
容器内にしばしば存在して、望まれずに高い分子量のポリマーの形成を抑制する。複数金
属触媒の調製及び使用についての更なる情報は、共同所有、同時係属中の米国出願第14
/116070号に見出され、この開示は参照によって本明細書に組み込まれる。
本ポリエチレン組成物は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含む。一実施形態において、本反応生成物は、ポリエチレンホモポリマーである。代替的な一実施形態において、本反応生成物は、エチレンと1つ以上のアルファオレフィンとのインターポリマーである。一実施形態において、1つ以上のアルファオレフィンは、C3−C20アセチレン飽和モノマー及びC4−C18ジオレフィンからなる群から選択される。当業者は、選択されたモノマーが、望ましくは従来のチーグラーナッタ触媒を破壊しないモノマーであることを理解するであろう。例えば、一実施形態において、エチレンもしくはエチレンの混合物と、最終コポリマー中の全モノマーに基づいて、約0.1〜約20重量パーセント(重量%)、例えば、約0.1〜約15重量%、もしくは代替形態において、約0.1〜約10重量%、または代替形態において、0.1〜約5重量パーセントの1−ヘキセン、1−オクテン、もしくは類似する高級アルファオレフィンとが使用され得る。
前述の触媒反応生成物を用いる重合プロセスにおいて、重合は、触媒量の複数金属触媒
組成物を、選択されたアルファオレフィンモノマーを含有する重合反応器に添加すること
、またはその逆によってもたらされる。重合反応器は、150℃〜300℃の範囲内の温
度、好ましくは溶液重合温度、例えば、150℃〜250℃で、特定の非限定な実施形態
において、5分〜20分の範囲である滞留時間維持される。より長いまたはより短い滞留
時間が代替的に用いられてもよい。水分及び酸素の不在下、かつ典型的には1リットルの
希釈剤当たり0.0001〜約0.01ミリグラムの原子遷移金属の範囲内である触媒量
の触媒反応生成物の存在下で重合を実行することが、一般に望ましい。しかしながら、最
も有利な触媒濃度は、温度、圧力、溶媒、及び触媒毒の存在などの重合条件に依存するこ
と、ならびに前述の範囲は、特定の、しかし非限定な一実施形態の説明の目的で与えられ
るに過ぎないことが理解される。
例えば、圧力は、例えば、150〜3,000psig(1.0〜20.7MPa)、
好ましくは250〜1,000psig(1.7〜6.9MPa)、最も好ましくは45
0〜800psig(3.1〜5.5MPa)など比較的低くあり得る。しかしながら、
本発明の範囲内の重合が、大気圧から、最大で重合機器の能力によって決定される圧力ま
での圧力で発生し得る。
一般に、重合プロセスにおいて、不活性有機希釈剤もしくは溶媒または過剰モノマーで
あり得る担体が、一般に用いられる。一般に、溶媒のポリマーとの過飽和を避けるために
、望ましくは注意が払われる。触媒が枯渇する前にそのような飽和が発生した場合、触媒
の完全な効率が実現されない可能性がある。特定の実施形態において、担体中のポリマー
の量が、反応混合物の総重量に基づいて、30パーセントを超えないことが好ましくあり
得る。重合構成成分を撹拌して、望ましいレベルの温度制御を達成し、重合帯域を通して
重合の均一性を改良することもまた、非常に望ましくあり得る。例えば、比較的活性な触
媒との比較的より急速な反応の場合、モノマー及び希釈剤(希釈剤が含まれる場合)を還
流させ、それにより反応熱のうちのいくらかを除去するための手段が提供され得る。いず
れにしても、重合の発熱を消散させるための適切な手段が提供されるべきである。したが
って、重合は、バッチ様式で、または、例えば、外部で好適な冷却培地に接触して、所望
される反応温度を維持する伸長反応管に反応混合物を通過させることによって、あるいは
1つの平衡オーバーフロー反応器もしくは一連の平衡オーバーフロー反応器に反応混合物
を通過させることによってなどの、連続様式でもたらされてもよい。
エチレンの重合における触媒効率を改良するために、希釈剤中で特定のエチレン濃度を
維持して、反応器安定性を確保し、好ましくは触媒効率を最適化することもまた望ましく
あり得る。いくつかの実施形態において、これは、1:2〜1:8、好ましくは1:3〜
1:5の溶媒対エチレンの割合を含み得る。過剰量のエチレンがシステム内に供給された
場合にこれを達成するために、エチレンの一部が脱気されてもよい。
本発明の実践において、結果として得られるポリマーの分子量を低下させるために、水
素がしばしば用いられる。本発明のためには、重合混合物中で、好ましくは1モルのモノ
マー当たり0.001〜1モルの範囲の濃度の水素を用いることが有利である。一般によ
り低分子量のポリマーを生成するために、この範囲内のより多い量の水素が有用であり得
る。重合容器へのモノマーの添加の前、その最中、もしくはその後に、モノマー流によっ
て、またはそれから別個のいずれかによって、水素が重合容器内に添加され得ることが一
般に当業者に既知である。しかしながら、好ましい実施形態において、触媒の添加の前ま
たはその最中のいずれかに、例えば、1グラムのTi当たり600,000〜200万グ
ラムのポリマーなど、1グラムのTi当たり200,000〜300万グラムのポリマー
の範囲内で、水素が添加されることを確保することが非常に望ましい。
結果として得られるポリマーは、未反応のモノマー及び希釈剤(それが用いられる場合
)を駆逐することによって、重合混合物から効果的に回収され得る。不純物の更なる除去
は必要とされない。結果として得られるポリマーは、後続する実施例に示すような少量の
触媒残留物を含有し、比較的狭い分子量分布もまた持ち得る。結果として得られるポリマ
ーは更に、溶融選別され得る。押出器における溶融プロセスに続いて、溶融した組成物は
、各活性選別器が、約2μm〜約400μmのミクロン保持サイズ(2〜4×10−5
)、及び好ましくは約2μm〜約300μm(2〜3×10−5m)、及び最も好ましく
は約2μm〜約70μm(2〜7×10−6m)を有する、約5〜約100ポンド/時間
/インチ(1.0〜約20kg/秒/m)の質量流束の1つ以上の連続で配置された
、1つ以上の活性選別器を通過する。そのような更なる溶融選別は、米国特許第6,48
5,662号に開示され、これは、それが溶融選別を開示する限りまで、参照によって本
明細書に組み込まれる。
代替的な一実施形態において、本発明は、ポリエチレン組成物が、20重量パーセント
未満の1つ以上のアルファオレフィンコモノマーに由来する単位を含むことを除いて、本
明細書に開示される任意の実施形態に従うポリエチレン組成物を提供する。20重量パー
セント未満からの全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開
示されており、例えば、本ポリエチレン組成物は、15重量パーセントの1つ以上のアル
ファオレフィンコモノマーに由来する単位を含み得、または代替形態において、ポリエチ
レン組成物は、12重量パーセントの1つ以上のアルファオレフィンコモノマーに由来す
る単位を含み得、または代替形態において、ポリエチレン組成物は、9重量パーセントの
1つ以上のアルファオレフィンコモノマーに由来する単位を含み得、または代替形態にお
いて、ポリエチレン組成物は、7重量パーセントの1つ以上のアルファオレフィンコモノ
マーに由来する単位を含み得、または代替形態において、ポリエチレン組成物は、5重量
パーセントの1つ以上のアルファオレフィンコモノマーに由来する単位を含み得、または
代替形態において、ポリエチレン組成物は、3重量パーセントの1つ以上のアルファオレ
フィンコモノマーに由来する単位を含み得、または代替形態において、ポリエチレン組成
物は、1重量パーセントの1つ以上のアルファオレフィンコモノマーに由来する単位を含
み得、または代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.5重量パーセントの1つ以
上のアルファオレフィンコモノマーに由来する単位を含み得る。
本ポリエチレン組成物は、少なくとも80重量パーセントのエチレンに由来する単位を
含み得る。少なくとも80重量パーセント未満からの全ての個々の値及び部分範囲が、本
明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組成物は、少
なくとも85重量パーセントのエチレンに由来する単位を含み得、または代替形態におい
て、本ポリエチレン組成物は、少なくとも89重量パーセントのエチレンに由来する単位
を含み得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、少なくとも91重量パー
セントのエチレンに由来する単位を含み得、または代替形態において、本ポリエチレン組
成物は、少なくとも93重量パーセントのエチレンに由来する単位を含み得、または代替
形態において、本ポリエチレン組成物は、少なくとも95重量パーセントのエチレンに由
来する単位を含み得、または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、少なくとも9
7重量パーセントのエチレンに由来する単位を含み得、または代替形態において、本ポリ
エチレン組成物は、少なくとも99重量パーセントのエチレンに由来する単位を含み得、
または代替形態において、本ポリエチレン組成物は、少なくとも99.5重量パーセント
のエチレンに由来する単位を含み得る。
本ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり、複数金属重合触媒
、触媒残渣(すなわち、ポリエチレン組成物中で3つの異なる残渣金属を生じさせる1つ
の触媒)から残存する、1総合重量部以上の少なくとも3つの異なる金属残留物の金属触
媒残渣を更に含み得、そのような金属は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、及びこれらの組み合わせか
らなる群から選択され、かつ各金属残渣は、少なくとも0.2ppmで、例えば、0.2
〜5ppmの範囲内で存在する。1ppm以上からの全ての個々の値及び部分範囲が、本
明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組成物は、1
00万部のポリエチレン組成物当たり、複数金属重合触媒から残存する、2総合重量部以
上の少なくとも3つの金属残留物を更に含み得る。
一実施形態において、本ポリエチレン組成物は、少なくとも0.75ppmのV(バナ
ジウム)を含む。少なくとも0.75ppmからの全ての個々の値及びVの部分範囲が、
本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組成物中の
Vの下限は、0.75、1、1.1、1.2、1.3、または1.4ppmであり得る。
更に別の実施形態において、本ポリエチレン組成物中のVの上限は、5、4、3、2、1
.9、1.8、1.7、1.6、1.5、または1ppmである。
更に別の実施形態において、本ポリエチレン組成物は、少なくとも0.3ppmのZr
(ジルコニウム)を含む。少なくとも0.3ppmからのZrの全ての個々の値及び部分
範囲が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、本ポリエチレン組
成物中のZrの下限は、0.3、0.4、0.5、0.6、または0.7ppmであり得
る。更に別の実施形態において、本ポリエチレン組成物中のZrの上限は、5、4、3、
2、1、0.9、0.8、または0.7ppmである。
別の実施形態において、本発明は、本ポリエチレン組成物が、本明細書に記載される方
法に従って測定される、0.8ミルの厚さを有する単一層フィルムへと形成されるとき、
フィルムが、以下の特性、すなわち、本明細書に記載されるように測定される、290%
を超える極限延伸、及び本明細書に記載されるように測定される、8.5lbを超えるパ
レット上穴あけ(on−pallet puncture)のうちの1つ以上によって特
徴付けられることを除いて、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかに従うポリ
エチレン組成物を提供する。290%を超える全ての個々の値が、本明細書に含まれ、か
つ本明細書に開示されており、例えば、極限延伸の下限は、290、295、300、3
05、310、または315%であり得る。特定の一実施形態において、極限延伸は、5
00%、または代替形態において450%、または代替形態において400%、または代
替形態において350%の上限を有し得る。8.5lbからの全ての個々の値及び部分範
囲が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、パレット上穴あけは
、8.5、8.7、8.9、または9.1lbの下限からであり得る。特定の一実施形態
において、パレット上穴あけは、15lb、または代替形態において14.5lb、また
は代替形態において14lb、または代替形態において13.5lbの上限を有し得る。
別の実施形態において、本発明は、本ポリエチレン組成物が、本明細書に記載される方
法に従って測定される、0.5ミルの厚さを有する単一層フィルムへと形成されるとき、
フィルムが、以下の特性、すなわち、本明細書に記載されるように測定される、220%
を超える極限延伸、及び本明細書に記載されるように測定される、8lbを超えるパレッ
ト上穴あけのうちの1つ以上によって特徴付けられることを除いて、本明細書に開示され
る実施形態のうちのいずれかに従うポリエチレン組成物を提供する。220%を超える全
ての個々の値が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、極限延伸
の下限は、220、225、250、275、300、または310%であり得る。特定
の一実施形態において、極限延伸は、500%、または代替形態において450%、また
は代替形態において400%、または代替形態において350%の上限を有し得る。8l
bからの全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されて
おり、例えば、パレット上穴あけは、8、8.25、8.5、8.8、または9.1lb
の下限からであり得る。特定の一実施形態において、パレット上穴あけは、15lb、ま
たは代替形態において14.5lb、または代替形態において14lb、または代替形態
において13.5lbの上限を有し得る。
別の実施形態において、本発明は、本ポリエチレン組成物が、本明細書に記載される方
法に従って測定される、0.8ミルの厚さを有する多層フィルムへと形成されるとき、フ
ィルムが、以下、本明細書に記載されるように測定される、305%を超える極限延伸、
及び本明細書に記載されるように測定される、9lbを超えるパレット上穴あけのうちの
1つ以上によって特徴付けられることを除いて、本明細書に開示される実施形態のうちの
いずれかに従うポリエチレン組成物を提供する。305%を超える全ての個々の値が、本
明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、極限延伸の下限は、305、
310、320、330、340、350、または355%であり得る。特定の一実施形
態において、極限延伸は、500%、または代替形態において450%、または代替形態
において400%、または代替形態において350%の上限を有し得る。9lbからの全
ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例え
ば、パレット上穴あけは、9、9.4、9.8、または10.1lbの下限からであり得
る。特定の一実施形態において、パレット上穴あけは、15lb、または代替形態におい
て14.5lb、または代替形態において14lb、または代替形態において13.5l
bの上限を有し得る。
本発明のポリエチレン組成物は、他のポリマー及び/または添加剤などの追加の構成成
分を更に含み得る。そのような添加剤としては、帯電防止剤、着色改良剤、色素、滑沢剤
、充填剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、処理補助剤、UV安定剤、及びこれ
らの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のポリエチレン組成物は
、任意の量の添加剤を含有し得る。本発明のポリエチレン組成物は、そのような添加剤を
含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、約0〜約10総合重量パーセントの
そのような添加剤を含み得る。約0〜約10重量パーセントからの全ての個々の値及び部
分範囲が、本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示されており、例えば、本発明のポリエ
チレン組成物は、そのような添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて
、0〜7総合重量パーセントの添加剤を含み得、または代替形態において、本発明のポリ
エチレン組成物は、そのような添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づい
て、0〜5総合重量パーセントの添加剤を含み得、または代替形態において、本発明のポ
リエチレン組成物は、そのような添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づ
いて、0〜3総合重量パーセントの添加剤を含み得、または代替形態において、本発明の
ポリエチレン組成物は、そのような添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基
づいて、0〜2総合重量パーセントの添加剤を含み得、または代替形態において、本発明
のポリエチレン組成物は、そのような添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に
基づいて、0〜1総合重量パーセントの添加剤を含み得、または代替形態において、本発
明のポリエチレン組成物は、そのような添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量
に基づいて、0〜0.5総合重量パーセントの添加剤を含み得る。熱及び/または酸化分
解から本発明のポリエチレン組成物を保護するために、IRGAFOS 168及びIR
GANOX 1010などの酸化防止剤が使用され得る。IRGANOX 1010は、
Ciba Geigy Inc.(現在はBASFの一部)から入手可能なテトラキス(
メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシヒドロシナメート)である。I
RGAFOS 168は、Ciba Geigy Inc.(現在はBASFの一部)か
ら入手可能なトリス(2,4ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトである。
本発明のポリエチレン組成物を生成するために、任意の従来のエチレン(共)重合反応
が用いられ得る。そのような従来のエチレン(共)重合反応としては、1つ以上の従来の
反応器、例えば、並行、連続、及び/またはこれらの任意の組み合わせのループ反応器、
撹拌タンク反応器、バッチ反応器などを使用する、スラリー相重合プロセス、溶相重合プ
ロセス、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態に
おいて、重合反応器は、連続、並行、またはこれらの任意の組み合わせの2つ以上の反応
器を備え得る。一実施形態において、重合反応器は、1つの反応器である。
これにより生成されたポリマーは、特定の実施形態において、LLDPEだけでなく、
高密度ポリエチレン(HDPE)、プラストマー、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン
、及びポリプロピレンコポリマーを含む幅広い生成物も含み得る。これら及び他の用途の
ために、より狭いポリマーの分子量分布のために、改良された全体的品質を示す物品が調
製され得る。ポリマーの有用な形成操作としては、フィルム、シート、パイプ、ならびに
繊維押出及び共押出が挙げられ得るが、これらに限定されず、吹込成形、注入成形、及び
回転成形が遂行され得る。フィルムは、共押出によって、または例えば、食品接触及び非
食品接触用途における、収縮フィルム、クリングフィルム、延伸フィルム、封着フィルム
、配向フィルム、軽食パッケージング、耐久袋、食料品袋、焼成及び冷凍食品パッケージ
ング、医療用パッケージング、工業用ライナー、農業用フィルム用途、ならびに膜として
有用な積層によって形成された、吹込または流延フィルムを含む。繊維は、フィルタ、お
むつ布、医療用衣類、及び地質織布を作製するための織形態及び不織形態における使用の
ための、溶融スピン、溶液スピン、及び溶融吹込操作された繊維を含む。押出物品として
は、医療用管類、ワイヤ及びケーブルコーティング、地質膜、ならびにポンドライナーが
挙げられる。成形物品としては、ボトル、タンク、大きな中空物品、剛性食品容器、及び
玩具の形態の単層及び多層構築物が挙げられる。
別の実施形態において、本発明は、フィルムが単層フィルムであることを除いて、本明
細書に開示される任意の実施形態に従う流延フィルムを提供する。
更に別の実施形態において、本発明は、フィルムが0.25〜10ミルの厚さを有する
単層フィルムであることを除いて、本明細書に開示される任意の実施形態に従う流延フィ
ルムを提供する。0.25〜10ミルの全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含ま
れ、かつ本明細書に開示されており、例えば、単層フィルムの厚さは、0.25、0.5
、1、2、5、7.5、または8ミルの下限から、0.5、1.5、2.5、6、8、ま
たは10ミルの上限までであり得る。
代替的な一実施形態において、本発明は、少なくとも1つの層が、本明細書に開示され
る任意の実施形態に従う流延フィルムを含む、多層フィルムを提供する。
別の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの層が、本明細書に開示される任意
の実施形態に従う流延フィルムを含む、0.1〜8ミルの厚さを有する多層フィルムを提
供する。0.25〜10ミルの全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、かつ
本明細書に開示されており、例えば、単層フィルムの厚さは、0.1、0.4、3、6、
または7ミルの下限から、0.2、0.5、1、4、7、または8ミルの上限までであり
得る。
更に別の実施形態において、本発明は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、以下の特性、すなわち、ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI、ASTM D−792に従って測定される、0.910〜0.935g/cmの密度、6〜7.4のメルトフロー比I10/Iであって、I10が、ASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比、及び2.5〜3.5の分子量分布MWD(M/M)のうちの少なくとも2つによって特徴付けられる。
更に別の実施形態において、本発明は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、以下の特性、すなわち、ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI、ASTM D−792に従って測定される、0.910〜0.935g/cmの密度、6〜7.4のメルトフロー比I10/Iであって、I10が、ASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比、及び2.5〜3.5の分子量分布MWD(M/M)のうちの少なくとも3つによって特徴付けられる。
更に別の実施形態において、本発明は、溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、以下の特性、すなわち、ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI、ASTM D−792に従って測定される、0.910〜0.935g/cmの密度、6〜7.4のメルトフロー比I10/Iであって、I10が、ASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比、及び2.5〜3.5の分子量分布MWD(M/M)のうちの全てによって特徴付けられる。
更に別の実施形態において、本発明は、溶液重合を介した、三元金属プロ触媒から本質的になる触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物を提供し、該ポリエチレン組成物は、以下の特性、すなわち、ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI、ASTM D−792に従って測定される、0.910〜0.935g/cmの密度、6〜7.4のメルトフロー比I10/Iであって、I10が、ASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比、及び2.5〜3.5の分子量分布MWD(M/M)のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる。
複数金属触媒を調製し(触媒1)、非複数金属触媒を調製する(触媒A)。その後、触
媒1を使用して、溶液重合において本発明のポリエチレン組成物(LLDPEポリマー)
を調製する。触媒Aを使用して、比較ポリエチレン組成物を調製する。続いて、本発明の
ポリエチレン組成物及び比較ポリエチレン組成物を使用して、本発明の流延フィルム及び
比較流延フィルムをそれぞれ調製する。両方のポリエチレン組成物及び流延フィルムに試
験を実行する。
触媒の調製についての一般的記述
触媒組成物は、まず調節されたハロゲン化マグネシウム系支持体の調製から始めて、調
製され得る。調節されたハロゲン化マグネシウム系支持体の調製は、有機マグネシウム化
合物または有機マグネシウム化合物を含む複合体を選択することから始まる。そのような
化合物または複合体は、望ましくは不活性炭化水素希釈剤中に可溶性である。一実施形態
において、構成成分の濃度は、金属または非金属ハロゲン化物などの活性ハロゲン化物と
、マグネシウム複合体とが組み合わせられるとき、結果として得られるスラリーが、マグ
ネシウムに関して約0.005〜約0.3モル濃度(モル/リットル)であるような濃度
である。好適な不活性有機希釈剤の例としては、液化エタン;プロパン;イソブタン;n
−ブタン;n−ヘキサン;様々な異性体ヘキサン;イソオクタン;5〜10個の炭素原子
を有するアルカンのパラフィン混合物;シクロヘキサン;メチルシクロペンタン;ジメチ
ルシクロヘキサン;ドデカン、灯油、ナフタ、またはこれらの組み合わせなどの飽和また
は芳香族炭化水素で構成される工業溶媒(特にオレフィン化合物及び他の不純物を含まな
い場合、かつ特に約−50℃〜約200℃の範囲内の沸点を有するもの)が挙げられる。
エチルベンゼン、クメン、デカリン、及びこれらの組み合わせもまた、好適な不活性希釈
剤として挙げられ得る。
好適な有機マグネシウム化合物及び複合体としては、例えば、マグネシウムC2−C8
アルキル及びアリール、マグネシウムアルコキシド及びアリールオキシド、カルボキシル
化マグネシウムアルコキシド、ならびにカルボキシル化マグネシウムアリールオキシドが
挙げられ得る。マグネシウム部分の好ましい供給源としては、マグネシウムC2−C8ア
ルキル及びC1−C4アルコキシドが挙げられ得る。そのような有機マグネシウム化合物
及び複合体は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはフッ化物などの金属もしくは非金属ハ
ロゲン化物源と反応されて、好適な条件下でマグネシウムハロゲン化物化合物を作製し得
る。そのような条件としては、−25℃〜100℃、もしくはあるいは0℃〜50℃の範
囲の温度、1〜12時間、もしくはあるいは4〜6時間の範囲の時間、またはその両方が
挙げられる。結果物は、マグネシウムハロゲン化物系支持体である。
その後、このマグネシウムハロゲン化物支持体は、調節されたマグネシウムハロゲン化
物支持体を形成するために好適な条件下で、ボロン、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、及びテルルからなる群から選択された元素を含有する選択された調節化合物と反応さ
せられる。その後、この化合物及びマグネシウムハロゲン化物支持体は、調節されたハロ
ゲン化マグネシウム系支持体をもたらすのに十分な条件下で、接触させられる。そのよう
な条件としては、0℃〜50℃、もしくはあるいは25℃〜35℃の範囲の温度、4〜2
4時間、もしくはあるいは6〜12時間の範囲の時間、またはその両方が挙げられる。い
かなる機構の理論によっても拘束されることを望むものではないが、このエイジングが、
追加の金属の支持体上への吸着を促進または改良するための役割を果たすことが示される
調節された支持体が調製され、好適にエイジングされると、それは、チタン化合物と接
触させられる。特定の好ましい実施形態において、チタンハロゲン化物もしくはアルコキ
シド、またはこれらの組み合わせが選択され得る。条件としては、0℃〜50℃、もしく
はあるいは25℃〜35℃の範囲内の温度、3時間〜24時間、もしくはあるいは6時間
〜12時間の範囲の時間、またはその両方が挙げられる。このステップの結果は、チタン
化合物の少なくとも一部の、調節されたハロゲン化マグネシウム系支持体上への吸着であ
る。
本発明のポリエチレン組成物を作製するために使用される複数金属触媒を調製する上で
の追加のステップ
本発明のポリエチレン組成物、すなわち、複数金属触媒を作製するために使用される触媒について、本明細書では便宜上「第2の金属」及び「第3の金属」と称される2つの追加の金属もまた、マグネシウム系支持体上へと吸着される、「第2の金属」及び「第3の金属」は独立して、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)から選択される。これらの金属は、当業者に既知である様々な方法のいずれかで組み込まれ得るが、追加の金属を析出させて、ここで多元金属プロ触媒である「プロ触媒」と称され得るものを形成することを確保するためには、一般に、チタンを含む調節されたマグネシウム系ハロゲン化物支持体と、例えば、適切な炭化水素溶媒などの液相にある、選択された第2及び第3の金属との接触が好適であるだろう。
特定の実施形態において、多元金属プロ触媒は、多元金属プロ触媒を形成するために十分な条件下で、30:1〜5:1の範囲である、マグネシウム対チタンと第2及び第3の金属との組み合わせのモル比を呈する。したがって、マグネシウム対チタンの全体的なモル比は、8:1〜80:1の範囲である。
プロ触媒が形成されると、それは、それと、アルミニウムのアルキルまたはハロアルキル、アルキルアルミニウムハロゲン化物、グリニャール試薬、アルカリ金属アルミニウム水素化物、アルカリ金属ホウ水素化物アルカリ金属水素化物、またはアルカリ土類金属水素化物などの少なくとも1つの有機金属化合物からなる共触媒とを組み合わせることによって、最終触媒を形成するために使用され得る。プロ触媒と有機金属共触媒との反応からの最終触媒の形成は、in situで、または重合反応器への進入前に実行され得る。したがって、共触媒とプロ触媒との組み合わせは、幅広い条件下で発生し得る。そのような条件としては、例えば、窒素、アルゴン、または他の不活性ガスなどの不活性雰囲気下、0℃〜250℃、またはあるいは15℃〜200℃の範囲内の温度でそれらを接触させることが挙げられる。触媒反応生成物の調製において、炭化水素可溶性構成成分を炭化水素不溶性構成成分から分離することは必須ではない。プロ触媒と共触媒との接触の時間は、例えば、0〜240秒、またはあるいは5〜120秒の範囲であり得る。これらの条件の様々な組み合わせが用いられてもよい。
触媒A調製
800mLのMgCl(ISOPAR(商標)E中0.20M)に、(C)AlCl(ヘキサン中48mLの1.0M溶液)を添加する。結果として得られる混合物を、室温で一晩撹拌させる。その後、Ti(OiPr)(チタンイソプロポキシド、ISOPAR(商標)E中48mLの0.25M溶液)の溶液を、マグネシウム/アルミニウム懸濁液に添加する。結果として得られる混合物を一晩撹拌して、プロ触媒エイジングを完了させる。
触媒1調製
約109kgの0.20MのMgClスラリーに、7.76kgのEADC溶液(ヘ
プタン中15重量%)を添加し、8時間撹拌を続けた。その後、TiCl/VOCl
(それぞれ85mL及び146mL)の混合物を添加し、Zr(TMHD)(Isop
ar E中0.30M溶液の0.320kg)の溶液を続けて添加した。これらの2つの
添加を、互いの後1時間以内に実行した。結果として得られる触媒事前混合物を、使用の
ため、更に8時間の撹拌によってエイジングさせた。
その後、上述の通り調製された触媒のそれぞれを使用して、以下に記載するように、ポ
リエチレン組成物を調製した。
本発明のポリエチレン組成物実施例1及び2(本発明のポリエチレン比較例1及び本発
明のポリエチレン比較例2)、ならびに比較ポリエチレン組成物実施例A及びB(比較ポ
リエチレン比較例A及び比較ポリエチレン比較B)の生成
反応環境への導入前に、全ての原材料(エチレン、1−ヘキセン、1−オクテン)及び
プロセス溶媒(ExxonMobil Corporationから商業的に入手可能で
ある、ISOPAR Eの商品名のイソパラフィン溶媒)を、分子ふるいによって精製す
る。加圧シリンダ内に、高純度等級として水素を供給し、それは更には精製しない。反応
器モノマー供給(エチレン)流を、機械圧縮機を介して、反応圧力を超える圧力、例えば
、750psigまで加圧する。溶媒及びコモノマー(1−オクテンまたは1−ヘキセン
)供給物を、機械式容積型ポンプを介して、反応圧力を超える圧力、例えば、750ps
igまで加圧する。個々の触媒構成成分を、精製溶媒(ISOPAR E)によって、特
定の構成成分濃度に手動でバッチ希釈し、反応圧力を超える圧力、例えば、750psi
gまで加圧する。全ての反応供給流動を、質量流量計によって測定し、コンピュータ自動
便制御システムによって独立して制御する。
連続溶液重合反応器は、液体膨満、非断熱、等温、循環ループからなる。全ての新鮮溶媒、モノマー、コモノマー、水素、及び触媒構成成分供給物の独立した制御が可能である。供給流を熱交換器に通過させることによって、組み合わせられた溶媒、モノマー、コモノマー、及び水素供給物を、5℃〜50℃の間のいずれかの温度、及び典型的には40℃に温度制御する。重合反応器への新鮮コモノマー供給物を、コモノマーを再利用溶媒に添加するために整列させる。重合反応器に対する全新鮮供給物を、反応器内のおおまかに2つの位置に、各注入位置間で等しい反応器容積で注入する。新鮮供給物は、典型的には全新鮮供給物の質量流量の半分を受容する各注入器によって制御される。触媒構成成分を、特別に設計された注入口装置を通して重合反応器内に注入し、反応器内への注入前に、1つの混合プロ触媒/共触媒供給流中に組み合わせる。プロ触媒構成成分に対して計算された特定のモル比に基づいて、共触媒構成成分を供給する。各新鮮注入位置(供給物または触媒のいずれか)の直後に、供給流を、Kenics静的混合要素を有する循環する重合反応器内容物と混合する。反応器の内容物を、反応熱のほとんどの除去を担う熱交換器を通して、かつ特定の温度での等温反応環境の維持を担う冷却剤側の温度によって、連続的に循環させる。反応器ループの周りの循環を、スクリューポンプによって提供する。(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒構成成分、及び溶融したポリマーを含有する)重合反応器からの溶出物は、反応器ループを退出し、それが非活性化酸除去剤(典型的にはステアリン酸カルシウム及び水和の随伴水)と接触する帯域に進入して、反応を停止させ、塩化水素を除去する。更に、この時点で酸化防止剤などの様々な添加剤が添加されてもよい。その後、流は、別のセットのKenics静的混合要素を通過して、触媒失活剤及び添加剤を均等に分散させる。
添加剤の添加の後に、(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒構成成分、及び溶融
したポリマーを含有する)溶出物は、熱交換器を通過して、他のより低沸点の反応構成成
分からのポリマーの分離のための調製物中の流温度を上昇させる。その後、流は、(反応
器の圧力の、特定の標的での維持を担う)圧力降下制御弁を通過する。その後、流は、ポ
リマーが溶媒、水素、ならびに未反応のモノマー及びコモノマーから除去される、2段階
分離及び脱揮発システムに進入する。不純物は、反応器に再度進入する前に再利用流から
除去される。分離され、脱揮発されたポリマー溶融物を、水面下のペレット化のために特
別に設計されたダイを通してポンピングし、均一な固体ペレットに切断し、乾燥させ、ホ
ッパーに移動させる。初期ポリマー特性の検証後、固体ポリマーペレットを貯蔵装置に移
動する。
脱揮発ステップにおいて除去された部分は、再利用または破壊され得る。例えば、溶媒
のほとんどは、精製床を通過した後、反応器に戻って再利用される。再利用された溶媒は
、反応器への再進入前に新鮮コモノマーで強化された未反応のコモノマーをその中に依然
として有し得る。再利用された溶媒は、その後新鮮水素で強化されるいくらかの水素を依
然として有し得る。
表1〜3は、本発明のポリエチレン組成物1及び2ならびに比較ポリエチレン組成物A
及びBの重合条件をまとめる。これらの重合において使用される添加剤は、400ppm
のステアリン酸カルシウム、500ppmのDHT−4a、(トリス(2,4ジ−ter
t−ブチルフェニル)ホスファイトである)1000ppmのIRGAFOS 168、
(オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネートである)250ppmのIRGANOX 1076、及び(テトラキス(メチ
レン(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシヒドロシナメート)である)200
ppmのIRGANOX 1010であった。DHT−4aは、Kisuma Chem
icals BVから市販されている合成ヒドロタルサイトである。IRGAFOS 1
68、IRGANOX 1076、及びIRGANOX 1010は、BASFから商業
的に入手可能である。
表4及び5は、本発明及び比較ポリエチレン組成物の選択された特性及び触媒残渣を提
供する。
単層フィルム生成(第1のセット)
以下の表に示す条件で、5層のEgan−Davis標準流延押出ライン上で全てのフィルムを作製した。本発明のポリエチレン組成物2を使用して、本発明の単層フィルム2−1及び2−2を生成した。本発明の単層フィルム2−1は0.8ミルの厚さを有し、本発明の単層フィルム2−2は0.5ミルの厚さを有した。比較ポリエチレン組成物Aを使用して、比較単層フィルムA1及びA2を生成した。比較単層フィルムA1は0.8ミルの厚さを有し、比較単層フィルムA2は0.5ミルの厚さを有した。表6〜8は、フィルム生成特徴、及び単層フィルムの選択された物理的特性を提供する。
多層フィルム生成
0.8ミルの標的全ゲージを有する5層のEgan−Davis標準流延押出ラインにおいて、5層(A/B/C/D/E)のフィルムを作製した。各層は全厚さの20%である。各樹脂の処理条件を、表9に示す。比較ポリエチレン組成物Aから作製された3つのコア層を使用して、比較多層フィルムAを作製した。比較ポリエチレン組成物Bから作製された3つのコア層を使用して、比較多層フィルムBを作製した。本発明のポリエチレン組成物1から作製された3つのコア層を使用して、本発明の多層フィルム1を作製した。本発明のポリエチレン組成物2から作製された3つのコア層を使用して、本発明の多層フィルム2を作成した。
表10は、多層フィルムのそれぞれのための層組成物を提供する。各多層フィルムは、
2.3g/10分のI及び0.917g/ccの密度を有するDOWLEX 2247
G(The Dow Chemical Companyから市販されているポリエチレ
ン樹脂)から作製された放出層を含む。各多層フィルムは、4.0g/10分のI及び
0.904g/ccの密度を有するATTANE 4404G(The Dow Che
mical Companyから市販されているポリエチレン樹脂)から作製されたクリ
ング層を含む。表11は、多層フィルムの選択された物理的特性を提供する。
単層フィルム生成(第2のセット)
上に論じた第1のセットのフィルムの生成の約10ヶ月後、本発明のポリエチレン組成物2を使用して、第2のセットのフィルムを生成した。全てのそのようなフィルムを、以下の表に示す条件で、5層のEgan−Davis標準流延押出ライン上で作製した。本発明のポリエチレン組成物2を使用して、本発明の単層フィルム2〜3を生成した。本発明の単層フィルム2〜3は、0.8ミルの厚さを有した。比較ポリエチレン組成物Cを使用して、比較単層フィルムC1を生成した。比較ポリエチレン組成物Cは、3.2g/10分のI及び0.9178g/ccの密度を有する、TUFLIN HS−7001NT7直鎖低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから市販されているポリエチレン樹脂)である。比較単層フィルムC1は、0.8ミルの厚さを有した。65%の本発明のポリエチレン組成物1と35%の比較例Cとの混成物、及び35%の本発明のポリエチレン組成物1と65%の比較例Cとの混成物もまた、0.8ミルの厚さで作製した。各配合物を、MAGUIRE重量測定混成器上で混合した。
表12〜13は、フィルム生成特徴、及び単層フィルムの選択された物理的特性を提供する。表13は、本発明のポリエチレン組成物と、本発明のポリエチレン組成物よりも高い延伸性であるが、より低い穴あけである直鎖低密度ポリエチレンとをブレンドすることが、延伸性と穴あけとのバランスの変更を可能にすることを実証する。所望される延伸性と穴あけとのバランスによって、表13に示すように、本発明のポリエチレン組成物の%が変更され得る。
製作条件が性能に影響を与え得るため、フィルムの特性における差は試行毎にいくらかの可変性を示し得る。したがって、樹脂を評価するための最良のアプローチは、類似の条件を使用して同一の製作中に作製されたフィルムの性能を比較することである。第1のセットのフィルムデータを集めた(単層フィルム生成(第1のセット))後、フィルムが製作される流延ラインをアップグレードした。アップグレードは、冷却ロール上への流延後、フィルムに張力を適用する巻き取り器システムを変更することを含んだ。新しい巻き取り器は、Webex Inc.からのものであり、最大1200ft/分を可能にする一方、第1のセットのフィルムにおいて使用された巻き取り器は、最大900ft/分が可能であるにすぎなかった。このアップグレードは、またフィルム特性に影響を与え得る(第1のセットのフィルムを調製するために使用された設計とは異なるダイ設計を含む)新しいダイを更に含んだ。
試験方法
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)数及び重量平均分子量(それぞれ(M及びM
)ならびにポリマーの分子量分布(M/M)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(G
PC)によって決定する。クロマトグラフィーシステムは、屈折計を内蔵するPolym
er Laboratories Model PL−220高温クロマトグラフからな
る。PolymerChAR(Valencia,Spain)GPC Oneソフトウ
ェア及び収集インターフェイスを使用して、データ収集を達成する。システムは、Pol
ymer Laboratoriesからのオンライン溶媒脱気装置を備える。
カラム区画及びカルーセル区画は、140℃で操作される。使用されるカラムは、3P
L Gel Mixed Bの10ミクロンカラム及び10ミクロンの防護カラムである
。使用される溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンである。50mLの溶媒中0.1
gのポリマーの濃度で、試料を調製する。クロマトグラフィー溶媒及び調製溶媒は、20
0ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。両方の溶媒源を窒素スパ
ージする。試料を160℃で2時間撹拌する。使用される注入容積は200μLであり、
流量は1.0mL/分である。個々の濃度が0.5mg/mlであり、500,000を
超える分子量については0.25mg/mlである、Polymer Laborato
ries(Shropshire,UK)から購入した、580〜8,400,000g
/モルの範囲の分子量を有する最小20の狭MWDポリスチレン標準で、GPCカラムセ
ットの較正を実行する。PolymerChAR GPC Oneソフトウェアで、デー
タ縮小を実行する。Williams,T.,and Ward,I.M.,“The
Construction of Polyethylene Calibration
Curve for Gel Permeation Chromatography
Using Polystyrene Fractions”,J.Polym.Sc
i.Polym.Lett.,6,621(1968)に開示される方法を使用して、ポ
リスチレン標準ピーク分子量をポリエチレン分子量に変換し、
ポリエチレン=A(Mポリスチレン
式中、Mは分子量であり、Aは0.4316の値を有し、Bは1.0に等しい。三次多
項式適合を使用して、溶出容積の関数としてポリエチレン当量logMWを較正した。個
々の試料及び較正物の分析中、流量マーカ(デカン)を使用して、軽微な(1%未満)流
量差を補正した。PolymerChAR GPC Oneソフトウェアバージョンを使
用して、ポリエチレン当量分子量計算を実行する。
金属の中性子活性化法
約3.5グラムのペレットを、事前洗浄した2ドラムのポリエチレンバイアル中へと移
動させることによって、2つのセットの2連試料を調製した。それらのNIST追跡可能
溶液(SPEXからのCerti.pure)から、2ドラムのポリエチレンバイアル中
へと試験される各金属の標準を調製した。milli−Q純水を使用して、6mlまでそ
れらを希釈し、バイアルを熱封着した。その後、Mark I TRIGA核反応器を使
用して、これらの元素について試料及び標準を分析した。これらの元素について使用され
る反応及び実験条件を、以下の表にまとめる。ガンマ分光法を行う前に、試料を非照射バ
イアルに移動する。CANBERRAソフトウェア及び標準比較技術を使用して、元素濃
度を計算した。NDは、NAA測定システムの引用された検出限度で検出されないことを
意味する。表14は、金属判定の測定パラメータを提供する。
極限延伸
Highlight IndustriesからのHighlight Film T
est System上で極限延伸を試験する。フィルムロールを機械の巻き取られてい
ない区分上に定置し、フィルムを一連のローラ上を通過させる。その後、増加する力によ
って、フィルムがその極限延伸点に達するまでフィルムを巻き戻す。ロードセルが適用さ
れた力の量を測定し、計算を行って、パーセントによって測定される、フィルム内に存在
する延伸の量を決定する。
パレット上穴あけ:
この試験は、Brucetonステアケース法を使用して、フィルムが失敗することなく試験プローブを3巻きにわたって合格し得る、最大負荷力を決定する。試験プローブを、所望される突出距離で試験スタンドに挿入する。試験プローブがフィルムの中央に整列するように、フィルムを配置する。フィルムを試験スタンド付着させ、ラッパーを始動する。一旦ラッパーが200%の事前延伸に達すると、フィルムは、プローブ上にわたる最大3巻きに合格するようにされる。どの巻きの最中のフィルムのいかなる破損も、負荷設定に対するその力での失敗と見なされる。負荷設定でのフィルムの性能(すなわち、合格または失敗)によって、負荷力を上下に調整し、新しい負荷設定で試験を繰り返す。これを、失敗が発生しない最大力が見出されるまで続ける。表15は、この方法において使用された機器及び設定を提供する。


本発明の例として以下のものが挙げられる。
[1] 溶液重合を介した、多元金属プロ触媒を含む触媒組成物の存在下での、エチレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含むポリエチレン組成物であって、以下の特性、
(a)ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、0.9〜5g/10分のメルトインデックスI
(b)(ASTM D792に従って測定される)0.910〜0.935g/cm の密度、
(c)6〜7.4のメルトフロー比I 10 /I であって、I 10 がASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比I 10 /I 、及び
(d)2.5〜3.5の分子量分布(M /M )、のうちの1つ以上によって特徴付けられる、前記ポリエチレン組成物。
[2] 前記溶液重合が、単一反応器内で発生する、請求項1に記載の前記ポリエチレン組成物。
[3] 前記溶液重合が、二重反応器システム内で発生し、同一のポリマーが、前記二重反応器のそれぞれの中で作製される、[1]に記載の前記ポリエチレン組成物。
[4] 前記ポリエチレン組成物が、本明細書に記載される方法に従って、0.8ミルの厚さを有する単一層フィルムへと形成されるとき、前記フィルムが、以下の特性、
(a)本明細書に記載されるように測定される、290%を超える極限延伸、及び
(b)本明細書に記載されるように測定される、8.5lbを超えるパレット上穴あけ、のうちの1つ以上によって特徴付けられる、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
[5] 前記ポリエチレン組成物が、本明細書に記載される方法に従って、0.5ミルの厚さを有する単一層フィルムへと形成されるとき、前記フィルムが、以下の特性、
(a)本明細書に記載されるように測定される、220%を超える極限延伸、及び
(b)本明細書に記載されるように測定される、8lbを超えるパレット上穴あけ、のうちの1つ以上によって特徴付けられる、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
[6] 前記ポリエチレン組成物が、本明細書に記載される方法に従って、0.8ミルの厚さを有する多層フィルムへと形成されるとき、前記フィルムが、以下、
(a)本明細書に記載されるように測定される、305%を超える極限延伸、及び
(b)本明細書に記載されるように測定される、9lbを超えるパレット上穴あけ、のうちの1つ以上によって特徴付けられる、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
[7] 前記ポリエチレンが、100万部のポリエチレンポリマー当たり、1総合重量部以上の少なくとも3つの金属残留物の金属触媒残渣を含むものとして特徴付けられ、そのような金属が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、かつ各前記残渣金属が、少なくとも0.2ppmで存在する、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
[8] 前記ポリエチレンが、少なくとも0.75ppmのバナジウムを含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
[9] 前記ポリエチレンが、少なくとも0.3ppmのジルコニウムを含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の前記ポリエチレン組成物を含む、流延フィルム。
[11] 前記フィルムが、単層フィルムである、[10]に記載の前記流延フィルム。
[12] 0.25〜10ミルの厚さを有する、[11]に記載の前記単層フィルム。
[13] 少なくとも1つの層が、[10]に記載の前記流延フィルムを含む、多層フィルム。
[14] 前記少なくとも1つの層が、0.1〜8ミルの厚さを有する、[13]に記載の前記多層フィルム。

Claims (3)

  1. チレンと任意で1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとの反応生成物を含む、流延フィルムのためのポリエチレン組成物であって、以下の特性、
    (a)ASTM D1238(190℃で2.16kg)に従って測定される、1.9〜5g/10分のメルトインデックスI
    (b)(ASTM D792に従って測定される)0.910〜0.935g/cmの密度、
    (c)6〜7.2のメルトフロー比I10/Iであって、I10がASTM D1238(190℃で10kg)に従って測定される、メルトフロー比I10/I、及び
    (d)2.5〜3.5の分子量分布(M/M)、
    よって特徴付けられる、前記ポリエチレン組成物。
  2. 請求項に記載の前記ポリエチレン組成物を含む、単一層流延フィルム。
  3. 少なくとも1つの層が、請求項に記載の前記単一層流延フィルムを含む、多層フィルム。
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