JP2017506232A - 腫瘍を治療するための阻害性オリゴヌクレオチド - Google Patents

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Abstract

MYD88の突然変異によって特徴付けられるB細胞リンパ腫を有すると診断され、そのような治療を必要とする対象においてB細胞リンパ腫を治療する方法が提供される。リンパ腫は、配列5’−(CCT)n−3を有するオリゴヌクレオチドで治療される。B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ又はワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)であってもよい。

Description

本出願は、2014年2月7日に出願された米国特許仮出願第61/937,376号の権益及び優先権を主張し、その全開示はここに参照により完全に組み込まれる。
本発明は、B細胞リンパ腫などの腫瘍を治療するためのオリゴヌクレオチド及びその使用に関する。
免疫系は、細菌性、寄生性、真菌性、ウイルス性の感染症から、及び腫瘍細胞の増殖からヒトの体を保護する。免疫は、自然免疫又は適応免疫として分類することができる。自然免疫応答は、感染性疾患に対する初期障壁となるように感染直後に一般的に起こるが、適応免疫応答は、抗原特異的な長期防御免疫の発生と一緒に遅れて起こる。
しかし、免疫応答は時に望ましくないことがあり、自己免疫性疾患、移植片拒絶、過敏性、微生物による宿主の免疫系の過刺激に関連した疾患及びToll様受容体(TLR)介在性疾患を含む、免疫介在性障害を引き起こすことがある。Toll様受容体(TLR)介在性疾患は、Toll様受容体(TLR)の活性化によって引き起こされる障害である。
TLRは、微生物由来の分子構造(病原体関連分子パターン、又はPAMP)を認識する受容体のファミリーである。TLRを発現する免疫細胞は、PAMPの結合によって活性化される。TLRは、ある範囲の病原体由来生成物を認識して活性化される。細菌のリポ多糖(LPS)はTLR4によって;リポテイコ酸及びジアシル化リポペプチドはTLR2−TLR6ダイマーによって;トリアシル化リポペプチドはTLR2−TLR1ダイマーによって、ウイルス又は細菌によって合成されるか又はそれに由来するCpG含有オリゴヌクレオチド(CpG ODN)はTLR9によって;細菌フラジェリンはTLR5によって;ザイモサンはTLR2−TLR6ダイマーによって;RSウイルス(RSV)由来のFタンパク質はTLR4によって;ウイルス由来の二本鎖RNA(dsRNA)及びdsRNAの合成類似体であるポリI:CはTLR3によって;ウイルスDNAはTLR9によって;一本鎖のウイルスRNA(VSV及びインフルエンザウイルス)及び合成グアノシン類似体、例えばイミダゾキノリン及びイミキモドはTLR7及びTLR8によって認識される(Foo Y. Liew, et al. Nature Reviews Immunology. Vol 5, June 2005, 446-458)。I型IFNの誘導につながるシグナル伝達機構は、活性化したTLRによって異なる。それらには、抗ウイルス防御、細胞増殖及び免疫調節において重大な役割を果たすことが公知である転写因子のファミリーであるインターフェロン調節因子IRFが関与する。3つのIRF(IRF3、IRF5及びIRF7)が、ウイルス介在性TLRシグナル伝達の直接的なトランスデューサとして機能する。TLR3及びTLR4はIRF3及びIRF7を活性化し(Doyle S. et al. Immunity. 2002 17(3):251-63)、TLR7及びTLR8はIRF5及びIRF7を活性化する(Schoenemeyer A. et al. J Biol Chem. 2005 280(17): 17005-12)。さらに、TLR9リガンドCpG−Aによって刺激されるI型IFNの産生が、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)及びmTORによって媒介されることが示された(Costa-Mattioli M et al. Nat Rev Drug Discov, 2010 9: 293-307)。
一態様では、本発明は、MYD88の突然変異によって特徴付けられるB細胞リンパ腫を有すると診断され、そのような治療を必要とする対象においてB細胞リンパ腫を治療する方法であって、対象に、5’−(CCT)−3’の配列(nは2から50の整数である)を有するオリゴヌクレオチドの治療有効量、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、5’−(CCT)nCm−3の配列を有するオリゴヌクレオチドであり、nは6から16の整数であり、mは0、1又は2である。
一部の実施形態では、B細胞リンパ腫は、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫からなる群から選択される。
一部の実施形態では、MYD88の突然変異は、L265P、M232T、S243N又はT294Pを含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号1)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号2)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号3)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号4)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号5)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号6)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号7)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号8)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号9)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号10)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号11)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3(配列番号12)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号13)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号14)、
5’−cctcctcctcctcctcct−3’(配列番号15)及び
5’−cctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号16)
からなる群から選択される配列を含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドのリン酸骨格は修飾されていない。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドのリン酸骨格は、部分的又は完全にホスホロチオエート修飾されている。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは化学修飾を含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’−(CCT)−3’の配列の各末端に1つ又は複数のヌクレオチドをさらに含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、経口、腸内、非経口又は局所の投与経路、又は吸入を通して投与される。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、Btk阻害剤、ΡI3Κδ阻害剤、IRAK阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、SYK阻害剤又はBcl−2阻害剤と組み合わせて投与される。
参照による組込み
この明細書で指摘される全ての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的及び個々に示されるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の新規特徴は、添付の特許請求の範囲で詳細に示される。本発明の特徴及び利点のより深い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって得られる。
OCI−Ly3.3がMYD88 L265P突然変異体の存在について確認されたこと(図1、図1B)、及びOCI−Ly19がこの突然変異体を持っていないこと(図1、図1A)を示す図である。以前の報告書と一貫して、OCI−Ly3.3はホモ接合のMYD88 L265P突然変異体を有する。
(CCT)、(CCT)12及び(CCT)12Mと呼ばれる3つのTLR7/9アンタゴニストの0.3μM及び1μMが、OCI−Ly3.3で細胞増殖阻害をもたらしたがOCI−Ly19細胞でもたらさなかったことを示す図である。
全ての3つのTLR7/9アンタゴニストが、OCI−Ly3.3細胞からのIL−10分泌を阻害することができたことを示す図である。
例示のために適用例を参照して、本発明のいくつかの態様が下に記載される。本発明の完全な理解を可能にするために、多数の具体的な詳細、関係及び方法が示されることを理解すべきである。しかし、関連分野の当業者は、1つ若しくは複数の具体的な詳細なしで、又は他の方法によって本発明を実施することができることを容易に認める。一部の行為は異なる順序で及び/又は他の行為若しくは事象と同時並行的に起こることがあるので、本発明は例示される行為又は事象の順序付けによって制限されない。
さらに、本発明による方法を実行するために、全ての例示される行為又は事象が必要とされるとは限らない。
本明細書で用いられる用語は特定の実施形態を記載することだけが目的であり、本発明を限定するものではない。本明細書で用いるように、文脈が明らかに他を指示しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数形も含むものとする。さらにまた、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「持つ(with)」又はその変異体が詳細な説明及び/又は請求項で用いられる範囲で、そのような用語は「含む(comprising)」という用語と同様に包括的であるものとする。
用語「約」又は「およそ」は、当業者が判定する特定の値の許容される誤差範囲内であることを意味し、それは一部、その値がどのように測定又は判定されるか、すなわち測定システムの限界に依存する。例えば、「約」は、当技術分野での慣行により、1以上の標準偏差内であることを意味することができる。或いは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、より好ましくはなお1%までの範囲を意味することができる。或いは、特に生物学的システム又はプロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味することができる。出願及び請求項で特定の値が記載される場合は、特記しない限り、特定の値の許容される誤差範囲内を意味する用語「約」を仮定するべきである。
I.定義及び略記号
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、この発明が属する分野の当業技術者が通常理解するのと同じ意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名法並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及び核酸化学及びハイブリダイゼーションにおける実験法は、当技術分野で周知の、一般的に採用されるものである。核酸及びペプチド合成のために、標準の技術が用いられる。技術及び手順は、この文書全体で提供される、当技術分野及び様々な一般参考文献での従来の方法に従って一般的に実施される。本明細書で用いられる命名法、並びに以下に記載される分析化学及び有機合成の実験法は、当技術分野で周知の、一般的に採用されるものである。化学合成及び化学分析のために、標準の技術又はその改変形が用いられる。
II.組成物
本発明は、B細胞リンパ腫、好ましくはMYD88の突然変異によって特徴付けられる疾患を有すると診断され、そのような治療を必要とする対象において、対象に、TLR9を阻害することが可能なオリゴヌクレオチドの治療有効量を含む医薬組成物を投与することによって、B細胞リンパ腫などのがんを治療するための方法及び組成物を提供する。
本発明のオリゴヌクレオチドは、TLR9活性化を強く阻害する。CpGを含有するオリゴヌクレオチド(CpG ODN)は、TLR9アゴニストとして知られる[D.M. Klinman, Nat. Rev., Immunol. 4 (2004) 249-258]。
本明細書において「オリゴヌクレオチド」は、複数のヌクレオチド(すなわち、リン酸基、及び置換されたピリミジン(Py)(例えば、シトシン(C)、チミン(T))又は置換されたプリン(Pu)(例えば、アデニン(A)又はグアニン(G))である交換可能な有機塩基に連結された糖(例えばデオキシリボース)を含む分子)を意味する。本明細書で用いられる用語オリゴヌクレオチドは、オリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)を指す。オリゴヌクレオチドは既存の核酸源(例えば、ゲノムDNA又はcDNA)から得ることができるが、好ましくは合成物である。本発明のオリゴヌクレオチドは、市場で入手できる様々な自動核酸合成装置で合成することができる。これらのオリゴヌクレオチドを、合成オリゴヌクレオチドと呼ぶ。
TLR9アゴニストは、自然と獲得の両免疫応答を活性化することが実証されている(Arthur M. Krieg. Nature Reviews Drug Discovery, Vol 5. June 2006, 471-484)。CpGを含有するオリゴヌクレオチド(CpG ODN)は、TLR9アゴニストである[D.M. Klinman, Nat. Rev., Immunol. 4 (2004) 249-258]。機能的特性に基づいて、CpG ODNは3つのタイプに分けられる(Tomoki Ito, et al. Blood, 2006, Vol 107, Num 6: 2423-2431)。A型CpG ODNは、大量のI型インターフェロン(IFN−a/β)を産生するようにヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を活性化し、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を強く活性化する。B型CpG ODNは主にB細胞を活性化させ、それらの増殖及び抗体分泌をもたらす。C型CpG ODNは、A型とB型の両CpG ODNの活性を共有する。TLR9アゴニストとして、CpG2216又はCpG2006又はCpG2395などのCpG ODNは、それらがTLR9に曝露させられてそれを活性化する細胞コンパートメントにエンドサイトーシスで取り込まれてもよい。pDCでは、TLR9活性化は、炎症誘発性サイトカイン[IL−6、腫瘍壊死因子α(TNFα)]の分泌、I型インターフェロン(IFN)の分泌及びIFN誘導可能ケモカインの分泌によって特徴付けられる、急速な自然免疫応答を開始する。IFN依存性とIFN非依存性の両経路を通して、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球及び好中球を含む自然免疫細胞は、pDCによって二次的に活性化される。TLR9を通して活性化されるB細胞は、抗原刺激に対する感受性が大いに増加し、抗体分泌細胞に効率的に分化し、したがって、適応免疫応答、特に体液性免疫応答に寄与する。TLR9を通して活性化されるpDCはIFNαを分泌し、それはリンパ節及び他の二次リンパ組織へのpDCの遊走及びクラスタリングを促進し、そこで、pDCはナイーブ及び記憶T細胞を活性化し、CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)への可溶タンパク質抗原の交差提示を促進し、強力なTH1に偏った細胞性CD4及びCD8 T細胞応答を促進する。上述の知見に基づいて、自然と獲得の両免疫応答を阻害することによって、免疫介在性の障害を治療又は予防するためにCpG ODNの活性に拮抗する薬剤を用いることができることが明らかである。
一般に、この方法は、対象に、5’−(CCT)−3’の配列(nは2から50の整数すべて)を有するものなどのオリゴヌクレオチドの治療有効量、及び任意選択で薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’−(CCT)−3’の配列の各末端に1つ又は複数のヌクレオチドをさらに含む。
一部の実施形態では、5’−(CCT)nCm−3の配列を有するオリゴヌクレオチドであり、nは6から16の整数であり、mは0、1又は2である。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号1)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号2)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号3)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号4)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号5)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号6)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号7)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号8)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号9)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号10)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号11)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号12)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号13)、
5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号14)、
5’−cctcctcctcctcctcct−3’(配列番号15)及び
5’−cctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号16)
からなる群から選択される配列を含む。これらのODNでは、塩基は修飾されていないか又は化学修飾されており、例えばホスホロチオエート修飾されている。
一部の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、化学修飾を含まない。
一部の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、化学修飾を含む。
本発明で開示されるオリゴヌクレオチドは、天然のDNAと比較して、ホスホジエステルのヌクレオシド間架橋、リボース単位及び/又は天然のヌクレオシド塩基(アデニン、グアニン、シトシン及びチミン)を含む、様々な化学修飾を包含することができる。修飾は、オリゴヌクレオチドの合成の間、又はその後に起こり得る。合成の間に、修飾塩基は内部に、又はその末端に組み込むことができる。合成の後、活性基を用いて(アミノ修飾因子を通して、3’若しくは5’ヒドロキシル基を通して、又はリン酸基を通して)、修飾を実行することができる。
本発明によるオリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の修飾を有することができ、そこで、各修飾は、天然のDNAで構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較して、特定のホスホジエステルヌクレオシド間架橋及び/又は特定のリボース単位及び/又は特定の天然のヌクレオシド塩基位置に位置する。化学修飾には、本発明のオリゴヌクレオチドの「骨格修飾」が含まれる。本明細書で用いるように、本発明のオリゴヌクレオチドの修飾された骨格には、非架橋リン酸酸素が少なくとも1つのヌクレオチド間結合で硫黄と置き換えられている核酸分子の安定化糖リン酸骨格を指す、「ホスホロチオエート骨格」が含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、非架橋リン酸酸素は、あらゆるヌクレオチド間結合で硫黄と置き換えられる。他の骨格修飾は、非イオン性DNA類似体、例えばアルキル−及びアリールホスホネート(荷電したホスホネート酸素がアルキル又はアリール基と置き換えられる)、ホスホジエステル、及び荷電酸素部分がアルキル化されているアルキルホスホトリエステルによる修飾を表す。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドのリン酸骨格は修飾されていない。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドのリン酸骨格は、部分的又は完全にホスホロチオエート修飾されている。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、
5’−CCtCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号21)、
5’−CCtCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号22)、
5’−CCtCCtCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号23)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号24)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCCCTCtCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号25)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号26)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号27)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号28)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号29)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCTCCTCCT−3’(配列番号30)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtTCCTCCT−3’(配列番号31)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCT−3’(配列番号32)、
5’−CCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCtCCt−3’(配列番号33)、
5’−CCtCCTCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号34)、
5’−CCTCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCT−3’(配列番号35)、
5’−CCTCCTCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCT−3’(配列番号36)、
5’−CCTCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCTCCTCCtCCT−3’(配列番号37)、
5’−CCtCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCT−3’(配列番号38)、
5’−CCTCCtCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCtCCTCCT−3’(配列番号39)、
5’−CCTCCTCCtCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCtCCT−3’(配列番号40)、
5’−CCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCtCCTCCTCCTCCt−3’(配列番号41)、
5’−CCtCCTCCTCCtCCTCCTCCtCCTCCTCCtCCTCCT−3’(配列番号42)、
5’−CCTCCtCCTCCTCCtCCTCCTCCtCCTCCTCCtCCT−3’(配列番号43)、
5’−CCTCCTCCtCCTCCTCCtCCTCCTCCtCCTCCTCCt−3’(配列番号44)、
5’−CCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCTCCT−3’(配列番号45)、
5’−CCTCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCtCCTCCT−3’(配列番号46)、
5’−CCTCCTCCTCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCtCCtCCT−3’(配列番号47)、
5’−CCTCCTCCTCCTCCTCCTCCtCCTCCtCCtCCtCCt−3’(配列番号48)、
5’−CCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCT−3’(配列番号49)、
5’−CCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCtCCTCCt−3’(配列番号50)
からなる群から選択される配列を含み、ここで、配列番号21〜50について、大文字は塩基がホスホロチオエート修飾されていることを表し、小文字は塩基が修飾されていないことを表す。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドはホスホロチオエート/ホスホジエステルのキメラである。
化学修飾には、本発明で開示されるオリゴヌクレオチドの塩基置換も含まれる。置換されるプリン及びピリミジンは、C−5プロピンピリミジン及び7−デアザ−7置換プリンであってもよい。置換されるプリン及びピリミジンには、アデニン、シトシン、グアニン及びチミン、並びに他の天然に存在する、及び天然に存在しない核酸塩基が含まれるが、それらに限定されない。本発明のオリゴヌクレオチドの化学修飾には、オリゴヌクレオチドの塩基の修飾がさらに含まれる。修飾塩基は、T、C、G及びAなどのDNAで一般的に見出される天然に存在する塩基と化学的に異なるが、これらの天然に存在する塩基と基本的化学構造を共有する任意の塩基である。
一部の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、シチジン誘導体を用いて修飾される。用語「シチジン誘導体」はシチジン様ヌクレオチド(シチジンを除外する)を指し、用語「チミジン誘導体」はチミジン様ヌクレオチド(チミジンを除外する)を指す。さらに、本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの一方又は両方の末端にジオール、例えばテトラエチレングリコール又はヘキサエチレングリコールを連結することによって化学修飾されてもよい。
オリゴヌクレオチドは、Py−Puジヌクレオチドのホスホノアセテート又はホスホノアセテート様結合に加えてさらなる骨格修飾を有することができる。ホスホジエステルヌクレオチド間結合と比較して、安定化ヌクレオチド間結合は、in vivo分解(例えば、エキソヌクレアーゼ又はエンドヌクレアーゼによる)に対して比較的抵抗性であるヌクレオチド間結合である。ホスホノアセテート及びホスホノアセテート様結合に加えて、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート及びメチルホスホロチオエートを含むが、それらに限定されない、他の安定化ヌクレオチド間結合を含有することができる。他の安定化ヌクレオチド間結合には、ペプチド、アルキル及びデホスホが含まれるが、それらに限定されない。ホスホノアセテートヌクレオチド間結合は、他の安定化結合のように、ヌクレアーゼ消化への感受性が低減され、リボヌクレアーゼHを活性化する能力が増加している。したがって、例えば、ホスホノアセテートでなくホスホジエステルオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ消化に感受性であり、ホスホジエステルとホスホノアセテートの両オリゴヌクレオチドはリボヌクレアーゼHを活性化する。一部の実施形態では、Py−Puオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオチド間結合を含む。オリゴヌクレオチドは、好ましい内部位置のホスホノアセテート又はホスホノアセテート様ヌクレオチド間結合に加えて、分解に抵抗性である5’及び3’末端を含むことができる。そのような分解抵抗性末端は、対応する未修飾末端と比較してエキソヌクレアーゼ消化に対する抵抗性の増加をもたらす任意の適する修飾を含むことができる。例えば、5’及び3’末端は、そこへの骨格の少なくとも1つのリン酸修飾の組入れによって安定化させることができる。一実施形態では、各末端の骨格の少なくとも1つのリン酸修飾は、独立して、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホノアセテート、ホスホノアセテート様、メチルホスホネート又はメチルホスホロチオエートのヌクレオチド間結合である。別の実施形態では、分解抵抗性の末端は、3’末端のペプチド又はアミド結合によって接続される1つ又は複数のヌクレオチド単位を含む。
用語「核酸」及び「オリゴヌクレオチド」は、例えば塩基及び/又は糖に置換又は修飾を有する核酸又はオリゴヌクレオチドも包含する。例えば、それらは、2’位置のヒドロキシル基以外及び5’位置のリン酸基又はヒドロキシ基以外の低分子量有機基に共有結合する骨格糖を有する核酸を含む。したがって、修飾された核酸は、2’−0−アルキル化デオキシリボース基を含むことができる。さらに、修飾された核酸は、デオキシリボースの代わりにアラビノース又は2’−フルオロアラビノースなどの糖を含むことができる。したがって、核酸は骨格組成が不均一であってもよく、それによって、ペプチド核酸(それは、核酸塩基を有するアミノ酸骨格を有する)などの互いに連結されたポリマー単位の任意の可能な組合せを含有してもよい。本発明との関連で、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドでも、リボザイムでも、アプタマーでもない。
核酸は、置換されたプリン及びピリミジン、例えばC−5プロピンピリミジン及び7−デアザ−7置換プリン修飾塩基も含む(Wagner RW et al., (1996) Nat Biotechnol 14:840-4)。プリン及びピリミジンには、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、5−メチルシトシン、5−ヒドロキシシトシン、5−フルオロシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン並びに他の天然に存在する及び天然に存在しない核酸塩基、置換された及び非置換の芳香族部分が含まれるが、それらに限定されない。他のそのような修飾は、当業者に周知である。
オリゴヌクレオチドは、DNA又はRNAであってもよい。一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、リボース及びデオキシリボースの混合骨格を含むDNA/RNAハイブリッド分子である。DNA/RNAハイブリッドオリゴヌクレオチドは、しばしば活性の増加を実証する。一実施形態では、これらのDNA/RNAハイブリッドオリゴヌクレオチドは一本鎖である。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドの全部又は一部は二本鎖である。一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、一次と二次の両構造を有する、共有結合的に閉じられたダンベル形の分子の形である。一実施形態では、そのような環式オリゴリボヌクレオチドは、媒介する二本鎖セグメントによって接続される2つの一本鎖ループを含む。一実施形態では、少なくとも1つの一本鎖ループは、本発明の免疫賦活性DNAモチーフを含む。本発明の共有結合的に閉じられた他のダンベル形の分子には、例えば、二本鎖セグメントが少なくとも部分的にDNA(例えば、ホモダイマーdsDNA又はヘテロダイマーのDNA:RNA)であり、少なくとも1つの一本鎖ループが本発明の免疫賦活性DNAモチーフを含む、キメラDNA/RNA分子が含まれる。或いは、キメラ分子の二本鎖セグメントはDNAである。
本発明のオリゴヌクレオチドは、他の修飾を含むこともできる。これらには、非イオン性DNA類似体、例えばアルキル−及びアリールホスフェート(荷電したホスホネート酸素がアルキル又はアリール基と置き換えられている)、ホスホジエステル、及び荷電酸素部分がアルキル化されているアルキルホスホトリエステルが含まれる。一方又は両方の末端にテトラエチレングリコール又はヘキサエチレングリコールなどのジオールを含有する核酸も、ヌクレアーゼ分解に実質的に抵抗性であることが示されている。
本発明のオリゴヌクレオチドは、天然のRNA及びDNAと比較して、ホスホジエステルのヌクレオチド間架橋、β−D−リボース単位及び/又は天然のヌクレオチド塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル)を含む、様々な化学修飾及び置換を包含することができる。化学修飾の例は当業者に公知であり、例えば、Uhlmann, E. et al., (1990) Chem Rev 90:543;"Protocols for Oligonucleotides and Analogs" Synthesis and Properties & Synthesis and Analytical Techniques, S. Agrawal, Ed, Humana Press, Totowa, USA 1993;Crooke, ST. et al., (1996) Annu Rev Pharmacol Toxicol 36: 107-129及びHunziker, J. et al., (1995) Mod Synth Methods 7:331-417に記載されている。本発明によるオリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の修飾を有することができ、そこで、各修飾は、天然のDNA又はRNAで構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較して、特定のホスホジエステルヌクレオチド間架橋及び/又は特定のβ−D−リボース単位及び/又は特定の天然のヌクレオチド塩基位置に位置する。
例えば、本発明は、1つ又は複数の修飾を含むことができるオリゴヌクレオチドに関し、各修飾は、a)ヌクレオチドの3’及び/又は5’末端に位置するホスホジエステルヌクレオチド間架橋の修飾されたヌクレオチド間架橋による置き換え、b)ヌクレオチドの3’及び/又は5’末端に位置するホスホジエステル架橋のデホスホ架橋による置き換え、c)糖リン酸骨格からの糖リン酸単位の別の単位による置き換え、d)β−D−リボース単位の修飾された糖単位による置き換え、並びにe)天然のヌクレオチド塩基の修飾されたヌクレオチド塩基による置き換えから独立して選択される。
ヌクレオチドの3’及び/又は5’末端に位置するホスホジエステルヌクレオチド間架橋は、修飾されたヌクレオチド間架橋によって置き換えることができ、そこで、修飾されたヌクレオチド間架橋は、例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、NR1R2−ホスホロアミダート、ボラノホスフェート、α−ヒドロキシベンジルホスホネート、リン酸−(C1−C21)−O−アルキルエステル、リン酸−[(C6−C12)アリール−(C1−C21)]−O−アルキルジエステル、(d−Ceジアルキルホスホネート及び/又は
(C6−C12)アリールホスホネート
架橋、(C7−C12)−α−ヒドロキシメチル−アリール(例えば、WO95/01363に開示される)から選択され、式中、(C6−C12)アリール、(C6〜C20)アリール及び(C6−C14)アリールは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノによって任意選択で置換され、R1及びR2は、互いに独立して、水素、(C1−C18)−アルキル、(C6−C20)−アリール、(C6−C14)−アリール−(C1−C8)−アルキル、好ましくは水素、(C1−C8)−アルキル、好ましくは(C1−C4)−アルキル及び/又はメトキシエチルであるか、又はR1及びR2は、それらを運ぶ窒素原子と一緒に、O、S及びNの群からのさらなるヘテロ原子をさらに含有することができる5〜6員環の複素環を形成する。
ヌクレオチドの3’及び/又は5’末端に位置するホスホジエステル架橋のデホスホ架橋(デホスホ架橋は、例えば、Uhlmann E and Peyman A in "Methods in Molecular Biology," Vol. 20, "Protocols for Oligonucleotides and Analogs," S. Agrawal, Ed., Humana Press, Totowa 1993, Chapter 16, pp. 355 ffに記載される)による置き換え、そこで、デホスホ架橋は、例えば、デホスホ架橋ホルムアセタール、3’−チオホルムアセタール、メチルヒドロキシルアミン、オキシム、メチレンジメチル−ヒドラゾ、ジメチレンスルホン及び/又はシリル基から選択される。糖リン酸骨格(すなわち、糖リン酸骨格は糖リン酸単位で構成される)からの糖リン酸単位(すなわち、糖リン酸単位を一緒に形成するβ−D−リボース及びホスホジエステルヌクレオチド間架橋)は、別の単位と置き換えることができ、そこで、他の単位は、例えばモルホリノ誘導体単位による置き換えである「モノホリノ誘導体」オリゴマー(例えば、Stirchak EP et al., (1989) Nucleic Acids Res 17:6129-41に記載される)の構築、又は、例えばPNA骨格単位による、例えば2−アミノエチルグリシンによる置き換えであるポリアミド核酸(「PNA」;例えば、Nielsen PE et al., (1994) Bioconjug Chem 5 :3-7に記載される)の例えば構築に適する。
β−D−リボース単位又はβ−D−2’−デオキシリボース単位は、修飾された糖単位と置き換えることができ、そこで、修飾された糖単位は、例えば、α−D−2’−デオキシリボース、α−L−2’−デオキシリボース、β−L−2’−デオキシリボース、β−L−リボース、2’−F−21−デオキシリボース、2’−F−2’−デオキシ−アラビノース、2’−O−(C1−C6)アルキル−リボースから選択され、好ましくは、2’−O−(C1−C6)アルキル−リボースは、2’−O−メチルリボース、21−O−(C2−C6)アルケニル−リボース、21−[O−(C1−C6)アルキル−O−(Ci〜C6)アルキル]−リボース、21−NH2−21−デオキシリボース、β−D−キシロ−フラノース、α−アラビノフラノース、2,4−ジデオキシ−β−D−エリスロ−ヘキソピラノース及び炭素環式(例えば、Froehler, J. (1992) Am Chem Soc 114:8320に記載される)及び/又は開鎖糖類似体(例えば、Vandendriessche et al., (1993) Tetrahedron 49:7223に記載される)及び/又は二環式糖類似体(例えば、Tarkov, M. et al., (1993) Helv Chim Acta 76:481に記載される)である。
一部の実施形態では、糖は、2’−O−メチルリボース、2’−デオキシリボース、2’−フルオロ−2’−デオキシリボース、2’−アミノ−2デオキシリボース、2’−O−アルキル−リボース又は3’−O−アルキル−リボース及び/又は2’−O−4’−C−アルキレンリボース、例えば2’−O−4’−C−メチレンリボース(LNAとも呼ばれる)である。
核酸は、置換されたプリン及びピリミジン、例えばC−5プロピンピリミジン及び7−デアザ−7置換プリン修飾塩基も含む。(Wagner, R.W. et al., (1996) Nat Biotechnol 14:840-4)。プリン及びピリミジンには、アデニン、シトシン、グアニン及びチミン、並びに他の天然に存在する、及び天然に存在しない核酸塩基、置換された及び非置換の芳香族部分が含まれるが、それらに限定されない。
修飾塩基は、T、C、G、A及びUなどのDNA及びRNAで一般的に見出される天然に存在する塩基と化学的に異なるが、これらの天然に存在する塩基と基本的化学構造を共有する任意の塩基である。修飾されたヌクレオチド塩基は、例えば、ヒポキサンチン、ウラシル、ジヒドロウラシル、プソイドウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−アミノウラシル、5−(C1−C6)−アルキルウラシル、5−(C2−C6)−アルケニルウラシル、5−(C2−C6)−アルキニルウラシル、5−(ヒドロキシメチル)ウラシル、5−クロロウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロムウラシル、5−ヨード−ウラシル、2,4−ジフルオロ−トルエン及び3−ニトロピロール、5−ヒドロキシシトシン、5−(C1−C6)−アルキルシトシン、5−(C2−C6)−アルケニルシトシン、5−(C2−C6)−アルキニルシトシン、5−クロルシトシン、5−フルオロシトシン、5−ブロモシトシン、N2−ジメチルグアニン、2,4−ジアミノプリン、8−アザプリン、置換された7−デアザプリン、好ましくは7−デアザ−7置換及び/又は7−デアザ−8置換プリン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N4−アルキルシトシン、例えばN4−エチルシトシン、5−ヒドロキシデオキシシチジン、5−ヒドロキシメチルデオキシシチジン、N4−アルキルデオキシシチジン、例えばN4−エチルデオキシシチジン、6−チオデオキシグアノシン及びニトロピロールのデオキシリボヌクレオチド、C5−プロピニルピリミジン及びジアミノプリン、例えば2,6−ジアミノプリン、イノシン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン又は天然ヌクレオチド塩基の他の修飾から選択することができる。このリストは例示的であるものとし、限定するものと解釈されてはならない。
本明細書において、「Py」はピリミジンを、一部の実施形態ではシトシン又は修飾されたシトシンを含有するヌクレオチドを指すために用いられる。本明細書で用いるように、修飾されたシトシンは、オリゴヌクレオチドの免疫賦活活性を損なうことなくこの塩基を置き換えることができる、シトシンの天然に存在するか又は天然に存在しないピリミジン塩基の類似体である。修飾されたシトシンには、5置換シトシン(例えば、5−メチル−シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−クロロ−シトシン、5−ブロモシトシン、5−ヨード−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチル−シトシン、5−ジフルオロメチル−シトシン及び非置換の又は置換された5−アルキニル−シトシン)、6置換シトシン、N4置換シトシン(例えば、N4−エチル−シトシン)、5−アザ−シトシン、2−メルカプト−シトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、縮合環系を有するシトシン類似体(例えば、N,N’−プロピレンシトシン又はフェノキサジン)、並びにウラシル及びその誘導体(例えば、5−フルオロ−ウラシル、5−ブロモ−ウラシル、5−ブロモビニル−ウラシル、4−チオウラシル、5−ヒドロキシ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル)が含まれるが、それらに限定されない。好ましいシトシンのいくつかには、5−メチルシトシン、5−フルオロ−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチル−シトシン及びN4−エチル−シトシンが含まれる。本発明の別の実施形態では、シトシン塩基は、汎用塩基(例えば、3−ニトロピロール、P塩基)、芳香族環系(例えば、フルオロベンゼン又はジフルオロベンゼン)又は水素原子(dSpacer)によって置換される。
本明細書において、「Pu」は、プリン又は修飾されたプリンを指すために用いられる。一部の実施形態では、Puはグアニン又は修飾されたグアニン塩基である。本明細書で用いるように、修飾されたグアニンは、オリゴヌクレオチドの免疫賦活活性を損なうことなくこの塩基を置き換えることができる、グアニンの天然に存在するか又は天然に存在しないプリン塩基の類似体である。修飾されたグアニンには、7−デアザグアニン、7−デアザ−7置換グアニン(7−デアザ−7−(C2〜C6)アルキニルグアニンなど)、7−デアザ−8置換グアニン、ヒポキサンチン、N2置換グアニン(例えば、N2−メチル−グアニン)、5−アミノ−3−メチル−3H,6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、プリン、インドール、アデニン、置換されたアデニン(例えば、N6−メチル−アデニン、8−ヒドロキシアデニン)8置換グアニン(例えば、8−ヒドロキシグアニン及び8−ブロモグアニン)及び6−チオグアニンが含まれるが、それらに限定されない。本発明の別の実施形態では、グアニン塩基は、汎用塩基(例えば、4−メチルインドール、5−ニトロインドール及びK塩基)、芳香族環系(例えば、ベンズイミダゾール又はジクロロ−ベンズイミダゾール、1−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸アミド)又は水素原子(dSpacer)によって置換される。
本発明は、5’−5’、2’−2’、2’−3’及び2’−5’ヌクレオチド間結合を含む、通常でないヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドも包含する。本発明の一部の態様では、オリゴヌクレオチドが1つ又は複数のアクセス可能な5’末端を有することが有利である。2つのそのような5’末端を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを作製することが可能である。これは、例えば、3’−3’結合を通して2つのオリゴヌクレオチドを結合して、1、2のアクセス可能な5’末端を有するオリゴヌクレオチドを生成することによって達成することができる。3’−3’結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホノアセテート又は任意の他の修飾されたヌクレオチド間架橋であってもよい。そのような結合を達成するための方法は、当技術分野で公知である。例えば、そのような結合は、Seliger, H. et al. Oligonucleotide analogs with terminal 3'-3'- and 5'-5'-internucleotidic linkages as antisense inhibitors of viral gene expression, Nucleotides & Nucleotides (1991 ), 10(1 -3), 469-77及びJiang et al., Pseudo-cyclic oligonucleotides: in vitro and in vivo properties, Bioorganic & Medicinal Chemistry (1999), 7(12), 2727-2735に記載されている。一実施形態では、1つ又は複数のそのような結合がポリマーの中の他の場所で起こることがあるとしても、そのような通常でない結合は、免疫賦活性DNAモチーフから除外される。フリーな末端を有するポリマーに関して、1つの3’−3’ヌクレオチド間結合の組入れは、2つのフリーな5’末端を有するポリマーをもたらすことができる。反対に、フリーな末端を有するポリマーに関して、1つの5−5’ヌクレオチド間結合の組入れは、2つのフリーな3’末端を有するポリマーをもたらすことができる。さらに、結合がホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホノアセテート又は他の修飾された架橋でない、3’3’−、5−5’−、2’−2’−、2’−3’−及び2’−5’−連結核酸は、トリ−又はテトラエチレングリコールリン酸部分などの追加のスペーサーを用いて調製することができる(Durand, M. et al., Triple-helix formation by an oligonucleotide containing one (dA)12 and two (dT)12 sequences bridged by two hexaethylene glycol chains, Biochemistry (1992), 31(38), 9197-204、米国特許第5658738号及び米国特許第5668265号)。或いは、標準のホスホラミダイト化学を用いて、エタンジオール、プロパンジオールから、又は無塩基デオキシリボース(dSpacer)単位から非ヌクレオチドリンカーを誘導することができる(Fontanel, Marie Laurence et al., Sterical recognition by T4 polynucleotide kinase of non-nucleosidic moieties 51 - attached to oligonucleotides; Nucleic Acids Research (1994), 22(1 1), 2022-7)。非ヌクレオチドリンカーは、1回又は複数回組み込むことができるか、又は互いと組み合わせて、連結する2つのODNの3’末端の間の任意の望ましい距離を可能にすることができる。
オリゴヌクレオチドは、ダブラー又はトレブラー単位(Glen Research、Sterling、VA)、特に3’−3’結合を有する修飾されたオリゴデオキシリボヌクレオチド類似体を含有することができる。一実施形態では、ダブラー単位は、1,3−ビス−[5−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)ペンチルアミド]プロピル−2−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイトに基づくことができる。一実施形態では、トレブラー単位は、トリス−2,2,2−[3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピルオキシメチル]エチル−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホラミダイトの組込みに基づくことができる。複数のダブラー、トレブラー又は他のマルチプライアー単位による修飾されたオリゴリボヌクレオチド類似体の分枝は、本発明のさらなる実施形態であるデンドリマーをもたらす。分枝状の修飾されたオリゴリボヌクレオチド類似体は、特に、類似体の非分枝形と比較して異なる免疫効果を有するTLR3、TLR7、TLR8及びTLR9などの、免疫賦活性RNA及びDNAの組合せのための受容体の架橋をもたらすことができる。さらに、分枝状さもなければ多量体の類似体の合成は、分解に対してDNAを安定させることができ、弱いか又は部分的に有効なDNA配列が治療的に有益なレベルの免疫活性を発揮するのを可能にすることができる。修飾されたオリゴデオキシリボヌクレオチド類似体は、ペプチド修飾試薬又はオリゴヌクレオチド修飾試薬からもたらされるリンカー単位を含有することもできる(Glen Research)。さらに、修飾されたオリゴデオキシリボヌクレオチド類似体は、ペプチド(アミド)結合によってポリマーに接続される1つ又は複数の天然又は非天然のアミノ酸残基を含有することができる。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは1つ又は複数のポリエチレングリコール(PEG)鎖の連結で修飾することができる。ペグ化オリゴヌクレオチドは、腎クリアランスの低減によってin vivo循環時間を延長することができる。
3’−5’、5’−5’、3’−3’、2’−2’、2’−3’及び2’−5’ヌクレオチド間結合は、直接的であるか又は間接的であってもよい。この文脈における直接結合は、媒介リンカー部分のない、本明細書に開示されるリン酸又は修飾リン酸結合を指す。媒介リンカー部分は、本明細書に開示されるリン酸又は修飾リン酸結合と異なる有機部分であり、それは、例えば、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、dSpacer(すなわち、無塩基のデオキシヌクレオチド)、ダブラー単位又はトレブラー単位を含むことができる。結合は、C、H、N、O、S、B、P及びハロゲンで好ましくは構成され、3〜300個の原子を含有する。3つの原子の例は、例えば、1つのヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基を第2のオリゴヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基に接続する、アセタール結合(ODN1−3’−O−CH2−O−3’−ODN2)である。約300個の原子の例は、PEG−40(テトラコンタポリエチレングリコール)である。好ましい結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミダート、ボラノホスホネート、アミド、エーテル、チオエーテル、アセタール、チオアセタール、尿素、チオ尿素、スルホンアミド、シッフ塩基及びジスルフィド結合である。Solulink BioConjugation Systemを用いることも、可能である。
オリゴヌクレオチドが2つ以上の配列部分で構成される場合は、これらの部分は同一であっても異なってもよい。したがって、3’3’結合を有するオリゴヌクレオチドでは、配列は同一の5’−ODN1−3’3’−ODN1−5’又は異なる5’−ODN1−3’3’−ODN2−5’であってもよい。さらに、様々なオリゴヌクレオチド部分並びにそれらを接続するリンカーの化学修飾は、異なってもよい。短いオリゴヌクレオチドの取り込みは長いオリゴヌクレオチドのそれより効率的でないようなので、2つ以上の短い配列の連結は免疫刺激の改善をもたらす。短いオリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは2〜20ヌクレオチドであり、より好ましくは3〜16ヌクレオチドであるが、最も好ましくは5〜10ヌクレオチドである。2つ以上の連結されていない5’末端を有する連結されたオリゴヌクレオチドが好ましい。
オリゴヌクレオチド部分配列を、非ヌクレオチドリンカーによって連結することもできる。本明細書で用いるように、「非ヌクレオチドリンカー」は、ヌクレオチド又はそのポリマー(すなわち、ポリヌクレオチド)でない任意のリンカーエレメントを指し、そこで、ヌクレオチドは、プリン又はピリミジンの核酸塩基及び糖リン酸、特に無塩基のリンカー(dSpacers)、トリエチレングリコール単位又はヘキサエチレングリコール単位を含む。さらなる好ましいリンカーは、アルキルアミノリンカー、例えばC3、C6、C12アミノリンカー、さらにアルキルチオールリンカー、例えばC3又はC6チオールリンカーである。オリゴヌクレオチドは、芳香族残基に連結されてもよいが、これはアルキル又は置換されたアルキル基によってさらに置換されてもよい。
他の安定化オリゴヌクレオチドには、非イオン性DNA類似体、例えばアルキル−及びアリールホスフェート(荷電したホスホネート酸素がアルキル又はアリール基と置き換えられている)、ホスホジエステル、及び荷電酸素部分がアルキル化されているアルキルホスホトリエステルが含まれる。一方又は両方の末端にテトラエチレングリコール又はヘキサエチレングリコールなどのジオールを含有する核酸も、ヌクレアーゼ分解に実質的に抵抗性であることが示されている。
III.MYD88のL265P突然変異によって特徴付けられるB細胞リンパ腫
一態様では、本発明は、B細胞リンパ腫、好ましくはMYD88の突然変異によって特徴付けられる該疾患を有すると診断され、そのような治療を必要とする対象においてB細胞リンパ腫などのがんを治療するための方法及び組成物を提供する。
本明細書で用いるように、用語「対象」は動物を指す。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象は、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども指す。好ましい実施形態では、対象はヒトである。
ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫を含むが、それらに限定されない、いくつかのタイプのB細胞リンパ腫において、ある特定の遺伝的に規定されるB細胞リンパ腫は、MYD88の腫瘍形成突然変異を抱えるものである。
本明細書において、「アゴニスト」は、細胞の受容体に結合して応答を誘導する物質を意味する。アゴニストは、リガンドなどの天然に存在する物質の作用をしばしば模倣する。
本明細書において、「アンタゴニスト」は、アゴニストの効果を弱める物質を意味する。
本発明のオリゴヌクレオチドはCpG ODNによって刺激されるサイトカインを強く阻害し、本発明のオリゴヌクレオチドが、TLR9活性化に関係する疾患、例えばB細胞リンパ腫、特に、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫を含む、MYD88の腫瘍形成突然変異を抱えているある特定の遺伝的に規定されたB細胞リンパ腫の治療のための治療手段として用いることができることを示している。
TLRは、骨髄球分化一次応答遺伝子88(MYD88)の腫瘍形成突然変異を抱えているB細胞リンパ腫の発症と結びつけられている(Lim KH et al. 2013 AACR Abs.)。MYD88は、TLR及びインターロイキン1受容体(IL−1R)シグナル伝達におけるアダプター分子である。TLR又はIL−1R刺激の後、MYD88はホモダイマーとして活性化受容体複合体へ動員され、それはIL−1R関連キナーゼ(IRAK)4と複合体を形成してIRAK1を活性化する(Fitzgerald KA et al. Nature. 2001 413 78-83)。活性化IRAK1は、腫瘍壊死因子受容体関連因子6(TRAF6)と結合し、それによりTRAF6へのポリユビキチンの付加を触媒する。ユビキチンの付加はTAK/TAB複合体を活性化し、それはインターフェロン調節因子(IRF)を次にリン酸化し、核因子κB(NF−κB)の放出及び核への輸送をもたらす。核内でNF−κΒは炎症誘発性遺伝子の発現を誘導する。近年、MYD88での腫瘍形成突然変異が数種類のB細胞リンパ腫で特定された(Ngo V et al. Nature. 2011 115-119;Treon SP et al. NEJM. 2012 826-833;Poulain S et al. Blood. 2013 4504-4511)。MYD88での体細胞L265P突然変異の存在は、WM(91%)、ABC DLBCL(30%)及びMALTリンパ腫(9%)においてより高い頻度で観察されている。より低い頻度では、追加の突然変異もMYD88で観察され、ABC及び胚芽中心B細胞様(GCB)DLBCLサブタイプに存在した(Ngo V et al. Nature. 2011 470: 115-119)。
MYD88 L265Pを発現するABC DLBCL細胞の生存が、突然変異体によって維持されることが報告された(Yang G et al. 2013 Blood 1222-1232)。L265P突然変異体は、IRAK1及びIRAK4を含有するタンパク質複合体を自然発生的に組み立てることによってABC DLBCL細胞生存を促進し、IRAK4キナーゼ活性、IRAK1リン酸化、NF−κBシグナル伝達、STAT3のJAKキナーゼ活性化並びにIL−6、IL−10及びインターフェロンβの分泌をもたらした(Ngo V et al. Nature. 2011 470: 115-119)。これらの研究は、L265Pが機能増進ドライバー突然変異であること、並びに異常なMYD88シグナル伝達経路がWM及びABC DLBCLの発病に不可欠であることを実証する。
MYD88 L265P突然変異は、ABC DLBCL細胞の生存を有利にすることにTLR7及びTLR9を関与させることが示された(Ngo V et al. Nature. 2011 470: 115-119)。MyD88 L265P腫瘍性タンパク質はTLR7及びTLR9に恒常的に結合し、それによってこれらの受容体から出るシグナルを増幅する。TLR7又はTLR9のノックダウンは、ABC DLBCL細胞系でNF−κB活性を強力に抑制し、アポトーシスを促進した。UNC93B1、PRAT4A又はCD14を含む、TLR7及びTLR9輸送及びシグナル伝達に必須の公知のタンパク質の消失は、ABC DLBCL細胞系譜にとって致死的であった。カテプシン阻害剤zFA−fmk又はヒドロキシクロロキンを用いたリソソームコンパートメントでのTLR7及びTLR9機能の薬理学的阻害は、MyD88シグナル伝達を減らし、ABC DLBCL細胞系譜の生存を低減した(Lin KH et al. Cancer Research 2013 Vol.73(8) Abstract 2332)。リガンド結合に欠陥のあるTLR7又はTLR9突然変異体は、ABC DLBCL細胞系譜での内因性TLR7又はTLR9発現のノックダウンの後、ABC DLBCL細胞系譜の生存を促進することができなかった(Poulain S et al Blood 2013 4504-4511)。
阻害性ODNによるTLR7及びTLR9の阻害は、MYD88 L265P突然変異を抱える腫瘍細胞で細胞死の率を増加させ、サイトカイン産生及びシグナル伝達経路の主要構成成分を阻害した(Liang XQ et al. Blood 2010 5041-5052;Zhang YS et al. Inter Immunophamarcology. 2012 446-453)。MYD88 L265Pを発現するWM細胞系では、MYD88/IRAKシグナル伝達の阻害は、NF−κBシグナル伝達及び腫瘍細胞生存を弱める。対応して、WM細胞生存は、MYD88 L265Pの過剰発現によって増強される(Treon SP et al. NEJM. 2012 826-833;Ansell SM et al. Blood. 2012 2699;Poulain S et al. Blood. 2013 4504-11)。
一部の実施形態では、B細胞リンパ腫は、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫からなる群から選択される。
一部の実施形態では、MYD88の突然変異は、L265P、M232T、S243N又はT294Pを含む。
特定のTLRの阻害は、ある特定の遺伝的に規定されたB細胞リンパ腫の治療への有益なアプローチであることが実証された(Lim KH et al. 2013 AACR Abs.)。これらの研究では、MYD88、TLR及びインターロイキン1受容体(IL−1R)シグナル伝達を媒介するアダプタタンパク質で、特定の体細胞L265P突然変異が特定された。この突然変異は、腫瘍細胞に生存を有利にすることにTLR7及びTLR9を関与させることが示されたが、TLR7及びTLR9の阻害は、この突然変異を抱える腫瘍細胞で細胞死の率の上昇につながった。MYD88でのL265P突然変異の存在が観察され、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)の91%、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプの30%、及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫の9%でより高い頻度であった。より低い頻度では、追加の突然変異もMYD88で観察され、ABC及び胚芽中心B細胞様(GCB)DLBCLサブタイプに存在した。
本発明のオリゴヌクレオチドは、サイトカイン産生及びシグナル伝達経路の鍵構成成分を強く阻害し、MYD88のL265P突然変異を有するヒトリンパ腫細胞系の細胞死の率を上昇させる。本発明のオリゴヌクレオチドは、MYD88に腫瘍形成突然変異を抱えるある特定の遺伝的に規定されたB細胞リンパ腫の治療のための治療手段として用いることができる。それらには、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫が含まれるが、それらに限定されない。
本発明は、当技術分野で公知の及び/又は本明細書で提供される方法を用いてMYD88突然変異を有するがん患者をスクリーニングし、そのような患者を本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドで治療するための方法及び組成物を提供する。
MYD88遺伝子は、ゲノムDNAレベル、mRNAレベル又はタンパク質レベルで検出することができる。検査を必要とする対象からの生体試料は、当技術分野で公知の方法を用いて得られる。生体試料は任意選択で処理してタンパク質、RNA及び/又はDNAを得、それは次にMYD88突然変異を検出するアッセイで用いられる。
A.生体試料
本明細書において、「生体試料」は、MYD88突然変異ポリヌクレオチド又はポリペプチド又はその断片を含有することが疑われる任意の生体試料を意味し、細胞、細胞から単離された染色体(例えば、細胞分裂中期染色体の拡散)、ゲノムDNA(溶液状態であるか又は例えばサザン分析のための固相支持体に結合している)、RNA(溶液状態であるか又は例えばノーザン分析のための固相支持体に結合している)、cDNA(溶液状態であるか又は固体支持体に結合している)、細胞からの抽出物、血液、尿、髄又は組織などを含むことができる。
本発明の方法の実施で有用な生体試料は、MYD88の突然変異によって特徴付けられるがんが存在するか又は発達中の任意の哺乳動物から得ることができる。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。ヒト候補は、本明細書で提供されるものなどのオリゴヌクレオチドで現在治療されているか、又は治療が検討されている患者であってもよい。別の実施形態では、哺乳動物はウマ又はウシなどの大きな動物であり、他の実施形態では、哺乳動物はイヌ又はネコなどの小動物であり、その全ては肺癌腫を含むがんを起こすことが公知である。
哺乳動物のがんからの細胞(又は細胞抽出物)を含む任意の生体試料は、本発明の方法での使用に適する。腫瘍マーカー、サイトケラチンタンパク質マーカー又は記載される負の選択の他の方法を用いて、血清から循環腫瘍細胞を得ることもできる(Ma et al., Anticancer Res. 23(1 A): 49-62 (2003)を参照する)。白血病患者のためには、血清及び骨髄試料が特に好ましいものであり得る。肉腫及び癌腫などの固形腫瘍を含むがんについては、生体試料は、標準の臨床技術により得ることができる腫瘍生検から得られる細胞を含むことができる。
循環腫瘍細胞(「CTC」)は、例えば、商標Vita−Assays(商標)、Vita−Cap(商標)及びCellSearch(登録商標)(Vitatex、LLC(Johnson and Johnson社)から市販されている)の下で販売されているキット及び試薬を用いて精製することができる。CTCを単離する他の方法が記載されている(例えば、PCT公開番号WO/2002/020825、Cristofanilli et al., New Engl. J. of Med. 351 (8):781 -791 (2004)及びAdams et al., J. Amer. Chem. Soc. 130(27): 8633-8641 (July 2008)を参照する)。特定の実施形態では、循環腫瘍細胞(「CTC」)を単離して、肺を起源としていると特定することができる。
B.MYD88突然変異ポリペプチドの検出
一部の実施形態では、MYD88突然変異(例えば、MYD88 L265P)は、免疫学的測定法によって検出される。MYD88 L265Pタンパク質に特異的な抗体(モノクローナル又はポリクローナル)を産生するために、MYD88 L265Pタンパク質又はペプチドが産生される。そのような抗体は、MYD88 L265Pの存在を検出するアッセイで次に用いられる。
MYD88 L265Pは、Rspo融合特異的試薬を用いて一般に検出される。本明細書において、「MYD88 L265P特異的試薬」は、生体試料中の発現されたMYD88 L265Pポリペプチドに特異的に結合すること、検出すること及び/又はその存在/レベルを数量化することが可能である、生物学的又は化学的な任意の試薬を意味する。この用語には、以下に議論される好ましい抗体及び試薬が含まれるが、それらに限定されず、同等の試薬は本発明の範囲内にある。
本発明の方法の実施で使用するのに適する試薬には、MYD88 L265Pポリペプチド特異的抗体が含まれる。本発明のMYD88 L265P特異的抗体は、本発明のMYD88 L265Pポリペプチド(例えば、本明細書で提供されるMYD88 L265P配列に対応するペプチド)に特異的に結合するが、野生型MYD88に実質的に結合しない、単離された抗体(単数又は複数)である。
ヒトMYD88 L265P特異的抗体は、他の哺乳動物の種、例えばマウス又はウサギの高度に相同的で同等のエピトープペプチド配列に結合することもでき、逆もまた同じである。本発明の方法の実施で有益な抗体には、(a)モノクローナル抗体、(b)標的ポリペプチドに特異的に結合する精製されたポリクローナル抗体、(c)他のヒト以外の種(例えば、マウス、ラット)の同等の高度に相同的なエピトープ又はリン酸化部位に結合する上の(a)〜(b)に記載される抗体、及び(d)本明細書に開示される例示的な抗体が結合する抗原(又は、より好ましくはエピトープ)に結合する上の(a)〜(c)の断片が含まれる。
本明細書において、「抗体(単数又は複数)」は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEを含む全てのタイプの免疫グロブリンを意味する。抗体はモノクローナルであっても又はポリクローナルであってもよく、(例えば)マウス、ラット、ウサギ、ウマ又はヒトを含む任意の種を起源としてもよく、又はキメラ抗体であってもよい。例えば、M. Walker et al., Molec. Immunol. 26: 403-1 1 (1989);Morrision et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. 81 : 6851 (1984);Neuberger et al., Nature 312: 604 (1984)を参照する。抗体は、米国特許第4,474,893号(Reading)又は米国特許第4,816,567号(Cabillyら)に開示される方法に従って産生される組換えモノクローナル抗体であってもよい。抗体は、米国特許第4,676,980号(Segelら)に開示される方法に従って作製される、化学的に構築された特異抗体であってもよい。
本発明は、抗体の使用に限定されることなく、同等の分子、例えば、融合タンパク質又はトランケーションされたタンパク質に特異的な方法で、本発明の方法で有益なMYD88 L265P特異的抗体が結合する本質的に同じエピトープに結合する、タンパク質結合ドメイン又は核酸アプタマーを含む。例えば、Neuberger et al., Nature 312: 604 (1984)を参照する。そのような同等の非抗体試薬は、下でさらに記載される本発明の方法で好適に採用することができる。
本発明の方法の実施で有益なポリクローナル抗体は、公知の手順に従って、所望の融合タンパク質特異的エピトープ(例えば本明細書に記載されるRspo融合タンパク質の融合接合部)を包含する抗原で適する動物(例えば、ウサギ、ヤギなど)を免疫化し、動物から免疫血清を収集し、免疫血清からポリクローナル抗体を分離し、所望の特異性を有するポリクローナル抗体を精製することによって、標準の技術によって製造することができる。抗原は、周知の技術によって選択され、構築された、所望のエピトープ配列を含む合成ペプチド抗原であってもよい。例えば、ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL, Chapter 5, p. 75-76, Harlow & Lane Eds., Cold Spring Harbor Laboratory (1988);Czernik, Methods In Enzymology, 201 : 264-283 (1991);Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85: 21 -49 (1962)を参照する。本明細書に記載される通りに産生されるポリクローナル抗体は、下でさらに記載されるようにスクリーニングし、単離することができる。
モノクローナル抗体を本発明の方法で有益に採用することもでき、Kohler and Milstein. Nature 265 : 495-97 (1975);Kohler and Milstein, Eur. J. Immunol. 6: 511 (1976)の周知の技術によるハイブリドーマ細胞系で製造することもできるが、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, Ausubel et al. Eds. (1989)も参照されたい。したがって、このように製造されるモノクローナル抗体は、高度に特異的であり、本発明により提供されるアッセイ方法の選択性及び特異性を向上させる。例えば、適当な抗原(例えば、Rspo−PTPRK又はRspo−EIF3E融合ポリペプチドの融合接合部を含む合成ペプチド)を含有する溶液をマウスに注射し、十分な時間の後(従来の技術に沿って)、マウスを屠殺して脾細胞を得ることができる。脾細胞は、一般的にポリエチレングリコールの存在下で骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマ細胞を生成することによって、次に不死化される。例えば、ウサギ融合ハイブリドーマは、1997年10月7日に公布された、K.Knightの米国特許第5,675,063号に記載されている通りに製造することができる。ハイブリドーマ細胞は、適する選択培地、例えばヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)で次に増殖させ、下記のように、所望の特異性を有するモノクローナル抗体について上清をスクリーニングする。分泌された抗体は、沈殿、イオン交換又は親和性クロマトグラフィーなどの従来の方法によって組織培養上清から回収することができる。
当業者に公知である組換え技術によって、モノクローナルFab断片を大腸菌(Escherichia coli)で製造することもできる。例えば、W. Huse, Science 246: 1275-81 (1989);Mullinax et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. 87: 8095 (1990)を参照する。特定用途のために1つのアイソタイプのモノクローナル抗体が好まれる場合は、初期融合から選択することによって特定のアイソタイプを直接的に調製することができるか、又はクラススイッチ変異体を単離するために同胞選抜(sib selection)技術を用いて、異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親ハイブリドーマから二次的に調製することができる(Steplewski, et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci., 82: 8653 (1985); Spira et al., J. Immunol. Methods, 74: 307 (1984))。モノクローナル抗体の抗原結合部位はPCRによってクローニングすることができ、単鎖抗体は大腸菌(E. coli)でファージディスプレイ組換え抗体又は可溶性抗体として製造することができる(例えば、ANTIBODY ENGINEERING PROTOCOLS, 1995, Humana Press, Sudhir Paul editor.を参照する)。
さらになお、Geysen(1990)の米国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位)に相補的であるエピトープの立体的同等物(すなわち、「ミモトープ」)である単量体(アミノ酸又は他の化合物)の配列を検出又は判定する一般方法を記載する。より一般的には、この方法は、目的の特定の受容体のリガンド結合部位に相補的であるリガンドの立体的同等物である単量体の配列を検出又は判定することを含む。同様に、Houghtenら(1996)の米国特許第5,480,971号は、線状C〜C−アルキル過アルキル化オリゴペプチド並びにそのようなペプチドのセット及びライブラリー、並びに目的のアクセプター分子に優先的に結合する過アルキル化オリゴペプチドの配列を判定するためにそのようなオリゴペプチドのセット及びライブラリーを用いるための方法を開示する。したがって、本発明のエピトープを含むペプチドの非ペプチド類似体も、これらの方法によって通常通りに作製することができる。
ポリクローナルであろうとモノクローナルであろうと、本発明の方法で有益な抗体は、標準の技術によってエピトープ及び融合タンパク質の特異性についてスクリーニングすることができる。例えば、Czernik et al., Methods in Enzymology, 201 : 264-283 (1991)を参照する。例えば、希望する抗原、及び希望するなら、例えば本発明のMYD88 L265Pポリペプチドだけとの反応性をもち、そして野生型Rspo又は野生型MYD88とは反応しないという特異性を確保するために、ELISAによって抗体をペプチドライブラリーに対してスクリーニングすることができる。希望する標的だけとの反応性を確認するため、及び野生型MYD88への評価可能な結合がないことを確実にするために、標的タンパク質を含有する細胞調製物に対して抗体をウエスタンブロットによって試験することもできる。融合タンパク質特異的抗体の製造、スクリーニング及び使用は、当業者に公知であり、記載されている。例えば、2005年9月29日のWetzelらの米国特許出願公開第20050214301号を参照する(ここまで)。
本発明の方法で有益なMYD88 L265P特異的抗体は、他の融合タンパク質の類似の融合エピトープと、又は野生型MYD88のエピトープと多少の限定的交差反応性を示すことができる。ほとんどの抗体がある程度の交差反応性を示し、抗ペプチド抗体は免疫化ペプチドと高い相同性又は同一性を有するエピトープとしばしば交差反応するので、これは予想外でない。例えば、上記、Czernikを参照する。他の融合タンパク質との交差反応性は、既知の分子量のマーカーと一緒にウエスタンブロットによって容易に特徴付けられる。抗体が結合するMYD88 L265Pポリペプチド配列に高度に相同的又は同一である部位を特定するために、交差反応タンパク質のアミノ酸配列を検査することができる。望ましくない交差反応性は、ペプチドカラムでの抗体精製を用いる負の選択によって除去することができる(例えば野生型MYD88に結合する抗体を除く)。
本明細書に開示される方法の実施で有益である本発明のMYD88 L265P特異的抗体は、理想的にはヒト融合ポリペプチドに特異的であるが、ヒトの種自体に結合することだけに限定されない。本発明は、他の哺乳動物の種(例えばマウス、ラット、サル)の保存された高度に相同的であるか又は同一のエピトープにも結合する抗体の製造及び使用を含む。他の種の高度に相同的であるか又は同一の配列は、ヒトMYD88 L265Pとの標準の配列比較によって、例えばBLASTを用いて、容易に特定することができる。
本発明の方法で採用される抗体は、特定のアッセイフォーマット、例えばフローサイトメトリー(FC)、免疫組織化学(IHC)及び/又は免疫細胞化学(ICC)での使用によってさらに特性を明らかにすることができ、それについて検証することができる。他のシグナル伝達(リン酸化−AKT、リン酸化−Erk1/2)及び/又は細胞マーカー(サイトケラチン)抗体と一緒に多重パラメータ分析で用いるために、抗体は、蛍光色素(例えばAlexa488、PE)に又は量子ドットなどの標識に有利にコンジュゲートすることもできる。
C.MYD88 L265Pポリヌクレオチドの検出
本発明により提供されるMYD88 L265P特異的試薬は、MYD88 L265Pポリヌクレオチドの検出のために適する核酸プローブ及びプライマーも含む。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅などのアッセイでのそのようなプローブの具体的な使用が、本明細書に記載される。
一部の実施形態では、MYD88 L265Pは、通常のPCR、リアルタイムPCR(Q−PCR)又はデジタルPCR(ドロップレットデジタルPCRを含む)などのPCRによって検出される。融合遺伝子を増幅するために、プライマーの対が用いられる。プライマーは、増幅される融合遺伝子配列に基づいて設計される。好ましくは、1つのプライマーはRspo遺伝子の第1の配列とハイブリダイズし、第2のプライマーは融合パートナー遺伝子の第2の配列とハイブリダイズする。PCRは、当技術分野で公知のように最適化することができる条件の下で、cDNA(生体試料を用いてRNAから調製される)又はゲノムDNAのいずれかで実施することができる。
本発明のMYD88 L265Pポリヌクレオチドを検出する方法(例えば、PCR)の全ては、MYD88 L265Pポリヌクレオチド又はMYD88 L265Pポリペプチドを検出する他の方法と組み合わせることができることを理解するべきである。例えば、MYD88 L265Pポリヌクレオチドが生体試料中でMYD88 L265Pポリペプチドとして実際に発現されるならば、生体試料の遺伝物質中の(例えば、循環腫瘍細胞中の)MYD88 L265Pポリヌクレオチドの検出は、判定する試料のタンパク質のウエスタンブロット分析又は免疫組織化学(IHC)分析で追跡することができる。そのようなウエスタンブロット又はIHC分析は、検出されるMYD88 L265Pポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いて実施されることができる。
一部の実施形態では、がん検体からMYD88 L265Pを検出するためにカスタム仕様の融合遺伝子マイクロアレイが用いられるマイクロアレイを用いるハイブリダイゼーションによって、MYD88 L265P遺伝子が検出される。オリゴは、個々の融合パートナーのエクソンレベルの測定と合わせたキメラ転写産物接合部の測定を可能にするように設計される。Skotheim, RI; Thomassen, GO; Eken, M; Lind, GE; Micci, F; Ribeiro, FR; Cerveira, N; Teixeira, MR et al. A universal assay for detection of oncogenic fusion transcripts by oligo microarray analysis. Molecular Cancer 8: 5(2009)を参照する。
一部の実施形態では、MYD88 L265P突然変異は、分岐DNAアッセイを用いるハイブリダイゼーションによって検出される。これらの実施形態では、がん検体からの溶解溶液中のRspo融合転写産物を検出するために、カスタム仕様のハイブリダイゼーション及びシグナル増幅アッセイ、例えば分岐DNAアッセイ(QuantiGene(登録商標))が用いられる。捕捉用増感化検索子及び標識用増感化検索子の配列は、MYD88 L265P遺伝子のエクソン配列に由来する。
一部の実施形態では、MYD88 L265P突然変異は、サンガーシークエンス法又は次世代シークエンス法などの配列決定方法によって検出される。
配列決定プライマーを伸長させることによる又は伸張生成物を伸長させることによる配列決定は、様々な方法を用いて実行することができる。例えば、配列決定は、標識された可逆的ターミネーターで、又は標識オリゴヌクレオチドによるライゲーションによって実行することができる。シークエンス方法は、任意の市販されている方法、例えばIllumina,Inc.(San Diego、CA)及びLife Technologies(Ion Torrent)などの会社から市販されている、可逆的ターミネーターに基づく配列決定方法を用いて実施することができる。
一部の実施形態では、クローン単一分子アレイ(Clonal Single Molecule Array)(Solexa,Inc/Illumina,Inc.)又は可逆的ターミネーター化学を利用する合成による配列決定(SBS)を用いて、ハイスループット配列決定が実施される。これらの技術は、例えば、米国特許第6,969,488号;第6,897,023号;第6,833,246号;第6,787,308号;及び米国特許出願公開第20040106130号;第20030064398号;第20030022207号;及びConstans, A., The Scientist 2003, 17(13):36に一部記載されている。
IV.医薬製剤及び投与
本発明は、本発明の化合物又は薬学的に許容されるその塩、及び1つ又は複数の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物又は医薬製剤にさらに関する。
本明細書において、「医薬組成物」は、薬学的に許容される担体の有り無しで、本発明のオリゴヌクレオチドの治療有効量を含む組成物を意味する。医薬組成物は、1つ又は複数の本発明のオリゴヌクレオチドを含むことができる。組成物には、水性又は食塩水溶液、粒子、エアロゾル、ペレット、顆粒、散剤、錠剤、コーティング錠、(マイクロ)カプセル剤、坐薬、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、クリーム、滴剤及び様々な薬物送達系での使用に適する他の医薬組成物が含まれるが、それらに限定されない。組成物は、非経口的、経口的、直腸、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏、ゲル剤、滴剤又は経皮パッチの剤形で)、口内に、又は経口若しくは経鼻噴霧剤として投与することができる。全ての場合に、組成物は、製造及び保存の条件下で無菌及び安定でなければならず、微生物汚染に対して保存しなければならない。非経口注射のための本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される無菌の水性又は非水性の溶液、分散液、懸濁液又は乳剤、並びに使用直前の無菌の注射可能な溶液又は分散液への再構成のための無菌粉末を含む。本発明のオリゴヌクレオチドは、水性担体、例えば約3.0〜約8.0のpH、好ましくは約3.5〜約7.4、3.5〜の6.0又は3.5〜約5.0のpHの等張性緩衝溶液に懸濁することができる。緩衝溶液には、クエン酸ナトリウム−クエン酸及びリン酸ナトリウム−リン酸、及び酢酸ナトリウム−酢酸緩衝液が含まれる。経口投与のためには、散剤、錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液などを形成するために、組成物は食用に適する担体で製剤化される。固体組成物のためには、従来の無毒固体担体には、医薬用グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン又はステアリン酸マグネシウムを含めることができる。口内投与のために、組成物は従来通りの錠剤又はトローチ剤である。吸入のために、組成物は、加圧したパック若しくはネブライザーからのエアロゾル噴霧又は乾燥粉末であり、当業者が選択することができる。一部の場合には、本発明のオリゴヌクレオチドの効果を延長するために、本発明のオリゴヌクレオチドは、持続放出系によっても好適に投与される。本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの放出を遅くするために、水溶性が劣る結晶性又は非晶質の材料の液体懸濁液で用いることができる。或いは、疎水性の材料(許容されるオイルビヒクルなど)にオリゴヌクレオチドを溶解又は懸濁することによって、オリゴヌクレオチドの非経口投与剤形の遅延放出が達成される。リポソーム又はマイクロエマルジョン又は他の生分解性半透過性ポリマーマトリックス、例えばポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルソエステル)及びポリ(無水物)にオリゴヌクレオチドを取り込むことによって、注射可能なデポー剤形は作製される。
付加塩又はその水和物などの薬学的に許容される担体を含む、本明細書に記載される化合物は、多様な経路又は投与様式を用いて患者に送達することができる。
本明細書で用いるように、用語「薬学的に許容される担体/賦形剤」には、全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、薬物、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、香料、色素、そのような材料及びそれらの組合せが含まれ、そのことは当業者に公知であろう(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329を参照する)。いずれかの従来の担体が有効成分と相容れない場合以外は、治療又は医薬組成物でのその使用が企図される。
本明細書で用いるように、用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的に又はその他の点で有害でない塩を指す。多くの場合に、本発明の化合物は、アミノ及び/又はカルボキシル基又はそれに類似の基(例えば、フェノール又はヒドロキシアミド酸)の存在によって、酸及び/又は塩基性の塩を形成することが可能である。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸で形成することができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。塩を誘導することができる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機及び有機の塩基で形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが含まれ;アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩が特に好ましい。塩を誘導することができる有機塩基には、例えば、一級、二級及び三級アミン、天然に存在する置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂及び類似のもの、特に例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン及びエタノールアミンが含まれる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、親化合物、塩基性又は酸性の部分から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形を適当な塩基(例えば、Na、Ca、Mg又はKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)の化学量と反応させることによって、又はこれらの化合物の遊離塩基形を適当な酸の化学量と反応させることによって調製することができる。そのような反応は、水又は有機溶媒で、又は2つの混合液で一般的に実行される。一般に、実行可能な場合、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。追加の適する塩のリストは、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)に見出すことができ、それは参照により本明細書に組み込まれている。
臨床使用のために、本発明のオリゴヌクレオチドは、所望の治療結果を達成するのに有効な任意の適する投与経路を通して、単独で投与することができるか、又は医薬組成物に製剤化されてもよい。本発明のオリゴヌクレオチドを投与する「経路」とは、腸内、非経口及び局所の投与又は吸入を意味するものとする。本発明のオリゴヌクレオチドの腸内投与経路には、経口、胃、腸管及び直腸が含まれる。非経口経路には、静脈内、腹腔内、筋肉内、クモ膜下、皮下、局所の注射、膣、局所、経鼻、粘膜及び肺投与が含まれる。本発明のオリゴヌクレオチドの局所投与経路は、表皮、口腔への外部的な、並びに耳、目及び鼻の中へのオリゴヌクレオチドの適用を表す。
本明細書で用いるように、用語「投与する」又は「投与」は、その意図された作用部位に化合物を直接的及び間接的に送達するための全ての手段を包含するものとする。
本明細書に記載される化合物又は薬学的に許容されるその塩及び/若しくは水和物は、単独で、他の本発明の化合物と組み合わせて、及び/又は他の治療剤と組み合わせたカクテルで投与することができる。当然ながら、本発明の化合物と同時投与することができる治療剤の選択は、治療される状態に一部依存する。
例えば、自己インデューサーに依存して微生物によって引き起こされた疾患状態を患っている患者に投与されるとき、本発明の化合物は、疼痛、感染並びにその疾患に一般的に伴う他の症状及び副作用を治療するために用いられる薬剤を含有するカクテルで投与することができる。そのような薬剤には、例えば、鎮痛剤、抗生物質などが含まれる。
がん治療を受けている患者に投与されるとき、化合物は、抗がん剤及び/又は補助強化剤を含有するカクテルで投与することができる。化合物は、制吐剤、放射線保護剤などの、放射線療法の副作用を治療する薬剤を含有するカクテルで投与することもできる。
本発明の化合物と同時投与することができる補助強化剤には、例えば、三環系抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン及びマプロチリン);非三環系の抗うつ薬(例えば、セルトラリン、トラゾドン及びシタロプラム);Ca+2アンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン及びカロベリン);アンホテリシン;トリパラノール類似体(例えば、タモキシフェン);抗不整脈薬(例えば、キニジン);降圧剤(例えば、レセルピン);チオール減耗剤(例えば、ブチオニン及びスルホキシイミン);及びロイコボリンカルシウムが含まれる。
本発明の活性化合物(単数又は複数)は、それ自体で、又は活性化合物(単数又は複数)が1つ又は複数の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合されている医薬組成物の形で投与される。本発明に従って用いるための医薬組成物は、医薬として用いることができる調製物への活性化合物の処理を促進する、賦形剤及び補助剤を含む1つ又は複数の生理的に許容される担体を用いる従来の方法で一般的に製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
経粘膜投与用には、透過すべき障壁に適した浸透剤が製剤で用いられる。そのような浸透剤は、当技術分野で公知である。
経口投与のためには、活性化合物(単数又は複数)を当技術分野で周知である薬学的に許容される担体と合わせることによって、化合物を容易に製剤化することができる。そのような担体は、治療患者による経口摂取のために、本発明の化合物を錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤及び懸濁剤として製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬調製物は、固体賦形剤を用いて得ることができ、生じる混合物を任意選択で磨砕し、所望により、適する補助剤を加えた後に顆粒剤の混合物を加工して、錠剤又は糖衣剤コアを得てもよい。適する賦形剤は、特にフィラー、例えばラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、メイズデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)である。所望により、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸若しくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを加えてもよい。
糖衣剤コアは、適するコーティングが提供される。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び適する有機溶媒又は溶媒混合物を任意選択で含有することができる、濃縮糖溶液を用いてもよい。識別のために、又は活性化合物用量の異なる組合せを特徴付けるために、錠剤又は糖衣剤コーティングに色素又は顔料を加えてもよい。
経口的に用いることができる医薬調製物には、ゼラチン製の押込嵌めカプセル、並びにゼラチン及び可塑剤、例えばグリセロール又はソルビトールで作られた密封ソフトカプセルが含まれる。押込嵌めカプセルは、ラクトースなどのフィラー、デンプンなどの結合剤及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、及び任意選択で安定剤と混合されている有効成分を含有することができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、適する液体、例えば脂肪油、流動パラフィン又は液体ポリエチレングリコールに溶解又は懸濁することができる。さらに、安定剤を加えてもよい。経口投与のための全ての製剤は、そのような投与のために適する投薬量であるべきである。
口内投与のために、組成物は、従来の方法で製剤化される錠剤又はトローチの形をとることができる。
吸入による投与のために、本発明による使用のための化合物は、適する噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適する気体を用いて、加圧パック又はネブライザーからのエアゾール噴霧提供の形で都合よく送達される。加圧式エアゾールの場合、用量単位は、計量した量を送達するためのバルブを備えることによって決めることができる。化合物とラクトース又はデンプンなどの適する粉末基剤との粉末混合物を含有する、吸入器又は吹入器で用いるための例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジを製剤化することができる。
化合物は、注射、例えばボーラス注射又は連続注入による非経口投与のために製剤化してもよい。注射は、本発明の組成物のための好ましい投与方法である。注射用製剤は、保存料を加えた単位剤形で、例えばアンプル又は多回投与容器で提供してもよい。組成物は油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳剤などの形をとることができ、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸若しくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの製剤用薬剤を含有することができる。
非経口投与のための医薬製剤には、水溶性の形の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、適当な油性注射懸濁液として、活性化合物の懸濁液を調製することができる。適する親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランなどの物質を含有することができる。任意選択で、懸濁液は、高度濃縮溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解性を増加させる、適する安定剤又は薬剤を含有することもできる。注射のために、本発明の薬剤は、水溶液、好ましくはハンクス液、リンガー液又は生理食塩水緩衝液などの生理的に適合する緩衝液で製剤化することができる。
或いは、有効成分は、使用時に適するビヒクル、例えば無菌の発熱物質フリーの水による構成のために、粉末の形であってもよい。
化合物は、例えばカカオ脂又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含有する、坐薬又は停留浣腸などの直腸組成物に製剤化することもできる。
前述の製剤に加えて、化合物は、デポー調製物として製剤化することもできる。そのような長時間作用性製剤は、移植又は経皮送達(例えば、皮下又は筋肉内)、筋肉内注射又は経皮パッチによって投与することができる。したがって、例えば、化合物は、適するポリマー若しくは疎水性の材料で(例えば、許容される油の中のエマルジョンとして)又はイオン交換樹脂で、又はやや溶けにくい誘導体として、例えばやや溶けにくい塩として製剤化することができる。
医薬組成物は、適する固体又はゲル相の担体又は賦形剤を含むこともできる。そのような担体又は賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン及びポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
好ましい医薬組成物は、静脈内注射などの注射のために製剤化される組成物であり、100重量%の全医薬組成物に基づき約0.01〜約100重量%の本発明の化合物を含む。薬物−リガンドコンジュゲートは、特定のがんを標的にするように抗体が選択される、抗体−細胞毒素コンジュゲートであってもよい。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、追加の治療剤をさらに含む。
一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗がん剤である。
一部の実施形態では、追加の抗がん剤は、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼI及びIIの阻害剤、アルキル化剤、微小管阻害剤、抗アンドロゲン剤、GNRhモジュレーター又はそれらの混合物から選択される。
一部の実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤である。
本明細書において、「化学療法剤」は、がんの治療で有益な化合物を意味する。例には、ゲムシタビン、イリノテカン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、TAXOL、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン及びカルボプラチンが含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、第2の化学療法剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エクセメスタン、レトロゾール、イマタニブ、パクリタキセル、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、ゲムシタビン、シタラビン、5−フルオロウラシル、メトトレキセート、ドセタキセル、ゴセレリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、ゲムシタビン、エポチロン、ビノレルビン、カンプトセシン、ダウノルビシン、アクチノマイシンD、ミトキサントロン、アクリジン、ドキソルビシン、エピルビシン又はイダルビシンからなる群から選択される。
キット
別の態様では、本発明は、本発明の化合物及び組成物の1つ又は複数及び化合物又は組成物の使用説明書を含むキットを提供する。例示的な実施形態では、本発明は、本発明のリンカーアームを別の分子にコンジュゲートするためのキットを提供する。キットは、リンカー及びリンカーを特定の官能基に付けるための説明書を含む。キットは、細胞毒性薬、ターゲティング剤、検出可能な標識、医薬用の塩又は緩衝液の1つ又は複数を含むこともできる。キットは、容器及び任意選択で1つ又は複数のバイアル、試験管、フラスコ、ボトル又はシリンジを含むこともできる。キットのための他のフォーマットは、当業者に明らかであり、本発明の範囲内にある。
医療での使用
したがって、別の態様では、本発明は、腫瘍細胞に本発明の化合物を投与することを含む、MYD88 L265P陽性の腫瘍/がん細胞の増殖を阻害する方法を提供する。一部の実施形態では、腫瘍は転移又は非転移であってもよい。
本明細書において、「がん」又は「腫瘍」は、無秩序な細胞増殖によって特徴付けられるヒトの病態を意味する。例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫及び白血病が含まれるが、それらに限定されない。がんのより特定された例には、肺(小細胞及び非小細胞)、乳房、前立腺、カルチノイド、膀胱、胃、膵臓、肝臓(肝細胞)、肝芽細胞腫、結腸直腸、頭頸部扁平上皮癌、食道、卵巣、頸部、子宮内膜、中皮腫、黒色腫、肉腫、骨肉腫、脂肪肉腫、甲状腺、デスモイド、急性骨髄性白血病(AML)及び慢性骨髄性白血病(CML)が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書において、「抑制する」又は「治療する」又は「処置」は、目的が標的の病的障害又は状態を低減又は予防することである、低減、治療的処置及び予防的又は防止的処置を意味する。一つの例では、本発明の化合物の投与の後、がん患者は腫瘍サイズの低減を経験することができる。「処置」又は「治療する」は、(1)疾患の病状若しくは症状を経験若しくは提示している対象において疾患を抑制すること、(2)疾患の病状若しくは症状を経験若しくは提示している対象において疾患を改善すること、及び/又は(3)疾患の病状若しくは症状を経験若しくは提示している対象若しくは患者で疾患の任意の測定可能な減少に影響を及ぼすこと、を含む。本発明の化合物ががん細胞の増殖を阻止すること及び/又は死滅させることができる限り、それは細胞増殖抑制性及び/又は細胞傷害性であってもよい。
本明細書において、「治療有効量」は、対象又は哺乳動物で障害を「治療する」のに有効である、本明細書で提供される化合物の量を意味する。がんの場合、薬物の治療有効量は、がん細胞の数を低減すること、腫瘍サイズを低減すること、末梢器官へのがん細胞浸潤を抑制すること、腫瘍転移を抑制すること、腫瘍増殖をある程度抑制すること及び/又はがんに伴う症状の1つ又は複数を多少軽減することができる。
別の態様では、本発明は、対象においてMYD88 L265P陽性の腫瘍/がんを治療する方法であって、対象に本発明の化合物の治療有効量を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、腫瘍又はがんは任意のステージ、例えば初期又は進行期、例えばステージI、II、III、IV又はVの腫瘍又はがんであってもよい。一部の実施形態では、腫瘍又はがんは、転移性であるか又は非転移性であってもよい。転移との関連で、本発明の方法は、他の部位への原発性の腫瘍若しくはがんの転移、又は原発性の腫瘍若しくはがんの療法から遠位にある他の部位における転移性腫瘍若しくはがんの形成若しくは定着を低減若しくは抑制することができる。したがって、本発明の方法は、とりわけ、1)転移を潜在的に又は実際に起こす腫瘍又はがん細胞(例えば、播種性腫瘍細胞、DTC)の成長、増殖、移動性又は侵襲性を低減又は抑制すること;2)原発性の腫瘍又はがんと異なる1つ又は複数の他の部位、位置又は領域への原発性の腫瘍又はがんからの転移の形成又は定着を低減又は抑制すること;3)原発性の腫瘍又はがんと異なる1つ又は複数の他の部位、位置又は領域において、転移が形成又は定着した後に転移の成長又は増殖を低減又は抑制すること;及び4)転移が形成又は定着した後に追加の転移の形成又は定着を低減又は抑制することを含む。
一部の実施形態では、腫瘍又はがんは、固体又は液状の細胞塊である。「固形」腫瘍は、一般的に凝集して塊を形成する、がん、新生物又は転移を指す。具体的な非限定例には、乳房、卵巣、子宮、頸部、腹部、肺、胃、結腸、膀胱、神経膠及び子宮内膜の腫瘍/がんなどが含まれる。「液状腫瘍」は、固形の塊を一般的に形成しないので、天然に分散又は拡散している新生物を指す。特定の例には、網内細胞又は造血系の新生物、例えばリンパ腫、骨髄腫及び白血病が含まれる。白血病の非限定例には、急性及び慢性のリンパ芽球、骨髄芽球及び多発性の骨髄腫が含まれる。一般的に、そのような疾患は、低分化型急性白血病、例えば赤芽球白血病及び急性の巨核芽球白血病から生じる。具体的な骨髄性障害には、急性の前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)及び慢性骨髄性白血病(CML)が含まれるが、それらに限定されない。リンパ悪性腫瘍には、B系統ALL(B−ALL)及びT系統ALL(T−ALL)を含む急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球白血病(PLL)、毛様細胞性白血病(HLL)及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)が含まれる。具体的な悪性リンパ腫には、非ホジキンリンパ腫及び変異形、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ性白血病(LGF)、ホジキン病及びリード・シュテルンベルク病が含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明の方法は、他の治療薬又は療法(例えば、外科切除、放射線療法、イオン化又は化学的放射線療法、化学療法、免疫療法、局所又は領域性温熱(高体温)療法又はワクチン接種)と一緒に実施されてもよい。そのような他の治療薬又は療法は、本発明の化合物の投与の前か、実質的に同時(別々に、又は混合して)か又はその後に投与することができる。
一部の実施形態では、本発明の方法は、追加の治療剤と組み合わせて本発明の化合物の治療有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗がん/抗腫瘍剤である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼI及びIIの阻害剤、アルキル化剤、微小管阻害剤、抗アンドロゲン剤、GnRHモジュレーター又はそれらの混合物である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、エクセメスタン、レトロゾール、イマタニブ、パクリタキセル、シクロホスファミド、ロバスタチン、ミノシン、ゲムシタビン、シタラビン、5−フルオロウラシル、メトトレキセート、ドセタキセル、ゴセレリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、テニポシド、エトポシド、ゲムシタビン、エポチロン、ビノレルビン、カンプトセシン、ダウノルビシン、アクチノマイシンD、ミトキサントロン、アクリジン、ドキソルビシン、エピルビシン又はイダルビシンからなる群から選択される。
1つ又は複数の追加の治療剤「と組み合わせた」投与は、任意の順序での同時(並行)及び連続的な投与を含む。本明細書で用いるように、用語「医薬組合せ」は、有効成分を混合するか又は組み合わせることから得られた生成物を指し、有効成分の固定された及び固定されていない組合せを含む。用語「固定された組合せ」は、有効成分、例えば式(1)の化合物及び助剤の両方が、単一の実体又は投薬の形で同時に患者に投与されることを意味する。用語「固定されていない組合せ」は、有効成分、例えば式(1)の化合物及び助剤の両方が、別個の実体として同時に、並行して又は逐次的に特定の時間制限なしに患者に投与されることを意味し、そのような投与は、患者の体内で有効成分の治療的に有効なレベルを提供する。後者は、カクテル療法、例えば3つ以上の有効成分の投与にも適用される。
有効投薬量
本発明での使用に適する医薬組成物は、有効成分が治療有効量、すなわちその使用目的を達成するために有効な量で含有されている組成物を含む。特定の適用のために有効な実際の量は、とりわけ治療する状態に依存する。有効量の決定は、特に本明細書の詳細な開示を考慮すると、十分当業者の能力の範囲内である。
オリゴヌクレオチドの1つの「治療有効量」は、対象において免疫介在性障害、例えばB細胞リンパ腫の治療又は予防の所望の結果を達成するために用いられるオリゴヌクレオチドの十分な量を意味する。本発明のオリゴヌクレオチドは、純粋な形で、又は薬学的に許容される担体中で採用することができる。或いは、オリゴヌクレオチドは医薬組成物として投与されてもよい。本発明で、「量」は用量を指すものとする。用量は、当業者に周知である標準の技術によって決定することができ、対象のサイズ若しくは/及び全体的健康状態又は疾患の重症度を含むが含まれるが、それらに限定されない因子によって異なってもよい。本発明のオリゴヌクレオチドの導入は、単一の治療として、又は一連の治療にわたって実行することができる。投与のための本発明のオリゴヌクレオチドの対象用量は、1投与につき約1μgから100mgまでの範囲内である。しかし、免疫介在性障害の治療のための用量は、上記の用量より10倍から1,000倍高い範囲内で用いることができる。当業者、例えば主治医は、健全な医療判断の範囲内で最適な治療効果を提供するように、より好ましい用量を調整することができる。治療有効量は、1回又は複数回の予防的又は治療的投与で投与することができる。単独で投与される個々の有効成分に適用される場合、この用語はその成分だけを指す。併用されたものに適用される場合、この用語は、一緒に、連続的に又は同時に投与されるかどうかにかかわらず、治療効果をもたらす有効成分の合わせた量を指す。
本明細書に記載されるいかなる化合物についても、治療有効量は細胞培養アッセイから最初に決定することができる。目標の血漿中濃度は、活性化合物(単数又は複数)の、細胞増殖又は分裂の阻害が可能な濃度である。好ましい実施形態では、細胞活性は少なくとも25%阻害される。細胞活性の少なくとも約30%、50%、75%又は90%以上の阻害さえも誘導することが可能である、活性化合物(単数又は複数)の目標の血漿中濃度が現在好ましい。達成される血漿中薬物濃度の適切さを評価するために、患者における細胞活性の阻害百分率を監視することができ、所望の阻害百分率を達成するように投薬量を上方又は下方に調整することができる。
当技術分野で周知であるように、ヒトに用いられる治療有効量は、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であると見出された循環濃度を達成するように処方することができる。ヒトでの投薬量は、細胞阻害を監視して、上記の通り投薬量を上方又は下方に調整することによって調整することができる。
治療的有効用量は、類似の薬理活性を示すことが知られている化合物のヒトデータから決定することもできる。適用される用量は、公知の化合物と比較した、投与される化合物の相対的生物学的利用能及び効力に基づいて調整することができる。
上記の方法及び当技術分野で周知である他の方法に基づいてヒトで最大効能を達成するように用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内にある。
局所投与の場合、投与される化合物の全身循環濃度は特に重要でない。このような場合には、化合物は、局所領域で意図された結果を達成するために有効な濃度を達成するように投与される。
異常な細胞増殖に関係する疾患の予防及び/又は治療で用いるために、投与される化合物の約0.001μM〜20μMの循環濃度が好ましく、約0.01μM〜5μMが好ましい。
本明細書に記載される化合物の経口投与のための患者用量は、一般的に約1mg/日〜約10,000mg/日の範囲であり、より一般的には約10mg/日〜約1,000mg/日、最も一般的には約50mg/日〜約500mg/日である。患者体重に関して記載すると、一般的な投薬量は約0.01〜約150mg/kg/日の範囲、より一般的には約0.1〜約15mg/kg/日、最も一般的には約1〜約10mg/kg/日、例えば5mg/kg/日又は3mg/kg/日である。
少なくとも一部の実施形態では、腫瘍増殖を遅らせるか又は抑制する患者用量は、1μmol/kg/日以下であってもよい。例えば、患者用量は、0.9、0.6、0.5、0.45、0.3、0.2、0.15又は0.1μmol/kg/日以下であってもよい(薬物のモル数を指す)。好ましくは、少なくとも5日間にわたって日投薬量で投与されるとき、薬物コンジュゲートによる抗体は腫瘍の増殖を遅らせる。
他の投与様式については、投与される化合物の、治療される特定の臨床適応に有効な血漿中レベルをもたらすように、投薬の量及び間隔を個々に調整することができる。例えば、一実施形態では、本発明による化合物は、1日につき複数回、比較的高い濃度で投与することができる。或いは、最小限の有効濃度で本発明の化合物を投与すること、及びより低い頻度の投与レジメンを用いることがより望ましいと考えられる。これは、個体の疾患の重症度に相応する治療レジメンを可能にする。
本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさず、それでもなお特定の患者が示す臨床症状を治療するのに完全に有効である、有効な治療処置レジメンを計画することができる。この計画は、化合物の効力、相対的生物学的利用能、患者体重、有害な副作用の存在及び重症度、好ましい投与様式並びに選択される薬剤の毒性プロファイルなどの因子を考慮することによって、活性化合物の慎重な選択を含むべきである。
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されたが、そのような実施形態は例として示すにすぎないことは当業者に明らかになる。本発明を逸脱しない範囲で、当業者は今では多くの変異形、変更及び代替を思いつく。本明細書に記載される本発明の実施形態への様々な代替物を本発明の実施で採用することができることを理解すべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物はそれに含まれるものとする。
本発明のオリゴヌクレオチドは、単独で、それら自身と組み合わせて、薬学的に許容される担体の中で、1つ又は複数の追加の有効成分と組み合わせて用いることができる。本発明のオリゴヌクレオチド及び追加の有効成分の投与は、逐次的であっても、又は同時であってもよい。有効成分には、非ステロイド系抗炎症剤、ステロイド、非特異的免疫抑制剤、生物学的応答変更因子、化合物、小分子、核酸分子及びTLRアンタゴニストが含まれる。有効成分は、ケモカインに拮抗することによって、調節T細胞(CD4+CD25+T細胞)の生成を誘導することによって、補体、マトリックスメタロプロテアーゼ及び一酸化窒素合成酵素を阻害することによって、共刺激因子遮断によって、並びに免疫細胞でシグナル伝達カスケードを阻害することによって免疫活性化を抑制する薬剤も表す。非ステロイド系抗炎症剤には、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、トーネチン、セレコキシブ及びロフェコキシブが含まれるが、それらに限定されない。ステロイドには、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロンが含まれるが、それらに限定されない。非特異的免疫抑制剤は、免疫介在性障害の発症を阻止するために用いられる薬剤を意味する。非特異的免疫抑制剤には、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキセート、ステロイド、FK506、タクロリムス、ミコフェノール酸及びシロリムスが含まれる。生物学的応答変更因子には、組換えインターロイキン−1受容体アンタゴニスト(Kineret又はアナキンラ)、可溶性p75 TNFα受容体−IgG1融合タンパク質(エタネルセプト又はEnbrel)、又はTNFαに対するモノクローナル抗体(インフリキシマブ又はRemicadeX)が含まれるが、それらに限定されない。この薬剤には、インターフェロンβ−1a、インターロイキン−10及びTGFβも含まれる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、送達ビヒクルの中で/と一緒に、又はビヒクルに連結された形で投与することができる。ビヒクルには、ステロール(例えば、コレステロール)、コクリエート、エマルソム、ISCOM;脂質(例えば、カチオン性脂質、アニオン性脂質))、リポソーム;エチレングリコール(PEG);生菌ベクター(例えば、サルモネラ(Salmonella)、大腸菌、桿菌カルメット−ゲラン、赤痢菌(Shigella)、ラクトバチルス(Lactobacillus))、生ウイルスベクター(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、単純ヘルペス)、ビロソーム、ウイルス様粒子、マイクロスフェア、核酸ワクチン、ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース、キトサン)、ポリマーリング及び特異的受容体によって標的細胞を認識するターゲティング剤が含まれるが、それらに限定されない。
ペグ化は、別の分子、通常は薬物又は治療的タンパク質へのポリ(エチレングリコール)ポリマー鎖の共有結合のプロセスである。ペグ化は、PEGの反応性誘導体の標的薬剤と一緒のインキュベーションによって普通に達成される。ペグ化薬剤は、宿主の免疫系から薬剤を「マスキングする」こと、その循環時間を長くする薬剤の流体力学的サイズを増加させることができる。本発明のオリゴヌクレオチドは、ペグ化することができる。
薬学的に許容される担体は、本発明のオリゴヌクレオチドを対象に投与するのに適する、1つ又は複数の固体又は液体のフィラー、希釈剤又は封入物質を意味する。担体は、有機、無機、天然又は合成であってもよい。担体には、任意の全ての溶液、希釈剤、溶媒、分散媒、リポソーム、乳剤、コーティング、抗細菌及び抗真菌剤、等張性及び吸収遅延剤が含まれ、本発明のオリゴヌクレオチドを投与するのに適する任意の他の担体及びそれらの使用は、当技術分野で周知である。薬学的に許容される担体は、オリゴヌクレオチドの特定の投与様式によって選択される。非経口製剤は、ビヒクルとして薬学的及び生理的に許容される流体、例えば水、生理食塩水、平衡のとれた塩溶液、水性デキストロース、グリセロールなどを含む、注射可能な流体を通常含む。固体組成物(例えば、散剤、錠剤又はカプセル剤の形)のためには、従来の無毒固体担体には、例えば医薬用グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン又はステアリン酸マグネシウムを含めることができる。生物学的に中性の担体に加えて、投与される医薬組成物は、少量の無毒の補助物質、例えば湿潤又は乳化剤、保存剤及びpH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウム又はソルビタンモノラウラートを含有することができる。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、経口、腸内、非経口又は局所の投与経路、又は吸入を通して投与される。
併用療法
別の態様では、本発明は、オリゴヌクレオチドが、化学療法剤、例えばBtk阻害剤、ΡI3Κδ阻害剤、IRAK阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、SYK阻害剤又はBcl−2阻害剤と組み合わせて投与される、併用療法のための組成物及び方法を提供する。
「化学療法剤」は、がんの治療で有益な化合物である。例は、ゲムシタビン、イリノテカン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、TAXOL、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン及びカルボプラチンであるが、それらに限定されない。
1つ又は複数のさらなる治療剤「と組み合わせた」投与は、任意の順序での同時(並行)及び連続的な投与を含む。本明細書で用いるように、用語「医薬組合せ」は、有効成分を混合するか又は組み合わせることから得られた生成物を指し、有効成分の固定された及び固定されていない組合せを含む。用語「固定された組合せ」は、有効成分、例えば本発明のODN及び助剤の両方が、単一の実体又は投薬の形で同時に患者に投与されることを意味する。用語「固定されていない組合せ」は、有効成分、例えば本発明のODN及び助剤の両方が、別個の実体として同時に、並行して又は逐次的に特定の時間制限なしに患者に投与されることを意味し、そのような投与は、患者の体内で有効成分の治療的に有効なレベルを提供する。後者は、カクテル療法、例えば3つ以上の有効成分の投与にも適用される。そのような併用療法は、本発明による化合物及び/又は独立して他の薬剤の複数の投与を含むこともできる。本発明による化合物及び他の薬剤の投与は、同じか又は異なる経路によることができる。
B細胞受容体(BCR)は、B細胞の外側表面に位置する膜貫通受容体タンパク質である。その受容体に結合する抗原とのその最初の遭遇によってB細胞が活性化されるとき、細胞は増殖、分化して、抗体を分泌する形質B細胞及び記憶B細胞の集団を生成する。BCRは、Agとの相互作用の結果2つの重要な機能を有する。1つの機能はシグナル伝達であり、受容体オリゴマー化の変化を含む。第2の機能は、Agの以降のプロセシングのための内在化及びヘルパーT細胞へのペプチドの提示を媒介することである。BCR機能は正常な抗体産生のために必要とされ、BCRシグナル伝達の欠陥は、免疫不全、自己免疫及びB細胞悪性腫瘍につながることがある(Corcos D. et al. Blood 117 (26): 6991-8)。B細胞受容体は、BTK、PI3K及びIKK/NF−κΒシグナル伝達経路を含むいくつかのシグナル伝達経路をたどることができる(Tomohiro K et al. Annual Review of Immunology 2008 28 (1): 21)。B細胞受容体シグナル伝達は、現在様々なリンパ腫瘍の治療標的である。
近年、BTKはB系統白血病及びリンパ腫の治療のための新しい抗アポトーシス分子標的として出現した。BTKは、Bリンパ球、リンパ球前駆体及び発育過程の骨髄細胞の上で主に発現され(Smith CI et al. J Immunol. 1994 557-565)、長期BCR活性化で必須である(Davids MS et al. Leuk Lymphoma. 2012 2362-2370; Dal Porto JM et al. Mol Immunol. 2004 599-613)。BCRの活性化の結果、PI3Kが活性化され、それは次にホスファチジルイノシトール−3,4,5(PIP3)の生成を刺激する。PIP3の十分な量が生成されたならば、BTKが原形質膜に動員され、その後Y551部位でSrcファミリーキナーゼ、特にLYN及びFYNによるリン酸化を受ける(Afar DE et al. Mol Cell Biol. 1996 3465-3471;Winer ES et al. Expert Opin Investig Drugs. 2012 355-361)。リン酸化されたBTKはホスホリパーゼCy2を活性化し、下流でのプロテインキナーゼ(例えば、プロテインキナーゼC−ベータ)の活性化と、最後に転写因子NFκBの活性化をもたらす。したがって、IRAK及びBTKは独立して下流のNF−κB活性化を誘導するようであり、IRAKとBTKの阻害剤の併用はMYD88で相乗的腫瘍細胞死をもたらすことが示された(Yang G et al. 2012 JCO 8106)。クラス中第1のBTK阻害剤であるイブルチニブ(PCI−32765)は、臨床開発で有望な有効性を実証した。再発したか又は治療に抗療性だったABC DLBCLを有する患者のおよそ40%は、イブルチニブに応答した。しかしそれはGCBサブタイプを有する患者では作用しないようであり(Advani RH et al. J Clin Oncol. 2013 31 :88-94)、ABC DLBCL患者の治療への応答においてMYD88突然変異が重要な役割を果たしている可能性があることを暗示している。さらに、他の治療と組み合わせたBTK阻害剤の相乗的効能を探るために、多くの研究がある。例えば、フェーズII研究は、高リスクの特徴を有するCLL患者で、リツキシマブと併用したイブルチニブが著しい活性(ORR=85%)を有し、リンパ球増加再分布の期間を短くしたことを示した(Burger J, Proc ASH Abst.187)。
上記のように、PI3Kは、TLRとBCRの両シグナル伝達経路で重要な役割を果たす。PI3Kは、原形質膜の内部小葉内でホスファチジルイノシトール−3,4,5−三リン酸の生成を触媒し、細胞の分裂、生存、代謝、細胞内輸送、分化、アクチン細胞骨格の再編成及び細胞遊走を制御するシグナル伝達カスケードを開始させる、多数の細胞内プレクストリン相同性ドメイン含有エフェクターのための結合部位を形成する、脂質キナーゼである(Vanhaesebroeck B et al. Rev Mol Cell Biol. 2010 329-341;Hawkins PT et al. Biochem Soc Trans. 2006 647-662)。したがって、PI3Kシグナル伝達の阻害は細胞増殖を減らすことができ、一部の状況では、細胞死を促進することができる。クラス1A PI3K酵素は、調節サブユニット(p85)及び触媒サブユニット(p110)で構成されるヘテロダイマーである(Carpenter CL et al. J Biol. Chem. 1900 19704-11)。p110α及びp110βは遍在的に発現されるが、p110γ及びp110δは主に白血球で、並びに乳がん細胞などの非白血球起源の一部のがん細胞系及びヒト組織では高レベルで発現される(Hu P et al. Mol Cell Biol. 1993 7677-88;Chantry D et al. Biol Chem. 1997 19236-41;Sawyer C et al. Cancer Res. 2003 1667-75)。p110δはB細胞の発達及び維持、変換及び増殖に寄与すると報告された(Hammer SB et al. J. Leukocyte Bio. 2010 1082-1095)。腫瘍微小環境からの因子によって提供されるBCRシグナル伝達及び他のシグナルでの変化のため、B細胞悪性腫瘍ではp110δ PI3Kは過度に活性化される(Pauls SD et al. Front Immunol. 2012 224-229)。より高いレベルのp110δ PI3K活性が、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)細胞系及びホジキンリンパ腫(HL)患者からの細胞で判定されている(Herman SE et al. Blood. 2010 2078-88;Ikeda H et al. Blood. 2010 1460-68;Meadows SA et al. Blood. 2012 1897-1900)。
B細胞でのp110δの重大な役割は、B細胞悪性腫瘍の治療のために初期に開発されたイデラリシブ(CAL−101/GS−1101)を含む、高度にp110δ特異的な阻害剤の開発につながった(Lannutti B J et al. Blood 2011 591-4)。イデラリシブ及び他のp110δ選択的阻害剤の活性は、CLL及びDLBCLを含む異なるB細胞悪性腫瘍からの細胞系及び患者細胞で研究されている(Ikeda H et al. Blood. 2010 1460-8;Hoellenriegel J et al. Blood. 2011 591-494)。イデラリシブによるp110δの阻害はB細胞分子によって促進されるB−CLL生存を低減すること、並びにさもなければB細胞の生存及び増殖を促進するであろう環境相互作用を阻害する保護ニッチに細胞が接近するのを遮断する働きをさらにすることが実証された。実際、イデラリシブで治療された患者で、B−CLLでのAktのリン酸化並びにCXCL13、CCL3、CCL4及びTNFαの血漿中レベルが有意に低減されることが見出され、p110δの阻害がそれらの保護微小環境からB−CLLの相互作用を破壊することを示した。近年、CLLの治療法としてリツキシマブと併用したイデラリシブは、無進行生存(PFS)の一次エンドポイントで高度に統計的に有意な延長を示した(ASH 55th annual meeting 2013)。
リツキシマブは、B細胞悪性腫瘍を治療するように設計された抗腫瘍薬として、FDAの承認を最初に得た抗CD20モノクローナル抗体である。CD20は前駆B及び成熟Bリンパ球で特異的に見出される細胞表面マーカーであり、他の細胞型では見出されず、循環血液中に遊離していない(Maloney DG et al. Blood 1994 2457-2466)。Bリンパ球の上に位置する細胞表面CD20へのリツキシマブの結合は、多くのリンパ腫、白血病、移植拒絶及び自己免疫性障害の治療のために、リンパ球の破壊をもたらす。臨床的に、DLBCLなどの非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療のために、リツキシマブ単独で有効だった(McLaughlin P et al. J Clin Oncol. 1998 2825-33;Sano T et al. International J Clin Oncol. 2007 59-62)。重要なことに、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CHOP)化学療法と併用したリツキシマブは、DLBCL及び多くの他のB細胞リンパ腫の治療においてCHOP単独に優る(Hiddemann W et al. Blood 2005 3725-3732)。さらに、NHLのために標準のリツキシマブ−CHOP化学療法にイブルチニブを加えることは、100%の客観的奏効率をもたらした(Younes A et al. J Clin Oncol. 2013 vol.31 suppl. abs.8502)。CD20受容体を標的にするヒト化モノクローナル抗体の丸剤バージョン、ベルツズマブ、を含む他の抗CD20治療薬が、非ホジキンリンパ腫(NHL)及び自己免疫性疾患の治療のために臨床試験中である(Milani C et al. Curr Opin Mol Ther. 2009 200-207)。
SYKは、維持シグナルの伝達及びBCRの活性化で重要な役割を果たすことが知られている。抗原によるBCRライゲーションの後、Lyn PTKは活性化されて、受容体の細胞質テール中の免疫受容体チロシンベース活性化(ITAM)モチーフをリン酸化する。リン酸化ITAMとSykのSH2ドメインとの以降の結合は、自己リン酸化によるSykの活性化につながる。Syk自己リン酸化はSykの免疫受容体介在性活性化のために必要であり、それは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ、Rasシグナル伝達経路、ホスホリパーゼC−γ2活性化及びカルシウム動員を含むシグナル伝達分子のカスケードの活性化のために必須である(Tamir I et al.1998 Oncogene 1353; Beitz LO et al. JBC 1999 32662-32666)。Sykキナーゼの阻害は、アレルギー性及び抗体介在性自己免疫疾患の治療、並びにリンパ腫の治療のための有望なアプローチになる(Ulanova M et al. Expert Opin Ther Targets 2005 901 -921; Friedberg JW et al. Blood. 2010 2578-2585)。臨床試験で最も興味深いSyk阻害剤は、R112、R406、R788及びR343によって代表される。それらは、Rigel Pharmaceuticals,Inc.で開発された、強力で選択的なATP競合的Sykキナーゼ阻害剤である。それらの中で、R406は緊張性BCRシグナル伝達を阻害でき、全てとは限らないが一部の原発性DLBCLでアポトーシスを誘導することができる(Chen L et al. Blood 2008 2230-2237)。経口活性阻害剤R788(フォスタマチニブ)は、慢性関節リウマチの治療で疾患重症度の用量依存的改善を引き起こし、NHL及びCLLで有意な臨床活性を有した(Friedberg JW et al. Blood 2578-2585)。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)又はRNA干渉(RNAi)のいずれかによるSykキナーゼ発現の抑制は、炎症性疾患の治療のためのSyk阻害剤の設計への別のアプローチである(Saitoh S et al. Immunity 2000 525-35)。さらに、GS−9973などのより新しいSyk阻害剤も、NHL及びCLLの治療のために臨床開発中である(Sharman JP et al. 2013 ASH Poster 1634)。
異常活性化BCRによるシグナル伝達は、ある特定のタイプのB細胞腫瘍の発病において鍵となる役割を果たす。上記のように、BTK及びSYNは、BCRシグナル伝達経路に全て参加する。BCR生存促進経路の遮断は、NHL及びCLLの両方で大きな治療的可能性を持っている。実際、過去数年の間、興奮が、CLL及び他のB細胞リンパ増殖性障害におけるBCRシグナル伝達の臨床的及び治療的な重要性を構築している。現在、CLLの治療のために用いられている最高活性の治療レジメンは、従来の化学療法と、優れた奏効率を有するモノクローナル抗CD20抗体リツキシマブとの組合せである(Seiffert M et al. Blood 2011 3016-3024)。しかし、染色体17pの欠失又はp53の体細胞突然変異のために正常なp53活性を失った患者のサブセットでは、効能が損なわれている(Zenz T et al. J Clin Oncol. 2010 4473-4479)。さらに、これらのレジメンは、骨髄抑制及び免疫抑制の結果としての有意な罹患率と関連する。そのような毒性は、用量低減又は治療の短縮をしばしばもたらし、高齢患者での使用をはばむ。したがって、高リスク疾患患者のための利益を有する可能性があり、良好な治療指数を有する新しい治療法が必要である。
併用療法の1つの戦略は、相乗効果でTLR及びBCR経路を同時に標的にすることである。この戦略は、BCRシグナル伝達コンパートメントのCD79分子のノックダウンがMYD88ノックダウンと相乗的にABL−DLBCL細胞系を死滅させるので、ABC DLBCL細胞系の生存がTLRとBCRの両方を通したシグナルを必要とするとの観察と一貫している(Ngo VN et al. Nature. 2011 115-119)。したがって、TLR9アンタゴニスト及びBCR経路阻害剤、例えばイブルチニブ(BTK阻害剤)、リツキシマブ(抗CD20抗体)、イデラリシブ(PI3K阻害剤)及びR406(SYK阻害剤)の組合せを用いて、L265P MYD88のリンパ腫瘍を相乗的に死滅させることは、CLL患者で全体的奏効率及び低毒性を向上させると予想されるであろう。
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されたが、そのような実施形態は例として示すにすぎないことは当業者に明らかになる。本発明を逸脱しない範囲で、当業者は今では多くの変異形、変更及び代替を思いつく。本明細書に記載される本発明の実施形態への様々な代替物を本発明の実施で使用することができることを理解すべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物はそれに含まれるものとする。
本発明は、限定することなく、本発明の化合物の調製を例示する以下の実施例によってさらに例示される。
例で用いられる以下のオリゴヌクレオチド(ODN)は、Takara Co.(Dalian、China)で合成された。TLR9刺激性ODNは、以下の通りである:
CpG2395(5’−tcgtcgttttcggcgcgcgccg−3’、配列番号17)、
CpG1826(5’−tccatgacgttcctgacgtt−3’、配列番号18)、
CpG2216(5’−gggggacgatcgtcgggggg−3’、配列番号19)。
例で用いられる他のODNは、以下の通りであった:
(CCT)6(5’−cctcctcctcctcctcct−3’、配列番号15)、
(CCT)7(5’−cctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号16)、
(CCT)8(5’−cctcctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号20)、
(CCT)8C(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctc−3’、配列番号1)、
(CCT)8CC(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’、配列番号2)、
(CCT)9(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号3)、
(CCT)10(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3、配列番号6)、
(CCT)10C(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’、配列番号7)、
(CCT)10CC(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’、配列番号8)、
(CCT)11(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号9)、
(CCT)11C(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’、配列番号10)、
(CCT)11CC(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’、配列番号11)、
(CCT)12(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号12)、
(CCT)14(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号13)及び
(CCT)16(5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’、配列番号14)。
以下の例でオリゴヌクレオチド(ODN)を操作するために用いられる全ての試薬はPBSで希釈し、カブトガニ(Limulus amebocyte)溶解物アッセイ(Accumedi Solutions Co.Ltd、Zhanjiang、China)によってエンドトキシンについて試験する。
(例1)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)細胞系は、MYD88 L265P突然変異体の存在下で配列決定によって確認される
実験方法
100mg/mLのペニシリン/ストレプトマイシンと10%及び20%のウシ胎児血清を添加したIscove改変ダルベッコ培地(IMDM、Hyclone、Logan、UT、USA)で、MYD88 L265P突然変異体を含むOCI−Ly3.3及びMYD88野生型のOCI−Ly19を培養した。全細胞は、37℃、5%CO2の湿潤条件に保った。ゲノムDNAキット(TransGen Biotech Co.、Beijing、China)を用いて、3×10個のOCI−Ly3.3又はOCI−Lyl9細胞から細胞DNAを抽出し、Tks Gflex DNAポリメラーゼ(Takara Biotechnology、Dalian、China)をMYD88のフォワードプライマー(5’−GTTGAAGACTGGGCTTGTCCに−3’、配列番号51)及びリバースプライマー(5’−AGGAGGCAGGGCAGAAGTA−3’、配列番号52)と一緒に用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実行した。PCR製造物をゲル抽出キット(Kangwei Biotechnology、Beijing、China)によって抽出し、pEasy−Bluntクローニングキット(TransGen Biotech Co.、Beijing、China)にクローニングした。Genwiz Co.(Beijing、China)によって、MYD88 L265P突然変異を検出する配列決定のために、各細胞系から2つのクローンが選択された。
実験結果
OCI−Ly3.3はMYD88 L265P突然変異体の存在について確認され(図1B)、OCI−Ly19はこの突然変異体を持っていない(図1A)。以前の報告書と一貫して、OCI−Ly3.3はホモ接合のMYD88 L265P突然変異体を有する(図1B)。
(例2)
MYD88 L265P突然変異体を有するABC−DLBCL細胞に及ぼすTLR7/TLR9アンタゴニストの効果
実験方法
ABC−DLBCL細胞の増殖に及ぼすTLR7/9アンタゴニストの阻害作用を観察するために、96ウェルプレート中の5×10個/ウェルのOCI−Ly3.3の及びOCI−Ly19細胞を、下に示した用量範囲のTLR7/TLR9アンタゴニストと培養した。細胞生存率は、Beyotime Institute of Biotechnology(Jiangsu、China)から購入したテトラゾリウム塩ベース(WST−1)によって測定した。生存可能な細胞の百分率を、処置細胞対対照細胞の450nmの吸光度の比として計算した。
TLR7/TLR9アンタゴニストによるDLBCL細胞からのサイトカイン分泌を調査するために、96ウェルプレート中の2×10個/ウェルのOCI−Ly19又はOCI−Ly3.3細胞を、配列番号20、12及び43にそれぞれ対応するTLR7/9アンタゴニスト、(CCT)、(CCT)12及び(CCT)12−Mと、下に示した異なる濃度でインキュベートした。インキュベーションの36時間後に、サイトメトリービーズアッセイによって上清をサイトカインIL−10について分析した。
実験結果
TLR7/9アンタゴニストは、MYD88L265P突然変異を含むOCI−Ly3.3細胞の生存を抑制することができたが、野生型細胞ではできなかった
ビヒクルの最大最終濃度は、試験した細胞系でいかなる細胞毒性も誘導しなかった(データは示さず)。(CCT)、(CCT)12及び(CCT)12−Mの5μM〜50μMでは、OCI−Ly3.3の阻害(図2B)につながったが、OCI−Ly19細胞ではそうではなかった(図2A)。ゲーティングは、CD19(又はCD3)及びSide Scatter(SSC)のFACSドットプロットである。ゲートは、CD19(又はCD3)陽性細胞にセットし、結果はCD19又はCD3陽性細胞の百分率を表した。
減少したOCI−Ly3.3細胞生存率は、サイトカインの阻害を伴う
図3は、全ての3つのTLR7/9アンタゴニストが、OCI−Ly3.3細胞でIL−10分泌を阻害することができたことを示した。ここで示すデータは、3つの独立した実験からの平均値である。IL−10は、MYD88 L265野生型のOCI−Ly19細胞で検出することができない(データ示さず)。

Claims (11)

  1. MYD88の突然変異によって特徴付けられるB細胞リンパ腫を有すると診断され、そのような治療を必要とする対象においてB細胞リンパ腫を治療する方法であって、
    前記対象に、5’−(CCT)−3’の配列(nは2から50の整数である)を有するオリゴヌクレオチドの治療有効量、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与するステップを含む上記方法。
  2. 前記オリゴヌクレオチドが5’−(CCT)nCm−3の配列を有し、nは6から16の整数であり、mは0、1又は2である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記B細胞リンパ腫が、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の活性化B細胞様(ABC)サブタイプ及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. MYD88の前記突然変異が、L265P、M232T、S243N又はT294Pを含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記オリゴヌクレオチドが、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号1)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号2)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号3)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号4)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号5)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号6)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号7)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号8)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号9)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctc−3’(配列番号10)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcc−3’(配列番号11)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号12)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号13)、
    5’−cctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号14)、
    5’−cctcctcctcctcctcct−3’(配列番号15)及び
    5’−cctcctcctcctcctcctcct−3’(配列番号16)
    からなる群から選択される配列を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記オリゴヌクレオチドのリン酸骨格が修飾されていない、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記オリゴヌクレオチドのリン酸骨格が部分的又は完全にホスホロチオエート修飾されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記オリゴヌクレオチドが化学修飾を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記オリゴヌクレオチドが、5’−(CCT)−3’の前記配列の各末端に1つ又は複数のヌクレオチドをさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記オリゴヌクレオチドが、経口、腸内、非経口若しくは局所の投与経路、又は吸入を通して投与される、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記オリゴヌクレオチドが、Btk阻害剤、ΡI3Κδ阻害剤、IRAK阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、SYK阻害剤又はBcl−2阻害剤と組み合わせて投与される、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
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