JP2017505780A - 翻訳後修飾を濃縮するための、フロースルーモードにおける陽イオン交換クロマトグラフィーの使用 - Google Patents

翻訳後修飾を濃縮するための、フロースルーモードにおける陽イオン交換クロマトグラフィーの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2017505780A
JP2017505780A JP2016549767A JP2016549767A JP2017505780A JP 2017505780 A JP2017505780 A JP 2017505780A JP 2016549767 A JP2016549767 A JP 2016549767A JP 2016549767 A JP2016549767 A JP 2016549767A JP 2017505780 A JP2017505780 A JP 2017505780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recombinant polypeptide
cex
medium
recombinant
bind
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016549767A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6609561B2 (ja
Inventor
オースティン ング,
オースティン ング,
ロバート エス. グロンケ,
ロバート エス. グロンケ,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Biogen MA Inc
Original Assignee
Biogen MA Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Biogen MA Inc filed Critical Biogen MA Inc
Publication of JP2017505780A publication Critical patent/JP2017505780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6609561B2 publication Critical patent/JP6609561B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/18Ion-exchange chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
    • C07K14/7151Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons for tumor necrosis factor [TNF], for lymphotoxin [LT]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/745Blood coagulation or fibrinolysis factors
    • C07K14/755Factors VIII, e.g. factor VIII C (AHF), factor VIII Ag (VWF)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/30Non-immunoglobulin-derived peptide or protein having an immunoglobulin constant or Fc region, or a fragment thereof, attached thereto

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)

Abstract

本発明は、陽イオン交換媒体の使用を介した、複合混合物からの、翻訳後修飾を有する組換えポリペプチドの分離における改良方法に関する。本発明は、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法を提供し、当該方法は、翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触を含み、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、CEX媒体に結合する組換えポリペプチドから分離され、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、結合した組換ポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む。

Description

規制当局は、ヒト投与を対象とする組換えポリペプチドに、特定の翻訳後修飾水準及び不純物水準を要求することが多い。試験管内で、細胞株において産生される組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準は、ヒト投与を対象とする組換えポリペプチドに必要な翻訳後修飾水準とは異なることが多い。ポリペプチドのグリコシル化プロファイルは、産生細胞株の種類、増殖条件、及びポリペプチド配列を含む複数の因子に影響され得る。Shiestl,M.,et al.Nature Biotechnology 29(4):310(2011)。
製造工程、すなわち、許容可能な生成物の回収率及び収率を維持する製造工程として許容される規模で、特定の翻訳後修飾水準を有する組換えポリペプチドの濃縮を提供する方法が、当該技術領域で必要とされている。
Shiestl,M.,et al.Nature Biotechnology 29(4):310(2011)
本発明は、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法を提供し、当該方法は、翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触を含み、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、CEX媒体に結合する組換えポリペプチドから分離され、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、結合した組換ポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む。
本発明は、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法提供し、当該方法は、
a)翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触と、
b)CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの、CEX媒体に結合する組換えポリペプチドからの分離と、
を含み、回収されたCEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む。
本発明は、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法を提供し、当該方法は、
a)翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、
フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触と、
b)CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの、CEX媒体に結合する組換えポリペプチドからの分離と、
c)CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの回収と、
を含み、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む。
本発明は、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法を提供し、当該方法は、
a)翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物の提供と、
b)組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触と、
c)CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの、CEX媒体に結合する組換えポリペプチドからの分離と、
d)CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの回収と、
を含み、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む。
いくつかの実施形態では、方法は、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの回収をさらに提供する。
いくつかの実施形態では、翻訳後修飾は、シアリル化またはガンマ−カルボキシグルタミン酸(Gla)形成である。いくつかの実施形態では、翻訳後修飾は、シアリル化である。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約0.5〜約6モル高い。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約0.5〜約4モル高い。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、約5%〜約100%高い。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、約5%〜約40%高い。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約12〜約20モルである。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約14〜約17モルである。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団の総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約10〜約14モルである。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団のシアル酸量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約13〜14モルである。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、Fcドメインを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、抗体を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、受容体のリガンド結合ドメインを含むFc融合ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、受容体は、TNF受容体である。より特定の実施形態では、組換えポリペプチドは、エタネルセプトである。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、凝固因子を含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、単量体−二量体ハイブリッドである。凝固因子の例には、第VII因子(FVII)、FVIIa、第VIII因子(FVIII)、第IX因子(FIX)、またはFIXa(FIX)が含まれる。FVIIIは、全長FVIIIまたはBドメイン欠失FVIIIであってよい。FVIIIは、単鎖FVIIIまたは二重鎖FVIIIであってよい。
いくつかの実施形態では、接触は、約30〜約100mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、約33〜約54mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、少なくとも約41mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる。
いくつかの実施形態では、接触は、約4〜約7のpHで起こる。いくつかの実施形態では、接触は、約5〜約6のpHで起こる。いくつかの実施形態では、接触は、約5.5〜約5.8のpHで起こる。いくつかの実施形態では、接触は、少なくとも約5.6のpHで起こる。
いくつかの実施形態では、接触は、約8〜約12mS/cmの伝導率で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、約9.5〜約11mS/cmの伝導率で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、少なくとも約10mS/cmの伝導率で起こる。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、組換えポリペプチドの初期集団の約25%〜約80%を含む。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、組換えポリペプチドの初期集団の約55%〜約80%を含む。
いくつかの実施形態では、CEX媒体は、下記のリガンドの1つを含む。スルホエチル(sulfoethyl)、スルホプロピル(sulphopropyl)、スルホプロピル(sulfopropyl)、CH−SO 、CHCHCHSO 、SO 、またはCH−COO。いくつかの実施形態では、CEX媒体は、スルホエチルリガンドを含む。
いくつかの実施形態では、CEX媒体は、約120〜約160mgリゾチーム/ml樹脂の結合容量を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、真核宿主細胞によって産生される。特定の実施形態では、真核宿主細胞は、哺乳類宿主細胞である。
いくつかの実施形態では、接触は、製造規模で実施される。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの不純物をさらに含む。不純物の例には、DNA、RNA、脂質、またはタンパク質が含まれる。いくつかの実施形態では、不純物は、タンパク質を含む。タンパク質不純物の例には、組換えポリペプチドの切断型、組換えポリペプチドの凝集型、または組換えポリペプチドの誤って折り畳まれた型が含まれる。
いくつかの実施形態では、方法は、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドを含む最終組成物を提供し、当該最終組成物は、ポリペプチドの初期集団を含んでいた組成物と比較して、少ない不純物を含む。
シアリル化されたエタネルセプトの濃縮のためのSE Hicapクロマトグラムを示す。負荷比は、31mg/ml、負荷pHは、5.6、そして負荷伝導率は、10mS/cmであった。生成物の収率は、67%であり、生成物の総シアル酸は、シアル酸15モル/タンパク質モルであった。ピーク1は、切断されたエタネルセプトからなる。ピーク2は、未変性エタネルセプトからなる。ピーク3は、誤って折り畳まれたエタネルセプトからなる。 様々なCEX樹脂(SE Hicap、SP Sepharose、SP Sepharose XL、Nuvia S、Eshmuno、GigaCap S、及びGigaCap CM)による、エタネルセプトのTSA濃縮の比較を示す。結果は、50%の生成物収率に規準化した。 様々なCEX樹脂(SE Hicap、SP Sepharose、SP Sepharose XL、Nuvia S、Eshmuno、GigaCap S、及びGigaCap CM)によって、エタネルセプトを含む組成物から除去した不純物の比較を示す。結果は、50%の生成物収率に規準化した。
本発明の詳細な説明
本発明は、クロマトグラフィー媒体の使用を介した、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法に向けられている。好ましい実施形態では、クロマトグラフィー媒体は、作動の際にフロースルーモードにおいて利用されるイオン交換クロマトグラフィー媒体である。
本明細書及び特許請求の範囲の明快な理解を提供するために、下記の定義を以下に提供する。
定義
「a」または「an」という用語付きの実体は、1つまたは複数のその実体を指すことに留意されたい。例えば、「ヌクレオチド配列(nucleotide sequence)」は、1つまたは複数のヌクレオチド配列を表すと理解される。したがって、「a」(または「an」)、「one or more」、及び「at least one」という用語は、本明細書で互換的に使用され得る。
さらに、本明細書で使用される「and/or」は、もう一方を有するか、または有さない2つの特定された特徴または成分のそれぞれの特定の開示であるとみなされることになる。したがって、本明細書で「A and/or B」などの語句において使用される「and/or」という用語は、「A and B」、「A or B」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことを意図する。同様に、「A、B、and/orC」などの語句において使用される「and/or」という用語は、下記の態様のそれぞれを包含することを意図する。A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
態様が、「comprising」という言葉と共に本明細書のどこで説明されようとも、「consisting of」及び/または「consisting essentially of」の用語において説明される他の類似態様もまた提供されると理解される。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語はすべて、本開示に関連する当業者によって共通に理解されるものと同一の意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei−Show,2nd ed.,2002,CRC Press、The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press、及びOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、当業者に、本開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を提供する。
単位、接頭語、及び記号は、それらのSysteme International de Unites(SI)許容型において示す。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。別段の記載がない限り、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシへの方向で、左から右に記載される。本明細書で提供される表題は、開示の様々な態様に限定されず、参照によって、全体を明細書に加えることができる。したがって、すぐ下に定義される用語は、参照によって、より完全な定義を本明細書全体に与える。
本明細書で使用される「約(about)」という用語は、およそ(approximately)、大まかに(roughly)、辺り(around)、または、の領域で(in the regions of)を指す。「約(about)」という用語が、数値範囲と共に使用されるとき、示される数値の上下の境界を広げることによって、その範囲を改変する。一般に、「約(about)」という用語は、例えば、10パーセントの変動によって、記載値の上下の数値を、上または下に(より高く、またはより低く)改変できる。
本明細書では、「タンパク質」または「ポリペプチド」という用語は、2つ以上の天然アミノ酸または非天然アミノ酸のポリマーを指す。
ポリペプチドは、単量体または多量体のどちらでもよい。例えば、1つの実施形態では、本発明のタンパク質は、二量体である。本発明の二量体ポリペプチドは、二つのポリペプチド鎖を含んでよく、または1つのポリペプチド鎖からなってよい(例えば、scFc分子の場合)。1つの実施形態では、本発明の二量体は、2つの同一の単量体サブユニットまたはポリペプチド(例えば、2つの同一Fc部分、または2つの同一の生物学的活性部分)を含むホモ二量体である。別の実施形態では、本発明の二量体は、2つの同一でない単量体サブユニットまたはポリペプチド(例えば、2つの異なる凝固因子若しくはその部分、または1つの凝固因子のみを含む)を含むヘテロ二量体である。例えば、米国特許第7,404,956号参照。当該特許は、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。
「組換えで発現されたポリペプチド」及び「組換えポリペプチド」は、そのポリペプチドを発現するために遺伝学的に操作された宿主細胞から発現されたポリペプチドを指す。組換えで発現されたポリペプチドは、哺乳類宿主細胞において通常発現されたポリペプチドと同一であるか、または類似していてよい。組換えで発現されたポリペプチドは、宿主細胞に対して外来性であってもよく、すなわち、哺乳類宿主細胞において通常発現されるペプチドに対して異種性である。あるいは、組換えで発現されたポリペプチドは、哺乳類宿主細胞において通常発現されるポリペプチドと同一または類似のアミノ酸配列を含むポリペプチドのその部分においてキメラであってよく、一方、他の部分は、宿主細胞にとって外来性である。宿主細胞において発現可能な何らかのポリペプチドが、本発明に従って産生されてよい。ポリペプチドは、宿主細胞に対して内在性の遺伝子から発現されてよく、または遺伝学的な操作を介して宿主へ導入された遺伝子から発現されてよい。ポリペプチドは、天然に存在するものであってよく、またはヒトの手によって操作若しくは選択された配列を代わりに有してよい。操作されたポリペプチドは、天然に個々に存在する他のポリペプチドセグメントから構築されてよく、または天然起源でない1つ若しくは複数のセグメントを含んでよい。本発明に従って望ましく発現され得るポリペプチドは、関心のある生物学的活性または化学活性に基づいて選択されることが多いであろう。例えば、本発明は、何らかの医薬的または商業的に関連性のある酵素、受容体、抗体、ホルモン、調節因子、抗原、結合剤(binding agent)等を発現するために用いてよい。
別のペプチドの「変異型(variant)」であるポリペプチドは、出発ポリペプチドに関連する1つまたは複数の変異を有してよく、例えば、別のアミノ酸残基で置換された1つ若しくは複数のアミノ酸残基、または1つ若しくは複数のアミノ酸残基の挿入若しくは欠失を有する1つ若しくは複数のアミノ酸残基を有してよい。1つの実施形態では、ポリペプチドは、天然起源ではないアミノ酸配列を含む。そのような変異型は、出発ポリペプチドと100%未満の配列同一性または類似性を必然的に有する。別の実施形態では、変異型は、出発ポリペプチドのアミノ酸配列と、約75%〜100%未満のアミノ酸配列同一性または類似性を有するアミノ酸配列を有するであろう。当該アミノ酸配列同一性または類似性は、例えば、約80%〜100%未満、約85%〜100%未満、約90%〜100%未満(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)及び95%〜100%未満であり、例えば、変異型分子の長さにわたるものである。1つの実施形態では、出発ポリペプチド配列と、そこから得られた配列には、1つのアミノ酸差異が存在する。この配列に関する同一性または類似性は、必要であれば、配列同一性が最大パーセントとなるように、配列の位置合わせ及びギャップの導入を実施した後、出発アミノ酸残基と同一(すなわち、同一残基)である候補配列に存在するアミノ酸残基の割合として、本明細書では定義される。
「融合」または「キメラ」タンパク質は、天然では自然に連結されない第二アミノ酸配列に連結された第一アミノ酸配列を含む。別々のタンパク質に通常存在するアミノ酸配列を、融合ポリペプチドに一緒にまとめてよく、または同一タンパク質に通常存在するアミノ酸配列を、新しい配置にして融合タンパク質にしてもよく、例えば、本発明の第VIII因子ドメインと、IgFcドメインとの融合である。融合タンパク質は、例えば、化学合成によって、またはペプチド領域が望ましい関係でコードされるポリヌクレオチドの作成及び翻訳によって作成できる。キメラタンパク質は、共有結合、非ペプチド結合、または非共有結合によって、第一アミノ酸配列と関連する第二アミノ酸配列をさらに含んでよい。
本明細書では、「凝集体」という用語は、ポリペプチド凝集体を指す。凝集体は、精製され、例えば、高分子量凝集体をもたらし得る組換えポリペプチドの多量体(二量体、四量体、または高次凝集体など)を包含する。
「クロマトグラフィー」という用語は、混合物中に存在する他の分子から関心組換えポリペプチドを分離する技術の何らかの種類を指す。通常、関心組換えポリペプチドは、結合親和性における差異の結果として他の分子から分離される。
分子のクロマトグラフィー樹脂への「結合(binding)」という用語は、適切な条件(例えば、pH/伝導率)下で、分子をクロマトグラフィー樹脂に暴露し、その結果、当該分子が、リガンド−タンパク質相互作用の効力によって、クロマトグラフィー樹脂内、または樹脂上に、可逆的に固定化されることを指す。非限定例には、分子と、荷電基とのイオン性相互作用、またはイオン交換物質の荷電基と、免疫グロブリンとのイオン性相互作用が含まれる。
本明細書で互換的に使用される「フロースルー(flow−through)」、「フロースルー工程」、「フロースルーモード」、及び「フロースルークロマトグラフィー」という用語は、試料に含まれる少なくとも1つの生成物(例えば、特定の翻訳後修飾を有する組換えポリペプチド)が、クロマトグラフィー樹脂または媒体をフロースルーすることを意図し、一方で、少なくとも1つの潜在的な混入物または不純物が、クロマトグラフィー樹脂または媒体に結合する生成物分離技術を指す。
「クロマトグラフィー樹脂」、「クロマトグラフィー媒体(chromatography media)」、及び「クロマトグラフィー媒体(chromatography medium)」という用語は、互換的に使用され、混合物中に存在する他の分子から関心組換えポリペプチドを分離する固相の何らかの種類を指す。通常、関心組換え分子は、混合物中の他の分子と、関心組換えポリペプチドとの間の結合親和性における差異の結果として他の分子から分離される。何らかの既知の、または後に開示若しくは開発されるクロマトグラフィー媒体またはマトリックスの使用。そのような媒体の例には、限定無しに、イオン交換媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、ヒドロキシアパタイト媒体、疎水性相互作用クロマトグラフィー媒体、抗体親和性媒体(例えば、プロテイン−Aまたはその変異型)、免疫グロブリンFc領域親和性媒体(例えば、Fc受容体親和性媒体)、ならびにリガンド親和性媒体、受容体親和性媒体、及び混合モード媒体が含まれる。
本明細書では、「イオン交換」及び「イオン交換クロマトグラフィー」という用語は、関心組換えポリペプチドが、固相のイオン交換物質に(例えば、共有結合によって)連結された荷電化合物と、相互作用し、または相互作用せず、その結果、関心組換えポリペプチドが、混合物中の他の組換えポリペプチドまたは不純物と比較して、強く、または弱く、荷電化合物と、非特異的に相互作用するクロマトグラフィー工程を指すために使用される。混合物中の混入物は、関心組換えポリペプチドと比較して、速く、若しくは遅くイオン交換物質のカラムから溶出されるか、または関心組換えポリペプチドと比較して樹脂に結合、若しくは樹脂から排除される。「イオン交換クロマトグラフィー」には、具体的には、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及び混合モードイオン交換クロマトグラフィーが含まれる。
ポリペプチドの「pI」または「等電点」は、ポリペプチドの正電荷と、その負電荷が釣り合うpHを指し、pIは、アミノ酸残基、若しくはポリペプチドに結合した糖質のシアル酸残基の正味電荷から計算してよく、または等電点電気泳動によって決定してよい。
「イオン交換物質」という語句は、負に荷電した(すなわち、陽イオン交換樹脂)固相、または正に荷電した(すなわち、陰イオン交換樹脂)固相を指す。電荷は、例えば、共有結合によって、1つまたは複数の荷電リガンドを、固相に結合することによって付与されてよい。あるいは、またはさらに、電荷は、固相本来の特性(例えば、シリカの場合は、全体的な負電荷を有する)であってよい。
「陰イオン交換樹脂」または「AEX」という語句は、例えば、それに結合した四級アミノ基などの1つまたは複数の正に荷電したリガンドを有することで、正に荷電した固相を指す。商業的に利用可能な陰イオン交換樹脂には、DEAEセルロース、QAE SEPHADEX(商標)、及びFAST Q SEPHAROSE(商標)(Pharmacia)が含まれる。陰イオン交換クロマトグラフィーは、後に溶出される標的分子(例えば、Fc領域含有標的タンパク質)に結合でき、または不純物に主に結合できる一方で、標的分子は、カラムを「フロースルー」する。
「陽イオン交換樹脂」または「CEX」という語句は、負に荷電しており、したがって、固相上を通過、または固相を通り抜ける水溶液中の陽イオンと交換するための遊離の陽イオンを有する固相を指す。固相に結合し、陽イオン交換樹脂を形成する負荷電のリガンドは、例えば、カルボン酸またはスルホン酸であってよい。例えば、陽イオン交換クロマトグラフィーは、後に溶出される標的分子(例えば、Fc領域含有標的タンパク質)に樹脂が結合する条件下で実施してよい(陽イオン交換結合及び溶出クロマトグラフィーまたは「CIEX」)。あるいは、CEXは、不純物と主に結合する一方で、標的分子は、カラムを「フロースルー」するモードで実行してよい(陽イオンフロースルークロマトグラフィー)。商業的に利用可能なCEX樹脂には、Fractogel SE Hicap、GE SPXL、GE SP Sepharose、Millipore Eshmuno S、Tosoh Gigacap CM、Tosoh Gigacap S−650、またはBioRad Nuvia Sが含まれる。「陽イオン交換樹脂」または「CEX」という語句は、クロマトグラフィーの陽イオン交換モードにおいて、部分的に、または完全に作動する混合モード樹脂も指す。商業的に利用可能な混合モード樹脂には、Capto MMCが含まれる。本明細書で開示される精製方法は、フロースルーモードにおいて実施される陽イオン交換クロマトグラフィーの段階を利用する。
クロマトグラフィー方法
本発明は、作動の際に「フロースルー」モードを利用し、組換えポリペプチドの、クロマトグラフィー媒体(または他のマトリックス)との接触が可能になる。接触中、選択された特性(特定の翻訳後修飾など)を有する組換えポリペプチドは、クロマトグラフィー媒体(または他のマトリックス)には優先的に結合しない一方で、選択された特性を有しないか、または選択された特性をあまり有しない組換えポリペプチド(及び他の不純物)(全体の正味負電荷が小さいか、またはシアル酸含量が少ない組換えポリペプチドなど)は、媒体(またはマトリックス)に結合する。濃縮された組換えポリペプチドを含むフロースルーを回収する。得られた組換えポリペプチド混合物は、クロマトグラフィー媒体との接触前に組換えポリペプチドの初期集団を含んでいた組成物と比較して、選択された(標的)特性を有する生成物濃度が高くなり、濃縮されている。
いくつかの実施形態では、本発明は、組換えポリペプチドの選択濃縮に向けられており、選択される、または望ましい生成物特性は、シアル酸含量の全体(総)水準が増加した、または濃縮された特性である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、総シアル酸含量が増加した組換えポリペプチドは、交換クロマトグラフィー媒体(例えば、SE Hicap)の集団を含む組成物と、組換えポリペプチドの混合物との接触によって得られる。望ましくない生成物(例えば、低シアル酸含量、及び他の不純物を有する生成物)は、クロマトグラフィー媒体に結合させることが可能であり、選択された生成物(高いシアル酸含量を有する)は、カラムをフロースルーし、回収される。
本発明の方法は、物理的、生物学的、及び/または化学的性質の何らかの数に基づき、組換えポリペプチドの分離/精製に適応及び適用してよい。例えば、生成物のアイソフォームが、適切な吸着剤(例えば、電荷に基づく分離向けには、強または弱陽イオン交換樹脂、そして疎水性に基づく分離向けには、疎水性吸着剤など)の使用によって、電荷及び/または疎水性に基づいて選択的に分離されてよい。さらに、本発明の方法は、2つの直行性の生成物属性(例えば、電荷及び疎水性)に基づく分離向けに、混合モードクロマトグラフィー(混合モード媒体)を使用して適用してよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の、濃縮、増加、増進、または増強のための方法に関し、当該方法は、翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、フロースルーモードで作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触を含み、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、CEX媒体に結合する組換えポリペプチドから分離され、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾の水準が、高いか、または増加している。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、CEX樹脂に結合するポリペプチドまたは他の不純物と比較して、より負に荷電している。いくつかの実施形態では、本発明は、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの回収をさらに含む。
いくつかの実施形態では、特定の翻訳後修飾を高水準で有する組換えポリペプチドは、フロースルーモードで作動するCEX媒体の使用を介して、翻訳後修飾を低水準で有する組換えポリペプチドから分離される。「分離」は、ポリペプチド及び1つまたは複数の不純物または混入物を含む組成物または試料からの、関心組換えポリペプチドの純度の程度の増加を指す。いくつかの実施形態では、関心組換えポリペプチドは、電荷の使用を介して、組成物中の他のポリペプチドまたは不純物から分離される。いくつかの実施形態では、関心組換えポリペプチドは、組成物中の他のポリペプチドまたは不純物と比較して、より負に帯電しており、その結果、関心組換えポリペプチドは、フロースルーモードで作動するCEX媒体に結合しない。いくつかの実施形態では、関心組換えポリペプチドの純度の程度は、組成物から少なくとも1つの不純物を(完全に、または部分的に)除去することによって、増加する。いくつかの実施形態では、翻訳後修飾は、シアリル化またはガンマ−カルボキシグルタミン酸(Gla)形成である。
いくつかの実施形態では、翻訳後修飾は、シアリル化である。シアリル化は、ヒトグリコシル化の最終段階である。総シアル残基は、所与の組換えポリペプチド上のシアル残基の総数を指す。グリコシル化タンパク質の生体内における生物学的活性は、分子当たりのシアル酸単位数に依存することが知られているように、タンパク質のシアリル化は、タンパク質機能に対して重大な意味を有する。Shiestl,M.,et al.Nature Biotechnology 29(4):310(2011)。シアル酸頻度の消失は、糖タンパク質溶解性の低下、及び循環半減期の低下につながる。結果として、組換えポリペプチドの精製及び治療有効性は、シアル酸含量に依存する。ポリペプチドのグリコシル化プロファイルは、産生細胞株の種類、増殖条件、及びポリペプチド配列を含む多くの因子によって、影響を受け得る。Shiestl,M.,et al.Nature Biotechnology 29(4):310(2011)。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約0.5〜約6モル、約1〜約4モル、または約1〜約3モル高い。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約0.6〜約2.7モル高い。いくつかの実施形態では、組換えタンパク質の総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、少なくとも約0.5モル、少なくとも約1.0モル、少なくとも約1.5モル、少なくとも約2.0モル、少なくとも約2.5モル、少なくとも約3.0モル、少なくとも約3.5モル、少なくとも約4.0モル、少なくとも約4.5モル、少なくとも約5.0モル、少なくとも約5.5モル、または少なくとも約6.0モル高い。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物のそれと比較して、約5%〜約100%、約5%〜約90%、約5%〜約80%、約5%〜約70%、約5%〜約60%、約5%〜約50%、及び約5%〜40%高い。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物のそれと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%高い。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約13〜約20モル、約13.5〜約19モル、約14〜18モル、約14〜約17モル、または約14〜約16.5モルである。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総シアル酸含量は、約14.1〜約16.2である。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団の初期含量の総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約10〜約14モル、約10.5〜約14モル、約11〜約14モル、約11.5〜約14モル、約12〜約14モル、約12.5〜約14モル、または約13〜約14モルである。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団の総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、少なくとも約10モル、少なくとも約10.5モル、少なくとも約11モル、少なくとも約11.5モル、少なくとも約12モル、少なくとも約12.5モル、少なくとも約13モル、少なくとも約13.5モル、または少なくとも約14モルである。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団の総シアル酸含量は、タンパク質モル当たりのシアル酸で、少なくとも約13.5モルである。
いくつかの実施形態では、翻訳後修飾は、ガンマ−カルボキシグルタミン酸(Gla)形成である。カルボキシル化/ガンマ−カルボキシグルタミン酸(GLA)ドメインは、ビタミン−K依存性ドメインである。GLAドメインにおいて、ビタミンKは、グルタミン酸残基のカルボキシル化を媒介し、ガンマ−カルボキシグルタミン酸(Gla)を形成する。Vermeer,C.Biochem J.266:625−636(1990)。Glaは、カルシウム結合において、重要な役割を担い、凝固因子タンパク質における特異的立体構造転移に対して重大な意味を有することが明らかとなった。Freedman,S.J.et al.,J.Biol.Chem.271(27):16227−36(1996)。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドのGla含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、約5%〜約100%、約5%〜約90%、約5%〜約80%、約5%〜約70%、約5%〜約60%、約5%〜約50%、及び約5%〜約40%高い。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの総Gla含量は、組換えポリペプチドの初期集団のそれと比較して、約5%〜約100%、約5%〜約90%、約5%〜約80%、約5%〜約70%、約5%〜約60%、約5%〜約50%、及び約5%〜約40%高い。
本発明のいくつかの実施形態では、「フロースルー」モードで作動するクロマトグラフィー媒体は、特定の翻訳後修飾を有する組換えポリペプチドの組成物を濃縮するために利用される。
負荷比は、媒体体積当たりの、クロマトグラフィー媒体に接触している組成物の総量を示す。負荷比が高すぎると、フロースルーモードにおいて実行するカラムの場合、不純物によっては、媒体に結合しない可能性がある。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触は、少なくとも約30mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約35mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約40mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約45mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約50mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約55mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約60mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約70mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約80mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約90mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約100mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約110mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約120mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約130mg総タンパク質/mlCEX媒体、少なくとも約140mg総タンパク質/mlCEX媒体、または少なくとも約150mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、41mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比でおこる。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触は、約30mg総タンパク質/mlCEX媒体〜約150mg総タンパク質/mlCEX媒体、約30mg総タンパク質/mlCEX媒体〜125mg総タンパク質/mlCEX媒体、約30mg総タンパク質/mlCEX媒体〜100mg総タンパク質/mlCEX媒体、約30mg総タンパク質/mlCEX媒体〜75mg総タンパク質/mlCEX媒体、約30mg総タンパク質/mlCEX媒体〜60mg総タンパク質/mlCEX媒体、または約33mg総タンパク質/mlCEX媒体〜54mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる。
接触段階のpHは、重大な意味を有する。なぜなら、接触段階のpHによって、どの荷電分子が、カラムに結合し、どれが結合しないことになるかが決定するからである。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触は、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約5.5、少なくとも約6、少なくとも約6.5、少なくとも約7、少なくとも約8、または少なくとも約9のpHで起こる。いくつかの実施形態では、接触は、5.6のpHで起こる。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触は、約3〜約9、約4〜約8、約4〜約7、約5〜約7、約5〜約6、または約5.5〜約5.8のpHで起こる。
接触段階の伝導率は、重大な意味を有する。なぜなら、接触段階の伝導率によって、どの分子が、カラムに結合し、どれが結合しないことになるかが決定するからである。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触は、少なくとも約8mS/cm、少なくとも約8.5mS/cm、少なくとも約9mS/cm、少なくとも約10mS/cm、少なくとも約10.5mS/cm、少なくとも約11mS/cm、少なくとも約11.5mS/cm、少なくとも約12mS/cm、少なくとも約12.5mS/cm、または少なくとも約13mS/cmの伝導率で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、10mS/cmの伝導率で起こる。いくつかの実施形態では、接触は、約8mS/cm〜約12mS/cm、約8.5mS/cm〜11.5mS/cm、約9mS/cm〜約11.5mS/cm、約9mS/cm〜約11mS/cm、または約9.5mS/cm〜11mS/cmの伝導率で起こる。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー媒体は、イオン交換媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、ヒドロキシアパタイト媒体、疎水性相互作用クロマトグラフィー媒体、抗体親和性媒体(例えば、プロテイン−Aまたはその変異型)、免疫グロブリンFc領域親和性媒体(例えば、Fc受容体親和性媒体)、及びリガンド親和性媒体、受容体親和性媒体、または混合モード媒体である。好ましい実施形態では、クロマトグラフィー媒体は、CEX樹脂である。本発明の実施形態は、何らかの既知の、または後に開示若しくは開発されるCEXクロマトグラフィー媒体またはマトリックスの使用を含む。いくつかの実施形態では、CEX樹脂は、Fractogel SE Hicap、GE SPXL、GE SP Sepharose、Millipore Eshmuno S、Tosoh Gigacap CM、Tosoh Gigacap S−650、BioRad Nuvia S、またはCapto MMCである。いくつかの実施形態では、CEX媒体は、スルホエチル(sulfoethyl)、スルホプロピル(sulphopropyl)、スルホプロピル(sulfopropyl)、CH−SO 、CHCHCHSO 、SO 、CH−COO、または多様式弱陽イオン交換体(multimodal weak cation exchanger)である。いくつかの実施形態では、CEX媒体は、架橋ポリメタクリル酸、デキストラン表面増量剤を含む6%架橋アガロース、アガロース、表面グラフト剛直ポリビニルエーテル親水性ポリマー、または高度架橋アガロースであるマトリックスを含む。いくつかの実施形態では、CEX媒体は、何らかの既知のマトリックスである。いくつかの実施形態では、CEX媒体は、スルホエチルリガンドを含む。いくつかの実施形態では、CEX樹脂は、Fractogel SE Hicapである。
いくつかの実施形態では、CEX媒体は、約100〜約200mgリゾチーム/ml樹脂、約110〜190mgリゾチーム/ml樹脂、約120〜約180mgリゾチーム/ml樹脂、約120〜約170mgリゾチーム/ml樹脂、約120〜約160mgリゾチーム/ml樹脂、または約125〜160mgリゾチーム/ml樹脂の結合容量またはリガンド容量を含む。
媒体と、組成物との間のイオン交換速度は、温度の上昇に伴って上昇する。温度は、カラムの選択にも影響を与え得る。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触中の温度は、約16〜約26℃、約18〜約24℃、または約20〜約23℃である。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触中の温度は、少なくとも約15℃、少なくとも約16℃、少なくとも約17℃、少なくとも約18℃、少なくとも約19℃、少なくとも約20℃、少なくとも約21℃、少なくとも約22℃、少なくとも約23℃、少なくとも約24℃、少なくとも約25℃、少なくとも約26℃、または少なくとも約30℃である。いくつかの実施形態では、組成物と、媒体との接触中の温度は、約22℃である。
高流速であれば、工程時間は減少するが、高流速では、組成物と、媒体との接触時間が減少するため、分離効率が低下する可能性がある。いくつかの実施形態では、工程流速は、約75cm/時間〜約150cm/時間、約100cm/時間〜約150cm/時間、または約120cm/時間〜約150cm/時間である。いくつかの実施形態では、工程流速は、少なくとも約75cm/時間、少なくとも約80cm/時間、少なくとも約90cm/時間、少なくとも約100cm/時間、少なくとも約110cm/時間、少なくとも約115cm/時間、少なくとも約120cm/時間、少なくとも約125cm/時間、少なくとも約130cm/時間、少なくとも約135cm/時間、少なくとも約140cm/時間、または少なくとも約150cm/時間である。いくつかの実施形態では、工程流速は、約125cm/時間である。
本発明の実施形態は、製造規模での、選択された組換えポリペプチドの回収方法を含み、選択された組換えポリペプチドが、治療上有用または有益な化合物である方法を含む。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物は、選択された特性を異なる水準で有する関心組換えポリペプチドのみを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物は、関心組換えポリペプチドとは異なるアミノ酸配列を有する追加のポリペプチドも含む。いくつかの実施形態では、追加のポリペプチドは、組換え体である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物は、不純物も含む。いくつかの実施形態では、不純物は、DNA、RNA、脂質、またはタンパク質分子である。いくつかの実施形態では、不純物は、組換えポリペプチドの切断型、組換えポリペプチドの凝集型、または組換えポリペプチドの誤って折り畳まれた型である。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドを含む組成物は、組換えポリペプチドの初期集団を含んでいた組成物と比較して少ない不純物を含む。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドを含む組成物は、組換えポリペプチドの初期集団を含んでいた組成物と比較して、不純物が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%少ない。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、初期集団を含む組成物の組換えポリペプチドの約10%〜約90%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約55%〜約80%である。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、初期集団を含む組成物の組換えポリペプチドの約55%〜約80%である。
1つの実施形態では、生成物は、例えば、ピーク生成物のpI値に基づいて、選択的に濃縮/分離されてよく、例えば、高pIを有するアイソフォームが、低pIを有する生成物アイソフォームから、陽イオン交換吸着剤で分離されてよい。
いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、CEXクロマトグラフィー後の1つまたは複数のさらなる精製段階に供される。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物は、CEX媒体との接触に先立ち、1つまたは複数の精製段階に供される。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物のpH及び伝導率は、組成物と、CEX媒体との接触に先立って調整される。いくつかの実施形態では、CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドのpHは、CEX媒体との接触後に調整される。
本発明の組換えポリペプチド
本発明の実施形態は、翻訳後修飾を特定水準で有する幅広い種類の組換えポリペプチドの高度に均一化された混合物を得るために有用である。そのような組換えポリペプチドのいくつかの例には、限定なしに、タンパク質及びタンパク質断片(すなわち、全長及び部分長のポリペプチド/ペプチド)、抗体(免疫グロブリン)、異種性融合タンパク質等が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、二量体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは単量体である。
1つの実施形態では、組換えポリペプチドは、免疫グロブリン(またはドメイン、その断片の領域)と融合した非免疫グロブリンタンパク質(またはその断片)である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、Fcドメインを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、抗体を含む。1つの実施形態では、例えば、本発明の方法は、免疫グロブリンのFc領域(IgG分子のFc領域など)と連結された(すなわち、融合された)細胞外受容体リガンド結合ドメインを含む組換えポリペプチドの分離/精製のために使用される。Fc融合タンパク質の例は、表1において参照可能である。
1つの実施形態では、組換えポリペプチドは、受容体のリガンド結合ドメインを含むFc融合ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、受容体は、腫瘍壊死因子(「TNF」)受容体である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、エタネルセプトである。エタネルセプトは、二量体組換え治療用糖タンパク質であり、ヒトIgG1の定常領域(Fc)に連結したヒト75キロダルトンヒト腫瘍壊死因子受容体の細胞外リガンド結合部からなる。TNF受容体領域は、血流においてみられる可溶性TNF−αに結合し、それによって、多くの自己免疫疾患を含む様々な炎症応答を低下させる。エタネルセプトは、TNF阻害剤のようであり、TNFに結合するおとり受容体として働く。Zalevsky,J.et al.,J.Immunol.179(3):1872−83。エタネルセプトは、天然起源の可溶性TNF受容体に類似した機能を有して働く。しかしながら、エタネルセプトは、融合タンパク質であるため、血流における半減期は、長期化しており、したがって、天然起源の受容体と比較して、長期間影響を及ぼす。Madhusudan,S.J.Clin Oncol.23(25):5950−9。融合タンパク質のFc部分は、内皮細胞の表面上に発現しているFc受容体に一過性に固着し、分解を遅延させると共にエタネルセプトの半減期を増加させる。
エタネルセプトが、生物学的活性を有するにはN−グリコシル化が必要である。グリコシル化タンパク質は、複合分子であり、十分制御された生成物でさえ、同一のアミノ酸配列上に異なる糖鎖組成物を有した数百以上のグリコフォームから成り得る。グリコシル化タンパク質の生体内における生物学的活性は、分子当たりのシアル酸単位数に依存することが知られており、利用可能なシアリル化部位、N−グリカンのアンテナ性(antenniarity)及びシアリル化の完全性の結果である。Shiestl,M.,et al.Nature Biotechnology 29(4):310(2011)。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、凝固因子を含む。いくつかの実施形態では、凝固因子は、第VII因子(FVII)、FVIIa、第VIII因子(FVIII)、第IX因子(FIX)、またはFIXa(FIX)から選択される。いくつかの実施形態では、FVIIIは、全長FVIIIまたはBドメイン欠失FVIIIである。いくつかの実施形態では、FVIIIは、単鎖FVIIIまたは二重鎖FVIIIである。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、単量体−二量体ハイブリッドである。単量体−二量体ハイブリッドは、二量体の側面と、単量体の側面とを有するキメラタンパク質であり、二量体の側面は、それが免疫グロブリンの定常領域部分からそれぞれなる2つのポリペプチド鎖からなるという事実に関連しており、単量体の側面は、2つの鎖の内、1つのみが、治療用生物学的活性分子からなるという事実に関連する。単量体−二量体ハイブリッドは、米国特許第7,404,956号において説明されており、参照によって、その全体が、本明細書に組み込まれる。
「第VII因子(Factor VII)」または「FVII」は、肝臓で合成され、およそ50kDaの分子量を有する単鎖の酵素前駆体として、血液へ分泌される凝固因子タンパク質を指す。FVII酵素前駆体は、タンパク質分解性開裂によって、活性型(FVIIa)へと変換される。FVIIは、米国公開第2011/0046061号及び国際公開第PCT/US2013/44842号において開示されており、参照によって、それらの全体が、本明細書にそれぞれ組み込まれる。
「第VIII因子(Factor VIII)」または「FVIII」は、血液凝固因子タンパク質、ならびにその種及び配列の変異型を指し、限定はされないが、2351アミノ酸単鎖前駆体タンパク質(19アミノ酸疎水性シグナルペプチドを有する)、ドメイン構造A1−A2−B−A3−C1−C2を有する、およそ270〜330kDaである成熟2332アミノ酸第VIII因子タンパク質、ならびにアミノ酸1〜1648(成熟FVIII型に対して付番)のA1−A2−B(90〜220kD範囲内)、及びアミノ酸1649〜2232の、80kDaである軽鎖A3−C1−C2からなる、重鎖型のR1648の後の位置におけるタンパク質分解性開裂の結果として形成される2つの鎖を有する循環ヘテロ二量体が含まれ、それらは、それぞれ模式的に図1において示されている。「第VIII因子」または「FVIII」は、天然の循環タンパク質の生物学的活性の少なくとも一部を保持する配列変異型でもよく、切断配列、異種性アミノ酸を含む配列、または重鎖及び軽鎖が、リンカーによって共有結合した単鎖FVIII(scFVIII)が含まれる。本明細書では、「FVIII」は、ヒト第VIII因子の欠乏(例えば、血友病A)を生体内または試験管内で補正可能である血液凝固第VIII因子の典型的な特性を有する第VIII因子分子の何らかの機能的な型となる。FVIIIまたは配列変異型は、米国特許または公開第4,757,006号、第7,138,505号、第5,004,804号、第5,198,349号、第5,250,421号、第5,919,766号、第2010/0081615号、第2013/0017997号、及び第2013/0108629号において説明されるとおり、単離、特徴付け、及びクローン化されており、参照によって、それらの全体が、本明細書にそれぞれ組み込まれる。
本明細書では、第VIII因子の「Bドメイン」は、当該技術領域において知られるBドメインと同一であり、内部アミノ酸配列同一性、及びトロンビンによるタンパク質分解性開裂部位によって定義され、例えば、全長ヒト第VIII因子の残基Ser741〜Arg1648である。その他のヒト第VIII因子ドメインは、下記のアミノ酸残基によって定義される:A1、残基Ala1〜Arg372;A2、残基Ser373〜Arg740;A3、残基Ser1690〜Ile2032;C1、残基Arg2033〜Asn2172;C2、残基Ser2173〜Tyr2332。A3−C1−C2配列は、残基Ser1690〜Tyr2332を含む。残りの配列である、残基Glu1649〜Arg1689は、第VIII因子軽鎖活性化ペプチドとして通常は言及される。Bドメインを含むドメインのすべての境界位置が、ブタ、マウス、及びイヌの第VIII因子でも、当該技術領域において知られている。好ましくは、第VIII因子のBドメインは、欠失している(「Bドメイン欠失第VIII因子(B domain deleted factor VIII)」または「BDD FVIII」)。BDD FVIIIの例は、REFACTO(組換えBDD FVIII)である。FVIIIのBドメインは、米国公開第2013/0108629号において考察されており、参照によって、その全体が、本明細書に組み込まれる。
「Bドメイン欠失第VIII因子」は、米国特許第6,316,226号、第6,346,513号、第7,041,635号、第5,789,203号、第6,060,447号、第5,595,886号、第6,228,620号、第5,972,885号、第6,048,720号、第5,543,502号、第5,610,278号、第5,171,844号、第5,112,950号、第4,868,112号、及び第6,458,563号において開示される完全欠失または部分欠失を有してよく、参照によって、それらの全体が、本明細書にそれぞれ組み込まれる。いくつかの実施形態では、本発明のBドメイン欠失第VIII因子の配列は、米国特許第6,316,226号の第4列4行目〜第5列28行目、及び実施例1〜5において(同様に、米国特許第6,346,513号においても)開示される欠失のいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、本発明のBドメイン欠失第VIII因子は、米国特許第5,789,203号の第2列26〜51行目及び実施例5〜8において(同様に、米国特許第6,060,447号、米国特許第5,595,886号、及び米国特許第6,228,620号おいても)開示される欠失を有する。いくつかの実施形態では、Bドメイン欠失第VIII因子は、米国特許第5,972,885号の第1列25行目〜第2列40行目、米国特許第6,048,720号の第6列1〜22行目及び実施例1、米国特許第5,543,502号の第2列17〜46行目、米国特許第5,171,844号の第4列22行目〜第5列36行目、米国特許第5,112,950号の第2列55〜68行目、図2、及び実施例1、米国特許第4,868,112号の第2列2行目〜第19列21行目、及び表2、米国特許第7,041,635号の第2列1行目〜第3列19行目、第3列40行目〜第4列67行目、第7列43行目〜第8列26行目、及び第11列5行目〜第13列39行目、または米国特許第6,458,563号の第4列25〜53行目において説明される欠失を有する。いくつかの実施形態では、Bドメイン欠失第VIII因子は、Bドメインのほとんどの欠失を有するが、WO91/09122において開示されるように、一次翻訳産物の、生体内における、2つのポリペプチド鎖へのタンパク質分解性処理に必須であるBドメインのアミノ末端配列は、依然として含み、WO91/09122は、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、Bドメイン欠失第VIII因子は、アミノ酸747〜1638の欠失と共に構成されており、すなわち、Bドメインを実質的に完全に欠失している。Hoeben R.C.,et al,J.Biol.Chem.265(13):7318−7323(1990)が、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。A.Bドメイン欠失第VIII因子は、第VIII因子のアミノ酸771〜1666またはアミノ酸868〜1562の欠失も含んでよい。Meulien P.,et al.Protein Eng.2(4):301−6(1988)が、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。本発明の一部である追加のBドメイン欠失には、例えば、アミノ酸982〜1562または760〜1639(Toole et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1986)83,5939−5942))、アミノ酸797〜1562(Eaton,et al.Biochemistry(1986)25:8343−8347))、アミノ酸741〜1646(Kaufman(PCT公開出願第WO87/04187号))、アミノ酸747〜1560(Sarver,et al.,DNA(1987)6:553−564))、アミノ酸741〜1648(Pasek(PCT出願第88/00831号))、アミノ酸816〜1598またはアミノ酸741〜1689(Lagner(Behring Inst.Mitt.(1988)No82:16−25,EP295597))の欠失が含まれ、参照によって、それらの全体が、本明細書にそれぞれ組み込まれる。前述の欠失は、それぞれが、何らかの第VIII因子配列中に作成されてもよい。FVIIIのBドメイン欠失は、米国公開第2013/0108629において開示されており、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書では、「第IX因子(Factor IX)」及び「FIX」は、別段の特定がない限り、凝固におけるその通常の役割において機能性である第IX因子ポリペプチドを意味する。したがって、第IX因子という用語は、機能性である変異型ポリペプチド、及びそのような機能性変異型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。好ましい第IX因子ポリペプチドは、ヒト、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、及びマウスの第IX因子ポリペプチドである。第IX因子の全長ポリペプチド及びポリヌクレオチド配列には、多くの機能性変異型が知られており、例えば、断片型、変異体(mutant)型、及び改変型である。第IX因子ポリペプチドには、全長第IX因子、全長第IX因子からN末端のMetを除去したもの、全長第IX因子のシグナル配列を除去したもの、成熟第IX因子(からシグナル配列及びプロペプチドを除去したもの)、及びN末端に追加のMetを有する成熟第IX因子が含まれる。第IX因子は、組換え手法によって好ましくは作成され(「組換え第IX因子」または「rFIX」)、すなわち、天然起源または血漿由来ではない。FIXは、米国公開第2011/0046060及び第2013/0202595号において開示されており、参照によって、それらの全体が、本明細書にそれぞれ組み込まれる。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、抗体である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、キメラ抗体である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、米国特許第7,300,773号において開示される抗体のいずれかであり、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、受容体である。いくつかの実施形態では、抗体は、受容体チロシンキナーゼである。いくつかの実施形態では、受容体は、米国特許第7,300,773号において開示される抗体のいずれかであり、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、成長因子または他のシグナル分子である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、Gタンパク質共役型受容体である。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、米国特許第7,300,773号において開示されるポリペプチドのいずれかである。
いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、真核宿主細胞によって産生される。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、哺乳類宿主細胞によって産生される。
略語:
AEX: 陰イオン交換クロマトグラフィー
CEX: 陽イオン交換クロマトグラフィー
CV: カラム体積
DF: ダイアフィルトレーション
DoE: 実験設計
HIC: 疎水性相互作用クロマトグラフィー
HMW: 高分子量凝集体
LMW: 低分子量凝集体
HCP: 宿主細胞タンパク質
ピーク1: 切断されたエタネルセプト
ピーク2: 未変性エタネルセプト
ピーク3: 誤って折り畳まれたエタネルセプト
LRV: Log10(負荷液中の総不純物/溶出液中の総不純物)
CV: カラム体積
PS: パイロット規模
OD: 吸光度(optical density)
TSA: 総シアル酸
UF: 限外濾過
WFI: 注入用水
当業者内の知見を適用することによって、過度の実験を伴わず、本発明の一般概念から逸脱することなく、本発明の実施例は、様々な応用に向けた、改変及び/または適応が可能である。したがって、そのような適応及び改変は、本明細書に記載の教示及びガイダンスに基づき、開示の実施例に相当するものの意図及び範囲の範疇であると意図する。
実施例1
SE Hicapカラムの使用を介したTSAの濃縮及び不純物の除去
概要
同一初期混合物中に存在する、シアルリル化を減少水準または低下水準で有する組換えポリペプチドと比較して、シアルリル化を濃縮水準または増加水準で有する組換えポリペプチドを、単離/精製/濃縮するために、クロマトグラフィー工程を開発した。
この実施例で利用した組換えポリペプチドは、TNFR−Fc融合タンパク質エタネルセプトである。組換えポリペプチドの高度シアリル化型は、治療上有利なタンパク質アイソフォームの非常に望ましいクラスになり得る。本実施例は、許容可能な生成物回収率及び生成物収率を維持しながら、組換えポリペプチドの、回収された/単離された高度シアリル化型の含量の濃縮を可能にする堅固な工程の開発について説明するものである。この特定の実施例において、工程を開発し、SE Hicapクロマトグラフィーを、Fc融合タンパク質の高度シアリル化型の回収/単離に使用した。
そのTSA濃縮効力、ピーク3及び凝集体の低減能力、堅固なDNAクリアランス能力、及びその他の工程段階との接続容易性の理由から、フロースルーモードにおいて利用するSE Hicapを、第一選択とした。SE Hicapは、そのpI未満のpHで実行されるとき、より正に荷電した(シアリル化が少ない)タンパク質を保持しながら、負に荷電したシアリル化エタネルセプトを、フロースルーへと静電気的に反発してはじき出すことによって、TSAを濃縮する。このカラムでは、負荷pH、負荷伝導率、及び負荷比が、すべて重要かつ重大な意味を有するパラメーターであることが明らかとなった。試験した条件下で、工程温度、工程流速、及び樹脂リガンド容量が、収率及び生成物属性に対する影響は、無視でき、重要ではない工程パラメーターであると判断した。
物質
溶液:緩衝液のpH及び伝導率は、それぞれ使用前に検証した。
負荷物質及び吸着剤:資料はすべて−70℃で凍結し、クロマトグラフィー開始に先立ち、室温で解凍した。すべての実験で、負荷pHは、1Mの酢酸、1Mのクエン酸、または2.4Mのトリス塩基を使用して調整した。その後、1MのNaClを含有する酢酸緩衝液またはクエン酸緩衝液を使用して負荷伝導率を調整した。負荷伝導率が高すぎた場合は、RO/DI水を添加した。
クロマトグラフィー方法
カラムはすべて20%の圧縮係数で充填し、充填床の高さを15cmまたは16cmとした。クロマトグラフィー段階は、およそ22℃で、AKTA Explorer 900(GE Healthcare Life Sciences)及びUnicornインターフェイスソフトウェア(バージョン5.11)を使用し、ダウンフローモードにおいて実施した。フロースルーモードで作動する開発試験のすべてを通して、クロマトグラフィー方法は、平衡化段階、負荷段階、非結合タンパク質除去を行う洗浄段階、分析のために不純物除去を行う剥離段階、1NのNaOHを使用した浄化段階、及び0.1NのNaOH中における保存段階から一般になる。この段階の浄化条件及び保存条件は試験せず、製造者の推奨事項に従った。別段の記載がない限り、洗浄画分は、フロースルー画分と共にプールした。フロースルー画分、洗浄画分、及び剥離画分は、収率及び生成物属性を分析した。
樹脂選別、カラム接続、及びマトリックスの緩衝方法
静電結合容量計算を使用して、それらのタンパク質結合能力で候補CEX樹脂を選別した。これは、候補樹脂と、平衡化緩衝液とを緩衝液交換した後、エタネルセプトを含む組成物を、一晩振とう機上で既知体積の候補樹脂と共にインキュベートすることによって、決定した。樹脂及びタンパク質の混合物を遠心沈降させ、上清のA280を続いて測定した。その後、高静電容量樹脂をカラムに充填し、結合/溶出モードまたはフロースルーモードでさらに評価した。生成物収率、凝集体、ピーク1、ピーク2、ピーク3、TSA、HCP、及びDNAを測定し、分離性能を計測した。溶出の間、生成物関連不純物の分離が不十分であった高静電容量樹脂は、補足段階としてさらに評価したが、洗練段階として除外した。しかしながら、不純物の分離が良かった低容量樹脂は、SE Hicapの場合と同様に、フロースルーモードでさらに評価した。
SE Hicapを、特にそのTSA濃縮能力、ならびに凝集体、DNAならびに幾分かのピーク3及びHCPの除去能力で選択した。さらに、フロースルーモードにおけるSE Hicapは、それ以前及びその後に続く精製段階との接続に課題はなく、同時にいかなる中間段階も必要としなかった。酢酸緩衝液が、この工程において使用するのに最適な緩衝液であると決定した。
DOE方法
DoE(中心複合)試験を設計し、負荷比、負荷伝導率、及び負荷pHの特徴付けを行い、同時に第二のDoE(選別)を設計し、工程温度、樹脂容量、及び工程流速の特徴付けを行った。両DoE試験は、Design Expert(バージョン8.0.6)を使用して設計した。負荷比、負荷伝導率、及び負荷pHを、第一のDoEにおける変数として選んだ。なぜなら、先の試験により、それらが、生成物収率及び生成物属性に対して影響を与えることが示されたためである。工程温度、樹脂容量、及び工程流速は、別々のDoEにおいて評価した。なぜなら、先の試験により、こうしたパラメーターは、生成物収率及び生成物属性に対して最小の効果しか与えないことが示されたからである。
データに対する回帰分析を実施するため、結果をDesign Expertに入力し、正規分布及び異常値をそれぞれBox Cox及びExternally Studentized Residualsを介して最初に分析した。データが、正規分布になっていなければ、ソフトウェアの推奨事項に基づき、変換を実施した(例えば、log10)。モデルを有意に損なう異常値はすべて分析から排除した。その後、変数減少機能または手動変数減少機能を使用し、有意ではないパラメーター(p値>0.05)を除去し、モデルを単純化した。少数例では、モデルにおいて、有意ではないパラメーターを保持し、R2及び適合の欠如を強化した。すべてのモデルは、主要な効果及び2水準相互作用のみが有意であり、交絡しないとする想定で構築した。
分析方法
すべての実験に利用した分析方法を、表2にまとめた。出発物質は、十分に純粋であり、OD280法を使用する生成物収率の測定は、SE Hicapカラムに対して、的確なものである。
DOE1(中心複合)
負荷比、負荷pH、及び負荷伝導率を特徴付けるDoE試験は、試験設計から何ら逸脱することなく、成功裏に完了した。制御条件下の典型的なSE Hicapクロマトグラムは、負荷の間にどのようにUVが前ピークを伴って偏向し、どのようにUVが減少し、その後、安定水準に達する前にどのようにUVが増加するかを示す(図1)。弱いタンパク質結合は、不十分なTSA濃縮に繋がり得ることが明らかとなった(データ未掲載)。強いタンパク質結合は、生成物の喪失に繋がり得ることが明らかとなった(データ未掲載)。
低負荷pH及び低負荷伝導率は、生成物収率を減少させ、TSA含量を濃縮し、ピーク1不純物を増加させ、凝集体水準を減少させ、そして単量体含量を増加させた(表3、及び表4も併せて参照)。低負荷pHが、高負荷伝導率のこうした結果に対する効果を相殺でき、逆もまた同様であるという点で、負荷pH及び負荷伝導率は、相互作用を有する。負荷伝導率または負荷pHが増加するにつれ、ピーク2水準は、ピーク3水準が増加した量だけ減少した(表3、及び表4も併せて参照)。これは、負荷伝導率及び負荷pHを変えることで、ピーク1、2、及び3の相対的な分布を変更できること示す。
高負荷伝導率または高負荷pHは、DNAクリアランスを減少させた(表5)。しかしながら、負荷pHは、伝導率と比較し、DNAクリアランスをより大幅に減少させた。また、高負荷pHは、HCPクリアランスも減少させた(表5)。
低負荷pH及び低負荷伝導率は、(すべての不純物と比較して)純度水準も減少させた(表5)。低負荷pHが、純度水準に対する高負荷伝導率の効果を相殺できるという点で、負荷pH及び負荷伝導率は、相互作用を有する。負荷伝導率または負荷pHが増加するにつれて、最高単一不純物水準(highest single impurity level)及びLMWは、減少した(表5)。
負に荷電した酸性アイソフォームは、低伝導率及び低pHにおいて濃縮されたが、塩基性アイソフォーム及び主アイソフォームが、高伝導率または高pHにおいてカラムから脱着したとき、濃度が低下した(表5)。したがって、負荷pHが、アイソフォームに対する負荷伝導率の効果を相殺できるという点で、負荷pH及び負荷伝導率は、相互作用を有する。
こうした実験は、SE Hicapのための作動空間は、標的負荷pHが、5.5〜5.8の範囲を有する5.6、標的負荷伝導率が、9.5〜11mS/cmの範囲を有する10.0mS/cm、及び標的負荷比が、33〜54mg/mL樹脂の範囲を有する41mg/mL樹脂であるべきことを示している。こうした負荷条件であれば、フロースルー/洗浄プールが、15〜16.5モル/モルのTSA水準、6%未満の凝集体水準、6%未満のピーク1水準、約1.5LRVのDNAクリアランス、及び55〜80%という十分な生成物収率を有すること確実にするであろう。
DoE2(選別)
工程温度、樹脂容量、及び工程流速を特徴付けるDoE試験は、プロトコールから何ら逸脱することなく、成功裏に完了した。このDoE試験から得られたデータを表6に示した。最も有意な変数は、樹脂容量及び工程温度であったが、それらの生成物収率及び生成物属性に対する影響は無視できた。したがって、工程は、堅固であって、温度、樹脂容量、及び流速の幅広い作動範囲に耐えることができる。
結論
SE Hicapフロースルークロマトグラフィーは、第二精製段階として成功裏に開発され、標的作動条件下で、55〜75%(A280)の高生成物回収率を維持しながら、TSA水準を15〜16.5モル/モルに濃縮し、凝集体を約12%減少させ、そしてDNAを約1.5LRV低下させた。こうした重要かつ重大な意味を有する生成物属性を満たすためには、SE Hicap向けの推奨作動空間は、DoE結果に基づき、標的負荷pHが、5.6±0.2、標的負荷伝導率が、9.5〜11mS/cmの範囲を有する10.0mS/cm、そして標的負荷比が、41mg/mL樹脂±8mg/mL樹脂となるであろう。工程温度、工程流速、及び樹脂容量などの他の工程パラメーターの生成物収率及び生成物属性に対する影響は、無視できるものであった。
実施例2
CEX樹脂を使用したTSAの濃縮
SE Hicap CEX樹脂向けの濃縮パラメーターを決定したので、他のCEX樹脂向けに、凝集体及び/または誤って折り畳まれた型を除去しながらTSAを濃縮するために必要な作動条件を決定した。試験した樹脂は、GE SPXL、GE SP Sepharose、Millipore Eshmuno S、Tosoh Gigacap CM、Tosoh Gigacap S−650、及びBioRad Nuvia Sである。それぞれのカラム向けの最終的な作動条件は、以下の表7において参照可能である。
それぞれのカラムによるTSA濃縮の比較は、生成物収率を50%に規準化した結果として、図2において参照可能である。それぞれのカラムによって除去された凝集体及び誤って折り畳まれた型の比較は、生成物収率を50%に規準化した結果として、図3において参照可能である。
***
本発明は、本発明の個々の態様の単一の実例を意図して説明した特定の実施形態による範囲に限定されず、機能的に相当する何らかの組成物または方法は、本発明の範囲内である。実際、本明細書で説明し、示したものに加え、本発明の様々な改変が、先に記載した説明及び付随する図から、当業者に明らかとなるであろう。そのような改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることを意図する。
本明細書において言及されるすべての文書、論文、出版物、特許、及び特許出願は、個々の出版物または特許出願を、それぞれ参照によって組み込むことを具体的かつ個々に示した場合と同程度に、参照によって、本明細書に組み込まれる。

Claims (48)

  1. 組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法であって、
    翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触であり、
    前記CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドは、前記CEX媒体に結合する組換えポリペプチドから分離され、前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドは、結合した組換ポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む前記接触を含む、前記方法。
  2. 組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法であって、
    a)翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触と、
    b)前記CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの、前記CEX媒体に結合する組換えポリペプチドからの分離であり、
    回収された前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドは、前記結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む前記分離と、を含む、前記方法。
  3. 組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法であって、
    a)翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物と、
    フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触と、
    b)前記CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの、前記CEX媒体に結合する組換えポリペプチドからの分離と、
    c)前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの回収であり、
    前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドは、前記結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む前記回収を含む、前記方法。
  4. 組換えポリペプチドの翻訳後修飾水準の濃縮方法であって、
    a)翻訳後修飾を異なる水準で有する組換えポリペプチドの初期集団を含む組成物の提供と、
    b)前記組成物と、フロースルーモードにおいて作動する陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)媒体と、の接触と、
    c)前記CEX媒体に結合しない組換えポリペプチドの、前記CEX媒体に結合する組換えポリペプチドからの分離と、
    d)前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの回収であり、
    前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドは、前記結合した組換えポリペプチドと比較して、翻訳後修飾を高水準で含む前記回収を含む、前記方法。
  5. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの回収をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記翻訳後修飾が、シアリル化またはガンマ−カルボキシグルタミン酸(Gla)形成である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記翻訳後修飾が、シアリル化である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの総シアル酸含量が、組換えポリペプチドの前記初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約0.5〜約6モル高い、請求項7に記載の方法。
  9. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの総シアル酸含量が、組換えポリペプチドの前記初期集団のそれと比較して、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約0.5〜約4モル高い、請求項8に記載の方法。
  10. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの総シアル酸含量が、組換えポリペプチドの前記初期集団のそれと比較して、約5%〜約100%高い、請求項7に記載の方法。
  11. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの総シアル酸含量が、組換えポリペプチドの前記初期集団のそれと比較して、約5%〜約40%高い、請求項10に記載の方法。
  12. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの総シアル酸含量が、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約12〜約20モルである、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドの総シアル酸含量が、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約14〜約17モルである、請求項12に記載の方法。
  14. 組換えポリペプチドの前記初期集団の総シアル酸含量が、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約10〜14モルである、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  15. 組換えポリペプチドの前記初期集団の総シアル酸含量が、タンパク質モル当たりのシアル酸で、約13〜14モルである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記組換えポリペプチドが、Fcドメインを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記組換えポリペプチドが、抗体を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記組換えポリペプチドが、受容体のリガンド結合ドメインを含むFc融合ポリペプチドを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記受容体が、TNF受容体である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記組換えポリペプチドが、エタネルセプトである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記組換えポリペプチドが、凝固因子を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記組換えポリペプチドが、単量体−二量体ハイブリッドである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記凝固因子が、第VII因子(FVII)、FVIIa、第VIII因子(FVIII)、第IX因子(FIX)、またはFIXa(FIX)から選択される、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記FVIIIが、全長FVIIIまたはBドメイン欠失FVIIIである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記FVIIIが、単鎖FVIIIまたは二重鎖FVIIIである、請求項23または24に記載の方法。
  26. 前記接触が、約30〜約100mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記接触が、約33〜約54mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる、請求項26に記載の方法。
  28. 前記接触が、少なくとも約41mg総タンパク質/mlCEX媒体の負荷比で起こる、請求項27に記載の方法。
  29. 前記接触が、約4〜約7のpHで起こる、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記接触が、約5〜約6のpHで起こる、請求項29に記載の方法。
  31. 前記接触が、約5.5〜約5.8のpHで起こる、請求項30に記載の方法。
  32. 接触が、少なくとも約5.6のpHで起こる、請求項30に記載の方法。
  33. 前記接触が、約8〜約12mS/cmの伝導率で起こる、請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記接触が、約9.5〜約11mS/cmの伝導率で起こる、請求項33に記載の方法。
  35. 前記接触が、少なくとも約10mS/cmの伝導率で起こる、請求項34に記載の方法。
  36. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドが、組換えポリペプチドの前記初期集団の約25%〜約80%を含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドが、組換えポリペプチドの前記初期集団の約55%〜約80%を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記CEX媒体が、スルホエチル(sulfoethyl)、スルホプロピル(sulphopropyl)、スルホプロピル(sulfopropyl)、CH−SO 、CHCHCHSO 、SO 、及びCH−COOからなる群から選択されるリガンドを含む、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記CEX媒体が、スルホエチルリガンドを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記CEX媒体が、約120〜約160mgリゾチーム/ml樹脂の結合容量を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記組換えポリペプチドが、真核宿主細胞によって産生される、請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記真核宿主細胞が、哺乳類宿主細胞である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記接触が、製造規模で実施される、請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記組成物が、少なくとも1つの不純物をさらに含む、請求項1〜43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記不純物が、DNA、RNA、脂質、またはタンパク質を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記不純物が、タンパク質を含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記タンパク質不純物が、前記組換えポリペプチドの切断型、前記組換えポリペプチドの凝集型、または前記組換えポリペプチドの誤って折り畳まれた型を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記CEX媒体に結合しない前記組換えポリペプチドを含む最終組成物であり、前記最終組成物が、ポリペプチドの前記初期集団を含んでいた前記組成物と比較して、少ない不純物を含む前記最終組成物を提供する、請求項44〜47のいずれか1項に記載の方法。
JP2016549767A 2014-02-04 2015-02-04 翻訳後修飾を濃縮するための、フロースルーモードにおける陽イオン交換クロマトグラフィーの使用 Active JP6609561B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201461935728P 2014-02-04 2014-02-04
US61/935,728 2014-02-04
PCT/US2015/014469 WO2015120056A1 (en) 2014-02-04 2015-02-04 Use of cation-exchange chromatography in the flow-through mode to enrich post-translational modifications

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017505780A true JP2017505780A (ja) 2017-02-23
JP6609561B2 JP6609561B2 (ja) 2019-11-20

Family

ID=52684642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016549767A Active JP6609561B2 (ja) 2014-02-04 2015-02-04 翻訳後修飾を濃縮するための、フロースルーモードにおける陽イオン交換クロマトグラフィーの使用

Country Status (8)

Country Link
US (2) US20160347787A1 (ja)
EP (1) EP3102589A1 (ja)
JP (1) JP6609561B2 (ja)
KR (3) KR102567586B1 (ja)
AU (1) AU2015214245B2 (ja)
IL (2) IL246912B (ja)
NZ (1) NZ722391A (ja)
WO (1) WO2015120056A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021500028A (ja) * 2017-10-20 2021-01-07 フレッド ハッチンソン キャンサー リサーチ センター 選択された抗体を発現するように遺伝子改変されたb細胞を産生するシステム及び方法
JP2022540838A (ja) * 2019-07-08 2022-09-20 サム チュン ダン ファーム.カンパニー,リミテッド 眼科用タンパク質医薬品の精製方法(Refining method of ophthalmic protein pharmaceuticals)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6621176B2 (ja) * 2016-01-22 2019-12-18 旭化成メディカル株式会社 タンパク質の精製方法
MY190626A (en) 2019-12-06 2022-04-27 Regeneron Pharma Anti-vegf protein compositions and methods for producing the same

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040186277A1 (en) * 1999-08-06 2004-09-23 Aventis Behring Gmbh Process for the preparation in pure form of the protease activating blood clotting factor VII, its proenzyme or a mixture of both proteins by means of ion-exchange chromatography
WO2007046631A1 (en) * 2005-10-18 2007-04-26 Green Cross Corporation Method for manufacturing high purified factor ix
US20080076155A1 (en) * 1999-01-05 2008-03-27 Immunex Corporation Method for producing recombinant proteins
WO2010071208A1 (ja) * 2008-12-19 2010-06-24 武田薬品工業株式会社 抗体の精製方法
JP2011502161A (ja) * 2007-10-30 2011-01-20 ジェネンテック, インコーポレイテッド 陽イオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製
WO2011015926A1 (en) * 2009-08-03 2011-02-10 Avesthagen Limited A process of fermentation, purification and production of recombinant soluble tumour necrosis factor alfa receptor (tnfr) - human igg fc fusion protein
CN102066417A (zh) * 2008-06-24 2011-05-18 奥克塔法马股份有限公司 提纯凝固因子ⅷ的方法
JP2013500711A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム 組換えadamts13および他のタンパク質を精製する方法ならびにそれらの組成物
WO2013009526A1 (en) * 2011-07-08 2013-01-17 Merck Sharp & Dohme Corp. Method for purifying fc-fusion protein

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4757006A (en) 1983-10-28 1988-07-12 Genetics Institute, Inc. Human factor VIII:C gene and recombinant methods for production
US5004804A (en) 1984-01-12 1991-04-02 Nordisk Gentofte Method and composition for preparation of factor VIIIC
US7138505B1 (en) 1984-01-12 2006-11-21 Novartis Vaccines And Diagnostics, Inc. Factor VIII:C nucleic acid molecules
JPH0788399B2 (ja) 1985-04-12 1995-09-27 ジェネティックス・インスチチュ−ト・インコ−ポレ−テッド 新規プロコアギュラント蛋白質
KR910006424B1 (ko) 1985-08-21 1991-08-24 인코텍스 비.브이 편성브리프(brief) 제조방법
US5198349A (en) 1986-01-03 1993-03-30 Genetics Institute, Inc. Method for producing factor VIII:C and analogs
US5250421A (en) 1986-01-03 1993-10-05 Genetics Institute, Inc. Method for producing factor VIII:C-type proteins
ATE87663T1 (de) 1986-01-03 1993-04-15 Genetics Inst Verfahren zur herstellung von faktor-viii:c-typ- proteinen.
US5595886A (en) 1986-01-27 1997-01-21 Chiron Corporation Protein complexes having Factor VIII:C activity and production thereof
US5610278A (en) 1986-06-24 1997-03-11 Novo Nordisk A/S Process for producing a coagulation active complex of factor VIII fragments
US6060447A (en) 1987-05-19 2000-05-09 Chiron Corporation Protein complexes having Factor VIII:C activity and production thereof
IE69026B1 (en) 1987-06-12 1996-08-07 Immuno Ag Novel proteins with factor VIII activity process for their preparation using genetically-engineered cells and pharmaceutical compositions containing them
US6346513B1 (en) 1987-06-12 2002-02-12 Baxter Trading Gmbh Proteins with factor VIII activity: process for their preparation using genetically-engineered cells and pharmaceutical compositions containing them
DE3720246A1 (de) 1987-06-19 1988-12-29 Behringwerke Ag Faktor viii:c-aehnliches molekuel mit koagulationsaktivitaet
FR2619314B1 (fr) 1987-08-11 1990-06-15 Transgene Sa Analogue du facteur viii, procede de preparation et composition pharmaceutique le contenant
SE465222C5 (sv) 1989-12-15 1998-02-10 Pharmacia & Upjohn Ab Ett rekombinant, humant faktor VIII-derivat och förfarande för dess framställning
EP1016673B1 (en) 1992-10-02 2006-02-01 Genetics Institute, LLC Composition comprising coagulation factor VIII formulation, process for its preparation and use of a surfactant as stabilizer
SE504074C2 (sv) 1993-07-05 1996-11-04 Pharmacia Ab Proteinberedning för subkutan, intramuskulär eller intradermal administrering
SE9503380D0 (sv) 1995-09-29 1995-09-29 Pharmacia Ab Protein derivatives
US6458563B1 (en) 1996-06-26 2002-10-01 Emory University Modified factor VIII
US7041635B2 (en) 2003-01-28 2006-05-09 In2Gen Co., Ltd. Factor VIII polypeptide
TWI353991B (en) 2003-05-06 2011-12-11 Syntonix Pharmaceuticals Inc Immunoglobulin chimeric monomer-dimer hybrids
TWI364458B (en) 2004-08-27 2012-05-21 Wyeth Res Ireland Ltd Production of tnfr-lg
NO20210454A1 (no) 2004-11-12 2007-06-27 Bayer Healthcare Llc Setedirigert modifikasjon av FVIII
EP2152745B2 (en) * 2007-06-01 2023-03-15 F. Hoffmann-La Roche AG Immunoglobulin purification
BRPI0915394A2 (pt) * 2008-06-24 2017-06-27 Dr Reddys Laboratories Inc purificação de citoquinas modificadas
BR112012004094A2 (pt) 2009-08-24 2016-03-08 Amunix Operating Inc composições de fator vii de coagulação e métodos para fazer e usar as mesmas
SG181130A1 (en) 2009-12-06 2012-07-30 Biogen Idec Hemophilia Inc Factor viii-fc chimeric and hybrid polypeptides, and methods of use thereof
US20130017997A1 (en) 2010-08-19 2013-01-17 Amunix Operating Inc. Factor VIII Compositions and Methods of Making and Using Same
EP2836504B1 (en) * 2012-04-10 2018-11-14 Dr. Reddy's Laboratories Limited Single step fractionation method

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080076155A1 (en) * 1999-01-05 2008-03-27 Immunex Corporation Method for producing recombinant proteins
US20040186277A1 (en) * 1999-08-06 2004-09-23 Aventis Behring Gmbh Process for the preparation in pure form of the protease activating blood clotting factor VII, its proenzyme or a mixture of both proteins by means of ion-exchange chromatography
WO2007046631A1 (en) * 2005-10-18 2007-04-26 Green Cross Corporation Method for manufacturing high purified factor ix
JP2011502161A (ja) * 2007-10-30 2011-01-20 ジェネンテック, インコーポレイテッド 陽イオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製
CN102066417A (zh) * 2008-06-24 2011-05-18 奥克塔法马股份有限公司 提纯凝固因子ⅷ的方法
WO2010071208A1 (ja) * 2008-12-19 2010-06-24 武田薬品工業株式会社 抗体の精製方法
JP2013500711A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム 組換えadamts13および他のタンパク質を精製する方法ならびにそれらの組成物
WO2011015926A1 (en) * 2009-08-03 2011-02-10 Avesthagen Limited A process of fermentation, purification and production of recombinant soluble tumour necrosis factor alfa receptor (tnfr) - human igg fc fusion protein
WO2013009526A1 (en) * 2011-07-08 2013-01-17 Merck Sharp & Dohme Corp. Method for purifying fc-fusion protein

Non-Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANAL. BIOCHEM., vol. 275, JPN6019004613, 1999, pages 98 - 108, ISSN: 0003976294 *
ANAL. BIOCHEM., vol. 348, JPN6019004614, 2005, pages 24 - 39, ISSN: 0003976295 *
BIOMED. CHROMATOGR., vol. 20, JPN6019004615, 2006, pages 843 - 856, ISSN: 0003976296 *
J. CHROMATOGR. A, vol. 1118, no. 2, JPN6019004617, 2006, pages 168 - 179, ISSN: 0003976298 *
J. CHROMATOGR. B, vol. 848, no. 1, JPN6019004616, 2007, pages 151 - 158, ISSN: 0003976297 *
J. CHROMATOGR. B, vol. 862, JPN6019004620, 2008, pages 155 - 160, ISSN: 0003976301 *
J. SEP. SCI., vol. 29, JPN6019004618, 2006, pages 2533 - 2540, ISSN: 0003976299 *
MOL. CELL. PROTEOMICS, vol. 6, JPN6019004619, 2007, pages 1933 - 1941, ISSN: 0003976300 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021500028A (ja) * 2017-10-20 2021-01-07 フレッド ハッチンソン キャンサー リサーチ センター 選択された抗体を発現するように遺伝子改変されたb細胞を産生するシステム及び方法
US11578118B2 (en) 2017-10-20 2023-02-14 Fred Hutchinson Cancer Center Systems and methods to produce B cells genetically modified to express selected antibodies
JP7383607B2 (ja) 2017-10-20 2023-11-20 フレッド ハッチンソン キャンサー センター 選択された抗体を発現するように遺伝子改変されたb細胞を産生するシステム及び方法
JP2022540838A (ja) * 2019-07-08 2022-09-20 サム チュン ダン ファーム.カンパニー,リミテッド 眼科用タンパク質医薬品の精製方法(Refining method of ophthalmic protein pharmaceuticals)
JP7320121B2 (ja) 2019-07-08 2023-08-02 サム チュン ダン ファーム.カンパニー,リミテッド 眼科用タンパク質医薬品の精製方法(Refining method of ophthalmic protein pharmaceuticals)

Also Published As

Publication number Publication date
IL246912B (en) 2022-05-01
KR102382402B1 (ko) 2022-04-01
US20220306684A1 (en) 2022-09-29
KR20230136616A (ko) 2023-09-26
IL292150A (en) 2022-06-01
KR102567586B1 (ko) 2023-08-16
EP3102589A1 (en) 2016-12-14
KR20160117562A (ko) 2016-10-10
WO2015120056A1 (en) 2015-08-13
AU2015214245B2 (en) 2020-09-10
KR20220044391A (ko) 2022-04-07
JP6609561B2 (ja) 2019-11-20
US20160347787A1 (en) 2016-12-01
IL246912A0 (en) 2016-09-29
AU2015214245A1 (en) 2016-08-11
NZ722391A (en) 2022-12-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11168110B2 (en) Method for separation of monomeric polypeptides from aggregated polypeptides
US20220306684A1 (en) Use of cation-exchange chromatography in the flow-through mode to enrich post-translational modifications
US10954294B2 (en) Correctly folded etanercept in high purity and excellent yield
Palombo et al. Affinity purification of immunoglobulin M using a novel synthetic ligand
EP3436473A1 (en) A process for purification of fc-fusion proteins
Sánchez-Trasviña et al. Purification of modified therapeutic proteins available on the market: An analysis of chromatography-based strategies
WO2013013193A1 (en) Polypeptide separation methods
US20210253631A1 (en) Methods of purification
WO2001064711A1 (fr) Procede de separation et de purification de proteine
EP2365985B1 (en) Purification of factor v
Peters et al. Mixed-mode chromatography in downstream process development
US9926365B2 (en) Methods for reducing glycoprotein aggregation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190213

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190510

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6609561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250