JP2017501723A - 新規な抗adam17抗体および癌の治療におけるその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ADAM17と結合し得る新規な抗体ならびにまた前記抗体をコードするアミノ酸配列および核酸配列に関する。一態様から、本発明は、抗腫瘍活性を有する、ADAM17と結合し得る新規な抗体または抗原結合性フラグメントに関する。本発明はまた、癌の治療のための薬物としての前記抗体の使用も含んでなる。最後に、本発明は、前記抗体を単独で、または他の抗癌化合物と組み合わせてまたは複合化して含んでなる組成物、および癌の治療におけるそれらの使用を含んでなる。
Description
本発明は、ADAM17と結合し得る新規な抗体ならびに前記抗体をコードするアミノ酸配列および核酸配列に関する。一態様において、本発明は、抗腫瘍活性を有する、ADAM17と結合し得る新規な抗体または抗原結合性フラグメントに関する。本発明はまた、癌の治療のための薬物としての前記抗体の使用も含んでなる。最後に、本発明は、前記抗体を単独で、または他の抗癌化合物と組み合わせてまたは複合化して含んでなる組成物、および癌の治療におけるそれらの使用を含んでなる。
ADAM17(ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメイン含有タンパク質17(A disintegrin and metalloproteinase domain-containing protein 17))は、ヘビ毒様プロテアーゼ、TNF−αコンベルターゼ、TNF−α−変換酵素(TACE)およびCD 156bとも呼ばれる、いくつかの病理学的に重要な基質の細胞外切断(エクトドメインシェディング(ectodomain shedding))を担う膜結合メタロプロテアーゼである。最初に膜結合プロTNF−α遊離可溶性タンパク質の切断を担う酵素として同定され(Black R.A. et al, 1997 (Nature. 1997; 385(6618):729-33), Moss M.L. et al, 1997 (Nature. 1997; 385(6618):733-6))、以来、ADAM17は多数の膜結合前駆体タンパク質のエクトドメインシェディングにおいて記載されている(Black R.A. et al, 1997 (Nature. 1997; 385(6618):729-33), Moss M.L. et al, 1997 (Nature. 1997; 385(6618):733-6))。ADAM17によるエクトドメインシェディングは、細胞の膜から多数の可溶性サイトカインおよび増殖因子、例えば、アンフィレグリン、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HB−EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGF−α)、エピレグリン、エピジェンおよびニューレグリンを遊離する(Arribas J. et al, (Curr Pharm Des. 2009; 15(20):2319-35))。ADAM17はまた、IL−6Ra、IL−1RII、Her4、c−Kit、Notch、Mer、TNF−α RI & IIを含む多くの受容体のシェディングを媒介し(Arribas, 2009)、そこでの生理学的結果は、受容体シェディングもしくは可溶性リガンド捕捉を介したシグナルサイレンシング、またはIL−6Raおよびgp130に関して記載されているような受容体のトランス活性化(Chalaris A. et al, 2011 (Eur J Cell Biol. 2011; 90(6-7):484-94))であり得る。ADAM17は、多数の接着分子のシェディングおよび細胞外微小環境の成分、例えば、L−セレクチン、ICAM−1、VCAM−1、ネクチン−4、CD44およびコラーゲンXVIIを介して細胞外マトリックスのリモデリングおよび細胞−細胞接触に積極的に関与することができる。ADAM17のよく理解されてない活性としては、細胞プリオンタンパク質およびアミロイド前駆体タンパク質のエクトドメインシェディングが含まれる。
疑念を避けるため、明示されない限り、ADAM17とは、配列番号29の配列のヒトADAM17に関する。
構造的には、ADAM17は、プレプロタンパク質ドメイン(aa1〜214)、細胞外ドメイン(aa215〜671)、膜貫通ドメイン(aa672〜692)および細胞質ドメイン(aa693〜824)を含んでなる824アミノ酸のタンパク質からなる。
より詳しくは、細胞外ドメインは、配列番号30の配列(ADAM17のaa215〜474に相当する)のメタロプロテアーゼ(MP)ドメイン、配列番号31の配列(ADAM17のaa475〜563に相当する)のディスインテグリン(DI)ドメインおよび配列番号32の配列(ADAM17のaa564〜671に相当する)の膜近位(MPD)ドメインから構成される。
ADAM17は、アンタゴニスト抗体の作製のための技術上困難な標的として記載されており、実際に、所望の特徴を生じるための特異的結合剤の選択および最適化を必要とする複雑な選択戦略が記載されている。これまでに記載されているこのような特異的アンタゴニストは1つだけであり、抗体D1(A12)は、ディスインテグリン−システインリッチドメインと触媒ドメインを同時に介してADAM17と結合し得る。D1(A12)のアンタゴニスト活性は、そのアンタゴニスト活性を示すためにディスインテグリン−システインリッチドメインと触媒ドメインの両方との結合に依存する。
本発明は、有効な抗腫瘍活性を有するADAM17を標的とする適切な抗体の欠如を改善することを意図する。
第1の態様において、本発明は、ADAM17と結合し得る抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
特定の態様において、本明細書に記載の抗体は、従来技術に記載されている抗体とは対照的にシングルドメインを介してADAM17と結合し得る。言い換えれば、本発明による抗体は、単一のエピトープと結合し得るが、従来技術の抗体は、ディスインテグリン−システインリッチドメインと触媒ドメインという2つの異なる独立したドメインから構成されるコンフォメーショナルエピトープに結合する。
この特性は、抗体の結合が患者の性質、処置される病態の性質、患者の健康状態などによるADAM17の特定のコンフォメーションに依存しないので、特に着目される。
一実施形態では、ADAM17エピトープと結合し、かつADAM17の少なくとも1つの基質のシェディング(shedding)を阻害するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントが記載され、ここで、前記ADAM17エピトープは、配列番号32の配列の膜近位ドメイン(MPD)内に含まれる単一のエピトープからなる。
一実施形態では、ADAM17エピトープと結合し、かつADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを阻害するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントが記載され、ここで、前記ADAM17エピトープは、配列番号32の配列の膜近位ドメイン(MPD)内に含まれるエピトープからなる。
ADAM17のMPDに結合する抗体は、限定されるものではないが、免疫およびハイブリドーマ作製、モノクローナルB細胞選択、ファージディスプレー、リボゾームディスプレー、酵母ディスプレー、標的化遺伝子合成と組み合わせた発現免疫応答シーケンシングを含む、当業者に周知のいくつかの技術のうちのいずれかによって得ることができる。各方法は、標的抗原としてADAM17タンパク質または選択されたサブドメインを用いて行うことができる。当業者ならば、ADAM17細胞外ドメイン、またはより詳しくは、MPDと結合する抗体の集団からMPD結合抗体を選択することができるであろう。続いての選択および特性決定は、MPD結合に関する選択工程も意味し、それにより、ADAM17細胞外ドメインに対する総ての結合剤が、MPDまたはMPDの選択されたサブドメインに対する結合に関して選択的にスクリーニングされる。あるいは、総ての選択工程はMPDまたはMPDの選択されたサブドメインに対して行うことができ、天然のADAM17細胞外ドメインに対する結合が、続いての選択および特性決定工程として使用される。
特定の実施形態によれば、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、モノクローナル抗体からなることを特徴とする。
「モノクローナル抗体」は、均質に近い抗体集団から生じる抗体を意味すると理解される。より詳しくは、集団の個々の抗体は、最小の割合で見られ得る少数の起こり得る自然突然変異以外は同一である。言い換えれば、モノクローナル抗体は、単細胞クローン(例えば、ハイブリドーマ、均質な抗体をコードするDNA分子でトランスフェクトされた真核生物宿主細胞、均質な抗体をコードするDNA分子でトランスフェクトされた原核生物宿主細胞など)の成長から生じる抗体からなり、一般に、1つおよび1つだけのクラスおよびサブクラスの重鎖と1タイプだけの軽鎖を特徴とする。モノクローナル抗体は特異性が高く、かつ、単一の抗原向けられる。
「結合(binding)」または「結合する(binds)」などは、抗体またはその抗原結合性フラグメントが生理学的条件下で比較的安定な抗原と複合体を形成することが意図される。2つの分子が結合するかどうかを決定するための方法は当技術分野で周知であり、例えば、平衡透析、および表面プラズモン共鳴などが含まれる。疑念を避けるため、それは、前記抗体または抗原結合性フラグメントが別の抗体と低レベルで結合または干渉できないことを意味するものではない。好ましい実施形態としては、前記抗体またはその抗原結合性フラグメントは、非特異的分子(BSA、カゼインなど)に対する結合に関するその親和性の少なくとも2倍の親和性でその抗原に結合する。しかしながら、別の実施形態として、前記抗体またはその抗原結合性フラグメントは、前記抗原にのみ結合する。
膜近位ドメイン(MPD)、既述のように、ヒトADAM17(配列番号29の配列)のアミノ酸ドメイン564〜671からなる。ここで、マウスADAM17の対応するMPDもまたアミノ酸564〜671から構成されることも指摘できる。
特定の態様によれば、本明細書に記載の抗体は、メタロプロテアーゼ(MP)ドメインと結合せず、前記MPドメインは配列番号29の配列のアミノ酸215〜474から構成される。
特定の態様によれば、本明細書に記載の抗体はディスインテグリン(DI)ドメインと結合せず、前記DIドメインは、配列番号29の配列のアミノ酸475〜563から構成される。
シェディング活性を担うことが知られているADAM17の触媒ドメインに干渉せずに、ADAM17基質のシェディングを低減または阻害し得るアンタゴニスト、より詳しくは、抗体は記載されたことも示唆されたこともないので、この態様は驚くべきものである。言い換えれば、本明細書に記載の抗体は、病態の特定の状況において少なくとも1つの基質に関するADAM17の酵素活性を選択的に低減または阻害することができ、前記病態は癌である。本明細書に記載の抗体の利点は、それが触媒ドメインとは結合しないが、その基質の全部または一部に対するADAM17の酵素活性を低減または阻害できる可能性があることから、ADAM17の全触媒活性を阻害しないと思われるという事実によるものであり得る。
一実施形態では、本出願に記載の抗体は、ADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50で阻害する。
本発明に関して、「IC50」という表現は、達成可能な最大の半分の阻害を達成するのに必要な、用量応答評価における抗体の濃度を意味する。IC50のこのような評価は、細胞からの基質シェディング評価または組換えタンパク質を用いた蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペプチド切断アッセイによって行うことができる。
好ましい態様において、本発明による抗体は、TNF−α(腫瘍壊死因子α)のシェディングを、より好ましくは、少なくとも500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50で阻害し得る。
好ましい態様において、本発明による抗体は、TGF−α(トランスフォーミング増殖因子α)のシェディングを、より好ましくは、少なくとも500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50で阻害し得る。
好ましい態様において、本発明による抗体は、アンフィレグリン(AREG)のシェディングを、より好ましくは、少なくとも500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50で阻害し得る。
好ましい態様において、本発明による抗体は、HB−EGF(ヘパリン結合EGF様増殖因子)のシェディングを、より好ましくは、少なくとも500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50で阻害し得る。
一実施形態では、本発明の抗体は、TNF−α、TGF−α、AREGおよびHB−EGFから選択されるADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを阻害することを特徴とする。
一実施形態において、本発明の抗体は、TNF−α、TGF−α、AREGおよびHB−EGFから選択されるADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを少なくとも500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは、100pM以下のIC50で阻害することを特徴とする。
一実施形態において、本発明の抗体は、TNF−α、TGF−α、AREGおよびHB−EGFのシェディングを少なくとも500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50で阻害することを特徴とする。
別の態様によれば、本抗体は、表面プラズモン共鳴(SPR)で測定した場合に約10nM以下、好ましくは約5nM以下のKdでADAM17エピトープと結合することを特徴とする。
別の実施形態では、本抗体は、表面プラズモン共鳴(SPR)で測定した場合に約10nM以下、好ましくは約5nM以下、より好ましくは約2nM以下のKdでADAM17エピトープと結合することを特徴とする。
「Kd」は、「Kd」または「KD」とも呼ばれ、特定の抗体−抗原複合体の解離定数を意味する。Kd=Koff/Kon ここで、Koffは、抗体−抗原複合体からの抗体解離の解離速度定数であり、Konは、抗体が抗原と会合する速度である(Chen Y. et al, 1999; J Mol Biol. 1999; 293(4):865-81))。
本明細書では、本発明は天然形態の抗体に関するものではなく、すなわち、それはその天然環境にはなく、天然源から精製により単離または取得できた、またはそうでなければ遺伝子組換え、もしくは化学合成により取得できた、本明細書に記載されるように、その後、非天然アミノ酸を含み得ると理解されなければならない。
本発明の一実施形態は、ADAM17エピトープと結合し、かつ、6つのCDR(相補性決定領域)を含んでなり得る抗体またはその抗原結合性フラグメントであり、ここで、前記6つのCDRのうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、より好ましくは少なくとも5つが、配列番号1〜6のアミノ酸配列または最適なアラインメントの後に配列番号1〜6の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列を含んでなるCDRから選択される。
本発明の別の実施形態では、抗体または任意のその抗原結合性フラグメントは、配列番号1〜6の配列、または最適なアラインメントの後に配列番号1〜6の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列の6つのCDRを含んでなる。
別の実施形態では、本発明は、ADAM17エピトープと結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントに関し、前記抗体は、
それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;および
それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖
を含んでなる。
それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;および
それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖
を含んでなる。
本発明の一実施形態において、CDR−H1は配列番号1の配列を含んでなり、X1と表される残基は極性アミノ酸から選択される。極性アミノ酸は好ましくは、アスパラギン(AsnもしくはN)、アスパラギン酸(AspもしくはD)、グルタミン(GlnもしくはQ)、セリン(SerもしくはS)、グルタミン酸(GluもしくはE)、アルギニン(ArgもしくはR)、リシン(LysもしくはK)、ヒスチジン(HisもしくはH)、トリプトファン(TrpもしくはW)、チロシン(TyrもしくはY)またはトレオニン(ThrもしくはT)から選択される。
別の好ましい実施形態では、残基X1は、小型極性アミノ酸から選択される。小型極性アミノ酸は好ましくは、アスパラギン(AsnもしくはN)、アスパラギン酸(AspもしくはD)、セリン(SerもしくはS)またはトレオニン(ThrもしくはT)から選択される。
別の好ましい実施形態では、残基X1は、アスパラギン(AsnまたはN)である。
本出願の抗体対象は、CDR−H1のアミノ酸配列が配列番号7のアミノ酸配列であることを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、残基X1は、アスパラギン酸(AspまたはD)である。
本出願の抗体対象は、CDR−H1のアミノ酸配列が配列番号8のアミノ酸配列であることを特徴とする。
抗体の「抗原結合性フラグメント」という表現は、前記抗体の標的(一般には抗原とも呼ばれる)、一般には同じエピトープに結合する能力を保持し、かつ、抗体のアミノ酸配列の少なくとも5つの連続するアミノ酸残基、少なくとも10の連続するアミノ酸残基、少なくとも15の連続するアミノ酸残基、少なくとも20の連続するアミノ酸残基、少なくとも25の連続するアミノ酸残基、少なくとも40の連続するアミノ酸残基、少なくとも50の連続するアミノ酸残基、少なくとも60の連続するアミノ酸残基、少なくとも70の連続するアミノ酸残基、少なくとも80の連続するアミノ酸残基、少なくとも90の連続するアミノ酸残基、少なくとも100の連続するアミノ酸残基、少なくとも125の連続するアミノ酸残基、少なくとも150の連続するアミノ酸残基、少なくとも175の連続するアミノ酸残基、または少なくとも200の連続するアミノ酸残基のアミノ酸配列を含んでなるいずれのペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質も示すことが意図される。
好ましい実施形態では、前記抗原結合性フラグメントは、それが由来する抗体の少なくとも1つのCDRを含んでなる。さらに好ましい実施形態では、前記抗原結合性フラグメントは、それが由来する抗体の2つ、3つ、4つまたは5つのCDR、より好ましくは6つのCDRを含んでなる。
「抗原結合性フラグメント」は、限定されるものではないが、Fv、scFv(scは一本鎖を表す)、Fab、F(ab’)2、Fab’、scFv−Fcフラグメントまたはダイアボディ、またはXTEN(延長組換えポリペプチド)もしくはPASモチーフなどの変性ペプチドとの融合タンパク質、またはその半減期がポリ(エチレン)グリコールなどのポリ(アルキレン)グリコールの付加(「ペグ化」)(ペグ化フラグメントはFv−PEG、scFv−PEG、Fab−PEG、F(ab’)2−PEGまたはFab’−PEGと呼ばれる)(「PEG」はポリ(エチレン)グリコールを表す)などの化学修飾により、もしくはリポソーム内への組み込みにより延長される任意のフラグメントからなる群から選択することができ、前記フラグメントは、本発明による抗体の特徴的なCDRのうちの少なくとも1つを有する。好ましくは、前記「抗原結合性フラグメント」は、それらが由来する抗体の可変重鎖または軽鎖の部分配列で構成されるか、または前記部分配列を含んでなり、前記部分配列は、それが由来する抗体と同じ結合特異性および標的に対する十分な親和性、好ましくは、それが由来する抗体の親和性の少なくとも1/100、より好ましい様式では少なくとも1/10に相当する親和性を保持するのに十分なものである。
用語「エピトープ」は、抗体により結合される抗原の領域である。エピトープは、構造的エピトープまたは機能的エピトープとして定義され得る。機能的エピトープは一般に、構造的エピトープのサブセットであり、相互作用の親和性に直接寄与する残基を有する。エピトープはまた、コンフォメーショナルエピトープでもあり得る。特定の実施形態では、エピトープは、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル基、またはスルホニル基などの分子の化学的に活性な表面群である決定基を含み得、特定の実施形態では、特定の三次元構造特徴、および/または特異的電荷特徴を持ち得る。
疑念を避けるため、「単一のエピトープ」という表現は、必ずしも直鎖エピトープを意味しない。
疑念を避けるため、文脈がそうではないことを示さない限り、CDRという表現は、IMGTにより定義される抗体の重鎖および軽鎖の超可変領域を意味する。
IMGT独自ナンバリングは、抗原受容体であれ、鎖型であれ、または種であれ、可変ドメインを比較するために定義されている[Lefranc M.-P., Immunology Today 18, 509 (1997) / Lefranc M.-P., The Immunologist, 7, 132-136 (1999) / Lefranc, M.-P., Pommie, C, Ruiz, M., Giudicelli, V., Foulquier, E., Truong, L., Thouvenin-Contet, V. and Lefranc, Dev. Comp. Immunol, 27, 55-77 (2003)]。IMGT独自ナンバリングでは、保存されているアミノ酸は、常に同じ位置を持ち、例えば、システイン23(1st−CYS)、トリプトファン41(CONSERVED−TRP)、疎水性アミノ酸89、システイン104(2nd−CYS)、フェニルアラニンまたはトリプトファン118(J−PHEまたはJ−TRP)などである。IMGT独自ナンバリングは、フレームワーク領域の標準的な画定(FR1−IMGT:1〜26番、FR2−IMGT:39〜55番、FR3−IMGT:66〜104番およびFR4−IMGT:118〜128番)および相補性決定領域の標準的な画定:CDR1−IMGT:27〜38番、CDR2−IMGT:56〜65番およびCDR3−IMGT:105〜117番を提供する。ギャップは占有されていない位置を表すので、CDR−IMGT長(括弧内に示され、ドットで仕切られる、例えば[8.8.13])は重要な情報となる。IMGT独自ナンバリングは、IMGT Colliers de Perles[Ruiz, M. and Lefranc, M.-P., Immunogenetics, 53, 857-883 (2002) / Kaas, Q. and Lefranc, M.-P., Current Bioinformatics, 2, 21-30 (2007)]と呼ばれる2Dグラフ、およびIMGT/3Dstructure−DB[Kaas, Q., Ruiz, M. and Lefranc, M.-P., T cell receptor and MHC structural data. Nucl. Acids. Res., 32, D208-D210 (2004)]における3D構造において使用される。
3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRが存在する。用語CDR(単数または複数)は、本明細書では、場合に応じて、抗体が認識する抗原またはエピトープに対するその抗体の親和性により結合を担うアミノ酸残基の大多数を含むこれらの領域の1つまたはこれらの領域のいくつかを、もしくは全体でさえ示すために使用される。
本発明による抗体またはその任意の抗原結合性フラグメントはまた、i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖と、ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%>、好ましくは85%>、90%)、95%および98%>の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖とを含んでなると記載することもできる。
本発明の意味において、核酸またはアミノ酸の2配列間の「同一性パーセンテージ」または「同一性%」は、最適なアラインメントの後に得られる、比較する2配列間の同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基パーセンテージを意味し、このパーセンテージは、純粋に統計学的なものであり、2配列間の差異はそれらの長さに沿ってランダムに分布している。2つの核酸配列またはアミノ酸配列間の比較は、それらを最適にアラインした後に配列を比較することによって慣例的に行われ、前記比較はセグメントにより、または「アラインメントウインドウ」を使用することによって行うことができる。比較のための配列の最適なアラインメントは、手による比較の他、Smith and Waterman (1981) [Ad. App. Math. 2:482]のローカルホモロジーアルゴリズムの手段によるか、Neddleman and Wunsch (1970) [J. Mol. Biol. 48:443]ローカルホモロジーアルゴリズムの手段によるか、Pearson and Lipman (1988) [Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444]の類似性検索法の手段によるか、またはこれらのアルゴリズムを用いるコンピューターソフトウエア(the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA、または比較ソフトウエアBLAST NRもしくはBLAST Pによる)の手段によって行うことができる。
2つの核酸配列またはアミノ酸配列間の同一性パーセンテージは、2つの最適にアラインされた配列を比較することによって決定され、ここで、比較する核酸配列またはアミノ酸配列は、その2配列間の最適なアラインメントの参照配列と比較して付加または欠失を持ち得る。同一性パーセンテージは、2配列間、好ましくは2つの全配列の間でアミノ酸、ヌクレオチドまたは残基が同一である位置の数を決定し、その同一の位置の数をアラインメントウインドウ内の位置の総数で割り、その商に100を掛けて2配列間の同一性パーセンテージを得ることによって計算される。
例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlのサイトで利用可能なBLASTプログラム、「BLAST 2 sequences」(Tatusova et al, "Blast 2 sequences - a new tool for comparing protein and nucleotide sequences", FEMS Microbiol, 1999, Lett. 174:247-250)をデフォルトパラメーター(特に、パラメーター「オープンギャップペナルティー」:5、および「エクステンションギャップペナルティー」:2に関して;選択されるマトリックスは、このプログラムによって提案される例えば「BLOSUM 62」マトリックスである)とともに使用し、比較する2配列間の同一性パーセンテージはこのプログラムによって直接計算される。
参照アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%>、95%および98%>の同一性を示すアミノ酸配列に関して、好ましい例としては、参照配列、特定の改変、特に、少なくとも1つのアミノ酸の欠失、付加もしくは置換、末端切断または延長を含有するものが含まれる。1以上の連続または非連続アミノ酸の置換の場合、置換アミノ酸が「等価な」アミノ酸により置換される置換が好ましい。ここで、「等価なアミノ酸」は、構造アミノ酸の1つに関しておそらく置換されるが、対応する抗体の生物活性を変更しないいずれのアミノ酸も示すものとする。
等価なアミノ酸は、それらが置換されるアミノ酸との構造的相同性か、または生成される可能性のある種々の抗体間の生物活性の比較試験の結果かのいずれかに基づいて決定され得る。
限定されない例として、下記表1は、対応する改変抗体の生物活性に有意な改変をもたらさずに行えると思われる潜在的置換をまとめたものであり、同じ条件下で逆の置換も通常可能である。
本発明による抗体または任意のその抗原結合性フラグメントはまた、i)それぞれ配列番号7、2および3のアミノ酸配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3、または最適なアラインメントの後に配列番号7、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなる重鎖と、ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%>、好ましくは85%、90%)、95%および98%>の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖とを含んでなると記載することもできる。
本発明による抗体または任意のその抗原結合性フラグメントはまた、i)それぞれ配列番号8、2および3のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号8、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖と、ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%>、好ましくは85%、90%)、95%)および98%>の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖とを含んでなると記載することもできる。
さらに別の実施形態によれば、本発明の抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号9のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号9の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性有する配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインを含んでなる。
さらに別の実施形態によれば、本発明の抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号11のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号11の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインを含んでなる。
さらに別の実施形態によれば、本発明の抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号12のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号12の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインを含んでなる。
一実施形態において、本抗体は、配列番号9、11または12のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインを含んでなることを特徴とする。
さらに別の実施形態によれば、本発明の抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号10のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号10の配列となくとも80%>、好ましくは85%、90%>、95%および98%>の同一性を有する配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインを含んでなる。
一実施形態において、本抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインを含んでなることを特徴とする。
さらに別の実施形態によれば、本発明の抗体またはその抗原結合性フラグメントは、
i)配列番号9、11もしくは12から選択されるアミノ酸配列を含んでなる配列、または最適なアラインメントの後に配列番号9、11もしくは12の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列の重鎖可変ドメインと、
ii)配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列、または最適なアラインメントの後に配列番号10の配列と少なくとも80%>、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列の軽鎖可変ドメインと
を含んでなる。
i)配列番号9、11もしくは12から選択されるアミノ酸配列を含んでなる配列、または最適なアラインメントの後に配列番号9、11もしくは12の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列の重鎖可変ドメインと、
ii)配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列、または最適なアラインメントの後に配列番号10の配列と少なくとも80%>、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列の軽鎖可変ドメインと
を含んでなる。
より詳しくは、本発明は、配列番号9、11または12のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインと、配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列軽鎖可変ドメインとを含んでなることを特徴とする抗体に関する。
一実施形態において、本抗体またはその抗原結合性フラグメントは、i)配列番号9のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインと、ii)配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる。
一実施形態において、本抗体またはその抗原結合性フラグメントは、i)配列番号11のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインと、ii)配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる。
一実施形態において、本抗体またはその抗原結合性フラグメントは、i)配列番号12のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインと、ii)配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる。
一実施形態において、本抗体は、マウス抗体からなる。この場合、それはm1022C3と呼ばれる。
一実施形態において、本抗体は、キメラ抗体からなる。この場合、それはc1022C3と呼ばれる。
一実施形態において、本抗体は、ヒト化抗体からなる。この場合、それはhz1022C3と呼ばれる。
一実施形態において、本抗体は、ヒト抗体からなる。この場合、それはh1022C3と呼ばれる。
1022C3という表現はまた、本抗体をその起源に関わらずに表すためにも使用でき、それがm/c/h/hz 1022C3を包含することを意味する。
より明確にするために、下記表2に本発明の抗体に相当する種々のアミノ酸配列をまとめる。
別の態様において、本抗体またはその抗原結合性フラグメントは、キメラ抗体からなる。
キメラ抗体は、所与の種の抗体に由来する天然可変領域(軽鎖および重鎖)を、前記の所与のとは異種の抗体の軽鎖および重鎖の定常領域と組み合わせて含有するものである。
本抗体またはそのキメラフラグメントは、組換え遺伝学の技術を使用することにより作製することができる。例えば、キメラ抗体は、プロモーターおよび本発明の非ヒト、特にマウスのモノクローナル抗体の可変領域をコードする配列、およびヒト抗体定常領域をコードする配列を含有する組換えDNAをクローニングすることにより作製することができる。このような1つの組換え遺伝子によりコードされる本発明によるキメラ抗体は、例えばマウス−ヒトキメラであり得、この抗体の特異性はマウスDNAに由来する可変領域より決定され、そのアイソタイプはヒトDNAに由来する定常領域により決定される。キメラ抗体を作製するための方法についてはVerhoeyn et al. (BioEssays, 8:74, 1988)を参照。
本発明の特定の態様は、
i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;
ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびに
iii)マウスとは異種の抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域も含んでなる前記 抗体
を含んでなるキメラ抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;
ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびに
iii)マウスとは異種の抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域も含んでなる前記 抗体
を含んでなるキメラ抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
本発明の一実施形態において、マウスとは異なる前記種はヒト(human)(可能性としてヒト(man)とも呼ばれる)。
一例として、本発明によるキメラ抗体は、配列番号33のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖、および/または配列番号35のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖を含んでなることを特徴とする。
一例として、本発明によるキメラ抗体は、配列番号34のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖と、場合により、配列番号35のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖を含んでなることを特徴とする。
より好ましい実施形態では、本発明によるキメラ抗体は、配列番号33または34のアミノ酸配列を含んでなる配列重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖を含んでなることを特徴とする。
別の態様において、本発明は、ヒト化抗体からなる抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
「ヒト化抗体」は、ヒト起源の抗体に由来するCDR領域を含み、抗体分子の他の部分は1つ(または複数の)非ヒト抗体に由来する抗体を意味する。加えて、骨格セグメント残基(FRと呼ばれる)の一部は結合親和性を保存するように改変することができる(Jones et al. , Nature, 321 :522-525, 1986; Verhoeyen et al, Science, 239: 1534-1536, 1988; Riechmann et al, Nature, 332:323-327, 1988)。
本発明のヒト化抗体またはそのフラグメントは、当業者に公知の技術(例えば、文献Singer et al, J. Immun., 150:2844-2857, 1992; Mountain et al, Biotechnol. Genet. Eng. Rev., 10: 1-142, 1992;およびBebbington et al, Bio/Technology, 10: 169-175, 1992に記載されているものなど)によって作製することができる。このようなヒト化抗体は、in vitro診断またはin vivoにおける予防的および/または治療的処置を含む方法におけるそれらの使用のために好ましい。例えば、PDLにより特許EP0451261、EP0682040、EP0939127、EP0566647またはUS5,530,101、US6,180,370、US5,585,089およびUS5,693,761に記載されている「CDRグラフト」技術などの他のヒト化技術も当業者に公知である。米国特許第5,639,641号または同第6,054,297号、同第5,886,152号および同第5,877,293号も引用され得る。
本発明の特定の態様は、
i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;
ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびに
iii)ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域も含んでなる前記抗体
を含んでなるヒト化抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;
ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列、または最適なアラインメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびに
iii)ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域も含んでなる前記抗体
を含んでなるヒト化抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
一実施形態では、i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖、ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびにiii)ヒト抗体の由来する軽鎖および重鎖の定常領域も含んでなる前記抗体を含んでなるヒト化抗体またはその抗原結合性フラグメントが記載される。
一実施形態では、i)それぞれ配列番号7、2および3のアミノ酸配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖、ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびにiii)ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域も含んでなる前記抗体を含んでなるヒト化抗体またはその抗原結合性フラグメントが記載される。
一実施形態では、i)それぞれ配列番号8、2および3のアミノ酸配列を含んでなるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖、ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列を含んでなるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖;ならびにiii)ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域も含んでなる前記抗体を含んでなるヒト化抗体またはその抗原結合性フラグメントが記載される。
好ましい様式では、ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域は、それぞれλまたはκおよびγ−1、γ−2またはγ−4領域である。
2012年10月18日にCNCM、パスツール研究所、25 Rue du Docteur Roux、75725 Paris Cedex 15、フランスに寄託されたハイブリドーマI−4686から得られたモノクローナル抗体1022C3、からなることを特徴とするモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントが記載される。
別の態様によれば、本発明は、本発明によるモノクローナル抗体を分泌し得るマウスハイブリドーマ、特に、2012年10月18日にI−4686番としてthe French collection for microorganism cultures(CNCM,パスツール研究所,パリ,フランス)に提出されたマウス起源のハイブリドーマに関する。前記ハイブリドーマは、Balb/C免疫マウス脾細胞と骨髄腫Sp 2/O−Ag 14系統の細胞の融合によって得られたものである。
特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、配列番号32の配列の膜近位ドメイン(MPD)内に含まれるADAM17の単一のエピトープに結合し得ることを特徴とする。
本抗体の別の好ましい特性は、それが500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50でADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを阻害するということであり、前記ADAM17の少なくとも1つの基質は、好ましくはTNF−α、TGF−α、AREGおよび/またはHB−EGFから選択される。
別の実施形態では、本抗体は、表面プラズモン共鳴(SPR)で測定した場合に約10nM以下、好ましくは約5nM以下、より好ましくは約2nM以下のKdでADAM17エピトープと結合することを特徴とする。
本発明の別の態様は、腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害する方法であって、前記方法は、それを必要とする患者に有効量の上記の抗体またはその抗原結合性フラグメントを投与する工程を含んでなる。
別の実施形態では、腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害する方法において使用するための抗体が記載され、前記腫瘍細胞は、ADAM17を発現する腫瘍細胞から選択される。
当業者ならば、サイトメトリー、免疫組織化学、抗体結合能(ABC)などの既知の技術のいずれかによってADAM17の発現レベルを容易に決定できるであろう。
限定されない例として、発現レベルは、ADAM17に対する標識抗体の抗体結合能(ABC)をサイトメトリーにより測定することで決定することができる。
一実施形態において、腫瘍細胞は、少なくとも5000のABCを有するADA17を発現すると見なされる。
別の実施形態では、腫瘍細胞は、少なくとも10000のABCを有するADA17を発現すると見なされる。
本出願の別の態様は、2012年10月18日にCNCM、パスツール研究所、フランスマウスに寄託されたハイブリドーマI−4686に関する。
本発明の別の態様は、下記の核酸:
a)上記の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする核酸;
b)配列番号13〜28の配列、または最適なアラインメントの後に配列番号13〜28および36〜38と少なくとも80%、好ましくは85%、90%>、95%および98%の同一性パーセンテージを示す配列を含んでなる核酸
から選択されることを特徴とする単離された核酸に関する。
a)上記の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする核酸;
b)配列番号13〜28の配列、または最適なアラインメントの後に配列番号13〜28および36〜38と少なくとも80%、好ましくは85%、90%>、95%および98%の同一性パーセンテージを示す配列を含んでなる核酸
から選択されることを特徴とする単離された核酸に関する。
本発明は、下記の核酸:
a)上記の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードするDNAまたはRNA;および
b)配列番号13〜28および36〜38からなる群から選択される配列のうちの1つを含んでなる、好ましくは、CDR H1、H2、H3およびL1、L2、L3をコードする6つの核酸、または重鎖および/もしくは軽鎖、好ましくは、配列番号13〜28および36〜38からなる群から選択される抗ADAM17抗体可変ドメインをコードする核酸を含んでなるDNA
から選択されることを特徴とする単離された核酸に関する。
a)上記の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードするDNAまたはRNA;および
b)配列番号13〜28および36〜38からなる群から選択される配列のうちの1つを含んでなる、好ましくは、CDR H1、H2、H3およびL1、L2、L3をコードする6つの核酸、または重鎖および/もしくは軽鎖、好ましくは、配列番号13〜28および36〜38からなる群から選択される抗ADAM17抗体可変ドメインをコードする核酸を含んでなるDNA
から選択されることを特徴とする単離された核酸に関する。
下記表3に本発明の抗体に関する種々のヌクレオチド配列をまとめる。
用語「核酸」、「核配列」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」および「ヌクレオチド配列」は、本明細書において互換的に使用され、非天然ヌクレオチドを含有するまたは含有せず、二本鎖DNA、一本鎖DNAまたは前記DNAの転写産物のいずれかであるフラグメントまたは核酸の領域を定義する、改変されたまたは改変されていないヌクレオチドの厳密な配列を意味する。
ここで、本発明はそれらの天然の染色体環境にある、すなわち天然状態にあるヌクレオチド配列に関するものではないことも含めておくべきであろう。本発明の配列は単離および/または精製されたものであり、すなわち、それらは直接または例えばコピーにより間接的にサンプリングされたものであり、それらの環境は少なくとも部分的に改変されている。ここで、組換え遺伝学により、例えば宿主細胞の手段により得られた、または化学合成により得られた単離された核酸も述べておくべきであろう。
最適なアラインメントの後に好ましい配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%)、95%および98%>の同一性パーセンテージを示す「核配列」とは、参照核配列に対して、特に、欠失、末端切断、延長、キメラ融合および/または置換などの特定の改変、特に規則的なものを示す核配列を意味する。好ましくは、これらは参照配列と同じアミノ酸配列をコードする配列(これは遺伝コードの縮重に関するものである)、または好ましくは高ストリンジェント条件下で参照配列と特異的にハイブリダイズし得る相補配列である。
また、上述の核酸を含んでなるベクターも記載される。
本発明は特に、このようなヌクレオチド配列を含むクローニングおよび/または発現ベクターを目的とする。
本発明のベクターは、好ましくは、所与の宿主細胞内でヌクレオチド配列の転写/翻訳発現および/または分泌を可能とする要素を含み、その結果、コードされるタンパク質の発現/分泌をもたらす。従って、ベクターは、プロモーター、翻訳開始および終結シグナル、ならびに好適な転写調節領域を含まなければならない。好ましい実施形態では、このようなベクターは、宿主細胞内で安定な様式で維持され得るべきであり、場合により翻訳されたタンパク質の分泌を指定する特定のシグナルを有してもよい。これらの種々要素は、使用する宿主細胞に応じて当業者により選択および最適化される。この目的で、ヌクレオチド配列は選択された宿主内で自己複製するベクターに挿入することもできるし、または選択された宿主の組み込みベクターとすることもできる。
このようなベクターは、当業者により一般に使用される方法によって作製され、得られたクローンをリポフェクション、エレクトロポレーション、熱ショックまたは化学法などの標準的な方法によって好適な宿主に導入することができる。
ベクターは、例えば、プラスミドまたはウイルス起源のベクターである。それらはクローンまたは本発明のヌクレオチド配列をクローニングするまたは発現させることを目的に、宿主細胞を形質転換するために使用される。
本発明はまた、上記のベクターを含んでなる宿主細胞にも関する。
宿主細胞は、原核生物系または真核生物系、例えば、細菌細胞、例えばまた、酵母細胞または動物細胞、特に哺乳動物細胞の中から選択することができる。昆虫細胞または植物細胞も使用可能である。
本出願のもう1つの主題は、上記の抗体により形質転換された少なくとも1つの細胞を含んでなる、ヒト以外のトランスジェニック動物からなる。
従ってまた、本明細書による抗体またはその抗原結合性フラグメントの生産のための方法であって、下記の工程:
a)上記の細胞の、培地および適当な培養条件での培養;および
b)前記培養培地または前記培養細胞から出発して生産された前記抗体またはその抗原結合性フラグメントの回収
を含んでなることを特徴とする方法も記載される。
a)上記の細胞の、培地および適当な培養条件での培養;および
b)前記培養培地または前記培養細胞から出発して生産された前記抗体またはその抗原結合性フラグメントの回収
を含んでなることを特徴とする方法も記載される。
本発明による形質転換細胞は、本発明による組換えポリペプチドの作製のための方法に使用される。その方法がベクターおよび/または本発明によるベクターにより形質転換された細胞を使用することを特徴とする、組換え形態での本発明によるポリペプチドの作製のための方法もまた本発明に含まれる。好ましくは、本発明によるベクターにより形質転換された細胞は、前述のポリペプチドの発現および前記組換えペプチドの回収を可能とする条件下で培養される。
既述のように、宿主細胞は、原核生物系または真核生物系の中から選択することができる。特に、このような原核生物系または真核生物系で分泌を促進する本発明のヌクレオチド配列を同定することが可能である。従って、このような配列を有する本発明によるベクターは、分泌させる組換えタンパク質の生産に有利に使用することができる。実際に、対象とするこれらの組換えタンパク質の精製は、それらが宿主細胞の内部ではなく細胞培養の上清中に存在するという事実によって容易となる。
本発明のポリペプチドはまた化学合成によって作製することもできる。1つのこのような作製方法もまた、本発明の対象である。当業者ならば、固相技術(特に、Steward et ah, 1984, Solid phase peptides synthesis, Pierce Chem. Company, Rockford, 111, 第2版参照)または部分的固相技術、フラグメントの縮合による、または溶液中での従来の合成によるなどの化学合成の方法を知っている。化学合成により得られ、対応する非天然アミノ酸を含有し得るポリペプチドも本発明に含まれる。
本発明の方法により得られる可能性のある抗体またはその抗原結合性フラグメントも本発明に含まれる。
本発明は、薬物として使用するための上記抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。
本発明はまた、抗腫瘍化合物からなる別の治療上有効な化合物をさらに含んでなることを特徴とする組成物に関する。
一実施形態において、本出願は、上記の抗体を含んでなる組成物に関する。
一実施形態において、組成物は、組合せ製剤として、治療上有効な量の細胞傷害性薬剤をさらに含んでなることを特徴とする。
組合せが構成される成分は、その組合せの最大有効性が得られるように、同時、個別、または逐次に投与してよく、各投与については、迅速投与から連続潅流までその持続時間の変更が可能である。
本明細書で使用する場合、「同時投与」とは、単一のユニークな剤形による組成物の2つの化合物の投与を意味する。
本明細書で使用する場合、「個別投与」とは、異なる剤形での本発明による組成物の2つの化合物の同時投与を意味する。
本明細書で使用する場合、「逐次投与」とは、それぞれ異なる剤形で本発明による組成物の2つの化合物の連続的投与を意味する。
「治療上有効な量」とは、本明細書で使用する場合、疾患の症状を予防、緩和、軽減もしくは改善する、または治療される患者の生存を延長するために有効な1つの化合物(または複数の化合物)の最小の濃度または量を意味する。治療上有効な量はまた、薬剤の毒性作用または有害作用に治療上有益な効果が上回るものである。より詳しくは、癌の治療に関して、治療上有効な量は、(1)腫瘍のサイズを縮小する(または好ましくは排除する);(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、いくらか緩徐化する、好ましくは停止させる);(3)腫瘍成長をいくらか阻害する(すなわち、いくらか緩徐化する、好ましくは停止させる);および/または(4)癌に関連する1以上の症状をいくらか緩和する(または好ましくは、排除する)効果を有する量を意味する。
一実施形態において、本組成物は、治療上有効な量の細胞傷害性薬剤を複合製剤としてさらに含んでなることを特徴とする。
本発明の意味において、「複合体」とは一般に、1以上の細胞傷害性薬剤と物理的に連結されて、高度に標的化された化合物となった上記の抗体を少なくとも含んでなる組成物を意味する。
一実施形態において、前記抗体は、リンカーによって細胞傷害性薬剤に化学的に連結される。「リンカー」、「リンカー単位」、または「連結」は、共有結合を含んでなる化学部分または結合タンパク質を少なくとも1つの細胞傷害性薬剤に共有結合する原子の鎖を意味する。リンカーは、「切断不能」でも「切断可能」でもよい。
本発明の組成物はまた、種々の希釈剤、増量剤、塩、バッファー、安定剤、可溶化剤、および当技術分野で周知の他の材料も含み得る。
別の実施形態では、本組成物は、薬学上許容可能なビヒクルをさらに含んでなる医薬組成物である。
本明細書で使用する場合、「薬学上許容可能なビヒクル」または「薬学上許容可能な担体」には、生理学的に適合する溶媒、バッファー、塩溶液、分散媒、被覆剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張化材および吸収遅延剤などのいずれかおよび総てが含まれる。担体のタイプは、意図される投与経路に基づいて選択することができる。種々の実施形態では、担体は、静脈投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、局所投与、経皮投与または経口投与に好適なものである。薬学上許容可能な担体としては、無菌水溶液または分散液および無菌注射溶液または分散液の即時調合製剤のための無菌粉末が含まれる。薬学上有効な物質のための媒体および薬剤の使用は当技術分野で周知である。非経口投与可能な化合物を調製するための方法は周知であるか、または当業者に自明であり、例えば、引用することにより本明細書の一部とされるRemington's Pharmaceutical Science, 第17版, Mack Publishing Company, Easton, Pa. (1985)、およびその第18版および第19版にさらに詳しく記載されている。
「細胞傷害性薬剤」または「細胞傷害性」とは、対象に投与した際に、細胞増殖の進展、好ましくは、対象の身体における癌の発生を、細胞の機能を阻害もしくは抑制することにより、かつ/または細胞死を引き起こすことにより治療または予防する薬剤を意図する。
多くの細胞傷害性薬剤が単離または合成されており、細胞増殖を阻害すること、または腫瘍細胞を、決定的でなくとも少なくとも有意に破壊もしくは減少させることを可能とする。
より詳しくは、細胞傷害性薬剤は、好ましくは、限定されるものではないが、薬物、毒素、放射性同位元素などからなる。
別の態様によれば、腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害する方法において使用するための組成物が記載される。
本発明はまた、癌の予防または治療を意図する薬物の製造のための本組成物の使用を含んでなる。
本発明はまた、癌の治療のための、上記の、もしくは上記の方法により得られた抗体または上記の組成物の使用に関し、前記癌はADAM17を発現する癌から選択される癌である。
好ましい実施形態では、前記癌は、卵巣癌、乳癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、頭頸部癌および類表皮癌から選択される癌である。
治療適用に関して、本発明の組成物は、ヒトに、ボーラスとしてもしくは一定期間にわたる持続的注入による静脈内に、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑液嚢内、くも膜下腔内、経口の、局所的、または吸入経路により投与され得るものを含む、上述のものなどの薬学上許容可能な投与形で、哺乳動物、好ましくはヒトに投与される。本発明の前記組成物はまた、局部的ならびに全身性治療効果を発揮するように、腫瘍内、腫瘍近傍、病巣内、または病巣近傍経路により好適に投与される。
本発明の他の特徴および利点は、例および図面とともに本明細書に示され、図面の判例を以下に示す。
実施例1:抗体の作製
ヒトADAM17に対するマウスモノクローナル抗体(mAb)を作製するために、5個体のBALB/cマウスに、15〜20μgのヒトADAM17組換えタンパク質(R and D Systems、ref:930−ADB、rhADAM17)で3回皮下免疫した。最初の免疫は完全フロイントアジュバント(Sigma、セントルイス、MD、USA)の存在下で行った。以降の免疫にはフロイントの不完全アジュバント(Sigma)を加えた。
ヒトADAM17に対するマウスモノクローナル抗体(mAb)を作製するために、5個体のBALB/cマウスに、15〜20μgのヒトADAM17組換えタンパク質(R and D Systems、ref:930−ADB、rhADAM17)で3回皮下免疫した。最初の免疫は完全フロイントアジュバント(Sigma、セントルイス、MD、USA)の存在下で行った。以降の免疫にはフロイントの不完全アジュバント(Sigma)を加えた。
融合の3日前に、2個体の免疫マウス(血清力価測定に基づいて選択)をフロイントの不完全アジュバントとともに15〜20μgのrhADAM17タンパク質で追加免疫した。近位リンパ節の細断によりリンパ球を調製した後、それらをSP2/0−Ag14骨髄腫細胞と1:4比(リンパ球:骨髄腫)で融合させた(ATCC、ロックヴィル、MD、USA)。融合プロトコールはKohler and Milstein (1975)により記載されているものであり、最後に、50枚の96ウェルプレートに播種した。次に、融合細胞に対して代謝HAT選択を行った。融合およそ10日後に、ハイブリッド細胞のコロニーをスクリーニングした。一次スクリーニングでは、ハイブリドーマの上清を、ELISAを用いて、ヒトADAM17に対して生成したmAbの分泌に関して評価した。
簡単に述べれば、96ウェルELISAプレート(Costar 3690、Corning、NY、USA)をPBS中0.7μg/mlの組換えヒトADAM17タンパク質(R and D Systems、ref:930 ADB)50μl/ウェルで、4℃にて一晩コーティングした。次に、これらのプレートを0.5%ゼラチン(#22151、Serva Electrophoresis GmbH、ハイデルベルク、ドイツ)を含有するPBSで、37℃にて2時間遮断した。プレートを軽く打ち付けることで飽和バッファーを排出し、50μlのサンプル(ハイブリドーマ上清または精製抗体)をELISAプレートに加え、37℃で1時間インキュベートした。3回洗浄した後、50μlのセイヨウワサビペルオキシダーゼ結合ポリクローナルヤギ抗マウスIgG(#115−035−164、Jackson Immuno−Research Laboratories、Inc.、ウエストグローブ、PA、USA)を、0.1%ゼラチンおよび0.05%Tween 20(w:w)を含有するPBS中、1/5000希釈液として37℃で1時間加えた。ELISAプレートを3回洗浄し、TMB(#UP664782、Uptima、Interchim、フランス)基質を加えた。室温で10分のインキュベーション後、1M硫酸を用いて反応を停止させ、450nmで光学密度を測定した。
第2のスクリーニング工程として、選択されたハイブリドーマ上清をA172ヒト腫瘍細胞の表面で発現される細胞型のADAM17と結合し得るmAbに関してFACS分析により評価した。フローサイトメトリーによる選択のために、2×105細胞を、96ウェルプレートの各ウェルの、1%BSAおよび0.01%アジ化ナトリウムを含有するPBS(FACSバッファー)中に4℃で播種した。2000rpmで2分の遠心分離後、バッファーを除去し、供試するハイブリドーマ上清を加えた。4℃で20分のインキュベーション後、細胞を2回洗浄し、FACSバッファー中に1/500希釈したAlexa 488結合ヤギ抗マウス抗体(#A11017、Molecular Probes Inc.、ユージーン、USA)を加え、4℃で20分間インキュベートした。FACSバッファーでの最終洗浄の後、各試験管にヨウ化プロピジウムを終濃度40μg/mlで加えた後に細胞をFACS(Facscalibur、Becton−Dickinson)により分析した。細胞単独およびAlexa 488結合二次抗体とともにインキュベートした細胞を含有するウェルを陰性対照として含めた。各実験でアイソタイプ対照(Sigma、ref M90351MG)を使用した。少なくとも5000細胞を用いて、蛍光強度の平均値(MFI)を評価した。
できるだけ速やかに、選択されたハイブリドーマを限界希釈によってクローニングした。各コードにつき1枚の96ウェルプレートを準備した。クローニング専用培養培地で8細胞/mlに調整した100μl容量の細胞懸濁液を各ウェルに添加した。7日目に、これらのウェルを顕微鏡で観察してクローニングおよびプレーティング効率を確認した後、これらのプレートに100μlのクローニング専用培養培地を再供給した。その後、9〜10日目に、ハイブリドーマ上清を、それらのrhADAM17タンパク質に対する反応性に関してスクリーニングした。次に、アイソタイピングキット(カタログ番号5300.05、Southern Biotech、バーミンガム、AL、USA)を用いてクローニングされたmAbのアイソタイプを調べた。各ハイブリドーマから1つのクローンを選択し、rhADAM17およびヒト腫瘍細胞(A 172)に対するそれらの結合特異性確認するために拡大培養した。
実施例2:FRETペプチド切断アッセイ
黒色96ウェルプレートで、40μl/ウェルの組換えヒトADAM17(R&D Systems、ref:930 ADB)(250ng/ml)を種々の濃度の10μlの抗ADAM17 mAb(m1022C3)または無関連のmAb(9G4)とともに室温で10分間インキュベートした。次に、各末端を5−FAMおよびTAMRAで標識したプロTNFα ADAM17特異的切断部位に相当する基質ペプチド(5−FAM−SPLAQAVRSSSRK−TAMRA)10μM溶液 50μlを加えた。その後、種々の37℃インキュベーション時間(t=0、2、6および24時間)後にBerthold Mithrasプレートリーダー(励起フィルター485nm、発光フィルター530nm、エネルギーランプ:7000リーディングタイム:0.2秒/ウェル)にて蛍光を連続的に測定した。非切断基質ペプチドでは5−FAMの蛍光はTAMRAにより消光されるので、蛍光の増加はADAM17活性を反映した。
黒色96ウェルプレートで、40μl/ウェルの組換えヒトADAM17(R&D Systems、ref:930 ADB)(250ng/ml)を種々の濃度の10μlの抗ADAM17 mAb(m1022C3)または無関連のmAb(9G4)とともに室温で10分間インキュベートした。次に、各末端を5−FAMおよびTAMRAで標識したプロTNFα ADAM17特異的切断部位に相当する基質ペプチド(5−FAM−SPLAQAVRSSSRK−TAMRA)10μM溶液 50μlを加えた。その後、種々の37℃インキュベーション時間(t=0、2、6および24時間)後にBerthold Mithrasプレートリーダー(励起フィルター485nm、発光フィルター530nm、エネルギーランプ:7000リーディングタイム:0.2秒/ウェル)にて蛍光を連続的に測定した。非切断基質ペプチドでは5−FAMの蛍光はTAMRAにより消光されるので、蛍光の増加はADAM17活性を反映した。
抗ADAM17 mAb m1022C3は、基質ペプチド切断の用量依存的阻害を示した(図1)。
実施例3:腫瘍細胞株A431からの組換え基質のADAM17シェディング
それぞれナノルシフェラーゼ(登録商標)(Promega)と融合されたプロTGFα、プロHB−EGF、プロアンフィレグリンまたは変異型プロTNFαを原形質膜で発現する安定トランスフェクトA431細胞株を作製した。これらの細胞の原形質膜におけるADAM17活性は、ナノルシフェラーゼ(登録商標)に融合された成熟基質の培養培地中への遊離をもたらした。培養培地サンプルにおけるナノルシフェラーゼ活性の時間依存的測定はADAM17活性を反映した。A431基質−Nluc細胞を96ウェル培養プレート中に30000細胞/ウェルで播種した。2日後、培養培地を除去し、抗ADAM17 mAb(m1022C3)または無関連mAb(9G4)が種々の濃度で希釈された200μlの新鮮培養培地に置き換えた。培養(37℃、CO2 5%)24時間後、総ての試験ウェルから5μlの培養培地を採取し、ホワイトハーフエリア96ウェルプレートのウェルに分注した。15μlの(PBS希釈)Nano−Glo(商標)ルシフェラーゼ基質(フリマジン)の添加後、各試験の総発光をBerthold Mithras LB940マルチモードマイクロプレートリーダーにて0.1秒間読み取った。
それぞれナノルシフェラーゼ(登録商標)(Promega)と融合されたプロTGFα、プロHB−EGF、プロアンフィレグリンまたは変異型プロTNFαを原形質膜で発現する安定トランスフェクトA431細胞株を作製した。これらの細胞の原形質膜におけるADAM17活性は、ナノルシフェラーゼ(登録商標)に融合された成熟基質の培養培地中への遊離をもたらした。培養培地サンプルにおけるナノルシフェラーゼ活性の時間依存的測定はADAM17活性を反映した。A431基質−Nluc細胞を96ウェル培養プレート中に30000細胞/ウェルで播種した。2日後、培養培地を除去し、抗ADAM17 mAb(m1022C3)または無関連mAb(9G4)が種々の濃度で希釈された200μlの新鮮培養培地に置き換えた。培養(37℃、CO2 5%)24時間後、総ての試験ウェルから5μlの培養培地を採取し、ホワイトハーフエリア96ウェルプレートのウェルに分注した。15μlの(PBS希釈)Nano−Glo(商標)ルシフェラーゼ基質(フリマジン)の添加後、各試験の総発光をBerthold Mithras LB940マルチモードマイクロプレートリーダーにて0.1秒間読み取った。
抗ADAM17 mAb m1022C3は、i)培養培地中のTGFα−Nluc遊離(図2)、ii)培養培地中のAREG−Nluc遊離(図3)、iii)培養培地中のTNFα−Nluc遊離(図4)およびiv)培養培地中のHB−EGF−Nluc遊離(図5)の用量依存的低下を誘導した。mAb m1022C3によりTGFα、プロHB−EGF、プロアンフィレグリンまたは変異型プロTNFαのシェディングの阻害に関して得られたIC50値を文献で公開されているものと比較した(表4)。mAb m1022C3は、対照化合物比べて試験した総ての基質の細胞シェディングの有意に10倍より大きい、好ましくは20倍より大きい、好ましくは30倍より大きい、好ましくは40倍より大きい、好ましくは50倍より大きい阻害を示した。
実施例4:ADAM17に結合するmAb 1022C3
mAb 1022C3のヒト、マウスおよびキメラADAM17に対する結合プロファイルは、ウエスタンブロットおよび表面プラズモン共鳴により決定した。いくつかのADAM17サブドメインおよびヒト/マウスキメラタンパク質をHEK293細胞からヒトFc融合タンパク質として発現させた。Aタンパク質により精製したタンパク質を、SDS−PAGE分離とその後のm1022C3を用いたウエスタンブロット解析および表面プラズモン共鳴に従って結合に関して試験した。作製し、結合に関して試験したタンパク質を表4に詳細に示す。アミノ酸の位置は、ヒトADAM17:受託番号P78536およびマウスADAM17:受託番号AAI38421を参照して引用する。発現したヒト起源のADAM17ドメインを大文字で、マウス起源のドメインを小文字で記載する。ドメイン名は次のように略す:P、プロドメイン;C、触媒ドメイン;D、ディスインテグリンドメイン;MPD、膜近位ドメイン。断片化されたドメインは、アミノ末端側(Nter)かカルボキシ末端側(Cter)か、タンパク質構造におけるそれらの位置により示す。
mAb 1022C3のヒト、マウスおよびキメラADAM17に対する結合プロファイルは、ウエスタンブロットおよび表面プラズモン共鳴により決定した。いくつかのADAM17サブドメインおよびヒト/マウスキメラタンパク質をHEK293細胞からヒトFc融合タンパク質として発現させた。Aタンパク質により精製したタンパク質を、SDS−PAGE分離とその後のm1022C3を用いたウエスタンブロット解析および表面プラズモン共鳴に従って結合に関して試験した。作製し、結合に関して試験したタンパク質を表4に詳細に示す。アミノ酸の位置は、ヒトADAM17:受託番号P78536およびマウスADAM17:受託番号AAI38421を参照して引用する。発現したヒト起源のADAM17ドメインを大文字で、マウス起源のドメインを小文字で記載する。ドメイン名は次のように略す:P、プロドメイン;C、触媒ドメイン;D、ディスインテグリンドメイン;MPD、膜近位ドメイン。断片化されたドメインは、アミノ末端側(Nter)かカルボキシ末端側(Cter)か、タンパク質構造におけるそれらの位置により示す。
ウエスタンブロット結合アッセイ:
等量の精製タンパク質を、非還元条件下、4〜15%SDS−ポリアクリルアミドゲルにより分離し、ニトロセルロースメンブレンに転写した。0.05%Tween 20(TBS−T)を含有するTris緩衝生理食塩水(TBS)中1%の脱脂乳とともにこのメンブレンをインキュベートすることによりブロッキングを行った。次に、このメンブレンをTBS−T中1μg/ml m1022C3抗体とともに、連続振盪下、室温で1時間インキュベートした後、TBS−T中1:3000希釈のセイヨウワサビペルオキシダーゼ結合抗マウスIgGとともに、連続振盪下、室温で1時間インキュベートした。免疫反応性タンパク質は、増強化学発光検出系キットにより製造者の説明書に従って可視化した。
等量の精製タンパク質を、非還元条件下、4〜15%SDS−ポリアクリルアミドゲルにより分離し、ニトロセルロースメンブレンに転写した。0.05%Tween 20(TBS−T)を含有するTris緩衝生理食塩水(TBS)中1%の脱脂乳とともにこのメンブレンをインキュベートすることによりブロッキングを行った。次に、このメンブレンをTBS−T中1μg/ml m1022C3抗体とともに、連続振盪下、室温で1時間インキュベートした後、TBS−T中1:3000希釈のセイヨウワサビペルオキシダーゼ結合抗マウスIgGとともに、連続振盪下、室温で1時間インキュベートした。免疫反応性タンパク質は、増強化学発光検出系キットにより製造者の説明書に従って可視化した。
BIAcore結合アッセイ:
試験はBiacore X100装置で行った。mAb 1022C3をリガンドとして模試医、ADAM17フラグメントおよびキメラ構築物をアナライトとして用いる。試験はアミンカップリングキット(BR−1000−50、GE Healthcare)を用い、HBS−EP+バッファー(BR−1008−26、GE Healthcare)をランニングバッファーとして用いて、CM5センサーチップ(BR−1000−12)の両フローセルのマトリックスに共有結合されたウサギ抗マウスポリクローナル抗体(マウス抗体捕捉キット、BR−1008−38、GE Healthcare)に対して25℃、10μl/分で行った。このバッファーをリガンドおよびアナライトの希釈のために使用する。
試験はBiacore X100装置で行った。mAb 1022C3をリガンドとして模試医、ADAM17フラグメントおよびキメラ構築物をアナライトとして用いる。試験はアミンカップリングキット(BR−1000−50、GE Healthcare)を用い、HBS−EP+バッファー(BR−1008−26、GE Healthcare)をランニングバッファーとして用いて、CM5センサーチップ(BR−1000−12)の両フローセルのマトリックスに共有結合されたウサギ抗マウスポリクローナル抗体(マウス抗体捕捉キット、BR−1008−38、GE Healthcare)に対して25℃、10μl/分で行った。このバッファーをリガンドおよびアナライトの希釈のために使用する。
15μg/ml濃度のmAb 1022C3の溶液を1分間、第2のフローセルに注入した(作業面)。各サイクルで、ADAM17キメラ構築物(C末端位置にヒトFcドメインを有する)の1つを両フローセルに3分間250nMの濃度で注入する:m1022C3(FC1)を含まない参照および700RU前後のm1022C3(FC2)を含む作業セル。記録されたシグナルは、FC2応答とFC1応答の間の違いに相当する。
陽性応答は90RUと140RUの間である。陰性応答は総て10RUより小さい。各サイクルの終わりに、m1022C3を10mMグリシンHCl pH1.7バッファーの注入によって(マウス抗体捕捉キットから)3分間除去した。
実施例5:表面プラズモン共鳴試験を用いたモノクローナル抗体1022C3に対するADAM−17の細胞外ドメインの結合の解離定数の定義
両フローセル上で、カルボキシメチルデキストランマトリックスに共有結合したウサギ抗マウス(RAM)IgG(H+L)で活性化されたBiacore CM5センサーチップ(GE Healthcare)の第2のフローセルに抗体(リガンド)を結合させた。2倍希釈スキームにより得られた400〜12.5nMの範囲の濃度の可溶性ADAM17(アナライト)(52kDaの分子量を推定)を、流速30μl/分で、解離相の測定のために120秒パルス(会合)および延長180秒の遅延で表面に注入した。RAM表面を、NaOH 30mM、NaCl 150mMおよび10mMグリシン,HCl pH1.5バッファー溶液を用いて再生した。各濃度で得られた曲線を、参照FC1表面(マウス抗TACE mAbを含まないRAM)からシグナルを差し引き、次に、ランニングバッファー注入(Biacore HBS−EPバッファー)から得られたシグナルを差し引くことにより二重参照した。
両フローセル上で、カルボキシメチルデキストランマトリックスに共有結合したウサギ抗マウス(RAM)IgG(H+L)で活性化されたBiacore CM5センサーチップ(GE Healthcare)の第2のフローセルに抗体(リガンド)を結合させた。2倍希釈スキームにより得られた400〜12.5nMの範囲の濃度の可溶性ADAM17(アナライト)(52kDaの分子量を推定)を、流速30μl/分で、解離相の測定のために120秒パルス(会合)および延長180秒の遅延で表面に注入した。RAM表面を、NaOH 30mM、NaCl 150mMおよび10mMグリシン,HCl pH1.5バッファー溶液を用いて再生した。各濃度で得られた曲線を、参照FC1表面(マウス抗TACE mAbを含まないRAM)からシグナルを差し引き、次に、ランニングバッファー注入(Biacore HBS−EPバッファー)から得られたシグナルを差し引くことにより二重参照した。
データは、BIAevaluation 3.1ソフトウエアを用い、1:1ラングミュアモデルを用いて処理した。フィットの適合性は、0傾向でなければならない屈折率(RI)およびκ2値により測定した。
結果を下記の表6にまとめる。
結果を下記の表6にまとめる。
実施例6:脱グリコシル化CDRH1の結合評価およびFRET阻害
mAb 1022C3はCDRH1内に位置するN−グリコシル化部位を有し、これは分泌タンパク質において翻訳後修飾される。このグリコシル化部位の影響を決定するために、m1022C3を酵素的に脱グリコシル化した(アスパラギン残基をアスパラギン酸に変換するプロセス)。
mAb 1022C3はCDRH1内に位置するN−グリコシル化部位を有し、これは分泌タンパク質において翻訳後修飾される。このグリコシル化部位の影響を決定するために、m1022C3を酵素的に脱グリコシル化した(アスパラギン残基をアスパラギン酸に変換するプロセス)。
mAb m1022C3を、2つのグリコシダーゼを用いて連続的に脱グリコシル化した。1μlのノイラミダーゼ(New England Biolabs、P0720S、50000U/mL)を20μgの1mg/mL mAb溶液に加え、この混合物を穏やかに振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。次に、1μlのペプチド−N−グリコシダーゼF(New England Biolabs、P0704S、500000U/mL)を加え、その後、さらなるインキュベーション工程を37℃で一晩行った。
m1022C3の酵素的脱グリコシル化は、親mAbの阻害レベルを保持するFRETペプチド切断アッセイ(図6)においてin vitroで評価されるm1022C3の阻害活性を低減しなかった。
酵素的に脱グリコシル化された1022C3は、腫瘍細胞株NCI−H1299との結合に関して評価し、親抗体の結合能を保持していたことが示された(図7)。
実施例7:アンフィレグリンシェディングアッセイ
ADAM17は、アンフィレグリン(AREG)を含む一連のEGFRリガンドのシェディングに関与する。m1022C3が、ADAM17により誘導されるAREGの切断を阻害し得るかどうかを決定するために、このリガンドをMCF−7エストロゲン依存性乳癌細胞の上清に添加した。簡単に述べれば、16000MCF−7細胞を96ウェルプレートの各ウェルの200μlの完全培養培地(RPMI 1640 w/o フェノールレッド+10%SVF+1%L−グルタミン)中に播種した。プレーティング後48時間で、培地を除去し、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、供試化合物を0.5%SFV培地に加えた。これらの実験では、TAPI1を阻害の陽性対照(対照化合物)として導入し、供試抗体の形式に応じてmIgG1またはhIgG1のいずれかのアイソタイプ対照を陰性対照として含めた。PMAもAREGシェディングの陽性対照として使用した。次に、細胞をさらに48時間インキュベートした後に上清を回収し、ELISA DUO SET定量アッセイ(R&D Systems)によりAREGを添加した。同時に、細胞死がAREGシェディングプロセスの原因ではなかったことを確認するために、細胞生存率を、Cell Titer Glo発光法を用いて評価した。
ADAM17は、アンフィレグリン(AREG)を含む一連のEGFRリガンドのシェディングに関与する。m1022C3が、ADAM17により誘導されるAREGの切断を阻害し得るかどうかを決定するために、このリガンドをMCF−7エストロゲン依存性乳癌細胞の上清に添加した。簡単に述べれば、16000MCF−7細胞を96ウェルプレートの各ウェルの200μlの完全培養培地(RPMI 1640 w/o フェノールレッド+10%SVF+1%L−グルタミン)中に播種した。プレーティング後48時間で、培地を除去し、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、供試化合物を0.5%SFV培地に加えた。これらの実験では、TAPI1を阻害の陽性対照(対照化合物)として導入し、供試抗体の形式に応じてmIgG1またはhIgG1のいずれかのアイソタイプ対照を陰性対照として含めた。PMAもAREGシェディングの陽性対照として使用した。次に、細胞をさらに48時間インキュベートした後に上清を回収し、ELISA DUO SET定量アッセイ(R&D Systems)によりAREGを添加した。同時に、細胞死がAREGシェディングプロセスの原因ではなかったことを確認するために、細胞生存率を、Cell Titer Glo発光法を用いて評価した。
図8は、3回の独立した実験の平均である。予想されたように、対照化合物TAPI1はAREGシェディングの有意な阻害(62%)を誘導したが、シェディングの陽性対照として導入されたPMAは、この状況において、AREGの劇的なシェディングを誘導できることを示した。アイソタイプ対照も、TAPI 1の可溶化のためにビヒクルとして使用したDMSOも、AREGシェディングを妨げた。マウスアイソタイプ対照として導入された対照mAb 9G4はAREGシェディングに影響を及ぼさなかった。m1022C3は、対照化合物と同様の強さでAREGシェディングを阻害した。次に、m1022C3の用量範囲を検討した(図9)。m1022C3は0.15μg/mlといった低い用量で活性があったことを示した。
実施例8:mAb 1022C3のin vivo評価
総てのin vivo評価のために、6〜8週齢の無胸腺マウスを使用した。これらの,マウスは上部に滅菌フィルターの付いたケージで飼い、無菌条件で維持し、仏国・欧州ガイドラインに従って取り扱った。
総てのin vivo評価のために、6〜8週齢の無胸腺マウスを使用した。これらの,マウスは上部に滅菌フィルターの付いたケージで飼い、無菌条件で維持し、仏国・欧州ガイドラインに従って取り扱った。
ADAM17発現レベルは、飽和濃度を決定するために、FACSバッファー(1%BSAおよび0.01%アジ化ナトリウムを含有するPBS)4℃で20分間インキュベートした1×105細胞/100μlを漸増濃度のMAB9301(クローン111633、R&D systems)で染色することにより測定した。次に、細胞をFACSバッファーで3回洗浄した。細胞を再懸濁させ、4℃で20分間、ヤギ抗マウスIgG−Alexa 488抗体(Invitrogen Corporation、スコットランド、# A11017)とともにインキュベートした。その後、細胞をFACSバッファーで3回洗浄した。次に、標識された細胞を100μlのFACSバッファーに再懸濁させた後、Facscaliburサイトメーター(Becton Dickinson、ル・ポン=ド=クレ、フランス)で分析した。生存細胞のみを分析するためにヨウ化プロピジウムを加えた。並行して、QIFIKITビーズをフローサイトメトリーおよびモノクローナル抗体結合による抗体結合および細胞当たりの抗原密度の決定に用いた。QIFIKITは、10μm径の、異なるが、十分に定義された量のマウスmAb分子でコーティングされた一連のビーズを含む。ビーズは、一次マウスmAbで標識された種々の抗原密度を有する細胞を模倣する。定量された抗原は抗体結合能(ABC)単位で表す。
8.1 A431異種移植モデル:確立された腫瘍
ADAM17(ABC=17000)を発現する類表皮癌細胞株A431を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に10×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ200mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後20日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=17000)を発現する類表皮癌細胞株A431を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に10×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ200mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後20日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図10にまとめた。それらは、m1022C3 mAbにより媒介される劇的な腫瘍阻害(49日目で97%)を示し、49日目に、総ての処置マウスで腫瘍退縮を示し、6個体のうち2個体で完全退縮が達成された。
8.2 腫瘍断片で確立されたA431異種移植モデル
見られたmAb m1022C3の抗腫瘍活性のロバスト性を決定するために、まず、上記のように細胞移植により腫瘍を形成した。次に、腫瘍体積がおよそ200〜300mm3に達した際に、腫瘍を無菌的に摘出し、壊死領域を注意深く避けながら1mm3の断片に細断し、その後、これらの断片を、無胸腺マウスの新たな系統での腫瘍増殖のために用いた。この増殖を、腫瘍の成長と特徴の両方を安定化させるために3回行った後、およそ145mm3に達する腫瘍担持マウス6個体ずつ2群(腫瘍細胞注入後14日)を作成した。1群に負荷用量20mg/kgで腹膜内処置を行った後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。第2群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
見られたmAb m1022C3の抗腫瘍活性のロバスト性を決定するために、まず、上記のように細胞移植により腫瘍を形成した。次に、腫瘍体積がおよそ200〜300mm3に達した際に、腫瘍を無菌的に摘出し、壊死領域を注意深く避けながら1mm3の断片に細断し、その後、これらの断片を、無胸腺マウスの新たな系統での腫瘍増殖のために用いた。この増殖を、腫瘍の成長と特徴の両方を安定化させるために3回行った後、およそ145mm3に達する腫瘍担持マウス6個体ずつ2群(腫瘍細胞注入後14日)を作成した。1群に負荷用量20mg/kgで腹膜内処置を行った後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。第2群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図11にまとめた。断片から確立された腫瘍は細胞移植から得られるものよりも速く増殖した。この所見は、これらの腫瘍のより悪性度の高い表現型と一致した。このより悪性度の高い状況では、m1022C3は、35日目に73%に達する腫瘍阻害を有し、なお有意である。
8.3 A431異種移植モデルにおけるマウス1022C3(m1022C3)とそのIgG1キメラ型(c1022C3)の比較
m1022C3とそのキメラ型を比較するために、A431異種移植モデルを上記のように無胸腺マウスへの細胞移植によって確立した。図12に示された結果は、これら2つの化合物はm1022C3およびc1022C3に対してそれぞれ82%および75%に達する腫瘍阻害に匹敵することを示した。
m1022C3とそのキメラ型を比較するために、A431異種移植モデルを上記のように無胸腺マウスへの細胞移植によって確立した。図12に示された結果は、これら2つの化合物はm1022C3およびc1022C3に対してそれぞれ82%および75%に達する腫瘍阻害に匹敵することを示した。
8.4 CaOV3異種移植モデル:確立された腫瘍
ADAM17(ABC=20000)を発現する卵巣癌細胞株CaOV−3を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ120mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後18日射)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する5個体ずつ2群に分け、10mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、5mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=20000)を発現する卵巣癌細胞株CaOV−3を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ120mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後18日射)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する5個体ずつ2群に分け、10mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、5mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図13にまとめた。それらは、m1022C3 mAbにより媒介される劇的な腫瘍阻害を示し、69日目に、総ての処置マウスで腫瘍退縮、5個体のうち1個体で完全退縮が見られた。腫瘍阻害は84日目に94%に達した。
8.5 OVISE異種移植モデル:確立された腫瘍
ADAM17(ABC=49000)を発現する卵巣癌細胞株OVISEを、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後28日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、10mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、5mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=49000)を発現する卵巣癌細胞株OVISEを、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後28日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、10mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、5mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図14にまとめた。それらは、mAb m1022C3により媒介される劇的な腫瘍阻害を示し、総ての処置マウスで腫瘍退縮が見られ、腫瘍阻害は53日目に58%に達した。
8.6 BxPC3異種移植腫瘍
ADAM17(ABC=12600)を発現する膵臓癌細胞株BxPC3を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後25日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=12600)を発現する膵臓癌細胞株BxPC3を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後25日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図15にまとめた。それらは、mAb m1022C3により媒介される、47日目に76%に達する劇的な腫瘍阻害を示した。
8.7 BICR−22異種移植モデル:確立された腫瘍
ADAM17(ABC=16000)を発現する舌扁平上皮癌細胞株BICR−22を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後11日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、10mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、5mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=16000)を発現する舌扁平上皮癌細胞株BICR−22を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後11日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、10mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、5mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図16にまとめた。それらは、m1022C3 mAbにより媒介される劇的な腫瘍阻害を示した(33日目に86%)。
8.8 JIMT−1異種移植モデル:確立された腫瘍
ADAM17(ABC=30000)を発現するHER2標的療法に対して耐性があることが知られている乳癌細胞株JIMT−1を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後14日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=30000)を発現するHER2標的療法に対して耐性があることが知られている乳癌細胞株JIMT−1を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ100mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後14日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図17にまとめた。それらは、m1022C3 mAbにより媒介される腫瘍阻害を示した(33日目に41%)。
8.9 NCI−H292異種移植モデル:確立された腫瘍
ADAM17(ABC=12000)を発現する粘表皮肺癌細胞株NCI−H292を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ150mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後9日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
ADAM17(ABC=12000)を発現する粘表皮肺癌細胞株NCI−H292を、in vivo評価のために選択した。0日目にマウスの皮下に7×106細胞を注入した。腫瘍がおよそ150mm3に達した際に(腫瘍細胞注入後9日)、マウスを、匹敵する腫瘍サイズを有する6個体ずつ2群に分け、20mg/kgの負荷用量で腹膜内処置した後、毎週、10mg/kgのm1022C3モノクローナル抗体の維持量で処置した。このモデルで行った従前の実験で、ビヒクル処置マウスとアイソタイプ対照処置マウスの間で腫瘍成長の違いは見られなかったことから、対照群にはビヒクルのみを施した。異種移植片成長率の観察のためにこれらのマウスに経過観察を行った。腫瘍体積は、式:π/6×長さ×幅×高さによって計算した。
得られた結果を図18にまとめた。それらは、m1022C3 mAbにより媒介される腫瘍阻害を示した(26日目に50%)。
Claims (31)
- ADAM17エピトープと結合し、かつ、ADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを阻害するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、前記ADAM17エピトープが配列番号32の配列の膜近位ドメイン(MPD)内に含まれるエピトープからなることを特徴とする、モノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメント。
- 500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50でADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを阻害することを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
- 前記ADAM17の少なくとも1つの基質がTNF−α、TGF−α、AREGおよびHB−EGFから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗体。
- 表面プラズモン共鳴(SPR)で測定した場合に約10nM以下、好ましくは約5nM以下のKdでADAM17エピトープと結合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体。
- ADAM17エピトープに結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントであって、
i)それぞれ配列番号1、2および3のアミノ酸配列のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含んでなる重鎖;ならびに
ii)それぞれ配列番号4、5および6のアミノ酸配列のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3を含んでなる軽鎖
を含んでなることを特徴とする、モノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメント。 - CDR−H1のアミノ酸配列が配列番号7のアミノ酸配列であることを特徴とする、請求項5に記載の抗体。
- CDR−H1のアミノ酸配列が配列番号8のアミノ酸配列であることを特徴とする、請求項5に記載の抗体。
- 配列番号9、11または12のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインを含んでなることを特徴とする、請求項5に記載の抗体。
- 配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインを含んでなることを特徴とする、請求項5に記載の抗体。
- 配列番号9、11または12のアミノ酸配列を含んでなる配列の重鎖可変ドメインと、配列番号10のアミノ酸配列を含んでなる配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなることを特徴とする、請求項5に記載の抗体。
- 2012年10月18日にCNCM、パスツール研究所、フランスに寄託されたハイブリドーマI−4686から得られたモノクローナル抗体1022C3からなることを特徴とする、モノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメント。
- 配列番号32の配列の膜近位ドメイン(MPD)内に含まれるADAM17の単一のエピトープと結合し得ることを特徴とする、請求項5〜11のいずれか一項に記載の抗体。
- 500pM以下、好ましくは200pM以下、より好ましくは100pM以下のIC50でADAM17の少なくとも1つの基質のシェディングを阻害することを特徴とする、請求項12に記載の抗体。
- 前記ADAM17の少なくとも1つの基質がTNF−α、TGF−α、AREGおよびHB−EGFから選択されることを特徴とする、請求項13に記載の抗体。
- 表面プラズモン共鳴(SPR)で測定した場合に約10nM以下、好ましくは約5nM以下のKdでADAM17エピトープと結合することを特徴とする、請求項12に記載の抗体。
- 腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害する方法において使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の抗体。
- 前記腫瘍細胞がADAM17を発現する腫瘍細胞から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の抗体。
- 2012年10月18日にCNCM、パスツール研究所、フランスに寄託されたマウスハイブリドーマI−4686。
- 下記の核酸:
a)請求項1〜15のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードするDNAまたはRNA;および
b)配列番号13〜28および36〜38の配列からなる群から選択される配列のうち少なくとも1つを含んでなるDNA
から選択されることを特徴とする、単離された核酸。 - 請求項19に記載の核酸を含んでなるベクター。
- 請求項20に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
- 請求項20に記載のベクターにより形質転換された少なくとも1つの細胞を含んでなる、ヒト以外のトランスジェニック動物。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造のための方法であって、下記の工程:
a)請求項21に記載の細胞の、培地および適当な培養条件での培養;および
b)前記培養培地または前記培養細胞から出発して生産された前記抗体またはその抗原結合性フラグメントの回収
を含んでなることを特徴とする、方法。 - 請求項1〜15のいずれか一項に記載の抗体を含んでなる組成物。
- 組合せ製剤として細胞傷害性薬剤をさらに含んでなることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
- 複合製剤として細胞傷害性薬剤をさらに含んでなることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
- 組成物が薬学上許容可能なビヒクルをさらに含んでなる医薬組成物であることを特徴とする、請求項24〜26のいずれか一項に記載の組成物。
- 腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害する方法において使用するための、請求項24〜27のいずれか一項に記載の組成物。
- 癌の治療のための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の抗体もしくは請求項23に記載の方法により得られた抗体、または請求項24〜27のいずれか一項に記載の組成物の使用。
- 前記癌がADAM17を発現する癌から選択される癌であることを特徴とする、請求項29に記載の使用。
- 前記癌が卵巣癌、乳癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、頭頸部癌および類表皮癌から選択される癌であることを特徴とする、請求項29または30に記載の使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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