JP2017501716A - 二層分析物センサ - Google Patents

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ヤオ,フアンフェン
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ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
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Abstract

分析物センサと、この分析物センサを作製するための方法が開示される。一態様において、分析物センサは、分析物感知成分が埋め込まれた架橋ネットワークを有する感知膜を備える。別の態様では、分析物センサは、感知膜の表面に隣接した保護膜を備える。保護膜は、第1メタクリレート由来のユニット、第2メタクリレート由来のユニット、および第3メタクリレート由来のユニットのメタクリレート由来の主鎖を有する架橋結合された親水性コポリマーであり得る。第1および第2メタクリレート由来のユニットは、親水性側鎖を有し、異なる主鎖内の第3メタクリレート由来のユニットは、親水性の架橋により連結されている。分析物センサを作製するための方法もまた開示される。【選択図】 なし

Description

[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年12月23日に出願の米国特許出願第14/138,368号の優先権を主張する。
[0002] 本章に記載される内容は、特段の記載がない限り、本出願の請求の範囲に対する従来技術ではなく、本章に含まれることにより従来技術と認められるものではない。
[0003] 生理学的パラメータを連続的または半連続的に監視することは、現代医学の多くの分野で応用されている。電気化学式センサは、体液試料(例えば、血液、涙膜、尿、または組織液サンプル)内の分析物(例えば、グルコース)の監視および定量化に特に適していると考えられている。分析物感知成分(例えば、酵素)を電極と共に採用する電気化学式センサを使用すると、分析物感知成分と分析物との反応から生成された生成物を検出することにより、液体試料内の分析物を定量化することができる。
[0004] 一態様において、分析物センサが開示される。分析物センサは、分析物感知成分が埋め込まれた架橋ネットワークを有する感知膜を備える。架橋ネットワークは、1つ以上のタンパク質を含み、これらのタンパク質は、タンパク質上のアミン基の窒素原子と架橋内の炭素原子との間の炭素・窒素二重結合により架橋結合される。感知膜は、電極の表面に隣接し得る。
[0005] 別の態様において、分析物センサは、感知膜の表面に隣接した保護膜を備える。保護膜は、第1メタクリレート由来のユニット、第2メタクリレート由来のユニット、および第3メタクリレート由来のユニットのメタクリレート由来の主鎖を有する架橋結合された親水性コポリマーであり得る。第1および第2メタクリレート由来のユニットは、同一でも、または異なってもよい親水性側鎖を有し、異なる主鎖内の第3メタクリレート由来のユニットは、親水性の架橋によって連結される。
[0006] 別の態様において、分析物センサを形成するための方法が開示される。感知膜の形成は、1つ以上のタンパク質、架橋剤、および分析物感知成分の感知混合物を形成することと、感知混合物を電極の表面上に堆積させることと、堆積した感知混合物を硬化して、感知膜を提供することと、を含み得る。保護膜は、開始剤、第1メタクリレートモノマー、ジメタクリレートモノマー、および第2メタクリレートモノマーのコポリマー混合物を形成することと、コポリマー混合物を感知膜の表面上に堆積させることと、堆積したコポリマー混合物を硬化させることと、によって形成され得る。第1および第2メタクリレートモノマーは、それぞれ、保護膜の第1および第2メタクリレート由来のユニットを提供するのに好適な親水性側鎖を有し得る。
[0007] これらの態様、ならびに、他の態様、効果、および代替物は、以下の詳細な説明を読み、必要に応じて添付の図面を参照することにより、当業者に明らかになるであろう。
[0008] 図1は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のグルコース濃度が50μM、200μM、400μM、700μMおよび1,000μMの時に6つのグルコースセンサ例によって生成された電流を示すグラフである。 [0009] 図2は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のグルコース濃度が50μM、200μM、400μM、700μMおよび1,000μMの時に、図1の6つのグルコースセンサ例において観察された電流とグルコース濃度との関係を示すグラフである。 [0010] 図3は、一例の実施形態に係る、架橋結合された親水性コポリマーの典型図である。本図はこのコポリマーの2つの主鎖部分を示し、各1SC(「第1側鎖」)は、第1メタクリレート由来のユニットに連結された親水性側鎖を表し、各2SC(「第2側鎖」)は、第2メタクリレート由来のユニットに連結された親水性側鎖を表す。各CROSSLNKは、別々の主鎖内の第3メタクリレート由来のユニット間の親水性の架橋を表す。
[0011] 以下の詳細な説明において、添付の図面を参照して、開示されるシステムおよび方法の多様な特徴および機能が説明される。図面において、同様の符号は、文脈上特段の記載がない限り、通常、同様のコンポーネントを特定する。本明細書内に記載される例示的な方法およびシステムの実施形態は、限定を意図したものではない。開示される方法およびシステムの特定の態様は、多種多様な構成で配置および組み合わせることができ、それらの全てが本明細書内で意図されていることが容易に理解されよう。
[0012] 一態様において、分析物センサが開示される。分析物センサは、感知膜を備え、この感知膜は、
1つ以上のタンパク質および架橋を含む架橋ネットワークであって、タンパク質は、タンパク質上のアミン基の窒素原子と架橋内の炭素原子との間の炭素・窒素二重結合により架橋結合される、架橋ネットワークと、
架橋ネットワーク内に埋め込まれた分析物感知成分と、を備える。
[0013] いくつかの実施形態において、分析物センサは、酵素ベースのバイオセンサである。バイオセンサは、分析物濃度に依存する生化学反応によって生成された信号を、光信号または電気信号等の測定可能な物理信号へと変換することができる。バイオセンサは、臨床、環境、農業、およびバイオテクノロジーの用途において、分析物の検出に使用され得る。人体の体液の臨床的評価において測定可能な分析物には、例えば、グルコース、乳酸、コレステロール、ビリルビン、タンパク質、脂質、および電解質が含まれる。血液、涙膜、または組織液等の生体液中の分析物を検出することは、多くの病気の診断および監視において重要であり得る。
[0014] いくつかの実施形態において、分析物センサは、眼球装着デバイス、歯装着デバイス、または皮膚装着デバイス等の身体装着デバイスのコンポーネントであり得る。眼球装着デバイスは、この眼球装着デバイスを着用しているユーザの涙膜(本明細書において「涙膜」という用語は、「涙」および「涙液」と同義で使用される)内から検出される1つ以上の分析物に基づいて健康関連情報を監視するように構成され得る。例えば、眼球装着デバイスは、1つ以上の分析物(例えば、グルコース)を検出するように構成されたセンサを備えたコンタクトレンズの形態を取り得る。眼球装着デバイスは、また、他の多様な種類の健康関連情報を監視するようにも構成され得る。
[0015] いくつかの実施形態において、身体装着デバイスには、歯装着デバイスが含まれ得る。歯装着デバイスは、眼球装着デバイスの形態またはそれと類似の形態を取ることができ、歯装着デバイスを着用しているユーザの体液(例えば、唾液)内の少なくとも1つの分析物を検出するように構成され得る。
[0016] いくつかの実施形態において、身体装着デバイスには、皮膚装着デバイスが含まれ得る。皮膚装着デバイスは、眼球装着デバイスの形態またはそれと類似の形態を取ることができ、皮膚装着デバイスを着用しているユーザの体液(例えば、汗、血液等)内の少なくとも1つの分析物を検出するように構成され得る。
[0017] 本明細書に記載されるセンサは、1つ以上の導電性電極を備えることができ、これらの電極間を電流が流れ得る。いくつかの実施形態において、感知膜は、電極の表面に隣接し得る。用途に応じて、電極は、様々な目的で構成され得る。例えば、センサは、作用電極、参照電極、および対向電極を備え得る。また、参照電極が対向電極として作用する二電極システムも可能である。作用電極は、ポテンショスタット等の回路を介して参照電極に接続され得る。
[0018] 電極は、任意の種類の導電性材料から形成することができ、そのような材料をパターニングするために使用される任意のプロセス、例えば、堆積またはフォトリソグラフィ等によってパターニングされ得る。導電性材料は、例えば、金、プラチナ、パラジウム、チタン、炭素、銅、銀/塩化銀、不活性材料から形成される導体、金属、またはこれら材料の任意の組み合わせであり得る。他の材料もまた想定され得る。
[0019] 感知膜は、1つのタンパク質または1つ以上の異なるタンパク質の混合物の架橋ネットワークを有し得る。感知膜のタンパク質は、生化学反応において実質的に反応性が低くてよく、これが分析物感知成分との干渉を制限することになる。いくつかの実施形態において、タンパク質は、ウシ血清アルブミンである。
[0020] タンパク質は、感知膜の約15重量%〜約50重量%であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、感知膜の約15重量%〜約20重量%、約20重量%〜約25重量%、約25重量%〜約30重量%、約30重量%〜約35重量%、約35重量%〜約40重量%、約40重量%〜約45重量%、または約45重量%〜約50重量%である。
[0021] 感知膜のタンパク質は、架橋により共有結合され、架橋ネットワークを形成している。架橋は、感知膜内の1つ以上のタンパク質間に存在し得るが、分析物感知成分および/または1つ以上のタンパク質および/または別の分析物感知成分の間にも存在し得る。いくつかの実施形態において、架橋は、タンパク質および/または分析物感知成分上のアミン基の窒素原子と、架橋内の炭素原子との間の炭素・窒素二重結合を介して形成され得る。これらの架橋は、ジアルデヒド化合物に由来し得る。例えば、感知膜の架橋は、下記式(I)の構造を有し得る。

ここで、Aは、それぞれ独立して、タンパク質または分析物感知成分であり、Rは、C〜Cアルキルまたは親水基であり、R’は、それぞれ独立して、水素または−C〜C12アルキルである。親水基は、水溶性またはアルコール等の水混和性溶媒であってよく、1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、または硫黄)を有し得る。いくつかの実施形態において、架橋は、1つ以上のヒドロキシ基を有する。式(I)から、架橋は、R基に加えて2つの炭素を有することが分かる。したがって、本明細書において所定数の炭素原子(例えば、C)を有すると記載される架橋は、炭素原子が2つ少ない(例えば、C)R基を有することになる。例えば、「Cアルキル架橋」は、CアルキルであるR基を有する。
[0022] いくつかの実施形態において、架橋は、タンパク質および/または分析物感知成分上のアミン基の窒素原子と、架橋内のカルボニル基との間のアミン結合により形成され得る。これらの架橋は、ジカルボニル化合物由来であり得る。例えば、感知膜の架橋は、下記式(Ia)の構造を有し得る。

ここで、AおよびRは、式(I)に記載の通りである。
[0023] いくつかの実施形態において、感知膜の架橋は、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含む。アルキレンオキシドユニットは、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ブチレンオキシド)、またはそれらの混合物等のポリマーの形態であってよく、2つまたは3つの異なるアルキレンオキシドユニットの組み合わせを含むコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態において、架橋のポリ(アルキレンオキシド)は、2つまたは3つの異なるポリ(アルキレンオキシド)ポリマーのブロックを含むブロックコポリマーである。特定の実施形態では、ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングリコール)のブロックコポリマーである。他の実施形態では、架橋および第2メタクリレート由来のユニットは、ポリ(エチレングリコール)を含む。
[0024] いくつかの実施形態において、感知膜の架橋は、1つ以上のエチレンオキシドユニットを含む。例えば、架橋(例えば、上記式(I)内のR)は、下記式(Ib)の構造を有し得る。

ここで、wは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
[0025] 特定の実施形態において、wは、約2〜約250の平均値である。
[0026] 他の実施形態では、式(Ib)の架橋内のwは、架橋(式(Ib)の角括弧内)のPEG部分の数平均分子量(M)が約100〜約10,000になるようなものである。例えば、wは、架橋のPEG部分のMが表1の範囲に入るように選択され得る。
[0027] いくつかの実施形態において、感知膜の架橋は、C〜Cアルキルである。架橋は、オキシアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、またはアジポアルデヒド由来であり得る。
[0029] 分析物感知成分は埋め込まれている。つまり、分析物感知成分は、感知膜の架橋ネットワークにより囲まれている。埋め込まれた分析物感知成分は、不動化され、対応する対象の分析物と相互作用し得る。いくつかの実施形態において、分析物感知成分は、酵素を含む。
[0030] 分析物センサの分析物感知成分は、特定の分析物の生理学的レベルを監視するように選択され得る。例えば、グルコース、乳酸、コレステロール、ならびに、多様なタンパク質および脂質は、例えば涙膜を含む体液内に見られ、連続的または半連続的な監視の恩恵を受け得る病状の指標になり得る。
[0031] 分析物感知成分は、1つ以上の分析物を監視するように選択される酵素であり得る。例えば、生理学的なコレステロールレベルは、コレステロールオキシダーゼにより監視でき、乳酸レベルは乳酸オキシダーゼにより監視でき、グルコースレベルはグルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)により監視できる。
[0032] いくつかの実施形態において、分析物感知成分は、分析物との化学反応を経て検出可能な反応生成物を生成する酵素であり得る。例えば、グルコースオキシダーゼ(「GOx」)を含むコポリマーは、グルコースとの反応に触媒作用を及ぼして過酸化水素(H)を生成するべく作用電極の周りに位置付けられ得る。以下に示すように、過酸化水素は、その後、作用電極で酸化され、電子を作用電極に放出することができ、それにより、電流が生成される。
[0033] 還元反応または酸化反応のいずれかによって生成された電流は、反応速度に略比例し得る。さらに、反応速度は、分析物分子が電気化学センサ電極に到達して、直接的に、または試薬を用いた触媒作用により、還元反応または酸化反応を促す速度に応じて変わり得る。分析物分子が試料採取領域から電気化学センサ電極に拡散する速度が、追加の分析物分子が周囲の領域から試料採取領域に拡散する速度と略同じである静止状態では、反応速度は、分析物分子の濃度に略比例し得る。したがって、電流は、分析物濃度の指標を提供することができる。
[0034] 他の実施形態において、分析物感知成分は、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)である。特定の例では、GDHを使用する場合、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、フラビンモノヌクレオチド、ピロロキノリンキノン(PQQ)、またはコエンザイム等の補因子を追加してもよい。
[0035] 分析物感知成分は、感知膜内に、約40重量%〜約80重量%存在し得る。いくつかの実施形態において、分析物感知成分は、感知膜内に、約40重量%〜約50重量%、約50重量%〜約60重量%、約60重量%〜約70重量%、または、約70重量%〜約80重量%存在し得る。
[0036] 感知膜の厚さは、約1μm未満〜約10μmであり得る。いくつかの例において、感知膜は、約2μm未満の厚さであり、他の用途では、コポリマーは約2μm〜約3μmの厚さである。特定の用途において、コポリマーは約2μm〜約5μmの厚さであり、他の用途では、コポリマーは約1μm〜約3μmまたは約4μm〜約5μmの厚さである。いくつかの実施形態において、コポリマーは、約1μm〜約5μmの厚さである。
[0037] 別の態様において、分析物センサは、さらに、感知膜の表面に隣接した保護膜を備え得る。保護膜は、複数の主鎖を有し、この主鎖は
それぞれが親水性側鎖を有する、複数の第1メタクリレート由来のユニットと、
それぞれが親水性側鎖を有する、複数の第2メタクリレート由来のユニットと、
複数の第3メタクリレート由来のユニットと、
異なる主鎖内の第3のメタクリレート間の親水性の架橋と、を含む。
[0038] 主鎖の第1および第2メタクリレート由来のユニットのそれぞれは、独立して、親水性側鎖に共有結合され得る。第3メタクリレート由来のユニットのそれぞれは、リンカを介して異なる主鎖内の別の第3メタクリレート由来のユニットに共有結合される。親水性の架橋、あるいは第3メタクリレート由来のユニットが連結されている基について、以下にさらに詳細に説明する。第1および第2メタクリレート由来のユニットの親水性側鎖、および第3メタクリレート由来のユニットの親水性の架橋の多様な構造および組成を使用して、架橋結合された親水性コポリマーの特性を調節することができる。この特性には、親水性および浸透性が含まれるが、これらに限定されない。
[0039] 第1および第2メタクリレート由来のユニットの親水性側鎖は、親水性であってよく、水溶性またはアルコール等の水混和溶媒であり得る。側鎖は、例えば、1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、または硫黄原子)を有し得る。いくつかの実施形態において、側鎖は、1つ以上のヒドロキシ基を有する。いくつかの実施形態では、第1および第2メタクリレート由来のユニットの側鎖は、同一、または実質的に同一であり得る。他の実施形態では、第1および第2メタクリレート由来のユニットの側鎖は異なる。
[0040] いくつかの実施形態において、第1および第2メタクリレート由来のユニットの親水性側鎖は、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含む。アルキレンオキシドユニットは、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ブチレンオキシド)、またはそれらの混合物等のポリマーの形態であってよく、2つまたは3つの異なるアルキレンオキシドユニットの組み合わせを含むコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態において、側鎖のポリ(アルキレンオキシド)は、2つまたは3つの異なるポリ(アルキレンオキシド)ポリマーのブロックを含むブロックコポリマーである。特定の実施形態では、ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングリコール)のブロックコポリマーである。他の実施形態では、第2メタクリレート由来のユニットの親水性側鎖、および架橋は、共に、ポリ(エチレングリコール)を含む。
[0041] いくつかの実施形態において、保護膜の第1メタクリレート由来のユニットは、下記式(II)の構造を有し得る。

ここで、Rは親水基である。特定の実施形態において、親水基は、アルコール等の1つ以上のヒドロキシ基を含む。
[0042] いくつかの実施形態において、第1メタクリレート由来のユニットは、下記式(IIa)の構造を有し得る。

ここで、Xは、−O−、NR”−、または−S−であり、yは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、Rは水素、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルキル−OH、−SiR”、−C(O)−C〜C12アルキル、−C〜C12アルキル−C(O)OR”であり、ここで、R”は、水素または−C〜C12アルキルである。
[0043] 特定の実施形態において、第1メタクリレート由来のユニットは、下記の構造を有する。
[0044] いくつかの実施形態において、保護膜の第2メタクリレート由来のユニットは、は、下記式(III)の構造を有し得る。

ここで、Yは、−O−、−NR”−、または−S−であり、xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、Rは、水素、−C〜C12アルキル、−SiR
、−C(O)−C〜C12アルキル、−C〜C12アルキル−C(O)OR”であり、ここで、R”は、水素または−C〜C12アルキルである。
[0045] 特定の実施形態において、第2メタクリレート由来のユニットは、xが約2〜約250の平均値である、式(III)の構造を有し得る。
[0046] いくつかの実施形態において、第2メタクリレート由来のユニットは、xが、ポリ(エチレングリコール)が約100〜約10,000の数平均分子量(M)を有するようなものである、式(III)の構造を有し得る。特定の実施形態では、xは、ポリ(エチレングリコール)のMが表2の範囲に入るように選択される。
[0047] 特定の実施形態において、第2メタクリレート由来のユニットは、Yが−O−であり、Rがメチルであり、xが、ポリ(エチレングリコール)が約500の数平均分子量(M)を有するようなものである、式(III)の構造を有し得る。
[0048] いくつかの実施形態において、分析物センサの架橋結合された親水性コポリマー内に親水性側鎖を有する第2メタクリレート由来のユニットが存在することで、多孔質ネットワークが形成され得る。多孔質ネットワークの構造は、コポリマー内にポリマーの存在しない領域を含み、本明細書では、この領域を「孔」と呼ぶ。架橋結合された親水性コポリマーの多孔質ネットワークは、試料溶液中の分析物(例えばグルコース)の濃度と、分析物センサ電極表面付近の分析物濃度との間の均衡を制御しやすくすることができる。分析物センサに到達した分析物の全てが消費される場合、測定される出力信号は、分析物の流れ、ひいては分析物の濃度に直線的に比例し得る。しかし、分析物の消費が分析物センサ内の化学的または電気化学的活性の動態によって制限される場合、測定される出力信号は、分析物の流れによって制御できなくなり、分析物の流れまたは濃度に直線的に比例しなくなる。この場合、分析物の濃度が上昇しても、測定される信号の上昇が停止する、または、わずかに上昇するのみであるセンサの飽和状態になる前に分析物感知成分に到達した分析物の一部のみが消費される。多孔質ネットワークは、分析物感知成分に向かう分析物の流れを減少させることで、センサが飽和しないため、効果的に、より広い範囲の分析物濃度の測定を可能にする。
[0049] 第2メタクリレート由来のユニット親水性側鎖の親水特性は、分析物の浸透性等の、多孔質ネットワークの所望の特性を作り出すように変化させることができる。例えば、センサ内への分析物の流れまたはセンサを通る分析物の流れは、監視中の特定の分析物に応じて変わり得るため、多孔質ネットワークは、特定の分析物を監視するための特性を得るように変更することができる。いくつかの用途において、多孔質ネットワークの親水性は、第2メタクリレート由来のユニットの親水性側鎖内のアルキレンオキシドユニットの数を変化させることにより、調節され得る。同様に、多孔質ネットワークの親水性は、第2メタクリレート由来のユニット内のアルキレンオキシドユニットに対する炭素原子(つまり、−C−、−CH−、−CH−、または−CH)の比を調整することにより、調節することができる。
[0050] 保護膜の架橋結合された親水性コポリマーの架橋は、異なる主鎖内の第3メタクリレート由来のユニットどうしを連結させ、下記式(IV)内のRによって表される。

ここで、X’は、それぞれ独立して、−O−、−NR”−、または−S−であり、Rは架橋であり、R”は水素または−C〜C12アルキルである。
[0051] いくつかの実施形態において、保護膜の架橋は、水溶性またはアルコール等の水混和性溶媒であり得る。架橋は、1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、または硫黄原子)を有し得る。いくつかの実施形態において、架橋は、1つ以上のヒドロキシ基を有する。
[0052] いくつかの実施形態において、保護膜の架橋は、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含み得る。アルキレンオキシドユニットは、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ブチレンオキシド)、またはそれらの混合物等のポリマーの形態であってよく、2つまたは3つの異なるアルキレンオキシドユニットの組み合わせを含むコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態において、架橋のポリ(アルキレンオキシド)は、2つまたは3つの異なるポリ(アルキレンオキシド)ポリマーのブロックを含むブロックコポリマーである。特定の実施形態では、ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングリコール)のブロックコポリマーである。他の実施形態では、架橋は、ポリ(エチレングリコール)を含む。
[0053] いくつかの実施形態において、保護膜の架橋は、1つ以上のエチレンオキシドユニットを含む。例えば、架橋(例えば、上記式IV内のR)は、下記式(IVa)の構造を有し得る。

ここで、zは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。特定の実施形態において、保護膜の架橋は、式(IVa)の構造を有し、zは、約2〜約250の平均値である。
[0054] 他の実施形態において、式(IVa)の架橋におけるzは、この架橋(式(IVa)の角括弧内の)のPEG部分の数平均分子量(M)が約100〜約10,000になるようなものである。例えば、zは、架橋のPEG部分のMが表3の範囲に入るように選択され得る
[0055] いくつかの実施形態において、保護膜の架橋は、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート由来である。つまり、式(IV)の架橋において、X’が−O−であり、かつRが−CHCHOCHCH−であるか、あるいは、式(IVa)の架橋において、zが1である。
[0056] いくつかの実施形態において、保護膜の架橋結合されたコポリマーは、多孔質ネットワークを形成し得る。多孔質ネットワークの構造は、コポリマーが存在しないコポリマー内の領域または空隙を含み、本明細書では、この領域または空隙を「孔」と呼ぶ。架橋結合されたコポリマーの多孔質ネットワークは、試料中の分析物(例えばグルコース)の濃度と、分析物センサ電極表面付近の分析物濃度との間の均衡を制御しやすくすることができる。分析物センサに到達した分析物の全てが消費される場合、測定される出力信号は、分析物の流れ、ひいては分析物の濃度に直線的に比例し得る。しかし、分析物の消費が分析物センサ内の化学的または電気化学的活性の動態によって制限される場合、測定される出力信号は、分析物の流れによって制御できなくなり、分析物の流れまたは濃度に直線的に比例しなくなる。この場合、分析物の濃度が上昇しても、測定される信号の上昇が停止する、または、わずかに上昇するのみであるセンサの飽和状態になる前に分析物感知成分に到達した分析物の一部のみが消費される。多孔質ネットワークは、分析物感知成分に向かう分析物の流れを減少させることで、センサが飽和しないため、より広い範囲の分析物濃度の測定を可能にする。
[0057] 多孔質ネットワークの特性は、分析物の浸透性等の所望の特性を作り出すように変化させることができる。例えば、感知膜内への分析物の流れは、監視中の特定の分析物に応じて変わり得るため、多孔質ネットワークは、特定の分析物を監視するための特性を得るように変更することができる。第2メタクリレート由来のユニットを変化させることで、保護膜の浸透性を増大または低下させることができる。
[0058] 保護膜の架橋結合された親水性コポリマーの厚さは、分析物センサの所望の特性に応じて変化させることができる。感知膜の外向き面からコポリマーの外向き面まで測定された場合のコポリマーの厚さは、分析物感知成分に向かう分析物の流れを調整する際に重要な役割を果たし得る。コポリマー内のメタクリレート由来のユニットの性質、使用される分析物感知成分の種類、および監視対象の分析物に応じて、コポリマーの厚さは約10μm未満〜約30μmであり得る。いくつかの例において、コポリマーは、20μm未満の厚さであり、他の用途では、コポリマーは約20μm〜約25μmの厚さである。特定の用途において、コポリマーは、約10μm〜約15μmの厚さであり、他の用途では、コポリマーは約15μm〜約20μm、または約25μm〜約30μmの厚さである。いくつかの実施形態において、コポリマーは、約20μmの厚さである。
[0059] いくつかの実施形態において、感知膜は、隣接する電極の1つ以上の表面を完全にまたは実質的に覆うことができる。架橋結合された親水性コポリマーを含まない分析物センサでは、感知膜は、電極と、(存在する場合は)監視または測定中の分析物試料との間にバリアまたは膜を生じさせるように、電極の1つ以上の表面を完全にまたは実質的に覆うことができる。このような実施形態において、感知膜は、電極と分析物試料との間に存在する。感知膜は、電極を完全に覆って、電極と試料との直接的な接触を制限することができる。
[0060] 架橋結合された親水性コポリマーを有する分析物センサでは、センサ膜は、電極と架橋結合された親水性コポリマーとの間でバリアまたは膜として作用し得る。感知膜は、隣接する電極の1つ以上の表面を完全にまたは実質的に覆うことができる。コポリマーは、感知膜と、(存在する場合は)監視または測定中の分析物試料との間にバリアまたは膜を生じさせるように、感知膜に隣接し、かつ感知膜を完全にまたは実質的に覆うことができる。このような実施形態において、感知膜は、電極とコポリマーとの間に存在し、コポリマーは、感知膜と分析物試料との間に存在する。感知膜は、電極を完全に覆い、電極とコポリマーおよび/または分析物試料との直接的な接触を制限することができ、コポリマーは、感知膜を完全に覆い、分析物試料が最初にコポリマーを通過せずに感知膜に直接接触するのを制限することができる。
[0061] いくつかの実施形態において、電極は、内向き面と、感知膜によって完全または実質的に覆われた外向き面とを有し得る。感知膜もまた、内向き面および外向き面を有し得る。電極の外向き面は、感知膜の内向き面に対して隣接および/または接触することができ、感知膜の外向き面は、(存在する場合は)監視または測定中の分析物試料に対して隣接および/または接触することができる。
[0062] 分析物センサは、架橋結合された親水性コポリマーを含み、電極は、内向き面と、感知膜によって完全にまたは実質的に覆われた外向き面とを有し得る。感知膜もまた、内向き面および外向き面を有し得る。電極の外向き面は、感知膜の内向き面に対して隣接および/または接触することができ、感知膜の外向き面は、架橋結合された親水性コポリマーによって完全または実質的に覆われ得る。コポリマーは、内向き面および外向き面を有し得る。コポリマーの内向き面は、感知膜の外向き面と隣接および/または接触することができ、コポリマーの外向き面は、(存在する場合は)監視または測定中の分析物試料に対して隣接および/または接触することができる。
[0063] 本明細書で使用される「完全に覆うことができる」材料または「完全に覆われる」表面は、約95%を超える被覆率を指し得る。いくつかの実施形態では、約99%を超える被覆率を指すこともある。本明細書で使用される「実質的に覆うことができる」材料または「実質的に覆われる」表面は、約75%を超える被覆率を指す。いくつかの実施形態では、約85%を超え、約95%以下の被覆率を指し得る。
[0064] 別の態様において、分析物センサを作製する方法が開示される。この方法は、感知膜の形成を含み、感知膜の形成は、
a)1つ以上のタンパク質と、架橋剤と、分析物感知成分とを含む感知混合物を形成することであって、タンパク質が1つ以上のアミン官能基を有する、形成することと、
b)感知混合物を電極の表面上に堆積させることと、
c)堆積された感知混合物を硬化させて感知膜を提供することと、を含む。
[0065] 感知膜を形成する方法のいくつかの実施形態において、混合物は、3つの別個の溶液を組み合わせることにより形成される。この方法は、
a)1つ以上のアミン官能基を有する1つ以上のタンパク質を含む第1混合物を形成することと、
b)架橋剤を含む第2混合物を形成することと、
c)分析物感知成分を含む第3混合物を形成することと、
d)3つの混合物を組み合わせて感知混合物を提供することと、を含む。
[0066] いくつかの実施形態において、感知膜は、電極の表面上に形成され得る。例えば、各成分、または1つ以上の成分の組み合わせは、電極の表面上に個別に堆積されて、堆積された感知混合物を形成することができる。同様に、混合物が3つの別個の溶液を組み合わせることによって形成される場合、それらの溶液は、電極の表面上で組み合わされて感知混合物を形成することができる。
[0067] 感知混合物のタンパク質は、本明細書で説明されるように、感知膜のタンパク質を提供するように選択され得る。いくつかの実施形態において、感知混合物のタンパク質は、全て同一のタンパク質であってもよく、実質的に同一のタンパク質であってもよい。2つ以上のタンパク質を使用して、架橋結合された感知膜を形成してもよい。いくつかの実施形態において、タンパク質は、ウシ血清アルブミンである。
[0068] 感知混合物の架橋剤は、感知膜のタンパク質どうしの間、および/または、分析物感知成分と1つ以上のタンパク質および/または感知膜内の別の分析物感知成分との間に、共有結合を形成することができる化学反応種である。いくつかの実施形態において、架橋剤は、タンパク質および/または分析物感知成分上のアミン基の窒素原子と、架橋剤内の炭素原子との間に炭素・窒素二重結合を形成することができる。いくつかの実施形態において、架橋剤は、ジカルボニル化合物である。例えば、架橋剤は、下記式(V)の構造を有し得る。

ここで、RおよびR’は、本明細書に記載の感知膜の架橋を提供するように選択される。いくつかの実施形態において、Rは、C〜Cアルキルまたは親水基であり、R’は、それぞれ独立して、水素、クロロ、−C〜C12アルキル、またはN−ヒドロキシコハク酸である。いくつかの実施形態において、架橋剤は、オキシアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、またはアジポアルデヒドであり得る。他の実施形態では、親水基は、本明細書に記載される感知膜の架橋を提供するように選択され得る。
[0069] 分析物感知成分は、監視が望まれる分析物に基づいて選択され得る。例えば、生理学的なコレステロールレベルを監視するには、コレステロールオキシダーゼを使用することができ、乳酸レベルを監視するには、乳酸オキシダーゼを使用することができる。グルコースレベルを監視するには、分析物感知成分は、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを含み得る。
[0070] 分析物感知成分は、架橋結合により、分析物感知成分が埋め込まれた架橋ネットワークが形成されるように、堆積された感知膜混合物内のタンパク質どうしが架橋結合される場合に存在し得る。埋め込まれた分析物感知成分は、不動化され、対応する対象の分析物を監視するために使用され得る。
[0071] いくつかの実施形態において、方法は、保護膜の形成をさらに含み、保護膜の形成は、
a)開始剤と、親水性側鎖を有する第1メタクリレートモノマーと、ジメタクリレートモノマーと、親水性側鎖を有する第2メタクリレートモノマーと、を含むコポリマー化合物を形成することと、
b)コポリマー混合物を感知膜の表面上に堆積させることと、
c)堆積されたコポリマー混合物を、重合(つまり、硬化)を開始するのに十分な条件下に置くことと、を含む。
[0072] この方法のいくつかの実施形態において、コポリマー混合物は、コポリマー前駆体の別個の溶液を組み合わせることにより形成される。この方法は、
a)ジメタクリレートモノマーと、開始剤と、親水性側鎖を有する第1メタクリレートモノマーとを含む第1混合物を形成することと、
b)ジメタクリレートモノマーと、開始剤と、親水性側鎖を有する第2メタクリレートモノマーとを含む第2混合物を形成することと、
d)これらの混合物を組み合わせてコポリマー混合物を提供することと、を含み得る。
[0073] 保護膜を形成するための方法のいくつかの実施形態において、開始剤および/またはジメタクリレートモノマーは、上記混合物のいずれにも存在し得る。例えば、第1混合物または第2混合物は、開始剤および/またはジメタクリレートモノマーを含み得る。保護膜を形成するための方法の他の実施形態では、第3混合物は存在せず、第1混合物および/または第2混合物内にジメタクリレートモノマーが存在する。
[0074] コポリマー混合物の第1および第2メタクリレートモノマーは、1つ以上のヘテロ原子を有し得る親水性側鎖を含む。親水性側鎖は、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含み、本明細書に記載される分析物センサの架橋結合された親水性コポリマーを形成することができる。
[0075] コポリマー混合物の第1メタクリレートモノマーは、本明細書に記載されるような架橋結合された親水性コポリマーの第1メタクリレート由来のユニットを提供するように選択され得る。この方法のいくつかの実施形態において、第1メタクリレートモノマーは、下記式(VI)の構造を有する。

ここで、Rは親水基である。この方法の特定の実施形態において、親水基は、アルコール等の1つ以上のヒドロキシ基を含む。
[0076] この方法のいくつかの実施形態において、第1メタクリレートモノマーは、下記式(VIa)の構造を有する。

ここで、X、y、RおよびR”は、本明細書に記載される架橋結合された親水性コポリマーの第1メタクリレート由来のモノマーユニットを提供するように選択される。
[0077] この方法の特定の実施形態において、第1メタクリレートモノマーは、下記の構造を有する。
[0078] コポリマー混合物の第2メタクリレートモノマーは、本明細書に記載されるような架橋結合された親水性コポリマーの第2メタクリレート由来のユニットを提供するように選択され得る。この方法のいくつかの実施形態において、第2メタクリレートモノマーは、下記式(VII)の構造を有する。

ここで、Y、x、R、およびR”は、本明細書に記載される架橋結合された親水性コポリマーの第2メタクリレート由来のモノマーユニットを提供するように選択される。
[0079] この方法のいくつかの実施形態において、第2メタクリレートモノマーは、xが、本明細書に記載の架橋結合された親水性コポリマーの第2メタクリレート由来のモノマーユニットを提供するように選択され、ポリ(エチレングリコール)が約100〜約10,000の数平均分子量(M)を有する、式(VII)の構造を有する。特定の実施形態において、xは、ポリ(エチレングリコール)のMが表2の範囲に入る第2メタクリレート由来のモノマーユニットを提供するように選択される。
[0080] この方法の特定の実施形態では、第2メタクリレートモノマーは、Yが−O−であり、Rがメチルであり、xが、ポリ(エチレングリコール)が約500の数平均分子量(M)を有するようなものである、式(VII)の構造を有する。
[0081] コポリマー混合物のジメタクリレートモノマーは、親水性リンカによってつながれた2つの末端メタクリレート基を有する分子である。親水性リンカは、本明細書に記載される架橋結合された親水性コポリマーの異なる主鎖内の第3メタクリレート由来のユニット間に架橋を提供するように選択される。それぞれがジメタクリレートモノマーを有する2つ以上の溶液の組み合わせから混合物が形成される実施形態では、ジメタクリレートモノマーは、同一であってもよく、場合によっては異なってもよい。
[0082] 保護膜の架橋結合された親水性コポリマーにおける架橋結合の程度は、混合物内のジメタクリレートモノマーの量を調節することによって制御され得る。いくつかの実施形態において、ジメタクリレートモノマーは、混合物の約1%〜約15%であり得る。他の例では、ジメタクリレートモノマーの量は、約1%〜約5%、または約5%〜約10%、または約10%〜約15%である。いくつかの実施形態において、ジメタクリレートモノマーの量は、約1%である。場合によっては、第1および第2の混合物の両方が、約1%のジメタクリレートモノマーを含む。
[0083] コポリマー混合物のジメタクリレートモノマーは、本明細書に記載されるような架橋結合された親水性コポリマーの架橋を提供するように選択され得る。この方法のいくつかの実施形態において、ジメタクリレートモノマーは、本明細書に記載されるような架橋結合された親水性コポリマーの架橋を提供するために、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含む。いくつかの実施形態において、ジメタクリレートモノマーは、ポリ(エチレングリコール)PEGを含む。例えば、ジメタクリレートモノマーは、下記式(VIII)の構造を有し得る。

ここで、zは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
[0084] この方法の特定の実施形態において、ジメタクリレートモノマーは、zが約2〜約250の平均値である、式(VIII)の構造を有し得る。
[0085] この方法の他の実施形態において、ジメタクリレートモノマーは、zが、ジメタクリレートモノマーのPEG部分の数平均分子量(M)が約100〜約10,000であるようなものである、式(VIII)の構造を有し得る。例えば、wは、ジメタクリレートモノマーのPEG部分のMが表3の範囲に入るように選択され得る。いくつかの実施形態において、ジメタクリレートモノマーは、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレートである。
[0086] この方法の感知混合物およびコポリマー混合物は、水性溶媒、アルコール溶媒、またはそれらの混合物中で形成され得る。水性溶媒には、例えば、クエン酸、酢酸、ホウ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸(TAPS)、N,N-ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(Tris)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)、2−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸
(MOPS)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、クエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2(R)−2−(メチルアミノ)こはく酸、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む溶液等の緩衝水溶液が含まれ得る。いくつかの実施形態において、混合物は、緩衝水溶液とエタノールとの混合物内で形成され得る。
[0087] この方法のいくつかの実施形態において、本方法の混合物および溶液は、略同一濃度の成分(例えば、タンパク質、分析物感知成分、第1メタクリレートモノマー等)により形成され得る。その後、各成分のパーセンテージは、感知膜または保護膜を形成するために使用される混合物を形成するために使用される各個々の混合物の量を調節することにより、変化させられ得る。いくつかの例において、感知膜混合物中の分析物感知成分のパーセンテージは、約40重量%〜約80重量%であってよく、タンパク質は約15重量%〜約50重量%であってよく、架橋剤は約1重量%〜約10重量%であってよい。特定の例において、感知膜混合物中の分析物感知成分のパーセンテージは、約60重量%〜約70重量%であってよく、タンパク質は約25重量%〜約35重量%であってよく、架橋剤は約1重量%〜約5重量%であってよい。保護膜混合物において、第1メタクリレートモノマーのパーセンテージは、約20重量%〜約60重量%であってよく、第2メタクリレートモノマーのパーセンテージは約10重量%〜約40重量%であってよく、ジメタクリレートモノマーのパーセンテージは、約0.1%〜約5%の重量であってよい。全てのパーセンテージは、分析物感知成分と、第1メタクリレートモノマーと、第2メタクリレートモノマーとの累積量のパーセンテージとして表される。特定の例において、分析物感知成分のパーセンテージは約40重量%であり、第1メタクリレートモノマーの量は約35重量%〜約40重量%であり、第2メタクリレートモノマーの量は約20重量%〜約25重量%である。この方法の特定の実施形態において、混合物は、堆積される前に、任意でスターラまたはシェーカを使用して完全に混合され得る。
[0088] 各混合物内の成分の割合は、結果として得られる分析物センサの所望の特性に応じて変わり得る。例えば、親水性側鎖を有する第2メタクリレートモノマーの量を調整することにより、保護膜の多孔質ネットワークを変更することができる。多孔質ネットワークの特性を制御することにより、分析物センサの浸透性を調整することができる。同様の調整可能性は、電極上に堆積される感知混合物の量を調節すること、および/または、第1メタクリレートモノマーと組み合わされる第2メタクリレートモノマーの量を調節することにより、実現することもできる。
[0089] 電極の表面上に感知混合物を堆積すること、または感知膜上にコポリマー混合物を堆積することは、多くの方法によって実現することができる。例えば、堆積は、微量注射器を使用して手動で実行することもでき、またはナノジェットのディスペンサ装置を使用して自動化製造プロセスによって実行することもできる。
[0090] この方法のいくつかの実施形態において、堆積される感知混合物またはコポリマー混合物の量は、それぞれ、分析物センサの感知膜または保護膜の所望の厚さを提供するように選択される。いくつかの実施形態において、電極上に堆積される量は、約50nL/mm〜約500nL/mmである。他の例では、この量は、約50μm〜約150μm、または約150μm〜約300μm、または約300μm〜約500μmの厚さである。いくつかの実施形態において、この量は、約100nL/mmである。いくつかの例では、約100nL/mmの感知混合物またはコポリマー混合物を堆積することで、それぞれ、約20μmの厚さの感知膜または保護膜が提供される。
[0091] 重合(つまり、硬化)を開始するのに適した条件は、重合化される成分の性質に基づき、かつ、分析物感知成分を劣化させないように選択され得る。分析物感知成分が酵素である実施形態において、方法の温度およびpHは、酵素の活性を維持するように選択され得る。特定の実施形態において、開始剤は、紫外線(UV)光によって活性化される。例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンが開始剤として使用される場合、硬化は、UV光を使用して実行され得る。他の例では、硬化は、室温または高温での空気乾燥によって実行される。混合物が、それぞれが開始剤を有する2つ以上の溶液から形成される実施形態では、開始剤は、同一であってもよく、場合によっては異なってもよい。
[0092] 上記例の架橋結合された親水性コポリマーはメタクリレート基を含むが、重合に耐えられるものとして公知の多くのエチレン性不飽和基が存在する。エチレン性不飽和モノマーおよびマクロマ―は、アクリル含有またはビニル含有のいずれかであり得る。ビニル含有モノマーは、ビニル基(CH=CH−)を含み、一般的に反応性が高い。アクリル含有モノマーは、以下の式で表される。
[0093] 好適な重合性基の例には、アリール基等の、アクリル含有基、エタクリル含有基、イタコン酸含有基、スチリル含有基、アクリルアミド含有基、メタクリルアミド含有基、およびビニル含有基が含まれ得る。
[0094] エチレン性不飽和モノマーおよびマクロマ―の重合によって架橋結合された親水性コポリマーを形成する上記の方法に加えて、当業者は、このようなコポリマーを形成するためのさらなる化学反応について認識するであろう。一例として、多官能性アミン類および多官能性エポキシ化合物を混合および硬化するエポキシ反応を使用して、架橋結合された親水性コポリマーを形成することができる。それに加えて、ウレタン反応を使用することができ、ウレタン反応では、多官能性イソシアネートを多官能性アルコールと混合し、硬化して、架橋結合された親水性コポリマーを提供することができる。また、当業者は、架橋結合された親水性コポリマーを形成するための他の化学反応についても認識するであろう。
[0095] 本明細書に記載された構成は、例示のみを目的としていることを理解されたい。したがって、当業者には当然のことながら、他の構成および他の要素(例えば、機械、インタフェース、機能、順序、および機能の集合等)を代わりに使用することができ、一部の要素は、所望の結果に応じて完全に省略することができる。さらに、記載された要素の多くは、任意の好適な組み合わせおよび配置において、別個のコンポーネントもしくは分散されたコンポーネントとして実施され得る、または、他のコンポーネントと共に実施され得る機能エンティティである。
[0096] 本明細書において、多様な態様および実施形態を開示したが、他の態様および実施形態も当業者には明らかであろう。本明細書で開示された多様な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定を意図したものではない。本発明の真の範囲および精神は、以下の請求の範囲により、該請求の範囲に包含される均等物の全範囲と共に、示されるものである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、限定を意図したものではないことも理解されたい。
[0097] さらに、システムのいくつかの実施形態は、自動的に実施され得る、またはデバイスの着用者によって制御され得るプライバシーコントロールを備えてもよい。例えば、着用者の収集された生理学的パラメータデータおよび健康状態データが、臨床家による傾向分析のためにクラウドコンピューティングネットワークにアップロードされる場合、そのデータは、個人的に識別可能な情報が除去されるように、格納または使用前に一通り以上の方法で処理され得る。例えば、ユーザの識別情報は、ユーザに関して個人的に識別可能な情報が特定され得ないように処理され得る。あるいは、ユーザの地理的位置は、ユーザの特定の位置が特定され得ないように、位置情報が取得される場所(市、郵便番号、州といったレベル)に一般化され得る。
[0098] それに加えて、またはその代わりに、デバイスの着用者には、着用者に関する情報(例えば、ユーザの病歴、社会的行為もしくは活動、職業、ユーザの嗜好、またはユーザの現在の位置等)をデバイスが収集するか否か、あるいはどのように収集するかを管理する機会、または、そのような情報がどのように使用され得るかを管理する機会が与えられてもよい。したがって、着用者は、どのように自身に関する情報が収集され、臨床家または医師またはデータの他のユーザによって使用されるかについて管理することができる。例えば、着用者は、自身のデバイスから収集された健康状態および生理学的パラメータなどのデータが、個人的な基準値および収集に応じた助言の生成と、自身のデータの比較にのみ使用でき、集団的な基準値の生成や集団的な相関の研究における使用のためには使用できないように選択することができる。
実施例1.二層分析物センサの形成
[0099] 感知膜の形成
200μLのPBS緩衝液中にグルコースオキシダーゼ(10.0mg)およびBSA(ウシ血清からのアルブミン、4.0mg)を加えた溶液を形成した。この混合物に、12.0μLのグルタルアルデヒド(50%水溶液)が添加され、得られた混合物を撹拌した。混合物を、1×3mmのセンサ領域上に堆積し(120nL)、室温および大気圧下で一晩空気乾燥した。
[00100] 保護膜の形成
以下の二つの溶液(AおよびB)が調整された。
A)1重量%のジ(エチレングリコール)ジメタクリレートおよび1重量%の2,2−ジメトキシ2−フェニルアセトフェノンを含む2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマー溶液
B)1重量%のジ(エチレングリコール)ジメタクリレートおよび1重量%の2,2−ジメトキシ2−フェニルアセトフェノンを含むポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(平均Mn500、Aldrich製品#447943)モノマー溶液
2つの溶液を、A:B:PBSの比が0.225:0.175:0.200となるように、PBS緩衝液と組み合わせ、渦シェーカを使用して完全に撹拌した。得られた混合物を、感知膜の表面上に堆積し(100nL/mm)、堆積された混合物を、EC500露光チャンバ(Elenctro−Lite社製)を使用し、窒素雰囲気下、365nmで5分間UV硬化した。得られた硬化後の架橋結合されたコポリマー保護膜は、約20μmの厚さを有していた。
実施例2.グルコース溶液中の分析物センサの性能
[00101] 実施例1に従って作製された6つの分析物センサを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のグルコース濃度を50μM〜1000μMの範囲として、検査した。センサをPBSに浸漬し、グルコース濃度を10〜15分毎に上昇させた。各センサの電極で生成された電流を、ポテンショスタットを使用して測定した(図1)。電流とグルコース濃度との直線的な関係を観察した(図2)。

Claims (20)

  1. 感知膜を備えた分析物センサであって、前記感知膜は、
    1つ以上のタンパク質および架橋を含む架橋ネットワークと、
    前記架橋ネットワーク内に埋め込まれた分析物感知成分と、を含み、
    前記タンパク質は、前記タンパク質上のアミン基窒素原子と前記架橋上の炭素原子との間の炭素・窒素二重結合により架橋結合される、
    分析物センサ。
  2. 前記架橋内には、C〜Cアルキルが存在する、請求項1に記載の分析物センサ。
  3. 前記架橋は、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含む、請求項1に記載の分析物センサ。
  4. 前記タンパク質は、ウシ血清アルブミンである、請求項1に記載の分析物センサ。
  5. 前記分析物感知成分は、グルコースオキシダーゼを含む、請求項1に記載の分析物センサ。
  6. 前記感知膜は、電極の表面に隣接する、請求項1に記載の分析物センサ。
  7. 保護膜をさらに備え、前記保護膜は、前記感知膜の表面に隣接する、請求項1に記載の分析物センサ。
  8. 前記保護膜は、架橋結合された親水性コポリマーを含み、前記架橋結合された親水性コポリマーは、
    それぞれが親水性側鎖を有する複数の第1メタクリレート由来のユニットと、それぞれが親水性側鎖を有する第2メタクリレート由来のユニットと、第3メタクリレート由来のユニットと、を含む主鎖と、
    異なる主鎖内の前記第3メタクリレート由来のユニット間の親水性の架橋と、を含む、
    請求項7に記載の分析物センサ。
  9. 前記感知膜は、前記電極と前記架橋結合された親水性コポリマーとの間に存在する、請求項3に記載の分析物センサ。
  10. 前記第1メタクリレート由来のユニットは、式(IIa)の構造を有し、

    ここで、Xは、−O−、−NR”、または−S−であり、
    yは0〜10であり、
    は水素、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルキル−OH、−SIR”、−C(O)−C〜C12アルキル、または−C〜C12アルキル−C(O)OR”であり、R”は−C〜C12アルキルである、
    請求項8に記載の分析物センサ。
  11. 前記第1メタクリレート由来のユニットは、下記の構造を有する、請求項8に記載の分析物センサ。
  12. 前記第2メタクリレート由来のユニットの前記親水性側鎖は、1つ以上のアルキレンオキシドユニットを含む、請求項8に記載の分析物センサ。
  13. 前記第2メタクリレート由来のユニットは、式(III)の構造を有し、

    ここで、Yは、−O−、−NR”、または−S−であり、
    は水素、−C〜C12アルキル、−SIR”、−C(O)−C〜C12アルキル、または−C〜C12アルキル−C(O)OR”であり、R”は、水素または−C〜C12アルキルであり、
    xは1〜10である、
    請求項12に記載の分析物センサ。
  14. 前記第2メタクリレート由来のユニットは、式(III)の構造を有し、

    ここで、Yは、−O−、−NR”−、または−S−であり、
    は水素、−C〜C12アルキル、−SIR”、−C(O)−C〜C12アルキル、または−C〜C12アルキル−C(O)OR”であり、R”は、水素または−C〜C12アルキルであり、
    xは、2〜250の平均値である、
    請求項12に記載の分析物センサ。
  15. 前記保護膜は、約20μmの厚さを有する、請求項7に記載の分析物センサ。
  16. 前記タンパク質はBSAであり、
    前記架橋はC〜Cアルキルであり、
    前記分析物感知成分は、グルコースオキシダーゼを含む、
    請求項1に記載の分析物センサ。
  17. 前記第1メタクリレート由来のユニットは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート由来であり、
    前記第2メタクリレート由来のユニットは、式(III)の構造を有し、

    ここで、xは、約10〜約15の平均値であり、
    前記親水性の架橋は、式(IVa)の構造を有し、

    ここで、zは1である、
    請求項8に記載の分析物センサ。
  18. 前記タンパク質はBSAであり、
    前記架橋はCアルキルであり、
    前記分析物感知成分は、グルコースオキシダーゼであり、
    前記第1メタクリレート由来のユニットは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート由来であり、
    前記第2メタクリレート由来のユニットは、式(III)の構造を有し、

    ここで、xは、約10〜約15の平均値であり、
    前記親水性の架橋は、式(IVa)の構造を有し、

    ここで、zは1である、
    請求項12に記載の分析物センサ。
  19. 分析物センサを製造するための方法であって、
    1つ以上のタンパク質、架橋剤、および分析物感知成分を含む感知混合物を形成することであって、前記タンパク質は、1つ以上のアミン官能基を有する、形成することと、
    前記感知混合物を電極の表面上に堆積させることと、
    前記堆積した感知混合物を硬化して、感知膜を提供することと、を含む、
    方法。
  20. 開始剤と、親水性側鎖を有する第1メタクリレートモノマーと、ジメタクリレートモノマーと、親水性側鎖を有する第2メタクリレートモノマーと、を含むコポリマー混合物を形成することと、
    前記コポリマー混合物を前記感知膜の表面上に堆積させることと、
    前記堆積したコポリマー混合物を硬化させて、保護膜を提供することと、をさらに含む、
    請求項19に記載の方法。
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