JP2017500581A - 一体型原子炉圧力容器チューブシート - Google Patents

一体型原子炉圧力容器チューブシート Download PDF

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Abstract

原子炉圧力容器のための熱制御システムは、原子炉圧力容器の壁に取り付けられた、実質的に円形を有するプレートを備える。プレートは、原子炉圧力容器を、上部原子炉圧力容器領域と下部原子炉圧力容器領域とに分割する。更に、プレートは、上部原子炉圧力容器領域内に配置された加圧容積と、下部原子炉圧力容器領域内に配置された一次冷却剤との間に熱障壁を提供するように構成されている。1つ以上のプレナムは、複数の伝熱チューブが原子炉圧力容器の壁を通過する経路を提供する。複数の伝熱チューブは、プレートに接続されている。

Description

発明の詳細な説明
[関連事項の陳述]
本願は2013年12月26日に出願された、米国仮出願第61/921,046号および2014年4月24日に出願された、米国非仮出願第14/260,866号に対する優先権を主張する。
[技術分野]
本願は、蒸気発生器チューブアセンブリを備える電力システムを含む発電の分野に関する。
[背景]
効率的に蒸気発生器から電気を発生する能力を含む原子炉性能は、様々な設計面の配慮によって影響を受け、さもなければ悪影響を被る。例えば、蒸気発生器チューブの数、長さおよび壁厚は、蒸気発生器システムに関連した崩壊熱除去および流量に影響し得る。同様に、格納構造に関連した全容積および壁厚は、発電所の正常運転圧または許容システム圧力を一部決定し得る。
効率と関係する設計面の配慮に加えて、発電所に関連した様々なシステム構成要素は、しばしば厳密な安全要求事項および規定コードを満たさなければならない。圧力下で含まれている液体および/または蒸気で運転する発電所は、過剰加圧事象又は事故中に故障から構成要素を守るために、一般的に、正常運転条件より過度となり得る圧力に耐えるように設計されている。
常に、安全要求事項および規定コードは、しばしば構成要素の更に強固な設計をもたらし、ある構成要素の製造で使用される材料の量は増加する傾向がある。構成要素のサイズまたは重量が増加するにつれ、原子炉モジュールの建設中に製造および輸送に関連するコストを同様に増加させ、ひいては、発電所、および発電所が発生するように設計された電気の全費用を増大させる。本願は、これらおよび他の問題に対処する。
[概要]
原子炉圧力容器のための熱制御システムは、原子炉圧力容器の壁に取り付けられた、実質的に円形を有するプレートを備えてもよい。プレートは、原子炉圧力容器を、上部原子炉圧力容器領域と下部原子炉圧力容器領域とに分割してもよい。更に、プレートは、上部原子炉圧力容器領域内に配置された加圧容積と、下部原子炉圧力容器領域内に配置された一次冷却剤との間に、熱障壁および/または液体障壁を提供するように構成されてもよい。1つ以上のプレナムは、複数の伝熱チューブが原子炉圧力容器の壁を通り抜ける経路を提供するように構成されてもよい。複数の伝熱チューブがプレートに接続されてもよい。
原子炉圧力容器に囲まれた炉心を備える例示的な原子炉モジュールを図示している。 原子炉圧力容器および原子炉圧力容器仕切板を備える例示的なシステムの断面図を図示している。 原子炉圧力容器上に取り付けられた仕切板および1つ以上の蒸気発生器ノズルを備える原子炉モジュールの上面図を図示している。 図3Aの原子炉圧力容器の断面図を図示している。 原子炉圧力容器上に取り付けられた例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシートおよび1つ以上の蒸気発生器ノズルを備える原子炉モジュールの上面図を図示している。 図4Aの原子炉圧力容器の断面図を図示している。 例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシートを備える原子炉圧力容器システムを図示している。 図5の例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシートの拡大部分図を図示している。 原子炉圧力容器に取り付けられた例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシートを図示している。 原子炉圧力容器の上部分および原子炉圧力容器の下部分の双方に取り付くように構成された例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシートを図示している。 原子炉圧力容器に取り付けられた例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシートを図示している。 縮径された上部格納容器を備える例示的な原子炉モジュールを図示している。 図10の例示的な原子炉モジュールの断面図を図示している。 一体型チューブシートを組み立てる例示的なプロセスを図示している。
[詳細な説明]
ここに開示された様々な実施形態の再考察を容易にすると共に、より良い理解を提供するために、複数の用語は、緊急炉心冷却装置(ECCS)、化学体積制御設備(CVCS)、格納容器(CNV)、給水(FW)、加圧器(PZR)、原子炉冷却システム(RCS)、原子炉圧力容器(RPV)、および蒸気発生器(SG)を含む頭字語または略語により表されるが、それらに限定されない。さらに、ここに開示され、または参照される様々な例示は、参照により、その全てがここに援用される、米国出願第12/393,577号、米国出願第12/397,481号、および米国出願第12/939,957号の1つ以上において見受けられる特徴と一致してまたは連動して操作されてもよい。
図1は、原子炉圧力容器2によって囲まれた炉心6を備える例示的な原子炉モジュール5を図示している。原子炉圧力容器2内の冷却剤10は炉心6を囲む。炉心6は、炉心隔壁22内に位置していてもよく、炉心隔壁22は、その側面のまわりの炉心6を囲む。冷却剤10が核分裂の事象の結果、炉心6によって加熱されると、冷却剤10は、炉心隔壁22から、炉心6上方に位置した環状部23内に、そして、ライザ24の外に導かれてもよい。これは、炉心6によって順々に加熱される炉心隔壁22内に引き込まれる更なる冷却剤10をもたらし、これにより炉心隔壁22内により多くの冷却剤10を引き込む。ライザ24から出て来る冷却剤10は冷却され、原子炉圧力容器2の外部の方へ導かれ、その後、自然循環によって原子炉圧力容器2の底に戻されてもよい。冷却剤10が加熱されるにつれて、加圧蒸気11(例えば蒸気)が原子炉圧力容器2内に生成されてもよい。
タービン32および発電機34で電気を発生させるために、熱交換器35は給水および/または蒸気を二次冷却システム30内で循環させるように構成されていてもよい。幾つかの例において、給水は熱交換器35を通過し、過熱蒸気になってもよい。二次冷却システム30はコンデンサ36および給水ポンプ38を含んでいてもよい。幾つかの例において、第2冷却システム30内の給水および/または蒸気は、それらが混合しないように、または互いに直接接触しないように、原子炉圧力容器2内の冷却剤10から分離されたままである。
原子炉圧力容器2は格納容器4に囲まれていてもよい。幾つかの例では、格納容器4は、例えば、地表面より下に位置するような水のプール内に配置されてもよい。格納容器4は、原子炉圧力容器2に関連した冷却剤10の放出が格納容器4の外部および/または周辺環境へ漏れるのを防止するように構成される。緊急事態では、蒸気11は、バルブ8を通って原子炉圧力容器2から格納容器4内に放出されてもよく、および/または、冷却剤10はブローダウンバルブ18を通って放出されてもよい。蒸気11および/または冷却剤10の格納容器4内への放出速度は、原子炉圧力容器2内の圧力に応じて変化し得る。幾つかの例では、炉心6に関連した崩壊熱は、少なくとも一部において、格納容器4の内壁の蒸気11の凝結の組み合わせにより除去されてもよく、および/またはブローダウンバルブ18を通って放出された冷却剤10の抑制によって除去されてもよい。
格納容器4は略円筒形状であってもよい。幾つかの例では、格納容器4は1つまたはそれ以上の楕円状、ドーム状、または球状の端を有していてもよい。液体および/または気体が格納容器4から漏れ、または格納容器4内に入らないように、格納容器4は環境に対して溶接又は、さもなければ、密閉されていてもよい。様々な例において、原子炉圧力容器2および/または格納容器4は底が支持されたもの、上端が支持されたもの、その中心の周りで支持されたもの、またはその任意の組み合わせであってもよい。
原子炉圧力容器2の内面は、冷却剤10および/または蒸気11を含む湿った環境に露出されていてもよく、幾つかの例および/または運転モードにおいて、原子炉圧力容器2の外面は実質的に乾燥した環境に露出されていてもよい。原子炉圧力容器2は、ステンレス鋼、炭素鋼、他の種類の材料あるいは複合材、またはその任意の組み合わせを含み、および/またはステンレス鋼、炭素鋼、他の種類の材料あるいは複合材、またはその任意の組み合わせで作られていてもよい。更に、原子炉圧力容器2は被覆材料および/または絶縁材を含んでいてもよい。
格納容器4は、格納領域14内の原子炉圧力容器2を実質的に囲んでいてもよい。格納領域14は、幾つかの例および/または運転モードにおいて、乾燥した、中空の、および/または気体の環境を含んでいてもよい。幾つかの例では、原子炉圧力容器2および格納容器4の一方または双方は、例えば燃料補給、シャットダウン、または移送等の特定の運転モード中に、冷却剤および/または水に曝されてもよい。格納領域14は、空気、例えばアルゴン等の貴ガス、他の種類の気体、またはこれらの任意の組み合わせの量を含んでいてもよい。幾つかの例では、格納領域14は大気圧または大気圧以下、例えば部分真空に維持されていてもよい。他の例では、格納領域14は実質的に完全真空に維持されていてもよい。格納容器4内のあらゆる気体は、原子炉モジュール5の運転に先立って排出され、および/または除去されてもよい。
ある気体は、原子炉システム内で経験される運転圧力の下で非凝縮性であると考えられてもよい。これらの非凝縮性気体は例えば、水素と酸素とを含んでいてもよい。緊急時運転中、蒸気は、高レベルの水素を生成するために燃料棒と化学的に反応してもよい。水素が空気または酸素と混合するときに、可燃混合気を生成してもよい。格納容器4から空気または酸素のかなりの部分を除去することによって、混合することを許容される水素および酸素の量は最小限にされてもよく、または除去されてもよい。
緊急状態が検知される場合、格納領域14に存在するあらゆる空気または他の気体は除去または放出されてもよい。格納領域14から放出または排出される気体は非凝縮性気体および/または凝縮性気体を含んでいてもよい。凝縮性気体は格納領域14内へ放出されるあらゆる蒸気を含んでいてもよい。
緊急時運転中、蒸気および/または水蒸気は格納領域14に放出され得る一方、取るに足りない量の非凝縮性気体(水素等)のみが格納領域14に放出または解放されてもよい。実用的見地から、実質的に、非凝縮性気体が蒸気とともに格納領域14内へ解放されることはないと仮定することは可能であり得る。したがって、幾つかの例において、格納領域14内に存在し得る酸素と共に水素のレベルおよび/または量が不燃性レベルに維持されるように、実質的に、水素ガスは蒸気とともに格納領域14へ放出されない。更に、酸素水素混合物のこの不燃性レベルは水素再結合装置を使用することなく維持されてもよい。幾つかの例において、原子炉圧力容器2からの個別のベントラインは、原子炉がスタートアップ、ヒートアップ、クールダウン、および/またはシャットダウンする間、非凝縮性気体を除去するように構成されていてもよい。
空気内の対流伝熱の除去は絶対圧約50トル(50mmHG)で一般的に生じるが、対流伝熱の減少は絶対圧約300トル(300mmHG)で観察され得る。いくつかの例では、格納領域14は、300トル(300mmHG)の圧力で提供、またはそれ以下で維持されてもよい。他の例において、格納領域14は50トル(50mmHG)の圧力で提供またはそれ以下で維持されてもよい。幾つかの例においては、格納領域14は、原子炉圧力容器2と格納容器4との間で対流性および/または伝導性熱伝達をすべて実質的に禁じる圧力レベルで提供または維持されてもよい。完全または部分真空は、真空ポンプ、蒸気エアジェットエジェクタ、他の種類のエバキュエーションデバイスまたはそれらの任意の組み合わせの操作により、提供および/または維持されてもよい。
真空または部分真空内で格納領域14を維持することによって、格納領域14内の水分は除去され、それによって、腐食または破損から電気的部品、および機械的部品を保護する。更に、真空または部分真空は、緊急時運転(例えば、過剰加圧事象または過剰加熱事象)中に、個別のポンプまたは高架式貯蔵タンクを使用せずに、格納領域14に冷却剤を抜く、または引くように動作してもよい。真空または部分真空は更に燃料補給中に格納領域14を冷却剤10で溢れさせ、または満たす方法をもたらすように動作してもよい。
バルブ8は、緊急時運転中に格納容器4内へ冷却剤10および/または蒸気11を放出するために原子炉圧力容器2上に取り付けられてもよい。バルブ8は、例えば配管または接続部等の介在構造なしで、原子炉圧力容器2の外壁に直接接続または取り付けられていてもよい。幾つかの例において、いかなる漏れまたは構造的破損の可能性も最小限にするために、バルブ8は原子炉圧力容器2に直接溶接されていてもよい。バルブ8は、制御された比率で格納容器4内へ蒸気11を解放するように構成されたベンチュリフローバルブを備えてもよい。蒸気11の凝結は、放出された蒸気11が圧力を格納容器4に加えるのと略同じ割合で格納容器4内の圧力を下げてもよい。
格納容器4内への蒸気11として解放される冷却剤10は、例えば水等の液体として格納容器4の内面上で凝縮してもよい。蒸気11が元通り液体冷却剤に転換されるにつれ、蒸気11の凝結によって格納容器4内の圧力が減少してもよい。炉心6からの崩壊熱の除去を制御するために、十分な量の熱が格納容器4の内面上の蒸気11の凝結を通じて取り除かれてもよい。
凝結した冷却剤10は格納容器4の底まで下降し、液体のプールとして集まってもよい。より多くの蒸気11が格納容器4の内面上に凝縮するにつれ、格納容器4内の冷却剤10のレベルは徐々に上昇してもよい。蒸気11および/または冷却剤10内に蓄えられた熱は格納容器4の壁を通って周辺環境に伝達してもよい。格納領域14から気体を実質的に除去することによって、格納容器4の内面上の蒸気11の凝結の初期速度は排出された気体によって増加し得る。冷却剤10の凝結を防止するために格納容器4の内面で通常蓄積することになるであろう気体は、そのような低レベルであり、または冷却剤10の自然対流により内面から一掃され、凝結の割合が最大限になってもよい。凝結の割合を増加させることにより、代わりに格納容器4を通じて伝熱の割合を増加させてもよい。
格納領域14内の真空は、原子炉モジュールの正常運転中に一種の断熱として作用してもよく、それにより、発電のために利用し続けることができる原子炉圧力容器2内の熱およびエネルギを保持する。その結果、より少ない材料絶縁が原子炉圧力容器2の設計において使用されてもよい。幾つかの例では、反射断熱材が、従来の断熱の代わりに、または加えて、使用されてもよい。反射断熱材は、原子炉圧力容器2または格納容器4の一方または双方に含まれていてもよい。反射断熱材は従来の断熱材と比較して、より水害耐性があってもよい。更に、反射断熱材は、緊急状態中に従来の断熱材と同じくらい原子炉圧力容器2からの伝熱を妨げられない可能性がある。例えば、原子炉圧力容器2の外部のステンレス鋼表面は、格納領域14内に位置するいかなる冷却剤とも直接接触するようになってもよい。
幾つかの種類の原子炉では、変換要素および調整要素は、例えば原子炉圧力容器(RPV)、加圧器(PZR)および蒸気発生器(SG)等の個別の圧力容器内で実施される。
図2は、原子炉圧力容器52および原子炉圧力容器仕切板45を備える、例示的なシステム40の断面図を図示している。原子炉圧力容器52は、原子炉圧力容器52の底端55の近くに位置する炉心6を含んでいてもよい。ライザセクション24は炉心6の上方に位置し、そこにおいては、冷却剤が炉心6を通過して循環して、高温冷却剤Tになり、その後、ライザセクション24によって上昇し続け、そこにおいては、冷却剤が環状部を下って導かれ、熱交換器35(図1)によって冷却されて、低温冷却剤Tになる。
原子炉圧力容器仕切板45は、原子炉圧力容器52の底端55の方へ(冷却剤フロー26として示される)冷却剤を導くように構成されてもよい。原子炉圧力容器仕切板45の表面は、ライザセクション24を出る冷却剤に直接接触し、この冷却剤を偏向させてもよい。幾つかの例においては、原子炉圧力容器仕切板45はステンレス鋼または他の材料で作られ、および/または楕円形の表面を有するように形成されてもよい。
幾つかの例においては、原子炉圧力容器52の底端55は楕円形状、ドーム形状、凹形状、または半球形状部分55Aを備え、そこにおいては、楕円形状部分55Aは炉心6の方へ(冷却剤フロー28として示される)冷却剤を導く。楕円形状部分55Aは流量を増加させて、炉心6を通る冷却剤の自然循環を促進してもよい。
冷却剤フロー26の最適化は、ライザセクション24の上端と原子炉圧力容器仕切板45との間の距離Hと、ライザセクション24の壁間の相対的な距離Dとの比によって得られていてもよい。そこにおいては、寸法Laは、ライザ24の外部と原子炉圧力容器52の内面との間の距離を表わす。1つの実施例では、距離Dはライザセクション24の直径と等しい。最適化された冷却剤フロー比は、H/Dとして、および/または環状部(A2)の内部のエリアに対するライザ(A1)内部のエリア比によって表わされてもよい。1つの実施例では、最適化された冷却剤フロー比H/Dは値0.1および2.0を含み、フロー比A1/A2は、1と10の間/およそ1および10、の値を含む。冷却剤フロー26の更なる最適化は、境界層の剥離と淀み領域とを除去/最小化するために、原子炉圧力容器仕切板45の曲率半径を修正することにより得られてもよい。
原子炉圧力容器仕切板45は、ライザセクション24の上端と加圧器領域15との間に位置するよう図示されている。加圧器領域15は、1つ以上のヒータ17と、原子炉圧力容器52の上端56またはヘッド内で圧力を制御または蒸気ドームを維持するように構成されるスプレーノズル19と、を備えるように示されている。原子炉圧力容器仕切板45の下方に位置した冷却剤は比較的亜冷却された冷却剤TSUBを含み得る一方、原子炉圧力容器52の上端56における加圧器領域15の冷却剤は実質的に飽和した冷却剤TSATを含み得る。原子炉圧力容器仕切板45と原子炉圧力容器52の底55との間の全容積が、システム40の正常運転中、冷却剤で満たされているように、冷却剤の流動的レベルは、原子炉圧力容器仕切板45の上方、且つ加圧器領域15内にあるように示されている。
原子炉圧力容器仕切板45は、1本以上の制御棒案内管または計装構造に支持されていてもよい。1本以上の制御棒案内管または計装構造は、原子炉圧力容器52の上端へ取り付けられていてもよく、炉心6内へ差し込まれ、または取り除かれる制御棒を案内する役目をし、または原子炉圧力容器52の内部に配置された計装装置を支持する。1本以上の制御棒案内管または計装構造から原子炉圧力容器仕切板45を取り付け、または吊るすことにより、原子炉圧力容器仕切板45は原子炉圧力容器52の側面との接触がなくなってもよい。
図3Aは、原子炉圧力容器325上に取り付けられたPZR仕切板310および、1つ以上の蒸気発生器ノズル340を備える原子炉モジュール300の上面図を図示している。
図3Bは、図3Aの原子炉圧力容器325の断面図A−Aを図示している。PZRヘッド350は、PZR仕切板310の上方に配置されるよう図示されている。PZR仕切板310は、1つ以上のプレナム345より高い位置にあるよう図示されている。1つ以上のSGチューブシート320がPZR仕切板310の下方に配置されるように図示されている。原子炉圧力容器325の全高H0は説明の目的で示されている。
図4Aは、原子炉圧力容器425上に取り付けられた一体型原子炉圧力容器チューブシート410および1つ以上の蒸気発生器ノズル440を備える、原子炉モジュール400の上面図を図示している。幾つかの例において、一体型チューブシート410は、本明細書に記載された1つ以上の他の例示的な一体型チューブシートとして同様に構成されていてもよい。
図4Bは、図4Aの原子炉圧力容器425の断面図B−Bを図示している。PZRヘッド450は一体型チューブシート410の上方に配置されるように図示されている。PZRヘッド450は原子炉圧力容器425の原子炉圧力容器の上部分を備えてもよい。幾つかの例において、PZRヘッド450は原子炉圧力容器425の原子炉圧力容器の下部分に取り付けられていてもよい。原子炉圧力容器の上部分に関連した外径は原子炉圧力容器の下部分に関連した外径と略同じであってもよい。原子炉圧力容器425は、1つ以上のドーム形状の端を有する、略円筒状の原子炉圧力容器として成形されてもよい。
原子炉圧力容器425に関連した全高H1は、原子炉圧力容器325に関連した全高H0未満であってもよい。幾つかの例において、原子炉圧力容器425の1つ以上の蒸気発生器ノズル440に関連した1つ以上のプレナム445の近似高さは、原子炉圧力容器325の1つ以上のプレナム345の高さと略同じであってもよい。原子炉圧力容器425は、例えば原子炉圧力容器325のPZR仕切板310等の個別のPZR仕切板を有していないため、原子炉圧力容器425に関連したPZRヘッド450の高さは、原子炉圧力容器325に関連したPZRヘッド350の高さ未満であってもよい。幾つかの例において、原子炉圧力容器425に関連した全高H1は、原子炉圧力容器325に関連した全高H0よりも略2メートル以上低くてもよい。
幾つかの例において、原子炉圧力容器425内の上部プレナムと下部プレナムとの間の距離HSは、原子炉圧力容器325内の上部プレナムと下部プレナムとの間の距離HPと略同じであってもよい。しかしながら、上部原子炉圧力容器領域と下部原子炉圧力容器領域との間で流体/圧力/熱分離を含む、PZR仕切板310の機能性が一体型チューブシート410と効果的に置き換えられるので、一体型チューブシート410の下方の下部原子炉圧力容器領域の全容積は、従って、原子炉圧力容器325用の下部原子炉圧力容器領域の対応する容積未満であってもよい。したがって、一次冷却剤が原子炉圧力容器425内の炉心を通って循環する経過時間が減少して、増加流量、より少ない動力振動、より大きな冷却効率が提供されてもよい。
PZRヘッド450は、少なくとも化学体積制御システム(CVCS)の少なくとも一部、1つ以上のヒータ、および/または緊急用炉心冷却装置(ECCS)を備えてもよいし、またはこれらと相互作用するように構成されてもよい。CVCS、ヒータ、および/またはECCSは、システム圧力レベルを維持したり、冷却剤化学を制御したり、高圧炉心冷却を提供したり、メークアップフロー、他の関連する機能、またはそれらのあらゆる組み合わせを提供するように構成されていてもよい。一体型チューブシート410は、原子炉圧力容器425を、PZRヘッド450を備える上部原子炉圧力容器領域と、一次冷却剤内に沈む炉心を備える下部原子炉圧力容器領域とに効果的に分割してもよい。更に、上部原子炉圧力容器領域内に配置された加圧容量と下部原子炉圧力容器領域内に配置された一次冷却剤との間において、一体型チューブシート410は熱および/または液体の境界を提供するように構成されてもよい。幾つかの例において、一体型チューブシート410は、一次冷却剤系と二次冷却剤系との間の圧力境界を提供するように構成されてもよい。
図3Bに図示される原子炉圧力容器325では、1つ以上のプレナム345は、PZRヘッド350の下方で、原子炉圧力容器325の下部原子炉圧力容器領域内に配置されている。図3Bで図示されたPZR仕切板310およびSGチューブシート320を効果的に一体型チューブシート410へと組み合わせることによって、原子炉圧力容器425の1つ以上のプレナム445は、その代わりに、PZRヘッド450に関連した上部原子炉圧力容器領域内に配置される。幾つかの例においては、4つのプレナム445が一体型チューブシート410に取り付けられてもよい。更に、一次冷却剤が、PZR仕切板310によって下部原子炉圧力容器領域内へ偏向逆流する前に1つ以上のチューブシート320の付近を通り、および/または貫いて通る原子炉圧力容器325に比べて、一体型チューブシート410は、下部原子炉圧力容器領域内で一次冷却剤の流体の流れにおける乱流の量を減少させるように構成されてもよい。例えば、PZRヘッド450内に1つ以上のプレナム445を配置することによって、それらは下部原子炉圧力容器領域内の一次冷却剤の循環を妨げたり、さもなければ干渉したりもしない。
幾つかの例において、一体型チューブシート410は、蒸気プレナム位置に配置されていてもよい。一体型チューブシート410はSGチューブシートおよびPZR仕切板の双方として動作するように構成されてもよく、それにより、個別のPZR仕切板の必要性を排除する。幾つかの例において、より薄い、またはより厚い寸法もここでは考えられるが、一体型チューブシート410は略15〜20センチメートルの厚さであってもよい。一体型チューブシート410はPZRシステムからRPV冷却システムまでの熱損失量を減らすように構成されていてもよい。
幾つかの例において、原子炉圧力容器425の一体型チューブシート410は、原子炉圧力容器325(図3B)のPZR仕切板310およびSGチューブシート320と同一または同様の機能を果たすように構成されていてもよい。更に、一体型チューブシート410の高さはSGチューブシート320と略同一の高さであってもよい。原子炉圧力容器325と比較して、PZR仕切板310およびSGチューブシート320を単一のシート、即ち、一体型チューブシート410に置き替えることによって、PZRヘッド450の容量がPZRヘッド350の容量と比較して実質的に縮小され得る。一体型チューブシート410は、1つ以上のプレナム445および蒸気発生器ノズル440に関連した二次冷却剤と、原子炉圧力容器425の下部分内に位置する一次冷却剤との間の圧力境界を提供し得る。
幾つかの例において、個別の仕切板およびチューブシートを備える原子炉モジュールと比較して、一体型チューブシート410は、原子炉圧力容器425の軽量化を提供し得る。例えば、一体型チューブシート410の厚さは、PZR仕切板310と1つ以上のSGチューブシート320とを組み合わせた厚さ未満であってもよい。同様に原子炉圧力容器425の全高を低減することによって、原子炉圧力容器を製造するのに要する材料が減少し得る。
図5は、例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシート550を有する原子炉圧力容器(RPV)システム500を図示している。幾つかの例において、一体型チューブシート550は、加圧器(PZR)仕切板、偏向シールド、および/または蒸気発生器(SG)チューブシートに関連するような機能のうちの幾つかまたは全てを果たしてもよい。一体型チューブシート550はRPVシステム500にコンパクトな省スペース配置を提供するように構成されていてもよい。
幾つかの例において、一体型チューブシート550は、原子炉圧力容器510の上端部分またはその近くに配置された完全なディスクおよび/または完全なシートを備えていてもよい。PZR容量520は、一体型チューブシート550の上方に配置され、上部RPVシェル、容器および/またはヘッドを境界としてもよい。一体型チューブシート550は、一体型チューブシート550の下方に位置した原子炉冷却システム流体から、一体型チューブシート550の上方に位置したPZR流体を分離する、PZR仕切板として動作するように構成されていてもよい。一体型チューブシート550は、PZR容量520と原子炉冷却剤システムとの間で、流体体積の交換ができるように構成されてもよい。幾つかの例において、RPVシステム500は個別のPZR仕切板を必要としなくてもよい。
ライザ540は、一体型チューブシート550の下方で終わるように、および/または終端するように構成されていてもよい。ライザ540の上方の原子炉冷却剤流体のフローは、一体型チューブシート550の下方で曲がり、SGチューブの移行中にライザ540の外部の近くで下降してもよい。1つ以上のヒータが、例えば1つ以上のプレナムに関連したSGドーム間において、PZR容量520内に配置されていてもよい。幾つかの例において、ライザ540の高さおよび/またはRPVシステム500に関連した制御棒の高さは、個別の仕切板およびチューブシートを備える原子炉モジュールと比較して、低減されていてもよい。
RPVシステム500は、原子炉圧力容器510用の熱制御システムを備えてもよい。幾つかの例において、一体型チューブシート550は、原子炉圧力容器510の壁に取り付けられている、実質的に円形を有するプレートを備えていてもよい。一体型チューブシート550は、原子炉圧力容器510を、上部原子炉圧力容器領域と、下部原子炉圧力容器領域とに分割するように構成されていてもよい。上部原子炉圧力容器領域は、PZR容積520および/またはCVCSを含んでいてもよい。下部原子炉圧力容器領域は、一次冷却剤内に沈むライザ540および/または炉心を含んでいてもよい。一体型チューブシート550は、下部原子炉圧力容器領域内に位置したPZR容量520と一次冷却剤との間に液体および/または熱障壁を提供するように構成されてもよい。
図6は、図5の例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシート550の拡大部分図600を図示している。一体型チューブシート550は、RPV510の壁に取り付けられた実質的に水平な板を構成していてもよい。
一体型チューブシート550は、RPV510の内壁周囲を密封するように構成されていてもよい。更に、一体型チューブシート550は、PZRバッフル部分620およびSGチューブシート部分630を含む2つ以上の一体化された部分を備えてもよい。PZRバッフル部分620は、RPV510の内壁周囲と、例えばSGドーム660等の1つ以上のSGドームとを実質的に境界にしてもよい。SGドーム660は、プレナム/蒸気発生器ノズルアセンブリ650に関連していてもよい。幾つかの例において、SGチューブシート部分630は、SGドーム660の内部および/または下方に位置してもよい。
SGドーム660は、RPV510の壁を通り抜ける複数の伝熱チューブのために経路を提供する1つ以上のプレナムに関連していてもよい。複数の伝熱チューブは、一体型チューブシート550内に配置された複数の貫通孔を介して一体型チューブシート550に接続されてもよい。貫通孔は、SGチューブシート部分630を通り抜けるように図示されている。更に、SGドーム660に関連した1つ以上のプレナムは、一体型チューブシート550に、溶接され、および/または、そうでなければ取り付けられてもよい。複数の伝熱チューブが、1つ以上のプレナムの下方、および/またはSGドーム660の下方で、一体型チューブシート550に接続されてもよい。伝熱チューブは、蒸気発生システムからの二次冷却剤が一体型チューブシート550を通り抜けて、RPV510の下部原子炉圧力容器領域内を通ることができるように構成されていてもよい。
一体型チューブシート550は、複数のオリフィス670を備えてもよく、複数のオリフィス670は、PZRバッフル部分620を通り抜けるように図示されており、一次冷却剤が、一体型チューブシート550を通ってRPV510の上部原子炉圧力容器領域内に入り、RPV510の下部原子炉圧力容器領域内へ戻って再循環することを制御可能に許容するように構成されている。1つ以上のオリフィス670は、例えば閉鎖位置で、一次冷却剤が一体型チューブシート550を通り抜けることを防止するように構成されていてもよい。幾つかの例において、一次冷却剤と二次冷却剤との双方は、混合することなくおよび/または互いに混合することを許容されることなく、一体型チューブシート550を通過する。
幾つかの例において、一体型チューブシート550は硬いプレートを含んでいてもよい。一体型チューブシート550は、クラッド低合金鋼、SA−508低合金鋼、ステンレス鋼、他の種類の材料、またはそれらのあらゆる組み合わせを含んでもよいし、または実質的にこれらから構成されてもよい。更に、一体型チューブシート550は完全溶込溶接によってRPV 510に接続されてもよい。一体型チューブシート550は同様の組成を有するRPVに溶接されてもよい。同様の種類の材料および/または組成の溶接は、溶接しなければ発生する可能性があるあらゆる熱応力を最小限に抑えるように作用し得る。
一体型チューブシート550とRPV510との間の溶接は、溶接のためのスペースを提供するために、および/または溶接により最外部のチューブ孔のひずみを最小限に抑えるために、RPV内壁の内壁から数センチメートルに配置されていてもよい。幾つかの例において、原子炉圧力容器「バンプアウト」、または増加した直径のエリアは、溶接エリアを収容するために提供されてもよい。幾つかの例において、伝熱チューブの端はRPV容器の中心の方へ移動され、および/または溶接空間のあらゆる追加的な量も最小限に抑えるか、または除去するために曲げられてもよい。例えば、伝熱チューブは、RPV壁から離れて曲がっていてもよく、従って、それらは更なる内側の一体型チューブシート550と交わる。比較的大きな一体型チューブシート550は、プレナム/蒸気発生器ノズルアセンブリ650内の伝熱チューブを終端する方法および場所に関して、より一層の柔軟性を提供してもよい。
一体型チューブシート550の上部上の比較的大きなアクセススペースは、溶接、部品設置、機器レイダウンおよび検査のためのアクセスを提供するように構成されてもよい。蒸気ドーム溶接へのアクセスは、プレナムの2つ以上の側面から提供されていてもよく、例えば、蒸気ドームカバーおよび/またはPZRヒータ開口部を通って提供されてもよい。
幾つかの例において、一体型チューブシート550および関連するチューブはRPV510の内部で組み立てられてもよい。チューブ支持のための放射状片持ち梁は、一体型チューブシート550の下に嵌まるように構成されていてもよいし、幾つかの例において、支持バーは、片持ち梁および/または一体型チューブシート550に直下に溶接されていてもよい。一体型チューブシート550に支持バーを溶接することにより、圧力境界溶接を減らし、または排除してもよく、支持バーに更なる剛性を提供してもよい。
一体型チューブシート550はRPV510の外径まで通過するように構成されてもよい。幾つかの例において、一体型チューブシート550は、上部容器シリンダおよび下部容器シリンダに溶接された一体型フランジを含んでいてもよい。下部シリンダは、伝熱チューブを挿入する前に一体型チューブシート550フランジに溶接されてもよい。幾つかの例において、チューブ取り付け作業は容器の内部で行なわれてもよい。一体型チューブシート550は、RPV510の内径上の環ビルドアップに溶接される略円筒状のディスクを備えてもよい。溶接は伝熱チューブを挿入する前に完了してもよい。幾つかの例において、一体型チューブシート550は、炉心を通った一次冷却剤のフローおよび/または再循環を容易にするために、下部原子炉圧力容器領域に隣接している楕円形、ドーム形、凹形または半球形に成形された下部表面を備えてもよい。
図7は、原子炉圧力容器700に取り付けられた例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシート750を図示している。原子炉圧力容器700は、原子炉圧力容器700の内径から内方向に突出する取付リング720を備えてもよい。取付リング720は、溶接ビルドアップリングを備えてもよく、一体型チューブシート750は、溶接領域725にて取付リング720に溶接されていてもよい。幾つかの例においては、溶接領域725は完全溶け込み溶接を備えてもよい。溶接領域725は、原子炉圧力容器700の全内径の周りに延在してもよく、また、幾つかの例においては、1つ以上のプレナム710を通過してもよい。
一体型チューブシート750は、本質的に円盤形状に作られてもよい。更に、一体型チューブシート750は低合金鋼で製造され、耐食性用にその上面および下面の双方上にステンレス鋼が被覆されてもよい。低合金鋼コアを有する一体型チューブシート750の製造は、硬いステンレス鋼で製造されたシートと比較して、溶接領域725で熱膨張応力の量を低減し得る。幾つかの例において、一体型チューブシート750は、原子炉圧力容器700に一体型チューブシートを取り付ける前に、複数のチューブ孔、サージフロー孔、制御棒駆動シャフト孔および/または器具案内チューブ孔が開けられてもよい。幾つかの例において、ステンレス鋼スリーブは、熱サイクル疲労を防止するために、1つ以上の孔内へ挿入されてもよい。更に、孔は、一次冷却剤へ低合金鋼コアが直接露出するのを防止するためにステンレス鋼で被覆されてもよい。溶接領域725の上面および下面と、隣接スチールコアとは、一体型チューブシート750が原子炉圧力容器700に取り付けられた後に、ステンレス鋼で更に裏面被覆されてもよい。
最外部のチューブ孔は、孔へのひずみを最小限に抑えるために原子炉圧力容器700の内径から数インチに配置されてもよい。幾つかの例において、原子炉圧力容器700の局所バンプアウトは、熱交換器の最外部のチューブが、バイパスフローを最小限に抑えるために原子炉圧力容器700の周囲の構造に密接に嵌まることを確実にするために提供されてもよい。他の例において、仕切板がチューブ束と原子炉圧力容器700との間に設けられてもよい。
取付リング720は、溶接領域725を有する溶接ヘッドの配列および/または検査を容易にするために原子炉圧力容器700から一体型チューブシート750の十分な間隔を提供するように構成されてもよい。例えば、取付リング720は、数インチの環状の厚さを有していてもよい。装着リング720は、一体型チューブシート750の下方に配置された二次冷却剤システムと原子炉圧力容器領域との間に一次圧力から二次圧力への境界を提供するように構成されてもよい。一体型チューブシート750は、一体型チューブシート750内へ蒸気発生器チューブを設置する前に原子炉圧力容器700に溶接されてもよい。
図8は、原子炉圧力容器の上部分および原子炉圧力容器の下部分の双方に取り付くように構成された例示的な一体型原子炉圧力容器チューブシート850を図示している。一体型チューブシート850は、例えば上部フランジ820および下部フランジ830等の1つ以上の一体型フランジを備えてもよい。上部フランジ820は、一体型チューブシート850の水平部分の上方に配置されてもよく、下部フランジ830は、一体型チューブシート850の水平部分の下方に配置されてもよい。
1つ以上のフランジは、原子炉圧力容器への取付のために一体型チューブシート850の外径上に構築されてもよい。幾つかの例において、上部フランジ820の上端面824は、原子炉圧力容器の上部分に溶接されてもよく、下部フランジ830の底面834は、原子炉圧力容器の下部分に溶接されてもよい。原子炉圧力容器の上部分および下部分は、一体型チューブシート850によって互いに接合されてもよい。原子炉圧力容器が完全に組み立てられると、上部フランジ820の上端面824と下部フランジ830の底面834との間の距離に応じて、原子炉圧力容器の上部分は原子炉圧力容器の下部分から離されてもよい。
幾つかの例において、上部フランジ820および下部フランジ830の一方または双方は、円形シーム溶接を使用して原子炉圧力容器に溶接されてもよい。一体型チューブシート850は、内径溶接ビルドアップ、または例えば図7の取付リング720等の取付リングなしで原子炉圧力容器に溶接されてもよい。1つ以上の一体型フランジを一体型チューブシート850からある距離離れて配置することによって、チューブ孔上の熱/溶接ひずみの量が低減、またはなくなり得る。したがって、チューブ孔は原子炉圧力容器の内径に更に接近して配置されてもよい。
上部フランジ820は、原子炉圧力容器の上部分と原子炉圧力容器の下部分との中間の原子炉圧力容器の壁の一部を形成する側壁828を備えてもよい。側壁828は、一体型チューブシート850の水平部分から、プレナム810より上方の高さに延在してもよい。上部フランジ820は、一体型チューブシート850上に取り付けられた1つ以上のプレナムを包含する溶接領域840を提供するように十分に高くてもよい。幾つかの例において、円形シーム溶接が、原子炉圧力容器内の蒸気ノズルアクセスボアの高さで、原子炉圧力容器にプレナム810の側部を接続するために使用されてもよい。プレナム810の下部分は一体型チューブシート850に直接溶接されてもよい。幾つかの例において、プレナム810の側部は上部フランジ820の側壁828に溶接されてもよい。更に、1つ以上のチューブ支持片持ち梁が一体型チューブシート850の下側に溶接されてもよい。
チューブアセンブリを設置する前または後に、プレナム810の蒸気ドームが一体型チューブシート850上に設置されてもよい。更に、プレナム810は、チューブ設置を容易にするために、プレナム810内部へのアクセスを提供するエンドキャップ860を備えてもよい。一体型チューブシート850の材料と同様に、製造および組み立ての他の方法は、上記のような一体型チューブシート750と類似していてもよい。
例えば一体型チューブシート750または一体型チューブシート850等の一体型チューブシートを利用する蒸気発生器システムの組立順序は、蒸気発生器チューブを設置する前に、一体型チューブシートおよび/または1つ以上のプレナムを溶接することを備えていてもよい。したがって、伝熱チューブは、既に所定の位置にある一体型チューブシートおよび1つ以上のプレナムを有する熱交換器内へ設置されてもよい。幾つかの例において、伝熱チューブが供給プレナムエンドから設置され得るように原子炉圧力容器は反転されてもよく、また、熱交換器は最外部のチューブカラムから最内部のチューブカラムへ組み付けられてもよい。
図9は、原子炉圧力容器900に取り付けられた例示的な一体型チューブシート940を図示している。幾つかの例において、一体型チューブシート940は、原子炉圧力容器900の内面上の溶接ビルドアップに溶接された円形チューブシートを備えてもよい。一体型チューブシート940は、原子炉圧力容器900の壁に取り付けられた実質的に垂直なプレートを備えてもよい。複数の伝熱チューブ930は、プレナム900内に配置された複数の貫通孔を通過してもよい。一体型チューブシート940は、原子炉圧力容器900の壁の一部を形成してもよい。
チューブ組み立ては、原子炉圧力容器900の内部で行なわれてもよい。更に、一体型チューブシート940は、伝熱チューブ930が組み立てられた後、伝熱チューブ930の端上まで下げられてもよい。一体型チューブシート940は、原子炉圧力容器内に配置された第2の一体型チューブシートと共に使用されてもよい。ここで様々な図において図示された1つ以上の一体型チューブシートのように、第2の一体型チューブシートは、原子炉圧力容器内の略同じ位置に配置されてもよい。第2の一体型チューブシートおよび一体型チューブシート940は、熱交換器を組み立てる前に原子炉圧力容器に溶接されてもよい。幾つかの例において、一体型チューブシート940は、従来のノズル挿入タイプの溶接を有する原子炉圧力容器に溶接されてもよい。
原子炉圧力容器900は、チューブ組み立てのために反転されてもよく、伝熱チューブ930は、一体型チューブシート940内に最初に挿入されてもよい。1つ以上の蒸気エンドチューブ支持片持ち梁が、チューブ組み立てに先立って、一体型プレートの下側に溶接されてもよい。更に、1つ以上の供給エンドチューブ支持片持ち梁が、チューブ組み立てに先立って、原子炉圧力容器900に溶接されてもよい。
蒸気発生器の組み立ては、伝熱チューブ930の蒸気エンドが一体型チューブシート内に挿入され、且つ伝熱チューブ930の供給エンドが一体型チューブシート940内に挿入された状態で、チューブの最も外側のカラムからチューブの最も内側のカラムへと徐々に進行してもよい。更に、チューブ支持は、熱交換器組立中にカラム毎に設置されてもよい。伝熱チューブ930の供給エンドは、一体型チューブシート940内への設置中に圧縮されてもよい。
図10は、主要格納容器1075に接続された縮径上部格納容器1050を備える例示的な原子炉モジュール1000を図示している。上部格納容器1050は、円筒形状下部格納容器上にニップル形状のドームを形成してもよい。原子炉モジュール1000の全高1030は、主要格納容器1075に関連した、主要格納高さ1020と、上部格納容器1050に関連した上部格納高さ1010とを含んでいてもよい。更に、上部格納容器1050に関連した上部格納直径1060は、主要格納容器1075に関連した主要格納直径1080よりかなり小さくてもよい。
上部格納直径1060は、主要格納直径1080の大きさの略3分の1から2分の1であってもよい。幾つかの例において、上部格納直径1060は、主要格納直径1080の大きさの3分の2未満であってもよい。他の例において、上部格納直径1060は、主要格納直径1080の大きさの2分の1未満であってもよい。
図11は、図10の上部格納容器1050の断面図を図示している。上部格納容器1050は、主要格納容器1075の外部に配置された制御棒駆動機構1025の一部を含むように構成されていてもよい。制御棒駆動機構1025に関連した複数の制御棒が、上部格納容器1050から吊るされてもよく、また、主要格納容器1075に収容された原子炉圧力容器1100内に配置された、例えば一体型チューブシート550(図5)等の一体型チューブシートを通過してもよい。
更に、上部格納容器1050は、蒸気、供給、および主要なシステム配管を含むように構成されてもよい。このエリアにおける配管長の多くは、配管の熱膨張のために複数の屈曲および/または水平配管を含んでいてもよい。主要格納容器1075内へのこれらの配管の少なくとも一部を再配置することにより、主蒸気(MS)および給水(FW)配管のための熱アンカーポイント間の距離が縮小される可能性があり、同様に、屈曲および水平管の数が削減される可能性がある。更に、制御棒駆動機構1025の近辺からMSおよびFW配管の重要部分をなくすことにより、配管支持/拘束の量が削減され得る。
原子炉モジュール1000の全体の寸法および/または容積を減少させることにより、ピーク格納圧力および/または水位に影響を与えてもよい。原子炉モジュール1000の全高1030(図10)を減らすことに加えて、例えば上部格納容器1050等の分離可能な格納容器は、原子炉モジュール1000の重量および輸送高さを更に減らし得る。幾つかの例示的な原子炉モジュールでは、原子炉モジュール1000の全高1030が低減される各足のために数トンの重量が削減され得る。
図12は、一体型チューブシートを組み立てる例示的なプロセス1200を図示している。作業1210では、一体型チューブシートは原子炉圧力容器に溶接されてもよい。幾つかの例において、一体型チューブシートは、下部容器シリンダに溶接されるフランジを備えてもよい。
作業1220では、1つ以上の支持バーがチューブシート片持ち梁および/または直接的に一体型チューブシートに溶接されてもよい。片持ち梁は、複数のチューブ支持のための放射状片持ち梁を備えてもよい。片持ち梁は、一体型チューブシートの下に嵌まってもよい。
作業1230では、複数のチューブが、一体型チューブシートの上方に設置されたプレナムへ挿入されてもよい。幾つかの例において、下部シリンダは、伝熱チューブを挿入する前に作業1210にて一体型チューブシートフランジに溶接されてもよい。幾つかの例において、チューブ取り付け作業は原子炉圧力容器の内部で行なわれてもよい。
作業1240では、伝熱チューブが、一体型チューブシート内に置かれ、および/または複数のチューブ支持によって支持されてもよい。
作業1250では、一体型チューブシートフランジが上部容器シリンダに溶接されてもよい。幾つかの例示的なRPVモジュールにおいて、上部容器シリンダは、下部容器シリンダに溶接されるPZRヘッドを備えてもよい。
ここに提供される例は、加圧水型原子炉で説明されてもよいし、および/または、加圧水型原子炉と互換性を有してもよいが、これらの例が、説明されたような電力システムの他のタイプに、または何らかの明らかな変更を伴って応用され得ることは当業者にとって明らかである。例えば、これらの例またはそれらの変更は、沸騰水型原子炉、ナトリウム液体金属炉、ペブルベッド炉、または、例えば制限された運転領域を有する推進システム等のスペースで運転するように設計された原子炉を使用して運転可能にされてもよい。
他の例は、例えば、酸化ウラン、水素化ウラン、窒化ウラン、炭化ウラン、混合酸化物および/または他のタイプの放射性燃料を使用する原子炉等の様々な原子炉技術を含んでもよい。例は、原子炉冷却機構のあらゆる特定のタイプにも、原子炉内で熱を生成するために使用される燃料、または原子炉に関連する燃料のあらゆる特定のタイプにも制限されないということに注目すべきである。ここに記載されたあらゆる割合および値は、単なる一例として提供されている。他の割合および値は、例えば原子炉システムの原寸モデルまたは縮尺モデルの構築によって等、実験によって決定されてもよい。
ここに様々な例を説明し、図示してきたが、その他の例が配置および詳細において変更され得ることは明らかである。本願出願人は、以下の特許請求の精神および範囲内において全ての改良および変更を請求する。

Claims (27)

  1. 原子炉圧力容器のための熱制御システムであって、
    実質的に円形を有し、前記原子炉圧力容器の壁に取り付けられたプレートであって、前記プレートが、前記原子炉圧力容器を上部原子炉圧力容器領域と下部原子炉圧力容器領域とに分割し、前記プレートが、前記上部原子炉圧力容器領域内に配置された加圧容積と、前記下部原子炉圧力容器領域内に配置された一次冷却剤との間で熱障壁を提供するように構成された、プレートと、
    前記原子炉圧力容器の前記壁を通過する複数の伝熱チューブに経路を提供する1つ以上のプレナムであって、前記複数の伝熱チューブが前記プレートに接続されている、1つ以上のプレナムと
    を備える、システム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記上部原子炉圧力容器領域は、化学体積制御システムまたは緊急炉心冷却システムの一方または両方の少なくとも一部を含み、
    前記下部原子炉圧力容器領域は、前記一次冷却剤内に沈む炉心を含んでいる、システム。
  3. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記1つ以上のプレナムは、前記プレートに取り付けられ、
    前記複数の伝熱チューブは、前記1つ以上のプレナムの下方の前記プレートに接続されている、システム。
  4. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プレートは、前記原子炉圧力容器の前記壁に取り付けられた実質的に水平なプレートを備え、
    前記複数の伝熱チューブは、前記水平なプレート内に配置された複数の貫通孔を通過する、システム。
  5. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記原子炉圧力容器は、前記上部原子炉圧力容器領域を収容する上部原子炉圧力容器と、前記下部原子炉圧力容器領域を収容する下部原子炉圧力容器とを備え、
    前記プレートは、前記上部原子炉圧力容器に取り付ける上部フランジと、前記下部原子炉圧力容器に取り付ける下部フランジとを備える、システム。
  6. 請求項5に記載のシステムであって、
    前記上部原子炉圧力容器は、前記原子炉圧力容器が完全に組み立てられると、前記上部フランジと前記下部フランジとの間の距離に応じて、前記下部原子炉圧力容器から離されている、システム。
  7. 請求項5に記載のシステムであって、
    前記上部フランジは、前記上部原子炉圧力容器と前記下部原子炉圧力容器との中間の前記原子炉圧力容器の前記壁の一部を形成する、システム。
  8. 請求項5に記載のシステムであって、
    前記上部フランジの側壁は、前記プレートから前記1つ以上のプレナムの上方の高さまで延在する、システム。
  9. 請求項8に記載のシステムであって、
    前記1つ以上のプレナムの下部分は、前記プレートに溶接され、
    前記1つ以上のプレナムの側部は、前記上部フランジの前記側壁に溶接される、システム。
  10. 請求項5に記載のシステムであって、
    前記上部原子炉圧力容器は、前記上部フランジの上端面に溶接され、
    前記下部原子炉圧力容器は、前記下部フランジの底面に溶接される、システム。
  11. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プレートは、前記一次冷却剤が前記プレートを通って前記上部原子炉圧力容器領域内に入り、前記下部原子炉圧力容器領域へ戻って再循環することを制御可能に許容するように構成された複数のオリフィスを備える、システム。
  12. 請求項11に記載のシステムであって、
    前記オリフィスは、更に、前記一次冷却剤が前記プレートを通過することを閉鎖位置で防止するように構成されている、システム。
  13. 請求項11に記載のシステムであって、
    前記伝熱チューブは、蒸気発生システムからの二次冷却剤が前記プレートを通って前記下部原子炉圧力容器領域内に入ることができるように構成されている、システム。
  14. 請求項13に記載のシステムであって、
    前記一次冷却剤と前記二次冷却剤との双方は、混合されることなく、前記プレートを通過する、システム。
  15. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記1つ以上のプレナムは、前記原子炉圧力容器の前記壁に取り付けられた実質的に垂直なプレートを備え、
    前記複数の伝熱チューブは、前記垂直なプレート内に配置された複数の貫通孔を通過する、システム。
  16. 請求項15に記載のシステムであって、
    前記垂直なプレートは、前記原子炉圧力容器の前記壁の一部を形成する、システム。
  17. 請求項1に記載のシステムであって、更に、
    前記原子炉圧力容器を収容するように構成された格納容器を備え、
    前記プレートの上方に配置された前記格納容器の上部分の外径は、前記格納容器の下部分の外径より小さい、システム。
  18. 請求項17に記載のシステムであって、
    前記格納容器の前記上部分の前記外径は、前記格納容器の前記下部分の前記外径の半分未満の大きさである、システム。
  19. 請求項17に記載のシステムであって、更に、
    前記格納容器の前記上部分から吊るされ、前記格納容器の前記下部分内に配置された前記下部原子炉圧力容器領域内へと前記プレートを通過する複数の制御棒を備える、システム。
  20. 請求項17に記載のシステムであって、
    前記格納容器の前記上部分は、前記格納容器の円筒形状の下部分上でニップル形状のドームを形成する、システム。
  21. 原子炉圧力容器チューブシートであって、
    水平に配向されたプレートであって、原子炉圧力容器を前記プレートの上方に配置された上部原子炉圧力容器領域と前記プレートの下方に配置された下部原子炉圧力容器領域とに分割し、前記プレートが前記上部原子炉圧力容器領域内に配置された加圧容積と前記下部原子炉圧力容器領域内に配置された一次冷却剤との間に障壁を提供するように構成された、水平に配向されたプレートと、
    前記プレート内に配置され、前記原子炉圧力容器内へ二次冷却剤を送る複数の伝熱チューブを受容するように構成された複数の取付孔と、
    前記プレート内に配置され、前記一次冷却剤が前記下部原子炉圧力容器領域から前記上部原子炉圧力容器領域へ通過するのを制御可能に許容するように構成され、且つ互いに混合されることなく前記一次冷却剤と前記二次冷却剤とが前記プレートを通過するように構成された複数のオリフィスと
    を備える、原子炉圧力容器チューブシート。
  22. 請求項21に記載の原子炉圧力容器チューブシートであって、更に、
    前記プレートに取り付けられた1つ以上のプレナムを備え、
    前記複数の取付孔は、前記1つ以上のプレナムの下方に配置されている、原子炉圧力容器チューブシート。
  23. 請求項22に記載の原子炉圧力容器チューブシートであって、
    前記複数のオリフィスは、前記1つ以上のプレナムの外側に配置されている、原子炉圧力容器チューブシート。
  24. 請求項22に記載の原子炉圧力容器チューブシートであって、
    前記1つ以上のプレナムは、前記複数の伝熱チューブが前記原子炉圧力容器内へ入る経路を提供する、原子炉圧力容器チューブシート。
  25. 請求項21に記載の原子炉圧力容器チューブシートであって、
    前記プレートは、前記プレートの外周の周りの前記原子炉圧力容器の壁に溶接されている、原子炉圧力容器チューブシート。
  26. 請求項21に記載の原子炉圧力容器チューブシートであって、
    前記プレートは、
    前記原子炉圧力容器の上部ヘッドに取り付く上部フランジと、
    前記原子炉圧力容器の下部分に溶接される下部フランジと
    を備える、原子炉圧力容器チューブシート。
  27. 請求項26に記載の原子炉圧力容器チューブシートであって、
    前記上部ヘッドは、前記上部フランジと前記下部フランジとの間の距離に応じて前記原子炉圧力容器の前記下部分から離されている、原子炉圧力容器チューブシート。
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