JP2017226764A - コーティング膜、コーティング膜の製造方法、及びコーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
膜内部に空孔を有し、かつ、膜表面に凹凸構造を有するコーティング膜であって、
空孔率が20%以上50%未満であり、
AFM測定により観測される前記膜表面の2μmの線上における高低差10nm〜100nmの凹凸の数が、1〜15個である、コーティング膜。
[2]
25℃における水に対する静的接触角が25°未満である、[1]に記載のコーティング膜。
[3]
金属酸化物粒子(A)を含む、[1]又は[2]に記載のコーティング膜。
[4]
太陽電池用カバーガラス表面に形成された、[1]〜[3]のいずれかに記載のコーティング膜。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のコーティング膜の製造方法であって、
金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)と、加水分解性珪素化合物(C)と、を含むコーティング組成物を基材に塗布する工程を含む、コーティング膜の製造方法。
[6]
前記塗布する工程の後、前記コーティング組成物を500℃以上の温度で焼結する工程をさらに含む、[5]に記載のコーティング膜の製造方法。
[7]
[1]〜[4]のいずれかに記載のコーティング膜用のコーティング組成物であって、
金属酸化物粒子(A)、重合体粒子(B)及び加水分解性珪素化合物(C)を含み、
前記金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が、1.0nm〜100nmであり、前記重合体粒子(B)の数平均粒子径が、10nm〜100nmであり、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径と重合体粒子(B)の数平均粒子径の和が50nm〜150nmである、コーティング組成物。
[8]
前記重合体粒子(B)に対する前記金属酸化物粒子(A)の質量比(A)/(B)が、0.05/1以上1/1以下である、[7]に記載のコーティング組成物。
[9]
前記重合体粒子(B)に対する前記加水分解性珪素化合物(C)の質量比(C)/(B)が、0.1/1以上1/1以下である、[7]又は[8]に記載のコーティング組成物。
[10]
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体と、を重合して得られる重合体粒子を含む、[7]〜[9]のいずれかに記載のコーティング組成物。
[11]
前記重合体粒子(B)に含まれる加水分解性珪素化合物(b1)が加水分解性官能基を4個以上含む加水分解性珪素化合物(b3)であり、前記重合体粒子(B)中の該加水分解性珪素化合物(b3)の加水分解縮合物の質量比が、20%以上50%以下である、[10]に記載のコーティング組成物。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味する。また、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸の両方を意味する。
本実施形態のコーティング膜は、膜内部に空孔を有し、かつ、膜表面に凹凸構造を有するコーティング膜であって、空孔率が20%以上50%未満であり、原子間力顕微鏡(AFM)測定により観測される前記膜表面の2μmの線上における高低差10nm〜100nmの凹凸の数が、1〜15個である。このように構成されているため、本実施形態のコーティング膜は、良好な反射防止性能、砂塵付着防止性、及びテープ付着防止性を基材に付与することができる。上記の空孔率と膜表面の凹凸の両方を満足する塗膜は、後述のとおり、コーティング組成物の原料の選択やコーティング組成物の製造方法の工夫により得ることができる。
本実施形態のコーティング膜の空孔率は、20%以上50%未満であり、25%以上50%未満が好ましく、30%以上50%未満がより好ましい。
空孔率が20%以上であることにより、本実施形態のコーティング膜において優れた反射防止性能が得られ、空孔率が50%未満であることにより、吹き付けられた砂塵等や、付着した汚れを布でふき取った場合においても、傷及びクラックの発生が抑制される。
コーティング膜を形成する基材について、反射分光膜厚計(大塚電子製 型式:FE−3000)を用い、230〜800nmの波長ごとの反射率を測定する。
次に、コーティング膜側の230〜800nmの波長ごとのガラス基材などの基材とコーティング膜による干渉している反射した光の強度を測定し、最小二乗法により測定値のフィッティングを行い、コーティング膜の屈折率及び膜厚(nm)を求める。
さらに、コーティング膜を形成する素材の屈折率と空気の屈折率から空孔率を求める。例えば、コーティング膜がシリカ(屈折率1.46)から形成されている場合は、以下の式から空孔率を求める。
(空孔率)=(1.46−(コーティング膜の屈折率))/0.46×100
なお、空孔は、その全部又は一部に空気が充填されているため、その屈折率は1に極めて近い。
本実施形態のコーティング膜は、AFM測定により観測される膜表面の2μmの線上における高低差10nm〜100nmの凹凸の数が、1〜15個であり、2〜12個が好ましく、3〜10個がより好ましい。
上記高低差を有する凹凸の数が1個以上であることにより、汚染物質とコーティング膜との接触面積が小さくなり、汚染物質が落ちやすくなる。
また、上記高低差を有する凹凸の数が15個以下であることにより、テープの粘着成分等が凹凸の間に入り込みにくく、除去が容易になる。
上記高低差を有する凹凸の数を上記範囲にするためには、後述する金属酸化物粒子(A)の平均粒子径や量、重合体粒子(B)の平均粒子径や量を調整すればよい。
コーティング膜表面の2μmの線上における凹凸の高低差、及び凹凸の数は、コーティング膜の任意の箇所のAFM測定像から算出できる。AFM測定の具体的な方法としては以下が挙げられる。
コーティング膜表面の任意の箇所を、2μm×2μmの視野で、原子間力顕微鏡(AFM;Bruker社製のDimension Icon等)にて以下の条件で観測する。得られた表面像に対し、2μm長のラインプロファイルを0.2μm間隔で平行に10箇所抽出し、高低差10〜100nmの凹凸の数をカウントし、平均化する。
<AFM観測条件>
観察モード:Tappingモード
カンチレバー:長さ125μmのSi製矩形型カンチレバー(探針先端の汚染及び摩耗が無いもの;Nano World社製AR−10Tなど)
ばね定数:40N/m程度
コーティング膜表面の25℃における水に対する静的接触角が30°未満であることが好ましく、25°未満がより好ましく、15°未満がさらに好ましい。
上記範囲の水接触角であることにより、雨水等による汚染物質の除去が容易になる傾向にある。
コーティング膜表面の水接触角は、後述する実施例に記載の方法により測定することができ、例えば、後述する金属酸化物粒子(A)の量や、コーティング膜の製造時における焼結温度等によって調整することができる。
本実施形態のコーティング膜の膜厚は、十分な反射防止性能と透明性を生じさせる観点から、50nm以上1000nm以下であることが好ましく、80nm以上200nm以下であることがより好ましく、80nm以上150nm以下であることがさらに好ましい。
膜厚が50nm以上であることにより、コーティング膜の強度が十分に保たれる傾向にあり、膜厚が1000nm以下であることで、反射防止性能が均一なコーティング膜が得られる傾向にある。
膜厚が上記のような範囲にあるコーティング膜を得るためには、コーティング膜を形成するためのコーティング組成物の固形分の濃度を調整すればよく、固形分濃度は0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜7質量%であり、さらに好ましくは1〜6質量%である。
また、塗装機側の塗装速度を調整することでコーティング膜の膜厚を調整することも可能である。
コーティング膜の膜厚は、断面を電子顕微鏡で測定したり、光学エリプソメーターや反射分光膜厚計により薄膜の干渉による反射光を測定して、当該測定値を用いて計算により求めることが可能である。
本実施形態のコーティング膜の製造方法は、特に限定されないが、安定的な塗膜形成の観点から、金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)と、加水分解性珪素化合物(C)と、を含むコーティング組成物を基材に塗布する工程を含むことが好ましい。
焼結する温度は、500℃以上800℃以下がより好ましく、600℃以上750℃以下がさらに好ましい。さらに、高圧水銀灯等の紫外線照射等の処理を同時又は直列に行うことで焼結してもよい。
上記温度で焼結することにより、重合体粒子(B)の有機物が分解することで、コーティング膜の水接触角が低下する傾向にあり、防汚性がより向上する傾向にある。
また、上記温度で焼結することにより、金属酸化物粒子(A)が部分溶融し、重合体粒子(B)の有機物が分解する傾向にあり、結果として膜内部に空孔が生成しやすくなり、低屈折率化によって反射防止性能がより向上する傾向にある。
さらに、焼結の際に、重合体粒子(B)の周囲の金属酸化物粒子(A)や加水分解性珪素化合物(C)の縮合が急激に進み、コーティング膜全体が収縮する際、重合体粒子(B)がコーティング膜の収縮を緩和することで、空孔が押しつぶされて基材と接触してしまうことや、コーティング膜表面に空孔が露出することを抑制すると推測される。このため基材との密着性や、外部からの水浸透によるコーティング膜の劣化を防止する耐久性を向上することができる。
コーティング組成物は、金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)と、加水分解性珪素化合物(C)と、を含むことが好ましい。更に、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が、1.0nm〜100nmであり、前記重合体粒子(B)の数平均粒子径が、10nm〜100nmであり、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径と重合体粒子(B)の数平均粒子径の和が50nm〜150nmであることが好ましい。ここで、金属酸化物粒子(A)及び重合体粒子(B)の数平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。また、これらの数平均粒子径は、例えば、原料や乳化剤の濃度等により上記範囲に制御することができる。
上記範囲の金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)を組み合わせることにより、コーティング膜表面の凹凸の高低差を本実施形態の所望の範囲に調整することができる。
上記範囲の金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)を組み合わせることにより、コーティング膜表面の凹凸の数を本実施形態の所望の範囲に調整することができる。
上記範囲の重合体粒子(B)と、加水分解性珪素化合物(C)を組み合わせることにより、コーティング膜の機械的強度を改善することができる。
なお、加水分解性珪素化合物(C)の質量とは、加水分解性珪素化合物(C)が加水分解、縮合した後のSiO2換算での質量であるものとする。
金属酸化物粒子(A)としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどの酸化物が挙げられる。光学特性、耐久性の点から、特にケイ素酸化物が好ましい。
ケイ素酸化物粒子の具体例としては、以下に限定されないが、例えば、日産化学工業株式会社製の「スノーテックス−OXS(登録商標)」、同社製「スノーテックス−O(登録商標)」同社製「スノーテックス−OL(登録商標)」及び同社製「スノーテックス−OYL(登録商標)」等が挙げられる。
重合体粒子(B)を構成する重合体として、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ(メタ)アクリレート−シリコーン系共重合体、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物から構成される重合体が挙げられる。
また、重合体粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)を含むビニル化合物とを重合して得られるものであることがより好ましい。
さらに、前記テトラアルコキシシラン類の加水分解縮合物は、前記重合体粒子(B)の最外層に存在することがより好ましい。最外層に加水分解縮合物が存在することで、重合体粒子(B)がより強固な粒子となる。
上記重合体粒子(B)を用いることにより、500℃以上の温度で焼結した際の粒子形状の変形が抑制される傾向にあり、コーティング膜表面の凹凸の高低差、及び凹凸の数を本実施形態の所望の範囲に制御することが可能となる。
ビニル化合物(b2)が有するアミド基は、2級アミド基及び/又は3級アミド基であるが、3級アミド基を有するビニル化合物であると、得られる重合体粒子(B)中のシリカ粒子との間の水素結合性が強まる傾向にあるため、好ましい。
その3級アミドを有するビニル化合物(b2)の中でも、N,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるとともに、加水分解性珪素化合物の重合生成物の水酸基及びシリカ粒子の水酸基と強固な水素結合を形成することが可能となる傾向にあるため、より好ましい。
なお、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物(b2)は、水素結合及び化学結合等の各種結合によって複合化されていることが好ましいが、その結合の形態及び状態について、何らかの限定を行うものではない。さらに、重合体粒子(B)中の一部分のみにおいて、上記したような複合化が行われていてもよい。
カルボキシル基含有ビニル化合物及び/又は水酸基含有ビニル化合物を用いると、金属酸化物粒子(A)とその他のビニル化合物との水素結合力を制御することが容易となるとともに、重合体粒子(B)の水分散安定性を向上させることが可能となる傾向にあるため、好ましい。
乳化剤として、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤が挙げられる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤は、重合体粒子(B)の水分散安定性がより一層良好になるとともに、耐水性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れたコーティング膜を形成することができる傾向にあるため、好ましい。
スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル化合物の塩としては、以下に限定されないが、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有し、且つスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物;スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物が挙げられる。
反応性乳化剤としての、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、アクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)が挙げられる。
これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
このような重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物が挙げられる。
より具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
重合速度の促進、又は70℃以下での低温の重合をより望むときには、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いることが好ましい。
なお、これらの圧力と反応温度は適宜変更してもよい。
シェル層とは、最も外側の層を示し、シェル層以外の層がコア層である。
本実施形態のコーティング組成物は、重合体粒子(B)の重合に用いられる加水分解性珪素化合物とは区別して、加水分解性珪素化合物(C)をさらに含む。例えば、本実施形態のコーティング組成物を限外濾過に供し、重合体粒子(B)を除いた後に残存する方の加水分解性珪素化合物を(C)成分ということができ、他方を(b1)ということができる。
加水分解性珪素化合物(C)が有するシラノール基と金属酸化物粒子(A)及び/又は重合体粒子(B)の表面に存在する水酸基との間の縮合反応及び/又は水素結合により結合を形成する。
そのため、重合体粒子(B)の表面を加水分解性珪素化合物(C)の縮合物が覆う構造となり、前述の焼結工程において重合体粒子(B)の有機物成分が焼結されてできる空孔がつぶれることを抑制することができる。したがって、高い空孔率と適度な表面の凹凸を維持することができる。
これらにより、上記コーティング組成物から得られる本実施形態のコーティング膜は、機械的強度がより増加する傾向にある。
アルコールを先に加えないことは、加水分解性珪素化合物(C)の加水分解を早めることができ、平滑な塗膜を形成させやすくなるため好ましい。また、アルコールを後で加えることは、塗液の安定性が高まるため好ましい。
アルコールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。
本実施形態のコーティング膜は、砂塵付着防止性、テープ付着防止性、水洗浄性、耐久性に優れているため、太陽電池、太陽熱発電用ミラー、建材、自動車等、屋外で長期間使用される基材の防汚膜として好適である。さらに反射防止特性、透明性にも優れた機能を付与することができるため、太陽電池用カバーガラスのコーティング膜として特に好適である。すなわち、本実施形態のコーティング膜は、太陽電池用カバーグラス表面に形成されたものであることが好ましい。
後述する合成例、実施例及び比較例における、各種の物性及び評価は下記の方法で測定及び評価した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、コーティング膜表面の凹凸構造の測定を、2μm×2μmの視野で、原子間力顕微鏡(AFM)で行った。
AFMはBruker社製のDimension Iconを使用した。
観察モードはTappingモードとした。
カンチレバーは長さ125μmのSi製矩形型カンチレバーを使用した。
カンチレバーはNano World社からAR−10Tとして市販されているものであり、ばね定数は40N/m程度とした。
使用するカンチレバーは新品で探針先端の汚染及び摩耗が無いものとした。
得られた表面像に対し、2μm長のラインプロファイルを0.2μm間隔で平行に10箇所抽出し、高低差10〜100nmの凹凸の数をカウントし、平均化した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、反射分光膜厚計(大塚電子製 型式:FE−3000)を用い、230〜800nmの波長ごとの反射率を測定した。
次に、コーティング膜側の230〜800nmの波長ごとのガラス基材とコーティング膜による干渉している反射した光の強度を測定し、最小二乗法により測定値のフィッティングを行い、コーティング膜の屈折率及び膜厚(nm)を求めた。
さらに空気の屈折率を1、シリカの屈折率を1.46とし、下記式より空孔率を求めた。
(空孔率)=(1.46−(コーティング膜の屈折率))/0.46×100
動的光散乱式粒度分布測定装置UPA−UZ152(日機装株式会社製)を用い、コーティング組成物中の重合体粒子の数平均粒子径を評価した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、AOPTEK製分光透過率計ST−100を用いて380〜1100nmの全光線透過率を測定した。
コーティング膜のない試験板(ガラス)の全光線透過率に対し、1.5%以上全光線透過率が高ければ、反射防止性能を有していると判断した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、コーティング膜表面に脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて初期接触角を測定した。塗膜に対する水の接触角が小さいほど、コーティング膜表面の親水性が高いと評価した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、コーティング膜表面に日東電工製紙粘着テープ(No.7290)を付着させ、150℃のオーブンで15分間加熱した後に室温まで冷却し、付着させたテープを剥がして、目視により外観を評価した。評価基準は下記のとおりとした。
◎:テープ跡が残らない
○:テープ跡が残るが、アルコール拭きで除去できる
△:アルコール拭き後も薄くテープ跡が残る
×:アルコール拭き後も濃くテープ跡が残る
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、カーボンブラック(日本紛体工業製、Class12)をコーティング膜表面に振り掛け、試験板を垂直に立て、カーボンブラックが落ちなくなるまで試験板を叩き、再度カーボンブラックをコーティング膜表面に振り掛けるという操作を計5回繰り返した後に上記(4)と同様に全光線透過率を測定し、試験前後の全光線透過率を比較することにより防汚性を評価した。
試験後の全光線透過率の変化(ΔT)が−2%以内であれば良好な防粉塵付着性を有していると判断した。
上記(7)粉塵付着性の評価を実施した試験板について、コーティング膜表面を35mL/分の流水で1分間洗浄を実施した後に全光線透過率を測定し、初期(粉塵付着性試験実施前)の全光線透過率に対する、全光線透過率の回復率により水洗浄性を評価した。
試験後の全光線透過率の回復率が80%以上であれば、良好な水洗浄性を有していると判断した。
以下、後述する実施例及び比較例において用いた重合体粒子(B)の合成例を記載する。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン130g及びフェニルトリメトキシシラン100gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル130g、テトラエトキシシラン200g、フェニルトリメトキシシラン100g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド140g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)にテトラエトキシシラン400gを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約30分かけて滴下して混合液(7)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(7)を約2時間撹拌した。その後、混合物(7)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径90nmの重合体粒子(B−1)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン100g及びフェニルトリメトキシシラン50gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル100g、テトラエトキシシラン200g、フェニルトリメトキシシラン80g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド110g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)にテトラエトキシシラン400gを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約30分かけて滴下して混合液(7)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(7)を約2時間撹拌した。その後、混合物(7)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径35nmの重合体粒子(B−2)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸22gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン151gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、製水で濃度を調整して数平均粒子径30nmの重合体粒子(B−3)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸4gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層の原料としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン72gを混合して得られた混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、シェル層の原料としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン92g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gを混合して得られた混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gを混合して得られた混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径140nmの重合体粒子(B−4)の水分散体(固形分10質量%)を得た。
重合体粒子(B)として前記(合成例1)で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体を用いた。
球状のシリカ微粒子(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)を用いた。
水にシリカ微粒子(A)、重合体粒子(B)、加水分解性珪素化合物(C)を表1に記載の乾燥後の固形分質量比となるよう加え、室温で3時間撹拌し、加水分解性珪素化合物(C)を加水分解させた。その後、塗液のエタノール濃度が50%となるようにエタノールを加え、さらに塗料全体質量に対して3質量%のジメチルスルホキシドを添加し、撹拌し、固形分3質量%のコーティング組成物を得た。
なお、(A)は、上記乾燥後に得られるシリカ微粒子(A)の質量比率であり、(B)は、上記乾燥後に得られる重合体粒子(B)の質量比率であり、(C’)は、上記乾燥後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物(C’)の質量比率である。
得られた試験板(G−1)の評価結果を表1に示す。
重合体粒子(B)として、前記(合成例2)で合成した重合体粒子(B−2)の水分散体を用い、球状のシリカ微粒子(A)の原料として平均粒子径65nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOYL」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)を用い、コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−2)を得た。
得られた試験板(G−2)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−3)を得た。
得られた試験板(G−3)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例2〕と同様にして試験板(G−4)を得た。
得られた試験板(G−4)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例2〕と同様にして試験板(G−5)を得た。
得られた試験板(G−5)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、焼結温度は500℃とし、その他の条件は〔実施例2〕と同様にして試験板(G−6)を得た。
得られた試験板(G−6)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例2〕と同様にして試験板(G−7)を得た。
得られた試験板(G−7)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−8)を得た。
得られた試験板(G−8)の評価結果を表1に示す。
重合体粒子(B)として、前記(合成例2)で合成した重合体粒子(B−2)の水分散体を用い、球状のシリカ微粒子(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用い、コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−9)を得た。
得られた試験板(G−9)の評価結果を表1に示す。
重合体粒子(B)として、前記(合成例1)で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体を用い、球状のシリカ微粒子(A)の原料として平均粒子径65nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOYL」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)を用い、コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−10)を得た。
得られた試験板(G−10)の評価結果を表1に示す。
重合体粒子(B)として、前記(合成例3)で合成した重合体粒子(B−3)の水分散体を用い、コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−11)を得た。
得られた試験板(G−11)の評価結果を表1に示す。
重合体粒子(B)として、前記(合成例4)で合成した重合体粒子(B−4)の水分散体を用い、コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例2〕と同様にして試験板(G−12)を得た。
得られた試験板(G−12)の評価結果を表1に示す。
コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−13)を得た。
得られた試験板(G−13)の評価結果を表1に示す。
重合体粒子(B)を使用せず、コーティング膜中の組成比は表1に示すとおりとし、その他の条件は〔実施例1〕と同様にして試験板(G−14)を得た。
得られた試験板(G−14)の評価結果を表1に示す。
エタノールを先に添加して加水分解性珪素化合物(C)の加水分解を実施し、その他の条件は実施例11と同様にして試験版(G−15)を得た。
得られた試験板(G−15)の評価結果を表1に示す。
ジメチルスルホキシドを添加せず、その他の条件は実施例11と同様にして試験版(G−16)を得た。
得られた試験板(G−16)の評価結果を表1に示す。
Claims (11)
- 膜内部に空孔を有し、かつ、膜表面に凹凸構造を有するコーティング膜であって、
空孔率が20%以上50%未満であり、
AFM測定により観測される前記膜表面の2μmの線上における高低差10nm〜100nmの凹凸の数が、1〜15個である、コーティング膜。 - 25℃における水に対する静的接触角が25°未満である、請求項1に記載のコーティング膜。
- 金属酸化物粒子(A)を含む、請求項1又は2に記載のコーティング膜。
- 太陽電池用カバーガラス表面に形成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング膜。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング膜の製造方法であって、
金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)と、加水分解性珪素化合物(C)と、を含むコーティング組成物を基材に塗布する工程を含む、コーティング膜の製造方法。 - 前記塗布する工程の後、前記コーティング組成物を500℃以上の温度で焼結する工程をさらに含む、請求項5に記載のコーティング膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング膜用のコーティング組成物であって、
金属酸化物粒子(A)、重合体粒子(B)及び加水分解性珪素化合物(C)を含み、
前記金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が、1.0nm〜100nmであり、前記重合体粒子(B)の数平均粒子径が、10nm〜100nmであり、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径と重合体粒子(B)の数平均粒子径の和が50nm〜150nmである、コーティング組成物。 - 前記重合体粒子(B)に対する前記金属酸化物粒子(A)の質量比(A)/(B)が、0.05/1以上1/1以下である、請求項7に記載のコーティング組成物。
- 前記重合体粒子(B)に対する前記加水分解性珪素化合物(C)の質量比(C)/(B)が、0.1/1以上1/1以下である、請求項7又は8に記載のコーティング組成物。
- 前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体と、を重合して得られる重合体粒子を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
- 前記重合体粒子(B)に含まれる加水分解性珪素化合物(b1)が加水分解性官能基を4個以上含む加水分解性珪素化合物(b3)であり、前記重合体粒子(B)中の該加水分解性珪素化合物(b3)の加水分解縮合物の質量比が、20%以上50%以下である、請求項10に記載のコーティング組成物。
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