JP2017226692A - ミノキシジル含有外用組成物 - Google Patents

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慎也 春日
Shinya Kasuga
慎也 春日
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Abstract

【課題】ミノキシジルを配合した外用組成物であって、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な着色が抑制されており、しかも使用感に優れた組成物を提供する。
【解決手段】ミノキシジルを3〜10重量%含み、プロピレングリコールに対するブチレングリコールの重量比(プロピレングリコール:ブチレングリコール)が1:3.5〜3.5:1となるようにプロピレングリコール及びブチレングリコールを含む外用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬外用剤、医薬部外品、又は化粧品として用いられる、ミノキシジルを含有する外用組成物に関する。
ミノキシジル(6−(1−ピペリジニル)2,4−ピリミジン−3−オキサイド)は、外用により優れた育毛、養毛効果が得られるため、脱毛症の改善薬として広く使われている。
ところが、ミノキシジルは、水やエタノールへの溶解性が悪く、特に、低温で保存すると結晶が析出し易い。また、ミノキシジルを含む液剤は、経時的に着色して、商品価値が低下する。
ここで、特許文献1は、ミノキシジルの溶解性を向上させるために、多価アルコールを大量に配合することを提案しているが、多価アルコールを大量に配合すると、頭皮にべたつきが残ったり、髪がべたついて、いつまでも乾かないなどの使用上の問題がある。
また、特許文献2は、多価アルコールを8〜30重量%配合しつつ、組成物のpHを5.5〜6.5にすることで、ミノキシジルの結晶析出を抑制することを提案している。しかし、特許文献2の方法では、ミノキシジル含有液剤の着色を抑制することはできない。
ミノキシジル含有液剤の経時的な着色を抑制する試みとして、特許文献3は、ミノキシジル含有液剤にアミノ酸を配合することを教えており、特許文献4は、ミノキシジル含有液剤に抗酸化剤を配合し、かつpHを5.5〜7.0にすることを教えており、特許文献5は、ミノキシジル含有液剤にジブチルヒドロキシトルエンやジブチルヒドロキシアニソールを配合し、かつpHを5.7〜6.4にすることを教えている。しかし、これらの文献記載の方法では、ミノキシジル含有液剤の着色を実用上十分に抑制することはできない。
特表2002−512192号 WO2001/76541 WO99/27966 特開2001−288090 特開2002−308740
本発明は、ミノキシジルを配合した外用組成物であって、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な着色が抑制されており、しかも使用感に優れた組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、ミノキシジルを3〜10重量%含有する外用組成物に、プロピレングリコール:ブチレングリコールの重量比が1:3.5〜3.5:1となるようにプロピレングリコール及びブチレングリコールを配合することにより、ミノキシジルの結晶析出が抑制されており、熱や光に曝されても着色し難く、さらにベタツキやきしみ等の使用時の違和感が抑制された組成物になることを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の外用組成物を提供する。
項1. ミノキシジルを3〜10重量%含み、プロピレングリコールに対するブチレングリコールの重量比(プロピレングリコール:ブチレングリコール)が1:3.5〜3.5:1となるようにプロピレングリコール及びブチレングリコールを含む外用組成物。
項2. プロピレングリコールの含有量が、ミノキシジルの1重量部に対して、1〜8重量部である項1に記載の外用組成物。
項3. プロピレングリコールの含有量が、組成物の全量に対して、5〜35重量%である項1又は2に記載の外用組成物。
項4. さらに、水を含む項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
項5. 水の含有量が、組成物の全量に対して、5〜30重量%である項4に記載の外用組成物。
項6. さらに、低級アルコールを含む項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
項7. 低級アルコールの含有量が、組成物の全量に対して、30〜80重量%である項6に記載の外用組成物。
項8. 育毛、養毛、又は発毛用である項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
項9. 外用組成物に接する面の一部又は全部が、ポリオレフィン、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器に項1〜7の何れかに記載の外用組成物が収容された容器入り外用組成物。
本発明の外用組成物は、3〜10重量%という比較的高濃度のミノキシジルを含みながら、多価アルコールとして、プロピレングリコール及びブチレングリコールを、プロピレングリコール:ブチレングリコールの重量比が1:3.5〜3.5:1となるように含むことにより、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な着色が抑制されている。また、使用時のベタツキ、きしみ等が抑えられた良好な使用感のものである。
ミノキシジルは、特に、低温下で結晶析出し易いが、本発明の外用組成物は、低温保存時の結晶析出も抑制されている。従って、寒冷地への流通、冬季の保管にも耐える。また、高温下や光に曝された場合の着色も抑制されているため、必ずしも遮光容器に充填しなくてもよい。従って、極めて実用的な商品価値の高いミノキシジル含有製剤である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外用組成物は、ミノキシジルを約3〜10重量%含み、プロピレングリコール:ブチレングリコールの重量比が約1:3.5〜3.5:1となるようにプロピレングリコール及びブチレングリコールを含む組成物である。
ミノキシジル
ミノキシジルは市販されており、例えば、東京化成工業社から購入できる。
ミノキシジルの含有量は、組成物の全量に対して、約3重量%以上であり、約4重量%以上が好ましく、約5重量%以上がより好ましい。一般にこの範囲でミノキシジルを含む組成物はミノキシジルの溶解性が悪く、また経時的に着色し易いので、この範囲が本発明の好適な対象である。
また、ミノキシジルの含有量は、組成物の全量に対して、約10重量%以下であり、約9重量%以下が好ましく、約7重量%以下がより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な組成物の着色が抑制される。
ミノキシジルの含有量としては、組成物の全量に対して、約3〜10重量%、約3〜9重量%、約3〜7重量%、約4〜10重量%、約4〜9重量%、約4〜7重量%、約5〜10重量%、約5〜9重量%、約5〜7重量%が挙げられる。
プロピレングリコール及びブチレングリコール
本発明の外用組成物は、プロピレングリコール及びブチレングリコールを含む。プロピレングリコールとブチレングリコールとを組み合わせて含むことにより、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な組成物の着色が抑制され、かつ使用感の良好な組成物となる。
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でその他の多価アルコールを含んでいてもよいが、含まなくてもよい。
プロピレングリコールの含有量は、組成物の全量に対して、約5重量%以上が好ましく、約7重量%以上がより好ましく、約10重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な組成物の着色が十分に抑制される。
また、プロピレングリコールの含有量は、組成物の全量に対して、約35重量%以下が好ましく、約25重量%以下がより好ましく、約15重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
プロピレングリコールの含有量としては、組成物の全量に対して、約5〜35重量%、約5〜25重量%、約5〜15重量%、約7〜35重量%、約7〜25重量%、約7〜15重量%、約10〜35重量%、約10〜25重量%、約10〜15重量%が挙げられる。
また、プロピレングリコールの含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約1重量部以上が好ましく、約1.5重量部以上がより好ましく、約2重量部以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な組成物の着色が十分に抑制される。
また、プロピレングリコールの含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約8重量部以下が好ましく、約7重量部以下がより好ましく、約6重量部以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
プロピレングリコールの含有量としては、ミノキシジルの1重量部に対して、約1〜8重量部、約1〜7重量部、約1〜6重量部、約1.5〜8重量部、約1.5〜7重量部、約1.5〜6重量部、約2〜8重量部、約2〜7重量部、約2〜6重量部が挙げられる。
プロピレングリコール:ブチレングリコールの重量比は、約1:3.5〜3.5:1であり、約1:2.75〜2.75:1が好ましく、約1:2〜2:1がより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な組成物の着色が十分に抑制され、かつ使用感が良好な組成物となる。
基剤又は担体
本発明の外用組成物は、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体を含むことができる。
このような基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバターのような油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、及びラノリンのようなロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、及びコレステロールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーのようなビニル系高分子;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、test-ブチルアルコール等のような低級(炭素数1〜4)アルコール;並びにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、エリスリトール、キシリトールなどのポリオール類;水などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の組成物は、基剤又は担体として、水、及び低級アルコール(特に、エタノール)からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。一般に、ミノキシジルは、水や低級アルコールに溶解し難いので、これらを含む組成物は、本発明の好適な対象となる。
水、及び低級アルコールからなる群より選ばれる1種以上を含む場合のその含有量は、組成物の全量に対して、約5重量%以上が好ましく、約10重量%以上がより好ましく、約15重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、使用感のよい製剤が得られる。
また、水、及び低級アルコールからなる群より選ばれる1種以上を含む場合のその含有量は、組成物の全量に対して、約90重量%以下が好ましく、約80重量%以下がより好ましく、約70重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの溶解性が良好になる。
水、及び低級アルコールからなる群より選ばれる1種以上の含有量としては、組成物の全量に対して、約5〜90重量%、約5〜80重量%、約5〜70重量%、約10〜90重量%、約10〜80重量%、約10〜70重量%、約15〜90重量%、約15〜80重量%、約15〜70重量%が挙げられる。
特に、本発明の外用組成物が水を含む場合の水の含有量は、組成物の全量に対して、約5重量%以上が好ましく、約10重量%以上がより好ましく、約15重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、使用感のよい製剤が得られる。
また、水を含む場合の水の含有量は、組成物の全量に対して、約30重量%以下が好ましく、約25重量%以下がより好ましく、約20重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの溶解性が良好になる。
水の含有量としては、組成物の全量に対して、約5〜30重量%、約5〜25重量%、約5〜20重量%、約10〜30重量%、約10〜25重量%、約10〜20重量%、約15〜30重量%、約15〜25重量%、約15〜20重量%が挙げられる。
また、特に、本発明の外用組成物が低級アルコール(特に、エタノール)を含む場合のその含有量は、組成物の全量に対して、約30重量%以上が好ましく、約40重量%以上がより好ましく、約50重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、使用感のよい製剤が得られる。
また、本発明の外用組成物が低級アルコール(特に、エタノール)を含む場合のその含有量は、組成物の全量に対して、約80重量%以下が好ましく、約70重量%以下がより好ましく、約60重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの溶解性が良好になる。
本発明の外用組成物が低級アルコール(特に、エタノール)を含む場合のその含有量としては、組成物の全量に対して、約30〜80重量%、約30〜70重量%、約30〜60重量%、約40〜80重量%、約40〜70重量%、約40〜60重量%、約50〜80重量%、約50〜70重量%、約50〜60重量%が挙げられる。
添加剤
本発明の外用組成物は、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、溶解補助剤等が挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
薬理活性成分・生理活性成分
本発明の外用組成物は、ミノキシジル以外の、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬理活性成分又は生理活性成分を含むことができる。このような成分としては、血行促進成分、血管新生促進因子、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、角質軟化若しくは角質溶解成分、美白成分、収斂成分、血管拡張成分、抗ヒスタミン成分、抗酸化成分、代謝賦活剤、清涼化剤等が挙げられる。また、例えば、スピラノラクトン、センブリエキス、カプサイシノイド、角質増殖因子(KGF;FGF−7)、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、人参エキス等のミノキシジル以外の育毛成分を含むこともできる。
薬理活性成分又は生理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
剤型
本発明の外用組成物の形態は、特に限定されず、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤等が挙げられる。また、ミノキシジルを溶解させることができる程度の水を含む場合は軟膏とすることもできる。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、エアゾール剤が好ましく、液剤、ローション剤、エアゾール剤がより好ましい。
クリーム剤、乳剤、及び場合により軟膏剤、エアゾール剤等のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、使用感が良い点で、O/W型が好ましい。
製剤は、第16改正日本薬局方総則に従い、又はこれに準拠して、各成分を混合することにより製造できる。
pH
本発明の外用組成物のpHは、約4.5以上が好ましく、約5.5以上がより好ましく、約6.5以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの経時的な組成物の着色が十分に抑制される。
また、本発明の組成物のpHは、約8以下が好ましく、約7.5以下がより好ましく、約7以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、高pHによる頭皮への刺激を避けることができる。また、ミノキシジルが溶解し易いため、プロピレングリコール及びブチレングリコールの使用量を抑えることができ、使用感が良好な組成物となる。
本発明の組成物のpH範囲としては、約4.5〜8、約4.5〜7.5、約4.5〜7、約5.5〜8、約5.5〜7.5、約5.5〜7、約6.5〜8、約6.5〜7.5、約6.5〜7が挙げられる。
pHの調整は、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウムのような有機酸;リン酸、塩酸、硫酸のような無機酸などのpH調整剤を用いて行えばよい。また、必要に応じて、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような有機塩基;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基などのpH調整剤を用いて行えばよい。
pH調整剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
容器
本発明の外用組成物を充填する容器は特に限定されない。医薬品外用剤、医薬部外品、化粧品用の容器として用いられるものであればよい。
このような容器材質として、例えば、外用組成物との接触面の一部又は全部、好ましくは全部が、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルテルペン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、アルミニウム、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
中でも、組成物の経時的な着色を一層効果的に抑制できる点で、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、及びエチレン・プロピレンコポリマーのようなポリオレフィン;ガラス等が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラスがより好ましい。
使用方法
本発明の外用組成物の使用方法は、使用対象の毛髪の状態、頭皮の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。
即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、適量(例えば、約0.5〜2g、又は0.5〜2ml)を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。また、ミノキシジルの1日使用量が、例えば約1〜1000mgとなるように組成物を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。適用方法は、剤型に合わせて、塗布、又は噴霧等とすればよい。適用期間は、例えば約7日間以上とすればよい。また、育毛効果が十分に得られるまで適用すればよく、例えば6か月以内、少なくとも4か月以内とすればよい。
本発明の外用組成物は、育毛、養毛、又は発毛のために使用できる。
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
結晶析出・着色・使用感の評価
後掲の表1〜3に示す組成に従い、各成分を混合溶解し、50ml容量の容器に充填した。容器材質は、原則、ガラスとし、容器材質の影響を検討する場合は、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエチレンテレフタレート製の容器を用いた。なお、表1〜3に示す実施例及び比較例のpHは全て6.8である。
低温安定性の評価は、各組成物を4℃の恒温器で約1か月静置した後、目視で結晶析出を観察することにより行った。結晶の析出が認められなかった場合を〇、認められた場合を×とした。
熱安定性の評価は、各組成物を40℃の恒温器で約2か月静置した後、目視で黄色の着色の程度を観察することにより行った。着色が認められない場合を−、僅かな着色が認められた場合を+、着色がより強く認められるごとに、+の数を増やして表示した。
光安定性の評価は、SUNTESTER XLS+(東洋精機社)を用いて、30℃以下で、350W/m2を72時間照射し、目視で黄色の着色の程度を観察することにより行った。着色が認められない場合を−、僅かな着色が認められた場合を+、着色がより強く認められるごとに、+の数を増やして表示した。
使用感の評価は、5名の社内の男性パネリストが、毛髪のある頭部に1ml塗布し、ベタツキ、きしみ、製剤の皮膚へのなじみ、臭い、及び塗布後の感触を総合的に判定することで行った。5名中3名以上が使用上の問題がないと判定した場合を〇、5名中1〜2名が使用上の問題がないと判定した場合を△、使用上の問題がないと判定したパネリストが無かった場合を×とした。
結果を、表1〜3に併せて示す。表1〜3の各成分の含有量の単位は重量%である。
Figure 2017226692
Figure 2017226692
表1が示すように、多価アルコールとして、プロピレングリコールとブチレングリコールとを組み合わせて含む場合、低温での結晶析出及び経時的な着色の両方が抑制され、しかも良好な使用感が得られた。これに対して、一方の多価アルコールがグリセリン又はジプロピレングリコールである場合、ベタツキやきしみを感じる使用感の悪い製剤となり、また熱により着色が認められた。
Figure 2017226692
PET:ポリエチレンテレフタレート
PE :ポリエチレン
PP :ポリプロピレン
表3が示すように、着色の程度は容器材質の影響を受け、プラスティック容器の中では、ポリエチレン容器、又はポリプロピレン容器を使用した場合、着色が一層効果的に抑制され、ガラス容器を使用した場合は、着色がさらに一層効果的に抑制された。
本発明の外用組成物は、比較的高濃度のミノキシジルを含みながら、ミノキシジルの低温下での結晶析出が抑制されており、かつ組成物の経時的な着色も抑制されている。さらに、使用感が良好であり、商品価値の高いものである。

Claims (9)

  1. ミノキシジルを3〜10重量%含み、プロピレングリコールに対するブチレングリコールの重量比(プロピレングリコール:ブチレングリコール)が1:3.5〜3.5:1となるようにプロピレングリコール及びブチレングリコールを含む外用組成物。
  2. プロピレングリコールの含有量が、ミノキシジルの1重量部に対して、1〜8重量部である請求項1に記載の外用組成物。
  3. プロピレングリコールの含有量が、組成物の全量に対して、5〜35重量%である請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. さらに、水を含む請求項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
  5. 水の含有量が、組成物の全量に対して、5〜30重量%である請求項4に記載の外用組成物。
  6. さらに、低級アルコールを含む請求項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
  7. 低級アルコールの含有量が、組成物の全量に対して、30〜80重量%である請求項6に記載の外用組成物。
  8. 育毛、養毛、又は発毛用である請求項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
  9. 外用組成物に接する面の一部又は全部が、ポリオレフィン、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器に請求項1〜7の何れかに記載の外用組成物が収容された容器入り外用組成物。
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