JP2017226665A - 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21 - Google Patents

1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21 Download PDF

Info

Publication number
JP2017226665A
JP2017226665A JP2017132449A JP2017132449A JP2017226665A JP 2017226665 A JP2017226665 A JP 2017226665A JP 2017132449 A JP2017132449 A JP 2017132449A JP 2017132449 A JP2017132449 A JP 2017132449A JP 2017226665 A JP2017226665 A JP 2017226665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fgf21
polypeptide
human
seq
variant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017132449A
Other languages
English (en)
Inventor
シャナカ・スタニスラウス
Stanislaus Shanaka
ジン・シュイ
Jing Xu
ミュリエル・マリー・エリソン
Marie Ellison Murielle
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amgen Inc
Original Assignee
Amgen Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amgen Inc filed Critical Amgen Inc
Publication of JP2017226665A publication Critical patent/JP2017226665A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/18Growth factors; Growth regulators
    • A61K38/1825Fibroblast growth factor [FGF]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/12Drugs for disorders of the urinary system of the kidneys
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】FGF21ポリペプチドを使用して代謝疾患および障害を治療する方法の提供。代謝疾患または障害は、1型糖尿病、肥満、脂質異常症、血糖値の上昇、インスリン値の上昇、糖尿病性ネフロパシー、神経障害、網膜症、虚血性心疾患、末梢血管疾患および脳血管疾患である。【解決手段】代謝障害を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、治療上効果的な量の、(a)単離ヒトFGF21ポリペプチド、または(b)FGF21変異体ポリペプチドを投与することを含む、方法。【選択図】図1

Description

本特許出願は、それぞれ全体が本明細書に組み込まれる、2011年8月31日出願の米国仮特許出願第61/529,641号の優先権の利益を主張する。
開示される発明は、それを必要とする対象に、治療上効果的な量のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を投与することによる、1型糖尿病の治療または改善に関する。
線維芽細胞成長因子21(FGF21)は、FGF19、FGF21、およびFGF23を含む、線維芽細胞成長因子(FGF)のサブファミリーに属する分泌ポリペプチドである(Itoh et al., (2004) Trend Genet. 20:563−69)。FGF21は、ヘパリン依存性であり、グルコース、脂質、およびエネルギー代謝の調節においてホルモンとして機能するという点で、非定型FGFである。
FGF21は、肝臓および膵臓において高度に発現し、肝臓で主に発現する唯一のFGFファミリーのメンバーである。FGF21を過剰発現する形質転換マウスは、遅い成長速度、低い血漿グルコースおよびトリグリセリド値の代謝表現型を示し、加齢に伴う2型糖尿病、膵島過形成、および肥満を有さない。罹患げっ歯類および霊長類モデルにおける組み換えFGF21タンパク質の薬理学的投与は、血漿グルコース値の正常化、トリグリセリドおよびコレステロール値の低減、ならびに耐糖能およびインスリン感受性の改善をもたらす。さらに、FGF21は、エネルギー消費、身体的活動、および代謝速度を増加させることにより、体重および体脂肪を低減する。実験的研究は、2型糖尿病、肥満、脂質異常症、および人間における他の代謝状態または障害の治療のための、FGF21の薬理学的投与への支援を提供する。
2つの主要な種類の糖尿病、1型および2型が定義されている。インスリン依存性糖尿病(IDDM)とも呼ばれる1型糖尿病において、膵臓は、不十分なインスリン値を生成する。1型糖尿病に罹患した患者は、生存するためにインスリンの投与に頼らなければならない。非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)とも呼ばれる2型糖尿病に罹患した患者は、まだインスリンを生成することができるが、比較的不十分である。多くの場合において、膵臓は、通常よりも多量のインスリンを生成する。2型糖尿病の際立った特徴は、体の細胞(特に脂肪および筋肉細胞)によるインスリンに対する感受性の喪失である。
増加したインスリン耐性の問題に加えて、2型糖尿病に罹患した患者においては、膵臓によるインスリンの放出もまた不良であり、最適以下となり得る。実際に、2型糖尿病においては、グルコース制御の悪化に寄与する、インスリンのベータ細胞産生の一定の低下が見られることが知られているが、これは、最終的にインスリン治療を必要とする2型糖尿病の多くの患者の主要因子である。さらに、2型糖尿病患者の肝臓は、血糖値が上昇しているにもかかわらず、グルコース新生によりグルコースを産生し続ける。したがって、2型糖尿病患者において、グルコース新生の制御が悪化する可能性がある。
1型糖尿病に罹患した患者は、生存するためにインスリンを必要とする(例えば、Falorni et al.,(1995) Bailliere’s Clin. Endocrinol. Met. 9:25−46を参照されたい)。インスリンは、1型および2型糖尿病の両方の治療に使用され得るが、2型糖尿病の治療に使用されている現在の他の市販の化合物は、1型糖尿病の治療に使用できない(Raslova, (2010) Vasc. Health Risk Manag. 6:399−410)。確立されたインスリン治療とは対照的に、本開示は、FGF21を使用して1型糖尿病を治療する方法を提供し、したがって、1型糖尿病患者を治療する医療専門家に代替的治療法を提供する。
Itoh et al., (2004) Trend Genet. 20:563−69 Falorni et al.,(1995) Bailliere’s Clin. Endocrinol. Met. 9:25−46 Raslova, (2010) Vasc. Health Risk Manag. 6:399−410
一態様において、代謝障害を治療する方法が提供される。一実施形態において、方法は、それを必要とする対象に、治療上効果的な量の(a)ヒトFGF21ポリペプチド、または(b)FGF21変異体ポリペプチドを投与することを含む。さらなる実施形態において、代謝障害は、1型糖尿病である。さらなる実施形態において、代謝障害は、脂質異常症である。さらなる実施形態において、代謝障害は、肥満である。さらなる実施形態において、代謝障害は、糖尿病性ネフロパシーである。さらなる実施形態において、代謝障害は、対象が100mg/dL以上の空腹時血糖値を有する状態を含む。一実施形態において、方法が実行される対象は、哺乳動物であり、別の実施形態において、哺乳動物は人間である。特定の実施形態において、ヒトFGF21ポリペプチドは、配列番号4および8の1つを含み、別の実施形態において、ヒトFGF21ポリペプチドは、配列番号3および7の1つによりコードされる。さらなる実施形態において、FGF21変異体は、表1〜13に示される突然変異から選択される、配列番号4および8の1つの成熟FGF21配列における1つ以上の突然変異を含む。別の実施形態において、FGF21ポリペプチドは、薬学的に許容される担体と混合されたFGF21ポリペプチドを含む薬学的組成物の形態で投与される。さらなる実施形態において、開示される方法は、投与の後の時点で対象の血糖値を決定するステップをさらに含む。別の実施形態において、方法は、投与の後の時点で対象の血清インスリン値を決定するステップをさらに含む。さらに別の実施形態において、ヒトFGF21ポリペプチドまたはヒトFGF21変異体ポリペプチドは、(a)1つ以上のPEG分子、および(b)Fcポリペプチドの1つ以上をさらに含む。具体的実施形態において、単離ヒトFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体ポリペプチドは、配列番号10および12の1つを含み、別の実施形態において、単離ヒトFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体ポリペプチドは、配列番号39および41の1つを含む。
また、代謝障害を治療する別の方法が本明細書において提供される。一実施形態において、方法は、それを必要とする対象に、配列番号4および8の1つと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、治療上効果的な量のヒトFGF21ポリペプチドを投与することを含む。さらなる実施形態において、代謝障害は、1型糖尿病である。さらなる実施形態において、代謝障害は、脂質異常症である。さらなる実施形態において、代謝障害は、肥満である。さらなる実施形態において、代謝障害は、糖尿病性ネフロパシーである。さらなる実施形態において、代謝障害は、対象が100mg/dL以上の空腹時血糖値を有する状態を含む。一実施形態において、方法が実行される対象は、哺乳動物であり、別の実施形態において、哺乳動物は人間である。特定の実施形態において、ヒトFGF21ポリペプチドは、配列番号4および8の1つを含み、別の実施形態において、ヒトFGF21ポリペプチドは、配列番号3および7の1つによりコードされる。さらなる実施形態において、FGF21変異体は、表1〜13に示される突然変異から選択される、配列番号4または配列番号8の成熟FGF21配列における1つ以上の突然変異を含む。別の実施形態において、FGF21ポリペプチドは、薬学的に許容される担体と混合されたFGF21ポリペプチドを含む薬学的組成物の形態で投与される。さらなる実施形態において、開示される方法は、投与の後の時点で対象の血糖値を決定するステップをさらに含む。別の実施形態において、方法は、投与の後の時点で対象の血清インスリン値を決定するステップをさらに含む。さらに別の実施形態において、ヒトFGF21ポリペプチドまたはヒトFGF21変異体ポリペプチドは、(a)1つ以上のPEG分子、および(b)Fcポリペプチドの1つ以上をさらに含む。
ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおける血漿グルコース値を示すプロットであり、血糖値は、処置開始後3日目の朝の注射から1時間および4時間後、ならびに5日目の朝の注射から1時間後に測定された。 ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、血漿グルコース値の臨床化学分析を示す棒グラフであり、血液試料からの血漿は、処置前(0日目)および朝の注射(5日目)の約2時間後に回収され、試験された。 ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、血漿トリグリセリド値の臨床化学分析を示す棒グラフであり、処置前(0日目)および朝の注射(5日目)の約2時間後に回収された血液試料からの血漿が試験された。 ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、血漿全コレステロール値の臨床化学分析を示す棒グラフであり、血液試料からの血漿は、処置前(0日目)および朝の注射(5日目)の約2時間後に回収され、試験された。 ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、血漿遊離脂肪酸(NEFA)値の臨床化学分析を示す棒グラフであり、血液試料からの血漿は、処置前(0日目)および朝の注射(5日目)の約2時間後に回収され、試験された。 ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定されたインスリン値を示す棒グラフであり、血液試料からの血漿は、処置前(0日目)および朝の注射(5日目)の約2時間後に回収され、試験された。 ビヒクル、インスリン(5IU/kg)、ヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(5IU/kg)およびヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせ治療薬を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定されたグルカゴン値を示す棒グラフであり、血液試料からの血漿は、処置前(0日目)および朝の注射(5日目)の約2時間後に回収され、試験された。 ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kgおよび5mg/kg)を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された血漿グルコース値を示すプロットであり、血糖値は、0日目の注射前ならびに1、3、5、および7日目に測定された。 ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された血漿グルコース値を示すプロットであり、血糖値は、0日目の注射前ならびに2、6、10、14、18および22日目に測定された。 0日目(5回目のSTZ注射後)および27日目(二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から7日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、血漿グルコース値を示す棒グラフである。 0日目(5回目のSTZ注射後)および27日目(二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から7日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、トリグリセリド値を示す棒グラフである。 0日目(5回目のSTZ注射後)および27日目(二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から7日後)の、ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、コレステロール値を示す棒グラフである。 0日目(5回目のSTZ注射後)および27日目(二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から7日後)の、ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、HDL値を示す棒グラフである。 0日目(5回目のSTZ注射後)および27日目(二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から7日後)の、ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、NEFA値を示す棒グラフである。 0日目(5回目のSTZ注射後)および27日目(二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から7日後)の、ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、インスリン値を示す棒グラフである。 ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与された、ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された体重の変化を示すプロットであり、測定値は、0日目(5回目のSTZ注射から72時間後)ならびに2、4、6、8、10、12、14、16、18、20および22日目に得られた。 ビヒクルまたは二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与された、複数低用量(MLD)ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された血漿グルコース値を示すプロットであり、血糖値は、−2日目の注射前ならびに2、6、10および14日目に測定された。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、インスリン値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、トリグリセリド値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、コレステロール値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、HDL値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、NEFA値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、インスリン値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重20kd PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、AST値を示す棒グラフである。 −20日目(5回目のSTZ注射後)および18日目(18日目の二重PEG化FGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の最後の注射から2日後)の、ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与されたMLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された、ALT値を示す棒グラフである。 ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を投与された、MLDストレプトゾトシン誘導1型糖尿病マウスにおいて測定された体重の変化を示すプロットであり、測定値は、0日目(5回目のSTZ注射から23日後)ならびに2、4、6、8、10、12、14、16、および18日目に得られた。 ストレプトゾトシン処置マウスからの膵島におけるインスリン免疫反応性を示す写真であり、上部パネルは、ビヒクル処置マウス(A3)からの膵島であり、下部パネルはFGF21処置マウス(B3)からの膵島である。元の倍率は約25倍であった。 各ビヒクルおよびPEG−FGF21処置マウスからのインスリン免疫反応性および形態学的所見を要約した表であり、ビヒクル処置マウスはA1からA5で指定され、一方PEG−FGF21処置マウスはB1からB5で指定されている。
本開示は、それを必要とする対象に、治療上効果的な量の単離ヒトFGF21ポリペプチドを投与することにより、1型糖尿病を治療する方法を提供する。投与および送達の方法もまた提供される。
実施例に記載のものを含む、本明細書において使用される組み換えポリペプチドおよび核酸の方法は、一般に、共にあらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)またはCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al., eds., Green Publishers Inc. and Wiley and Sons 1994)に記載される方法である。
I.一般的定義
「1つ(aおよびan)」という規定は、本明細書において使用される場合、別段に具体的に指定されない限り、「1つ以上」を意味する。
本明細書において使用される場合、「アミノ酸」および「残基」という用語は、同義的であり、ペプチドまたはポリペプチドに関して使用される場合、自然発生的および合成アミノ酸の両方、ならびにアミノ酸類似体、アミノ酸模倣薬、および自然発生的アミノ酸に化学的に類似した非自然発生的アミノ酸を指す。
「自然発生的アミノ酸」は、遺伝子コードによりコードされたアミノ酸、および合成後に修飾された、遺伝子コードによりコードされたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、およびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、自然発生的アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素に結合したα炭素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムである。そのような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有し得るが、自然発生的アミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。
「アミノ酸模倣薬」は、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、自然発生的アミノ酸と類似した様式で機能する化学化合物である。例は、アミドのメタクリロイルまたはアクリロイル誘導体、β−、γ−、δ−イミノ酸(例えば、ピペリジン−4−カルボン酸)等を含む。
本開示において同義的に使用され得る用語である「非自然発生的アミノ酸」または「非自然コード化アミノ酸」は、自然発生的アミノ酸と同じ基本化学構造を有するが、in vivo翻訳複合体により成長ポリペプチド鎖に組み込まれない化合物である。「非自然発生的アミノ酸」はまた、これに限定されないが、自然コード化アミノ酸(これに限定されないが、20の一般アミノ酸を含む)の修飾(例えば、翻訳後修飾)により生じるが、それ自体は翻訳複合体により成長ポリペプチド鎖に自然に組み込まれないアミノ酸を含む。ポリペプチド配列に挿入され得る、またはポリペプチド配列中の野生型残基と置換され得る非自然発生的アミノ酸の例の限定されないリストは、β−アミノ酸、ホモアミノ酸、環状アミノ酸および誘導体化側鎖を有するアミノ酸を含む。例は(L型またはD型、括弧内のように省略される)、シトルリン(Cit)、ホモシトルリン(hCit)、Nα−メチルシトルリン(NMeCit)、Nα−メチルホモシトルリン(Nα−MeHoCit)、オルニチン(Orn)、Nα−メチルオルニチン(Nα−MeOrnまたはNMeOrn)、サルコシン(Sar)、ホモリシン(hLysまたはhK)、ホモアルギニン(hArgまたはhR)、ホモグルタミン(hQ)、Nα−メチルアルギニン(NMeR)、Nα−メチルロイシン(Nα−MeLまたはNMeL)、N−メチルホモリシン(NMeHoK)、Nα−メチルグルタミン(NMeQ)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(Tic)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸(Oic)、3−(1−ナフチル)アラニン(1−Nal)、3−(2−ナフチル)アラニン(2−Nal)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(Tic)、2−インダニルグリシン(IgI)、パラ−ヨードフェニルアラニン(pI−Phe)、パラ−アミノフェニルアラニン(4AmPまたは4−アミノ−Phe)、4−グアニジノフェニルアラニン(Guf)、グリシルリシン(「K(Nε−グリシル)」または「K(グリシル)」または「K(gly)」と省略される)、ニトロフェニルアラニン(nitrophe)、アミノフェニルアラニン(aminopheまたはアミノ−Phe)、ベンジルフェニルアラニン(benzylphe)、γ−カルボキシグルタミン酸(γ−carboxyglu)、ヒドロキシプロリン(hydroxypro)、p−カルボキシル−フェニルアラニン(Cpa)、α−アミノアジピン酸(Aad)、Nα−メチルバリン(NMeVal)、N−α−メチルロイシン(NMeLeu)、Nα−メチルノルロイシン(NMeNle)、シクロペンチルグリシン(Cpg)、シクロヘキシルグリシン(Chg)、アセチルアルギニン(acetylarg)、α,β−ジアミノプロピオン酸(Dpr)、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)、ジアミノプロピオン酸(Dap)、シクロヘキシルアラニン(Cha)、4−メチル−フェニルアラニン(MePhe)、β,β−ジフェニル−アラニン(BiPhA)、アミノ酪酸(Abu)、4−フェニル−フェニルアラニン(またはビフェニルアラニン;4Bip)、α−アミノ−イソ酪酸(Aib)、ベータ−アラニン、ベータ−アミノプロピオン酸、ピペリジン酸、アミノカプロン酸、アミノヘプタン酸、アミノピメリン酸、デスモシン、ジアミノピメリン酸、N−エチルグリシン、N−エチルアスパラギン、ヒドロキシリシン、アロ−ヒドロキシリシン、イソデスモシン、アロ−イソロイシン、N−メチルグリシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルバリン、4−ヒドロキシプロリン(Hyp)、γ−カルボキシグルタメート、ε−Ν,Ν,Ν−トリメチルリシン、ε−Ν−アセチルリシン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリシン、ω−メチルアルギニン、4−アミノ−O−フタル酸(4APA)、および他の同様のアミノ酸、ならびに具体的に列挙されたもののいずれかの誘導体化形態を含む。
「単離核酸分子」という用語は、全核酸が源の細胞から単離された場合に核酸と共に自然に見られる、ポリペプチド、ペプチド、脂質、炭水化物、ポリヌクレオチドまたは他の材料の少なくとも約50パーセントから分離された、5’から3’末端から読み出されるデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド塩基(例えば、本明細書に記載の天然もしくは変異体FGF21核酸配列)の一本鎖もしくは二本鎖ポリマー、またはその類似体を指す。好ましくは、単離核酸分子は、ポリペプチド産生における使用、またはその治療的、診断的、予防的もしくは研究上の使用に干渉する、核酸の自然環境中に見られる任意の他の汚染核酸分子またはその他の分子を実質的に含まない。
「単離ポリペプチド」という用語は、源細胞から単離された場合にポリペプチドと共に自然に見られる、ポリペプチド、ペプチド、脂質、炭水化物、ポリヌクレオチドまたは他の材料の少なくとも約50パーセントから分離されたポリペプチド(例えば、本明細書に記載のFGF21ポリペプチドまたは変異体FGF21ポリペプチド)を指す。好ましくは、単離ポリペプチドは、その治療的、診断的、予防的または研究上の使用に干渉する、その自然環境中に見られる任意の他の汚染ポリペプチドまたは他の汚染物質を実質的に含まない。
「コード」という用語は、1つ以上のアミノ酸をコードするポリヌクレオチド配列を指す。この用語は、開始または停止コドンを必要としない。アミノ酸配列は、ポリヌクレオチド配列により提供される6つの異なるリーディングフレームのいずれか1つにコードされ得る。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関する「同一」およびパーセント「同一性」という用語は、同じである2つ以上の配列または部分配列を指す。「パーセント同一性」は、比較される分子中のアミノ酸またはヌクレオチドの間の同一の残基のパーセントを意味し、比較されている分子のうち最小の分子のサイズに基づき計算される。これらの計算のために、特定の数学モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち「アルゴリズム」)により、アラインメントのギャップ(該当する場合)が考慮され得る。アラインされた核酸またはポリペプチドの同一性を計算するために使用され得る方法は、Computational Molecular Biology, (Lesk, A. M., ed.), (1988) New York: Oxford University Press;Biocomputing Informatics and Genome Projects, (Smith, D. W., ed.), 1993, New York: Academic Press;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, (Griffin, A. M., and Griffin, H. G., eds.), 1994, New Jersey: Humana Press;von Heinje, G., (1987) Sequence Analysis in Molecular Biology, New York: Academic Press;Sequence Analysis Primer, (Gribskov, M. and Devereux, J., eds.), 1991, New York: M. Stockton Press;およびCarillo et al., (1988) SIAM J. Applied Math. 48:1073に記載のものを含む。
パーセント同一性の計算において、比較されている配列は、配列間の最大の一致を与えるように整列される。パーセント同一性を決定するために使用されるコンピュータプログラムは、GAPを含むGCGプログラムパッケージである(Devereux et al., (1984) Nucl. Acid Res. 12:387;Genetics Computer Group,University of Wisconsin, Madison, WI)。コンピュータアルゴリズムGAPは、パーセント配列同一性が決定されるべき2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチドをアラインさせるために使用される。配列は、それぞれのアミノ酸またはヌクレオチドが最適に一致するようにアラインされる(アルゴリズムにより決定される「一致したスパン」)。ギャップ開始ペナルティ(3×平均対角として計算され、「平均対角」は、使用されている比較行列の対角の平均であり、「対角」は、特定の比較行列により各完全アミノ酸一致に割り当てられるスコアまたは数である)およびギャップ伸長ペナルティ(通常ギャップ開始ペナルティの1/10倍である)、ならびにPAM 250またはBLOSUM 62等の比較行列が、アルゴリズムと併せて使用される。ある特定の実施形態において、標準比較行列(PAM 250比較行列に関しては、Dayhoff et al., (1978) Atlas of Protein Sequence and Structure :345−352を、BLOSUM 62比較行列に関しては、Henikoff et al.,(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:10915−10919を参照されたい)もまたアルゴリズムにより使用される。
GAPプログラムを使用してポリペプチドまたはヌクレオチド配列のパーセント同一性を決定するための推奨されるパラメータは、以下の通りである。
アルゴリズム:Needleman et al., 1970, J. Mol. Biol. 48:443−453;
比較行列:Henikoff et al., 1992(上記参照)からのBLOSUM 62;
ギャップペナルティ:12(但し末端ギャップに対してはペナルティなし)
ギャップ長ペナルティ:4
類似性閾値:0
2つのアミノ酸配列をアラインさせるためのある特定のアラインメントスキームは、2つの配列の短い領域のみの一致をもたらし得るが、この小さいアラインされた領域は、2つの全長配列間に有意な関係がない場合であっても、非常に高い配列同一性を有し得る。したがって、選択されるアラインメント方法(例えば、GAPプログラム)は、所望により、標的ポリペプチドの少なくとも50個の連続アミノ酸にわたるアラインメントをもたらすように調節され得る。
「FGF21ポリペプチド」および「FGF21タンパク質」という用語は、同義的に使用され、人間またはマウス等の哺乳動物において発現する自然発生的野生型ポリペプチドを意味する。本開示の目的において、「FGF21ポリペプチド」は、209個のアミノ酸残基からなり、ヌクレオチド配列の配列番号1および3によりコードされる任意の全長FGF21ポリペプチド、例えば配列番号2および4、ならびに181個のアミノ酸残基からなり、ヌクレオチド配列の配列番号3および5によりコードされるポリペプチドの成熟形態を含む任意の形態、例えば、配列番号4および8を指すように同義的に使用され得、全長FGF21ポリペプチドのアミノ末端における28個のアミノ酸残基(すなわち、シグナルペプチドを構成する)が除去されている。FGF21ポリペプチドは、操作により、または細菌発現プロセスの結果導入され得るアミノ末端メチオニンを含んでもよいが、必須ではない。
「FGF21ポリペプチド」はまた、自然発生的FGF21ポリペプチド配列(例えば、配列番号2、4、6および8)が修飾され、したがって「FGF21変異体」を生成しているFGF21ポリペプチドを包含する。そのような修飾は、非自然発生的アミノ酸、非自然発生的アミノ酸類似体、およびアミノ酸模倣薬との置換を含む1つ以上のアミノ酸置換、ならびに切断を含むが、これらに限定されない。例えば、ヒトFGF21は、1、2、3、4、5、6、7、もしくは8残基によりN末端で、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12もしくは13残基によりC末端で切断された場合、活性を維持することが知られている(それぞれ受容体およびβ−Klotho結合部位を含むと推定される;例えば、WO2009/149171を参照されたい)。したがって、配列番号2または4の181残基配列の切断変異体を、本発明において使用することができる。「FGF21ポリペプチド」という用語は、FGF21ポリペプチドに導入され得る点突然変異、例えば表1〜13に示されるものを包含する。さらに、ヒトFGF21は、天然では少なくとも2つのアイソフォームとして存在することが知られており、1つのアイソフォームは、全長タンパク質の174位にプロリン残基を含み(配列番号2)(タンパク質の成熟形態の146位(配列番号4))、もう1つはこの位置にロイシン残基を含む(配列番号6および8に示され、それぞれ全長および成熟形態である)。これらのアイソフォームのいずれも、開示される組成物および方法において使用することができ、「FGF21ポリペプチド」、「FGF21タンパク質」および「FGF21変異体」という用語に包含される。
様々な実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、自然発生的FGF21ポリペプチド(例えば、配列番号2、4、6および8)と少なくとも約85パーセント同一であるアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、FGF21ポリペプチドは、自然発生的FGF21ポリペプチドアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6および8)と少なくとも約90パーセントまたは約95、96、97、98もしくは99パーセント同一であるアミノ酸配列を含む。そのようなFGF21ポリペプチドは、好ましくは、野生型FGF21ポリペプチドの少なくとも1つの活性、例えば血糖、インスリン、トリグリセリド、もしくはコレステロール値を低下させる能力、体重を低減する能力、または耐糖能、エネルギー消費、もしくはインスリン感受性を改善する能力を有するが、必須ではない。また、本発明は、そのようなFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体配列をコードする核酸分子を包含する。
上述のように、ヒトFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、シグナル配列(配列番号2もしくは6の残基1〜28)を含んでもよく、または、シグナル配列が除去されていてもよい(配列番号4もしくは8の181残基配列を提供する)が、これはin vivoでのFGF21の活性形態である。いくつかの場合において、対象における代謝障害を治療または改善するために使用され得るFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、対象と同じ種から得られるFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の成熟形態である。
FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、好ましくは、生物学的に活性である。様々なそれぞれの実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、全長FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体配列のN末端からシグナルペプチドが除去されている、自然発生的形態の成熟FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の生物学的活性と等しい、それより高い、またはそれより低い生物学的活性を有する。生物学的活性の例は、血糖、インスリン、トリグリセリド、もしくはコレステロール値を低下させる能力、体重を低減する能力、または耐糖能、脂質耐性、もしくはインスリン感受性を改善する能力、尿中グルコースおよびタンパク質排泄を低下する能力を含む。
「治療上効果的な用量」および「治療上効果的な量」という用語は、本明細書において使用される場合、治療されている疾患または障害の症状の軽減または改善を含む、研究者、医者または他の臨床医学者により求められている組織系、動物、または人間における生物学的または医薬的反応を惹起する、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の量、すなわち、観察され得るレベルの1つ以上の所望の生物学的または医薬的反応、例えば血糖、インスリン、トリグリセリド、もしくはコレステロール値の低下、体重の低減、または耐糖能、エネルギー消費、もしくはインスリン感受性の、当業者に知られている標準的アッセイを使用して決定される所望の(例えば、人間にとって生理学的に正常な)レベルへの改善を補助する、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の量を意味する。決定する上で好適なアッセイの例は、本明細書に記載され、市販の機器、例えばOlympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc;Center Valley、PA)またはHuman Multiplex Endocrine Kit(HENDO−75K、Millipore Corp.、Billerica、MA)を使用して、自動化された様式で行うことができる。
II.開示される方法において使用され得るFGF21ポリペプチド、FGF21変異体および核酸
本明細書において提供される様々な方法は、本開示により説明される任意のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用することができる。これらのFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、操作されてもよく、および/または標準的な分子生物学的方法を使用して生成されてもよい。様々な例において、配列番号1、3、5および7の全てまたは一部を含んでもよいFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体をコードする核酸配列は、適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用してゲノムDNAまたはcDNAから単離および/または増幅され得る。プライマーは、標準的(RT)−PCR増幅技術に従い、本明細書に記載の核酸およびアミノ酸配列に基づいて設計され得る。増幅されたFGF21核酸は、次いで、好適なベクターにクローニングされ、DNA配列分析により特性決定され得る。
本明細書に記載のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の全てまたは一部の単離または増幅におけるプローブとしての使用のためのオリゴヌクレオチドは、標準的合成技術、例えば、自動化DNA分析装置を使用して設計および生成されてもよく、または、より長い配列のDNAから単離されてもよい。
II.A.自然発生的および変異体FGF21ポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列
In vivoにおいて、FGF21は、シグナル配列を含む連続アミノ酸配列として発現する。
全長ヒトFGF21(Pro 174/146形態)の209アミノ酸配列は、
Figure 2017226665
であり、以下のDNA配列
Figure 2017226665
28残基シグナル配列の切断後のヒトFGF21のアミノ酸配列は、
Figure 2017226665
であり、以下のDNA配列
Figure 2017226665
本明細書に記載のように、ヒトFGF21はまた、配列番号2の位置174(配列番号4の位置146)のプロリンがロイシンで置き換えられた自然発生的アイソフォームとして存在し得る。この形態のFGF21と関連したアミノ酸および核酸配列は、本明細書において、配列番号5〜8として記載される。
本明細書に記載のように、「FGF21ポリペプチド」という用語は、ヒトアミノ酸配列の配列番号2、4、6および8を含むFGF21ポリペプチドを指す。しかしながら、「FGF21ポリペプチド」という用語は、配列が配列番号2、4、6および8と少なくとも85%同一であるように、自然発生的FGF21ポリペプチドのアミノ酸配列、例えば配列番号2、4、6および8と1つ以上のアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドも包含し、そのようなポリペプチドは、本開示において一般に「FGF21変異体」と呼ばれ、本明細書においてさらに説明される。FGF21ポリペプチドは、保存的または非保存的な1つ以上のアミノ酸置換を導入し、FGF21ポリペプチドの特定位置において自然発生的または非自然発生的アミノ酸を使用することにより生成され得る。FGF21ポリペプチドに導入され得る置換の例は、表1〜13に示され、本明細書において説明される。
「保存的アミノ酸置換」は、天然アミノ酸残基(ずなわち、野生型FGF21ポリペプチド配列の所与の位置において見られる残基)の、非天然残基(すなわち、野生型FGF21ポリペプチド配列の所与の位置に見られない残基)による、その位置でのアミノ酸残基の極性または電荷にほとんどまたは全く影響しないような置換を含み得る。保存的アミノ酸置換はまた、生体系内での合成によるのではなく、化学的ペプチド合成により典型的に組み込まれる非自然発生的アミノ酸残基を包含する。これらは、ペプチド模倣薬、およびアミノ酸部分の他の反対または反転形態を含む。
自然発生的残基は、表1に示されるような一般的側鎖特性に基づくクラスに分けることができる。
Figure 2017226665
また、アミノ酸の追加的な群は、例えば、Creighton (1984) PROTEINS: STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES (2d Ed. 1993), W.H. Freeman and Companyに記載の原理を使用して調製され得る。いくつかの場合において、そのような特徴の2つ以上に基づいて置換をさらに特性決定することが有用となり得る(例えば、Thr残基等の「小極性」残基での置換は、適切な状況において極めて保存的な置換となり得る)。
保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーの、同じクラスの別のメンバーとの交換を含み得る。非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーの、別のクラスからのメンバーとの交換を含み得る。
上述の群のものと同様の既知の物理化学的特性を有する、合成、希少、または修飾アミノ酸残基は、配列内の特定のアミノ酸残基の「保存的」代替として使用され得る。例えば、D−Arg残基は、典型的なL−Arg残基の代替として機能し得る。また、特定の置換は、上述のクラスの2つ以上に関して説明され得る場合も考えられる(例えば、小さい疎水性残基での置換は、当該技術分野において、両方の定義に適合するそのような残基と同様の物理化学的特性を有することが知られている上述のクラスまたは他の合成、希少、もしくは修飾残基の両方において見られる残基(複数を含む)での1つのアミノ酸の置換を意味する)。
配列番号1、3、5および7に縮重するもの、ならびに配列番号1、3、5および7のポリペプチド変異体をコードするもの、例えば表1〜13の突然変異を含むものを含む、本明細書に記載のFGF21ポリペプチドをコードする核酸配列は、本開示の他の態様を形成する。
II.B.FGF21ベクター
本明細書に記載のFGF21核酸配列を発現させ、それにより開示される方法における使用のためのFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を生成するために、適切なコード配列、例えば配列番号1、3、5および7、または表1〜13の1つ以上の突然変異をコードする配列は、標準的なクローニングおよび発現技術に従い、好適なベクターにクローニングすることができ、好適な宿主への導入後に配列が発現してコードされたポリペプチドを生成することができる(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている)。また、本開示は、本明細書に記載の核酸配列(例えば、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体をコードする配列)を含むそのようなベクターに関する。
「ベクター」は、(a)ポリペプチドコード核酸配列の発現を促進し、(b)それからのポリペプチドの産生を促進し、(c)それによる標的細胞のトランスフェクション/形質転換を促進し、(d)核酸配列の複製を促進し、(e)核酸の安定性を促進し、(f)核酸および/もしくは形質転換/トランスフェクトされた細胞の検出を促進し、ならびに/または(g)ポリペプチドコード核酸に有利な生物学的および/もしくは物理化学的機能を別様に付与する、送達ビヒクルを指す。ベクターは、染色体、非染色体および合成核酸ベクター(好適な組の発現制御要素を含む核酸配列)を含む、任意の好適なベクターであってもよい。そのようなベクターの例は、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組み合わせから得られるベクター、ならびにウイルス核酸(RNAまたはDNA)ベクターを含む。
組み換え発現ベクターは、原核細胞(例えば、大腸菌)または真核細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクターを使用した昆虫細胞、酵母細胞、または哺乳動物細胞)におけるFGF21タンパク質の発現のために設計され得る。代表的な宿主細胞は、大腸菌株TOP10F′、TOP10、DH10B、DH5a、HB101、W3110、BL21(DE3)およびBL21(DE3)pLysS、BLUESCRIPT(Stratagene)、哺乳動物細胞株CHO、CHO−K1、HEK293、293−EBNA pINベクター(Van Heeke & Schuster, J. Biol. Chem. 264: 5503−5509 (1989));pETベクター(Novagen, Madison Wis.)を含む、クローニングおよび発現のために典型的に使用される宿主を含む。代替的に、組み換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼおよびin vitro翻訳系を使用して、in vitroで転写および翻訳され得る。好ましくは、ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列を含有するクローニング部位の上流側のプロモーターを含有する。オンおよびオフが切り替えられ得るプロモーターの例は、lacプロモーター、T7プロモーター、trcプロモーター、tacプロモーターおよびtrpプロモーターを含む。
したがって、本明細書において、開示される方法において使用され得る組み換えFGF21ポリペプチドの発現を促進する、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体をコードする核酸配列を含むベクターが提供される。様々な実施形態において、ベクターは、FGF21ポリペプチドまたは変異体の発現を調節する作用可能に結合したヌクレオチド配列を含む。ベクターは、任意の好適なプロモーター、エンハンサー、および他の発現促進要素を含んでもよく、またはそれらと関連してもよい。そのような要素の例は、強力な発現プロモーター(例えば、ヒトCMV IEプロモーター/エンハンサー、RSVプロモーター、SV40プロモーター、SL3−3プロモーター、MMTVプロモーター、もしくはHIV LTRプロモーター、EF1アルファプロモーター、CAGプロモーター)、効果的なポリ(A)停止配列、大腸菌におけるプラスミド生成物の複製の源、選択可能マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子、および/または好都合なクローニング部位(例えば、ポリリンカー)を含む。また、ベクターは、CMV IE等の構成的プロモーターとは対照的に、誘導可能なプロモーターを含んでもよい。一態様において、代謝関連組織、例えば肝臓または膵臓組織における配列の発現を促進する組織特異的プロモーターに作用可能に結合したFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体をコードする配列を含む核酸が提供される。
II.C.宿主細胞
本開示の別の態様において、本明細書に開示されるFGF21核酸およびベクターを含む宿主細胞が提供される。様々な実施形態において、ベクターまたは核酸は、宿主細胞ゲノムに統合され、他の実施形態において、ベクターまたは核酸は染色体外である。
そのような核酸、ベクター、またはそれらのいずれかもしくは両方の組み合わせを含む、酵母、細菌(例えば、大腸菌)、哺乳動物細胞(例えば、不死化哺乳動物細胞)等の組み換え細胞が提供される。様々な実施形態において、開示される方法における使用のためのFGF21ポリペプチドまたは変異体の発現のための配列コードを含む、非統合化核酸、例えばプラスミド、コスミド、ファージミド、または線形発現要素を含む細胞が提供される。
本明細書に記載のFGF21ポリペプチドまたは変異体をコードする核酸配列を含むベクターは、形質転換により、またはトランスフェクションにより宿主細胞に導入され得る。細胞を発現ベクターで形質転換する方法は周知である。
FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体コード核酸は、ウイルスベクターにより宿主細胞または宿主動物に位置付けられ、および/またはそれに送達され得る。この機能において、任意の好適なウイルスベクターが使用され得る。ウイルスベクターは、単独で、または所望の宿主細胞における本発明の核酸の送達、複製および/もしくは発現を促進する1つ以上のウイルスタンパク質と組み合わせて、任意の数のウイルスポリヌクレオチドを含んでもよい。ウイルスベクターは、ウイルス核酸およびFGF21ポリペプチドまたは変異体コード核酸を含む、ウイルスゲノム、ウイルスタンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子(VLP)、または無傷ウイルス粒子の全てまたは一部を含むポリヌクレオチドであってもよい。ウイルス粒子ウイルスベクターは、野生型ウイルス粒子または修飾ウイルス粒子を含んでもよい。ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター単位複製配列等、複製および/または発現のために別のベクターまたは野生型ウイルスの存在を必要とするベクターであってもよい(例えば、ウイルスベクターは、ヘルパー依存性ウイルスであってもよい)。典型的には、そのようなウイルスベクターは、野生型ウイルス粒子、または、導入遺伝子機能を増加させ、核酸のトランスフェクションおよび/もしくは発現を補助するようにそのタンパク質および/もしくは核酸含有量が変更されたウイルス粒子からなる(そのようなベクターの例は、ヘルペスウイルス/AAV単位複製配列を含む)。典型的には、ウイルスベクターは、通常人間に感染するウイルスと同様であり、および/またはそれから得られる。この点において好適なウイルスベクター粒子は、例えば、アデノウイルスベクター粒子(アデノウイルス科の任意のウイルス、またはそのウイルスから得られる任意のウイルスを含む)、アデノ関連ウイルスベクター粒子(AAVベクター粒子)または他のパルボウイルスおよびパルボウイルスベクター粒子、パピローマウイルスベクター粒子、フラビウイルスベクター、アルファウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、レンチウイルスベクターを含むレトロウイルスベクターを含む。
II.D.FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の単離
本明細書に記載のように発現されるFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、標準的なタンパク質精製方法を使用して単離され得る。FGF21ポリペプチドまたは変異体は、それが自然に発現する細胞から単離されてもよく、または、FGF21ポリペプチドもしくはFGF21変異体を発現するように操作されている細胞、例えば、自然ではいかなる形態のFGF21ポリペプチドも発現しない細胞から単離されてもよい。
FGF21ポリペプチドまたは変異体を単離するために使用され得るタンパク質精製方法、ならびに関連する材料および試薬は、当該技術分野において知られている。FGF21ポリペプチドを精製する例示的方法は、本明細書に示される実施例ならびにWO2009/149171およびWO2010/129503に記載される。
III.特異的FGF21変異体
本明細書に記載のように、「FGF21ポリペプチド」という用語は、ヒトFGF21の様々な突然変異形態を包含する。開示される突然変異は、FGF21ポリペプチドに様々な特性を付与することができる。例えば、開示される突然変異のいくつかは、FGF21ポリペプチドの半減期を向上させ、それによりその治療的特性を向上させることができる。そのような向上は、開示される方法を行う際に望ましくなり得る。
一実施形態において、A180E突然変異が成熟ヒトFGF21(配列番号4または8)のC末端分解を最小限化することが特定されている。したがって、A180E突然変異は、本明細書において開示されるように、単一の突然変異または他の突然変異との組み合わせとして、変異体FGF21配列の要素を形成し得る。
別の実施形態において、L98R突然変異が凝集を最小限化し、成熟ヒトFGF21(配列番号4または8)の溶解度を向上させることが特定されている。したがって、L98R突然変異は、本明細書において開示されるように、単一の突然変異または他の突然変異との組み合わせとして、変異体FGF21配列の要素を形成し得る。
別の実施形態において、P171G突然変異が成熟ヒトFGF21(配列番号4または8)のタンパク質分解的切断を最小限化することが特定されている。したがって、P171G突然変異は、本明細書において開示されるように、単一の突然変異または他の突然変異との組み合わせとして、変異体FGF21配列の要素を形成し得る。
本明細書に開示される突然変異は、配列番号4または8を含むFGF21ポリペプチドに様々な特性を付与することができ、例として、例えばFGF21が製剤中に入れられると、開示される突然変異のいくつかは、ジスルフィド結合の形成のための部位を提供することによりFGF21の安定性を向上させ、したがって向上したタンパク質分解安定性を提供することができる。さらに他の開示される突然変異は、FGF21が酵母中で発現されると、増加または減少したレベルのO−グリコシル化を提供することができる。さらに他の突然変異は、FGF21のC末端を含む、プロテアーゼまたは他の化学攻撃がFGF21に作用してそれを分解し得る点を破壊することができる。他の突然変異は、減少したアミド分解を付与し得る。さらに他の突然変異は、FGF21の凝集レベルを低減し、結果としてその溶解度を向上させることができる。突然変異はまた、本明細書に記載のように、半減期延長部分、例えばヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール(PEG)またはIgG定常領域の結合点として機能するために導入され得る。様々な様式で、これらの突然変異は、FGF21のin vivoまたはin vitro活性を、天然FGF21以上に改善することができる。本明細書に記載のように、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の向上した治療プロファイルを提供する特性を含む、所望の特性の累積的な向上を提供するために、1つ以上の所望の特性を付与する1つ以上の突然変異がFGF21配列に導入されてもよい。そのような向上は、所与のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を、開示される方法における使用により好ましいものとすることができる。
一例において、ジスルフィド結合形成の形成を促進するために、単一または対のシステイン残基が、成熟ヒトFGF21配列(配列番号4または8)内の様々な点に導入され得る。導入されたシステイン残基はまた、PEG化のための部位として機能し得る。C75とC93との間の自然発生的ジスルフィド結合は、無傷に維持されてもよく、または破壊されて、C75またはC93と導入されたシステイン残基との間に新たなジスルフィド結合が形成されてもよい。システインが野生型残基と置換され得る位置の例を、表2に要約する。
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
導入されたシステイン残基は、操作されたジスルフィド結合の形成を促進し得る。そのようなジスルフィド結合は、治療製剤中等の濃縮条件下での分子の安定性を含む、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の安定性を向上させることができる。操作ジスルフィド結合対の例は、表3に示されるものを含む(位置は、配列番号4または8の成熟ヒトFGF21ポリペプチドを指す)。
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
野生型FGF21においては見られないジスルフィド結合を操作することを目標とした、システイン残基に対する突然変異の残基の1つ以上の対の選択は、FGF21の三次元モデルの分析に基づくことができる。例えば、回転タンパク質操作手法を使用して、突然変異のためのFGF21における好適な残基を特定することができる。これは、Protein Databank(「PDB」;例えば、構造1PWA)から得られるFGF19の高分解能(1.3Å)X線結晶構造の検査により達成され得るが、これは、次いで、例えばMOE(Molecular Operating Environment;Chemical Computing Group;Montreal, Quebec, Canada)モデリングソフトウェアを使用して、FGF21の3D相同性モデルを形成するために使用され得る。PDBに蓄積されたタンパク質の中でも、FGF19は、アミノ酸配列相同性に関してFGF21に密接に関連したタンパク質であるため、FGF19は有用なテンプレートである。
別の態様において、高濃縮溶液、またはフェノール、m−クレゾール、メチルパラベン、レゾルシノールおよびベンジルアルコール等の一般的製剤成分の条件下でFGF21の安定性を向上させるために、成熟FGF21配列に追加的突然変異を導入することができる。向上した安定性の特性を提供し得る突然変異の例は、表4に示されるものを含む(位置は、配列番号4または8の成熟ヒトFGF21ポリペプチドを指す)。
Figure 2017226665
例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2009/149171およびWO2010/129503を参照されたい。
安定性向上突然変異に対する突然変異の残基の1つ以上の対の選択は、FGF21の三次元モデルの分析に基づくことができる。例えば、回転タンパク質操作手法を使用して、突然変異のためのFGF21における好適な残基を特定することができる。これは、Protein Databank(PDB)から得られるFGF19(1PWA)の高分解能(1.3Å)X線結晶構造の検査により達成され得るが、これは、次いで、例えばMOE(Molecular Operating Environment;Chemical Computing Group;Montreal, Quebec,Canada)モデリングソフトウェアを使用して、FGF21の3D相同性モデルを形成するために使用され得る。PDBに蓄積されたタンパク質の中でも、FGF19は、アミノ酸配列相同性に関してFGF21に関連したタンパク質であるため、FGF19は有用なテンプレートである。
別の態様において、いくつかの条件下でのFGF21ポリペプチドのタンパク質分解的切断の程度を低減するために、FGF21配列に追加的突然変異を導入することができる。タンパク質分解的切断に対する耐性の特性を提供し得る突然変異の例は、表5に示されるものを含む(位置は、配列番号4または8の成熟ヒトFGF21ポリペプチドを指す)。
Figure 2017226665
例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2009/149171およびWO2010/129503を参照されたい。
さらなる態様において、高濃度等のいくつかの条件下でFGF21ポリペプチドの凝集を阻害するために、成熟FGF21配列に追加的突然変異を導入することができる。FGF21の凝集を阻害する特性を提供し得る突然変異の例は、表6に示されるものを含む(位置は、配列番号4または8の成熟ヒトFGF21ポリペプチドを指す)。
Figure 2017226665
例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2009/149171およびWO2010/129503を参照されたい。
別の実施形態において、本発明は、アミノ酸配列を野生型タンパク質のアミノ酸配列以上に延長する、ポリペプチドのC末端への別の1つ以上の残基の付加によりキャッピングされた1つ以上の非自然発生的ポリマー結合部位を含む、FGF21変異体ポリペプチドに関する。さらに別の実施形態において、本開示は、1つ以上のC末端突然変異をさらに含む1つ以上の非自然発生的ポリマー結合部位を含む、FGF21変異体ポリペプチドに関する。そのようなキャッピングされたC末端突然変異FGF21突然変異ポリペプチドは、化学的に修飾されていてもよいが、必須ではない。
本明細書において使用される場合、「キャッピングされたFGF21変異体ポリペプチド」は、FGF21ポリペプチドもしくはFGF21変異体、または、化学的に修飾されたFGF21ポリペプチドもしくはFGF21変異体ポリペプチドを指し、1つ以上のアミノ酸残基が、FGF21変異体ポリペプチドまたは化学的に修飾されたFGF21変異体ポリペプチドのC末端に付加されている。1つ以上のプロリン残基および1つ以上のグリシン残基を含む、任意の自然発生的または非自然発生的アミノ酸を使用して、FGF21突然変異ポリペプチドをキャッピングすることができる。野生型成熟FGF21配列は、181残基の長さ(配列番号4または8)であるが、キャッピングされたFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、ポリペプチドの長さを、それぞれの付加されたキャッピング残基につき1つの残基分延長し、本開示の付番スキームに従い、キャップ残基は182から開始して番号付けられる。したがって、単一のプロリンキャッピング残基は、P182として示される。より長いキャップが可能であり、それに応じて番号付けられる(例えば、X182、Y183、Z184(X、YおよびZは、任意の自然発生的または非自然発生的アミノ酸である))。キャッピング残基は、任意の好都合な方法を使用して、例えば化学的に、突然変異FGF21ポリペプチドに付加され得るが、アミノ酸は、化学反応によりポリペプチドのC末端に共有結合する。代替的に、標準的な分子生物学的技術を使用して、キャッピング残基をコードするコドンがFGF21突然変異ポリペプチドコード配列に付加されてもよい。本明細書に記載の突然変異FGF21ポリペプチドのいずれも、所望により1つ以上の残基でキャッピングされ得る。
C末端突然変異は、本発明の別の態様を形成する。本明細書において使用される場合、「C末端突然変異」という用語は、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の残基91〜181(またはポリペプチドがキャッピングされている場合はより長い)の領域における1つ以上の変化を指す。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体配列に導入されたC末端突然変異は、非自然発生的ポリマー結合部位を導入する1つ以上の突然変異に追加的である。C末端突然変異は、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体配列の91〜181の領域における任意の点で導入され得るが、C末端突然変異の例示的位置は、位置171、172、173、174、175、176、177、178、179、180および181を含む。C末端突然変異は、本明細書に記載のもの等の標準的な分子生物学的技術を使用して導入され得る。本明細書に記載のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体のいずれも、C末端突然変異を含み得る。
キャッピングされた、および/またはC末端突然変異の位置および識別の例を、表7に示す。
Figure 2017226665
キャッピングされた、および/またはC末端FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の活性、ならびにこれらの突然変異の化学的に修飾された形態は、様々な様式で、例えばin vitro ELK−ルシフェラーゼアッセイを使用して分析され得る。
本発明のキャッピングされた、および/またはC末端突然変異FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体、ならびに化学的に修飾された後のキャッピングされた、および/またはC末端突然変異FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の活性は、ob/obマウス等のin vivoアッセイにおいて評価され得る。一般に、これらのポリペプチドの1つ以上のin vivo活性を評価するために、ポリペプチドは、試験動物に腹腔内投与され得る。1つ以上の所望の期間後に、血液試料を採取して、血糖値を測定することができる。
本発明の全てのFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体と同様に、キャップされた、および/またはC末端突然変異FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体、ならびに化学的に修飾された後のキャッピングされた、および/またはC末端突然変異FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、定方向突然変異により、または細菌発現プロセスの結果導入され得るアミノ末端メチオニン残基を随意に含んでもよい。
本発明のキャッピングされた、および/またはC末端突然変異FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、標準的な実験技術を使用して調製され得る。標準的な分子生物学的技術に精通した当業者は、その知識を本開示と組み合わせて使用して、本発明のキャッピングされた、および/またはC末端突然変異FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体を作製および使用することができる。標準的な技術を、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養、および形質転換に使用することができる(例えば、電気穿孔、リポフェクション)。例えば、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manualを参照されたい。当該技術分野において一般的に達成されるように、または本明細書に記載のように、製造者の仕様に従って酵素的反応および精製技術を行うことができる。特定の定義が示されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学に関連して使用される命名法、ならびにその実験手順および技術は、周知のものであり、当該技術分野において一般的に使用されるものである。標準的技術は、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤化および送達、ならびに患者の治療に使用され得る。
キャッピングされた、および/またはC末端突然変異FGF21突然変異ポリペプチドの調製後、ポリペプチドは、本明細書に記載のように、ポリマーの結合により化学的に修飾され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、WO2010/042747を参照されたい。
本発明のさらなる態様において、FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体が調製され得るが、野生型FGF21ポリペプチド配列(配列番号4または8)における両方のシステイン残基が、ジスルフィド結合を形成せず、またポリマー結合部位として機能しない残基、例えばアラニンまたはセリンと置き換えられる。その後、チオール含有残基(例えば、システイン残基またはチオール基を有する非自然発生的アミノ酸)、または遊離アミノ基(例えば、リシンもしくはアルギニン残基、または遊離アミノ基を有する非自然発生的アミノ酸)の形態で、非自然発生的ポリマー結合部位を導入する置換が、FGF21突然変異ポリペプチド内に形成され得る。次いで、結合のためにチオールまたは遊離アミノ基に依存するポリマー、例えばPEGが、既知の位置でFGF21突然変異ポリペプチド配列に導入されているシステイン、リシンまたはアルギニン残基に標的化され得る。この戦略は、より効率的および制御されたポリマー配置を促進し得る。
1つの手法において、75位および93位に位置する野生型FGF21ポリペプチドにおける2つの自然発生的システイン残基は、非チオール含有残基と置換され得る。その後、システイン残基が既知の場所に導入され得る。FGF21突然変異ポリペプチドはまた、さらに多くのポリマー結合部位(例えば、システイン残基)を導入し得る他の突然変異を含むことができ、またはいくつかの他の所望の特性を達成するように設計され得る。そのようなFGF21突然変異ポリペプチドの例は、C75A/E91C/C93A/H125C/P171GおよびC75S/E91C/C93S/H125C/P171Gを含む。これらの例において、75位および93位における自然発生的システインはアラニンまたはセリン残基に突然変異しており、ポリマー結合部位は、91位および125位(この場合、PEG等のチオール反応性ポリマー)に導入されており、追加的突然変異は、171位において形成されており、すなわち、プロリン171がグリシン残基と置換されている(列挙される位置は、配列番号4または8に対する)。
本明細書に開示されるFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の全てと同様に、野生型成熟FGF21ポリペプチド配列において見られるシステインを含有しないが、代わりに、導入されたポリマー結合部位、ならびに随意に1つ以上の追加的突然変異およびこれらの突然変異の化学的に修飾された形態を含むポリペプチドの活性は、様々な様式で、例えばin vitro ELK−ルシフェラーゼアッセイを使用して分析され得る(例えば、開示されるFGF21ポリペプチドおよび本明細書に開示されるFGF21変異体のいずれかの活性の分析に好適なin vitroアッセイを開示している、WO2010/042747を参照されたい)。これらのポリペプチドのin vivo活性は、例えばob/obマウスを使用してin vivoアッセイにおいて評価することができる(同様に、例えば、開示されるFGF21ポリペプチドおよび本明細書に開示されるFGF21変異体のいずれかの活性の分析に好適なin vivoアッセイを開示している、WO2010/042747を参照されたい)。
本発明のFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の全てと同様に、野生型成熟FGF21ポリペプチド配列において見られるシステインを含有しないが、代わりに、導入されたポリマー結合部位、ならびに随意に1つ以上の追加的突然変異およびこれらのFGF21変異体ポリペプチドの化学的に修飾された形態を含むFGF21変異体ポリペプチドの活性は、定方向突然変異により、または細菌発現プロセスの結果導入され得るアミノ末端メチオニン残基を随意に含んでもよい。
野生型FGF21ポリペプチド配列において見られるシステインを含有しないが、代わりに、導入されたポリマー結合部位、および随意に1つ以上の追加的突然変異を含むFGF21変異体は、標準的方法を使用して調製され得る。標準的な分子生物学的技術に精通した当業者は、その知識を本開示と組み合わせて使用して、これらのFGF21変異体ポリペプチドを作製および使用することができる。標準的な技術を、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養、および形質転換に使用することができる(例えば、電気穿孔、リポフェクション)。例えば、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manualを参照されたい。当該技術分野において一般的に達成されるように、または本明細書に記載のように、製造者の仕様に従って酵素的反応および精製技術を行うことができる。特定の定義が示されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学に関連して使用される命名法、ならびにその実験手順および技術は、周知のものであり、一般的に使用されるものである。標準的技術は、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤化および送達、ならびに患者の治療に使用され得る。
野生型FGF21ポリペプチド配列において見られるシステインを含有しないが、代わりに、導入されたポリマー結合部位、および随意に1つ以上の追加的突然変異を含むFGF21変異体の調製後、ポリペプチドは、結合されているポリマーの性質に依存する当業者に知られた標準的方法を使用したポリマーの結合により化学的に修飾され得る。例えば、米国特許第4,640,835号、米国特許第4,496,689号、米国特許第4,301,144号、米国特許第4,670,417号、米国特許第4,791,192号および米国特許第4,179,337号を参照されたい。
さらなる態様において、追加的突然変異は、GalNAcが付加されてO−グリコシル化のための点として機能するGalNAcトランスフェラーゼ媒介グリコシル化のための部位を提供し得る、成熟FGF21配列に導入され得る。以下の突然変異のリストは、点突然変異、ならびに連続的および非連続的突然変異のシーケンスの両方を含み、GalNAcは、SまたはT残基に付加される。FGF21のGalNAcトランスフェラーゼ媒介グリコシル化のための部位を提供し得る突然変異の例は、表8に示されるものを含むが、表8中、複数のアミノ酸の配列が示されている場合、点突然変異は、太字で強調され、下線が引かれている(位置は、配列番号4または8の成熟FGF21ポリペプチドを指す)。
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
表8とは対照的に、追加的突然変異は、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体が酵母中で発現した場合、野生型FGF21配列に対してO−グリコシル化のための低減された能力を提供し得る成熟FGF21に導入され得る。表9中の突然変異のリストは、点突然変異、ならびに連続的および非連続的突然変異のシーケンスの両方を含む(位置は、配列番号4または8の成熟FGF21ポリペプチドを指す)。FGF21配列が酵母中で発現した場合に、野生型FGF21配列に対して低減されたO−グリコシル化を提供し得る突然変異の例は、S167A、S167E、S167D、S167N、S167Q、S167G、S167V、S167H、S167KおよびS167Yを含む。
Figure 2017226665
本開示の別の態様において、本明細書に開示されるいくつかのFGF21変異体の所望の特性は、向上した薬学的特性を示すFGF21変異体を生成するように、相加的または相乗的に組み合わされてもよい。したがって、別の実施形態において、表1〜13に提供される点突然変異は、変異体FGF21配列の所望のプロファイルを提供するように組み合わされてもよい。
本発明の全てのFGF21突然変異と同様に、2つ以上の本発明の突然変異を含むFGF21変異体は、本明細書に記載のように調製され得る。標準的な分子生物学的技術に精通した当業者は、その知識を本開示と組み合わせて使用して、本発明の2つ以上の突然変異を含むFGF21変異体を作製および使用することができる。標準的な技術を、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養、および形質転換に使用することができる(例えば、電気穿孔、リポフェクション)。例えば、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual(上記参照)を参照されたい。当該技術分野において一般的に達成されるように、または本明細書に記載のように、製造者の仕様に従って酵素的反応および精製技術を行うことができる。特定の定義が示されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学に関連して使用される命名法、ならびにその実験手順および技術は、周知のものであり、一般的に使用されるものである。標準的技術は、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤化および送達、ならびに患者の治療に使用され得る。
本発明の2つ以上の突然変異を含むFGF21変異体は、2つ以上の突然変異を含むFGF21変異体に追加的な特性を付与することができる別の実体に融合されてもよい。本発明の一実施形態において、2つ以上の突然変異を含むFGF21変異体は、IgG Fc配列に融合されてもよい。そのような融合は、既知の分子生物学的方法および/または本明細書に記載の指針を用いて達成され得る。そのような融合ポリペプチド、およびそのような融合ポリペプチドを作製するための方法の利益は、本明細書においてより詳細に議論される。
点突然変異として、または2つ以上の点突然変異の組み合わせとしてFGF21配列に導入され得る突然変異の例は、表1〜13に記載されるが、その具体例が以下の表10に記載される(位置は、配列番号4または8の成熟FGF21ポリペプチドを指す)。
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
Figure 2017226665
具体的実施形態において、変異体FGF21ポリペプチドは、本明細書において配列番号10として示される、配列番号4または8を含む成熟FGF21に導入されたL98R突然変異およびP171G突然変異を含む。そのような変異体の1つの具体例は、配列番号39のFc融合を含み、配列番号10のFGF21配列は、配列番号33のリンカーを介して配列番号47のFc配列に結合している。
別の具体的実施形態において、変異体FGF21ポリペプチドは、本明細書において配列番号12として示される、配列番号4または8を含む成熟FGF21に導入されたL98R突然変異、P171G突然変異およびA180E突然変異を含む。そのような変異体の1つの具体例は、配列番号41のFc融合を含み、配列番号12のFGF21配列は、配列番号33のリンカーを介して配列番号47のFc配列に結合している。
開示される方法において使用され得るさらなる具体的FGF21変異体ポリペプチドは、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2010/042747、WO2009/149171、WO2010129503に記載されている。
IV.「連結分子」
本発明のさらに別の態様において、「連結分子」が、開示される方法において使用され得る。そのような「連結分子」は、本明細書に記載のように調製され得る。「連結分子」は、リンカー分子により互いに連結された2つの野生型FGF21ポリペプチド(例えば、配列番号4もしくは8またはそれらの組み合わせ)を含む分子である。2つのFGF21ポリペプチドまたは2つのFGF21変異体または野生型FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体を互いに結合させることにより、連結分子の効果的な半減期および有効性が、単一のFGF21ポリペプチドまたは変異体の半減期および有効性以上に拡張され得る。
本発明の連結分子は、リンカーおよび2つの野生型FGF21ポリペプチドもしくはFGF21変異体またはそれらの組み合わせを含み、突然変異が導入されていない2つの自然発生的FGF21ポリペプチド、FGF21ポリペプチドに導入されたリンカー結合部位を有する2つのFGF21突然変異ポリペプチド、または1つの自然発生的FGF21ポリペプチドおよび1つのFGF21変異体の組み合わせを含み得る。非自然発生的リンカー結合部位を有する少なくとも1つのFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体、および1つ以上の追加的突然変異を含む連結分子もまた企図され、本発明の別の態様を形成する。したがって、そのような連結分子は、リンカー分子の結合のための部位を形成する突然変異、および連結分子に別の所望の特性を付与するための別の突然変異を含み得る。
本明細書において使用される場合、「リンカー結合部位」という用語は、リンカーが関連し得る官能基を有する自然発生的または非自然発生的アミノ酸を意味する。一例において、リンカー結合部位は、PEG分子と関連し得るチオール基を含有する残基である。
IV.A.連結分子内のFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体
連結分子が2つのFGF21変異体を含む場合、FGF21変異体は、配列内に導入された1つ以上の突然変異を含み得るが、突然変異は、FGF21変異体ポリペプチドのそれぞれにおいて同じアミノ酸位置にある必要はない。例として、連結分子が2つのFGF21変異体ポリペプチドを含む場合、1つのFGF21突然変異ポリペプチドは、リンカー分子の結合点を形成し得るH125C突然変異を含有してもよい。一方で、他のFGF21突然変異ポリペプチドは、2つのFGF21変異体ポリペプチドを互いに連結するリンカーの結合点として機能し得るH125以外の位置で突然変異を含有し得る。1つまたは2つのFGF21変異体ポリペプチドが使用されたとしても、リンカーは、FGF21変異体ポリペプチドのN末端に結合することができ、導入された結合点は、必ずしも使用される必要はない。
連結分子が1つまたは2つの自然発生的野生型FGF21ポリペプチド(例えば、配列番号4もしくは8またはそれらの組み合わせ)を含む場合、リンカーは、結合化学に適したFGF21ポリペプチド内の点で結合され得る。例えば、自然発生的ジスルフィド結合が低減され得、システイン残基がPEG等のリンカーの結合点として機能し得る。別の実施形態において、リンカーは、N末端またはリシン側鎖上でFGF21ポリペプチドに結合し得る。
連結分子のFGF21変異体ポリペプチドの1つまたは両方は、切断されたFGF21変異体ポリペプチドを含み得る。本明細書に記載のように、切断されたFGF21変異体ポリペプチドは、N末端、C末端またはNおよびC末端の両方における任意の数の残基を除去することにより調製され得る。
連結分子はまた、リンカー結合部位としては好ましくない可能性があるが、代わりに連結分子にいくつかの他の所望の特性を付与し得るポリペプチド配列内の突然変異(例えば、表1〜13中に記載の突然変異)を含む、1つまたは両方のFGF21ポリペプチドを含んでもよい。したがって、突然変異が連結分子に所望の特性を付与する1つ以上のFGF21変異体ポリペプチドを含む連結分子は、本発明のさらなる態様を形成する。
連結分子の活性は、様々な様式で、例えば本明細書に記載のようなin vitro ELK−ルシフェラーゼアッセイを使用して分析され得る。
開示される連結分子を含む開示されるFGF21ポリペプチドおよび本明細書において開示されるFGF21変異体の全ての活性は、例えばob/obマウスにより、in vivoアッセイにおいて評価することができる。一般に、これらのポリペプチドの1つ以上のin vivo活性を評価するために、ポリペプチドは、試験動物に腹腔内投与され得る。1つ以上の所望の期間後に、血液試料を採取して、インスリン、コレステロール、脂質または血糖の値等のバイオマーカーを測定することができる。
本発明の全てのFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の場合と同様に、FGF21変異体ポリペプチド、野生型FGF21ポリペプチドまたはその両方の組み合わせであってもよい連結分子を含むFGF21ポリペプチドは、随意に、定方向突然変異により、または細菌発現プロセスの結果導入され得るアミノ末端メチオニン残基を含んでもよい。
標準的な分子生物学的技術に精通した当業者は、その知識を本開示と組み合わせて使用して、本明細書に記載の連結分子(ならびにFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体)を作製および使用することができる。標準的な技術を、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養、および形質転換に使用することができる(例えば、電気穿孔、リポフェクション)。例えば、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manualを参照されたい。当該技術分野において一般的に達成されるように、または本明細書に記載のように、製造者の仕様に従って酵素的反応および精製技術を行うことができる。リンカーをFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体に関連付けるためのプロセスは、リンカーの性質に依存するが、当業者に知られている。リンカー結合化学の例は、本明細書に記載される。
特定の定義が示されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学に関連して使用される命名法、ならびにその実験手順および技術は、周知のものであり、当該技術分野において一般的に使用されるものである。標準的技術は、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤化および送達、ならびに患者の治療に使用され得る。
IV.B.連結分子を形成するのに有用なリンカー
2つのFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体ポリペプチドを互いに連結させるための連結分子において、任意のリンカーを使用することができる。リンカー分子は、分岐または非分岐であってもよく、本明細書に記載のもの等の様々な既知の化学を使用してFGF21変異体ポリペプチドに結合され得る。リンカーは主にスペーサとして機能するため、リンカーの化学構造は重要ではない。リンカーは、独立して、連結分子(例えば、3つ以上のFGF21変異体またはFGF21ポリペプチドを含む連結分子)内に存在し得る任意の他のリンカー(複数を含む)と同じ、または異なってもよい。一実施形態において、リンカーは、ペプチド結合により互いに結合したアミノ酸で構成され得る。これらのアミノ酸のいくつかは、当業者により十分に理解されるように、グリコシル化されてもよい。例えば、シアリル化部位を構成する有用なリンカー配列は、XNXG(配列番号46、式中X、X、XおよびXは、それぞれ独立して任意のアミノ酸残基である)である。別の実施形態において、リンカー分子は、20kDa、30kDaまたは40kDa等の任意のサイズのPEG分子であってもよい。
ペプチジルリンカーが存在する(すなわち、ペプチド結合により互いに結合したアミノ酸で構成される)実施形態において、リンカーは、好ましくは1個から約40個までのアミノ酸残基、より好ましくは1個から約20個までのアミノ酸残基、最も好ましくは1個から約10個までのアミノ酸残基の長さで作製される。一実施形態において、リンカー内のアミノ酸残基は、任意の20の標準アミノ酸から選択される。別の実施形態において、リンカー内のアミノ酸残基は、システイン、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、および/またはセリンから選択される。さらに別の実施形態において、ペプチジルリンカーは、ペプチド結合により結合したグリシン、セリン、およびアラニン等の立体障害のないアミノ酸の大部分で構成される。存在する場合は、in vivoでの循環における急速なタンパク質分解代謝回転を回避するペプチジルリンカーが選択されることが望ましいことが多い。したがって、好ましいペプチジルリンカーは、ポリグリシン、特に(Gly)(配列番号13);(Gly)(配列番号14);ポリ(Gly−Ala);およびポリアラニンを含む。他の好ましいペプチジルリンカーは、GGGGS(配列番号15);GGGGSGGGGS(配列番号:16);GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号17)および本明細書に記載の実施例において使用される任意のリンカーを含む。しかしながら、本明細書に記載のリンカーは例示的であり、本発明の範囲内のリンカーは、それよりはるかに長くてもよく、また他の残基を含んでもよい。
ペプチドリンカー部分を含む連結分子の実施形態において、酸性残基、例えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸残基が、リンカー部分のアミノ酸配列内に配置される。その例は、以下のペプチドリンカー配列を含む。
GGEGGG (配列番号18);
GGEEEGGG (配列番号19);
GEEEG (配列番号20);
GEEE (配列番号21);
GGDGGG (配列番号22);
GGDDDGG (配列番号23);
GDDDG (配列番号24);
GDDD (配列番号25);
GGGGSDDSDEGSDGEDGGGGS (配列番号26);
WEWEW (配列番号27);
FEFEF (配列番号28);
EEEWWW (配列番号29);
EEEFFF (配列番号30);
WWEEEWW (配列番号31); または
FFEEEFF (配列番号32)。
他の実施形態において、ペプチジルリンカーは、リン酸化部位、例えばXYXG(配列番号43)(式中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、任意のアミノ酸残基である);XSXG(配列番号44)(式中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、任意のアミノ酸残基である);またはXTXG(配列番号45)(式中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、任意のアミノ酸残基である)を構成する。
また、非ペプチドリンカーが連結分子内に使用されてもよい。例えば、−NH−(CH−C(O)−(式中、s=2から20である)等のアルキルリンカーが使用され得る。これらのアルキルリンカーは、任意の非立体障害基、例えば低級アルキル(例えば、C−C)低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニル等によりさらに置換されていてもよい。
連結分子を形成するために、任意の好適なリンカーが本発明において使用され得る。一例において、本明細書に記載の連結分子を生成するために使用されるリンカーは、一般式:
X−(CHCHO)CHCH−X
(式中、Xは、マレイミド基である)を有するホモ二官能性ビス−マレイミドPEG分子であった。他の実施形態において、Xは、オルトピリジル−ジスルフィド、ヨードアセトアミド、ビニルスルホン、または、当該技術分野においてチオール基に特異的であることが知られている任意の他の反応性部分であってもよい。さらに別の実施形態において、Xは、N末端または操作されたリシル基を介して2つの突然変異ポリペプチドを連結するために使用される、アミノ特異的反応性部分であってもよい。(例えば、Pasut and Veronese, 2006, “PEGylation of Proteins as Tailored Chemistry for Optimized Bioconjugates,” Adv. Polym. Sci. 192:95−134を参照されたい。)
さらに別の実施形態において、リンカーは、一般式:
X−(CHCHO)CHCH−Y
(式中、XおよびYは、上述の基から選択される異なる反応性部分である)を有し得る。そのようなリンカーは、異なる突然変異ポリペプチドの複合化を可能にし、連結されたヘテロ二量体またはヘテロオリゴマーを生成する。
さらなる実施形態において、リンカーは、1から100kDa、好ましくは10から50kDa(例えば、10、20、30または40kDa)、より好ましくは20kDaの分子量を有し得るPEG分子であってもよい。ペプチドリンカーは、上述と同じ様式で誘導体を形成するように改質され得る。
有用なリンカーの他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2006/042151号に記載のような、アミノエチルオキシエチルオキシ−アセチルリンカーを含む。
本発明の連結分子を形成する際、リンカーをFGF21ポリペプチドまたは変異体FGF21ポリペプチに関連付けるために、標準的な化学を使用することができる。関連付けの正確な方法は、結合部位(例えば、アミノ酸側鎖)およびリンカーの性質に依存する。リンカーがPEG分子である場合、結合は、標準的な化学および遊離スルフヒドリルまたはアミン基、例えばシステイン残基(突然変異によりFGF21ポリペプチドもしくはFGF21変異体ポリペプチド配列に導入されてもよく、または自然発生的であってもよい)上に、またはリシン(突然変異によりFGF21配列に導入されてもよく、または自然発生的であってもよい)上に見られるもの、あるいはN末端アミノ基により達成され得る。
V.化学的に修飾されたFGF21突然変異
本明細書に記載のFGF21分子の切断された形態を含む、本明細書に記載のFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の化学的に修飾された形態は、本明細書に記載の開示を考慮して当業者により調製され得る。そのような化学的に修飾されたFGF21ポリペプチドおよび変異体は、化学的に修飾されたFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体が、FGF21変異体に自然に結合した分子の種類または位置において、非修飾FGF21ポリペプチドとは異なるように改質される。化学的に修飾されたFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、1つ以上の自然に結合した化学基の欠失により形成される分子を含み得る。
化学修飾に好適となり得る追加的なFGF21変異体は、化学修飾のための結合/反応点として機能し得る個々の点突然変異を示す表11の変異体を含む。示される残基数は、成熟FGF21ポリペプチド(例えば、配列番号4または8)に対するものである。
Figure 2017226665
表11は、様々な単一の点突然変異を示しているが、複数の点突然変異がFGF21配列に導入されて、表11に記載のものを含む化学修飾のための複数の部位を生成してもよい。したがって、化学修飾に好適となり得る追加的なFGF21変異体は、化学修飾のための結合/反応点として機能し得る点突然変異の組み合わせを示す表12の変異体を含む。示される残基数は、成熟FGF21ポリペプチド(例えば、配列番号4または8)に対するものである。
Figure 2017226665
表11は、様々な単一の点突然変異を示し、複数の点突然変異がFGF21配列に導入されて、化学修飾のための複数の部位を生成してもよく、表12は、化学修飾のための結合/反応点として機能し得る2つの点突然変異の組み合わせを示す。以下に示される表13は、化学修飾のための結合/反応点として機能し得る3つの点突然変異の組み合わせを示す。示される残基数は、成熟FGF21ポリペプチド(例えば、配列番号4または8)に対するものである。
Figure 2017226665
Figure 2017226665
一実施形態において、本発明のFGF21ポリペプチド変異体は、1つ以上のポリマーの共有結合により修飾され得る。例えば、選択されるポリマーは、それが結合するタンパク質が生理学的環境等の水性環境において沈殿しないように、典型的には水溶性である。好適なポリマーの範囲内には、ポリマーの混合物が含まれる。好ましくは、最終製品調製物の治療的使用のために、ポリマーは、薬学的に許容される。本明細書に記載のFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体に複合化した非水溶性ポリマーもまた、本開示の一態様を形成する。
例示的ポリマーは、それぞれ、任意の分子量のポリマーであってもよく、また分岐または非分岐であってもよい。ポリマーは、それぞれ、典型的には約2kDaから約100kDaの間の平均分子量を有する(「約」という用語は、水溶性ポリマーの調製において、述べられた分子量より重い分子もあれば、それより軽い分子もあることを示す)。各ポリマーの平均分子量は、好ましくは、約5kDaから約50kDaの間、より好ましくは約12kDaから約40kDa、最も好ましくは約20kDaから約35kDaの間である。
好適な水溶性ポリマーまたはその混合物は、N−結合またはO−結合炭水化物、糖、ホスフェート、ポリエチレングリコール(PEG)(モノ−(C−C10)、アルコキシ−、もしくはアリールオキシ−ポリエチレングリコールを含む、タンパク質を誘導体化するために使用されているPEGの形態を含む)、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、(例えば約6kDの低分子量デキストラン等)、セルロースまたは他の炭水化物系ポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、およびポリビニルアルコールを含むが、これらに限定されない。また、共有結合したFGF21ポリペプチド突然変異多量体を調製するために使用され得る二官能性架橋分子も、本発明に包含される。また、ポリシアル酸に共有結合したFGF21突然変異も、本発明に包含される。
本開示のいくつかの実施形態において、FGF21変異体は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールを含む1種以上の水溶性ポリマーを含むように、共有結合的または化学的に修飾される。例えば、米国特許第4,640,835号、米国特許第4,496,689号、米国特許第4,301,144号、米国特許第4,670,417号、米国特許第4,791,192号および米国特許第4,179,337号、ならびに本明細書に記載の実施例を参照されたい。本発明のいくつかの実施形態において、FGF21突然変異は、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース、別の炭水化物系ポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリドン)−ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、またはそのようなポリマーの混合物を含むがこれらに限定されない、1種以上のポリマーを含む。
本開示のいくつかの実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、PEGサブユニットにより共有結合的に修飾されている。いくつかの実施形態において、1種以上の水溶性ポリマーは、FGF21ポリペプチドまたは変異体の1つ以上の特定の位置に(例えばN末端に)結合する。いくつかの実施形態において、1種以上の水溶性ポリマーは、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の1つ以上の側鎖に無作為に結合する。いくつかの実施形態において、PEGは、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の治療能力を改善するために使用され、これは、開示される方法を実践する際に望ましくなり得る。例えば、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,133,426号において、ある特定の方法が議論されている。
ポリマーがPEGである本開示の実施形態において、PEG基は、任意の好都合な分子量のものであってもよく、直鎖または分岐鎖であってもよい。PEG基の平均分子量は、好ましくは、約2kDから約100kDa、より好ましくは約5kDaから約50kDaの範囲、例えば、10、20、30、40、または50kDaであってもよい。PEG基は、一般に、PEG部分上の反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、またはエステル基)を介した、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体上の反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、またはエステル基)へのアシル化または還元アルキル化により、FGF21突然変異に結合する。
本開示のFGF21ポリペプチドおよびFGF231変異体を含むポリペプチドのPEG化は、当該技術分野において知られたPEG化反応のいずれかを使用して特定的に行うことができる。そのような反応は、例えば、以下の参考文献に記載されている:Francis et al., 1992, Focus on Growth Factors 3: 4−10;欧州特許第0154316号および第0401384号、ならびに米国特許第4,179,337号。例えば、PEG化は、本明細書に記載のように、反応性ポリエチレングリコール分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)によるアシル化またはアルキル化反応により行うことができる。アシル化反応の場合、選択されるポリマーは、単一の反応性エステル基を有するべきである。還元アルキル化の場合、選択されるポリマーは、単一の反応性アルデヒド基を有するべきである。反応性アルデヒドは、例えば、水安定性であるポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、またはそのモノC−C10アルコキシもしくはアリールオキシ誘導体である(例えば、米国特許第5,252,714号を参照されたい)。
本開示のいくつかの実施形態において、ポリペプチドへのPEG基の結合のための有用な戦略は、溶液中の複合体結合の形成を介して、それぞれが他方に対して相互反応性である特別な官能性を保持する、ペプチドおよびPEG部分を組み合わせることを含む。ペプチドは、従来の固相合成により容易に調製され得る。ペプチドは、特定の部位において適切な官能基で「事前活性化」されている。前駆体は、PEG部分と反応する前に、精製され、完全に特性決定される。ペプチドのPEGとのライゲーションは、通常、水相において生じ、逆相分析HPLCにより容易に監視することができる。PEG化ペプチドは、分取HPLCにより容易に精製され、分析HPLC、アミノ酸分析およびレーザ脱離質量分析により特性決定され得る。
多糖類ポリマーは、タンパク質修飾に使用され得る別の種類の水溶性ポリマーである。したがって、多糖類ポリマーに融合した本明細書に開示されるFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、開示される方法において使用され得るFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の追加の実施形態を形成する。デキストランは、主にアルファ1−6結合により結合したグルコースの個々のサブユニットを含む多糖類ポリマーである。デキストラン自体は、多くの分子量範囲で入手可能であり、約1kDから約70kDの分子量で容易に入手可能である。デキストランは、単独の、または別のビヒクル(例えばFc)と組み合わせたビヒクルとしての使用に好適な水溶性ポリマーである。例えば、国際公開第WO96/11953号を参照されたい。治療的または診断的免疫グロブリンに複合化したデキストランの使用が報告されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許公開第0315456号を参照されたい。本発明はまた、約1kDから約20kDのデキストランの使用を包含する。
一般に、化学修飾は、タンパク質を活性化ポリマー分子と反応させるために使用される任意の好適な条件下で行うことができる。化学的に修飾されたポリペプチドを調製するための方法は、一般に、(a)FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体が1つ以上のポリマー分子に結合する件下で、ポリペプチドを活性化ポリマー分子(例えばポリマー分子の反応性エステルまたはアルデヒド誘導体)と反応させるステップと、(b)反応生成物を得るステップとを含む。最適な反応条件は、既知のパラメータおよび所望の結果に基づいて決定される。例えば、タンパク質に対するポリマー分子の比が大きい程、結合するポリマー分子のパーセンテージが大きい。本発明の一実施形態において、化学的に修飾されたFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、アミノ末端に単一のポリマー分子部分を有することができる(例えば、米国特許第5,234,784号を参照されたい)。
本発明の別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたは変異体は、ビオチンに化学的に結合させることができる。次いで、ビオチン/FGF21ポリペプチドまたは変異体をアビジンに結合させ、四価アビジン/ビオチン/FGF21ポリペプチド変異体を得る。FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体はまた、ジニトロフェノール(DNP)またはトリニトロフェノール(TNP)に共有結合させることができ、得られる複合体は抗DNPまたは抗TNP−IgMにより沈殿し、10の価数を有する十量体複合体を形成し得る。
一般に、開示される化学的に修飾されたFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の投与により軽減または調節され得る状態は、本明細書に記載のもの、例えば1型糖尿病を含み、したがって、開示される方法において使用することができる。しかしながら、本明細書に開示される化学的に修飾されたFGF21変異体はまた、非修飾FGF21変異体と比較して、追加的な活性、向上もしくは低減した生物活性、または増加もしくは低減した半減期等の他の特性を有し得る。
VI.FGF21様シグナル伝達を示す分子
開示される方法を実行する上で有用となり得るFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体の範囲は、表1〜13に示されるが、これらの分子は排他的なリストを形成しないことが留意されることが留意される。本明細書において示されるように、FGF21およびその変異体は、1型糖尿病等の様々な代謝状態を治療する際に使用され得ることが確定している。したがって、FGF21様シグナル伝達を含むいかなる分子も、開示される方法において使用され得る。「FGF21様シグナル伝達」および「FGF21様シグナル伝達を誘導する」という用語は、本開示の方法における使用に企図される分子に適用される場合、分子が、(i)β−Klotho;(ii)FGFR1c、FGFR2c、FGFR3cもしくはFGFR4;または(iii)β−KlothoならびにFGFR1c、FGFR2c、FGFR3c、およびFGFR4の1つを含む錯体の結合により誘導される、in vivoでの生物学的効果を模倣または調節し、(i)β−Klotho;(ii)FGFR1c、FGFR2c、FGFR3cもしくはFGFR4;または(iii)β−KlothoならびにFGFR1c、FGFR2c、FGFR3c、およびFGFR4の1つを含む錯体へのin vivoでのFGF21結合から別様に得られる生物学的反応を誘導することを意味する。開示される方法における使用のための分子を特定する上で、分子は、反応が、配列番号4または8の成熟形態(すなわち、ヒトFGF21配列の成熟形態)を含む野生型FGF21標準の活性の5%以上、好ましくは10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%以上である場合、生物学的反応を誘導するものとみなされ、以下の特性を有する:(1)WO2011/071783に記載のもの等の組み換えFGF21受容体媒介ルシフェラーゼ−レポーター細胞アッセイ;(2)WO2011/071783に記載のもの等の組み換えFGF21受容体媒介細胞アッセイにおけるERK−リン酸化、および(3)WO2011/071783に記載のようなヒト脂肪細胞におけるERK−リン酸化において、FGF21標準(例えば、配列番号4および8)の5%以上の有効性レベルおよび100nM以下、例えば90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nMまたは10nMのEC50を示す。候補分子の「有効性」は、以下のアッセイにおいて、100nM以下、例えば90nM、80nM、70nM、60nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、および好ましくは10nM未満の分子のEC50を示すこととして定義される:(1)WO2011/071783に記載の組み換えFGF21受容体媒介ルシフェラーゼ−レポーター細胞アッセイ;(2)WO2011/071783に記載の組み換えFGF21受容体媒介細胞アッセイにおけるERK−リン酸化;および(3)WO2011/071783に記載のようなヒト脂肪細胞におけるERK−リン酸化。
したがって、開示される方法は、FGF21模倣薬、あるいは、FGF21活性を模倣するが、それ自体はFGF21ポリペプチド配列(例えば、配列番号4もしくは8)もしくはFGF21変異体配列に対して比較的低い程度の配列相同性を含む、またはいくつかの場合においてはFGF21と全く相同性を有さない分子を使用して行うことができる。そのような分子は、WO2011/071783、WO2011/068893、WO2011/130417およびWO2010/148142に記載されている。
VII.FGF21ポリペプチドまたは変異体を含む薬学的組成物
開示される方法における使用のための、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物が提供される。そのようなFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体薬学的組成物は、投与形態との適合性のために選択される薬学的または生理学的に許容される製剤と混合された、治療上効果的な量のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含み得る。開示される方法における使用に好適な薬学的組成物は、本明細書に開示されるFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含み得る。
「薬学的に許容される担体」または「生理学的に許容される担体」という用語は、本明細書において使用される場合、人間または人間以外の対象へのFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の送達を達成または向上させるために、および本明細書に開示される方法における使用に好適な1種以上の製剤を指す。この用語は、生理学的に適合性である、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤等を含む。薬学的に許容される担体の例は、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等の1つ以上、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの場合において、薬学的組成物中に、等張剤、例えば糖、多価アルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の保存期間または有効性を向上させる、薬学的に許容される物質、例えば湿潤剤または微量の補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、保存剤もしくは緩衝剤もまた、担体として機能し得る、またはその一成分を形成し得る。許容される薬学的に許容される担体は、好ましくは、使用される用量および濃度において受容者に対し非毒性である。
本明細書において開示される方法における使用のための薬学的組成物は、例えば、組成物のpH、オスモル濃度、粘度、透明度、色、等張性、臭気、無菌性、安定性、溶解もしくは放出の速度、吸着、または浸透性を調節、維持、または保存するための製剤(複数を含む)を含有してもよい。好適な製剤は、アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、もしくはリシン)、抗菌剤、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムもしくは亜硫酸水素ナトリウム)、緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩、もしくは他の有機酸)、膨張性薬剤(例えば、マンニトールもしくはグリシン)、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、錯化剤(例えば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ−シクロデキストリン、もしくはヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン)、充填剤、単糖類、二糖類、および他の炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、もしくはデキストリン)、タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン)、着色剤、香味剤および希釈剤、乳化剤、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、低分子量ポリペプチド、塩形成対イオン(例えば、ナトリウム)、保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、もしくは過酸化水素)、溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコール)、糖アルコール(例えば、マンニトールもしくはソルビトール)、懸濁剤、界面活性剤または湿潤剤(例えば、プルロニック;PEG;ソルビタンエステル;ポリソルベート、例えばPolysorbate 20もしくはPolysorbate 80;Triton;トロメタミン;レシチン;コレステロールもしくはチロキサパル)、安定性向上剤(例えば、スクロースもしくはソルビトール)、等張性向上剤(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物−好ましくは塩化ナトリウムもしくはカリウム−またはマンニトールソルビトール)、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤ならびに/あるいは薬学的アジュバント(例えば、REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY, 第19版, (1995);Berge et al., J. Pharm. Sci., 6661), 1−19 (1977)を参照されたい)を含むが、これらに限定されない。追加的な関連する原理、方法、および薬剤は、例えば、Lieberman et al., PHARMACEUTICAL DOSAGE FORMS−DISPERSE SYSTEMS (第2版, vol. 3, 1998);Ansel et al., PHARMACEUTICAL DOSAGE FORMS & DRUG DELIVERY SYSTEMS (第7版 2000);Martindale, THE EXTRA PHARMACOPEIA (第31版), Remington’s PHARMACEUTICAL SCIENCES (第16〜20版およびその後の版);The Pharmacological Basis Of Therapeutics, Goodman and Gilman, Eds. (第9版−−1996);Wilson and Gisvolds’ TEXTBOOK OF ORGANIC MEDICINAL AND PHARMACEUTICAL CHEMISTRY, Delgado and Remers, Eds. (第10版, 1998)に記載されており;薬学的に許容される組成物の製剤化の原理は、例えば、Aulton, PHARMACEUTICS: THE SCIENCE OF DOSAGE FORM DESIGN, Churchill Livingstone (New York) (1988), EXTEMPORANEOUS ORAL LIQUID DOSAGE PREPARATIONS, CSHP (1998)にも記載されており、これらの参考文献は全て、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される方法における使用のための最適な薬学的組成物は、当業者により、例えば意図される投与経路、送達形態、および所望の用量に基づいて決定される(例えば、Remington’s PHARMACEUTICAL SCIENCES(上記参照)を参照されたい)。そのような組成物は、FGF21ポリペプチドの物理状態、安定性、in vivo 放出の速度、およびin vivo クリアランスの速度に影響し得る。
本明細書に開示される方法における使用のための薬学的組成物中の主要なビヒクルまたは担体は、水性または非水性の性質であってもよい。例えば、注射に好適なビヒクルまたは担体は、非経口投与用の組成物において一般的な他の材料が添加されていてもよい、水、生理食塩溶液、または人工脳脊髄液であってもよい。中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらなる例示的ビヒクルである。他の例示的な薬学的組成物は、約pH7.0〜8.5のTris緩衝液、または約pH4.0から5.5の酢酸緩衝液を含み、これらはさらにソルビトールまたは好適な代替物を含んでもよい。本発明の一実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体組成物は、所望の純度を有する選択された組成物を随意の製剤と混合することにより、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態で保存のために調製され得る(Remington’s PHARMACEUTICAL SCIENCES(上記参照))。さらに、FGF21ポリペプチド生成物は、スクロース等の適切な賦形剤を使用して凍結乾燥物として製剤化され得る。
FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体薬学的組成物は、非経口送達のために選択され得る。代替的に、組成物は、吸引または消化管を介した送達、例えば経口的な送達のために選択され得る。
製剤成分は、投与部位に許容される濃度で存在し得る。例えば、緩衝剤は、組成物を生理学的pHまたはそれより若干低いpH、典型的には約5から約8のpH範囲内に維持するように使用され得る。
非経口投与が企図される場合、開示される方法における使用のための治療組成物は、薬学的に許容されるビヒクル中の所望のFGF21ポリペプチドを含むパイロジェンフリーの非経口的に許容される水溶液の形態であってもよい。非経口注射に特に好適なビヒクルは、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体が適切に保存された無菌等張溶液として製剤化された、無菌蒸留水である。さらに別の調製は、所望の分子の、続いて蓄積注射により送達され得る生成物の制御または持続放出を提供する、注射可能なミクロスフェア、生体侵食性粒子、ポリマー化合物(例えばポリ乳酸もしくはポリグリコール酸)、ビーズ、またはリポソーム等の薬剤との製剤化を含み得る。ヒアルロン酸が使用されてもよく、これは、循環中の持続期間の促進作用を有し得る。所望の分子の導入のための他の好適な手段は、移植型薬剤送達デバイスを含む。
一実施形態において、薬学的組成物は、吸引用に製剤化され得る。例えば、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、吸引用の乾燥粉末として製剤化され得る。また、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体吸引溶液が、エアロゾル送達用の噴射剤と共に製剤化され得る。さらに別の実施形態において、溶液は、霧化され得る。国際公開第WO94/20069号において、経肺投与がさらに記載されている。
また、本明細書に開示される方法の脈絡の中で、ある特定の製剤が経口投与され得ることが企図される。本方法の一実施形態において、このように投与されるFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体は、錠剤およびカプセル等の固体投薬形態の配合において習慣的に使用される担体あり、またはなしで製剤化され得る。例えば、カプセルは、バイオアベイラビリティが最大化され、前全身性分解が最小限化される場合に、胃腸管の点で製剤の活性部分を放出するように設計され得る。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の吸収を促進するために、追加的な薬剤が含まれてもよい。希釈剤、香味剤、低融点ワックス、植物油、潤滑油、懸濁化剤、錠剤崩壊剤、および結合剤もまた使用され得る。
代替の薬学的組成物は、錠剤の製造に好適な非毒性賦形剤との混合物としての、効果的な量のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含んでもよい。錠剤を滅菌水または別の適切なビヒクルに溶解させることにより、溶液を単位用量形態で調製することができる。好適な賦形剤は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸もしくは重炭酸ナトリウム、ラクトース、またはリン酸カルシウム;あるいは結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、またはアカシア;あるいは潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクを含むが、これらに限定されない。
本明細書に開示される方法において使用され得る追加的なFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体薬学的組成物は、当業者には明らかであり、持続または制御送達製剤としての、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む製剤を含む。リポソーム担体、生体侵食性マイクロ粒子または多孔質ビーズ、および蓄積注射等の、様々な他の持続または制御送達手段の製剤化のための技術もまた、当業者に知られている(例えば、薬学的組成物の送達のための多孔質ポリマーマイクロ粒子の制御放出を記載している国際公開第WO93/15722号、ならびに、ミクロスフェア/マイクロ粒子の調製および使用を議論しているWischke & Schwendeman, (2008) Int. J. Pharm.364:298−327およびFreiberg & Zhu, (2004) Int. J. Pharm. 282: 1−18を参照されたい)。本明細書に記載のように、ヒドロゲルは、持続または制御送達製剤の一例である。
持続放出調製物の追加的な例は、成形物、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態の半透過性ポリマーマトリックスを含む。持続放出マトリックスは、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号および欧州特許第0058481号)、L−グルタミン酸およびガンマエチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidman et al., (1983) Biopolymers 22:547−56)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Langer et al., (1981) J. Biomed. Mater. Res. 15:167−277およびLanger, (1982) Chem. Tech. 12:98−105)、エチレン酢酸ビニル(Langer et al.,(上記参照)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第0133988号)を含み得る。また、持続放出組成物は、当該技術分野において知られたいくつかの方法のいずれかにより調製され得るリポソームを含み得る。例えば、Epstein et al., (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:3688−92;ならびに欧州特許第0036676号、欧州特許第0088046号および欧州特許第0143949号を参照されたい。
本明細書に開示される方法においてin vivo投与に使用されるFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物は、典型的には無菌であるべきである。これは、無菌濾過膜を通した濾過により達成され得る。組成物が凍結乾燥される場合、この方法を使用した滅菌は、凍結乾燥および再構成の前または後に行うことができる。非経口投与用の組成物は、凍結乾燥形態または溶液として保存され得る。さらに、非経口組成物は、一般に、無菌アクセスポートを有する容器、例えば、静脈注射用溶液バッグ、または皮下注射用針により貫通可能なストッパーを有するバイアル内に入れられる。
薬学的組成物が製剤化されたら、溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固体、または脱水もしくは凍結乾燥粉末として、無菌バイアル内に保存され得る。そのような製剤は、すぐに使用できる形態、または投与前に再構成を必要とする形態(例えば凍結乾燥形態)で保存され得る。
具体的実施形態において、本発明は、単回投与単位を生成するためのキットに関する。キットは、それぞれ、乾燥タンパク質を有する第1の容器および水性製剤を有する第2の容器の両方を含有し得る。また、単一および複数チャンバの事前に充填されたシリンジ(例えば、液体シリンジおよびリオシリンジ)を含有するキットも開示される。
本明細書に開示される方法において治療的に使用される、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む効果的な量の薬学的組成物は、例えば、治療状況および目的に依存する。したがって、治療のための適切な用量レベルは、送達される分子、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体が使用されている適応症、投与経路、およびサイズ(体重、対表面、または器官サイズ)、ならびに患者の状態(年齢および全体的な健康)に一部依存して変動することが、当業者に理解される。したがって、臨床医学者は、用量を滴定し、投与経路を修正して、最適な治療効果を得ることができる。典型的な用量は、上述の因子に依存して、約0.1μg/kgから100mg/kgまで、またはそれ以上の範囲であってもよい。
本明細書に開示される方法において使用される投薬頻度は、使用されている製剤中のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の薬物動態学的パラメータに依存する。典型的には、臨床医学者は、所望の効果を達成する用量に達するまで組成物を投与する。したがって、組成物は、単回投与として、長期にわたる2回以上の投与(これは、同じ量の所望の分子を含有しても、もしくは含有しなくてもよい)として、または移植デバイスもしくはカテーテルによる連続的注入として投与され得る。適切な用量のさらなる精密化は、当業者により習慣的になされ、当業者により習慣的に行われる作業の範囲内である。適切な用量は、適切な用量−反応データ、例えば、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体による1型糖尿病を含む代謝障害または状態の治療を含む臨床試験から得られたデータを使用することにより確認され得る。
薬学的組成物の投与経路は、既知の方法に従い、例えば、経口的に;静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内もしくは病巣内経路による注射により;持続放出系(これもまた注射されてもよい)により;または移植デバイスにより行われる。所望される場合、組成物は、ボーラス注射により、または注入により連続的に、または移植デバイスにより投与され得る。
代替的に、または追加的に、組成物は、所望の分子が吸収またはカプセル化された膜、スポンジ、または別の適切な材料の移植を介して局所的に投与されてもよい。移植デバイスが使用される場合、デバイスは、任意の好適な組織または器官内に移植されてもよく、所望の分子の送達は、拡散、時限放出性ボーラス、または継続投与により行われてもよい。
薬物、例えば、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を、薬物濃度が所望の治療上効果的なレベルで長期間にわたり維持され得るような所定の速度で送達するために、開示される方法を実践する場合、様々な異なる手法を使用することができる。そのような手法は、本明細書に開示される方法を実践する際に有用となり得る。一例において、ゼラチン(例えば、ウシゼラチン、ヒトゼラチン、もしくは別の源からのゼラチン)等のポリマー、または自然発生的もしくは人工的に生成されたポリマーを含むヒドロゲルが使用され得る。5、10、15または20%等の任意のパーセンテージのポリマー(例えば、ゼラチン)を、ヒドロゲルにおいて使用することができる。適切な濃度の選択は、所望の治療プロファイルおよび治療分子の薬物動態プロファイル等の様々な因子に依存し得る。
ヒドロゲルに組み込むことができるポリマーの例は、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシド、コ−ポリエチレンオキシドブロックまたはランダムコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリジノン)、ポリ(アミノ酸)、デキストラン、ヘパリン、多糖類、ポリーテル等を含む。
ヒドロゲル製剤を生成する際に考慮され得る別の因子は、ヒドロゲル中の架橋度および架橋剤である。一実施形態において、架橋は、メタクリル酸無水物が関与するメタクリル化反応により達成され得る。いくつかの状況において、高い架橋度が望ましくなり得るが、他の状況では、より低い架橋度が好ましい。いくつかの場合において、より高い架橋度は、より長い持続放出を提供する。より高い架橋度は、より丈夫なヒドロゲル、および薬物が送達されるより長い期間を提供し得る。
架橋剤(例えば、メタクリル酸無水物)に対するポリマーの任意の比を使用して、所望の特性を有するヒドロゲルを生成することができる。例えば、架橋剤に対するポリマーの比は、例えば、8:1、16:1、24:1、または32:1であってもよい。例えば、ヒドロゲルポリマーがゼラチンであり、架橋剤がメタクリレートである場合、8:1、16:1、24:1、または32:1のメタクリル酸無水物:ゼラチンの比が使用されてもよい。
VIII.開示されるFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体および核酸を使用して代謝状態または障害を治療する方法
FGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体は、本明細書に開示される方法において使用される場合、代謝状態または障害を治療、診断または改善するために使用され得る。一実施形態において、治療される代謝障害は、糖尿病、例えば、1型糖尿病である。別の実施形態において、代謝状態または障害は、肥満である。他の実施形態において、代謝状態または障害は、脂質異常症、血糖値の上昇、インスリン値の上昇、または糖尿病性ネフロパシーである。FGF21ポリペプチドは、薬学的組成物の形態で対象に提供され得る。
一例において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、人間対象が125mg/dL以上、例えば130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200または200mg/dL超の空腹時血糖値を有する状態である。開示される方法の一実施形態において、70〜100mg/dLの空腹時血糖値の達成、例えば、70、75、80、85、90、95または100mg/dLの空腹時血糖値を達成するために、人間患者に十分なFGF21ポリペプチドまたは変異体を投与することが、標的となる目標であってもよい。空腹時血糖値の測定は、様々な周知の方法または装置のいずれかを使用して得ることができる。例えば、一実施形態において、Olympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc., Center Valley, PA)を使用することができる。
血糖値は、満腹もしくは空腹状態、または無作為で測定することができる。別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、人間対象が120mg/dLを超える満腹時(食後ではない)血糖値を有する状態である。満腹時(食後ではない)状態において、開示される方法は、人間患者における標的血糖値、例えば80〜120mg/dL、例えば、80、85、90、95、100、105、110、115または120mg/dLを達成するために使用され得る。満腹時(食後ではない)状態における血糖値の測定は、様々な周知の方法または装置のいずれかを使用して得ることができる。例えば、一実施形態において、Olympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc., Center Valley, PA)を使用することができる。
別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、人間対象が150mg/dLを超える空腹時トリグリセリド値を有する状態である。1つの例示的な標的空腹時トリグリセリド値は、150mg/dL未満であり、例示的方法は、150、145、140、135、130、125、120、115、110、105、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20または10mg/dLの空腹時トリグリセリド値を達成するために、人間患者に十分なFGF21ポリペプチドまたは変異体を投与することを含む。空腹時トリグリセリド値の測定は、様々な周知の方法または装置のいずれかを使用して得ることができる。例えば、一実施形態において、Olympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc., Center Valley, PA)を使用することができる。
別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、人間対象が200mg/dLを超える空腹時全コレステロール値を有する状態である。1つの例示的な標的全コレステロール値は、200mg/dL未満であり、例示的方法は、200、195、190、185、180、175、170、165、160、155、150、145、140、135、130、125、120、115、110、105、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20または10mg/dLの空腹時全コレステロール値を達成するために、人間患者に十分なFGF21ポリペプチドまたは変異体を投与することを含む。空腹時全コレステロール値の測定は、様々な周知の方法または装置のいずれかを使用して得ることができる。例えば、一実施形態において、Olympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc., Center Valley, PA)を使用することができる。
別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、グルコースの投与から2時間後(すなわち、経口耐糖能試験、「OGTT」)に人間対象が140mg/dLを超える血糖値を有する状態である。OGTTにおいて、1つの例示的な標的血漿グルコース値は、140mg/dL未満であり、例示的方法は、140、135、130、125、120、115、110、105、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55または50mg/dLの人間患者へのグルコース投与から2時間後の血漿グルコース値を達成するために、人間患者に十分なFGF21ポリペプチドまたは変異体を投与することを含む。血漿グルコース値の測定は、様々な周知の方法または装置のいずれかを使用して得ることができる。例えば、一実施形態において、Olympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc., Center Valley, PA)を使用することができる。
別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、人間対象が、熟練した臨床医学者または医師により決定されるように生理学的に妥当であるとみなされないインスリン値を有する状態である。インスリン値は、様々な周知の方法または装置のいずれかを使用して得ることができる。例えば、一実施形態において、Human Multiplex Endocrine Kit (HENDO−75K, Millipore Corp., Billerica, MA)を使用することができる。
別の実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、人間対象が25kg/mを超えるボディマス指数(「BMI」)を有する状態である。18.5〜25kg/mの範囲内の1つの例示的BMI、および例示的方法は、18.5、19.0、19.5、20.0、20.5、21.0、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24.0、24.5または25.0kg/mのBMIを達成するために、人間患者に十分なFGF21ポリペプチドまたは変異体を投与することを含む。BMIの測定値は、患者の体重および身長を測定することにより得ることができる。
様々な実施形態において、対象は、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体で治療され得る、100mg/dL以上の血糖値を有する人間である。
また、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を使用して治療または改善され得る代謝状態または障害は、対象が代謝状態を発症する増加したリスクを有する状態を含み得る。人間対象において、そのような状態は、約100mg/dLの空腹時血糖値を含む。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物を使用して治療され得る状態はまた、参照により本明細書に組み込まれる、American Diabetes Association Standards of Medical Care in Diabetes Care−2011, American Diabetes Association, Diabetes Care Vol. 34, No. Supplement 1, S11−S61, 2010に見出すことができる。
実用においては、代謝障害または状態、例えば1型糖尿病、空腹時血糖値の上昇、インスリン値の上昇、脂質異常症、肥満、満腹時血漿グルコース値の上昇、空腹時トリグリセリド値の上昇、空腹時全コレステロール値の上昇、OGTT後の血漿グルコース値の上昇、および糖尿病の合併症、例えばネフロパシー、神経障害、網膜症、虚血性心疾患、末梢血管疾患および脳血管疾患は、治療上効果的な用量のFGF21ポリペプチド、例えば、ヒトFGF21ポリペプチド、例えば配列番号2、4、6もしくは8のもの、または本明細書に記載のFGF21変異体、例えば表1〜13に記載の変異体、および本開示に関連する配列表に列挙されるものを、それを必要とする患者に投与することにより治療され得る。投与は、本明細書に記載のように、例えばIV注射、腹腔内(IP)注射、皮下注射、筋肉内注射により、または錠剤もしくは液体製剤の形態で経口的に行うことができる。いくつかの状況において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の治療上効果的または好ましい用量は、臨床医学者により決定され得る。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の治療上効果的な用量は、なかでも、投与スケジュール、投与される薬剤の単位用量、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体が他の治療薬剤と組み合わされて投与されるかどうか、免疫状態、および受容者の健康に依存する。「治療上効果的な用量」という用語は、本明細書において使用される場合、治療されている疾患または障害の症状の軽減または改善を含む、研究者、医者または他の臨床医学者により求められている組織系、動物、または人間における生物学的または医薬的反応を惹起する、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の量、すなわち、観察され得るレベルの1つ以上の所望の生物学的または医薬的反応、例えば血糖、インスリン、トリグリセリド、もしくはコレステロール値の低下、体重の低減、または耐糖能、エネルギー消費、もしくはインスリン感受性の改善を補助する、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の量を意味する。
FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の治療上効果的な用量はまた、所望の結果に伴い変動し得ることが留意される。したがって、例えば、より低い血糖値が示される状況においては、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の用量は、それに対応して、比較的より低い血糖値が望ましい場合の用量より高い。逆に、より高い血糖値が示される状況においては、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体の用量は、それに対応して、比較的より高い血糖値が望ましい場合の用量より低い。
一実施形態において、本開示の方法は、まず、対象におけるグルコース、インスリン、コレステロール、脂質等の1つ以上の代謝関連化合物のベースライン値を測定することを含む。次いで、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物が、対象に投与される。所望の期間後、対象における1つ以上の代謝関連バイオマーカーまたは化合物の値(例えば、血糖、インスリン、コレステロールおよび/または脂質値)が再び測定される。次いで、対象における代謝関連化合物の相対的変化を決定するために、2つの値が比較され得る。その比較の結論に依存して、1つ以上の代謝関連化合物の所望の値を達成するために、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物の別の用量が投与され得る。再び、関連バイオマーカーまたは化合物の値が評価され、対象の治療計画における次のステップに関して決定がなされ得る(例えば、1回以上のさらなる投与または薬学的組成物、別の形態の治療、薬学的組成物と別の治療分子との組み合わせ等)。
開示される方法の様々な実施形態において、FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物は、別の化合物と併用投与されてもよいことが留意される。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体と共に併用投与される化合物の識別および特性は、治療または改善される状態の性質に依存する。FGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物と組み合わせて投与され得る化合物の例の限定されないリストは、ロシグリチゾン、ピオグリチゾン、レパグリニド、ナテグリチニド、メトホルミン、エキセナチド、スチアグリプチン、プラムリンチド、グリピジド、グリメプリリドアカルボース、およびミグリトールを含む。
IX.キット
開示される方法を実践するためのキットもまた提供される。そのようなキットは、無菌容器内に提供されてもよい、本明細書に記載のペプチドまたはタンパク質をコードする核酸、そのような核酸を含むベクターおよび細胞、ならびにそのような核酸含有化合物を含む薬学的組成物を含む、本明細書に記載のようなFGF21ポリペプチドおよびFGF21変異体等の薬学的組成物を含んでもよい。随意に、代謝障害の治療において提供される薬学的組成物をどのようにして使用するかに関する説明書もまた含まれるか、または患者もしくは医療サービス提供者に利用可能であってもよい。
一態様において、キットは、(a)治療上効果的な量のFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体を含む薬学的組成物と、(b)薬学的組成物を無菌保存するための1つ以上の容器とを含む。そのようなキットはまた、その使用説明書を含んでもよく、説明書は、治療されている正確な代謝障害に合わせて作成され得る。説明書は、キット内に提供される材料の使用および性質を記載してもよい。ある特定の実施形態において、キットは、代謝障害、例えば血糖値の上昇、インスリン値の上昇、肥満、1型糖尿病、脂質異常症、糖尿病性ネフロパシーおよび糖尿病の合併症、例えばネフロパシー、神経障害、網膜症、虚血性心疾患、末梢血管疾患および脳血管疾患を治療するために患者が投与を行うための説明書を含む。
説明書は、基板上、例えば紙またはプラスチック等に印刷されてもよく、添付文書としてキット内に存在する、キットまたはその構成要素の容器のラベルに(例えばパッケージに関連して)存在する等であってもよい。他の実施形態において、説明書は、好適なコンピュータ可読記憶媒体、例えばCD−ROM、ディスケット等に存在する電子記憶データファイルとして存在する。さらに他の実施形態において、実際の説明書はキット内に存在しないが、例えばインターネット上で遠隔の源から説明書を得るための手段が提供される。この実施形態の一例は、説明書を閲覧することができる、および/またはそこから説明書をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。
多くの場合、キットのいくつかまたは全ての構成要素が、無菌性を維持するために好適なパッケージ内にパッケージされることが望ましい。キットの構成要素は、単一の取り扱いが容易な単位を形成するようにキット封入要素内にパッケージされてもよく、キット封入要素、例えば箱もしくは類似の構造は、例えば、キットの構成要素のいくつかまたは全ての無菌性をさらに保つために、気密性容器であっても、または機密性容器でなくてもよい。
本開示全体を通して、公開された文献に対する参照が記載されている。本開示において列挙されている全ての文献は、あらゆる目的において、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
行われた実験および達成された結果を含む以下の実施例は、例示のみを目的として提供され、本発明を限定するものとして解釈されない。
緒論
組み換えFGF21を用いた以前の薬理学的試験は、様々な2型糖尿病げっ歯類および霊長類モデルにおいて、その強力なグルコース低下効果を示した。FGF21の代謝作用は、これらのインスリン耐性モデルにおいて十分に確立されており、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)のための治療薬としての可能性を強調している。しかしながら、これまで、インスリン依存性糖尿病(IDDM)とも呼ばれる1型糖尿病における、FGF21のグルコースを低下させる可能性を検査するための試験は文書化されていない。以下の実施例は、1型糖尿病げっ歯類モデルに投与した場合の、グルコース低下およびベータ細胞保護効果を含むFGF21の様々な治療関連効果を実証する。
実施例1
高用量ストレプトゾトシン(STZ)誘導1型糖尿病マウスに対するヒトFGF21の効果
本試験は、STZ誘導1型糖尿病マウスにおける、ヒトFGF21(配列番号4)、ヒトインスリンおよびそれらの組み合わせのグルコース低下および他の代謝効果を評価するために行った。
雄C57BL6マウスを、Harlan Laboratoriesから入手したが、7週齢で供給された。到着後、マウスを個別飼育し、12時間の明(午前6:30〜午後6:30)暗サイクル(午後6:30〜午前6:30)で制御環境条件に維持した。マウスに標準げっ歯類用餌の食事(2020x Harlan Teklad)を与え、飲み水を自由に与えた。
1週間の順化後、血漿グルコースおよび/または体重の測定を行った。その後マウスを餌なしで新しいケージに入れることにより、4時間絶食させた。マウスには飲み水を自由に与えた。これらのマウスに、STZ(ストレプトゾトシン、Sigma S−1030)の180mg/kgでの単回腹腔内(IP)注射を行い、膵臓内のインスリン産生ベータ細胞を弱め、インスリン欠乏1型糖尿病様表現型を誘導した。次いで、げっ歯類用餌を再びケージに入れ、急性低血糖症を予防するためにマウスを10%スクロース水で48時間維持した。通常の飲み水を48時間後に与えた。誘導プロセスの間、毎朝の体重を測定した。STZ注射(0日目)から72時間後の時点で、体重および血漿グルコース値を測定し、血液試料を全てのマウスから採取した。1.2gから4.3gの体重減少および410mg/dLを超える血漿グルコース値を示すマウスを、試験用に選択した。次いで、血漿グルコースおよび体重の値を無作為化基準として使用して、マウスをビヒクルまたは処置群に割り当てた。ビヒクル(10mM KPO、5%ソルビトール、pH8.0)、インスリン(Humulin R、5IU/kg)、組み換えヒトFGF21(1mg/kg)、またはインスリン(Humulin R、5IU/kg)および組み換えヒトFGF21(1mg/kg)の両方を、示された容量で1日2回マウスにIP注射した。処置開始後3日目の朝の注射から1時間および4時間後、ならびに5日目の朝の注射から1時間後に、血糖を測定した。5日目の1時間の血糖測定後に、マウスを安楽死させ、末梢血液試料を採取した。試験期間中、体重を毎日測定した。
ベースラインおよび末端で採取された血液試料から、臨床化学および内分泌性ホルモン分析のために血漿を調製した。血漿グルコース、全コレステロール、トリグリセリド、および非エステル化脂肪酸(NEFA)を含む臨床化学パラメータを、Olympus AU400e Chemistry Analyzer(Olympus America, Inc;Center Valley, PA)を使用して測定した。多重マウス内分泌キット(MENDO−75K, Millipore Corp., Billerica, MA)により、インスリンおよびグルカゴン値を測定した。
血漿グルコースに対するFGF21の効果:
図1に示されるように、STZ注射後、全ての群における血糖値は、通常から601mg/dLから630mg/dLの範囲の平均値まで増加した。血糖値は、5日間の処置期間中、ビヒクル中で700mg/dL超まで増加し続けた。組み換えヒトFGF21(1mg/kg)またはインスリン(5IU/kg)による処置は、3日目に、血糖値をそれぞれ16%および42%低減した。FGF21およびインスリンの組み合わせの群においては、追加的な54%の血糖値の低減が観察された。全ての化合物の注射から4時間後、血糖値はベースラインに戻った。5日目に、同様の所見が観察された。組み換えヒトFGF21、インスリン、および組み合わせ処置の血糖値低減は、ビヒクル群に対して、それぞれ15%、31%、および58%であった。
ベースライン(0日目)および5日目の朝の注射から約2時間後に採取された血液試料からの血漿を、より正確な血漿グルコース測定のために臨床化学分析機で分析した。結果を図2に示す。図1に示される血糖測定器から得られた血糖測定値に類似して、ヒトFGF21、インスリン、および組み合わせ処置は、ビヒクル群に対して、それぞれ20%、32%、および62%の血糖値の低減をもたらした。
脂質値に対するFGF21の効果:
ベースライン(0日目)および5日目の朝の注射から約2時間後に採取された血液試料を、血漿脂質値を測定するために臨床化学分析機で分析した。0日目から5日目まで、ビヒクル処置マウスにおける血漿トリグリセリド、全コレステロール、およびNEFA値は、1型糖尿病が徐々に悪化すると共に2〜3倍増加した。ヒトFGF21(1mg/kg)処置のみは、インスリン(Humulin R、5IU/kg)処置動物において観察される値と同様に、血漿トリグリセリド値を低下させた(図3)。組み合わせ処置群においては、さらなる血漿トリグリセリド低下効果が観察された。ビヒクル群に対して、ヒトFGF21、インスリン、および組み合わせ処置における血漿トリグリセリド値の低減は、それぞれ57%、53%、および70%であった(図3)。
また、FGF21による処置は、全コレステロールおよびNEFA値を低下させた。ビヒクル群に対して、ヒトFGF21、インスリン、および組み合わせ処置における全コレステロール値の低減は、それぞれ57%、53%、および70%であった(図4)。NEFA値は、ビヒクル処置マウスに対して、ヒトFGF21、インスリン、および組み合わせ処置マウスにおいてそれぞれ18%、50%、および65%低減された(図5)。
インスリン値に対するFGF21の効果:
ビヒクル、組み換えヒトFGF21(1mg/kg)、インスリン(Humulin R、5IU/kg)、またはインスリン(Humulin R、5IU/kg)およびFGF21(1mg/kg)の組み合わせを1日2回注射されたSTZ処置マウスにおいて、インスリン値を評価した。FGF21のみでの処置は、STZ処置マウスにおける血漿インスリン値を修復しなかった(図6)。しかしながら、血漿インスリン値は、インスリン処置のみの群よりも、FGF21およびインスリンの組み合わせ処置群において高かったが、これはFGF21のインスリン安定化効果の可能性を示唆している(図6)。
グルカゴン値に対するFGF21の効果:
図7は、STZ誘導1型糖尿病げっ歯類モデルにおける血漿グルカゴン値を低下させるFGF21の能力を示している。ビヒクル群と比較して、全ての処置群においてより低いグルカゴン値が見られた。組み換えヒトFGF21(1mg/kg)、インスリン(Humulin R、5IU/kg)、またはインスリン(Humulin R、5IU/kg)および組み換えヒトFGF21(1mg/kg)の組み合わせの処置は、ビヒクル処置に対して、それぞれ27%、43%、および30%グルカゴン値を低減した。
実施例2
高用量STZ誘導1型糖尿病マウスに対する、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果
実施例1において、天然ヒトFGF21処置は、STZ誘導1型糖尿病げっ歯類モデルにおいて、血漿グルコース値を低下させることができることが実証された。しかしながら、血漿グルコース値は注射後4時間以内に戻るため、この効果は短期間である(図1)。長期の時間枠にわたる血漿グルコース低下効果を評価するために、2つのポリエチレングリコール(PEG)分子(20kD)を37位および77位においてヒトFGF21変異体に化学的に融合させた(E37C、R77C、P171G;突然変異の位置は、配列番号4に対する)。この二重PEG化ヒトFGF21変異体は、以前のげっ歯類試験において、おそらくは改善された薬物動態の結果、天然ヒトFGF21に対して優れたグルコース低下効果を示すことが実証されている。本試験は、この二重PEG化ヒトFGF21変異体が、単回投与後のSTZ誘導1型糖尿病マウスにおいて、持続的なグルコース低下効果を生成し得るかどうかを評価するために行った。
高用量STZ(180mg/kg)誘導1型糖尿病マウスモデルを、実施例1に記載のように生成した。STZ注射(0日目)から72時間後の時点で、1.2gから3.3gの体重減少および367mg/dLから652mg/dLの範囲内の血漿グルコース値を示すマウスを、試験用に選択し、ビヒクルまたは各処置群に割り当てた。1mg/kgおよび5mg/kgでのビヒクル(10mM Tris−HCl、150mM NaCl、pH8.5)または二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の単回IP注射をマウスに行った。1、3、5、および7日目において、ビヒクルまたは二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の投与後に血糖を測定した。全試験期間中、体重を毎日測定した。
図8に示されるように、1日目までに、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kgおよび5mg/kg)における血漿グルコース値は、ビヒクル値に対して、それぞれ20%および15%低減された。これらの値は、3日目に両方の用量群に対して維持され、グルコース低減は、ビヒクルに対してそれぞれ20%および12%であった。高用量二重PEG化ヒトFGF21変異体(5mg/kg)は、5日目および7日目において引き続き有効性を示し、血漿グルコース低減は、ビヒクルに対して約15%であった。有効性は、より低用量の二重PEG化ヒトFGF21変異体(1mg/kg)において、5日目までに消失した。
実施例3
複数低用量STZ誘導1型糖尿病マウスにおける、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果(予防)
複数低用量(MLD)STZ誘導1型糖尿病マウスモデルを生成した。MLD−STZモデルは、前の試験において言及された単回高用量STZモデルよりも、人間における1型糖尿病を厳密に模倣する。MLD法は、各連続的低用量STZ注射の際に、膵臓のベータ細胞の漸減をもたらす。これにより、膵臓のベータ細胞に対する初期炎症反応が生じる。2〜3週間にわたり、この先天性免疫反応が増加し、膵臓のインスリン産生ベータ細胞を破壊してT1DMをもたらす。一方、単回高用量STZ(180mg/kg)法は、STZ注射後の最初の24時間から48時間で膵臓におけるベータ細胞を急速に破壊する。これらの方法は共に最終的にはインスリン欠乏1型糖尿病マウスをもたらすが、MLD法は、主に免疫反応により機能し、一方単回高用量法は、主にSTZの毒性作用により機能する。本試験において、我々は、MLD STZ誘導マウスにおけるT1DMの進行に対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果を評価した。
雄C57BL6マウスを、Harlan Laboratoriesから入手したが、7週齢で供給された。到着後、マウスを個別飼育し、制御環境条件に維持した。5日間の順化後、20g超の体重のマウスに、40mg/kg/日で、STZ(ストレプトゾトシン、Sigma S−1030)の5回の連続した毎日の腹腔内(IP)注射を行った。それぞれの日にSTZ注射を受ける前にマウスを4時間絶食させた。誘導プロセスの間、毎朝の体重を監視した。5回目のSTZ注射(0日目)から72時間後の時点で、体重および血漿グルコース測定を行い、血漿を全てのマウスから採取した。次いで、血漿グルコース値が200mg/dLを超えるマウスを、分類基準として血漿グルコースおよび体重に基づき、ビヒクルまたは処置群に無作為に割り当てた。
ビヒクル(10mM Tris−HCl、150mM NaCl、pH8.5)または二重PEG化20kdヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)−(1mg/kg)を、0日目から開始して4日毎にマウスにIP注射した。処置の開始後2、6、10、14、18および22日目に、血糖を測定した。27日目、最後の注射から7日後に、マウスを安楽死させ、末梢血液試料を採取した。試験期間中、体重を1日おきに測定した。
血漿グルコースに対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果:
5回目のSTZ注射(0日目)から72時間後の時点で、ビヒクルおよび処置群のベースライン平均血糖は、それぞれ253mg/dLおよび256mg/dLであった。ビヒクル群において、試験の間中血漿グルコース値は増加し、一方二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)群においては、ビヒクルに対して、8%(2日目)、26%(6日目)、40%(10日目)、48%(14日目)、58%(18日目)、および54%(22日目)低減した(図9)。
0日目および27日目(最後の注射から7日後)に採取された血液試料からの血漿を、より正確な血漿グルコース測定のために臨床化学分析機で分析した。図9に示される血糖の低減と同様に、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)による処置は、血漿グルコースの上昇を予防し、血漿グルコース値を正常血糖値まで低減した(図10)。ビヒクル群に対して、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)における血漿グルコースの低減は、51%であった。
脂質値に対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果:
0日目から27日目まで、ビヒクル処置マウスにおける血漿トリグリセリド値は安定なままであり、一方二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)マウスで処置されたマウスにおいては、47%低減した(図11)。また、FGF21による処置は、それぞれビヒクル群に対して全コレステロールを25%(図12)、HDL−コレステロールを18%(図13)、およびNEFA値を35%(図14)低下させた。
インスリンおよびグルカゴン値に対する二重PEG化ヒトFGF21変異体の効果:
単回高用量のSTZモデルと比較して、MLD STZ法は、重度のインスリン欠乏状態としては生成しないが、高血糖症を生成するのに適切であったことは明らかである(図9、図10および図15)。二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)による処置は、ビヒクル処置に対してインスリン値を60%低減する(図15)一方で血糖値を正常に維持したが、これは、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の投与がMLD STZ処置マウスにおいてインスリン感受性を改善したことを示唆している。
体重に対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果:
二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)による処置は、MDL STZ誘導1型糖尿病マウスにおける体重増加の持続的低減をもたらした(図16)。0日目からの体重の変化がプロットされている。22日目までに、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスにおける体重は、ビヒクル処置マウスよりも17%少なかった。
実施例4
複数低用量STZ誘導1型糖尿病マウスにおける、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果(治療)
我々は、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)が、22日の試験期間にわたり、T1DM 疾患進行の間に血糖値の上昇を予防することを実証した(実施例3)。その試験では、5回目の低用量STZ注射から3日後に、マウスが1型糖尿病および高血糖症を発症する前に二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)を投与した。本試験では、我々は、MLD STZ注射後にマウスが高血糖症となった時点で、FGF21が高血糖症を逆転させることができるかどうかを評価する。二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)を、STZ注射の5回目の投薬から23日後に投与した。
MLD STZマウスモデルを、実施例3に記載のように生成した。簡潔に述べると、7週齢の雄C57BL6マウスに、40mg/kg/日で、STZ(ストレプトゾトシン、Sigma S−1030)の5回の連続した毎日の腹腔内(IP)注射を行った。STZの5回目の投薬(処置2日目)後21日目に、血糖値および体重を測定し、マウスをビヒクルまたは処置群に無作為化した。ビヒクル(10mM Tris−HCl、150mM NaCl、pH8.5)または二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を、STZの5回目の投薬(処置0日目)後23日目に、マウスにIP注射した。化合物を4日毎に与え、全部で5回のIP注射を施した。処置2、6、10、14、および18日目に血糖値を測定した。疾患誘導段階中は週2〜3回、および試験期間中は1日おきに、体重を測定した。処置18日目、最後の注射から2日後に、マウスを安楽死させ、末梢血液試料を採取した。
各群内の5匹のマウスから膵臓を採取した。インスリンおよびグルカゴンに対する組織学評価および免疫組織化学を行った。5μmの膵臓切片を脱パラフィンし、脱イオンHO中で水和させた。切片をCAS BLOCK(Invitrogen, #00−8120;Camarillo, CA)でブロックし、ウサギポリクローナル抗グルカゴン(DAKO #A0565, Carpenteria, CA)と共にインキュベートした。スライドを3% Hで、続いてRabbit EnvisionHRP(DAKO #K4003, Carpenteria, CA)でクエンチした。ジアミノベンザジン(DAB;DAKO #K3468 Carpentaria, CA)で反応部位を可視化した。次いで、切片を再びCAS BLOCKでブロックし、モルモットモノクローナル抗インスリン(DAKO #A0564, Carpenteria, CA)と共にインキュベートした。スライドをビオチニル化ヤギ抗モルモットIgG(Vector #BA7000, Burlingame, CA)、続いてVectastain AP−ABC (Vector #AK5000, Burlingame, CA)と共にインキュベートした。反応部位をAP−Red(Vector #SK5100)で可視化した。次いで、スライドは病理学者により顕微鏡で評価された。
血漿グルコースに対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果:
本試験において、我々は、MLD STZ誘導から23日後にマウスがT1DMとなった後のFGF21投与の血漿グルコース低下効果を調査した。MLD STZ誘導から21日後の処置開始の前に、両群のベースライン平均血糖は、438mg/dLから455mg/dLの範囲内であった(処置2日目)。ビヒクルおよび二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)(1mg/kg)を、マウスQ4Dに投与した。その後、血漿グルコースを、2、6、10、14、および18日目に、4日毎に測定した。二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)は、血漿グルコースを低下させ、最終的にこの動物モデルにおける高血糖症を逆転させた(図17)。二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)群における血漿グルコース値は、46%(2日目)、56%(6日目)、および69%(10日目、14日目)低減された。試験10日目までに、血漿グルコース値は正常血糖値に戻った。
−20日目および18日目の最後の注射から2日後に採取された血液試料からの血漿を、より正確な血漿グルコース測定のために臨床化学分析機で分析した。図17に示される血糖の低減と同様に、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)による処置は、血漿グルコース値を正常血糖値まで低減した。ビヒクル群に対して、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)群における血漿グルコースの低減は、70%であった(図18)。
脂質値に対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果:
−20日目から18日目まで、ビヒクル処置マウスにおけるトリグリセリド値は上昇し、一方PEG−FGF21処置マウスは、トリグリセリド値の低減を示した。ビヒクル群に対して、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスにおける血漿トリグリセリド値は、53%低減された(図19)。また、FGF21による処置は、全コレステロール、HDL−コレステロール、およびNEFA値を、それぞれ21%、14%および42%低下させた(図20、21、および22)。
インスリン値に対する二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の効果:
二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)による処置は、ビヒクル処置に対してインスリン値を55%低減する(図23)一方で血漿グルコース値を正常化した(図17および18)が、これは、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)の投与がこれらのマウスにおいてインスリン感受性を改善したことを示唆している。
肝酵素値に対する二重PEG化FGF21変異体の効果:
18日目に、ASTおよびALT値の上昇が、MLD STZ処置マウスにおいて観察された(図24および25)。二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスは、ビヒクル処置マウスよりも40%低いALT値を示した(図25)。
体重に対する二重PEG化FGF21変異体の効果:
本試験において、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)により、体重が徐々に低減した(図26)。18日目までに、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスにおける体重は、ビヒクル処置マウスよりも6%少なかった。
ベータ細胞保存に対する二重PEG化FGF21変異体の効果:
STZ誘導T1DMマウスへのFGF21投与の有益な効果をより良く理解するために、我々は、インスリンおよびグルカゴンの免疫組織化学染色、ならびに膵臓の組織形態分析を行った。具体的には、ベータ細胞萎縮/肥大、膵島細胞の変性、単核細胞浸潤、ならびに周囲組織の萎縮および線維症を分析した。ベータ細胞のインスリン免疫反応性を、図27に示す。上部パネルは、ビヒクル処置マウス(マウスA3)からの画像であり、下部パネルは、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウス(マウスB3)からの画像である。図示されるように、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスにおいて、インスリン免疫反応性の強度および均一性の増加が見られた。図28は、各ビヒクルおよび二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスからの、インスリン免疫反応性および形態学的所見を要約している。ビヒクル処置マウスは、A1からA5で示され、一方二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたマウスは、B1からB5で示されている。要約すると、ほぼ全てのビヒクル処置マウスが、いくらかの膵島細胞萎縮/肥大および変性を示し、一方で、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置された群内の1〜2匹のマウスが、これらの効果を示した。また、インスリン免疫反応性がビヒクル処置マウスにおいて大きく減少したことは、ビヒクル処置マウスにおいては、二重PEG化ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)で処置されたものよりも高いパーセンテージのベータ細胞が破壊されたことを示唆している。全体的に、これらの形態学的結果は、FGF21処置が、グルコースおよび脂質値を低下させるだけでなく、ベータ細胞に対する、さらなる免疫学的破壊およびT1DMの進行からのいくらかの保護効果を示すことを裏付けている。
結論
総合的に、実施例1〜4に示されるデータは、FGF21が1型糖尿病患者に対する新たな治療上の選択肢を提示することを示している。FGF21処置のみでも、高用量および低用量STZ誘導1型糖尿病げっ歯類モデルの両方において、血漿グルコースおよび脂質値を低減するのに十分であった。さらに、インスリン処置と併せたFGF21処置は、相加的な血漿グルコース低下効果を提供する。ヒトFGF21変異体(E37C、R77C、P171G)のPEG化は、血漿グルコース低下効果を、単回注射後7日間まで劇的に延長した。この分子の長期投与は、T1DMマウスにおいて、T1DMの進行を防止しただけでなく、血漿グルコースおよび脂質値の上昇を逆転させた。我々の形態学的分析から、我々はさらに、FGF21投与が膵島インスリン含量を増加させ、ベータ細胞を破壊から保護することを示した。これは、T1DM動物モデルにおいて観察されるFGF21の有益な効果の機構的説明を提供し得る。全体的に、我々は、FGF21が1型糖尿病の治療の可能性を有する証拠を提供した。

Claims (30)

  1. 代謝障害を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、治療上効果的な量の、(a)単離ヒトFGF21ポリペプチド、または(b)FGF21変異体ポリペプチドを投与することを含む、方法。
  2. 代謝障害が、1型糖尿病である、請求項1に記載の方法。
  3. 代謝障害が、脂質異常症である、請求項1に記載の方法。
  4. 代謝障害が、肥満である、請求項1に記載の方法。
  5. 代謝障害が、糖尿病性ネフロパシーである、請求項1に記載の方法。
  6. 代謝障害が、対象が100mg/dL以上の空腹時血糖値を有する状態を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 対象が、哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
  8. 哺乳動物が、人間である、請求項7に記載の方法。
  9. ヒトFGF21ポリペプチドが、配列番号4および8の1つを含む、請求項1に記載の方法。
  10. ヒトFGF21ポリペプチドが、配列番号3および7の1つによりコードされる、請求項1に記載の方法。
  11. FGF21変異体が、表1〜13に示される突然変異から選択される、配列番号4または配列番号8の成熟FGF21配列における1つ以上の突然変異を含む、請求項1に記載の方法。
  12. FGF21ポリペプチドが、薬学的に許容される担体と混合された前記FGF21ポリペプチドを含む薬学的組成物の形態で投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 投与の後の時点で対象の血糖値を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 投与の後の時点で対象の血清インスリン値を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. ヒトFGF21ポリペプチドまたはヒトFGF21変異体ポリペプチドが、
    (a)1つ以上のPEG分子、および
    (b)Fcポリペプチド
    の1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 代謝障害を治療する方法であって、治療を必要とする対象に、治療上効果的な量の、配列番号4および8の1つと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むヒトFGF21ポリペプチドを投与することを含む、方法。
  17. 代謝障害が、1型糖尿病である、請求項16に記載の方法。
  18. 代謝障害が、脂質異常症である、請求項16に記載の方法。
  19. 代謝障害が、肥満である、請求項16に記載の方法。
  20. 代謝障害が、糖尿病性ネフロパシーである、請求項16に記載の方法。
  21. 代謝障害が、対象が100mg/dL以上の空腹時血糖値を有する状態を含む、請求項16に記載の方法。
  22. 対象が、哺乳動物である、請求項16に記載の方法。
  23. 哺乳動物が、人間である、請求項21に記載の方法。
  24. ヒトFGF21ポリペプチドが、薬学的に許容される担体と混合された前記ヒトFGF21ポリペプチドを含む薬学的組成物の形態で投与される、請求項16に記載の方法。
  25. 投与の後の時点で対象の血糖値を決定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  26. 投与の後の時点で対象の血清インスリン値を決定するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. FGF21ポリペプチドが、表1〜13に示される突然変異から選択される、配列番号4または8の成熟FGF21配列における1つ以上の突然変異を含む、請求項16に記載の方法。
  28. FGF21ポリペプチドが、
    (a)1つ以上のPEG分子、および
    (b)Fcポリペプチド
    の1つ以上をさらに含む、請求項16に記載の方法。
  29. 単離ヒトFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体ポリペプチドが、配列番号10および12の1つを含む、請求項1に記載の方法。
  30. 単離ヒトFGF21ポリペプチドまたはFGF21変異体ポリペプチドが、配列番号39および41の1つを含む、請求項29に記載の方法。
JP2017132449A 2011-08-31 2017-07-06 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21 Pending JP2017226665A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161529641P 2011-08-31 2011-08-31
US61/529,641 2011-08-31

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014528614A Division JP2014526441A (ja) 2011-08-31 2012-08-30 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017226665A true JP2017226665A (ja) 2017-12-28

Family

ID=46964016

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014528614A Pending JP2014526441A (ja) 2011-08-31 2012-08-30 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21
JP2017132449A Pending JP2017226665A (ja) 2011-08-31 2017-07-06 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014528614A Pending JP2014526441A (ja) 2011-08-31 2012-08-30 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21

Country Status (7)

Country Link
US (2) US20140213512A1 (ja)
EP (1) EP2750695A2 (ja)
JP (2) JP2014526441A (ja)
AU (1) AU2012301769B2 (ja)
CA (1) CA2845357A1 (ja)
MX (1) MX2014002260A (ja)
WO (1) WO2013033452A2 (ja)

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JOP20190083A1 (ar) 2008-06-04 2017-06-16 Amgen Inc بولي ببتيدات اندماجية طافرة لـfgf21 واستخداماتها
AU2011239386B2 (en) 2010-04-16 2015-03-19 Salk Institute For Biological Studies Methods for treating metabolic disorders using FGF
MY163674A (en) 2011-07-01 2017-10-13 Ngm Biopharmaceuticals Inc Compositions, uses and method for treatment of metabolic disorders and diseases
KR102238317B1 (ko) 2012-05-17 2021-04-12 익스텐드 바이오사이언시즈, 인크. 개선된 약물 전달용 캐리어
US9290557B2 (en) 2012-11-28 2016-03-22 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Compositions comprising variants and fusions of FGF19 polypeptides
AU2013352363B2 (en) 2012-11-28 2018-04-12 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for treatment of metabolic disorders and diseases
US9273107B2 (en) 2012-12-27 2016-03-01 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Uses and methods for modulating bile acid homeostasis and treatment of bile acid disorders and diseases
DK2938740T3 (da) 2012-12-27 2022-06-20 Ngm Biopharmaceuticals Inc Kimære fgf19-peptider til anvendelse til behandling af galdesyrelidelser
WO2015061331A1 (en) 2013-10-21 2015-04-30 Salk Institute For Biological Studies Chimeric fibroblast growth factor (fgf) 2/fgf1 peptides and methods of use
MX2016005101A (es) 2013-10-21 2017-01-09 Salk Inst For Biological Studi Factor de crecimiento de fibroblastos (fgf) 1 mutado y procedimientos de uso.
SG11201602870YA (en) 2013-10-28 2016-05-30 Ngm Biopharmaceuticals Inc Cancer models and associated methods
UA119863C2 (uk) 2014-01-24 2019-08-27 Нгм Біофармасьютікалс, Інк. Антитіло або його фрагмент, що зв'язується з бета-клото
JP6712230B2 (ja) * 2014-03-11 2020-06-17 ノバルティス アーゲー リポジストロフィーおよびインスリン産生の欠損またはインスリンシグナル伝達の欠損と関連する代謝性障害を処置する方法
AU2015236073B2 (en) 2014-03-25 2020-04-30 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. FGF21 receptor agonists and uses thereof
WO2015183890A2 (en) 2014-05-28 2015-12-03 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Methods and compositions for the treatment of metabolic disorders and diseases
AU2015277438B2 (en) 2014-06-16 2020-02-27 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Methods and uses for modulating bile acid homeostasis and treatment of bile acid disorders and diseases
US10293026B2 (en) 2014-09-08 2019-05-21 Osaka University Agent for preventing or treating demyelinating disease
CA2960912A1 (en) 2014-09-16 2016-03-24 Universitat Autonoma De Barcelona Adeno-associated viral vectors for the gene therapy of metabolic diseases
WO2016048999A2 (en) * 2014-09-23 2016-03-31 Salk Institute For Biological Studies Fgf21 truncations and mutants and uses thereof
US9789197B2 (en) 2014-10-22 2017-10-17 Extend Biosciences, Inc. RNAi vitamin D conjugates
US9585934B2 (en) 2014-10-22 2017-03-07 Extend Biosciences, Inc. Therapeutic vitamin D conjugates
US9616109B2 (en) 2014-10-22 2017-04-11 Extend Biosciences, Inc. Insulin vitamin D conjugates
CN107108711B (zh) 2014-10-23 2021-11-23 恩格姆生物制药公司 包含肽变异体的药物组合物及其使用方法
US10434144B2 (en) 2014-11-07 2019-10-08 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Methods for treatment of bile acid-related disorders and prediction of clinical sensitivity to treatment of bile acid-related disorders
WO2016102562A1 (en) * 2014-12-23 2016-06-30 Novo Nordisk A/S Fgf21 derivatives and uses thereof
WO2016110518A1 (en) 2015-01-07 2016-07-14 Universitat Autònoma De Barcelona Single-vector gene construct comprising insulin and glucokinase genes
KR20160088656A (ko) * 2015-01-16 2016-07-26 주식회사유한양행 지속형 fgf21 융합 단백질 및 이를 포함하는 약학적 조성물
US10800843B2 (en) 2015-07-29 2020-10-13 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Beta klotho-binding proteins
JP2018529729A (ja) * 2015-10-01 2018-10-11 アムジエン・インコーポレーテツド 胆汁酸障害の処置
KR102668200B1 (ko) * 2015-10-28 2024-05-23 주식회사유한양행 지속형 fgf21 융합 단백질 및 이를 포함하는 약학적 조성물
KR102670157B1 (ko) 2015-10-28 2024-05-29 주식회사유한양행 이중 작용 단백질 및 이를 포함하는 약학적 조성물
WO2017075260A1 (en) 2015-10-30 2017-05-04 Salk Institute For Biological Studies Treatment of steroid-induced hyperglycemia with fibroblast growth factor (fgf) 1 analogs
JP6728352B2 (ja) * 2015-11-09 2020-07-22 エヌジーエム バイオファーマシューティカルス,インコーポレーテッド 胆汁酸に関係した障害の治療方法
WO2017180988A2 (en) * 2016-04-15 2017-10-19 Indiana University Research And Technology Corporation Fgf21 c-terminal peptide optimization
CN117535350A (zh) * 2016-05-20 2024-02-09 哈佛学院董事及会员团体 年龄相关疾病和病症的基因治疗方法
AU2017315459B2 (en) 2016-08-26 2023-06-29 Ngm Biopharmaceuticals, Inc. Methods of treating fibroblast growth factor 19-mediated cancers and tumors
US11179440B2 (en) 2016-11-10 2021-11-23 Yuhan Corporation Pharmaceutical composition containing FGF21 mutant fusion protein and method for treating hepatitis, hepatic fibrosis, and hepatic cirrhosis
US20220127322A1 (en) 2017-03-14 2022-04-28 Sunshine Lake Pharma Co., Ltd. Dual-target fusion proteins comprising the fc portion of an immunoglobulin
US11560416B2 (en) 2017-04-21 2023-01-24 Yuhan Corporation Method for producing dual function proteins and its derivatives
CN107056925B (zh) 2017-04-28 2022-01-14 中国科学院合肥物质科学研究院 人fgf21突变体、其制备方法及用途
CN110913886A (zh) * 2017-05-24 2020-03-24 巴塞罗那自治大学 包含成纤维细胞生长因子21(fgf21)编码序列的病毒表达构建体
KR20200037750A (ko) * 2017-05-24 2020-04-09 유니버시타트 아우토노마 데 바르셀로나 섬유아세포 성장 인자 21 (fgf21) 코딩 서열을 포함하는 바이러스 발현 컨스트럭트
US11679143B2 (en) 2018-02-08 2023-06-20 Sunshine Lake Pharma Co., Ltd. FGF21 variant, fusion protein and application thereof
CN114853908B (zh) 2019-05-16 2024-06-07 浙江道尔生物科技有限公司 一种治疗代谢疾病的融合蛋白
US11542309B2 (en) 2019-07-31 2023-01-03 Salk Institute For Biological Studies Fibroblast growth factor 1 (FGF1) mutant proteins that selectively activate FGFR1B to reduce blood glucose
WO2021139763A1 (zh) * 2020-01-08 2021-07-15 上海翰森生物医药科技有限公司 Fgf21突变体蛋白及其融合蛋白
WO2021139744A1 (en) 2020-01-11 2021-07-15 Beijing Ql Biopharmaceutical Co., Ltd. Conjugates of fusion proteins of glp-1 and fgf21
CN113980147B (zh) * 2021-11-26 2023-07-28 中国药科大学 一种聚多肽与fgf21融合蛋白突变体及其应用
WO2024059507A1 (en) * 2022-09-12 2024-03-21 Akero Therapeutics, Inc. Fgf21 mutant polypeptides

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010129600A2 (en) * 2009-05-05 2010-11-11 Amgen Inc. Fgf21 mutants and uses thereof

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3773919A (en) 1969-10-23 1973-11-20 Du Pont Polylactide-drug mixtures
US4179337A (en) 1973-07-20 1979-12-18 Davis Frank F Non-immunogenic polypeptides
US4263428A (en) 1978-03-24 1981-04-21 The Regents Of The University Of California Bis-anthracycline nucleic acid function inhibitors and improved method for administering the same
JPS6023084B2 (ja) 1979-07-11 1985-06-05 味の素株式会社 代用血液
IE52535B1 (en) 1981-02-16 1987-12-09 Ici Plc Continuous release pharmaceutical compositions
US4640835A (en) 1981-10-30 1987-02-03 Nippon Chemiphar Company, Ltd. Plasminogen activator derivatives
DE3374837D1 (en) 1982-02-17 1988-01-21 Ciba Geigy Ag Lipids in the aqueous phase
HUT35524A (en) 1983-08-02 1985-07-29 Hoechst Ag Process for preparing pharmaceutical compositions containing regulatory /regulative/ peptides providing for the retarded release of the active substance
DE3474511D1 (en) 1983-11-01 1988-11-17 Terumo Corp Pharmaceutical composition containing urokinase
US4496689A (en) 1983-12-27 1985-01-29 Miles Laboratories, Inc. Covalently attached complex of alpha-1-proteinase inhibitor with a water soluble polymer
DE3572982D1 (en) 1984-03-06 1989-10-19 Takeda Chemical Industries Ltd Chemically modified lymphokine and production thereof
EP0206448B1 (en) 1985-06-19 1990-11-14 Ajinomoto Co., Inc. Hemoglobin combined with a poly(alkylene oxide)
US4791192A (en) 1986-06-26 1988-12-13 Takeda Chemical Industries, Ltd. Chemically modified protein with polyethyleneglycol
DE3889853D1 (de) 1987-11-05 1994-07-07 Hybritech Inc Polysaccharidmodifizierte Immunglobuline mit reduziertem immunogenem Potential oder verbesserter Pharmakokinetik.
CA2006596C (en) 1988-12-22 2000-09-05 Rika Ishikawa Chemically-modified g-csf
US5252714A (en) 1990-11-28 1993-10-12 The University Of Alabama In Huntsville Preparation and use of polyethylene glycol propionaldehyde
US6565841B1 (en) 1991-03-15 2003-05-20 Amgen, Inc. Pulmonary administration of granulocyte colony stimulating factor
US5470582A (en) 1992-02-07 1995-11-28 Syntex (U.S.A.) Inc. Controlled delivery of pharmaceuticals from preformed porous polymeric microparticles
US5234784A (en) 1992-04-01 1993-08-10 Eastman Kodak Company Method of making a projection viewable transparency comprising an electrostatographic toner image
US5824784A (en) 1994-10-12 1998-10-20 Amgen Inc. N-terminally chemically modified protein compositions and methods
US6133426A (en) 1997-02-21 2000-10-17 Genentech, Inc. Humanized anti-IL-8 monoclonal antibodies
AU2002322394A1 (en) * 2001-07-30 2003-02-17 Eli Lilly And Company Method for treating diabetes and obesity
CN101072577B (zh) 2004-10-07 2013-12-18 加利福尼亚大学董事会 ShK毒素类似物及其在选择性抑制Kv1.3钾通道中的应用
EP2068909B1 (en) * 2007-03-30 2012-04-25 Ambrx, Inc. Modified fgf-21 polypeptides and their uses
JOP20190083A1 (ar) * 2008-06-04 2017-06-16 Amgen Inc بولي ببتيدات اندماجية طافرة لـfgf21 واستخداماتها
EA201990619A1 (ru) * 2008-10-10 2019-07-31 Амген Инк. Fgf21 мутанты и их применение
US8188040B2 (en) * 2009-05-05 2012-05-29 Amgen Inc. FGF21 mutants and uses thereof
AU2010262927A1 (en) 2009-06-17 2012-01-19 Amgen Inc. Chimeric FGF19 polypeptides and uses thereof
AU2010326024A1 (en) 2009-12-02 2012-07-05 Amgen Inc. Binding proteins that bind to human FGFR1c, human beta-Klotho and both human FGFR1c and human beta-Klotho
UA109888C2 (uk) 2009-12-07 2015-10-26 ІЗОЛЬОВАНЕ АНТИТІЛО АБО ЙОГО ФРАГМЕНТ, ЩО ЗВ'ЯЗУЄТЬСЯ З β-КЛОТО, РЕЦЕПТОРАМИ FGF І ЇХНІМИ КОМПЛЕКСАМИ
CA2796055A1 (en) 2010-04-15 2011-10-20 Amgen Inc. Human fgf receptor and .beta.-klotho binding proteins
EP2548570A1 (en) * 2011-07-19 2013-01-23 Sanofi Pharmaceutical composition for treating a metabolic syndrome

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010129600A2 (en) * 2009-05-05 2010-11-11 Amgen Inc. Fgf21 mutants and uses thereof

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
FIBROBLAST GROWTH FACTOR-21 MEDIATES HEPATIC GLUCOSE METABOLISM OF TYPE 1 DIABETES MODEL AND ITS MEC, JPN6018032227, ISSN: 0003994995 *

Also Published As

Publication number Publication date
AU2012301769B2 (en) 2016-05-19
WO2013033452A3 (en) 2013-04-25
WO2013033452A2 (en) 2013-03-07
JP2014526441A (ja) 2014-10-06
CA2845357A1 (en) 2013-03-07
AU2012301769A1 (en) 2014-02-27
US20180000898A1 (en) 2018-01-04
US20140213512A1 (en) 2014-07-31
MX2014002260A (es) 2014-08-18
EP2750695A2 (en) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017226665A (ja) 1型糖尿病の治療における使用のためのfgf21
US20200325200A1 (en) Method of treating or ameliorating metabolic disorders using growth differentiation factor 15 (gdf-15)
US11739131B2 (en) Growth differentiation factor 15 (GDF-15) polypeptides
EP3241558B1 (en) Highly soluble leptins
JP6434485B2 (ja) Pla2g12aポリペプチド及びpla2g12a変異ポリペプチドを使用して代謝障害を治療する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190312