JP2017226622A - コラーゲン分解阻害用組成物 - Google Patents

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【課題】本発明は、従来知られているコラーゲン分解阻害用組成物と同等又はそれ以上の効果を有する新規のコラーゲン分解阻害用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】ビワエキス及びトラネキサム酸を併用することにより、高いコラーゲン分解阻害効果を有するコラーゲン分解阻害用組成物を提供する。また、該組成物を有効成分とすることにより、歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物の提供も可能となる。【選択図】なし

Description

本発明は、コラーゲン分解阻害用組成物に関する。さらに詳しくは、ビワエキス及びトラネキサム酸を有効成分として含むコラーゲン分解阻害用組成物に関する。
コラーゲンは細胞組織を支えるタンパク質であり、皮膚や骨等の生体組織の形成において重要な役割を果たしている。また、歯周組織の形成にも関与しており、歯肉及び歯根膜組織のコラーゲン線維が炎症によって破壊されることにより、歯と歯槽骨との結合組織性付着が喪失し、歯の脱落が起こる歯周炎等に関与することも知られている。
歯周炎及び歯肉炎からなる歯周病は成人の約8割が罹患しているとされている。歯肉炎の原因は主に細菌であるが、歯周炎の原因は不明とされており、有効な薬物治療法が存在していない。
そこで、本発明者らは歯周炎に有効な薬物治療法を開発するために検討したところ、重度歯周炎罹患患者の歯肉において、コラーゲンを極度に分解するアグレッシブ線維芽細胞(periodontitis−associated fibroblasts,PAF(以下、単にPAFと示す場合がある))の存在を見出した。そして、このPAFと歯肉上皮細胞を組み合わせ、コラーゲンを含む担体において3次元培養することにより、コラーゲン分解阻害剤をスクリーニングする方法を開発した(特許文献1、参照)。
PAFを含む3次元培養法は「生体外歯周炎モデル」として確立されており、このモデルを用いることにより、供与された素材におけるコラーゲン分解阻害効果を評価することができる。
このスクリーニング方法により、本発明者らは、チロシンキナーゼ阻害剤やオウゴン等の生薬の抽出物等がコラーゲン分解阻害効果を有することを確認している(特許文献2、3、参照)。これらの素材も歯周炎の予防や治療に有用な成分となり得るが、本発明者らはコラーゲン分解阻害効果を有する、さらなる有用な素材のスクリーニングを試みた。
歯周疾患の予防及び治療に有用な口腔用組成物として、トラネキサム酸とフラボノール類とを併用してなる組成物が、歯肉組織の炎症の発生及び進行を効果的に抑制することが開示されている(特許文献4、参照)。これはフラボノール類との併用により、トラネキサム酸の抗プラスミン効果が飛躍的に高まることによるものとされている。
また、歯肉炎や歯周炎等の歯周病およびう蝕を有効に予防等する剤として、ボダイジュ、シナモン、ビワ、月見草等の植物体の乾燥粉末または溶媒エキスからなる口腔内細菌の共凝集を阻害するための剤が開示されている(特許文献5、参照)。
さらに、歯垢形成抑制効果を著しく改善する口腔用組成物として、ビワ葉、ワレモコウ、オトギリソウ等の植物の抽出物と塩基性ペプチドとを配合させることも開示されている(特許文献6、参照)。
しかし、これらのトラネキサム酸やビワの乾燥粉末、抽出物等のコラーゲン分解阻害効果については示唆も検討もされていない。
特許第5679140号公報 特開2013−216589号公報 特開2011−256136号公報 特開平7−165551号公報 特開2006−199661号公報 特開2004−196756号公報
本発明は、従来知られているコラーゲン分解阻害用組成物と同等またはそれ以上の効果を有する新規のコラーゲン分解阻害用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ビワエキスとトラネキサム酸を併用することにより、高いコラーゲン分解阻害効果が示されることを見出し、本発明のコラーゲン分解阻害用組成物を得るに至った。本発明のコラーゲン分解阻害用組成物は歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物の有効成分として用いることができる。
このように、本発明は次のコラーゲン分解阻害用組成物、歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物等に関するものである。
(1)ビワエキス及びトラネキサム酸を有効成分として含むコラーゲン分解阻害用組成物。
(2)上記(1)に記載のコラーゲン分解阻害用組成物を有効成分として含む歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物。
本発明により、従来知られているコラーゲン分解阻害用組成物と同等又はそれ以上のコラーゲン分解阻害効果を有する、新たなコラーゲン分解阻害用組成物の提供が可能となる。また、該組成物により、歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物の提供も可能となる。
PAF及びnonPAFの3次元培養におけるコラーゲンゲルの収縮状態を示した図である。 コントロール(NC)のコラーゲン残量を1として、各ゲルのコラーゲン残量を比で示した図である(実施例)。 3次元培養後の各ゲルの大きさを示した図である(実施例)。
本発明の「コラーゲン分解阻害用組成物」とは、コラーゲンの分解を阻害する効果を有する組成物のことをいい、PAFを用いたコラーゲン分解阻害剤のスクリーニング方法において、“1)コラーゲンゲルの収縮を抑制する”及び/又は“2)スクリーニングにおいてコラーゲンゲルに残存するコラーゲン量が多い”ことを示す素材を有効成分とするものであればいずれのものも含まれる。
ここで“1)コラーゲンゲルの収縮を抑制する”とは、素材(被験物質)を添加したコラーゲンゲルにおいてPAFによるコラーゲンの溶解又は分解が阻害され、素材を含まないコラーゲンゲル(コントロール)と比べて、コラーゲンゲルの収縮が少ない状態になることをいう。
また、“2)コラーゲンゲル中に残存するコラーゲン量が多い”とは、3次元培養後にコラーゲンゲルに含まれる、残存しているコラーゲン量が、素材(被験物質)を含まないコラーゲンゲル(コントロール)と比べて多いことをいう。
このような本発明の「コラーゲン分解阻害用組成物」の有効成分として「ビワエキス」及び「トラネキサム酸」を挙げることができる。
なお、このスクリーニングにおいて使用するPAFとは具体的に、3次元培養において、コラーゲンゲルの収縮率が大きく、例えばコラーゲンを約6.9mg含むコラーゲンゲルにおいて、収縮後の残存コラーゲン量が約500μg以下と少ない、コラーゲン分解能が高い、ヒトの歯肉由来の線維芽細胞のことを指す。このようなPAFは、例えば直径35mmのコラーゲンゲルを用いて3次元培養を行った場合、培養終了時には直径3mm以下位までにコラーゲンゲルを収縮することが可能である(図1)。
なお、ヒトの歯肉由来の繊維芽細胞にはコラーゲン分解能を有するが、3次元培養においてPAFよりもコラーゲン分解能が低いノーマル線維芽細胞(nonPAF(以下、単にnonPAFと示す場合がある))も存在する。nonPAFは、3次元培養において、コラーゲンゲルの収縮率が小さく、例えばコラーゲンを約6.9mg含むコラーゲンゲルにおいて、収縮後の残存コラーゲン量が約500μgより多く、PAFと比べて明らかにコラーゲン分解能が低いヒトの歯肉由来の線維芽細胞である(図1)。
「ビワエキス」は、ビワの葉、実、果実の皮、枝等から水、エタノール等の溶媒によって抽出される成分であって、コラーゲン分解阻害効果を有するものであれば、従来知られているいずれのものでもあっても良い。特に、歯周組織のコラーゲン分解を起こすPAFに作用してコラーゲンの分解を阻害し、歯周炎の予防及び/又は治療に利用できるものであることが好ましい。
このような「ビワエキス」はヒト等の動物に安全に供与できるものであれば、国産ビワ葉抽出乾燥物(株式会社常盤植物研究所)等の市販のものであっても、独自に抽出したものであっても良い。また、使用の態様に応じて、粉末状態のものや、水等の溶媒に溶解した状態のものであっても良い。
また、「トラネキサム酸」はコラーゲン分解阻害効果を有するものであれば、従来知られているいずれのものであっても良いが、特に、歯周組織のコラーゲン分解を起こすPAFに作用してコラーゲンの分解を阻害し、歯周炎の予防及び/又は治療に利用できるものであることが好ましい。
このような「トラネキサム酸」はヒト等の動物に安全に供与できるものであれば、トラネキサム酸(第一ファインケミカル株式会社)等の市販のものであっても、独自に合成されたものであっても良い。また、使用の態様に応じて、粉末状態のものや、水等の溶媒に溶解した状態のものであっても良い。
「歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物」とはビワエキス及びトラネキサム酸を有効成分として含むものであって、歯周炎の治療あるいは予防、又はこれらの両方に有用な組成物のことをいう。該組成物は有効成分であるビワエキス及びトラネキサム酸のみからなるものであってもよく、その他薬学的に許容される他の成分を含むものであってもよい。
本発明の「コラーゲン分解阻害用組成物」や「歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物」には、ビワエキスを全体の0.01〜5%及びトラネキサム酸を0.01〜1%の割合で含むことが好ましく、特にビワエキスを全体の0.01〜1%及びトラネキサム酸を0.01〜0.1%の割合で含むことが好ましい。
本発明の「コラーゲン分解阻害用組成物」や「歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物」は、有効成分となる「ビワエキス」と「トラネキサム酸」を組み合わせた場合に、上記濃度となるようにそれぞれ配合したものを含むキットとして提供することもできる。
本発明の「歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物」の対象となる歯周炎としては、慢性歯周炎、侵襲性歯周炎、遺伝疾患に伴う歯周炎等が挙げられる。
本発明の「歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物」は、液状、固形状、半固形状等のどのような形状であっても良く、塗布剤、チューイングガム、歯磨き剤、うがい薬又はシリンジで投与する歯周ポケット内貼薬等として用いることができる。また、内服薬、歯肉や歯根膜への注射剤として用いることもできる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.試薬
1)線維芽細胞の培養に用いた試薬
MEMα(線維芽細胞用培地:和光純薬工業株式会社)、PSN(培地添加用抗生物質:GIBCO(登録商標)社)、FBS(Hyclone社)
2)上皮細胞の培養に用いた試薬
Epi−LIFE(登録商標)(上皮細胞用培地:GIBCO(登録商標)社)、Supplement S7(上皮細胞用増殖添加剤:GIBCO(登録商標)社)、上皮細胞用抗生物質(GIBCO(登録商標)社)
3)3次元培養コラーゲンゲルに用いた試薬
セルマトリックス(登録商標)TypeIA(新田ゼラチン株式会社)、5×DMEM濃縮培地(新田ゼラチン株式会社)、緩衝液(新田ゼラチン株式会社)
2.被験物質
表1に記載の各素材を各溶媒に溶解したものを被験物質とした。
3.ヒト歯肉線維芽細胞及びヒト歯肉上皮細胞の初代培養
日本大学歯学部倫理委員会の規定に基づいて、治療目的で切除されたヒト歯肉組織片の一部を材料とした。予め患者には、組織の一部が本研究に用いられることの同意を得た。
ヒト歯肉組織片を細切し、ディスパーゼI(合同酒精株式会社)処理により上皮組織と結合組織に分けた。それぞれの組織片をプレートの底に静置し、組織片から外生した細胞を初代培養ヒト歯肉線維芽細胞(gingival fibroblasts,GF(以下、単にGFと示す場合がある))又は初代培養ヒト歯肉上皮細胞(gingival epithelial cells,GE(以下、単にGEと示す場合がある))とした。
GFもしくは初代培養ヒト歯肉線維芽細胞のうち、GEを播種した3次元培養において、コラーゲン分解能が特に高いことが確認されたアグレッシブな線維芽細胞として、PAF1(GF00)、PAF2(GF32−4)、PAF3(GFe25−4)、PAF4(GFe30−3)、PAF5(GFe34−3)、PAF6(GFe37−2)、PAF7(GFe6−1)及びPAF8(GFe29−3)の8種を得た。これらのPAFをそれぞれ継代培養し、継代3代目から12代目のものを3次元培養コラーゲンゲルの調製に用いた。
また、ヒト歯肉上皮細胞(GE)としてGE1、GE2及びGE3の3種を得た。これらをそれぞれ継代培養し、継代4代目から12代目のものを3次元培養コラーゲンゲルの調製に用いた。
4.各被験物質のコラーゲン分解阻害効果の検討(A)
1)3次元培養コラーゲンゲルの構築
上記1.に示した試料であるセルマトリックス TypeIA(コラーゲン濃度:3mg/ml)2.3ml、5xDMEM0.67ml及び緩衝液0.33mlを加えた。この緩衝液は、上記2.に示した各素材を100μg/mlとなるように加えたものである。また、コントロールとして素材を含まず、セルマトリックス TypeIA(コラーゲン濃度:3mg/ml)2.3ml、5xDMEM0.67ml及び緩衝液0.33mlを加えたものも作成した。
これらに上記3.にて継代培養した線維芽細胞(PAF)の100%牛胎児血清(FBS)浮遊液0.5mLを加えてよく混和し、その全量を6穴プレート(住友ベークライト)の1穴に播種した。
これを炭酸ガスインキュベーター中で30分間加温し、コラーゲンがゲル化していることを確認した。このコラーゲンゲルには、約6.9mgのコラーゲンが含まれていた。
各素材を含むコラーゲンゲルのゲル上に上記3.にて継代培養したGEを播種した。さらに16時間後、プレートからゲルを剥離し、培地中に浮遊させ、浮遊培養を開始した。
なお、これらの被験物質について、PAF(初代培養)の二次元培養において細胞毒性を評価したところ、各素材を100μg/ml添加した場合でも細胞の増殖が阻害されなかったことから細胞毒性に差が見られないことを確認している。また、この3次元培養コラーゲンゲルはそのまま、3次元培養生体外歯周炎モデルとして使用することができる。
2)結果
GEとしてGE1またはGE2およびGE3を用い、PAFとしてPAF1(GF00)、PAF2(GF32−4)又はPAF3(GFe25−4)のいずれかを含む3次元培養コラーゲンゲルにおける結果を表2に示した。
結果は次の評価基準に基づき、浮遊培養後の各素材を含むコラーゲンゲルの大きさ(収縮の程度)を、素材を含まないコントロールのコラーゲンゲルと比較して得た。
<評価基準>
効果なし:PAFを含むコラーゲンゲルにおいて、コントロールのゲルと同程度の収縮を示したことから、その素材を加えたところでPAFによるゲルの収縮を抑制できず、コラーゲン分解阻害効果を有さないことを指す。
やや効果あり:PAFを含むコラーゲンゲルにおいて、コントロールのゲルよりも収縮の程度が低く、やや大きいゲルが視認されたことから、その素材がPAFのコラーゲン分解能の阻害において、やや効果を有することを指す
効果あり:PAFを含むコラーゲンゲルにおいて、コントロールのゲルよりも収縮の程度が低く、明らかに大きいゲルが視認されたことから、その素材がPAFのコラーゲン分解能の阻害において、効果を有することを指す。
細胞にダメージあり:PAFを含むコラーゲンゲルにおいて、PAFのコラーゲン分解能が消失し、ゲルがほとんど収縮されない状態のことを指す。また、このゲルに含まれるPAFを顕微鏡観察した場合、PAFは突起を伸ばさず丸くなり、線維芽細胞の形態を保てなくなっている状態のことを指す。
表2に示されるように、D1からD5の被験物質は、コラーゲン分解阻害効果を示さなかった(表2、効果なし)。
また、D6からD10のうちD6、D8、D9は3種のPAFのうち2種にコラーゲン分解阻害効果を示すものの(表2、効果あり、または、やや効果あり)、残りの1種にはコラーゲン分解阻害効果を示さず、結果にばらつきがあった。D10はPAF1種において細胞毒性が認められ、1種のPAFにはコラーゲン分解阻害効果を示すものの、もう1種のPAFにはコラーゲン分解阻害効果を示さなかった。
これらの被験物質に対して、D7の国産ビワ葉抽出乾燥物を用いた場合ははいずれの種においてもコラーゲン分解阻害効果が得られ、安定したコラーゲン分解阻害効果を有することが確認できた。
5.添加剤の検討
国産ビワ葉抽出乾燥物(D7)と併用することによるコラーゲン分解阻害効果を向上し得る添加剤について検討した。薬用歯磨きに配合可能な次の薬用成分4種を添加剤の候補とした。
DT1:トラネキサム酸(第一ファインケミカル株式会社)を水に溶解したもの
DT2:βグリチルレチン酸(アルプス薬品工業株式会社)をDMSOに溶解したもの
DT3:イソプロピルメチルフェノール(大阪化成株式会社)をDMSOに溶解したもの
DT4:塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業株式会社)を水に溶解したもの
24穴プレート(住友ベークライト)にPAFをコンフルエントに達するまで培養した後、D7単独、DT1〜DT4単独、又はD7とDT1〜DT4のいずれかを含む培地に交換し、48時間、72時間及び96時間培養を継続した。
その結果、DT3単独、DT4単独、D7とDT3の併用、及びD7とDT4の併用の場合には、いずれも細胞の増殖が阻害され、細胞毒性が認められた。一方、D7単独、DT1単独、DT2単独、D7とDT1の併用、及びD7とDT2の併用の場合には、細胞の増殖が阻害されず、細胞毒性がないことが確認できた。
さらに、D7とこれらの添加剤を含む培地において、PAFを48時間2次元培養し、各細胞のコラーゲン合成量を測定した結果、D7とDT2の併用、及びD7とDT4の併用の場合にはD7単独の場合と比べてコラーゲン合成能が大幅に低下することが確認された。
従って、これらの結果より、細胞毒性を示さず、コラーゲン合成能に影響を及ぼさないD7とDT1との併用によるコラーゲン分解阻害効果を検討することとした。
6.各被験物質のコラーゲン分解阻害効果の検討(B)
上記4.1)と同様に、3次元培養コラーゲンゲルを構築する段階で、D7を10μg/ml、DT1を0.1mM、又はD7を10μM及びDT1を0.1mMとなるように加えたゲルをそれぞれ調製した。また、コントロールとして被験物質を含まないゲルも調製した。これらに上記3.にて継代培養したGE3をそれぞれ播種して培養することで3次元培養コラーゲンゲルを構築した。
この3次元培養コラーゲンゲルを培地中に浮遊させ、5日間培養した後、各ゲル中のコラーゲン残量をSircol(商標)collagen assay kit(biocolor社)を用いて定量した。コントロールのゲルのコラーゲン残存量を1として、各ゲルのコラーゲン残存量の比を示すことにより、各被験物質におけるコラーゲン分解阻害効果を検討した(図2)。また、図3に各ゲルの大きさを示した。
その結果、図2及び図3に示すように、いずれのPAFにおいても、国産ビワ葉抽出乾燥物(D7)のみや、トラネキサム酸(DT1)のみを作用させた場合と比べて、これらを併用した場合に、コラーゲン残存量が相乗的に増加することが確認できた。
従って、これらの結果より、ビワエキスとトラネキサム酸を併用させることで顕著にコラーゲン分解を阻害できることが確認できた。
本発明のビワエキス及びトラネキサム酸を有効成分として含むコラーゲン分解阻害用組成物の提供により、口腔内用組成物の有効成分として公知かつ安全な成分を有効成分として含む、新たな歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物の提供が可能となる。

Claims (2)

  1. ビワエキス及びトラネキサム酸を有効成分として含むコラーゲン分解阻害用組成物。
  2. 請求項1に記載のコラーゲン分解阻害用組成物を有効成分として含む歯周炎を治療及び/又は予防するための組成物。
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