JP2017224369A - 音響装置及び音響システム - Google Patents

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Shunsuke Fujino
俊輔 藤野
匡史 金田
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匡史 金田
隆之 清水
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隆之 清水
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Nobuhisa Suzuki
伸久 鈴木
紀之 阿部
Noriyuki Abe
紀之 阿部
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Abstract

【課題】筐体に脚部を取り付けたまま音質を調整できるようにする。【解決手段】音響装置10は、筐体11と、筐体11の底板12に取り付けられ、筐体11に対して可動して載置面に接地する接地位置を変更可能な複数の脚部20とを備える。筐体11の底板には、脚部11の各々について、接地位置を位置決めするために用いられるマーク122が付されている。音響装置10において、筐体11に脚部20を取り付けたまま脚部20を可動させて載置面に対する接地位置を変えることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、筐体を支持する脚部を備えた音響装置及び音響システムに関する。
オーディオ装置などの音響装置は、一般に、筐体の底板に筐体を支持する複数の脚部を備える。この脚部が載置面に接触する接地位置や接地面積によって、筐体の振動の大きさや周波数が異なる。特許文献1には、オーディオ装置の自重に応じて2通りの筐体(点接触で載置する筐体と面接触で載置する筐体)に用いることができる脚部の構造が開示されている。特許文献1の脚部には、その下面から先端が突没可能なボス(リブ)が設けられている。自重が軽いオーディオ装置では、底板に孔が形成されていない筐体に脚部を取り付ける。これによればオーディオ装置を載置面に載置したときにボスの先端とは反対側の端部が底板の下面に当接することで、ボスの先端が脚部の下面から下方に突出し、ボスによる点接触にて載置される。これに対して、自重が重いオーディオ装置では、底板に孔が形成された筐体に脚部を取り付ける。これによりオーディオ装置を載置面に載置したときにボスの先端とは反対側の端部が底板の孔に挿入されることで、ボスの先端が脚部内に没入し、脚部の下面による面接触にて載置される。
特開平8−79872号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、音質を変えるために脚部の接地面積を変えようとすれば、筐体の構成自体を、ボスが挿入する孔が形成された筐体と当該孔が形成されていない筐体とのいずれかに変えて、脚部を付け替えなければならない。このため、筐体に脚部を取り付けたまま音質を変えることはできず、利用者が好みに応じて音質を調整することもできない。そもそも特許文献1はオーディオアンプなどの自重が重いオーディオ装置では、音質よりもむしろ設置の安定性を高めるために載置面に面接触で載置できるようにしたものである。
本発明は、このような背景の下に、筐体に脚部を取り付けたまま音響装置から出力される信号の音質を調整することを解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る音響装置の一態様は、筐体と、前記筐体の底板に取り付けられ、前記筐体に対して可動して載置面に接地する接地位置を変更可能な複数の脚部とを備える。
この態様によれば、筐体に対して可動する脚部が筐体の底板に取り付けられるから、筐体に脚部を取り付けたまま脚部を可動させて載置面に接地する接地位置を変更することができる。
上記態様において、筐体の底板には、複数の脚部の各々について、前記接地位置を位置決めするために用いられるマークが付される。この態様によれば、利用者はマークを目印にして複数の脚部の各々を可動させることにより、容易に複数の脚部の位置決めを行うことができる。また、各脚部の接地位置の組み合わせを一意に定めることができる。
上記態様において、複数の脚部の各々は、当該脚部の接地位置を所定位置に保持するラッチ機構を備えることが好ましい。
上記態様において、前記複数の脚部を可動させる動作部と、動作部を動作させて脚部の接地位置を制御する制御部とを備えることが好ましい。
本発明に係る音響システムの一態様は、音響装置と前記音響装置を制御する端末装置とを備え、前記音響装置は、筐体と、前記筐体の底板に取り付けられ、前記筐体に対して可動して載置面に接地する接地位置を変更可能な複数の脚部と、前記複数の脚部を可動させる動作部と、前記端末装置と通信する第1通信部と、前記動作部を動作させて前記複数の脚部の接地位置を制御する制御部と、を備え、前記端末装置は、利用者の操作を受け付ける操作部と、前記操作部で受け付けた前記利用者の操作に応じて、前記動作部を制御する制御データを生成する制御データ生成部と、前記制御データを前記音響装置に送信する第2通信部と、を備え、前記音響装置の前記制御部は、前記第1通信部を用いて前記制御データを受信すると、受信した前記制御データに基づいて前記動作部を制御する。
上記態様において、前記端末装置は、音楽の種類と前記制御データとを対応付けて記憶した記憶部を備え、前記制御データ生成部は、前記操作部で、利用者が音楽の種類を選択したことを受け付けると、受け付けた音楽の種類に応じた前記制御データを前記記憶部から読み出して、前記制御データを生成する。
第1実施形態に係る音響装置の構成を示す外観斜視図である。 脚部の側面図である。 脚部の底面図である。 音響装置に取り付けた脚部の断面図である。 音響装置の底面図である。 接地位置パターンと各脚部の接地位置を示す図である。 第1実施形態の変形例に係る音響装置の脚部の断面図である。 第1実施形態の変形例に係る音響装置の底面図である。 第2実施形態に係る音響システムの構成図である。 第2実施形態に係る音響システムの構成を示すブロック図である。 図10に示すデータテーブルの具体例を示す図である。 端末装置の調整モード選択画面を示す図である。 端末装置のマニュアル調整画面を示す図である。 端末装置の機種選択画面を示す図である。 端末装置の音楽の種類の選択画面を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の音響装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る音響装置は、例えばオーディオアンプなどのオーディオ装置である。ただし、オーディオアンプに限られず、CD(Compact Disc)あるいはDVD(digital versatile disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)などの光ディスクをドライブして音響再生を行うディスクプレーヤなどにも適用可能である。
図1は、本実施形態に係る音響装置10の構成を示す外観斜視図である。図1に示すように、音響装置10は底板12と天板13と前面パネル14と背面パネル15と左右の側板16に囲まれた箱状の筐体11を備える。天板13と側板16は一体で構成され、前面に前面パネル14を配置すると共に背面に背面パネル15を配置し、底板12上に天板13を被せて、底板12に側板16をネジなどで締結することで、筐体11を箱状に構成する。なお、天板13と側板16は別々に構成してもよい。
前面パネル14には電源スイッチ142や操作スイッチ144などのスイッチ類や表示部146が設けられ、背面パネル15には図示しない端子類が設けられている。端子類には入力端子と出力端子が含まれる。入力端子からは音楽や音声、動画などの信号が入力され、音響装置10により増幅される。出力端子には、スピーカやディスプレイが接続され、音響装置10により増幅された音楽や音声、動画などの信号が出力される。筐体11内の底板12の上面には、図示しない電気回路シャーシやメカシャーシ等が固定される。筐体11の形状や大きさは、図示したものに限られない。底板12の下面には筐体11を支持する複数の脚部20が、筐体11に対して可動するように取り付けられている。
本実施形態では、4つの脚部20をそれぞれ、底板12の四隅付近の各々に回転可能に取り付けられた場合を例示している。なお、脚部20の個数は4つに限られず、筐体11の形状や大きさに合わせて例えば3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
ここで、本実施形態の脚部20の具体的構成例について説明する。図2乃至図4は、図1に示す脚部20のうちの1つの構成を示す図である。図2は、脚部20を側方から見た側面図であり、図3は、脚部20を下方から見た底面図である。図4は、脚部20を底板12に取り付けた場合の断面図である。
本実施形態の4つの脚部20はそれぞれ同様の構成であるため、そのうちの1つを代表して説明する。図2及び図3に示すように、脚部20は略有底円筒状である。図4に示すように、脚部20の中心Gを通る上下方向の直線を中心線G−Gとすると、脚部20は中心線G−Gの周りを囲んで内側に配置される内側円筒部22と、内側円筒部22の外側に配置される外側円筒部24と、底部26とを備える。内側円筒部22と外側円筒部24とは所定の間隔で離間している。
図4に示すように、内側円筒部22と外側円筒部24との間には、内側円筒部22の外周から外側円筒部24の内周に放射線状に延びる複数のリブ23が形成されている。例えば4つのリブ23を周方向に沿って等間隔で配置するようにしてもよい。なお、リブ23の数はこれに限られず、また必ずしもリブ23が設けられていなくてもよい。
底部26は、円板状に形成され、中心線G−Gを通る貫通孔262を有する。この貫通孔262の縁部に内側円筒部22の下端が連結されており、底部26の外周の縁部に外側円筒部24の下端が連結されている。このように、内側円筒部22の下端から外側円筒部24の下端までの開口は底部26によって閉じられる。
内側円筒部22の上端の開口は、円板部材27で閉じられている。円板部材27は、底板12に回転可能に取り付けられる。具体的には図4に示すように、円板部材27には、中心線G−Gを軸芯とする貫通孔272が形成され、貫通孔272には、ネジ25が挿入される。ネジ25は貫通孔272に隙間を空けて挿入されて、底板12にねじ込まれて固定される。これにより、脚部20は底板12に対して中心線G−Gを中心に回転可能となる。なお、ネジ25は、筐体11の振動で脚部20が動いてしまわない程度に締め付けることが好ましい。
図4に示すように、底板12の下面と円板部材27の上面との間に摺動シート28を介在させると共に、ネジ25の頭部252と円板部材27の下面との間に摺動シート29を介在させるようにしてもよい。このように、摺動シート28を介して円板部材27の上面を底板12に接触させて、摺動シート29を介してネジ25の頭部252を接触させることによって、円板部材27が底板12に対して回転し易くすることができる。
本実施形態の脚部20の底部26には、底部26の下面から下方に突出する断面矩形の突起部30が設けられている。音響装置10を載置面Pに載置したときに、突起部30の下面が載置面Pに接触する。突起部30は、脚部20の中心Gからずれた位置に配置される。これにより、各脚部20を中心線G−Gの周りに回転させることで、各脚部20の突起部30の位置を変えることができる。本実施形態の底部26には、下方に突出する略円形状の段差部264が形成されており、段差部264の下面に突起部30が形成されている。即ち、4個の脚部20の各々は、筐体11の底板12に取り付けられ、筐体11に対して可動して載置面Pに接地する接地位置を変更可能である。
なお、突起部30の位置や形状は、図示したものに限られない。本実施形態では、突起部30の下面の形状が矩形の場合を例示しているが、例えば突起部30の下面の形状は菱形であってもよく、また円形や楕円形であってもよい。
このような本実施形態に係る音響装置10の構成によれば、各脚部20を筐体11に対して中心線G−Gを中心に回転させることで各突起部30の載置面Pに対する接地位置を変えることができる。各突起部30の接地位置が変えることで、載置面Pに対する筐体11の荷重の重心も変わる。
音響装置において、その固有振動周波数によって出力される信号の音質が変化することが知られている。音響装置内の配線などが、固有振動周波数に応じた周波数で振動すると、この振動に応じて配線のインピーダンスなどの電気的特性が変化する。したがって、音響装置の固有振動周波数や振動の大きさを変化させることができれば、音質を変化させることが可能となる。
上述したように、脚部20を回転させると、突起部30の載置面Pに対する接地位置が変わるので、筐体11の固有振動周波数及び振動の大きさを変化させることができる。したがって、本実施形態によれば、筐体11に脚部20を取り付けたまま脚部20を回転させるだけで音質を変えることができ、利用者が好みに応じて音質を調整できる。また、脚部20を付け替える必要もなく、工具を使わずに、手で簡単に脚部20を回転させることができる。さらに経年変化によって筐体11の振動が変化した場合でも、脚部20を回転させることで変化分を簡単に打ち消すことができる。これにより、初期の音質を保つことができる。
筐体11の固有振動周波数は、各突起部30の接地位置を変えることによって、調整することができる。そこで、本実施形態では、4つの突起部30の接地位置の組み合わせを接地位置パターンとして定めておく。利用者が複数の接地位置パターンから選択した接地位置パターンを適用することにより、音響装置10から出力される信号を所望に音質に調整することが可能となる。例えば、音楽の種類(ジャンル)に応じた複数の接地位置パターンを定めてもよい。
接地位置パターンについて説明する。ここでは、3つの接地位置パターンA、B、及びCを例に挙げる。図5は、音響装置10を下から見た底面図である。図6は、図5の各接地位置パターンA、B、及びCの各々に対応する音響装置10の底面図を表にしたものである。
図5に示すように、4つの脚部20(L1〜L4)の各々に、接地位置パターンAに対応するマーク122と、接地位置パターンBに対応するマーク122と、接地位置パターンCに対応するマーク122とが付されている。
具体的には接地位置パターンAのマーク122は、脚部20の中心Gを中心として放射線状に延びる複数の線分と「A」との文字からなる。接地位置パターンBのマーク122は、脚部20の中心Gを中心として放射線状に延びる複数の線分と「B」との文字からなる。接地位置パターンCのマーク122は、脚部20の中心Gを中心として放射線状に延びる複数の線分と「C」との文字からなる。図5のマーク122、302はそれぞれ直線形状であるが、これに限られず、点形状などであってもよい。
底板12の接地位置パターンA、B及びCの各々に対応するマーク122のいずれかに、突起部30のマーク302を合わせるように、利用者が各脚部20を回転させる。これにより、接地位置パターンA、B、及びCのいずれかに調整できる。
このように、マーク122に合わせることで脚部20の突起部30の接地位置を所望の位置に簡単に位置決めすることができる。また、接地位置パターンA、B、及びCをそれぞれ、音楽の種類に対応させることもできる。例えば音楽の種類がロックのときには接地位置パターンA、ジャズのときには接地位置パターンB、クラッシックのときには接地位置パターンCとする。これにより、各脚部20を回転させて各突起部30の位置を接地位置パターンA、B、及びCのいずれかに合わせることで、その音楽の種類に最適な音質に容易に調整することができる。なお、図5では、接地位置パターンA、B、及びCのマーク122を底板12に直接付した場合を例示したが、これに限られず、接地位置パターンA、B、及びCのマーク122を付したテンプレートを底板12に貼り付けるようにしてもよい。また、音響装置10とは、別体としてテンプレートを構成してもよい。この場合、テンプレートは、各脚部20に対応する箇所に穴が形成されている。利用者はこのテンプレートを音響装置10の底板12にあてがうことによって、簡単に音楽の種類に応じた音質に調整することが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
図7及び図8は、第1実施形態の変形例に係る音響装置10を説明するための図である。図7は、本変形例の音響装置10に取り付けられる脚部20の構成を示す断面図であり、図4に対応する。図8は、脚部20が取り付けられていない音響装置10を下方から見た底面図である。図7の脚部20は、図4の構成にラッチ機構40を設けたものである。ラッチ機構40は、脚部20の接地位置(突起部30が載置面Pに接地する位置)を所定位置に保持(ラッチ)する。ラッチ機構40は、各脚部20側に設けられる1つの係止凸部42と、底板12側に各脚部20に対応して設けられる複数の係止凹部44とを備える。
具体的には図7に示すように、各脚部20内には、1つの係止凸部42が脚部20の上方から突出し、上下に摺動可能に設けられている。脚部20には、係止凸部42を底板12に押しつけるように付勢するバネ43が設けられている。係止凸部42は、脚部20を中心線G−Gの周りに回転させたときに、係止凸部42と筐体11の底板12との接触点の軌跡は、中心線G−Gを中心とする円を描く。
図8に示すように、各脚部20の係止凸部42と筐体11の底板12との接触点の円状の軌跡上に、複数の係止凹部44が形成されている。図8では、各脚部20の係止凸部42に対して、図6に示す接地位置パターンA、B、及びCに対応するマーク122の位置で保持されるように、3つずつの係止凹部44を形成した場合を例示する。
このような変形例の構成によれば、各脚部20を回転させると、係止凸部42が3つの係止凹部44のいずれかに挿入されることで、接地位置パターンA、B、及びCのいずれかの位置で保持される。このように脚部20が所定位置に保持されることにより、各脚部20の接地位置が接地位置パターンA、B、及びCのいずれかになるように確実に調整できる。また、保持されることによって、音響装置10の振動によって各脚部20が回転してしまわないようにすることができる。なお、係止凹部44の個数は、各脚部20の係止凸部42に対して3つずつに限られるものではなく、例えば4つ以上ずつ設けてもよい。例えば接地位置パターンA、B、及びCの途中の位置でも脚部20が保持されるように係止凹部44を形成してもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。第1実施形態では、筐体11の底板12に脚部20をネジ25で回転自在に軸支して手動で回転可能とした場合を例示したが、第2実施形態では、各脚部20をモーター50の回転軸52で軸支してモーター50で回転可能とした場合を例示する。モーター50は脚部20を可動する動作部として機能する。
図9は、第2実施形態に係る音響システムの構成図である。図9に示すように、第2実施形態に係る音響システムは、音響装置10と端末装置60とを備える。第2実施形態の音響装置10は、筐体11内に4つの脚部20に対応する4つのモーター50が設けられている。各モーター50の回転軸52は、底板12の貫通孔272に挿入され、脚部20の貫通孔272に固定される。各モーター50は、端末装置60から受信する制御データに基づいて駆動される。各モーター50は、例えば、スッテピングモーターで構成される。ステッピングモーターは、基準位置に対する角度を駆動パルスの数によって制御することができる。
図10は、図1の音響装置10と端末装置60の構成を示すブロック図である。音響装置10は、制御部102と第1通信部104と各モーター50とを備える。第1通信部104は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信によって情報の送信または受信を行う。第1通信部104は、端末装置60から送信される制御データを受信して、制御部102に出力する。制御部102は、各モーター50を動作させて4個の脚部20の接地位置を制御する。具体的には、制御部102は、制御データに基づいて、各モーター50を駆動する。これにより、各脚部20の接地位置が調整される。
端末装置60は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末装置である。端末装置60は、タッチパネルディスプレイ61と、CPU62と、メモリ63と、第2通信部66とを備える。CPU62は、端末装置60の全体を制御する制御中枢として機能する。また、CPU62は、メモリ63に記憶されている制御プログラム633を実行することにより、制御データ生成部621として機能する。タッチパネルディスプレイ61は、各種の情報を表示する表示部64と、利用者の操作を受け付ける操作部65として機能する。第2通信部66は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信によって情報の送信または受信を行う。
メモリ63は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を備える。メモリ63には制御プログラム633及び制御プログラムで用いられるデータが格納されるとともに、CPU62の作業領域として機能する。メモリ63は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、RAMやROM等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、本明細書中において、「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。
メモリ63は、音楽の種類及び接地位置パターンと各脚部20の接地位置の角度とを関連づけたデータテーブル632を記憶する記憶部として機能する。例えば、図11に示す例では、データテーブル632は、複数の機種X1、X2、X3ごとに異なるテーブルが設けられている。これによって、音響装置10の機種ごとに音楽の種類(ジャンル)に応じた各脚部20の接地位置の角度を設定できる。図11のデータテーブル632には、音楽の種類及び接地位置パターンA、B、及びCと各脚部20(L1〜L4)の角度の組合せが関連づけて記録されている。各脚部20(L1〜L4)の角度は、突起部30の載置面Pに対する接地位置を指定するものであって、基準位置から所定方向(例えば、左回り)に当該脚部20をどれだけ回転させればよいかを指定する。
例えば機種X1のデータテーブル632には、音楽の種類JAに接地位置パターンAと各脚部20(L1〜L4)の角度A1〜A4が関連づけて記憶されている。例えば音楽の種類JAはロックであり、JBはジャズであり、JCはクラッシックである。端末装置60で音楽の種類JAが選択されると、制御データ生成部621は、データテーブル632から音楽の種類JAに対応する接地位置パターンAの角度A1〜A4を読み出して、角度A1〜A4を示す制御データを生成する。この制御データは第2通信部66から音響装置10に送信される。音響装置10の制御部102は、第1通信部104で端末装置60からの制御データを受信すると、受信した制御データに基づいて各モーター50を制御し、各脚部20(L1〜L4)を接地位置パターンAの角度A1〜A4の角度に回転させる。こうして音楽の種類に応じて自動的に、各脚部20(L1〜L4)の突起部30が接地位置パターンAの位置に調整される。また、各モーター50で各脚部20を回転させるので、重たい音響装置10でも、利用者が筐体11を持ち上げずに各脚部20の接地位置を調整できる。
本実施形態では、端末装置60において音響装置10の制御用のアプリケーションプログラム(アプリ)を実行させることで、タッチパネルディスプレイ61によって音響装置10の機種の選択や音楽の種類の選択の操作が可能になる。図12乃至図15は、アプリケーションプログラムを実行した場合にタッチパネルディスプレイ61に表示される画面の具体例である。図12は、アプリケーションプログラムを実行した場合に最初に表示される調整モード選択画面である。図13は、図12のマニュアル調整がタッチされた場合に表示されるマニュアル調整画面である。図14は、図12のオート調整がタッチされた場合に表示される機種選択画面であり、図15は、図14の機種がタッチされた場合に表示される音楽の種類の選択画面である。
端末装置60において、音響装置10の制御用のアプリケーションプログラムが実行されると、図12に示す調整モード選択画面がタッチパネルディスプレイ61に表示される。この調整モード選択画面には、「マニュアル調整」と「オート調整」の2つのモードを選択するボタンが表示される。「マニュアル調整」は、タッチパネルディスプレイ61で各脚部20を所望の角度に調整するモードである。「オート調整」は、音響装置10の機種と音楽の種類を選択することで自動的に各脚部20を調整するモードである。
図12に示す調整モード選択画面において、「マニュアル調整」のボタンがタッチされた場合には、図13に示すマニュアル調整画面がタッチパネルディスプレイ61に表示される。マニュアル調整画面には、各脚部20(L1〜L4)と「送信」ボタンが表示される。各脚部20(L1〜L4)に利用者がタッチして所望の角度に回転させて「送信」ボタンをタッチすると、CPU62は操作部65から出力される信号に応じて、制御データを生成する。この制御データは、各脚部20の角度を指定する。
制御データが音響装置10に送信され、音響装置10は制御データを受信すると各脚部20(L1〜L4)をタッチパネルディスプレイ61の角度と同じ角度に調整する。これにより、各脚部20(L1〜L4)を所望の角度に調整できるので、所望の音質に調整することができる。
図12に示す調整モード選択画面において、「オート調整」のボタンがタッチされた場合には、図14に示す機種選択画面がタッチパネルディスプレイ61に表示される。機種選択画面には、図11のデータテーブル632に対応して「機種X1」「機種X2」「機種X3」のボタンが表示される。例えば「機種X1」がタッチされると、図15に示す音楽の種類の選択画面がタッチパネルディスプレイ61に表示される。音楽の種類の選択画面は、図11のデータテーブル632に対応して各機種ごとの画面が表示される。
図15に示す音楽の種類の選択画面には、図11のデータテーブル632に対応して音楽の種類「JA」「JB」「JC」のボタンと「送信」ボタンが表示される。図15の「JA」「JB」「JC」のいずれかのボタンを利用者がタッチし、さらに「送信」ボタンをタッチすると、CPU62は、利用者が選択した音楽の種類に応じた角度をデータテーブル632から読み出して、制御データを生成する。この後、CPU62は、制御データを音響装置10に送信する。音響装置10は制御データを受信すると、各脚部20(L1〜L2)を接地位置パターンの角度に調整する。これにより、各脚部20(L1〜L2)を接地位置パターンの角度に調整できるので、音楽の種類に合った音質に調整することができる。なお、特定の音響装置10の制御を行う場合など予め音響装置10の機種が分かっている場合もある。そのような場合には、「オート調整」のボタンがタッチされた場合に、音響装置10の機種選択画面を表示せずに、音楽の種類の選択画面を表示させるようにしてもよい。
<変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、以下に述べる各種の変形が可能である。また、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせてもよい。
第1実施形態及び第2実施形態では、脚部20を可動可能な構成として、脚部20を回転可能とした場合を例示したが、これに限られず、脚部20をスライド可能に構成してもよい。
上述した各実施形態においては、全ての脚部が、筐体11の底板12に対して可動するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部の脚部が筐体11の底板12に対して可動し、その他の脚部が筐体11の底板12に固定されてもよい。この場合でも、一部の脚部については、可動できるので、筐体11の固有振動周波数及び振動の大きさの少なくとも一方を調整することができる。
また、第2実施形態では、データテーブル632を端末装置60のメモリ63に記憶したが、本発明はこれに限定されるものではなく、音響装置10に記憶してもよい。この場合、オート調整において、端末装置60の制御データ生成部621は、音楽の種類を示すデータを制御データとして生成する。第2通信部66によって当該制御データが音響装置10に送信されると、音響装置10の第1通信部104が制御データを受信する。制御部102は、データテーブル632を参照して、受信した制御データの示す音楽の種類に対応した各脚部20の角度を読み出す。そして、制御部102は、読み出した各脚部20の角度となるように各モーター50を制御する。
10…音響装置、102…制御部、104…第1通信部、11…筐体、12…底板、122…マーク、20…脚部、22…内側円筒部、23…リブ、26…底部、28…摺動シート、29…摺動シート、30…突起部、302…マーク、40…ラッチ機構、42…係止凸部、43…バネ、44…係止凹部、50…モーター、60…端末装置、61…タッチパネルディスプレイ、62…CPU、621…制御データ生成部、63…メモリ、632…データテーブル、64…表示部、65…操作部、66…第2通信部、A1〜A4…角度、P…載置面、X1、X2、X3…機種。

Claims (6)

  1. 筐体と、
    前記筐体の底板に取り付けられ、前記筐体に対して可動して載置面に接地する接地位置を変更可能な複数の脚部と
    を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 前記筐体の底板には、前記複数の脚部の各々について、前記接地位置を位置決めするために用いられるマークが付される、請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記複数の脚部の各々は、当該脚部の前記接地位置を所定位置に保持するラッチ機構を備える、請求項2に記載の音響装置。
  4. 前記複数の脚部を可動させる動作部と、
    前記動作部を動作させて前記脚部の接地位置を制御する制御部と、を備えた、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の音響装置。
  5. 音響装置と前記音響装置を制御する端末装置とを備え、
    前記音響装置は、
    筐体と、
    前記筐体の底板に取り付けられ、前記筐体に対して可動して載置面に接地する接地位置を変更可能な複数の脚部と
    前記複数の脚部を可動させる動作部と、
    前記端末装置と通信する第1通信部と、
    前記動作部を動作させて前記複数の脚部の接地位置を制御する制御部と、を備え、
    前記端末装置は、
    利用者の操作を受け付ける操作部と、
    前記操作部で受け付けた前記利用者の操作に応じて、前記動作部を制御する制御データを生成する制御データ生成部と、
    前記制御データを前記音響装置に送信する第2通信部と、を備え、
    前記音響装置の前記制御部は、前記第1通信部を用いて前記制御データを受信すると、受信した前記制御データに基づいて前記動作部を制御する、
    ことを特徴とする音響システム。
  6. 前記端末装置は、音楽の種類と前記制御データとを対応付けて記憶した記憶部を備え、
    前記制御データ生成部は、前記操作部で、利用者が音楽の種類を選択したことを受け付けると、受け付けた音楽の種類に応じた前記制御データを前記記憶部から読み出して、前記制御データを生成する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の音響システム。
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