JP2017224227A - 情報処理装置、イジング装置及び情報処理装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、従来のイジング装置は、2つのビットの結合の強さを示す重み値を含むエネルギー関数(以下2次のエネルギー関数という)を用いるものである。イジング装置を、より多様な最適化問題に適用可能とするため、3つ以上のビットによる相互結合の強さを示す重み値を含むエネルギー関数(以下高次のエネルギー関数という)を用いることが考えられる。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置の一例を示す図である。
比較回路13は、加算回路12での加算結果とノイズ値とバイアス値との加算結果と閾値(たとえば、0)との比較結果に基づき、選択信号で選択されたニューロンの出力値を決定し出力する。比較回路13は、たとえば、加算回路12での加算結果とノイズ値とバイアス値とを加算する加算回路を含んでいる。なお、以下では、加算回路12での加算結果とバイアス値とを加算した値(エネルギー値)を、ローカルフィールド値hiという。
図2は、d体結合のローカルフィールド値を算出する演算回路の一例を示す図である。
演算回路11a(d−1)は、レジスタ30a1,30a2,…,30an、選択回路31、乗算部32、加算部33を有している。
図3は、更新回路と保持回路の一例を示す図である。
更新回路14は、マルチプレクサ14a、選択回路14b1,14b2,…,14bnを有している。また、保持回路15は、フリップフロップ15a1,15a2,…,15anを有している。
図4は、3次のエネルギー関数を用いた最適化問題がマッピングされるイジング装置の一例を示す図である。図4において、図1に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。
図5は、2体結合によって発生するローカルフィールド値を算出する演算回路の一例を示す図である。
レジスタ40a1〜40anには、2個のニューロンによる2体結合の複数の重み値が記憶されている。たとえば、レジスタ40a1には、ニューロンID=1のニューロンを含む2つのニューロンによる2体結合の重み値W12,W13,…,W1nが記憶されている。レジスタ40a2には、ニューロンID=2のニューロンを含む2つのニューロンによる2体結合の複数の重み値W21,W23,…,W2nが記憶されている。また、レジスタ40anには、ニューロンID=nのニューロンを含む2つのニューロンによる2体結合の重み値Wn1,Wn2,…,Wn(n-1)が記憶されている。
乗算部42はn個の乗算回路42a1〜42anを有し、加算部43は、q個の加算回路43a1〜43aqを有している。乗算部42と加算部43は、出力値x1〜xnと、選択回路41が出力した複数の重み値とに基づき、式(3)に示したようなローカルフィールド値hiのうち、2体結合により発生するエネルギー(ローカルフィールド値hi2)を算出する。
演算回路11a2は、レジスタ50a1,50a2,…,50an、選択回路51、乗算部52、加算部53を有している。
乗算部52はr個の乗算回路52a1〜52arを有し、加算部53は、s個の加算回路53a1〜53asを有している。乗算部52と加算部53は、出力値x1〜xnと、選択回路51が出力した複数の重み値とに基づき、式(3)に示したようなローカルフィールド値hiのうち、3体結合により発生するエネルギー(ローカルフィールド値hi3)を算出する。
以下、制御装置3によって制御される図1の情報処理装置1の動作の一例を、フローチャートを用いて説明する。
まず、制御装置3は、たとえば、メモリ4に記憶されている2体結合〜d体結合の重み値を抽出する(ステップS1)。なお、計算対象の問題に応じた重み値は、予め用意されているものとする。
まず、制御装置3の制御のもと、ランダム信号生成回路10は、出力値の更新を許容するニューロン(ニューロンID=iのニューロン)をランダムに選択するための選択信号を出力する(ステップS10)。
更新を許容するニューロンの選択が行われるたびに、ノイズ発生回路17が、制御装置3の制御のもと、ノイズ幅を徐々に小さくしていくことで、シミュレーテッド・アニーリングが行われる。
なお、式(4)に示すような確率Pi(hi)を得るために生成されるノイズ値nsの確率密度関数p(ns)は、以下の式(5)のようになる。
縦軸はエネルギーEであり、横軸は全ニューロンの出力値の組み合わせqKを示している。組み合わせqKは、“000…0”から“111…1”まである。図9では、ノイズ幅がW1、W2、W3と小さくなっていくときの、解の収束の様子が示されている。ノイズ幅を小さくしていくことは、式(5)の実効温度Tを小さくしていくことに相当する。
(重み値の抽出及び重み値の書き込み処理の例)
以下、図7に示したステップS1,S2の処理の一例を説明する。
図10では、ニューロン数が4のときの2体結合の複数の重み値を含む重み値群60aが示されている。たとえば、W21は、ニューロンID=2のニューロンと、ニューロンID=1のニューロンによる2体結合の重み値である。
図11では、ニューロン数が4であり、ニューロンID=2のニューロンを含む3つのニューロンによる3体結合の重み値を含む重み値群61aが示されている。たとえば、W231は、ニューロンID=2のニューロンと、ニューロンID=3のニューロンと、ニューロンID=1のニューロンによる3体結合の重み値である。
上記の点を鑑みて、本実施の形態のイジング装置2,2aが、ニューロンID=2のニューロンを含む3体結合で発生するローカルフィールド値h23を算出する際に用いる重み値の数は、図11の三角形領域61e内の重み値の数(図11の例では6個)とする。
図12では、3体結合の重み値Wijk(i,j,kは1以上n以下の自然数)を含む重み値群65a1,65a2,…,65anが示されている。
重み値群65a1〜65anのそれぞれにおいて、本実施の形態のイジング装置2,2aがローカルフィールド値hi3を算出する際に用いる重み値は、三角形領域65b1,65b2,…,65bnに含まれるものに制限される。すなわち、図12に示すようなマトリクス状に配置されている重み値のうち、対角線部分の複数の重み値(たとえば、重み値群65a1のW111,W122,…,W1nn)及びその下に位置する複数の重み値については用いられない。
図13では、4体結合の重み値Wijkl(i,j,k,lは1以上n以下の自然数)を含む重み値群66a1,66a2,…,66an,67a1,…,67anが示されている。
上記の観点から、d≧3の場合、iごとのd体結合の重み値の数は、以下の式(7)で表せる。
図14は、重み値リストの作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。
まず、制御装置3は、変数curr_dを2とする(ステップS20)。そして、制御装置3は、変数curr_dが2であるか否かを判定する(ステップS21)。
ステップS25の処理後、制御装置3は、curr_d体結合用のサイズSの重み値リストを生成する(ステップS26)。curr_d体結合用のサイズSの重み値リストも、n個生成される。生成された重み値リストは、たとえば、メモリ4に記憶される。
図15には、curr_d=4のときに生成されるi=1番目の重み値リスト70の例が示されている。重み値リスト70にコピーされた重み値W1121〜W1nn(n-1)のうち、重み値W1121〜W11n(n-1)は、図13に示した三角形領域66b1に含まれるものでありNw個ある。その他の重み値は、図13に示した三角形領域66b2〜66bnに含まれるものである。したがって、重み値リスト70に含まれる重み値の個数は、n×Nw個である。
たとえば、図2に示した演算回路11a(d−1)のレジスタ30a1〜30anには、curr_d=d(d≧3)のときに生成されたi=1番目からi=n番目の重み値リストの重み値が書き込まれる。たとえば、レジスタ30a1には、i=1番目の重み値リストの重み値が書き込まれ、レジスタ30anには、i=n番目の重み値リストの重み値が書き込まれる。そのため、レジスタ30a1〜30anのそれぞれに書き込まれる重み値の数は、前述の式(7)で表される数となる。
図16は、第2の実施の形態の情報処理装置の一例を示す図である。図16において、図1に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。
回路部81a1〜81a4のそれぞれは、1つのニューロンに相当する。回路部81a1〜81a4としては、たとえば、DeGloriaアルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムに基づいて処理を行う回路を用いることができる。なお、図16の例では、回路部81a1〜81a4の数は、ニューロン数nが4であるものとして4つとしているが、扱うニューロン数nに応じて増減できる。
全ニューロンのうち、一度に状態が更新されるニューロンの数を1つとすると、そのニューロンの接続先では、元のローカルフィールド値hiに対して、その更新による変化分を加算または減算すればよい。
図17では、d=3としたときの回路部81a1の一例の回路図が示されている。回路部81a2〜81a4についても同様の回路図となる。
たとえば、ニューロンID=3のニューロンの出力値が更新されたときのΔh12は、以下の式(10)のように表せる。
演算回路83は、ニューロンID=1のニューロンを含む3つのニューロンによる3体結合によって発生するローカルフィールド値の変化分Δh13を算出する。
演算回路82,83は、たとえば、以下のような回路で実現できる。
演算回路82は、レジスタ82a、選択回路82bを有している。
演算回路83は、レジスタ83a、選択回路83b,83c、2出力値選択回路83d、乗算回路83e,83f、加算回路83gを有している。
レジスタ83aには、ニューロンID=1のニューロンを含む3つのニューロンによる3体結合の重み値W123,W124,W134が記憶されている。重み値W123〜W134は、前述した制御装置3の処理によってレジスタ83aに書き込まれる。
2出力値選択回路83dが、たとえば、ニューロンID=3のニューロンの出力値が更新された旨を示す信号udnを受けると、Δh13は式(11)のように表せるため、2出力値選択回路83dは、出力値x2,x4を選択して出力する。また、2出力値選択回路83dが、たとえば、ニューロンID=2のニューロンの出力値が更新された旨を示す信号udnを受けると、2出力値選択回路83dは、出力値x3,x4を選択して出力する。また、2出力値選択回路83dが、たとえば、ニューロンID=4のニューロンの出力値が更新された旨を示す信号udnを受けると、2出力値選択回路83dは、出力値x2,x3を選択して出力する。
図20は、2出力値選択回路の一例を示す図である。
2出力値選択回路83dは、レジスタ100,101,102、選択回路103、レジスタ104を有している。
たとえば、選択回路103は、ニューロンID=4のニューロンの出力値が更新された旨を示す信号udnを受けると、レジスタ100から出力される2ビットの信号を選択して出力する。また、選択回路103は、ニューロンID=3のニューロンの出力値が更新された旨を示す信号udnを受けると、レジスタ101から出力される2ビットの信号を選択して出力する。また、選択回路103は、ニューロンID=2のニューロンの出力値が更新された旨を示す信号udnを受けると、レジスタ102から出力される2ビットの信号を選択して出力する。
なお、ニューロンID=1のニューロンに相当する回路部81a1内に含まれる演算回路83では、出力値x1は用いられないため、図20では出力値x1については図示が省略されている。
以下、図17の説明に戻る。
選択回路85は、出力値が更新されたニューロンの更新後の出力値である信号udsに基づき、1または−1を選択して出力する。更新後の出力値が0のときには、選択回路85は、−1を選択して出力し、更新後の出力値が1のときには、選択回路85は、1を選択して出力する。
加算回路87は、乗算回路86から出力される値と、レジスタ88に記憶されている値(ローカルフィールド値h1)とを加算して出力する。
比較回路90は、たとえば、加算回路89から出力される値が、閾値以上のときには0を出力し、閾値より小さいときには1を出力する。
以上のような比較回路90、XOR回路91、レジスタ92によって、第1の実施の形態のイジング装置2の比較回路13、更新回路14と、保持回路15と同様の機能が実現されている。
以下、制御装置3によって制御される図16の情報処理装置80の動作の一例を、フローチャートを用いて説明する。
new_xiが、元の出力値xiと同じとき(ステップS37:YES)、たとえば、制御装置3は、更新制御回路81bを介して出力値x1〜x4を受け、出力値x1〜x4(ニューロン状態)、一定期間変化していないか否かを判定する(ステップS39)。出力値x1〜x4が、一定期間変化していないとき(ステップS39:YES)、制御装置3は、シミュレーテッド・アニーリングを終了する。
更新を許容するニューロンの選択が行われるたびに、ノイズ発生回路17は、制御装置3の制御のもと、ノイズ幅を徐々に小さくしていくことで、シミュレーテッド・アニーリングが行われる。
2 イジング装置
3 制御装置
4 メモリ
10 ランダム信号生成回路
11a1〜11a(d−1) 演算回路
12 加算回路
13 比較回路
14 更新回路
15 保持回路
16 バイアス値保持回路
17 ノイズ発生回路
20〜23 ニューロン
clk クロック信号
hi2〜hid ローカルフィールド値
i ニューロンID
x1〜xn 出力値
Wij,Wik,Wjk,Wijk,Wjjkl 重み値
Claims (5)
- n(nは3以上の自然数)個のニューロンのうち、出力値の更新を許容する第1のニューロンをランダムに選択するための選択信号を複数回出力するランダム信号生成回路と、
前記n個のニューロンのうち、前記選択信号に基づき選択される前記第1のニューロンを含む2乃至d(dは3以上n以下の自然数)個のニューロンによる2体結合乃至d体結合の強さを示す複数の重み値と、前記n個のニューロンのnビットの出力値に基づき、前記2体結合乃至前記d体結合のそれぞれによって発生するエネルギーを示すd−1個のエネルギー値または前記d−1個のエネルギー値の変化分を算出するd−1個の演算回路と、
前記d−1個のエネルギー値を加算した第1の加算値、または前記d−1個のエネルギー値の前記変化分を加算した第2の加算値を求め、前記第1の加算値または前記第2の加算値を出力する加算回路と、
前記第1の加算値とノイズ値との加算結果に基づく第1の値と閾値との第1の比較結果、または、前記2体結合乃至前記d体結合のそれぞれによって発生する前記エネルギーの和を示し前記第2の加算値に基づき更新される第2の値と、前記ノイズ値との加算結果に基づく第3の値と前記閾値との第2の比較結果に基づき、前記第1のニューロンの第1の出力値を決定し出力する比較回路と、
前記選択信号と前記第1の出力値とに基づいて前記nビットの出力値のうち、1ビットを更新した更新出力値を出力する更新回路と、
前記更新出力値を保持し、前記演算回路が用いる前記nビットの出力値として出力する保持回路と、
を有するイジング装置と、
前記ノイズ値のノイズ幅を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 前記d−1個の演算回路のそれぞれは記憶部を有し、
前記制御装置は、
前記複数の重み値のうち、前記複数の重み値の対称性に基づき、前記記憶部に記憶する前記複数の重み値の数を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記制御装置は、前記記憶部に記憶する前記複数の重み値の数を、nd-3×(n2−n)/2とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - n(nは3以上の自然数)個のニューロンのうち、出力値の更新を許容する第1のニューロンをランダムに選択するための選択信号を複数回出力するランダム信号生成回路と、
前記n個のニューロンのうち、前記選択信号に基づき選択される前記第1のニューロンを含む2乃至d(dは3以上n以下の自然数)個のニューロンによる2体結合乃至d体結合の強さを示す複数の重み値と、前記n個のニューロンのnビットの出力値に基づき、前記2体結合乃至前記d体結合のそれぞれによって発生するエネルギーを示すd−1個のエネルギー値または前記d−1個のエネルギー値の変化分を算出するd−1個の演算回路と、
前記d−1個のエネルギー値を加算した第1の加算値、または前記d−1個のエネルギー値の前記変化分を加算した第2の加算値を求め、前記第1の加算値または前記第2の加算値を出力する加算回路と、
前記第1の加算値とノイズ値との加算結果に基づく第1の値と閾値との第1の比較結果、または、前記2体結合乃至前記d体結合のそれぞれによって発生する前記エネルギーの和を示し前記第2の加算値に基づき更新される第2の値と、前記ノイズ値との加算結果に基づく第3の値と前記閾値との第2の比較結果に基づき、前記第1のニューロンの第1の出力値を決定し出力する比較回路と、
前記選択信号と前記第1の出力値とに基づいて前記nビットの出力値のうち、1ビットを更新した更新出力値を出力する更新回路と、
前記更新出力値を保持し、前記演算回路が用いる前記nビットの出力値として出力する保持回路と、
を有することを特徴とするイジング装置。 - n(nは3以上の自然数)個のニューロンのうち、出力値の更新を許容する第1のニューロンをランダムに選択するための選択信号を複数回出力するランダム信号生成回路と、
前記n個のニューロンのうち、前記選択信号に基づき選択される前記第1のニューロンを含む2乃至d(dは3以上n以下の自然数)個のニューロンによる2体結合乃至d体結合の強さを示す複数の重み値と、前記n個のニューロンのnビットの出力値に基づき、前記2体結合乃至前記d体結合のそれぞれによって発生するエネルギーを示すd−1個のエネルギー値または前記d−1個のエネルギー値の変化分を算出するd−1個の演算回路と、
前記d−1個のエネルギー値を加算した第1の加算値、または前記d−1個のエネルギー値の前記変化分を加算した第2の加算値を求め、前記第1の加算値または前記第2の加算値を出力する加算回路と、
前記第1の加算値とノイズ値との加算結果に基づく第1の値と閾値との第1の比較結果、または、前記2体結合乃至前記d体結合のそれぞれによって発生する前記エネルギーの和を示し前記第2の加算値に基づき更新される第2の値と、前記ノイズ値との加算結果に基づく第3の値と前記閾値との第2の比較結果に基づき、前記第1のニューロンの第1の出力値を決定し出力する比較回路と、
前記選択信号と前記第1の出力値とに基づいて前記nビットの出力値のうち、1ビットを更新した更新出力値を出力する更新回路と、
前記更新出力値を保持し、前記演算回路が用いる前記nビットの出力値として出力する保持回路と、
を有するイジング装置に対して、
制御装置が、前記複数の重み値を設定し、
前記制御装置が、前記ノイズ値のノイズ幅を制御する、
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
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