JP2017223919A - 表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法 - Google Patents

表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の潜像を含むことが可能な表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一形態にかかる表示体は、光を透過可能な材料により構成され、異なる2方向においてそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部を有する第1のパターンが形成された第1の透過部と、金属材料で構成され、前記第1の透過部の少なくとも一部に積層される第1の反射部と、を有する第1の表示部を備える、ことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、視覚効果を奏する表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法に関する。
有価証券、証明書、ブランド品、高価格商品、電子機器及び個人認証媒体等の物品には、これらの物品の品質を保証するため、偽造が困難な表示体が設けられている。このような表示体は、物品に付され、あるいは、物品の一部として構成されることにより、当該物品の偽造を防止し、他者の模倣や偽造等から物品を保護している。このような表示体は、偽造防止効果を得るために光学技術を利用して、特別な視覚効果を生じさせている。また、このような光学技術は、偽造防止効果を生じさせるだけではなく、高い視覚効果を有することから、例えば、表示体の装飾の一部としても利用されている。
例えば、表示体として、550nm以下の周期の回折格子構造を有し、特定の方位に配向された偏光子を通して反射観察することで可視となる潜像情報を得るものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、表示体を備える物品として、液晶材料を用い、特定の方位に配向された偏光子を通して反射観察することで可視となる潜像情報を得るものも提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
特許第5527969号公報 特開2001―63300号公報
上述の表示体は、一方向に複数配列される凹凸構造を有する回折構造であり、表示される潜像が限られる。より高い視覚的効果を得るためには、複数の潜像を含むことが望まれる。
上述の表示体を備える物品は、液晶材料を用いるため、表示される潜像が限られる。また、製造コストも増大する。より高い視覚的効果を得るためには、複数の潜像を含むことが望まれると共に、製造コストを抑えることが望まれる。
そこで、本発明は、複数の潜像を含むことが可能な表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法は、次のように構成されている。
本発明の一形態にかかる表示体は、光を透過可能な材料により構成され、異なる2方向においてそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部を有する第1のパターンが形成された第1の透過部と、金属材料で構成され、前記第1の透過部の少なくとも一部に積層される第1の反射部と、を有する第1の表示部を備える、ことを特徴とする。
本発明の他の一形態にかかる物品は、前記表示体を備えることを特徴とする。
本発明の他の一形態にかかる表示体の製造方法は、光を透過可能な材料で構成され、異なる2方向においてそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部を有する第1のパターンを有する、第1の透過部を形成することと、前記第1の透過部の少なくとも一部分の上に、金属材料で構成される第2の反射部を、積層して形成することと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の潜像を含むことが可能な表示体、表示体を備える物品、及び表示体の製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る表示体付き物品の構成を示す平面図。 同表示体付き物品に設けられた表示体の構成を示す平面図。 同表示体の一部の構成を示す斜視図。 同表示体の一部の構成を示す断面図。 同表示体の第1の観察条件における視覚効果を示す説明図。 同表示体の第2の観察条件における視覚効果を示す説明図。 本発明の第3実施形態にかかる表示体の構成を示す平面図。 本発明の第3実施形態にかかる表示体の一部の構成を示す斜視図。 本発明の第4実施形態にかかる表示体の一部の構成を示す斜視図。 第5実施形態に係る表示体の構成を示す平面図。 同表示体の第1の観察条件における視覚効果を示す説明図。 同表示体の第2の観察条件における視覚効果を示す説明図。 本発明の第6実施形態に係る表示体の構成を示す平面図。 同表示体の第1の観察条件における視覚効果を示す説明図。 同表示体の第2の観察条件における視覚効果を示す説明図。 本発明の他の実施形態にかかる表示体の説明図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態にかかる表示体10及び表示体付き物品1ついて、図1乃至図6を用いて説明する。各図中矢印X,Y,Zはそれぞれ互いに直交する3方向を示す。また、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
図1は、第1実施形態に係る表示体付き物品1の構成を示す平面図である。図2は、表示体10の構成を示す平面図である。図3は表示体10の一部の構成を示す斜視図であり、図4は表示体10の一部の構成を示す斜視図である。図5は、表示体10の第1の観察条件における視覚効果を示す説明図であり、図6は第1の観察条件における視覚効果を示す説明図である。なお、図中矢印X及び矢印Yは直交する2方向を示し、矢印ZはXY平面に直交する高さ方向を示す。
図1に示すように、表示体付き物品1は、基材9と、基材9の一方の主面の一部に形成される表示体10と、を備える。
基材9は、基材9の一方または両方の主面に文字や図柄等の情報を記載されたものであり、例えば、有価証券、チケット、個人認証媒体等の物品である。
基材9は、例えば、平坦な主面を有するシート状またはカード状に構成される。
本実施形態において、表示体10の第3の情報、第4の情報を得るために、基材9の一部に光透過性を持たせ、かつ光透過性を有する接着剤を用いる。
表示体10は基材9の一方の主面に一体に設けられている。表示体10は、例えば基材9の一部として一体に形成され、あるいは接着剤を用いて貼付により一体に設けられる。
図1及び図2に示すように、表示体10は、基部11と、基部11上に形成される凹凸構造部12と、を備える。
基部11は、透過層21と、透過層21上に形成される反射層22と、を積層して備える。
透過層21は、光を透過可能な材料により構成される。透過層21の形成材料は、例えば石英である。透過層21の形成材料は、石英以外の可視光を透過する無機材料、例えば、酸化チタンやフッ化マグネシウムなどであってもよいし、可視光を透過する有機材料、例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂などのアクリル樹脂、および、エポキシ樹脂などの各種樹脂であってもよい。

反射層22は、例えば反射層22は、金属材料または無機化合物で構成されている。反射層22は、透過層21の少なくとも一部分の上に積層される。光学効果を生じさせるため、反射層22の厚みMは、10nm以上200nm以下であることが望ましい。反射層22の形成材料として、紫外光領域から可視光領域の波長域にて複素誘電率の実部が負の値であることが好ましい。反射層22の形成材料がこうした特徴を有するとき、表面プラズモン現象による偏光応答性がより顕著に現れる。
本実施形態において、反射層22は例えばアルミニウムで構成される。この他、反射層22の形成材料は、アルミニウム、金、銀、あるいは、ニッケル、鉄、シリコン、窒化チタンなどの窒化金属であってもよい。反射層22の層厚が薄い場合には、形成材料の屈折率により、後述するX軸方向の有効屈折率nx、Y軸方向の有効屈折率nyをより大きく変えることが可能となる。反射層22は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの物理蒸着法によって形成される。
凹凸構造部12は、透過層21と、透過層21上に形成される反射層22と、を備える積層構造である。凹凸構造部12は表示体10上の2つの領域A1,A2にそれぞれ設けられ、第1の表示部31と第2の表示部32をそれぞれ構成する。
第1の表示部31は、透過層21で構成され所定の第1パターンを有する第1の透過部33と、第1の透過部33上に形成される第1の反射部34と、を備える。第1の表示部31は第1の領域A1に形成される。
第2の表示部32は、透過層21で構成され所定の第2パターンを有する第2の透過部36と、第2の透過部36上に形成される第2の反射部37と、を備える。第2の表示部32は第2の領域A2に形成される。
すなわち、第1の透過部及び第2の透過部は、基部11を構成する透過層を加工して凹凸構造部を形成することで構成される。言い換えれば、透過層上に形成される凹凸構造部がそれぞれ第1の透過部及び第2を構成する。そして、第1の透過部及び第2の透過部を構成する凹凸構造部の端面に形成される反射層22が第1の反射部及び第2の反射部をそれぞれ構成している。基材9を構成する共通の透過層21の、所定の領域A1,A2に、それぞれ異なるパターンが形成されることにより、各領域A1,A2に、第1の表示部31、第2の表示部32が構成されている。
なお、本実施形態において表示体10のうち、領域A1,A2以外の領域には表示部が形成されていない。
第1の領域A1は、所定の情報を表示する領域であり、例えば、表示体10上に「OK」の文字形状に区画される領域である。第1の領域A1において、基材9の上に所定の第1パターンを有する透過層21及び反射層22が一体に積層されることで第1の表示部31が構成される。
第2の領域A2は、所定の情報を表示する領域であり、例えば、表示体10上に「NG」文字形状に区画される領域である。第2の領域A2には、基材9の上に所定の第2パターンを有する透過層21と反射層22が一体に積層されることで、第1の領域A1とは異なる光学特性を有する第2の表示部32が構成される。
本実施形態においては、一例として、第1の表示部31と第2の表示部32は凹凸構造部12の配列方向が異なる例を示す。すなわち、第1の表示部31と第2の表示部32は、各突起の形状やピッチは共通するものの、表示体10上に、凸部42の長手方向を異なる方向に向けて配置することで、異なる視覚的特性を呈することになる。
表示体10は特別な視覚効果を備える。特別な視覚効果として、表示体10に入射した光の一部を反射させ、当該光の他の一部を透過させることで、特定の呈色を生じさせることにより情報を表示する効果である。
図3に示すように、第1の透過部33は、凹凸構造部12を備える。本実施形態において、凹凸構造部12は、平面視において対向する2組の辺を有する四辺形状の凹凸部としての凸部42の集合体である。凸部42は、直方体状の突起であり、平面視において対向する2組の辺を有する四辺形状を構成する。本実施形態において、凸部42は、その端面である上面が矩形状であり、その長手方向が一方向に沿って配置されている。複数の凸部42は、x軸及びy軸の2方向においてそれぞれ複数並列してマトリクス状に配列されている。
この第1の表示部31に形成される凹凸構造部12からなる第1のパターンは、100nm以上1500nm以下の構造周期性を有する。また、凸部42の2方向の対辺の長さの割合は、1以上4以下である。すなわち、例えばXがY以上である場合、Xは1/4Y以上Y以下であり、YがX以上である場合、Yは1/4X以上X以下である。
第2の透過部36は、第1の透過部33と同様に、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部12を備える。本実施形態において、凹凸構造部12として、方体状に突出する凸部42がマトリクス状に形成されている。例えば、複数の凸部42がX軸、Y軸に沿って配列されている。
図4に示すように、第1の反射部34は第1の透過部33に設けられる凸部42の頂部、凸部42間の溝の底部に形成される反射層22で構成される。
また、第2の反射部37は、第2の透過部36に設けられる凸部42の頂部及び隣り合う凸部42の間の溝の底部に形成される反射層22で構成される。
第1の表示部31と第2の表示部32とは、凹凸構造部12の凸部42のピッチ、凸部42の端面の面積、寸法、及び配列方向、の少なくともいずれかが異なり、第1パターンと第2パターンが異なり、互いに異なる視覚的特性を有する。
次に、本実施形態にかかる第1の表示部31及び第2の表示部32のパターン形状について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、第1の透過部33及び第2の透過部36において、凸部42はX軸方向に幅X、ピッチPX、Y軸方向に幅Y、ピッチPYにて形成されている。
凸部42のピッチPX、PYはそれぞれ100nm以上1500nm以下、好ましくは300nm以上600nm以下であることが望ましい。また、凸部42の幅X、Yは、それらの比率が1以上4以下であることが望ましい。
凹凸構造部12の配列面であるXY平面に直交する高さ方向の寸法、すなわち凸部42の高さDは、20nm以上500nm以下であることが望ましい。20nm以上であれば、微細な凹凸構造部12を加工精度良く形成でき、更に500nm以下とすることで、凹凸構造部12形成時における凹凸構造部12の倒れなどを防ぐことができる。
ここで、凸部42のX軸方向のピッチPX、およびY軸方向のピッチPYが、100nm以上1500nm以下、好ましくは300nm以上600nm以下であることにより、有効媒質理論から、X軸方向の有効屈折率nx、Y軸方向の有効屈折率nyは
で計算される。ここでn1は凸部42の屈折率、n2は凸部42以外の部分における屈折率を示している。
式1および式2より、X軸方向、Y軸方向の有効屈折率nx、nyは、凸部42のX軸方向のピッチPXおよび幅X、更にY軸方向のピッチPY、幅Yに依存することがわかる。そのため、X軸方向およびY軸方向の屈折率を凹凸構造部12の形状により制御することが可能となる。また、X軸方向およびY軸方向の屈折率が異なることで、入射光に対する異方性が生じる。このため、第1の領域A1および第2の領域A2による反射光または透過光に位相差が生じ、その位相差は凸部42の高さDに依存することが分かる。
次に、本実施形態に用いられる表示体10の製造方法の一例を示す。まず、第1工程として、透過層21に、複数の凸部42を所定の配列で形成し、第1パターンを有する第1の透過部33を構成する。同時に所定形状の第2領域において基体上に、複数の凸部42を所定の配列で形成し、第2パターンを有する第2の透過部36を構成する。
ここで、透過層21の形成材料が無機材料であるとき、例えば、基体に対して化学的なエッチング処理や物理的なエッチング処理を施すことで、凸部42を形成することができる。また、透過層21の形成材料が樹脂であるとき、例えば、硬化前の樹脂に対して原版の形状を転写することによって凸部42を形成することができる。
次に、第2工程として、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの物理蒸着法等の成膜処理によって、第1の透過部33及び第2の透過部36上に、第1の反射部34及び第2の反射部37をそれぞれ形成する。以上の工程により、第1の表示部31及び第2の表示部32を有する表示体10が基材9上に製造される。
次に、表示体付き物品1に設けられた表示体10の視覚効果について、図2,図5及び図6を用いて説明する。図5は、第1の観察条件として、透過軸T1が水平方向の偏光子を用いて反射観察した場合の説明図である。図6は、第2の観察条件として透過軸T2が水平方向から特定の角度を為す偏光子を用いて反射観察した場合の説明図である。
ここで、反射観察とは、表示体に対して光源と観察者が同じ側にある条件で観察する観察方法である。一方透過観察とは、表示体に対して光源と観察者が異なる側にある条件で観察する観察方法である。また、観察方法として、特定の方位に配向された偏光子50を用いた観察と、偏光子50を用いない観察を行う。なお、偏光子50は、特定の方位に配向され、その設置によって透過軸の方向を所望の方向に規定可能に構成されている。
第1の表示部31の第1のパターン及び第2の表示部32の第2のパターンは、いずれも100nm以上1500nm以下、好ましくは300nm以上600nm以下のピッチを有する。このため、偏光子50を介さない反射観察時には、特定の呈色を示している。
図5に示すように、例えば偏光子50の透過軸T1が水平方向の場合、透過軸T1と平行な方向に偏光された光が第1の領域A1により吸収されるため、第1の領域A1による第1の情報が目視にて観察可能となる。このため、第1の情報が目視にて観察可能となる。
図6に示すように、偏光子50の透過軸T2が水平方向から特定の角度を為している場合、第2の領域A2による第2の情報が目視にて観察可能となる。すなわち、偏光子50が表示体10に重ねられた際、透過軸T2と平行な方向に偏光された光が第2の領域A2により吸収されることで第2の情報が目視にて観察可能となる。したがって、観察条件として偏光子の方向を変えることにより、第1の領域A1、第2の領域A2それぞれにより、複数種類の情報として、第1の情報、第2の情報それぞれ観察可能となる。
なお、図5、6はいずれも、第1の情報、第2の情報のいずれかが目視にて観察可能となるように示しているが、第1の情報、第2の情報の両方が目視にて観察可能となる場合でも良い。
ここで、偏光子により目視にて観察可能となる第1の情報、第2の情報は、反射光の光強度による濃淡で示されていても良く、反射光の色相変化により示されていても良い。
例えば、第1の領域A1、第2の領域A2に形成されている凹凸構造部12が浅い場合には、偏光子50を設置する前には金属光沢を呈する。一方で、偏光子50を設置し、かつ偏光子50の透過軸に沿った偏光光が凹凸構造部12に吸収された場合には、その領域における輝度が低下し、暗灰色となる。また、偏光子50の透過軸に沿った偏光光において、特定の波長域のみが凹凸構造部12に吸収された場合には、その領域における呈色が異なる。このことから、第1の領域A1、第2の領域A2に形成する凹凸構造部12により、第1の情報および第2の情報を、より複雑に提示することが可能となり、偽造防止効果を高めることが可能となる。
本実施形態において、表示体10は、偏光子50を通して透過観察することにより、第1の情報とは異なる第3の情報、及び第2の情報とは異なる第4の情報を表示させることが可能である。
例えば第1の表示部31において、図5に示すように表示体10に偏光子50を設置し、偏光子50を通して透過観察することで、第1の領域A1において第3の情報が観察可能となる。第3の情報は、第1の情報と共に第1の領域A1により示される。例えば、反射観察時の第1の情報が有する色情報と、透過観察時の第3の情報が有する色情報とが異なる。したがって、観察条件を変えることで、第1の表示部31は第1の情報とは異なる情報として第3の情報を呈することになる。
また、第2の領域A2、すなわち第2の表示部32においても同様に、図6に示すように表示体10に偏光子50を設置し、偏光子50を通して透過観察することで、第2の領域A2において第4の情報が観察可能となる。第4の情報は、第2の情報と共に第2の領域A2により示され、反射観察時の第2の情報が有する色情報と、透過観察時の第2の情報が有する色情報とが異なる。このため、観察条件を変えることで、第2の表示部32は第2の情報とは異なる情報として第4の情報を呈することになる。
したがって、本実施形態において、偏光子50を通して表示体10を観察する場合、反射観察、更には透過観察それぞれにおいて異なる情報を提示することが可能となる。
本実施形態に係る物品及び表示体10は、以下の効果を奏する。
上記実施形態にかかる表示体10において、第1の透過部33は、異なる2方向に複数の凹凸構造部12を有する第1パターンを有し、第1の透過部33上に形成される反射部、を備える。したがって、偏光方向によって視覚応答性を変えることができるため、複数の潜像を含めることが可能である。すなわち、1つの凹凸構造部で2方向の有効屈折率を制御できるため、第1の表示部が形成される領域において、少なくとも2つ以上の潜像情報を設けることが可能となる。このため、より高解像度な潜像情報を形成することが可能となる。
また、表示体10は、第1の領域A1、第2の領域A2それぞれにおいて偏光特性の異なる表示部を備えることで、入射光に対して異なる位相差を与えることができる。したがって、偏光された光を入射させることで、第1の領域A1、第2の領域A2それぞれにおいて、入射光に異なる位相差を与えることができ、潜像として、隠された情報を提示することが可能となる。
具体的には、特定の方向に透過軸を有する偏光子50を通して表示体10を反射観察することにより、第1の領域A1より第1の情報が観察でき、また別の方向に透過軸を有する偏光子50を通して表示体10を反射観察することにより、第2の領域A2より第2の情報が観察できる。
本実施形態にかかる表示体10は、第1の領域A1、第2の領域A2それぞれにおいて凸部42の方向を異ならせたことで、単純な構成で、入射光に対して異なる位相差を与えることができる。
また、表示体10は、透過層21上に反射層22を形成することで、反射観察時と透過観察時において異なる情報を表示可能である。すなわち、特定の方向に透過軸を有する偏光子50を通して表示体10を透過観察することにより、第1の領域A1より第3の情報が観察でき、また別の方向に透過軸を有する偏光子50を通して表示体10を透過観察することにより、第2の領域A2より第4の情報が観察できる。
したがって、反射観察時、および透過観察時における第1の領域A1、第2の領域A2それぞれの呈色と、偏光子50を通して反射観察、透過観察した際の第1の領域A1、第2の領域A2それぞれの呈色とを、凹凸構造部12により制御することが可能であるため、より複雑な情報を記録することができる。また、簡便な手法で情報を目視にて観察可能となるため、より高い偽造防止効果が得られる。
さらに、上記本実施形態においては、第1の透過部33上に反射層22から成る第1の反射部34を構成した。そして、反射層22の屈折率を所定の条件で構成したため、偏光された光との相互作用がより顕著に現れ、表示体10の偏光応答性がより顕著に現れる。さらに表示体10は、反射層22の金属種によって、反射層22近傍にて生じる表面プラズモン現象により、偏光された光との相互作用を顕著に示すことができる。このため、表示体10の偏光応答性を更に顕著にすることができる。
[第2実施形態]
以下に、第2実施形態に係る表示体10Aについて図3を参照して説明する。第2実施形態にかかる表示体10Aは、複数の表示部31,32の構造を、その凹凸構造部12のピッチ及び寸法によって異ならせている。この他は第1実施形態にかかる表示体10と同様であるため、表示体10Aにおいて、第1実施形態に係る表示体10と共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の一例として、第1の領域A1及び第2の領域A2は以下の様に構成されている。
図3に示すように、第1の領域A1の第1の表示部31は、X軸及びY軸に沿って複数の凸部42がマトリクス状に形成されている。第1の表示部31において、凸部42は2方向における構造ピッチPX及びPYを400nmとした。また凸部42の一方の幅Xを130nm、もう一方の幅Yを220nmとした。
図3に示すように、第2の領域A2の第2の表示部32は、X軸及びY軸に沿って複数の凸部42がマトリクス状に形成されている。第2の表示部32において、凸部42は構造ピッチPX及びPYを400nmとした。また、凸部42の一方の幅Xを170nm、もう一方の幅Yを220nmとした。
本実施形態の製造方法は、第1の工程として電子ビーム描画およびドライエッチング処理により、例えばクオーツ基板などの基材9に凹凸構造部12を形成した。そして、第2の工程として、反射層22としてアルミニウムを膜厚50nm形成した。
その結果、反射観察において第1の領域A1では黒色、第2の領域A2では緑色が観察可能となった。
更に、偏光子50を表示体10Aの上に重ねて反射観察したところ、第1の領域A1では橙色、第2の領域A2では黒色が観察可能となった。
透過観察において、偏光子50を介さない場合、第1の領域A1では薄い黄緑色、第2の領域A2では桃色が観察可能となった。偏光子50を通して透過観察すると、第1の領域A1では緑色、第2の領域A2では紫色が観察可能となった。
更に、偏光子50の透過軸を変えることで、それぞれの領域における色が異なることが目視観察にてわかった。すなわち、凸部42のX軸方向の幅XおよびピッチPX、Y軸方向の幅YおよびピッチPY、高さDの内いずれかが第1の領域A1、第2の領域A2のそれぞれにおいて異なっている場合、第1の領域A1および第2の領域A2のX軸、Y軸の方向が同じであっても、入射光に対して異なる位相差を与えることできる。
本実施形態においても、上記第1実施形態にかかる表示体10と同様の効果を奏する。
[第3実施形態]
以下に、第3実施形態に係る表示体10Bについて図7及び図8を参照して説明する。
第3実施形態にかかる表示体10Bは、第1の表示部31と、第2の表示部32と、第3の表示部38とを備える。すなわち3つの領域において、それぞれ異なる第1のパターン、第2のパターン、及び第3のパターンにて、凹凸構造部12を形成した。表示体10Bにおいて、第1の表示部31、第2の表示部32、及び第3の表示部38以外の領域45は、平面で凹凸構造が形成されていない領域であるか、あるいは回折格子などの別の構造が含まれる領域であってもよい。本実施形態において各表示部31、32、及び38は、凹凸構造部12として、基体の表面から内方へ凹む凹部43を備える。この他は第1実施形態にかかる表示体10と同様であるため、表示体10Bにおいて、第1実施形態に係る表示体10と同共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の一例として、第1の領域A1、第2の領域A2、及び第3の領域A3は以下の様に構成されている。
第1の領域A1の第1の表示部31は、X軸及びY軸に沿って複数の凹部43がマトリクス状に形成されている。第1の表示部31は、凹部43の一方の幅Xを150nm、ピッチPXを300nmとした。また、もう一方の幅Yを300nm、ピッチPYを600nmとした。
第2の領域A2の第2の表示部32は、X軸及びY軸に沿って複数の凹部43がマトリクス状に形成されている。第2の表示部32における凹部43の一方の幅Xを200nm、ピッチPXを400nmとし、もう一方の幅Yを400nmと、ピッチPYを800nmとした。
第3の領域A3の第3の表示部38は、X軸及びY軸に沿って複数の凹部43がマトリクス状に形成されている。第3の領域A3にて、凹部43の一方の幅Xを300nm、ピッチPXを600nmとし、もう一方の幅Yを600nmと、ピッチPYを1200nmとした。
各表示部31,32,38において、第1乃至第3のパターンは、それぞれ、100nm以上1500nm以下の構造周期性を有する。各表示部31,32,38において、凹部43の端面である底面の2つの対辺の長さの比が、1以上4以下に構成されている。
また、凹部43は、その配列面と直交する方向の高さ寸法が、20nm以上500nm以下に構成されている。
本実施形態の製造方法は、第1の工程として電子ビーム描画によりクオーツ基板で構成される基材9に凸構造を形成し、電鋳処理によりNi複製版を作成した。次に、熱可塑性樹脂にNi複製版により凸構造を転写して凹部43を構成した。さらに、第2工程において、反射層22としてNiを膜厚50nmにて形成した。
その結果、反射観察において第1の領域A1では茶色、第2の領域A2では暗緑色、第3の領域A3では回折による虹色が観察可能となった。
偏光子50を構造体の上に重ねて反射観察したところ、偏光子50の透過軸が観察者に対して縦方向となっている際、第1の領域A1では緑色、第2の領域A2では桃緑色、第3の領域A3では黄色が観察可能となった。更に、偏光子50の透過軸を90度回転させたことで、第1の領域A1では紫色、第2の領域A2では黄緑色、第3の領域A3では緑色が観察可能となった。
本実施形態にかかる表示体10Bおいても、上記第1実施形態にかかる表示体10と同様の効果を奏する。すなわち、2方向に複数配列される凹部43を有する凹凸構造部41によって、複数の潜像を呈することが可能である。
[第4実施形態]
以下に、第4実施形態に係る表示体10Cについて図8を参照して説明する。表示体10Cにおいて、第1実施形態に係る表示体10と共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
第4実施形態にかかる表示体10Cは、第1の表示部31と、第2の表示部32と、を備える。すなわち2つの領域において、それぞれ異なる第1のパターン、第2のパターンにて、凹凸構造部12を形成した。本実施形態において、第1の表示部31は、凹凸構造部12として複数の凸部42を備える。一方、第2の表示部32は、凹凸構造部12として、複数の細長い線状のレリーフ構造部44を、所定の一方向に並列して備える。第2の表示部32Cは、レリーフ構造部44によって縞状の回折構造を呈する。
この他は第1実施形態にかかる表示体10と同様であるため、表示体10Cにおいて、第1実施形態に係る表示体10と共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の一例として、第1の領域A1、第2の領域A2は以下の様に構成されている。
第1の領域A1の第1の表示部31は、X軸及びY軸に沿って複数の凸部42がマトリクス状に形成されている。第1の領域A1にて凸部42は、構造ピッチPX,PYを400nmとした。また、凸部42の一方の幅Xを130nm、もう一方の幅Yを220nmとした。
一方、第2の領域A2には、構造ピッチPYを350nmにて、レリーフ構造部44を配列した。レリーフ構造部44は、X軸方向に連続した突起であり、Y方向に複数列縞状に配列されている。
ここで、本実施形態のように凸部がX軸の方向に連続に形成されたレリーフ構造部44となっている場合、Y軸方向の屈折率nYは式2と同一であるが、X軸方向の屈折率nX’は、
で計算される。
式3より、有効屈折率nX‘は、式1と異なる標識を取り、レリーフ構造部44のX軸方向のピッチPX及び幅Xに依存することがわかる。
本実施形態の製造方法は、第1の工程として電子ビーム描画およびドライエッチング処理により、凸部42およびレリーフ構造部44をそれぞれクオーツ基板で構成される基材9の第1の領域A1及び第2の領域A2に形成する。次に、第2工程として、凸部42及びレリーフ構造部44へアルミニウムを膜厚50nmで形成し、反射層22を形成し、第1の反射部34及び第2の反射部37を形成する。
本実施形態にかかる表示体10Cは、反射観察において第1の領域A1では黒色、第2の領域A2ではアルミニウムによる金属光沢が観察可能となった。
本実施形態にかかる表示体10Cに、偏光子50を重ねて反射観察したところ、第1の領域A1では橙色、第2の領域A2では桃色が観察可能となった。更に、偏光子50の透過軸を変えることで、第1の領域A1では黄緑色、第2の領域A2では金属光沢が観察可能となった。
すなわち、X軸方向に連なるレリーフ構造部44とした第2の表示部32Cは、観察結果として、X軸方向に凸部42が複数配列される第1の表示部31と、偏光子50を回転させた際の色変化の振る舞いが、X、Y軸方向の屈折率の違いから、異なる。
本実施形態においても、上記第1実施形態にかかる表示体10と同様の効果を奏する。すなわち、2方向に複数配列される凸部42を有する凹凸構造部41によって、複数の潜像を呈することが可能である。
[第5実施形態]
以下に、第5実施形態に係る表示体10Dについて、図10乃至図12を参照して説明する。
第5実施形態にかかる表示体10Dは、第1の表示部31と、第2の表示部32と、第3の表示部38と、第4の表示部39と、を備える。すなわち4つの領域において、それぞれ異なる第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン、第4のパターンにて、凹凸構造部12を形成した。各表示部において、凹凸構造部12は、基体の表面から突出する凸部42である。この他は第1実施形態にかかる表示体10と同様であるため、表示体10Dにおいて、第1実施形態に係る表示体10と共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の一例として、第1の領域A1、第2の領域A2、第3の領域A3、第4の領域A4は以下の様に構成されている。本実施形態においてはAの文字形状と円形とが重なる所定形状を、第1の領域A1、第2の領域A2、第3の領域A3、及び第4の領域A4で区画形成している。
第1の領域A1は、表示体10Dのうち円形で区画される領域内であって、「A」の文字の形状を呈する第4の領域A4を除く領域である。第2の領域A2は第1の領域A1、第3の領域A3、及び第4の外側の領域である。第3の領域A3は、第4の領域A4とともに「A」の文字の形状に区画された領域であって、かつ、円形に区画された領域の内側の領域である。第4の領域A4は、第3の領域A3とともに「A」の文字の形状に区画された領域であって、かつ、円形に区画された領域の外側の領域である。
第1の領域A1の第1の表示部31は、表示体10DのうちX軸及びY軸に沿って複数の凸部42が所定のピッチでマトリクス状に形成されている。この第1のパターンは、例えば横方向の偏光を吸収し、かつ短波長を吸収する特性を有する。
第2の領域A2の第2の表示部32は、表示体10DのうちX軸及びY軸に沿って複数の凸部42が所定のピッチでマトリクス状に形成されている。この第2のパターンは縦方向の偏光を吸収し、かつ短波長を吸収する特性を有する。
第3の領域A3の第3の表示部38は、表示体10DのうちX軸及びY軸に沿って複数の凸部42が所定のピッチでマトリクス状に形成されている。この第3のパターンは縦方向の偏光を吸収し、かつ長波長を吸収する特性を有する。
第4の領域A4の第4の表示部39は、表示体10DのうちX軸及びY軸に沿って複数の凸部42が所定のピッチでマトリクス状に形成されている。この第4のパターンは横方向の偏光を吸収し、かつ長波長を吸収する特性を有する。
本実施形態にかかる表示体10Dは、図11に示すように、偏光子50を介さない反射観察においては領域A1と領域A2が光沢を持ち、領域A3と領域A4が暗色となることで、「A」の文字が潜像として観察可能である。
また、図12に示すように偏光子50を介して反射観察した場合には、偏光子50が横偏光を透過する条件においては、領域A2と領域A3が明色、領域A1と領域A4が暗色となり、偏光子50が縦偏光を透過する条件においては、領域A2と領域A3が暗色、領域A1と領域A4が明色となることで、円形状が潜像として観察可能になった。
本実施形態においても、上記第1実施形態にかかる表示体10と同様の効果を奏する。すなわち、2方向に複数配列される凸部42を有する凹凸構造部41によって、複数の潜像を呈することが可能である。
[第6実施形態]
以下に、第6実施形態に係る表示体10Eについて図13乃至図15を参照して説明する。図13は、本発明の第6実施形態に係る表示体10の構成を示す平面図である。図14は、表示体10の第1の観察条件における視覚効果を示す説明図であり、図15は、表示体10の第2の観察条件における視覚効果を示す説明図である。
第6実施形態にかかる表示体10は、第1の透過部33または第1の反射部34の少なくとも一部に積層して形成される有色層を備える点において第1の実施形態と異なるが、他の構成は第1実施形態に係る表示体10と同様であるため、共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の一例として、第1の領域A1及び第2の領域A2は以下の様に構成されている。
第1の領域A1の第1の表示部31は、第1の透過部33と、第1の透過部33上に積層形成された第1の反射部34と、第1の反射部34上に形成される有色層としてのインク層49と、を備える。
第2の領域A2の第2の表示部32は、第2の透過部36と、第2の透過部36上に積層形成された第2の反射部37と、第2の反射部37上に形成される有色層としてのインク層49と、を備える。
インク層は、例えば偏光子50を介する反射観察時及び偏光子50を介さない反射観察時のいずれにおいても視認される有色の絵柄である。本実施形形態において、例えばOKの文字の一部と、NGの文字の一部に重ねてインク層49が形成されている。
次に、表示体付き物品1に設けられた表示体10の視覚効果について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、第1の観察条件として、透過軸T1が水平方向の偏光子を用いて反射観察した場合の説明図である。図14は、第2の観察条件として透過軸T2が水平方向から特定の角度を為す偏光子を用いて反射観察した場合の説明図である。
第1の表示部31の第1のパターン及び第2の表示部32の第2のパターンは、いずれも100nm以上1500nm以下、好ましくは300nm以上600nm以下のピッチを有する。このため、偏光子を介さない反射観察時には、特定の呈色を示している。このとき、インク層49によって形成される絵柄が重ねて情報として表示される。
図14は、偏光子50の透過軸T1が水平方向となっていた場合、透過軸T1と平行な方向に偏光された光が第1の領域A1により吸収されることで第1の領域A1による第1の情報が目視にて観察可能となる。したがって、第1の情報と、インク層49の情報の両方が目視にて観察可能となる。
図15は、偏光子50の透過軸T2が水平方向から特定の角度を為している場合を示している。この場合、第2の領域A2による第2の情報が目視にて観察可能な場合を示している。偏光子50が表示体10に重ねられた際、透過軸T2と平行な方向に偏光された光が第2の領域A2により吸収されることで、第2の情報及びインク層49の情報の両方が目視にて観察可能となる。したがって、観察条件として偏光子の方向を変えることにより、第1の領域A1、第2の領域A2それぞれにより、複数種類の情報として、第1の情報、第2の情報それぞれ観察可能となる。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、2方向に複数配列される凸部42を有する凹凸構造部41によって、複数の潜像を呈することが可能である。また、本実施形態にかかる表示体10は、インク層49が形成されていることで、第1の領域A1により提示される第1の情報、第2の領域A2により提示される第2の情報のそれぞれのカモフラージュが可能となる。
さらに、第1の領域A1及び、第2の領域A2が目視観察にて可能な状態とすることで、インク層49と第1の領域A1、インク層49と第2の領域A2がそれぞれ補間し合うことで、第1の情報および第2の情報を提示することが可能となる。
なお、本発明は上記複数の実施形態に限られるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記凹凸構造部12の形状や構成、サイズ等の条件は一例として記載したものであり、これに限られるものではない。例えば第1の領域A1、第2の領域A2のいずれかにおいて、ピッチPX、PYが600nm以上のピッチであれば、その際には回折格子として振る舞い、回折光が生じることとなる。
また、凸部42または凹部43は、頂部または底部に丸みがあっても良い。
また、上記実施形態においては反射層22が凸部42の頂部、および底部に形成されている例を示したが、これに限られるものではない。例えば反射層22は凹凸構造部12の頂部と底部の内、一部分のみに形成されていてもよく、いずれかに形成されていてもよい。また、反射層22が凸部42の側面の一部を覆って形成されていても良いし、凸部42の側面の全てを覆っていてもよい。
各領域において、第1の表示部31は、凹凸構造部12がX軸及びY軸に沿ってマトリクス状に配列されている例を示したが、これに限られるものではない。例えば、マトリクス状ではなく、特定の配列規則に従って配列され、あるいはランダムに配列されていても良い。
また、各領域は隣接していても、離間していてもよい。例えば上記実施形態において、表示体10〜10Eは、表示部のない領域を有する例を示したがこれに限られるものではない。例えば他の実施形態として図16に示す表示体10Fは、表示体10Fの全域において、第1の表示部31及び第2の表示部32がX軸及びY軸の2方向においてそれぞれ交互に配置されている。
また、この他、表示体は、表示部がない領域において、第1の領域A1、第2の領域A2と同等な凹凸構造部12が形成されていても良く、更には回折、干渉、屈折、反射、吸収、散乱といったいずれかの光学応答性を生じる構造が形成されていても良い。更に、第1の情報、第2の情報以外の情報が提示されていても良い。
例えば、第1領域乃至第4領域は、上記実施形態の形状に限定されることなく、絵柄や記号、数字、文字、幾何学模様等といった種々のパターンで形成することができる。また、第1の領域A1および第2の領域A2のそれぞれは、第1の情報および第2の情報を示すために、面積諧調されていても良い。
なお、第1の領域A1と第2の領域A2とは、相互に同じ情報を形成してもよい。また、それぞれの情報は、文字、記号、数字、および、絵柄や模様などの図形であってもよいし、文字、記号、数字、および、図形のうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。更に、第1の情報は、第2の情報以外の背景に限らず、文字、数字、記号、および、絵柄や模様などの図形であってもよいし、背景、文字、記号、数字、および、図形のうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。
更に、表示体10は第1の表示部31を1つのみ備えていても良いし、第1の表示部31または第2の表示部32は2つ以上備えていても良い。例えば凹凸構造から成るパターンが異なり視覚的特性の異なる複数の第1の表示部31または第2の表示部32を備えることで、表示体10において提示できる情報量を制御することができる。
また、上記実施形態において異なる2方向として互いに直交するX軸、Y軸を例示したが、これに限られるものではなく所定の角度で交差する2方向であってもよい。
他の実施形態として、表示体は、反射層22を覆う保護層を備えていてもよい。保護層の形成材料は、例えば、光透過性を有する樹脂、および、誘電体材料であればよい。保護層の形成材料が樹脂であるとき、形成材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、および、ポリスチレンなどを用いることができる。
保護層の形成材料が誘電体材料であるとき、形成材料は、Sb、Fe、TiO、CdS、CeO、ZnS、PbCl、CdO、WO、SiO、Si、In、PbO、Ta、ZnO、ZrO、MgO、Si、MgF、CeF、CaF、AlF、Al、および、GaOなどを用いることができる。
なお、保護層の形成材料が樹脂であるとき、保護層を形成する樹脂には色素が添加されていてもよい。これにより、色素の吸収波長に応じて、表示体10の呈色を変えることができる。保護層によれば、第1の領域A1、第2の領域A2が備える微小な凹凸構造部12が壊れにくくなる。また、保護層によれば、表面プラズモンが励起される共鳴波長の選択性、すなわち、選択波長幅、および、光吸収量の少なくとも一方を変えることができる。
例えば上記実施形態において、表示体付き物品1は、基材9に表示体10を用いた個人認証媒体等の物品を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、基材9は、例えば、有価証券、証明書、ブランド品、高価格商品、電子機器、玩具、学習教材、商品の装飾品またはポスター等であってもよい。
また、上述した表示体10、10A〜10Eは、透過光と反射光で、表示される情報を異ならせることが可能であることから、例えば、表示体10の表裏を示すインジケータとしても利用することができる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形実施可能である。
1…表示体付き物品、10〜10F…表示体、9…基材、11…基部、12…凹凸構造部、21…透過層、22…反射層、31…第1の表示部、32…第2の表示部、32C…表示部、33…透過部、34…反射部、36…第2の透過部、37…第2の反射部、38…第3の表示部、39…第4の表示部、41…凹凸構造部、42…凸部、43…凹部、44…レリーフ構造部、49…インク層、50…偏光子、A1…第1の領域、A2…第2の領域、A3…第3の領域、A4…第4の領域。

Claims (12)

  1. 光を透過可能な材料により構成され、異なる2方向においてそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部を有する第1のパターンが形成された第1の透過部と、金属材料で構成され、前記第1の透過部の少なくとも一部に積層される第1の反射部と、を有する第1の表示部を備える、ことを特徴とする表示体。
  2. 光を透過可能な材料により構成され、少なくとも1方向において複数配置される凹凸構造部を有する第2のパターンが形成された第2の透過部と、金属材料で構成され、前記第2の透過部の少なくとも一部に積層される第2の反射部と、を有する第2の表示部を備え、
    前記第1の表示部と前記第2の表示部とは、互いに異なる視覚的特性を有する、請求項1記載の表示体。
  3. 前記第2の表示部は異なる2方向においてそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部を有し、
    前記第1の表示部と前記第2の表示部とは、前記凹凸構造部の配列のピッチ、前記凹凸構造部の配列の方向、及び前記凹凸構造部の寸法、の少なくともいずれかが異なり、互いに異なる視覚的特性を有する、請求項2記載の表示体。
  4. 前記凹凸構造部は、端面が平面視において対向する2組の辺を有する四辺形状の凸部または凹部であり、
    前記凸部または凹部は前記2方向においてそれぞれ複数並列して配され、
    前記第1のパターンは、100nm以上1500nm以下の構造周期性を有する、請求項1または3記載の表示体。
  5. 前記凹凸構造部は複数の凹部または凸部を有し、前記凹部または凸部の端面の2つの対辺の長さの比が、1以上4以下であることを特徴とする請求項1または3に記載の表示体。
  6. 前記凹凸構造部は複数の凹部または凸部を有し、前記凹部または凸部は、その配列面と直交する方向の高さ寸法が、20nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示体。
  7. 前記第1の透過部または前記第1の反射部の少なくとも一部に積層して形成される有色層を備える請求項1または3に記載の表示体。
  8. 前記第1の表示部は、所定の偏光方向に配向された偏光子を介して反射観察した際に潜像を呈するとともに、前記偏光子を介して透過観察した際に、前記反射観察時とは異なる潜像を呈する、請求項1記載の表示体。
  9. 異なる領域に配され、視覚的特性が異なる複数の前記第1の表示部を備える、請求項1記載の表示体。
  10. 前記表示体は、異なる向きの偏光子を介して得られる複数種類の潜像を呈する、請求項1または請求項3記載の表示体。
  11. 請求項1乃至10のいずれか記載の表示体を備える、ことを特徴とする物品。
  12. 光を透過可能な材料で構成され、異なる2方向においてそれぞれ複数配置される四辺形の凹凸構造部を有する第1のパターンを有する、第1の透過部を形成することと、
    前記第1の透過部の少なくとも一部分の上に、金属材料で構成される第2の反射部を、積層して形成することと、を備える表示体の製造方法。
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