JP2017223636A - 神経自己免疫疾患の診断 - Google Patents

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Abstract

【課題】神経学的疾患、特に、視覚障害、頭痛および/もしくは脳病変と関連する疾患の診断および処置を支援するために使用され得る新規な試薬、デバイスおよび方法を提供すること。【解決手段】本発明は、患者に由来するサンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含むポリペプチド(これは、好ましくは、固定される)を検出する工程を含む疾患を診断するための方法、疾患の診断のための上記ポリペプチドの使用、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、上記自己抗体を単離するための方法、ならびに上記ポリペプチドを含む医薬組成物、医療用デバイスもしくは検査キットに関する。【選択図】なし

Description

(発明の詳細な説明)
本発明は、患者に由来するサンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含むポリペプチド(これは、好ましくは固定されている)を検出する工程を包含する疾患を診断するための方法、疾患の診断のための上記ポリペプチドの使用、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、上記自己抗体を単離するための方法、ならびに上記ポリペプチドを含む医薬組成物、医療用デバイスもしくは検査キットに関する。
神経学的疾患の診断システムの開発は、生物医科学において相変わらず困難であり、遭遇する多くの症状は、遺伝性疾患(genetically-inherited disease)、薬物乱用、栄養失調、感染、傷害、精神疾患、免疫学的欠陥およびがんを含む極めて種々の原因が理由となり得るので、なおさらである。
神経学的疾患は、臨床症状の特有の特徴的パターンと希にしか関連しないので、罹患した患者の所見および検査または彼らの病歴のみに基づいて信頼性のある診断を提供することは、しばしば困難である。
早期診断の重要性は、過度の強調ではあり得ない。多くの神経学的障害(最も顕著なのは、アルツハイマー病およびパーキンソン病、ならびに多発性硬化症)は、治癒することはできないが、それらの進行を遅らせるために使用され得る薬物は利用可能である。診断が早期であるほど、利用可能な薬物の範囲を患者の最大限の利益に活かす可能性は、さらに増す。
このことは、自己抗体と関連する神経学的疾患の症例では、よりいっそう当てはまる。いくつかの症例では、特異的な検出可能な自己抗体と状態との間の関連は、迅速診断を可能にするために十分に強力である。
しかしそうでなくても、自己抗体の検出は、主治医に、患者の状態を改善するために使用され得る治療手段を示し得る。自己抗体の標的の性質とは無関係に使用され得る、種々の広範に使用される免疫抑制剤がある。あるいは、アフェレーシスは、患者の血液から自己抗体を除去するために使用され得る。多くの症例において、患者は、神経学的自己免疫疾患の早期診断および処置の後には、通常の生活を送るようになった。
自己抗体の検出に基づく診断アッセイはまた、自己抗体と関連するもの以外の疾患の診断を確証し得る。血液サンプルに特異的自己抗体がないことが判明すれば、これは、おそらく、主治医がある範囲の可能性を排除するので、妥当と思われる状態の範囲を絞り込む一助となる。
自己抗体の発生と同時に起こる神経学的状態の例としては、視神経脊髄炎(視覚および脊髄機能の喪失によって特徴付けられる疾患)および抗NMDA受容体脳炎(これは、自律神経機能不全、低換気、小脳性運動失調、片側不全麻痺、意識消失、もしくはカタトニーと関連する)が挙げられる。このようにして、自己抗体の関わりおよびこれら状態の性質は、以前から理解が不十分であった一方で、この疾患の多くは今や、自己抗体の検出に基づくアッセイが利用可能であるおかげで、効率的に診断および処置され得る。
多発性硬化症は、生命維持に必須の身体構造の自己免疫性破壊と関連すると広く考えられている別の疾患である。上記患者のうちの約20%は、視覚障害、より具体的には、視神経炎に罹患している。具体的診断は、症状の広い範囲および上記疾患の性質のせいで困難であり、攻撃の後には、ときおり上記症状の完全な消失が起こる。
従って、自己抗体と関連する神経学的状態を、自己抗体と関連しないものから区別する新たなアプローチが開発されることは、最も重要である。
本発明の根底にある課題は、神経学的疾患、特に、視覚障害、頭痛および/もしくは脳病変と関連する疾患の診断および処置を支援するために使用され得る新規な試薬、デバイスおよび方法を提供することである。
本発明の根底にある別の課題は、自己免疫疾患、特に、神経学的自己免疫疾患を、自己免疫疾患以外の疾患から区別する、最も有望な処置レジメンを、より具体的には、免疫抑制処置が妥当であるか否かを決定するためにはなおさらのこと使用され得る、新規な試薬、デバイスおよび方法を提供することである。
本発明の根底にある課題は、添付の独立請求項および従属請求項の主題によって解決される。
第1の局面において、本発明の根底にある課題は、患者に由来するサンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する工程を包含する、疾患を診断するための方法によって解決される。
第2の局面において、本発明の根底にある課題は、フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含むポリペプチド(これは、好ましくは固定され、より好ましくは、固体キャリアに固定される)によって解決される。
第3の局面において、本発明の根底にある課題は、好ましくは、サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する工程を含む疾患の診断のための本発明のポリペプチドの使用によって解決される。
第4の局面において、本発明の根底にある課題は、疾患の処置において使用するための本発明のポリペプチドによって解決される。
第5の局面において、本発明の根底にある課題は、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に、好ましくは、フロチリン1およびフロチリン2を含む複合体に結合する自己抗体、好ましくは単離された自己抗体であって、ここで上記自己抗体は、好ましくは、本発明のポリペプチド2と複合体の状態にあるものによって解決される。
第6の局面において、本発明の根底にある課題は、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を、好ましくは、フロチリン1およびフロチリン2を含む複合体を単離するための方法によって解決され、上記方法は、
a)上記自己抗体を含むサンプルと、本発明のポリペプチドとを、複合体の形成に適合する条件下で接触させる工程であって、ここで上記自己抗体は、上記ポリペプチドに結合する工程、
b)工程a)において形成された上記複合体を単離する工程、
c)工程b)において単離された上記複合体を解離する工程、ならびに
d)上記自己抗体を上記ポリペプチドから分離する工程
を包含する。
第7の局面において、本発明の根底にある課題は、本発明のポリペプチドを含む医薬組成物もしくは医療用デバイス、好ましくは診断用デバイスによって解決される。
第8の局面において、本発明の根底にある課題は、疾患の診断のための検査キットによって解決され、この検査キットは本発明のポリペプチドを含み、ここで好ましくは、上記検査キットは、さらに、請求項2に記載のポリペプチドならびにフロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を含む複合体を検出するための手段を含む。
好ましい実施形態において、上記患者は、CSFにおける細胞数上昇、髄腔内IgG合成、CSFにおけるオリゴクローナルバンド、CSFにおけるMRZ(Mは麻疹、Rは風疹、Zは水痘帯状疱疹)反応、視覚障害、好ましくは視力障害、視神経炎、頭痛、脊髄病変および脳病変、好ましくは視覚障害、より好ましくは視力障害、頭痛、脊髄病変および脳病変を含む群より選択される1または複数の症状、好ましくは2種またはそれより多くの症状を有するか、または上記疾患は、該1または複数の症状、好ましくは2種またはそれより多くの症状と関連する。
好ましい実施形態において、上記疾患は、神経学的疾患、好ましくは脱髄疾患、好ましくはCNSの疾患、好ましくは脳の疾患、好ましくは視神経の炎症と関連する疾患である。
好ましい実施形態において、上記ポリペプチドは、上記ポリペプチドをコードする核酸を含む細胞の形態で、もしくは上記ポリペプチドを含む組織の形態で提供される。
好ましい実施形態において、上記ポリペプチドは、組換え型ポリペプチドおよび/もしくは単離されたポリペプチドである。
好ましい実施形態において、上記サンプルは、好ましくは、全血、血清、脳脊髄液および唾液を含む群より選択される、抗体を含む体液である。
好ましい実施形態において、フロチリン1もしくはそのバリアントを含むポリペプチドおよびフロチリン2もしくはそのバリアントを含むポリペプチドの両方が存在し、好ましくは、複合体の一部である。
好ましい実施形態において、上記自己抗体は、フロチリン1およびフロチリン2を含む複合体に結合する。
本発明は、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に対する自己抗体、ならびにCSFにおける細胞数上昇、髄腔内IgG合成、CSFにおけるオリゴクローナルバンド、CSFにおけるMRZ反応、視覚障害、視神経炎、頭痛、脊髄病変および脳病変を含む群からの症状と関連する神経学的自己免疫疾患が存在するという本発明者らの驚くべき知見に基づく。
さらに、本発明は、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に対する自己抗体が存在し、神経学的症状に罹患している多くの患者に由来するサンプルにおいて検出され得るが、健康な被験体から得られるサンプルでは検出されないという本発明者らの驚くべき知見に基づく。
さらに、本発明は、病因が未知である公知の神経学的疾患、特に、脱髄疾患が、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に対する自己抗体の存在と関連するという本発明者らの驚くべき知見に基づく。
いかなる理論にも拘束されることを望まないが、このような自己抗体の存在は、神経学的症状、より具体的には脱髄疾患(特に、視覚の重要性と関連するもの)が起こるという趣旨の、フロチリン1および/もしくはフロチリン2ならびに/または下流のエフェクターの活性および機能がこのような自己抗体を有する患者において損なわれているということを示唆する。
フロチリン1および−2(別名:reggie−2および−1)は、視神経の外傷性傷害後のキンギョの網膜神経節細胞の軸索を再生するにあたってアップレギュレートされるとして元々は見出された。しかし、それらは、哺乳動物を含む多くの真核生物において十分に保存されている。脊椎動物において、両方のタンパク質は遍在性に発現され、横紋筋、脂肪組織および肺組織において最も豊富である。分子レベルでは、フロチリンは、脂質ラフトの細胞質側に結合され、従って、脂質ミクロドメインのマーカーとしてしばしば使用される。他の脂質ラフト構成要素に類似して、それらはTriton X−100には主に不溶性であるが、スクロース密度遠心分離後には浮遊する。機能的には、それらは、タンパク質相互作用、細胞シグナル伝達、アミロイド前駆タンパク質のクラスター化およびニューロンにおけるアミロイド生成性のプロセシングに関与する(Stuermer CA, Plattner H. The ’lipid raft’ microdomain proteins reggie−1 and reggie−2 (flotillins) are scaffolds for protein interaction and signalling. Biochem Soc Symp 2005;(72):109−18)。フロチリン−2の過剰発現は、いくつかのがんにおいて認められ、一般に、より重篤な進行と関連する(Arkhipova KA, Sheyderman AN, Laktionov KK, Mochalnikova VV, Zborovskaya IB. Simultaneous expression of flotillin−1, flotillin−2, stomatin and caveolin−1 in non−small cell lung cancer and soft tissue sarcomas. BMC Cancer 2014;14:100)。
本発明は、哺乳動物の、好ましくはヒトのフロチリン1もしくはそのバリアントおよび/またはフロチリン2もしくはそのバリアント、好ましくは、フロチリン1およびフロチリン2もしくはそのバリアントに結合する自己抗体に反応性の免疫原性バリアントを含むポリペプチドに関する。哺乳動物フロチリン1および/もしくはフロチリン2の例としては、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、モルモットもしくはブタに由来するものが挙げられる。最も好ましい実施形態において、フロチリン1は、データベースコードO75955によってコードされるポリペプチドもしくはそのバリアントであり、そして/またはフロチリン2は、データベースコードQ14254によってコードされるポリペプチドもしくはそのバリアントである。本願全体を通じて、引用される任意のデータベースコードは、Uniprotデータベース、より具体的には、2015年5月29日にオンラインでアクセス可能なバージョンに言及する。NP_005794およびNP_004466は、それぞれ、フロチリン1およびフロチリン2をコードするヌクレオチド配列を表す。
より好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、互いに直接もしくはリンカーを介して融合された、フロチリン1もしくはそのバリアントおよびフロチリン2もしくはそのバリアントの両方を含む。最も好ましい実施形態において、互いに直接もしくは他の分子を介して結合している、フロチリン1もしくはそのバリアントを含むポリペプチドおよびフロチリン2もしくはそのバリアントを含むポリペプチドの両方を含む複合体が使用される。好ましくは、上記複合体は、フロチリン1もしくはそのバリアントを含むポリペプチドおよびフロチリン2もしくはそのバリアントを含むポリペプチド以外のタンパク質を含まない。このような複合体は、疾患の診断のために上記複合体に結合する自己抗体を捕捉するために使用され得る。
フロチリン1もしくはそのバリアントを含む第1のポリペプチドおよびフロチリン2もしくはそのバリアントを含む第2のポリペプチドを含む複合体が使用される場合、上記第1および上記第2のポリペプチドは、同じ細胞で発現されて、このような複合体を形成し得る。あるいは、上記第1および上記第2のポリペプチドは、異なる細胞で別個に発現され得、発現後に、必要に応じて精製形態で再構成され得る。
本発明の教示は、ポリペプチド、特に、フロチリン1および/もしくはフロチリン2の天然配列を含むポリペプチド、または例えば、機能、名称、配列もしくはアクセッション番号によって、本願で明示的にまたは暗示的に言及される正確な配列を有する核酸を使用して行われてもよいだけでなく、このようなポリペプチドもしくは核酸のバリアントを使用して行われてもよい。
好ましい実施形態において、用語「バリアント」とは、本明細書で使用される場合、言及される全長配列の少なくとも1つのフラグメント、より具体的には、全長配列と比較して、1または複数のアミノ酸が一方もしくは両方の末端において短縮されている1または複数のアミノ酸配列もしくは核酸配列に言及し得る。このようなフラグメントは、元の配列のうちの少なくとも6個、7個、8個、10個、12個、15個、20個、25個、50個、75個、100個、150個もしくは200個の連続したアミノ酸を有するペプチドまたはそのバリアント含むか、あるいはそれらをコードする。上記バリアントの全体の長さは、少なくとも6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、20個、25個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個またはそれより多くのアミノ酸であり得る。
別の好ましい実施形態において、用語「バリアント」とは、少なくとも1つのフラグメントに関するのみならず、言及される参照アミノ酸配列もしくはそのフラグメントと少なくとも40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドもしくはそのフラグメントにも関し、ここで生物学的活性、例えば、抗原が(自己)抗体に結合する能力、または上記ポリペプチドの折りたたみもしくは構造に必須のもの以外のアミノ酸が、欠失もしくは置換され、そして/または1または複数のこのような必須のアミノ酸が、保存的様式で置き換えられ、そして/またはアミノ酸が付加され、その結果上記ポリペプチドの生物学的活性が保存される。技術水準は、2つの所定の核酸配列もしくはアミノ酸配列を整列させ、同一性の程度を計算するために使用され得る種々の方法を含む(例えば、Arthur Lesk (2008), Introduction to bioinformatics, Oxford University Press, 2008, 3rd editionを参照のこと)。好ましい実施形態において、ClustalWソフトウェア(Larkin, M. A., Blackshields, G., Brown, N. P., Chenna, R., McGettigan, P. A., McWilliam, H., Valentin, F., Wallace, I. M., Wilm, A., Lopez, R., Thompson, J. D., Gibson, T. J., Higgins, D. G. (2007). Clustal W and Clustal X version 2.0. Bioinformatics, 23, 2947−2948)は、デフォルト設定を使用して使用される。
好ましい実施形態において、上記ポリペプチドもしくはそのバリアントは、化学的改変、例えば、同位体標識もしくは共有結合改変(例えば、グリコシル化、リン酸化、アセチル化、脱カルボキシル化、シトルリン化、メチル化、ヒドロキシル化など)をさらに含み得る。当業者は、ポリペプチドを改変する方法に精通している。任意の改変は、上記バリアントの生物学的活性を破壊しないように設計される。
さらに、バリアントはまた、他の既知のポリペプチドもしくはそのバリアントとの融合によって生成され得、活性部分もしくはドメイン、好ましくは、参照配列の活性部分と整列させた場合に少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有するものを含み、ここで用語「活性部分」とは、本明細書で使用される場合、全長アミノ酸配列より短いアミノ酸配列、または核酸配列の場合には、全長アミノ酸配列より短いもののコードをそれぞれいい、そして/または天然配列のバリアントであるが、上記生物学的活性のうちの少なくともいくらかを保持する。
好ましい実施形態において、用語核酸の「バリアント」とは、好ましくはストリンジェントな条件下で、参照核酸もしくは野生型核酸にハイブリダイズする相補鎖の核酸を含む。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーは、当業者によって容易に決定され、一般に、プローブの長さ、洗浄温度および塩濃度に依存する経験に基づく計算である。一般に、プローブが長いほど、適切なアニーリングにはより高温を必要とする一方で、プローブが短いほど、それほど高温を要しない。ハイブリダイゼーションは、一般に、変性DNAがそれらの融解温度未満の環境に存在する相補鎖に再アニールする能力に依存する:プローブとハイブリダイズ可能な配列との間で所望される相同性の程度が高いほど、使用され得る相対温度は高くなる。結果として、相対温度が高いほど、反応条件をよりストリンジェントにする傾向がある一方で、温度が低いほどそれほどストリンジェントにしない傾向がある。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーのさらなる詳細および説明に関しては、Ausubel, F. M. (1995), Current Protocols in Molecular Biology. John Wiley & Sons, Inc.を参照のこと。さらに、当業者は、ハイブリダイゼーションの手段によってDNA配列をどのように同定するかに関して、マニュアルBoehringer Mannheim GmbH (1993) The DIG System Users Guide for Filter Hybridization, Boehringer Mannheim GmbH, Mannheim, Germany and in Liebl, W., Ehrmann, M., Ludwig, W., and Schleifer, K. H. (1991) International Journal of Systematic Bacteriology 41: 255−260に示される説明に従ってもよい。好ましい実施形態において、ストリンジェントな条件は、任意のハイブリダイゼーションに適用され、すなわち、ハイブリダイゼーションは、上記プローブがその標的配列と70%以上同一である場合にのみ起こる。その標的配列に関して同一性の程度が低いプローブは、ハイブリダイズし得るがこのようなハイブリッドは不安定であり、ストリンジェントな条件下での洗浄工程で、例えば、塩濃度を2×SSCへ、または必要に応じてその後0.5×SSCと低下させて、除去される一方で、温度は、優先度を増大させる順に、約50℃〜68℃、約52℃〜68℃、約54℃〜68℃、約56℃〜68℃、約58℃〜68℃、約60℃〜68℃、約62℃〜68℃、約64℃〜68℃、約66℃〜68℃である。特に好ましい実施形態において、温度は、約64℃〜68℃もしくは約66℃〜68℃である。0.2×SSCもしくはさらに0.1×SSCへと塩濃度を調節することも可能である。上記参照配列もしくは野生型配列に関して、少なくとも70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性の程度を有する核酸配列が単離され得る。好ましい実施形態において、用語核酸配列のバリアントは、本明細書で使用される場合、遺伝コードの縮重に則って、上記参照核酸配列と同じアミノ酸配列およびそのバリアントをコードする任意の核酸配列をいう。
上記ポリペプチドのバリアントは、生物学的活性を有する。好ましい実施形態において、このような生物学的活性は、目的の自己抗体に特異的に結合する能力、好ましくは、本発明者らによって同定された疾患に罹患している患者において見出されるフロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する能力である。
フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含む本発明のポリペプチドあるいは本発明の自己抗体は、本発明の教示を実施するために使用される場合、内因性の形態にある上記ポリペプチドを含む液体サンプル、組織もしくは細胞、より好ましくは、上記ポリペプチドを過剰発現する細胞、このような細胞の粗製溶解物もしくは富化された溶解物から、精製されたポリペプチドおよび/もしくは必要に応じて本質的に純粋である単離されたポリペプチドまで、任意の形態でおよび任意の精製程度で提供され得る。好ましい実施形態において、上記ポリペプチドは、天然のポリペプチドであり、ここで用語「天然のポリペプチド」とは、本明細書で使用される場合、折りたたまれたポリペプチド、より好ましくは、組織もしくは細胞から(より好ましくは、哺乳動物の細胞もしくは組織から、必要に応じて、非組み換えの組織もしくは細胞から)精製された折りたたまれたポリペプチドをいう。別の好ましい実施形態において、上記ポリペプチドは、組換え型タンパク質であり、ここで用語「組換え型」とは、本明細書で使用される場合、生成プロセスの任意の段階での遺伝子操作アプローチを使用して、例えば、上記ポリペプチドをコードする核酸を、細胞もしくは組織での過剰発現のために強力なプロモーターに融合することによって、または上記ポリペプチド自体の配列を操作することによって生成されるポリペプチドをいう。当業者は、核酸およびコードされるポリペプチドを操作するための方法(例えば、Sambrook, J., Fritsch, E. F. and Maniatis, T. (1989), Molecular Cloning, CSH or in Brown T. A. (1986), Gene Cloning − an introduction, Chapman & Hallに記載される)、ならびに天然のもしくは組換えのポリペプチドを生成および精製するための方法(例えば、Handbooks “Strategies for Protein Purification“, “Antibody Purification“, “Purifying Challenging Proteins“ (2009/2010), published by GE Healthcare Life Sciences, and in Burgess, R. R., Deutscher, M. P. (2009), Guide to Protein Purification)に精通している。好ましい実施形態において、ポリペプチドは、それぞれのサンプル中のポリペプチドのうちの少なくとも60%、70%、80%、90%、95%もしくは99%が、SDSポリアクリルアミド・ゲル電気泳動、続いて、クーマシーブルー染色および目視によって判断される場合に、上記ポリペプチドからなる場合には純粋である。
本発明のポリペプチドが組織の形態で提供される場合、上記組織が哺乳動物組織、例えば、ヒト、ラット、霊長類、ロバ、マウス、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタもしくはウシの組織であり、より好ましくは、脳組織、最も好ましくは小脳であることは、好ましい。細胞溶解物が使用される場合、上記細胞溶解物は、上記細胞の表面と会合する膜を含むことは、好ましい。上記ポリペプチドが組換え型細胞の形態で提供される場合、上記組換え型細胞が、真核生物細胞、例えば、酵母細胞、より好ましくは、多細胞真核生物(例えば、植物、哺乳動物、カエルもしくは昆虫)、最も好ましくは、哺乳動物(例えば、ラット、ヒト、霊長類、ロバ、マウス、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタもしくはウシ)に由来する細胞であることは、好ましい。
本発明の教示を実施するために使用されるポリペプチド(任意のバリアントを含む)は、好ましくは、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体によって認識されるおよび/または該自己抗体に特異的に結合するエピトープを含むように設計される。一実施形態において、このようなポリペプチドは、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に由来する6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、20個、25個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個またはそれより多くの、好ましくは少なくとも9であるが16個以下の保存的アミノ酸の範囲を含む。当業者は、十分な免疫原性を有するペプチドを設計するために使用されるガイドライン、例えば、Jackson, D. C., Fitzmaurice, C. J., Brown, L. E., Zeng, W. (1999), Preparation and properties of totally synthetic immunogenes, Vaccine Volume 18, Issues 3−4, September 1999, Pages 355−361;およびBlack, M., Trent, A., Tirrell, M. and Olive, C. (2010), Advances in the design and delivery of peptide subunit vaccines with a focus on Toll−like receptor agonists, Expert Rev Vaccines, 2010 February; 9(2): 157−173に記載されるものに精通している。簡潔には、上記ペプチドが、以下の要件のうちの可能な限り多くを満たすことが望ましい:(a)高い程度の親水性を有する、(b)アスパラギン酸、プロリン、チロシンおよびフェニルアラニンを含む群より選択される1または複数の残基を含む、(c)より高い特異性のために、他の公知のペプチドもしくはポリペプチドと全くもしくはほとんど相同性を有しない、(d)十分に可溶性である必要がある、および(e)具体的理由のために必要とされなければ、グリコシル化部位もリン酸化部位も含まない。あるいは、バイオインフォマティクスアプローチに従い得る(例えば、Moreau, V., Fleury, C., Piquer, D., Nguyen, C., Novali, N., Villard, S., Laune, D., Granier, C. and Molina, F. (2008), PEPOP: Computational design of immunogenic peptides, BMC Bioinformatics 2008, 9:71によって記載されるもの)。
本発明のポリペプチドは、フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアント、好ましくは、フロチリンa(flotillina)およびフロチリン2を含む1つのポリペプチド(one or polypeptide)または2種またはそれより多くのポリペプチドの複合体を含み、本発明に従って使用される場合、任意の種のコンホメーションで提供され得る。例えば、上記ポリペプチドは、本質的に折りたたまれていないポリペプチド、部分的にもしくは完全に折りたたまれているポリペプチドであり得る。好ましい実施形態において、上記ポリペプチドは、本発明の自己抗体に結合するために必須のエピトープ、または上記タンパク質もしくはそのバリアントがその全体として、その天然の環境において天然のタンパク質がとっている折りたたみをとるという意味で、折りたたまれている。当業者は、ポリペプチドが折りたたまれているか否か、および折りたたまれているならば、それがどのような構造を有するかを決定するために適した方法(例えば、タンパク質限定分解、NMR分光法、CD分光法もしくはX線結晶学)に精通しており(例えば、 Banaszak L. J. (2008), Foundations of Structural Biology, Academics Press, or Teng Q. (2013), Structural Biology: Practical Applications, Springerを参照のこと)、好ましくは、CD分光法が使用される。
本発明のポリペプチドは、フロチリン1および/もしくはフロチリン2から取り出されたもの以外のアミノ酸配列、特に、C末端タグもしくはN末端タグ、好ましくは、C末端タグを含む融合タンパク質であり得、これは、好ましい実施形態において、本明細書で使用される場合、一部の生物学的もしくは物理的機能を有する機能を有するさらなる配列モチーフもしくはポリペプチドであり、例えば、本発明のポリペプチドを精製、固定、沈殿もしくは同定するために使用され得る。より好ましい実施形態において、上記タグは、リガンド、例えば、タグ(Hisタグ、チオレドキシン、マルトース結合タンパク質、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、蛍光タグ(例えば、緑色蛍光タンパク質を含む群に由来する)を含む群より選択される)に特異的に結合し得る配列もしくはドメインである。配列番号1、2および配列番号5、6は、それぞれ、フロチリン1およびフロチリン2を含む例示的融合ポリペプチドを表す。
本発明のポリペプチドは、固定されたポリペプチドであり得る。好ましい実施形態において、用語「固定された」とは、本明細書で使用される場合、水性溶液中で不溶性の固体キャリアに、より好ましくは共有結合、静電気的相互作用、被包化もしくは捕捉を介して、例えば、球状ポリペプチドをゲルの中で変性させることによって、または疎水性相互作用を介して、最も好ましくは、1または複数の共有結合を介して結合した分子をいう。このようなキャリアは、好ましくは、人工キャリアであり、これは、大部分は、生物学的材料(例えば、組織切片)ではない。種々の適切なキャリア、例えば、紙、ポリスチレン、金属、ケイ素もしくはガラス表面、微小流体チャネル、膜、ビーズ(例えば、磁性ビーズ)、カラムクロマトグラフィー媒体、バイオチップ、ポリアクリルアミドゲルなどは、文献に記載されてきた(例えば、Kim, D., and Herr, A. E. (2013), Protein immobilizsation techniques for microfluidic assays, Biomicrofluidics 7(4), 041501)。このようにして、固定された分子は、不溶性キャリアとともに、簡便な様式で、例えば、濾過、遠心分離もしくは別の容器に移すことによって、水性溶液から分離され得る。固定された分子は、可逆的な様式で固定されていても、不可逆的な様式で固定されていてもよい。例えば、上記固定は、上記分子が高濃度の塩の添加によって遮断され得るイオン性相互作用を介して上記キャリアと相互作用する場合または上記分子が切断可能な共有結合(例えば、チオール含有試薬の添加によって切断され得るジスルフィド架橋)を介して結合される場合には、可逆的である。対照的に、上記固定は、上記分子が、水性溶液中で切断できない共有結合(例えば、リジン側鎖をアフィニティーカラムへとカップリングするために頻繁に使用される、エポキシド基およびアミン基の反応によって形成される結合)を介して上記キャリアに繋がれる場合には不可逆的である。上記タンパク質は、例えば、上記分子に対する親和性を有する抗体もしくは他の実体を固定し、続いて、上記分子−抗体複合体が固定されるという趣旨での複合体の形成によって、間接的に固定され得る。分子を固定するための種々の方法は、文献に記載される(例えば、Kim, D., Herr, and A. E. (2013), Protein immobilizsation techniques for microfluidic assays, Biomicrofluidics 7(4), 041501)。さらに、固定化反応のための種々の試薬およびキットは、例えば、Pierce Biotechnologyから市販されている。
本発明に則って診断のために使用されるサンプルが、抗体(免疫グロブリンともいわれる)を含むことは、必須である。代表的には、体液のサンプルは、上記被験体の免疫グロブリン全体の代表的セットを含む。しかし、上記サンプルは、いったん提供されれば、種々のクラスの免疫グロブリンの相対的分布に影響を及ぼし得る、免疫グロブリン全体もしくは上記被験体の任意の免疫グロブリンクラスの分画、遠心分離、富化もしくは単離を含み得るさらなる処理へと供され得る。
本願全体を通じて記載される試薬、デバイス、方法および使用は、疾患の診断のために使用され得る。好ましい実施形態において、上記疾患は、神経学的疾患である。より好ましい実施形態において、用語「神経学的疾患」とは、本明細書で使用される場合、神経系、より好ましくは視覚に、より好ましくは視神経に必須の神経系のエレメントの欠如と関連する任意の疾患をいう。
好ましい実施形態において、上記疾患、より好ましくは、神経学的疾患は、がん、CSFにおける細胞数上昇、髄腔内IgG合成、CSFにおけるオリゴクローナルバンド、CSFにおけるMRZ反応、視覚障害、好ましくは視力障害、視神経炎、頭痛、脊髄病変および脳病変を含む群からの1または複数の症状、より好ましくは2種またはそれより多くの症状、最も好ましくは3種またはそれより多くの症状と関連する。好ましくは、上記疾患は、免疫調節療法、好ましくは免疫抑制治療に応答する。
別の好ましい実施形態において、上記疾患は、アルツハイマー病、自閉症、アスペルガー症候群、失行、失語、小脳症候群、小脳炎、舞踏病、脳炎、運動障害、脊髄小脳失調(好ましくは、非進行性の形態)、麻痺、対麻痺、ゴーシェ病、ミオパチー、重症筋無力症、多発性硬化症、パーキンソン病、多発神経障害および認知症、好ましくは、小脳症候群、小脳炎、多発性硬化症、運動障害および認知症、より好ましくは、多発性硬化症を含む群より選択される神経学的疾患である。より好ましい実施形態において、上記疾患は、脱髄疾患、より好ましくは、CNSに影響を及ぼす脱髄疾患であり、より好ましくは、多発性硬化症、最も好ましくは、視神経炎と関連する多発性硬化症である。
別の好ましい実施形態において、上記疾患は、がん、または好ましくは、傍腫瘍性神経症候群(これは、1または複数の神経学的症状と関連し、好ましくは、CSFにおける細胞数上昇、髄腔内IgG合成、CSFにおけるオリゴクローナルバンド、CSFにおけるMRZ反応、視覚障害、視神経炎、頭痛、脊髄病変および脳病変を含む群に由来する)であり、がんとさらに関連する。フロチリン1および/もしくはフロチリン2に対する自己抗体の検出は、他の方法を使用して検出できないか、または疾患が進行するにつれて出現するがんが存在するという可能性の増大を示し得る。好ましい実施形態において、上記がんは、肺の腫瘍、胸腺の腫瘍、胸腺腫瘍、精巣腫瘍、頭頸部がん腫瘍、乳がん腫瘍、肛門性器がん腫瘍、黒色腫、肉腫、カルチノーマ、リンパ腫、白血病、中皮腫、神経膠腫、胚細胞腫瘍、絨毛癌、膵臓がん、卵巣がん、胃がん、膵臓の癌性病巣、肺腺癌、結腸直腸腺癌、肺扁平上皮腺癌(pulmonary squamous adenocarcinoma)、胃腺癌、卵巣表層上皮の新生物(例えば、それについての種々の良性、増殖性もしくは悪性新生物)、口腔扁平上皮癌、非小細胞肺癌、子宮内膜癌、膀胱がん、前立腺癌、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、非小細胞肺がん(NSCLC)、ウィルムス腫瘍、白血病、リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、中皮腫(例えば、悪性中皮腫)、胃がん、結腸がん、肺がん、乳がん、胚細胞腫瘍、卵巣がん、子宮がん、甲状腺がん、肝細胞がん、甲状腺がん、肝臓がん、腎臓がん、カポジ肉腫および別の癌もしくは肉腫を含む群より選択される腫瘍のがんである。
好ましい実施形態において、用語「診断」とは、本明細書で使用される場合、患者が罹患するか、または罹患の可能性があるかまたは平均的もしくは比較の被験体より罹患の可能性が高いかどうか(後者は、好ましくは類似の症状を有する)の評価に役立つ情報を得ること、過去に、診断時にもしくは将来にある種の疾患もしくは障害に罹患すること、上記疾患がどのように進行しているかもしくは将来的に進行する可能性があるかを見出すこと、またはある種の処置(例えば、免疫抑制薬の投与)に関して患者の応答性を評価することを目的とする、任意の種類の手順に言及する。言い換えると、用語「診断」は、診断することだけでなく、疾患もしくは障害の経過を予後判定および/もしくはモニターすることもまた含む。
多くの症例において、単なる検出は、言い換えると、上記抗体の検出可能なレベルが上記サンプルに存在するか否かを決定することは、診断に十分である。上記自己抗体が検出され得る場合、これは、臨床医の診断に役立つ情報であり、上記患者が疾患に罹患する可能性の増大を示す。好ましい実施形態において、血清中の上記抗体の相対的濃度は、平均的な健康な被験体において見出され得るレベルと比較して、決定され得る。多くの症例において、自己抗体が上記サンプルに存在するかもしくは検出可能であるか否かを決定することは十分であり得る一方で、診断に役立つ情報を得るために行われる方法は、その濃度が平均的な健康な被験体において見出される濃度より少なくとも0.1倍、好ましくは、0.2倍、0.5倍、1倍、2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、10000倍もしくは100000倍高いかどうかを決定することを包含し得る。
当業者は、臨床医が通常、単一の診断パラメーターに基づいてのみ、患者が疾患、状態もしくは障害に罹患するかもしくは罹患する可能性があるか否かを結論づけないが、他の局面、例えば、他の自己抗体の存在、マーカー、血液パラメーター、患者の症状の臨床評価、または医用画像化もしくは他の非侵襲的な方法(例えば、睡眠ポリグラフ検査)の結果を考慮に入れて確定診断に達する必要があることを認識する。Baenkler H. W. (2012), General aspects of autoimmune diagnostics, in Renz, H., Autoimmune diagnostics, 2012, de Gruyter, page 3を参照のこと。診断剤(diagnostic agent)もしくは診断法の価値は、1つの疾患を除外する可能性に存し得るので、別の間接的な診断も可能にし得る。好ましい実施形態において、本願全体を通じて言及される任意の症状もしくは疾患の意味は、テキストブックおよび科学刊行物によって証明されるとおり、2015年5月29日当時の当業者の理解に則っている。好ましい実施形態において、本発明に従うポリペプチドもしくは上記方法は、患者が、MSの症状に類似の症状によって、より好ましくはMSとNMOとの間の区別に関して、特徴付けられる疾患に罹患しているかどうかを決定するために使用され得る。
従って、用語「診断」は、好ましくは、本発明に従う診断法もしくは診断剤が、パラメーターはもちろん、単一の検査に基づいて診断を決定するために決定的かつ十分であるということを暗示するのではなく、「鑑別診断」(すなわち、ある範囲の診断パラメーターに基づいて考えられる状態の範囲の可能性を考慮する系統だった診断手順)といわれるものへの寄与を指し得る。結論として、必要に応じて患者が疾患に罹患するかどうかを決定するための、本発明の方法、ポリペプチドもしくは使用は、患者(好ましくは、ヒト患者)からサンプルを得る工程、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体が上記サンプル中に存在するかどうかを決定する工程であって、ここで上記決定する工程は、上記サンプルと本発明のポリペプチドとを接触させることで行われる工程、および上記ポリペプチドと上記自己抗体との間に結合が起こったかどうかを、好ましくは、標識二次抗体を使用して検出する工程であって、ここで上記自己抗体は、上記サンプル中に存在する場合に上記ポリペプチドに結合する工程、ならびに上記自己抗体が上記サンプル中に存在することが決定された場合に、上記神経学的障害もしくはがんに罹患しているかもしくは罹患する可能性が高いと上記患者を診断する工程を包含し得る。好ましい実施形態において、本発明の方法は、a)アクアポリン−4、ならびにb)フロチリン1および/もしくはフロチリン2(好ましくは、その順序で)に対する抗体を検出する工程を企図し得る。用語「診断」とはまた、類似のもしくは同一の症状と関連する2種またはそれより多くの状態の間を区別するために使用される方法もしくは剤に言及し得る。
用語「診断」はまた、患者にとって最も有望な処置レジメンを選択するために使用される方法もしくは剤をいい得る。言い換えると、上記方法もしくは剤は、被験体の処置レジメンを選択することに関し得る。例えば、自己抗体の検出は、免疫抑制療法が選択される予定であることを示し得、上記療法は、1または複数の免疫抑制薬を上記患者に投与することを包含し得る。
本発明は、本発明のポリペプチドに結合する抗体、好ましくは自己抗体を含む複合体に関する。このような複合体は、疾患を診断するための方法の一部として使用もしくは検出され得る。被験体由来の抗体を含む液体サンプルは、上記方法を実施するために使用され得る。このような液体サンプルは、上記被験体由来の抗体の代表的セットを含む任意の体液、好ましくは、上記被験体由来のIgG免疫グロブリンクラスの抗体を含むサンプルであり得る。例えば、サンプルは、脳脊髄液(CSF)、血液もしくは血清、リンパ液、間質液であり得、好ましくは、血清もしくはCSF、より好ましくは血清である。
抗体を含む液体サンプルと、本発明のポリペプチドとを接触させる工程は、上記ポリペプチドの固定された形態を、抗体を含む上記サンプルの存在下、上記ポリペプチドおよび本発明のポリペプチドに結合する抗体、好ましくは自己抗体を含む複合体の形成と適合性である条件下でインキュベートすることによって行われ得る。上記液体サンプル(そのとき、本発明のポリペプチドに結合して抗体が枯渇している)は、引き続いて除去され得、続いて、1または複数の洗浄工程が行われ得る。最後に、上記抗体および上記ポリペプチドを含む複合体が検出され得る。好ましい実施形態において、用語「複合体の形成と適合性の条件」とは、特異的抗原−抗体相互作用を可能にして、上記ポリペプチドおよび上記抗体を含む複合体(the complex comprising the polypeptide an the antibody)を形成する条件である。好ましい実施形態において、このような条件は、PBS緩衝液で1:100希釈したサンプル中の上記ポリペプチドを、30分間25℃でインキュベートすることを含み得る。好ましい実施形態において、用語「自己抗体」とは、本明細書で使用される場合、上記自己抗体を生成する動物(好ましくは哺乳動物)の内因性分子に特異的に結合する抗体であって、このような抗体のレベルは、より好ましくは、このような内因性分子に対して特異的に結合する任意の他の抗体の平均と比較して上昇している抗体をいう。最も好ましい実施形態において、上記自己抗体は、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体である。
好ましい実施形態において、本発明に従う予後、診断、方法もしくは検査キットのための複合体の検出は、免疫拡散法、免疫電気泳動法、光散乱イムノアッセイ、光散乱イムノアッセイ、凝集法、標識イムノアッセイ(例えば、放射能標識イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、化学発光イムノアッセイ、および免疫蛍光法を含む群からのもの)を含む群より選択される方法の使用を包含する。当業者は、これら方法に精通しており、それらは、当該技術水準において、例えば、Zane, H. D. (2001), Immunology − Theoretical & Practical Concepts in Laboratory Medicine, W. B. Saunders Company、特に、第14章に記載される。
あるいは、液体サンプル以外の、本発明のポリペプチドを含む組織を含むサンプルも使用され得る。上記組織サンプルは、好ましくは、内因性のフロチリン1および/もしくはフロチリン2を発現する組織に由来する。次いで、このようなサンプル(これは、キャリア、例えば、顕微鏡による分析のためのスライドガラスに固定された組織切片の形態にあり得る)は、本発明のポリペプチドに結合する本発明の抗体、好ましくは自己抗体と接触させられ得る。上記抗体は、好ましくは、本発明のポリペプチドに結合する内因性の抗体からの区別を可能にするために標識され、その結果、新たに形成された複合体は、検出、および必要に応じて定量され得る。形成された複合体の量が、健康な被験体から採取されたサンプルにおいて見出された量より少ない場合、上記サンプルが検査された被験体は、疾患におそらく罹患している。
上記抗体および本発明のポリペプチドを含む複合体の存在もしくは非存在を示す任意のデータは、参照データと相関され得る。例えば、上記複合体の検出は、上記分析されるサンプルを提供した患者が疾患に既に罹患しているか、罹患しつつあるかもしくはおそらく将来的に罹患する可能性があることを示す。患者が以前に診断されている場合、診断に関連する情報を得るための方法は、再度実行され、両方の実行で検出された複合体の量を相関させて、疾患の進行および/もしくは処置の成功について見出すことができる。例えば、複合体の量が増大していることが分かった場合、これは、上記障害が進行しつつあるか、将来的におそらく発現するか、そして/または試みられるいずれの処置も成功しないことを示唆する。
好ましい実施形態において、マイクロプレート、膜ELISA、ドットブロット、もしくはラインブロットは、本発明に従う診断法を行うために使用される。当業者は、実験設定に精通しており、これは、当該技術水準において記載される(Raoult, D., and Dasch, G. A. (1989), The line blot: an immunoassay for monoclonal and other antibodies. Its application to the serotyping of gram−negative bacteria. J. Immunol. Methods, 125 (1− 2), 57−65; WO2013041540)。
別の好ましい実施形態において、本発明の教示に従う予後、診断、方法もしくは検査キットは、間接的免疫蛍光の使用を企図する。当業者は、このような技法および適切なサンプルの調製に精通しており、これらは、当該技術水準(US4647543; Voigt, J., Krause, C., Rohwaeder, E, Saschenbrecker, S., Hahn, M., Danckwardt, M., Feirer, C., Ens, K, Fechner, K, Barth, E, Martinetz, T., and Stoecker, W. (2012), Automated Indirect Immunofluorescence Evaluation of Antinuclear Autoantibodies on HEp−2 Cells,” Clinical and Developmental Immunology, vol. 2012, doi:10.1155/2012/65105; Bonilla, E., Francis, L., Allam, F., et al., Immuno−fluorescence microscopy is superior to fluorescent beads for detection of antinuclear antibody reactivity in systemic lupus erythematosus patients, Clinical Immunology, vol. 124, no. 1, pp. 18−21, 2007)において記載される。適切な試薬、デバイスおよびソフトウェアパッケージは、例えば、EUROIMMUN(Luebeck, Germany)から市販されている。
サンプルは、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体が存在するかどうかのみを決定するための検査に供されるが、診断法、検査、デバイスなどが、神経学的自己免疫疾患に関する種々の抗原もしくはそのバリアント(好ましくは、Hu、Yo、Ri、CV2、PNMA1、PNMA2、DNER/Tr、ARHGAP26、ITPR1、ATP1A3、NBC1、ニューロコンドリン(Neurochrondrin)、CARPVIII、Zic4、Sox1、Ma、MAG、MP0、MBP、GAD65、アンフィファイシン、レコベリン、GABA Aレセプター、GABA Bレセプター、グリシンレセプター、ゲフィリン、IgLON5、DPPX、アクアポリン−4、MOG、NMDAレセプター、AMPAレセプター、GRM1、GRM5、LGI1、VGCCおよびmGluR1ならびにCASPR2を含む群より選択され、これら抗原は、好ましくは、例えば、医療用デバイス(例えば、ラインブロット)に固定される)に対する自己抗体の存在を決定することを企図することは好ましい。診断上関連するマーカーであるニューロコンドリン、(EP15001186)、ITPR1(EP14003703.7)、NBC1(EP14003958.7)およびATP1A3(ヒトニューロンNa(+)/K(+) ATPアーゼのα3サブユニットともいわれる(EP14171561.5))は、当該技術水準において記載されている。
本発明の教示によれば、抗体、好ましくは、本発明のポリペプチドに結合する自己抗体は、疾患の診断のために使用され、提供される。当業者は、抗体を精製するための方法に精通している(例えば、Hermanson, G. T., Mallia, A. K., and Smith, P. K. (1992), Immobilized Affinity Ligand Techniques, San Diego: Academic Pressに記載されるもの)。簡潔には、目的の抗体に特異的に結合する抗原(この抗原は、本発明のポリペプチドである)は固定され、アフィニティークロマトグラフィーを介して、適切な供給源から目的の上記抗体を精製するために使用される。本発明者らによって同定された神経学的障害に罹患している患者に由来する抗体を含む液体サンプルは、その供給源として使用され得る。
本発明によれば、抗体、例えば、自己抗体が提供され、これは、本発明のポリペプチドに特異的に結合し得る。好ましい実施形態において、用語「抗体」とは、本明細書で使用される場合、任意の免疫グロブリンベースの結合部分、より好ましくは、少なくとも1個の免疫グロブリン重鎖および1個の免疫グロブリン軽鎖を含むもの(モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、ならびに抗体の改変体、特に、フラグメントが挙げられるが、これらに限定されない)であって、その結合部分は、そのそれぞれの抗原に結合し得、より好ましくはそのそれぞれの抗原に特異的に結合し得るものをいう。好ましい実施形態において、用語「特異的に結合する」とは、本明細書で使用される場合、結合が、25℃においてPBS緩衝液(pH7)中でBiacore装置を使用して表面プラズモン共鳴によって決定される場合、1×10−5M、より好ましくは1×10−7M、より好ましくは1×10−8M、より好ましくは1×10−9M、より好ましくは1×10−10M、より好ましくは1×10−11M、より好ましくは1×10−12Mの解離定数によって特徴付けられる結合反応より強いことを意味する。上記抗体は、異種の自己抗体調製物の一部であってもよいし、同種の自己抗体であってもよく、ここで異種の調製物は、ヒトドナーの血清からの調製によって、例えば、上記抗原に結合し得る任意の自己抗体を精製するために固定された抗原を使用するアフィニティークロマトグラフィーによって、得られ得るものとは異なる複数の自己抗体種を含む。上記抗体は、グリコシル化されていてもよいし、グリコシル化されていなくてもよい。当業者は、抗体およびその改変体の同定、生成および精製のために使用され得る方法(例えば、EP 2 423 226 A2およびその中の参考文献に記載されるもの)に精通している。上記抗体は、診断剤それ自体として、または組み合わせて例えば、本発明のポリペプチドとの複合体の状態で使用され得る。
本発明は、本発明のポリペプチドに結合する抗体、好ましくは自己抗体を単離するための方法を提供し、上記方法は、a)上記抗体を含むサンプルと、本発明のポリペプチドとを、複合体が形成されるように接触させる工程、b)工程a)で形成された複合体を単離する工程、c)工程b)で単離された複合体を解離する工程、およびd)上記抗体を本発明のポリペプチドから分離する工程を包含する。本発明者らによって同定された新規な神経学的障害に罹患している患者に由来するサンプルは、抗体の供給源として使用され得る。適切な方法は、当該技術水準において、例えば、Handbooks “Affinity chromatography”, “Strategies for Protein Purification“ and ?Antibody Purification“ (2009/2010),GE Healthcare Life Sciences出版,およびPhilips, Terry, M., Analytical techniques in immunochemistry, 1992, Marcel Dekker, Inc.において記載される。
本発明は、本発明のポリペプチドを含む医薬組成物を提供し、上記組成物は、被験体、好ましくは哺乳動物被験体、より好ましくはヒトへの投与に好ましくは適している。このような医薬組成物は、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。上記医薬組成物は、例えば、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、点眼によって、直腸に、鼻に、口内に、膣にもしくは埋め込まれたレザバを介して投与され得、ここで用語「非経口的に」とは、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内(instrasternal)、髄腔内、病変内および頭蓋内の注射もしくは注入技法を含む。上記医薬組成物は、適切な剤形、例えば、カプセル剤、錠剤ならびに水性懸濁剤および液剤において、好ましくは滅菌形態において提供され得る。それは、疾患の処置方法において使用され得、この方法は、有効量の本発明のポリペプチドを被験体に投与することを包含する。好ましい実施形態において、本発明は、必要に応じて補助剤(例えば、アジュバントもしくは緩衝剤)を含む、本発明のポリペプチドを含むワクチンを、ならびにワクチンの調製のための本発明のポリペプチドの使用を提供する。
本発明の範囲内では、本発明の(自己)抗体および/もしくは本発明のポリペプチドを含む(好ましくは本発明の(自己)抗体および/もしくは本発明のポリペプチドで被覆された)医療用デバイスもしくは診断用デバイスが提供される。好ましくは、このような医療用デバイスもしくは診断用デバイスは、本発明のポリペプチドを、上記デバイスと、水性溶液、より好ましくは液体のヒトサンプルとを簡便な様式で接触させることを可能にする形態で含む。特に、含まれる本発明のポリペプチドは、人工キャリア(好ましくは、ガラスプレートもしくはスライドガラス、バイオチップ、マイクロタイタープレート、ビーズ、例えば、磁性ビーズ、アフェレーシスデバイス、クロマトグラフィーカラム、膜などを含む群より選択される)などのキャリアの表面に固定され得る。例示的な医療用デバイスとしては、ラインブロット、マイクロプレート、顕微鏡用スライドガラス、ビーズおよびバイオチップが挙げられる。本発明のポリペプチドに加えて、上記医療用デバイスもしくは診断用デバイスは、さらなるポリペプチドを、好ましくは、富化された、単離されたおよび/もしくは組換え型形態で、例えば、陽性もしくは陰性コントロールまたは診断価値のある自己抗体に結合する既知の他の抗原、特に、1または複数の同一なもしくは類似の症状と関連する、関連した他の疾患のものを含み得る。上記医療用デバイス、好ましくは、1または複数の抗原、好ましくは1種より多くの抗原を含む1種の診断上有用なキャリア、または1種より多くの診断上有用なキャリア(各々が1または複数の抗原、好ましくは、1種の抗原を含む)は、本発明のポリペプチドに加えて、以下:Hu、Yo、Ri、CV2、PNMA1、PNMA2、DNER/Tr、ARHGAP26、ITPR1、ATP1A3、NBC1、ニューロコンドリン、CARPVIII、Zic4、Sox1、Ma、MAG、MP0、MBP、GAD65、アンフィファイシン、レコベリン、GABA Aレセプター、GABA Bレセプター、グリシンレセプター、ゲフィリン、IgLON5、DPPX、アクアポリン−4、MOG、NMDAレセプター、AMPAレセプター、GRM1、GRM5、LGI1、VGCCおよびmGluR1ならびにCASPR2、好ましくは、少なくとも本発明に従うポリペプチド、アクアポリン−4およびMOGを含む組み合わせを含む群からの1または複数の抗原を含み得る。生物学的活性として、抗原に対するそれぞれの自己抗体に結合する能力を有する各抗原のバリアントは、上記抗原の代わりに使用され得る。
本発明の技法は、好ましくは疾患を診断するための、キットを提供する。このようなキットは、上記キットの使用方法を詳述する指示、および本発明のポリペプチドと被験体(好ましくはヒト被験体)由来の体液サンプルとを接触させるための手段、例えば、ラインブロットを含み得、ここで本発明のポリペプチドは、上記ラインブロットに固定されている。さらに、上記キットは、陽性コントロール(例えば、本発明のポリペプチドに結合することが既知の自己抗体もしくは組換え型抗体のバッチ)および陰性コントロール(例えば、本発明のポリペプチドに対して検出可能な親和性を有しないタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン))を含み得る。最後に、このようなキットは、較正曲線を作成するための抗体もしくは抗原の標準溶液を含み得る。
好ましい実施形態において、上記キットは、本発明のポリペプチドに結合する抗体、より好ましくは自己抗体を、好ましくは、本発明のポリペプチドおよび本発明のポリペプチドに結合する抗体を含む複合体を検出することによって、検出するための手段を含む。このような手段は、好ましくは、上記複合体に結合して上記複合体を改変するか、または上記複合体を検出可能にするような標識を含む剤(agent)である。例えば、上記手段は、一次抗体によって認識される結合部位以外の結合部位において上記ポリペプチドに、または一次抗体の定常領域に結合する標識された抗体であり得る。あるいは、上記手段は、上記自己抗体の定常領域に結合する二次抗体、好ましくは、哺乳動物のIgGクラス抗体に特異的な二次抗体であり得る。このような複合体を検出するための多数の方法および手段は、当該技術水準において、例えば、Philips, Terry, M., Analytical techniques in immunochemistry, 1992, Marcel Dekker, Inc.において記載されている。
フロチリン1および/もしくはフロチリン2を含む本発明のポリペプチドは、上記ポリペプチドをコードする核酸を含むおよび/または発現する細胞の形態で生成され得るか、または提供され得る。本発明のポリペプチドもしくはそのバリアントをコードする配列を含む核酸が使用される場合、このような核酸は、改変されていない核酸であり得る。好ましい実施形態において、上記核酸は、それ自体、天然には存在せず、天然の核酸と比較して、少なくとも1つの改変、例えば、同位体含有量もしくは化学改変(例えば、合成起源を示す、メチル化、配列改変、標識など)を含む核酸である。好ましい実施形態において、上記核酸は、組換え型核酸もしくは核酸の一部(part or a nucleic acid)であり、そしてより好ましい実施形態において、ベクターの一部であり、ここでそれは、上記核酸の発現、好ましくは過剰発現を可能にするプロモーターと機能的に連結され得る。当業者は、種々の適切なベクター(中でも、例えば、Origeneから市販されている)に精通している。例えば、C末端GFPとの融合構築物をコードするベクターが使用され得る。上記細胞は、真核生物細胞もしくは原核生物細胞、好ましくは、真核生物細胞(例えば、酵母細胞)であり得、より好ましくは哺乳動物細胞、より好ましくはヒト細胞(例えば、HEK293細胞)である。哺乳動物細胞の例としては、HEK293細胞、CHO細胞もしくはCOS−7細胞が挙げられる。本発明のポリペプチドをコードする核酸を含む上記細胞は、組換え型細胞もしくは単離された細胞であり得る。ここで用語「単離された」とは、上記細胞の野生型の環境と比較して、他の分化の細胞もしくは他の種の細胞がほとんどないように、または実際には、このような他の細胞が全く存在しないように、上記細胞が富化されていることを意味する。
本発明の教示は、診断のために使用され得るのみならず、疾患を防止もしくは処置するためにも使用され得、より具体的には、疾患を防止もしくは処置するための方法は、a)上記被験体の血液中の本発明のポリペプチドに結合する自己抗体の濃度を減少させる工程、および/またはb)1または複数の免疫抑制医薬物質(好ましくは、リツキシマブ、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、静脈内免疫グロブリン、タクロリムス、メトトレキサート、アザチオプリンおよび/もしくは上記医薬組成物を含む群より選択される)を投与する工程を包含する。
いくつかの配列は、本願で開示され、より具体的には、配列番号1は、発現ベクターpTriEX−1−フロチリン−1[ヒト]−Hisのヌクレオチド配列を表し、配列番号2は、C末端Hisタグに結合したヒトフロチリン1のポリペプチド配列を表し、配列番号3は、発現ベクターpTriEX−1−フロチリン−1[ヒト]のヌクレオチド配列を表し、配列番号4は、ヒトフロチリン1のポリペプチド配列を表し、配列番号5は、発現ベクターpTriEX−1−フロチリン−2[ヒト]−Hisのヌクレオチド配列を表し、配列番号6は、C末端Hisタグに結合したヒトフロチリン2のポリペプチド配列を表し、配列番号7は、発現ベクターpTriEX−1−フロチリン−2[ヒト]のヌクレオチド配列を表し、配列番号8は、ヒトフロチリン2のポリペプチド配列を表す。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
項目1. 患者に由来するサンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する工程を包含する、疾患を診断するための方法。
項目2. フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含むポリペプチドであって、好ましくは固定され、より好ましくは固体キャリアに固定される、ポリペプチド。
項目3. サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する工程を好ましくは包含する、疾患の診断のための先行する項目に記載のポリペプチドの使用。
項目4. 疾患の処置において使用するための先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチド。
項目5. フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、好ましくは単離された自己抗体であって、好ましくは、先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドとの複合体の状態にある、自己抗体。
項目6. フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を単離するための方法であって、 a)該自己抗体を含むサンプルと、先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドとを、複合体の形成に適合する条件下で接触させる工程であって、ここで該自己抗体は、該ポリペプチドに結合する工程、
b)工程a)で形成された該複合体を単離する工程、
c)工程b)で単離された該複合体を解離する工程、および
d)該自己抗体を該ポリペプチドから分離する工程
を包含する、方法。
項目7. 先行する項目のいずれか1項に記載の前記ポリペプチドを含む、医薬組成物もしくは医療用デバイス、好ましくは診断用デバイス。
項目8. 疾患の診断のための検査キットであって、先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含み、好ましくは先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドおよびフロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を含む複合体を検出するための手段をさらに含む、検査キット。
項目9. サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する剤を含む、疾患を診断するための組成物。
項目10. 疾患の診断のための先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む組成物であって、サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する、組成物。
項目11. 先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む、疾患の処置において使用するための組成物。
項目12. サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する検出剤を含む、疾患を診断するための診断剤。
項目13. 先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む、疾患の診断のための診断剤であって、サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する、診断剤。
項目14. 先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む、疾患の処置において使用するための治療剤。
項目15. サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に対する自己抗体の結合を検出する手段を含む、疾患を診断するためのキットもしくはデバイス。
項目16. 先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む、疾患の診断のためのキットもしくはデバイスであって、ここで該キットは、サンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する、キットもしくはデバイス。
項目17. 先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む、疾患の処置において使用するためのキットもしくはデバイス。
項目18. 前記患者は、CSFにおける細胞数上昇、髄腔内IgG合成、CSFにおけるオリゴクローナルバンド、CSFにおけるMRZ反応、視覚障害、好ましくは視力障害、視神経炎、頭痛、脊髄病変および脳病変を含む群より選択される1または複数の、好ましくは2種またはそれより多くの症状を有するか、前記疾患は該1または複数の、好ましくは2種またはそれより多くの症状と関連する、先行する項目のいずれか1項に記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイス、検査キット、組成物、診断剤、もしくはキット。
項目19. 前記疾患は、神経学的疾患、好ましくは脱髄疾患、好ましくはCNSの疾患、好ましくは脳の疾患、好ましくは視神経の炎症と関連する疾患である、先行する項目のいずれか1項に記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイス、検査キット、組成物、診断剤、もしくはキット。
項目20. 前記ポリペプチドは、該ポリペプチドをコードする核酸を含む細胞の形態で、または該ポリペプチドを含む組織の形態で提供される、先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチド、使用、自己抗体、方法、医薬組成物、デバイス、検査キット、組成物、診断剤、もしくはキット。
項目21. 前記ポリペプチドは、組換え型ポリペプチドおよび/もしくは単離されたポリペプチドである、先行する項目のいずれか1項に記載のポリペプチド、使用、自己抗体、方法、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
項目22. 前記サンプルは、好ましくは、全血、血清、脳脊髄液および唾液を含む群より選択される、抗体を含む体液である、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
項目23. フロチリン−1もしくはそのバリアントを含むポリペプチドおよびフロチリン−2もしくはそのバリアントを含むポリペプチドの両方が存在し、好ましくは、複合体の一部である、先行する項目のいずれか1項に記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイス、もしくは検査キット。
項目24. 前記自己抗体は、フロチリン1およびフロチリン2を含む複合体に結合する、先行する項目のいずれか1項に記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイス、検査キット、組成物、診断剤、もしくはキット。
(本開示の摘要)
本発明は、患者に由来するサンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含むポリペプチド(これは好ましくは固定される)を検出する工程を包含する疾患を診断するための方法、疾患の診断のための上記ポリペプチドの使用、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、上記自己抗体を単離するための方法、ならびに上記ポリペプチドを含む医薬組成物、医療用デバイスもしくは検査キットに関する。
図1は、抗フロチリン陽性患者における多発性の脱髄病変を示す頭部のMRIを示す。その女性患者は、自己免疫起源が疑われる視神経炎を呈示した。インターフェロンβでの5ヶ月間にわたる免疫調節治療下で安定なままであった病変。初期の呈示(A,B)および6ヶ月後(C,D)におけるその同じ34歳女性患者のT2強調磁気共鳴画像化(A,C)、およびフレアー画像(B,D)。 図2は、中枢神経組織の免疫蛍光染色を示す。低温切片を、第1工程において患者血清(1:100)もしくはCSF(未希釈)とともに、第2段階においてFITC標識ヤギ抗ヒトIgGとともにインキュベートした。核を、TO−PRO−3ヨウ化物(青)とのインキュベーションによって対比染色した。分子層(ML)の微細顆粒状染色(fine-granular staining)および顆粒層の斑状染色が得られた。海馬では、外側MLは、内側MLより強かった。A)ラット海馬、B)ラット小脳、C)サル小脳。 図3は、組織−免疫沈降および抗原同定を示す。ラットもしくはブタの小脳の低温切片を、上記患者の血清(1:200)とともにインキュベートし、PBSで洗浄し、界面活性剤を使用して可溶化した。上記溶液を、プロテインG被覆磁性ビーズとともにインキュベートした。免疫複合体をSDSによって溶離し、SDS−PAGE分析およびウェスタンブロットに供した。図3A: 左:コロイド性クーマシーでの染色。右:抗フロチリン2とのインキュベーション後のウェスタンブロット。レーン1:分子量マーカー、レーン2&3:ラット小脳からの患者血清の組織−免疫沈降物、レーン4&5:コントロールサンプルの組織−免疫沈降物。矢印は、その免疫沈降した抗原50kDaの位置を示す一方で、破線矢印は、52kDaのIgG重鎖の位置を示す。 図3B:患者血清(1&4)および抗フロチリン2抗体(2&5)での、ラット海馬(1−3)および小脳(4−6)、サル腸(7−9)および視神経(10−12)組織切片の免疫蛍光染色。統合した写真は、海馬の外側分子層(3&6)のより強力な染色を含む両方の反応の共局在を示す。 図4は、組換え型フロチリンの免疫蛍光染色および組織上での抗体反応のその中和を示す。図4A:トランスフェクトしたHEK293細胞の免疫蛍光分析。患者血清もしくはコントロール血清(1:1000)(緑色)を、フロチリン1(A)、フロチリン2(B)、フロチリン1およびフロチリン2(C)を過剰発現するアセトン固定した組換え型HEK293細胞上またはモックトランスフェクトコントロール(D)のアセトン固定した組換え型HEK293細胞上でインキュベートした。 図4B:ニューロン組織上での免疫蛍光反応の中和。患者血清(緑色)を、コントロールとしての空のベクター(1−4)またはフロチリン1/2(5−8)でトランスフェクトしたHEK293細胞の抽出物とともに、予めインキュベートした。フロチリン1/2を含む抽出物は、免疫反応を大いに低下させたかまたは免疫反応を消失させた。核を、TO−PRO−3ヨウ化物(青)とのインキュベーションによって対比染色した。海馬ラット(1&5)、小脳ラット(2&6)、小脳サル(3&7)、HEK293−フロチリン1/2(4&8)。
(概要:)
以下の実施例は、視神経炎、より具体的には、視覚障害、頭痛および脳病変に罹患している患者が、臨床的に評価されたが、患者らの疾患の分子的な基礎は不明なままであったことを示す。患者らの血液をスクリーニングしたが、公知の神経学的マーカーに対する自己抗体を含まなかった。自己抗体を、いくつかの哺乳動物組織、より具体的には、ラットおよびブタに由来する小脳および海馬との反応後の特徴的染色パターンに基づいて単離した。
組換え型フロチリン1およびフロチリン2を使用する免疫沈降法、質量分析法および競合的結合研究から、上記抗体の標的としてのフロチリン1およびフロチリン2が明らかになった。種々の神経の自己抗体(抗NMDAR、抗Hu、抗Yo、抗Ri、抗AQP4、抗LGI1、抗CASPR2)を有する34の患者由来の血清ならびに226名の健康なコントロールに由来する血清は、組換え型フロチリン1/2と接触させた場合に反応を示さず、本発明の方法が特異的アッセイであることが確認された。
上記患者は、その意味で免疫抑制処置に対して陽性に応答した。視覚的な症状は、完全になくなった。
(患者の特徴付け)
他の局面において健康な女性患者(34歳)は、最初に、かすみ目、局所的な眼球後痛を示し、右眼の赤色視覚の強度が低下し、それがプレゼンテーションの5日前に始まった。目立った病歴はなく、近親の家族にいずれの自己免疫疾患に関する暗示もなかったが、ただし母方の祖母には多発性硬化症の疑いがあった。臨床的な神経学的所見から、右眼視力が損なわれていることが明らかになった(0.6;左:1.0)。視覚誘発電位の検査から、視覚求心神経のプロセシング(processing of optical afferences)に重度の障害が明らかになった。さらに、さらなる電気生理学的検査はまた、左脚からの感覚求心神経(sensitive afferences)に僅かな障害があるが、四肢全てへの経頭蓋磁気刺激後に正常に応答することを明らかにした。頭部MRIから、脱髄疾患(例えば、多発性硬化症)に代表的な、右視神経の炎症の徴候(コントラスト増強)ならびにいくつかの小さな皮質下白質病変(血液脳関門損傷の徴候はなし)が明らかになった(図1)。血液検査からは、腎機能および肝機能の正常値、正常な電解質、ならびに赤血球および白血球の正常な数および分布が示された。血清中の自己抗体の検査からは、有意な知見は明らかにならなかった:リウマトイド因子、pANCA、AMA、抗リン脂質、抗Borrelia(IgG/IgM)および抗Treponemaは陰性であった;ANAは、1:320の力価で存在した。CSFからは、軽度のプレオサイトーシス(9細胞/μL)、正常なタンパク質(269mg/L)、局所的IgG合成(53%)、および血清中にはなかったオリゴクローナルバンドが明らかになった。抗AQP4は、CSF中でも血清中でも検出不能であった。
上記患者を、視神経の自己免疫性神経炎の疑いの下、静脈内グルココルチコイドパルス療法で処置した。臨床的孤立性症候群(clinically isolated syndrome)を想定し、ベタフェロンでの免疫調節を開始した。5ヶ月後、視覚的な症状は完全になくなった。
最初の症状が始まってから22ヶ月後に、上記患者は、神経学的症状のさらなる進行なしに、安定した臨床状態を呈示した。コントロールの腰椎穿刺からは、CSFにおけるオリゴクローナルバンドおよび5細胞/μL CSFという軽度のプレオサイトーシスとともに、自所性の(autochthonous)抗体生成が明らかになった。
(間接免疫蛍光アッセイ(IFA))
脳組織低温切片(ラットの海馬、ラット、サルおよびブタの小脳)および30種の組換え型脳抗原を個々に発現するHEK293細胞を含むバイオチップモザイクつきのスライドを、IFAのために使用した。上記スライドを、PBS、0.2% Tween−20(IFA緩衝液)で希釈した70μLのサンプルとともに室温で30分間インキュベートし、IFA緩衝液で洗い、IFA緩衝液中に5分間浸漬した。その後、ポリクローナルヤギ抗ヒトpan−IgG(EUROIMMUN)もしくはモノクローナルマウス抗ヒトIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4(Sigma−Aldrich)(各々フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識されている)を、室温で30分間インキュベートした。スライドを、再び洗浄し、グリセロール含有PBS緩衝化DABCO(約20μL/モザイク)中に包埋し、レーザー走査型顕微鏡(LSM700, Zeiss, Jena, Germany)を使用して2名の無関係の観察者が検査した。陽性コントロールおよび陰性コントロールを含めた。サンプルを、非トランスフェクト細胞およびコントロールサンプルと直接比較して、トランスフェクトした細胞の組織パターンおよび蛍光強度に基づいて分類した。エンドポイント力価とは、明らかな蛍光を示す最高希釈度をいう。一次海馬ニューロンでの生細胞IFAを行った(Dalmau J, Gleichman AJ, Hughes EG, Rossi JE, Peng X, Lai M, et al. Anti−NMDA−receptor encephalitis: case series and analysis of the effects of antibodies. Lancet Neurol 2008 Oct 11)。
フロチリン2に対するポリクローナルウサギ抗体(Sigma−Aldrich, 希釈は1:100)を、いくつかの実験で、第1の工程において使用し、続いて、抗ウサギIgG−Cy3(Jackson Research, Suffolk, United Kingdom)とインキュベーションした。細胞核を、TO−PRO3ヨウ化物(希釈は1:2000)(ThermoFisher Scientific, Schwerte, Germany)でのDNA染色によって可視化した。組換え型抗原を、中和実験のために、IFAの前に、希釈した血清サンプルと1時間混合した(Stoecker W, Otte M, Ulrich S, Normann D, Finkbeiner H, Stoecker K, et al. Autoimmunity to pancreatic juice in Crohn’s disease. Results of an autoantibody screening in patients with chronic inflammatory bowel disease. Scand J Gastroenterol Suppl 1987;139:41−52を参照のこと)。
(組織−免疫沈降および抗原の同定)
ラットまたはブタの小脳を摘出し、−160℃ イソペンタン中でショック凍結した。次いで、上記組織をSM2000Rミクロトーム(Leica Microsystems, Nussloch, Germany)で凍結切片にし(4μm)、スライドガラス上に置き、乾燥させ、−196℃で保存した。HIPのために、スライドを患者の血清(1:100希釈)とともに4℃で3時間インキュベートし、続いて、IFA緩衝液で3回の洗浄工程を行った。次いで、上記組織を、可溶化緩衝液(100mmol/L tris−HCl pH 7.4、150 mmol/L 塩化ナトリウム、2.5mmol/L EDTA、0.5% (w/v) デオキシコレート、1% (w/v) Triton X−100、プロテアーゼインヒビター含有)で室温において30分間抽出した。得られた懸濁物をホモジナイズし、16,000×gにおいて4℃で15分間遠心分離した。免疫複合体を、Protein G Dynabeads(ThermoFisher Scientific, Dreieich, Germany)で、4℃において一晩、清澄な上清から沈降させ、PBSで3回洗浄し、PBS、5mmol/L ジチオスレイトール、1% (w/v) ドデシル硫酸ナトリウムで、95℃において10分間溶離した。その溶離液を、SDS−PAGEおよび質量分析法もしくはウェスタンブロットによって分析した。
(HEK293でのフロチリン1およびフロチリン2の組換え型発現)
発現ベクター(フロチリン1を含むポリペプチドをコードする配列番号1および3;フロチリン2を含むポリペプチドをコードする配列番号5および7)のクローニングを、標準法を使用して行った。IFAの基質を調製するために、HEK293を滅菌カバーグラス上に播種し、トランスフェクトし、フロチリン1およびフロチリン2のいずれかを個々に、またはともに、48時間にわたって発現させた。カバーグラスを、PBSで洗浄し、アセトンで室温において10分間で固定し、風乾し、ミリメートルサイズのバイオチップへと切断し、記載されるとおりにIFAにおいて基質として使用した。あるいは、細胞を、標準的なTフラスコ中でトランスフェクトし、その細胞を5日後に採取した。上記細胞沈降物を可溶化緩衝液で抽出した。その抽出物を、さらに使用するときまで−80℃でアリコートにして保存した。
(より大きな患者コホートでの研究)
種々の神経の自己抗体を有する49名の患者(AQP4に対する自己抗体を有する20名を含む(力価は最大1:3,200まで))、および226名の健康なコントロールに由来する血清を、IFAによって分析した。上記血清のうちのいずれも、HEK293−フロチリン−1、HEK293−フロチリン−2、およびHEK293−フロチリン−1/2とは反応しなかった。
次いで、抗フロチリン−1/2状態を、224サンプルにおいて遡及的に決定し、これらサンプルについて総合的な広範な神経の自己抗体スクリーニング(前述のパラメーターを含む)を、Clinical Immunological Laboratory Luebeckで行い、既知の抗原特異性を有しない神経組織反応性IgG自己抗体を報告した。血清抗フロチリン−1/2は、4名の患者において明らかになった(表1中のP2−P5, 力価:1:1,000、1:1,000、1:10,000、1:10,000)。患者P2、P3、およびP5はまた、CSFにおいて抗フロチリン−1/2を示した(力価:1:3.2、1:100、1:1,000)。P4に関しては、CSFは入手可能でなかった。特異的抗体指数>4は、P1、P3、およびP5について計算された。上記患者のさらなる追跡血清を、入手可能なときに分析したところ、P1、P2、およびP4の抗フロチリン−1/2力価が、それぞれ、18ヶ月、24ヶ月、および72ヶ月の期間にわたって安定であることが示された。P5の血清は、血漿交換の7週間後に1:320への低下を示した。
次いで、HEK293−フロチリン−1/2を、基準測定施設の広範な自己抗体スクリーニングレジメンの中に統合した。抗AQP4の決定が要求された引き続く521名の患者のコホートにおいて、18名は抗AQP4に関して陽性であった一方で、3名は抗フロチリン−1/2を示した。後者のうちの1名については医療記録がアクセス可能であった(血清:1:1,000、CSFなし、表1中のP6)。追加の患者を、引き続く150名の選択されない神経学的患者(血清:1:10、CSF陰性、表1中のP7)の診断検査の間に、そしてさらなる患者を、匿名の57例の、単離されたONを有する患者(1:10, CSFは入手できかった)由来の抗AQP4陰性血清および抗MOG陰性血清をスクリーニングすることによって、同定した。
まとめると、医療記録が評価され得る全7名の患者は、MSもしくはMSを示唆するCISと一致して、播種性脱髄という放射線学による徴候、軽度のプレオサイトーシスおよびCSFにおけるOCBを有した。彼らのうちの6名は、視神経炎を示した。全症例において、上記自己抗体は、サブクラスIgG1であり、フロチリン−1/2に結合したが、個々のフロチリン−1にもフロチリン−2にも結合しなかった。上記患者のうちのいずれも、抗AQP4抗体も抗MOG抗体も示さなかった。

Claims (15)

  1. 患者に由来するサンプルにおいて、フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する工程を包含する、疾患を診断するための方法。
  2. 好ましくは、固定されており、より好ましくは、固体キャリアに固定されている、フロチリン1および/もしくはフロチリン2またはそのバリアントを含むポリペプチド。
  3. 好ましくは、サンプルにおいてフロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を検出する工程を包含する、疾患の診断のための、請求項2に記載のポリペプチドの使用。
  4. 疾患の処置における使用のための、請求項2に記載のポリペプチド。
  5. フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体、好ましくは、単離された自己抗体であって、好ましくは、請求項2に記載のポリペプチドと複合体の状態にある、自己抗体。
  6. フロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を単離するための方法であって、
    a)該自己抗体を含むサンプルと、請求項2に記載のポリペプチドとを、複合体の形成に適合する条件下で接触させる工程であって、ここで該自己抗体は、該ポリペプチドに結合する工程、
    b)工程a)において形成された該複合体を単離する工程、
    c)工程b)において単離された該複合体を解離する工程、ならびに
    d)該自己抗体を該ポリペプチドから分離する工程、
    を包含する方法。
  7. 請求項2に記載のポリペプチドを含む、医薬組成物もしくは医療用デバイス、好ましくは、診断用デバイス。
  8. 疾患の診断のための検査キットであって、請求項2に記載のポリペプチドを含み、
    ここで好ましくは、請求項2に記載のポリペプチドならびにフロチリン1および/もしくはフロチリン2に結合する自己抗体を含む複合体を検出するための手段をさらに含む、検査キット。
  9. 前記患者は、CSFにおける細胞数上昇、髄腔内IgG合成、CSFにおけるオリゴクローナルバンド、CSFにおけるMRZ反応、視覚障害、好ましくは、視力障害、視神経炎、頭痛、脊髄病変および脳病変を含む群より選択される1または複数、好ましくは2種またはそれより多くの症状を有するか、または前記疾患は該1または複数、好ましくは2種またはそれより多くの症状と関連する、請求項1、3、4および8のいずれかに記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
  10. 前記疾患は、神経学的疾患、好ましくは脱髄疾患、好ましくはCNSの疾患、好ましくは脳の疾患、好ましくは視神経の炎症と関連する疾患である、請求項1、3、4、8および9のいずれかに記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
  11. 前記ポリペプチドは、該ポリペプチドをコードする核酸を含む細胞の形態で、または該ポリペプチドを含む組織の形態で提供される、請求項1〜10のいずれかに記載のポリペプチド、自己抗体、方法、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
  12. 前記ポリペプチドは、組換え型ポリペプチドおよび/もしくは単離されたポリペプチドである、請求項1〜11のいずれかに記載のポリペプチド、自己抗体、方法、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
  13. 前記サンプルは、好ましくは、全血、血清、脳脊髄液および唾液を含む群より選択される、抗体を含む体液である、請求項1、3、6および9〜12に記載の方法。
  14. フロチリン−1もしくはそのバリアントを含むポリペプチドおよびフロチリン−2もしくはそのバリアントを含むポリペプチドの両方が存在し、好ましくは複合体の一部である、請求項6〜13のいずれかに記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
  15. 前記自己抗体は、フロチリン1およびフロチリン2を含む複合体に結合する、請求項1、5、6および9〜14のいずれかに記載の方法、ポリペプチド、使用、自己抗体、医薬組成物、デバイスもしくは検査キット。
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