JP2017223472A - 車体のねじれ量測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体のねじり剛性を評価できる車体のねじれ量測定方法を提供すること。【解決手段】この車体のねじれ量測定方法は、所定の初期状態にある車体11に付された4つ以上の基準点Pの三次元座標を測定する第一座標測定ステップと、所定の負荷状態にある車体11の基準点の三次元座標を測定する第二座標測定ステップと、初期状態における基準点Pの三次元座標の系と負荷状態における三次元座標の系とを座標変換により揃える座標変換ステップと、座標変換後の基準点Pの三次元座標に基づいて車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を算出する変位量算出ステップと、基準点Pの変位量に基づいて車体11のねじり剛性を評価する評価ステップとを備える。【選択図】図3

Description

この発明は、車体のねじれ量測定方法に関し、さらに詳しくは、車体のねじり剛性を評価できる車体のねじれ量測定方法に関する。
従来の車体のねじれ量測定方法では、次のように車体のねじれ量が測定される。すなわち、単体の車体(ホワイトボディ)について、車体後方の車軸位置を固定し、車体前方の車軸位置に車体をねじる方向にトルクを負荷する。このとき、車体前方の車軸位置をシーソー台に固定し、シーソー台を傾斜させることにより、車体前方にロール方向へのトルクを負荷する。そして、車体の左右の変位量が測定されて、車体のねじり剛性値が算出される。かかる従来の車体のねじれ量測定方法として、非特許文献1に記載される技術が知られている。
また、近年では、上記した単体の車体ではなく、ドアやサスペンションなどを装着した完成車両に近い状態での車体のねじれ量を測定する方法が提案されている。かかる従来の車体のねじれ量測定方法として、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2006−292737号公報
「自動車の強度」、株式会社 山海堂、1990年10月30日第2刷発行
この発明は、車体のねじり剛性を評価できる車体のねじれ量測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる車体のねじれ量測定方法は、車体のねじり剛性を評価する車体のねじれ量測定方法であって、所定の初期状態にある前記車体に付された4つ以上の基準点の三次元座標を測定する第一座標測定ステップと、所定の負荷状態にある前記車体の前記基準点の三次元座標を測定する第二座標測定ステップと、前記初期状態における前記基準点の三次元座標の系と前記負荷状態における前記三次元座標の系とを座標変換により揃える座標変換ステップと、前記座標変換後の前記基準点の三次元座標に基づいて前記車体の変形に起因する前記基準点の変位量を算出する変位量算出ステップと、前記基準点の前記変位量に基づいて前記車体のねじり剛性(特にねじれの大きさ)を評価する評価ステップとを備えることを特徴とする。
この発明にかかる車体のねじれ量測定方法では、初期状態および負荷状態における車体の基準点の三次元座標をそれぞれ測定して基準点の変位量を算出する。このとき、初期状態および負荷状態における基準点の三次元座標の系を座標変換により揃えるので、車体の変形に起因する基準点の変位量を精度良く算出できる。これにより、車体のねじり剛性を精度良く評価できる利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる車体のねじれ量測定方法を示すフローチャートである。 図2は、図1に記載した車体のねじれ量測定方法を示す説明図である。 図3は、図1に記載した車体のねじれ量測定方法を示す説明図である。 図4は、図1に記載した車体のねじれ量測定方法を示す説明図である。 図5は、図1に記載した車体のねじれ量測定方法を示す説明図である。 図6は、この発明の実施の形態にかかる車体のねじれ量測定方法の実施例を示すグラフである。 図7は、この発明の実施の形態にかかる車体のねじれ量測定方法の実施例を示すグラフである。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[車体のねじれ量測定方法]
図1は、この発明の実施の形態にかかる車体のねじれ量測定方法を示すフローチャートである。図2〜図5は、図1に記載した車体のねじれ量測定方法を示す説明図である。これらの図において、図2は、測定対象である車体11に基準点P(P1_R〜P5_R、P1_L〜P5_L)を付した状態を示し、図3は、基準点Pの三次元座標を測定する様子を示している。図4は、測定された初期状態および負荷状態における基準点Pの三次元座標の位置関係を示し、図5は、図4に記載した基準点Pの三次元座標を座標変換した様子を示している。
以下、車体11のねじり剛性を評価する車体のねじれ量測定方法について、図2〜図7の図面を参照しつつ、図1のフローチャートに沿って説明する。
この実施の形態では、測定対象である車体11が、四輪乗用車の車体であり、各車輪12FR〜12RLを装着し、また、ウインドウ13F、13R、ドア、バンパー、灯具、シートなどを装着した走行可能な完成車両10の状態で測定される(図2および図3参照)。また、車体11が溶接により一体化されたモノコックボディであり、かかる車体11の全体のねじれ量が測定される。
ステップST1では、図2に示すように、4つ以上の基準点P(P1_R〜P5_R、P1_L〜P5_L)が車両10の車体11に設置される(基準点設置ステップST1)。基準点Pは、後述する三次元座標の測定点であり、三次元座標の測定方法あるいは測定装置に応じて適宜選択される。
例えば、図2の構成では、車体11の中心線Cを境界とする左右の領域に、5つの基準点P1_R〜P5_R、P1_L〜P5_Lがそれぞれ配置されている。また、各領域にて、各基準点P1_R〜P5_R、P1_L〜P5_Lが、車体11の幅方向(図2のY軸方向)の両端部に配置され、また、車体11の長手方向(図2のX軸方向)に所定間隔をあけて配置されている。
また、図3に示すように、基準点Pが車体11の上部表面に配置される。具体的には、複数の基準点Pが、車体11のフロントパネルおよびリアパネルの上縁、フロントピラーおよびリアピラーの上面、並びに、ルーフサイドの上面に位置し、車体11の全長に渡って配置されている。また、基準点Pが、車体11の車輪装着位置にそれぞれ配置されている。これにより、基準点Pが車体11の全体に分散して適正に配置されている。
なお、図2の構成では、説明の便宜のために基準点Pの総数を10個としたが、測定精度を向上させるために、より多数の基準点が設置されることが好ましい。また、図2の構成では、上記のように、基準点Pが車体11の上部表面に設置されている。かかる構成は、後述する基準点Pの三次元座標を簡易に測定できる点で好ましい。しかし、これに限らず、三次元座標を測定可能であれば、基準点Pが車体の内部に配置されても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、上記のように、基準点Pが車体11の幅方向の左右の縁部に沿って車体11の全長に渡って配置されている。かかる構成では、車体全体のねじれ角度を適正に測定できる点で好ましい。しかし、これに限らず、基準点Pが車体11に施された補強箇所を囲んで配置されても良い。これにより、車体11の全体のねじれ剛性に限らず、車体11の一部分(ここでは、補強箇所)を評価できる。例えば、ウインドウ13F、13Rがウインドウシーラントを介して車体11に取り付けられ、このウインドウシーラントの補強効果を評価する場合には、一部の基準点Pがウインドウ13F、13Rを囲んで配置され得る。また、例えば、タワーバーの設置やスポット溶接の施工による補強効果を評価する場合には、一部の基準点Pがその補強箇所を囲んで配置され得る。かかる構成では、補強箇所のねじれ角度θを適正に測定できるので、補強の効果を適正に評価できる。
ステップST2では、所定の初期状態にある車体11の基準点Pの三次元座標が測定される(第一座標測定ステップST2)。初期状態とは、後述する負荷状態に対して比較対象となる車体11の状態をいう。初期状態は、測定条件や測定対象との関係に応じて当業者が適宜選択できる。基準点Pの三次元座標の測定は、特に限定がないが、例えば、接触式あるいは非接触式の三次元形状測定器を採用できる。また、接触式の三次元形状測定器は、非接触式のものと比較して、高精度な測定が可能となり、また、データ処理にかかる専用のソフトウェアが不要となる(汎用の表計算ソフトを用いてデータ処理できる)ため、好ましい。
例えば、図3の構成では、初期状態として、車輪12FR〜12RLを装着した四輪車両10が、無負荷状態にて全輪を水平面上に接地させて静止する。また、車両10が移動しないように、サイドブレーキを作動させ、またシフトレバーがPレンジに設定される。これにより、車両10が三次元測定器20のベース体23に固定される(具体的には、所定の車輪をロックさせた停車状態で設置される)。そして、この車両10の車体11に、上記した基準点Pが設置される。具体的には、基準点測定治具(図示省略)が、円柱、円筒、球などの単純な幾何学的形状をもつ樹脂部材から成り、図2および図3に示す基準点Pの設置位置にそれぞれ固定される。そして、接触式の三次元形状測定器20が用いられ、1つの基準点測定治具につき複数点(例えば、6〜7カ所)の三次元座標が測定される。そして、基準点測定治具の中心点の座標が算出されて基準点Pの三次元座標として取得される。また、すべての基準点測定治具にて上記の測定が行われて、すべての基準点Pの三次元座標がそれぞれ取得される。
なお、図3に記載した三次元形状測定器20は、車両10の長手方向(図3のX軸方向)にスライド可能であり、また、鉛直方向(図3のZ軸方向)にスライドおよび旋回可能なアーム21を備え、このアーム21の先端に非接触形式の測定端子22を有する。そして、三次元形状測定器20が、測定端子22の位置を移動させて基準点測定治具の三次元座標を測定することにより、基準点Pの三次元座標を精度良く測定できる。また、三次元形状測定器20により取得された三次元座標は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(図示省略)に取り込まれて処理される。
ステップST3では、所定の負荷状態における基準点Pの三次元座標が測定される(第二座標測定ステップST3)。負荷状態とは、車体11が負荷により変形した状態をいう。負荷状態は、測定条件や測定対象との関係に応じて当業者が適宜選択できる。また、車体11に対する負荷は、例えば、車体11に荷重を付与することにより形成されても良いし、後述するように車体を傾斜させることにより形成されても良い。かかる負荷状態では、車体11の変形により、基準点Pの位置が上記した初期状態から変位する。基準点Pの三次元座標は、上記した第一座標測定ステップST2と同一の測定方法により測定される。
例えば、図3の構成では、車両10の左前輪12FLを他の車輪12FR、12RR、12RLよりも鉛直上方に変位させることにより、負荷状態が形成される。具体的には、左前輪12FLを10cm〜25cmの高さでジャッキアップして、タイヤと路面との間にブロックを挟み込むことにより、車体11の全体にトルクが付与される。また、このとき、他の車輪12FR、12RR、12RLが初期状態における接地面に接地した状態であることが好ましい。これにより、左右の車輪12RR、12RLが接地する車両後方にて、車体11の変形が小さくなり、後述する座標変換ステップST4における3つの基準点Pを一致させる処理が容易となる。また、例えば、各車輪12FR〜12RLの下に重量計を接地することにより、車体に作用するトルクを概算できる。
なお、測定対象が単体の車体11(いわゆるホワイトボディ)である場合には、車体11の車輪装着位置の1つを他の車輪装着位置よりも鉛直上方に変位させることにより、上記した負荷状態が形成されても良い(図示省略)。
ステップST4では、取得した基準点Pの三次元座標を座標変換する処理が行われる(座標変換ステップST4)。座標変換は、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量のみを抽出するために行われる。すなわち、各基準点Pの変位量には、車体11の変形に起因する変位量以外の変位量が含まれる。そこで、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を顕在化するために、初期状態における基準点Pの三次元座標の系と負荷状態における三次元座標の系とが座標変換により揃えられる。
例えば、図4は、座標測定ステップST2、ST3にて測定された初期状態および負荷状態における基準点Pの三次元座標の位置関係を示している。また、例えば、負荷状態における基準点P1_R’は、初期状態における基準点P1_Rの変位後の位置を示している。また、同図では、初期状態における一群の基準点P1_R〜P5_R、P1_L〜P5_Lの三次元座標と、負荷状態における一群の基準点P1_R’〜P5_R’、P1_L’〜P5_L’の三次元座標とがそれぞれ線分により結ばれて関連付けられている。同図に示すように、基準点Pは、車体11が負荷状態となることにより、初期状態の位置から変位する。
ここで、各基準点Pの変位量には、ジャッキアップによる車体11の傾斜に起因する変位量と、車体11の変形に起因する変位量との双方が含まれる。そこで、図5に示すように、初期状態および負荷状態における基準点Pの三次元座標の系を揃えるための座標変換が行われる。具体的には、同一直線上にない3つの基準点Pが選択されて、これらの基準点にかかる初期状態での基準点Pの三次元座標と負荷状態での三次元座標とが一致するように、座標変換が行われる。
三次元座標の一致とは、完全な一致を意味せず、座標変換後の2つの基準点Pの距離が初期状態にて隣り合う基準点(例えば、点P1_Rと点P1_L)の距離の5[%]以下(好ましくは、1[%]以下)であれば、両者の三次元座標が一致しているといえる。かかる範囲内にあれば、車体11のねじれ剛性を適正に測定できる。なお、上記した座標変換後の2つの基準点Pの位置ずれ量が5[%]近くある場合であっても、計算の過程で位置ずれ量を補正することにより、測定精度への影響を低減できる。
座標変換に用いられる3つの基準点Pは、負荷状態にて最も大きく変位した基準点P(図2では、P1_L)に対して、車体11の中心線Cを挟んで対向する位置にある基準点(図2では、P1_R)および車体11の長手方向(図2のX軸方向)で最も遠い2つの基準点(図2では、点P5_Rおよび点P5_L)であることが好ましい。これにより、車体11のねじれ剛性を精度良く測定できる。
また、座標変換に用いられる3つの基準点Pは、車体11の最前方にある基準点(図2では、点P1_RおよびP1_L)の1つと、最後方にある基準点(図2では、点P5_RおよびP5_L)の1つとを含むことが好ましい。かかる構成では、車体全体の変形量を適正に測定できるので、車体11のねじれ剛性を精度良く測定できる。
また、例えば、車両10が四輪以上の車両である場合には、座標変換に用いられる3つの基準点が、車体11の車輪装着位置に配置された基準点(図2では、点P1_R、点P1_L、点P5_Rおよび点P5_L)から選択されることが好ましい。かかる構成では、車体11が路面からの反力を受ける位置を基準とすることにより、車体11のねじれ剛性を精度良く測定できる。車輪装着位置は、車軸の位置を中心とする車体11の全長の±10[%]の範囲(図2のX軸方向の範囲)として定義される。
また、例えば、車体11の補強箇所のねじり剛性を評価する場合には、座標変換に用いられる3つの基準点が、この補強箇所を囲む基準点Pから選択されることが好ましい。これにより、補強箇所のねじり剛性を精度良く測定できる。
例えば、図3の構成では、上記のように車両10の左前輪12FLがジャッキアップされて車体11に傾斜が付与されるため、図4に示すように、左前輪12FL側かつ車体11の最前方にある基準点P1_Lが、最も大きく変位する。そこで、この基準点P1_Lに対して、車体11の中心線Cを挟んで対向する位置にある基準点P1_Rおよび車体11の長手方向で最も遠い2つの基準点P5_R、P5_Lが選択されて、これらの基準点P1_R、P5_R、P5_Lが一致するように、基準点Pの三次元座標の座標変換が行われている(図5参照)。図5に示すように、車体11の傾斜により、車体11の全体がねじれていることが分かる。
また、図3の構成では、上記のように、車両10を三次元測定器20のベース体23に固定した状態(具体的には、所定の車輪をロックさせた停車状態)で左前輪12FLをジャッキアップし、他の車輪12FR、12RR、12RLを初期状態の水平面に接地させることにより、車体11に傾斜を付与している。このため、図4に示すように、負荷状態における基準点Pの三次元座標の系が初期状態から回転しており、XYZ軸方向への平行移動だけでは、上記3つの基準点P1_R、P5_R、P5_Lの変位前後の三次元座標を一致させることができない。そこで、上記の構成では、XYZ軸方向への平行移動に加えて、三次元座標の座標軸を回転させる座標変換が行われている。
また、負荷状態では、車体11の撓みや歪みにより、上記3つの基準点P1_R、P5_R、P5_Lが完全に一致しない場合がある。この場合には、同一直線上にない3つの基準点のうちの1つ(図2では、点P1_R)の初期状態での三次元座標と負荷状態での三次元座標とが一致し、他の2つの基準点(図2では、点P5_R、P5_L)の三次元座標の変位量が座標変換の前後で最小となるように、座標変換が行われる。
ステップST5では、ステップST4の座標変換後の基準点Pの三次元座標に基づいて車体11の変形に起因する基準点Pの変位量が算出される(変位量算出ステップST5)。基準点Pの変位量は、車体11のねじれ量を示す数値であり、初期状態から負荷状態に至る基準点Pの移動距離[mm]あるいは所定軸周りの旋回角[rad]として算出され得る。
例えば、上記の構成では、図5に示すように、基準点Pの変位量が車体11の長手方向の軸周りの旋回角θ[rad]として算出されている。具体的には、基準点Pの変位量が、車体11の中心線Cを挟んで隣り合う一対の基準点P1_R、P1_L;P2_R、P2_L;P3_R、P3_L;P4_R、P4_L;P5_R、P5_L(図2参照)を通る初期状態における直線と負荷状態における直線とのなす角θ1〜θ5[rad]として算出される。また、これらの角度θ1〜θ5は、車体11の前後方向の各位置における車体11のねじれ角度θに相当する。
なお、図5において、車体11の右側に配置された一部の基準点P2_R〜P4_Rの初期状態および負荷状態における三次元座標が一致しない場合がある。かかる場合においても、上記したねじれ角度θを算出できる。また、上記した一部の基準点について、三次元座標が一致するように位置ずれ量を補正しても良い。これにより、測定精度への影響を低減できる。
ステップST6では、ステップST5にて算出された基準点Pの変位量に基づいて車体11のねじり剛性が評価される(評価ステップST6)。ねじり剛性の評価内容は、当業者が適宜選択できる。
[効果]
以上説明したように、この車体のねじれ量測定方法は、車体11のねじり剛性を評価する。また、車体のねじれ量測定方法は、所定の初期状態にある車体11に付された4つ以上の基準点P(基準点設置ステップST1。図2では、P1_R〜P5_R、P1_L〜P5_L)の三次元座標を測定する第一座標測定ステップST2(図3参照)と、所定の負荷状態にある車体11の基準点の三次元座標を測定する第二座標測定ステップST3(図3参照)と、初期状態における基準点Pの三次元座標の系と負荷状態における三次元座標の系とを座標変換により揃える座標変換ステップST4(図4および図5参照)と、座標変換後の基準点Pの三次元座標に基づいて車体11の変形に起因する基準点Pの変位量(図5では、ねじれ角度θ1〜θ5)を算出する変位量算出ステップST5と、基準点Pの変位量に基づいて車体11のねじり剛性(特にねじれの大きさ)を評価する評価ステップST6とを備える(図1参照)。
かかる構成では、初期状態および負荷状態における車体11の基準点Pの三次元座標をそれぞれ測定して基準点Pの変位量を算出する。このとき、初期状態および負荷状態における基準点Pの三次元座標の系を座標変換により揃えるので、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を精度良く算出できる。これにより、車体11のねじり剛性を精度良く評価できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、基準点Pが、車体11の長手方向の全域に渡って配置される(図2参照)。これにより、車体全体のねじれ剛性を適正に評価できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、基準点Pが、車体11に施された補強箇所を囲んで配置される。かかる構成では、補強箇所のねじれ剛性を適正に評価できるので、補強の効果を適正に評価できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、車体11が、ウインドウシーラントを介して車体11に取り付けられたウインドウ13F、13Rを備え、且つ、基準点Pが、ウインドウ13F、13Rを囲んで配置される(図2および図3参照)。かかる構成では、ウインドウ13F、13Rの周辺のねじれ剛性を適正に評価できるので、ウインドウシーラントの機能を適正に評価できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、車体11が、車輪12FR〜12RL(図3参照)を取り外した車体であり、且つ、負荷状態が、車体11の車輪装着位置の1つを他の車輪装着位置よりも鉛直上方に変位させた状態である(図示省略)。これにより、車輪12FR〜12RLを取り外した状態での車体11のねじり剛性を評価できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、車体11が、サスペンションを装着した車両10の車体であり、且つ、負荷状態が、サスペンションの少なくとも1つを他のサスペンションよりも圧縮あるいは伸張変位させた状態である(図示省略)。これにより、サスペンションの影響を加味した車体11のねじり剛性を評価できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、車体11が、車輪12FR〜12RLを装着した四輪以上の車両10の車体であり、且つ、負荷状態が、車輪12FR〜12RLの1つ(図3では、12FL)を他の車輪(図3では、12FR、12RR、12RL)よりも鉛直上方に変位させた状態である(図3参照)。これにより、車輪12FR〜12RLを装着した完成車両について車体11のねじり剛性を評価できる利点がある。また、車両10を測定装置に固定設置する工程および治具が不要となる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、負荷状態が、他の車輪(図3では、12FL以外の車輪12FR、12RR、12RL)を初期状態における接地面に接地させた状態である。かかる構成では、左右の車輪12RR、12RLが接地する位置で、車体11の変形が小さくなるので、初期状態における基準点Pの三次元座標の系と負荷状態における三次元座標の系とを座標変換により揃える処理が容易となる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、座標変換は、同一直線上にない3つの基準点P(図4では、P1_R、P5_R、P5_L)にかかる初期状態での三次元座標と負荷状態での三次元座標とが一致するように行われる(図4および図5参照)。これにより、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を精度良く算出できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、座標変換は、同一直線上にない3つの基準点P(図4では、P1_R、P5_R、P5_L)のうちの1つ(図5では、P1_R)の初期状態での三次元座標と負荷状態での三次元座標とが一致し、他の2つの基準点の三次元座標の変位量が座標変換の前後で最小となるように行われる(図5参照)。これにより、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を精度良く算出できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、座標変換に用いられる3つの基準点Pが、負荷状態にて最も大きく変位した基準点(図4では、P1_L)に対して、車体11の中心線C(図2参照)を挟んで対向する位置にある基準点(図2では、P1_R)および車体11の長手方向で最も遠い2つの基準点(図2では、P5_R、P5_L)である。これにより、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を精度良く算出できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、座標変換に用いられる3つの基準点Pが、車体11の最前方にある基準点(図2では、P1_RおよびP1_L)の1つと最後方にある基準点(図2では、P5_RおよびP5_L)の1つとを含む。これにより、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を精度良く算出できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、座標変換が、三次元座標の座標系の回転を含む(図4および図5参照)。かかる構成では、負荷状態での車体11の姿勢の変化に起因する基準点Pの変位量を適正に排除できるので、車体11の変形に起因する基準点Pの変位量を精度良く算出できる利点がある。
また、この車体剛性測定方法では、基準点Pの変位量が、所定の一対の基準点(図5では、例えば、P1_RおよびP1_L)を通る初期状態における直線と負荷状態における直線とのなす角(図5では、θ1〜θ5)として算出される。これにより、車体11のねじれ角度θを算出できる利点がある。
図6および図7は、この発明の実施の形態にかかる車体のねじれ量測定方法の実施例を示すグラフである。
この実施例では、異なるウインドウシーラントのサンプルA、Bを使用した四輪乗用車の試験車両について、図1〜図5で説明した車体のねじれ量測定方法と同様の方法により、車体のねじり剛性の評価が行われた。サンプルAの試験車両は、標準的なウインドウシーラントを用いてウインドウを車体11に装着した構造を備える。サンプルBの試験車両は、サンプルAよりも高弾性率のウインドウシーラントを用いてウインドウを車体11に装着した構造を備える。また、いずれの試験車両も、車輪を装着した路上を走行可能な完成車両である。
また、これらの実施例では、図2において、車体11の前後方向にかかる基準点Pの設置数を増やし、基準点Pの配置間隔を狭めることにより、車体11のねじれ角度θ(図5参照)の測定精度を高めている。また、図3の場合と同様に、車両10の左前輪12FLがジャッキアップされて車体11に傾斜角が付与され、非接触式の三次元形状測定器20が用いられて各基準点Pの三次元座標が測定される。
図6のグラフが示すように、サンプルBのウインドウシーラントを用いた車両10では、車体11のねじれ角度θ[rad]が効果的に低減されることが分かる。
図7において、ねじれ易さS[rad/mm]は、車体11の前後方向の所定区間における車体11のねじれ角度θ[rad]と区間距離[mm]との比として定義され、各区間における車体11のねじれ剛性を示す指標となる。具体的には、ねじれ易さSが、図6におけるねじれ角度θの傾きとして算出される。図7に示すように、車体11のフロントピラー、ルーフおよびリアピラーが配置される区間では、サンプルA、Bのいずれにおいても、ねじれ易さSが他の区間と比較して増加する。しかしながら、高剛性のウインドウシーラントで補強されたサンプルBでは、上記区間でのねじれ易さSが低下して、車体11のねじれ剛性が高められていることが分かる。
10:車両、11:車体、12FR〜12RL:車輪、13F、13R:ウインドウ、20:三次元形状測定器、21:アーム、22:測定端子

Claims (14)

  1. 車体のねじり剛性を評価する車体のねじれ量測定方法であって、
    所定の初期状態にある前記車体に付された4つ以上の基準点の三次元座標を測定する第一座標測定ステップと、
    所定の負荷状態にある前記車体の前記基準点の三次元座標を測定する第二座標測定ステップと、
    前記初期状態における前記基準点の三次元座標の系と前記負荷状態における前記三次元座標の系とを座標変換により揃える座標変換ステップと、
    前記座標変換後の前記基準点の三次元座標に基づいて前記車体の変形に起因する前記基準点の変位量を算出する変位量算出ステップと、
    前記基準点の前記変位量に基づいて前記車体のねじり剛性を評価する評価ステップとを備えることを特徴とする車体のねじれ量測定方法。
  2. 前記基準点が、前記車体の長手方向の全域に渡って配置される請求項1に記載の車体のねじれ量測定方法。
  3. 前記基準点が、前記車体に施された補強箇所を囲んで配置される請求項1または2に記載の車体のねじれ量測定方法。
  4. 前記車体が、ウインドウシーラントを介して前記車体に取り付けられたウインドウを備え、且つ、前記基準点が、前記ウインドウを囲んで配置される請求項3に記載の車体のねじれ量測定方法。
  5. 前記車体が、車輪を取り外した車体であり、且つ、
    前記負荷状態が、前記車体の車輪装着位置の1つを他の車輪装着位置よりも鉛直上方に変位させた状態である請求項1〜4のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
  6. 前記車体が、サスペンションを装着した車両の車体であり、且つ、
    前記負荷状態が、前記サスペンションの少なくとも1つを他のサスペンションよりも圧縮あるいは伸張変位させた状態である請求項1〜4のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
  7. 前記車体が、車輪を装着した四輪以上の車両の車体であり、且つ、
    前記負荷状態が、前記車輪の1つを他の車輪よりも鉛直上方に変位させた状態である請求項1〜4のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
  8. 前記負荷状態が、前記他の車輪を前記初期状態における接地面に接地させた状態である請求項7に記載の車体のねじれ量測定方法。
  9. 前記座標変換は、同一直線上にない3つの前記基準点にかかる前記初期状態での前記三次元座標と前記負荷状態での前記三次元座標とが一致するように行われる請求項1〜8のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
  10. 前記座標変換は、同一直線上にない3つの前記基準点のうちの1つの前記初期状態での前記三次元座標と前記負荷状態での前記三次元座標とが一致し、他の2つの前記基準点の前記三次元座標の変位量が前記座標変換の前後で最小となるように行われる請求項1〜8のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
  11. 前記座標変換に用いられる前記3つの基準点が、前記負荷状態にて最も大きく変位した基準点に対して、前記車体の中心線を挟んで対向する位置にある前記基準点および前記車体の長手方向で最も遠い2つの基準点である請求項9または10に記載の車体のねじれ量測定方法。
  12. 前記座標変換に用いられる前記3つの基準点が、前記車体の最前方にある前記基準点の1つと最後方にある前記基準点の1つとを含む請求項9または10に記載の車体のねじれ量測定方法。
  13. 前記座標変換が、前記三次元座標の座標系の回転を含む請求項1〜12のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
  14. 前記基準点の前記変位量が、所定の一対の前記基準点を通る前記初期状態における直線と前記負荷状態における直線とのなす角として算出される請求項1〜13のいずれか一つに記載の車体のねじれ量測定方法。
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