JP2017221031A - 電力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の蓄電池の充電率を、目標の充電率により近づける。【解決手段】再開制御部(23)は、充電電流が所定の基準電流未満である場合、充放電回路(17)に充電シーケンスを終了させる。再開制御部(23)は、所定の再開条件が成立した場合、充放電回路(17)に充電シーケンスを再度開始させる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気自動車等の充電または放電を行う電力制御装置に関する。
近年、排気ガスによる環境負荷が大きい内燃機関を用いた自動車に代わって、電力により駆動する電気自動車が普及し始めている。電気自動車には、走行時に用いられる電力を蓄えるための大容量の蓄電池(バッテリ)が搭載されている。そこで従来、電気自動車の新たな活用方法として、電気自動車の蓄電池内の電力を停電時に家庭内の各負荷(機器)に供給すること、および、電力需要の高い時間帯に商用電力系統の電力を補助する形で電気自動車から家庭内の各負荷に電力を供給することが、提案されている。
電気自動車の充電、および、電気自動車から家庭内への電力供給(放電)には、多くの場合、充電および放電の両機能を兼ね備えた、いわゆる充放電装置が用いられる。充放電装置が電気自動車の充電を行う際には、商用電力系統から供給される電力が用いられる。そのため、電気自動車の充電中に停電が発生すると、充放電装置による電気自動車の充電は中断されてしまい、その結果、蓄電池の充電率(SOC:State of Charge)が不十分になる恐れがある。
従来、このような問題に対処するための各種の技術が提案されている。たとえば特許文献1〜3には、充電中に停電が発生した場合、停電からの復帰後に充電を再開する機能を有する充電装置の例が開示されている。
特開2013−106378号公報(2013年5月30日公開) 特開平7−298512号公報(1995年11月10日公開) 特開平10−209533号公報(1998年10月27日公開)
上述した各文献の技術は、充電中に停電が起こった場合の充電再開に関するものである。しかし、蓄電池の充電率が不十分になる問題は、停電が起こらない場合にも発生することがあるため、これらの従来技術ではこの問題を解決することはできない。
たとえば従来の充放電装置は、電気自動車の蓄電池の充電中に、電気自動車に出力する充電電流が所定の基準電流を満たさない場合、蓄電池の消耗を防ぐために、充電を停止するように設計されている。このような停止条件は、電気自動車の充電に関する規格に基づき各充放電装置に対して共通に設定されたり、あるいは、個々の充放電装置に対して独自に設定されたりする。充電電流が所定の基準電流を満たさなくなる原因は様々にあり、たとえば、
・商用電力系統から交流電力が供給される分電盤内の遮断器に対して充放電装置と並列に接続されている負荷の消費電力が多くなったために、遮断器が落ちないように充放電装置が充電電流の出力を低下させた場合
・HEMS(Home Energy Management System)または上位装置から充放電装置に対して充電電力を低下させるように指示があった場合
・充放電回路内のインバータが過熱したことによって電気自動車への充電電流の出力が低下した場合
・商用電力系統から充放電装置に供給される交流電力の電圧が著しく低下した場合
などが挙げられる。
従来の充放電装置は、充電電流の不足(低下)のために電気自動車の充電を停止した場合、ユーザが充放電装置を操作して電気自動車の充電を再度指示しない限り、充電不可能な状態を維持し続ける。したがって、蓄電池の充電率が不十分になるという問題が生ずる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものである。そしてその目的は、車両の蓄電池の充電率を、目標の充電率により近づけることができる電力制御装置を実現することにある。
本発明の態様1に係る電力制御装置は、上記の課題を解決するために、車両に搭載された蓄電池の充電または放電を行う電力制御装置であって、上記蓄電池の充電または放電を行う電力制御部と、上記電力制御部が上記蓄電池の充電を行うための処理を実行中に、上記電力制御部が上記蓄電池に出力する充電電流が所定の基準電流未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させる終了部と、上記処理が終了した後、所定の再開条件が成立したか否かを判定する判定部と、上記所定の再開条件が成立したと判定された場合、上記処理を上記電力制御部に再度開始させる再開部とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、電力制御装置は、車両に搭載された蓄電池の充電を行うための処理を実行中に、充電電流が所定の基準電流未満である場合、上記処理を終了すると共に、所定の再開条件が成立すれば、上記処理を再度開始する。この後、充電電流が基準電流以上であれば、電力制御装置は車両の蓄電池の充電を正常に行うことができる。これにより、充電電流の不足を原因として蓄電池の充電が中断したために、蓄電池の充電率が目標の充電率に到達しなかったとしても、蓄電池の充電が再度行われることが期待できるので、蓄電池の充電率を目標の充電率により近づけることが期待できる。
以上のように、電力制御装置は、車両の蓄電池の充電率を、目標の充電率により近づけることができる。
本発明の態様2に係る電力制御装置は、上記態様1において、上記車両から送信される最低充電電流値を受信する最低充電電流値受信部を備えており、上記終了部は、上記充電電流が上記最低充電電流値未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させることを特徴としている。
上記の構成によれば、最低充電電流値を満たさない充電電流による充電が継続されることによって蓄電池が消耗することを、防止することができる。
本発明の態様3に係る電力制御装置は、上記態様2において、上記車両から送信される電池残値および放電下限電池残値を受信する電池残値受信部を備えており、上記終了部は、上記電池残値が上記放電下限電池残値以下であり、かつ、上記充電電流が上記最低充電電流値未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御装置に終了させることを特徴としている。
上記の構成によれば、放電下限電池残値および最低充電電流値に基づく充電停止制御を適切に実行することができる。
本発明の態様4に係る電力制御装置は、上記態様3において、商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器の一次側を流れる電流を検出する電流検出部と、上記遮断器の電流容量から上記一次側を流れる電流を引いた値に上記商用電力系統の電圧を掛けることによって、充電余力を算出する充電余力算出部と、上記充電電流が上記最低充電電流値未満であるときの上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、上記最低充電電流値から1を引いた値に上記蓄電池の電圧を掛けた値に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴としている。
上記の構成によれば、充電のための処理の再開後に、最低充電電流値を満たす充電電流を車両に出力することができるので、充電池の充電を正常に再開することができる。
本発明の態様5に係る電力制御装置は、上記態様2〜4のいずれかにおいて、商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器に対して上記電力制御装置と並列に接続されている負荷における一定時間帯ごとの電力需要を予測する電力需要予測部と、上記分電盤内の遮断器の電流容量に上記商用電力系統の電圧を掛けた値から上記電力需要を引くことによって、上記一定時間帯ごとの充電余力を予測する充電余力予測部と、上記充電電流が上記最低充電電流値未満であるときの上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、上記最低充電電流値に上記蓄電池の電圧を掛けた値に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、上記判定部は、予測された上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい上記一定時間帯に、現在の時刻が含まれる場合、上記再開条件が成立したと判定することを特徴としている。
上記の構成によれば、充電余力が足りないことが予測される時間帯における充電の再開を避けることができるので、いったん再開された充電が短時間で再び中断されることを防止することができる。
本発明の態様6に係る電力制御装置は、上記態様1において、上記車両から送信される電池残値および放電下限電池残値を受信する電池残値受信部と、上記充電電流に上記蓄電池の電圧を掛けることによって、充電電力を算出する充電電力算出部とを備えており、上記終了部は、上記車両から上記電力制御装置に最低充電電流値が指定されず、上記電池残値が上記放電下限電池残値以下であり、かつ、上記充電電力が所定の基準電力未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御装置に終了させることを特徴としている。
上記の構成によれば、最低充電電流値を電力制御装置に指定しない車両の充電池の充電を、適切に停止することができる。
本発明の態様7に係る電力制御装置は、上記態様1において、上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、上記充電電流に上記蓄電池の電圧を掛けることによって、充電電力を算出する充電電力算出部とを備えており、上記終了部は、上記終了部は、上記車両から上記電力制御装置に最低充電電流値が指定されず、かつ、上記充電電力が所定の基準電力未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させることを特徴としている。
上記の構成によれば、最低充電電流値を指定しない車両の充電池の充電を、適切に停止することができる。
本発明の態様8に係る電力制御装置は、上記態様6または7において、商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器の一次側を流れる電流を検出する電流検出部と、上記分電盤内の遮断器の電流容量から上記一次側を流れる電流を引いた値に、上記商用電力系統の電圧を掛けることによって、充電余力を算出する充電余力算出部と、上記所定の基準電力に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴としている。
上記の構成によれば、充電のための処理の再開後に、所定の基準電力を満たす充電電力を保証する充電電流を車両に出力することができるので、充電池の充電を正常に再開することができる。
本発明の態様9に係る電力制御装置は、上記態様6〜8のいずれかにおいて、分電盤を介して上記電力制御装置に交流電力を供給する商用電力系統に接続されている負荷における一定時間帯ごとの電力需要を予測する電力需要予測部と、上記分電盤内の遮断器の電流容量に上記商用電力系統の電圧を掛けた値から上記電力需要を引くことによって、上記一定時間帯ごとの充電余力を予測する充電余力予測部と、上記所定の基準電力に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、上記判定部は、予測された上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい上記一定時間帯に、現在の時刻が含まれる場合、上記再開条件が成立したと判定することを特徴としている。
上記の構成によれば、充電余力が足りないことが予測される時間帯における充電の再開を避けることができるので、いったん再開された充電が短時間で再び停止されることを防止することができる。
本発明の態様10に係る電力制御装置は、上記態様1において、上記終了部は、上記車両から上記電力制御装置に最低充電電流値が指定されず、かつ、上記充電電流が上記所定の基準電流未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させることを特徴としている。
上記の構成によれば、最低充電電流値を指定しない車両の充電池の充電を適切に停止することができる。
本発明の態様11に係る電力制御装置は、上記態様10において、商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器の一次側を流れる電流を検出する電流検出部と、上記分電盤内の遮断器の電流容量から上記一次側を流れる電流を引いた値に、上記商用電力系統の電圧を掛けることによって、充電余力を算出する充電余力算出部と、上記充電電流が上記所定の基準電流未満であるときの上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、上記所定の基準電流に上記蓄電池の電圧を掛けた値に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴としている。
上記の構成によれば、充電のための処理の再開後に、所定の基準電流を満たす充電電流を車両に出力することができるので、充電池の充電を正常に再開することができる。
本発明の態様13に係る電力制御装置は、上記態様4、8、11のいずれかにおいて、上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きいことが所定の時間継続した場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴としている。
上記の構成によれば、充電の再開後に安定して充電を継続することができる。
本発明の態様13に係る電力制御装置は、上記態様1〜12のいずれかにおいて、上記再開部は、上記電力制御部に上記処理を終了させ、それから所定の時間が経過すると、上記電力制御部に上記処理を再度開始させることを特徴としている。
上記の構成によれば、所定の時間が経過した後には、充電余力が充分に高くなっていることが期待されるので、充電を正常に再開できる可能性が高くなる。
本発明の態様14に係る電力制御装置は、上記態様1〜13のいずれかにおいて、上記蓄電池の充電を行うためのケーブルと、上記ケーブルの一端に設けられ、上記車両に接続されるコネクタと、上記処理が終了した後、上記処理が再度開始されるまで、上記車両に上記コネクタがロックされている状態を維持するロック制御部とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、充電が再開される前にいたずらでコネクタが車両から取り外されることを防止することができるので、充電を正常に再開することができる。
本発明の態様15に係る電力制御装置は、上記態様1〜14のいずれかにおいて、上記処理が終了した後、上記電力制御装置が待機中であることを通知する待機中通知部を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ユーザは、車両の充電池の充電が停止した後、電力制御装置が充電再開のための待機中であることを把握できるので、電力制御装置を自ら操作して充電再開を指示せずに済む。
本発明の態様16に係る電力制御装置は、上記態様1〜15のいずれかにおいて、上記再開部が上記処理を上記電力制御部に再度開始させた場合、上記蓄電池の充電が再開されることを通知する再開通知部を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ユーザは、充電電流不足が原因で車両の蓄電池の充電が再開されたことを把握することができる。
本発明の一態様によれば、車両の蓄電池の充電率を、目標の充電率により近づけることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る充放電装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る充放電装置が充電運転を実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る充放電装置が充電運転を実行する際の他の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る充放電装置が充電運転を実行する際のさらに他の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る充放電装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る充放電装置が充電運転を実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
図1〜図4を参照して、本発明に係る実施形態1について以下に説明する。
(充放電装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る充放電装置1の構成を示す図である。この図に示すように、充放電装置1(電力制御装置)は、入力デバイス11、入力部12、表示パネル13、表示部14(待機中通知部、再開通知部)、制御回路15(ロック制御部)、トランス16、充放電回路17(電力制御部、最低充電電流値受信部、電池残値受信部、電圧検出部)、充放電ケーブル18(ケーブル)、充放電コネクタ19(コネクタ)、停止制御部20(終了部、充電電力算出部)、復帰電力決定部21(復帰電力算出部)、充電余力算出部22(電流検出部)、および再開制御部23(判定部、再開部)を備えている。
充放電装置1は、商用電力系統4から電気自動車2(車両)に搭載される蓄電池(図示省略)への充電、および、電気自動車2の蓄電池から建物3内の各負荷33への電力供給の双方に用いられる。通常、充放電装置1は建物3の外部(ガレージ内等)に設置される。本実施形態では、充放電装置1は、電気自動車2に対する充放電を行うことが可能な、たとえばCHAdeMO(登録商標)規格に対応した装置である。同様に、電気自動車2は、たとえばCHAdeMO規格に対応した電気自動車である。
建物3は、家屋、店舗、オフィスビル、または工場などの、内部で人間が生活または労働などの各種の活動をするために用いられる建設物である。商用電力系統4から建物3内に、規定の電圧(100V/200V)の商用交流電力が供給されている。この交流電力は、建物3内の分電盤31を通じて、建物3内の各負荷33(照明装置、家電装置、および電子機器等)に供給される。各負荷33は供給された電力(またはそれから変換された直流電力)を用いて動作する。
分電盤31内の母線には遮断器32が設けられている。遮断器は、母線を構成する配線(たとえば3相3線、単相3線、または単相単線など)の導通および非導通を切り替えることによって、商用電力系統4から供給される電力を分電盤31の二次側(下流)に供給するか否かを制御するために用いられる。遮断器は、ユーザの操作によって投入(オン)または開放(オフ)を手動で切り替え可能な遮断器でもよく、あるいは、電流または電圧の供給を受けることによって投入(オン)または開放(オフ)が自動的に切り替わるように動作する遮断器であってもよい。したがって、遮断器はたとえば、主幹ブレーカ、漏電ブレーカ、電磁接触器、または電磁開閉器(電磁接触器と過電流継電器との組み合わせ)などであり得る。
電流センサ34は、建物3内において分電盤31の一次側(商用電力系統4と分電盤31との間)に配置されている。電流センサ34は、分電盤31内において、遮断器32の一次側(上流)に配置されていてもよい。いずれの構成であっても、電流センサ34は、遮断器32の一次側を流れる電流を検出し、検出結果を充放電装置1に出力する。本実施形態では、充放電装置1から建物3内の電力系統への電力の供給(逆潮流)を検出する逆潮流検出器が、この電流センサ34の役割を兼ねている。
充放電装置1は、建物3内の分電盤31の二次側(下流)に交流電力線を介して接続されている。充放電装置1および負荷33は、分電盤31内の遮断器32に対して互いに並列に接続されている。商用交流電力が建物3内に正常に供給されているとき、充放電装置1は分電盤31を通じてこの交流電力の供給を受けることができる。充放電装置1は、商用電力系統4から分電盤31を介して充放電装置1に供給される商用交流電力(以下、系統電源)を、充放電装置1の制御電源として用いる。制御電源とは、充放電装置1の起動およびその後の動作に必要な所定電圧(たとえば12V)の制御電力を得るための電源のことである。
入力デバイス11は、ユーザが充放電装置1を操作したり、充放電装置1に情報を入力したりするために用いるデバイスである。たとえば、各種のボタンまたはスイッチとして実装される。入力デバイス11として、スタートボタンおよびストップボタンが想定される。入力デバイス11は、タッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルに描画されるスタートボタンおよびストップボタンを、充放電装置1の本体に備えられるスタートボタンおよびストップボタンの代わりにしてもよい。また、充放電装置1に接続されるタッチパネル機能付きの室内モニタが建物3内に配置されている場合、この室内モニタに描画されるスタートボタンおよびストップボタンを、充放電装置1の本体に備えられるスタートボタンおよびストップボタンの代わりとすることができる。
スタートボタンは、充放電装置1の運転を制御するためのボタンの一種であり、より具体的には運転を開始させるためのボタンである。充放電装置1の停止中にユーザがスタートボタンを押下すれば、充放電装置1は、設定された種類の運転(充電運転、自立運転、または系統連系運転)を開始する。
ストップボタンは、充放電装置1の運転を制御するためのボタンの一種であり、より具体的には充放電装置1に現在の運転を停止させるためのボタンである。ユーザがストップボタンを押下すれば、充放電装置1は、現在実行中の運転を停止し、それから待機状態に移行する。
入力部12は、入力デバイス11に対するユーザによる各種の入力(操作)を受け付ける。
表示パネル13は、各種の情報を表示するためのデバイスであり、たとえば液晶表示パネル等として実現される。
表示部14は、表示用の各種の情報を表示パネル13に出力することによって、当該情報を表示パネル13に表示する。
制御回路15は、充放電装置1の運転(充電、放電)を統括的に制御する。本実施形態では、制御回路15内に、停止制御部20、復帰電力決定部21、充電余力算出部22、および再開制御部23が設けられている。
トランス16は、供給された交流電力を、規定の他の電圧の交流電力に変換する。なお、充放電装置1は、充放電回路17内に交流電力線との絶縁箇所があり、その絶縁箇所がトランスとして機能する構成であってもよい。この場合、充放電装置1にはトランス16は不要である。
充放電回路17は、充放電装置1と電気自動車2との間における規定の手続き(充電シーケンスまたは放電シーケンス)を行うことによって、電気自動車2の蓄電池を充電したり、または、電気自動車2の蓄電池に蓄積された電力を放電したりすることによって建物3内に電力を供給する。充放電回路17は、たとえばCHAdeMO規格に対応した充電シーケンスまたは放電シーケンスを実行する。
充放電ケーブル18は、電気自動車2に対する充放電を行うことが可能な、たとえばCHAdeMO規格に対応したケーブルである。図1に示すように、充放電ケーブル18の一端は、充放電装置1の本体に接続されている。充放電ケーブル18は、電力線18aおよび信号線18bを備えている。図中、煩雑さを避けるために電力線18aおよび信号線18bはそれぞれ1つずつしか示していないが、実際には、充放電ケーブル18内には2本の電力線18a(正極用の電力線および負極用の電力線)と、複数の信号線18bとが設けられている。複数の信号線18bのうちの2本は、充放電回路17と電気自動車2との間でCAN(Controller Area Network)通信による各種の信号の送受信を行うための、双方向通信が可能な信号線である。残りは、充電開始信号、充電許可信号、または充電禁止信号などの特定の信号を、充放電回路17から電気自動車2へ送信するか、または電気自動車2から充放電回路17に送信するための、一方向通信のみが可能な信号線(制御線)である。
充放電ケーブル18内には、さらに、充放電コネクタ19と電気自動車2との物理的な接続(嵌合)を確認するための図示しない接続確認線が設けられている。充放電コネクタ19が電気自動車2に正しく接続されている場合、接続確認線は導通している。一方、充放電コネクタ19が電気自動車2に正しく接続されていない場合、接続確認線は導通していない。充放電装置1は、接続確認線の導通の有無を確認することによって、充放電コネクタ19が電気自動車2に接続されているか否かを判定することができる。
充放電コネクタ19は、電気自動車2に対する充放電を行うことが可能な、たとえばCHAdeMO規格に対応したコネクタである。図1に示すように、充放電コネクタ19は、充放電ケーブル18の他端に取り付けられている。充放電コネクタ19は、電気自動車2に設けられる充放電ポートに接続される。充放電コネクタ19が充放電ポートに接続され、充放電装置1と電気自動車2との間における規定の手続き(充電シーケンスまたは放電シーケンス)が完了すると、充放電装置1を用いて電気自動車2の蓄電池を充電したり、または停電時に電気自動車2の蓄電池に蓄積された電力を建物3内に供給したりすることができるようになる。
以下では、電気自動車2に搭載される蓄電池の充電または放電を、単に、電気自動車2の充電または放電と表記することもある。
充放電コネクタ19にはロック機構が備えられており、電気自動車2の充電または電気自動車2からの放電時には、安全確保のために充放電コネクタ19はこのロック機構によって電気自動車2にロックされる。これにより、電気自動車2の充電または放電中に誤って充放電コネクタ19が電気自動車2から取り外されることを防ぐことができる。
停止制御部20は、充放電回路17に充電シーケンスを停止させる制御を行う。この停止制御の詳細については後述する。
復帰電力決定部21は、後述の復帰電力を決定する。この復帰電力の詳細については後述する。
充電余力算出部22は、後述の充電余力を算出する。この充電余力の詳細については後述する。
再開制御部23は、所定の再開条件が成立した場合、充電シーケンスを充放電回路17に再度開始させる。
なお、充放電装置1による充放電の対象となり得るのは、電気自動車2に限らず、駆動用の蓄電池が搭載され、蓄電池内の電力を駆動力に変換して走行可能な各種の車両(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車等)も挙げられる。
充放電装置1は、電気自動車2の充電または放電に関する各種の運転(充電運転、自立運転、系統連系運転、予約運転等)を実行することができる。以下に、充放電装置1が実行可能な各運転の概略について、説明する。
(充電運転)
充電運転とは、充放電装置1が電気自動車2の蓄電池を充電する際の運転モードである。充電運転時、建物3から充放電装置1のトランス16に交流電力が供給される。トランス16は、供給された交流電力を、規定の他の電圧の交流電力に変換し、変換後の交流電力を充放電回路17に供給する。充放電回路17は、トランス16から供給された交流電力を、電気自動車2の充電に適した規定の電圧(たとえば400V)の直流電力に変換し、変換後の直流電力を、電気自動車2に接続された充放電ケーブル18内の電力線18aおよび充放電コネクタ19を通じて、電気自動車2に供給する。これにより電気自動車2内の蓄電池が充電される。
(自立運転)
自立運転とは、停電時に、充放電装置1が電気自動車2の蓄電池から直流電力を取り出し、これを交流電力に変換して建物3に供給する運転モードである。停電が起こると、商用電力系統4から建物3内に交流電力が供給されなくなる。充放電装置1は、停電時に商用電力系統4以外の電力供給源から建物3内に電力を供給するために、電気自動車2内の蓄電池に蓄積された電力を取り出し、これを建物3用の交流電力に変換して建物3に供給することができる。充放電装置1の自立運転時、分電盤31内の遮断器32は充放電装置を商用電力系統4から電気的に切り離す(混色を防ぐ)役割を有する。
充放電装置1は、充放電装置1の内の図示しないバッテリの電力を用いて図示しない電源回路を駆動することによって、自立運転を開始する。その後、蓄電池から取り出した電力を交流電力に変換して建物3内の電力系統に供給し始めると、当該交流電力で電源回路を駆動することによって、自立運転を継続する。
自立運転時、充放電回路17は、充放電ケーブル18を通じて、電気自動車2内の蓄電池から規定の電圧(たとえば400V)の直流電力を取り出す。充放電回路17は、電気自動車2から取り出した直流電力を、所定電圧の交流電力に変換して、トランス16に供給する。トランス16は、供給された交流電力を、建物3内で使用可能な規定電圧(たとえば100Vまたは200V)の交流電力に変換し、トランス16と分電盤31とを結ぶ交流電力用の電力線を介して建物3内の分電盤31の二次側に供給する。こうして充放電装置1から建物3に供給された交流電力は、分電盤31の二次側を介して各負荷33に供給される。各負荷33は、充放電装置1から供給された交流電力を用いて動作する。
(系統連系運転)
充放電装置1は、非停電時にも、電気自動車2の蓄電池に蓄積された電力を規定の交流電力に変換し、分電盤31が設けられる建物内に供給することができる。このとき、分電盤31には、商用電力系統4および充放電装置1の双方から、交流電力が供給される。このような態様の交流電力供給が建物3に対して行われるときの充放電装置1の運転状況は、特に系統連系運転と呼ばれる。
(予約運転)
充放電装置1は、運転開始指示をユーザから受けた場合に直ちに充電運転または系統連系運転を開始することができる。一方、そうではなく、充放電装置1に予め設定された所定の開始条件が成立した場合に、充放電回路17に充電シーケンスまたは放電シーケンスを開始させると共に、充放電装置1に予め設定された所定の終了条件が成立した場合に、充放電回路17に充電シーケンスまたは放電シーケンスを停止させるための充電運転または系統連系運転を実行することもできる。このような開始条件および終了条件の成立に基づき充電シーケンスまたは放電シーケンスの開始および終了が制御される運転モードを、以下では予約運転と呼ぶ。
たとえばユーザは、充放電装置1に予約運転を実行させたるために、予約運転を実行する時間帯を予め充放電装置1に設定することができる。この設定がある場合、充放電装置1は設定された時間帯において、指定された種類の運転(充電運転または系統連系運転)を、自動的に実行する。
このような予約運転の実行によって、充放電装置1のユーザは次の利益を享受する。たとえばユーザは、就寝中の深夜に電気自動車2の予約運転を充放電装置1に実行させることによって、起床時後、充分に充電された電気自動車2を直ちに利用することができる。したがってユーザは、起床後、電気自動車2の充電が完了するまで待機する必要がない。
また、電力契約の内容次第では、予約運転によって次のような利点も得られる。すなわちユーザは、電気料金の安い時間帯である深夜に電気自動車2の充電を充放電装置1に行わせる一方で、電気料金の高い時間帯である昼間に充放電装置1に系統連系運転を実行させることができる。これにより、ユーザが負担する家庭の電気料金を削減することができる。
なお、予約運転の態様は上述した時間帯の設定に基づくものに限られない。他にも、たとえば充放電装置1が複数の充放電ケーブル18および充放電コネクタ19を備えており、これらを通じて充放電装置1に複数の異なる電気自動車2を充電のために接続できる場合、充放電装置1が各電気自動車2を充電するための順番を設定し、その充電順番が到来した電気自動車2を順次充電する態様も、予約運転の範疇に含まれる。この態様では、ある電気自動車2に対して設定された充電順番が到来することが、予約運転を開始するための開始条件が成立することに相当する。
本実施形態に係る充放電装置1は、電気自動車2の蓄電池の充電率を、予め設定された目標の充電率(所定値)により近づけることができるという利点を有する。これを実現するための具体的な手法について、以下に詳細に説明する。
(充電運転の処理の流れ)
図2は、本発明の実施形態1に係る充放電装置1が充電運転を実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。図2の例では、充電電流の不足により充電シーケンスが終了した後、所定の時間が経過したことを充電シーケンスを再開する再開条件とし、再開制御部23はこの再開条件の成立により充放電回路17に充電シーケンスを再開させる点に特徴がある。
ユーザは、充放電装置1に充電運転を実行させたい場合、まず、充放電装置1の充放電コネクタ19を、電気自動車2に備えられる専用の充電ポートに接続する(S1)。
その後、ユーザは、入力デバイス11を操作することによって、充放電装置1に実行させる運転モードを選択する。なお、すでに運転モードが選択済みである場合、または、入力デバイス11からの信号のみによって運転モードが決定される場合は、この選択操作は不要である。ここでは「充電運転」が選択される。入力部12は、この選択を検出すると、充放電装置1が実行すべき運転モードとして充電運転を充放電装置1に設定する。ユーザはさらに、入力デバイス11を操作することによって、電気自動車2の蓄電池に到達させたい目標の充電率を入力する。たとえば蓄電池を完全に充電させたい場合は、ユーザは目標の充電率として100%を入力する。他にも、たとえば蓄電池を一定の充電率まで充電させたい場合、目標の充電率としてたとえば80%または90%など、100%よりも小さい値を入力する。入力部12は入力された値を検出し、検出した値を、充放電回路17が電気自動車2を充電する際の蓄電池の目標の充電率として、充放電装置1に設定する。なお、予め目標の充電率が設定済みである場合、この入力操作は必ずしも必要ではない。
次にユーザは、充放電装置1の入力デバイス11に備えられるスタートボタンを押下する(S2)。この押下操作を入力部12が検出する。充放電装置1に充電運転に関する設定がなされていることから、入力部12は、この検出に基づき、充放電装置1に対する充電運転の開始指示をユーザから受け付ける。
入力部12は、充電運転の開始指示が受け付けられたことを、充放電回路17に通知する。この通知を受けて、充放電回路17は、直ちに、充電シーケンスを開始する(S3)。充電シーケンスとは、電気自動車2を充電するための処理を意味する。本実施形態では、充放電回路17は、電気自動車等の急速充電に関するCHAdeMO規格に基づく充電シーケンスを開始する。
(充電シーケンスの流れ)
充放電回路17と電気自動車2との間で行われる充電シーケンスの流れについて説明する。充電シーケンスには、基本的に、充電開始信号の送信に始まり、コネクタロックの解除(開放)に終わる、複数の異なる一連の処理手順が含まれている。ただし、後述するように、本実施形態では、充放電コネクタ19のロックが維持されたまま充電シーケンスが終了する場合もある。
充電シーケンスの開始後、まず充放電回路17が、充電開始を伝えるための専用の信号線18bを通じて、充電開始信号を電気自動車2に送信する。電気自動車2は、充電開始信号を受信すると、充放電装置1による充電操作が開始されたことを認識して、蓄電池の最大電圧および容量などのパラメータを、CAN通信用の信号線18bを通じてCAN通信によって充放電回路17に送信する。
充放電回路17は、電気自動車2から受信したパラメータに基づき、この電気自動車2が充放電装置1によって充電可能な電気自動車2であるか否かを確認する。確認できたら、充放電回路17は、充放電装置1の最大出力電圧および最大出力電流などのパラメータを、CAN通信によって電気自動車2に送信する。電気自動車2は、受信したパラメータに基づき自身との適合性の有無を判定し、問題がなければ、充電の許可を伝えるための専用の信号線18bを通じて、充電許可信号を充放電装置1に送信する。
充放電装置1は、充電開始信号を受信すると、電気自動車2が充電を許可したことを了解し、充放電コネクタ19をロックさせた後、電気自動車2に電流を供給するための図示しない出口回路に短絡または地絡などの異常がないことをテストする。異常がなければ、充放電回路17は、充放電装置1側のすべての準備が整ったことを通知するための専用の信号線18bを通じて、充電開始信号を電気自動車2に送信する。これにより、充電準備が完了する。この後、電気自動車2側の制御による蓄電池の充電が開始される。
充放電回路17は、充電シーケンスの開始後、充電シーケンスに含まれる一連の処理手順を順次実行する。そして、電気自動車2から充電許可信号を受信すると、充放電コネクタ19を電気自動車2にロックする(S4)。この後、充放電回路17は、充電シーケンスに含まれる残りの処理手順を順次進める。充放電回路17は、充放電装置1のすべての準備が整ったことを伝えるための充電開始信号を電気自動車2に送信すると、充電準備を完了する(S5)。これにより充放電回路17は、電気自動車2を充電できる状態になる。この後、充放電回路17は、電気自動車2の蓄電池の充電(電流供給)を開始する(S6)。
充電開始後、入力部12が、入力デバイス11に備えられているストップボタンの押下の有無を検出し、その結果に基づき、ストップボタンが押下されたか否かを判定する(S7)。S7がYESの場合、入力部12は、ストップボタンが押下されたことを制御回路15に通知する。制御回路15は、この通知を受けて、電気自動車2の充電を停止するように充放電回路17に指示する。充放電回路17は、この指示を受けて、電気自動車2の充電を停止する(S8)。充放電回路17は、充電を停止した後、充電シーケンスを終了させるための一連の終了手順を開始する。充放電回路17は、充放電コネクタ19のロックを解除できる段階まで終了手順を進めた後、充放電コネクタ19のロックを解除する(S9)。その後、充放電回路17は充電シーケンスを終了させる(S10)。これにより図2に示す処理は終了する。
一方、S7がNOの場合、充放電回路17は、電気自動車2から通知される各種の情報を、信号線18bを通じたCAN通信によって受信する(S11)。本実施形態では、充放電回路17は、最低充電電流値、蓄電池の放電下限電池残容量(放電下限電池残値)、蓄電池の電池残容量(電池残値)、および蓄電池の電池総容量を少なくとも受信する。なお、電気自動車2は実際には、充電開始信号を充放電装置1に送信した後、これらの情報を一定時間(たとえば100ms)ごとに充放電装置1に繰り返し通知する。S11における各情報の受信とは、電気自動車2から通知された最新の各情報の受信を意図している。
最低充電電流値は、電気自動車2によって指定される、充放電回路17が電気自動車2の蓄電池に出力する充電電流の最低値である。また、最低充電電流値は、電気自動車2の蓄電池を消耗することなく当該蓄電池を充電することができる充電電流の最低値でもある。本実施形態では、最低充電電流値にはオフセットとして「1」が規定されているため、充放電装置1は、電気自動車2から通知された最低充電電流値から1を引いた値を、電気自動車2に出力する充電電流の最低値とする。充放電装置1は、零よりも大きい最低充電電流値を受信した場合、最低充電電流値−1以上の充電電流を、電気自動車2に出力する必要がある。
なお、最低充電電流値が零の場合、充放電装置1は、電気自動車2から最低充電電流値が指定されなかったとみなす。この場合、充放電装置1は、充電時の充電電力が規定の基準電力(たとえば1.5kW)以上となるような電流値の充電電流を、電気自動車2に出力する必要がある。言い換えると、1.5kW÷蓄電池の電圧(電池電圧)によって求められる規定の基準電流以上の充電電流を、電気自動車2に出力する必要がある。
電池残容量とは、蓄電池の現在の残容量である。一方、放電下限電池残容量は、蓄電池の残容量の下限値である。充放電装置1は、電池残容量と放電下限電池残容量とを比較した結果と、最低充電電流値と現在の充電電流値とを比較した結果との双方に基づく充電運転の停止制御を、実行することができる。
S11の後、充放電回路17は、蓄電池の電池残容量および電池総容量に基づき、蓄電池の充電率を算出する。そして、算出した蓄電池の充電率が、充放電装置1に設定された目標の充電率に到達したか否かを判定する(S12)。S12がYESの場合、充放電回路17は、電気自動車2の充電を停止する(S8)。その後の処理は、上述した例と同じである。
一方、S12がNOの場合、停止制御部20は、電気自動車2から通知された電池残容量が放電下限電池残容量を超えているか否かを判定する(S13)。S13がYESの場合、図2の処理はS7に戻る。このように、電池残容量が放電下限電池残容量を超えている場合、充放電装置1は電気自動車2の充電を継続する。
S13がNOの場合、停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が、零を超えているか否かを判定する(S14)。S14がYESの場合、停止制御部20は、充放電回路17が電気自動車2に出力する充電電流が、最低充電電流値−1(規定の基準電流)を超えているか否かを判定する(S15)。S15がYESの場合、図2の処理はS7に戻る。このように、最低充電電流値が零を超えており、かつ、充電電流が最低充電電流値−1よりも大きい場合、充放電装置1は電気自動車2の充電を継続する。
なお、本実施形態では電気自動車2から通知される最低充電電流値はデジタル値であるため、最低充電電流値−1もデジタル値である。一方、充放電回路17が電気自動車2に出力する充電電流はアナログ値である。そのため、両者を単純に比較することはできない。そこで充放電回路17は、S15において、最低充電電流値−1をアナログ値に変換してから充電電流と比較するか、または、充電電流をデジタル値に変換してから最低充電電流値−1と比較する。これと同様に、本明細書において言及される各種の「電流(値)」、各種の「電圧(値)」、および各種の「電力(値)」は、アナログ値またはデジタル値のいずれでもあり得る。
一方、S15がNOの場合、停止制御部20は、充放電回路17に電気自動車2の充電を停止するように通知する。この通知を受けて、充放電回路17は、電気自動車2の充電を停止する(S16)。充電停止後、充放電回路17は、充電シーケンスを終了させるための終了手順を開始する。ただし充放電回路17は、充放電コネクタ19のロックを解除できる段階まで終了手順を進めた後、充放電コネクタ19のロックを解除せずにそのまま維持する(S17)。充放電コネクタ19のロック機構がラッチ式であれば、ロック動作の瞬間には電力が必要であるが、いったん確立したロック状態を維持するための電力は不要である。ロック機構はラッチ式でなくてもよい。その後、充放電回路17は、充放電コネクタ19のロックを維持したまま充電シーケンスを終了させる(S18)。これにより充放電装置1の充電運転がいったん終了する。
充電シーケンスの終了後、停止制御部20は、電気自動車2の充電再開を待機することを表示部14に通知する。この通知を受けて、表示部14は、充放電装置1が電気自動車2の充電再開を待機中であることをユーザに通知するメッセージを、表示パネル13に表示する(S19)。これによりユーザは、電気自動車2の充電再開が待機されていることを把握することができる。なお、充放電装置1は、表示パネル13にメッセージを表示する代わりに、充電再開待機中を示す発光部(発光ダイオード素子等)を発光させてもよい。
充電再開待機後、入力部12が、入力デバイス11に備えられているストップボタンの押下の有無を検出し、その結果に基づき、ストップボタンが押下されたか否かを判定する(S20)。S20がYESの場合、入力部12は、ストップボタンが押下されたことを制御回路15に通知する。制御回路15は、この通知を受けて、充放電コネクタ19のロックを解除するように充放電回路17に指示する。充放電回路17は、この指示を受けて、充放電コネクタ19のロックを解除する(S21)。これにより図2に示す処理は終了する。
一方、S20がNOの場合、再開制御部23は、充電シーケンスが終了した時点から所定の時間(ここでは30分)が経過したか否かを判定する(S22)。S22がNOの場合、図2の処理はS20に戻る。したがって充放電装置1は、充電シーケンスの終了後、ストップボタンが押下されずに30分が経過するまで待機する。このとき充放電コネクタ19のロックが維持されているので、第三者がいたずらで充放電コネクタ19を電気自動車2から抜くことができない。したがって、充電運転が再度開始されるまで充放電コネクタ19が電気自動車2に正常に接続され続けることができるので、充放電装置1は、再開条件の成立後、蓄電池の充電を正常に再開することができる。
S22がYESの場合、再開制御部23は、電気自動車2の充電を再開することを表示部14に通知する。この通知を受けて、表示部14は、充放電装置1が電気自動車2の充電を再開中であることをユーザに通知するメッセージを、表示パネル13に表示する(S23)。これによりユーザは、何らかの原因で電気自動車2の充電が再開されたことを把握することができる。なお、充放電装置1は、表示パネル13にメッセージを表示する代わりに、充電再開中を示す発光部(発光ダイオード素子等)を発光させてもよい。
S23の後、再開制御部23は、充電シーケンスを再度開始するように充放電回路17に指示する。この指示を受けて、図2の処理はS3に戻り、充放電回路17は、充電シーケンスを再度開始する(S3)。その後、S4以下の各工程が順次実行されることによって、電気自動車2の蓄電池の充電が再開される。
なお、充電シーケンスの再開時には充放電コネクタ19はロック済みであるので、S4における充放電コネクタ19のロックは必ずしも必要ではない。充放電回路17は、充電シーケンスの再開後、充放電コネクタ19をロックできる段階まで処理手順を進めた場合、充放電コネクタ19を再度ロックしてもよいし、充放電コネクタ19のロックを何ら追加制御しなくてもよい(ロック維持)。
S14がNOの場合、すなわち、最低充電電流値が零である場合、充放電回路17は、蓄電池の電池電圧を検出する(S24)。次に停止制御部20は、検出された電池電圧を充放電回路17の充電電流に掛けることによって、充放電回路17が蓄電池を充電する際の充電電力を算出する(S25)。停止制御部20は、算出した充電電力が、規定の基準電力(ここでは1.5kW)を超えているか否かを判定する(S26)。S26がYESの場合、図2の処理はS7に戻る。したがって、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零であり、かつ充電電力が1.5kWを超えている場合、充放電回路17は電気自動車2の充電を継続する。
一方、S26がNOの場合、停止制御部20は、電気自動車2の充電を停止するように充放電回路17に通知する。充放電回路17は、この通知を受けて、電気自動車2の充電を停止する(S16)。この後の処理は、上述した例と同じである。すなわち、充放電装置1は、充電電力が1.5kW未満であることを理由に充電運転を停止した後、ストップボタンが押下されることなく30分が経過すれば、充電運転を再開する。
(本例の利点)
図2の例では、停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零よりも大きい場合、
条件1:電池残容量が放電下限電池残容量以下であること
条件2:充電電流が最低充電電流値−1未満であること
のすべてが成立すると、実行中の充電シーケンスを充放電回路17に停止させる。これにより、最低充電電流値を充放電装置1に指定する電気自動車2の充電を、適切に停止することができる。さらに充放電装置1は、条件1および2が成立したことを理由に充電運転をいったん終了した後、所定の再開条件(充電シーケンスの終了から30分経過)が成立した場合、充電運転を再開する。この後、条件1が成立せず(電池残容量が放電下限電池残容量を超えている)かつ条件2も成立しない(充電電流が最低充電電流値−1以上である)場合、充放電装置1は電気自動車2の充電を正常に行うことができる。これにより、充電電流の不足を原因として蓄電池の充電が中断したために、蓄電池の充電率が目標の充電率に到達しなかったとしても、蓄電池の充電がなされない状態が継続することを防ぎつつ、蓄電池の充電が再度行われることが期待できるので、蓄電池の充電率を目標の充電率により近づけることが期待できる。
一方、図2の例では、停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零である場合、
条件1:電池残容量が放電下限電池残容量以下であること
条件3:充電電力が1.5kW以下であること
のすべてが成立すると、実行中の充電シーケンスを充放電回路17に停止させる。これにより充放電装置1は、最低充電電流値を充放電装置1に指定しない電気自動車2の充電を、適切に停止することができる。さらに充放電装置1は、条件1および3が成立したことを理由に充電運転をいったん終了した後、所定の再開条件(充電シーケンスの終了から30分経過)が成立した場合、充電運転を再開する。この後、条件1が成立せず(電池残容量が放電下限電池残容量を超えている)かつ条件3も成立しない(充電電力が1.5kWを超えている)場合、充放電装置1は電気自動車2の充電を正常に行うことができる。これにより、充電電力の不足を原因として蓄電池の充電が中断したために、蓄電池の充電率が目標の充電率に到達しなかったとしても、蓄電池の充電がなされない状態が継続することを防ぎつつ、蓄電池の充電が再度行われることが期待できるので、蓄電池の充電率を目標の充電率により近づけることが期待できる。
図2の例では、充放電装置1は、充電シーケンスを再開するまで所定の時間(30分)待機するため、この待機時間中に、充電電流が低下した原因が自然に解消される(たとえば負荷の電力需要が低下する等)ことが期待できる。これにより、再開後の充電を正常に継続できることが期待できる。
電気自動車2は、蓄電池の電池残容量および放電下限電池残容量の代わりに、蓄電池の充電率(電池残値)および放電下限電池充電率(放電下限電池残値)を充放電装置1に通知することができる。充電率とは、蓄電池の現在の充電率である。一方、放電下限電池充電率とは、蓄電池の充電率の下限値である。充放電装置1は、充電率と放電下限電池充電率とを比較した結果と、最低充電電流値と現在の充電電流値とを比較した結果との双方に基づく充電運転の停止制御を、実行することもできる。具体的には、充放電回路17は、S11において、充電率および放電下限電池充電率を受信する。また、充放電回路17は、蓄電池の電池残容量および放電下限電池残容量に基づき充電率を別途算出しない。停止制御部20は、S13において、電気自動車2から受信した充電率が放電下限電池充電率を超えているか否かを判定する。この判定結果がYESの場合は図2の処理はS7に戻り、一方、NOの場合はS14に進む。
以上のように、電池残値は、電池残容量および充電率を包括した概念であるため、蓄電池の現在の残容量または充電率を意味する。一方、放電下限電池残値は、放電下限電池残容量および放電下限電池充電率を包括した概念であるため、蓄電池の残容量の下限値または充電率の下限値を意味する。したがって、電池残容量および放電下限電池残容量に基づく充電継続の判定と、充電率および放電下限電池充電率に基づく充電継続の判定とに、本質的な違いはない。停止制御部20は、電気自動車2から受信した情報の種類に基づき、いずれの判定を行うかを決定すればよい。
(充電運転の他の処理の流れ)
図3は、本発明の実施形態1に係る充放電装置1が充電運転を実行する際の他の処理の流れを示すフローチャートである。図3の処理は、充電余力が復帰電力を超えることが所定の時間継続したことを充電シーケンスを再開する再開条件とし、再開制御部23がこの再開条件の成立により充電シーケンスを充放電回路17に再開させる点に、特徴を有する。以下では、遮断器が主幹ブレーカである場合を説明する。
図3のS31〜S45は、図2のS1〜S15と同一であるため、その詳細な説明を省略する。S45がNOの場合、充放電回路17は、蓄電池の電池電圧を検出する(S46)。この後、復帰電力決定部21は、電池電圧×(最低充電電流値−1)に所定のマージン電力(ここでは、1kW)を加えた電力を、復帰電力として決定する(S47)。
S47の後、停止制御部20は、充放電回路17に電気自動車2の充電を停止するように通知する。この通知を受けて、充放電回路17は、電気自動車2の充電を停止する(S48)。S48〜S52までは、図2のS16〜S20と同一であるため、詳細な説明を省略する。
S52がNOの場合、充電余力算出部22は、建物3内において遮断器32の一次側を流れる電流(一次側電流)を、電流センサ34を通じて検出する(S54)。次に充電余力算出部22は、分電盤31内の主幹ブレーカの電流容量から一次側電流を引いた値に、商用電力系統4の系統電圧を掛けることによって、充電余力を算出する(S55)。なお、主幹ブレーカ器の電流容量は、予め充放電装置1に設定されている。一方、商用電力系統4の系統電圧は、規定の値(たとえば200V)として予め充放電装置1に設定されていてもよいし、されていなくてもよい。前者の場合、充電余力算出部22は、充放電装置1に設定済みの系統電圧を、充電余力の算出に用いる。後者の場合、充電余力算出部22は、充放電装置1が測定した商用電力系統4の系統電圧の実測値を、充電余力の算出に用いる。特に後者の場合、系統電圧の実測値に基づき力率も算出することができるので、負荷33によって力率が悪化した場合でも充電余力をより正確に算出することができる。
充放電回路17は、充電余力が復帰電力を超えることが所定の時間(ここでは30秒)継続したか否か判定する(S56)。S56がNOの場合、図3の処理はS52に戻る。したがって、仮に充電余力が復帰電力を超えたとしても、その状況が30秒継続しない限り、充放電装置1は待機し続ける。
S56がYESの場合、再開制御部23は、電気自動車2の充電を再開することを表示部14に通知する。この通知を受けて、表示部14は、充放電装置1が電気自動車2の充電を再開中であることをユーザに通知するメッセージを、表示パネル13に表示する(S57)。S57の後、再開制御部23は、充電シーケンスを再度開始するように充放電回路17に指示する。この指示を受けて、図3の処理はS33に戻り、充放電回路17は、充電シーケンスを再度開始する(S33)。その後、S34以下の各工程が順次実行されることによって、電気自動車2の蓄電池の充電が再開される。
S44がNOの場合、すなわち、最低充電電流値が零の場合、充放電回路17は、蓄電池の電池電圧を検出する(S58)。S58〜S60は、図2のS24〜S26と同一であるため、詳細な説明を省略する。S60がNOの場合、復帰電力決定部21は、S60の判定で用いられた規定の基準電力(1.5kW)に、所定のマージン電力(ここでは1kW)に加えた電力を、復帰電力として決定する(S61)。このように、最低充電電流値が零の場合の復帰電力の算出方法は、最低充電電流値が零よりも大きい場合の復帰電力の算出方法とは異なっている。これは、最低充電電流値が零の場合、復帰電力の算出に最低充電電流値を用いることができないからである。
S61の後、停止制御部20は、電気自動車2の充電を停止するように充放電回路17に通知する。充放電回路17は、この通知を受けて、電気自動車2の充電を停止する(S48)。この後の処理は、上述した例と同じである。すなわち、充放電装置1は、充電電力が1.5kW未満であることを理由に充電運転を停止した後、充電余力が復帰電力を超えることが30秒継続した場合、充電運転を再開する。
(本例の利点)
図3の例では、充放電装置1が充電運転を停止するための条件は、図2の例と同一である。すなわち停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零よりも大きい場合、
条件1:電池残容量が放電下限電池残容量以下であること
条件2:充電電流が最低充電電流値−1未満であること
のすべてが成立すると、充放電回路17に充電シーケンスを停止させる。これにより充放電装置1は、電気自動車2の充電を、適切に停止することができる。
さらに再開制御部23は、条件1および2が成立したことを理由に充電運転が停止した後、所定の再開条件(充電余力が復帰電力よりも大きいことが30秒継続する)が成立した場合、充放電回路17に充電シーケンスを再度開始させる。これにより、充電運転の再開後、電気自動車2の充電を安定して継続することができる。
その理由は次の通りである。S54において検出される遮断器32の一次側を流れる電流は、各負荷33において消費される電流と充放電装置1において消費される電流とを合計した電流である。S54の時点では充放電装置1は電気自動車2の充電を行っていないので、S54の時点で充放電装置1が消費する電流は充電以外の動作に用いられる。したがって、遮断器32の電流容量から遮断器32の一次側電流を引いた電流は、充放電装置1に追加で供給されかつ充放電装置1における充電用の直流電流の生成に利用可能な交流電流の最大値である。すなわち、S55において算出される充電余力は、電気自動車2の充電用の直流電力を生成するために充放電装置1が用いることが可能な交流電力の最大値に等しい。充放電回路17は、この充電余力の範囲内で、商用電力系統4から供給された交流電力を、電気自動車2の充電用の直流電力に変換することができる。
上述したように、零よりも大きい最低充電電流値が電気自動車2から通知される場合、充放電回路17は、蓄電池の充電時に、最低充電電流値−1以上の充電電流を蓄電池に出力する必要がある。充電電流の値は、蓄電池の電池電圧と、充電時の充電電力とによって決まる。したがって、充電運転の再開後、充放電回路17が電気自動車2の充電を安定して継続するためには、蓄電池の電池電圧×(最低充電電流値−1)以上の充電電力を生成する必要がある。
S47において算出される復帰電力は、条件2が成立した時点での蓄電池の電池電圧に最低充電電流値−1を掛けた値に、1kWを足した電力である。したがって、再開条件が成立する(充電余力が復帰電力を超えている)場合、充電運転の再開後、充放電装置1には電池電圧×(最低充電電流値−1)+1kW以上の交流電力が供給される。これにより充放電装置1は、電池電圧×(最低充電電流値−1)+1kW以上の交流電力を用いて、電気自動車2を充電するための直流の充電電力を生成することができる。
交流電力から直流電力の変換時には一定の変換ロスがあるため、供給された交流電力よりも、変換後の充電電力の方が小さくなる。それを考慮して、復帰電力には1kWのマージン電力が予め加えられる。これにより充放電装置1は、電池電圧×(最低充電電流値−1)を充分に上回るだけの充電電力を、生成することができる。その結果、充放電回路17は、蓄電池の充電に必要な最低充電電流値−1以上の充電電流を、蓄電池に出力することができる。
また、再開制御部23は、充電余力が復帰電力を超えることが所定の時間(ここでは30秒)継続した場合に、充放電回路17に充電シーケンスを再度開始させる。これにより、充放電装置1に対して充分な量の交流電力が継続的に供給されることが期待できるので、充電の再開後に安定して充電を継続することができる。
一方、図3の例では、停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零である場合、
条件1:電池残容量が放電下限電池残容量以下であること
条件3:充電電力が1.5kW以下であること
のすべてが成立すると、充放電回路17に充電シーケンスを停止させる。これにより充放電装置1は、電気自動車2の充電を、適切に停止することができる。その後の充電シーケンスの再開条件は、上述した例と変わりない。すなわち再開制御部23は、1.5kW+1kW以上の交流電力が充放電装置1に供給されるようになってから、充放電回路17に充電シーケンスを再度開始させる。これにより充放電回路17は、蓄電池の充電に必要な1.5kWを充分に超える充電電力を、供給された交流電力から生成することができるので、充電の再開後、電気自動車2の充電を安定して継続することができる。
なお、充放電装置1のような系統連系運転に対応した装置には、系統連系運転のための逆潮流検出器が必須である。上述したように、本実施形態に係る充放電装置1は、この逆潮流検出器を電流センサ34として活用することができる。そのため、充電余力を算出するための新規な構成を、充放電装置1または建物3に追加する必要がない。これにより、不必要なコストアップを避けることができる。
(充電運転のさらに他の処理の流れ)
図4は、本発明の実施形態1に係る充放電装置1が充電運転を実行する際のさらに他の処理の流れを示すフローチャートである。図4の例では、電気自動車2は、零である最低充電電流値を充放電装置1に通知すると共に、放電下限電池残容量を充放電装置1に通知しない。充放電装置1は、このような電気自動車2を充電する際、充電電力が規定の基準電力(ここでは1.5kW)を満たすか否かに基づき、充電運転を停止するか否かを判定する。さらに、規定の基準電力に基づく電力を、復帰条件を判定するための復帰電力として決定する。
図4のS61〜S70は、図2のS1〜S10と同一であるため、詳細な説明を省略する。S67がYESの場合、すなわち、ユーザがストップボタンを押下しないと判定された場合、充放電回路17は、電気自動車2から通知される各種の情報を、CAN通信によって受信する(S71)。図4の例では、充放電回路17は、零である最低充電電流値、電池残容量、および電池総容量を受信する。一方、放電下限電池残容量は電気自動車2から通知されないので、充放電回路17は放電下限電池残容量を受信しない。
S71の後、充放電回路17は、受信した電池残容量および電池総容量に基づき蓄電池の充電率を算出し、この充電率が目標の充電率に到達したか否かを判定する(S72)。S72がYESの場合、充放電回路17は電気自動車2の充電を停止する(S68)。この後のS69およびS70は、図2のS9およびS10と同一である。
一方、S72がNOの場合、充放電回路17は、蓄電池の電池電圧を検出する(S73)。この後のS74〜S76は、図3のS59〜S61と同一である。すなわち充放電装置1は、充電電力が1.5kW以上である場合、電気自動車2の充電を継続する。一方、充電電力が1.5kW未満である場合、1.5kW+1kWを復帰電力として決定する(S76)と共に、電気自動車2の充電を停止する(S77)。
S78〜S86は、図3のS49〜S57と同一であるため、詳細な説明を省略する。図4の例でも、充放電装置1は、図3と同様に、充電余力が復帰電力を超えることが30秒継続した場合、充電運転を再開する。
(本例の利点)
図4の例では、停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零であり、かつ、放電下限電池残容量を電気自動車2から受信しない場合、
条件3:充電電力が1.5kW以下である
が成立すると、充放電回路17に充電シーケンスを停止させる。これにより充放電装置1は、最低充電電流値を指定しない電気自動車2の蓄電池が、規定の基準電力に満たない充電電力によって充電される続けることによって消耗することを、防止することができる。
さらに、条件3が成立したことを理由に充電運転をいったん終了した後、所定の再開条件(充電余力が復帰電力を超えることが30秒継続する)が成立した場合、充電運転を再開する。この後、充電電力が1.5kWを超えていれば、充放電装置1は電気自動車2の充電を正常に行うことができる。これにより、充電電力の不足を原因として蓄電池の充電が中断したために、蓄電池の充電率が目標の充電率に到達しなかったとしても、蓄電池の充電が再度行われることが期待できるので、最低充電電流値を指定しない電気自動車2の蓄電池の充電率を目標の充電率により近づけることが期待できる。
停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零であり、かつ、放電下限電池残容量を電気自動車2から受信しない場合、
条件4:充電電流が所定の基準電流(たとえば5A)未満である
が成立すると、充放電回路17に充電シーケンスを停止させてもよい。この場合、充放電装置1は、最低充電電流値を指定しない電気自動車2の蓄電池が、所定の基準電流に満たない充電電流によって充電される続けることによって消耗することを、防止することができる。条件4が成立したことを理由に充電運転を終了する場合、復帰電力決定部21は、所定の基準電流に基づく電力を復帰電力として決定する。具体的には、条件4が成立した時点での蓄電池の電池電圧に所定の基準電流を掛けた値に所定のマージン電力(ここでは1kW)を加えた電力を、復帰電力として決定する。この場合の充電余力および復帰電力に基づく再開条件は図4の例と同一であるため、詳細な説明を省略する。充放電装置1は、再開条件が成立すると充電運転を再開し、そして充電電流が5Aを超えていれば電気自動車2の充電を正常に行うことができる。これにより、充電電流の不足を原因として蓄電池の充電が中断したために、蓄電池の充電率が目標の充電率に到達しなかったとしても、蓄電池の充電が再度行われることが期待できるので、最低充電電流値を指定しない電気自動車2の蓄電池の充電率を目標の充電率により近づけることが期待できる。
(変形例)
電気自動車2は、オフセットが設定されずかつ零よりも大きい最低充電電流値を、充放電装置1に通知してもよい。この場合、充放電装置1は、電気自動車2から通知された最低充電電流値から「1」を引いた値ではなく、最低充電電流値そのものを、電気自動車2に出力する充電電流の最低値とする。したがって充放電装置1は、オフセットが設定されずかつ零よりも大きい最低充電電流値を受信した場合、最低充電電流値以上の充電電流を、電気自動車2に出力する必要がある。
停止制御部20は、電気自動車2から受信した最低充電電流値を、規定の基準電流として扱う。したがって停止制御部20は、S15において、充放電回路17が電気自動車2に出力する充電電流が、最低充電電流値を超えているか否かを判定する。S15がYESの場合、図2の処理はS7に戻る。このように、最低充電電流値が零を超えており、かつ、充電電流が最低充電電流値よりも大きい場合、充放電装置1は電気自動車2の充電を継続する。一方、S15がNOの場合、停止制御部20は、充放電回路17に電気自動車2の充電を停止するように通知する。
この変形例では、オフセットが設定されない最低充電電流値を通知する車両の蓄電池が、最低充電電流値を満たさない充電電流による充電の継続によって消耗することを、防止することができる。
〔実施形態2〕
図5および図6を参照して、本発明に係る実施形態2を以下に説明する。上述した実施形態1と共通する各部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5は、本発明の実施形態2に係る充放電装置1Aの構成を示す図である。この図に示すように、充放電装置1A(電力制御装置)は、入力デバイス11、入力部12、表示パネル13、表示部14、制御回路15A、トランス16、充放電回路17(電力制御部)、充放電ケーブル18(ケーブル)、充放電コネクタ19(コネクタ)、停止制御部20、復帰電力決定部21、再開制御部23、および充電余力予測部24(電力需要予測部)を備えている。
充放電装置1Aが備える制御回路15A以外の部材は、いずれも図1に示すものと同じであるため、詳細な説明は省略する。充放電装置1Aでは、制御回路15A内に、制御回路15内の充電余力算出部22に代えて、充電余力予測部24が設けられている。
充電余力予測部24は、充電運転の再開条件の判定に用いられる充電余力を、予測する。その手順は次の通りである。まず充電余力予測部24は、負荷33における一定時間帯ごと(たとえば30分ごと)の電力需要を予測する。この予測には、たとえば負荷33における過去の一定時間帯ごとの実際の電力需要の学習結果(記録結果)に関するデータ、あるいは、充放電装置1に接続される外部装置(たとえばHEMSまたは上位装置)から提供される負荷33の将来の電力需要予測に関するデータを用いることができる。
次に充電余力予測部24は、分電盤31内の主幹ブレーカの電流容量に商用電力系統4の系統電圧を掛けた値から、予測した負荷33の電力需要を引くことによって、一定時間帯ごとの充電余力を予測する。これにより、一定時間帯ごとの充放電装置1の充電余力の予測値に関するデータが得られる。充放電装置1は、このデータを参照することによって、各時間帯における充電余力の予測値を得ることができる。
(充電運転の流れ)
図6は、本発明の実施形態2に係る充放電装置1Aが充電運転を実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、充電運転を再開するための再開条件が、充電余力予測部24によって予測された各時間帯の充電余力と、復帰電力との関係に基づくことに特徴を有する。
S91〜S113は、図3のS31〜S53と同一であるため、詳細な説明を省略する。S113がNOの場合、すなわち、ユーザがストップボタンを押下しないと判定された場合、再開制御部23は、現在の時刻が、予測された充電余力が復帰電力よりも大きい時間帯内であるか否かを判定する(S114)。S114がNOの場合、図6の処理はS113に戻る。したがって、現在の時刻が、予測された充電余力が復帰電力以下である時間帯内である場合、充放電装置1Aは充電運転を再開することなく待機状態を継続する。
一方、S114がYESの場合、再開制御部23は、電気自動車2の充電を再開することを表示部14に通知する。この通知を受けて、表示部14は、充放電装置1Aが電気自動車2の充電を再開中であることをユーザに通知するメッセージを、表示パネル13に表示する(S115)。S115の後、再開制御部23は、充電シーケンスを再度開始するように充放電回路17に指示する。この指示を受けて、図6の処理はS93に戻り、充放電回路17は、充電シーケンスを再度開始する(S93)。その後、S94以下の各工程が順次実行されることによって、電気自動車2の蓄電池の充電が再開される。
(本例の利点)
本実施形態では、充放電装置1Aが充電運転を停止するための条件は、図2の例と同一である。すなわち停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零よりも大きい場合、
条件1:電池残容量が放電下限電池残容量以下であること
条件2:充電電流が最低充電電流値−1未満であること
のすべてが成立すると、充放電回路17に充電シーケンスをいったん停止させる。これにより充放電装置1Aは、電気自動車2の充電を適切に停止することができる。
さらに、再開制御部23は、条件1および2が成立したことを理由に充電運転が停止した後、充電余力の予測値に基づく所定の再開条件が成立した場合、充放電回路17に充電シーケンスを再度開始させる。これにより、充電余力が足りないことが予測される時間帯における充電の再開を避けることができるので、いったん再開された充電が短時間で再び停止されることを防止することができる。
その理由は次の通りである。現在の実際の充電余力が充分に高くても、その後のユーザの習慣的な行動(たとえば決まった時間にエアコンを運転開始させる等)によって、負荷33の電力需要が短時間で急上昇し、その結果、充電余力がすぐに低くなってしまうことが、現実には想定される。このような状況では、現在の実際の充電余力が復帰電力を超えていることを理由に充電運転を再開した場合、その後すぐに不十分な交流電力が充放電装置1Aに供給されるようになる結果、充放電装置1Aが電気自動車2の充電をすぐに停止してしまうことが、起こり得る。しかし本実施形態に係る充放電装置1Aは、現在の実際の充電余力が復帰電力を超えていたとしても、現時点の時刻を含む今後の一定時間帯における充電余力の予測値が復帰電力以下である場合、充電運転をそもそも再開しないので、充電運転を再開してからすぐに再び停止するようなことがない。
また、本実施形態では、停止制御部20は、電気自動車2から通知された最低充電電流値が零である場合、
条件1:電池残容量が放電下限電池残容量以下であること
条件3:充電電力が1.5kW以下であること
のすべてが成立した場合も、充放電回路17に充電シーケンスを停止させる。これにより、充放電装置1Aは、電気自動車2の充電を適切に停止することができる。その後の充電シーケンスの再開条件は、上述した例と変わりない。したがって、いったん再開された充電が短時間で再び停止されることを、防止することができる。
建物3内のユーザの行動パターンは曜日ごとに(特に平日と休日とで)異なることが想定されるので、負荷33における電力需要も曜日ごとに異なることが想定される。そこで充電余力予測部24は、電力需要を予測する際、負荷33における過去の一定時間帯ごとの実際の電力需要を曜日ごとに学習した学習結果(記録結果)に関するデータを用いても良い。これにより充電余力予測部24は、各曜日の各時間帯における負荷33の電力需要をより正確に予測することができるので、各曜日の各時間帯における充電余力をより正確に予測することができる。
充電余力予測部24は、負荷33における過去の電力消費量のデータに基づき、人工知能(AI)を用いて、負荷33における一定時間帯ごとの将来電力需要を予測してもよい。
(装置の各種態様)
実施形態1および2では、電気自動車2の充電および電気自動車2からの放電のいずれも実行可能な充放電装置1および1Aの例を説明した。しかし本発明の各実施形態はこれに限られない。すなわち本発明は、電気自動車2の少なくとも充電を行うことが可能な各種の電力変換装置の形態としても実現される。より詳細には、電気自動車2の充電および放電のうち充電のみが可能な充電装装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
充放電装置1の制御ブロック(特に入力部12、表示部14、停止制御部20、復帰電力決定部21、充電余力算出部22、再開制御部23)、および充放電装置1Aの制御ブロック(特に入力部12、表示部14、停止制御部20、復帰電力決定部21、再開制御部23、充電余力予測部24)は、いずれも、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、充放電装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、たとえば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることによって、新しい技術的特徴を形成することもできる。
たとえば、充放電装置1は、CHAdeMO規格とは異なる、電気自動車2の蓄電池の充電または放電を行うための他の規格(COMBO規格等)に対応した装置であってもよい。この場合、充放電ケーブル18および充放電コネクタ19は、当該他の規格に対応したケーブルおよびコネクタである。また、充放電回路17は、当該他の規格に対応した充電シーケンス(または放電シーケンス)を実行する。
各実施形態に開示される充電運転の制御は、充放電装置1または1Aが予約充電運転を実行する際にも、あるいは、充放電装置1または1Aに接続される外部装置(たとえばHEMSまたは上位装置)から受信した指示に基づき充電運転を実行する際にも、同様に適用される。
各実施形態に記載の「規定の基準電流」は、特許請求の範囲に記載の「所定の基準電流」に包含される概念である。また、各実施形態に記載の「規定の基準電力」は、特許請求の範囲に記載の「所定の基準電力」に包含される概念である。
1、1A 充放電装置(電力制御装置)
2 電気自動車(車両)
3 建物
4 商用電力系統
11 入力デバイス
12 入力部
13 表示パネル
14 表示部(待機中通知部)
15、15A 制御回路
16 トランス
17 充放電回路(電力制御部)
18 充放電ケーブル(ケーブル)
18a 電力線
18b 信号線
20 停止制御部(終了部)
21 復帰電力決定部(電圧検出部、復帰電力算出部)
22 充電余力算出部
23 再開制御部(判定部、再開部、電池残値受信部)
24 充電余力予測部(電力需要予測部)
31 分電盤
32 遮断器
33 負荷
34 電流センサ

Claims (16)

  1. 車両に搭載された蓄電池の充電または放電を行う電力制御装置であって、
    上記蓄電池の充電または放電を行う電力制御部と、
    上記電力制御部が上記蓄電池の充電を行うための処理を実行中に、上記電力制御部が上記蓄電池に出力する充電電流が所定の基準電流未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させる終了部と、
    上記処理が終了した後、所定の再開条件が成立したか否かを判定する判定部と、
    上記所定の再開条件が成立したと判定された場合、上記処理を上記電力制御部に再度開始させる再開部とを備えていることを特徴とする電力制御装置。
  2. 上記車両から送信される最低充電電流値を受信する最低充電電流値受信部を備えており、
    上記終了部は、上記充電電流が上記最低充電電流値未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させることを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 上記車両から送信される電池残値および放電下限電池残値を受信する電池残値受信部を備えており、
    上記終了部は、上記電池残値が上記放電下限電池残値以下であり、かつ、上記充電電流が上記最低充電電流値未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御装置に終了させることを特徴とする請求項2に記載の電力制御装置。
  4. 商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器の一次側を流れる電流を検出する電流検出部と、
    上記遮断器の電流容量から上記一次側を流れる電流を引いた値に上記商用電力系統の電圧を掛けることによって、充電余力を算出する充電余力算出部と、
    上記充電電流が上記最低充電電流値未満であるときの上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、
    上記最低充電電流値に上記蓄電池の電圧を掛けた値に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、
    上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴とする請求項2または3に記載の電力制御装置。
  5. 商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器に対して上記電力制御装置と並列に接続されている負荷における一定時間帯ごとの電力需要を予測する電力需要予測部と、
    上記分電盤内の遮断器の電流容量に上記商用電力系統の電圧を掛けた値から上記電力需要を引くことによって、上記一定時間帯ごとの充電余力を予測する充電余力予測部と、
    上記充電電流が上記最低充電電流値未満であるときの上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、
    上記最低充電電流値に上記蓄電池の電圧を掛けた値に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、
    上記判定部は、予測された上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい上記一定時間帯に、現在の時刻が含まれる場合、上記再開条件が成立したと判定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  6. 上記車両から送信される電池残値および放電下限電池残値を受信する電池残値受信部と、
    上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、
    上記充電電流に上記蓄電池の電圧を掛けることによって、充電電力を算出する充電電力算出部とを備えており、
    上記終了部は、上記車両から上記電力制御装置に最低充電電流値が指定されず、上記電池残値が上記放電下限電池残値以下であり、かつ、上記充電電力が所定の基準電力未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御装置に終了させることを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
  7. 上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部とを備えており、
    上記充電電流に上記蓄電池の電圧を掛けることによって、充電電力を算出する充電電力算出部と、を備えており、
    上記終了部は、上記車両から上記電力制御装置に最低充電電流値が指定されず、かつ、上記充電電力が所定の基準電力未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させることを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
  8. 商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器の一次側を流れる電流を検出する電流検出部と、
    上記分電盤内の遮断器の電流容量から上記一次側を電流を引いた値に、上記商用電力系統の電圧を掛けることによって、充電余力を算出する充電余力算出部と、
    上記所定の基準電力に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、
    上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴とする請求項6または7に記載の電力制御装置。
  9. 分電盤を介して上記電力制御装置に交流電力を供給する商用電力系統に接続されている負荷における一定時間帯ごとの電力需要を予測する電力需要予測部と、
    上記分電盤内の遮断器の電流容量に上記商用電力系統の電圧を掛けた値から上記電力需要を引くことによって、上記一定時間帯ごとの充電余力を予測する充電余力予測部と、
    上記所定の基準電力に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、
    上記判定部は、予測された上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい上記一定時間帯に、現在の時刻が含まれる場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  10. 上記終了部は、上記車両から上記電力制御装置に最低充電電流値が指定されず、上記充電電流が上記所定の基準電流未満である場合、実行中の上記処理を上記電力制御部に終了させることを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
  11. 商用電力系統に接続されている分電盤内の遮断器の一次側を流れる電流を検出する電流検出部と、
    上記分電盤内の遮断器の電流容量から上記一次側を流れる電流を引いた値に、上記商用電力系統の電圧を掛けることによって、充電余力を算出する充電余力算出部と、
    上記充電電流が上記所定の基準電流未満であるときの上記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、
    上記所定の基準電流に上記蓄電池の電圧を掛けた値に所定のマージン電力を加えることによって、復帰電力を算出する復帰電力算出部とを備えており、
    上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きい場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴とする請求項10に記載の電力制御装置。
  12. 上記判定部は、上記充電余力が上記復帰電力よりも大きいことが所定の時間継続した場合、上記所定の再開条件が成立したと判定することを特徴とする請求項4、8、11のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  13. 上記再開部は、上記電力制御部に上記処理を終了させ、それから所定の時間が経過すると、上記電力制御部に上記処理を再度開始させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  14. 上記蓄電池の充電を行うためのケーブルと、
    上記ケーブルの一端に設けられ、上記車両に接続されるコネクタと、
    上記処理が終了した後、上記処理が再度開始されるまで、上記車両に上記コネクタがロックされている状態を維持するロック制御部とを備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  15. 上記処理が終了した後、上記電力制御装置が待機中であることを通知する待機中通知部を備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  16. 上記再開部が上記処理を上記電力制御部に再度開始させた場合、上記蓄電池の充電が再開されることを通知する再開通知部を備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の電力制御装置。
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