JP2017220491A - マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置 - Google Patents

マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチビーム描画のスループットの劣化を低減しながら、クーロン効果による焦点ずれを抑制可能なマルチ荷電粒子ビーム露光方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム露光方法は、荷電粒子線を用いたマルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる工程と、同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更する工程と、グループ毎に、合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置を補正する工程と、同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、マルチビームの複数回のショットを行う工程と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図13

Description

本発明は、マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置に係り、例えば、マルチビーム描画におけるビーム照射方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、ウェハ等へ電子線を使って描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される。
ここで、電子ビーム描画では、ショットされるビームの電流量が大きくなるとクーロン効果によりビーム像の焦点位置がずれ、いわゆるボケが生じてしまうといった問題があった。そのため、従来、可変成形ビーム(VSB)方式のシングルビームを用いた描画装置では、ショット毎に、その電流量に応じてビームのフォーカス位置を補正することが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。マルチビーム描画においても、同時に照射されるマルチビームの合計電流量が大きくなると、クーロン効果によりマルチビーム像の焦点位置がずれ、焦点ずれによるいわゆるボケが生じてしまうといった問題があった。
ここで、マルチビーム描画では、各ビームの照射時間を個別に制御することにより、照射位置への照射量を制御することが行われる。1つ目の制御手法として、ビーム毎にカウンタ回路を設けて1回のショット中(露光期間中)における各ビームの照射時間を調整する手法が提案されている。2つ目の制御手法として、1回分のショットを照射時間が異なる複数のサブショットにわけ、1回分のショットの照射時間に相当する数のサブショットの組み合わせを選択し、組み合わせたサブショットを行うことで各ビームの照射時間を調整する手法が提案されている。しかし、1つ目の制御手法では、1回のショット中(露光期間中)における各ビームの照射時間が異なるため、1回のショット中(露光期間中)にONビーム全体での電流量が変化してしまう。そのため、ショット毎にマルチビームのフォーカス位置を補正することが困難である。一方、2つ目の制御手法では、各サブショット中でのONビーム全体での電流量は一定にできる。しかし、マルチビームのフォーカス位置を変更するには、その都度、制御アンプの静定時間が必要となる。そのため、サブショット毎に、かかるフォーカス位置の変更を行っていたのでは、リフォーカスの回数が膨大となり、スループットが劣化してしまう。そのため、せっかくマルチビーム描画によりスループットの向上を図ってもその効果を十分に発揮することが困難になってしまう。
特開平10−289841号公報
そこで、本発明の一態様は、マルチビーム描画のスループットの劣化を低減しながら、クーロン効果による焦点ずれを抑制可能なマルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置を提供する。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム露光方法は、
荷電粒子線を用いたマルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる工程と、
同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更する工程と、
グループ毎に、合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置を補正する工程と、
同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、マルチビームの複数回のショットを行う工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、マルチビームは、偏向器によって照射位置が偏向制御され、
マルチビームの複数回のショットを行う場合に、グループ毎に、当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置が補正されることに起因した照射位置の位置ずれを補正する補正量を偏向器の偏向量に付加すると好適である。
また、マルチビームの各照射位置は、それぞれ、予め設定された複数の露光時間に対応する1組のショット群の中から選択された少なくとも1つのショットによって照射され、
マルチビーム全体が一括してシフトすることによってマルチビームの各ビームが照射する複数の照射位置のうちの同じ照射位置が、マルチビームの焦点位置がそれぞれ補正された異なる複数のグループのショットによって照射されると好適である。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム露光装置は、
荷電粒子ビームを放出する放出部と、
複数の第1の開口部が形成され、複数の第1の開口部全体を含む領域に荷電粒子ビームの照射を受け、荷電粒子ビームの一部が複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
複数の第2の開口部が形成された基板と、複数の第2の開口部の対応する第2の開口部を挟んで対向するように基板上にそれぞれ配置された複数の電極群とを有し、複数の電極群を用いてマルチビームの各ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向するブランキングアパーチャアレイ機構と、
ビームOFFの状態になるようにブランキング偏向されたビームを遮蔽する制限アパーチャ基板と、
マルチビームを試料面上に結像する対物レンズと、
マルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる割り当て部と、
同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更するショット順変更部と、
グループ毎に、合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置を補正する補正レンズと、
を備え、
同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、マルチビームの複数回のショットを行うことを特徴とする。
本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム露光装置は、
荷電粒子ビームを放出する放出部と、
複数の第1の開口部が形成され、複数の第1の開口部全体を含む領域に荷電粒子ビームの照射を受け、荷電粒子ビームの一部が複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
複数の第2の開口部が形成された基板と、複数の第2の開口部の対応する第2の開口部を挟んで対向するように基板上にそれぞれ配置された複数の電極群とを有し、複数の電極群を用いてマルチビームの各ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向するブランキングアパーチャアレイ機構と、
ビームOFFの状態になるようにブランキング偏向されたビームを遮蔽する制限アパーチャ基板と、
マルチビームを試料面上に結像する対物レンズと、
マルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる割り当て部と、
同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更するショット順変更部と、
グループ毎に、合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置を補正すると共に、マルチビームを偏向する偏向器と、
を備え、
同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置にマルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、マルチビームの複数回のショットを行うことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、マルチビーム描画のスループットの劣化を低減しながら、クーロン効果による焦点ずれを抑制できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の構成を示す断面図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構のメンブレン領域内の構成の一部を示す上面概念図である。 実施の形態1の個別ブランキング機構の一例を示す図である。 実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と描画対象画素との一例を示す図である。 実施の形態1におけるマルチビームの描画方法の一例を説明するための図である。 実施の形態1におけるマルチビームの分割ショットの一例を示す図である。 実施の形態1における分割ショットの組み合わせ例を示す図である。 実施の形態1の比較例におけるトラッキング偏向とシフト偏向のタイムチャートの一例を示す図である。 実施の形態1におけるトラッキング偏向とシフト偏向のタイムチャートの一例を示す図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における相関データの一例を示す図である。 実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。 実施の形態1における分割ショットについてのビームON/OFF切り替え動作を示すタイミングチャート図である。 実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、実施の形態では、露光装置の一例として、描画装置を用いた構成について説明する。但し、露光装置は、描画装置に限るものではなく、検査装置等の荷電粒子ビームの試料への照射を行う露光装置でも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例であると共に、マルチ荷電粒子ビーム露光装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、ブランキングアパーチャアレイ機構204、縮小レンズ205、制限アパーチャ基板206、対物レンズ207、偏向器208、偏向器209、共通ブランキング偏向器212、及び静電レンズ214が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時(露光時)には描画対象基板となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ロジック回路131、デジタル・アナログ変換(DAC)アンプユニット132,134,137、レンズ制御回路136、ステージ制御機構138、ステージ位置測定器139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ロジック回路131、レンズ制御回路136、ステージ制御機構138、ステージ位置測定器139及び記憶装置140,142,144は、図示しないバスを介して互いに接続されている。記憶装置140(記憶部)には、描画データが描画装置100の外部から入力され、格納されている。偏向制御回路130には、DACアンプユニット132,134及びブランキングアパーチャアレイ機構204が接続されている。レンズ制御回路136には、DACアンプユニット137が接続されている。DACアンプユニット132の出力は、偏向器209に接続される。DACアンプユニット134の出力は、偏向器208に接続される。DACアンプユニット137の出力は、静電レンズ214に接続される。ロジック回路131の出力は、共通ブランキング偏向器212に接続される。ステージ位置測定器139は、レーザ光をXYステージ105上のミラー210に照射し、ミラー210からの反射光を受光する。そして、かかる反射光の情報を利用してXYステージ105の位置を測定する。
制御計算機110内には、パターン面積密度ρ演算部60、照射量D演算部62、照射時間t演算部64、データ加工部66、最大電流値Imax演算部68、電流値It演算部70、割り当て部72、ショット順変更部74、リフォーカス量演算部76、位置ずれ補正量演算部78、転送処理部79、及び描画制御部80が配置されている。パターン面積密度ρ演算部60、照射量D演算部62、照射時間t演算部64、データ加工部66、最大電流値Imax演算部68、電流値It演算部70、割り当て部72、ショット順変更部74、リフォーカス量演算部76、位置ずれ補正量演算部78、転送処理部79、及び描画制御部80といった各「〜部」は、処理回路を有する。かかる処理回路は、例えば、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置を含む。各「〜部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いても良いし、或いは異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。パターン面積密度ρ演算部60、照射量D演算部62、照射時間t演算部64、データ加工部66、最大電流値Imax演算部68、電流値It演算部70、割り当て部72、ショット順変更部74、リフォーカス量演算部76、位置ずれ補正量演算部78、転送処理部79、及び描画制御部80に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
また、描画装置100の外部から描画データが入力され、記憶装置140に格納される。描画データには、通常、描画するための複数の図形パターンの情報が定義される。具体的には、図形パターン毎に、図形コード、座標、及びサイズ等が定義される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、縦(y方向)p列×横(x方向)q列(p,q≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2では、例えば、縦横(x,y方向)に512×512列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ直径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)k段目の列と、k+1段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)k+1段目の列と、k+2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図3は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の構成を示す断面図である。
図4は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構のメンブレン領域内の構成の一部を示す上面概念図である。なお、図3と図4において、制御電極24と対向電極26と制御回路41とパッド43の位置関係は一致させて記載していない。ブランキングアパーチャアレイ機構204は、図3に示すように、支持台333上にシリコン等からなる半導体基板31が配置される。基板31の中央部は、例えば裏面側から薄く削られ、薄い膜厚hのメンブレン領域330(第1の領域)に加工されている。メンブレン領域330を取り囲む周囲は、厚い膜厚Hの外周領域332(第2の領域)となる。メンブレン領域330の上面と外周領域332の上面とは、同じ高さ位置、或いは、実質的に高さ位置になるように形成される。基板31は、外周領域332の裏面で支持台333上に保持される。支持台333の中央部は開口しており、メンブレン領域330の位置は、支持台333の開口した領域に位置している。
メンブレン領域330には、図2に示した成形アパーチャアレイ基板203の各穴22に対応する位置にマルチビームのそれぞれのビームの通過用の通過孔25(開口部)が開口される。言い換えれば、基板31のメンブレン領域330には、電子線を用いたマルチビームのそれぞれ対応するビームが通過する複数の通過孔25がアレイ状に形成される。そして、基板31のメンブレン領域330上であって、複数の通過孔25のうち対応する通過孔25を挟んで対向する位置に2つの電極を有する複数の電極対がそれぞれ配置される。具体的には、メンブレン領域330上に、図3及び図4に示すように、各通過孔25の近傍位置に該当する通過孔25を挟んでブランキング偏向用の制御電極24と対向電極26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)がそれぞれ配置される。また、基板31内部であってメンブレン領域330上の各通過孔25の近傍には、各通過孔25用の制御電極24に偏向電圧を印加する制御回路41(ロジック回路)が配置される。各ビーム用の対向電極26は、グランド接続される。
また、図4に示すように、各制御回路41は、制御信号用のnビット(例えば1ビット)のパラレル配線が接続される。各制御回路41は、制御信号用のnビットのパラレル配線の他、クロック信号線、読み込み(read)信号、ショット(shot)信号および電源用の配線等が接続される。クロック信号線、読み込み(read)信号、ショット(shot)信号および電源用の配線等はパラレル配線の一部の配線を流用しても構わない。マルチビームを構成するそれぞれのビーム毎に、制御電極24と対向電極26と制御回路41とによる個別ブランキング機構47が構成される。また、図3の例では、制御電極24と対向電極26と制御回路41とが基板31の膜厚が薄いメンブレン領域330に配置される。但し、これに限るものではない。また、メンブレン領域330にアレイ状に形成された複数の制御回路41は、例えば、同じ行或いは同じ列によってグループ化され、グループ内の制御回路41群は、図4に示すように、直列に接続される。そして、グループ毎に配置されたパッド43からの信号がグループ内の制御回路41に伝達される。具体的には、各制御回路41内に、後述するシフトレジスタが配置され、例えば、p×q本のマルチビームのうち例えば同じ行のビームの制御回路41内のシフトレジスタが直列に接続される。そして、例えば、p×q本のマルチビームの同じ行のビームの制御信号がシリーズで送信され、例えば、p回のクロック信号によって各ビームの制御信号が対応する制御回路41に格納される。
図5は、実施の形態1の個別ブランキング機構の一例を示す図である。図5において、制御回路41内には、アンプ46(スイッチング回路の一例)が配置される。図5の例では、アンプ46の一例として、CMOS(Complementary MOS)インバータ回路が配置される。そして、CMOSインバータ回路は正の電位(Vdd:ブランキング電位:第1の電位)(例えば、5V)(第1の電位)とグランド電位(GND:第2の電位)に接続される。CMOSインバータ回路の出力線(OUT)は制御電極24に接続される。一方、対向電極26は、グランド電位が印加される。そして、ブランキング電位とグランド電位とが切り替え可能に印加される複数の制御電極24が、基板31上であって、複数の通過孔25のそれぞれ対応する通過孔25を挟んで複数の対向電極26のそれぞれ対応する対向電極26と対向する位置に配置される。
CMOSインバータ回路の入力(IN)には、閾値電圧よりも低くなるL(low)電位(例えばグランド電位)と、閾値電圧以上となるH(high)電位(例えば、1.5V)とのいずれかが制御信号として印加される。実施の形態1では、CMOSインバータ回路の入力(IN)にL電位が印加される状態(アクティブ状態)では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)は正電位(Vdd)となり、対向電極26のグランド電位との電位差による電界により対応ビーム20を偏向し、制限アパーチャ基板206で遮蔽することでビームOFFになるように制御する。一方、CMOSインバータ回路の入力(IN)にH電位が印加される状態では、CMOSインバータ回路の出力(OUT)はグランド電位となり、対向電極26のグランド電位との電位差が無くなり対応ビーム20を偏向しないので制限アパーチャ基板206を通過することでビームONになるように制御する。
各通過孔を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立に対となる2つの制御電極24と対向電極26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。具体的には、制御電極24と対向電極26の組は、それぞれ対応するスイッチング回路となるCMOSインバータ回路によって切り替えられる電位によってマルチビームの対応ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向する。このように、複数のブランカーが、成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。
図6は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図6に示すように、試料101の描画領域30は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20のショットで照射可能な照射領域34が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は例えば等速で連続移動させる。第1番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域32の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域34が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、−x方向に向かって同様に描画を行う。第3番目のストライプ領域32では、x方向に向かって描画し、第4番目のストライプ領域32では、−x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域32を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、成形アパーチャアレイ基板203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、最大で各穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。
図7は、実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と描画対象画素との一例を示す図である。図7において、ストライプ領域32は、例えば、マルチビームのビームサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に分割される。かかる各メッシュ領域が、描画対象画素36(単位照射領域、照射位置、或いは描画位置)となる。描画対象画素36のサイズは、ビームサイズに限定されるものではなく、ビームサイズとは関係なく任意の大きさで構成されるものでも構わない。例えば、ビームサイズの1/n(nは1以上の整数)のサイズで構成されても構わない。図7の例では、試料101の描画領域が、例えばy方向に、1回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34(描画フィールド)のサイズと実質同じ幅サイズで複数のストライプ領域32に分割された場合を示している。なお、ストライプ領域32の幅は、これに限るものではない。照射領域34のn倍(nは1以上の整数)のサイズであると好適である。図7の例では、例えば512×512列のマルチビームの図示を8×8列のマルチビームに省略して示している。そして、照射領域34内に、1回のマルチビーム20のショットで照射可能な複数の画素28(ビームの描画位置)が示されている。言い換えれば、隣り合う画素28間のピッチがマルチビームの各ビーム間のピッチとなる。図7の例では、隣り合う4つの画素28で囲まれると共に、4つの画素28のうちの1つの画素28を含む正方形の領域で1つのグリッド29を構成する。図7の例では、各グリッド29は、4×4画素で構成される場合を示している。
図8は、実施の形態1におけるマルチビームの描画方法の一例を説明するための図である。図8では、図7で示したストライプ領域32を描画するマルチビームのうち、y方向3段目の座標(1,3),(2,3),(3,3),・・・,(512,3)の各ビームで描画するグリッドの一部を示している。図8の例では、例えば、XYステージ105が8ビームピッチ分の距離を移動する間に4つの画素を描画(露光)する場合を示している。かかる4つの画素を描画(露光)する間、照射領域34がXYステージ105の移動によって試料101との相対位置がずれないように、偏向器208によってマルチビーム20全体を一括偏向することによって、照射領域34をXYステージ105の移動に追従させる。言い換えれば、トラッキング制御が行われる。図8の例では、8ビームピッチ分の距離を移動する間に4つの画素を描画(露光)することで1回のトラッキングサイクルを実施する場合を示している。
具体的には、ステージ位置測定器139が、ミラー210にレーザを照射して、ミラー210から反射光を受光することでXYステージ105の位置を測長する。測長されたXYステージ105の位置は、制御計算機110に出力される。制御計算機110内では、描画制御部80がかかるXYステージ105の位置情報を偏向制御回路130に出力する。偏向制御回路130内では、XYステージ105の移動に合わせて、XYステージ105の移動に追従するようにビーム偏向するための偏向量データ(トラッキング偏向データ)を演算する。デジタル信号であるトラッキング偏向データは、DACアンプ134に出力され、DACアンプ134は、デジタル信号をアナログ信号に変換の上、増幅して、トラッキング偏向電圧として偏向器208に印加する。
そして、描画部150は、当該ショットにおけるマルチビームの各ビームのそれぞれの照射時間のうちの最大描画時間Ttr内のそれぞれの画素36に対応する描画時間(照射時間、或いは露光時間)、各画素36にマルチビーム20のうちONビームのそれぞれ対応するビームを照射する。但し、実施の形態1では、最大描画時間Ttrを複数の照射時間で分割した1組の分割ショット(サブショット:ショットの一例)群の中から画素36に対応する描画時間に相当する分だけ選択された分割ショット群の各分割ショットを連続或いは不連続で行う。
図9は、実施の形態1におけるマルチビームの分割ショットの一例を示す図である。図9では、各画素36への1回分のショットの最大照射時間Ttrを同じ画素36に照射される例えば照射時間が異なるn回の分割ショットに分割する。まず、最大照射時間Ttrを量子化単位Δ(階調値分解能)で割った階調値Ntrを定める。例えば、n=10とした場合、10回の分割ショットに分割する。階調値Ntrを桁数nの2進数の値で定義する場合、階調値Ntr=1023になるように量子化単位Δを予め設定すると好適である。これにより、最大照射時間Ttr=1023Δとなる。そして、図9に示すように、n回の分割ショットは、桁数k’=0〜9までの2k’Δのいずれかの照射時間を持つ。言い換えれば、512Δ(=2Δ),256Δ(=2Δ),128Δ(=2Δ),64Δ(=2Δ),32Δ(=2Δ),16Δ(=2Δ),8Δ(=2Δ),4Δ(=2Δ),2Δ(=2Δ),Δ(=2Δ)のいずれかの照射時間を持つ。すなわち、1回分のマルチビームのショットは、512Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、256Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、128Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、64Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、32Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、16Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、8Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、4Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、2Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、Δの照射時間tk’をもつ分割ショットと、に分割される。
よって、各画素36に照射する任意の照射時間t(=NΔ)は、かかる512Δ(=2Δ),256Δ(=2Δ),128Δ(=2Δ),64Δ(=2Δ),32Δ(=2Δ),16Δ(=2Δ),8Δ(=2Δ),4Δ(=2Δ),2Δ(=2Δ),及びΔ(=2Δ)で定義される1組の分割ショット群の照射時間の中から、照射時間がゼロでなければ少なくとも1つの組み合わせによって定義できる。
図10は、実施の形態1における分割ショットの組み合わせ例を示す図である。図10において、例えば、画素1は、N=960のショットであれば、960=2+2+2+2なので、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、の組み合わせを選択することになる。例えば、画素2は、N=320のショットであれば、320=2+2なので、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、の組み合わせを選択することになる。例えば、画素3は、N=0のショット(露光しない場合)であれば、0なので、何も分割ショットを選択しないことになる。なお、各画素36に照射する任意の照射時間tの階調値Nを2進数変換する場合には、できるだけ大きい桁の値を使用するように定義すると好適である。
次に、まず、実施の形態1の比較例となる、画素36毎に、選択された各分割ショットを連続して行う場合の動作について説明する。
図8の例では、座標(1,3)のビーム(1)によって、時刻t=0からt=最大描画時間Ttrまでの間に注目グリッド29の例えば最下段右から2番目の画素に1ショット目の複数の分割ショットのビームの照射が行われる。かかる時刻t=0からt=Ttrまでの間に、ビーム(1)は、当該画素用に選択された分割ショット群を連続して実施する。これにより、当該画素は、所望の照射時間のビームの照射を受けたことになる。時刻t=0からt=Ttrまでの間にXYステージ105は例えば2ビームピッチ分だけ−x方向に移動する。その間、トラッキング動作は継続している。
当該ショットのビーム照射開始から当該ショットの最大描画時間Ttrが経過後、偏向器208によってトラッキング制御のためのビーム偏向を継続しながら、トラッキング制御のためのビーム偏向とは別に、偏向器209によってマルチビーム20を一括して偏向することによって各ビームの描画位置(前回の描画位置)を次の各ビームの描画位置(今回の描画位置)にシフトする。図8の例では、時刻t=Ttrになった時点で、注目グリッド29の最下段右から2番目の画素から下から2段目かつ右から2番目の画素へと描画対象画素をシフトする。その間にもXYステージ105は定速移動しているのでトラッキング動作は継続している。
そして、トラッキング制御を継続しながら、シフトされた各ビームの描画位置に当該ショットの最大描画時間Ttr内のそれぞれ対応する描画時間、マルチビーム20のうちONビームのそれぞれ対応するビームを照射する。図8の例では、座標(1,3)のビーム(1)によって、時刻t=Ttrからt=2Ttrまでの間に注目グリッド29の例えば下から2段目かつ右から2番目の画素に2ショット目のビームの照射が行われる。かかる時刻t=Ttrからt=2Ttrまでの間に、ビーム(1)は、当該画素用に選択された分割ショット群を連続して実施する。これにより、当該画素は、所望の照射時間のビームの照射を受けたことになる。時刻t=Ttrからt=2Ttrまでの間にXYステージ105は例えば2ビームピッチ分だけ−x方向に移動する。その間、トラッキング動作は継続している。
図8の例では、時刻t=2Ttrになった時点で、注目グリッド29の下から2段目かつ右から2番目の画素から下から3段目かつ右から2番目の画素へと偏向器209によるマルチビームの一括偏向により描画対象画素をシフトする。その間にもXYステージ105は移動しているのでトラッキング動作は継続している。そして、座標(1,3)のビーム(1)によって、時刻t=2Ttrからt=3Ttrまでの間に注目グリッド29の例えば下から3段目かつ右から2番目の画素に3ショット目のビームの照射が行われる。かかる時刻t=2Ttrからt=3Ttrまでの間に、ビーム(1)は、当該画素用に選択された分割ショット群を連続して実施する。これにより、当該画素は、所望の照射時間のビームの照射を受けたことになる。
時刻t=2Ttrからt=3Ttrまでの間にXYステージ105は例えば2ビームピッチ分だけ−x方向に移動する。その間、トラッキング動作は継続している。時刻t=3Ttrになった時点で、注目グリッド29の下から3段目かつ右から2番目の画素から下から4段目かつ右から2番目の画素へと偏向器209によるマルチビームの一括偏向により描画対象画素をシフトする。その間にもXYステージ105は移動しているのでトラッキング動作は継続している。
そして、座標(1,3)のビーム(1)によって、時刻t=3Ttrからt=4Ttrまでの間に注目グリッド29の例えば下から4段目かつ右から1番目の画素に4ショット目のビームの照射が行われる。かかる時刻t=3Ttrからt=4Ttrまでの間に、ビーム(1)は、当該画素用に選択された分割ショット群を連続して実施する。これにより、当該画素は、所望の照射時間のビームの照射を受けたことになる。
時刻t=3Ttrからt=4Ttrまでの間にXYステージ105は例えば2ビームピッチ分だけ−x方向に移動する。その間、トラッキング動作は継続している。以上により、注目グリッド29の右から2番目の画素列の描画が終了する。
図8の例では初回位置から3回シフトされた後の各ビームの描画位置にそれぞれ対応するビームを照射した後、DACアンプユニット134は、トラッキング制御用のビーム偏向をリセットすることによって、トラッキング位置をトラッキング制御が開始されたトラッキング開始位置に戻す。言い換えれば、トラッキング位置をステージ移動方向と逆方向に戻す。図8の例では、時刻t=4Ttrになった時点で、注目グリッド29のトランキングを解除して、x方向に8ビームピッチ分ずれた注目グリッドにビームを振り戻す。なお、図8の例では、座標(1,3)のビーム(1)について説明したが、その他の座標のビームについてもそれぞれの対応するグリッドに対して同様に描画が行われる。すなわち、座標(n,m)のビームは、t=4Ttrの時点で対応するグリッドに対して右から2番目の画素列の描画が終了する。例えば、座標(2,3)のビーム(2)は、図7のビーム(1)用の注目グリッド29の−x方向に隣り合うグリッドに対して右から2番目の画素列の描画が終了する。
なお、各グリッドの右から2番目の画素列の描画は終了しているので、トラッキングリセットした後に、次回のトラッキングサイクルにおいてまず偏向器209は、各グリッドの下から1段目かつ右から3番目の画素にそれぞれ対応するビームの描画位置を合わせる(シフトする)ように偏向する。
以上のように同じトラッキングサイクル中は偏向器208によって照射領域34を試料101に対して相対位置が同じ位置になるように制御された状態で、偏向器209によって1画素ずつシフトさせながら各ショットを行う。そして、トラッキングサイクルが1サイクル終了後、照射領域34のトラッキング位置を戻してから、図6の下段に示すように、例えば1画素ずれた位置に1回目のショット位置を合わせ、次のトラッキング制御を行いながら偏向器209によって1画素ずつシフトさせながら各ショットを行う。ストライプ領域32の描画中、かかる動作を繰り返すことで、照射領域34a〜34oといった具合に順次照射領域34の位置が移動していき、当該ストライプ領域の描画を行っていく。
図11は、実施の形態1の比較例におけるトラッキング偏向とシフト偏向のタイムチャートの一例を示す図である。実施の形態1の比較例では、上述したように、各画素36用に選択された分割ショット群を連続して実施した後に、次の画素36へとシフトする。このとき図11(b)に示すように図8の距離Lステージが移動する間トラッキング動作を継続する。よって、図8の例では、図11(b)に示すように、1回のトラッキングサイクルの中で、図11(a)に示すように、各ビームが1画素目から4画素目まで1画素ずつ順にシフトするシフトサイクルを1回行うことにより4画素を露光する。図8の例では、同じトラッキング中のシフト方向がy方向だけなので、図11(c)に示すように、偏向器209によるx方向の偏向量は、同じトラッキング中で一定となる。一方、図11(d)に示すように、偏向器209によるy方向の偏向量は、同じトラッキング中で、シフト偏向毎に例えば大きくなる。なお、図11(a)では、分割ショット毎のマルチビーム全体の電流値の大きさを示している。電流量ではなく、単位時間あたりの電荷量で定義される電流値で示しているので、横軸は、照射時間となる。選択された分割ショット群によって各画素36に必要な照射時間だけ対応するビームを照射するので、分割ショット中に電流値が変化することはない。しかし、図11(a)に示すように、実施される分割ショットによって電流値が大きく変動するため、かかる手法では、クーロン効果に起因するマルチビーム20の焦点ずれが生じてしまう。よって、焦点位置の補正を行うことが望ましい。しかし、焦点位置の補正量は、4画素をシフトするシフトサイクルの移動量(偏向量)に比べて大きいため、高速でシフト偏向が可能な偏向器209のDACアンプ132と同等の高速な応答特性でDACアンプ137を制御することは困難である。そのため、DACアンプ137は、例えば、偏向量が大きいトラッキング偏向を行う偏向器208のDACアンプ134と同等程度まで応答特性が遅くなってしまう。その結果、静電レンズ214で焦点位置の補正を行う場合、その都度、応答特性が相対的に遅いDACアンプ137の静定時間が必要になってしまう。ましてや、偏向させずに同じ画素36に連続的に分割ショット群を照射する場合に、分割ショット毎に焦点位置の補正を行っていたのでは、その都度、焦点位置の静定時間が必要となり、スループットが大幅に低下してしまう。
そこで、実施の形態1では、以下に説明するように、焦点位置の補正が必要な回数を大幅に減らすことで、静定時間が生じる回数を大幅に減少させる。
図12は、実施の形態1におけるトラッキング偏向とシフト偏向のタイムチャートの一例を示す図である。実施の形態1では、1回のトラッキングサイクル中に各ビームがそれぞれシフトしながら照射するm個の画素36を照射し、それぞれの画素36(照射位置)にn回の分割ショットを行う場合、合計でm×n回のマルチビームによる分割ショット(ショットの一例)が実施されることになる。かかるm×n回の分割ショットについて、グループ分けを行う。具体的には、マルチビームの分割ショット毎に、当該分割ショットでのONビーム全体の電流値を求める。また、電流値が変動しても焦点ずれのずれ量が許容できる電流値の幅(許容幅)ΔIを予め実験で求めておく。また、マルチビームのすべてのビームがビームONになった場合の合計電流値(最大電流値)Imaxを予め計算しておく。そして、図12(a)に示すように、最大電流値Imaxを許容幅ΔIで区分けして、許容幅ΔI毎に各電流値の層をそれぞれのグループとする。図12(a)の例では、マルチビーム全体の最大電流値Imaxを電流値幅ΔIで割った例えば4つの電流値の層を電流値が大きい方からグループG1,G2,G3,G4とする場合を示している。また、図12(c)及び図12(d)の例では、1回のトラッキングサイクル中にy方向にだけシフトする場合を示している。よって、図12(c)に示すように、偏向器209によるx方向の偏向量は、同じトラッキング中で一定となる。また、図12(d)に示すように、偏向器209によってy方向に1画素目から4画素目まで例えば1画素ずつ順にシフトするシフトサイクルによって4画素を露光する場合を示している。よって、図12では、1回のトラッキングサイクル中に4×10回のマルチビームによる分割ショット(ショットの一例)が実施される場合を示している。なお、図12(a)では、電流量ではなく、単位時間あたりの電荷量で定義される電流値で示しているので、各分割ショットの幅(横軸)は、照射時間を示す。また、図12(a)では、分割ショット群のうち、8Δ以下の分割ショットについては図示を省略している。
実施の形態1では、m×n回のマルチビーム20による分割ショットについて、分割ショット毎に、マルチビーム20のうち当該分割ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループG1,G2,G3,G4のいずれかに割り当てる。そして、同じグループ内において、さらに、シフトするy方向に同じ偏向量同士の分割ショット毎にサブグループ化する。よって、グループ毎に、y方向に1画素目のサブグループ、2画素目のサブグループ、3画素目のサブグループ、及び4画素目のサブグループが生じ得ることになる。但し、各分割ショットの合計電流値によっては、分割ショットが行われない、グループ或いはサブグループが生じ得ることは言うまでもない。
そして、1回のトラッキングサイクル中において、グループG1について、まず、焦点位置を合わせる。かかる状態で、y方向にシフトしない1画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。そして、図12(d)に示すように、y方向2画素目にシフトして、かかるy方向2画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。同様に、y方向3画素目、及びy方向4画素目の分割ショットを順に行う。
次に、同じトラッキングサイクル中において、グループG2について、まず、焦点位置を合わせる(補正する)。かかる状態で、y方向にシフトしない1画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。そして、図12(d)に示すように、y方向2画素目にシフトして、かかるy方向2画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。同様に、y方向3画素目、及びy方向4画素目の分割ショットを順に行う。
次に、同じトラッキングサイクル中において、グループG3について、まず、焦点位置を合わせる(補正する)。かかる状態で、y方向にシフトしない1画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。そして、図12(d)に示すように、y方向2画素目にシフトして、かかるy方向2画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。同様に、y方向3画素目、及びy方向4画素目の分割ショットを順に行う。
次に、同じトラッキングサイクル中において、グループG4について、まず、焦点位置を合わせる(補正する)。かかる状態で、y方向にシフトしない1画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。そして、図12(d)に示すように、y方向2画素目にシフトして、かかるy方向2画素目について、グループG1に割り当てられたマルチビームの分割ショットを順に行う。同様に、y方向3画素目、及びy方向4画素目の分割ショットを順に行う。図12(a)及び図12(d)の例では、y方向3画素目の分割ショットが存在しない場合を示している。かかる場合には、分割ショットが存在しない画素位置を省略すればよい。
図8の例で説明すれば、t=0からt=4Ttrの間に、グループ毎のシフトサイクルを実施する。グループ数がK個あれば、シフトサイクルをK回繰り返す。図8及び図12(a)〜図12(d)の例では、1回のトラッキングサイクルを行うt=0からt=4Ttrの間に、シフトサイクルを4回繰り返す。そして、シフトサイクルの最初に当該グループの電流値に応じてフォーカス位置を補正する。このときフォーカス位置の補正時にフォーカス補正用レンズの励起量を変えた直後は資料面上のマルチビームの位置が不安定である可能性がある。よって励起量を変えてからあらかじめ決めた時間が経過した後にショットを開始すると好適である。かかる構成によれば、電流値の大きくに伴うフォーカス位置の調整をグループ毎に行えばよく、補正回数を大幅に低減できる。
図13は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図13において、実施の形態1における描画方法(露光方法)は、最大電流値演算工程(S102)と、階調幅及び相関データ取得工程(S104)と、パターン面積密度算出工程(S106)と、ショット毎の照射時間演算工程(S108)と、照射時間データ加工工程(S110)と、電流値演算工程(S112)と、グループ化処理工程(S114)と、ショット順変更工程(S116)と、データ転送工程(S118)と、フォーカス位置補正及び偏向位置補正工程(S120)と、マルチビームショット工程(S122)と、判定工程(S124)と、いう一連の工程を実施する。
最大電流値演算工程(S102)として、最大電流値Imax演算部68は、マルチビーム20の全ビームがONビームになった場合の合計電流値(最大電流値)Imaxを演算する。各ビームの電流値は実質的に一様として、1本あたりの電流値にビーム本数を乗じることで演算すればよい。実施の形態1では、電流量ではなく、単位時間あたりの電荷量となる電流値を用いる。これにより、照射時間に関わりなくビーム本数で合計電流値を演算できる。1本あたりの電流値は、予め設定或いは測定しておけばよい。或いは、全ビームの電流値を図示しないファラデイカップに照射することによって実測してもよい。
階調幅及び相関データ取得工程(S104)として、予め、実験により、電流値が変動しても焦点ずれのずれ量が許容できる電流値の幅(許容幅)ΔIを求めておく。許容幅ΔIは、例えば、像面弯曲収差の許容値と同程度或いはそれ以下に設定すると好適である。また、最大電流値Imaxを許容幅ΔIで割った整数(小数点以下が生じる場合は切り上げ)を分割数として、図12(a)に示したように、最大電流値Imaxを許容幅ΔI毎に複数の階層(G1〜G4)に分ける。そして、階層毎の焦点補正量(リフォーカス量)ΔFを実験等により求めておく。リフォーカス量ΔFは、全ビームを用いる場合だけではなく、マルチビーム20のうちの中心ビーム或いは、中心ビームと4隅の端ビームによるビーム群を使って、それぞれ評価パターンを描画し、評価パターンの位置ずれ量から測定してもよい。焦点補正(リフォーカス)は、静電レンズ214を用いて行えばよい。
図14は、実施の形態1における相関データの一例を示す図である。図14では、許容幅ΔI毎の複数の階層(G1〜G4)を、最大電流値Imaxからの変動量ΔI’(=Imax−It)を用いてΔI’/Imaxで定義している。図12(a)の例では、4つの階層(G1〜G4)に分かれる場合を示したので、0≦(ΔI’/Imax)<0.25の階層G1(「0」で表示)、0.25≦(ΔI’/Imax)<0.5の階層G2(「0.25」で表示)、0.5≦(ΔI’/Imax)<0.75の階層3(「0.5」で表示)、及び0.75≦(ΔI’/Imax)≦1の階層G4(「0.75」で表示)の4階層を示している。そして、階層(ΔI’/Imax)とリフォーカス量ΔFとの相関関係を定義している。図14の例では、最大電流値Imaxにてフォーカス設定(焦点合わせ)し、かかる焦点位置を基準にしている場合を示す。図14では、リフォーカス量ΔFとしてz方向(高さ方向)の調整量(A.U.単位)を一例として示している。また、焦点補正レンズの励起量を変えることで焦点補正レンズがマルチビーム20の軌道を変えて資料面上のビーム位置が変化する場合がある。かかる変化に起因して、試料101面上でのトラッキング位置(偏向器208によるマルチビーム20の偏向位置)がずれてしまう場合がある。そのため、リフォーカス量ΔF毎に、x方向とy方向について、それぞれ位置ずれ量を合わせて測定しておく。これらのデータを用いて、図14に示すように、階層(ΔI’/Imax)とリフォーカス量ΔFとx方向の位置ずれ量Δxとy方向の位置ずれ量Δyとの相関関係を定義した相関データを作成する。作成された相関データは、描画装置100の外部から入力され、記憶装置144に格納される。また、許容幅ΔIと最大電流値Imaxの情報も描画装置100の外部から入力され、記憶装置144に格納される。
かかる相関データ及び許容幅ΔIは、描画処理を行う前に予め求めておく。また、描画装置100におけるビーム電流の仕様を変更する場合には、その都度、求めればよい。或いは過去の同様のデータが存在すれば流用しても良い。
パターン面積密度算出工程(S106)として、パターン面積密度ρ演算部60は、記憶装置140から描画データを読み出し、画素36毎に、当該画素36内のパターン面積密度ρを演算する。
ショット毎の照射時間演算工程(S108)として、まず、照射量D演算部62は、画素(描画対象画素)36毎に、当該画素36に照射するための照射量Dを演算する。照射量Dは、例えば、予め設定された基準照射量Dbaseに近接効果補正照射係数Dpとパターン面積密度ρとを乗じた値として演算すればよい。このように、照射量Dは、画素36毎に算出されたパターンの面積密度に比例して求めると好適である。近接効果補正照射係数Dpについては、描画領域(ここでは、例えばストライプ領域32)を所定のサイズでメッシュ状に複数の近接メッシュ領域(近接効果補正計算用メッシュ領域)に仮想分割する。近接メッシュ領域のサイズは、近接効果の影響範囲の1/10程度、例えば、1μm程度に設定すると好適である。そして、記憶装置140から描画データを読み出し、近接メッシュ領域毎に、当該近接メッシュ領域内に配置されるパターンのパターン面積密度ρ’を演算する。
次に、近接メッシュ領域毎に、近接効果を補正するための近接効果補正照射係数Dpを演算する。ここで、近接効果補正照射係数Dpを演算するメッシュ領域のサイズは、パターン面積密度ρ’を演算するメッシュ領域のサイズと同じである必要は無い。また、近接効果補正照射係数Dpの補正モデル及びその計算手法は従来のシングルビーム描画方式で使用されている手法と同様で構わない。
そして、照射時間t演算部64は、画素36毎に、当該画素36に演算された照射量Dを入射させるための電子ビームの照射時間tを演算する。照射時間tは、照射量Dを電流密度Jで割ることで演算できる。そして、画素36毎に得られた照射時間tを定義する照射時間tマップを作成する。作成されたtマップは記憶装置142に格納される。
照射時間データ加工工程(S110)として、データ加工部66は、画素36毎に、図9に示した予め設定された複数の露光時間に対応する1組の分割ショット群(ショット群)の中から、当該画素36用の照射時間tに合う組み合わせの分割ショットを選択する。当該画素36への照射時間がゼロでなければ、少なくとも1つの分割ショットを選択することになる。分割ショットを選択する場合には、できるだけ露光時間(照射時間)が長い分割ショット側から選択すると好適である。データ加工部66は、選択された分割ショットが識別できるように、例えば、2進数でON/OFF信号(照射時間データ)を生成する。図9の例において、例えば、照射時間が1023Δの画素36については、当該画素の照射時間データは、すべての分割ショットを選択することになるので、“1111111111”となる。その際の分割ショットの並び順は、適宜設定すればよいが、例えば、照射時間が長い分割ショットから順に並ぶように定義すると好適である。例えば、960Δの照射時間が必要な画素36であれば、960=2+2+2+2なので、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、2Δの照射時間をもつ分割ショットと、の組み合わせを選択することになる。よって、かかる画素36の照射時間データは、“1111000000”となる。
電流値演算工程(S112)として、電流値It演算部70は、マルチビーム20のショット毎(ここでは、画素毎に複数の分割ショットを行うので分割ショット毎)に、当該分割ショットでビームONになるビーム群の合計電流値Itを演算する。実施の形態1では、トラッキングサイクル毎に、同じトラッキングサイクル内に行われる複数の分割ショットについて合計電流値Itをそれぞれ演算する。上述したように、1回のトラッキングサイクル中に各ビームがそれぞれシフトしながら照射するm個の画素36を照射し、それぞれの画素36(照射位置)にn回の分割ショットを行う場合、合計でm×n回のマルチビームによる分割ショット(ショットの一例)が実施されることになる。かかるm×n回の分割ショットについて、合計電流値Itをそれぞれ演算する。
グループ化処理工程(S114)として、割り当て部72は、同じトラッキングサイクル内で行われるマルチビーム20の複数回の分割ショット(ショットの一例)について、分割ショット毎に、マルチビームのうち当該分割ショットでビームONになるビーム群の合計電流値Itに応じて複数のグループのいずれかに割り当てる。記憶装置142に記憶された相関データを参照すれば、電流値の階層(グループ)がわかるので、分割ショット毎に、ビームONになるビーム群の合計電流値Itが所属する電流値の階層(グループ)に割り当てればよい。図12(a)の例では、各分割ショットがグループG1〜G4のいずれかに割り当てられることになる。
ショット順変更工程(S116)として、ショット順変更部74は、同じトラッキングサイクル内で行われるマルチビーム20の複数回の分割ショット(ショットの一例)について、同じ電流値の階層(グループ)に割り当てられた分割ショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更する。同じ電流値の階層(グループ)に割り当てられた分割ショットの中には、シフトサイクル中の1画素目の分割ショットの場合もあれば、2画素目の分割ショットの場合、3画素目の分割ショットの場合、或いは、4画素目の分割ショットの場合もある。そこで、同じグループ内でも、さらに、1画素目を照射する分割ショット同士が連続して照射されるようにショット順を変更する。同様に、2画素目を照射する分割ショット同士が連続して照射されるようにショット順を変更する。同様に、3画素目を照射する分割ショット同士が連続して照射されるようにショット順を変更する。同様に、4画素目を照射する分割ショット同士が連続して照射されるようにショット順を変更する。
データ転送工程(S118)として、転送処理部79は、ショット順に照射時間データを偏向制御回路130に転送する。偏向制御回路130は、分割ショット毎に、ブランキングアパーチャアレイ機構204(ブランキング装置)に、マルチビーム20の各ビームのON/OFF制御信号を出力する。具体的には、偏向制御回路130は、ショット毎に、ブランキングアパーチャアレイ機構204の各ビーム用の制御回路41にON/OFF制御信号を出力する。
フォーカス位置補正及び偏向位置補正工程(S120)として、リフォーカス量演算部76は、記憶装置144から相関データを読み出し、グループ毎に、合計電流値に応じた当該グループ用のリフォーカス量ΔFを演算(取得)する。演算されたリフォーカス量ΔFは、レンズ制御回路136に出力される。レンズ制御回路136は、静電レンズ214を制御して、静電レンズ214(補正レンズ)は、グループ毎に、合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置にマルチビーム20の焦点位置を補正する。図14の例では、グループG4の分割ショットであれば、リフォーカス量ΔF=0となる。グループG2の分割ショットであれば、リフォーカス量ΔF=0.5となる。対物レンズ207によって、マルチビーム20がすべてビームONの場合(最大電流値Imaxの場合)の焦点位置(基準位置)に調整されているので、静電レンズ214によって、グループ毎の焦点位置に補正すればよい。
さらに、位置ずれ補正量演算部78は、相関データを参照して、グループ毎に、当該グループ用の焦点補正位置にマルチビーム20の焦点位置が補正されることに起因した照射位置の位置ずれを補正する補正量を演算する。ここでは、トラッキング偏向位置を補正することで最終的な照射位置の位置ずれを補正する。具体的には、位置ずれ補正量演算部78は、相関データを参照して、当該グループに対応するx方向の位置ずれ量Δxとy方向の位置ずれ量Δyとを演算(取得)する。そして、かかる位置ずれ量を補正するためのx方向の位置ずれ補正量Δx’とy方向の位置ずれ補正量Δy’とを演算(取得)する。演算された補正量は、偏向制御回路130に出力され、トラッキング用の偏向電圧にかかる補正量に相当する偏向電圧が加算され、偏向器208に印加される。言い換えれば、マルチビーム20の複数回のショットを行う場合に、グループ毎に、当該グループ用の焦点補正位置にマルチビーム20の焦点位置が補正されることに起因した照射位置の位置ずれを補正する補正量を偏向器208の偏向量に付加する。図14の例では、グループG4の分割ショットであれば、リフォーカス量ΔF=0なので、かかる位置ずれ補正は不要となるが、他のグループの分割ショットであれば、リフォーカス量ΔF=0ではないので、かかる位置ずれ補正を行うと好適である。
マルチビームショット工程(S122)として、描画部150は、同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置にマルチビーム20の焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、マルチビーム20の複数回の分割ショット(ショットの一例)を行う。具体的には、同じ電流値の階層(グループ)に割り当てられた分割ショットのうち、シフトサイクルの1画素目の分割ショットを行う。1画素目の分割ショットが複数あれば、連続して行う。そして、偏向器209によって同じシフトサイクルの2画素目に照射位置をシフトする。そして、シフトサイクルの2画素目の分割ショットを行う。2画素目の分割ショットが複数あれば、連続して行う。2画素目の分割ショットが終了或いは2画素目の分割ショットが存在しない場合には、3画素目にシフトすればよい。そして、偏向器209によって同じシフトサイクルの3画素目に照射位置をシフトする。そして、シフトサイクルの3画素目の分割ショットを行う。3画素目の分割ショットが複数あれば、連続して行う。3画素目の分割ショットが終了或いは3画素目の分割ショットが存在しない場合には、4画素目にシフトすればよい。そして、偏向器209によって同じシフトサイクルの4画素目に照射位置をシフトする。そして、シフトサイクルの4画素目の分割ショットを行う。4画素目の分割ショットが複数あれば、連続して行う。4画素目の分割ショットが終了或いは4画素目の分割ショットが存在しない場合には、1回目のシフトサイクルは終了となる。
図15は、実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図15において、描画装置100本体内のブランキングアパーチャアレイ機構204に配置された個別ブランキング制御用の各制御回路41には、シフトレジスタ40、レジスタ42、レジスタ44、及びアンプ46が配置される。各ビーム用の個別ブランキング制御を、例えば1ビットの制御信号によって制御する。すなわち、シフトレジスタ40、レジスタ42、レジスタ44、及びアンプ46には、例えば1ビットの制御信号が入出力される。制御信号の情報量が少ないことにより、制御回路の設置面積を小さくできる。言い換えれば、設置スペースが狭いブランキングアパーチャアレイ機構204上に制御回路を配置する場合でも、より小さいビームピッチでより多くのビームを配置できる。これはブランキングプレートを透過する電流量を増加させ、すなわち描画スループットを向上することができる。
また、共通ブランキング用のロジック回路131には、レジスタ50、カウンタ52、及びアンプ54が配置される。こちらは、同時に複数の異なる制御を行うわけではなく、ON/OFF制御を行う1回路で済むため、高速に応答させるための回路を配置する場合でも設置スペース、回路の使用電流の制限の問題が生じない。よってこのアンプ54はブランキングアパーチャアレイ機構204上に実現できるアンプ46よりも格段に高速で動作する。このアンプ54は例えば、10ビットの制御信号によって制御する。すなわち、レジスタ50、及びカウンタ52には、例えば10ビットの制御信号が入出力される。
実施の形態1では、上述した個別ブランキング制御用の各制御回路41によるビームON/OFF制御と、マルチビーム全体を一括してブランキング制御する共通ブランキング制御用のロジック回路131によるビームON/OFF制御との両方を用いて、各ビームのブランキング制御を行う。
図16は、実施の形態1における分割ショットについてのビームON/OFF切り替え動作を示すタイミングチャート図である。図16では、例えば、マルチビーム20を構成する複数のビームのうち、1つのビーム(ビーム1)について示している。ここでは、例えば、ビーム1のkショット目とk+1ショット目の分割ショットのステップについて示している。照射時間配列データは、例えば、kショット目が”1”、k+1ショット目が”0”の場合を示している。
p×q本のマルチビームのうち例えば同じ行のビームの制御回路41内のシフトレジスタ40が直列に接続される。そして、例えば、p×q本のマルチビームの同じ行のビームの当該分割ショットの照射時間データ(ON/OFF制御信号)がシリーズで送信され、例えば、p回のクロック信号によって各ビームの照射時間データが対応するシフトレジスタ40に格納される。
そして、偏向制御回路130からのリード信号の入力によって、個別レジスタ42は、格納されているkショット目のデータ(1ビット)に従ってON/OFF信号を読み込み記憶する。また、偏向制御回路130からkショット目の照射時間データ(10ビット)が送信され、共通ブランキング制御用のレジスタ50がkショット目の照射時間データ(10ビット)を記憶する。
次に、偏向制御回路130からkショット目の個別ショット信号が全ビームの個別レジスタ44に出力される。これにより、各ビーム用の個別レジスタ44は、個別ショット信号がONである時間だけ個別レジスタ42に格納されたデータを維持し、維持されたON/OFF信号に沿って、個別アンプ46にビームON信号或いはビームOFF信号を出力する。個別ショット信号の代わりに、読み込み維持するロード信号と格納された情報をリセットするリセット信号を個別レジスタ44に出力してもよい。個別アンプ46は、入力されるビームON信号或いはビームOFF信号に沿って、ビームON電圧或いはビームOFF電圧を制御電極24に印加する。一方、個別ショット信号に遅れて、偏向制御回路130からkショット目の共通ショット信号が共通ブランキング制御用のカウンタ52に出力され、カウンタ52は、レジスタ50に格納されているON/OFF制御信号が示す時間だけカウントし、その間共通アンプ54にビームON信号を出力する。共通アンプ54は、カウンタ52からのビームON信号を入力している時間だけ偏向器212にビームON電圧を印加する。
共通ブランキング機構では、個別ブランキング機構のON/OFF切り替えに対して、アンプ46の電圧安定時間(セトリング時間)S1/S2を経過した後にON/OFF切り替えを行う。図16の例では、個別アンプがONになった後、OFFからONに切り替え時の個別アンプ46のセトリング時間S1を経過後に、共通アンプ54がONになる。これにより、個別アンプ46の立ち上がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。そして、共通アンプ54は対象となるkショット目の照射時間の経過時にOFFとなる。その結果、実際のビームは、個別アンプ46と共通アンプ54が共にONであった場合に、ビームONとなり、試料101に照射される。よって、共通アンプ54のON時間が実際のビームの照射時間になるように制御される。一方、個別アンプ46がOFFの時に共通アンプ54がONになる場合には、個別アンプ46がOFFになった後、ONからOFFに切り替え時の個別アンプ46のセトリング時間S2を経過後に、共通アンプ54がONになる。これにより、個別アンプ46の立ち下がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。
以上のようにして、1トラッキングサイクル内における同じグループ内の分割ショットを連続して行うことにより当該グループのシフトサイクルを実施する。以上のように、電流値の階層(グループ)毎に焦点位置が補正されるので、実施形態1によればクーロン効果による焦点ずれを抑制できる。
判定工程(S124)として、描画制御部80は、同じトラッキングサイクル内においてすべての電流値の階層(グループ)のショットが終了したかどうかを判定する。まだ終了していない場合には、データ転送工程(S118)に戻り、同じトラッキングサイクル内におけるすべての電流値の階層(グループ)のショットが終了するまでデータ転送工程(S118)から判定工程(S124)を繰り返す。かかる動作により、例えば、1回のトラッキングサイクル中に電流値の階層(グループ)の数と同数のシフトサイクルを実施する。図8及び図12(a)〜図12(d)の例では、1回のトラッキングサイクル中にグループ毎にフォーカス位置を補正しながら4回のシフトサイクルを実施する。よって、偏向器209によってマルチビーム全体が一括してシフトすることによってマルチビーム20の各ビームが照射する複数の画素(照射位置)のうちの同じ画素が、マルチビーム20の焦点位置がそれぞれ補正された異なる複数のグループのショットによって照射される。また、電流値の階層(グループ)の数と同数のシフトサイクルを実施することで、予め設定された複数の露光時間に対応する1組の分割ショット群の中から当該画素36用に選択されたすべての分割ショットがフォーカス位置を変更しながらも照射できる。よって、所望の照射時間のビーム照射が確保できる。一方で、フォーカス位置補正の回数が電流値の階層(グループ)の数と同数に低減できる。
よって、実施の形態1によれば、マルチビーム描画のスループットの劣化を低減しながら、クーロン効果による焦点ずれを抑制できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、静電レンズ214によって焦点位置を補正する場合について説明したが、これに限るものではない。実施の形態2では、照射位置を偏向する偏向器を流用する場合について説明する。
図17は、実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。図17において、静電レンズ214、レンズ制御回路136、及びDACアンプユニット137が省略された点以外は図1と同様である。また、以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様である。
実施の形態2では、フォーカス位置補正及び偏向位置補正工程(S120)において、フォーカス位置の補正量を偏向器208に付加する。すなわち、偏向制御回路130は、トラッキング用の偏向電圧とフォーカス位置補正時の位置ずれ補正量に対応する偏向電圧とに、さらに、かかるフォーカス位置補正のための補正量に相当する偏向電圧が加算され、偏向器208に印加される。偏向器208は、例えば、8極の電極により構成され、トラッキング制御及びフォーカス位置補正時の位置ずれ補正には、その偏向したい方向等によって各電極に印加される電圧が異なるが、フォーカス位置補正には、同じ偏向電圧が全電極に印加される。これにより、電子鏡筒102内の部品点数を減らすことができる。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、マルチビーム描画のスループットの劣化を低減しながら、クーロン効果による焦点ずれを抑制できる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。上述した例では、露光時間が互いに異なる複数の分割ショットを1組の分割ショット群とした場合を説明したが、これに限るものではなく、1組の分割ショット群の中に同じ露光時間の分割ショットが混在していても良い。或いは、1組の分割ショット群がすべて同じ露光時間の複数の分割ショットにより構成されている場合であってもよい。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
24,26 電極
25 通過孔
28,36 画素
29 グリッド
30 描画領域
32 ストライプ領域
34 照射領域
40 シフトレジスタ
41 制御回路
42,44 個別レジスタ
46 個別アンプ
47 個別ブランキング機構
50 レジスタ
52 カウンタ
54 共通アンプ
60 パターン面積密度演算部
62 照射量演算部
64 照射時間演算部
66 データ加工部
68 最大電流値演算部
70 電流値演算部
72 割り当て部
74 ショット順変更部
76 リフォーカス量演算部
78 位置ずれ補正量演算部
79 転送処理部
80 描画制御部
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
130 偏向制御回路
131 ロジック回路
132,134,137 DACアンプユニット
136 レンズ制御回路
138 ステージ制御機構
139 ステージ位置測定器
140,142,144 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
204 ブランキングアパーチャアレイ機構
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ基板
207 対物レンズ
208,209 偏向器
210 ミラー
212 偏向器
214 静電レンズ

Claims (5)

  1. 荷電粒子線を用いたマルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、前記マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる工程と、
    同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更する工程と、
    グループ毎に、前記合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置を補正する工程と、
    同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、前記マルチビームの前記複数回のショットを行う工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム露光方法。
  2. 前記マルチビームは、偏向器によって照射位置が偏向制御され、
    前記マルチビームの前記複数回のショットを行う場合に、前記グループ毎に、当該グループ用の前記焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置が補正されることに起因した照射位置の位置ずれを補正する補正量を前記偏向器の偏向量に付加することを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビーム露光方法。
  3. 前記マルチビームの各照射位置は、それぞれ、予め設定された複数の露光時間に対応する1組のショット群の中から選択された少なくとも1つのショットによって照射され、
    前記マルチビーム全体が一括してシフトすることによって前記マルチビームの各ビームが照射する複数の照射位置のうちの同じ照射位置が、前記マルチビームの焦点位置がそれぞれ補正された異なる複数のグループのショットによって照射されることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ荷電粒子ビーム露光方法。
  4. 荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    複数の第1の開口部が形成され、前記複数の第1の開口部全体を含む領域に前記荷電粒子ビームの照射を受け、前記荷電粒子ビームの一部が前記複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
    複数の第2の開口部が形成された基板と、前記複数の第2の開口部の対応する第2の開口部を挟んで対向するように前記基板上にそれぞれ配置された複数の電極群とを有し、前記複数の電極群を用いて前記マルチビームの各ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向するブランキングアパーチャアレイ機構と、
    ビームOFFの状態になるようにブランキング偏向されたビームを遮蔽する制限アパーチャ基板と、
    前記マルチビームを試料面上に結像する対物レンズと、
    前記マルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、前記マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる割り当て部と、
    同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更するショット順変更部と、
    グループ毎に、前記合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置を補正する補正レンズと、
    を備え、
    同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、前記マルチビームの前記複数回のショットを行うことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム露光装置。
  5. 荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    複数の第1の開口部が形成され、前記複数の第1の開口部全体を含む領域に前記荷電粒子ビームの照射を受け、前記荷電粒子ビームの一部が前記複数の第1の開口部のうちの対応する第1の開口部をそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ基板と、
    複数の第2の開口部が形成された基板と、前記複数の第2の開口部の対応する第2の開口部を挟んで対向するように前記基板上にそれぞれ配置された複数の電極群とを有し、前記複数の電極群を用いて前記マルチビームの各ビームをそれぞれ個別にブランキング偏向するブランキングアパーチャアレイ機構と、
    ビームOFFの状態になるようにブランキング偏向されたビームを遮蔽する制限アパーチャ基板と、
    前記マルチビームを試料面上に結像する対物レンズと、
    前記マルチビームの複数回のショットについて、ショット毎に、前記マルチビームのうち当該ショットでビームONになるビーム群の合計電流値に応じて複数のグループのいずれかに割り当てる割り当て部と、
    同じグループに割り当てられたショット同士が、連続して照射されるようにショット順を変更するショット順変更部と、
    グループ毎に、前記合計電流値に応じた当該グループ用の焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置を補正すると共に、前記マルチビームを偏向する偏向器と、
    を備え、
    同じグループに割り当てられたショット同士を当該グループ用の焦点補正位置に前記マルチビームの焦点位置が補正された状態で連続して照射するように、前記マルチビームの前記複数回のショットを行うことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム露光装置。
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