JP2017219440A - 散乱体中における測定対象物の距離計測方法、及びその距離計測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、そのレーザ光等の光を用いた三角測量法に基づく距離計測においては、測定対象物の測定面までの空間(雰囲気)が散乱体で満たされている、すなわち散乱体が多く含まれている空間の場合、レーザ光が伝搬するに連れてその強度が減衰し、測定対象物の測定面まで届かない、もしくは散乱体の時間・空間的な揺らぎにより散発的にしか測定対象物の測定面まで到達できない場合が多い。
このように、測定対象物の測定面までの距離を測定する技術としては、特許文献1、2に開示されている。
具体的には、特許文献1は、装炭車の受炭ホッパーから給炭装置により石炭投入シュートに送られ、前記石炭投入シュートを通じてコークス炉内に供給された石炭の表面に、ミリ波またはマイクロ波を送信し、石炭の表面で反射されたミリ波またはマイクロ波の反射波を受信して装炭レベルを測定するために、装炭車の内部に設置される装置であって、マイクロ波またはミリ波の送受信手段と、石炭投入シュートの天井面の開口とを、ガイドパイプで連結するとともに、少なくとも測定時に前記ガイドパイプ内にパージ用ガスを供給する技術を開示する。
具体的には、特許文献2は、廃棄物を処理する溶融炉にて発生する排気を排ガスブロワ等の吸引手段により吸引して溶融炉内を負圧状態にし、排気処理装置に導く煙道配管であって、煙道配管内における溶融炉出口付近の上流側とフィルター付近の下流側との差圧を検出する差圧検出手段と、前記差圧検出手段が検出する差圧が所定値に達すると異常を示す警報手段とを備え、これら手段にて配管内の閉塞状況を監視する技術を開示する。
しかしながら、特許文献2のような間接的な監視手法を用いた場合、堆積物の測定距離の精度が十分に得られないばかりか、配管内の時々刻々と変化する状況(閉塞過程や、塵埃の付着の進捗など)が分かり難いという問題があった。
また、マイクロ波・ミリ波等の電波を用いる手法(例えば、特許文献1など)も、散乱体が多く含まれている空間の場合、測定対象物の測定面まで届かないので、堆積物の測定距離の精度が十分に得られないと考えられる。この電波を用いる手法は、デバイスコストが高く、簡易な方法とは言えないので、実際には採用しづらいものである。
本発明にかかる散乱体中における測定対象物の距離計測方法は、散乱体を含む空間内に存在する測定対象物に向けて光を照射する光照射手段と、前記測定対象物で反射した反射光を受光する受光手段とを備えておき、前記受光手段で得られた前記反射光の受光強度情報に基づいて、三角測量法で前記散乱体を含む空間内に存在する前記測定対象物の測定距離の算出を行うことを特徴とする。
好ましくは、前記光照射手段より照射される光は、所定の形状のパターンで照射され、且つ一方向に沿うように構造化された光であるとよい。
好ましくは、前記光照射手段より照射される光は、1又は複数のポイントレーザ光であって、前記空間内の一方向に沿うように発射された光であるとよい。
好ましくは、前記光照射手段より照射される光は、所定の形状のパターンで照射され、且つ一方向に沿うように構造化された光であるとよい。
好ましくは、前記光照射手段より照射される光は、1又は複数のポイントレーザ光であって、前記空間内の一方向に沿うように発射された光であるとよい。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。すなわち、権利対象・範囲を限定するものではない。
以下に、塵埃等の散乱体Cを含む配管5中の時々刻々変化する堆積物Dの状況を監視する事例にしたがって、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
光照射手段3より照射される光7は、空間的なパターンを有する光である。この空間的なパターンを有する光7は、所定の形状のパターンで照射され、且つ一方向に沿うように構造化された光(structured light)である。より具体的には、空間的なパターンとは、空間5内の全ての領域に均一に照射される光ではなく、「一筋の光」のような点レーザ光7であったり、点レーザ光7を空間5内の一方向に沿うように並べて照射したライン光7(擬似的なライン光)であったり、空間5内に格子状に照射されるポイント光7が該当する。
[実施例1]
図1に示すように、配管5近傍の所定の位置に、その内部における空気の流通状況や、内壁面に付着し堆積しつつある堆積物Dの状況を観察する、ポート6(開口部)が設置されている。そのポート6には、センサ筐体4が設置されている。
レーザポインタ3は、例えば、100mW以上の高出力で且つ、出力調整機能を有していることが望ましい。また、ポイントレーザ光7の波長は、ダスト粒径より長波長であることが望ましい。
なお場合によっては、光照射手段3に赤外光を照射する装置を採用し、受光手段2に赤外カメラを採用してもよい。
図2に示すように、撮像カメラ2で撮像される画像は、配管5内の状況の変動(ダスト量の多寡)により異なるが、大別して3つの画像パターンとなる。
すなわち、空気中のダストがない状況では、レーザポインタ3から照射されたレーザ光7は、乱反射しないので、一点の光が観測されるようになる。この一点の光7(図1における画像1のB点)は、照射されたポイントレーザ光7が堆積物Dに達した位置である。図1の画像1の状況では、照射位置Bが正確に示されることとなり、堆積物Dまでの測定距離を精度よく算出することができる。
すなわち、空気中のダストの量がやや多い状況では、レーザポインタ3から照射されたポイントレーザ光7が空気中のダストで乱反射し、一筋の光が観測されるようになる。この一筋の光の先端(図2における画像2のB点)は、照射されたポイントレーザ光7が堆積物Dに達した位置である。図2の画像2の状況では、照射位置Bが正確に示されることとなり、堆積物Dまでの測定距離を精度よく算出することができる。
続いて、上記した複数の画像から堆積物Dまでの測定距離を算出する手順、すなわち、B点を求めた上で堆積物Dまでの距離を算出する手順、測定距離算出手段の算出工程について説明する。
次いで、各画像に対応する反射光8の輝度プロファイルの傾きαを見て、減衰のないもの、傾きαの大きいもの、すなわち、位置x0において輝度が急峻に変化するプロファイルのみを選び出す。言い換えれば、堆積物Dを示すB点に達したものだけを選び出す(例えば、画像1、画像2など)。
また、以下のように、堆積物Dまでの測定距離を求めてもよい。
各画像における反射光8の輝度プロファイルの差分を求め(図2中の破線)、その差分波形ピークが輝度の閾値を超えたものだけを、測定結果として記録する。
上記手法で検出されたデータの中から、測定データの時間推移情報を用いて、三角測量法で、確からしい堆積物Dまでの測定距離を算出する。その測定結果のヒストグラムを作成してもよい。
[実施例2]
以下に、光照射手段3より照射される光7を、ライン光(複数のポイントレーザ光7を一列に並べた擬似的なライン光)とした場合の、散乱体C中における堆積物Dの距離を計測する例について、説明する。
図3に示すように、ライン光を用いた場合、配管5内の状況の変動(ダスト量の多寡)により異なるが、大別して3つのパターンの画像が得られる。
画像4は、ダストがほとんど含まれないクリーンな空気が配管5内を流通している状況において、堆積物Dの測定面に向けてライン光を照射した状況を撮像した画像の例であり、実施例1と同様に、照射位置Bが正確に示されることとなり、堆積物Dまでの測定距離を精度よく算出することができる。
画像6の場合、各行(y座標)毎にライン光の光軸に沿う方向をx軸とし、ライン光の光軸に直交する方向をy軸として、その反射光8の輝度プロファイルを算出する。
一方、画像6のように、輝度が徐々に変化する、すなわち一定の角度を有する傾きαを含む場合、その傾きαにより示される堆積物Dまでの測定距離は、求める測定距離(B点)ではない。すなわち、画像6のB’点は、ライン光7が散乱体Cで散乱してしまって堆積物Dまで届いていないことを示すものであり、誤ったものである。それ故、画像6の輝度プロファイルは、除外する。
また、以下のように、堆積物Dまでの測定距離を求めてもよい。
各画像における反射光8の輝度プロファイルの差分を求め、その差分波形ピークが輝度の閾値を超えたものだけを、測定結果として記録する。
上記手法で検出されたデータの中から、測定データの時間推移情報を用いて、三角測量法で、確からしい堆積物Dまでの測定距離を算出する。
以上より、本発明を用いることで、塵埃等の散乱体Cが存在する環境下においても、堆積物Dまでの測定距離を、簡便で且つ精度よく算出することができるので、配管5内の時々刻々変化する状況(塵埃の堆積の進捗など)を正確に把握することができる。また、本発明の装置構成は、光照射手段3(レーザポインタ)と、受光手段2(撮像カメラ)と、測定距離算出手段といった簡易な構成であるので、デバイスコストを抑えることができる。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 受光手段(カメラ)
3 照射手段(レーザポインタ)
4 センサ筐体
5 配管(空間)
6 ポート
7 レーザ光(ポイントレーザ光、ライン光)
8 反射光
C 散乱体(塵埃等)
D 測定対象物(堆積物)
Claims (8)
- 散乱体を含む空間内に存在する測定対象物に向けて光を照射する光照射手段と、前記測定対象物で反射した反射光を受光する受光手段とを備えておき、
前記受光手段で得られた前記反射光の受光強度情報に基づいて、三角測量法で前記散乱体を含む空間内に存在する前記測定対象物の測定距離の算出を行う
ことを特徴とする散乱体中における測定対象物の距離計測方法。 - 前記光照射手段より照射される光は、空間的なパターンを有する光であることを特徴とする請求項1に記載の散乱体中における測定対象物の距離計測方法。
- 前記光照射手段より照射される光は、所定の形状のパターンで照射され、且つ一方向に沿うように構造化された光であることを特徴とする請求項2に記載の散乱体中における測定対象物の距離計測方法。
- 前記光照射手段より照射される光は、1又は複数のポイントレーザ光であって、前記空間内の一方向に沿うように発射された光であることを特徴とする請求項3に記載の散乱体中における測定対象物の距離計測方法。
- 散乱体を含む空間内に存在する測定対象物に向けて光を照射する光照射手段と、
前記測定対象物で反射した反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段で得られた前記反射光の受光強度情報に基づいて、三角測量法で前記散乱体を含む空間内に存在する前記測定対象の測定距離の算出を行う測定距離算出手段と、を備える
ことを特徴とする散乱体中における測定対象物の距離計測装置。 - 前記光照射手段より照射される光は、空間的なパターンを有する光であることを特徴とする請求項5に記載の散乱体中における測定対象物の距離計測装置。
- 前記光照射手段より照射される光は、所定の形状のパターンで照射され、且つ一方向に沿うように構造化された光であることを特徴とする請求項6に記載の散乱体中における測定対象物の距離計測装置。
- 前記光照射手段より照射される光は、1又は複数のポイントレーザ光であって、前記空間内の一方向に沿うように発射された光であることを特徴とする請求項7に記載の散乱体中における測定対象物の距離計測装置。
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JP2020112434A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | 株式会社神戸製鋼所 | 測距装置および測距方法 |
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