JP2017218825A - 自然換気システムおよび建屋 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光発電の機能を有したまま、自然エネルギーを効率的に利用した自然換気を行うことのできる自然換気システムおよびこれを有する建屋を提供する。
【解決手段】本発明に係る自然換気システム100は、太陽光が照射されることにより発電を行う光透過型太陽電池200と、前記光透過型太陽電池200よりも太陽から遠い位置に設けられ、前記光透過型太陽電池200を透過した太陽光を反射する反射部301および前記光透過型太陽電池200を透過した太陽光を吸収する吸収部302を切り替える切替機構300と、前記光透過型太陽電池200と前記切替機構300との間を通流媒体が通流する通流経路110と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自然換気システムおよびこれを有する建屋に関する。
近年、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出抑制のため、自然エネルギーを利用した各種デバイスおよびシステムが検討されている。特に、太陽光発電は急速に普及が進んでおり、住宅用やメガソーラーをはじめとする産業用発電設備など多様な形態で導入されている。一方、現在のところ太陽光発電の光電変換効率は高くとも22%程度であり、残りの太陽光エネルギーの多くは熱として放出されている。さらに、多くの太陽光発電デバイスは温度の上昇に対して変換効率は負の温度係数をもつため、太陽光発電デバイスの排熱によって発電量を下げているのが現状である。
このような太陽光発電の技術的な課題を解決し得る技術として次のようなものが提案されている。
例えば、特許文献1には、太陽光パネルに対して霧状の水を噴霧すること、好ましくはこの太陽光パネルの裏面に霧状の水を噴霧することが記載されている。つまり、特許文献1に記載の技術は、太陽光パネルが有する熱によって太陽光パネルに付着した霧状の水が気化する際の気化熱を利用して太陽光パネルを冷却し、発電効率の低下を抑制している。
特開2011−100782号公報
特許文献1に記載の技術は、太陽光エネルギーの熱や太陽光などの自然エネルギーを利用しているものの、その利用効率は高いとは言えない。例えば、雨天や曇天などで太陽光の直達成分が少ない場合、特許文献1では太陽光パネルによる発電が十分に行われないまま他に太陽光を利用することなく一日が終わってしまう。ここで、本明細書において、「直達成分」とは、太陽から直接地上に到達する光をいう。
なお、太陽電池を設置したユーザーや設置を検討しているユーザーは、太陽光パネルに対してなるべく太陽光発電を行って欲しいという要望や発電量を多くしたいという要望を持っている。また、これらのユーザーの中には環境意識やコスト意識が高く、空調に消費するエネルギーを軽減するために自然エネルギーを利用した自然換気システムを望む者もいる。
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、太陽光発電の機能を有したまま、自然エネルギーを効率的に利用した自然換気を行うことのできる自然換気システムおよびこれを有する建屋を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明に係る自然換気システムは、太陽光が照射されることにより発電を行う光透過型太陽電池と、前記光透過型太陽電池よりも太陽から遠い位置に設けられ、前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を反射する反射部および前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を吸収する吸収部を切り替える切替機構と、前記光透過型太陽電池と前記切替機構との間を通流媒体が通流する通流経路と、を備えている。
また、本発明に係る建屋は、屋根面および外壁面の少なくとも一部に設けられ、太陽光が照射されることにより発電を行う光透過型太陽電池と、前記光透過型太陽電池よりも太陽から遠い位置に設けられ、前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を反射する反射部および前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を吸収する吸収部を切り替える切替機構と、前記光透過型太陽電池と前記切替機構との間を通流媒体が通流する通流経路と、を備える自然換気システムを有している。
本発明に係る自然換気システムおよび建屋は、太陽光発電の機能を有したまま、自然エネルギーを効率的に利用した自然換気を行うことができる。
一実施形態に係る自然換気システムを説明する概略斜視図である。 一実施形態に係る自然換気システムを説明する概略断面図である。 有機薄膜太陽電池の構成を説明する概略断面図である。 切替機構の一態様を示す概略斜視図である。 切替機構の一態様を示す概略斜視図である。 切替機構の一態様を示す概略側面図である。 切替機構の他の態様を示す概略斜視図である。 切替機構の他の態様を示す概略斜視図である。 本実施形態の好ましい態様を示した概略断面図である。 本実施形態の好ましい態様を示した概略断面図である。 本実施形態の好ましい態様を示した概略断面図である。 本実施形態の好ましい態様を示した概略斜視図である。 本実施形態の好ましい態様を示した概略斜視図である。 切替機構の他の態様を示す概略説明図である。 切替機構の他の態様を示す概略説明図である。 切替機構の他の態様を示す概略説明図である。 切替機構のさらなる他の態様を示す概略説明図である。 切替機構のさらなる他の態様を示す概略説明図である。 切替機構のさらなる他の態様を示す概略説明図である。
以下、適宜図面を参照して本発明に係る自然換気システムおよび建屋の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であって、本発明を実施するに当たり何ら制限されるものではない。また、図面において、同一の要素については同一の符号を付している。また、図面は模式であり、寸法が限定されるものではない。
(自然換気システム)
図1は、一実施形態に係る自然換気システムを説明する概略説明図である。図2は、一実施形態に係る自然換気システムを説明する概略断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る自然換気システム100は、光透過型太陽電池200と、切替機構300と、通流経路110と、を備えている。
この自然換気システム100は、いわゆるソーラーチムニーと同様の原理により建屋の屋内の換気を行う。一般的に、ソーラーチムニーは、建屋の中に煙突のような垂直方向の空気の通り道(チムニーシャフト)をつくり、上下の温度差、屋内外の温度差による煙突効果を利用し、上昇気流(温度差による密度流)を発生させ、その誘引効果により自然換気を行う。なお、上下の温度差とは、排気口から排気される排気の温度と吸気口から取り込まれる吸気空気の温度との差をいう。
すなわち、本実施形態においては、光透過型太陽電池200と切替機構300との間で構成される通流経路110を建屋108の屋根面108aおよび外壁面108bのうちの少なくとも一方に設け、当該通流経路110を前記したチムニーシャフトとして使用する。つまり、本実施形態では、光透過型太陽電池200を透過した太陽光エネルギーの熱を利用して屋内の吸気口102から取り込んだ空気(吸気空気103)などの通流媒体をあたためて排気107として排気口106から排出する(図2参照、以下、通流媒体の好ましい例として空気を挙げて説明する。)。このようにすることで前記誘引効果などを発揮させ、建屋108の屋内の空気を自然換気する。
本実施形態で適用できる建屋108としては、例えば、一般建築、施設園芸設備、養殖設備などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、この自然換気システム100は、図1および図2に示すように、建屋108に組み込む以外にも、独立した自然換気システムとして設けることもできる。
ここで、独立した自然換気システムとは、角筒形や円筒形の筒体の表面の少なくとも一部を光透過型太陽電池200とし、これと所定の間隔をあけて切替機構300を設け、これらの間を通流経路110としたものを一つの構造体として作製したものをいう。独立した自然換気システムは、既に立てられている建屋(例えば、施設園芸設備、養殖設備)に対して後付けできるようにしたものである。従って、この自然換気システムを建屋108に設置する場合は、通流経路110に吸気用ダクトを接続するなどして建屋108の屋内に吸気口102を設けるのが好ましい。このような吸気用ダクトとして、例えば、蛇腹ダクトが挙げられる。
(光透過型太陽電池)
光透過型太陽電池200は、太陽光が照射されることにより発電を行う。本実施形態で用いることのできる光透過型太陽電池200は太陽光の一部を透過するものであればよく、太陽電池の材料や製法によって何ら制限は受けない。このような光透過型太陽電池200としては、例えば、有機薄膜太陽電池、結晶シリコン太陽電池モジュールの一部に採光用の隙間を空けた結晶シリコン光採光太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池の受光面にスクライブによって採光隙間を空けた透過型アモルファスシリコン太陽電池などが挙げられる。
本実施形態においては次に述べる理由から、これらの中でも図3に示す有機薄膜太陽電池210を光透過型太陽電池200として用いるのが好ましい。なお、図3は、有機薄膜太陽電池の構成を説明する概略断面図である。
第1に、他の太陽電池のように光受光機能を有する部分を取り除いて光透過型太陽電池200を実現するものではなく、薄膜の膜厚を制御して透過率を制御するため、発電と光透過のバランスを任意の割合で制御できる。
第2に、薄膜型であるため、本実施形態に係る自然換気システム100に容易に導入できる。
第3に、有機薄膜の吸収波長域を制御できるため、透過させる太陽光の波長領域を任意に選択でき、透過した太陽光の利用手段を拡大することができる。
図3に示すように、有機薄膜太陽電池210の構成としては、基材211の一方の面に、透明電極212、正孔輸送層213、光発電層214、バッファ層215、対向電極216、カバー層217がこの順に積層されたものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。つまり、図3に示す有機薄膜太陽電池210の積層構造は一例であって、有機薄膜太陽電池210の発電および構成に影響がなければ何ら制限されるものではない。例えば、正孔輸送層213やバッファ層215を積層しない、または膜厚を調整する等の態様とすることもできる。
基材211は、建屋108の屋根面に配置され、太陽光を受光できるフロートガラスなど構造体218に任意の粘着層219などで貼り付けることが容易なもので形成するのが好ましい。基材211は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの透明フィルムや透明プラスチック板で形成できる。また、基材211としてガラス基板を用いることもできる。
透明電極212は、光透過性および導電性のある薄膜である。透明電極212は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物やドープ量の大きなポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)導電性高分子などで形成できる。透明電極212は、例えば、膜厚100〜500nmの範囲で形成できる。
正孔輸送層213は、正孔を輸送し、電子をブロックする薄膜である。正孔輸送層213は、例えば、PEDOT−PSSや酸化ニッケルなどで形成できる。正孔輸送層213は、例えば、膜厚5〜100nmの範囲で形成できる。
光発電層214は、例えば、電子供与体分子を含む電子供与体層を陽極側に形成し、電子受容体分子を含む電子受容体層を陰極側に形成したバルクヘテロ接合層と呼ばれる相分離起因の接合構造によって構成されているものを好適に用いることができる。電子供与体分子としては、例えば、PBDTT−DPP(poly(2,60-4,8-bis(5-ethylhexylthienyl)benzo-[1,2-b;3,4-b]dithiophene-alt-5-dibutyloctyl-3,6-bis(5-bromothiophen-2-yl)pyrrolo[3,4-c]pyrrole-1,4-dione))などの高分子を用いることができる。電子受容体分子としては、例えば、[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(C60−PCBM)などのフラーレン誘導体などを用いることができる。光発電層214は、例えば、膜厚20〜200nmの範囲で形成できる。なお、光発電層214は、層構造が単層、pnヘテロ接合層、または相互貫入型接合層であるものを用いることができる。
バッファ層215は、電子を輸送し、正孔をブロックする薄膜である。バッファ層215は、例えば、フッ化リチウム、酸化チタンなどで形成できる。バッファ層205は、例えば、膜厚1〜10nmの範囲で形成できる。
対向電極216は、例えば、ITOをはじめとする金属酸化物または光透過性を維持した金、銀などの金属を蒸着で形成できる。また、対向電極216は、例えば、銀ナノワイヤーなどの分散液を塗布して形成できる。対向電極216は、例えば、膜厚20〜100nmの範囲で形成できる。
カバー層217は、有機薄膜太陽電池210の保護および安全性の向上を目的に設置される。カバー層217は、例えば、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合体などの高分子フィルムを基材211とラミネート形成するなどの方法で作製できる。
このような構成の有機薄膜太陽電池210は、バルクヘテロ接合層である光発電層214が太陽光を受光すると、主に電子供与体分子が光を吸収して励起され、励起子が生成する。そして、この励起子が電子供与体層と電子受容体層の界面に移動し、電子供与体分子から電子受容体分子に電子が流れて電荷分離状態を形成する。すなわち、電子供与体分子は電子を電子受容体分子に渡して自身はカチオン(ホール)となるとともに、電子受容体分子は電子を受け取ってアニオンとなる。ホールが陽極に流れ、アニオンが陰極に流れることにより、外部回路に電流を流すことができる(発電することができる)。
(切替機構)
図1および図2に示すように、切替機構300は、光透過型太陽電池200よりも太陽から遠い位置に設けられている。つまり、図1および図2に示すように、切替機構300は、建屋108の屋根面108aに設けられている場合は光透過型太陽電池200の下方に、所定の間隔をあけて設置されている。なお、切替機構300が建屋108の外壁面108bに設けられている場合は、切替機構300は、内壁側に所定の間隔をあけて設置されている(図1および図2において図示せず)。
このようにして配置されている切替機構300は、光透過型太陽電池200を透過した太陽光を反射する反射部301および光透過型太陽電池200を透過した太陽光を吸収する吸収部302を切り替える。
図4から図6は、切替機構の一態様を示す概略説明図である。
図4および図6に示すように、切替機構300は、例えば、固定部303と、ヒンジHにより当該固定部303に対して揺動自在に取り付けられた揺動部304と、で構成することができる。つまり、固定部303は、図6に示すように、反射部301となる領域Aと吸収部302となる領域Bとが交互に設けられている。揺動部304は、一方の面を反射部301とし、他方の面を吸収部302としている。そして、図6に示すように、切替機構300を切り替えたときに一方の面全体が反射部301となり、他方の面全体が吸収部302となるように、固定部303の反射部301となる領域Aと吸収部302となる領域Bとの境界に、ヒンジHを介して揺動部304を揺動自在に取り付けている。
このようにすると、図4に示すように、切替機構300を切り替えて反射部301と光透過型太陽電池200とを対面させることができる。この態様は、日射量が十分にあり、太陽光の直達成分が多い場合に選択するのが好ましい。この態様とすると、太陽光発電により多くのエネルギーを振り分けることができる。そのため、光透過型太陽電池200の発電量と電気的に接続された機器の総電力消費量とをみた場合に、統合的なエネルギーメリットが大きくなる。なお、この態様であっても日射量が十分にあるので、光透過型太陽電池200と切替機構300との間の空気(吸気空気103)を十分にあたためることができる。そのため、この態様とすると、太陽光発電による発電量を多くしながら、前記した煙突効果や上昇気流による誘引効果が得られ、自然換気を行うことができる。反射部301は、太陽光を反射することのできるものであればよい。例えば、固定部303の領域Aおよび揺動部304の一方の面を白色や銀色に塗装したり、反射鏡、反射フィルム、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜などを設けたりすることによって具現できる。
また、図5に示すように、切替機構300を切り替えて吸収部302と光透過型太陽電池200とを対面させることができる。この態様は、例えば、雨天、曇天、朝方、夕方など日射量が十分ではなく、太陽光の直達成分が少ない場合に選択するのが好ましい。この場合、太陽光発電があまり期待できないため、太陽光の熱エネルギーを効率良く得ることに主軸を置き、自然換気を効率良く行うことができるので、統合的なエネルギーメリットが大きくなる。つまり、ファンなどを回すことによる強制的な換気を行う必要がなくなるか、または強制的な換気に必要な電気量を低減することができる。なお、この態様は太陽光の熱エネルギーを効率良く得ることができるので、冬季間の利用にも向いている。吸収部302は、太陽光の熱エネルギーを吸収することのできるものであればよい。例えば、固定部303の領域Bおよび揺動部304の他方の面を黒色に塗装することによって具現できる。
切替機構300は前記した態様に限定されるものではない。例えば、図7および図8に示す態様とすることができる。なお、図7および図8は、切替機構の他の態様を示す概略説明図である。
図7および図8に示す切替機構300は、反射部301と吸収部302とを連続して形成し、これを一方のロール310で巻き出しつつ他方のロール310で巻き取る構成としたものである。
日射量が十分にあり、太陽光の直達成分が多い場合は、図7に示すように、ロール310を回転させて(切り替えて)反射部301を光透過型太陽電池200(図7において図示せず)の下方に配置する。このようにすると、太陽光発電により多くのエネルギーを振り分けることができる。
一方、日射量が十分ではなく、太陽光の直達成分が少ない場合は、図8に示すようにロール310を回転させて(切り替えて)吸収部302を光透過型太陽電池200(図8において図示せず)の下方に配置する。このようにすると、太陽光の熱エネルギーが効率良く得られ、自然換気を効率良く行うことができる。
なお、図4から図8に示した切替機構300の切り替え動力としてはいずれも電動モータなどの任意のアクチュエーターまたはユーザーの手動などが挙げられる。また、図4から図8に示した切替機構300の場合、必要に応じて切替機構300の下方に断熱材を設けてもよい。このようにすると、夏季間など暑い時期に切替機構300から放射される熱を室内に伝達し難くすることができる。
切替機構300の切り替えは、太陽光発電のデータを反映して行うのが好ましい。例えば、日射量とその直達成分によって切り替えるようにすると、自然エネルギーを効率的に利用できる。日射量は、光透過型太陽電池200の発電量をモニタリングすることで把握できる。
また、切替機構300の切り替えは、予め設定された時刻・時間に基づいて行うことができる。例えば、日中稼働する切替機構300は、日の出の時刻には吸収部302に切り替えられている。発電量が一定以上確保され、かつ通流経路110内の温度差が確保される予め設定された時間を経過すると、切替機構300を吸収部302から反射部301に切り替え、太陽光発電を促進させる。つまり、反射部301で太陽光が反射し、太陽光発電の発電効率が向上する。また、これと同時に、光透過型太陽電池200の表面温度および通流経路110内の温度も上昇し、自然換気システム100の換気性能が向上する。
さらに、切替機構300の切り替えは、建屋108の室温、屋外の温度、排気口106の温度の3つをモニタリングして行うことができる。例えば、建屋108の室温は排気口106の温度よりおおむね5℃以上高いことが望ましいため、室温と排気口106の温度差が5℃未満の場合は、温度差を確保するために外気を取り込むといった制御を行うことが望ましい。このようにすると、換気性能を最適化する制御が可能となる。なお、この場合、これら3つの温度のモニタリングは必須ではない。例えば、建屋108内の室温は空調システムのモニタリング温度から読み取ることができる。屋外の温度は別途モニタリングしている気象データ(例えば、建屋108付近の気象データや気象庁などで発表されているデータ)を採用することができる。
また、切替機構300は、光透過型太陽電池200の発電量と、光透過型太陽電池200と電気的に接続された機器(図示せず)の総電力消費量と、の関係をみて切り替えるのが好ましい。例えば、発電量≧総電力消費量の場合は、切替機構300を反射部301に切り替え、発電量<総電力消費量の場合は、切替機構300を吸収部302に切り替えるのが好ましい。なお、発電量は、光透過型太陽電池200に備えられている発電量計測装置でモニタリングすることにより把握することができる。総電力消費量は、光透過型太陽電池200に接続されている全ての機器の消費電力をモニタリングしてその総計を算出することにより把握できる。
さらに、切替機構300の切り替えは、ユーザーがアクチュエーターに操作指令を発信したり、手動で操作したりすることによって任意に行うことができる。従って、日射量が十分にあり、太陽光の直達成分が多い場合(発電量≧総電力消費量の場合)に切替機構300を吸収部302に切り替えることができる。これは、例えば、本実施形態に係る自然換気システム100が施設園芸設備や養殖設備に用いられている場合において、日射量が多過ぎるため却って生産物に悪影響が出ることがあり、そのような悪影響を回避することが可能となる。
これとは反対に、日射量が十分ではなく、太陽光の直達成分が少ない場合(発電量<総電力消費量の場合)に切替機構300を反射部301に切り替えることができる。これは、例えば、自然換気や各種ファンなどを回して強制的な換気を行う必要がなく、太陽光発電による発電量を少しでも多くしたい場合に有効である。
(通流経路)
図1および図2に示すように、通流経路110は、光透過型太陽電池200と切替機構300との間を吸気空気103が通流する経路である。通流経路110は、吸気口102が屋内に開口するように設けられ、排気口106が屋外に開口するように設けられているのが好ましい。さらに、吸気口102が排気口106よりも低い位置に設けられているのが好ましい。このようにすると、前記した煙突効果や上昇気流による誘引効果がより確実に得られ、自然換気をより効率的に行うことができる。なお、本実施形態においてはこれに限定されるものではない。例えば、吸気口102を屋外に設けるとともに排気口106を屋内に設けることができる。また、例えば、吸気口102を屋内の一の部屋に設けるとともに、排気口106を屋内の他の部屋に設けることができる。
吸気口102や排気口106には、空気が通流可能な蓋部材(図示せず)を設けるのが好ましい。このような蓋部材としては、例えば、メッシュ部材および複数の棒材が所定の間隔を持って平行に設けられているスリット部材などが挙げられる。このような蓋部材を吸気口102や排気口106に設けると、通流経路110内に動物、昆虫、ゴミなどが侵入するのを防止できる。
通流経路110は、側壁部105で吸気口102および排気口106以外を閉塞するのが好ましい。このようにすると、光透過型太陽電池200と切替機構300と側壁部105とにより吸気空気103の流れを一定の方向に規制できる。また、通流経路110であたためられた吸気空気103が外部に散逸することがなく、外部から冷えた空気が流入することもない。従って、煙突効果や上昇気流による誘引効果がさらに確実に得られ、自然換気をさらに効率的に行うことができる。
図9は、本実施形態の好ましい態様を示した概略断面図である。
本実施形態においては、吸気空気103の通流速度を増大させ、換気機能を高めるための加工を施すのが好ましい。このような加工としては、例えば、図9に示すように、室内に開口する吸気口102の上方、すなわち、吸気口102の直上に経路の幅寸法を狭める狭窄部111aを設けることが挙げられる。また、同図に示すように、通流経路110における吸気空気103が流入する入口(光透過型太陽電池200と切替機構300の間における吸気空気103が流入する入口)に経路の幅寸法を狭める狭窄部111bを設けることが挙げられる。狭窄部111a、111bは、吸気口102から狭窄部111a、111bの出口に向けて開口寸法が漸減する形状、例えば、断面形状を三角形や半円形などとするのが好ましい。このようにすると、最も開口寸法が狭い部分を通過した際に吸気空気103の通流速度を確実に増大させることができる。
図10は、本実施形態の好ましい態様を示した概略断面図である。
本実施形態においては、図10に示すように、屋外の空気(外気)を取り込む外気取込口112を通流経路110と連通する軒先や軒下に設けるのが好ましい。なお、図10では外気取込口112を通流経路110と連通する軒先に設けた様子を示している。前記したように、自然換気システム100による自然換気は、屋内から取り込んだ吸気空気103と排気107の温度差によって機能する。従って、冬季間等の外気の温度が十分低い場合には外気取込口112を開放して外気を取り込むことによって吸気空気103の温度を下げることができる。そのため、太陽熱であたためられる吸気空気103の温度差が増大し、自然換気をより効率的に行うことができるようになる。
図11は、本実施形態の好ましい態様を示した概略断面図である。
本実施形態においては、図11に示すように、外気を強制的に取り入れる換気ファン113を通流経路110と連通する軒先や軒下に設けるのが好ましい。なお、図11では換気ファン113を通流経路110と連通する軒先に設けた様子を示している。換気ファン113を設けると屋外の空気をより多く取り込むことができる。従って、前記同様、冬季間等の外気の温度が十分低い場合に、当該換気ファン113を駆動させることによって吸気空気103の温度をさらに下げることができる。そのため、太陽熱であたためられる吸気空気103の温度差が増大し、自然換気をさらに効率的に行うことができるようになる。なお、換気ファン113の給電は、光透過型太陽電池200から行うのが好ましい。換気ファン113は、外気取込口112に隣接して設置することができる(図示せず)。このようにすると、平時は外気取込口112で外気を取り込み、外気を多く取り込む必要が生じたときだけ換気ファン113を駆動させるという運用を行うことができる。
また、通流経路110内で配管(図示せず)等を行い、当該配管内に水を通流媒体として通流させることができる。配管内の水の通流は常時または任意に行うことができるが、切替機構300を切り替えて吸収部302とした場合に通流させるのが好ましい。このようにすると、吸収部302により太陽光の熱エネルギーを効率良く得て水をあたためることができる。この場合、通流経路110内であたためられた水は、そのまま使用したり、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(図示せず)に供給して使用したり、貯湯タンク(図示せず)に貯めて使用したりすることができる。
前記した結晶シリコン光採光太陽電池や透過型アモルファスシリコン太陽電池などの有機薄膜太陽電池以外の光透過型太陽電池200は、温度が上がると発電効率が低下する。そのような光透過型太陽電池200を用いる場合は、前記した水が通流する配管を通流経路110内において光透過型太陽電池200と接触または近接させて設けるのが好ましい。このようにすると、光透過型太陽電池200の温度を下げることができるので、発電効率の低下を抑制できる。
図12は、本実施形態の好ましい態様を示した概略斜視図である。
図12に示すように、本実施形態は、建屋108が躯体蓄熱方式の暖房補助熱機構600を備えている。この暖房補助熱機構600は、ファン601と、熱ダクト602と、躯体603と、を備えている。
ファン601は、排気口106の一部に設けられており、通流経路110であたためられた空気を熱ダクト602に送る役割を担っている。この場合、通流経路110であたためられた空気(排気107)を熱ダクト602に効率良く送るため、排気口106をいわゆる排気口カバー(図示せず)などで閉塞するのが好ましい。
熱ダクト602は、ファン601と躯体603との間に設けられている。熱ダクト602は、ファン601から送られてきたあたたかい空気を躯体603に送る役割を担っている。
躯体603は、いわゆる基礎スラブ(コンクリートスラブ)である。
本実施形態においては、躯体603内に熱ダクト602と連通する配管(図12において図示せず)が設けられているのが好ましい。このようにすると、ファン601および熱ダクト602から送られてきたあたたかい空気が躯体603内の配管を巡ることによって躯体603に蓄熱でき、床をあたためることができる。従って、このような態様とすれば、通流経路110であたためられた空気暖房の補助熱として利用することができる。
また、本実施形態においては、建屋108の床下と躯体603の底面との間には、熱ダクト602と連通する所定の空間(床下空間)があるのが好ましい。このようにすると、熱ダクト602から送られてきたあたたかい空気が床下空間に溜まる結果、床をあたためることができる。従って、このような態様とすれば、通流経路110であたためられた空気暖房の補助熱として利用することができる。
図13は、本実施形態の好ましい態様を示した概略斜視図である。
図13に示すように、本実施形態は、建屋108が排気107の暖気を気体熱として直接利用する空調機構700を示している。これは、排気107の熱量があまり大きくない場合に好ましい態様である。つまり、この場合、躯体603(図12参照)に蓄熱しようとしても熱量が大きくないため非常に効率が悪く、空気暖房の補助熱として利用することが困難である。そのため、空調機構700では、自然換気されて得られた排気107に外気を予混合し、熱供給口702から屋内に取り込んで空気暖房として直接利用する。排気107と外気との予混合は、例えば、排気口106の一部において屋外と連通して設けられた吸気ファン701で行うのが好ましい。吸気ファン701は、熱供給口702から最も離れた排気口106の一端に設けるのが好ましい。図13に示す例では、吸気ファン701、排気口106、ファン601、熱ダクト602、熱供給口702の順に接続されている。空調機構700を作動させる場合、前記した暖房補助熱機構600と同様、排気口106を排気口カバー(図示せず)などで閉塞するのが好ましい。また、例えば、熱供給口702にはHEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)などの空気清浄フィルターを設けると、屋内に取り込む空気が清浄になるため好ましい。
(切替機構の他の態様)
図14から図16は、切替機構の他の態様を示す概略説明図である。
図14から図16に示す切替機構400は、反射部401(図14)と吸収部402(図15)と透過部403(図16)とを連続して形成し、これを一方のロール410で巻き出しつつ他方のロール410で巻き取る構成としたものである。つまり、この切替機構400は、反射部401および吸収部402に加えて、さらに光透過型太陽電池200を透過した太陽光を透過する透過部403を備えたものである。透過部403を備えると、例えば、透過した太陽光で植物を栽培したり、動物を養殖したりすることができる。また、透過部403を備えると、屋内の照明が不要となる場合があり、消費電力を低減することも可能である。なお、反射部401は反射部301(図7参照)と同様であり、吸収部402は吸収部302(図8参照)と同様であるので説明を省略する。
この透過部403は、太陽光を透過することのできる任意の光透過性の材料で作製することができる。このような材料としては、例えば、光透過性を有する可撓性樹脂フィルムが挙げられる。また、このような可撓性樹脂フィルムは、例えば、可撓性エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂で作製することができる。
図17から図19は、切替機構のさらなる他の態様を示す概略説明図である。
図17から図19に示す切替機構500は、所定の寸法の複数の矩形(具体的には長方形)の板材511の一方の面に反射部501(図17)を形成し、他方の面に吸収部502(図18)を形成したものである。板材511は、相対する短辺の中間位置に軸部材(図示せず)を有しており、この軸部材により枠体510に回動自在に設けられている。
反射部501は、板材511の一方の面を前記した反射部301と同様に、白色や銀色に塗装したり、反射鏡、反射フィルム、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜などを設けたりすることによって具現できる。
吸収部502は、板材511の一方の面を前記した吸収部302と同様に、黒色に塗装することによって具現できる。
反射部501と光透過型太陽電池200とを対面させる場合は、切替機構500を切り替えて(板材511を回転させて)切替機構500の全面が反射部501となるようにすればよい。
吸収部502と光透過型太陽電池200とを対面させる場合は、切替機構500を切り替えて(板材511を回転させて)切替機構500の全面が吸収部502となるようにすればよい。
また、この態様において、切替機構500を切り替えて(板材511を回転させて)板材511を所定角度回転させ、太陽光が屋内に届くようにすることで、図19に示す透過部503を具現することができる。
透過部503とする場合における板材511の回転角度は、任意に調整可能であるが、例えば、屋内への板材511の投影面積が最小となるように、太陽光の入射角度に合わせて板材511の回転角度を調節するのが好ましい。板材511の回転角度の調節はユーザーが任意に行うことができるが、緯度、経度、日時などから太陽の高度(仰角)を計算することができるので、その計算結果に基づいて板材511の回転角度を調節するのが好適である。当該計算は、任意のソフトウェアで行うことができる。
切替機構400や切替機構500の切り替えは、次のようにして行うことができる。
例えば、よく晴れた直達成分の入射光が多く期待できる場合は切替機構400を反射部401に切り替える。また、薄曇りで通流経路110内の温度上昇は期待できるが、発電量はあまり期待できない場合は切替機構400を吸収部402に切り替える。そして、室内に日射を取り込みたい場合は、日射強度に依存せず切替機構400を透過部403に切り替える。本実施形態では、光透過型太陽電池200によって日射強度が緩和されるため、おおむね気象条件に依存せず、適切な日射取り込みが可能となる。なお、この切り替えは切替機構500にも同様に適用することができる。
(建屋)
本実施形態に係る建屋108は、図1および図2に示すように、前記した本実施形態に係る自然換気システム100を適用したものである。
建屋108は、屋根面108aおよび外壁面108bのうちの少なくとも一部に光透過型太陽電池200を設けている。建屋108は、光透過型太陽電池200よりも太陽から遠い位置に切替機構300を設けている。なお、建屋108は、切替機構300に替えて、透過部403を備えた切替機構400または透過部503を備えた切替機構500を設けたものとすることができる。
建屋108は、好ましくは、通流経路110の吸気口102が屋内に設けられ、通流経路110の排気口106が屋外に設けられ、さらに、吸気口102よりも排気口106の方が高い位置に設けられている。従って、建屋108は、前記した煙突効果や上昇気流による誘引効果が得られ、自然換気を行うことができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る自然換気システムおよび建屋は、光透過型太陽電池と、反射部および吸収部を切り替える切替機構と、光透過型太陽電池と切替機構との間を通流媒体が通流する通流経路と、を備えている。そのため、本実施形態に係る自然換気システムおよび建屋は、太陽光発電の機能を有したまま、自然エネルギーを効率的に利用した自然換気を行うことができる。
以下、本発明の効果について確認した確認実験について説明する。
〔実施例1〕
図1から図6の構成に係る自然換気システム100およびこれを適用した建屋108について、晴天時に自然換気システム100を稼働させ、切替機構300を吸収部302で構成した際の排気口106付近の風速を計測した。その結果、排気口106付近の風速2.0m/sとなった。また、太陽光発電の発電量は20Wh/mであった。
〔実施例2〕
図1から図6の構成に係る自然換気システム100およびこれを適用した建屋108について、晴天時に自然換気システム100を稼働させ、切替機構300を反射部301で構成した際の排気口106付近の風速を計測した。その結果、排気口106付近の風速1.2m/sとなった。また、太陽光発電の発電量は35Wh/mであった。
〔実施例3〕
図1から図6の構成に係る自然換気システム100およびこれを適用した建屋108について、実施例1の天候条件で自然換気システム100を稼働させ、外気取込口112に隣接して設置した換気ファン113に太陽光発電から給電し、駆動させた。そして、排気口106付近の風速を計測した結果、5.0m/sとなった。また、太陽光発電の発電量は20Wh/mであった。
〔実施例4〕
図12の構成に係る自然換気システム100およびこれを適用した建屋108について、実施例1の天候条件において、切替機構300を吸収部302で構成した自然換気システム100を稼働させた。なお、排気口106を排気口カバーで閉鎖し、躯体蓄熱機能を採用した。吸気口102付近の気流温度は17℃であったのに対し、排気口106付近の気流温度は26℃であった。また、躯体603の温度は23℃、床面の温度は21℃であった。吸気口102付近と排気口106付近の気流温度差が暖房補助として機能した。
〔実施例5〕
太陽光利用型植物工場の西側壁面に沿って、建屋と独立する形で鉛直方向に本発明に係る自然換気システムを設置した(図示せず)。実施例1と同様の気象条件において、排気口106付近の風速は3.0m/sとなった。また、太陽光発電の発電量は35Wh/mとなった。
〔比較例1〕
実施例1の構成および天候条件において、光透過型太陽電池200の代わりにフロートガラスを設置し、切替機構300を吸収部302で構成した結果、排気口106付近の風速は2.0m/sとなった。比較例1は、光透過型太陽電池を備えていないので、太陽光発電の発電量は0Wh/mであった。
〔比較例2〕
実施例2の構成および天候条件において、光透過型太陽電池200の代わりにフロートガラスを設置し、切替機構300を反射部301で構成した結果、排気口106付近の風速は0.7m/sとなった。比較例2は、光透過型太陽電池を備えていないので、太陽光発電の発電量は0Wh/mであった。
100 自然換気システム
102 吸気口
106 排気口
108 建屋
113 換気ファン
110 通流経路
200 光透過型太陽電池
300、400、500 切替機構
301 反射部
302 吸収部
403、503 透過部

Claims (11)

  1. 太陽光が照射されることにより発電を行う光透過型太陽電池と、
    前記光透過型太陽電池よりも太陽から遠い位置に設けられ、前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を反射する反射部および前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を吸収する吸収部を切り替える切替機構と、
    前記光透過型太陽電池と前記切替機構との間を通流媒体が通流する通流経路と、
    を備えることを特徴とする自然換気システム。
  2. 請求項1において、
    前記切替機構が、前記光透過型太陽電池の発電量に基づいて前記反射部および前記吸収部を切り替えることを特徴とする自然換気システム。
  3. 請求項1において、
    前記切替機構が、さらに前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を透過する透過部を備えていることを特徴とする自然換気システム。
  4. 請求項3において、
    前記切替機構が、前記光透過型太陽電池の発電量に基づいて前記反射部、前記吸収部および前記透過部を切り替えることを特徴とする自然換気システム。
  5. 請求項1において、
    前記光透過型太陽電池が有機薄膜太陽電池であることを特徴とする自然換気システム。
  6. 請求項1において、
    前記通流経路の吸気口が屋内に開口して設けられ、前記通流経路の排気口が屋外に開口して設けられ、さらに、前記吸気口が前記排気口よりも低い位置に設けられていることを特徴とする自然換気システム。
  7. 請求項1において、
    前記通流経路が、前記光透過型太陽電池で発電した電気によって駆動し、外気を取り込む換気ファンを備えていることを特徴とする自然換気システム。
  8. 請求項1において、
    前記通流経路が、前記通流経路を通流する間にあたためられた通流媒体の熱を蓄熱する蓄熱体と接続されていることを特徴とする自然換気システム。
  9. 屋根面および外壁面のうちの少なくとも一部に設けられ、太陽光が照射されることにより発電を行う光透過型太陽電池と、
    前記光透過型太陽電池よりも太陽から遠い位置に設けられ、前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を反射する反射部および前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を吸収する吸収部を切り替える切替機構と、
    前記光透過型太陽電池と前記切替機構との間を通流媒体が通流する通流経路と、
    を備える自然換気システムを有することを特徴とする建屋。
  10. 請求項9において、
    前記切替機構が、さらに前記光透過型太陽電池を透過した太陽光を透過する透過部を備えていることを特徴とする建屋。
  11. 請求項9において、
    前記通流経路の吸気口が屋内に開口して設けられ、前記通流経路の排気口が屋外に開口して設けられ、さらに、前記吸気口よりも前記排気口の方が高い位置に設けられていることを特徴とする建屋。
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