JP2017217895A - 繊維シート積層装置及び繊維シートの積層方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 繊維シート積層装置1は、搬送コンベヤ3上の短冊状の繊維シートSを保持して移送するロボット11と、ロボット11に保持された繊維シートSにレーザ光Lを照射して加熱するレーザ発振器12とを備えている。ロボット11は、搬送コンベヤ3上の繊維シートSを保持してから積層領域Aまで移送し、該繊維シートSをトレイ6上にある下方側の繊維シートSに重ね合わせる。その後、ロボット11に保持された繊維シートSにレーザ光Lが照射されて加熱されるとともに、該繊維シートSは下方へ押圧される。それにより、ロボット2に保持された繊維シートSの一部が溶融して、下方側の繊維シートSに溶着される。この積層作業が繰り返される。【効果】 多数の繊維シートSを積層して仮止めすることにより、プレス成形用の繊維シート積層体2を効率的に製造することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は繊維シート積層装置及び繊維シートの積層方法に関し、より詳しくは、多数の繊維シートを仮止めして積層することにより繊維シート積層体を製造する繊維シート積層装置及び繊維シートの積層方法に関する。
従来、炭素繊維やガラス繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics, FRP)の成形法は、種々の方法が知られている。現在、一般的に用いられている炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics,CFRP)製品の成形には、成形後に熱処理が必要な熱硬化性樹脂を使用しているため、成形時間が長く、高価な設備が必要であるという問題がある。
そこで、熱硬化性樹脂よりも短時間で成形できる熱可塑性樹脂を炭素繊維に含浸させた繊維シートを何層にも積層して予備成形品を作成し、この予備成形品を加熱してプレス成形(プレス加工)する成形方法の開発が進められている。このプレス成形法によれば、金属加工に近い生産方法で、CFRP製品の量産を実現することが期待される。
ところで、従来の熱硬化性樹脂を使用した成形方法では、予め熱硬化性樹脂を炭素繊維に含浸させたプリプレグを積層して予備成形品を作成し、それをオートクレーブ釜によって加熱して硬化するオートクレーブ成形方法が知られている。プリプレグに含浸された熱硬化性樹脂自体に粘着性があるため、単純に積層して相互に接着させて予備成形を行うことができる。
一方、上記プレス成形法では、繊維シートに含浸された熱可塑性樹脂(ナイロン樹脂等)には粘着性がないため、単純に繊維シートを積層しただけでは成形した形状を維持することができない。
ところで、従来、ロボットによるFRP成形の自動化が進められており、このような装置としては、例えば特許文献1や特許文献2が知られている。特許文献1では、予め成形されたプライ48をロボット22のエンドエフェクタ20で取り上げてからツール28上へ移送し、該ツール28のポケット26内にプライ48を嵌め込んで圧縮して積層する。他方、特許文献2では、粘着性を有する片側黒鉛層GPをエフェクタ96によってスタッキングトレイ42上に積層するようにしている。
特表2014−522747号公報 特許第3187928号公報
しかしながら、粘着性を有さない熱可塑性樹脂で纏められた繊維シートを例えばロボットによって自動積層する技術は、現在のところ知られていない。そのため、上記プレス成形法の前提となる、繊維シートを積層して所要の形状の予備成形品を効率的に製造する技術が要望されているところである。
上述した事情に鑑み、請求項1に記載した本発明は、複数の繊維シートを搬送する搬送機構と、搬送機構上の繊維シートを保持して所定の積層領域まで移送する移送機構と、該移送機構に保持された繊維シートを加熱する加熱機構とを備え、
上記移送機構は、搬送機構上の繊維シートを保持して上記積層領域まで移送し、当該積層領域における既に積層された繊維シート積層体に重ね合わせ、
上記加熱機構は、移送機構によって上記既に積層された繊維シート積層体に重ね合わせられた状態の繊維シートを加熱することによって、当該繊維シートを下方に位置する繊維シート積層体に溶着することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載した本発明は、テープ状の繊維シートを順次所要長さに切断して複数の短冊状の繊維シートを作成し、複数の短冊状の繊維シートを保持領域まで搬送し、短冊状の繊維シートを保持領域においてロボットにより保持してから所定の積層領域まで移送した後に、該ロボットに保持した繊維シートを既に積層領域において積層された繊維シート積層体に重ね合わせた状態で押圧するとともに加熱して溶着させることを特徴とするものである。
このような構成によれば、前述した繊維シート積層体を効率的に製造することができる。
本発明の一実施例を示す平面図。 図1の側面図。 図2の要部の縦断面図。 図1の繊維シート積層体(予備成形品)を製造するための積層プログラムの設定画面を示す図。
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図2において、1は繊維シート積層装置であり、この繊維シート積層装置1は、短冊状をした多数の繊維シートSを積層領域Aで積層して仮止めすることにより、全体として立体形状の繊維シート積層体2を製造するようになっている。完成品としての繊維シート積層体2は、プレス成形法の予備成形品として用いられる。
繊維シート積層装置1は、短冊状の繊維シートSをランダムな状態で載置して搬送する搬送コンベヤ3と、原反ロール4からテープ状の繊維シートSを引き出して所定長さの短冊状に切断してから搬送コンベヤ3に供給する供給機構5と、搬送コンベヤ3の下流側の領域に並列に配置されて、トレイ6に載置された完成品の繊維シート積層体2をトレイ6ごと積層領域Aから下流側へ排出する排出コンベヤ7と、搬送コンベヤ3の搬送経路の上方に配置されて、搬送コンベヤ3によって搬送される繊維シートSの載置状態を撮影するカメラ8と、搬送コンベヤ3上の繊維シートSを保持領域Bで保持してから積層領域Aのトレイ6上まで移送するとともにトレイ6上にある下方側の繊維シートSに押圧するロボット11と、ロボット11が保持する繊維シートSをレーザ光Lによって加熱するレーザ発振器12と、これらの作動を制御する制御装置13とを備えている。
本実施例において処理対象となる繊維シートSは、いわゆるUDカーボン(Uni Directional(単一方向性))であり、単一方向のみに繊維が並ぶように配置されたカーボン繊維をナイロン樹脂でテープ状に纏めて成形されている。この繊維シートSは加熱されると溶融する熱溶融性を備えている。そして、細長いテープ状となった繊維シートSは原反ロール4として巻芯に巻回されており、該原反ロール4が供給機構5のケーシング5A内に回転自在に装着されるようになっている。
供給機構5は、原反ロール4が取り付けられるケーシング5Aと、ケーシング5A内に配置されてテープ状の繊維シートSを上下から挟持して原反ロール4から先端部を下方に向けて送り出す送りローラ14と、該送りローラ14の隣接下方側に配置されて繊維シートを所定長さの短冊状に切断するカッタ15と、カッタ15の下方側に配置されて上下方向および左右方向(搬送コンベヤ3の幅方向)に揺動可能なホッパ16とを備えている。
制御装置13によって送りローラ14が間欠的に回転されるとともにカッタ15が間欠的に作動されることにより、原反ロール4に巻回されたテープ状の繊維シートSは、先端から順次所定長さ分ずつ引き出されて切断されるようになっている。それによって、繊維シートSは短冊状となり、該短冊状の繊維シートSは、先端が上下方向および左右方向に揺動されているホッパ16上に落下してから搬送コンベヤ3上にランダムな状態で載置されるようになっている。
このようにして、供給領域Cにおいて供給機構5から短冊状の繊維シートSが搬送コンベヤ3上に供給されるようになっている。そして、搬送コンベヤ3上にランダムな状態で載置された多数の繊維シートSは、搬送コンベヤの矢印方向の走行に伴って下流側の保持領域Bへ搬送されるようになっている。
搬送コンベヤ3は、一対のプーリに巻回されたベルトコンベヤで構成されており、載置面を水平にして矢印方向に循環走行されるようになっており、搬送コンベヤ3の駆動源となるモータ17は制御装置13によって作動を制御される。このモータ17には図示しないエンコーダが取り付けられており、モータ17の回転角度は上記エンコーダを介して制御装置13に入力される。
制御装置13は、モータ17を作動させて搬送コンベヤ3を走行させる際においては、上記エンコーダから入力される信号を基にして搬送コンベヤ3上の繊維シートSの位置を認識できるようになっている。
搬送コンベヤ3の搬送経路上の上方位置には、鉛直下方に向けてカメラ8が配置されており、カメラ8の下方を通過する各繊維シートSはカメラ8によって載置状態を撮影されるようになっており、カメラ8による撮影画像は順次制御装置13へ入力されるようになっている。
制御装置13は、カメラ8から入力された各繊維シートSの画像情報と、エンコーダを介して得られる搬送コンベヤ3上の繊維シートSの位置情報をもとにしてロボット11の作動を制御し、該ロボット11によって保持領域Bで繊維シートSを保持してから積層領域Aのトレイ6上へ移送するようになっている。
排出コンベヤ7の載置面は、搬送コンベヤ3の載置面と同じ高さに設定されており、排出コンベヤ7は制御装置13によって所要時に作動されて走行されるようになっている。つまり、積層領域Aのトレイ6に多数の短冊状のシートSがロボット11によって積層されて仮止めされて繊維シート積層体2の製造が完了すると、排出コンベヤ7が走行される。それにより、完成品としての繊維シート積層体2を載置したトレイ6が積層領域Aから下流側へ搬送されて排出されるようになっている。その後に排出コンベヤ7が停止されると、新たな空のトレイ6が積層領域Aとなる排出コンベヤ7上に供給されるようになっている。
トレイ6は長方形をした平板からなり、その表面には一層目となる繊維シートSを粘着させるために粘着シートが貼り付けられている。そのため、一層目となる繊維シートSがロボット11によってトレイ6に載置されて押圧されると、該繊維シートSはトレイ6の粘着シートによってトレイ6の上面に接着されるようになっている。
ロボット11は、カメラ8よりも下流側となる搬送コンベヤ3上の保持領域Bと排出コンベヤ7側のトレイ6上の積層領域Aとにわたって移動可能に設けられている。ロボット11としては、いわゆるパラレルリンク型のロボットを採用しており、このロボット11は、保持領域Bから積層領域Aまで繊維シートSを移送しトレイ6上で積層し仮止めする移送機構を構成している。ロボット11の作動は、制御装置13によって制御されるようになっており、制御装置13は、積層プログラム入力機構18によって入力される積層プログラム又は予め登録された積層プログラムに基づいてロボット11を作動させるようになっている。
ロボット11は、繊維シートSを吸着保持する吸着筒21を有する処理ヘッド11Aと、吸着筒21の軸心を鉛直方向に維持した状態で処理ヘッド11Aを保持領域Bと積層領域Aとにわたって移動させるアーム11Bとを備えている。
図3にも示すように、吸着筒21には導管22を介して負圧源23から負圧を給排できるようになっており、負圧源23による負圧の給排作動は制御装置13によって制御される。また、ロボット11の隣接位置には、レーザ光Lを発振するレーザ発振器12が配置されており、このレーザ発振器12は、吸着筒21の上部内方に配置されたカプラ24とそれに接続された光ファイバ25とを介して吸着筒21の内側から下方に向けてレーザ光Lを照射するようになっている。レーザ発振器12の作動も制御装置13によって制御されるようになっており、図3に示すように吸着筒21に繊維シートSが保持されている状態でレーザ発振器12からレーザ光Lを繊維シートSにレーザ光Lを照射するようになっている。
本実施例では、保持領域Bにおいて、吸着筒21の下端部に繊維シートSを吸着保持してから積層領域Aまで移送し、そこで既に積層された中間品としての繊維シート積層体2の繊維シートSに重ね合わせて押圧するようにしてあり、その重ね合わせた状態において吸着筒21に保持された繊維シートSにレーザ光Lを照射して加熱するようにしている。それにより、トレイ6の中間品としての繊維シート積層体2の繊維シートS上に吸着筒21に保持された繊維シートSを順次積層して仮止めするようになっている。
図3に示すように、吸着筒21は円筒状をした剛性体からなり、吸着筒21の内部には上下一対の平凸レンズ26A、26Bが所定間隔を維持して配置されている。吸着筒21の上部は、ショック吸収用のスプリング27を介してアーム11Bの下端となるエンドエフェクタ11Cに取り付けられている。スプリング27により吸着筒21は、常時下方に向けて付勢されており、かつ軸心が鉛直方向となるように支持されている。
吸着筒21の下端部は軸心に対して直交する平面となっており、この環状の平面が繊維シートSを保持する保持部21Aとなっている。下方側の平凸レンズよりも下方側となる吸着筒21の内面は下方側が窄まるテーパ状の負圧室21Bとなっており、該負圧室21Bに導管22を介して負圧源31が接続されている。制御装置13は所要時に負圧源21から導管22を介して負圧室21Bに負圧を供給するようになっている。下端部となる保持部21Aを繊維シートSに重合させ、その状態において負圧室21Bに負圧が供給されると、繊維シートSは吸着筒21の下端部、つまり保持部21Aに吸着、保持されるようになっている。他方、負圧室21Bへの負圧の供給が停止すると、繊維シートの保持状態が解除される。
吸着筒21の上端開口部の中心にカプラ24が取り付けられており、このカプラ24は光ファイバ25によってレーザ発振器12と接続されている。カプラ24の軸心と吸着筒21の軸心は一致させている。レーザ発振器12が作動されるとレーザ光Lは光ファイバ25を経由してカプラ24の下端部から下方へ照射され、さらに、平凸レンズ26A、26Bを透過してから下端開口部21Cを通過して繊維シートSに照射される。
前述したように、吸着筒21は剛性体からなるので、レーザ光Lの焦点位置を一定にすることができる。本実施例では、レーザ光Lの焦点位置は保持部21Aよりも下方側に位置するように平凸レンズ26A、26Bを配置しているので、ビームウェストよりもレーザ発振器12側となる太い部分のレーザ光Lが繊維シートSに照射されるようになっている。繊維シートSを構成するカーボンは、レーザ光Lの吸収効率が高いため、レーザ光Lの照射部分が昇温されて熱可塑性樹脂が溶融するようになっている。
また、吸着筒21の上端とエンドエフェクタ11Cとの間には上記スプリング27が弾装されているので、搬送コンベヤ3上の保持領域Bにおいて、繊維シートSを吸着筒21の保持部21Aで吸着保持する際、および積層領域Aでトレイ6上の繊維シート積層体2の繊維シートSに重ね合わせて積層する際には、上記スプリング27の弾性力を利用して確実に繊維シートSを吸着筒21の保持部21Aに吸着することができ、かつ、トレイ6上の下方側となるシートSに繊維シートSを偏りなく押し付けることができる。
ロボット11とその処理ヘッド11Aは以上のように構成されており、制御装置13は、ロボット11を積層プログラムに基づいて作動させるようになっており、ロボット11を作動させるための積層プログラムは、次のようにして設定されるようになっている。
先ず、オペレータが手動により積層プログラムを設定する場合について説明する。制御装置13には、積層プログラム作成ソフトウェアが予めインストールされており、オペレータは積層プログラム入力機構18によって、制御装置13内の積層プログラム作成ソフトウェアを作動させて、制御装置13の画面上において繊維シートSの保持位置、つまり、レーザ光Lによって加熱し溶着される仮止め位置を設定する。
具体的には、図4に示すように、オペレータは、制御装置13の画面上に表示された繊維シートS(破線で示す繊維シート)をマウスでドラッグして所望の位置まで移動させて、下層側となる繊維シート積層体2の繊維シートSへ重ね合わせる位置を決定する。その後、ドラッグによって当該繊維シートSを回転させて姿勢(向き)を決定する。なお、この手順とは逆に、まず繊維シートSの姿勢を所望の姿勢に変更してから該繊維シートSを下層となる繊維シートSの位置まで移動させてから重ね合わせる位置を決定するようにしてもよい。
この処理を行う際に、積層状態を決めるべき繊維シートS(ロボット11に保持された上層となる繊維シートS)は点線で表示されており、それにより、当該上層側となる繊維シートSと下方側となる繊維シートSとが重なる重合箇所を把握することができる。この図4の例では、仮止め候補位置X1と仮止め候補位置X2が上下の繊維シートSが重なり合う重合箇所となる。
この後、オペレータは、処理ヘッド11Aによる保持位置(および仮止め位置)として、上記仮止め候補位置X1か仮止め候補位置X2のいずれかを選択する。例えば仮止め候補位置X1を選択する。それにより、処理ヘッド11Aによって当該繊維シートSを保持する際の保持位置(および仮止め位置)は、X1として設定されるようになっている。本実施例においては、吸着筒21によって繊維シートSを保持し、吸着筒21の内部からレーザ光Lを繊維シートSに照射するので、保持位置と仮止め位置は同じ位置となる。
このようにして、完成品としての繊維シート積層体2を形成するために各繊維シートSをどこにどのような姿勢で下方側の繊維シートS(中間品としての繊維シート積層体2)に重ね合わせて積層するのか、および各繊維シートSを積層する際の処理ヘッド11Aの吸着筒21による保持位置(仮止め位置)の設定が行われるようになっている。
また、オペレータが積層プログラム入力機構18によって積層プログラムを作成する代わりに、予め完成品としての繊維シート積層体2を製造するための複数の積層パターンのプログラムを制御装置13に登録しておき、その登録された積層パターンのプログラムのいずれかを選択するようにしてもよい。
そして、複数の積層パターンのプログラムの内のどれかを選択した後に、該選択した積層パターンのプログラムに関して、前述した要領でオペレータが積層プログラム入力機構18によって、繊維シートSの保持位置(仮止め位置)や重ね合わせる際の姿勢等を修正してもよい。より詳細には、制御装置13に積層動作を再生する機能を設けておき、繊維シート積層体2にn番目に積層する繊維シートSを指定して、その繊維シートSを重ね合わせる際の姿勢および保持位置(仮止め位置)を修正する。
また、完全にランダムな積層パターンを作らせることも可能である。さらに、積層パターンのプログラムによって保持位置(仮止め位置)を自動的に設定することもできる。例えば次のようなアルゴリズムによって自動設定を行う。
まず、繊維シートSの下層となる繊維シートSとの重合箇所の面積を求め、複数の重合箇所がある場合には、面積の大きい方を保持位置(仮止め位置)として設定する。また、複数の重合箇所がある場合であって、面積の差が所定値よりも小さい場合には、繊維シートSの重心位置に近い方を保持位置として設定する。さらに、重合箇所が大きい場合には、例えば繊維シートSが全面に亘って下方側の繊維シートSと重なる場合には、重合箇所の形状の重心位置を保持位置として設定する。
このようにして、処理ヘッド11Aの吸着筒21による繊維シートSの保持位置(仮止め位置)、重合させる箇所および姿勢等を設定するようになっている。
以上の構成において、具体的な繊維シート積層装置1による積層作業開始前の段階において、前述したようにしてオペレータが積層プログラム入力機構18を用いて積層パターンのプログラムを作成して制御装置13に保存するか、あるいは予め複数の積層パターンのプログラムを登録しておく。
そして、空のトレイ6が停止中の排出コンベヤの積層領域Aに載置され、かつ、短冊状の繊維シートSが搬送コンベヤ3によって搬送されている状態において、積層パターンのプログラムに基づいてロボット11の処理ヘッド11Aが制御装置13により作動される。
つまり、ロボット11は、繊維シート積層体2のn番目の繊維シートSを上記プログラムに基づいて、搬送コンベヤ3の保持領域Bにおいて繊維シートSを保持してから積層領域Aまで移送して、その後、上記プログラムにある重合位置の姿勢となるように、該保持した繊維シートSをトレイ6上における中間品としての繊維シート積層体2の繊維シートSに重ね合わせて押圧する。その際にロボット11に保持された繊維シートSにレーザ発振器12からカプラ24を介してレーザ光Lが照射されて加熱される。これにより、ロボット11の吸着筒21に保持された繊維シートSはレーザ光Lによって溶融し、かつ下方側にある中間品としての繊維シート積層体2の繊維シートSに向けて押圧されているので、該下方側の繊維シートSに溶着される。
このようにして、処理ヘッド11Aは保持領域Bにおいて繊維シートSを保持してから積層領域Aのトレイ6上まで移送し、そこで、トレイ6上における中間品としての繊維シート積層体2の繊維シートSに、上方から繊維シートSを重ね合わせた状態においてレーザ光Lによって繊維シートSを加熱しながら押圧する作業を、上記積層パターンのプログラムに基づいて順次繰り返す。
なお、積層領域Aのトレイ6に直接載置される一層目の繊維シートSについては、トレイ6の載置面に粘着シートが設けてあるので、レーザ光Lによる繊維シートSの加熱処理は省略される。つまり、処理ヘッド11Aに保持した一層目の繊維シートSは押圧されるのみで、トレイ6上に第1層目の繊維シートSが接着されて固定される。また、保持領域Bでロボット11に保持されてから移送中に繊維シートSがはためいて積層領域Aで折れ曲がる恐れがあるので、積層領域Aの直上まで繊維シートSを移動させた後に僅かの時間停止させて繊維シートSのはためきがなくなった後に、処理ヘッド11Aを下降させて繊維シートSを下方側の繊維シートSに重ね合わせるようにしても良い。
このようにして、積層領域Aのトレイ6上に積層プログラムに基づいて予定した多数の繊維シートSが順次積層されて仮止めされることで、完成品としての繊維シート積層体2が製造される。すると、この後、制御装置13は排出コンベヤ7を作動させて、積層領域Aにある繊維シート積層体2をトレイ6ごと排出コンベヤ7によって下流側へ排出させる。その後の図示しない工程において、トレイ6とそれに載置された繊維シート積層体2を排出コンベヤ7からオペレータが持ち上げてから図示しない金型に搬入する等のプレス成形法に従って作業が行われる。
以上のように本実施例によれば、粘着性を有さない短冊状の繊維シートSを、移送手段としてのロボット11により多数積層して仮止めすることで、RTM用の予備成形品となる繊維シート積層体2を効率的に製造することができる。そして、トレイ6上の中間品としての繊維シート積層体2に繊維シートSを順次積層して仮止めする作業は、積層パターンのプログラムに基づいてロボット11によって処理されるので、迅速かつ効率的に行われる。
なお、繊維シート積層装置1による処理対象としては、平織り等のカーボンクロスから成形したシートであってもよい。
また、上記実施例においては、吸着筒21の内部にレーザ光Lを照射するためのカプラ24を配置しているが、吸着筒21の外部にそれと並列に単一あるいは複数のカプラ24を配置してもよい。つまり、吸着筒21の内部からではなく、吸着筒21の外方に配置されたカプラからレーザ光Lを繊維シートSに照射するようにしてもよい。
また、上記実施例においては、単独の下端開口部21Cが開口する吸着筒21の下端部を保持部21Aとしているが、吸着筒21の下端部開口部は複数の孔で構成してもよい。
さらに、上記実施例は、保持領域Aのトレイ6上において順次繊維シートSを積層して仮止めすることで完成品としての繊維シート積層体2(予備成形品)を製造するようにしているが、トレイ6を鉛直方向に支持し、その状態のトレイ6に順次繊維シートSを積層して仮止めすることで繊維シート積層体2(予備成形品)を製造するようにしてもよい。
また、上記ロボット11としては、パラレルリング型の他、スカラー型、多関節ロボットを用いてもよい。
また、上記仮止め位置としては、積層しようとする繊維シートSの直下にある繊維シートSと重なる位置に限定されず、さらに下にある繊維シートSと重なる位置(図4にX3で図示)に設定するようにしてもよい。
また、レーザ光Lを照射するタイミングとしては、搬送コンベヤ3から処理ヘッド11Aが繊維シートSを取り上げた直後でも良い。この場合、予熱のために低出力でレーザ光Lを照射しておき、重ね合わせた後に通常出力で照射するようにしても良い。
さらに、繊維シートSを下方となる繊維シートSに重ね合わせて押圧したら、吸着筒21による繊維シートSの吸着を解除しても良い。この状態も本実施例における吸着筒21による保持の概念に含まれる。
1‥繊維シート積層装置 2‥繊維シート積層体
3‥搬送コンベヤ 6‥トレイ
11‥ロボット(移送機構) 11A‥処理ヘッド
12‥レーザ発振器(加熱機構) 13‥制御装置
21‥吸着筒 21A‥保持部
A‥積層領域 B‥保持領域
S‥繊維シート

Claims (5)

  1. 複数の繊維シートを搬送する搬送機構と、搬送機構上の繊維シートを保持して所定の積層領域まで移送する移送機構と、該移送機構に保持された繊維シートを加熱する加熱機構とを備え、
    上記移送機構は、搬送機構上の繊維シートを保持して上記積層領域まで移送し、当該積層領域における既に積層された繊維シート積層体に重ね合わせ、
    上記加熱機構は、移送機構によって上記既に積層された繊維シート積層体に重ね合わせられた状態の繊維シートを加熱することによって、当該繊維シートを下方に位置する繊維シート積層体に溶着することを特徴とする繊維シート積層装置。
  2. 各繊維シートは短冊状に形成されており、上記搬送機構はランダムな状態で載置される多数の繊維シートを搬送する搬送コンベヤから構成され、上記移送機構はロボットから構成され、上記加熱機構はレーザ光を照射するレーザ発振器から構成され、さらに、上記搬送コンベヤの搬送経路に該搬送コンベヤ上の繊維シートの載置状態を撮影する撮影機構が設けられており、
    上記ロボットは、上記撮影機構が撮影した繊維シートの撮影画像に基づいて、搬送コンベヤ上の繊維シートを保持してから上記積層領域まで移送するとともに、積層領域における既に積層された繊維シート積層体に重ね合わせた状態で押圧することを特徴とする請求項1に記載の繊維シート積層装置。
  3. 上記ロボットは、繊維シートを吸着保持する吸着筒を備えており、
    上記レーザ発振器は、上記吸着筒の内部からレーザ光を照射して上記繊維シートのうちの吸着筒に保持された部分を加熱することを特徴とする請求項2に記載の繊維シート積層装置。
  4. 上記ロボットの吸着筒が上記搬送コンベヤ上の繊維シートを保持する際の保持位置および吸着筒に保持した繊維シートを積層領域で繊維シート積層体に重ね合わせる重合位置を設定するための積層プログラム入力機構を備え、
    上記積層プログラム入力機構は、上記吸着筒によって吸着する繊維シートのうち、上記重合位置での当該繊維シートの下方に位置する上記既に積層された繊維シート積層体の繊維シートと重なる部分を上記保持位置に設定することを特徴とする請求項3に記載の繊維シート積層装置。
  5. テープ状の繊維シートを順次所要長さに切断して複数の短冊状の繊維シートを作成し、複数の短冊状の繊維シートを保持領域まで搬送し、短冊状の繊維シートを保持領域においてロボットにより保持してから所定の積層領域まで移送した後に、該ロボットに保持した繊維シートを既に積層領域において積層された繊維シート積層体に重ね合わせた状態で押圧するとともに加熱して溶着させることを特徴とする繊維シートの積層方法。
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