JP2017215241A - 物標検出方法、及び、レーダ装置 - Google Patents

物標検出方法、及び、レーダ装置 Download PDF

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【課題】ミスペアリングを抑制する。【解決手段】アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置の物標検出方法であって、前記レーダ装置が、前記ピークの前記ペアに基づいて、前記物標までの距離、及び、前記物標との相対速度を算出し、前記距離の時間微分値と前記相対速度との差の絶対値が第1閾値以上である場合、前記物標が不要物標であると判定する、物標検出方法である。【選択図】図5

Description

本発明は、物標検出方法、及び、レーダ装置に関する。
近年、交通事故の防止等のために、周囲の車両までの距離や当該車両との相対速度を計測するレーダ装置が車両に搭載されている。レーダ装置の1つの方式として、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式がある。FM−CW方式のレーダ装置は
、三角波で周波数変調した送信波を送信し、車両等の物標で反射された反射波を受信し、送信信号と受信信号とをミキシングして得られるビート信号に基づいて、物標までの距離や物標との相対速度を求めることができる。
特開2003−149325号公報 特開2010−175256号公報
FM−CW方式のレーダ装置において、三角波で周波数変調された送信信号は、周波数の上昇下降を繰り返す。送信信号のうち、送信信号の周波数が時間とともに上昇する期間をアップチャープ期間、送信信号の周波数が時間とともに下降する期間をダウンチャープ期間という。レーダ装置は、アップチャープ期間のビート信号とダウンチャープ期間のビート信号とに対して、それぞれ、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transfer)
を行い、周波数スペクトルを得る。各期間の周波数スペクトルにおいて、1つの物標に対して1つの周波数ピークが現れる。レーダ装置は、アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークの周波数と、ダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークの周波数とのペアに基づいて、物標までの距離や物標との相対速度を求めることができる。
複数の物標が存在すると、各期間の周波数スペクトルには、複数のピークが現れる。ピークのペアの作成は、角度差、パワー差、周波数差等に基づくペアリング条件に従って行われる。また、過去に検出された物標との距離差、相対速度差、横位置差等に基づく連続条件に従って、作成されたペアが同一物標からのものであるかが判断されている。このとき、異なる物標からの反射波に基づくピークの組み合わせによるペアであっても、ペアリング条件、連続条件を満たした場合、実際には存在しないにもかかわらず、同一物標からのピークに基づくペアとして認識される。ピークの誤った組み合わせでペアを作る(ミスペアリングする)と、レーダ装置は、実際には存在しない物標を認識し、実際に存在する物標を認識しないことがあるため、物標の誤認識の原因であるミスペアリングを避けることが求められる。
本発明は、ミスペアリングを抑制する物標検出方法、レーダ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置の物標検出方法であって、
前記レーダ装置が、
前記ピークの前記ペアに基づいて、前記物標までの距離、及び、前記物標との相対速度を算出し、
前記距離の時間微分値と前記相対速度との差の絶対値が第1閾値以上である場合、前記物標が不要物標であると判定する、
物標検出方法とする。
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。
本発明によれば、ミスペアリングを抑制する物標検出方法、レーダ装置を提供することができる。
図1は、実施形態に係るレーダ装置の構成例を示す図である。 図2は、送信信号、受信信号、ミキシング後の信号の時間変化の例を示す図である。 図3は、距離の時間微分値と、対象物標の相対速度の例を示す図である。 図4は、レーダ装置1による物標検出処理の全体の動作フローの例を示す図である。 図5は、不要物標検出処理1の動作フローの例を示す図である。 図6は、不要物標検出処理2の動作フローの例を示す図である。 図7は、不要物標検出処理3の動作フローの例を示す図である。
〔実施形態〕
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。ここで示される具体的な数値は、一例であり、ここに記載される数値に限定されるものではない。
(構成例)
図1は、本実施形態に係るレーダ装置の構成例を示す図である。本実施形態に係るレーダ装置1は、車両に搭載され、他の車両、標識、ガードレール等、車両の周囲に存在する物標を検知することに用いることができる。物標の検知結果は、車両の記憶装置やECU(Electrical Control Unit)2等に対して出力され、例えばPCS(Pre-crash Safety System)などの車両制御に用いることができる。但し、本実施形態に係るレーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(例えば、飛行中の航空機や航行中の船舶の監視等)に用いられてもよい。
レーダ装置1は、送信アンテナ7、発振器8、信号生成部9を備える。また、レーダ装置1は、等間隔に配置された受信アンテナ3(ch1−4)、各受信アンテナ3に各々繋がるミキサ4(ch1−4)、各ミキサ4に各々繋がるAD(Analog to Digital)変換
器5(ch1−4)、各AD変換器5のデータを処理する信号処理装置15を備える。こ
こでは、受信アンテナ3、ミキサ4、AD変換器5の個数を4個ずつとしているが、これらの個数は、4個ずつに限定されるものではない。
なお、レーダ装置1は、受信アンテナ毎に専用の受信回路を設けてもよいが、全受信アンテナによる受信信号をまとめて受信する受信回路を設けてもよい。この場合、時分割で受信回路が対応する受信アンテナを順次切り替える制御が必要となるが、レーダ装置1の回路構成をコンパクトにできる。
レーダ装置1は、信号生成部9で送信波STを生成して、発振器8で変調し、送信アンテナ7を介して送信する。レーダ装置1は、受信アンテナ3を介して、車両等の物標からの反射波を受信波SRとして受信する。ミキサ4(ch1−4)は、受信波SRと送信波STとをミキシングし、ビート信号SBを得る。FM−CWの場合、送信波STと受信波SRとの周波数差が物標とレーダ装置との距離に対して線形に増減するため、この周波数差が距離の変動成分となる。また、送信波STが物標で反射した際に受信波SRが物標の速度による影響を受け、物標とレーダ装置1との相対速度に対して線形にパルス間の周波数の差が増減するため、このパルス間の周波数差によるビート信号SBの変動成分が速度の変動成分となる。なお、相対速度や距離の異なる物標が複数存在する場合、各受信アンテナ3にはフェーズシフト量やドップラシフト量の異なる反射波が複数受信され、各ミキサ4(ch1−4)から得られるビート信号SBには各物標に対応した様々な成分が含まれることになる。
AD変換器5(ch1−4)は、各ミキサ4(ch1−4)からビート信号SBを得て、アナログ信号であるビート信号SBを所定の周波数でサンプリングしてデジタル信号に変換する。
信号処理装置15は、コンピュータプログラムに従って信号の演算処理を行うプロセッサ6や、演算処理に係る情報を記憶するメモリ16を備えたコンピュータである。メモリ16は、コンピュータプログラムや設定値を記憶する補助記憶部や、演算処理に用いる情報を一時的に記憶する主記憶部など、複数のメモリから構成されてもよい。信号処理装置15は、車両から電力が供給されるとプロセッサ6がコンピュータプログラムを実行し、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13といった機能部を実現する。例えば、送信制御部10は、予め設定されたパラメータに基づいて送信信号を生成して出力させるように信号生成部9を制御する。フーリエ変換部11は、複数の物標からの反射波が重なり合った状態で受信信号SRとして受信されるため、この受信信号SRに基づいて生成されたビート信号SBから、各物標の反射波に基づく周波数成分を分離する処理(例えば、FFT(Fast Fourier Transfer)処理)を行う。FFT処理では、
所定の周波数間隔(ステップ)で設定された周波数ポイント(周波数BINという場合がある)ごとに受信レベルや位相情報が算出される。例えば、周波数BINの数は、1024である。ピーク抽出部12は、フーリエ変換部11によるFFT処理等の結果からピークを検出する。また、ピーク抽出部12は、各物標との距離に応じたピークが生じた周波数ビンを検出する。受信信号SRから生成されたビート信号SBを取得しピークを検出する処理は、受信アンテナ3で受信された受信信号SRから生成されたビート信号のそれぞれについて実行される。演算部13は、ピークの履歴の抽出、静止物のピークの抽出、方位演算処理、ピークのペアリング処理、ピークの連続性判定処理、移動物判定処理、フィルタ処理、上下方物処理、次回予測処理、不要物除去処理などの物標検出処理を行い、物標までの距離、物標の方向、物標の相対速度等を求める。
信号処理装置15は、例えばMCU(Micro Controller Unit)として構成されるが、
これに限定されるものではなく、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13の機能を実現できるものであれば、どのような構成を採用してもよい。ま
た、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13は、プロセッサ6がメモリ16と協働してコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能部であるが、説明の便宜上、図1ではプロセッサ6内に各機能部を図示している。なお、これらの機能部は、汎用のプロセッサ6がコンピュータプログラム(ソフトウェア)に基づいて実現する構成に限定されず、例えば、プロセッサ6の内部あるいは外部に配置された専用の演算回路(ハードウェア)によってその全部または一部が実現される構成であってもよい。メモリ16には、計算で使用される計算式や値、計算結果、各種フラグ、カウンタ、過去に検出された物標の情報等が格納される。信号処理装置15は、レーダ装置1から独立したコンピュータであってもよい。このとき、信号処理装置15は、受信信号等のデータをレーダ装置1から受信する。
〈ミスペアリング〉
FM−CW方式のレーダ装置1は、三角波で周波数変調した送信波を送信する。送信波は、車両等の物標に到達し、反射される。レーダ装置1は、物標で反射された反射波を受信する。レーダ装置1は、送信波(送信信号)と受信した受信波(受信信号)とをミキサ4でミキシングして、ビート信号を得る。レーダ装置は、得られたビート信号に基づいて、物標までの距離や物標との相対速度を求めることができる。
図2は、送信信号、受信信号、ミキシング後の信号の時間変化の例を示す図である。レーダ装置は、周波数fに対して周波数変調幅Δf、周期Tの三角波の周波数変調をかけて送信信号として、送信する。送信信号の周波数が時間とともに上昇する期間をアップチャープ期間、送信信号の周波数が時間とともに下降する期間をダウンチャープ期間という。レーダ装置から距離Lの位置にあり、レーダ装置との相対速度Vで移動する物標に送達した送信信号は、物標で反射される。受信信号は、物標までの距離がLであることから、送信信号の送信時刻から時間2L/Cだけ遅れて受信される。また、受信信号の周波数は、ドップラー効果により、送信信号の周波数に対して、2fV/Cだけシフトする。ドップラシフト量は、相対速度に依存する。ここで、Cは光速である。送信信号と受信信号とをミキシングすると、次のように、2つのビート信号(周波数f、f)が得られる。
Figure 2017215241
この2つのビート信号から、次のように、距離Lと相対速度Vを求めることができる。
Figure 2017215241

距離や相対速度は、周波数BINを単位として表わされることがある。周波数BINは、FFTの際の周波数の1つのステップである。1周波数BIN当たりの周波数ステップ幅をX[Hz/周波数BIN]とすると、距離Lや相対速度は、周波数BINを単位とし
て、次のように表される。
Figure 2017215241

ここで、1周波数BINあたりの距離は(CT)/(8ΔfL)であり、1周波数BINあたりの相対速度はC/(4f)である。
ビート信号の周波数(f、f)は、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間において、それぞれ、FFTを行った結果の周波数スペクトルのピークとして求められる。物標が1つである場合、アップチャープ期間(または、ダウンチャープ期間)の周波数スペクトルのピークは、原則として、1つである。一方、物標が複数存在する場合、アップチャープ期間(または、ダウンチャープ期間)の周波数スペクトルのピークは、原則として、物標毎に現れることになる。物標までの距離や物標との相対速度を求めるには、アップチャープ期間のピークと、ダウンチャープ期間のピークとが必要となる。アップチャープ期間におけるピークとダウンチャープ期間におけるピークの組み合わせ(ペアリング)は、ピークの大きさや方向等から判定されるが、想定外の反射等が発生し、異なる物標からの反射に基づくピーク同士をペアリングすることがある。間違えてピークのペアリングをする(ミスペアリングする)と、実際には存在しない物標を認識し、実際に存在する物標を認識しないことがある。ミスペアリングによる物標は、早めに除去されることが望ましい。
〈距離の時間微分値と相対速度〉
図3は、距離の時間微分値と、対象物標の相対速度の例を示す図である。図3では、レーダ装置が搭載された車両と、物標である先行車とが示されている。図3の左側では、アップチャープ期間とダウンチャープ期間のピークから求めた、レーダ装置搭載車両と先行車との距離は10mであり、レーダ装置搭載車両との先行車の相対速度は−2.7m/sである。また、図3の右側は、図3の右側の0.05秒後の例を示している。0.05秒は、周波数変調の三角波の周期である。図3の右側では、アップチャープ期間とダウンチャープ期間のピークから求めた、レーダ装置搭載車両と先行車との距離は9.841mであり、先行車の相対速度は−8.3m/sである。先行車は、0.05秒の間に、レーダ装置搭載車両に、0.159m(=10m−9.841m)近づいている。一方、前の先行車の位置と、後の先行車の位置と、前と後との時間差から求めた距離の時間微分値は、−3.18m/sであり、相対速度−8.3m/sと大きくずれている。これは、ミスペアリングが発生している可能性があると考えられる。
(動作例)
〈全体〉
図4は、レーダ装置1による物標検出処理の全体の動作フローの例を示す図である。図4の動作フローは、レーダ装置1を搭載する車両からレーダ装置1に電力が供給された場合にプロセッサ6が実行する動作フローである。プロセッサ6は、車両の駆動源が作動状態、例えば、駆動源が内燃機関であればイグニッションスイッチがオンになった場合、ハイブリッドシステムやEV(Electric Vehicle)システムであればシステム電源がオンになった場合、図3の動作フローが開始される。当該動作フローは、送信信号のアップチャープとダウンチャープとによる1周期毎に実行される。
S001では、レーダ装置1のプロセッサ6は、レーダ装置1の要求仕様に目的の検知速度範囲や速度分解能、検知距離範囲等に応じて予め定めたパラメータに従って送信信号STを出力させるように、送信制御部10に、信号生成部9へ送信信号STの生成及び出力を指示させる。送信制御部10は、信号生成部9へ送信信号STの生成及び出力を指示する。信号生成部9は、指示に基づいて送信信号STを生成する。
当該指示に基づいて生成された送信信号STが発振器8を介して送信アンテナ7から送信され、物標で反射された反射波が受信信号SRとして受信アンテナ3で受信されると、ミキサ4で送信信号STと受信信号SRとからビート信号SBが生成され、AD変換器5(ch1−4)がビート信号SBをA/D変換する。
S002では、プロセッサ6のフーリエ変換部11は、AD変換器5(ch1−4)で、A/D変換された信号を取得し、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間のそれぞれに対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理する。
S003では、プロセッサ6のピーク抽出部12は、S002の処理結果から、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間のそれぞれで、ピーク(の周波数ビン)を検出する。
S004では、プロセッサ6の演算部13は、物標で反射された反射波を受信アンテナ3で受信した受信信号SRまたは受信信号SRに基づく信号に基づいて、周波数スペクトルのピークのペアリングをし、物標までの距離、物標の方向、物標との相対速度の推定を含む物標検出処理演算をする。演算部13は、物標の検出結果を、記憶装置(メモリ16等)やECU2等に対して出力する。物標の検知結果には、物標までの距離や物標の方向物標との相対速度等が含まれる。
〈不要物標検出処理1〉
ここでは、図4の動作フローのS004の物標検出処理における不要物標検出処理1について説明する。ここでは、周波数のピークのペアリングされた各ペアに対して、不要物標(ミスペアリングによる物標)であるか否かの判定を行うことで、不要物標の検出を行う。
図5は、不要物標検出処理1の動作フローの例を示す図である。前提として、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間のピークのペアリングがされているとする。ペアリングによる各ペアは、それぞれ物標に対応する。ペアリングによって、各ピークの位置(周波数)から物標までの距離、物標との相対速度が演算部13によって算出され得る。各ペアは、連続条件等により、過去に検出された物標に対応するか否かを判定されている。過去に検出された物標には、識別子が割り当てられている。各種識別子、各種フラグ、各種カウンタ、各種テーブル等は、メモリ16に格納される。
S101では、演算部13は、不要物標検出対象のペアによる物標(対象物標ともいう)の相対速度(今回のペアから求められる相対速度)と、今回の対象物標の距離と前回の対象物標の距離とから求める距離の時間微分値との差を算出する処理を行う。前回の対象物標は、今回のペアによる対象物標に、連続条件などから対応付けられている物標である。前回の対象物標は、前の周期で計測された物標である。当該距離の時間微分値は、相対速度に相当する。当該距離の時間微分値は、次のように求められる。
Figure 2017215241

ペアから求められる相対速度と、今回の距離と前回の距離との差に基づいて求められる距離の時間微分値とが異なるとき、ミスペアリングによる不要物標が発生している可能性がある。
S102では、演算部13は、S101で求めた差の絶対値が、第1閾値以上であるか否かを判定する。第1閾値は、差が不要物標を示すか否かを判定するための閾値である。第1閾値は、例えば、今回の物標までの距離に依存した値(距離の関数)である。第1閾値を距離に依存した値とする場合、距離が短いほど第1閾値は小さくなる(距離に対して単調減少する)。距離が長いほど距離の精度が低くなるため、閾値を小さくするとミスペアリングが発生していないペアを検出するおそれがあるからである。第1閾値は、あらかじめ設定された距離の値と第1閾値とを対応付けたテーブルによって選択されてもよい。第1閾値は、固定値であってもよい。差の絶対値が第1閾値以上である場合(S102;YES)、処理がS103に進む。差の絶対値が第1閾値未満である場合(S102;NO)、処理がS104に進む。
S103では、演算部13は、不要物標状態カウンタをインクリメントする(カウンタ値に+1を加算する)。不要物標状態カウンタは、不要物標と疑われる状態の連続回数を計数するカウンタである。不要物標カウンタの初期値は0である。
S104では、演算部13は、不要物標状態カウンタをリセットする(カウンタ値を0にする)。このとき、対象物標は、ミスペアリングによる物標ではないと考えられる。
S105では、演算部13は、不要物標状態カウンタの値が、第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、不要物標であると判定する、不要物標と疑われる状態の連続回数を示す値である。第2閾値は、例えば、距離に依存した値(距離の関数)である。距離に依存した値とする場合、距離が短いほど、第2閾値は小さくなる(距離に対して単調減少する)。距離が短い場合、レーダ装置1が搭載される車両に物標が自車両の走行の障害になる可能性が高くなるので、早く判断するために、第2閾値を小さくする。第2閾値は、あらかじめ設定された距離の値と第2閾値とを対応付けたテーブルによって選択されてもよい。例えば、テーブルでは、距離と第2閾値(回数)とが、10m未満、2回、15m未満、3回、20m未満、4回、25m未満、5回、25m以上、6回などと設定される。第2閾値は、固定値であってもよい。不要物標状態カウンタの値が第2閾値以上である場合(S105;YES)、処理がS106に進む。不要物標状態カウンタの値が第2閾値未満である場合(S105;NO)、処理がS107に進む。
S106では、演算部13は、対象物標を不要物標であると判定し、以後、物標として出力しない。即ち、対象物標は、消失することになる。
S107では、演算部13は、対象物標を物標として出力する。
これにより、所定の回数、連続して、不要物標と疑われる状態と判定されたペアによる対象物標は、不要物標であると判定されて、物標として出力されなくなる。レーダ装置1は、物標との距離によって、距離の時間微分値と相対速度との差の閾値、回数の閾値を変更することで、より正確に、不要物標を検出することができる。
〈不要物標検出処理2〉
ここでは、図4の動作フローのS004の物標検出処理における不要物標検出処理2について説明する。ここでは、上記と同様に、周波数のピークのペアリングされた各ペアに対して、不要物標(ミスペアリングによる物標)であるか否かの判定を行うことで、不要物標の検出を行う。
図6は、不要物標検出処理2の動作フローの例を示す図である。前提として、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間のピークのペアリングがされているとする。ペアリングによる各ペアは、それぞれ物標に対応する。ペアリングによって、各ピークの位置(周波数)から物標までの距離、物標との相対速度が演算部13によって算出され得る。各ペアは、連続条件等により、過去に検出された物標に対応するか否かを判定されている。過去に検出された物標には、識別子が割り当てられている。過去に検出された物標は、移動物であるか否かを判定されている。移動物であると判定された物標に対しては、移動物フラグがONにされている。移動物でない物標は、静止物である。静止物の物標に対しては、移動物フラグがOFFにされている。過去に移動物であると判定された物標に対しては、過去移動物フラグがONにされている。過去移動物フラグは、自車速(レーダ装置1が搭載される車両の速度)が所定値(例えば、5km/h〜20km/hの間で適宜選択される値)以上であるときに移動物フラグがONである場合にONにされ、対応する物標が消失するまで、ON状態が継続される。各種識別子、各種フラグ、各種カウンタ、各種テーブル等は、メモリ16に格納される。
S201では、演算部13は、ミスペアリング発生の検出の前提条件を満たしているか否かを判定する。前提条件は、対象物標の過去移動物フラグがONであること、対象物標までの距離が80m以下かつ10m以上であること、及び、相対横位置が5.4m以下であることである。相対横位置は、レーダ装置1が搭載される車両の進行方向との距離である。相対横位置が5.4m以下であることは、対象物標(先行車)が、レーダ装置1が搭載される車両と同一の走行車線か、隣接する走行車線を走行していることを示す。同一の走行車線にも隣接する走行車線にも存在しない物標には、自車両の走行の障害になる可能性が低いので、検出の対象から除外する。対象物標までの距離が80m超の物標は、遠方であるため、不要物標であっても、レーダ装置1が搭載される車両の制動に影響を与える可能性が低いので、検出の対象から除外する。対象物標までの距離が10m未満の物標を、間違えて不要物標としてしまうと、レーダ装置1が搭載される車両(自車両)の走行の障害になる可能性があるので、ここでの検出対象からは除外する。前提条件を満たす場合(S201;YES)、処理がS202に進む。前提条件を満たさない場合(S201;NO)、不要物標検出処理2の動作フローが終了する。
S202では、演算部13は、対象物標の相対速度(今回のペアから求められる相対速度)と、今回の対象物標の距離と前回の対象物標の距離とから求める距離の時間微分値とを算出する処理を行う。前回の対象物標は、今回のペアによる対象物標に、連続条件などから対応付けられている物標である。前回の対象物標は、前の周期で計測された物標である。当該距離の時間微分値は、上記と同様に求められる。
S203では、演算部13は、ミスペアリング発生フラグがONであるか否かを判定する。ミスペアリング発生フラグがONである場合(S203;YES)、処理がS206に進む。ミスペアリング発生フラグがONでない場合(S203;NO)、処理がS204に進む。なお、ミスペアリング発生フラグの初期値は、OFFである。
S204では、演算部13は、ミスペアリングの発生を検出する第1条件を満たしている否かを判定する。第1条件は、対象物標のペアのペア信頼性判定値が180超であること、S202で求めた距離の時間微分値と対象物標の今回のペアから求められる相対速度
との差の絶対値が第3閾値以上であること、及び、対象物標の今回のペアから求められる相対速度と対象物標の前回のペアから求められる相対速度との差(相対速度差、相対速度の変化量)の絶対値が第4閾値以上であることである。相対速度差の条件は、距離飛びを誤検知しないための条件である。距離飛びは、ペアリングは正しいが、前回の対象物標と今回の対象物標との連続性(対応付け)の判断を誤った際に起こる現象である。ペア信頼性判定値は、ペアリングのペアの信頼性を示す指標であり、値が小さいほど、ペアの信頼性が高いと考えられる。ペア信頼性判定値は、例えば、ペアを構成するピーク同士のマハラノビス距離(それぞれのピークが持つパラメータ(強度、周波数、等)間の相関を表す統計量として演算される値)である。マハラノビス距離が例えば30以下であれば、ペアの信頼度が高いとみなされる。第3閾値は、対象物標までの距離に依存した値(距離の関数)である。距離が短いほど、第3閾値は小さくなる(距離に対して単調減少する)。第3閾値は、例えば、距離50m以上で19.2m/s、30m以上50m未満で12.8m/s、30m未満で6.4m/sとする。また、第4閾値は、対象物標までの距離に依存した値(距離の関数)である。距離が短いほど、第4閾値は小さくなる(距離に対して単調減少する)。第4閾値は、例えば、距離50m以上で2.7m/s、30m以上50m未満で1.8m/s、30m未満で0.9m/sとする。第3閾値、第4閾値は、固定値であってもよい。第1条件を満たす場合(S204;YES)、処理がS205に進む。第1条件を満たさない場合(S204;NO)、不要物標検出処理2の動作フローが終了する。
S205では、演算部13は、ミスペアリング発生フラグをONにし、ミスペアリング判定カウンタの値を3にする。
一方、S206では、演算部13は、ミスペアリング判定カウンタを条件に従って、操作する。演算部13は、対象物標のペアのペア信頼性判定値が120超であるとき、ミスペアリング判定カウンタの値に+2を加算する。演算部13は、S202で求めた距離の時間微分値と対象物標の今回のペアから求められる相対速度との差の絶対値が第3閾値以上であること、及び、対象物標の今回のペアから求められる相対速度と対象物標の前回のペアから求められる相対速度との差の絶対値が第4閾値以上であることを満たすとき、ミスペアリング判定カウンタの値に+2を加算する。また、演算部13は、対象物標のペアのペア信頼性判定値が30以下であるとき、ミスペアリング判定カウンタの値に−1を加算する。演算部13は、今回の対象物標の距離と前回の対象物標の距離とから求める距離の時間微分値が第5閾値未満であるとき、ミスペアリング判定カウンタの値に−1を加算する。第5閾値は、対象物標までの距離に依存した値(距離の関数)である。距離が短いほど、第5閾値は小さくなる(距離に対して単調減少する)。第5閾値は、例えば、距離50m以上で2.7m/s、30m以上50m未満で1.8m/s、30m未満で0.9m/sとする。第5閾値は、固定値であってもよい。
S207では、演算部13は、ミスペアリング判定カウンタの値が所定値(例えば、10〜30の間で適宜選択される値)以上であるか否かを判定する。ミスペアリング判定カウンタの値が23未満である場合(S207;NO)、不要物標検出処理2の動作フローが終了する。さらに、ミスペアリング判定カウンタの値が0以下である場合、演算部13は、ミスペアリング発生フラグをOFFにする。また、ミスペアリング判定カウンタの値が23以上である場合(S207;YES)、処理がS208に進む。
S208では、演算部13は、対象物標を不要物標であると判定し、以後、物標として出力しない。即ち、対象物標は、消失することになる。
これにより、ミスペアリング判定カウンタが所定値以上であるペアによる対象物標は、不要物標であると判定されて、物標として出力されなくなる。レーダ装置1は、ミスペア
リング判定カウンタを操作して、ミスペアリングが発生しているか否かを時間をかけて判定する。ミスペアリングが発生していてもシステムに大きな影響を及ぼさない(車両の制動に影響を与えない)場合には、時間をかけて判定する。レーダ装置1は、ペア信頼性判定値や距離の時間微分値等に基づいて、ミスペアリングの発生を判定することができる。レーダ装置1は、距離の時間微分値と相対速度との差、相対速度の変化量を用いることで、距離とびをミスペアリングとして検知しないようにすることができ、ミスペアリング検出の精度を向上させることができる。
レーダ装置1は、物標との距離によって、距離の時間微分値と相対速度との差の閾値、相対速度差の閾値、回数の閾値を変更することで、より正確に、不要物標を検出することができる。
《外挿について》
演算部13は、前回の対象物標のペアが、今回の測定の周波数スペクトルから消失した場合(ピークが消えた場合)、前回の対象物標の距離及び相対速度を利用して、今回予想される対象物標の距離及び相対速度を求めることができる。前回の対象物標の距離及び相対速度を利用して今回の対象物標の距離及び相対速度を求めることを、外挿という。また、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間の両方の周波数スペクトルからピークが消えて外挿した場合を完全外挿、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間のうちどちらか一方の周波数スペクトルからピークが消えて外挿した場合を片側外挿という。演算部13は、完全外挿した場合には、完全外挿フラグをONにし、片側外挿した場合には、片側外挿フラグをONにする。S206において、演算部13は、完全外挿フラグまたは片側外挿フラグがONであるときに、ミスペアリング判定カウンタに+1を加算する。ミスペアリングにより認識される物標は、もともと存在しない物標であるため、対応するピークが消える(見つけられなくなる)ことが起こりやすくなると考えられる。そこで、外挿が発生している場合に、ミスペアリング判定カウンタに値を加算することで、ミスペアリングの判定を早く行うことができる。
〈不要物標検出処理3〉
ここでは、図4の動作フローのS004の物標検出処理における不要物標検出処理3について説明する。
トラックなどの大型の車両では、車体に複数の反射点が存在する。そして同じ車両の異なる反射点からのアップチャープ期間のピークの1つとダウンチャープ期間のピークの1つとが偶然に静止物相当の関係になっている場合、誤って静止物として、ミスペアリングすることがある。そのため、静止物による物標と判断された物標に対し、不要物標の判定を行う。
図7は、不要物標検出処理3の動作フローの例を示す図である。前提として、アップチャープ期間及びダウンチャープ期間のピークのペアリングがされているとする。ペアリングによる各ペアは、それぞれ物標に対応する。ペアリングによって、各ピークの位置(周波数)から物標までの距離、物標との相対速度が演算部13によって算出され得る。各ペアは、連続条件等により、過去に検出された物標に対応するか否かを判定されている。過去に検出された物標には、識別子が割り当てられている。過去に検出された物標は、移動物であるか否かを判定されている。移動物であると判定された物標に対しては、移動物フラグがONにされている。移動物でない物標は、静止物である。静止物の物標に対しては、移動物フラグがOFFにされている。過去に移動物であると判定された物標に対しては、過去移動物フラグがONにされている。過去移動物フラグは、自車速が所定値(例えば、5km/h〜20km/hの間で適宜選択される値)以上であるときに移動物フラグがONである場合にONにされ、対応する物標が消失するまで、ON状態が継続される。各
種識別子、各種フラグ、各種カウンタ、各種テーブル等は、メモリ16に格納される。
S301では、演算部13は、ミスペアリング発生の検出の前提条件を満たしているか否かを判定する。前提条件は、レーダ装置1が搭載される車両の速度(自車速)が35km/hであること、対象物標までの距離が25m以下であること、相対横位置が1.8m以下であること、及び、対象物標のペアが静止物のピークとしてペアリングされていることである。相対横位置が1.8m以下であることは、対象物標(先行車)が、レーダ装置1が搭載される車両と同一の走行車線を走行していることを示す。前提条件を満たさない場合(S301;NO)、不要物標検出処理3の動作フローが終了する。このとき、演算部13は、静止物ミスペアリング判定カウンタの値を0にし、ペア信頼性判定値平均値を初期化する。前提条件を満たす場合(S301;YES)、処理がS302に進む。
S302では、演算部13は、ペア信頼性判定値ミスペアリング判定を行う。演算部13は、対象物標のペアの今回と前回と前々回との過去3回のペア信頼性判定値の平均値(ペア信頼性判定値平均値)を算出する。対象物標のペアが3回分ない場合には、ここでの処理は行わない。演算部13は、ペア信頼性判定値平均値が90超であり、過去3回のペアのペア信頼性判定値の最大値が60超である場合、ペア信頼性判定値ミスペアリング判定フラグをONにする。
S303では、演算部13は、今回の対象物標の距離と前回の対象物標の距離とから求める距離の時間微分値を算出する処理を行う。前回の対象物標は、今回のペアによる対象物標に、連続条件などから対応付けられている物標である。前回の対象物標は、前の周期で計測された物標である。当該距離の時間微分値は、上記と同様に求められる。
S304では、演算部13は、静止物ミスペアリング判定を行う。演算部13は、(S303で求めた距離の時間微分値)−(対象物標の今回のペアから求められる相対速度)が第6閾値以上であるとき、静止物ミスペアリング判定カウンタに+1を加算する。
S305では、演算部13は、対象物標が物標確定条件を満たすか否かを判定する。物標確定条件は、対象物標が過去3周期において、連続する物標として存在していることである。連続する物標として存在している場合(S305;YES)、演算部13は、連続ペア確定フラグをONにし、処理がS306に進む。過去3周期において、連続する物標として存在していない場合(S305;YES)、不要物標検出処理3の動作フローが終了する。
S306では、演算部13は、静止物ミスペアリング条件を否かを判定する。静止物ミスペアリング条件は、ペア信頼性判定値ミスペアリング判定フラグがONであること、静止物ミスペアリング判定カウンタが2以上であること、及び、連続ペア確定フラグがONであること(即ち、連続ペアデータが存在すること)である。静止物ミスペアリング条件を満たさない場合(S306;NO)、処理がS307に進む。このとき、演算部13は、対象物標の連続ペアデータ、ペアデータ、静止物ミスペアリング判定カウンタ、ペア信頼性判定値平均値、ペア信頼性判定値ミスペアリング判定フラグを初期化する。また、静止物ミスペアリング条件を満たす場合(S306;YES)、演算部13は、静止物ミスペアリング判定フラグをONにし、処理がS308に進む。
S307では、演算部13は、対象物標を物標として、確定させる。ここでは、演算部13は、対象物標が静止物であると判定している。
S308では、演算部13は、対象物標を不要物標であると対象物標を判定し、物標として出力しない。ここでは、演算部13は、ミスペアリングが発生したと判定している。
これにより、レーダ装置1は、ミスペアリングで静止物による物標と判定された物標に対し、不要物標と判定させることができる。ここでは、演算部13は、ペアの信頼性(ペア信頼性判定値)と距離の時間微分値とを見ることで、静止物と誤認識された不要物標を精度よく判定できる。例えば、演算部13は、相対速度がレーダ装置1に近づく方向であるのに距離が変化しない対象物標を不要物標として検出することができる。レーダ装置1は、3周期で、静止物と誤認識された不要物標を判定することができる。不要物標検出処理3は、例えば、トラックなどの車長が長い車両(送信波の反射点が複数存在する車両)が先行車(物標)として走行している場合に、特に、有効である。
(実施形態の作用、効果)
FM−CW方式のレーダ装置1は、アップチャープ期間の周波数ピークとダウンチャープ期間の周波数ピークのペアリングにおいて、ミスペアリングを検出する。レーダ装置1は、対象物標の相対速度、ペアの信頼度、相対速度と距離の時間微分値との差分等に基づいて、ミスペアリングを検出する。レーダ装置1は、周波数ピークのペアのミスペアリングが発生したことを検出することで、物標検出の精度を向上させることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において変更したり組み合わせたりすることができる。
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
1 レーダ装置
2 ECU
3 受信アンテナ
4 ミキサ
5 A/D変換器
6 プロセッサ
7 送信アンテナ
8 発信器
9 信号生成部
10 送信制御部
11 フーリエ変換部
12 ピーク抽出部
13 演算部
15 信号処理装置
16 メモリ

Claims (5)

  1. アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置の物標検出方法であって、
    前記レーダ装置が、
    前記ピークの前記ペアに基づいて、前記物標までの距離、及び、前記物標との相対速度を算出し、
    前記距離の時間微分値と前記相対速度との差の絶対値が第1閾値以上である場合、前記物標が不要物標であると判定する、
    物標検出方法。
  2. 前記第1閾値は、前記距離に依存する値である、
    請求項1に記載の物標検出方法。
  3. 前記レーダ装置が、
    前記距離の時間微分値と前記相対速度との差の絶対値が前記第1閾値以上であり、かつ、前記相対速度の変化量の絶対値が第2閾値以上である場合、前記物標が不要物標であると判定する、
    請求項1または2に記載の物標検出方法。
  4. 前記第2閾値は、前記距離に依存する値である、
    請求項3に記載の物標検出方法。
  5. アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置であって、
    前記ピークの前記ペアに基づいて、前記物標までの距離、及び、前記物標との相対速度を算出し、前記距離の時間微分値と前記相対速度との差の絶対値が第1閾値以上である場合、前記物標が不要物標であると判定する演算部、
    を備えるレーダ装置。
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