JP6610894B2 - 物標検出方法、及び、レーダ装置 - Google Patents
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、三角波で周波数変調した送信波を送信し、車両等の物標で反射された反射波を受信し、送信信号と受信信号とをミキシングして得られるビート信号に基づいて、物標までの距離や物標との相対速度を求めることができる。
を行い、周波数スペクトルを得る。各期間の周波数スペクトルにおいて、1つの物標に対して1つの周波数ピークが現れる。レーダ装置は、アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークの周波数と、ダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークの周波数とのペアに基づいて、物標までの距離や物標との相対速度を求めることができる。複数の物標が存在すると、各期間の周波数スペクトルには、複数のピークが現れる。このとき、ピークの誤った組み合わせでペアを作る(ミスペアリングする)と、レーダ装置は、実際には存在しない物標を認識し、実際に存在する物標を認識しないことがあるため、物標の誤認識の原因であるミスペアリングを避けることが求められる。
即ち、第1の態様は、
アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置の物標検出方法であって、
レーダ装置が、検出された前記物標までの距離の時間微分値と前記ピークから求められる前記物標の前記レーダ装置に対する相対速度との差とが所定値以上であり、車体の側面の反射による不適切なペアが発生しやすい条件を満たす場合、当該ペアによる物標が不要
物標であると判定する、
物標検出方法とする。
図1は、本実施形態に係るレーダ装置の構成例を示す図である。本実施形態に係るレーダ装置1は、車両に搭載され、他の車両、標識、ガードレール等、車両の周囲に存在する物標を検知することに用いることができる。物標の検知結果は、車両の記憶装置やECU(Electrical Control Unit)2等に対して出力され、例えばPCS(Pre-crash Safety System)などの車両制御に用いることができる。但し、本実施形態に係るレーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(例えば、飛行中の航空機や航行中の船舶の監視等)に用いられてもよい。
器5(ch1−4)、各AD変換器5のデータを処理する信号処理装置15を備える。ここでは、受信アンテナ3、ミキサ4、AD変換器5の個数を4個ずつとしているが、これらの個数は、4個ずつに限定されるものではない。
所定の周波数間隔(ステップ)で設定された周波数ポイント(周波数BINという場合がある)ごとに受信レベルや位相情報が算出される。例えば、周波数BINの数は、1024である。ピーク抽出部12は、フーリエ変換部11によるFFT処理等の結果からピークを検出する。また、ピーク抽出部12は、各物標との距離に応じたピークが生じた周波数ビンを検出する。受信信号SRから生成されたビート信号SBを取得しピークを検出する処理は、受信アンテナ3で受信された受信信号SRから生成されたビート信号のそれぞれについて実行される。演算部13は、ピークの履歴の抽出、静止物のピークの抽出、方位演算処理、ピークのペアリング処理、ピークの連続性判定処理、移動物判定処理、フィルタ処理、上下方物処理、次回予測処理、不要物除去処理などの物標検出処理を行い、物標までの距離、物標の方向、物標の相対速度等を求める。
これに限定されるものではなく、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13の機能を実現できるものであれば、どのような構成を採用してもよい。また、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13は、プロセッサ6がメモリ16と協働してコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能部であるが、説明の便宜上、図1ではプロセッサ6内に各機能部を図示している。なお、これらの機能部は、汎用のプロセッサ6がコンピュータプログラム(ソフトウェア)に基づいて実現する構成に限定されず、例えば、プロセッサ6の内部あるいは外部に配置された専用の演算回路(ハードウェア)によってその全部または一部が実現される構成であってもよい。メモリ16には、計算で使用される計算式や値、計算結果、各種フラグ、カウンタ、過去に検出された物標の情報等が格納される。信号処理装置15は、レーダ装
置1から独立したコンピュータであってもよい。このとき、信号処理装置15は、受信信号等のデータをレーダ装置1から受信する。
FM−CW方式のレーダ装置1は、三角波で周波数変調した送信波を送信する。送信波は、車両等の物標に到達し、反射される。レーダ装置1は、物標で反射された反射波を受信する。レーダ装置1は、送信波(送信信号)と受信した受信波(受信信号)とをミキサ4でミキシングして、ビート信号を得る。レーダ装置は、得られたビート信号に基づいて、物標までの距離や物標との相対速度を求めることができる。
て送信信号として、送信する。送信信号の周波数が時間とともに上昇する期間をアップチャープ期間、送信信号の周波数が時間とともに下降する期間をダウンチャープ期間という。レーダ装置から距離Lの位置にあり、レーダ装置との相対速度Vで移動する物標に送達した送信信号は、物標で反射される。受信信号は、物標までの距離がLであることから、送信信号の送信時刻から時間2L/Cだけ遅れて受信される。また、受信信号の周波数は、ドップラー効果により、送信信号の周波数に対して、2f0V/Cだけシフトする。ド
ップラシフト量は、相対速度に依存する。ここで、Cは光速である。送信信号と受信信号とをミキシングすると、次のように、2つのビート信号(周波数fH、fL)が得られる。
〈全体〉
図3は、レーダ装置1による物標検出処理の全体の動作フローの例を示す図である。図2の動作フローは、レーダ装置1を搭載する車両からレーダ装置1に電力が供給された場合にプロセッサ6が実行する動作フローである。プロセッサ6は、車両の駆動源が作動状態、例えば、駆動源が内燃機関であればイグニッションスイッチがオンになった場合、ハイブリッドシステムやEV(Electric Vehicle)システムであればシステム電源がオンになった場合、図3の動作フローが開始される。当該動作フローは、送信信号のアップチャープとダウンチャープとによる1周期毎に実行される。
ここでは、図3の動作フローのS104の物標検出処理におけるミスペアリング検出処理について説明する。ここでは、主に、周波数のピークのペアリングされた各ペアに対して、車長が長い車両の側面を起因とするミスペアリングを検出する。ミスペアリングの検出は、物標検出処理の不要物除去処理で行われる。
との比較処理(第3処理)を行う。演算部13は、対象物標の今回のアップチャープ期間(及びダウンチャープ期間)のピークの周波数BINと、対象物標の前回の距離、相対速度から求められる予測のピークの周波数BINとの差分を算出する。予測の周波数BINは次のように求められる。
距離や相対速度との間に大きな誤差はない。しかし、レーダ装置と対象車両との移動に伴って相対的な位置関係が変化していくと、はじめ近接していた2つの反射点がそれぞれ移動していき、距離が離れていくことがある。2つの反射点の距離が離れると、離れた位置にある2つの反射点のピークをペアリングして1つの物標として検出している状態となり、実際の反射点の位置や相対速度と検出物標の位置や相対速度との誤差が大きくなる。そして、車長が長い車両側面などの大きく離れた2つの反射点からのピーク同士がペアリングされた場合は、あたかも静止物として検知されることがある。そこで、演算部13は、対象物標が静止物として検知された物標と連続性のある物標であるか否かを判定する。言い換えれば、はじめ移動物として検知されていた対象物標が、ある時点であたかも静止物であるかのように検知されたか否かを判定する。
発生していると可能性があると考えられる。
FM−CW方式のレーダ装置1は、アップチャープ期間の周波数ピークとダウンチャープ期間の周波数ピークのペアリングにおいて、車両の側面の反射によるミスペアリングを検出する。レーダ装置1は、自車速、相対速度、予測の周波数BINと計測された周波数BINとの差分、ペアの信頼度、相対速度と距離の時間微分値との差分等に基づいて、車両の側面の反射によるミスペアリングを検出する。レーダ装置1は、周波数ピークのペア
のミスペアリングが発生を検出することで、物標検出の精度を向上させることができる。レーダ装置1は、特に、長い車両が走行している車線に合流するような場合に生じるミスペアリングを精度よく検出することができる。
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
2 ECU
3 受信アンテナ
4 ミキサ
5 A/D変換器
6 プロセッサ
7 送信アンテナ
8 発信器
9 信号生成部
10 送信制御部
11 フーリエ変換部
12 ピーク抽出部
13 演算部
15 信号処理装置
16 メモリ
Claims (5)
- アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置の物標検出方法であって、
前記レーダ装置が、検出された前記物標までの距離の時間微分値と前記ピークから求められる前記物標の前記レーダ装置に対する相対速度との差が所定値以上であり、車体の側面の反射による不適切なペアが発生しやすい条件を満たす場合、当該ペアによる物標が不要物標であると判定し、
前記条件は、
前記レーダ装置が搭載される装置の移動速度が所定値以上であり、前記物標が移動物であると判定されることを含む、
物標検出方法。 - 前記条件は、
前記物標の前記レーダ装置に対する前記相対速度が、所定の範囲内であることを含む、請求項1に記載の物標検出方法。 - 前記条件は、
検出された物標の前記アップチャープ期間または前記ダウンチャープ期間の前記周波数スペクトルの前記ピークの予測された出現位置と実際の出現位置との差が所定値以上であること、及び、
検出された物標のアップチャープ期間とダウンチャープ期間のピークのペア信頼度をあらわすペア信頼性判定値が所定値以上であること、
のうち少なくとも1つを含む、
請求項1または2に記載の物標検出方法。 - 前記条件は、
検出された物標が、連続性の判定において、静止物と判定された物標と連続性のある物
標であることを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の物標検出方法。 - アップチャープ期間の周波数スペクトルのピークとダウンチャープ期間の周波数スペクトルのピークとのペアから物標を検出するレーダ装置であって、
検出された前記物標までの距離の時間微分値と前記ピークから求められる前記物標の前記レーダ装置に対する相対速度との差が所定値以上であり、車体の側面の反射による不適切なペアが発生しやすい条件を満たす場合、当該ペアによる物標が不要物標であると判定する演算部を備え、
前記条件は、
前記レーダ装置が搭載される装置の移動速度が所定値以上であり、前記物標が移動物であると判定されることを含む、
レーダ装置。
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