JP2017214121A - 部品内包膨張袋体及びこれを用いた投下回収型自然災害観測装置並びに自然災害観測方法 - Google Patents

部品内包膨張袋体及びこれを用いた投下回収型自然災害観測装置並びに自然災害観測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】雪崩の発生が予想される険しい山岳の傾斜地等であっても容易に設置可能であり、かつ雪崩が発生しても観測装置が雪に埋もれず、冬場であっても回収可能な自然災害観測装置を提供する。【解決手段】部品30、31を内包する空間部を備え、吸排気口からの気体流入によって収縮時の略扁平状態から膨張する可撓性シートからなる部品内包膨張袋体11の略重心位置を貫通する貫通孔12の略中央部に部品を設置し、吸排気口からガスを充填すると、空間部を形成している貫通孔が閉塞するように膨張する。これにより貫通孔に設置された部品は、可撓性シートに包まれるように押圧されその位置で保持・固定される。これにより、たとえ空中から投下されたとしても貫通孔から脱落しない。【選択図】図3

Description

本発明は搬送や空中からの投下による振動や衝撃によって破損・損壊しやすい物品を保護する部品内包膨張袋体、及びそれを用いた雪崩や土砂崩れ等の自然災害の発生を検知する投下回収型自然災害観測装置、並びに自然災害の発生を検知・観測する自然災害観測方法に関する。
険しい山岳の傾斜地などにおける雪崩や土砂崩れ等の自然災害の発生を検知、予測する従来技術として下記特許文献1から3がある。下記特許文献1に記載の技術は、雪崩等を観測する観測点設置機に移動GPS(Global Positioning System)受信機を設け、それを山岳地帯に設置するとともに、固定GPS受信機を既知の座標位置に設置する。固定GPS受信機の測位データと座標位置との測位誤差を補正位置演算手段で算出し、かかる測位誤差により、移動GPS受信機の測位データに対する正確な位置を、補正データとして算出する。この補正データから観測点設置機の移動を検知し自然災害の発生を検知する、というものである。
即ち、特許文献1に記載の技術は、雪崩等があったとき、雪崩により移動する移動観測機にGPSを設けるとともに、固定設置される固定観測機にもGPSを設け、両者の位置関係の変化により雪崩を検出するものである。従って、特許文献1に記載の技術では、GPS、送信機、電源等を備えた移動観測機を雪崩が発生するであろうと思われるところまで運搬・設置しなければならない。しかし、雪崩の発生が予想される場所の多くは、険しい山岳の傾斜地等であるため、そのような場所に観測機を設置することは容易でない。また、雪崩により観測機が雪に埋もれ、冬場に回収することができない、という問題がある。さらに、雪崩の衝撃により観測機が破壊され観測不能となり、またその破損片が散乱し自然環境の悪化をもたらす、という問題もある。
下記特許文献2に記載の技術は、積雪層の変位により外力が加わるとその大きさ及び方向と検出部自身の傾きから衝撃的加速度を検出するジャイロセンサーと、長手方向に適宜の間隔を存して設けられ、積雪層の各深さにおける温度を検出する複数の温度計と、加速度値と、温度データとを演算処理する演算部を備え、且つ雪崩の起き易い山間部等の傾斜面に適宜の距離を存してそれぞれ埋設された複数個の検出器と、これら各検出器側から伝送される検出データを収集する基地局に設けられ、各測定ポイント毎の検出データをリアルタイムで処理して各測定ポイント毎の基準加速度値を超えたデータと基準温度を超えたデータとを求めるデータ処理部と、このデータ処理部で処理された各データをもとに雪崩発生の可能性又は雪崩発生の有無とその規模を判定部で判定する、というものである。
即ち、特許文献2に記載の技術は、雪崩が予想される複数のポイントにジャイロセンサー等の電子機器が収められた筒体の上部を地上から出し、下部(杭)をスプリングジョイントで接続し地中に埋設する。そして、各ポイントから雪崩が発生したときの加速値等のデータを収集し、雪崩発生個所の特定とその規模を特定するというものである。この技術は地中に埋設される杭と電子機器が収められた筒体とがスプリングジョイントで接続されているため、雪解け後に観測装置を回収ができる可能性があるものの、特許文献1に記載の技術と同様に、雪崩の発生が予想される場所に観測装置を運搬・設置しなければならず、観測装置の設置が容易でない、という問題がある。また、電子機器の収納された筒体が破壊され観測不能になる、という問題もある。
下記特許文献3に記載の技術は、複数の検知ポールに設けられた所定の感度をもつ単一の振動センサーによって振動レベルである検知パルスを検出し、自然災害判断部により、検出された検知パルスと所定の閾値とに基づき、雪崩等の自然災害の発生の有無を判断したり、自然災害の規模を段階的に判断したりし、その判断結果を、記憶部によって記憶するようにするとともに、検出ボックス等への駆動電源をバッテリーから供給するようにし、さらに必要に応じて判断した結果を送信する、という技術である。
即ち、特許文献3に記載の技術は、検知ポールに振動センサーを収納し、これを雪崩や地滑り等が発生しそうな場所に設置し、振動センサーの振動レベルにより自然災害の発生の有無等を判断するものである。しかし、特許文献3の技術は、特許文献1、2と同様に自然災害の発生が予想される場所に観測装置を運搬・設置しなければならず、観測装置の設置が容易でなく、また電子機器が収納された検知ポールが破壊され観測不能になる、という問題もある。
特開平6−230101号公報 特開2000−182168号公報 特開2001−183466号公報
そこで本発明の課題は、雪崩の発生が予想される険しい山岳の傾斜地等であっても容易に設置可能であり、かつ雪崩が発生しても観測装置が雪に埋もれず、冬場であっても回収可能な自然災害観測装置を提供することにある。また、そのために必要となる、空中から投下してもその衝撃で観測装置が破損・損壊されない部品内包膨張袋体を提供することにある。さらに、自然環境の汚染を招かない自然災害観測方法を提供することにある。
本発明者は、自然災害を観測するための様々な手法を実験的に検証し、試作を繰り返すなかで本発明を着想し発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、部品を内包する空間部を備え、吸排気口からの気体流入によって収縮時の略扁平状態から膨張する可撓性シートからなる部品内包膨張袋体であって、
前記空間部は、その一端から他端を貫通する貫通孔からなり、前記膨張に伴う前記貫通孔の閉塞により前記部品が押圧され該部品が保持されることを特徴とする部品内包膨張袋体である。
部品内包膨張袋体の一端から他の一端、例えば、略重心位置を貫通する貫通孔の略中央部に部品を設置し、吸排気口からガスを充填すると、空間部を形成している貫通孔が閉塞するように膨張する。これにより貫通孔に設置された部品は、可撓性シートに包まれるように押圧されその位置で保持・固定される。これにより、たとえ空中から投下されたとしても貫通孔から脱落しない。
また、貫通孔に設置された部品は、気体が充填された可撓性シートの袋体で押圧されているので、たとえ空中から投下されてもその衝撃は気体が緩衝材となり緩和され破損・損壊から免れる。
前請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の部品内包膨張袋体であって、前記空間部にガス封入の圧縮ボンベと該圧縮ボンベを起爆させ膨張させる起爆装置と前記圧縮ボンベのガスを注入するチューブとを備えたことを特徴とする。
強風が吹いているときに、膨張させた状態で部品内包膨張袋体を投下しても、風で流され目標地点に投下するのは難しい。また雪面が硬いと傾斜雪面を転がり落ち目標地点への投下は難しい。しかし、収縮時の略扁平状態で投下し、自然災害発生時の衝撃で起爆・膨張させる、あるいは所定の条件で起爆・膨張させるエアーバック式の部品内包膨張袋体であれば係る問題を解消でき、また設置後、強風に曝されるような場所でもあって有効に機能する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の部品内包膨張袋体と、
前記部品内容膨張袋体に収納される部品が、少なくとも通信機器と自然災害観測用の電子機器とバッテリーとであることを特徴とする投下回収型自然災害観測装置である。
部品内包膨張袋体の貫通孔に自然災害の発生を検知する電子機器、例えば、加速度センサー、カメラ、データ記録装置、無線通信装置と、それらに電気を供給するバッテリーとを設置することで、部品内包膨張袋体が自然災害の発生を検知・観測する投下回収型自然観測装置となる。
請求項4に記載の発明は、前記部品内包膨張袋体の貫通孔の一端からその内部方向に一部が挿入され、露出する他の部分が空中から投下された際に自然災害観測地に嵌入される支持杭を備えたことを特徴とする請求項4に記載の投下回収型自然災害観測装置。
貫通孔の一端に支持杭を設けることで、自然災害の発生が予想される場所に観測装置を固定できる。そして支持杭を自然環境にやさしい材質、例えば氷柱や生分解性プラスチックで作成すれば、支持杭は融解あるいは分解し自然環境の汚染を防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の投下回収型自然災害観測装置であって、前記部品内包膨張袋体の内側に形成され、前記部品が押圧されている貫通孔側の内面から前記内面と対峙する外面までを連結する支持ロープ及び/又は支持壁が形成されていることを特徴とする。
電子機器が重くその長さが短い場合には、外部からの衝撃や振動により電子機器が大きく揺れ動き、部品内包膨張袋体の外壁(外側表面の可撓性シート)と衝突してしまう場合がある。しかし、貫通孔側の内面から前記内面と対峙する外面までを連結する支持ロープ及び/又は支持壁を設けることで、これを防ぐことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれかに記載の投下回収型自然観測装置であって、前記部品内包膨張袋体を形成する可撓性シートが透明であることを特徴とする。
可撓性シートを透明にすることで、部品内包膨張袋体の貫通孔に設けたカメラにより、外部の状況を撮像・伝送することで周囲の状況を遠隔地から把握することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項3から6のいずれかに記載の投下型自然観測装置を、ドローンにより自然災害の発生が予想される予定地上空まで搬送し、前記投下型自然観測装置を目標とする場所に投下し、前記投下型自然観測装置から送信されてくるデータにより、自然災害の発生を観測することを特徴とする自然災害観測方法。
本発明の自然災害観測装置は軽量であるためドローンで搬送でき、かつ耐衝撃性に優れている。このため、人が行くことができない険しい山岳の傾斜地であっても設置できる。また、雪崩や土石流等の発生により衝撃を受けても、電子機器の破損・損壊を防止することができるので自然災害の発生を確実に検知、観測することができる。
本発明によれば、雪崩の発生が予想される険しい山岳の傾斜地等であっても容易に設置可能な自然災害観測装置を提供することができる。また、それを可能ならしめる、空中から投下してもその衝撃で観測装置が破損・損壊されない部品内包膨張袋体を提供することができる。さらに、雪崩が発生しても観測装置が雪に埋もれず、その衝撃によっても破損・損壊されないことから、その装置が発信するGPS信号の受信により、自然災害の発生位置と観測装置の現在位置とを知ることができる。このため、冬場であっても回収可能な観測装置の提供と、自然環境の悪化を招かない自然災害観測方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は雪崩や土砂崩れ、土石流等の自然災害が発生しやすい険しい山岳の傾斜地に、遠隔操縦または自律式のクワッドコプター、マルチコプター等のドローン(drone)50により観測装置1を搬送し、これを落下させて設置し、自然災害の発生を検知、観測する本発明の概要を示した図である。
ドローン50は、飛行経路と観測装置の落下場所等を記憶し自律的に飛行する機能と遠隔操作が可能な機能とを備えていることが好ましい。ドローン50により自然災害の発生が予想される観測場所(エリア)に観測装置1を搬送し、落下し設置する。これにより、これまでは険しい山岳の傾斜地等、観測装置の設置が難しい場所であっても、所望のエリアに必要な数だけ観測装置を容易に設置することができる。
図2は観測装置1の雪崩発生時の挙動を示した図である。ドローン50から落下した観測装置1は、その下部が雪面に埋もれた状態となる。そこに雪崩が発生すると、気体が充填され膨張している観測装置1は、非破壊で流れ層の上を弾みながら雪煙とともに漂流する。
このため、観測装置1は、雪崩が収まった後、雪中に埋もれず雪面上に留まり、冬場であっても観測装置1を回収できる。観測装置1をそのまま放置しておくことは自然環境の悪化をもたらす一因となる。
このように本発明の観測装置1は、空中からの投下の衝撃にも耐え、また雪崩や土砂崩れ発生時の衝撃にも耐え、自然災害の発生を確実に検知、観測できる。これは本発明の観測装置1が図3に示すような部品内包膨張袋体により、内部に設置された電子機器が保護されるためである。また、雪中や土砂に埋もれないのも部品内包膨張袋体の浮遊機能によるものである。
図3は、部品内包膨張袋体11に自然災害を観測する電子機器30、例えば加速センサー、傾きセンサー、演算処理用マイコン、記録装置、無線通信装置や、バッテリー31を内包させた状態を示した図である。部品内包膨張袋体11は、収縮時は扁平状態であり吸排気口13から空気等のガスを吹き込むことにより膨張する。
部品内包膨張袋体11は、ガスが入っていない状態では折り畳むと非常にコンパクトな形で保管することができる。また、エアーその他のガスの出し入れによって何度でも繰り返し再利用することができるため、貴重な資源の保護にも役立つ。
部品内包膨張袋体11の材質は、柔軟性、耐水性、耐候性があり、容易に破損し難い透明のものが好ましい。例えば、プラスチック素材であるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテフタレート、塩化ビニール等である。また、極細ナイロン繊維を高密度に織り、内側をウレタン等でコーティングし密閉性と弾力性とを確保しているエアーバック素材は望ましい。また、軟質シート、ゴムシート、防水布あるいはこれらの複合シートであっても良い。
図3に示す部品内包膨張袋体11は、膨張時には枕型となるが、そのほぼ中央の一端から他端まで貫通する貫通孔12が設けられ、この貫通孔12の中央部に物品、本図では電子機器30、バッテリー31であるが、これを設置する。なお、貫通孔12は部品内包膨張袋体11の重心位置を通るように設けることが好ましい。
図3において図3(a)は膨張前の平面図であり、図3(b)は図3(a)に示すA−Aの断面図である。図3(c)は部品内包膨張袋体11に空気等のガスを吹き込み膨張させたときのその断面図である。
図3(b)に示すように、搬送する物品を貫通孔12のほぼ中央に設置し、部品内包膨張袋体11に吸排気口13からガスを吹き込み膨張させると、物品の外周にある袋体を形成している可撓性シートが、物品を包みこむように押圧、密着する。そして貫通孔12はその端部近傍まで閉塞した状態となる。これにより、貫通孔12の中央部に設置された部品は、その位置で保持され不動となり貫通孔12から容易に脱落しない。
また、物品周囲の空気層が緩衝壁となり、ドローン50から地上へ投下したときの衝撃や、自然災害の発生時の衝撃による破損・損壊を免れる。この部品内包膨張袋体11は搬送する物品の形状の如何を問わずに使用することができる。
図4は図3に示す観測装置1の貫通孔12の一端に杭20を設置した場合の観測装置1−1の構成を示した図であり、図4(a)は全体図、図4(b)は斜視図、図4(c)は杭20側の側面図、図4(d)は杭20の挿入されている側と反対側の側面図である。
図4(a)から(d)に示すように、部品内包膨張袋体11に空気等のガスが充填され膨張すると、電子機器30、バッテリー31がその中央部付近で押圧・保持される。また貫通孔12の一端から挿入された杭20も同様に押圧、保持されるが、杭20と貫通孔12との間に接着材15を設けることで、より杭20と部品内包膨張袋体11とが固着される。なお、接着剤15は、杭20が投下時、着床時に脱落せず、雪崩等の発生時には部品内包膨張袋体11から脱落する程度の粘着力であることが好ましい。
図4に示すような、部品内包膨張袋体11の一端に杭20を設けることにより、空中から雪面上に投下されたとき、杭20が雪面に突き刺さり観測場所に固定されやすくなる。また、杭20に氷柱を使用すれば融雪時に氷解し自然環境の汚染を防止できる。また生分解性プラスチックの杭を用いれば、いずれ土壌成分として分解し自然環境汚染を防止できる。
図5は部品内包膨張袋体の形状を説明する図である。図3、4に示した枕型が図5(a)である。この形状は曲率の少ない大きな面が確保できるため、カメラによる写真や動画データを取得する場合に適している。図5(b)は部品内包膨張袋体の基本形状となるラクビ―ボール型である。この形状は転がりやすく雪に固定され易いという特徴がある。図5(c)は球型であり、雪や土砂に埋まらずに跳ねやすく転がりやすいため、土砂災害等の観測に有効な形状である。図5(d)は風が強い場所等、観測地に深く突き刺したい場合に有効である。一方、雪や土砂に埋まりやすい形状でもある。
図6はラクビ―ボール型の部品内包膨張袋体11−2の貫通孔12−2の略中央部に電子機器30−2、バッテリー31−2を設置し、貫通孔12−2の一端に杭20−1を設置した観測装置2の全体図である。
観測装置2の一端に挿入する杭20−1の端部には、杭胴部の径よりも広い径の脱落防止部211が形成されている。また、貫通孔12−2の入口側の端部にも同様の形状の移動防止部211−1が形成されている。脱落防止部211と移動防止部211−1とを設けることにより、ドローン50から投下され雪上面に杭20−1が突き刺さったとき、杭20−1の上下動を抑えることができる。また杭20−1の先端は雪に突き刺さり易いように先端部が尖った形状とし、その杭長は雪の深さや雪質等によって任意に設定することが好ましい。
図7は杭の形状を説明する図である。図7(a)は図4に示した杭20であり、図7(b)は図6に示した杭20−1である。図7(c)は円錐型の杭20−2であり、この杭は先端部223から円錐部222までを雪中に突き刺さす。この杭は突き刺さり易く抜け難い形状である。図7(d)は図7(c)と同形状の円錐型の杭であるが、その違いは円錐形部232と部品内包膨張袋体に挿入される挿入部231との間に、径の小さい接続部234を設けたところにある。接続部234の径を小さくすることで、雪崩等の自然災害が発生したとき、そこで杭が折れ易いため、観測装置2の埋没、破損・損壊のリスクを低減できる。
図8は部品内包膨張袋体に設置する電子機器を、外部の衝撃からより強固に保護するための補強材を示した図である。図8(a)は貫通孔12の中央部(電子機器が設置される部分)の外面(部品内包膨張袋体の内面)に補強ロープ112の一端を固着し、その他端を部品内包膨張袋体の外周の内面に120度間隔で3ヶ所に補強ロープ112を設けた図である。図8(b)は補強ロープ112に代えて補強壁112−1を設けた図である。図8(c)はそれらを端部側面からみた側面図である。
図4等で示す部品内包膨張袋体に、長さが短く重量がある電子機器を設置した場合、衝撃や振動等により電子機器が外面と衝突し破損・損壊する恐れがある。このような場合には補強ロープ112、あるいは補強壁112−1を設けることで電子機器を衝撃や振動から保護することができる。
図9は枕型の部品内包膨張袋体に補強ロープ112を設けた観測装置10の斜視図である。電子機器を設置した貫通孔の内面から外側方向に補強ロープ112が120度の間隔で設けられている。なお、補強ロープの部品内包膨張袋体との接続は、接着材や融着により行うことが好ましい。
図10は本発明の第2の実施の形態であるエアーバッグ式観測装置4の構造を示した図である。第1の実施の形態における部品内包膨張袋体は、自然災害の発生が予想される現場に膨張させた状態で搬送し投下するのに対し、図10に示す観測装置4は、その部品内包膨張袋体を収縮扁平状態で搬送し、その状態で投下・設置するものである。
エアーバック式観測装置4の部品内包膨張袋体11−4は、その貫通孔12の内部にガス注入用ボンベ132を備え、その端部には電子起爆式等のバルブユニット131が設けられ、そこからチューブ130が伸び、ガス注入口133を介してガスが部品内包膨張袋体11の内部に注入され膨張する。
ガス注入の制御(起爆の制御)は、例えば電子機器30の加速度計測器が一定以上の加速度を検出したとき、または傾きの角度が閾値以上になった場合に起爆するといった制御を行うことが好ましい。またタイマーにより投下時から所定の時間経過後に起爆するといった制御であってもよい。
このようなエアーバッグ式観測装置4を用いるのは、例えば雪質が硬く観測装置が雪面に刺さり難い、あるいは強風のため膨張させた状態で空中から投下すると飛ばされて目的の場所に観測装置が設置できない場合や、設置後に強風に曝される場所に有効である。また、土砂災害や斜面崩落が予想される場所での観測は、雪崩と異なり観測装置が土砂や樹木に巻き込まれ埋没する可能性が高くなる。このため部品内包膨張袋体の形状は丸型が好適である。また、雪崩の場合と異なり土砂や樹木に巻き込まれて埋没しやすいので、転がり易く弾み易い丸形が好適である。
図11はドローンにより土砂災害、斜面崩落等の自然災害の発生が予想される場所へエアーバック式観測装置4を搬送・設置し、自然災害を観測する自然災害観測方法の概要を示した図である。エアーバック式観測装置4は収縮扁平状態で投下するが、膨張していないため電子機器の衝撃を緩和する空気層がない。このため出来るだけ低いところからの投下が好ましい。また、落下時の衝撃を緩和するため、観測装置の周囲を粘土で埋め込み、その塊ごと投下するのは好ましい。このようにすることで着地と同時に粘土が変形し地面に張り付かせることができるからである。
本発明の一実施形態であるドローンにより観測装置を搬送落下させ、自然災害の発生を検知・観測する本発明の概要を示した図である。 観測装置の雪崩発生時の挙動を示した図である。 観測装置1の全体構成を示した図である。 観測装置の貫通孔の一端に杭を設置した場合の構成を示した図である。 部品内包膨張袋体の形状を説明する図である。 観測装置2の全体構成を示した図である。 杭の形状を示した図である。 部品内包膨張袋体に設置する電子機器を外部衝撃からより強固に保護するための補強材を示した図である。 枕型の部品内包膨張袋体に補強ロープ112を設けた観測装置の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態であるエアーバッグ式観測装置4の構成を示した図である。 ドローンにより土砂災害、斜面崩落等の自然災害の発生が予想される場所へエアーバック式観測装置4を搬送・設置する自然災害観測方法の概要を示した図である。
1,2 観測装置
4 エアーバック式観測装置
11 部品内包膨張袋体
12 貫通孔
13 吸排気口
15 接着剤
20 杭
30 電子機器
31 バッテリー
50 ドローン
112 補強ロープ
112−1 補強壁
130 チューブ
131 バルブユニット
132 ガス注入用ボンベ
133 ガス注入口

Claims (7)

  1. 部品を内包する空間部を備え、吸排気口からの気体流入によって収縮時の略扁平状態から膨張する可撓性シートからなる部品内包膨張袋体であって、
    前記空間部は、その一端から他端を貫通する貫通孔からなり、前記膨張に伴う前記貫通孔の閉塞により前記部品が押圧され該部品が保持されることを特徴とする部品内包膨張袋体。
  2. 前記空間部にガス封入の圧縮ボンベと、
    前記圧縮ボンベを起爆させ膨張させる起爆装置と、
    前記圧縮ボンベのガスを注入するチューブとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品内包膨張袋体。
  3. 請求項1又は2に記載の部品内包膨張袋体と、
    前記部品内包膨張袋体に収納される部品が、少なくとも通信機器と、自然災害観測用の電子機器と、バッテリーとであることを特徴とする投下回収型自然災害観測装置。
  4. 前記部品内包膨張袋体の貫通孔の一端からその内部方向に一部が挿入され、露出する他の部分が空中から投下された際に自然災害観測地に嵌入される支持杭を備えたことを特徴とする請求項3に記載の投下回収型自然災害観測装置。
  5. 前記部品内包膨張袋体の内側に形成され、前記部品が押圧されている貫通孔側の内面から前記内面と対峙する外面までを連結する支持ロープ及び/又は支持壁が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の投下回収型自然災害観測装置。
  6. 前記部品内包膨張袋体を形成する可撓性シートが透明であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の投下回収型自然観測装置。
  7. 請求項3から6のいずれかに記載の投下型自然観測装置を、ドローンにより自然災害の発生が予想される予定地上空まで搬送し、前記投下型自然観測装置を目標とする場所に投下し、前記投下型自然観測装置から送信されてくるデータにより、自然災害の発生を観測することを特徴とする自然災害観測方法。
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