JP2017213175A - 移動運動解析装置及びシステム並びにプログラム - Google Patents

移動運動解析装置及びシステム並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】歩行者の歩行における一歩又は複数歩の動作に対応した時間的な区間を特定するのに適した波形を生成する。
【解決手段】前後方向加速度波形WPを平滑化することにより得られた平滑化波形WP’と、上下方向加速度波形WPを平滑化することにより得られた平滑化波形WP’とに基づいて、加速度プロファイルOA1を生成する加速度プロファイル生成部742bと、平滑化波形WP’、平滑化波形WP’、および加速度プロファイルOA1の主成分ベクトルvに基づいて、一歩に対応する時間的な区間を特定するための歩行同期波形WBを決定する決定手段722cとを備えた移動運動解析装置を提供する。
【選択図】図14

Description

本発明は、加速度センサ(sensor)を用いて人の歩行などの移動運動を評価するための技術に関する。
従来、医療施設や介護施設等において、歩行障害を持つ患者に対するリハビリテーション(rehabilitation)が行われている。
このリハビリテーションでは、一般的に、患者に適した歩行訓練プログラム(program)を作成したり、患者の回復レベル(level)を把握したりするために、理学療法士などの指導員が、患者の歩行運動を繰り返し評価する。
また、近年においては、加速度センサを用いて人の歩行などの移動運動中に生じる加速度を測定し、その測定結果に基づいて移動運動を定量的かつ客観的に評価する試みが成されている(例えば、特許文献1,要約等参照)。
特開2013−059489号公報
患者に適した歩行訓練プログラムを作成したり、患者の回復レベルを把握する上で、患者の歩行における一歩又は複数歩の動作に対応した時間的な区間(一歩又は複数歩の動作に掛かる時間)を認識することは非常に重要である。
しかしながら、加速度データには複雑な波形が現れることが多く、上記の区間を精度よく認識することは難しい。
このような事情により、歩行者の歩行における一歩又は複数歩の動作に対応した時間的な区間を特定するのに適した波形を生成することができる技術が望まれている。
第1の観点の発明は、人の移動運動中における第1の方向の加速度と時間との関係を表す第1の加速度波形を平滑化するとともに、前記人の移動運動中における第2の方向の加速度と時間との関係を表す第2の加速度波形を平滑化する平滑化手段と、
前記第1の加速度波形を平滑化することにより得られた第1の平滑化波形と、前記第2の加速度波形を平滑化することにより得られた第2の平滑化波形とに基づいて、前記第1の平滑化波形の加速度と前記第2の平滑化波形の加速度との関係を表す加速度プロファイルを生成する加速度プロファイル生成手段と、
前記第1の平滑化波形、前記第2の平滑化波形、および前記加速度プロファイルに基づいて、一歩又は複数歩の動作に対応する時間的な区間を特定するための波形を決定する決定手段と、
を有する移動運動解析装置である。
上記観点の発明によれば、一歩又は複数歩の動作に対応した時間的な区間を特定するのに適した波形を生成することができる。
歩行解析システムの構成を概略的に示す図である。 加速度センサモジュール及び歩行解析装置のハードウェアの構成を示す図である。 加速度センサモジュール及び歩行解析装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 加速度データ解析部の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 歩行解析システムにおける処理の流れを示すフロー図である。 加速度波形を概略的に示す図である。 踵着地時刻検出部74の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 踵着地時刻検出処理の流れを示すフロー図である。 前後方向加速度波形WPy及び上下方向加速度波形WPzを概略的に示す図である。 歩行同期波形生成部742の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 ステップS72の歩行同期波形生成処理のフロー図である。 前後方向加速度波形WPyを平滑化することにより得られた平滑化波形WPy’と、上下方向加速度波形WPzを平滑化することにより得られた平滑化波形WP’とを示す図である。 加速度プロファイルの説明図である。 加速度プロファイルOA1に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA1を示す図である。 式(2)に基づいて決定された歩行同期波形WBを示す図である。 一歩区間Kを示す図である。 歩行同期波形WBと上下加速度反映波形WJz′とを同一時間軸上で示した図である。 上下加速度反映波形WJz′における一歩区間Kごとに特定された区間内最大値Mkを示す図である。 検出された踵着地HCの時刻を示す図である。 加速度プロファイルを表すグラフである。 加速度プロファイルOA2に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA2を示す図である。 式(3)に基づいて生成された歩行同期波形WBを示す図である。 加速度プロファイルを表すグラフである。 加速度プロファイルOA3に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA3を示す図である。 式(4)に基づいて生成された歩行同期波形WBを示す図である。
以下、発明の実施形態について説明する。なお、これにより発明は限定されない。
図1は、歩行解析システム(system)1の構成を概略的に示す図である。なお、歩行解析システム1は、発明における移動運動解析システムの一例である。
歩行解析システム1は、図1に示すように、加速度センサモジュール(sensor module)2と、歩行解析装置3とを有している。加速度センサモジュール2は、患者10の背面の腰部中央等に、粘着パッド(pad)やバンド(band)等により装着される。歩行解析装置3は、操作者11が携帯したり操作したりして使用される。なお、歩行解析装置3は、発明における移動運動解析装置の一例である。
図2は、加速度センサモジュール2及び歩行解析装置3のハードウェア(hardware)の構成を示す図である。
図2に示すように、加速度センサモジュール2は、プロセッサ(processor)21と、加速度センサ22と、メモリ(memory)23と、通信I/F(interface)24と、バッテリ(battery)25とを有している。歩行解析装置3は、例えば、スマートフォン(smart phone)、タブレット型コンピュータ(tablet computer)、ノートパソコン(note PC)などのコンピュータ端末であり、プロセッサ31と、ディスプレイ(display)32と、操作部33と、メモリ34と、通信I/F35と、バッテリ36とを有している。なお、プロセッサ21及びプロセッサ31は、それぞれ、単一のプロセッサに限定されず、複数のプロセッサである場合も考えられる。
図3は、加速度センサモジュール2及び歩行解析装置3の機能的な構成を示す機能ブロック(block)図である。
加速度センサモジュール2は、図3に示すように、加速度センサ部201と、サンプリング(sampling)部202と、送信部203とを有している。なお、サンプリング部202及び送信部203は、プロセッサ21がメモリ23に記憶されている所定のプログラム(program)を読み出して実行することにより実現される。
加速度センサ部201は、センサ本体を基準とした3次元直交座標系におけるx,y,zの各軸方向の加速度成分について、その加速度成分に応じたアナログ(analog)信号をほぼリアルタイム(real time)に出力する。
サンプリング部202は、そのアナログ信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル(digital)の加速度データに変換する。サンプリング周波数は、例えば128Hzである。サンプリング部202は、例えば、1g(重力加速度)=9.8m/s2=加速度データ値128となるスケール(scale)で、加速度データを出力する。
送信部203は、サンプリングされた各時刻における加速度成分を表す加速度データをほぼリアルタイムにて無線で送信する。
なお、本例では、加速度センサモジュール2は、センサ本体のx軸方向、y軸方向及びz軸方向が、それぞれ、患者10のRL(Right-Left)方向、AP(Anterior-Posterior)方向及びSI(Superior-Inferior)方向と一致するように取り付けられる。RL方向、AP方向及びSI方向は、それぞれサジタル(sagittal)方向、コロナル(coronal)方向及びアキシャル(axial)方向とも言う。また、本例では、加速度センサモジュール2の姿勢(傾き)は、患者10の歩行中において変化しないものと仮定する。
歩行解析装置3は、図3に示すように、操作部301と、ディスプレイ部302と、患者情報受付部303と、受信部304と、加速度データ取得制御部305と、加速度データ解析部307と、表示制御部310と、記憶部312とを有している。患者情報受付部303、加速度データ取得制御部305、加速度データ解析部307、及び表示制御部310は、プロセッサ31(図2参照)がメモリ34に記憶されている所定のプログラムを読み出して実行することにより実現される。
操作部301は、操作者11の操作を受け付ける。操作部301は、例えば、タッチパネル(touch panel)、タッチパッド(touch pad)、キーボード(keyboard)、マウス(mouse)などにより構成されている。なお、操作者11は、例えば、理学療法士などの指導員である。
ディスプレイ部302は、画像を表示する。ディスプレイ部302は、例えば、液晶パネル、有機ELパネルなどにより構成されている。
患者情報受付部303は、患者情報の入力を受け付け、入力された患者情報を記憶部312に記憶させる。
受信部304は、加速度センサモジュール2の送信部203から送信された加速度データを無線で受信する。なお、送信部203と受信部304との無線通信には、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の規格を用いることができる。
加速度データ取得制御部305は、操作者11による操作に基づいて加速度データを取得するよう受信部304及び記憶部312を制御する。
加速度データ解析部307は、取得された加速度データを解析して、その解析結果を出力する。加速度データ解析部307の詳細については後述する。
表示制御部310は、ディスプレイ部302の画面に、少なくとも加速度データの解析結果を含む種々の画像や文字情報などを表示するようディスプレイ部302を制御する。
記憶部312は、入力された患者情報、取得された加速度データ、加速度データの解析結果などを記憶する。なお、これらの情報は、必要に応じて、歩行解析装置3に接続されたデータベース(database)41に転送されたり、外付けのDVD−ROM、メモリカード(memory card)などの媒体や、インターネット(internet)を介して接続された外部の媒体などを含む記憶媒体42に保存される。
ここで、加速度データ解析部307の詳細について説明する。加速度データ解析部307は、取得された加速度データに対して解析処理を行い、その解析結果を出力する。解析処理は、複数用意されている。加速度データ解析部307は、操作者11によって指定された解析処理を実行する。本例では、実行する解析処理として、取得された加速度データが担持する加速度成分の時間変化を表す加速度波形を生成し、その加速度波形に基づいて、後述する踵着地の時刻を検出するための処理を想定する。
なお、一般的に、連続的な左右一歩ずつの前進動作の中には、右足の踵着地、左足のつま先蹴り、左足の踵着地、及び右足のつま先蹴りの各動作(歩行位相)が1つずつ含まれる。また、一歩の前進動作は、一方の足の着地から他方の足の着地までの間の動作として定義される。一歩の前進動作は、ステップ若しくは1ステップともいう。また、連続的な左右一歩ずつから成る二歩の前進動作は、一方の足の着地から他方の足の着地を経て再度の一方の足の着地までの間の動作として定義される。二歩の前進動作は、ストライド(stride)若しくは1ストライドともいう。
図4は、加速度データ解析部307の機能的な構成を示す機能ブロック図である。加速度データ解析部307は、上記の機能を実現させるため、図4に示すように、加速度成分算出部71と、加速度波形生成部72と、歩行期間特定部73と、踵着地時刻検出部74とを有している。
加速度成分算出部71は、取得された加速度データに基づいて、データ取得期間の各サンプリング時刻における患者10の左右方向、前後方向及び上下方向の加速度成分ax,ay,azをそれぞれ算出する。本例では、これらの加速度成分ax,ay,azは、重力加速度gの成分を除去して、患者10の純粋な運動により生じた加速度成分として算出することを想定する。ただし、より簡便に、重力加速度gの成分を含む形で特定してもよい。また、左右方向、前後方向及び上下方向は、それぞれ、水平左右方向、水平進行方向及び鉛直方向を想定する。ただし、より簡便に、加速度センサモジュール2のセンサ本体を基準としたx軸方向、y軸方向及びz軸方向としてもよい。なお、ここでは、加速度成分の正負は、左右方向では右側寄り、前後方向では前側寄り、上下方向では上側寄りをそれぞれ正とする。
加速度波形生成部72は、算出された各方向の各サンプリング時刻における加速度成分ax,ay,azに基づいて、左右方向の加速度成分axの時間変化を表す左右加速度波形Wx、前後方向の加速度成分ayの時間変化を表す前後加速度波形Wy、上下方向の加速度成分azの時間変化を表す上下加速度波形Wzをそれぞれ生成する。
歩行期間特定部73は、加速度データ取得期間の中で患者10が実際に歩行を行っている期間(以下、歩行期間ともいう)を特定する。
踵着地時刻検出部74は、解析対象として決定された歩行期間中の加速度波形に基づいて、患者10の踵着地のタイミングに対応した時刻を検出する。
これより、歩行解析システム1における処理の流れについて説明する。
図5は、歩行解析システム1における処理の流れを示すフロー(flow)図である。
ステップ(step)S1では、患者情報受付部303が、患者情報の入力を受け付け、入力された患者情報を記憶部312に記憶させる。ここでは、操作者11が、歩行解析装置3の操作部301を操作して、患者10の患者情報を直接入力する。患者情報受付部303は、その直接入力された患者情報を記憶部312に記憶させる。患者情報には、例えば、患者のID番号、氏名、年齢、性別、生年月日などが含まれる。なお、後述する患者10の加速度データやこの加速度データの解析結果などは、この患者情報と対応付けて記憶部312に記憶される。
ステップS2では、加速度データ取得制御部305が、受信部304及び記憶部312を制御して、患者10の各時刻tiにおける加速度データを取得する。ここでは、まず、操作者11が、患者10の腰部に加速度センサモジュール2を取り付ける。そして、操作者11は、歩行解析装置3の操作部31により、加速度データの取得開始操作を行う。加速度データ取得制御部305は、この操作に応答して、受信部304に加速度データの受信を開始させ、記憶部312にその受信された加速度データの記憶を開始させる。次に、患者10に、自身の標準的な歩行速度でしばらく歩行してもらう。歩行は、例えば、距離にして5m〜20m程度、時間にして20秒〜3分程度、歩数にして10歩〜40歩程度である。加速度センサモジュール2のサンプリング部202は、加速度センサ部201の出力に基づいて、患者10の歩行中におけるx軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの加速度成分Ax,Ay,Azをサンプリングして計測する。加速度センサモジュール2の送信部203は、計測された加速度成分を表す加速度データをほぼリアルタイムで送信する。この間、受信部304は、送信部203から送信された加速度データを順次受信し、記憶部312は、その受信された加速度データを記憶する。患者10の歩行が終了したら、操作者11は、操作部31により加速度データの取得終了操作を行う。加速度データ取得制御部305は、この操作に応答して、受信部304に加速度データの受信を終了させる。これにより、加速度データの取得開始操作が成されてから取得終了操作が成されるまでの期間が実質的に加速度データ取得期間となり、この期間の各サンプリング時刻における各方向の加速度データが取得される。加速度データを取得した後、ステップS3に進む。
ステップS3では、加速度データ解析部307が、加速度データに対して実行する解析処理を設定する。例えば、操作者11が、操作部301を操作して、取得した加速度データをグラフ化して表示したり、取得した加速度データを解析してその結果を表示したりする複数の機能の中から、実行させたい所望の機能を選択する。加速度データ解析部307は、その選択された機能に応じて、実行させる解析処理を設定する。本例では、操作者11は、患者10の踵が着地したタイミングに対応した時刻を求めるための処理を選択するものとする。解析処理を設定した後、ステップS4に進む。
ステップS4では、加速度成分算出部71が、取得された加速度データを記憶部312から読み出し、当該加速度データに基づいて、加速度データ取得期間の各サンプリング時刻における患者10の左右方向、前後方向及び上下方向の加速度成分ax,ay,azを算出あるいは特定する。なお、ここでは、加速度データが表す加速度から重力加速度gの成分を除去する処理を含む所定のアルゴリズム(algorithm)を用いて、各サンプリング時刻及び各方向の加速度成分を算出する。算出された加速度成分は、記憶部312に送信され記憶される。次に、ステップS5に進む。
ステップS5では、加速度波形生成部72が、ステップS4で算出された患者10の各サンプリング時刻における左右方向加速度成分ax、前後方向加速度成分ay、及び上下方向加速度成分azに基づいて、左右方向加速度波形Wx、前後方向加速度波形Wy、及び上下方向加速度波形Wzを生成する。本例では、加速度波形生成部72は、加速度成分の各方向ごとに、加速度データの取得開始時点からの経過時間(時刻)と加速度成分とを2軸とした2次元座標系において、各時刻tiでの加速度成分a(i)に対応するデータ点[a(i), ti]をそれぞれプロット(plot)することにより加速度波形を生成する。
図6に、生成された加速度波形を概略的に示す。ここでは、前後方向加速度波形Wyおよび上下方向加速度波形Wzを図示し、左右方向加速度波形Wxは図示省略されている。横軸は、加速度データ取得開始から経過した時間t(秒)であり、縦軸は、加速度データ値ax,ay,az(重力加速度g/128)である。
人の歩行運動では、通常、一方の足の踵着地、他方の足のつま先蹴り、他方の足の踵着地、一方の足のつま先蹴りという4つの動作がこの順番で繰り返し行われる。
上下方向加速度波形Wzにおいては、図6に示すように、歩行運動を構成する上記4つの動作の各々に対応して、波高値が一定以上となる極大値すなわちピーク波形を取ることが知られている。
前後方向加速度波形Wにおいては、図6に示すように、一方の足の踵着地から他方の足のつま先蹴りまでの一歩の前進動作と、他方の足の踵着地から一方の足のつま先蹴りまでの一歩の前進動作と対応して、波高が一定以上となる極大値すなわちピーク波形を取ることが知られている。加速度波形を生成した後、ステップS6(図5参照)に進む。
ステップS6では、歩行期間特定部73が、加速度データ取得期間の中で歩行期間を特定する。一般的に、加速度データ取得期間には、患者10が歩行を行っている期間と歩行を行っていない期間とが含まれている。歩行を行っていない期間としては、例えば、加速度データの取得を開始してから患者10が歩行を開始するまでの期間、患者10が歩行を終了してから加速度データの取得を終了するまでの期間、患者10が歩行中に一時的に歩行を止めてしまう期間などが挙げられる。一方、解析対象に歩行を行っていない期間の加速度データが含まれていると、正しい解析を行うことができない。そこで、ここでは、解析処理を行う前に、加速度データ取得期間の中で歩行期間を特定し、その歩行期間における加速度データを解析処理の対象として決定する。
一般的に、歩行期間を特定する方法としては、次のような方法が考えられる。
第1の歩行期間特定方法は、操作者11が加速度波形を見て歩行期間と考える期間を手動で指定し、指定された期間を歩行期間として特定する方法である。
第2の歩行期間特定方法は、サンプリング時刻ごとに患者10に生じた加速度の大きさを表す特徴量を求め、この特徴量が所定の閾値以上になった時点から当該閾値以下になった時点までを、歩行期間として特定する方法である。加速度の大きさを表す特徴量としては、例えば、重力加速度gの成分が除去された各方向の加速度成分ax,ay,azの平方二乗和が考えられる。
歩行期間を特定した後、ステップS7に進む。
ステップS7では、踵着地時刻検出部74が、解析対象となる歩行期間における加速度波形に基づいて、患者10の踵が着地した時刻を検出する。以下に、一般的に考えられる検出方法を説明した後に、本例による検出方法について説明する。
一般的に、踵着地の時刻を検出する方法としては、例えば、上下方向加速度波形Wzにおいて所定の閾値を超える極大値を特定し、その極大値に対応する時刻を踵着地の時刻として認識する方法がある。
しかしながら、加速度の閾値判定だけで踵着地の時刻を判断する方法は、特定精度に限界がある。例えば、歩行における一歩の前進動作とは異なる動作により患者10の体が動いていると、何らかの加速度が生じ、誤検出することが考えられる。また例えば、加速度波形において一歩の前進動作に同期したピーク波形の波高値が単発的に弱くなってしまった場合に、検出漏れが発生したり、逆に一歩の前進動作とは異なる動作に伴って比較的強いピーク波形が現れた場合に、誤検出が発生する。また例えば、患者の年齢、体格、歩行障害の程度などによって動作時に生じる加速度の大きさが異なるため、患者10によって検出精度にばらつきが生じる。
そこで、本例では、踵着地時刻検出部74は、踵着地の時刻を精度よく検出することができるように工夫された方法を用いて、踵着地の時刻を検出する。以下、このような踵着地時刻検出部74の機能的な構成と、その踵着地時刻検出処理について説明する。
図7は、踵着地時刻検出部74の機能的な構成を示す機能ブロック図である。踵着地時刻検出部74は、図7に示すように、加速度波形読取部741と、歩行同期波形生成部742と、一歩区間特定部743と、上下加速度反映波形生成部744と、区間内最大値特定部745と、踵着地認識部746とを有している。
なお、上下加速度反映波形生成部744、区間内最大値特定部745及び踵着地認識部746は、発明における検出手段の一例である。
図8は、踵着地時刻検出処理の流れを示すフロー図である。
ステップS71では、加速度波形読取部741が、前後方向加速度波形Wy及び上下方向加速度波形Wzを記憶部312から読み出す。
加速度波形読取部741は、さらに、読み出された前後方向加速度波形Wy及び上下方向加速度波形Wzのうち解析対象となる歩行期間の波形部分を、それぞれ前後方向加速度波形WPy、上下方向加速度波WPzとして切り出す。図9に、切り出された前後方向加速度波形WPy及び上下方向加速度波形WPzを概略的に示す。横軸は、時間を表しており、縦軸は、前後方向加速度成分ay及び上下方向加速度成分azを表している。尚、前後方向加速度波形WPyは、発明における第1の加速度波形の一例であり、上下方向加速度波形WPzは、発明における第2の加速度波形の一例である。前後方向加速度波形WPy及び上下方向加速度波形WPzを切り出した後、ステップS72に進む。
ステップS72では、歩行同期波形生成部742が、歩行同期波形を生成する。歩行同期波形とは、歩行時の一歩一歩の動作に略同期して所定のパターンが繰り返される波形のことである。歩行同期波形は、後述するステップS73において歩行時の一歩の動作に対応する区間を求めるために使用される波形である。本出願人の実験結果によれば、以下の式で表される値B(t)の波形WBを歩行同期波形として生成することができる。
B(t)=α・ay(t)’+β・az(t)’ ・・・(1)
ここで、ay(t)’は、前後方向加速度波形WPyを平滑化することにより得られた平滑化波形の時刻tにおける加速度であり、az(t)’は、上下方向加速度波形WPzを平滑化することにより得られた平滑化波形の時刻tにおける加速度である。平滑化を行う関数としては、例えば、ガウシアンフィルタ(Gaussian filter)等に相当する関数を使用することができる。以下では、ay(t)’を前後方向平滑化加速度と呼び、az(t)’を上下方向平滑化加速度と呼ぶことにする。また、α,βは、歩行者の歩き方に依存する係数である。
ステップS72では、歩行同期波形生成部742が、式(1)を用いて歩行同期波形WBを生成する。以下に、歩行同期波形生成部742の機能的な構成と、歩行同期波形WBの生成処理について説明する。
図10は、歩行同期波形生成部742の機能的な構成を示す機能ブロック図である。歩行同期波形生成部742は、平滑化部742a、加速度プロファイル生成部742b、主成分ベクトル計算部742c、および決定部742dを有している。
図11は、ステップS72の歩行同期波形生成処理のフロー図である。
ステップS721では、平滑化部742aが、前後方向加速度波形WPyおよび上下方向加速度波形WPzを平滑化する。図12は、前後方向加速度波形WPyを平滑化することにより得られた平滑化波形WPy’と、上下方向加速度波形WPzを平滑化することにより得られた平滑化波形WP’とを概略的に示す図である。図12では、参考のために、平滑化波形WPy’およびWP’の他に、前後方向加速度波形WPyおよび上下方向加速度波形WPzも示してある。
平滑化波形WPy’の時刻tにおける値は、式(1)の右辺第1項の前後方向平滑化加速度ay(t)’を表しており、平滑化波形WP’の時刻tにおける値は、式(1)の右辺第2項の上下方向平滑化加速度a(t)’を表している。平滑化を行った後、ステップS722に進む。
ステップS722では、係数αおよびβの値を求めるための処理が実行される。上記のように、係数αおよびβの値は、歩行者の歩き方(歩容)に依存する値であるので、歩行者に適した係数αおよびβの値を求める必要がある。以下に、係数αおよびβの値の求め方の一例について説明する。
本願出願人の実験結果によれば、係数αおよびβの値は、後述する加速度プロファイルに基づいて求められることが確認されている。ステップS722では、加速度プロファイルに基づいて係数αおよびβを求める処理が実行される。尚、ステップS722は、ステップS722a、S722b、およびS722cを有しているので、各ステップS722a、S722b、およびS722cについて順に説明する。
ステップS722aでは、加速度プロファイル生成部742bが加速度プロファイルを求める。
図13は、加速度プロファイルの説明図である。
加速度プロファイルOA1は、時刻tにおける座標点(ay(t)’,az(t)’)が時刻tの値とともにどのように変化するかを表す軌道を示している。グラフの横軸はay(t)’であり、グラフの縦軸はaz(t)’を表している。加速度プロファイル生成部742bは、ステップS721で求められた前後方向平滑化加速度ay(t)’および上下方向平滑化加速度az(t)’に基づいて、時刻tにおける(ay(t)’,az(t)’)を求め、(ay(t)’,az(t)’)が時刻tの値とともにどのように変化するかを表す加速度プロファイルOA1を求める。図13では、t=t〜tの間の加速度プロファイルOA1が示されている。
加速度プロファイルOA1の点A(t)は、時刻t=tにおける(ay(t)’,az(t)’)、即ち(ay(t)’,az(t)’)を表している。以下同様に、時刻t〜tの間の各時刻における(ay(t)’,az(t)’)を求めることにより、時刻t〜tの間における加速度プロファイルOA1を求めることができる。加速度プロファイルOA1の点A(t)は、時刻t=tにおける(ay(t)’,az(t)’)、即ち(ay(t)’,az(t)’)を表している。時刻tから時刻tまでの時間は、例えば、数秒〜十数秒程度の時間を表している。
加速度プロファイルOA1を求めた後、ステップS722bに進む。
ステップS722bでは、主成分ベクトル計算部742cが、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルを求める。図14に、加速度プロファイルOA1に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA1を示す。cは、式(1)の係数αに対応し、cは式(1)の係数βに対応する。したがって、v=(c,c)を求めることにより、係数αおよびβの値を決定することができる。例えば、v=(c,c)=(cy1,cz1)の場合、α=cy1、β=cz1となる。主成分ベクトルを求めた後、ステップ722cに進む。
ステップ722cでは、決定部742dが、歩行同期波形を決定する。具体的には、決定部742dは、ステップS721で求められた平滑化加速度とステップS722bで求められた主成分ベクトルを式(1)に代入し、歩行同期波形を決定する。したがって、歩行同期波形は、以下の式で表される。
B(t)=cy1・ay(t)’+cz1・az(t)’ ・・・(2)
図15は、式(2)に基づいて決定された歩行同期波形WBを示す図である。このようにして歩行同期波形WBが生成され、ステップS72が終了する。ステップS72が終了したら、ステップS73に進む。
ステップS73では、一歩区間特定部743が、一歩区間Kを特定する。一歩区間Kとは、歩行における一歩の動作に対応した時間的な区間のことである。一歩区間Kの特定方法は、種々考えられるが、基本的な考え方としては、歩行同期波形において一歩の動作に対応した所定の波形パターンあるいは波形条件を見つけ出し、その波形パターンあるいは波形条件に対応する時間的な範囲を一歩区間Kとして特定する。なお、歩行における特定の位相に対応した時刻を検出するためには、一歩区間Kは、その時刻が明らかに含まれるような区間とする必要がある。本例では、踵着地HCの時刻を検出するので、一歩区間Kは、踵着地HCのタイミングが含まれるような区間とする必要がある。
ここでは、図16に示すように、歩行同期波形WBにおいて、極小値を取る時刻と次の極小値を取る時刻との間の区間を一歩区間Kとしてそれぞれ特定する。なお、当然ではあるが、歩行同期波形が−B(t)の時間変化を表す波形である場合には、当該波形における極大値を取る時刻と次の極大値を取る時刻との間の区間を一歩区間Kとして特定するようにする。また、歩行同期波形WBを低周波の曲線で近似し、その近似曲線より大きい値を持つ波形部分に対応する区間を、一歩区間Kとして特定してもよい。
ステップS74では、上下加速度反映波形生成部744が、上下加速度反映波形WJz′を生成する。上下加速度反映波形WJz′とは、患者10の上下方向加速度成分azが反映された波形のことであり、上下加速度反映成分Jz′の時間変化を表す波形であるともいえる。ここでは、上下加速度反映波形WJ′は、上下方向の上側への加速度の増大が正側への変化として現れる波形とする。上下加速度反映波形WJ′は、上下方向加速度成分azを歩行同期波形と同一の時間で表す波形であってもよいし、上下方向加速度成分azに基づいて演算される量を歩行同期波形と同一の時間で表す波形であってもよい。例えば、演算される量は、上下方向加速度成分azの項を含む演算式により演算される。また例えば、演算される量は、加速度の変化をより強調するため、上下方向加速度成分azを二階時間微分した項をk乗(k≧1)した項を含む演算式により演算される。ここでは、上下加速度反映波形WJz′として、上下方向加速度成分azの時間変化を表す上下方向加速度波形WPzに高周波成分を低減するフィルタ(filter)を適用して成る波形を用いる。
図17は、歩行同期波形WBと上下加速度反映波形WJz′とを同一時間軸上で示した図である。
ステップS75では、区間内最大値特定部74が、一歩区間Kごとに区間内最大値Mkを特定する。区間内最大値Mkとは、上下加速度反映波形WJz′における一歩区間K内での最大値のことである。踵着地HCは、基本的に、一歩区間K内に必ず一つ存在すると考えることができる。また、踵着地HCは、上下加速度反映波形WJz′において、局所的な時間内のピーク波形として現れることが知られている。よって、区間内最大値Mkに対応する時刻は、踵着地HCの時刻と対応付けることができる。なお、上下加速度反映波形WJz′が、上下方向における上側への加速度の増大が負側への変化として現れる波形である場合には、区間内最小値を特定し、その区間内最小値に対応する時刻を踵着地HCの時刻と対応づける。
図18は、上下加速度反映波形WJz′における一歩区間Kごとに特定された区間内最大値Mkを示す図である。図中、区間内最大値Mkは、丸印で示されている。
ステップS76では、踵着地認識部746が、ステップS75で特定した区間内最大値Mkに対応する時刻を、踵着地HCの時刻と対応付けて認識する。
図19は、検出された踵着地HCの時刻を示す図である。図中、踵着地の時刻は、四角印で示されている。
このように、歩行同期波形において波形の特徴を基に一歩一歩に対応した時間的な区間を特定し、加速度反映波形において区間内最大値に対応する時刻を特定する方法によれば、加速度反映波形における一歩の動作に対応したピーク波形の波高値が一歩ごとにばらついたり、一歩の動作とは異なる動作に伴うピーク波形が一歩の動作に対応したピーク波形に近接して現れたりしても、検出漏れや誤検出を抑えることができ、踵着地の時刻を精度よく認識することができる。その結果、例えば、患者10の一歩ごとの加速度成分について、波形を観察したり、波形の解析を行ったりする上で、その精度を向上させることができる。
踵着地の時刻を検出したら、図5に示すフローを終了する。
本実施形態では、前後方向加速度波形Wyおよび上下方向加速度波形Wzに基づいて、加速度プロファイルOA1(図13参照)を求める。そして、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルv=(c,c)(図14参照)を求めることにより、歩行同期波形WBの係数(α,β)を求めている。係数αおよびβの値は患者10の歩き方(歩容)に依存する値であるが、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルv=(c,c)を求めることにより、患者10の歩き方(歩容)を反映した係数(α,β)を求めることができる。したがって、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルv=(c,c)を求め、求めた(c,c)を式(1)に代入することにより、患者10の歩容を反映した歩行同期波形WBを求めることができる。このため、歩行同期波形WBに基づいて、患者10の一歩区間Kを精度よく求めることができる。また、一歩区間Kを精度よく求めることができるので、一歩区間Kごとに、患者10の踵着地のタイミングを高い精度で検出することもできる。
尚、本実施形態では、前後方向加速度波形WPyおよび上下方向加速度波形WPzに基づいて、加速度プロファイルを生成している。しかし、患者の腰の動きを表す曲線を求めることができるのであれば、前後方向および上下方向とは異なる方向の加速度波形を用いて加速度プロファイルを生成してもよい。
本実施形態では、歩行同期波形WBは一歩区間Kを特定するために使用されている。しかし、歩行同期波形WBは、複数歩に対応する時間的な区間(例えば、二歩に対応する時間的な区間を表す二歩区間)を特定するために使用してもよい。
本実施形態では、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルv=(c,c)を、式(1)の係数(α,β)として採用している。しかし、第1主成分ベクトルの代わりに、別の主成分ベクトル(例えば、第1主成分ベクトルに垂直な第2主成分ベクトル)の要素を、式(1)の係数(α,β)として採用することも可能である。
尚、本実施形態において、歩行同期波形WBの係数(α,β)を求めるために使用された加速度プロファイルOA1(図13参照)は、略楕円の形状を描く軌道であるので、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルvの方向は、楕円の長軸方向にほぼ一致する。しかし、患者の歩き方によっては、加速度プロファイルOA1が楕円形状から大きくずれることもある。そこで、加速度プロファイルOA1が楕円形状から大きくずれた場合にどのような歩行同期波形WBが得られるかについて検証した。以下に、検証結果について説明する。尚、以下では、78歳の男性健常者の検証結果と、デイケアサービスを利用している85歳の男性の検証結果について説明する。
(1)78歳の男性健常者の検証結果について
図20〜図22は、78歳の男性健常者の検証結果の説明図である。
図20は、加速度プロファイルを表すグラフである。
図20の加速度プロファイルOA2は、加速度プロファイルOA1(図13参照)と比較すると、楕円形状からずれていることがわかる。加速度プロファイルOA2を求めた後、加速度プロファイルOA2の第1主成分ベクトルv=(c,c)を求める。図21に、加速度プロファイルOA2に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA2を示す。ここでは、v=(c,c)=(cy2,cz2)であるとする。したがって、式(1)は、以下の式で表される。
B=cy2・ay(t)’+cz2・az(t)’ ・・・(3)
図22は、式(3)に基づいて生成された歩行同期波形WBを示す図である。図22を参照すると、歩行同期波形WBの振幅が規則的に増減していることが分かる。したがって、一歩区間Kを特定できるので、踵着地の時刻を精度よく認識できることが分かる。
(2)デイケアサービスを利用している85歳の男性の検証結果について
図23〜図25は、デイケアサービスを利用している85歳の男性の検証結果の説明図である。
図23は、加速度プロファイルを表すグラフである。
図23の加速度プロファイルOA3は、加速度プロファイルOA1(図13参照)と比較すると、楕円形状からずれていることがわかる。加速度プロファイルOA3を求めた後、加速度プロファイルOA3の第1主成分ベクトルv=(c,c)を求める。図24に、加速度プロファイルOA3に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA3を示す。ここでは、v=(c,c)=(cy3,cz3)であるとする。したがって、式(1)は、以下の式で表される。
B=cy3・ay(t)’+cz3・az(t)’ ・・・(4)
図25は、式(4)に基づいて生成された歩行同期波形WBを示す図である。図25を参照すると、歩行同期波形WBの極大値はばらついているものの、一歩区間Kを特定することができる。したがって、踵着地の時刻を認識できることがわかる。
なお、発明は、上記実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では、踵着地の時刻を検出しているが、必ずしも、踵着地の時刻を検出する必要はない。また、本実施形態では、患者10の腰の動きを表す曲線を求めているが、加速度センサを患者10の別の部位に取り付けることにより、当該別の部位の動きを表す曲線を求めることもできる。
また例えば、本実施形態は、発明を人の歩行運動に適用した例であるが、発明を人のその他の移動運動、例えば人の走行運動などにも適用することができる。
本発明は、コンピュータを移動運動解析装置として機能させるためのプログラムも、実施形態の一つである。
1 歩行解析システム
10 患者
11 操作者
2 加速度センサモジュール
21 プロセッサ
22 加速度センサ
23 メモリ
24 通信I/F
25 バッテリ
201 加速度センサ部
202 サンプリング部
203 送信部
3 歩行解析装置
31 プロセッサ
32 ディスプレイ
33 操作部
34 メモリ
35 通信I/F
36 バッテリ
301 操作部
302 ディスプレイ部
303 患者情報受付部
304 受信部
305 加速度データ取得制御部
307 加速度データ解析部
310 表示制御部
312 記憶部
41 データベース
42 記憶媒体
71 加速度成分算出部
72 加速度波形生成部
73 歩行期間特定部
74 踵着地時刻検出部
741 加速度波形読取部
742 歩行同期波形生成部
742a 平滑化部
742b 加速度プロファイル生成部
742c 主成分ベクトル計算部
742d 決定部
743 一歩区間特定部
744 上下加速度反映波形生成部
745 区間最大値特定部
746 踵着地認識部

Claims (11)

  1. 人の移動運動中における第1の方向の加速度と時間との関係を表す第1の加速度波形を平滑化するとともに、前記人の移動運動中における第2の方向の加速度と時間との関係を表す第2の加速度波形を平滑化する平滑化手段と、
    前記第1の加速度波形を平滑化することにより得られた第1の平滑化波形と、前記第2の加速度波形を平滑化することにより得られた第2の平滑化波形とに基づいて、前記第1の平滑化波形の加速度と前記第2の平滑化波形の加速度との関係を表す加速度プロファイルを生成する加速度プロファイル生成手段と、
    前記第1の平滑化波形、前記第2の平滑化波形、および前記加速度プロファイルに基づいて、一歩又は複数歩の動作に対応する時間的な区間を特定するための波形を決定する決定手段と、
    を有する移動運動解析装置。
  2. 前記加速度プロファイルは、
    前記第1の平滑化波形の時刻tにおける加速度を第1の座標として有するとともに、前記第2の平滑化波形の時刻tにおける加速度を第2の座標として有する座標点が、時刻tの値とともにどのように変化するかを表す軌道を示している、請求項1に記載の移動運動解析装置。
  3. 前記加速度プロファイルの主成分ベクトルを計算する計算手段を有し、
    前記決定手段は、前記第1の平滑化波形、前記第2の平滑化波形、および前記主成分ベクトルに基づいて、前記区間を特定するための波形を決定する、請求項2に記載の移動運動解析装置。
  4. 前記決定手段は、以下の式で表される値B(t)に基づいて、前記区間を特定するための波形を決定する、請求項3に記載の移動運動解析装置。
    B(t)=α・ay(t)’+β・az(t)’ ・・・(1)
    ここで、ay(t)’:前記第1の平滑化波形の時刻tにおける加速度
    z(t)’:前記第2の平滑化波形の時刻tにおける加速度
    α、β:前記主成分ベクトルに基づいて求められる係数
  5. 前記主成分ベクトルは、第1主成分ベクトル、又は前記第1主成分ベクトルに垂直な第2主成分ベクトルである、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  6. 前記区間内から、踵が着地した時刻を検出する検出手段を備えた移動運動解析装置。
  7. 前記第1の加速度波形および前記第2の加速度波形は、加速度センサを用いて得られた人の移動運動中における加速度を表すデータに基づいて求められる、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  8. 前記第1の方向は前後方向であり、前記第2の方向は上下方向である、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  9. 前記移動運動は歩行である請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  10. 人の移動運動中における加速度を表すデータを得るための加速度センサと、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置とを備えた移動運動解析システム。
  11. コンピュータを請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置として機能させるためのプログラム。
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