JP6643189B2 - 移動運動解析装置及びシステム並びにプログラム - Google Patents

移動運動解析装置及びシステム並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、加速度センサ(sensor)を用いて人の歩行などの移動運動を評価するための技術に関する。
従来、医療施設や介護施設等において、歩行障害を持つ患者に対するリハビリテーション(rehabilitation)が行われている。
このリハビリテーションでは、一般的に、患者に適した歩行訓練プログラム(program)を作成したり、患者の回復レベル(level)を把握したりするために、理学療法士などの指導員が、患者の歩行運動を繰り返し評価する。
また、近年においては、加速度センサを用いて人の歩行などの移動運動中に生じる加速度を測定し、その測定結果に基づいて移動運動を定量的かつ客観的に評価する試みが成されている(例えば、特許文献1,要約等参照)。
特開2013−059489号公報
理学療法士などの指導員が、患者に適した歩行訓練プログラムを作成したり、患者の回復レベルを把握したりするためには、歩行中の患者の身体の所定の部位の動きを認識することが必要となる。特に、患者の腰の動きを認識することが重要となる。そこで、加速度データに基づいて、患者の位置が時間とともにどのように変化するかを表す位置波形を求め、位置波形に基づいて、患者の腰の動きの情報を得ることが検討されている。しかし、これまでの方法では、腰の動きを認識するのに適した情報を得ることは難しかった。
このような事情により、歩行中の患者の身体の所定の部位(例えば、腰)の動きを認識するのに適した技術を開発することが望まれている。
第1の観点の発明は、前記人の移動運動中における第1の方向の位置と時間との関係を表す第1の位置波形と、前記人の移動運動中における第2の方向の加速度と時間との関係を表す第2の位置波形とを生成する位置波形生成手段と、
前記第1の位置波形および前記第2の位置波形に基づいて、前記第1の位置波形が表す位置と前記第2の位置波形が表す位置との関係を表す位置プロファイルを生成する位置プロファイル生成手段と、
前記位置プロファイルを、二歩の動作に対応する時間的な区間ごとに分割する位置プロファイル分割手段と、
前記位置プロファイルを前記区間ごとに分割することにより得られた複数のプロファイル部分を合成することにより、合成プロファイルを生成する合成手段と、を有する、移動運動解析装置である。
上記観点の発明によれば、歩行中の患者の身体の所定の部位の動きを認識するのに適した合成プロファイルを得ることができる。
歩行解析システムの構成を概略的に示す図である。 加速度センサモジュール及び歩行解析装置のハードウェアの構成を示す図である。 加速度センサモジュール及び歩行解析装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 加速度データ解析部の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 歩行解析システムにおける処理の流れを示すフロー図である。 加速度波形を概略的に示す図である。 曲線生成部74の機能的な構成を示す機能ブロック図である。 曲線生成処理のフロー図である。 二歩区間特定処理(S71)のフローの一例を示す図である。 前後方向加速度波形WPy及び上下方向加速度波形WPzを概略的に示す図である。 歩行同期波形生成処理(S712)の一例を示すフロー図である。 平滑化波形WPy’および平滑化波形WP’を概略的に示す図である。 加速度プロファイルの説明図である。 加速度プロファイルOA1に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA1を示す図である。 式(2)に基づいて生成された歩行同期波形WBを示す図である。 二歩区間R1〜Rnを示す図である。 位置プロファイルOPを示す図である。 位置プロファイルOPの分割方法の説明図である。 ステップS75のフローの一例を示す図である。 変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を概略的に示す図である。 平行移動後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を概略的に示す図である。 プロファイル部分OP1’から得られたN個のサンプリング点Pj(P1〜P)を概略的に示す図である。 点Pjの基準点の求め方の説明図である。 合成プロファイルPDを概略的に示す図である。
以下、発明の実施形態について説明する。なお、これにより発明は限定されない。
図1は、歩行解析システム(system)1の構成を概略的に示す図である。なお、歩行解析システム1は、発明における移動運動解析システムの一例である。
歩行解析システム1は、図1に示すように、加速度センサモジュール(sensor module)2と、歩行解析装置3とを有している。加速度センサモジュール2は、患者10の背面の腰部中央等に、粘着パッド(pad)やバンド(band)等により装着される。歩行解析装置3は、操作者11が携帯したり操作したりして使用される。なお、歩行解析装置3は、発明における移動運動解析装置の一例である。
図2は、加速度センサモジュール2及び歩行解析装置3のハードウェア(hardware)の構成を示す図である。
図2に示すように、加速度センサモジュール2は、プロセッサ(processor)21と、加速度センサ22と、メモリ(memory)23と、通信I/F(interface)24と、バッテリ(battery)25とを有している。歩行解析装置3は、例えば、スマートフォン(smart phone)、タブレット型コンピュータ(tablet computer)、ノートパソコン(note PC)などのコンピュータ端末であり、プロセッサ31と、ディスプレイ(display)32と、操作部33と、メモリ34と、通信I/F35と、バッテリ36とを有している。なお、プロセッサ21及びプロセッサ31は、それぞれ、単一のプロセッサに限定されず、複数のプロセッサである場合も考えられる。
図3は、加速度センサモジュール2及び歩行解析装置3の機能的な構成を示す機能ブロック(block)図である。
加速度センサモジュール2は、図3に示すように、加速度センサ部201と、サンプリング(sampling)部202と、送信部203とを有している。なお、サンプリング部202及び送信部203は、プロセッサ21がメモリ23に記憶されている所定のプログラム(program)を読み出して実行することにより実現される。
加速度センサ部201は、センサ本体を基準とした3次元直交座標系におけるx,y,zの各軸方向の加速度成分について、その加速度成分に応じたアナログ(analog)信号をほぼリアルタイム(real time)に出力する。
サンプリング部202は、そのアナログ信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル(digital)の加速度データに変換する。サンプリング周波数は、例えば128Hzである。サンプリング部202は、例えば、1g(重力加速度)=9.8m/s2=加速度データ値128となるスケール(scale)で、加速度データを出力する。
送信部203は、サンプリングされた各時刻における加速度成分を表す加速度データをほぼリアルタイムにて無線で送信する。
なお、本例では、加速度センサモジュール2は、センサ本体のx軸方向、y軸方向及びz軸方向が、それぞれ、患者10のRL(Right-Left)方向、AP(Anterior-Posterior)方向及びSI(Superior-Inferior)方向と一致するように取り付けられる。RL方向、AP方向及びSI方向は、それぞれサジタル(sagittal)方向、コロナル(coronal)方向及びアキシャル(axial)方向とも言う。また、本例では、加速度センサモジュール2の姿勢(傾き)は、患者10の歩行中において変化しないものと仮定する。
歩行解析装置3は、図3に示すように、操作部301と、ディスプレイ部302と、患者情報受付部303と、受信部304と、加速度データ取得制御部305と、加速度データ解析部307と、表示制御部310と、記憶部312とを有している。患者情報受付部303、加速度データ取得制御部305、加速度データ解析部307、及び表示制御部310は、プロセッサ31(図2参照)がメモリ34に記憶されている所定のプログラムを読み出して実行することにより実現される。
操作部301は、操作者11の操作を受け付ける。操作部301は、例えば、タッチパネル(touch panel)、タッチパッド(touch pad)、キーボード(keyboard)、マウス(mouse)などにより構成されている。なお、操作者11は、例えば、理学療法士などの指導員である。
ディスプレイ部302は、画像を表示する。ディスプレイ部302は、例えば、液晶パネル、有機ELパネルなどにより構成されている。
患者情報受付部303は、患者情報の入力を受け付け、入力された患者情報を記憶部312に記憶させる。
受信部304は、加速度センサモジュール2の送信部203から送信された加速度データを無線で受信する。なお、送信部203と受信部304との無線通信には、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の規格を用いることができる。
加速度データ取得制御部305は、操作者11による操作に基づいて加速度データを取得するよう受信部304及び記憶部312を制御する。
加速度データ解析部307は、取得された加速度データを解析して、その解析結果を出力する。加速度データ解析部307の詳細については後述する。
表示制御部310は、ディスプレイ部302の画面に、少なくとも加速度データの解析結果を含む種々の画像や文字情報などを表示するようディスプレイ部302を制御する。
記憶部312は、入力された患者情報、取得された加速度データ、加速度データの解析結果などを記憶する。なお、これらの情報は、必要に応じて、歩行解析装置3に接続されたデータベース(database)41に転送されたり、外付けのDVD−ROM、メモリカード(memory card)などの媒体や、インターネット(internet)を介して接続された外部の媒体などを含む記憶媒体42に保存される。
ここで、加速度データ解析部307の詳細について説明する。加速度データ解析部307は、取得された加速度データに対して解析処理を行い、その解析結果を出力する。解析処理は、複数用意されている。加速度データ解析部307は、操作者11によって指定された解析処理を実行する。本例では、実行する解析処理として、取得された加速度データが担持する加速度成分の時間変化を表す加速度波形を生成し、その加速度波形に基づいて、患者10の腰の動きを表す曲線を求めるための処理を想定する。
なお、一般的に、連続的な左右一歩ずつの前進動作の中には、右足の踵着地、左足のつま先蹴り、左足の踵着地、及び右足のつま先蹴りの各動作(歩行位相)が1つずつ含まれる。また、一歩の前進動作は、一方の足の着地から他方の足の着地までの間の動作として定義される。一歩の前進動作は、ステップ若しくは1ステップともいう。また、連続的な左右一歩ずつから成る二歩の前進動作は、一方の足の着地から他方の足の着地を経て再度の一方の足の着地までの間の動作として定義される。二歩の前進動作は、ストライド(stride)若しくは1ストライドともいう。
図4は、加速度データ解析部307の機能的な構成を示す機能ブロック図である。加速度データ解析部307は、上記の機能を実現させるため、図4に示すように、加速度成分算出部71と、加速度波形生成部72と、歩行期間特定部73と、曲線生成部74とを有している。
加速度成分算出部71は、取得された加速度データに基づいて、データ取得期間の各サンプリング時刻における患者10の左右方向、前後方向及び上下方向の加速度成分ax,ay,azをそれぞれ算出する。本例では、これらの加速度成分ax,ay,azは、重力加速度gの成分を除去して、患者10の純粋な運動により生じた加速度成分として算出することを想定する。ただし、より簡便に、重力加速度gの成分を含む形で特定してもよい。また、左右方向、前後方向及び上下方向は、それぞれ、水平左右方向、水平進行方向及び鉛直方向を想定する。ただし、より簡便に、加速度センサモジュール2のセンサ本体を基準としたx軸方向、y軸方向及びz軸方向としてもよい。なお、ここでは、加速度成分の正負は、左右方向では右側寄り、前後方向では前側寄り、上下方向では上側寄りをそれぞれ正とする。
加速度波形生成部72は、算出された各方向の各サンプリング時刻における加速度成分ax,ay,azに基づいて、左右方向の加速度成分axの時間変化を表す左右加速度波形Wx、前後方向の加速度成分ayの時間変化を表す前後加速度波形Wy、上下方向の加速度成分azの時間変化を表す上下加速度波形Wzをそれぞれ生成する。
歩行期間特定部73は、加速度データ取得期間の中で患者10が実際に歩行を行っている期間(以下、歩行期間ともいう)を特定する。
曲線生成部74は、患者の腰の動きを表す曲線を生成する。
これより、歩行解析システム1における処理の流れについて説明する。
図5は、歩行解析システム1における処理の流れを示すフロー(flow)図である。
ステップ(step)S1では、患者情報受付部303が、患者情報の入力を受け付け、入力された患者情報を記憶部312に記憶させる。ここでは、操作者11が、歩行解析装置3の操作部301を操作して、患者10の患者情報を直接入力する。患者情報受付部303は、その直接入力された患者情報を記憶部312に記憶させる。患者情報には、例えば、患者のID番号、氏名、年齢、性別、生年月日などが含まれる。なお、後述する患者10の加速度データやこの加速度データの解析結果などは、この患者情報と対応付けて記憶部312に記憶される。
ステップS2では、加速度データ取得制御部305が、受信部304及び記憶部312を制御して、患者10の各時刻tiにおける加速度データを取得する。ここでは、まず、操作者11が、患者10の腰部に加速度センサモジュール2を取り付ける。そして、操作者11は、歩行解析装置3の操作部31により、加速度データの取得開始操作を行う。加速度データ取得制御部305は、この操作に応答して、受信部304に加速度データの受信を開始させ、記憶部312にその受信された加速度データの記憶を開始させる。次に、患者10に、自身の標準的な歩行速度でしばらく歩行してもらう。歩行は、例えば、距離にして5m〜20m程度、時間にして20秒〜3分程度、歩数にして10歩〜40歩程度である。加速度センサモジュール2のサンプリング部202は、加速度センサ部201の出力に基づいて、患者10の歩行中におけるx軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの加速度成分Ax,Ay,Azをサンプリングして計測する。加速度センサモジュール2の送信部203は、計測された加速度成分を表す加速度データをほぼリアルタイムで送信する。この間、受信部304は、送信部203から送信された加速度データを順次受信し、記憶部312は、その受信された加速度データを記憶する。患者10の歩行が終了したら、操作者11は、操作部31により加速度データの取得終了操作を行う。加速度データ取得制御部305は、この操作に応答して、受信部304に加速度データの受信を終了させる。これにより、加速度データの取得開始操作が成されてから取得終了操作が成されるまでの期間が実質的に加速度データ取得期間となり、この期間の各サンプリング時刻における各方向の加速度データが取得される。加速度データを取得した後、ステップS3に進む。
ステップS3では、加速度データ解析部307が、加速度データに対して実行する解析処理を設定する。例えば、操作者11が、操作部301を操作して、取得した加速度データをグラフ化して表示したり、取得した加速度データを解析してその結果を表示したりする複数の機能の中から、実行させたい所望の機能を選択する。加速度データ解析部307は、その選択された機能に応じて、実行させる解析処理を設定する。本例では、操作者11は、患者10の腰の動きを表す曲線を求めるための処理を選択するものとする。解析処理を設定した後、ステップS4に進む。
ステップS4では、加速度成分算出部71が、取得された加速度データを記憶部312から読み出し、当該加速度データに基づいて、加速度データ取得期間の各サンプリング時刻における患者10の左右方向、前後方向及び上下方向の加速度成分ax,ay,azを算出あるいは特定する。なお、ここでは、加速度データが表す加速度から重力加速度gの成分を除去する処理を含む所定のアルゴリズム(algorithm)を用いて、各サンプリング時刻及び各方向の加速度成分を算出する。算出された加速度成分は、記憶部312に送信され記憶される。次に、ステップS5に進む。
ステップS5では、加速度波形生成部72が、ステップS4で算出された患者10の各サンプリング時刻における左右方向加速度成分ax、前後方向加速度成分ay、及び上下方向加速度成分azに基づいて、左右方向加速度波形Wx、前後方向加速度波形Wy、及び上下方向加速度波形Wzを生成する。本例では、加速度波形生成部72は、加速度成分の各方向ごとに、加速度データの取得開始時点からの経過時間(時刻)と加速度成分とを2軸とした2次元座標系において、各時刻tiでの加速度成分a(i)に対応するデータ点[a(i), ti]をそれぞれプロット(plot)することにより加速度波形を生成する。
図6に、生成された加速度波形を概略的に示す。ここでは、前後方向加速度波形Wyおよび上下方向加速度波形Wzを図示し、左右方向加速度波形Wxは図示省略されている。横軸は、加速度データ取得開始から経過した時間t(秒)であり、縦軸は、加速度データ値ax,ay,az(重力加速度g/128)である。
人の歩行運動では、通常、一方の足の踵着地、他方の足のつま先蹴り、他方の足の踵着地、一方の足のつま先蹴りという4つの動作がこの順番で繰り返し行われる。
上下方向加速度波形Wzにおいては、図6に示すように、歩行運動を構成する上記4つの動作の各々に対応して、波高値が一定以上となる極大値すなわちピーク波形を取ることが知られている。
前後方向加速度波形Wにおいては、図6に示すように、一方の足の踵着地から他方の足のつま先蹴りまでの一歩の前進動作と、他方の足の踵着地から一方の足のつま先蹴りまでの一歩の前進動作と対応して、波高が一定以上となる極大値すなわちピーク波形を取ることが知られている。加速度波形を生成した後、ステップS6(図5参照)に進む。
ステップS6では、歩行期間特定部73が、加速度データ取得期間の中で歩行期間を特定する。一般的に、加速度データ取得期間には、患者10が歩行を行っている期間と歩行を行っていない期間とが含まれている。歩行を行っていない期間としては、例えば、加速度データの取得を開始してから患者10が歩行を開始するまでの期間、患者10が歩行を終了してから加速度データの取得を終了するまでの期間、患者10が歩行中に一時的に歩行を止めてしまう期間などが挙げられる。一方、解析対象に歩行を行っていない期間の加速度データが含まれていると、正しい解析を行うことができない。そこで、ここでは、解析処理を行う前に、加速度データ取得期間の中で歩行期間を特定し、その歩行期間における加速度データを解析処理の対象として決定する。
一般的に、歩行期間を特定する方法としては、次のような方法が考えられる。
第1の歩行期間特定方法は、操作者11が加速度波形を見て歩行期間と考える期間を手動で指定し、指定された期間を歩行期間として特定する方法である。
第2の歩行期間特定方法は、サンプリング時刻ごとに患者10に生じた加速度の大きさを表す特徴量を求め、この特徴量が所定の閾値以上になった時点から当該閾値以下になった時点までを、歩行期間として特定する方法である。加速度の大きさを表す特徴量としては、例えば、重力加速度gの成分が除去された各方向の加速度成分ax,ay,azの平方二乗和が考えられる。
歩行期間を特定した後、ステップS7に進む。
ステップS7では、曲線生成部74が、解析対象となる歩行期間における加速度波形に基づいて、患者の腰の動きを表す曲線を生成する。以下、曲線生成部74の機能的な構成と、曲線生成処理について説明する。
図7は、曲線生成部74の機能的な構成を示す機能ブロック図である。曲線生成部74は、図7に示すように、二歩区間特定部741、位置波形生成部742、位置プロファイル生成部743、位置プロファイル分割部744、および合成部745を有している。
図8は、曲線生成処理のフロー図である。
ステップS71では、二歩区間特定部741が、患者10の二歩区間を特定する。二歩区間とは、歩行における二歩の動作に対応した時間的な区間のことである。以下、二歩区間の特定方法について、図9を参照しながら具体的に説明する。
図9は、二歩区間特定処理(S71)のフローの一例を示す図である。
ステップS711では、二歩区間特定部741が、前後方向加速度波形Wy及び上下方向加速度波形Wzを記憶部312から読み出す。
二歩区間特定部741は、さらに、読み出された前後方向加速度波形Wy及び上下方向加速度波形Wzのうち解析対象となる歩行期間の波形部分を、それぞれ前後方向加速度波形WPy、上下方向加速度波WPzとして切り出す。図10に、切り出された前後方向加速度波形WPy及び上下方向加速度波形WPzを概略的に示す。横軸は、時間を表しており、縦軸は、前後方向加速度成分ay及び上下方向加速度成分azを表している。前後方向加速度波形WPy及び上下方向加速度波形WPzを切り出した後、ステップS712に進む。
ステップS712では、二歩区間特定部741が、歩行同期波形を生成する。歩行同期波形とは、歩行時の一歩一歩の動作に略同期して所定のパターンが繰り返される波形のことである。歩行同期波形は、後述するステップS713において歩行時の二歩の動作に対応する二歩区間を求めるために使用される波形である。本出願人の実験結果によれば、以下の式で表される値B(t)の波形WBを歩行同期波形として生成することができる。
B(t)=α・ay(t)’+β・az(t)’ ・・・(1)
ここで、ay(t)’は、前後方向加速度波形WPyを平滑化することにより得られた平滑化波形の時刻tにおける加速度であり、az(t)’は、上下方向加速度波形WPzを平滑化することにより得られた平滑化波形の時刻tにおける加速度である。平滑化を行う関数としては、例えば、ガウシアンフィルタ(Gaussian filter)等に相当する関数を使用することができる。以下では、ay(t)’を前後方向平滑化加速度と呼び、az(t)’を上下方向平滑化加速度と呼ぶことにする。また、α,βは、歩行者の歩き方に依存する係数である。
ステップS712では、式(1)を用いて歩行同期波形WBが生成される。以下に、歩行同期波形WBを生成する方法について、図11を参照しながら説明する。
図11は、歩行同期波形生成処理(S712)の一例を示すフロー図である。
ステップS712Aでは、二歩区間特定部741が、前後方向加速度波形WPyおよび上下方向加速度波形WPzを平滑化する。図12は、前後方向加速度波形WPyを平滑化することにより得られた平滑化波形WPy’と、上下方向加速度波形WPzを平滑化することにより得られた平滑化波形WP’とを概略的に示す図である。図12では、参考のために、平滑化波形WPy’およびWP’の他に、前後方向加速度波形WPyおよび上下方向加速度波形WPzも示してある。
平滑化波形WPy’の時刻tにおける値は、式(1)の右辺第1項の前後方向平滑化加速度ay(t)’を表しており、平滑化波形WP’の時刻tにおける値は、式(1)の右辺第2項の上下方向平滑化加速度a(t)’を表している。平滑化を行った後、ステップS712Bに進む。
ステップS712Bでは、二歩区間特定部741が、係数αおよびβの値を求める。上記のように、係数αおよびβの値は、歩行者の歩き方(歩容)に依存する値であるので、歩行者に適した係数αおよびβの値を求めるとが望ましい。以下に、係数αおよびβの値の求め方の一例について説明する。
本願出願人の実験結果によれば、係数αおよびβの値は、後述する加速度プロファイルに基づいて求められることが確認されている。ステップS712Bでは、加速度プロファイルに基づいて係数αおよびβを求める処理が実行される。尚、ステップS712Bは、ステップS712CおよびS712Dを有しているので、各ステップS712CおよびS712Dについて順に説明する。
ステップS712Cでは、二歩区間特定部741が、加速度プロファイルを求める。
図13は、加速度プロファイルの説明図である。
加速度プロファイルOA1は、時刻tにおける座標点(ay(t)’,az(t)’)が時刻tの値とともにどのように変化するかを表す軌道を示している。グラフの横軸はay(t)’であり、グラフの縦軸はaz(t)’を表している。二歩区間特定部741は、ステップS712Aで求められた前後方向平滑化加速度ay(t)’および上下方向平滑化加速度az(t)’に基づいて、時刻tにおける(ay(t)’,az(t)’)を求め、(ay(t)’,az(t)’)が時刻tの値とともにどのように変化するかを表す加速度プロファイルOA1を求める。図13では、t=t〜tの間の加速度プロファイルOA1が示されている。
加速度プロファイルOA1の点A(t)は、時刻t=tにおける(ay(t)’,az(t)’)、即ち(ay(t)’,az(t)’)を表している。以下同様に、時刻t〜tの間の各時刻における(ay(t)’,az(t)’)を求めることにより、時刻t〜tの間における加速度プロファイルOA1を求めることができる。加速度プロファイルOA1の点A(t)は、時刻t=tにおける(ay(t)’,az(t)’)、即ち(ay(t)’,az(t)’)を表している。時刻tから時刻tまでの時間は、例えば、数秒〜十数秒程度の時間を表している。
加速度プロファイルOA1を求めた後、ステップS712Dに進む。
ステップS712Dでは、二歩区間特定部741は、加速度プロファイルOA1の第1主成分ベクトルを求める。図14に、加速度プロファイルOA1に対して求められた第1主成分ベクトルv=(c,c)を表す軸VA1を示す。cは、式(1)の係数αに対応し、cは式(1)の係数βに対応する。したがって、v=(c,c)を求めることにより、係数αおよびβの値を決定することができる。例えば、v=(c,c)=(cy1,cz1)の場合、α=cy1、β=cz1となる。
主成分ベクトルを求めた後、二歩区間特定部741は、ステップS712Aで求めた平滑化加速度とステップS712Dで求めた主成分ベクトルを式(1)に代入する。したがって、歩行同期波形は以下の式で表される。
B(t)=cy1・ay(t)’+cz1・az(t)’ ・・・(2)
図15は、式(2)に基づいて生成された歩行同期波形WBを示す図である。このようにして歩行同期波形WBが生成され、ステップS712が終了する。ステップS712が終了したら、ステップS713(図9参照)に進む。
ステップS713では、二歩区間特定部741が、歩行同期波形WBに基づいて、二歩区間に対応する時間的な範囲を特定する。二歩区間とは、歩行における二歩の動作に対応した時間的な区間のことである。二歩区間の特定方法は、種々考えられる。例えば、歩行同期波形において一歩の動作に対応した時間的な範囲を一歩区間Kとして特定し、その一歩区間Kの2倍の区間を、二歩区間として特定することができる。
ここでは、図16に示すように、歩行同期波形WBにおいて、極小値を取る時刻と次の極小値を取る時刻との間の区間を一歩区間Kとしてそれぞれ特定し、一歩区間Kの2倍の区間を、二歩区間R1〜Rnとして特定する。
このようにして二歩区間R1〜Rnが特定され、ステップS71が終了する。ステップS71が終了したら、ステップS72(図8参照)に進む。
ステップS72では、位置波形生成部742は、左右方向加速度波形Wに基づいて、左右方向の位置p(t)を表す左右方向位置波形WLを生成する。左右方向位置波形WLは、例えば、左右方向加速度波形Wを時間積分することにより左右方向速度波形を求め、左右方向速度波形を時間積分することにより生成することができる。
また、ステップS72では、位置波形生成部742は、上下方向加速度波形Wに基づいて、上下方向の位置p(t)を表す上下方向位置波形WLも生成する。上下方向位置波形WLは、例えば、上下方向加速度波形Wを時間積分することにより上下方向速度波形を求め、上下方向速度波形を時間積分することにより生成することができる。
左右方向位置波形WLおよび上下方向位置波形WLを生成した後、ステップS73に進む。
ステップS73では、位置プロファイル生成部743が、左右方向位置波形WLおよび上下方向位置波形WLに基づいて、位置プロファイルを生成する。
図17は、位置プロファイルOPを示す図である。
グラフの横軸は左右方向位置p(t)であり、グラフの縦軸は上下方向位置pz(t)を表している。位置プロファイルOPは、時刻tにおける(p(t),pz(t))が時刻tの値とともにどのように変化するかを表す軌道を表している。位置プロファイル生成部743は、左右方向位置波形WLの左右方向位置p(t)と上下方向位置波形WLの上下方向位置pz(t)に基づいて、時刻tにおける(p(t),pz(t))を求め、(p(t),pz(t))が時刻tの値とともにどのように変化するかを表す位置プロファイルOPを求める。図17では、t=t〜tの間の位置プロファイルOPが概略的に示されている。
位置プロファイルOPの点P(t)は、時刻t=tにおける(p(t),pz(t))、即ち(p(t),pz(t))を表している。以下同様に、時刻t〜tの間の各時刻における点P(t)=(p(t),pz(t))を求めることにより、時刻t〜tの間における位置プロファイルOPを求めることができる。位置プロファイルOPの点P(t)は、時刻t=tにおける点P(t)=(p(t),pz(t))、即ちP(t)=(p(t),pz(t))を表している。時刻tから時刻tまでの時間は、例えば、数秒〜十数秒程度の時間を表している。
位置プロファイルOPを生成した後、ステップS74に進む。
ステップS74では、位置プロファイル分割部744が、ステップS71で特定された二歩区間R1〜Rn(図16参照)に基づいて位置プロファイルOPを分割する(図18参照)。
図18は、位置プロファイルOPの分割方法の説明図である。
位置プロファイル分割部744は、先ず、位置プロファイルOPから、二歩区間R1に対応するプロファイル部分OP1を抽出する。プロファイル部分OP1の始点P(t)および終点P(t)は、それぞれ、二歩区間R1の開始時刻tおよび終了時刻tに対応している。
次に、位置プロファイル分割部744は、位置プロファイルOPから、二歩区間R2に対応するプロファイル部分OP2を抽出する。プロファイル部分OP2の始点P(t)および終点P(t)は、それぞれ、二歩区間R2の開始時刻tおよび終了時刻tに対応している。
次に、位置プロファイル分割部744は、位置プロファイルOPから、二歩区間R3に対応するプロファイル部分OP3を抽出する。プロファイル部分OP3の始点P(t)および終点P(t)は、それぞれ、二歩区間R3の開始時刻tおよび終了時刻tに対応している。
以下同様に、位置プロファイルOPから各二歩区間に対応するプロファイル部分を抽出する。最後に、位置プロファイル分割部744は、位置プロファイルOPから、二歩区間Rnに対応するプロファイル部分OPnを抽出する。プロファイル部分OPnの始点P(tn−1)および終点P(t)は、それぞれ、二歩区間Rnの開始時刻tn−1および終了時刻tに対応している。位置プロファイルOPをn個のプロファイル部分OP1〜OPnに分割した後、ステップS75に進む。
ステップS75では、合成部745が、プロファイル部分OP1〜OPnを合成する。以下、ステップS75について説明する。
図19は、ステップS75のフローの一例を示す図である。
ステップS751では、合成部745が、プロファイル部分OP1〜OPnの各々を変形する。以下に、プロファイル部分OP1〜OPnの各々を変形する理由について説明する。
二歩区間R1〜Rn(図16参照)は、患者の二歩の動作に対応する区間である。したがって、理想的には、プロファイル部分の始点は終点に一致するはずである。例えば、プロファイル部分OP1〜OPnのうちのプロファイル部分OP1(図18参照)に着目すると、プロファイル部分OP1の始点P(t)は終点P(t)に一致するはずである。しかし、実際には、歩行者が歩行している間、歩行者の重心が移動するので、図18に示すように、プロファイル部分OP1の始点P(t)は終点P(t)からずれる。そこで、本形態では、合成部745は、各プロファイル部分の始点が終点に一致するように、n個のプロファイル部分OP1〜OPnの各々を変形する。図20は、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を概略的に示す図である。図20では、変形前のプロファイル部分OP1〜OPnは細い曲線で示されており、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’は太い曲線で示されている。
各プロファイル部分を滑らかに変形する方法としては、例えば、以下のような方法が考えられる。
先ず、プロファイル部分ごとに、始点P(t)と終点P(ti+1)との差Δdを求める。Δdは、以下の式で表すことができる。
Δd=P(ti+1)−P(t) ・・・(3)
次に、プロファイル部分上の時刻t(t≦t<ti+1)における点P(t)を、以下の式で表される点P’(t)に変形する。
P’(t)=P(t)−(t−t)/(ti+1−t)Δd ・・・(4)
式(4)により、P’(t)=P’(ti+1)=P(t)となる。したがって、各プロファイル部分を、始点と終点とが一致するように変形することができる。
変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を求めた後、ステップS752に進む。
ステップS752では、合成部745が、変形後のプロファイル部分OPi’(i=1〜n)の各々の中心Pcを求める。ここでは、中心Pcを以下の式で定義する。
したがって、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’の各々の中心Pc〜Pcを求めることができる。中心を求めた後、ステップSS753に進む。
ステップS753では、合成部745が、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’の中心Pc〜Pcが、原点に一致するように、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を平行移動する。図21は、平行移動後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を概略的に示す図である。変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を平行移動した後、ステップS754に進む。
ステップS754では、合成部745が、平行移動後のプロファイル部分OP1’〜OPn’に基づいて、合成プロファイルPDを求める。具体的には、以下のようにして、合成プロファイルPDを求める。
先ず、合成部745は、プロファイル部分OP1’〜OPn’の各々が同じ個数Nのサンプリング点Pj(j=1〜N)を有するようにサンプリングする。図22に、プロファイル部分OP1’〜OPn’のうちのプロファイル部分OP1’から得られたN個のサンプリング点Pj(P1〜P)が概略的に示されている。合成部745は、残りのプロファイル部分OP2’〜OPn’についてもN個のサンプリング点を有するようにサンプリングする。
サンプリングを行った後、合成部745は、jの値ごとに、サンプリング点Pjの基準点を求める(図23参照)。
図23は、点Pjの基準点の求め方の説明図である。
先ず、j=1、即ち、プロファイル部分OP1’〜OPn’の点P1について考える。
合成部745は、プロファイル部分OP1’〜OPn’の点P1の第1の軸(左右方向位置)の座標値の平均値px1と、第2の軸(上下方向位置)の座標値の平均値pz1とを求める。この平均値px1およびpz1により決定される点(px1,pz1)が、プロファイル部分OP1’〜OPn’の点P1の基準点(px1,pz1)として求められる。
以下同様に、j=2、j=3、・・・j=Nについても、基準点(px2,pz2)、(px3,pz3)、・・・(pxN,pzN)を求める。したがって、N個の基準点を求めることができる。これらのN個の基準点を繋ぐことにより合成プロファイルPDが得られる。図24に、得られた合成プロファイルPDを概略的に示す。合成プロファイルPDが、患者の腰の動きを表す曲線として求められる。
尚、上記の説明では、n個のプロファイル部分OP1’〜OPn’の全てを用いて、合成プロファイルPDを求めている。しかし、プロファイル部分OP1’〜OPn’の中には、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分が含まれていることがあり、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を用いて合成プロファイルPDを求めると、合成プロファイルPDの値の誤差が大きくなり、患者の腰の動きを適切に表す曲線を得ることができない恐れがある。したがって、合成プロファイルPDを求める場合は、予め、プロファイル部分OP1’〜OPn’の中から、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を特定し、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を除いて合成プロファイルPDを求めることが望ましい。Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を特定する方法としては、プロファイル部分ごとに、各点Piと基準点との間の距離dを計算し、距離dが閾値よりも大きいプロファイル部分については、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分であると判定する方法が考えられる。このように、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を特定し、プロファイル部分OP1’〜OPn’のうち、点Piの位置の誤差が大きいプロファイルを除く残りのプロファイル部分のみを用いて合成プロファイルPDを求めることにより、信頼性の高い合成プロファイルPDを求めることができる。
このようにして、患者の腰の動きを表す曲線(合成プロファイル)PDが求められ、ステップS75が終了する。ステップS75が終了することにより、ステップS7が終了する。
ステップS7が終了したら、ステップS8(図5参照)に進み、患者の腰の動きを表す曲線(合成プロファイル)PDをディスプレイ32(図2参照)に表示する。このようにして、図5のフローを終了する。
本実施形態では、位置波形に基づいて、腰の動きを表す位置プロファイルOPを求めている。しかし、位置プロファイルOPは複雑な軌道を描くので、位置プロファイルOPを観測するだけでは、患者の腰の動きを把握することは難しい。そこで、本形態では、位置プロファイルOPをn個の二歩区間R1〜Rnに分割し、n個のプロファイル部分OP1〜OPnを合成することにより合成プロファイルPDを得ている。n個のプロファイル部分OP1〜OPnの各々は、二歩区間ごとの腰の動きの軌道を表しているので、n個のプロファイル部分OP1〜OPnを合成することにより、患者の腰の動きを表すた曲線(合成プロファイル)PDを得ることができる。曲線(合成プロファイル)PDは簡潔な曲線であるので、理学療法士などの指導員は、患者の腰の動きの特徴を視覚的に容易に理解することができる。
また、本実施形態では、式(4)を用いて各プロファイル部分を変形している。式(4)に基づいて各プロファイル部分を変形することにより、プロファイル部分の始点と終点とを一致させることができる。したがって、歩行者の重心の移動による影響が除去された変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を得ることができる。
また、本形態では、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’を求めた後、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’の中から、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を特定し、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を除いて合成プロファイルPDを求めている。したがって、信頼性の高い合成プロファイルPDを求めることができる。
尚、上記のように、本実施形態では、プロファイル部分ごとに、始点と終点とが一致するようにプロファイル部分を変形させている。しかし、高品質なプロファイルPDを得ることができるのであれば、必ずしも、始点と終点とが一致するようにプロファイル部分を変形させる必要はなく、始点と終点とが一致していなくてもよい。また、本形態では、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’の中から、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を特定し、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を除いてプロファイルPDを求めている。しかし、高品質なプロファイルPDを得ることができるのであれば、必ずしも、変形後のプロファイル部分OP1’〜OPn’の中から、点Piの位置の誤差が大きいプロファイル部分を特定する必要はない。
なお、発明は、上記実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また例えば、本実施形態は、発明を人の歩行運動に適用した例であるが、発明を人のその他の移動運動、例えば人の走行運動などにも適用することができる。
本発明は、コンピュータを移動運動解析装置として機能させるためのプログラムも、実施形態の一つである。
1 歩行解析システム
10 患者
11 操作者
2 加速度センサモジュール
21 プロセッサ
22 加速度センサ
23 メモリ
24 通信I/F
25 バッテリ
201 加速度センサ部
202 サンプリング部
203 送信部
3 歩行解析装置
31 プロセッサ
32 ディスプレイ
33 操作部
34 メモリ
35 通信I/F
36 バッテリ
301 操作部
302 ディスプレイ部
303 患者情報受付部
304 受信部
305 加速度データ取得制御部
307 加速度データ解析部
310 表示制御部
312 記憶部
41 データベース
42 記憶媒体
71 加速度成分算出部
72 加速度波形生成部
73 歩行期間特定部
74 曲線生成部
741 二歩区間特定部
742 位置波形生成部
743 位置プロファイル生成部
744 位置プロファイル分割部
745 合成部

Claims (13)

  1. 人の移動運動中における第1の方向の位置と時間との関係を表す第1の位置波形と、前記人の移動運動中における第2の方向の位置と時間との関係を表す第2の位置波形とを生成する位置波形生成手段と、
    前記第1の位置波形および前記第2の位置波形に基づいて、前記第1の位置波形が表す位置と前記第2の位置波形が表す位置との関係を表す位置プロファイルを生成する位置プロファイル生成手段と、
    前記位置プロファイルを、二歩の動作に対応する時間的な区間ごとに分割する位置プロファイル分割手段と、
    前記位置プロファイルを前記区間ごとに分割することにより得られた複数のプロファイル部分を合成することにより、合成プロファイルを生成する合成手段と、を有
    前記合成手段は、
    前記プロファイル部分ごとに、前記プロファイルの始点と終点とが一致するように、前記プロファイル部分を変形し、変形後の複数のプロファイル部分に基づいて前記合成プロファイルを得る、移動運動解析装置。
  2. 前記合成手段は、
    変形後の複数のプロファイル部分の各々の中心を求め、前記中心が重なるように、前記変形後の複数のプロファイル部分を平行移動し、平行移動後の複数のプロファイル部分に基づいて、前記合成プロファイルを得る、請求項に記載の移動運動解析装置。
  3. 前記合成手段は、
    平行移動後の複数のプロファイル部分の各々が同じ個数のサンプリング点を有するようにサンプリングを行い、前記サンプリングにより求められた複数のプロファイル部分の各々の点の座標値に基づいて、前記合成プロファイルを求める、請求項に記載の移動運動解析装置。
  4. 前記合成手段は、
    前記サンプリングにより求められた複数のプロファイル部分の各々の点の座標値に基づいて、前記合成プロファイルを求めるための基準点を求める、請求項に記載の移動運動解析装置。
  5. 前記合成手段は、
    変形後のプロファイル部分ごとに、前記サンプリング点と前記基準点との間の距離を求め、前記距離に基づいて、変形後の複数のプロファイル部分の中から、前記合成プロファイルを求めるために使用しないプロファイル部分を特定する、請求項に記載の移動運動解析装置。
  6. 前記第1の方向は左右方向であり、前記第2の方向は上下方向である、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  7. 前記第1の位置波形および前記第2の位置波形は、加速度センサを用いて得られた人の移動運動中における加速度を表すデータに基づいて求められる、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  8. 前記二歩の動作に対応する時間的な区間を特定する区間特定手段を有する、請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  9. 前記区間特定手段は、
    人の移動運動中における第3の方向の加速度と時間との関係を表す第1の加速度波形を平滑化することにより得られた第1の平滑化波形と、前記人の移動運動中における第4の方向の加速度と時間との関係を表す第2の加速度波形を平滑化することにより得られた第2の平滑化波形とに基づいて、前記第1の平滑化波形の加速度と前記第2の平滑化波形の加速度との関係を表す加速度プロファイルを求め、
    前記第1の平滑化波形、前記第2の平滑化波形、および前記加速度プロファイルに基づいて、二歩の動作に対応する時間的な区間を特定するための波形を生成する、請求項に記載の移動運動解析装置。
  10. 前記第3の方向は前後方向であり、前記第4の方向は上下方向である、請求項に記載の移動運動解析装置。
  11. 前記移動運動は歩行である請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置。
  12. 人の移動運動中における加速度を表すデータを得るための加速度センサと、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置とを備えた移動運動解析システム。
  13. コンピュータを請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の移動運動解析装置として機能させるためのプログラム。
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