JP2017211064A - 密封部材、及び、転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受の内部が負圧になった際に、負圧を解消することができる転がり軸受用の密封部材を提供する。【解決手段】 内輪と外輪とを備えた転がり軸受に用いられ、内外輪間の環状空間を密封する転がり軸受用の密封部材であって、弾性素材からなる環状の弾性部を備え、前記弾性部は、転がり軸受の外部から内部へ貫通する通気路を当該内部に負圧が生じた際に開放する逆止弁を備え、前記逆止弁は、先端部を互いに突き合わせた第1弁体と、前記第1弁よりも肉厚の薄い第2弁体とを備え、前記第1弁体及び第2弁体は、前記負圧によって弾性変形することにより前記通気路を開放し、前記第1弁体及び第2弁体は互いに密着させる第1合わせ面及び第2合わせ面をそれぞれ有し、前記第2合わせ面は先端側に向かうにしたがって前記内部側に近づき、前記第1合わせ面は先端側に向かうにしたがって外部側に近づくように傾斜している密封部材。【選択図】図2
Description
本発明は、密封部材、及び、転がり軸受装置に関する。
従来、圧延機の圧延ロールは転がり軸受装置に支持されており、当該転がり軸受装置は、転がり軸受と密封部材を備えている。
上記転がり軸受装置としては、例えば、図7に示すようなものがある(特許文献1参照)。
図7に示すように、転がり軸受装置3は、転がり軸受100とこの転がり軸受100に装着された第1、第2密封部材210,220とを備える。圧延ロールのロールネック4は転がり軸受100を介して水平軸回りに回転自在に支持される。
転がり軸受100は、ロールネック4に外嵌される一対の第1及び第2内輪101,102と、ハウジングに固定される複数の第1〜第3外輪103〜105と、上記各内輪101,102と各外輪103〜105との間の環状空間108に配置される複数の円錐ころ106とを備えている。第1及び第2内輪101,102は、端部同士を軸方向に突き合わせて配置されている。そして、第1及び第2内輪101,102における上記端部同士を突き合わせた部分の外周には環状溝107が設けられている。この環状溝107は、第1及び第2内輪101,102の端部に段差を設けることにより構成されている。
上記転がり軸受装置としては、例えば、図7に示すようなものがある(特許文献1参照)。
図7に示すように、転がり軸受装置3は、転がり軸受100とこの転がり軸受100に装着された第1、第2密封部材210,220とを備える。圧延ロールのロールネック4は転がり軸受100を介して水平軸回りに回転自在に支持される。
転がり軸受100は、ロールネック4に外嵌される一対の第1及び第2内輪101,102と、ハウジングに固定される複数の第1〜第3外輪103〜105と、上記各内輪101,102と各外輪103〜105との間の環状空間108に配置される複数の円錐ころ106とを備えている。第1及び第2内輪101,102は、端部同士を軸方向に突き合わせて配置されている。そして、第1及び第2内輪101,102における上記端部同士を突き合わせた部分の外周には環状溝107が設けられている。この環状溝107は、第1及び第2内輪101,102の端部に段差を設けることにより構成されている。
第1密封部材としてのサイドシール210は、転がり軸受100の軸方向両端部に装着されている。サイドシール210は、第1及び第3外輪103,105の軸方向外側の端面に固定された環状のカバー109に内嵌される芯金212と、各内輪101,102の外周面と摺接するリップ部211を有している。サイドシール210は、圧延ロールを冷却する冷却水や異物がころがり軸受の外部から内部(環状空間108)に浸入するのを防止するとともに、環状空間108内のグリースが外部に漏れだすことを防止している。
第2密封部材としての内輪間シール220は、転がり軸受100の軸方向中央部の環状溝107に装着されている。
内輪間シール220は、環状の芯金部221と、この芯金部221に固定された弾性部222とからなる。この弾性部222は、環状溝107における第1内輪101側の周面及び側面のそれぞれに摺接するラジアルリップ部223a及びサイドリップ部223bと、環状溝107における第2内輪102側の周面及び側面のそれぞれに摺接するラジアルリップ部224a及びサイドリップ部224bとを有している。
内輪間シール220は、ロールネック4の外周面から第1及び第2内輪101,102の突き合わせた端部同士の間を通過して環状溝107に浸入した冷却水や圧延油が環状空間108に浸入したり、環状空間108内のグリースが外部に漏れだしたりすることを防止している。
内輪間シール220は、環状の芯金部221と、この芯金部221に固定された弾性部222とからなる。この弾性部222は、環状溝107における第1内輪101側の周面及び側面のそれぞれに摺接するラジアルリップ部223a及びサイドリップ部223bと、環状溝107における第2内輪102側の周面及び側面のそれぞれに摺接するラジアルリップ部224a及びサイドリップ部224bとを有している。
内輪間シール220は、ロールネック4の外周面から第1及び第2内輪101,102の突き合わせた端部同士の間を通過して環状溝107に浸入した冷却水や圧延油が環状空間108に浸入したり、環状空間108内のグリースが外部に漏れだしたりすることを防止している。
ところで、圧延機の圧延ロールのロールネック4は転がり軸受装置3に支持されており、圧延機の稼働中は転がり軸受100の内部の温度が昇温し、圧延機が停止すると転がり軸受100の内部の温度は低下する。転がり軸受100の内部の温度が低下すると、転がり軸受100の内部(環状空間108)の圧力が低下して、転がり軸受100の内部が負圧になることがある。
この場合、環状空間108が負圧のまま圧延機を再稼働させると、転がり軸受100の外部の冷却水が、上記負圧による吸引作用によって環状空間108内に浸入することがある。その結果、転がり軸受100の寿命が短寿命になってしまうことがある。
この場合、環状空間108が負圧のまま圧延機を再稼働させると、転がり軸受100の外部の冷却水が、上記負圧による吸引作用によって環状空間108内に浸入することがある。その結果、転がり軸受100の寿命が短寿命になってしまうことがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、転がり軸受の内部が負圧になった際に、負圧を解消することができる機能を有する転がり軸受用の密封部材、及び、この密封部材を備えた転がり軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の密封部材は、内輪と、上記内輪の外周側に同心に配置された外輪と、を備えた転がり軸受に用いられ、上記内輪と上記外輪との間の環状空間を密封する転がり軸受用の密封部材であって、
弾性素材からなる環状の弾性部を備え、
上記弾性部は、転がり軸受の外部から内部へ貫通する通気路を当該内部に負圧が生じた際に開放する逆止弁を備え、
上記逆止弁は、先端部を互いに突き合わせた第1弁体と上記第1弁体よりも肉厚の薄い第2弁体とを備え、少なくとも上記第2弁体が上記負圧によって弾性変形することにより上記通気路を開放し、
上記第1弁体及び上記第2弁体は互いに密着させる第1合わせ面及び第2合わせ面をそれぞれ有し、上記第2合わせ面は先端側に向かうにしたがって上記内部側に近づくように傾斜し、上記第1合わせ面は先端側に向かうにしたがって外部側に近づくように傾斜している、ことを特徴とする。
弾性素材からなる環状の弾性部を備え、
上記弾性部は、転がり軸受の外部から内部へ貫通する通気路を当該内部に負圧が生じた際に開放する逆止弁を備え、
上記逆止弁は、先端部を互いに突き合わせた第1弁体と上記第1弁体よりも肉厚の薄い第2弁体とを備え、少なくとも上記第2弁体が上記負圧によって弾性変形することにより上記通気路を開放し、
上記第1弁体及び上記第2弁体は互いに密着させる第1合わせ面及び第2合わせ面をそれぞれ有し、上記第2合わせ面は先端側に向かうにしたがって上記内部側に近づくように傾斜し、上記第1合わせ面は先端側に向かうにしたがって外部側に近づくように傾斜している、ことを特徴とする。
上記密封部材によれば、上記弾性部は、上記転がり軸受の内部に負圧が生じた際に上記通気路を開放する逆止弁を備えている。
上記逆止弁は、相対的に肉厚の厚い第1弁体と上記第一弁に比べて相対的に肉厚の薄い第2弁体とを有している。そのため、上記逆止弁は、転がり軸受の内部に負圧が生じた際に、剛性の低い上記第2弁体が上記第1弁体に比べて大きく撓み、これにより上記通気路が開放されて上記負圧を解消することができる。
また、上記第1及び第2合わせ面は、上述した所定の向きに傾斜している。そのため、閉鎖状態から開放状態に移行した逆止弁が、再度、閉塞状態に戻る際には、撓み量の小さかった第1弁体が先に元の位置に戻った後、第2弁体が元の位置に戻ることになり、確実に通気路を閉塞する状態に戻すことができる。
更に、上記逆止弁は上記第1及び第2合わせ面が上述した所定の向きに傾斜しているため、上記第2弁体は上記第1弁体の存在によって転がり軸受の外部側に撓みにくくなっている。そのため、上記逆止弁は、上記転がり軸受の内部が負圧になった際には上記通気路が開放され、上記転がり軸受の内部が正圧になっても上記通気路が開放されない逆止弁として機能することができる。
上記逆止弁の挙動については、後に、図3を参照しながら詳しく説明する。
上記逆止弁は、相対的に肉厚の厚い第1弁体と上記第一弁に比べて相対的に肉厚の薄い第2弁体とを有している。そのため、上記逆止弁は、転がり軸受の内部に負圧が生じた際に、剛性の低い上記第2弁体が上記第1弁体に比べて大きく撓み、これにより上記通気路が開放されて上記負圧を解消することができる。
また、上記第1及び第2合わせ面は、上述した所定の向きに傾斜している。そのため、閉鎖状態から開放状態に移行した逆止弁が、再度、閉塞状態に戻る際には、撓み量の小さかった第1弁体が先に元の位置に戻った後、第2弁体が元の位置に戻ることになり、確実に通気路を閉塞する状態に戻すことができる。
更に、上記逆止弁は上記第1及び第2合わせ面が上述した所定の向きに傾斜しているため、上記第2弁体は上記第1弁体の存在によって転がり軸受の外部側に撓みにくくなっている。そのため、上記逆止弁は、上記転がり軸受の内部が負圧になった際には上記通気路が開放され、上記転がり軸受の内部が正圧になっても上記通気路が開放されない逆止弁として機能することができる。
上記逆止弁の挙動については、後に、図3を参照しながら詳しく説明する。
上記密封部材において、上記第1弁体は、上記第1合わせ面の上記外部側の縁部から上記外部側に延びる外部側端面を有し、上記外部側端面は、上記先端側に向かうにしたがって上記外部側から離れるように傾斜しており、
上記外部側端面の上記通気路の通気方向に対する傾斜角度は、上記第2合わせ面の上記通気路の通気方向に対する傾斜角度より小さい、ことが好ましい。
上記転がり軸受の内部にグリースが封入されており、このグリースが上記通気路を通って外部に流出する場合、当該グリースが、上記外部側端面付近に付着すると、更に上記合わせ面にも付着することがあった。このようなグリースの付着が生じると、上記合わせ面同士が密着した閉塞状態に戻ることが妨げられることがあった。
これに対して、上記密封部材において、上記外部側端面は、上述した所定の向きに傾斜しつつ、上記傾斜角度が上記第2合わせ面の上記傾斜角度より小さくなっている。そのため、グリースが外部側端面付近に留まらずに外部側へ抜けやすく、上記合わせ面同士の密着が妨げられにくい。更には、上述した第2弁体のスムーズな開閉も妨げられない。
上記外部側端面の上記通気路の通気方向に対する傾斜角度は、上記第2合わせ面の上記通気路の通気方向に対する傾斜角度より小さい、ことが好ましい。
上記転がり軸受の内部にグリースが封入されており、このグリースが上記通気路を通って外部に流出する場合、当該グリースが、上記外部側端面付近に付着すると、更に上記合わせ面にも付着することがあった。このようなグリースの付着が生じると、上記合わせ面同士が密着した閉塞状態に戻ることが妨げられることがあった。
これに対して、上記密封部材において、上記外部側端面は、上述した所定の向きに傾斜しつつ、上記傾斜角度が上記第2合わせ面の上記傾斜角度より小さくなっている。そのため、グリースが外部側端面付近に留まらずに外部側へ抜けやすく、上記合わせ面同士の密着が妨げられにくい。更には、上述した第2弁体のスムーズな開閉も妨げられない。
上記密封部材において、上記弾性部は、上記転がり軸受の一対の内輪の端部同士の突き合わせ部分に設けられた環状溝の軸方向の一端側と接触する第1リップ部と、上記環状溝の軸方向の他端側に接触する第2リップ部とを有することが好ましい。
このような密封部材は、上記した構成を有する転がり軸受における内輪間シールとして好適に使用することができる。
このような密封部材は、上記した構成を有する転がり軸受における内輪間シールとして好適に使用することができる。
上記密封部材は、上記内輪と上記外輪との間に形成される環状空間の軸方向端部に装着される密封部材であって、上記弾性部は、上記内輪の内周面と接触するリップ部を有することも好ましい。
このような密封部材は、上記した構成を有する転がり軸受におけるサイドシールとして好適に使用することができる。
このような密封部材は、上記した構成を有する転がり軸受におけるサイドシールとして好適に使用することができる。
本発明の転がり軸受装置は、外輪と、内輪と、上記外輪と上記内輪との間に配置された転動体とを備え、上記内輪は、上記内輪の軸方向に端部同士が突き合わされた第1内輪と第2内輪とを有し、上記第1内輪と上記第2内輪とが突き合わされた部分の外周面に環状溝が設けられた転がり軸受と、
上記弾性部が、上記環状溝の軸方向の一端側と接触する第1リップ部と、上記環状溝の軸方向の他端側に接触する第2リップ部とを有する本発明の密封部材と、を含み、
上記環状溝に上記密封部材が装着されたことを特徴とする。
上記弾性部が、上記環状溝の軸方向の一端側と接触する第1リップ部と、上記環状溝の軸方向の他端側に接触する第2リップ部とを有する本発明の密封部材と、を含み、
上記環状溝に上記密封部材が装着されたことを特徴とする。
別の本発明の転がり軸受装置は、外輪と、内輪と、上記外輪と上記内輪との間に配置された転動体とを備える転がり軸受と、
上記弾性部が、上記内輪の内周面と接触するリップ部を有する本発明の密封部材と、を含み、
上記内輪と上記外輪との間に形成される環状空間の軸方向両端部の少なくとも一方に上記密封部材が装着されたことを特徴とする。
上記弾性部が、上記内輪の内周面と接触するリップ部を有する本発明の密封部材と、を含み、
上記内輪と上記外輪との間に形成される環状空間の軸方向両端部の少なくとも一方に上記密封部材が装着されたことを特徴とする。
これらの転がり軸受装置では、転がり軸受内部が負圧になると、上記密封部材の上記逆止弁によって、上記密封部材に設けられた転がり軸受の外部から内部へ貫通する通気路が開放され、転がり軸受の内部に生じた負圧を解消することができる。
また、上記転がり軸受の内部の負圧が解消されると、上記通気路は上記逆止弁によって確実に閉塞される。
また、上記転がり軸受の内部の負圧が解消されると、上記通気路は上記逆止弁によって確実に閉塞される。
本発明によれば、転がり軸受の内部が負圧になった際に、負圧を解消することができる密封部材、及び、この密封部材が装着された転がり軸受装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳述する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の転がり軸受装置の断面説明図である。図2(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着される内輪間シールの一例の断面説明図であり、(b)は、(a)に示した内輪間シールの要部拡大図であり、(c)は、(a)に示した内輪間シールの部分側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る密封部材が備える逆止弁の挙動を説明するための図である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の転がり軸受装置の断面説明図である。図2(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着される内輪間シールの一例の断面説明図であり、(b)は、(a)に示した内輪間シールの要部拡大図であり、(c)は、(a)に示した内輪間シールの部分側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る密封部材が備える逆止弁の挙動を説明するための図である。
<転がり軸受装置>
図1に示すように、転がり軸受装置1は、例えば圧延ロールのロールネック(回転軸)2を回転自在に支持するものであり、転がり軸受10と、この転がり軸受10の内部S1(以下、単に内部S1ともいう)を密封する密封部材20とを備えている。なお、圧延ロールは冷却水を噴射することによって冷却される。
以下、本明細書においては、転がり軸受10の軸方向に沿って内部から外部へ向かう側を軸方向外側といい、転がり軸受10の軸方向に沿って外部から内部へ向かう側を軸方向内側という。
図1に示すように、転がり軸受装置1は、例えば圧延ロールのロールネック(回転軸)2を回転自在に支持するものであり、転がり軸受10と、この転がり軸受10の内部S1(以下、単に内部S1ともいう)を密封する密封部材20とを備えている。なお、圧延ロールは冷却水を噴射することによって冷却される。
以下、本明細書においては、転がり軸受10の軸方向に沿って内部から外部へ向かう側を軸方向外側といい、転がり軸受10の軸方向に沿って外部から内部へ向かう側を軸方向内側という。
<転がり軸受>
転がり軸受10は、例えば4列の円錐ころ軸受からなる。転がり軸受10は、軸方向に一対配置された第1及び第2内輪11,12と、軸方向に3つ配置された第1〜第3外輪13〜15と、4列のそれぞれに配置された複数の円錐ころ(転動体)16と、4つの保持器17とを備えている。
転がり軸受10は、例えば4列の円錐ころ軸受からなる。転がり軸受10は、軸方向に一対配置された第1及び第2内輪11,12と、軸方向に3つ配置された第1〜第3外輪13〜15と、4列のそれぞれに配置された複数の円錐ころ(転動体)16と、4つの保持器17とを備えている。
第1及び第2内輪11,12は、互いの軸方向内側の端部11b,12b同士を突き合わせた状態でロールネック2に外嵌されている。各内輪11,12の外周面には、それぞれ軸方向に2つの内輪軌道面11a,12aが形成されている。各内輪11,12の内周面には、当該内周面の焼付きを防止するための潤滑剤であるグリースを収容する螺旋状の潤滑溝11c,12cが形成されている。
両内輪11,12における端部11b,12b同士を突き合わせた部分の外周には、両内輪11,12に跨って環状溝18が形成されている。環状溝18の底面は、第1内輪11側に形成された第1周面18aと、第2内輪12側に形成された第2周面18bとを有している(図2(a)参照)。
両内輪11,12における端部11b,12b同士を突き合わせた部分には、突き合わせた部分を径方向に貫通する貫通孔33(図2(a)参照)が、周方向に所定間隔をおいて複数設けられている。貫通孔33を設けることにより、貫通孔33を介して、第1及び第2内輪11,12と、第1〜第3外輪13〜15との間に形成される環状空間(転がり軸受の内部)S1に効率よく空気を導入したり、転がり軸受の内部S1の空気を排出したりすることができる。
両内輪11,12における端部11b,12b同士を突き合わせた部分には、突き合わせた部分を径方向に貫通する貫通孔33(図2(a)参照)が、周方向に所定間隔をおいて複数設けられている。貫通孔33を設けることにより、貫通孔33を介して、第1及び第2内輪11,12と、第1〜第3外輪13〜15との間に形成される環状空間(転がり軸受の内部)S1に効率よく空気を導入したり、転がり軸受の内部S1の空気を排出したりすることができる。
なお、ロールネック2には圧延材の通過により軸方向に不均一な力が頻繁に作用するので、第1内輪11と第2内輪12とに周速差が発生し、第1内輪11と第2内輪12とが相対的に回転する場合がある。このため、環状溝18の第2周面18bと第1周面18aとは相対的に回転するようになっている。
第1〜第3外輪13〜15は、内輪11,12の径方向外方において圧延ロールのハウジング(図示省略)の内周面に嵌合されている。第1及び第3外輪13,15の内周面には1つの外輪軌道面13a,15aが形成されている。第2外輪14の内周面には、軸方向に2つの外輪軌道面14aが形成されている。
円錐ころ16は、各内輪11,12の内輪軌道面11a,12aと、各外輪13〜15の外輪軌道面13a〜15aとの間に転動自在かつ複列(ここでは4列)に配置されている。
各保持器17は、各列の円錐ころ16の周方向の間隔をそれぞれ保持している。
また、第1及び第2内輪11,12と、第1〜第3外輪13〜15との間に形成される環状空間には、グリースが封入されている。
各保持器17は、各列の円錐ころ16の周方向の間隔をそれぞれ保持している。
また、第1及び第2内輪11,12と、第1〜第3外輪13〜15との間に形成される環状空間には、グリースが封入されている。
<密封部材>
転がり軸受装置1は、密封部材20として、転がり軸受10の軸方向両端部にそれぞれ装着された一対のサイドシール21と、転がり軸受10の軸方向中央部の環状溝18に装着された内輪間シール22とを備えている。
転がり軸受装置1は、密封部材20として、転がり軸受10の軸方向両端部にそれぞれ装着された一対のサイドシール21と、転がり軸受10の軸方向中央部の環状溝18に装着された内輪間シール22とを備えている。
サイドシール21は、転がり軸受10が有する環状空間(内部)S1の軸方向両端を密封するものである。
サイドシール21は、第1外輪13(第3外輪15)の軸方向外側の端面に固定された環状のカバー19の内周に固定されている。
サイドシール21は、金属(例えば、SPCC)製で断面L字形の芯金21aと、合成ゴムなどの弾性素材からなり、第1内輪11(第2内輪12)の軸方向外側の外周面に摺接するリップ部を有する弾性部21bとバネリング21cとを有している。これにより、サイドシール21は、転がり軸受10の外部S2(以下、単に外部S2ともいう)から内部(環状空間)S1に冷却水が浸入するのを防ぐ働きをする。
サイドシール21は、第1外輪13(第3外輪15)の軸方向外側の端面に固定された環状のカバー19の内周に固定されている。
サイドシール21は、金属(例えば、SPCC)製で断面L字形の芯金21aと、合成ゴムなどの弾性素材からなり、第1内輪11(第2内輪12)の軸方向外側の外周面に摺接するリップ部を有する弾性部21bとバネリング21cとを有している。これにより、サイドシール21は、転がり軸受10の外部S2(以下、単に外部S2ともいう)から内部(環状空間)S1に冷却水が浸入するのを防ぐ働きをする。
図2(a)〜(c)に示すように、内輪間シール22は、断面略L字形に形成された環状の芯金23と、芯金23に固定された環状の弾性部24とを有している。
芯金23は、例えば金属製の環状部材からなり、円筒部23aと、円筒部23aの軸方向一端部から径方向内方に折り曲げられた環状板部23bとを有し、断面L字形を有している。
弾性部24は、合成ゴムなどの弾性素材からなり、芯金23に加硫接着、焼き付けなどで固定されている。弾性部24は、芯金23の円筒部23aの外周面よりも径方向内方に位置している。
芯金23は、例えば金属製の環状部材からなり、円筒部23aと、円筒部23aの軸方向一端部から径方向内方に折り曲げられた環状板部23bとを有し、断面L字形を有している。
弾性部24は、合成ゴムなどの弾性素材からなり、芯金23に加硫接着、焼き付けなどで固定されている。弾性部24は、芯金23の円筒部23aの外周面よりも径方向内方に位置している。
弾性部24は、環状板部23bの径方向内端部から径方向内方に延びる第1リップ部25Aと、円筒部23aの軸方向他端部から径方向内方に延びる第2リップ部25Bとを有している。
第1リップ部25Aは、所定の締め代をもって第2周面18bに外嵌されており、その緊迫力により第2周面18bに対して相対移動しないようになっている。これにより、内輪間シール22は、第2内輪12に一体回転可能に装着されている。
第1リップ部25Aは、所定の締め代をもって第2周面18bに外嵌されており、その緊迫力により第2周面18bに対して相対移動しないようになっている。これにより、内輪間シール22は、第2内輪12に一体回転可能に装着されている。
第2リップ部25Bは、第1周面18aに接触している。第2リップ部25Bは、第1リップ部25Aより低い緊迫力で第1周面18aに接触している。そのため、第2リップ部25Bは、第1内輪11と第2内輪12とが相対的に回転した場合、環状溝18の第1周面18aに対して摺接するようになっている。つまり、内輪間シール22は、第1内輪11に対して摺動可能である。
第2リップ部25Bは、当該第2リップ部25Bを軸方向に貫通する開口部が円形状の通気路26を有し、通気路26の外部S2側の端部には、逆止弁27が設けられている。
逆止弁27は、径方向外方側(図中、上側)に設けられた第1弁体28と、径方向内方側(図中、下側)に設けられた第2弁体29とからなり、両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体28は、側面視半円状を有し、その径方向内方側の端部に、第2弁体29の第2合わせ面29aと密着させる第1合わせ面28aと、第1合わせ面28aの外部S2側の縁部28cから外部S2側に延びる外部側端面28bとを有している。
第2弁体29は、側面視半円状を有し、第1弁体28よりも肉厚が薄く、その径方向外方側の端部に第1弁体28の第1合わせ面28aと密着させる第2合わせ面29aを有している。
逆止弁27は、径方向外方側(図中、上側)に設けられた第1弁体28と、径方向内方側(図中、下側)に設けられた第2弁体29とからなり、両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体28は、側面視半円状を有し、その径方向内方側の端部に、第2弁体29の第2合わせ面29aと密着させる第1合わせ面28aと、第1合わせ面28aの外部S2側の縁部28cから外部S2側に延びる外部側端面28bとを有している。
第2弁体29は、側面視半円状を有し、第1弁体28よりも肉厚が薄く、その径方向外方側の端部に第1弁体28の第1合わせ面28aと密着させる第2合わせ面29aを有している。
このような逆止弁27は、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に通気路26を開放し、これにより通気路26を通る外部S2側から内部S1側への気体の流入が許容される。そのため、転がり軸受10の内部S1に生じた負圧を解消することができる。
逆止弁27では、第1弁体28の第1合わせ面28aは、先端側(径方向内方側)に向かうにしたがって外部S2側に近づくように傾斜しており、第2弁体29の第2合わせ面29aは、先端側(径方向外方側)に向かうにしたがって内部S1側に近づくように傾斜している。そのため、逆止弁27は、転がり軸受10の内部に生じた負圧を解消するために通気路26を開放するとともに、上記負圧が解消された際には、確実に通気路26を閉塞することができる。
逆止弁27の挙動について、図3を参照しながら説明する。
逆止弁27は、通常、図3(a)に示すように第1弁体28の第1合わせ面28aと第2弁体29の第2合わせ面29aとが密着した閉塞状態にある。この状態では、逆止弁27によって通気路26が閉塞されているため、内部S1側と外部S2側との間での気体の流通は抑制されている。
一方、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際には、図3(b)示すように、上記第1弁体28及び第2弁体29のそれぞれが内部S1側に撓むことによって、逆止弁27が開放状態となり、通気路26が開放されて通気路26を介した外部S2側から内部S1側への気体の流入が許容される。その結果、転がり軸受10の内部の負圧が解消される。
このとき、第2弁体29は、第1弁体28よりも肉厚が薄く、剛性が低いため、第1弁体28よりも先に変形し始め、かつ第1弁体28よりも大きく撓み、これにより通気路26が開放される。
更に、転がり軸受10の内部S1の負圧が解消された後には、図3(c)に示すように、第1弁体28の第1合わせ面28aと第2弁体29の第2合わせ面29aとが密着した閉塞状態に戻る。このとき、第1弁体28は第2弁体29に比べて撓みにくく、かつ撓み量が小さいため、第1弁体28が先に閉塞状態に戻った後、続いて第2弁体29が閉塞状態に戻る。
ここで、逆止弁27は、第1合わせ面28a及び第2合わせ面29aが所定の向きに傾斜しているため、開放状態から閉塞状態に戻る際に、第2合わせ面29aが第1合わせ面28aに引っ掛かることなく、スムーズに閉塞状態に戻ることができる。
逆止弁27は、通常、図3(a)に示すように第1弁体28の第1合わせ面28aと第2弁体29の第2合わせ面29aとが密着した閉塞状態にある。この状態では、逆止弁27によって通気路26が閉塞されているため、内部S1側と外部S2側との間での気体の流通は抑制されている。
一方、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際には、図3(b)示すように、上記第1弁体28及び第2弁体29のそれぞれが内部S1側に撓むことによって、逆止弁27が開放状態となり、通気路26が開放されて通気路26を介した外部S2側から内部S1側への気体の流入が許容される。その結果、転がり軸受10の内部の負圧が解消される。
このとき、第2弁体29は、第1弁体28よりも肉厚が薄く、剛性が低いため、第1弁体28よりも先に変形し始め、かつ第1弁体28よりも大きく撓み、これにより通気路26が開放される。
更に、転がり軸受10の内部S1の負圧が解消された後には、図3(c)に示すように、第1弁体28の第1合わせ面28aと第2弁体29の第2合わせ面29aとが密着した閉塞状態に戻る。このとき、第1弁体28は第2弁体29に比べて撓みにくく、かつ撓み量が小さいため、第1弁体28が先に閉塞状態に戻った後、続いて第2弁体29が閉塞状態に戻る。
ここで、逆止弁27は、第1合わせ面28a及び第2合わせ面29aが所定の向きに傾斜しているため、開放状態から閉塞状態に戻る際に、第2合わせ面29aが第1合わせ面28aに引っ掛かることなく、スムーズに閉塞状態に戻ることができる。
これに対して、図3(d)〜(f)に示すように、互いに密着しうる合わせ面128a,129aが通気路126の通気方向(図中、左右方向)と平行に設けられた第1弁体128と第2弁体129とを有する逆止弁127では、以下のような挙動を示すことがある。
即ち、逆止弁127では、内部S1に生じた負圧により第1弁体128及び第2弁体129が内部S1側に撓むことによって逆止弁127が開放状態となり、通気路126が開放された後(図3(d)及び(e)参照)、内部S1の負圧が解消されて逆止弁127が開放状態から閉塞状態に戻る際に、図3(f)に示すように、第2弁体129の第2合わせ面129aが第1弁体128の第1合わせ面128aに引っ掛かってしまい所定の閉塞状態に戻らないことがある。
このように、第2弁体129の第2合わせ面129aが第1弁体128に引っ掛かってしまうと、通気路126が完全に閉塞されず、転がり軸受の内部S1のグリースが漏れ出してしまうことがある。
即ち、逆止弁127では、内部S1に生じた負圧により第1弁体128及び第2弁体129が内部S1側に撓むことによって逆止弁127が開放状態となり、通気路126が開放された後(図3(d)及び(e)参照)、内部S1の負圧が解消されて逆止弁127が開放状態から閉塞状態に戻る際に、図3(f)に示すように、第2弁体129の第2合わせ面129aが第1弁体128の第1合わせ面128aに引っ掛かってしまい所定の閉塞状態に戻らないことがある。
このように、第2弁体129の第2合わせ面129aが第1弁体128に引っ掛かってしまうと、通気路126が完全に閉塞されず、転がり軸受の内部S1のグリースが漏れ出してしまうことがある。
また、逆止弁127は、第1合わせ面128a及び第2合わせ面129aが通気路126の通気方向と平行に設けられているため、第1弁体128及び第2弁体129が外部S2側にも撓みやすい形状を有している。
これに対して、本発明の実施形態に係る密封部材では、上述した通り、逆止弁27の第1弁体28の第1合わせ面28a及び第2弁体29の第2合わせ面29aが、上述した所定の向きに傾斜している。そのため、第2弁体29は、内部S1側にはスムーズに撓むことができるが、外部S2側には第1弁体28の存在によって撓みにくくなっている。
従って、逆止弁27は、内部S1に負圧が生じた際には通気路26をスムーズに開放するのに対して、内部S1に正圧が生じても通気路26を開放することがなく、正圧時に通気路26が開放されて転がり軸受10の内部S1のグリースが外部に流出してしまうことを回避することができる。
これに対して、本発明の実施形態に係る密封部材では、上述した通り、逆止弁27の第1弁体28の第1合わせ面28a及び第2弁体29の第2合わせ面29aが、上述した所定の向きに傾斜している。そのため、第2弁体29は、内部S1側にはスムーズに撓むことができるが、外部S2側には第1弁体28の存在によって撓みにくくなっている。
従って、逆止弁27は、内部S1に負圧が生じた際には通気路26をスムーズに開放するのに対して、内部S1に正圧が生じても通気路26を開放することがなく、正圧時に通気路26が開放されて転がり軸受10の内部S1のグリースが外部に流出してしまうことを回避することができる。
このように、本発明の実施形態に係る密封部材の逆止弁27では、先端側に向かうにしたがって、第1合わせ面28aは外部S2側に近づき、第2合わせ面29aは内部S1側に近づくように、それぞれの合わせ面が傾斜していることが重要である。逆止弁27は、このような構成を備えるため、転がり軸受10の内部S1が負圧になった際に通気路26を開放し、また、負圧が解消された際には、第2弁体29の第2合わせ面29aが第1弁体28に引っ掛かることなく閉塞状態に戻ることができる。更に、逆止弁27は、内部S1が正圧になっても通気路26を開放せず、正圧時に通気路26が開放されて内部S1のグリースが外部に流出してしまうことを回避することができる。
逆止弁27において、第1弁体28の外部側端面28bは、図2(b)に示すように、第1弁体28の先端側(径方向内方側)に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜している。ここで、通気路26の通気方向Xに対する外部側端面28bの傾斜角度βは、上記通気方向Xに対する第2合わせ面29aの傾斜角度αよりも小さいことが好ましい。
この場合、転がり軸受10の内部S1のグリースが外部S2に流出した際に、当該グリースが外部側端面28b付近に留まること回避することができ、第1合わせ面28aと第2合わせ面29aとの密着が妨げられなくなる。更に、第2弁体が第1弁体よりも撓みやすい状態を維持することができるため、第2弁体のスムーズな開閉が阻害されることもない。
なお、上記通気方向とは上記逆止弁を垂直に貫く方向であり、本実施形態では、第1弁体28及び第2弁体29の径方向に対して垂直で、縁部28cを通る方向をいう。
この場合、転がり軸受10の内部S1のグリースが外部S2に流出した際に、当該グリースが外部側端面28b付近に留まること回避することができ、第1合わせ面28aと第2合わせ面29aとの密着が妨げられなくなる。更に、第2弁体が第1弁体よりも撓みやすい状態を維持することができるため、第2弁体のスムーズな開閉が阻害されることもない。
なお、上記通気方向とは上記逆止弁を垂直に貫く方向であり、本実施形態では、第1弁体28及び第2弁体29の径方向に対して垂直で、縁部28cを通る方向をいう。
上記傾斜角度βは、0°以上で上記傾斜角度α未満であることが好ましい。0°未満では外部側端面28b付近にグリースが留まりやすくなり、上記傾斜角度αより大きくなると、第1弁体28の剛性が不足し、第2弁体29との撓みやすさの差が小さくなり本発明の効果を奏さなくなるおそれがある。上記傾斜角度βは、0°を超えることがより好ましい。なお、本実施形態において、上記角度βが0°未満の場合、外部側端面28bは、先端側に向かうにしたがって外部S2側に近づくように傾斜している。
上記傾斜角度αは、特に限定されないが、例えば、45〜70°程度に設定すればよい。
上記傾斜角度αは、特に限定されないが、例えば、45〜70°程度に設定すればよい。
[第2実施形態]
本実施形態の転がり軸受装置は、環状溝18に装着される内輪間シール42が第1実施形態の内輪間シール22と異なる。
図4は、(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着される内輪間シールの別の一例の断面説明図であり、(b)は、(a)に示した内輪間シールの要部拡大図であり、(c)は、(a)に示した内輪間シールの部分平面図である。
本実施形態の内輪間シール42は、弾性素材からなる環状の弾性部44で構成されている。弾性部44は、断面がほぼ矩形状の本体部45Cと、本体部45Cに内周面から径方向内方側に延びる第1リップ部45Aと第2リップ部45Bとを有している。第1リップ部45aと第2リップ部45bとは、弾性部44の内周側の全周に設けられた空間部50を介して隔てられている。
本実施形態の転がり軸受装置は、環状溝18に装着される内輪間シール42が第1実施形態の内輪間シール22と異なる。
図4は、(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着される内輪間シールの別の一例の断面説明図であり、(b)は、(a)に示した内輪間シールの要部拡大図であり、(c)は、(a)に示した内輪間シールの部分平面図である。
本実施形態の内輪間シール42は、弾性素材からなる環状の弾性部44で構成されている。弾性部44は、断面がほぼ矩形状の本体部45Cと、本体部45Cに内周面から径方向内方側に延びる第1リップ部45Aと第2リップ部45Bとを有している。第1リップ部45aと第2リップ部45bとは、弾性部44の内周側の全周に設けられた空間部50を介して隔てられている。
第1リップ部45Aは、所定の締め代をもって第1周面18aに外嵌されており、その緊迫力により第1周面18aに対して相対移動しないようになっている。これにより、内輪間シール42は、第1内輪11に一体回転可能に装着されている。
第2リップ部45Bは、第2周面18bに接触している。第2リップ部45Bは、第1リップ部45Aより低い緊迫力で第2周面18bに接触している。そのため、第2リップ部45Bは、第1内輪11と第2内輪12とが相対的に回転した場合、環状溝18の第2周面18bに対して摺接するようになっている。つまり、内輪間シール42は、第2内輪12に対して摺動可能である。
第2リップ部45Bは、第2周面18bに接触している。第2リップ部45Bは、第1リップ部45Aより低い緊迫力で第2周面18bに接触している。そのため、第2リップ部45Bは、第1内輪11と第2内輪12とが相対的に回転した場合、環状溝18の第2周面18bに対して摺接するようになっている。つまり、内輪間シール42は、第2内輪12に対して摺動可能である。
弾性部44には、当該弾性部44を径方向に貫通し、本体部45Cの外周面から空間部50に繋がる通気路46が設けられており、通気路46の外部S2側の端部には、逆止弁47が設けられている。通気路46は平面視円形状を有している。
逆止弁47は第1リップ部45A側(図中、左側)に設けられた第1弁体48と、第2リップ部45B側(図中、右側)に設けられた第2弁体49とからなる。両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体48は、平面視半円状を有し、第2リップ部45B側(図中、右側)の端部に第2弁体49の第2合わせ面49aと密着させる第1合わせ面48aと、第1合わせ面48aの外部S2側の縁部48cから外部S2側に延びる外部側端面48bとを有している。
第2弁体49は、平面視半円状を有し、第1弁体48よりも肉厚が薄く、第1リップ部45A側(図中、左側)の端部に第1弁体48の第1合わせ面48aと密着させる第2合わせ面49aを有している。
逆止弁47は第1リップ部45A側(図中、左側)に設けられた第1弁体48と、第2リップ部45B側(図中、右側)に設けられた第2弁体49とからなる。両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体48は、平面視半円状を有し、第2リップ部45B側(図中、右側)の端部に第2弁体49の第2合わせ面49aと密着させる第1合わせ面48aと、第1合わせ面48aの外部S2側の縁部48cから外部S2側に延びる外部側端面48bとを有している。
第2弁体49は、平面視半円状を有し、第1弁体48よりも肉厚が薄く、第1リップ部45A側(図中、左側)の端部に第1弁体48の第1合わせ面48aと密着させる第2合わせ面49aを有している。
逆止弁47では、第1弁体48の第1合わせ面48aは、先端側(第2弁体側)に向かうにしたがって外部S2側に近づくように傾斜しており、第2弁体49の第2合わせ面49aは、先端側(第1弁体側)に向かうにしたがって内部S1側に近づくように傾斜している。そのため、逆止弁47は、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に通気路46を開放するとともに、上記負圧が解消された際には、確実に通気路46を閉塞することができる。
また、逆止弁47において、外部側端面48bは、第1弁体48の先端側に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜しており、かつ通気路46の通気方向に対する傾斜角度が、上記通気方向に対する第2合わせ面49aの傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、第2弁体49はスムーズに開閉し、また、外部側端面48b付近にはグリースが留まりにくい。
また、逆止弁47において、外部側端面48bは、第1弁体48の先端側に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜しており、かつ通気路46の通気方向に対する傾斜角度が、上記通気方向に対する第2合わせ面49aの傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、第2弁体49はスムーズに開閉し、また、外部側端面48b付近にはグリースが留まりにくい。
このような逆止弁47は、第1実施形態の内輪間シール22が有する逆止弁27と同様、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に開放状態となり、通気路46を通る外部S2側から内部S1側へ気体の流入を許容する。そのため、転がり軸受10の内部S1に生じた負圧を解消することができる。また、上記負圧が解消された後には、確実に通気路46を閉塞することができる。更に、転がり軸受10の内部S1が正圧になっても通気路46を開放しなくなっている。
[第3実施形態]
本実施形態の転がり軸受装置は、サイドシール61が第1実施形態のサイドシール21とは異なる。図5(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着されるサイドシールの一例を示す断面説明図であり、(b)は、(a)に示したサイドシールの要部拡大図である。
本実施形態のサイドシール61は、第3外輪15(第1外輪13)の軸方向外側の端面に固定された環状のカバー19と、第2内輪12(第1内輪11)との間に設けられている。
本実施形態の転がり軸受装置は、サイドシール61が第1実施形態のサイドシール21とは異なる。図5(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着されるサイドシールの一例を示す断面説明図であり、(b)は、(a)に示したサイドシールの要部拡大図である。
本実施形態のサイドシール61は、第3外輪15(第1外輪13)の軸方向外側の端面に固定された環状のカバー19と、第2内輪12(第1内輪11)との間に設けられている。
サイドシール61は、転がり軸受10の内部S1と外部S2とを区画しており、内部S1に封入されたグリースが転がり軸受10の外部S2側へ流出するのを抑制するとともに、外部S2側から内部S1側に水が浸入するのを防止する機能を有している。
サイドシール61は、環状の芯金63と、この芯金63に固定されている環状の弾性部64とを備えている。また、サイドシール61は、バネリング71も備えている。
芯金63は、金属(例えば、SPCC)製であり、円筒部63aと、円筒部63aの軸方向一端部から径方向内方に折り曲げられた環状板部63bとを有し、断面L字形を有している。
サイドシール61は、芯金63の円筒部63aが弾性部64の外周部65Cを挟んでカバー19の内周面に嵌合することで、転がり軸受10の軸方向端部に取り付けられている。
芯金63は、金属(例えば、SPCC)製であり、円筒部63aと、円筒部63aの軸方向一端部から径方向内方に折り曲げられた環状板部63bとを有し、断面L字形を有している。
サイドシール61は、芯金63の円筒部63aが弾性部64の外周部65Cを挟んでカバー19の内周面に嵌合することで、転がり軸受10の軸方向端部に取り付けられている。
弾性部64は、ゴム製(合成ゴム製)であり、第2内輪12に接触可能である主リップ部65Aを有している。また、弾性部64は、環状板部63bの内部S1側に設けられた本体部65Bと、円筒部63aの外周面側に設けられた外周部65Cと、本体部65Bの径方向内方側から第2内輪12側に延びて第2内輪12の外周面との間に隙間を有して設けられた副リップ部65Dとを有している。弾性部64は、芯金63に加硫接着、焼き付けなどで固定されている。バネリング71は、主リップ部65Aに対して縮径させる方向の弾性力を付与している。
主リップ部65Aは、内周側に向かうにしたがって先細りとなる形状を有している。具体的に説明すると、主リップ部65Aは、第2内輪12の外周面に接触するリップ先端74と、リップ先端74から軸方向一方側(内部S1側)に向かうにしたがって拡径する第1斜面72と、リップ先端74から軸方向他方側(外部S2側)に向かうにしたがって拡径する第2斜面73とを有している。
サイドシール61は、本体部65B及び環状板部63bを軸方向に貫通する開口部が円形状の通気路66を有しており、通気路66の内部S1側の端部には、逆止弁67が設けられている。
逆止弁67は、径方向外方側(図中、上側)に設けられた第1弁体68と、径方向内方側(図中、下側)に設けられた第2弁体69とからなる。両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体68は、側面視半円状を有し、その径方向内方側の端部に第2弁体69の第2合わせ面69aと密着させる第1合わせ面68aと、第1合わせ面68aの外部S2側の縁部68cから外部S2側に延びる外部側端面68bとを有している。
第2弁体69は、側面視半円状を有し、第1弁体68より肉厚が薄く、その径方向外方側の端部に第1弁体68の第1合わせ面68aと密着させる第2合わせ面69aを有している。
逆止弁67は、径方向外方側(図中、上側)に設けられた第1弁体68と、径方向内方側(図中、下側)に設けられた第2弁体69とからなる。両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体68は、側面視半円状を有し、その径方向内方側の端部に第2弁体69の第2合わせ面69aと密着させる第1合わせ面68aと、第1合わせ面68aの外部S2側の縁部68cから外部S2側に延びる外部側端面68bとを有している。
第2弁体69は、側面視半円状を有し、第1弁体68より肉厚が薄く、その径方向外方側の端部に第1弁体68の第1合わせ面68aと密着させる第2合わせ面69aを有している。
逆止弁67では、第1合わせ面68aは、先端側(径方向内方側)に向かうにしたがって外部S2側に近づくように傾斜しており、第2弁体69の第2合わせ面69aは、先端側(径方向外方側)に向かうにしたがって内部S1側に近づくように傾斜している。そのため、逆止弁67は、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に通気路66を開放するとともに、上記負圧が解消された際には、確実に通気路66を閉塞することができる。
また、逆止弁67において、外部側端面68bは、第1弁体68の先端側に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜しており、かつ通気路66の通気方向に対する傾斜角度が、上記通気方向に対する第2合わせ面69aの傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、第2弁体69はスムーズに開閉し、また、外部側端面68b付近にはグリースが留まりにくい。
また、逆止弁67において、外部側端面68bは、第1弁体68の先端側に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜しており、かつ通気路66の通気方向に対する傾斜角度が、上記通気方向に対する第2合わせ面69aの傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、第2弁体69はスムーズに開閉し、また、外部側端面68b付近にはグリースが留まりにくい。
このような逆止弁67は、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に開放状態となり、通気路66を通る外部S2側から内部S1側への気体の流入を許容する。そのため、転がり軸受10の内部S1に生じた負圧を解消することができる。また、上記負圧が解消された後には、確実に通気路66を閉塞することができる。更に、転がり軸受10の内部S1が正圧になっても通気路66を開放しなくなっている。
[第4実施形態]
本実施形態の転がり軸受装置は、サイドシール81が第1実施形態のサイドシール21とは異なる。図6は、(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着されるサイドシールの別の一例を示す断面説明図であり、(b)は、(a)に示したサイドシールの要部拡大図である。
本実施形態のサイドシール81は、通気路及び逆止弁の位置が異なる以外は、第3実施形態のサイドシール61と同様である。そのため、通気路及び逆止弁以外については、サイドシール61と同様の符号を付与している。
本実施形態の転がり軸受装置は、サイドシール81が第1実施形態のサイドシール21とは異なる。図6は、(a)は、図1に示した転がり軸受装置に装着されるサイドシールの別の一例を示す断面説明図であり、(b)は、(a)に示したサイドシールの要部拡大図である。
本実施形態のサイドシール81は、通気路及び逆止弁の位置が異なる以外は、第3実施形態のサイドシール61と同様である。そのため、通気路及び逆止弁以外については、サイドシール61と同様の符号を付与している。
サイドシール81は、転がり軸受10の内部S1と外部S2とを区画しており、内部S1に封入されたグリースが転がり軸受10の外部S2側へ流出するのを抑制するとともに、外部S2側から内部S1側に水が浸入するのを防止する機能を有している。
サイドシール81は、サイドシール61と同様、環状の芯金63と弾性部64とバネリング71とを備えている。
サイドシール61は、芯金63の円筒部63aが弾性部64の外周部65Cを挟んでカバー19の内周面に嵌合することで、転がり軸受10の軸方向端部に取り付けられており、主リップ部65Aは、第2内輪12の外周面と接触している。
サイドシール81は、サイドシール61と同様、環状の芯金63と弾性部64とバネリング71とを備えている。
サイドシール61は、芯金63の円筒部63aが弾性部64の外周部65Cを挟んでカバー19の内周面に嵌合することで、転がり軸受10の軸方向端部に取り付けられており、主リップ部65Aは、第2内輪12の外周面と接触している。
サイドシール81には、主リップ部65Aを径方向に貫通する通気路86が設けられており、通気路86の外部S2側の端部には、逆止弁87が設けられている。
逆止弁87は軸方向内側(図中、左側)に設けられた第1弁体88と、軸方向外側(図中、右側)に設けられた第2弁体89とからなる。両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体88は、平面視半円状を有し、その軸方向外側の端部に第2弁体89の第2合わせ面89aと密着させる第1合わせ面88aと、第1合わせ面88aの外部S2側の縁部88cから外部S2側に延びる外部側端面88bとを有している。
第2弁体89は、平面視半円状を有し、第1弁体88よりも肉厚が薄く、その軸方向内側の端部に第1弁体88の第1合わせ面88aと密着させる第2合わせ面89aを有している。
逆止弁87は軸方向内側(図中、左側)に設けられた第1弁体88と、軸方向外側(図中、右側)に設けられた第2弁体89とからなる。両者の先端部は互いに突き合わせられている。
第1弁体88は、平面視半円状を有し、その軸方向外側の端部に第2弁体89の第2合わせ面89aと密着させる第1合わせ面88aと、第1合わせ面88aの外部S2側の縁部88cから外部S2側に延びる外部側端面88bとを有している。
第2弁体89は、平面視半円状を有し、第1弁体88よりも肉厚が薄く、その軸方向内側の端部に第1弁体88の第1合わせ面88aと密着させる第2合わせ面89aを有している。
逆止弁87では、第1弁体88の第1合わせ面88aは、先端側(軸方向外側)に向かうにしたがって外部S2側に近づくように傾斜しており、第2弁体89の第2合わせ面89aは、先端側(軸方向内側)に向かうにしたがって内部S1側に近づくように傾斜している。そのため、逆止弁87は、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に通気路86を開放するとともに、上記負圧が解消された際には、確実に通気路86を閉塞することができる。
また、逆止弁87において、外部側端面88bは、第1弁体88の先端側に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜しており、かつ通気路86の通気方向に対する傾斜角度が、上記通気方向に対する第2合わせ面89aの傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、第2弁体89はスムーズに開閉し、また、外部側端面88b付近にはグリースが留まりにくい。
また、逆止弁87において、外部側端面88bは、第1弁体88の先端側に向かうにしたがって外部S2側から離れるように傾斜しており、かつ通気路86の通気方向に対する傾斜角度が、上記通気方向に対する第2合わせ面89aの傾斜角度よりも小さくなっている。そのため、第2弁体89はスムーズに開閉し、また、外部側端面88b付近にはグリースが留まりにくい。
このような逆止弁87は、転がり軸受10の内部S1に負圧が生じた際に開放状態となり、通気路86を通る外部S2側から内部S1側への気体の流入を許容する。そのため、転がり軸受10の内部S1に生じた負圧を解消することができる。また、上記負圧が解消された後には、確実に通気路86を閉塞することができる。更に、転がり軸受10の内部S1が正圧になっても通気路86を開放しにくくなっている。
[その他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜変更して実施可能である。
本発明の実施形態に係る密封部材において、当該密封部材に設けられる逆止弁及び通気路の数は特に限定されず、1つであっても良いし、複数であっても良い。また、その位置も特に限定されない。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜変更して実施可能である。
本発明の実施形態に係る密封部材において、当該密封部材に設けられる逆止弁及び通気路の数は特に限定されず、1つであっても良いし、複数であっても良い。また、その位置も特に限定されない。
本発明の実施形態に係る転がり軸受装置が、内輪間シール及びサイドシールを備えている場合、内輪間シール及びサイドシールの両方が通気路と逆止弁とを備えた密封部材であっても良いし、内輪間シール及びサイドシールのいずれか一方のみが通気路と逆止弁とを備えた密封部材であっても良い。更には2つのサイドシールのうちの一方のサイドシールのみが通気路と逆止弁とを備えた密封部材であっても良い。
また、本発明の実施形態で用いられる転がり軸受は、圧延ロールのロールネック支持に使用される転がり軸受に限られず、他の装置(用途)に使用される転がり軸受であっても良い。
1:転がり軸受装置、2:ロールネック(回転軸)、10:転がり軸受、11:第1内輪、12:第2内輪、13:第1外輪、14:第2外輪、15:第3外輪、16:円錐ころ、17:保持器、18:環状溝、18a:第1周面、18b:第2周面、19:環状空間、20:密封部材、21、61、81:サイドシール(密封部材)、22、42:内輪間シール(密封部材)、23、63:芯金、24、44、64:弾性部、25A、45A:第1リップ部、25B、45B:第2リップ部、45C、65B:本体部、50:空間部、65A:主リップ部、64C:副リップ部、64D:外周部、26、46、66、86:通気路、27、47、67、87:逆止弁、28、48、68、88:第1弁体、28a、48a、68a、88a:第1合わせ面、28b、48b、68b、88b:外部側端面、28c、48c、68c、68c:縁部、29、49、69、89:第2弁体、29a、49a、69a、89a、:第2合わせ面、S1:(転がり軸受の)内部、S2:(転がり軸受の)外部
Claims (6)
- 内輪と、前記内輪の外周側に同心に配置された外輪と、を備えた転がり軸受に用いられ、前記内輪と前記外輪との間の環状空間を密封する転がり軸受用の密封部材であって、
弾性素材からなる環状の弾性部を備え、
前記弾性部は、転がり軸受の外部から内部へ貫通する通気路を当該内部に負圧が生じた際に開放する逆止弁を備え、
前記逆止弁は、先端部を互いに突き合わせた第1弁体と、前記第1弁体よりも肉厚の薄い第2弁体とを備え、少なくとも前記第2弁体が前記負圧によって弾性変形することにより前記通気路を開放し、
前記第1弁体及び前記第2弁体は互いに密着させる第1合わせ面及び第2合わせ面をそれぞれ有し、前記第2合わせ面は先端側に向かうにしたがって前記内部側に近づくように傾斜し、前記第1合わせ面は先端側に向かうにしたがって外部側に近づくように傾斜している、ことを特徴とする密封部材。 - 前記第1弁体は、前記第1合わせ面の前記外部側の縁部から前記外部側に延びる外部側端面を有し、前記外部側端面は、前記先端側に向かうにしたがって前記外部側から離れるように傾斜しており、
前記外部側端面の前記通気路の通気方向に対する傾斜角度は、前記第2合わせ面の前記通気路の通気方向に対する傾斜角度より小さい、請求項1に記載の密封部材。 - 前記弾性部は、前記転がり軸受の一対の内輪の端部同士の突き合わせ部分に設けられた環状溝の軸方向の一端側と接触する第1リップ部と、前記環状溝の軸方向の他端側に接触する第2リップ部とを有する請求項1又は2に記載の密封部材。
- 前記密封部材は、前記内輪と前記外輪との間に形成される環状空間の軸方向端部に装着される密封部材であって、
前記弾性部は、前記内輪の内周面と接触するリップ部を有する請求項1又は2に記載の密封部材。 - 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置された転動体とを備え、
前記内輪は、前記内輪の軸方向に端部同士が突き合わされた第1内輪と第2内輪とを有し、前記第1内輪と前記第2内輪とが突き合わされた部分の外周面に環状溝が設けられた転がり軸受と、
請求項3に記載の密封部材と、
を含み、
前記環状溝に前記密封部材が装着されたことを特徴とする転がり軸受装置。 - 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配置された転動体とを備える転がり軸受と、
請求項4に記載の密封部材と、
を含み、
前記内輪と前記外輪との間に形成される環状空間の軸方向両端部の少なくとも一方に前記密封部材が装着されたことを特徴とする転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016106326A JP2017211064A (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | 密封部材、及び、転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016106326A JP2017211064A (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | 密封部材、及び、転がり軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017211064A true JP2017211064A (ja) | 2017-11-30 |
Family
ID=60476041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016106326A Pending JP2017211064A (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | 密封部材、及び、転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017211064A (ja) |
-
2016
- 2016-05-27 JP JP2016106326A patent/JP2017211064A/ja active Pending
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