JP2017210642A - イオンプレーティング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオンプレーティング装置10は、成膜対象Sを支持するための支持部11と、エネルギーを受けて蒸発する材料を保持するための保持部12であって、蒸発した材料を放出する開口12aを有した保持部12と、プラズマを生成するためのコイル13であって、支持部11と保持部12とが並ぶ方向である配列方向に延び、かつ、配列方向から見て、保持部12を囲む線状を有したコイル13とを備える。配列方向において、コイル13の少なくとも一部が、支持部11と開口12aとの間に位置し、コイル13の全体が、支持部11と開口12aとの間の中央よりも保持部12が位置する側に位置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、成膜対象の形成材料における選択の自由度を高めることを可能にしたイオンプレーティング装置を提供することを目的とする。
図1から図4を参照して、本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第1実施形態を説明する。以下では、イオンプレーティング装置の構成、イオンプレーティング装置の作用、および、実施例を順に説明する。
図1および図2を参照して、イオンプレーティング装置の構成を説明する。
図1が示すように、イオンプレーティング装置10は、支持部11、保持部12、および、コイル13を備えている。
保持部12の保持する材料は、例えば金属であり、ガリウム(Ga)、および、インジウム(In)などである。
図2を参照して、イオンプレーティング装置の作用を説明する。
イオンプレーティング装置10において成膜対象Sに対して膜が形成されるときには、まず、排気部15が真空槽14の内部を所定の圧力にまで減圧し、そして、ガス供給部16が所定の流量のガスを真空槽14の内部に供給する。次いで、高周波電源17が、コイル13に対して、所定の高周波電力を出力する。
[実施例1]
イオンプレーティング装置として、コイルの全体が、配列方向における支持部と開口との間の中央よりも保持部側に位置し、かつ、保持部が、コイルの内部に位置するイオンプレーティング装置を用いた。成膜対象としてスライドガラス(松浪硝子工業(株)製、S7213)を準備し、保持部に保持される材料をGaとし、ガス供給部の供給するガスを窒素ガスとした。
材料をInに変更した以外は、実施例1と同じ方法を用いて、InN膜を成膜対象に形成することで、実施例2のInN膜を得た。
イオンプレーティング装置として、配列方向におけるコイルの半分以上が、支持部と開口との中央よりも支持部側に位置するイオンプレーティング装置を用いた以外は、実施例1と同じ方法を用いて、比較例1のGaN膜を得た。
イオンプレーティング装置として、比較例1と同じイオンプレーティング装置を用いた以外は、実施例2と同じ方法を用いて、比較例2のInN膜を得た。
実施例1のGaN膜、実施例2のInN膜、比較例1のGaN膜、および、比較例2のInN膜の各々について、X線回折装置(ブルカー社製、D8DISCOVER)を用いて、回折角2θが20°から60°である範囲において、X線回折スペクトルを測定した。
実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2について、半値幅および結晶子径を測定したところ、以下の表1に示される値であることが認められた。
実施例1のGaN膜、実施例2のInN膜、比較例1のGaN膜、および、比較例2のInN膜の各々について、紫外可視分光光度計(日立ハイテクサイエンス(株)製、U3900)を用いて、300nmから900nmの波長域での、透過スペクトルを測定した。
(1)コイル13の周りに生成されるプラズマPによって材料Mを励起することが容易である。それゆえに、膜特性の高められた膜を、より低温で成膜対象Sに形成することができ、結果として、成膜対象Sの形成材料における選択の自由度を高めることができる。
・保持部12に保持される材料は、上述したGaおよびInに限らず、Si(シリコン)やAl(アルミニウム)などの他の金属などの無機物であってもよい。またあるいは、材料は、有機化合物であってもよい。こうした構成であっても、配列方向において、支持部11と保持部12の開口12aとの間の中央よりも開口12a寄りにコイル13の全体が位置し、かつ、開口12aがコイル13の内部に位置していれば、上述した(1)および(2)と同等の効果を得ることはできる。
図6から図9を参照して、本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態のイオンプレーティング装置は、第1実施形態のイオンプレーティング装置と比べて、プラズマを引き込む電極を備える点が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、かつ、第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その構成の詳しい説明を省略する。また、以下では、イオンプレーティング装置の構成、イオンプレーティング装置の作用、および、実施例を順番に説明する。
図6および図7を参照して、イオンプレーティング装置の構成を説明する。
図6が示すように、イオンプレーティング装置30は、第1実施形態のイオンプレーティング装置10と同様、支持部11、保持部12、および、コイル31を備えている。コイル31は、配列方向において、保持部12の開口12aから離れて位置している。配列方向から見て、保持部12は、コイル31によって囲まれる領域内に位置している。
図8を参照して、イオンプレーティング装置30の作用を説明する。
図8が示すように、イオンプレーティング装置30において成膜対象Sに対して膜が形成されるときには、まず、第1実施形態と同様の手順で、コイル31の周りにプラズマPが生成される。次いで、電極用電源33が電極32に電力を供給することによって、電極32にバイアス電位を印加する。その後、蒸発源18が保持部12に保持された材料Mに対してエネルギーを与える。
[実施例3]
イオンプレーティング装置として、コイルの全体が、配列方向における支持部と開口との間の中央よりも保持部側に位置し、かつ、保持部の開口とコイルの端部との距離が約1cmとなるようにコイルが位置し、かつ、保持部に対してコイルとは反対側に電極が位置するイオンプレーティング装置を用いた。成膜対象としてスライドガラス(実施例1と同じ)を準備し、保持部に保持される材料をInとし、ガス供給部の供給するガスを窒素ガスとした。
電極に印加するバイアス電圧を+50Vに変更した以外は、実施例3と同じ方法を用いて、InN膜を成膜対象に形成することで、実施例4のInN膜を得た。
実施例3のInN膜および実施例4のInN膜の各々について、X線回折装置(同上)を用いて、回折角2θが20°から60°である範囲において、X線回折スペクトルを測定した。
実施例3および実施例4について、(101)配向における半値幅および結晶子径を測定したところ、以下の表2に示される値であることが認められた。
(5)開口12aに向けてプラズマPを引き込むための電極32を備えるため、開口12aから放出された材料Mが、プラズマPによって励起されやすくなる。
・電極32は、配列方向から見て、コイル31の全体ではなく、一部のみと重なっていてもよい。こうした構成であっても、保持部12の開口12aに対してプラズマPを引き込むことは可能であるため、上述した(5)と同等の効果を得ることはできる。
図10および図11を参照して、本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態のイオンプレーティング装置は、第1実施形態のイオンプレーティング装置と比べて、保持部の開口とコイルとの間の距離が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、かつ、第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その構成の詳しい説明を省略する。また、以下では、イオンプレーティング装置の構成、および、実施例を順番に説明する。
図10を参照して、イオンプレーティング装置の構成を説明する。
図10が示すように、イオンプレーティング装置40は、第1実施形態のイオンプレーティング装置10と同様、支持部11、保持部12、および、コイル41を備えている。コイル41は、配列方向において、保持部12の開口12aから離れて位置している。配列方向において、開口12aとコイル41との間の距離が第2離間距離L2であり、第2離間距離L2は、3cm以下である。
[実施例5]
電極を省略した以外は、実施例3と同じ方法を用いて、InN膜を成膜対象に形成することで、実施例5のInN膜を得た。
実施例5のInN膜について、X線回折装置(同上)を用いて、回折角2θが20°から60°である範囲において、X線回折スペクトルを測定した。
実施例5について、半値幅および結晶子径を測定したところ、以下の表3に示される値であることが認められた。
(7)第2離間距離L2が3cm以下であるため、開口12aから放出された材料が、コイル41の周りに生成されるプラズマによってより励起されやすくなる。
・イオンプレーティング装置40は、図6を用いて先に説明された構成、すなわち、電極32を備える構成と組み合わせて実施することもできる。こうした構成によれば、第2離間距離L2が3cm以下であり、かつ、保持部12の開口12aに向けてプラズマが引き込まれるため、開口12aから放出された材料が、プラズマPによってより励起されやすくなる。
Claims (5)
- 成膜対象を支持するための支持部と、
エネルギーを受けて蒸発する材料を保持するための保持部であって、蒸発した前記材料を放出する開口を有した前記保持部と、
プラズマを生成するためのコイルであって、前記支持部と前記保持部とが並ぶ方向である配列方向に延び、かつ、前記配列方向から見て、前記保持部を囲む線状を有した前記コイルとを備え、
前記配列方向において、
前記コイルの少なくとも一部が、前記支持部と前記開口との間に位置し、
前記コイルの全体が、前記支持部と前記開口との間の中央よりも前記保持部が位置する側に位置する
イオンプレーティング装置。 - 前記コイルは、前記配列方向において、前記開口から離れて位置し、
前記配列方向において、前記開口と前記コイルとの間の距離が3cm以下である
請求項1に記載のイオンプレーティング装置。 - 前記開口は、前記コイルの内部に位置している
請求項1に記載のイオンプレーティング装置。 - 前記コイルは、前記配列方向において、前記開口から離れて位置し、
前記保持部に対して前記支持部とは反対側に位置して前記プラズマを前記開口に引き込むための電極をさらに備える
請求項1または2に記載のイオンプレーティング装置。 - 前記材料が金属であり、
前記プラズマの生成に用いられるガスであって、前記ガスから生成された前記プラズマが前記材料に対する反応性を有する前記ガスを前記コイルと前記支持部との間に供給するガス供給部をさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載のイオンプレーティング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016103578A JP6732537B2 (ja) | 2016-05-24 | 2016-05-24 | イオンプレーティング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016103578A JP6732537B2 (ja) | 2016-05-24 | 2016-05-24 | イオンプレーティング装置 |
Publications (2)
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JP2017210642A true JP2017210642A (ja) | 2017-11-30 |
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ID=60475288
Family Applications (1)
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JP2016103578A Active JP6732537B2 (ja) | 2016-05-24 | 2016-05-24 | イオンプレーティング装置 |
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