JP2017210642A - イオンプレーティング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜対象の形成材料における選択の自由度を高めることを可能にしたイオンプレーティング装置を提供する。
【解決手段】イオンプレーティング装置10は、成膜対象Sを支持するための支持部11と、エネルギーを受けて蒸発する材料を保持するための保持部12であって、蒸発した材料を放出する開口12aを有した保持部12と、プラズマを生成するためのコイル13であって、支持部11と保持部12とが並ぶ方向である配列方向に延び、かつ、配列方向から見て、保持部12を囲む線状を有したコイル13とを備える。配列方向において、コイル13の少なくとも一部が、支持部11と開口12aとの間に位置し、コイル13の全体が、支持部11と開口12aとの間の中央よりも保持部12が位置する側に位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸発源が蒸発させた材料をプラズマで励起するイオンプレーティング装置に関する。
成膜対象に対して各種の薄膜を形成する装置として、イオンプレーティング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。イオンプレーティング装置は真空槽を備え、真空槽の内部において、蒸発材料と成膜対象とが1つの方向に沿って並び、蒸発材料と成膜対象との間に、プラズマを生成するためのコイルが位置している。コイルは、1つの方向において、成膜対象からコイルまでの距離と、蒸発材料からコイルまでの距離とがほぼ等しくなるように、真空槽の内部に位置している。イオンプレーティング装置は、成膜対象を加熱するヒーターをさらに備え、ヒーターは、成膜対象に対して薄膜が形成されるとき、成膜対象を所定の温度に加熱する。コイルの周りに生成されたプラズマを通過することで活性化された蒸発材料は、成膜対象に付着する際に、ヒーターによる成膜対象の加熱によって結晶化が促進され、成膜対象に形成される薄膜の膜特性が高まる。
特開平5−326315号公報
ところで、成膜対象に薄膜が形成されるときには、所望の膜特性が得られることを目的として、成膜対象が所定の温度まで加熱されるため、成膜対象の形成材料には、こうした加熱に対する耐性を有することが求められる。結果として、成膜対象の形成材料として選択が可能な材料は、加熱温度によって制約を受けている。
本発明は、成膜対象の形成材料における選択の自由度を高めることを可能にしたイオンプレーティング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのイオンプレーティング装置は、成膜対象を支持するための支持部と、エネルギーを受けて蒸発する材料を保持するための保持部であって、蒸発した前記材料を放出する開口を有した前記保持部と、プラズマを生成するためのコイルであって、前記支持部と前記保持部とが並ぶ方向である配列方向に延び、かつ、前記配列方向から見て、前記保持部を囲む線状を有した前記コイルとを備える。前記配列方向において、前記コイルの少なくとも一部が、前記支持部と前記開口との間に位置し、前記コイルの全体が、前記支持部と前記開口との間の中央よりも前記保持部が位置する側に位置する。
上記構成によれば、コイルの周りに生成されるプラズマによって材料を励起することが容易である。それゆえに、膜特性の高められた膜を、より低温で成膜対象に形成することができ、結果として、成膜対象の形成材料における選択の自由度を高めることができる。
上記イオンプレーティング装置において、前記コイルは、前記配列方向において、前記開口から離れて位置し、前記配列方向において、前記開口と前記コイルとの間の距離が3cm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、開口とコイルとの間の距離が3cm以下であるため、コイルと開口とが離れていても、開口から放出された材料が、コイルの周りに生成されるプラズマによってより励起されやすくなる。
上記イオンプレーティング装置において、前記開口は、前記コイルの内部に位置していることが好ましい。
上記構成によれば、コイルによって生成されるプラズマの密度が高い領域に開口が位置するため、蒸発した材料がプラズマによって励起されやすくなる。
上記イオンプレーティング装置において、前記コイルは、前記配列方向において、前記開口から離れて位置し、前記保持部に対して前記支持部とは反対側に位置して前記プラズマを前記開口に引き込むための電極をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、コイルによって生成されるプラズマが、開口に向けて引き込まれるため、コイルと開口とが離れていても、開口の周りにプラズマが生成され、結果として、開口から放出された材料が、プラズマによって励起されやすくなる。
上記イオンプレーティング装置において、前記材料が金属であり、前記プラズマの生成に用いられるガスであって、前記ガスから生成された前記プラズマが前記材料に対する反応性を有する前記ガスを前記コイルと前記支持部との間に供給するガス供給部をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、プラズマによって励起された金属化合物を成膜対象に到達させることができ、成膜対象における膜の膜特性を高めることができる。
本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第1実施形態におけるイオンプレーティング装置の構成を示すブロック図。 イオンプレーティング装置の作用を説明するための作用図。 実施例および比較例におけるX線回折スペクトルを示す図。 実施例および比較例における透過スペクトルを示す図。 第1実施形態の変形例におけるイオンプレーティング装置の構成を示すブロック図。 本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第2実施形態におけるイオンプレーティング装置の構成を示すブロック図。 配列方向から見たコイルと電極との平面構造を示す平面図。 イオンプレーティング装置の作用を説明するための作用図。 実施例におけるX線回折スペクトルを示す図。 本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第3実施形態におけるイオンプレーティング装置の構成を示すブロック図。 実施例におけるX線回折スペクトルを示す図。
[第1実施形態]
図1から図4を参照して、本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第1実施形態を説明する。以下では、イオンプレーティング装置の構成、イオンプレーティング装置の作用、および、実施例を順に説明する。
[イオンプレーティング装置の構成]
図1および図2を参照して、イオンプレーティング装置の構成を説明する。
図1が示すように、イオンプレーティング装置10は、支持部11、保持部12、および、コイル13を備えている。
支持部11は、成膜対象Sを支持するための要素であり、例えば成膜対象Sと面接触することで、成膜対象Sを支持するステージである。支持部11のうち、成膜対象Sと接する面は例えば平坦面であり、支持部11は、1つの成膜対象Sを支持する。なお、支持部11は、成膜対象Sを挟むことで成膜対象Sを支持するクランプなどでもよい。成膜対象Sは、例えば、ガラス基板、半導体基板、および、樹脂基板などである。
保持部12は、エネルギーを受けて蒸発する材料を保持するための要素であり、蒸発した材料を放出する開口12aを有している。保持部12は、例えば有底の筒状を有した容器であり、材料が蒸発する温度にて変性しない程度の耐熱性を有している。
保持部12の保持する材料は、例えば金属であり、ガリウム(Ga)、および、インジウム(In)などである。
コイル13は、プラズマを生成するための要素であり、支持部11と保持部12とが並ぶ方向である配列方向に延び、かつ、配列方向から見て、保持部12を囲む線状を有している。配列方向は、保持部12の有する開口12aが支持部11に対して臨む方向でもある。配列方向において、コイル13の少なくとも一部が、支持部11と開口12aとの間に位置し、コイル13の全体が、支持部11と開口12aとの間の中央よりも保持部12が位置する側に位置している。
コイル13の中で、配列方向における一部が支持部11と開口12aとの間に位置し、配列方向における残りの一部が、開口12aよりも支持部11から離れて位置している。コイル13は、円筒面に描かれた線状を有し、保持部12の開口12aは、コイル13の内部、すなわち、コイル13を含む円筒面の内部に位置している。
コイル13は、導電性を有するとともに線状を有した部材から構成され、線状を有する部材が、所定の空間を区画するように複数回巻き回されることによって形成されている。保持部12の全体が、コイル13の内部、すなわち、コイル13によって区画される空間の内部に位置している。
配列方向において、支持部11のうち、成膜対象Sを保持する部分であって、かつ、保持部12の開口12aと対向する部分と、保持部12の開口12aとの間の距離が、第1離間距離L1である。支持部11とコイル13との間の距離は、第1離間距離L1の1/2よりも大きい。
イオンプレーティング装置10は、真空槽14を備え、真空槽14は、支持部11、保持部12、および、コイル13を収容することのできる空間を区画している。イオンプレーティング装置10は、さらに、真空槽14に接続された排気部15を備えている。排気部15は、イオンプレーティング装置10の内部にて処理が行われるときに、真空槽14の内部を排気して、真空槽14の内部の圧力を所定の圧力にまで減圧する。
また、イオンプレーティング装置10は、ガス供給部16を備え、ガス供給部16は、プラズマの生成に用いられるガスをコイル13と支持部11との間に供給する。このガスから生成されたプラズマは、材料に対する反応性を有する。ガス供給部16の供給するガスは、材料が上述したGaまたはInであるとき、例えば窒素ガスである。
なお、ガス供給部16がガスを供給する位置は、図1を参照して説明したとおり、真空槽14の側面、すなわちコイル13と支持部11との間でもよいが、蒸発源18の下側、すなわち真空槽14の底面であってもよい。言い換えれば、ガス供給部16がガスを供給する位置は、保持部12に対して支持部11が位置する側とは反対側であってもよい。この場合、蒸発源18の下方から供給されたガスは、コイル13によって区画される空間に直接供給されるため、保持部12の開口12a付近で、プラズマの生成を効率よく行うことが可能となる。
イオンプレーティング装置10は、コイル13に接続された高周波電源17を備えている。真空槽14内にガスが供給された状態で、高周波電源17がコイル13に対して高周波電力を供給すると、コイル13の周りにプラズマが生成される。
イオンプレーティング装置10は、保持部12に保持された材料に対して、エネルギーを与える蒸発源18を備えている。蒸発源18は、例えば抵抗加熱機構であり、保持部12を加熱することによって、保持部12内の材料を材料が蒸発する温度にまで加熱する。もしくは、蒸発源18は、保持部12内の材料を材料が蒸発する温度にまで直接加熱してもよい。蒸発源18は、誘導加熱機構、および、電子ビーム機構などでもよい。
[イオンプレーティング装置の作用]
図2を参照して、イオンプレーティング装置の作用を説明する。
イオンプレーティング装置10において成膜対象Sに対して膜が形成されるときには、まず、排気部15が真空槽14の内部を所定の圧力にまで減圧し、そして、ガス供給部16が所定の流量のガスを真空槽14の内部に供給する。次いで、高周波電源17が、コイル13に対して、所定の高周波電力を出力する。
これにより、図2が示すように、コイル13の周りにプラズマPが生成される。その後、蒸発源18が保持部12に保持された材料Mに対してエネルギーを与えることによって、保持部12の開口12aから蒸発した材料Mが放出される。
イオンプレーティング装置10では、配列方向において、支持部11と保持部12の開口12aとの間にコイル13の一部が位置し、かつ、コイル13の全体が、支持部11と開口12aとの間の中央よりも保持部12が位置する側に位置している。
これにより、コイル13が、配列方向において保持部12からより離れて位置する構成と比べて、保持部12の開口12aから放出された直後の材料M、すなわち蒸発源18から与えられたエネルギーをより高い割合で保持した材料Mに対して、プラズマP中の荷電粒子が作用する。このような構成においては、材料Mがより高いエネルギーを有する状態で荷電粒子が材料Mに対して作用することから、コイル13の周りに生成されるプラズマPによって材料Mを励起することが容易であり、また、より活性化された材料Mを得ることが可能となる。それゆえに、成膜対象Sを加熱することなく、膜特性の高められた膜を、より低温で成膜対象Sに形成することができ、結果として、成膜対象Sの形成材料における選択の自由度を高めることができる。
コイル13によって生成されるプラズマPの密度は、コイル13に近いほど高く、また、コイル13との距離が同じであれば、コイル13の内部の方がコイル13の外部よりも高くなりやすい。この点で、上述した構成であれば、コイル13の内部、すなわち、コイル13によって生成されるプラズマPの密度が高い領域に保持部12の開口12aが位置するため、蒸発した材料MがプラズマPによって励起されやすくなる。
また、コイル13が配列方向において支持部11寄りに位置するほど、成膜対象Sおよび成膜対象Sに形成される薄膜へのプラズマPによるダメージや入熱が大きくなる。この点で、上述したイオンプレーティング装置10では、コイル13がより支持部11寄りに位置する構成と比べて、プラズマPが成膜対象Sからより離れた位置にて生成されるため、成膜対象Sおよび成膜対象Sに形成される薄膜へのプラズマPによるダメージや入熱を抑えることが可能となる。
また、材料Mが金属であり、かつ、プラズマPが材料Mに対して反応性を有する場合には、保持部12の開口12aがプラズマPの密度が高い領域に位置するため、保持部12の開口12aから放出された直後の材料Mが、高いエネルギーを有する状態でプラズマPによって励起され、プラズマP中に存在するラジカルやイオンと反応し金属化合物となる。そのため、金属化合物をより活性化された状態で成膜対象Sに到達させることができ、成膜対象Sに形成される膜の電気的特性や光学的特性など、成膜対象Sにおける膜の膜特性を高めることができる。
このように、イオンプレーティング装置10であれば、成膜対象Sを加熱することによって、成膜対象Sに到達する材料Mの有するエネルギーを補わずとも、成膜対象Sに対して膜特性の高められた膜を形成することができる。それゆえに、例えば上述した樹脂基板のように、耐熱温度の低い材料から形成される基板に対して、膜を形成することが可能にもなる。また、樹脂よりも耐熱温度の高い材料から形成される基板であっても、熱に起因した損傷を抑えた状態で、成膜対象Sに膜を形成することができる。
なお、成膜対象Sを加熱しない構成であれば、成膜対象Sにあわせて、真空槽14が加熱されることも抑えられる。そのため、真空槽14の温度が所定の温度以上になることで、真空槽14に吸着されたガスが、真空槽14の内部に放出されることが抑えられる。それゆえに、真空槽14から放出されたガスの成分が成膜対象Sに形成される膜に含まれることによって、膜における膜特性が低下することが抑えられる。
また、真空槽14の内部では、プラズマPのうちで密度の高い部分が、配列方向における保持部12寄りに形成される。そのため、プラズマPによる損傷が成膜対象Sにおいて生じることを抑えることもできる。
[実施例]
[実施例1]
イオンプレーティング装置として、コイルの全体が、配列方向における支持部と開口との間の中央よりも保持部側に位置し、かつ、保持部が、コイルの内部に位置するイオンプレーティング装置を用いた。成膜対象としてスライドガラス(松浪硝子工業(株)製、S7213)を準備し、保持部に保持される材料をGaとし、ガス供給部の供給するガスを窒素ガスとした。
真空槽の内部を5×10−4Paまで排気した後、真空槽の内部に窒素ガスを供給することで、真空槽の内部の圧力を8×10−2Paまで高めた。そして、コイルに450Wの高周波電力を供給して、保持部の周りに窒素プラズマを生成した。その後、蒸発源である抵抗加熱機構を用いてガリウムを加熱し、成膜対象に1Å/sの速度でガリウムを到達させた。
成膜対象に形成された窒化ガリウム(GaN)膜の厚さを水晶振動子によって確認し、100nmの厚さを有するGaN膜を形成したところで、蒸発源によるGaの加熱を停止した。その後、コイルに対する高周波電力の供給、および、窒素ガスの供給を順に停止し、GaN膜が形成された成膜対象の温度が室温にまで低下したところで、成膜対象を取り出した。これにより、実施例1のGaN膜を得た。
[実施例2]
材料をInに変更した以外は、実施例1と同じ方法を用いて、InN膜を成膜対象に形成することで、実施例2のInN膜を得た。
[比較例1]
イオンプレーティング装置として、配列方向におけるコイルの半分以上が、支持部と開口との中央よりも支持部側に位置するイオンプレーティング装置を用いた以外は、実施例1と同じ方法を用いて、比較例1のGaN膜を得た。
[比較例2]
イオンプレーティング装置として、比較例1と同じイオンプレーティング装置を用いた以外は、実施例2と同じ方法を用いて、比較例2のInN膜を得た。
[X線回折スペクトルの測定]
実施例1のGaN膜、実施例2のInN膜、比較例1のGaN膜、および、比較例2のInN膜の各々について、X線回折装置(ブルカー社製、D8DISCOVER)を用いて、回折角2θが20°から60°である範囲において、X線回折スペクトルを測定した。
図3が示すように、実施例1では、比較例1に比べて、回折角2θが30°から40°までの間に、半値幅が小さく、かつ、強度の高いピークが得られることが認められた。すなわち、実施例1のGaN膜は、比較例1のGaN膜と比べて、結晶子が大きいことが認められた。また、実施例1にてピークが得られる回折角2θから、実施例1のGaN膜は、(002)配向を有することが認められ、比較例1にてピークが得られる回折角2θから、比較例1のGaN膜は、(002)配向を有することが認められた。
また、実施例2では、比較例2に比べて、回折角2θが30°から40°までの間に、半値幅が小さく、かつ、強度の高いピークが得られることが認められた。すなわち、実施例2のInN膜は、比較例2のInN膜と比べて、結晶子が大きいことが認められた。また、実施例2にてピークが得られる回折角2θから、実施例2のInN膜は、(101)配向を有することが認められ、比較例2にてピークが得られる回折角2θから、比較例2のInN膜は、(101)配向を有することが認められた。
[半値幅および結晶子径]
実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2について、半値幅および結晶子径を測定したところ、以下の表1に示される値であることが認められた。
表1が示すように、実施例1のGaN膜における半値幅は0.553°であり、実施例2のInN膜における半値幅は0.438°であり、比較例1のGaN膜における半値幅は2.673°であり、比較例2のInN膜における半値幅は2.332°であることが認められた。
また、実施例1のGaN膜における結晶子径は15.0nmであり、実施例2のInN膜における結晶子径は19.0nmであり、比較例1のGaN膜における結晶子径は3.1nmであり、比較例2のInN膜における結晶子径は3.5nmであることが認められた。
このように、実施例1によれば比較例1に比べて半値幅および結晶子径の値がいずれも大幅に改善され、実施例2によれば比較例2に比べて半値幅および結晶子径の値がいずれも大幅に改善されることが認められた。
[透過スペクトルの測定]
実施例1のGaN膜、実施例2のInN膜、比較例1のGaN膜、および、比較例2のInN膜の各々について、紫外可視分光光度計(日立ハイテクサイエンス(株)製、U3900)を用いて、300nmから900nmの波長域での、透過スペクトルを測定した。
図4が示すように、実施例1のGaN膜および実施例2のInN膜では、比較例1のGaN膜および比較例2のInN膜と比べて、各膜に照射された光を透過する度合いが大きいことが認められた。また、実施例1のGaN膜および実施例2のInN膜は、それぞれ特定の波長において光を吸収する特性が認められるため、バンドギャップを有した半導体としての特性を有すると言える。すなわち、実施例1のGaN膜および実施例2のInN膜の各々は、GaあるいはInの単体の膜ではなく、これらの金属が窒化された膜であると言える。
これに対して、比較例1のGaN膜および比較例2のInN膜では、各膜に照射される光の波長に関わらず、各膜に照射された光を透過する度合いが小さいため、GaあるいはInの単体の膜とほぼ同様の特性、すなわち金属的な特性を有すると言える。
このように、実施例1および実施例2にて用いたイオンプレーティング装置によれば、結晶子の大きい、すなわち、光学的特性や電気特性において半導体膜としての特性が高められた膜が得られることが認められた。
以上説明したように、イオンプレーティング装置の第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)コイル13の周りに生成されるプラズマPによって材料Mを励起することが容易である。それゆえに、膜特性の高められた膜を、より低温で成膜対象Sに形成することができ、結果として、成膜対象Sの形成材料における選択の自由度を高めることができる。
(2)コイル13によって生成されるプラズマPの密度が高い領域に開口12aが位置するため、蒸発した材料Mがより高いエネルギーを有する状態でプラズマPによって励起される。それゆえに、蒸発した材料Mがより活性化されやすくなる。
(3)プラズマPによって励起された金属化合物を成膜対象Sに到達させることができ、成膜対象Sにおける膜の膜特性を高めることができる。
(4)コイル13が成膜対象Sから離れて位置するため、成膜対象Sおよび成膜対象Sに形成される薄膜へのプラズマによるダメージや入熱を抑えることが可能となる。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・保持部12に保持される材料は、上述したGaおよびInに限らず、Si(シリコン)やAl(アルミニウム)などの他の金属などの無機物であってもよい。またあるいは、材料は、有機化合物であってもよい。こうした構成であっても、配列方向において、支持部11と保持部12の開口12aとの間の中央よりも開口12a寄りにコイル13の全体が位置し、かつ、開口12aがコイル13の内部に位置していれば、上述した(1)および(2)と同等の効果を得ることはできる。
・ガス供給部16が真空槽14の内部に供給するガスは、窒素原子を含む他のガスであってもよい。あるいは、ガスから生成されたプラズマが無機物に対して反応性を有するガスであって、例えば酸素原子などを含むガスであってもよい。
・ガス供給部16が真空槽14の内部に供給するガスは、ガスから生成されたプラズマPが材料Mに対して反応性を有しないガス、例えば希ガスであってもよい。言い換えれば、成膜対象Sに形成される膜は、ガス供給部16が供給する元素とは異なる複数の元素から構成される無機化合物であってもよいし、ガス供給部16が供給する元素とは異なる単一の元素から構成される無機物であってもよい。こうした構成であっても、保持部12の開口12aから放出された材料MがプラズマPによって励起されるため、上述した(1)および(2)と同等の効果を得ることはできる。
・保持部12の保持する材料Mと、ガス供給部16の供給するガスとの組み合わせは、成膜対象Sに対して非晶質の膜を形成する組み合わせでもよい。こうした構成であっても、プラズマPによって励起された材料Mによって成膜対象Sに膜が形成されるため、成膜対象Sに形成される膜の電気的特性や光学的特性などの膜特性を高めることが可能である。
・保持部12の全体がコイル13の内部に位置していなくてもよく、少なくとも保持部12の開口12aがコイル13の内部に位置していればよい。こうした構成によっても、上述した(2)と同等の効果を得ることはできる。
・イオンプレーティング装置10は、成膜対象Sを加熱する加熱部を備え、成膜対象Sに対して膜を形成するときに、成膜対象Sを加熱部によって加熱する構成であってもよい。ただし、上述したように、イオンプレーティング装置10によれば、コイル13がより支持部11寄りに位置する構成と比べて、成膜対象Sの温度が低い状態で膜を結晶化させることが可能であることから、成膜対象Sを加熱する温度を低くすることが可能になる。それゆえに、少なからず上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
なお、成膜対象Sを加熱することによって、成膜対象Sに吸着する水分などを成膜対象Sから脱ガスすることが可能にもなる。また、材料Mが有機化合物である場合には、成膜対象Sに到達した材料Mに含まれる溶剤などを脱離することが可能にもなる。
・支持部は、複数の成膜対象Sを一度に支持できるように構成されていてもよい。例えば、上述した支持部11であれば、支持部11の有する平坦面が、複数の成膜対象Sを支持可能な大きさを有していればよい。
図5が示すように、複数の成膜対象Sを一度に支持することができる支持部21では、複数の成膜対象Sを支持する面が、配列方向に沿う端面において、弧状を有してもよい。例えば、支持部21のうち、成膜対象Sを支持する面は、配列方向において、保持部12から離れる方向に向けて凸となる弧状を有している。
こうした構成では、支持部21と保持部12の開口12aとの間の距離が最も小さい位置において、コイル13の全体が、配列方向における支持部21と開口12aとの間の中央よりも開口12a寄りに位置していればよい。こうした構成によっても、上述した(1)と同様の効果を得ることはできる。
[第2実施形態]
図6から図9を参照して、本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態のイオンプレーティング装置は、第1実施形態のイオンプレーティング装置と比べて、プラズマを引き込む電極を備える点が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、かつ、第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その構成の詳しい説明を省略する。また、以下では、イオンプレーティング装置の構成、イオンプレーティング装置の作用、および、実施例を順番に説明する。
[イオンプレーティング装置の構成]
図6および図7を参照して、イオンプレーティング装置の構成を説明する。
図6が示すように、イオンプレーティング装置30は、第1実施形態のイオンプレーティング装置10と同様、支持部11、保持部12、および、コイル31を備えている。コイル31は、配列方向において、保持部12の開口12aから離れて位置している。配列方向から見て、保持部12は、コイル31によって囲まれる領域内に位置している。
イオンプレーティング装置30は、さらに、保持部12に対して支持部11とは反対側に位置して、プラズマを開口12aに引き込むための電極32を備えている。電極32は導電性を有し、金属製であることが好ましい。電極32は、例えば、配列方向と直交する方向に沿って広がる平面上に位置する板状を有している。
イオンプレーティング装置30は、電極32に接続する電極用電源33を備え、電極用電源33は、電極32に対して電力を供給することによって、電極32にバイアス電位を印加する。電極用電源33は、直流電源でもよいし、高周波電源を含む交流電源であってもよいが、電極32に引き込む粒子をプラズマ中の正イオンとする上では、電極用電源33は、高周波電源であることが好ましい。
図7が示すように、電極32は、配列方向から見て、コイル31の全体と重なる大きさを有している。電極32は、配列方向から見て、コイル31の周方向の全体にわたって、コイル31よりも外側にはみ出している。
[イオンプレーティング装置の作用]
図8を参照して、イオンプレーティング装置30の作用を説明する。
図8が示すように、イオンプレーティング装置30において成膜対象Sに対して膜が形成されるときには、まず、第1実施形態と同様の手順で、コイル31の周りにプラズマPが生成される。次いで、電極用電源33が電極32に電力を供給することによって、電極32にバイアス電位を印加する。その後、蒸発源18が保持部12に保持された材料Mに対してエネルギーを与える。
これにより、コイル31の周りに生成されたプラズマPが、電極32に向けて引き込まれる。言い換えれば、プラズマP中に含まれる荷電粒子が電極32に向けて引き込まれる。これにより、配列方向において、コイル31と電極32との間に位置する保持部12の開口12aにもプラズマPに含まれる荷電粒子が引き込まれる。そのため、コイル31と保持部12とが離れていても、開口12aから放出された材料Mが、荷電粒子に接しやすくなる。
このように、イオンプレーティング装置30によれば、コイル31によって生成されるプラズマPが、開口12aに向けて引き込まれるため、コイル31と開口12aとが離れていても、開口12aの周りにプラズマPが生成される。結果として、開口12aから放出された材料Mが、プラズマPによって励起されやすくなる。
また、電極32が、配列方向から見て、コイル31の全体と重なるため、コイル31の一部のみと重なる構成と比べて、コイル31と電極32との間において、プラズマPの生成される領域が広がる。そのため、開口12aから放出された材料Mが、プラズマPによってより励起されやすくなる。
[実施例]
[実施例3]
イオンプレーティング装置として、コイルの全体が、配列方向における支持部と開口との間の中央よりも保持部側に位置し、かつ、保持部の開口とコイルの端部との距離が約1cmとなるようにコイルが位置し、かつ、保持部に対してコイルとは反対側に電極が位置するイオンプレーティング装置を用いた。成膜対象としてスライドガラス(実施例1と同じ)を準備し、保持部に保持される材料をInとし、ガス供給部の供給するガスを窒素ガスとした。
真空槽の内部を4×10−4Paまで排気した後、真空槽の内部に窒素ガスを供給することで、真空槽の内部の圧力を0.1Paまで高めた。そして、コイルに200Wの高周波電力を供給し、かつ、電極に印加するバイアス電圧を−50Vとすることによって、保持部の周りに窒素プラズマを生成した。その後、蒸発源である抵抗加熱機構を用いてインジウムを加熱し、成膜対象に1Å/sの速度でインジウムを到達させた。
成膜対象に形成された窒化インジウム(InN)膜の厚さを水晶振動子によって確認し、50nmの厚さを有するInN膜を形成したところで、蒸発源によるInの加熱を停止した。その後、コイルに対する高周波電力の供給、および、窒素ガスの供給を順に停止し、InN膜が形成された成膜対象の温度が室温にまで低下したところで、成膜対象を取り出した。これにより、実施例3のInN膜を得た。
[実施例4]
電極に印加するバイアス電圧を+50Vに変更した以外は、実施例3と同じ方法を用いて、InN膜を成膜対象に形成することで、実施例4のInN膜を得た。
[X線回折スペクトルの測定]
実施例3のInN膜および実施例4のInN膜の各々について、X線回折装置(同上)を用いて、回折角2θが20°から60°である範囲において、X線回折スペクトルを測定した。
図9が示すように、実施例3および実施例4の各々では、回折角2θが30°から40°までの間に2つのピークが認められた。各ピークが得られる回折角2θから、回折角2θが相対的に小さい角度におけるピークが(002)配向を示し、回折角2θが相対的に大きい角度におけるピークが(101)配向を示すことが認められた。
[半値幅および結晶子径]
実施例3および実施例4について、(101)配向における半値幅および結晶子径を測定したところ、以下の表2に示される値であることが認められた。
表2が示すように、実施例3のInN膜における半値幅は0.819°であり、実施例4のInN膜における半値幅は0.909°であることが認められた。また、実施例3のInN膜における結晶子径は10.1nmであり、実施例4のInN膜における結晶子径は9.1nmであることが認められた。
このように、実施例3および実施例4によれば、上述した比較例2に比べて半値幅および結晶子径の値のいずれもが大幅に改善されることが認められた。
以上説明したように、イオンプレーティング装置の第2実施形態によれば、上述した(1)、(3)、および、(4)に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(5)開口12aに向けてプラズマPを引き込むための電極32を備えるため、開口12aから放出された材料Mが、プラズマPによって励起されやすくなる。
(6)電極32が、配列方向から見て、コイル31の全体と重なるため、開口12aから放出された材料Mが、プラズマPによってより励起されやすくなる。
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・電極32は、配列方向から見て、コイル31の全体ではなく、一部のみと重なっていてもよい。こうした構成であっても、保持部12の開口12aに対してプラズマPを引き込むことは可能であるため、上述した(5)と同等の効果を得ることはできる。
・第1実施形態の変形例と同様、イオンプレーティング装置30においても、保持部12の保持する材料Mと、ガス供給部16の供給するガスとは、適宜の組み合わせとすることができる。
・イオンプレーティング装置30の支持部11も、一度に複数の成膜対象Sを支持することが可能であってもよい。また、イオンプレーティング装置30に対して、図5を用いて先に説明した支持部21の構成を組み合わせることも可能である。
[第3実施形態]
図10および図11を参照して、本発明のイオンプレーティング装置を具体化した第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態のイオンプレーティング装置は、第1実施形態のイオンプレーティング装置と比べて、保持部の開口とコイルとの間の距離が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、かつ、第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その構成の詳しい説明を省略する。また、以下では、イオンプレーティング装置の構成、および、実施例を順番に説明する。
[イオンプレーティング装置の構成]
図10を参照して、イオンプレーティング装置の構成を説明する。
図10が示すように、イオンプレーティング装置40は、第1実施形態のイオンプレーティング装置10と同様、支持部11、保持部12、および、コイル41を備えている。コイル41は、配列方向において、保持部12の開口12aから離れて位置している。配列方向において、開口12aとコイル41との間の距離が第2離間距離L2であり、第2離間距離L2は、3cm以下である。
こうしたイオンプレーティング装置40によれば、第2離間距離L2が3cm以下であるため、開口12aから放出された材料が、コイル41の周りに生成されるプラズマによってより励起されやすくなる。特に、コイル41と開口12aとの間の分圧が1×10−2Pa以上10Pa以下である成膜方法であれば、第2離間距離L2が3cm以下であることによって、プラズマ中の粒子の有するエネルギーの低下が抑えられる。
より詳しくは、第2離間距離L2が3cm以下であれば、コイル41と開口12aとが離れていても、開口12aから放出された材料を励起する程度の密度を有したプラズマが、開口12aの周りにも生成される。そのため、開口12aから放出された材料の粒子が、真空槽14内に存在する他の粒子、例えば、他の材料の粒子や真空槽14内に存在するガス分子などと衝突をする前に、もしくは、他の粒子と衝突する回数が小さい状態で、真空槽14内に生成されたプラズマ中の荷電粒子と作用することが可能である。それゆえに、開口12aから放出された材料が、コイル41の周りに生成されるプラズマによって励起されやすくなる。
[実施例]
[実施例5]
電極を省略した以外は、実施例3と同じ方法を用いて、InN膜を成膜対象に形成することで、実施例5のInN膜を得た。
[X線回折スペクトルの測定]
実施例5のInN膜について、X線回折装置(同上)を用いて、回折角2θが20°から60°である範囲において、X線回折スペクトルを測定した。
図11が示すように、実施例5では、回折角2θが30°から40°までの間に2つのピークが認められた。各ピークが得られる回折角2θから、回折角2θが相対的に小さい角度におけるピークが(002)配向を示し、回折角2θが相対的に大きい角度におけるピークが(101)配向を示すことが認められた。
[半値幅および結晶子径]
実施例5について、半値幅および結晶子径を測定したところ、以下の表3に示される値であることが認められた。
表3が示すように、実施例5のInN膜における半値幅は1.064°であり、実施例5のInN膜における結晶子径は7.8nmであることが認められた。このように、実施例5によれば、上述した比較例2に比べて半値幅および結晶子径の値のいずれもが改善されることが認められた。
以上説明したように、イオンプレーティング装置の第3実施形態によれば、上述した(1)、(3)、および、(4)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7)第2離間距離L2が3cm以下であるため、開口12aから放出された材料が、コイル41の周りに生成されるプラズマによってより励起されやすくなる。
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・イオンプレーティング装置40は、図6を用いて先に説明された構成、すなわち、電極32を備える構成と組み合わせて実施することもできる。こうした構成によれば、第2離間距離L2が3cm以下であり、かつ、保持部12の開口12aに向けてプラズマが引き込まれるため、開口12aから放出された材料が、プラズマPによってより励起されやすくなる。
・第1実施形態の変形例と同様、イオンプレーティング装置30においても、保持部12の保持する材料Mと、ガス供給部16の供給するガスとは、適宜の組み合わせとすることができる。
・イオンプレーティング装置40の支持部11も、一度に複数の成膜対象Sを支持することが可能であってもよい。また、イオンプレーティング装置40に対して、図5を用いて先に説明した支持部21の構成を組み合わせることも可能である。
10,30,40…イオンプレーティング装置、11,21…支持部、12…保持部、12a…開口、13,31,41…コイル、14…真空槽、15…排気部、16…ガス供給部、17…高周波電源、18…蒸発源、32…電極、33…電極用電源、M…材料、P…プラズマ、S…成膜対象。

Claims (5)

  1. 成膜対象を支持するための支持部と、
    エネルギーを受けて蒸発する材料を保持するための保持部であって、蒸発した前記材料を放出する開口を有した前記保持部と、
    プラズマを生成するためのコイルであって、前記支持部と前記保持部とが並ぶ方向である配列方向に延び、かつ、前記配列方向から見て、前記保持部を囲む線状を有した前記コイルとを備え、
    前記配列方向において、
    前記コイルの少なくとも一部が、前記支持部と前記開口との間に位置し、
    前記コイルの全体が、前記支持部と前記開口との間の中央よりも前記保持部が位置する側に位置する
    イオンプレーティング装置。
  2. 前記コイルは、前記配列方向において、前記開口から離れて位置し、
    前記配列方向において、前記開口と前記コイルとの間の距離が3cm以下である
    請求項1に記載のイオンプレーティング装置。
  3. 前記開口は、前記コイルの内部に位置している
    請求項1に記載のイオンプレーティング装置。
  4. 前記コイルは、前記配列方向において、前記開口から離れて位置し、
    前記保持部に対して前記支持部とは反対側に位置して前記プラズマを前記開口に引き込むための電極をさらに備える
    請求項1または2に記載のイオンプレーティング装置。
  5. 前記材料が金属であり、
    前記プラズマの生成に用いられるガスであって、前記ガスから生成された前記プラズマが前記材料に対する反応性を有する前記ガスを前記コイルと前記支持部との間に供給するガス供給部をさらに備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載のイオンプレーティング装置。
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