JP2017207438A - 地形変化解析方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本態様によれば、第1点群データと第2点群データとを簡単な処理により位置合わせできるため、地形変化を簡単に解析できる。
また、上記ICP法は、第2点群データを構成する各点について、距離が最小となる点の初期ペアを第1点群データとの間で設定する初期ペア設定ステップと、第2点群データの各点と初期ペアをなす第1点群データの点に、初期ペアをなす第2点群データの点が移動するような変換を算出する変換算出ステップと、変換により第2点群データの各点を移動し、移動後の第2点群データの各点について、距離が最小となる点の移動後ペアを第1点群データとの間で設定する移動後ペア設定ステップと、移動後ペア設定ステップにより探索された移動後ペアの距離の総和と初期ペア設定ステップにより探索された初期ペアの距離の総和との差を算出する差算出ステップと、差をあらかじめ設定された閾値と比較する閾値比較ステップとを含み、閾値比較ステップにおいて差が閾値より大きい場合には、移動後ペアをなす第2点群データの点を、初期ペアをなす第2点群データの点として更新する第2点群データ点更新ステップをさらに含み、差が閾値よりも小さくなるまで第2点群データ更新ステップ、初期ペア設定ステップ、変換算出ステップ、移動後ペア設定ステップ、差算出ステップの順に繰り返し、閾値比較ステップにおいて差が閾値以下の場合には、差が閾値以下となったときの変換を第2点群データを第1点群データに位置合わせするときの変換として設定する位置合わせ変換設定ステップとを含むので、第1点群データと第2点群データとを確実かつ短時間で位置合わせすることができる。
また、第1点群データ及び第2点群データは、いずれも地形変化の解析が必要となる以前に前記対象領域を含む地形形状が取得されたものであるので、過去の地形変化も解析することができる。
また、第1点群データ及び第2点群データは、UAVにより撮影された撮影画像に基づいて生成されるので、人の立ち入りが困難なところでも精度良く地形変形を解析できるようになる。
また、第1点群データ及び第2点群データは、互いに重複する部分に対象領域を含む2枚の撮影画像をSfM法に基づいて処理し、生成されたものであるので、撮影画像の撮影位置や、異なるカメラにより撮影された撮影画像であっても、撮影された地形形状の点群データを容易に取得できる。
図2に示すように、地形変化解析装置1は、点群データ生成手段20と、点群データ読込手段22と、危険部抽出手段24、位置合わせ手段26と、表示処理手段28とを備える。
危険部抽出手段24は、点群データ読込手段22により読み込まれた点群データP,Qから落石・崩壊の危険のある危険部50を抽出するための処理をする。つまり、図4に示す点群データP,Qから図5に示すように落石の危険のある転石A(危険部50)が抽出される。このように、後段の位置合わせ手段26により点群データP,Q同士を位置合わせする前に危険部50(転石A)を予め抽出し、点群データP,Qから落石のおそれのない部分(基岩部60)を除外することで、位置合わせの対象範囲が少なくなり、位置合わせ速度を向上させることができる。
危険部抽出手段24による処理は、例えば、作業者に対して、表示手段14に表示された点群データPや点群データQから、転石A(危険部50)と思われる領域をマウス等の入力手段13により指定を促す処理をする。また、例えば、点群データPを構成する各点pの三次元情報に基づいて転石Aを抽出する。即ち、点群データPを構成する各点pの三次元情報から隣接する点p同士の高さの変化について探索し、隣接する点p同士の高さの変化が所定の閾値以上、かつそれが所定広さの閉領域を形成する場合に、転石Aとして自動的に抽出させることも可能である。
S101:点群データQを構成するすべての点qについて、点qとの距離を最小にする点pを点群データPから探索し、距離が最小として探索された点群データPの点pと点群データQの点qとのペア(p,q)(初期ペア)を設定する(初期ペア設定ステップ)。ペア(p,q)は、記憶手段12に記憶される。
S102:次に、点群データQの点qを、ペアをなす点群データPの点pに移動させるような変換を算出する(変換算出ステップ)。このような変換は、例えば[数1]に示すような同次変換行列Mによりなされる。
S102では、変換後の点qとペアをなす点pとの距離を全てのペアについて求め、その距離の和が最小となるような変換行列Mを算出する。つまり、全てのペアにおける距離の最小二乗近似となる変換行列Mを算出する。このような変換行列Mは、変換行列Mに単位行列を初期値とし、ニュートン法により繰り返し計算することで算出される。
S104:移動後の点群データQの点xについて、各点xとの距離を最小にする点pを点群データPから探索し、距離が最小として探索された点群データPの点pと点群データQの点xとのペア(p,x)(移動後ペア)を設定する(移動後ペア設定ステップ)。設定されたペア(p,x)は、記憶手段12に記憶される。
S105:移動後のペア(p,x)の距離の総和と、移動前のペア(p,q)の距離の総和との差ΔLを算出する(差算出ステップ)。
S106:S105により算出された差ΔLと閾値βとを比較する(閾値比較ステップ)。
差ΔLが閾値βよりも大きいときはS107に移行し、差ΔLが閾値β以下のときはS108に移行する。
S107:点群データQの点xを点qとして更新し、S101に戻る(第2点群データ点更新ステップ)。そして、S106による判定において差ΔLが閾値βよりも小さくなるまでS102〜S107を繰り返す。
S108:差ΔLが閾値β以下となったときの変換行列Mを点群データQを点群データPに位置合わせするときの変換として設定する(位置合わせ変換設定ステップ)とともにペア(p,x)を記憶手段12に記憶して終了する。
図6(a)に示すように、転石Aの枠Wに囲まれた部分には、Z字状に延長する凹部があり、その凹部が転石Aの移動前、移動後として点群の配列により示されている。そして、その点群の配列から転石Aが移動したことが分かる。表示処理手段28では、ICP法により得られた変換行列Mを転石A(危険部50)を構成する各点に適用することにより、移動前の点群から移動後の点群の座標値を算出する。
あるいは、移動量の大きさにあわせてグレースケールの明暗を定めておくこともできる。例えば、移動量が大きいほど明るく、小さいほど暗くするなどによって表示できる。また、配色と明暗を組み合わせてもよい。
つまり、異なる時期に取得された点群データ同士を上記ICP法に基づいて位置合わせし、位置合わせされた一方の点群データと他方の点群データとのずれに基づいて地形変化を解析することにより、地形の変化を簡単、かつ精度良く解析することができる。
なお、図4に示す×印地点において、ICP法により求めた計算結果と、点群上での計測結果とを比較すると、誤差がほぼ1cm程度しかないことを確認している。
例えば、航空レーザー測量画像は、測量対象となる地域の上空を航空機で飛行し、飛行中に地域における地表面に向けて照射したレーザーの反射した各地点の集合により構成される。また、航空写真のステレオ処理画像では、互いに重複する画像同士を重ね合わせる際に互いの位置を位置決めする際に設定された点の集合により構成される。また、衛星写真を基に3次元の空間情報をもつものも利用することができる。点群データ読込手段22への入力は、3次元の空間情報をもつ点群データであれば限定されない。
また、本実施形態によれば、過去の異なる時期に作成された点群データを点群データ読込手段22に入力することにより、過去の地形変化を解析することもできる。
まず、異なる二つの時期に撮影された撮影画像1,2のうち一方の撮影画像1を、点群データ生成手段20により、SfM法に基づいて点群データPを生成する。
次に、生成された点群データPに基準点を設定する。基準点は、例えば画面上に表示された点群データPを構成する点p群の中から任意の点pを選択することで設定される。基準点として選択される点pは、好ましくは、撮影画像1における不動と思われる点、例えば岩盤や地物等に設定すると良い。これにより、基準点として選択された点pの三次元の空間情報(平面座標と高さ情報(x,y,z))が取得される。
次に、図9に示すように、点群データPを、転石Aを構成する点群P1と、基岩部60を構成する点群P2とに分離する。この分離により、図9に示す点群P1及び点群P2における黒塗り部分には、点pが除外されている。
次に、異なる二つの時期に撮影された撮影画像のうち他方の撮影画像2を、点群データ生成手段20により、SfM法に基づいて点群データQを生成する。本実施形態では、点群データ生成手段20による点群データQの生成において、点群データPに設定された基準点の三次元の空間情報と、点群データPの生成時に点群データPに設定された座標系とに基づいて点群データQを生成する。これにより、点群データQの座標系を点群データPの座標系に一致させることができる。
次に、位置合わせ手段26により、点群データQと点群データPにおいて分離された転石Aの点群P1とをICP法により位置合わせし、転石Aに係る変換行列Mrを算出するとともに、点群データQと点群データPにおいて分けられた基岩部60の点群P2とをICP法に位置合わせし、基岩部60に係る変換行列Mbを算出する。
次に、転石Aに係る変換行列Mrと基岩部60に係る変換行列Mbとの差分を算出することにより地形変化を示す変換行列Mを算出する。具体的には、変換行列Mは、M=Mb−1・Mrにより算出される。当該処理は、地形変化解析装置1に、上記算出処理を実行する差分解析手段を設けることでなされる。
このように、一方の点群データを転石Aと基岩部60とに分離し、他方の点群データに対する転石Aの移動の状態と基岩部60の移動の状態とを算出し、全体としての変換行列Mを算出することにより、例えば、転石Aの移動が微小であった場合や、点群データ生成手段20による点群データP,Qの生成時に、各点群データP,Qの座標系に誤差を生じうる場合であっても精度良く地形変化を解析することができる。
24 危険部抽出手段、26 位置合わせ手段、28 表示処理手段。
Claims (5)
- 対象領域の地形形状を第1の時期に取得した第1点群データと、前記第1の時期とは異なる第2の時期に取得した第2点群データとに基づいて前記対象領域の地形変化を解析する方法であって、
前記第1点群データと前記第2点群データとをICP法に基づいて位置合わせする位置合わせステップと、
前記位置合わせステップにより位置合わせされた第1点群データと前記第2点群データとのずれに基づいて地形変化を解析するステップとを備えることを特徴とする地形変化解析方法。 - 前記ICP法は、
前記第2点群データを構成する各点について、距離が最小となる点の初期ペアを第1点群データとの間で設定する初期ペア設定ステップと、
前記第2点群データの各点と初期ペアをなす第1点群データの点に、初期ペアをなす第2点群データの点が移動するような変換を算出する変換算出ステップと、
前記変換により第2点群データの各点を移動し、移動後の第2点群データの各点について、距離が最小となる点の移動後ペアを第1点群データとの間で設定する移動後ペア設定ステップと、
前記移動後ペア設定ステップにより探索された移動後ペアの距離の総和と初期ペア設定ステップにより探索された初期ペアの距離の総和との差を算出する差算出ステップと、
前記差をあらかじめ設定された閾値と比較する閾値比較ステップと、を含み、
前記閾値比較ステップにおいて前記差が閾値より大きい場合には、前記移動後ペアをなす第2点群データの点を、前記初期ペアをなす第2点群データの点として更新する第2点群データ点更新ステップをさらに含み、前記差が閾値よりも小さくなるまで第2点群データ更新ステップ、前記初期ペア設定ステップ、前記変換算出ステップ、前記移動後ペア設定ステップ、差算出ステップの順に繰り返し、
前記閾値比較ステップにおいて前記差が閾値以下の場合には、前記差が閾値以下となったときの変換を前記第2点群データを前記第1点群データに位置合わせするときの変換として設定する位置合わせ変換設定ステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の地形変化解析方法。 - 前記第1点群データ及び前記第2点群データは、いずれも地形変化の解析が必要となる以前に前記対象領域を含む地形形状が取得されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地形変化解析方法。
- 前記第1点群データ及び前記第2点群データは、UAVにより撮影された撮影画像に基づいて生成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の地形変化解析方法。
- 前記第1点群データ及び前記第2点群データは、互いに重複する部分に前記対象領域を含む2枚の撮影画像をSfM法に基づいて処理し、生成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載の地形変化解析方法。
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