JP2017206895A - 遮蔽装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮蔽材が自重降下を開始するときであっても、昇降コード(引張コード)を穏やかにストッパー装置(自重降下防止装置)へ案内することが可能な遮蔽装置を提供する。【解決手段】引張コードを引くことにより遮蔽材を昇降させる遮蔽装置であって、遮蔽材の自重下降に伴い自重下降方向に従動する引張コードによって加えられる入力に伴って抵抗を発生させ且つその反作用で引張コードに抵抗を加えるダンパと、引張コードの移動を阻止するロック状態と、引張コードの移動を許容する解除状態とが切り替え可能に構成された自重降下防止装置と、を備え、自重降下防止装置は、ダンパより遮蔽材の自重下降時に引張コードが移動する側に設けられる。【選択図】図3

Description

この発明は、横型ブラインドやプリーツカーテン等の遮蔽装置に関する。
横型ブラインドのスラットの角度調節操作及び昇降操作を行う操作装置の一種類として、ヘッドボックスの一端部からスラットの角度調節操作を行うための操作棒が垂下され、ヘッドボックスから操作棒内を貫通させ又はさせず別途に昇降コードを垂下したものがある。
このような横型ブラインドでは、操作棒を回転操作することにより、ヘッドボックス内に配設される角度調節装置及びラダーコードを介してスラットが回動される。また、ヘッドボックスから引き出された昇降コードを引くことによりボトムレール及びスラットが引き上げられ、引き出された昇降コードをヘッドボックスに引き込ませることによりボトムレール及びスラットが下降されるようになっている。
ヘッドボックス内にはボトムレール及び日射遮蔽材としてのスラットの自重降下を防止する自重降下防止装置が設けられている。この自重降下防止装置は、昇降コードを引き出した後に手放したとき、昇降コードのヘッドボックスへの引き込みを阻止してボトムレール及びスラットの自重降下を阻止するロック状態となり、この状態から昇降コードを僅かに引き出せば、ロック状態を解除して自重降下によりボトムレール及びスラットの下降操作を可能とするものである。なお、ロック状態から昇降コードを引き出してボトムレール及びスラットの引き上げ操作を行うことも可能である。
特許文献1には、ヘッドボックス(12)に支持された遮蔽材(18)の昇降を行うために遮蔽材(18)の下端に一端が連結され、他端がヘッドボックス(12)内に導入された後、ヘッドボックス(12)内を配設されて、ヘッドボックス(12)から導出される昇降コード(14)と、ヘッドボックス(12)内に配置されて昇降コード(14)の移動を拘束可能なストッパー装置(20)と、ヘッドボックス(12)内に配置されたブレーキ装置(22)と、を備えるブラインドの昇降装置において、前記ブレーキ装置(22)は、制動力を発生するブレーキ部(54)と、ブレーキ部(54)に連結される軸(52)とによって構成され、前記昇降コード(14)は軸(52)の外周面に接触し、昇降コード(14)の移動によって軸(52)が回転してブレーキ部(54)が作動することを特徴とするブラインドの昇降装置が開示されている。
特開2005−030084号公報
しかし、特許文献1に開示されている昇降装置は、遮蔽材が自重降下を開始するときに、昇降コードがブレーキ装置の軸にキャッチされる(軸の外周面に接触し、昇降コードに抵抗が加えられる状態)までは、昇降コードが瞬間的に加速される。その結果、ストッパー装置がブレーキ装置より遮蔽材の自重下降時にコードが移動する側と逆側に設けられているために、ブレーキ装置により減速される前の昇降コードがストッパー装置に向かって移動することにより、昇降コードが乱れた態でストッパー装置に案内される恐れがあり、ストッパー装置が痛む恐れがある。さらに、昇降コードが絡まってしまう恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、遮蔽材が自重降下を開始するときであっても、昇降コード(引張コード)を穏やかにストッパー装置(自重降下防止装置)へ案内することが可能な遮蔽装置を提供するものである。
本発明によれば、引張コードを引くことにより遮蔽材を昇降させる遮蔽装置であって、前記遮蔽材の自重下降に伴い自重下降方向に従動する前記引張コードによって加えられる入力に伴って抵抗を発生させ且つその反作用で前記引張コードに前記抵抗を加えるダンパと、前記引張コードの移動を阻止するロック状態と、前記引張コードの移動を許容する解除状態とが切り替え可能に構成された自重降下防止装置と、を備え、前記自重降下防止装置は、前記ダンパより前記遮蔽材の自重下降時に前記引張コードが移動する側に設けられる、遮蔽装置が提供される。
本発明によれば、遮蔽材が自重降下を開始するときにおいて、ダンパにより引張コードの移動速度が低減された状態で、ダンパより遮蔽材の自重下降時に引張コードが移動する側に設けられた自重降下防止装置に引張コードが案内される。これにより、遮蔽材が自重降下を開始するときであっても、引張コードが乱れることなく、換言すると、引張コードが振動したり絡まることなく穏やかに自重降下防止装置へ案内することが可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記遮蔽材が自重下降を開始すると、前記ダンパにより前記引張コードに前記抵抗が加えられ、前記引張コードが撓むことなく前記自重降下防止装置に案内されるように構成される。
好ましくは、前記ダンパ及び前記自重降下防止装置はヘッドボックス内に配置され、前記引張コードは、前記ヘッドボックスの短手方向に振り分けられるように構成される。
好ましくは、前記自重降下防止装置により、前記引張コードが前記ダンパに案内される手前で前記引張コードが整列されるように構成される。
好ましくは、前記自重降下防止装置は、複数の前記引張コードを整列状態で挟着するキャッチ部材を備える。
好ましくは、前記自重降下防止装置は、前記引張コードの引き操作により、前記引張コードの挟着状態と非挟着状態とに切替可能なカム機構を備える。
好ましくは、ヘッドボックスを備え、前記ダンパと前記自重降下防止装置は、前記ヘッドボックス内で隣接した配置される。
制動装置1000をヘッドボックス130内に配置した様子を表す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。 遮蔽装置100Aのスラット、昇降コード102及びラダーコード123を表す斜視図である。 (a)は図1(a)の領域Zの部分拡大図であり、(b)は(a)のC−C線から見たヘッドボックス130内における制動装置1000とシャフト124の位置関係を表す図である。 図1(c)の領域Yの部分拡大図に、コードCDの経路を黒塗りで重ね合わせた図である。 ロック部104から出たコードCDが制動装置1000に案内される様子を表す模式図である。側から見た図、(b)は後方上側から見た図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000の分解斜視図であり、(a)は前方下側から見た図、(b)は後方下側から見た図である。 本発明一本実施形態に係る制動装置1000の組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図、(c)は左側面図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000の組立図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000からケース10Aを除いた組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図である。 図10から更にスライダー220を除いた組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図である。 図11から更に内歯付キャリア260を除いた組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る整列部材200を表す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 図8(c)のA−A線切断部断面図である。 図9(a)のB−B線切断部断面図である。 図14を用いて本発明の制動装置1000がコードCDを制動する様子を示す図であり、(a)はコードCDに何ら張力が与えられない状態(定常状態)、(b)はコードCDに張力が与えられ、ローレット240及びローラ部42でコードCDが挟着された状態(挟着状態)、(c)は(a)から(b)へ状態変化する際における各部材の回転方向をまとめた図である。 日射遮蔽部材101のロック部104を示す断面図である。 ロック部104の主要部を示す分解斜視図である。 案内溝30Sを示す台車の下面図である。 ロック部104の動作を示す断面図である。 ロック部104の動作を示す断面図である。 ロック部104の動作を示す断面図である。 ロック部104が制動装置1000より自重下降方向側に設けられる場合(第1実施形態)における、遮蔽材の自重降下開始時における昇降コード10の移動の様子を表す模式図であり、(a)はローレット20による昇降コード10のキャッチ前を、(b)はローレット20による昇降コード10のキャッチ後を表す。 ロック部104と制動装置1000の配置が図23と逆の場合(従来技術)における、遮蔽材の自重降下開始時における昇降コード10の移動の様子を表す模式図であり、(a)はローレット20による昇降コード10のキャッチ前を、(b)はローレット20による昇降コード10のキャッチ後を、(c)は(b)の直後の状態を表す。 第2実施形態に係る遮蔽装置100のヘッドボックス1の内部を表す模式図であり、(a)は平面図を、(b)は側面図を表す。
発明を実施するため形態
以下、本発明に係る制動装置、及び、それを用いた日射遮蔽装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
1<全体構成>
図1に示される遮蔽装置100Aは、中空のヘッドボックス130から複数本のラダーコード123を介して複数段の日射遮蔽部材101が吊下支持され、同ラダーコード123の下端にはボトムレール122が吊下支持されている。ヘッドボックス130は、上面131、底面132、側面133により構成される。そして、その両端にボックスキャップ134が設けられる。また、ヘッドボックス130の内部には、操作棒108内にコードCDを挿通するためのコード出口135が設けられる。ラダーコード123は、日射遮蔽部材101を支持及び回動可能なものであればその構成は限定されず、例えば、互いに分離された2本の縦糸を備え、一方の縦糸が日射遮蔽部材101の一方の縁に取着され、他方の縦糸が日射遮蔽部材101の他方の縁に取着されるような構成であってもよい。
ヘッドボックス130内には支持部材(図示せず)が複数個配設され、その支持部材にはチルトドラム(図示せず)が回転可能に支持される。ラダーコード123の上端部は、チルトドラムに取着され、そのチルトドラムの中心部にはシャフト124(軸部材)が全てのチルトドラムに嵌挿されている。従って、シャフト124が回転されると、全てのチルトドラムが回転され、そのチルトドラムの回転にともなって、ラダーコード123の縦糸の一方が引き上げられることにより、各日射遮蔽部材101及びボトムレール122が同位相で角度調節される。
ヘッドボックス130の一端部には筒体からなる操作棒108が吊下支持されており、操作棒108の下端には操作部120が設けられている。操作部120を把持して操作棒108を回転操作すると、ヘッドボックス130内に配設されるギヤ機構を介して角度調節軸が回転される。従って、操作棒108の回転操作により、各日射遮蔽部材101を角度調節可能となっている。
ヘッドボックス130からは複数本(本実施形態では3本)の昇降コード102l,102c,102r(区別が不要な場合は単に「昇降コード102」と称する。)が吊下されており、各昇降コード102の一端はボトムレール122に取着される。各支持部材には転向滑車(図示せず)が図面の表裏方向の軸心で軸支され、ヘッドボックス130に導入された昇降コード102がヘッドボックスの左右方向に転向案内可能となっている。また、各支持部材は他の昇降コードを左右方向に通過可能な空間を有している。従って、右端の昇降コード102rの他端は支持部材で転向案内され、非操作側の昇降コード(左端及び中央の昇降コード102l,102c)は各支持部材を経て、ヘッドボックス130内を操作棒108方向に案内される。そして、ヘッドボックス130内に設けられるロック部104及び制動装置1000を経て、筒状の操作棒108内に挿通され、その先端は操作部120の下方に設けられたコードイコライザ121に接続される。したがって、コードイコライザ121を下方へ引いて、ヘッドボックス130から昇降コード102を引き出すと、ボトムレール122が引き上げられることにより、日射遮蔽部材101が引き上げられる。
図2は、遮蔽装置100Aのスラット、昇降コード102及びラダーコード123を表す斜視図である。図2に示すように、ラダーコード123には、全段の横糸16a,16b間のスラット挿通空間に日射遮蔽部材101が挿通され、各段の横糸16a,16bの交差部がスラットの幅方向端縁に形成された切欠き18に係合するようになっている。従って、各日射遮蔽部材101はラダーコード123に対しその長手方向への横ずれが防止される。
ラダーコード123の縦糸15aの近傍には昇降コード102が垂下され、日射遮蔽部材101が支持される横糸16a,16bの昇降コード挿通空間A1には昇降コード102が挿通されている。かかる構成により、後述する図25に示されるように、ヘッドボックス130の短手方向に昇降コード102が振り分けられる。
制動装置1000は、ヘッドボックス130の底面132上に配置され、その両端が側面133によって位置決めされる。なお、制動装置1000を底面132に配置することに変えて、底面132上に設けた他の部材の上に配置することとしてもよい。このとき、図3(a)に示されるように、制動装置1000の底面(ベース70の底面の外側)には、ヘッドボックス130内における配置を固定するための取付部(取付筒702)が設けられ、ヘッドボックス130の底面に設けられた取付け凹部136に取付筒702が取付けられる。これにより、制動装置1000をヘッドボックス130内にて安定して配置させることが可能となる。
また、図3(b)に示されるように、制動装置1000は、ヘッドボックス130内における載置面とシャフト124に挟まれるように配置される。ここで、図中の矢印で示される前方が、図16に示される前方に相当する。つまり、ローラ(ローレット240)は、ヘッドボックス130内において水平方向に移動可能に構成され、ヘッドボックス130内に存在するコードCDの本数が多い側(図1における右側)からコードCDの本数が少ない側(図1における右側)に向かって前記第2位置から前記第1位置となるように、制動装置1000がヘッドボックス130内に配置される。また、遊星歯車280の回転軸がヘッドボックス130内において鉛直方向に向くように制動装置1000が配置される。また、ロック部104は、制動装置1000の前方に配置される。
図3(a)は、図1(a)の領域Zの部分拡大図であり、図3(b)は図3(a)のC−C線から見たヘッドボックス130内における制動装置1000とシャフト124の位置関係を表す図である。図3及び図5に示されるように、コードCDは横向きに整列した状態でロック部104に案内され、その後捻れ、縦向きに整列した状態で制動装置1000に案内される。そして、制動装置1000から出力された後、斜めに整列してコード出口135に案内される。
図4は、図1(c)の領域Yの部分拡大図である。図4に示されるように、ヘッドボックス130内におけるコードCDの経路は、3本のコードCDがロック部104及び制動装置1000を通過した後、操作棒108に向けて配置される。
ここで、制動装置1000はコードCDの移動を制動するものである。なお、制動装置1000の構成及び動作については後述する。制動装置1000は、ヘッドボックス130の底面132上に配置され、その両端が側面133によって位置決めされる。なお、制動装置1000を底面132に配置することに変えて、底面132上に設けた他の部材の上に配置することとしてもよい。
2<制動装置>
次に、図6〜図16を用いて、制動装置1000について説明する。本実施形態に係る制動装置1000は、コードの移動を制動する制動装置である。具体的には、本実施形態に係る制動装置1000では、運動変換部に係る機構と抵抗付与部に係る機構が略垂直に位置するように設けられる。本実施形態では、運動変換部は、コードCDの移動を他の部材の運動に変換するものである。また、抵抗付与部は、コードCDが一方向に相対移動するときに、コードCDの移動に伴って抵抗力を発生させるものである。ここで、本実施形態においては、スライダー220、コイルスプリングSP、軸芯41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、ローレット240、ピニオンギア50、軸芯31、ワッシャー241、内歯付キャリア260及び遊星歯車280が、運動変換部を構成し、ウェイト340、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びケース10Aが、抵抗付与部を構成する。
図6及び図7は、本実施形態に係る制動装置1000の分解斜視図である。制動装置1000は、整列部材200、ケース10A、スライダー220、コイルスプリングSP、軸芯41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、ローレット240、ピニオンギア50、ローレット240及びピニオンギア50を挿通する軸芯31、ワッシャー241、内歯付キャリア260、遊星歯車280、プレート300、太陽歯車付ウェイトホルダ320、ウェイト340及びベース70により構成される。
本実施形態において、アイドルローラ40及びローレット240は、コードを挟着する挟着体として機能する。また、アイドルローラ40が支柱に、ローレット240がコードの長手方向の移動により回転するローラとして機能する。また、スライダー220は、アイドルローラ40及びローレット240を保持する。
図6及び図7に示されるように、本実施形態では、内歯付キャリア260に4つの遊星歯車280が設けられ、太陽歯車付ウェイトホルダ320に8つのウェイト340が保持される。以下、各部材について説明する。
2−1−1<整列部材200>
図8(a),(b)に示されるように、整列部材200は、コードCDを挿通し、コードCDの向きを整えるものである。また、複数のコードCDを互いに同じ向きに整列させるものである。整列部材200は、例えば、樹脂で形成することができる。ここで、図8(a)に示されるように、矢印の向きをそれぞれ前後、左右、上下とする。すなわち、第1天壁溝16と第2天壁溝17(図9参照)の距離が狭くなる向きを前方とし、左右方向(幅方向)、上下方向を定める。
図13(a)に示されるように、整列部材200は、前方壁部205と、前方壁部205に連結される右側壁部207及び左側壁部208と、右側壁部207及び左側壁部208のそれぞれに連結される後方壁部206と、を有する。前方壁部205、右側壁部207、左側壁部208及び後方壁部206の形状は任意であるが、本実施形態では、それぞれ概ね矩形の形状とされる。また、本実施形態では、前方壁部205及び後方壁部206は、略対称形状である。
前方壁部205には第1前方溝201、第1前方コード挿入部201A、第2前方溝202及び第2前方コード挿入部202Aが形成される。また、後方壁部206には、第1後方溝203、第1後方コード挿入部203A、第2後方溝204及び第2後方コード挿入部204Aが形成される。
第1前方コード挿入部201A及び第2前方コード挿入部202Aは、制動装置1000の組立後にコードCDを整列部材200に挿通するためのものである。第1前方コード挿入部201Aは、第1前方溝201よりも幅広に形成される。また、第2前方コード挿入部202Aは、第2前方溝202よりも幅広に形成される。したがって、第1前方コード挿入部201A及び第2前方コード挿入部202AにコードCDを挿通し、そのまま第1前方溝201及び第2前方溝202の方へコードCDをスライドさせることで、コードCDをスムーズに挿通することが可能となる。
また、第1後方コード挿入部203A及び第2後方コード挿入部204Aは、前方壁部205に挿通されたコードCDが後述するスライダー220の前後の貫通孔225(図1参照)を通過し、かかるコードCDを後方壁部206から外部に引き出すためのものである。第1後方コード挿入部203Aは、第1後方溝203よりも幅広に形成される。また、第2後方コード挿入部204Aは、第2後方溝204よりも幅広に形成される。したがって、第1後方コード挿入部203A及び第2後方コード挿入部204AにコードCDを挿通し、そのまま第1後方溝203及び第2後方溝204の方へコードCDをスライドさせることで、コードCDをスムーズに挿通することが可能となる。
なお、第1前方コード挿入部201A、第2前方コード挿入部202A、第1後方コード挿入部203A及び第2後方コード挿入部204Aの形状は任意であり、図13に示した形状に限定されない。例えば、略円形でもよく、縦長形状から斜め形状を経て第1前方溝201(その他の溝でも同じ)に接続されてもよい。更に、本実施形態では、第1前方コード挿入部201Aと第1前方溝201の間に段差210が設けられているが、かかる段差210を設けず、前方壁部205(又は後方壁部206)を略矩形としてもよい。
図13(b)に示されるように、本実施形態では、前方壁部205及び後方壁部206は正面視において略同一形状とされる。したがって、第1前方コード挿入部201Aから挿通されたコードCDは第1後方コード挿入部203Aを通過し、第2前方コード挿入部202Aから挿通されたコードCDは第2後方コード挿入部204Aを通過する。換言すると、第1前方溝201及び第1前方コード挿入部201Aと第1後方溝203及び第1後方コード挿入部203Aがそれぞれ対応する一対の溝であり、第2前方溝202及び第2前方コード挿入部202Aと第2後方溝204及び第2後方コード挿入部204Aがそれぞれ対応する一対の溝である。
ここで、図13(a)に示されるように、整列部材200の右側壁部207には、制動装置1000の組立時においてケース10Aの上方から被せるようにして一体化するときに、後述するケース10Aの係合孔19(図17参照)と係合し、整列部材200をケース10Aに固定するための爪部209が設けられる。なお、図13において表れていないが、左側壁部208の内方の面にも同様の爪部209が対向するように設けられる。これにより、右側壁部207と左側壁部208が外方向に弾性変形しながらケース10A上部が入り、整列部材200に設けられた2つの爪部209とケース10Aの左右に設けられた2つの係合孔19とが弾性的に係合することが可能となる。
2−1−2<ケース10A>
次に、ケース10Aについて説明する。ケース10Aは、ベース70とともに筐体を構成し、その内部にスライダー220、コイルスプリングSP、軸芯41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、ローレット240、ピニオンギア50、軸芯31、ワッシャー241、内歯付キャリア260、遊星歯車280、プレート300、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340を保持する。
また、ケース10Aは、ベース70とともに制動装置1000の筐体を構成するものである。また、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340とともに、抵抗付与部を構成するものである。
2−1−3<スライダー220>
次に、スライダー220について説明する。スライダー220は、アイドルローラ40及びローレット240を内部に保持し且つアイドルローラ40及びローレット240と共に移動する移動部材に相当する。
2−1−4<アイドルローラ40、ローレット240及びピニオンギア50>
次に、図7を用いて、アイドルローラ40、ローレット240及びピニオンギア50について説明する。
アイドルローラ40は、ローラ部42及び軸芯41で構成される。また、アイドルローラ40は、ローレット240の軸芯31と平行な軸芯41と、軸芯41の外周面を覆うローラ部42とを有する。したがって、ローレット240の回転軸とアイドルローラ40の回転軸とは互いに平行とされる。アイドルローラ40のローラ部42の外径は、ローレット240の外径よりも大きくされている。アイドルローラ40のローラ部42の外周面は、金属の平坦な面よりも摩擦係数が高い状態とされる。また、軸芯41の両端部は、ローラ部42から露出している。
ローレット240の中心には軸芯31の一端が挿入されている。そして、軸芯31の他端には、ピニオンギア50が挿入されている。ローレット240は任意の材料で形成することができ、例えばステンレスを用いることが可能である。
2−1−5<内歯付キャリア260及び遊星歯車280>
次に、図6を用いて内歯付キャリア260及び遊星歯車280について説明する。本実施形態では、内歯付キャリア260は、平面視において略ドーナツ形状である。内歯付キャリア260は、円柱部264から平面視において外側に突出するフランジ262を備える。
円柱部264の内側の内周面には、ピニオンギア50と歯合する内歯車261が形成される。そして、フランジ262には、鉛直方向において下向きに突出する支持軸263が形成される。支持軸263の個数は特に限定されないが、特に等間隔であることが好ましい。なお、本実施形態では、一例として支持軸263が4つ設けられた構成としている。
そして、支持軸263にはそれぞれ、遊星歯車280が回転可能に支持されている。遊星歯車280は、後述する太陽歯車323と、ケース10Aの内部に設けられた内周ギア115(ケース10Aの内部に形成された、遊星歯車280と歯合するリング状のギア。図16参照。)互いに歯合する。そして、内歯車261の中心部を中心として公転することが可能である。したがって、ピニオンギア50の回転が内歯車261に伝達されることにより内歯付キャリア260が回転し、それにともない内歯付キャリア260のフランジ262に設けられた支持軸263に回転可能に支持された遊星歯車280が回転することで、ピニオンギア50に起因する回転を増速させることが可能となる。また、遊星歯車280には段差281が設けられている。かかる段差により、他の部材との接触を回避することが可能となる。
2−1−6<太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340>
次に、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340について、図6を用いて説明する。ウェイト340は、ケース10A内のベース70に載置され且つ制動対象からの回転入力により径方向外側に遠心力が加えられる遠心拡張部の一例である。太陽歯車付ウェイトホルダ320は、リング状のリング部324の外方に向かって、凸部321が交互に並んで形成される。ここで、凸部321は、ウェイトホルダ320の自転の際にウェイト340の側面と当接する部材である。図6に示されるように、リング部324の外側の外周面には、遊星歯車280と歯合する太陽歯車323が、回転軸が凸部321の延在方向と略垂直方向を向くように設けられる。そして、それぞれの凹部322には、ウェイト340が配置される。つまり、太陽歯車付ウェイトホルダ320は、制動装置1000の組み立て時において、凸部321を境としてそれぞれの凹部322内にウェイト340を保持する部材であるとも言える。なお、ウェイト340の数は任意であるが、回転時におけるバランスの観点から等間隔であることが好ましい。なお、本実施形態では、一例として8つのウェイト340を用いている。したがって、凸部321及び凹部322もそれぞれ8つずつ設けられている。すなわち、凹部322は、それぞれが等間隔且つ太陽歯車付ウェイトホルダ320の自転中心から等距離に配置されることとなる。
本実施形態では、各ウェイト340には、ベース70側に突起341が設けられる。これにより、ウェイト340とベース70の接触面の少なくとも一部に段差が設けられる。したがって、ベース70と当接する際における抵抗を低減することが可能となる。突起341の数は任意であるが、本実施形態では、一例として4つの突起341を設けている。
また、各ウェイト340に突起341を設ける代わりに、ベース70の上側、すなわちウェイト340側に突起709A,B及び溝709を設けることにより、ウェイト340とベース70との抵抗を低減することも可能である。例えば、図8に示されるように、ベース70の底部に、周囲より高さの低い溝709(図8のリング状のハッチング部分)を設ける。また、溝709の周囲に突起709A,Bが設けられる。実施形態では、突起709A,Bはリング形状である。なお、リング形状に代えて、複数の突起709A,Bを環状に並べて配置する構成としてもよい。そして、突起709A,Bの上にウェイト340を配置する。このとき、ウェイト340に突起341を設けなくとも、ベース70に突起709A,B及び溝709が設けられたことにより、ウェイト340とベース70との接触面積が低減することにより、ウェイト340とベース70との抵抗を低減することが可能となる。
また、図6及び図8の構成に代えて、ウェイトホルダ320に突起326を設けてもよい。図9に示されるように、かかる構成では、ウェイトホルダ320の凸部321の間又は凸部321の下側に、ウェイト340を載置する遠心拡張部載置面325が設けられる。そして、ウェイトホルダ320を構成する遠心拡張部載置面325の裏側、すなわちベース70側に、突起326が設けられる。ここで、突起326は、ウェイトホルダ320がバランスよく回転するために、少なくとも3つ設けられることが好ましい。さらに、複数の突起326は、ウェイトホルダ320の周方向に等間隔に設けられることが好ましい。これにより、ウェイトホルダ320とベース70の接触面の少なくとも一部に段差が設けられる。
さらに、図8の構成と図9の構成を組み合わせてもよい。つまり、ウェイト340に突起341を設けず、遠心拡張部載置面325を備えるウェイトホルダ320に突起326を設けるとともに、ベース70のウェイト340側に突起709A,B及び溝709を設けることとしてもよい。
ウェイト340は、ピニオンギア50に起因する回転時において、遠心力により内歯車261の中心から遠ざかる方向に移動し、ケース10Aの内周壁と当接することにより、回転に対して遠心ブレーキとして抵抗力を付与するものである。したがって、ケース10Aの内周壁、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340により、抵抗付与部としての作用を奏することが可能となる。
なお、制動装置1000の組み立て時においては、内歯付キャリア260と太陽歯車付ウェイトホルダ320が、プレート300を介して組み立てられる。具体的には、内歯付キャリア260の円柱部264を太陽歯車付ウェイトホルダ320のリング部324に挿入するように組み立てる。したがって、円柱部264の直径は、リング部324の直径よりもわずかに小さく設計される。
ここで、プレート300は、遊星歯車280の傾きを防止するとともに、遊星歯車280とウェイト340の干渉を防ぐ機能を有する。なお、ウェイト340は、制動装置1000全体の厚さを薄くするために、なるべく薄く形成されることが好ましい。さらに、プレート300は、薄く形成するため金属製とするのが好ましいが、技術的に可能である場合には、プレート300を樹脂形成してもよい。この場合、太陽歯車323と一体形成としてもよい。
2−1−7<ベース70>
次に、図6、図7、図9(b)を用いて、ベース70について説明する。図6及び図7に示されるように、ベース70の略中央には、周囲より嵩高くなっており、下側が凹んでいる円柱部708が設けられる。そして、図6及び図9(b)に示されるように、円柱部708の上面に第1ベース溝706、第1ガイド壁706A、第2ベース溝707、第2ガイド壁707Aが設けられる。
第1ベース溝706及び第1ガイド壁706Aはそれぞれ、ケース10Aに設けられた第1天壁溝16及び第1ガイド壁16A(図9参照)に相当するものである。そして、軸芯31の下端が第1ベース溝706を挿通し、その縁に形成された第1ガイド壁706Aと当接する。同様に、第2ベース溝707及び第2ガイド壁707Aはそれぞれ、ケース10Aに設けられた第2天壁溝17及び第2ガイド壁17A(図8,9参照)に相当するものである。そして、軸芯41の下端が第2ベース溝707を挿通し、その縁に形成された第2ガイド壁707Aと当接する。
なお、円柱部708は必須ではないが、円柱部708を設ける等して下側をへこませる
ことにより、軸芯31及び軸芯41の下端が、制動装置1000を載置する載置面と接触することを防ぎ、軸芯31及び軸芯41の下端を適切に挿通することが可能となる。
また、ベース70は、左右の側面の両端にそれぞれ2つの第1係合板部701Aが設けられる。そして、前方の側面の両端に2つの第2係合板部701Bが設けられ、後方の側面の略中央に1つの第2係合板部701Bが設けられる。第1係合板部701Aは、ケース10Aに設けられた第1係合溝111A(図8参照)と係合するものである。また、第2係合板部701Bは、ケース10Aに設けられた第2係合溝111B(図8参照)と係合するものである。これにより、ケース10Aとベース70が係合され、筐体を形成する。
更に、図7、図9(b)等に示されるように、ベース70の底面の外側には、遮蔽装置のヘッドボックス内に制動装置1000を配置するときに利用する取付筒702が設けられる。例えば、ヘッドボックス内に設けられた軸等の部材に取付筒702をはめ込むことにより、制動装置1000をヘッドボックス内にて安定して配置させることが可能となる。
2−2<組立構成>
次に、これら各部材を組み立てた状態について、図8〜図12を用いて説明する。図8は、これらの部材を組み合わせて構成された制動装置1000の組立図である。図8に示されるように、制動装置1000の外観は、ケース10A及びベース70が接続された筐体と、ケース10Aの上方から被せるようにして配置された整列部材200からなる。かかる組立は、図6及び図7に示されるように、各部材同士の中心軸を上下方向に重ねあわせた状態でなされる。具体的には、内歯付キャリア260と、ウェイト340を保持した太陽歯車付ウェイトホルダ320が、プレート300を介して組み立てられる。このとき、内歯付キャリア260に設けられた遊星歯車280と、太陽歯車付ウェイトホルダ320に設けられた太陽歯車323とが互いに歯合するようにする。
そして、スライダー220の第1天壁溝226及び第1底壁溝228(図10参照)に軸芯31を水平方向に移動させながらスライドさせる。このとき、ローレット240はスライダー220の内部に、ピニオンギア50はスライダー220の外部に位置するようにされる。また、第2天壁溝227(図10参照)及び第2底壁溝229(図10参照)に軸芯41水平方向に移動させながらスライドさせる。このとき、ローラ部42がスライダー220の内部に位置するようにされる。そして、内歯付キャリア260に設けられた内歯車261とピニオンギア50が互いに歯合するように、スライダー220と内歯付キャリア260が互いに近づくように相対移動させる。
その後、これらの部材の下側にベース70を配置し、スライダー220の突起230(図10参照)がケース10Aの左右の内側面に形成された溝を通るようにしてケース10Aを上方から被せる。このとき、スライダー220に設けられたコイルスプリングSPがケース10Aの内周壁と当接し、スライダー220が前方に付勢され、突起230が支持溝114(図8参照)から抜け落ちないことを確認する。そして、ケース10Aに設けられた第1側壁孔119A及び第2側壁孔119Bと、ベース70に設けられた第1係合板部701A及び第2係合板部701Bを互いに係合させ、ケース10Aとベース70を固定する。
最後に、ケース10A及びベース70で構成される筐体の上方から、整列部材200を被せる。そして、整列部材200に設けられた爪部209を、ケース10Aに設けられた係合孔19と係合させ、整列部材200とケース10Aを固定する。
このようにして組み立てられた制動装置1000が、図8に示されるものである。そして、制動装置1000の組立が完了すると、1本目のコードCDが整列部材200の前方壁部205の外側であり第1前方溝201の上方に位置するように配置される。そして、2本目のコードCDが整列部材200の第1前方コード挿入部201Aを介して第1前方溝201に挿通される。そして、3本目のコードCDが第2前方コード挿入部202Aを介して第2前方溝202に挿通される。
そして、これらのコードCDがケース10Aの前後に設けられたガイド溝113(図9参照)及びスライダー220の前後に設けられた貫通孔225に通される。
そして、かかるコードCDのうち、1本目のコードCDが、整列部材200の後方壁部206の外側であり第1後方溝203の上方に位置するように通される。そして、2本目のコードCDが、整列部材200の後方壁部206に設けられた第1後方コード挿入部203Aを介して第1後方溝203から外部に通される。そして、3本目のコードCDが、第2後方コード挿入部204Aを介して第2後方溝204から外部に通される。これにより、図8(a),(b)に示される状態となる。
図8(c)は、制動装置1000の左側面図、つまり、図8(a)の矢印X方向から見た側面図である。図8(c)に示されるように、制動装置1000は、側面視において、上側からケース10A、整列部材200、ベース70が視認されることとなる。また、支持溝114により突起230が支持されていることが伺える。
図9(a)に示されるように、制動装置1000は、その平面視において、中心から順にケース10A、整列部材200、ベース70の一部の順に視認できる。ここで、図8(a),(b)及び図9(a)に示されるように、軸芯31の上端が、スライダー220に設けられた第1天壁溝226からケース10Aに設けられた第1天壁溝16を挿通し、ケース10Aの外部に露出している。同様に、軸芯41の上端が、スライダー220に設けられた第2天壁溝227からケース10Aに設けられた第2天壁溝17を挿通し、ケース10Aの外部に露出している。
そして、第1天壁溝16の縁に設けられた第1ガイド壁16Aが軸芯31と当接し、第2天壁溝17の縁に設けられた第2ガイド壁17Aが軸芯41と当接している。
また、図9(b)に示されるように、ベース70は、その底面視において、第1ベース溝706に挿通された軸芯31の下端と、第2ベース溝707に挿通された軸芯41の下端を視認することができる。なお、取付筒702が設けられる面において、円柱部708の上を面で覆うことにより、軸芯31及び軸芯41の下端が外部から覆われる構成としてもよい。
2−3<組立状態における内部構造>
次に、図10〜図12を用いて、組立状態における内部構造について説明する。図10は、図8の状態から整列部材200及びケース10Aを取り外した状態における斜視図である。図10に示されるように、スライダー220の上方に軸芯31及び軸芯41が突出している。また、軸芯31は、第1天壁溝226内においてスライダー220の幅方向に動きが規制される。同様に、軸芯41は、第2天壁溝227内においてスライダー220の幅方向に動きが規制される。なお、図示を省略しているコードCDは、スライダー220の貫通孔225に縦に整列された状態でスライダー220の前後方向に挿通される。
図11は、図10の状態から更にスライダー220を取り外した状態における斜視図である。図示を省略したコードCDは、ローレット240及びローラ部42に挟着された状態で、制動装置1000の前後に挿通される。また、ピニオンギア50と内歯車261は互いに歯合している。したがって、コードCDに張力がかかったときに、コードCDとローレット240の間で摩擦力が発生し、それによりローレット240と一体となってピニオンギア50が回転すると、ピニオンギア50の回転が内歯車261に伝達される。その結果、内歯車261が自転することにより、内歯付キャリア260とともにそのフランジ262に設けられる支持軸263も公転する。それに伴い、支持軸263に回転可能に支持される遊星歯車280が自転しながら公転を開始する。
図12は、図11の状態から更に内歯付キャリア260を取り外した状態における斜視図である。図12に示されるように、遊星歯車280と太陽歯車323は互いに歯合している。したがって、遊星歯車280の回転が太陽歯車323に伝達され、太陽歯車付ウェイトホルダ320が自転を開始する。その結果、太陽歯車付ウェイトホルダ320の凹部322に保持されたウェイト340が自転を開始する。そして、回転速度がある一定値を上回ると、遠心力によりウェイト340がケース10Aの内壁と当接する。これにより、ローレット240の回転に対して抵抗力が与えられる。
次に、図14及び図15を用いて、組立状態における各部材間の相対位置について更に詳細に説明する。図14は、図8(c)のA−A線切断部断面図である。図14に示されるように、軸芯31を中心とするピニオンギア50と、内歯付キャリア260に設けられる内歯車261とが互いに歯合している。また、内歯車261の回転は、内歯付キャリア260の支持軸263を介して遊星歯車280に伝達されるように構成される。そして、遊星歯車280は、太陽歯車付ウェイトホルダ320に設けられた太陽歯車323及びケース10Aの内部に設けられた内周ギア115と互いに歯合する。したがって、ピニオンギア50に起因する回転が加えられることにより、遊星歯車280は太陽歯車323と内周ギア115の間に形成される空間内を、内歯車261の中心部を中心として公転することが可能となる。
図15は、図9(a)のB−B線切断部断面図である。図15に示されるように、本実施形態では、B−B線切断部断面図は取付筒702を中心として略左右対称となっている。そして、軸芯31及び軸芯41がケース10Aの上端及びベース70の下端から突出している。なお、本実施形態では、第1ガイド壁16A及び第2ガイド壁17Aの上端が、それぞれ軸芯31及び軸芯41の上端と略同じ高さとなっている。
そして、ローレット240及びローラ部42がスライダー220の内部に位置している。更に、ローレット240とともにスライダー220を挟んだ状態で、ピニオンギア50がスライダー220の外部に位置している。また、ピニオンギア50と内歯車261が互いに歯合している。
そして、ケース10Aの上側から鍔部13にかけて、整列部材200で覆われている。また、ケース10Aはその下端においてベース70と係合している。そして、ベース70の上部には、ウェイト340が保持されている。ここで、本実施形態では、ウェイト340を着脱式としているので、必要な制動力をウェイト340の数又は種類により調整することが可能となる。つまり、大きな制動力が求められる場合にはウェイト340の数を増やしたり、他のより密度の高いウェイトを太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持すればよい。一方、小さな制動力で十分な場合には、ウェイト340の数を減らせばよい。なお、ウェイト340は、回転時における安定性の観点から、太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持される面上において対称配置することが好ましい。なお、本実施形態では、ウェイト340に設けられた突起341とベース70の底面が当接することにより、回転時におけるウェイト340とベース70との間の抵抗力を低減している。
1−4<動作>
次に、図16を用いて本実施形態に係る制動装置1000の動作について説明する。図16(a)はコードCDに何ら張力が与えられない状態(定常状態)、図16(b)はコードCDに張力が与えられ、ローレット240及びローラ部42でコードCDが挟着された状態(挟着状態)、図16(c)は図16(a)から図16(b)へ状態変化する際における各部材の回転方向をまとめた図である。なお、図16(a),(b)はともに、図14と同様に、図8(c)のA−A線切断部断面図である。ここで、説明の都合上、かかる断面図には現れないローラ部42の外周を軸芯41の周囲に、ローレット240の外周を軸芯31の周囲に重ねて表示した。なお、ローレット240の外周は厳密には円形ではないが、説明の簡略化のため、円形に近似して図示している。
図16(a)に示されるように、定常状態において、上記のように、コイルスプリングSPは、ケース10Aの後方の内壁と当接し、スライダー220を前方に押圧する。したがって、スライダー220はケース10Aの前方に位置する。このため、スライダー220の第1天壁溝226及び第1底壁溝228により位置が規制されている軸芯31と、第2天壁溝227及び第2底壁溝229により位置が規制されている軸芯41と、がスライダー220とともに前方に移動する。更に、スライダー220の上部に保持されるケース10Aに設けられた第1天壁溝16と第2天壁溝17は、前方に向かうにつれて互いに距離が小さくなっている。同様に、ベース70に設けられた第1ベース溝706及び第2ベース溝707は、前方に向かうにつれて距離が小さくなっている。したがって、軸芯41に回転可能に支持されるローラ部42と、軸芯31に回転可能に支持されるローレット240との距離も小さくなる。つまり、第1天壁溝16及び第1ベース溝706は、ローレット240の軸芯31が移動可能に嵌合し、ローレット240が溝に沿わない動きをすることを規制する規制溝として機能する。同様に、第2天壁溝17及び第2ベース溝707は、ローラ部42の軸芯41が移動可能に嵌合し、ローラ部42が溝に沿わない動きをすることを規制する規制溝として機能する。また、第1天壁溝16及び第1ベース溝706は、内歯付キャリア260の内周面の中心点と平面視において同心円上に形成されるため、軸芯31がそれぞれの溝内を移動しても、ピニオンギア50は内歯付キャリア260に設けられた内歯車261に歯合し続けることができる。
このように、ローレット240とローラ部42との距離が小さくなると、ローレット240はローラ部42に押圧され、ローレット240とローラ部42でコードCDが狭持される。つまり、本実施形態では、コイルスプリングSPは、ローレット240がローラ部42に押圧されるように、ローレット240を常時付勢する付勢部材としても機能する。
そして、定常状態の制動装置1000において、コードCDに矢印D1の向き(前方)に張力を与えたとする。すると、コードCDとの間に生じる摩擦力により、ローレット240が反時計回りに、ローラ部42が時計回りに回転する。そして、ローレット240の回転により、同じ軸芯31を共有して固定されているピニオンギア50もローレット240と同じ向き(反時計周り)に回転(自転)する。この際、図16(b)に示されるように、軸芯31及び軸芯41は、平面視において前方に移動し、左右方向において互いに近接して、ローレット240とローラ部42によるコードCDの挟着力が強くなり、コードCDの移動に応じてローレット240が確実に回転するようになる。すると、ピニオンギア50は内歯車261と歯合しているので、ピニオンギア50の歯から与えられる力により、内歯車261が反時計周りに回転(自転)する。これにより、内歯車261とともに内歯付キャリア260も反時計周りに回転(自転)するので、内歯付キャリア260に設けられた遊星歯車280も同様に反時計周りに回転(公転)する。ここで、遊星歯車280は太陽歯車323及びケース10Aにより固定された内周ギア115と互いに歯合しているので、公転方向とは逆向き(時計回り)に自転しつつ、反時計周りに公転することとなる。したがって、遊星歯車280の内側で遊星歯車280と歯合する太陽歯車323は、遊星歯車280の自転と逆向き(反時計周り)に回転(自転)する。このとき、遊星歯車280により、太陽歯車323の回転は増速される。これにより、太陽歯車323とともに回転する太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持されるウェイト340も回転を開始する。なお、すでに述べた通り、遊星歯車280の外側で遊星歯車280と歯合する内周ギア115は、ケース10Aとベース70が固定されているため、遊星歯車280の回転時においても回転しない。
そして、図16(b)に示されるように、ローレット240とローラ部42が限界まで近づく(挟着状態)と、ローレット240の自転は続くもののローレット240の内歯車261に沿った移動が停止する。このとき、ローレット240の自転に起因した他の部材の回転は継続される。すると、遠心力によりウェイト340がケース10Aの内周壁に当接することにより、回転に対して抵抗力が生じる。つまり、コードCDの移動速度が上昇することで回転速度が上昇し、これにより遠心力が上昇する。そして、遠心力が上昇することによりウェイト340がケース10Aの内周壁により強く当接することになり、抵抗力が上昇する。これにより、コードCDの移動速度(日射遮蔽部材の落下速度)を抑えることができる。ここで、コードCDに加えられる張力が略一定の場合(例えば、制動装置1000の前方側のコードCDに昇降可能に吊持される日射遮蔽部材が自由落下する場合)には、コードCDに加えられる張力とウェイト340とケース10Aの内周壁による抵抗力が釣り合うところで、コードCDの移動速度が略一定となる。したがって、制動装置1000は、コードCDの移動に対する回転ダンパとして機能し、日射遮蔽部材をゆっくりと降下させることが可能となる。
以上説明した、定常状態から挟着状態までの挟着状態の変化について、各部材の回転方向(ピニオンギア50については、更に平面視における前後方向及び締め付け方向も含む)をまとめたものが図16(c)である。
一方、コードCDに矢印D1と逆向き(後方)に張力を与えた場合には、ローレット240及びローラ部42が上記と逆向きに回転する。その結果、軸芯31及び軸芯41が第1天壁溝16及び第2天壁溝17に沿って互いに離間するように移動する。すると、コードCDに対するローレット240の挟着力が弱まり、弱い力でコードCDを引っ張ることが可能となる。したがって、ヘッドボックス内に制動装置1000を設ける場合には、図16において前方にコードCDに張力が加わる向きを日射遮蔽部材の下降する向きとし、後方にコードCDに張力が加わる向きを日射遮蔽部材の上昇する向きとすると好適である。
なお、第本実施形態では、ウェイト340が太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持されることとしたが、ウェイト340の保持の方法はこれに限定されない。例えば、ウェイト340が内歯付キャリア260に保持されることとしてもよい。この場合、遊星歯車280、プレート300及び太陽歯車付ウェイトホルダ320は省略することができる。なお、遊星歯車280を省略することにより、太陽歯車323、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340の回転に対する増速効果は得られなくなる。
3<ロック部>
次に、図17〜図22を用いて、ロック部104について説明する。
ロック部104の具体的構成を説明すると、図17に示すように、ヘッドボックス130内においてロック部104のケース13sが固定されている。
ケース13s内には、台車14sがヘッドボックス130の長手方向に移動可能に支持されている。台車14sの下部には、前記昇降コード102を挿通するための挿通部15sが形成されている。
台車14sの中央部には、ホールドバネ16sが配設されている。このホールドバネ16sは、図18に示すように、弾性を有する金属板の中央部を抜いて、両端部を円筒状に屈曲して昇降コード102の押圧部17as,17bsを形成し、その押圧部17as,17bsが互いに対向するように二つ折りに屈曲した状態で、台車14s内に配設されている。
台車14sにはホールドバネ16sの押圧部17as,17bs間に突出する山形部14asが設けられ、その山形部14asによりホールドバネ16sが上下方向に位置決めされ、かつ台車14sに対しヘッドボックス130の長手方向すなわち図17において左右方向に移動不能に支持されている。
また、押圧部17as,17bsは、それぞれ山形部14asから離間する方向に撓み得るようになっている。ケース13sの制動装置1000の端部には、第一の滑車18sが回転可能に支持されている。ケース13sの制動装置1000と反対側の端部には、第二の滑車19sが回転可能に支持されている。
昇降コード102は第一の滑車18sの下方へ挿通され、ホールドバネ16sの押圧部17as,17bs間及び第二の滑車19s上を経る。
ホールドバネ16sは、そのばね力により押圧部17as,17bsで昇降コード102を挟着している。従って、押圧部17as,17bsと昇降コード102との間には所定の摩擦力が作用し、ケース13s内で昇降コード102が移動すると、ホールドバネ16sとともに台車14sが移動されるようになっている。
また、ケース13s内で台車14sの移動が阻止されると、ホールドバネ16sの移動が阻止されるため、昇降コード102は押圧部17as,17bsと摩擦しながら移動する。
ケース13sには、前記第二の滑車19sの上方において、ストッパーカム21sが回動可能に支持されている。すなわち、ストッパーカム21sはその基端部がケース13sに対し軸22sを回動支点として回動可能に支持され、その軸22sは第二の滑車19sの上方に位置している。
ストッパーカム21sの先端部は、第二の滑車19sの外周面に対向する曲面として形成され、その周面上には歯車状の凹凸が滑り止め23sとして形成されている。
そして、ストッパーカム21sが第二の滑車19sに向かって回動すると、滑り止め23sは第二の滑車19sの外周面近傍に達し、滑り止め23sと第二の滑車19sの外周面との間隔は、昇降コード102の径より十分小さくなるように設定されている。
従って、図17に示すようにストッパーカム21sと第二の滑車19sとの間に昇降コード102が挟まれた状態で、さらに昇降コード102がスラット下降方向に移動しようとしても、昇降コード102のそれ以上の移動が阻止されるようになっている。
また、図18に示すように、ストッパーカム21sの両側面には係合突起24sがそれぞれ形成されている。台車14sのストッパーカム21s側には、ストッパーカム21sの両側に延びる一対の支持片25sが形成され、ストッパーカム21sはその支持片25s間において回動するようになっている。
各支持片25sの上縁部には、係合突起24sが係合する係合凹部26sが形成されている。係合凹部26sは、各支持片25sの上縁から下方に向かって形成されるとともに、ストッパーカム21s側の側縁上部には斜面27sが形成されて、ストッパーカム21s側に向かって幅広となっている。
そして、図17に示すように台車14sがストッパーカム21sに向かって前進すると、係合突起24sが係合凹部26s内を下方へ案内されて、ストッパーカム21sが下方へ回動し、台車14sがストッパーカム21sから離れる方向に後退すると、図20に示すように、係合突起24sが係合凹部26sの斜面上に案内されて、ストッパーカム21sが上方へ回動するようになっている。
台車14sとケース13sとの間にはカム機構28sが形成されている。すなわち、第一の滑車18sの下方において、ケース13sの底面上にはカム軸29sがヘッドボックス130の前後方向にのみ移動可能に支持されている。
台車14sの下面には、カム軸29sを案内する案内溝30sが形成されている。図19に示すように、案内溝30sは台車14sの移動にともなって、カム軸29sを第一〜第四の位置P1〜P4の順に順次周回させながら、各位置P1〜P4で停止させ、あるいは保持するようになっている。
次に、上記のように構成された動作を説明する。図17に示すように、昇降コード102がストッパーカム21sと第二の滑車19sとの間に挟着された状態では、昇降コード102のスラット下降方向の移動が阻止される。このとき、案内溝30s内においてカム軸29sは第一の位置P1に位置する。
この状態から、昇降コード102をヘッドボックス130から引き出すと、昇降コード102が矢印A方向に移動して、台車14sが同方向へ移動する。すると、カム軸29sは第一の位置P1から第二の位置P2に移動して、台車14sの同方向へのそれ以上の移動が阻止される。
この時、台車14sの移動にともなってストッパーカム21sが上方へ回動し、図20に示すように、ストッパーカム21sは昇降コード102の挟着を解除した状態となる。
この状態から、昇降コード102を手放すと、日射遮蔽部材101及びボトムレール122の重量により、昇降コード102が矢印B方向に移動し、台車14sが同方向に移動する。
すると、カム軸29sは第二の位置P2から第三の位置P3に移動して、それ以上の移動が阻止される。従って、台車14sは矢印B方向に僅かに移動した後、同方向へのそれ以上の移動が阻止され、図21に示す状態で停止する。
この状態では、ストッパーカム21sによる昇降コード102の挟着は解除された状態に維持されるため、昇降コード102は日射遮蔽部材101及びボトムレール122の重量に基づいて、ホールドバネ16sとの摩擦に抗して矢印B方向に移動する。従って、日射遮蔽部材101及びボトムレール122が自重により下降する。
図21に示す状態で、日射遮蔽部材101を所望位置まで下降させた後、昇降コード102を引き出すと、台車14sは矢印A方向に移動し、カム軸29sは第三の位置P3から第四の位置P4に移動する。
すると、台車14sの同方向へのそれ以上の移動が阻止され、図22に示すように、ストッパーカム21sは昇降コード102の挟着を解除した状態に維持される。この状態では、昇降コード102をヘッドボックス130から引き出して、日射遮蔽部材101を所望位置まで引上げ可能である。
また、カム軸29sが第四の位置P4に位置する状態から、昇降コード102を手放すと、日射遮蔽部材101及びボトムレール122の重量により、昇降コード102が矢印B方向に移動し、台車14sが同方向に移動する。
すると、図17に示すように、ストッパーカム21sが下方へ回動して第二の滑車19sとの間に昇降コード102を挟着して、同方向への昇降コード102の移動を阻止するので、日射遮蔽部材101及びボトムレール122の自重降下が防止される。
このとき、カム軸29sは第四の位置P4から第一の位置P1まで移動して、停止する。
なお、上記で説明したロック部104の構成に加え、複数のコードCDを整列状態で挟むキャッチ部材を備えてもよい。
4<メカニズム>
ここで、第1実施形態に係る遮蔽装置100における日射遮蔽部材101及びボトムレール122が自重降下を開始するときにおける昇降コード102の挙動について、図23を用いて説明する。図23(a)に示されるように、第1実施形態に係る遮蔽装置100では、日射遮蔽部材101及びボトムレール122が自重降下を開始すると、昇降コード102が図の矢印方向に移動する。そして、制動装置1000により昇降コード102がキャッチされるまでは、昇降コード102は略一定の速度v1で移動する。その後、図23(b)に示されるように、ローレット20により昇降コード102がキャッチされた後は、制動装置1000により昇降コード102に抵抗が加えられるので、昇降コード10の移動速度が低減される。これにより、制動装置1000から出力された昇降コード102は、速度v1よりも低速の速度v2で移動する。したがって、昇降コード102は、制動装置1000へ案内される前の速度v1より低減された速度v2でロック部104に案内されることなる。このため、昇降コード102が乱れることなくロック部104に案内されることとなる。
一方、図24(a)に示されるように、制動装置1000とロック部104の配置が図23と逆の場合(従来技術の配置)、日射遮蔽部材101及びボトムレール122が自重降下を開始すると、昇降コード102が図の矢印方向に移動する。その後、図24(b)に示されるように、制動装置1000により昇降コード102がキャッチされた後は、制動装置1000により昇降コード102に抵抗が加えられるので、昇降コード102の移動速度が低減される。これにより、制動装置1000から出力された昇降コード102は、速度v1よりも低速の速度v2で移動する。しかし、制動装置1000に案内される前の昇降コード102は、制動装置1000により速度が低減されていない。したがって、瞬間的に速度v1の状態で制動装置1000に案内されてしまうことになる。すると、図24(c)に示されるように、制動装置1000とロック部104の間における昇降コード102は、制動装置1000の前後における速度差のために、乱れた状態となってしまう。これにより、ロック部104に案内される昇降コード102も乱れた状態となる。この結果、ロック部104が痛む恐れがある。さらに、昇降コード102が絡まってしまう恐れがある。
(第2実施形態)
次に、図25を用いて本発明の第2実施形態に係る遮蔽装置100について説明する。図25に示されるように、第2実施形態では、ヘッドボックス130の短手方向に昇降コード102が振り分けられた構成である。第1実施形態との主な相違点は、昇降コード102の振り分けのみである。以下、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付与し、その説明を省略する。
第2実施形態に係る遮蔽装置100では、制動装置1000より自重下降方向側に設けられたロック部104により、昇降コード102が制動装置1000に案内される手前で3本の昇降コード102が整列される。つまり、各々向きが異なる3本の昇降コードの向きをロック部104により揃えることにより、制動装置1000の整列部材200がより正確に昇降コード102をキャッチすることができるようになる。これにより、より正確に制動装置1000から昇降コード102へ抵抗が与えられることとなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されない。例えば、昇降コード102とローレット240との摩擦力が十分得られるならば、ローレット240にローレット加工を施さなくてもよい。また、日射遮蔽部材101を昇降する横型ブラインドに本発明を適用したが、これに限らず、カーテン生地等の遮蔽材を昇降するプリーツカーテン等の遮蔽装置に本発明を適用してもよい。また、制動装置1000に代えて、公知の制動装置、例えば、挟着体が縦軸ではなく横軸となっているものを用いることもできる。
10A:ケース、31,41:軸芯、50:ピニオンギア、70:ベース、200:整列部材、220:スライダー、240:ローレット、260:内歯付キャリア、280:遊星歯車、300:プレート、320:太陽歯車付ウェイトホルダ、340:ウェイト
制動装置1000をヘッドボックス130内に配置した様子を表す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。 遮蔽装置100Aのスラット、昇降コード102及びラダーコード123を表す斜視図である。 (a)は図1(a)の領域Zの部分拡大図であり、(b)は(a)のC−C線から見たヘッドボックス130内における制動装置1000とシャフト124の位置関係を表す図である。 図1(c)の領域Yの部分拡大図に、コードCDの経路を黒塗りで重ね合わせた図である。 ロック部104から出たコードCDが制動装置1000に案内される様子を表す模式図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000の分解斜視図であり、(a)は前方上側から見た図、(b)は後方上側から見た図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000の分解斜視図であり、(a)は前方下側から見た図、(b)は後方下側から見た図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000の組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図、(c)は左側面図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000の組立図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置1000からケース10Aを除いた組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図である。 図10から更にスライダー220を除いた組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図である。 図11から更に内歯付キャリア260を除いた組立図であり、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る整列部材200を表す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 図8(c)のA−A線切断部断面図である。 図9(a)のB−B線切断部断面図である。 図14を用いて本発明の制動装置1000がコードCDを制動する様子を示す図であり、(a)はコードCDに何ら張力が与えられない状態(定常状態)、(b)はコードCDに張力が与えられ、ローレット240及びローラ部42でコードCDが挟着された状態(挟着状態)、(c)は(a)から(b)へ状態変化する際における各部材の回転方向をまとめた図である。 日射遮蔽部材101のロック部104を示す断面図である。 ロック部104の主要部を示す分解斜視図である。 案内溝30Sを示す台車の下面図である。 ロック部104の動作を示す断面図である。 ロック部104の動作を示す断面図である。 ロック部104の動作を示す断面図である。 ロック部104が制動装置1000より自重下降方向側に設けられる場合(第1実施形態)における、遮蔽材の自重降下開始時における昇降コード10の移動の様子を表す模式図であり、(a)はローレット20による昇降コード10のキャッチ前を、(b)はローレット20による昇降コード10のキャッチ後を表す。 ロック部104と制動装置1000の配置が図23と逆の場合(従来技術)における、遮蔽材の自重降下開始時における昇降コード10の移動の様子を表す模式図であり、(a)はローレット20による昇降コード10のキャッチ前を、(b)はローレット20による昇降コード10のキャッチ後を、(c)は(b)の直後の状態を表す。 第2実施形態に係る遮蔽装置100のヘッドボックス1の内部を表す模式図であり、(a)は平面図を、(b)は側面図を表す。

Claims (7)

  1. 引張コードを引くことにより遮蔽材を昇降させる遮蔽装置であって、
    前記遮蔽材の自重下降に伴い自重下降方向に従動する前記引張コードによって加えられる入力に伴って抵抗を発生させ且つその反作用で前記引張コードに前記抵抗を加えるダンパと、
    前記引張コードの移動を阻止するロック状態と、前記引張コードの移動を許容する解除状態とが切り替え可能に構成された自重降下防止装置と、を備え、
    前記自重降下防止装置は、前記ダンパより前記遮蔽材の自重下降時に前記引張コードが移動する側に設けられる、遮蔽装置。
  2. 前記遮蔽材が自重下降を開始すると、前記ダンパにより前記引張コードに前記抵抗が加えられ、前記引張コードが撓むことなく前記自重降下防止装置に案内されるように構成される、
    請求項1に記載の遮蔽装置。
  3. 前記ダンパ及び前記自重降下防止装置はヘッドボックス内に配置され、
    前記引張コードは、前記ヘッドボックスの短手方向に振り分けられるように構成される、
    請求項1又は請求項2に記載の遮蔽装置。
  4. 前記自重降下防止装置により、前記引張コードが前記ダンパに案内される手前で前記引張コードが整列されるように構成される、
    請求項3に記載の遮蔽装置。
  5. 前記自重降下防止装置は、複数の前記引張コードを整列状態で挟着するキャッチ部材を備える、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の遮蔽装置。
  6. 前記自重降下防止装置は、前記引張コードの引き操作により、前記引張コードの挟着状態と非挟着状態とに切替可能なカム機構を備える、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の遮蔽装置。
  7. ヘッドボックスを備え、
    前記ダンパと前記自重降下防止装置は、前記ヘッドボックス内で隣接した配置される、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の遮蔽装置。
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