JP2017206652A - 熱硬化性樹脂組成物、硬化物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、光半導体装置、並びにプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、硬化物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、光半導体装置、並びにプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】薄厚でも十分な反射率を備える硬化物を形成することができる熱硬化性樹脂組成物、並びに該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用部材及びこれを用いた光半導体装置を提供することを目的とする。【解決手段】ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂、アルケニル基含有シリコーン樹脂及び空隙部の屈折率が1.0〜1.1である中空粒子を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、並びに該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用部材及びこれを用いた光半導体装置。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに、光半導体装置に関する。
熱硬化性樹脂はその特有な架橋構造に由来する優れた各種特性を示すため、広い用途に使用されている。用途の一つとして、近年、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光半導体素子と蛍光体とを組み合わせた光半導体装置は、高エネルギー効率及び長寿命等の利点から、屋外用ディスプレイ、携帯液晶バックライト、車載用途等の様々な用途に適用され、その需要が拡大している。
光半導体装置の一種として、表面実装型光半導体装置が挙げられる。表面実装型光半導体装置の中には、光半導体素子及び当該光半導体素子を囲うように設けられたリフレクター(反射部)を有するものがある。特許文献1には、ビニル基及びアリル基のいずれか一方と、水素原子が、直接ケイ素原子に結合してなる構造を有するシリコーン樹脂を用いた光半導体素子収納用実装パッケージ用樹脂組成物が開示されている。
特開2009−21394号公報
光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用部材は、小型化が進みつつある。しかし、小型化に伴って壁面や底部を薄厚化した場合、光半導体素子からの発光が一部透過し、反射率が低減してしまうことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、薄厚でも十分な反射率を備える硬化物を形成することができる熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用部材及びこれを用いた光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂、アルケニル基含有シリコーン樹脂及び中空粒子を含む熱硬化性樹脂組成物に関する。
前記中空粒子の空隙部の屈折率は1.0〜1.1であってもよい。また、前記中空粒子が粒径0.1〜100μmの粒子を含んでいてもよい。そして、前記中空粒子の含有量が、熱硬化性樹脂合計100質量部に対して10〜80質量部であってもよい。前記中空粒子の外殻は、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材質であってもよい。
前記熱硬化性樹脂組成物は、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の顔料を含んでいてもよい。
前記熱硬化性樹脂組成物は、タブレット状であってもよい。
本発明はまた、上記熱硬化性樹脂組成物から形成される硬化物に関する。別の側面において、本発明は、上述の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体を有する光半導体素子搭載用基板に関する。当該光半導体素子搭載用基板は、底面及び壁面から構成される凹部を有し、当該凹部の底面が光半導体素子の搭載部であり、凹部の壁面の少なくとも一部が上述の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体である。また、本発明の光半導体素子搭載用基板は、基板と、当該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子とを備え、第1の接続端子と第2の接続端子との間に、上述の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体を有していてもよい。
本発明はまた、底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板の製造方法に関する。本発明に係る製造方法は、凹部の壁面の少なくとも一部を、上述の熱硬化性樹脂組成物を用いてトランスファー成形又はコンプレッション成形して形成する工程を備える。
さらに別の側面において、本発明は、上記光半導体素子搭載用基板と、当該光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子とを備える、光半導体装置に関する。
さらに別の側面においては、本発明は、上述の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、光学部材用プリント配線板に関する。また、本発明は、該光学部材用プリント配線板と、光半導体素子と、該光半導体素子を封止するための封止樹脂と、を備える、光半導体装置に関する。
本発明によれば、薄厚でも十分な反射率を備える硬化物を形成することができる熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、光半導体装置、並びにプリント配線板を提供することができる。
光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。 光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。 光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。 光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 光半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 光半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 銅張積層板の一実施形態を示す模式断面図である。 銅張積層板を用いて作製された光半導体装置の一例を示す模式断面図である。 光半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において端点による数値範囲の使用には、その範囲内に含まれる任意の数(例えば、0.5〜5には、0.5、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等が含まれる)及びその範囲内の任意の範囲が含まれる。
[熱硬化性樹脂組成物]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂、アルケニル基含有シリコーン樹脂及び中空粒子を含有する。以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
(ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂)
ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂は、水素原子が直接ケイ素原子に結合した基(Si−H)であるヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂であれば特に限定されない。
ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂は、ヒドロシリル基を有する構造単位として、例えば、HSiO3/2で表される単位、HSiO2/2で表される単位又はHSiO1/2で表される単位を有することができる。
ヒドロシリル基を有する構造単位は、例えば、メチルメトキシジシラン、ジメトキシジシラン、メトキシトリシラン、エチルメトキシジシラン、ジメチルエトキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルエトキシジシラン、n−ブチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルメトキシジシラン、トリエトキシシラン等のアルコキシハイドロキシシラン;メチルジクロロシラン、n−プロピルジクロロシラン、イソプロピルジクロロシラン(1,1−ジクロロ−2−メチル−1−シラプロパン)、n−ブチルジクロロシラン、n−ペンチルジクロロシラン、シクロペンチルジクロロシラン、シクロヘキシルジクロロシラン等のアルキルジクロロシランなどを用いてシリコーン樹脂中に導入することができる。
ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂は、水素原子以外の基がケイ素原子に結合している構造、すなわち、ヒドロシリル基以外の構造単位を有していてもよい。ヒドロシリル基以外の構造単位としては、例えば、炭素数1〜12の有機基がケイ素原子に結合している構造単位が挙げられ、合成容易性の観点から、炭素数1〜8の有機基がケイ素原子に結合している構造単位であってもよい。該有機基は、合成容易性の観点から炭化水素基であることが好ましく、炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基及びアリール基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基及びキシリル基が挙げられる。これらの基は、水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子等で置換されたハロゲン化炭化水素基であってもよい。シリコーン樹脂の合成の容易さ及び硬度を更に向上させる観点から、有機基としては、アリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂は、ヒドロシリル基以外の構造単位として、RSiO3/2で表される単位を有していてもよく、RSiO3/2で表される単位と、RSiO2/2で表される単位、RSiO1/2で表される単位及びSiO4/2で表される単位から選ばれる少なくとも1種の単位とを有していてもよい。
、R及びRは、それぞれ独立に1価の有機基を示し、入手容易性の観点から、炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基としては、上述した炭化水素基と同じものが例示される。ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂の合成の容易さの点から、R、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基であることが好ましく、メチル基又はフェニル基であることがより好ましい。
ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の成形性を向上する観点から、200以上であると好ましく、1000以上であるとより好ましく、2000以上であると更に好ましい。一方、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂の重量平均分子量は、硬化物の硬さをより向上する観点から、15000以下であると好ましく、10000以下であるとより好ましく、7000以下であると更に好ましい。すなわち、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂の重量平均分子量は、200〜15000であってもよく、1000〜10000であってもよく、2000〜7000であってもよい。
本明細書における重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて下記条件で測定することで得られる。
(GPC条件)
ポンプ:L−6200型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:TSKgel―G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL(東ソー株式会社製、商品名)
検出器:L−3300RI型(株式会社日立製作所製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:30℃
流量:1.0mL/分
熱硬化性樹脂組成物中のヒドロシリル基含有シリコーン樹脂の含有量は特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の成形性を向上する観点から、樹脂組成物全体に対して0.01〜40質量%であることが好ましく、0.1〜35質量%であることがより好ましく、1.0〜30質量%であることが更に好ましい。
(アルケニル基含有シリコーン樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、アルケニル基含有シリコーン樹脂を含有する。該アルケニル基は、上述したヒドロシリル基含有シリコーン樹脂が有するヒドロシリル基と、好ましくは硬化触媒の存在下、付加反応することで熱硬化性樹脂組成物の硬化物を形成することができる。
アルケニル基含有シリコーン樹脂は特に限定されないが、アルケニル基当量が50〜1000g/molであることが好ましい。アルケニル基当量とは、アルケニル基1molを得るのに必要なアルケニル基含有シリコーン樹脂の重量を表す。
アルケニル基当量が上記範囲内であれば、硬化後の樹脂の構造は架橋密度の高いものとなる。
光半導体装置の成形を連続的に行った場合に、成形体の硬度が低いために成形体に割れ又はクラックが生じることがある。すなわち、機械による成形体の運搬においては制御が困難なため、運搬時に発生する衝撃に成形体が耐え切れなくなってしまうことがある。特に、成形体が光半導体装置のリフレクターである場合、複雑な形状を有するため一部に圧力が集中し易くなり、割れ又はクラックが生じる可能性は高くなる。上記のアルケニル基含有シリコーン樹脂を用いると、ヒドロシリル化反応可能な部分が多くなり、形成される硬化物の架橋密度が高い。そのため、硬度の高い成形体を得ることが可能になる。硬度の高い成形体は割れ又はクラックの発生を低減させ、光半導体装置の生産性を向上させることが可能である。
硬化物の架橋密度及び硬度をより向上させるために、アルケニル基含有シリコーン樹脂のアルケニル基当量は、50〜500g/molであることがより好ましく、50〜300g/molであることが更に好ましい。シリコーン樹脂のアルケニル基当量は、ヨウ素価を測定し、下記式に従って計算できる。
Y=MI2×100/X
式中、Xは、ヨウ素価を示し、Yは、アルケニル基当量を示し、MI2はヨウ素分子の分子量を示す。ヨウ素価は、JIS K 0070:1992に記載の方法に従って、不飽和結合にヨウ素を付加させ、過剰のヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定することで算出できる。
シリコーン樹脂中に存在するアルケニル基は、必ずしもケイ素原子と直接結合していなくともよい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基及び2−ペンテニル基が挙げられる。アルケニル基は、耐熱性及び耐光性の観点から、ビニル基であることが好ましい。
アルケニル基は、例えば、アルケニル基を有するシラン化合物を用いてシリコーン樹脂中に導入することができる。アルケニル基を有するシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルビニルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、メチルアリルジメトキシシラン等のアルケニルアルコキシシランなどが挙げられる。
アルケニル基含有シリコーン樹脂は、シロキサン骨格としてはしご型構造を有していることが好ましい。はしご型構造とは、隣接する構成単位が2個以上の原子を介して連結している構造を指す。はしご型構造を有するシリコーン樹脂を用いることで、熱硬化性樹脂組成物の硬化後の架橋密度が更に上がり、強靱な硬化物をより形成し易くなる。
はしご型構造を有するシリコーン樹脂としては、例えば下記式(I)に示すような構造単位を持つ化合物が挙げられる。式中、R11はそれぞれ独立にアルケニル基を示す。なお、下記式(I)は上記構成単位及び構成単位を連結する2つの酸素原子を有していると解され、はしご型構造を有するシリコーン樹脂は(R11SiO3/2で表される構造を有していてもよい。
Figure 2017206652
はしご型構造を有するシリコーン樹脂は、式(I)に示す構造を連続して有することが好ましく、その場合、シリコーン樹脂は、例えば、下記式(I’)に示す構造を有することができる。なお、下記式(I’)は、構成単位を3組、それらを連結する2つの酸素原子を2組、及び更に右に隣接する構成単位(図示せず)を連結する2つの酸素原子を1組有していると解される。
Figure 2017206652
シリコーン樹脂が式(I)に示す構造を連続して有する場合、式(I)に示す構造の繰り返し単位数は特に限定されないが、硬化後の架橋密度をより向上させる観点から、3〜5000であることが好ましく、5〜3000であることがより好ましく、10〜2000であることが更に好ましい。
アルケニル基含有シリコーン樹脂は、アルケニル基以外の基を有していてもよい。アルケニル基以外の基を有する構造単位としては、例えば、RSiO3/2又はRSiO2/2で表される構造単位が挙げられる。すなわち、アルケニル基含有シリコーン樹脂は、式(I)で表される構造((R11SiO3/2)及びRSiO3/2又はRSiO2/2で表される構造を有していてもよい。R及びRは、それぞれ独立に1価の有機基を示し、入手容易性の点からは炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基としては、前述のR、R及びRと同じものが例示される。
アルケニル基含有シリコーン樹脂は、ケイ素に直接結合した有機基の全量を基準として、アルケニル基を75モル%以上有することが好ましく、85モル%以上有することがより好ましく、95モル%以上有することが更に好ましい。このようなアルケニル基含有シリコーン樹脂を含むことにより、硬化後の樹脂の架橋密度を更に高め、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が硬くて割れ難くなり、連続成形の際の自動搬送性により一層優れるものとなる。架橋密度を高める観点からは、アルケニル基含有シリコーン樹脂中に存在するアルケニル基の量の上限値は、多いほど好ましく、100モル%であってもよい。アルケニル基の量は、シリコーン樹脂のH−NMRを測定することにより算出することができる。
アルケニル基含有シリコーン樹脂は、ケイ素に直接結合した元素の全量を基準として、アルケニル基を22モル%以上有することが好ましく、23モル%以上有することがより好ましく、24モル%以上有することが更に好ましい。このようなアルケニル基含有シリコーン樹脂を含むことにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が硬くて割れ難くなり、連続成形の際の自動搬送性により一層優れるものとなる。アルケニル基含有シリコーン樹脂中に存在するアルケニル基の量の上限値は、特に制限されないが、30モル%であってもよい。アルケニル基の量は、シリコーン樹脂のH−NMRを測定することにより算出することができる。
アルケニル基含有シリコーン樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の成形性を向上する観点から、200以上であると好ましく、800以上であるとより好ましく、1200以上であると更に好ましい。アルケニル基含有シリコーン樹脂の重量平均分子量は、硬化物の硬さを更に向上する観点から、10000以下であると好ましく、8000以下であるとより好ましく、7000以下であると更に好ましい。すなわち、アルケニル基含有シリコーン樹脂の重量平均分子量は、200〜10000であってもよく、800〜8000であってもよく、1200〜7000であってもよい。
熱硬化性樹脂組成物中の本実施形態に係るアルケニル基含有シリコーン樹脂の含有量は特に限定されない。本実施形態に係るアルケニル基含有シリコーン樹脂は、例えば、シリコーン樹脂の総量100質量部に対して0.001〜70質量部であることが好ましく、0.01〜65質量部であることがより好ましく、0.1〜60質量部であることが更に好ましい。また、本実施形態に係るアルケニル基含有シリコーン樹脂は、樹脂組成物全量を基準として0.0005〜35質量%であることが好ましく、0.008〜30質量%であることがより好ましく、0.01〜20質量%であることが更に好ましい。この範囲であれば、熱硬化性樹脂組成物は成形性により優れる。
アルケニル基含有シリコーン樹脂は、取り扱い性をより向上するために有機溶剤に希釈して用いてもよい。該有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤などが挙げられる。アルケニル基含有シリコーン樹脂の溶解性の観点から、有機溶剤は、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤又は窒素原子含有溶剤であってもよい。
シリコーン樹脂中のアルケニル基含有シリコーン樹脂とヒドロシリル基含有シリコーン樹脂との混合比率は特に限定されないが、強度及び耐熱性を更に高める観点から、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂中のSiH基の数(Y)の、アルケニル基含有シリコーン樹脂成分中のアルケニル基の数(X)に対する比(Y/X、モル比)が、0.3≦Y/X≦3であることが好ましく、0.5≦Y/X≦2であることがより好ましく、0.7≦Y/X≦1.5であることが更に好ましい。
本実施形態に係るシリコーン樹脂は、本発明の奏する効果を阻害しない範囲で、上述したヒドロシリル基含有シリコーン樹脂及びアルケニル基含有シリコーン樹脂と共に、他のシリコーン樹脂を含むことができる。
(シリコーン樹脂(X))
本実施形態にかかる樹脂組成物は、シリコーン樹脂(X)を含有することが好ましい。シリコーン樹脂(X)は、25℃で固体状のシリコーン樹脂である。本明細書において、25℃で固体状とは、軟化点が25℃を超えるものをいう。シリコーン樹脂の軟化点は、例えば、測定装置として、TMA−120型(セイコーインスツル株式会社製、製品名)を用い、測定モードをPenetration(針入モード)とし、昇温速度が10℃/分、荷重が98.1mN(10gf)の条件で測定することができる。シリコーン樹脂(X)を含有することで、樹脂組成物は、タブレット形状とした場合の硬度が高くなり、取扱性に優れるものとなる。
シリコーン樹脂(X)の軟化点は、25℃超であれば特に限定されないが、25℃超180℃以下であることが好ましく、26℃以上150℃以下であることがより好ましい。
この範囲であれば、トランスファー成形に用いる際の取扱いがより容易となる傾向にある。
シリコーン樹脂(X)としては、炭素数1〜12の有機基がケイ素原子に結合しているシリコーン樹脂が好ましく、炭素数1〜8の有機基がケイ素原子に結合しているシリコーン樹脂がより好ましい。該有機基は、炭化水素基であることが好ましく、炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基及びアリール基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基及びキシリル基が挙げられる。これらの基は、水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子等で置換されたハロゲン化炭化水素基であってもよい。シリコーン樹脂の合成の容易さ及び25℃で固体状となり易い観点から、有機基としては、アリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
トランスファー成形性を向上させる観点から、シリコーン樹脂(X)は熱硬化性のシリコーン樹脂であってもよい。熱硬化性のシリコーン樹脂としては、例えば、付加反応が可能な基を有するケイ素化合物が挙げられる。
付加反応が可能な基としては、例えば、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオール基、エポキシ基、アミノ基、スルフィド基及びケイ素原子に結合した水素原子(Si−H)が挙げられる。これらの基の中でも、アルケニル基及び/又はケイ素原子に結合した水素原子を有するケイ素化合物であること、すなわち、ヒドロシリル化が可能な基を有するケイ素化合物が好ましい。
シリコーン樹脂(X)は、RSiO3/2で表される単位を有しているとよく、RSiO3/2で表される単位と、RSiO2/2で表される単位、RSiO1/2で表される単位及びSiO4/2で表される単位から選ばれる少なくとも1種の単位とを有していてもよい。
、R及びR3は、それぞれ独立に1価の有機基を表し、炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基としては、上述した基と同じものが例示される。
シリコーン樹脂の合成の容易さの点から、R、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基であることが好ましく、メチル基又はフェニル基であることがより好ましい。
シリコーン樹脂の軟化点をより高くする観点から、アリール基又はシクロアルキル基を有するシリコーン樹脂が好ましく、工業的な原料の入手性の観点から、フェニル基を有するシリコーン樹脂が好ましい。
本実施形態に係るシリコーン樹脂(X)は、ケイ素原子に結合しているアリール基又はシクロアルキル基の割合が、ケイ素原子に結合している炭化水素基の全量を基準として20モル%以上であるシリコーン樹脂であってもよい。
シリコーン樹脂中に存在するアリール基又はシクロアルキル基の含有割合は、シリコーン樹脂のH−NMRスペクトルを測定することで算出することができる。具体的には、ケイ素原子に結合しているアリール基又はシクロアルキル基に由来するシグナル面積と、ケイ素原子に結合している直鎖状のアルキル基に由来するシグナル面積との比から算出することができる。
シリコーン樹脂(X)におけるアリール基又はシクロアルキル基の含有割合は、20モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることが更に好ましい。アリール基又はシクロアルキル基の含有割合を20モル%以上とすることで、形状が変形し難いシリコーン樹脂タブレットを得易くなる。
本実施形態に係るシリコーン樹脂(X)は、下記のDD/MAS法を用いて測定された固体29Si−NMRスペクトルにおいて、含ケイ素結合単位Q、T及びDを以下の通り規定したとき、Q及びTに由来するシグナル面積と、Dに由来するシグナル面積との比Q+T:Dが1:0〜1:0.5であるシリコーン樹脂であってもよい。
すなわち、Qは、1個のケイ素原子に結合した酸素原子が4個である含ケイ素結合単位を表し、Tは、1個のケイ素原子に結合した酸素原子が3個及び水素原子又は1価の有機基が1個である含ケイ素結合単位を表し、Dは、1個のケイ素原子に結合した酸素原子が2個及び水素原子又は1価の有機基が2個である含ケイ素結合単位を表す。なお、式中のRはそれぞれ独立に1価の有機基を表す。
Q、T及びDにおける「酸素原子」とは、主として2個のケイ素原子間を結合する酸素原子であるが、例えばケイ素原子に結合した水酸基が有する酸素原子である場合も考えられる。また、「有機基」とは、ケイ素原子に結合する原子が炭素原子である1価の有機基であり、例えば炭素数が1〜10の有機基が挙げられる。該有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びN−アリール置換アミノアルキル基が挙げられる。
上記シグナル面積比は、Q+T:Dが1:0〜1:0.5であればよいが、さらに硬度の高いシリコーン樹脂タブレットを得る観点から、Q+T:Dを1:0〜1:0.3としてもよく、1:0〜1:0.2としてもよく、1:0〜1:0.1としてもよい。シグナル面積比を1:0.5以下とすることにより、自動搬送性に優れるタブレットを得易くなる。
シグナル面積比を確認するための固体29Si−NMRの測定手法は特に限定されず、例えば、CP/MAS法とDD/MAS法が挙げられるが、本実施形態においては定量性の点からDD/MAS法を採用している。
ところで、Roychen Josephらは、Macromolecules、1996、29、p.1305−1312において、固体29Si−NMRを用いて、コロイダルシリカとポリメタクリル酸メチルとのコンポジットの構造解析を報告している。また、荒又らは、BUNSEKI KAGAKU、1998、47、pp.971−978において、固体29Si−NMRを用いて、シリコーンゴム中のシリカ−シロキサン界面分析を報告している。固体29Si−NMRスペクトルの測定に当たっては、これらの報告を適宜参照することができる。
固体29Si−NMRスペクトルにおける含ケイ素結合単位Q、T及びDの化学シフトは、Q単位:−90〜−120ppm、T単位:−45〜−80ppm、D単位:0〜−40ppmの範囲にそれぞれ観察されるため、含ケイ素結合単位Q、T及びDのシグナルを分離し、各単位に由来するシグナル面積を計算することが可能である。なお、スペクトル解析に際しては、解析精度向上の点から、Window関数として指数関数を採用し、なおかつLine Broadening係数を0〜50Hzの範囲に設定することができる。
シグナル面積は、一般的なスペクトル解析ソフト(例えば、ブルカー社製のNMRソフトウェア「TopSpin」(登録商標)等)を用いて算出することができる。
シリコーン樹脂(X)の数平均分子量(Mn)は、トランスファー成形時の流動性の観点から3000未満が好ましく、2000未満がより好ましく、1500未満が更に好ましい。シリコーン樹脂(X)のMnは、700以上であってもよい。
数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法に従って標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した値を指す。具体的には、GPC測定装置としてポンプ(株式会社日立製作所製L−6200型)、カラム(TSKgel−G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL、いずれも東ソー株式会社製、製品名)、検出器(株式会社日立製作所製L−3300RI型)を使用し、溶離液としてテトラヒドロフランを使用し、温度30℃、流量1.0mL/分の条件で、Mnを測定することができる。
(硬化触媒)
反応性の観点から、本実施形態の樹脂組成物中にはシリコーン樹脂のヒドロシリル化反応を促進する硬化触媒を含有することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、カルステッド触媒;白金の単体;担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体;白金−オレフィン錯体;白金−ビニルシロキサン錯体;白金−ホスフィン錯体;白金−ホスファイト錯体及びジカルボニルジクロロ白金が挙げられる。これらの硬化触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
白金−オレフィン錯体としては、例えば、Pt(CH=CH(PPh及びPt(CH=CHClが挙げられる。白金−ビニルシロキサン錯体としては、例えば、白金−2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体及び白金−1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金−ホスフィン錯体としては、例えば、白金−(PPh及び白金−(PBuが挙げられる。白金−ホスファイト錯体としては、例えば、白金−[P(OPh)及び白金−[P(OBu)が挙げられる。式中、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
これらの硬化触媒の中でも、触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体又は白金−ビニルシロキサン錯体が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物中に含まれる硬化触媒の量は特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の硬化性をより向上する観点から、シリコーン樹脂の総量100質量部に対して、0.005〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.3質量部がより好ましく、0.01〜0.2質量部が更に好ましい。また、樹脂組成物全体に対する硬化触媒の量は、硬化性をより向上する観点から、金属重量換算で0.01〜3ppmであると好ましく、0.05〜2.5ppmであるとより好ましく、0.08〜2.2ppmであると更に好ましい。
(顔料)
本実施形態にかかる熱硬化性樹脂組成物には、その硬化物に用途に応じた色を付加するために、顔料を含有していても良い。本実施形態に係る顔料は、作製される熱硬化性樹脂組成物の硬化物の使用目的に応じて選択することができる。顔料としては、例えば、白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、紫(菫)色顔料、青色顔料及び緑色顔料が挙げられる。顔料は、アゾ顔料、レーキ顔料又は蛍光顔料であってもよい。なお、本明細書では「顔料」とは、熱硬化性樹脂組成物の硬化物に色を付加するために用いられるものであればよく、粒子の大きさ、溶媒への溶解性等は特に限定されない。
黒色顔料としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。赤色顔料としては、例えば、鉛丹、酸化鉄赤、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノン、ペリレン、ペリノン及びインジゴイドが挙げられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛及び亜鉛黄が挙げられる。青色顔料としては、例えば、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)、フタロシアニンブルー、アントラキノン及びインジゴイドが挙げられる。橙色顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール、ペリレン、アントラキノン、ペリノン、キナクリドン及びインジゴイドが挙げられる。紫(菫)色顔料としては、例えば、ジオキサジン、キナクリドン、ペリレン、インジゴイド、アントラキノン及びキサンテンが挙げられる。緑色顔料としては、例えば、フタロシアニン、アゾメチン及びペリレンが挙げられる。これらの顔料は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂組成物に光反射特性が求められる場合、顔料として白色顔料を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂組成物が白色顔料を含むことにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物は優れた反射率を有することとなり、光半導体素子搭載用基板に備えられる光反射用材料として用いた場合に、高輝度の光半導体装置を得ることができる。
白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、より良好な光反射性を得る観点からは、酸化チタン、アルミナ及び酸化亜鉛が好ましい。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。後述する中空粒子と併用することも好ましい。
白色顔料の屈折率は特に限定されないが、1.6〜3.0であることが好ましく、1.8〜3.0であることがより好ましく、2.0〜3.0であることが更に好ましい。屈折率が1.6〜3.0の範囲にある白色顔料としては、屈折率2.5〜2.7の酸化チタン、屈折率1.9〜2.0の酸化亜鉛、屈折率1.6〜1.8のアルミナ、屈折率1.7の酸化マグネシウム、屈折率2.4の酸化ジルコニウム、屈折率1.6の水酸化アルミニウム、屈折率1.6の水酸化マグネシウムが挙げられる。これらの中でも、屈折率のより高い酸化チタンを含むことが好ましい。白色顔料は、光反射用熱硬化性樹脂組成物中に含有される熱硬化性樹脂の屈折率よりも大きい屈折率を有するものを用いることで、樹脂組成物の硬化物の光反射率を高くすることができる。なお、本明細書における屈折率は、波長540nmの光で測定した値である。
上記酸化チタンは、酸化チタン(TiO)としての含有量が80〜97重量%に調整された微小粒子系の酸化チタンをベースに、特定の表面処理剤で表面処理されたものであることが好ましい。酸化チタンの表面処理剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の金属酸化物;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機物が挙げられる。シリカ、アルミナ及びジルコニアから選ばれた少なくとも一種、又はシリカ、アルミナ、ジルコニア及び有機物から選ばれた少なくとも一種で表面処理された酸化チタンが好ましい。熱硬化性樹脂との密着性を向上させる観点から、エポキシシラン等のシランカップリング剤を用いてさらに表面を有機処理してもよい。酸化チタンの結晶型としては、屈折率2.7のルチル型、屈折率2.5のアナターゼ型及び屈折率2.6のブルッカイト型がある。酸化チタンの結晶型は特に限定されないが、屈折率及び光吸収特性の観点からルチル型が好ましい。
酸化チタンは、市販品を入手して使用することができる。ルチル型酸化チタンとして、例えば、堺化学工業社製の商品名:D−918、FTR−700、石原産業社製の商品名:タイペークCR−50、CR−50−2、CR−60、CR−60−2、CR−63、CR−80、CR−90、CR−90−2、CR−93、CR−95、CR−97、テイカ社製の商品名:JR−403、JR−805、JR−806、JR−701、JR−800、冨士チタン工業社製の商品名:TR−600、TR−700、TR−750、TR−840、TR−900が挙げられる。ここで、酸化チタンは、原料となる天然物を、公知の硫酸法又は塩酸法で製造して得られる。硫酸法又は塩酸法のそれぞれから得られる酸化チタンは、屈折率が同等であるにもかかわらず、製造時に処理液から混入する元素の違いにより、酸化チタンの色、すなわち反射スペクトル特性が異なるものが得られる。通常、塩酸法から得られる酸化チタンは波長460〜800nmの光反射率が高く、硫酸法から得られる酸化チタンは波長460〜800nmの光反射率が前者に劣る。特に本発明の光半導体装置に光反射用熱硬化性樹脂組成物を使用する際、光反射用熱硬化性樹脂組成物に含まれる酸化チタンは波長460〜800nmの光反射率が高い塩酸法で製造されるものを用いることが好ましい。
白色顔料の中心粒径は、光反射用熱硬化性樹脂組成物中における分散性の観点から、0.1〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.1〜5μmであることが更に好ましい。白色顔料の中心粒子径を上記の範囲内とすることにより、表面反射率の高い成形品を与える光反射用熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
白色顔料の配合量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して70〜400質量部であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましく、130質量部以上であることが更に好ましく、130〜380質量部であることが特に好ましい。また、光反射用熱硬化性樹脂組成物をトランスファー成形用として使用する場合には、熱硬化性樹脂100質量部に対して、70〜400質量部であることが好ましく、基板コーティング用として使用する場合には、130〜400質量部であることが好ましい。無機酸化物の配合量を調整することで、樹脂組成物の硬化物の光反射率を調整することができる。無機酸化物の配合量が70質量部未満では、光反射用熱硬化性樹脂組成物から形成される硬化物の光漏れ特性が十分に得られ難い傾向があり、400質量部を超えると光反射用熱硬化性樹脂組
成物の成型性が低下する傾向がある。
(中空粒子)
本実施形態にかかる熱硬化性樹脂組成物は中空粒子を含む。中空粒子は、内部に空隙部を有する粒子であり、外殻を構成する物質は特に限定されない。中空粒子は、入射光を表面及び内壁で屈折及び反射するため、白色顔料として有用である。中空粒子としては、無機中空粒子、有機中空粒子等が挙げられる。無機中空粒子としては、無機ガラス、シリカ等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸カルシウム、炭酸ニッケル等の金属塩などを好適に用いることができ、具体的には、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラスの粒子等が挙げられる。有機中空粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂及びこれらの架橋体を好適に用いることができる。耐熱性及び耐圧強度が高く、熱処理や樹脂組成物調整工程での粒子の破壊をより抑制する観点から、中空粒子の外殻は、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材質から構成されることが好ましい。
中空粒子の粒径は限定されないが、0.1〜100μmの範囲の粒子を含有することが好ましく、0.1〜50μmであることがより好ましく、0.1〜30μmであることがさらに好ましい。中空粒子の粒径が0.1μm以上であれば分散性がより良好となり、100μm以下であれば成形体の薄型化がより行いやすくなり、さらに必要に応じて添加される他の充填剤に対する分散性がより良好になる。中空粒子の粒径は、粒度分布を測定することで確認できる。
中空粒子の配合量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して10〜80質量部となる割合であることが好ましく、10〜70質量部であることがより好ましく、10〜60質量部であることがさらに好ましい。10〜80質量部であれば、光反射率がより良好となり、硬化物の曲げ強度や硬度をより高めることができる。
中空粒子の空隙部は屈折率が1.0〜1.1であることが好ましい。屈折率が上記範囲であれば、中空粒子外殻を透過した光が中空粒子内部でより屈折又は反射されるため、光反射率をより高めることができる。このような媒質としては、通常、空気が好ましいが、窒素やアルゴンなどの不活性ガスであってもよく、これらの混合気体であっても良い。
(屈折率の測定方法)
本実施形態に係る屈折率は、温度25℃におけるd線(587.562nm、He)の光に対する値を示すものである。屈折率は、臨界角法、プリズムカップリング法、ベッケ法、vブロック法等の原理に従い、種々の屈折計を用いて測定することができる。測定装置としては、分光計、アッベ屈折計、プルリッヒ屈折計、エリプソメーターが挙げられる。屈折率の測定方法は、測定対象物の性状(固体、液体等)に合わせて選択することができる。また、測定対象物が固体である場合には、その形状が薄膜、バルク又は粉体により屈折率の測定方法を選択することができる。例えば、測定対象物が固体の場合、測定対象物を公知の方法で薄膜化してアッベ屈折計又はエリプソメーターを用いて測定することができる。無機酸化物等の白色顔料の屈折率は、白色顔料を構成する成分の形状(バルクや薄膜)における測定値を適用してもよい。白色顔料が粉体である場合には、ベッケ法が用いられる。本明細書において、熱硬化性樹脂の屈折率は、Vブロック法(測定装置:KPR、カルニュー光学製)により、白色顔料の屈折率は、ベッケ法(標準溶液と比較する方法)により測定したものである。なお、中空粒子については、空気や不活性ガスによって空隙部が満たされているため、空隙部の屈折率として、空気又は不活性ガスの屈折率に相当する「1.0〜1.1」の数値を適用することができる。
(その他の成分)
熱硬化性樹脂組成物は、上述した成分以外に、無機充填剤、カップリング剤、硬化遅延剤、シリコーン樹脂以外の熱硬化性樹脂、酸化防止剤、離型剤、分散剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤を更に含有することができる。
線膨張率を低減させる等の観点から、熱硬化性樹脂組成物は無機充填材を含有することが好ましい。無機充填剤としては、例えば、シリカ、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
なお、本明細書では、顔料及び無機充填剤の両方の効果を奏する物質については、原則として顔料に帰属するものとする。ただし、熱硬化性樹脂組成物が顔料及び無機充填剤の両方の効果を奏する物質を2種類以上含有する場合、当該物質のうち1種類を無機充填剤に帰属するものとする。無機充填剤に帰属する物質は、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを除く物質が優先される。
無機充填剤の粒径は、顔料とのパッキング効率を向上させる観点から、0.1〜100μmの範囲の粒子を含むことが好ましく、0.4〜80μmの範囲の粒子を含むことがより好ましく、0.5〜75μmの粒子を含むことが更に好ましい。熱硬化性樹脂組成物における無機充填剤の含有量は、成形性をより向上する観点から、熱硬化性樹脂組成物の硬化後に固形分となる成分全量を基準として、4〜85質量%の範囲であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、20〜80質量%であることが更に好ましい。
硬化物の強度及び硬度をより向上する観点から、熱硬化性樹脂組成物に含まれる中空粒子、無機充填剤及び顔料の合計量は、樹脂組成物全量を基準として6〜98質量%であることが好ましく、15〜95質量%であることがより好ましく、30〜90質量%であることが更に好ましい。
熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じてカップリング剤が添加されていてもよい。カップリング剤を含有させることで、シリコーン樹脂と、顔料、無機充填剤等の無機成分との界面接着性を向上させることができる。カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系等の公知の化合物を用いることができる。カップリング剤は、上記シランカップリング剤の複合系であってもよい。カップリング剤の使用量は、硬化性を向上させる観点から、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として0.01〜5質量%とすることが好ましい。顔料又は無機充填剤が予め上記カップリング剤で処理されていてもよい。
熱硬化性樹脂組成物には、保存安定性の改良、反応性の調整等の観点から、硬化遅延剤を添加してもよい。硬化遅延剤としては、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物及び有機過酸化物が挙げられる。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパルギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で、無色、又は、淡黄色のような比較的着色していないものが好ましい。硬化遅延剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化遅延剤の添加量は、使用する硬化触媒1molに対し、0.1〜100molの範囲が好ましく、1〜50molの範囲がより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物には、特性を改質する目的で、シリコーン樹脂以外の熱硬化性樹脂を特性に悪影響を及ぼさない範囲で添加することが可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ウレタン樹脂等が例示されるが、これに限定されるものではない。これらのうち、金属部品との接着性等に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。上記熱硬化性樹脂としては、無色、又は、淡黄色のような比較的着色していないものが好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサフルオロビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが挙げられる。耐熱性及び耐紫外線性の観点から、脂環式エポキシ樹脂が好ましく、同様の観点からトリグリシジルイソシアヌレートがより好ましい。
エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤を更に含有することが好ましい。耐熱変色性の観点から、硬化剤は酸無水物系硬化剤が好ましく、酸無水物系硬化剤としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、脂肪族酸(シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸等)の無水物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂又は硬化剤は、それぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
(熱硬化性樹脂組成物の特性)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を光反射材料として用いる場合、硬化後の光反射率が、波長440〜700nmのいずれかにおいて80%以上となることが好ましい。光反射率が80%以上であれば、光半導体装置の輝度をより向上できる。また、青色発光ダイオードを用いた光半導体装置に好適とする観点から、硬化後の波長460nmにおける光反射率が、80%以上となることが好ましく、90%以上となることがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物を光反射材料として用いる場合、耐熱着色性を良好にする観点から、硬化物の光反射率は、150℃の環境下に1000時間晒す耐熱性試験後、波長440〜700nmのいずれかにおいて80%以上であることが好ましい。また、青色発光ダイオードを用いた光半導体装置に好適とする観点から、上述の耐熱性試験後の測定時に、波長460nmにおける光反射率が85%以上となることがより好ましく、90%以上となることが更に好ましい。このような熱硬化性樹脂組成物の光反射特性は、樹脂組成物を構成する各種成分の配合量を適切に調整することによって実現することができ、より具体的には、例えば、無色の熱硬化樹脂成分と高屈折率の白色顔料とを高充填することで達成できる。なお、本明細書において、特筆しない限り、光反射率は、厚み0.3mmの硬化物を作製し、積分球型分光光度計を用いて測定した値である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化後のタイプDデュロメータ硬さが40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、55以上であることが更に好ましい。硬さが40以上であれば成形体の強靭性がより良好となる。硬さの上限値は特に限定されないが、100程度とすることができる。なお、タイプDデュロメータ硬さは、JIS K 6253−3:2012に記載された方法に準じて測定でき、温度180℃、圧力14MPa、硬化時間300秒の条件でトランスファー成形した後の厚み3mmの成形体の硬さを測定したものである。
割れ又はクラックを低減する観点から、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化後の破断強度が15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、25以上であることが更に好ましい。破断強度は、JIS K 7171:2008に準じて、温度180℃、圧力14MPa、硬化時間300秒の条件でトランスファー成形した後の厚み4mmの試験片の三点曲げ破断試験を室温で行ったときの値である。
[熱硬化性樹脂組成物の製造方法]
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような混練工程及び粉砕工程を備えていてもよい。
(混練工程)
熱硬化性樹脂組成物は、先に例示した各種成分を均一に分散混合することによって調製することができ、混合手段、混合条件等は特に制限されない。調製方法としては、例えば、ミキシングロール、押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー、らいかい機、自転と公転を組み合わせた攪拌混合機等の装置を用いて各種成分を混練する方法が挙げられる。混練形式についても特に限定されないが、作業が容易な観点から溶融混練とすることが好ましく、工程の簡略化の観点から、混練は15〜30℃で実施されることが好ましい。加熱を要する際は、例えば、30〜100℃の温度範囲であってもよい。溶融混練の温度が30℃以上であると、各種成分をより十分に溶融混練することが可能であり、分散性がより向上する傾向がある。一方、溶融混練を100℃以下で実施すると、樹脂組成物の高分子量化をより抑制でき、基板等の成形品を成形する前に樹脂組成物が硬化してしまうことをより抑制できる。混錬時間は5〜40分間であってもよく、10〜30分間であってもよい。溶融混練の時間が5分間以上であると、基板等の成形時に金型から樹脂が染み出すことをより抑制でき、40分間以内であると、樹脂組成物の高分子化を制御し易く、成形前に樹脂組成物が硬化することをより抑制できる。
混練工程では、まず、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂及びアルケニル基含有シリコーン樹脂を予め混合する予備混合を行い、その後、他の成分を加えて、上記の混合を行ってもよい。予備混合を行うことで得られる熱硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性が向上し、成形時の成形性により優れるものとなる。予備混合の際に用いるヒドロシリル基含有シリコーン樹脂及びアルケニル基含有シリコーン樹脂は、熱硬化性樹脂組成物に用いるうちの一部分であってもよく、全量であってもよい。
混練工程を行った熱硬化性樹脂組成物は後述の乾式粉砕を行えるような状態とすることが好ましい。そのため、必要に応じて熱硬化性樹脂組成物を冷却する工程を行ってもよい。
(粉砕工程)
粉砕工程では、例えば、熱硬化性樹脂組成物を乾式粉砕する。乾式粉砕は、例えば、高速攪拌ミル、ヘンシェルミキサ、パワーミル、ジェットミル、ロールグラニュレータ等の粉砕装置を用いて行うことができる。これらの粉砕装置は、目的の粉末粒径により使い分けることができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、タブレット状に加工されていることが好ましい。本明細書におけるタブレット状とは、一定した形状を保持し、例えば、30分程度放置した場合に経時的な形状の変化が実質的にない固体状であることを意味する。タブレット状に加工されていることで、取扱い性がより向上し、当該熱硬化性樹脂組成物を用いたトランスファー成形、コンプレッション成形等の効率を高めることが可能となる。本実施形態に係るタブレットの形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状、円盤状、球状等の形状を含むが、取扱性の観点から円柱状が好ましい。
タブレット成形条件は特に限定されないが、例えば、室温で、0.5〜60MPa、1〜15秒間程度の条件において加圧成形することでタブレット状熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。なお、上記タブレット成形のための加圧成形は、後述するトランスファー成形又はコンプレッション成形とは明確に異なる工程である。
本実施形態に係るタブレット状熱硬化性樹脂組成物は、タイプAデュロメータ硬さが50以上であることが好ましく、55以上であることがより好ましく、60以上であることが更に好ましい。硬さが50以上であればタブレットが変形しづらく、ハンドリング性がより良好となる。タブレット状熱硬化性樹脂組成物の硬さは硬いほどよいため、タイプAデュロメータ硬さの上限値は特に限定されないが、100程度とすることができる。なお、タイプAデュロメータ硬さは、タブレット状熱硬化性樹脂組成物を25℃で3分静置した後に測定した値であることが好ましい。
タイプAデュロメータ硬さは、JIS K 6253−3:2012に記載された方法に準じて測定することができる。本明細書においては、タイプAデュロメータの針をタブレット状熱硬化性樹脂組成物に押しあて、1分後の値を読み取って得られる値をタイプAデュロメータ硬さと定義する。
表面タック性を低減させる観点から、タブレット状熱硬化性樹脂組成物の表面を充填剤で被覆してもよい。被覆に用いる無機充填剤は特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物に含有することのできる無機充填剤と同様のものが挙げられる。
充填剤を被着体に被覆する方法については、タブレット状熱硬化性樹脂組成物と接触しうる方法であれば、特に制限は無い。例えば、容器又は袋に充填剤を入れ、機械を用いて振動によりタブレット状熱硬化性樹脂組成物に充填剤を被覆する方法及び手動でふり掛ける方法が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、高い耐熱性を必要とする電気絶縁材料、光半導体封止材料、接着材料、塗料材料並びにトランスファー成形又はコンプレッション成形用エポキシ樹脂成形材料等様々な用途において有用である。特に、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、トランスファー成形用の材料として有用である。なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、光反射用途に用いる場合白色であることが好ましい。
[硬化物]
本実施形態の硬化物は、上述の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させることで形成することができる。熱硬化の条件は特に限定はないが、例えば、温度170〜200℃で、60〜300秒間加熱することにより硬化できる。熱硬化は後述の成形法に含まれる工程の一部として行ってもよい。
[光半導体素子搭載用基板]
本実施形態に係る光半導体素子搭載用基板は、底面及び壁面から構成される凹部を有する。凹部の底面が光半導体素子搭載部(光半導体素子搭載領域)であり、凹部の壁面、すなわち凹部の内周側面の少なくとも一部が本実施形態の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体からなるものである。
図1は、光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。光半導体素子搭載用基板110は、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105(第1の接続端子及び第2の接続端子)と、金属配線105(第1の接続端子及び第2の接続端子)間に設けられた絶縁性樹脂成形体103’と、リフレクター103とを備え、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105及び絶縁性樹脂成形体103’とリフレクター103とから形成された光半導体素子搭載領域(凹部)200を有している。この凹部200の底面は、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105及び絶縁性樹脂成形体103’から構成され、凹部200の壁面はリフレクター103から構成される。リフレクター103及び絶縁性樹脂成形体103’が、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を用いて形成された成形体である。
光半導体素子搭載用基板の製造方法は特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物を用いたトランスファー成形又はコンプレッション成形により製造することができる。図2は、光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。光半導体素子搭載用基板は、例えば、金属箔から打ち抜き、エッチング等の公知の方法により金属配線105を形成し、電気めっきによりNi/Agめっき104を施す工程(図2の(a))、次いで、該金属配線105を所定形状の金型151に配置し、金型151の樹脂注入口150から熱硬化性樹脂組成物を注入し、所定の条件でトランスファー成形又はコンプレッション成形する工程(図2の(b))、そして、金型151を外す工程(図2の(c))を経て製造することができる。
このようにして、光半導体素子搭載用基板には、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるリフレクター103に周囲を囲まれてなる光半導体素子搭載領域(凹部)200が形成される。また、凹部200の底面は、第1の接続端子となる金属配線105及び第2の接続端子となる金属配線105と、これらの間に設けられ熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁性樹脂成形体103’とから構成される。例えば、上記リフレクターをトランスファー成形で形成する場合、成形条件としては、成形温度120〜200℃、成形圧力0.5〜25MPaで、60〜600秒間、アフターキュア温度120℃〜180℃で1〜3時間とすることが好ましい。十分な硬化を行う観点からは、金型温度は150〜190℃がより好ましく、成形圧力は12〜20MPaがより好ましい。また、上記リフレクターをコンプレッション成形で形成する場合、十分な硬化を行う観点からは、成形温度は120〜200℃、成形時間30〜600秒、特に成形温度130〜160℃で成形時間120〜300秒で行うことが好ましい。
リフレクター103の色は限定されず、用いる顔料の種類によって適宜決定できるが、光反射率を更に高める観点からは白色であることが好ましい。
[光半導体装置]
本実施形態に係る光半導体装置は、上記光半導体素子搭載用基板と、当該光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子とを有する。より具体的な例として、上記光半導体素子搭載用基板と、光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、凹部を充填して光半導体素子を封止する封止樹脂部とを備える光半導体装置が挙げられる。
図3は、光半導体素子搭載用基板110に光半導体素子100を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。図3に示すように、光半導体素子100は、光半導体素子搭載用基板110の光半導体素子搭載領域(凹部)200の所定位置に搭載され、金属配線105とボンディングワイヤ102により電気的に接続される。図4及び図5は、光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図4及び図5に示すように、光半導体装置は、光半導体素子搭載用基板110と、光半導体素子搭載用基板110の凹部200内の所定位置に設けられた光半導体素子100と、凹部200を充填して光半導体素子を封止する蛍光体106を含む透明封止樹脂101からなる封止樹脂部とを備えており、光半導体素子100とNi/Agめっき104が形成された金属配線105とがボンディングワイヤ102又ははんだバンプ107により電気的に接続されている。
図6もまた、光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図6に示す光半導体装置では、リフレクター303が形成されたリード304上の所定位置にダイボンド材306を介してLED素子300が配置され、LED素子300とリード304とがボンディングワイヤ301により電気的に接続され、蛍光体305を含む透明封止樹脂302によりLED素子300が封止されている。
図5及び図6では光半導体素子が1つ設けられた光半導体装置の実施形態を示したが、凹部内に光半導体素子が2つ以上設けられていてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体は光反射樹脂層として用いることができる。この実施形態として、銅張積層板、光半導体素子搭載用基板及び光半導体素子について説明する。
本実施形態に係る銅張積層板は、上述した熱硬化性樹脂組成物を用いて形成された樹脂層と、該樹脂層上に積層された銅箔と、を備える。
図7は、銅張積層板の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図7に示すように、銅張積層板400は、基材401と、該基材401上に積層された樹脂層402と、該樹脂層402上に積層された銅箔403と、を備えている。ここで、樹脂層402は、上述した本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されている。基材401としては、銅張積層板に用いられる基材を特に制限なく用いることができるが、例えば、エポキシ樹脂積層板等の樹脂積層板及び光半導体素子搭載用基板が挙げられる。
銅張積層板400は、例えば、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物を基材401表面に形成し、銅箔403を重ね、加熱加圧硬化して樹脂層402を形成することにより作製することができる。基材401表面への形成方法は限定されず、例えば直接塗布する方法、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物を含む樹脂付き銅箔をプレス又はラミネートにより積層する方法等が挙げられる。加熱加圧の条件としては、特に限定されないが、例えば、130〜180℃、0.5〜4MPa、30〜600分間の条件が好ましい。
上記銅張積層板を使用し、光半導体素子実装用等の光学部材用プリント配線板を作製することができる。なお、図7に示した銅張積層板400は、基材401の片面に樹脂層402及び銅箔403を積層したものであるが、銅張積層板は、基材401の両面に樹脂層402及び銅箔403をそれぞれ積層したものであってもよい。
図8は、銅張積層板を用いて作製された光半導体装置の一例を示す模式断面図である。図8に示すように、光半導体装置500は、光半導体素子410と、該光半導体素子410が封止されるように設けられた封止樹脂404とを備える表面実装型光半導体装置である。光半導体装置500において、光半導体素子410は、接着層408を介して銅箔403に接着されており、ボンディングワイヤ409により銅箔403と電気的に接続されている。
さらに、光半導体素子搭載用基板の他の実施形態として、上述した熱硬化性樹脂組成物を用いて、基材上の複数の導体部材(接続端子)間に形成された樹脂層を備える光半導体素子搭載用基板が挙げられる。また、光半導体装置の他の実施形態は、上記の光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載してなるものである。
図9は、光半導体装置の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図9に示すように、光半導体装置600は、基材601と、該該基材601の表面に形成された複数の導体部材602と、複数の導体部材(接続端子)602間に形成された樹脂層603と、を備える光半導体素子搭載用基板に、光半導体素子610が搭載され、該光半導体素子610が封止されるように透明な封止樹脂604が設けられた、表面実装型光半導体装置である。光半導体装置600において、光半導体素子610は、接着層608を介して導体部材602に接着されており、ボンディングワイヤ609により導体部材602と電気的に接続されている。樹脂層603は、上述した熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されている。
基材601としては、光半導体素子搭載用基板に用いられる基材を特に制限なく用いることができるが、例えば、エポキシ樹脂積層板等の樹脂積層板が挙げられる。導体部材602は、接続端子として機能するものであり、例えば、銅箔をフォトエッチングする方法等、公知の方法により形成することができる。光半導体素子搭載用基板は、熱硬化性樹脂組成物を基材601上の複数の導体部材602間にトランスファー成形し、加熱硬化して上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層603を形成することにより作製することができる。トランスファー成形された熱硬化性樹脂組成物からなる層を加熱硬化する際の加熱条件としては、特に限定されないが、例えば、130〜200℃、30〜600分間の条件で加熱を行うことが好ましい。
その後、導体部材602表面に余分に付着した樹脂成分は、バフ研磨等により除去し、導体部材602からなる回路を露出させ、光半導体素子搭載用基板とする。また、樹脂層603と導体部材602との密着性を確保するために、導体部材602に対して酸化還元処理、CZ処理(メック株式会社製)等の粗化処理を行なってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記形態に制限されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、上記合成例、実施例及び比較例における各特性の測定方法は下記のとおりである。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
シリコーン樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて下記条件で測定した。
(GPC条件)
ポンプ:L−6200型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:TSKgel―G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL(東ソー株式会社製、商品名)
検出器:L−3300RI型(株式会社日立製作所製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:30℃
流量:1.0mL/分とした。
(アルケニル基含有量の測定)
「FT−NMR AV400M」(ブルカー・バイオスピン株式会社製、商品名)を用いて、シリコーン樹脂のH−NMR測定を行い、シリコーン樹脂中のアルケニル基及びアルキル基の含有量を測定した。測定条件は、シリコーン樹脂を0.5質量%含むように調整した重クロロホルム溶液を用い、積算回数(NS)を32とした。
(アルケニル基当量の測定)
JIS K 0070:1992に従い、ヨウ素価を測定した。測定されたヨウ素価及び(1)にて測定した重量平均分子量からアルケニル基当量を算出した。
<シリコーン樹脂の合成>
以下の手順に従い、アルケニル基含有シリコーン樹脂、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂及びメチルフェニルシリコーン樹脂を得た。
(合成例1)
フェニルトリクロロシラン100g、両末端ジメチルクロロシラン−ポリジメチルシロキサン53g及びメチルビニルジクロロシラン8.5gをトルエン200gに溶解した溶液を、発熱しないようにゆっくり水1000g中に滴下し加水分解した。次いで、還流条件で60分攪拌した後、有機層を水酸化カリウムで中和し、共沸脱水後、トルエン等の溶剤を留去し、無色液状のアルケニル基含有シリコーン樹脂を得た。Mwは3685であり、アルケニル基当量1585g/molであった。
(合成例2)
ビニルトリメトキシシラン425g、メチルトリエトキシシラン1.2g、イソプロピルアルコール120g、トルエン240g、濃塩酸1.18g及び蒸留水31.4gを1000mlフラスコに加えて、170℃で時間にわたって還流しながら攪拌した。次にトルエンを減圧留去し、無色透明のアルケニル基含有シリコーン樹脂を得た。得られた樹脂は50%のアセトン溶液として保存した。Mwは4000であり、アルケニル基当量は85であった。
(合成例3)
フェニルトリクロロシラン100g、両末端ジメチルクロロシラン−ポリジメチルシロキサン53g及びメチルジクロロシラン6.9gをトルエンに溶解した溶液を、発熱しないようにゆっくり水1000g中に滴下し加水分解した。次いで、還流条件で60分攪拌した後、有機層を水酸化カリウムで中和し、共沸脱水後、トルエン等の溶剤を留去し、無色透明のヒドロシリル基含有シリコーン樹脂を得た。Mwは3865であった。
(合成例4)
メチルトリエトキシシラン89.2g、フェニルトリエトキシシラン99g、イソプロピルアルコール23.6g、トルエン23.6g、濃塩酸0.28g及び蒸留水36gを500mLフラスコに加えて、110℃で3時間にわたって還流しながら攪拌した。次に、トルエンを減圧留去することにより無色固形のメチルフェニルシリコーン樹脂を得た。次いでトリエトキシハイドロシラン23gを加えて、170℃で3時間にわたって加熱反応しアルコキシシランを縮合して得られたシリコーン樹脂の軟化点は89℃であり、Mwは2600であり、ケイ素原子に結合しているアリール基の割合は34%であった。
<光反射用熱硬化性樹脂組成物の調整>
表1及び表2に示す配合割合に従って、各成分を配合し、らいかい機によって室温で十分に混練分散することによって粉末状の熱硬化性白色樹脂組成物を得た。
<熱硬化物の成型>
実施例1〜6、比較例1〜2で得られた熱硬化性樹脂組成物を、金型温度180℃、圧力14MPa、硬化時間300秒の条件でトランスファー成型し、厚さ3mm、厚さ0,6mm、厚さ0.3mmの三種類の試験片を作製した。
<初期反射率の測定>
上記で得られた熱硬化物の試験片を用い、積分球型分光硬度計CM600d(コニタミノルタ株式会社製)を用いて、波長460nmにおける光反射率を測定した。また、厚み3.0mmの試験片で測定した初期反射率(R)に対する厚み0.3mmの試験片で測定した初期反射率(R)の差((R−R)/R)を算出した。
Figure 2017206652
Figure 2017206652
なお、表1及び表2中、*1〜9の詳細は以下のとおりである。
*1:アルケニル基含有シリコーン樹脂(合成例1)
*2:アルケニル基含有シリコーン樹脂(合成例2)
*3:ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSF484)
*4:ヒドロシリル基含有熱硬化性シリコーン樹脂(合成例3)
*5:メチルフェニルシリコーン樹脂(合成例4、シリコーン樹脂(X))
*6:トリメトキシビニルシラン(信越化学株式会社製、商品名:KBM−1003)
*7:白金(0)−2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体(和光純薬工業株式会社製、白金1.7質量%)
*8:溶融シリカ(デンカ株式会社製、商品名:FB−950、中心粒径26μm)
*9:溶融シリカ(デンカ株式会社製、商品名:S440−4、中心粒径6μm)
*10:溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:SO−25R、中心粒径1μm)
*11:酸化チタン(石原産業株式会社製、商品名:CR63、中心粒径0.2μm)
*12:酸化亜鉛(株式会社アドマッテクス製、商品名AO−802)
*13:中空粒子(住友スリーエム社製、商品名:S60−HS、中心粒径27μm、空隙部の屈折率1.0〜1.1)
*14:中空粒子(住友スリーエム社製、商品名:iM30K、中心粒径15μm、空隙部の屈折率1.0〜1.1)
表1及び表2に示すとおり、厚さ3mmから厚さ0.3mmへ成形体を薄型化した際の反射率の低減について、中空粒子を含有しない比較例1及び2よりも実施例1〜6のほうが高度に抑制できていることが確認できた。
本発明によれば、薄厚でも十分な反射率を備える硬化物を形成することができる熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに、光半導体装置を提供することができる。
100…光半導体素子、101…透明封止樹脂、102…ボンディングワイヤ、103…リフレクター、103’…絶縁性樹脂成形体、104…Ni/Agめっき、105…金属配線、106…蛍光体、107…はんだバンプ、110…光半導体素子搭載用基板、150…樹脂注入口、151…金型、200…光半導体素子搭載領域、300…LED素子、301…ボンディングワイヤ、302…透明封止樹脂、303…リフレクター、304…リード、305…蛍光体、306…ダイボンド材、400…銅張積層板、401…基材、402…樹脂層、403…銅箔、404…封止樹脂、408…接着層、409…ボンディングワイヤ、410…光半導体素子、500,600…光半導体装置、601…基材、602…導体部材、603…樹脂層、604…封止樹脂、608…接着層、609…ボンディングワイヤ、610…光半導体素子。

Claims (13)

  1. ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂、アルケニル基含有シリコーン樹脂及び空隙部の屈折率が1.0〜1.1である中空粒子を含む熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記中空粒子の外殻が、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記中空粒子が粒径0.1〜100μmの粒子を含む請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記中空粒子の含有量が、熱硬化性樹脂合計100質量部に対して10〜80質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. さらに酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の顔料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. タブレット状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から形成される、硬化物。
  8. 底面及び壁面から構成される凹部を有し、当該凹部の前記底面が光半導体素子の搭載部であり、前記凹部の前記壁面の少なくとも一部に請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体を有する、光半導体素子搭載用基板。
  9. 基板と、当該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子とを備え、
    前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との間に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体を有する、光半導体素子搭載用基板。
  10. 底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板の製造方法であって、前記凹部の前記壁面の少なくとも一部を、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いてトランスファー成形又はコンプレッション成形して形成する工程を備える、光半導体素子搭載用基板の製造方法。
  11. 請求項8又は9に記載の光半導体素子搭載用基板と、当該光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子と、を備える、光半導体装置。
  12. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、光学部材用プリント配線板。
  13. 請求項12に記載の光学部材用プリント配線板と、光半導体素子と、該光半導体素子を封止するための封止樹脂と、を備える、光半導体装置。
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