JP2017206172A - 船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術に比して、船体表面に作用する摩擦抵抗をより低減させることができる船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置を提供すること。
【解決手段】気泡発生装置から発生された気泡は、左右の導管１０Ａを介して前方へと導かれ、この左右の導管１０Ａからそれぞれ分配管を介して３本の分岐管１０Ｃに導かれ、複数の各吹き出し穴から船体の舳先５を含む船首２に向けて吹出されることとなる。従って、船舶１の航行時に前記気泡発生装置から発生された気泡を導管１０Ａに導いて前記吹き出し穴より案内路８内に（前記案内路８内の海水中に）吹出して、前記船体の前記舳先５を含む前記船体の浸水部の前記船首２に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、前記船体の摩擦抵抗を低減させる。
【選択図】図２
【解決手段】気泡発生装置から発生された気泡は、左右の導管１０Ａを介して前方へと導かれ、この左右の導管１０Ａからそれぞれ分配管を介して３本の分岐管１０Ｃに導かれ、複数の各吹き出し穴から船体の舳先５を含む船首２に向けて吹出されることとなる。従って、船舶１の航行時に前記気泡発生装置から発生された気泡を導管１０Ａに導いて前記吹き出し穴より案内路８内に（前記案内路８内の海水中に）吹出して、前記船体の前記舳先５を含む前記船体の浸水部の前記船首２に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、前記船体の摩擦抵抗を低減させる。
【選択図】図２
Description
本発明は、船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置に関する。詳述すると、航行時に船体表面に作用する摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置に関する。
航行時に船体表面に作用する摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置は、一般的に知られている（例えば、特許文献１参照）。そして、前述した特許文献１に記載された技術にあっては、船体における船首部の浸水部にて船底に向かうようになっている流線上の位置で且つ静圧の小さい位置に、空気の吹き出し口を設け、この吹き出し口より吹き出された微小気泡を、前記流線に沿わせて前記船底に廻り込ませることにより所要のボイド率を生じさせ、航行時の船体摩擦抵抗を低減させて、エネルギー消費量を低減させている。
しかしながら、前述したように、船体における船首部の浸水部にて船底に向かうようになっている流線上の位置で且つ静圧の小さい位置に、空気の吹き出し口を設けているために、船体表面に作用する摩擦抵抗を低減させるに、十分なものではないという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、従来技術に比して、船体表面に作用する摩擦抵抗をより低減させることができる船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置を提供することを目的とする。
このため第１の発明は、航行時に船体の摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減方法において、航行時に前記船体の舳先を含む前記船体の浸水部の船首に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、船体の摩擦抵抗を低減させることを特徴とする。
また第２の発明は、航行時に船体の摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減装置において、
前部が前記船体の舳先より前方へと延びて後部が前記船体の船底に固定される底壁とこの底壁の左右両端部から立ち上がる両側壁とを備えて、この前記両側壁と前記底壁とで案内路が形成される案内体と、
前記船体内に設けられて前記船体の航行時に気泡を発生させる気泡発生装置と、
この気泡発生装置から発生された気泡を前記案内体の前記側壁に沿って前方へ導くと共に前記案内路内に吹き出す吹き出し穴が形成された導管とを備え、
前記船体の航行時に前記気泡発生装置から発生された気泡を前記導管を介して導いて前記吹き出し穴より前記案内路内に吹き出して、この案内路を介して前記船体の舳先から前記船体の浸水部の船首に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、前記船体の摩擦抵抗を低減させることを特徴とする。
前部が前記船体の舳先より前方へと延びて後部が前記船体の船底に固定される底壁とこの底壁の左右両端部から立ち上がる両側壁とを備えて、この前記両側壁と前記底壁とで案内路が形成される案内体と、
前記船体内に設けられて前記船体の航行時に気泡を発生させる気泡発生装置と、
この気泡発生装置から発生された気泡を前記案内体の前記側壁に沿って前方へ導くと共に前記案内路内に吹き出す吹き出し穴が形成された導管とを備え、
前記船体の航行時に前記気泡発生装置から発生された気泡を前記導管を介して導いて前記吹き出し穴より前記案内路内に吹き出して、この案内路を介して前記船体の舳先から前記船体の浸水部の船首に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、前記船体の摩擦抵抗を低減させることを特徴とする。
本発明は、従来技術に比して、船体表面に作用する摩擦抵抗をより低減させることができる船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置を提供することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。１はタンカーなどの船舶で、このタンカーは通常、石油類を輸送する油槽船を指し、搭載する油種は原油のほか、精製された重油、軽油などがあるが、この船舶１はタンカーに限られない。
前記船舶１の船体の前部分である船首２の下部にはバルバスバウ３が形成され、船底４は概ね平面形状を呈している。Ｌは喫水線で、前記船舶１が水（海水）に浮いているときの前記船底４からの水面までの垂直距離をいう。
図４は航行時に前記船体の摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減装置６の斜視図を示し、以下この船体摩擦抵抗低減装置６の第１の実施形態について説明する。この船体摩擦抵抗低減装置６は、前部が前記船体の前方（前進方向）へと前記船体の舳先５より前方へ延びて後部が前記船体の前記船底４に固定される底壁７Ａとこの底壁７Ａの左右両端部から、例えば前記喫水線５の直下方位置まで立ち上がる両側壁７Ｂとを備えた断面形状が概ねコ字形状を呈する案内体７を備えている。従って、前記両側壁７Ｂの高さレベルは前記喫水線Ｌより、僅か低い位置である。
この案内体７の両側壁７Ｂは前記底壁７Ａの前後方向の長さは短く、この案内体７の前記両側壁７Ｂと前記底壁７Ａとで案内路８が形成され、前記船舶１の航行時に海水を前記案内路８を介して前記船体の浸水部の前記舳先５を含む前記船首２へと導くこととなる。
なお、前記底壁７Ａは、前記船体の前記船底４に溶接にて固定されるようにしてもよく、その他の固定手段により固定してもよい。また、前記案内体７の両側壁７Ｂは本実施形態では平行に形成するが、必ずしも平行でなくともよく、例えば前部がやや狭い後方へ向けて僅かに広くなるような平面視ハの字形状に形成してもよい。
前記船体摩擦抵抗低減装置６は前記船体の、例えばエンジン室１Ａ内に設けられる気泡発生装置９を備え、この気泡発生装置９は前記船舶１の航行時に気泡を発生させるものである。
１０は中空円筒状の導管で、前記気泡発生装置９から発生された気泡を前記案内体７の前記両側壁７Ｂの外側に沿って前方へ導くと共に前記両側壁７Ｂと前記底壁７Ａとで形成された前記案内路８内に（前記案内路８内の海水中に）吹き出し穴１１を介して吹き出すものである。詳述すると、この導管１０は前記案内体７の前記側壁７Ｂ及び前記船体の側壁（右舷、左舷）にそれぞれ固定される左右の導管１０Ａを備えると共に、この左右の導管１０Ａのそれぞれに接続されて前記各側壁７Ｂの前端に縦方向に延びるように固定された分配管１０Ｂを備え、更に各分配管１０Ｂから、例えば３本、水平方向（横方向）に分岐されると共に複数の吹き出し穴１１が前記船体の舳先５を含む前記船首２に向けて開設された分岐管１０Ｃを備えている。
即ち、前記気泡発生装置９から発生された気泡は、左右の導管１０Ａを介して前方へと導かれ、この左右の導管１０Ａからそれぞれ分配管１０Ｂを介して３本の分岐管１０Ｃに導かれ、複数の各吹き出し穴１１から前記船体の前記舳先５を含む前記船首２に向けて吹き出されることとなる。
従って、前記船舶１の航行時に前記気泡発生装置９から発生された気泡を前記導管１０に導いて前記吹き出し穴１１より前記案内路８内に（前記案内路８内の海水中に）吹き出して、前記船体の前記舳先５を含む前記船体の浸水部の前記船首２に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、船体の摩擦抵抗を低減させる。
この場合、図２の点線で示す前記喫水線Ｌ上の前記船体の（前記船首２）外形ライン２Ａから理解できるように、前記両側壁７Ｂの高さレベルが前記喫水線Ｌより僅か低い位置であるため、前記案内路８内に導かれた気泡と海水は前記案内体７の両側壁７Ｂと前記船体との間に沿って前記案内路８内を移動し、両側壁７Ｂの後端と前記船体との間の流出口１２から後方へ流出する。
このため、所要のボイド率を生じさせて、前記船体の前記舳先５を含めて、この舳先５に近い前記船首２表面に作用する摩擦抵抗を低減させることができるので、よりエネルギー消費量を低減させることができる。
なお、左右の前記導管１０Ａからそれぞれ前記分配管１０Ｂを介して分岐した前記分岐管１０Ｃは、前述したように、本実施形態では３本としたが、これに限らず、他の本数でもよい。また、前記分岐管１０Ｃの両端がそれぞれ前記分配管１０Ｂを介して左右の前記導管１０Ａに接続するようにしたが、一端のみが一方の前記分配管１０Ｂに接続するようにしてもよい。
次に、前記船体摩擦抵抗低減装置６の第２の実施形態について、図５に基づいて説明する。この第２の実施形態については、特に第１の実施形態と異なる点について説明する。即ち、前記案内路８の幅を狭くして、前記案内体７の両側壁７Ｂを平行な前部７Ｂ１と後方へ向けて徐々に広がって平面視ハの字形状に形成した後部７Ｂ２とから構成する。
このように構成して、前記吹き出し穴１１より気泡が吹き出されて、前記案内路８内に（前記案内路８内の海水中に）導かれた気泡と海水は、前記案内体７の両側壁７Ｂ間に入り、前記両前部７Ｂ１間から前記両後部７Ｂ２間へと移動しながら、前記後部７Ｂ２の後端部と前記船体との間の流出口１２Ａから後方へ流出する。
このような第２の実施形態によっても、前記船体の前記舳先５を含めて、この舳先５に近い前記船首２表面に作用する摩擦抵抗を低減させることができるので、よりエネルギー消費量を低減させることができる。
即ち、前記船体摩擦抵抗低減装置６の第１及び第２の実施形態について、説明したように、前記船舶の航行時に、前記船体の前記舳先を含む前記船体の浸水部の前記船首に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、船体の摩擦抵抗を低減させるようにしたものである。
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
１ 船舶
２ 船首
４ 船底
５ 舳先
６ 船体摩擦抵抗低減装置
７ 案内体
７Ａ 底壁
７Ｂ 側壁
８ 案内路
９ 気泡発生装置
１０ 導管
１０Ａ 導管
１０Ｂ 分配管
１０Ｃ 分岐管
１１ 吹き出し穴
１２ 流出口
１２Ａ 流出口
２ 船首
４ 船底
５ 舳先
６ 船体摩擦抵抗低減装置
７ 案内体
７Ａ 底壁
７Ｂ 側壁
８ 案内路
９ 気泡発生装置
１０ 導管
１０Ａ 導管
１０Ｂ 分配管
１０Ｃ 分岐管
１１ 吹き出し穴
１２ 流出口
１２Ａ 流出口
Claims (2)
- 航行時に船体の摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減方法において、航行時に前記船体の舳先を含む前記船体の浸水部の船首に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、船体の摩擦抵抗を低減させることを特徴とする船体摩擦抵抗低減方法。
- 航行時に船体の摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減装置において、
前部が前記船体の舳先より前方へと延びて後部が前記船体の船底に固定される底壁とこの底壁の左右両端部から立ち上がる両側壁とを備えて、この前記両側壁と前記底壁とで案内路が形成される案内体と、
前記船体内に設けられて前記船体の航行時に気泡を発生させる気泡発生装置と、
この気泡発生装置から発生された気泡を前記案内体の前記側壁に沿って前方へ導くと共に前記案内路内に吹出す吹き出し穴が形成された導管とを備え、
前記船体の航行時に前記気泡発生装置から発生された気泡を前記導管を介して導いて前記吹き出し穴より前記案内路内に吹出して、この案内路を介して前記船体の舳先から前記船体の浸水部の船首に向けて気泡を流すことにより前記船体の側面に空気層を形成して、前記船体の摩擦抵抗を低減させることを特徴とする船体摩擦抵抗低減装置。
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|---|---|---|---|
| JP2016100941A JP2017206172A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置 |
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| JP2016100941A JP2017206172A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 船体摩擦抵抗低減方法及び船体摩擦抵抗低減装置 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111028649A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-04-17 | 哈尔滨工程大学 | 一种头部出气的水下高速运动实验模型 |
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-
2016
- 2016-05-19 JP JP2016100941A patent/JP2017206172A/ja active Pending
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