JP2017206002A - 焼成用容器への粉体充填方法及び粉体充填装置 - Google Patents

焼成用容器への粉体充填方法及び粉体充填装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粉体の焼成工程を行う際に発生するガスの抜け性を改善し、粉体が凝集、若しくは融着を起こしたブロック状とならず、焼成した粉体の品質安定性や製品歩留りを抑制する焼成用容器への粉体充填方法を提供する。【解決手段】有底箱形状の焼成用容器10に所定の充填厚みDで粉体2を充填する。そして、焼成用容器に充填された粉体に、粉体の表面から充填厚みの60%以上の深さHまでガス抜き部23a〜23hを設けた。【選択図】図10

Description

本発明は、焼成用容器への粉体充填方法及び粉体充填装置に係り、特に、リチウムイオン二次電池用の電極材を製造するために電極用粉体を焼成用容器に充填して焼成工程を行う場合に好適な方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、スマートフォンやノート型パソコンのほか近年では自動車への応用も進み、種々の分野にて利用されている。このリチウムイオン二次電池は、その内部でリチウムイオンが電解液を介して正極電極材及び負極電極材の間を行き来することで、充放電が行われる。リチウムイオン二次電池は、一般に、正極電極材がリチウム金属酸化物のようなリン酸鉄系の材料で形成され、負極電極材が炭素系材料で形成されている。
これら正極電極材及び負極電極材を形成する場合には、先ず、粉末状の電極材料(以下、電極用粉体と称する)を焼成用容器に充填する(例えば、特許文献1参照)。そして、焼成用容器に充填した電極用粉体を焼成炉内で焼成する(以下、焼成工程と称する)。
特開2011−235450号公報
ところで、焼成炉内で焼成工程を行う電極用粉体は、粉体含有成分の一部が高温状態となって内部にガスが発生する。
特許文献1の電極用粉体の充填方法では、電極用粉体の内部に発生したガスが外部に抜けにくいので、電極用粉体同士、若しくは電極用粉体及び焼成用容器の固着が生じるおそれがある。また、特許文献1の電極用粉体の充填方法で焼成を行うと、電極用粉体が凝集、若しくは融着を起こしたブロック状となり、焼成前の電極用粉体の特性を失うおそれもある。
また、上述したリチウムイオン二次電池の電極用粉体に限らず、粉体の焼成工程におけるガス抜け性の悪さは、品質の安定性や製品歩留りへ悪影響を及ぼす。また、粉体の焼成工程において、粉体が凝集もしくは融着によりブロック状になることは、ブロックの寸法が大きいほど、焼成工程の下工程におけるハンドリング性が悪くなり、設備費用が高コスト化する原因となる。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、粉体の焼成工程を行う際に発生するガスの抜け性を改善し、粉体が凝集、若しくは融着を起こしたブロック状とならず、焼成した粉体の品質安定性や製品歩留りを抑制する焼成用容器への粉体充填方法及び粉体充填装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る焼成用容器への粉体充填方法は、有底箱形状の焼成用容器に所定の充填厚みで粉体を充填し、焼成用容器に充填された粉体に、粉体の表面から前記充填厚みの60%以上の深さまでガス抜き部を設けるようにした。
また、本発明の一態様に係る粉体充填装置は、粉体を貯留するホッパと、ホッパから下方に延びる粉体供給ノズルと、粉体供給ノズルの下方に配置された有底箱形状の焼成用容器と、粉体供給ノズル内に設けられ、ホッパ内の粉体を焼成用容器に充填するためのスクリューフィーダと、スクリューフィーダを回転駆動する回転駆動源と、焼成用容器の開口部を閉塞し、上下方向の位置が調整可能とされて粉体供給ノズルの下端に配置した押さえ蓋と、スクリューフィーダの下端に連結して焼成用容器の内部に回転自在に配置され、焼成用容器内部に充填された粉体を拡散させる回転羽根と、押さえ蓋の裏面から焼成用容器の底面までの距離の60%以上の高さで突出して放射状に延在している複数の分割板と、を備えている。
本発明に係る焼成用容器への粉体充填方法及び粉体充填装置によれば、粉体の焼成工程を行う際に発生するガスの抜け性を改善し、粉体が凝集、若しくは融着を起こしたブロック状とならず、焼成した粉体の品質安定性や製品歩留りを抑制することができる。
本発明に係る第1実施形態の焼成用容器内への粉炭充填方法の手順を示す図である。 図1(c)のA−A線矢視図である。 本発明に係る第2実施形態の焼成用容器内への粉炭充填方法の要部を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の焼成用容器内への粉炭充填方法の要部を示す図である。 本発明に係る実施例1を示す焼成用容器内に炭素粉体を充填した状態を示す図である。 図5のB−B線矢視図である。 本発明に係る第4実施形態の粉体充填装置を示す図である。 第4実施形態の粉体充填装置を構成する押さえ蓋の裏面の形状を示し図である。 図7のB−B線矢視図である。 第4実施形態の粉体充填装置で粉体を充填し、押さえ蓋を取り外した後の焼成用容器を示す図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第4実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1〜第4実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
図1(a)〜(d)は、本発明に係る第1実施形態を示すものであり、リチウムイオン二次電池の負極電極を形成する際の炭素粉体の充填する工程から焼成する工程までを簡略的に示したものである。
図1(a)の符号1は、耐熱材料で形成した有底箱形状の焼成用容器である。
この焼成用容器1に、リチウムイオン二次電池の負極電極の原料である炭素粉体2が充填されている。炭素粉体2を充填する装置は一般的な装置(不図示)であり、炭素粉体2は、表層に凹凸があり、厚みが不均一な状態とされて焼成用容器1に充填される。
次いで、図1(b)に示すように、焼成用容器1に充填されている炭素粉体2の表層を、均し手段を使用して所定の均一な厚みに均す。なお、均し手段としては、焼成用容器1に振動を与えて炭素粉体2の表層を均すバイブレータや、炭素粉体2の表層を均す均し棒などが考えられる。
次いで、図1(c)に示すように、焼成用容器1に充填された炭素粉体2の内部を区切るように、炭素粉体2に4本の直線状の溝3a〜3dを形成する。
2本の直線状の溝3a,3bは互いに平行に形成されており、残りの2本の直線状の溝3a,3bは、直線状の溝3a,3bに対して直交する方向に互いに平行に形成されている。
これら4本の直線状の溝3a〜3dは、図2に示すように、炭素粉体2の表面から焼成用容器1の底面1aまで達して形成されており、炭素粉体2の表面から底面1aまでの幅hが均一な溝である。
ここで、幅hの最小値は1mmに設定されている。この幅hの最小値を1mmに設定した理由は、直線状の溝3a〜3dの幅hを1mmより小さな寸法で形成すると、炭素粉体2の内部で発生したガスが直線状の溝3a〜3dから外部に排気されにくくなり、ガス抜き性が不良となるおそれがあるからである。
4本の直線状の溝3a〜3dは、図1(c)の符号4で示す棒状溝形成体を、炭素粉体2の内部に挿入して底面1aに当接し、底面1aに沿った状態で矢印方向に直線状に移動することで形成される。
そして、図1(d)に示すように、9個の分割体2a〜2iとして分割した焼成用容器1内の炭素粉体2を、焼成炉5内で焼成する。
なお、本発明に係る線状の溝が直線状の溝3a〜3dに対応し、本発明に係る粉体が炭素粉体2に対応している。また、本発明に係る「粉体の表面から充填厚みの60%以上の深さまでガス抜き部を設ける」ことが、4本の直線状の溝3a〜3dが、炭素粉体2の表面から焼成用容器1の底面1aまで達している、すなわち、充填厚みの100%の深さで形成されていることに対応している。
次に、第1実施形態の作用効果について説明する。
焼成炉5内で焼成される炭素粉体2には、図1(d)で示すように、4本の直線状の溝3a〜3dが、炭素粉体2の表面から焼成用容器1の底面1aまで達して形成されており、焼成の際に炭素粉体2の粉体含有成分の一部が高温状態となって発生したガスは、直線状の溝3a〜3dを通過して外部に排出されるので、炭素粉体2のガス抜き性が良好となる。
また、ガス抜き性が良好となった炭素粉体2は、凝集、或いは融着を起こしたブロック状になり難いので、焼成前の炭素粉体2の特性を失わず、品質安定性や製品歩留りを抑制することができる。
また、焼成用容器1内の複数の分割体2a〜2iに分割された炭素粉体2は、凝集、或いは融着せず、焼成前の大きさと比較して小さな分割体2a〜2iとして焼成されるので、焼成の後の下工程におけるハンドリングが良好となり、解砕機などの設備に高い処理能力を必要とせず、設備費用の低減化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図3は、本発明に係る第2実施形態の焼成用容器1への炭素粉体2の充填方法の要部を示すものである。なお、第1実施形態と同様の構成は、同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態は、板状溝形成体6を使用して4本の直線状の溝3a〜3dを形成している。
すなわち、図3では、直線状の溝3bを形成する位置の上方に、板状溝形成体6の長手方向の端部を配置し、板状溝形成体6を炭素粉体2の表面から焼成用容器1の底面1aに達するまで押し込むことで直線状の溝3bを形成する。また、他の直線状の溝3a,3c,3dも同様の方法で形成する。
図1(c)で示した棒状溝形成体4を使用して直線状の溝3a〜3dの溝を形成する方法は、棒状溝形成体4を直線状に移動させるときに、直線状の溝3a〜3dの上部開口の周縁に炭素粉体2の盛り上がりが発生する場合があり、形状品質が低下するおそれがある。
しかし、第2実施形態は、直線状の溝3a〜3dを形成する位置の上方に、板状溝形成体6の長手方向の端部を配置し、板状溝形成体6を炭素粉体2の表面から焼成用容器1の底面1aに達するまで押し込むことで直線状の溝3a〜3dを形成するので、直線状の溝3a〜3dの上部開口の周縁に炭素粉体2の盛り上がりが発生せず、形状品質が低下するおそれがない。
[第3実施形態]
次に、図4は、本発明に係る第3実施形態の焼成用容器1への炭素粉体2の充填方法の要部を示すものである。
第3実施形態は、焼成用容器1に充填された炭素粉体2の内部を区切るように、炭素粉体2に形成されている直線状の溝3aが横断面楔形としている。
すなわち、第3実施形態の直線状の溝3aは、炭素粉体2の表面の開口から焼成用容器
1の底面1aまで向かうに従い幅が徐々に小さくなっている溝である。なお、他の直線状の溝3b〜3dも同様の形状である。
なお、直線状の溝3a〜3dの表面の開口の幅Hは、最小値が1mmに設定されている。この幅Hの最小値を1mmに設定した理由は、直線状の溝3a〜3dの幅hを1mmより小さな寸法で形成すると、炭素粉体2の内部で発生したガスが直線状の溝3a〜3dから外部に排気されにくくなり、ガス抜き性が不良となるおそれがあるからである。
第3実施形態の横断面楔形の4本の直線状の溝3a〜3dは、図1(c)で示した棒状溝形成体4の先端を楔形状とするか、図3で示した板状溝形成体6の下面を楔形状とすることで形成される。
第3実施形態によると、4本の直線状の溝3a〜3dの横断面が、炭素粉体2の表面から焼成用容器1の底面1aまで達する横断面楔形で形成されており、焼成の際に炭素粉体2の粉体含有成分の一部が高温状態となって発生したガスは、直線状の溝3a〜3dを通過して外部に排出されるので、炭素粉体2のガス抜き性が良好となり、凝集、或いは融着を起こしたブロック状になり難いので、焼成前の炭素粉体2の特性を失わず、品質安定性や製品歩留りを抑制することができる。
また、棒状溝形成体4の先端を楔形状として直線状の溝3a〜3dを形成した場合、図1(c)で示したように先端が筒形状の棒状溝形成体4と比較して、棒状溝形成体4を炭素粉体2内で移動させる際の炭素粉体2に対する抵抗が減少することから、直線状の溝3a〜3dの上部開口の周縁に炭素粉体2の盛り上がりが発生しにくい。したがって、焼成した分割体2a〜2iの形状品質の低下も防止することができる。
次に、図5及び図6は、本発明(第1又は第2実施形態)に係る炭素粉体2の焼成方法であり、この本発明に係る炭素粉体2の焼成方法と、従来の炭素粉体の焼成方法(炭素粉体に溝を形成しない方法)とを比較した。
図5で示すように、平均粒径が3μm程度、1540gの炭素粉体2を手作業で焼成用容器1に充填した。焼成用容器1は、内寸が300mm×300mm×高さ45mmの有底箱形状である。次いで、焼成用容器1に充填した炭素粉体2の表面の凹凸を均して厚みを約40mmとし、図6にも示すように、炭素粉体2に縦横に5本ずつの直線状の溝7、8(炭素粉体2の表面か
ら底面1aまでの幅hを1mmに設定)を形成した。そして、焼成用容器1を、焼成炉5内
で1100℃の炉内温度で3時間、不活性ガス雰囲気下で焼成した。
焼成後、焼成用容器1内の炭素粉体2は凝縮したが、分割された状態を保ち47mm×47mmの分割体となった。
一方、従来の炭素粉体の焼成では、焼成用容器1に充填した炭素粉体に直線状の溝を形成せずに焼成炉で焼成を行ったが、焼成後の炭素粉体は凝集し、298mm×298mmの一塊のブロック状となり、焼成の後の下工程の設備では、詰まりが発生してハンドリングができない。
[第4実施形態]
次に、図7から図10は、本発明に係る第4実施形態の粉体充填装置9を示したものである。なお、この粉体充填装置9で使用する焼成用容器10は、第1〜第3実施形態と同一構成の有底箱形状である。
図7の粉体充填装置9は、炭素粉体2を貯留するホッパ11を備えている。ホッパ11の上部は、図示しない粉体製造ラインあるいは大型容器に連結され、ホッパ11の下部には、ホッパ11から下方に延びる円管形状の粉体供給ノズル12が設けられている。
粉体供給ノズル12の下方には、台座13上に載置された焼成用容器10が配置されている。
粉体供給ノズル12内には、ホッパ11内の炭素粉体2を焼成用容器10内に充填するためのスクリューフィーダ14が配置されている。スクリューフィーダ14は、上端がホッパ11の上方にまで延び、下端が粉体供給ノズル12の下端に至るまで延びている。スクリューフィーダ14の上端には、スクリューフィーダ14を回転駆動する回転駆動源としてのモータ15が設けられている。
焼成用容器10を載置している台座13の下側には、焼成用容器10の重量を炭素粉体2の充填途中に計測する重量計測装置16が設けられている。重量計測装置16は、ロードセルで構成され、ロードセルのロードボタンが台座13に連結されている。
そして、この粉体充填装置9は、重量計測装置16からの計測データに基づき、モータ15の作動を制御する制御装置17を備えている。制御装置17は、重量計測装置16からの計測データが規定量に達したところで(炭素粉体2を充填した焼成用容器10の重量が規定量となる)、モータ15の回転を停止し、スクリューフィーダ14の回転を停止するよう制御する。
ところで、粉体供給ノズル12の下端には押さえ蓋20が連結されている。
押さえ蓋20は、図8に示すように、焼成用容器10の容器開口部10aの形状に合わせた略矩形状の部材であり、容器開口部10aを閉塞している。この押さえ蓋20は、図7における粉体供給ノズル3の下方側に、回転体21の回転軸25が挿通される貫通孔20aが形成され、この貫通孔20aの周囲に複数の開口孔20bが形成されている。
回転体21は、上下方向に延びる回転軸25と、回転軸25の外周部から周方向に180°間隔で水平方向に延びる1対の回転羽根24とを備え、回転軸25の上端がスクリューフィーダ14の回転軸14aに固定されている。
図8に示すように、押さえ蓋20の裏面20cには、複数の開口孔20bの周囲から放射状に延在する8枚の分割板22が固定されている。
分割板22は、ステンレス鋼(SUS)を材料として鏡面仕上げを施した板厚が2mmの板材であり、押さえ蓋20の裏面20cに垂直に固定されている。
そして、図9に示すように、押さえ蓋20の裏面20cから突出して固定されている分割板22の突出高さHは、押さえ蓋20の裏面20c及び焼成用容器10の底面10bの間の充填厚みDに対して60%以上の寸法に設定されている(H≧D×0.6)。
そして、粉体供給ノズル12の下端に連結されている押さえ蓋20は、図示しない位置調整機構により上下方向の位置が調整可能とされ、前述した充填厚みDは、押さえ蓋20が上下方向に移動することで変更可能とされている。
なお、押さえ蓋20が焼成用容器10の容器開口部10aを閉塞したときに、押さえ蓋20の裏面20cに固定されている8枚の分割板22は、回転体21の回転羽根24に干渉しない位置から焼成用容器10の内壁に接触しない位置まで放射状に延在している。
ここで、分割板22の突出高さHを充填厚みDの60%以上の寸法に設定した理由は、分割板22の突出高さHが充填厚みDの60%を下回る寸法に設定すると、この分割板22が埋まっていた箇所に形成された直線状の溝の深さは、充填厚みDの60%を下回る寸法となり、焼成の際の炭素粉体2の内部で発生したガスが前述した溝から外部に廃棄されにくくなり、ガス抜き製が不良となるおそれがあるからである。
次に、上記構成の粉体充填装置9による炭素粉体2の焼成用容器10への充填方法と、炭素粉体2を充填した焼成用容器10の焼成について、図7及び図10を参照して説明する。
先ず、図7に示すように、ホッパ11内には充填すべき炭素粉体2が貯留され、その炭素粉体2は押さえ蓋20の開口孔20bのところでブリッジング効果により粉体供給ノズル12内で保持されている。
この状態で、焼成用容器10を定位置(粉体供給ノズル12の下方)に配置し、焼成用容器10の容器開口部10aを押さえ蓋20で閉塞する。そして、位置調整機構により押さえ蓋20を上下方向に移動させることで、粉体供給ノズル12の下端に連結されている押さえ蓋20の8枚の分割板22の突出高さHが、充填厚みDの60%以上の寸法(H≧D×0.6)となるように設定する。
次に、粉体供給ノズル12内のスクリューフィーダ14を回転駆動源15によって回転させる。すると、炭素粉体2は、スクリューフィーダ14によって下方に押圧されて開口孔20bから下方に落下し、焼成用容器10に充填される。
そして、スクリューフィーダ14の回転により焼成用容器10内に配置された回転体21の回転羽根24が回転することで、開口孔20bから下方に落下した炭素粉体2は焼成用容器10の左右方向両端の方へ拡散される。
焼成用容器10の内部は、押さえ蓋20の裏面20cに放射状に固定された8枚の分割板22に区切られた空間が設けられており、この空間左右方向両端から中央に向かって炭素粉体2が満たされていく。この際に、端子粉体2は、焼成用容器10の容器開口部10aが押さえ蓋20で閉塞されており、焼成用容器10からあふれ出ることなく均一の充填厚みDで充填される。
そして、炭素粉体2を含めた焼成用容器10の重量は、重量計測装置16によって随時計測され、制御装置17は、重量計測装置16からの計測データが規定量に達したところで、モータ15の回転を停止し、スクリューフィーダ14の回転を停止するよう制御する。
その後、押さえ蓋20を上方に移動し、焼成用容器10に充填された炭素粉体2に埋まっている8枚の分割板22を抜き出すと、図10に示すように、焼成用容器10内の炭素粉体2に埋まっていた8枚の分割板22を抜き出すと、焼成用容器10内の炭素粉体2を区切るように、分割板22が埋まっていた箇所に8本の直線状の溝23a〜23hが放射状に形成される。
これら8本の直線状の溝23a〜23hの深さはHであり(分割板22の突出高さと同一)、炭素粉体2の充填厚みDの60%以上の寸法に設定されている。
次に、第4実施形態の作用効果について説明する。
第4実施形態の粉体充填装置9は、粉体供給ノズル12の下端に、焼成用容器10の容器開口部10aの形状に合わせた押さえ蓋20を配置するとともに、焼成用容器10内に、焼成用容器10内の炭素粉体2を拡散させる回転羽根24を有する回転体21を設置したので、炭素粉体2の焼成用容器10への充填密度及び充填厚さを均一にすることができる。
また、炭素粉体2を充填した焼成用容器10は、充填厚みDの60%以上の深さHで8本の直線状の溝23a〜23hが放射状に形成されており、このような炭素粉体2を充填した焼成用容器10を焼成すると、炭素粉体2の粉体含有成分の一部が高温状態となって発生したガスは、直線状の溝23a〜23hを通過して外部に排出されるので、炭素粉体2のガス抜き性が良好となり、凝集、或いは融着を起こしたブロック状になり難いので、焼成前の炭素粉体2の特性を失わず、品質安定性や製品歩留りを抑制することができる。
また、焼成後の焼成用容器10内の炭素粉体2は、直線状の溝23a〜23hに沿って焼成用容器10の内壁までひび割れが発生し、凝集或いは融着せずに、焼成前の大きさと比較して小さな分割体として焼成される。したがって、第4実施形態の粉体充填装置9で焼成された炭素粉体2も、焼成の後の下工程におけるハンドリングが良好となり、解砕機などの設備に高い処理能力を必要とせず、設備費用の低減化を図ることができる。
次に、第4実施形態の粉体充填装置9を使用して炭素粉体2を充填した焼成用容器10の焼成結果について説明する。
押さえ蓋20の裏面20c及び焼成用容器10の底面10bの間の距離すなわち、焼成用容器10に充填された炭素粉体2の充填厚みDは40mmに設定されている。
また、押さえ蓋20の裏面20cに放射状に固定されている複数の分割板22は、板厚が2mmであり、突出高さHは25mm、30mm、35mmの3種類のものを使用した。
したがって、突出高さH25mmの分割板22を備えた押さえ蓋20で炭素粉体2を充填した焼成用容器10には、充填厚みD=40mmの62.5%の深さHで直線状の溝が放射状に形成される。
また、突出高さH30mmの分割板22を備えた押さえ蓋20で炭素粉体2を充填した焼成用容器10には、充填厚みD=40mmの75.0%の深さHで直線状の溝が放射状に形成される。さらに、突出高さH35mmの分割板22を備えた押さえ蓋20で炭素粉体2を充填した焼成用容器10には、充填厚みD=40mmの87.5%の深さHで直線状の溝が放射状に形成される。
このように、充填厚みD=30mmに対して62.5%の深さH、75.0%の深さH及び87.5%の深さHで直線状の溝が放射状に形成された3種類の焼成用容器10を、焼成炉内で1100℃の炉内温度で3時間、不活性ガス雰囲気下で焼成した。
焼成後、3種類の焼成用容器10内の炭素粉体2は、直線状の溝に沿って焼成用容器10の内壁までひび割れが発生し、凝集或いは融着せずに、焼成前の大きさと比較して小さな分割体として焼成された。
なお、第1〜第4実施形態では、リチウムイオン二次電池の負極電極の原料である炭素粉体2を焼成することについて説明したが、リチウムイオン二次電池の正極電極の原料であるリン酸鉄系の粉体材料を焼成することにも適用でき、さらには、リチウムイオン二次電池の電極用粉体に限らず、他の粉体の焼成工程に適用してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、炭素粉体2に直線状の溝3a〜3dを形成する場合について説明したが、炭素粉体2に曲線状の溝を形成する場合であっても同様の作用効果を奏することができる。
さらに、第4実施形態では、板厚が2mmの分割板22を使用したが、第3実施形態で示したように横断面楔形の溝を形成するように、楔形の分割板を採用してもよい。
さらにまた、第4実施形態では、分割板22の先端が焼成用容器10の底面10cに接触することで、炭素粉体2の充填厚みDに対して100%の深さHの溝を形成するようにしてもよい。
1 焼成用容器
2 炭素粉体
2a〜2i 分割体
3a〜3d 直線状の溝
4 棒状溝形成体
5 焼成炉
6 板状溝形成体
9 粉体充填装置
10 焼成用容器
10a 容器開口部
10b 底面
11 ホッパ
12 粉体供給ノズル
13 台座
14 スクリューフィーダ
14a 回転軸
15 モータ
16 重量計測装置
17 制御装置
20 押さえ蓋
20a 貫通孔
20b 開口孔
20c 裏面
21 回転体
22 分割板
23a〜23h 直線状の溝
24 回転羽根
25 回転軸
H 分割板の突出高さ
D 充填間隔

Claims (10)

  1. 有底箱形状の焼成用容器に所定の充填厚みで粉体を充填し、
    前記焼成用容器に充填された前記粉体に、当該粉体の表面から前記充填厚みの60%以上の深さまでガス抜き部を設けたことを特徴とする焼成用容器への粉体充填方法。
  2. 前記ガス抜き部は、前記粉体の前記表面から前記焼成用容器の底面まで達していることを特徴とする請求項1記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  3. 前記ガス抜き部は線状の溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  4. 前記線状の溝を前記粉体の内部を区切るように1本以上形成し、前記焼成用容器に充填されている前記粉体を複数に分割したことを特徴とする請求項3記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  5. 前記線状の溝は、前記粉体の前記表面から溝底まで均一な幅で開口する溝であることを特徴とする請求項3又は4の何れか1項に記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  6. 前記線状の溝の幅は1mm以上であることを特徴とする請求項5記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  7. 前記線状の溝は、前記粉体の前記表面から溝底に向かうに従い開口する幅が徐々に小さくなっている断面楔形の溝であることを特徴とする請求項3又は4の何れか1項に記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  8. 前記断面楔形の溝の前記粉体の前記表面の開口の幅が1mm以上であることを特徴とする請求項7記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  9. 前記粉体が電子部品の原料粉体であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の焼成用容器への粉体充填方法。
  10. 粉体を貯留するホッパと、
    前記ホッパから下方に延びる粉体供給ノズルと、
    前記粉体供給ノズルの下方に配置された有底箱形状の焼成用容器と、
    前記粉体供給ノズル内に設けられ、前記ホッパ内の前記粉体を前記焼成用容器に充填するためのスクリューフィーダと、
    前記スクリューフィーダを回転駆動する回転駆動源と、
    前記焼成用容器の開口部を閉塞し、上下方向の位置が調整可能とされて前記粉体供給ノズルの下端に配置した押さえ蓋と、
    前記スクリューフィーダの下端に連結して前記焼成用容器の内部に回転自在に配置され、前記焼成用容器の内部に充填された前記粉体を拡散させる回転羽根と、
    前記押さえ蓋の裏面から前記焼成用容器の底面までの距離の60%以上の高さで突出して放射状に延在している複数の分割板と、を備えていることを特徴とする粉体充填装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023214548A1 (ja) * 2022-05-02 2023-11-09 日本碍子株式会社 粉体充填装置

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