JP2017205618A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高ベース状態に移行した場合には当該高ベース状態での遊技を極力続けられるようにして、遊技興趣の向上を図る。【解決手段】特図1に係る大当り遊技が実行される場合より、特図2に係る大当り遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、特図変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態(低ベース状態)と、第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態(高ベース状態)とを有し、第2遊技状態にて特図2大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行される場合より、第2遊技状態にて特図1大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行される場合の方が、大当り遊技後の遊技状態が第2遊技状態となる可能性が高くなるようにする。【選択図】図6

Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来の遊技機において、第1始動口と第2始動口とを備え、第1始動口に遊技球が入球
すると第1識別情報(例えば第1特別図柄)を変動表示し、第2始動口に遊技球が入球す
ると第2識別情報(例えば第2特別図柄)を変動表示し、第1識別情報又は第2識別情報
が特定の表示態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行
可能となるものが知られている。
この種の遊技機として、第1識別情報を変動表示させるよりも、第2識別情報を変動表
示させて遊技を進行させる方が、例えば、特別遊技で得られる利益の量が多くなり易い等
、遊技者にとって有利となるように構成された遊技機が提案されている。このような構成
の遊技機では、第2始動口を遊技球の入球可能性が変化し得る可変式の始動口とし、特別
遊技後に、第2始動口への遊技球の入球頻度が通常の遊技状態よりも高くなる遊技状態(
以下、「高頻度状態」ともいう)に移行可能となっているのが一般的である。そして、通
常の遊技状態では、第1始動口への遊技球の入球に基づく第1識別情報の変動表示が遊技
の主体となり、この状態から高頻度状態へ移行することで、第2始動口への遊技球の入球
に基づく第2識別情報の変動表示が遊技の主体となって、これにより、遊技者は遊技を有
利に進めることが可能となる(特許文献1)。
特開2006−223417号公報
しかしながら、前述の遊技機では、高頻度状態に移行したにもかかわらず、第2識別情
報が変動表示せずに第1識別情報が変動表示することがあり、さらには、高頻度状態に移
行後、早々に第1識別情報に係る特別遊技が行われて当該特別遊技後に通常の遊技状態に
戻ってしまう虞もある。このように、せっかく高頻度状態に移行したにもかかわらず、高
頻度状態での遊技を充分に楽しめないまま高頻度状態が終了してしまうことは、遊技者の
遊技意欲を損ないやすく、結果として遊技興趣の低下を招いてしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高頻度状
態に移行した場合には当該高頻度状態での遊技を極力続けられるようにして、遊技興趣の
向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えると共に、前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えておらず、
前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行するものとされ、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
第1発明の遊技機によれば、第1識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第2識別
情報に係る特別遊技が実行される方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が
高いことから、特別遊技により得られる利益の面で、第2識別情報は第1識別情報に比べ
遊技者にとって有利に働くものとなる。このような第2識別情報の変動表示の契機となる
第2始動口への遊技球の入球頻度が高まる第2遊技状態において、第2識別情報が特定態
様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報が特定態様で停止
表示してこれに係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態と
なる可能性が高いものとなっている。つまり、第2識別情報の変動表示が遊技の主体とな
る第2遊技状態では、多くの利益を得難い第1識別情報に係る特別遊技が実行されたとし
ても、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性は、第2識別情報に係る特別遊技が実行さ
れる場合に比べ高くなる。これにより、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2
遊技状態に移行したにもかかわらず、第1識別情報が変動表示して特定態様で停止表示し
、これに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技後に、第2遊技状態での遊技
を極力続けられるようにすることが可能となる。
本発明によれば、第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態に移行した
場合、当該第2遊技状態での遊技を極力続けられるようにすることが可能となり、これに
より遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 当り種別と大入賞口開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 ゲート通過時処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 変動演出終了処理のフローチャートである。 実施例2の(A)大当り判定テーブルおよび(B)大当り種別判定テーブルである。 実施例2の大当り種別と大入賞口開放パターンとの対応等を示す表である。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表
示の終了に伴い大当り図柄が停止表示された場合と、小当り図柄が停止表示されたことに
基づき入球可能となる可変入球口に入球した遊技球が所定の特定領域を通過した場合とに
、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な大当り遊技を実行可能な「1
種2種タイプ」のパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機
枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自
在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す
。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と
、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成され
ており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構
成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射
させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能
な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰
球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行さ
れる遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン
63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けら
れており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出
の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1
演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の
操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技
者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を
行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の
一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよ
い。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3
が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5
が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されてい
る。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘
導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられてい
る。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8
」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設け
られており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2
特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」
「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8L
が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアに
は右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L,8C,8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあら
わした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中
、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図
柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当
否判定の結果)や第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示
される第2特別図柄の変動表示の結果(特別図柄当否判定の結果)を、遊技者が認識し易
いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に
「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定(以下、単に「当否判定」ともいう)の結果が大当りとなっ
た場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図
柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予
め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で
演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「
373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演
出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。
これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把
握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特
別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把
握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左
・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図
柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい
。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロー
ル表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出
図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用
のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数
字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示
される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演
出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)が設けられてい
る。第1演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4
参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取
り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、
遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンタ
ー装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワ
ープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口か
ら受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ
部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高
い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10
の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であ
って、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴っ
て動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分
のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴
って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、そ
の大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可
変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への
遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条
件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共
に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第
2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている
。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、
予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)
が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示さ
れる。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口2
1を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状
態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化
可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される
。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入
球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚
、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球
が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能とな
るものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、後述する大当り遊技の実行に際して作
動する第1大入賞装置31(「第1可変入球装置」ともいう)が設けられている。第1大
入賞装置31は第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)と開閉部材32を備え
ており、開閉部材32の開動作により第1大入賞口30を開放し、開閉部材32の閉動作
により第1大入賞口30を閉鎖するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイ
ド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあ
るときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の
開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球
可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下
部には、後述する小当り遊技の実行に際して作動する第2大入賞装置36(「第2可変入
球装置」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は第2大入賞口35(「第2
可変入球口」ともいう)と開閉部材(羽根部材)37を備えており、開閉部材37の開作
動により第2大入賞口35を開放し、開閉部材37の閉動作により第2大入賞口35を閉
鎖するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆
動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能
となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入
球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化
可能である。尚、第2大入賞口35は本発明の「特定入球口」の一態様に相当するもので
ある。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域3
9が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少
なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の大当り
遊技を開始させるものとなっている。つまり特定領域39は、大当り遊技開始口となって
いる。また、第2大入賞装置36には、遊技球が特定領域39を通過し得る状態(開状態
)と通過し得ない状態(閉状態)とを創出するための図示しない可動片(特定領域への遊
技球の通過可能性を変化させる部材)が設けられている。
この可動片は、第2大入賞装置36の非作動時、すなわち開閉部材37が第2大入賞口
35を閉鎖しているときには特定領域39を閉状態としており、第2大入賞装置36の作
動開始、すなわち第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の開動作の開始に基づいて、
特定領域39を開状態とすべく動作を開始する。つまり、可動片は開閉部材37の開動作
に伴って動作を開始する。また、可動片は所定の動作パターンで動作するものとなってお
り、所定の動作時間が経過することに基づいて、特定領域39を閉状態とする状態に戻る
これにより、開放した第2大入賞口35に遊技球が入球し、当該入球した遊技球が特定
領域39の位置に到達するタイミングと、可動片が特定領域39を開放しているタイミン
グとが合致すると、その遊技球は特定領域39を通過(V通過)して大当り遊技が開始さ
れることとなり、それらタイミングが合致しなければ、遊技球は特定領域39を通過する
ことなくそのまま機外に排出され、大当り遊技が開始されることはない。また、所定の動
作パターンとして、閉状態と開状態とに複数回変化したり、複数回ある開状態又は閉状態
の時間が異なったりする動作パターンを設定してもよい。そして、所定の動作パターンを
開始後のどのタイミングで開閉部材を開動作させるかによって、特定領域への遊技球の通
過可能性を変化させてもよい。本実施例1では、第2大入賞口35に遊技球が入球した際
、その入球した遊技球が必ず特定領域39を通過するものとはなっておらず、所定の確率
(例えば「1/8」程度)で第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過す
るよう、可動片の動作パターンを制御する(入球した遊技球を特定領域39または非特定
領域に振り分ける)仕様となっている。尚、特定領域39への遊技球の通過可能性は、大
当り確率や小当り確率、大当り遊技で付与可能な利益量(賞球数)、時短状態の遊技期間
(時短回数)等の遊技性能(スペック)や遊技性を考慮して任意に定めることが可能であ
り、100%通過(必ず通過)するように定めることも可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート2
8(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図
柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21
を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表
示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示す
ると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口
27が設けられている。
このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊
技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けるこ
とができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ち
といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちとい
う。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う
。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化し
た際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞
口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入
賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27に遊技球が入球した場合には、夫々の
入球口(入賞口)において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出され
る。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されてい
る。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器4
1a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表
示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図
柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄
に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aや、
普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含
まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当り
になったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の
結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、
変動時間短縮機能(時短機能)が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球
の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47
が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表
示制御される。
ここで、ラウンド表示器45は、4R用、15R用、5R用、16R用の4個のLED
で構成されている。そして、大当り図柄として、特図1大当り図柄A、特図1大当り図柄
B、特図2大当り図柄Aまたは特図2大当り図柄Cが停止表示すると、4R用ランプが点
灯表示され、「4R▲5R△5R△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の
様な表示態様となる。また、大当り図柄として、特図2大当り図柄Bまたは特図2大当り
図柄Dが停止表示すると、15R用ランプが点灯表示される。これらのランプは、対応す
る大当り図柄が確定表示するタイミングで、点灯表示される。また、小当り経由で特定領
域通過に基づいて大当りとなった場合には、特定領域通過後に実行される大当り遊技のラ
ウンド数に、小当り遊技の開放回数を加算した数を示すランプを点灯する。具体的に、小
当り図柄として、特図2小当り図柄Aまたは特図2小当り図柄Cが停止表示され、小当り
遊技によって開放した第2大入賞口35内の特定領域39を遊技球が通過した場合には、
4ラウンドに小当り分の1回を加算した5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「
4R△15R△5R▲16R△」の様な表示態様となる。また、小当り図柄として、特図
2小当り図柄Bまたは特図2小当り図柄Dが停止表示され、小当り遊技によって開放した
第2大入賞口35内の特定領域39を遊技球が通過した場合には、15ラウンドに小当り
分の1回を加算した16R用ランプが点灯表示される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。
第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚
以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。
また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示
部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aを特図保留表示部43という
ことがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示
し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21へ
の入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選、小当り抽選等)の結果を報知する
。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選
択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特
定態様)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示さ
れた特定特別図柄の種類(当り種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第
2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技または小当り遊技)が行われる。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは「i〜p」で示す8個のL
EDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最
大256通り)を表示可能となっている。同様に、第2特別図柄表示器41bも「a〜h
」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複
数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。そして、第1特別図柄表示器
41aでは第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第1特別図柄)を表示し、第
2特別図柄表示器41bでは第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第2特別図
柄)を表示する。尚、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図
柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左か
ら右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本実施例1では、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別と
して「特図1大当りA,B」の2種類を設けており(図6(A),(B)を参照)、これ
らの大当りを第1特別図柄表示器41aの表示態様によって識別可能に表示するものとな
っている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、その種別が「特
図1大当りA」であれば「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、「特図1大
当りB」であれば「jnkl」の4個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、第1特
別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残り
を消灯する。
また、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図
2大当りA〜C」の3種類を設け(図6(A),(B)を参照)、第2特別図柄当否判定
の結果が小当りとなった場合の小当りの種別として「特図2小当りA〜C」の3種類を設
けており(図6(C),(D)を参照)、これらの大当り又は小当りを、前述の第1特別
図柄表示器41aと同様に、第2特別図柄表示器41bの表示態様(各LEDの点灯と消
灯との組み合わせ)によって識別可能に表示するものとなっている。尚、各当り(大当り
及び小当り)に対応する特別図柄表示部41の表示態様は、複数の当り種別(時短機能や
開放延長機能の作動状態のみが異なる態様も含む)に対して一の表示態様としたり、一の
当りに対して一の表示態様としたり、一の当りに対して複数の表示態様としたりすること
が可能で、外れについても同様に一又は複数の表示態様とすることが可能である。そして
、表示態様を複数とした場合には、例えば乱数抽選等により表示態様を選択し、該選択し
た表示態様に基づいて特別図柄表示部41の表示制御を行うものとすればよい。
本実施例1では、停止表示された特別図柄(停止図柄)の表示態様が大当り(第1特定
態様)または小当り(第2特定態様)である場合、その大当りや小当りの種別によって、
遊技者に付与する利益の内容が異なるものとなっている。この点についての詳細は後述す
る。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があ
ると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう
)が取得される。また、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報
は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に第1特図保留(特図1
保留)として記憶することが可能となっている。特図保留記憶部に記憶された特図保留(
第1特図保留)は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化
される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定
して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本
パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表
示を直ちに実行(開始)できない場合、すなわち第1特別図柄の変動表示の実行中や特別
遊技の実行中に遊技球が第1始動口20に入球した場合であっても、所定個数を上限とし
て、その入球に対する特別図柄当否判定の権利、換言すると、第1特別図柄の変動表示を
、留保すること(保留として記憶すること)が可能となっている。本実施例1では、第1
特図保留として記憶可能な特図保留の数(特図1保留球数)の上限値は「4」となってい
る。この特図保留記憶部のことを「保留記憶手段」もしくは「取得情報記憶手段」ともい
う。尚、特図保留記憶部には、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の
変動表示を直ちに実行(開始)できない場合だけでなく、第1特別図柄の変動表示を直ち
に実行(開始)できる場合にも、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて取得される
取得情報が一時的に記憶される。この場合に記憶される取得情報は、第1特別図柄の変動
表示の実行(開始)に際して直ぐに読み出されるので、実質的には保留として記憶される
ものではないともいえる。
また、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報につき、本実施
例1では、第2特別図柄が変動表示していないときに遊技球が第2始動口21に入球した
場合、すなわち、第2特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)することが可能となって
いるときに遊技球が第2始動口21に入球した場合に、当該入球に基づく取得情報が取得
されるものとなっている。この取得情報は、第2特別図柄の変動表示が開始されるまで主
制御部のRAMに一時的に記憶され、第2特別図柄の変動表示の開始に際して、読み出さ
れる。つまり、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得された取得情報は、保留と
しては記憶せず、直ちに変動表示を開始するための「変動情報」として、主制御部のRA
Mに一時的に記憶する。このように第2特別図柄に係る変動情報を記憶するRAMの所定
領域(所定バッファ)のことを「変動情報記憶部(変動情報記憶手段)」ともいう。尚、
「変動情報記憶部」と、前述の「特図保留記憶部」は、いずれも始動口への遊技球の入球
に基づいて取得される取得情報を記憶する手段であることから、「変動情報記憶部」と「
特図保留記憶部」は実質的に同じものとして捉えることも可能である。但し、本明細書で
は、特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できる状況下で取得される取得情報だけの
記憶と、特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できない状況下を含めて取得される取
得情報の記憶とを明確に区別すべく、「変動情報記憶部」と「特図保留記憶部」とに分け
て表記する。
特図保留記憶部に記憶された特図保留(第1特図保留)の数は、第1特図保留表示器4
3aに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで
構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図
保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば
、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様
とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」
のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」という
ように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数
が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様と
し、保留数が「4」(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で
点灯させ表示態様とすることができる。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄
表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通
図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結
果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図
柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定
普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第
2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンにつ
いては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成
されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示する
ものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯
、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また
判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯し
た態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図
柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示
が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す
態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて
普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種
情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦
記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実
施例1における上限値は4個となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、そ
の普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消
化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示
すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲ
ート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない
場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、
所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができ
るようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体
的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数
に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保
留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする
)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」
というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とする
ことができる。また、保留数「2〜4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定
められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移
行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい
、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ
制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出し
に関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に
表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器1
03a等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御
基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には
、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制
御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90
を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左
側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基
板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊
技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊
技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM
、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCP
Uが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介
して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコ
ン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイ
コン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留
記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている
。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御
基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a
、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入
賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入賞口センサ27aが接続されてい
る。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した
遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられ
て第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲー
ト28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口
センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を
検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第
2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2
大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知
するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて
一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33
、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可
変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド3
3は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソ
レノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、
普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、普図保留表示器44、ラウンド表示器
45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。
すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い
出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞
球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣
接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている
情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板11
1(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置11
2には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制
御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装
されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログ
ラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプ
ログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路1
17を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカー
ドユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して
賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、そ
の計数のため払出センサ122、123により検知される。尚、遊技者による発射装置1
12のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射
ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回
転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技
球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板
80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送
信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板
90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオード
を用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1
の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装
されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプ
ログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶され
たプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路
95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコ
ン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板1
07が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80
から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン
101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演
出第1特図保留表示器103aの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、
画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示
装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形
、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが
格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に
基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表
示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあ
わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せによ
り、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。
また、演出第1特図保留表示器103aも同様に2個のLEDからなる。そして、2個の
LEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演
出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aに表示される
保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これらの表示器が設けられる
のは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装
飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆
したりすることで、演出図柄表示部や第1演出保留表示部の一部または全部が視認できな
い状態になることがあり得るからである。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチッ
プマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けて
もよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音
声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ
67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。
尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を
実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そ
のROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接
続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画
像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠
ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消
灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデー
タから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(
LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、
ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続されたモータやソレノイド等の電気
的駆動源を駆動して可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14
は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミック
のことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作さ
せるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のRO
Mに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾
部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その
場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい
。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光
パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参
照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ6
3c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン
63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演
出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボ
タン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボ
タン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。
本実施例1では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」、「小当り」、「外れ」があ
る。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」(第1特定識別情報、
第1特定態様)が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「
小当り図柄」(第2特定識別情報、第2特定態様)が停止表示される。また「外れ」のと
きには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定
されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30
または第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行され
る特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技
」という。
本実施例1の当りには複数の種別がある。図6(A)〜(D)に示すように、第1特別
図柄(特図1)の当り種別として「特図1大当りA,B」があり、第2特別図柄(特図2
)の当り種別として「特図2大当りA〜D」及び「特図2小当りA〜D」があり、各当り
の種別に応じた停止図柄(大当り図柄、小当り図柄)が設けられている。特図1大当り及
び特図2大当りでは第1大入賞口30が開放し、特図2小当りでは第2大入賞口35が開
放する。尚、本実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄に小当り(特図1小当り
)を設けず、第2特別図柄だけに小当り(特図2小当り)を設けた構成となっているが、
特図1小当りを設けてもよい。
「特図1大当りA,B」は、いずれも遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合と
「時短状態」の場合とに発生し得る大当りである(図6(A),(B)を参照)。ここで
、大当りの発生により行われる大当り遊技は、第1大入賞口30が開放する複数回のラウ
ンド(R)によって構成される。尚、時短状態とは後述するように特別図柄および普通図
柄に対する変動時間短縮機能(時短機能)が作動する状態を意味する。また、本実施例1
では、時短機能が作動する場合、第2始動口21が開放する際の開放時間や開放回数を通
常よりも延長・増加させる開放延長機能も併せて作動することとしている。本実施例1の
パチンコ遊技機1の遊技状態についての詳細は後述する。
「特図1大当りA,B」は、ラウンド数が「4」で、1ラウンド〜4ラウンドの各ラウ
ンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであ
り、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。また、「特
図1大当りA」は、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態とする大当り、すなわち変動
時間短縮機能(時短機能)を作動させる大当りでもあり、「特図1大当りB」は、大当り
遊技終了後の遊技状態を通常状態(非時短状態)とする大当り、すなわち変動時間短縮機
能(時短機能)を作動させない大当りでもある。尚、以下では、大当り遊技終了後の遊技
状態を時短状態とする大当り(変動時間短縮機能の作動開始契機となる大当り)のことを
「時短大当り」ともいい、大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態(非時短状態)とする
大当り(変動時間短縮機能の作動開始契機とならない大当り)のことを「非時短大当り」
ともいう。
また「特図2大当りA〜C」は、いずれも遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場
合と「時短状態」の場合とに発生し得る大当りである(図6(A),(B)を参照)。「
特図2大当りA〜C」のうち、「特図2大当りA,B」は、ラウンド数が「4」で、1ラ
ウンド〜4ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1
回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可
能となっている。そして、「特図2大当りA,B」のうち、「特図2大当りA」は「非時
短大当り」でもある(4R非時短大当り)。また、「特図2大当りB」は、通常状態(非
時短状態)のときに発生した場合には「非時短大当り」でもあり(4R非時短大当り)、
時短状態のときに発生した場合には「時短大当り」でもある(4R時短大当り)。また、
「特図2大当りC」はラウンド数が「15」、1ラウンド〜15ラウンドの各ラウンドで
の第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各
ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。そして、「特図2
大当りC」は、通常状態(非時短状態)のときに発生した場合には「非時短大当り」でも
あり(15R非時短大当り)、時短状態のときに発生した場合には「時短大当り」でもあ
る(15R時短大当り)。
さらに「特図2小当りA〜C」は、いずれも第2大入賞口35の開放回数および開放時
間が「1回」「1.6秒」の小当りである。尚、小当り(小当り遊技)においては、大入
賞口の開放回数をラウンド数ではなく単に開放回数という。この「特図2小当りA〜C」
は、いずれも遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合と「時短状態」の場合とに発
生し得る大当りである(図6(C),(D)を参照)。また、「特図2小当りA〜C」は
、いずれも、小当り遊技で第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がV通過
することで、前述の「4R非時短大当り」、「4R時短大当り」、「15R非時短大当り
」および「15R時短大当り」のいずれかを発生させる小当りとなっている。すなわち、
「特図2小当りA」は「4R非時短大当り」を発生させる小当である。また、「特図2小
当りB」は、通常状態(非時短状態)のときに発生した場合には「4R非時短大当り」を
発生させる小当りとなり、時短状態のときに発生した場合には「4R時短大当り」を発生
させる小当りとなる。さらに、「特図2小当りC」は、通常状態(非時短状態)のときに
発生した場合には「15R非時短大当り」を発生させる小当りとなり、時短状態のときに
発生した場合には「15R時短大当り」を発生させる小当りとなる。尚、小当り遊技での
V通過により発生する大当りのことを「V大当り」ともいう。
図6に示すように、本実施例1では、特別図柄当否判定の結果が当りとなった場合にお
ける各当りへの振分確率を、当り発生時の遊技状態に応じて次のようにしている。すなわ
ち、通常状態(非時短状態)において、第1特別図柄(特図1)の当否判定の結果が大当
りの場合、特図1大当りA(4R時短大当り)が50%、特図1大当りB(4R非時短大
当り)が50%となっている。また、通常状態(非時短状態)において、第2特別図柄(
特図2)の当否判定の結果が大当りの場合、特図2大当りA(4R非時短大当り)が20
%、特図2大当りB(4R非時短大当り)が30%、特図2大当りC(15R非時短大当
り)が50%となっており、特図2の当否判定の結果が小当りの場合、特図2小当りA(
4R非時短大当りを発生可能な小当り)が20%、特図2小当りB(4R非時短大当りを
発生可能な小当り)が30%、特図2小当りC(15R非時短大当りを発生可能な小当り
)が50%となっている。
一方、時短状態において、特図1の当否判定の結果が大当りの場合、特図1大当りA(
4R時短大当り)が93%、特図1大当りB(4R非時短大当り)が7%となっている。
また、時短状態において、特図2の当否判定の結果が大当りの場合、特図2大当りA(4
R非時短大当り)が20%、特図2大当りB(4R時短大当り)が30%、特図2大当り
C(15R時短大当り)が50%となっており、特図2の当否判定の結果が小当りの場合
、特図2小当りA(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が20%、特図2小当りB(
4R時短大当りを発生可能な小当り)が30%、特図2小当りC(15R時短大当りを発
生可能な小当り)が50%となっている。
ここで、本実施例1のパチンコ遊技機1では、遊技状態が通常状態(非時短状態)のと
きに発生し得る大当りのうち、「特図1大当りA」だけが「時短大当り」となっており、
その他の大当り、すなわち「特図1大当りB」および「特図2大当りA〜C」はいずれも
「非時短大当り」となっている(図6(A)を参照)。また、遊技状態が通常状態(非時
短状態)のときに発生し得る「特図2小当りA〜C」は、いずれも「非時短大当り」を発
生可能な小当りとなっている(図6(C)を参照)。このため、通常状態(非時短状態)
において「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技状態が時短状態に移行することはな
い。尚、前述したように、通常状態(非時短状態)のときに発生し得る「特図1大当りA
(4R時短大当り)」の振分確率は「50%」であることから、通常状態(非時短状態)
において特図1の当否判定の結果が大当りとなった場合、その後に時短状態となる確率(
時短突入率)は「50%」となる。
また、遊技状態が時短状態のときに発生し得る大当りのうち、「特図1大当りA」、「
特図2大当りB」および「特図2大当りC」が「時短大当り」となっており、その他の大
当り、すなわち「特図1大当りB」および「特図2大当りA」は「非時短大当り」となっ
ている(図6(B)を参照)。また、遊技状態が時短状態のときに発生し得る小当りのう
ち、「特図2小当りB」および「特図2小当りC」は「時短大当り」を発生可能な小当り
となっており、「特図2小当りA」は「非時短大当り」を発生可能な小当りとなっている
(図6(D)を参照)。このため、時短状態において「特図1大当りA」、「特図2大当
りB」、「特図2大当りC」のいずれかが発生するか、「特図2小当りB」または「特図
2小当りC」を経て大当りが発生すると、その後の遊技状態も時短状態となり、「特図1
大当りB」または「特図2大当りA」が発生するか、「特図2小当りA」を経て大当りが
発生すると、その後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に移行(転落)する。
尚、前述したように、時短状態にて発生し得る「特図2大当りB(4R時短大当り)」
の振分確率と「特図2大当りC(15R時短大当り)」の振分確率との合計は「80%」
(=「30%」+「50%」)であり、時短状態にて発生し得る「特図2小当りB(4R
時短大当りを発生可能な小当り)」の振分確率と「特図2小当りC(15R時短大当りを
発生可能な小当り)」の振分確率との合計も「80%」(=「30%」+「50%」)で
あることから、「時短状態」において特図2の当否判定の結果が大当り又は小当りとなっ
た場合、その後に時短状態となる確率(時短継続率)は「80%」となる。また、前述し
たように時短状態にて発生し得る「特図1大当りA(4R時短大当り)」の振分確率は「
93%」であることから、時短状態において特図1の当否判定の結果が大当りとなった場
合、その後に時短状態となる確率(時短継続率)は「93%」となる。つまり、遊技状態
が時短状態にあるときは、特図2の当否判定で大当り又は小当りとなった場合の時短継続
率より、特図1の当否判定で大当りとなった場合の時短継続率の方が高いものとなってい
る。このことから、時短継続率の観点からみると、特図2の当否判定(特図2の変動表示
)よりも特図1の当否判定(特図1の変動表示)の方が、遊技者にとって有利といえる。
一方、特図2に係る大当り(V大当り含む)として、特図1大当りでは発生し得ない「1
5R大当り」が発生し得るものとなっている。このことから、大当りで獲得可能な利益量
(賞球量)の観点からみると、特図1の当否判定(特図1の変動表示)よりも特図2の当
否判定(特図2の変動表示)の方が、遊技者にとって有利といえる。
ここで、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技仕様について簡単に説明しておく。本実
施例1のパチンコ遊技機1では、通常状態(非時短状態)にて遊技球が第2始動口21に
入球する頻度は時短状態よりも低くなっていることから、通常状態(非時短状態)にて遊
技を進める場合、左打ち(遊技領域の左側領域に遊技球を発射)にて第1始動口20への
入球を狙うこととなる。つまり、特図1の当否判定(特図1の変動表示)を主体的に行い
つつ遊技を進行させることとなる。この通常状態(非時短状態)にて特図1の当否判定の
結果が大当りとなり、その大当りが「特図1大当りA(4R時短大当り)」となれば、当
該大当りに係る大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となる。時短状態では、遊技球
が第2始動口21に入球する頻度が通常状態よりも高くなる(且つ第2始動口への入球頻
度が第1始動口への入球頻度よりも高くなる)ことから、時短状態にて遊技を進める場合
、右打ち(遊技領域の右側領域に遊技球を発射)にて第2始動口21への入球を狙うこと
となる。つまり、特図2の当否判定(特図2の変動表示)を主体的に行いつつ遊技を進行
させることとなる。そして、前述したように、特図2の当りには、特図1の当りでは発生
し得ない「15R時短大当り」や「15R時短大当りを発生可能な小当り」が存在するこ
とから、特別遊技によって遊技者が得られる利益を考慮すると、本実施例1のパチンコ遊
技機1では、第2始動口21に遊技球が入球して行われる特図2の当否判定において当り
となる方が遊技者にとって有利となる可能性が高い(多くの利益を得られる可能性が高い
)といえる。よって、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(時短
状態)においては、開放延長機能が作動しない通常状態(非時短状態)に比べ遊技を有利
に進めることが可能となるので、遊技者は時短状態(右打ち)での遊技を期待することと
なる。
また、詳しくは後述するが、本実施例1のパチンコ遊技機1では、「0〜65535」
の範囲で値をとる特別図柄当否判定用乱数を設けており(図7(A)を参照)、特図1の
当否判定および特図2の当否判定における大当り判定値は「65200〜65535」、
特図2の当否判定における特図2小当り判定値は「0〜65199」としている(図7(
A)を参照)。つまり、大当り確率が「1/195.05」、特図2小当り確率が「1/
1.005」となっている。このため、特図2の当否判定を主体的に行う時短状態では、
高い確率で特図2小当りが発生することとなるので、特図2小当りを契機とするV大当り
を繰り返し発生させることが遊技の主目的となる。そして、時短状態にて特図2小当りA
(4R非時短大当りを発生可能な小当り)を引いてV大当りが発生するか、特図2大当り
Aが発生するか、あるいは、遊技の主目的とはならないが特図1大当りBが発生すると、
これに係る大当り遊技終了後の遊技状態は非時短状態となる。
ここで、本実施例1では、特図保留記憶部で記憶可能な保留を特図1保留のみとしてお
り、また、後述するように第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先して
実行するものとしていることから、例えば、第1特図保留が存在する状態で大当り遊技が
終了し、これに続いて時短状態での遊技(特別図柄の変動表示)が開始される場合、第1
特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)から開始されることとなる。そして、前述し
たように、本実施例1では、時短状態における特図1大当りのうち93%が時短大当りで
ある「特図1大当りA」となっていることから、仮に、第1特図保留が存在する状態で大
当り遊技が終了し、これに続く時短状態で第1特別図柄の変動表示から開始されて当該変
動表示の結果が大当りとなったとしても、その大当りは「93%」という高い確率で時短
大当りとなる。このため、本実施例1のパチンコ遊技機1では、例えば、特図2小当りを
契機とするV大当りを繰り返し発生させることを狙う時短状態での本来の遊技を行うこと
なく、遊技状態が通常状態(非時短状態)に戻ってしまうという可能性は、極めて低いも
のとなる。
尚、第1特図保留が存在する状態で大当り遊技が終了し、これに続く時短状態での遊技
が第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)から開始されるといった状況が起こり
得るのは、例えば、通常状態(非時短状態)で特図1大当りを引いて時短状態に移行した
場合、つまり、いわゆる「初当り」で時短大当りを引いて時短遊技に移行した場合が考え
られる。特に、通常状態では、前述したように、第1始動口20に遊技球を入球させて特
図1の当否判定(特図1の変動表示)を主体に遊技を進行させることから、通常状態(非
時短状態)から時短状態に移行した当初、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示
)から開始されることは充分にあり得る。この点、本実施例1では、万が一、時短状態に
移行した直後に特図1大当りを引いてしまったとしても、これを契機に通常状態(非時短
状態)に戻ってしまう可能性は極めて低いので、せっかく時短状態に移行したにもかかわ
らず、特図2小当りを契機とするV大当りの発生を狙わずして時短状態が終わって通常状
態(非時短状態)に戻ってしまう(転落してしまう)といったことは起こり難い。このよ
うに、本実施例1では、通常状態(非時短状態)での初当りを経て時短状態に移行した場
合、時短状態での遊技を極力続けられるようにしているので、時短状態への移行により高
まった遊技者の気持ちや遊技意欲を損ない難いものとなっている。
また、本実施例1では、前述したように特図2当りには、特図1当りでは発生し得ない
「15R時短大当り」が含まれていることから、大当り遊技で獲得可能な利益を考慮する
と、特図1の当否判定(特図1の変動表示)よりも特図2の当否判定(特図2の変動表示
)の方が遊技者にとって有利といえる。しかしながら、通常状態にて特図2大当りや特図
2小当りを契機とするV大当りが発生したとしても、これら大当りとしては「非時短大当
り」しか存在せず、通常状態では「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技者が遊技を
有利に進めることができる遊技状態、すなわち時短状態には移行しないものとなっている
。このため、通常状態(非時短状態)にて、当該通常状態での遊技の主目的(本来の遊技
性)に反して、遊技球を第2始動口21に入球させて特図2の当否判定(特図2の変動表
示)を狙ったとしても、遊技者にとっては何ら有利に働くことはない。これにより、本実
施例1のパチンコ遊技機1では、特図2を変動表示させるために遊技球を第2始動口21
に入球させる行為(本来の遊技性を損なう行為)の抑制を図ることが可能となっている。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用
乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当り
種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「大当り図柄決定用乱数」、「大当り図柄決定用
情報」ともいう)」に基づいて行われ、小当りとなった場合の小当り種別の判定は「小当
り種別決定用乱数(「小当り図柄決定用乱数」、「小当り図柄決定用情報」ともいう)」
に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜655
35」の範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜199」の範囲で値をとり、小
当り種別決定用乱数は「0〜199」の範囲で値をとる。尚、第1始動口20または第2
始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱
数や大当り種別決定用乱数、小当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パ
ターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜
198」の範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図
7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口
21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「
0〜240」の範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1
は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能
の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している
。尚、本実施例1のパチンコ遊技機1は1種2種混合タイプであることから、特別図柄に
対する確率変動機能は備えていない。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している
状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態およ
び非時短状態では、図8(A)に示す当り判定テーブルを用いて当否判定を行う。具体的
には、特別図柄当否判定で大当りと判定される確率(大当り確率)が、第1特別図柄と第
2特別図柄ともに「1/195.05」となっている。また、特別図柄当否判定で小当り
と判定される確率(小当り確率)は、第2特別図柄が「1/1.005」となっており、
第1特別図柄では小当りと判定されることはない。尚、本実施例1では、特別図柄当否判
定で大当りと判定される場合を除き、第1特別図柄では外れと判定され、第2特別図柄で
は小当りとなる。つまり、第1特別図柄には小当りがなく、第2特別図柄には外れがない
。これは、第1特別図柄は原則、通常状態のときに変動表示させるもので、通常状態では
、第1特別図柄の当否判定を主体的に行って第1特別図柄の大当り(特図1大当り)を発
生させ、当該大当りが時短大当りであることを契機に遊技状態を時短状態に移行させるこ
とが、遊技の主目的となるからである。また、第2特別図柄は原則、時短状態のときに変
動表示させるもので、時短状態では、第2特別図柄の当否判定を主体的に行って高い確率
で第2特別図柄の小当り(特図2小当り)を発生させ、当該小当りを契機とするV大当り
を繰り返し発生させることが、遊技の主目的となるからである。そして、特図2小当りに
係る小当り遊技の際、第2大入賞口35の開放時間は1.6秒という比較的短時間である
ことから、遊技球が必ず第2大入賞口35に入球するとは限らず、また、第2大入賞口3
5に入球したとしても、その遊技球が必ず特定領域39を通過するとは限らない。このこ
とから、第2特別図柄の当否判定に外れが存在しないとしても、特図2小当りに係る小当
り遊技で遊技球が第2大入賞口35に入球しない場合や、第2大入賞口35に入球した遊
技球が特定領域39を通過しない場合が、実質的に外れに相当することとなる。
また、時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時
間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている
。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時
短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの
判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特別図柄の変動表示を短時間で行い
、スムーズな遊技進行のもとで当りを狙うことができる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機
能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時
間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よ
って、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなって
いる。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる
普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否
判定(普通図柄の判定)を行う(図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率
変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当り
となる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例
1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である
(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間
が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能
が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非
時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動
している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変
入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開
状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装
置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。尚、開放時間延長
機能と開放回数増加機能を総称して単に「開放延長機能」ということがある。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の
開放延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、
第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高
頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くな
る。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していな
い状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすこ
となく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。す
なわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置
22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によっ
て、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)
なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制
御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能
」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、「時短大当り」となった場合の大当り遊技終了後
の遊技状態は時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を「時短高ベ
ース状態」ともいう。時短高ベース状態は、所定回数(例えば、本実施例1では100回
)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行される
か、小当りに当選してその小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとな
りその大当り遊技が実行されることにより終了する。また、「非時短大当り」となった場
合の大当り遊技終了後の遊技状態は非時短状態且つ低ベース状態となる(図6参照)。こ
の遊技状態を「非時短低ベース状態」ともいう。尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する
場合において電源投入後の(初期状態の)遊技状態は非時短低ベース状態(通常状態)で
ある。
さらに、時短高ベース状態にて「特図2小当りB」または「特図2小当りC」となって
小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなった場合の大当り遊技終了
後の遊技状態は時短高ベース状態となり(図6参照)、非時短低ベース状態にて「特図2
小当りA〜C」の何れかとなるか、時短高ベース状態にて「特図2小当りA」となって、
その小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなった場合の大当り遊技
終了後の遊技状態は非時短低ベース状態となる(図6参照)。尚、小当り遊技中に遊技球
が特定領域39を通過しなかった場合(V大当りとならなかった場合)、小当り遊技終了
後の遊技状態は原則、小当り遊技開始前と同じ状態となる。但し、時短高ベース状態にて
当該時短高ベース状態が終了することとなる最終回(本実施例では100回目)の特別図
柄の変動表示で小当り図柄が停止表示され、これに係る小当り遊技中に遊技球が特定領域
39を通過しなかった場合(V大当りとならなかった場合)には、小当り遊技終了後の遊
技状態は非時短低ベース状態となる。尚、以下では、「時短高ベース状態」のことを単に
「時短状態」または「高ベース状態」ということがあり、「非時短低ベース状態」のこと
を単に「非時短状態」または「低ベース状態」ということがある。また、「低ベース状態
」は本発明の「第1遊技状態」の一態様に相当し、「高ベース状態」は本発明の「第2遊
技状態」の一態様に相当する。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域(右側領域)3Bへ遊技球を進入させた方
が有利に遊技を進行できる。第2始動口21は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球
可能であって、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球不能となるように配置されている
。また、ゲート28も右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能となるように配置され
ている。そして、高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されや
すくなっており、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射して第1始動口20への入球を狙
うよりも、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射して第2始動口21への入球を狙う方が
、始動口への入球可能性が高くされている。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲ
ート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行
う。これにより高ベース状態では、左打ちを行うよりも右打ちを行う方が、多数の始動入
球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(高ベ
ース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47(「第1発
射報知手段」ともいう)が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報
知するものとされる。また、本実施例では、大当り遊技や小当り遊技においても、右打ち
により遊技を行うため、発射方向表示器47は、右遊技領域へ発射すべきことを報知する
ものとされる。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域(左側領域)3Aへ遊技球
を進入させた方が有利に遊技を進行できる。第1始動口20は、左遊技領域3Aを流下す
る遊技球が入球可能となるように配置されている。尚、第1始動口20は、右遊技領域3
Bを流下する遊技球が入球不能となるように配置しても良いし、入球可能となるように配
置しても良い。右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように配置する場合に
は、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射した方が、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発
射するよりも、第1始動口20への遊技球の入球可能性を高くするものとする。また、低
ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっているため
、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射して第2始動口21への入球を狙うよりも、左遊
技領域3Aに向けて遊技球を発射して第1始動口20への入球を狙う方が、始動口への入
球可能性が高くされている。これにより、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を
入球させるべく左打ちを行う方が、右打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否
判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(低ベース状態)のとき
、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47が高ベース状態のときとは異
なる所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知するも
のとされる。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状
態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース
状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを
消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高
ベース状態及び当り遊技の実行中は、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする
)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知す
ることができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御
処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ
、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制
御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされ
ると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み
出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101
)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板
80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や
、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」
つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0
」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行され
ない。尚、本実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第
1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」というこ
とがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数
更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上
限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の
値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ
値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S1
04)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理
(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込み
パルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り
込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103
)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のとき
にCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始さ
れず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(
S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する
各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマン
ド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力
するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、当り種別としての図柄(大当
り図柄、小当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例
えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下
位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取
り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1
大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図5参
照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する
。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満
杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン
処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示
した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込
み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割
り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処
理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、保留球数処理(S207)及び
電源断監視処理(S208)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S2
09)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCP
Uに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し
実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り
込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201
)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコ
マンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28を遊技球が
通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定す
る(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(
普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が
4個(上限数)に達しているか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過してい
なければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4個に達していれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄
保留球数が4個に達していなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(
S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、R
AMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの
値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主
制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じ
たアドレス空間に格納する。
S305では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20a
によって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第1始動口20に遊技球が入球
していない場合(S305でNO)にはS309に進み、第1始動口20に遊技球が入球した場合に
は(S305でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRA
Mに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達して
いるか否かを判定する(S306)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S306
でYES)には、S309に進み、特図1保留球数が4個(上限数)に達していない、すなわち
特図1保留球数が4個未満の場合には(S306でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する
(S307)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S308)を行う。特図1関係乱数取得処理(S308)では
、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウン
タの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRN
D−AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)及び変動パ
ターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す
乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第1特図保留記憶部のうち現在の
特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か
、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)
。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には、そのまま処理を終え
、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、第2特別図柄の変動表示
を開始可能(実行可能)であるか否かを判定する(S310)。このS310の処理は、現在、特
別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動表示しているか否かの判定と、特別遊
技中(大当り遊技中または小当り遊技中)であるか否かの判定によって行われ、特別図柄
が変動表示中でなく、かつ、特別遊技中でない場合に、第2特別図柄の変動表示を開始可
能であると判定する(S310でYES)。第2特別図柄の変動表示を開始可能でなければ(S31
0でNO)、そのまま処理を終え、開始可能であれば(S310でYES)、特図2関係乱数取得処
理(S311)を行う。特図2関係乱数取得処理(S311)では、特図1関係乱数取得処理(S3
08)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定
用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル
−TRND−AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)及
び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A
)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を変動情報記憶部に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普
図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42および可変
入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス
1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場
合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「
2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「
普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普
通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401
、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは
、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0
」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一
方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、
普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)
。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テー
ブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変
動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が3
0秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後
述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に
次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理で
は、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、
普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基
板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納
されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(
S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)
を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定
した場合(S602でYES)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用
のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当
りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否
判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否
かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると
判定した場合(S602でNO)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状
態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当
りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。
そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判
定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ
図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合
(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当
りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実
行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留
球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格
納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留
記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、
即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。こ
のようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経
過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、
経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)ととも
に、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を
、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄
)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであ
るか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作
ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグが
ONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態
中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置
22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(
S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開
放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カ
ウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口2
1)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状
態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。
従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット
(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を
終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがON
であるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補
助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否か
を判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時
期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処
理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第
2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイ
ミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時
間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、
至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を
1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判
定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるた
めにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる
普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)
処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開
放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第
2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903
又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当
り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普
図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割
り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実
行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動
作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示
器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5
つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当
てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特
別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S11
01でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」
が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1
106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で
共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特
図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)
、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは
、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、特図1保留球数が「0」
であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)
、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が特図保留
記憶部にない場合には、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得される乱数カウン
タ値(特図2取得乱数)の記憶が変動情報記憶部にあるか否か、すなわち、前述のS311の
処理で特図2関係乱数を取得したか否かを判定する(S1206)。そして、特図2取得乱数
の記憶もない場合には(S1206でNO)、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする
処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば
(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待
機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口2
0への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の
特図1当否判定処理(S1202)、特図1変動パターン選択処理(S1203)、特図1乱数シフ
ト処理(S1204)、特図1変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図1保留球数
が「0」であり特図2取得乱数が記憶されている場合(S1201でYES、S1206でYES)、即ち
、第1始動口20に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第2始動口21への入球に基づ
いて取得される乱数カウンタ値の記憶がある場合には、後述の特図2当否判定処理(S120
7)、特図2変動パターン選択処理(S1208)、特図2変動開始処理(S1210)をこの順に
行う。このように本実施例1では、第2特別図柄の変動表示は、第1特図保留が「0」の
場合(S1201でYESの場合)に限って実行可能となる。すなわち、第1特別図柄の変動表示
(第1特図保留の消化)が、第2特別図柄の変動表示に優先して実行される。
[特図1当否判定処理]
図22に示すように、特図1当否判定処理(S1202)ではまず、判定対象値として、R
AMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域
)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−
TRND−A)を読み出す(S1302)。次いで、図8(A)の当り判定テーブルに基づい
て当否判定を行う(S1303)。この当り判定テーブルでは、特図1の当否判定および特図
2の当否判定における大当り判定値は「65200〜65535」とされている。また、
特図1の当否判定における特図1小当り判定値は割り当てられておらず、特図2の当否判
定における特図2小当り判定値は「0〜65119」とされている。
当否判定(S1303)の結果が「大当り」と判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決
定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当
り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1305)、当該大当り種別決定用乱
数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1306)、大当りフラグをONにして(S1307)、
処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別
判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2
特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、大当り種別
の判定(S1305)は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う
。すなわち、時短フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時
短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、時短フラグがONであ
れば時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。これにより、
現在の遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じた振り分け率にしたがって、大当り
種別は特図1大当りA,Bの何れか(4R時短大当りまたは4R非時短大当り)となる(
図6(A),(B)、図8(B)を参照)。そして、本実施例1では、「特図1大当りA
に対応する特図1大当りフラグA、特図1大当りBに対応する特図1大当りフラグB・・
・」といったように、大当りフラグを大当り種別毎に対応して設けているので、S1307で
は、S1305で判定された大当り種別に対応する大当りフラグをONにする。
一方、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、外
れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303)の結果が「大当り
」でない場合(S1304でNO)、その結果は「外れ」となる。
[特図1変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図1当否判定処理(S1202)に次いで、特図1変
動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図1変動パタ
ーン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か
)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状
態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES
)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態
且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRN
D−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。ここでは変動パターンP1乃
至P3の何れかが選択される。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、すなわち、外れであれば、第1
特別図柄の保留数(特図1保留球数)が「1」又は「2」であるかを判定する(S1405)
。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数
であるので、保留記憶の数は「1〜4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、特図
1保留球数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留
数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留
球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−T
RND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。ここでは変動パターンP
5乃至P8の何れかが選択される。一方、S1405で、特図1保留球数が「1」又は「2」
でもない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数
外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球
数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TR
ND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。ここでは変動パターンP9
乃至P12の何れかが選択される。尚、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用
テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定さ
れている。また、第1保留数外れ用テーブルで選択可能な最も短い変動時間(12000
ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされてい
る。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、
図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に
示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にすること以外は、上記ステ
ップS1402,S1403,S1405〜S1407と同様の流れで処理(S1408〜S1410)を行う。すなわち
、大当りであれば(S1408でYES)、図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し
、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。ここでは
変動パターンP13が選択される。一方、外れであれば(S1408でNO)、図9の時短状態
中且つ外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パタ
ーンを選択する。ここでは変動パターンP15が選択される。ここで、時短状態で且つ外
れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パ
ターンと比較して、変動時間が短いもの(2000ms)とされている。これは、時短状
態において変動時間の短い変動パターンが選択されようにすることで、特図保留(ここで
は第1特図保留)の消化スピードを早めるためである。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い
(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応
じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。ま
た、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含
められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図1乱数シフト処理]
図25に示すように、特図1乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図1保留球数を1
ディクリメントする(S1501)。次いで、特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納
場所を、1つ下位側(例えば特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対
応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。
そして、特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数
まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(
S1503)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1205
)を実行する。特図1変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセッ
トすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の
変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図1保留球数が「0」であり、且つ
、特図2取得乱数が記憶されている場合(S1201でYES、S1206でYES)には、特図2当否判
定処理(S1207)、特図2変動パターン選択処理(S1208)、特図2変動開始処理(S1210
)をこの順に行う。
[特図2当否判定処理]
図26に示すように、特図2当否判定処理(S1207)ではまず、判定対象値として、R
AMの変動情報記憶部に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−
TRND−A)を読み出す(S1602)。次いで、図8(A)の当り判定テーブルに基づい
て当否判定を行う(S1603)。この当り判定テーブルでは、前述したように、大当り判定
値は「65200〜65535」とされており、特図2小当り判定値は「0〜65119
」とされている。ここで、本実施例1では、図7を用いて説明したように、特別図柄当否
判定用乱数カウンタは「0〜65535」の範囲で値をとるものとなっており、この「0
〜65535」のうち「0〜65119」が特図2小当り判定値に割り当てられており、
「65200〜65535」が大当り判定値に割り当てられている(図8(A)を参照)
。このため、本実施例1では、特図2の当否判定の結果が「外れ」となることはなく、特
図2の当否判定の結果は必ず「小当り」または「大当り」となる。
そして、特図2の当否判定(S1603)の結果が「大当り」の場合(S1604でYES)は、前
述した特図1当否判定処理(S1202)と同様の流れで行うが、当否判定の結果が大当りの
場合の大当り種別は、特図1当否判定処理と異なるものとなっている。すなわち、特図2
の当否判定の結果が大当りの場合にS1610にて判定される大当り種別は「特図2大当りA
〜C」の何れかとなり、現在の遊技状態が非時短状態であれば、4R非時短大当りとして
の特図2大当りA,Bおよび15R非時短大当りとしての特図2大当りCの何れかとなる
(図6(A)、図8(B)を参照)。一方、時短状態であれば、4R非時短大当りとして
の特図2大当りA、4R時短大当りとしての特図2大当りBおよび15R時短大当りとし
ての特図2大当りCの何れかとなる(図6(B)、図8(B)を参照)。この他、大当り
図柄の決定(S1611)や大当りフラグの設定(S1612)については、前述した特図1当否判
定処理(S1202)と同様の流れで行うことから、詳しい説明は省略する。
一方、特図2の当否判定(S1603)の結果が「大当り」でない場合(S1604でNO)、すな
わち「小当り」の場合には、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−K
S)を読み出して、図8(C)に示す小当り種別判定テーブルに基づいて小当り種別を判
定し(S1606)、当該小当り種別決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S1607)
、小当りフラグをONにして(S1608)、処理を終える。小当り種別の判定は、当該判定
を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがON
であるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の小当り種別判定テー
ブルを用いて小当り種別を判定し、時短フラグがONであれば時短状態用の小当り種別判
定テーブルを用いて小当り種別を判定する。具体的には、現在の遊技状態が非時短状態で
あれば、4R非時短大当りを発生可能な特図2小当りA,Bおよび15非時短大当りを発
生可能な特図2小当りCの何れかとなり(図6(C)、図8(C)を参照)、時短状態で
あれば、4R非時短大当りを発生可能な特図2小当りA、4R時短大当りを発生可能な特
図2小当りBおよび15時短大当りを発生可能な特図2小当りCの何れかとなる(図6(
D)、図8(C)を参照)。これらの小当り種別の判定も、現在の遊技状態(非時短状態
または時短状態)に応じた振り分け率にしたがって行われる。そして、本実施例1では、
「特図2小当りAに対応する特図2小当りフラグA、特図2小当りBに対応する特図2小
当りフラグB・・・」といったように、小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けてい
るので、S1608では、S1606で判定された小当り種別に対応する小当りフラグをONにする
[特図2変動パターン選択処理]
図27に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1208)では、大当りの場合の変
動パターン選択(S1702でYES→S1703、S1706でYES→S1707)については、図23及び図2
4に示した特図1変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理を行う。よって、
これについての詳細な説明は割愛する。
また、前述の特図1変動パターン選択処理(S1203)では、特図1の当否判定の結果が
外れの場合、保留数に応じて外れ変動パターンを選択するものとなっていたが、特図2の
当否判定では、判定の結果として外れは存在せず、代わりに「小当り」が存在するものと
なっている。以下では、特図2の当否判定の結果が小当りとなった場合に行う処理につい
て説明する。
すなわち、遊技状態が非時短状態であって(S1701でNO)、大当りフラグがOFFの場
合(S1705でNO)、小当りフラグがONとなっていることから(特図2当否判定処理のS16
08を参照)、この場合には、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテ
ーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウ
ンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1705)。ここ
では変動パターンP4が選択される。また、遊技状態が時短状態であって(S1701でYES)
、大当りフラグがOFFの場合(S1706でNO)、小当りフラグがONとなっていることか
ら(特図2当否判定処理のS1608を参照)、この場合には、時短状態中小当り用テーブル
(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照し
て、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを
選択する(S1707)。ここでは変動パターンP14が選択される。
ここで、時短状態の遊技では特図2の当否判定が主体的に行われ、特図2の当否判定の
結果のほとんどは「小当り」となるので(小当り確率「1/1.005」)、時短状態で
は、変動パターンP14に基づく特図2の変動表示が主体となって遊技が進行する。この
変動パターンP14は、変動時間が「2000ms」という短い時間となっていることか
ら、時短状態における特別図柄の変動表示は円滑に次々と行われていくこととなる。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図27に示すその他の処理を行い
(S1704)、処理を終える。その他の処理(S1704)では、選択した変動パターンに応じた
変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。この処
理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、
出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
特図2変動パターン選択処理(S1208)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理
(S1210)を実行する。特図2変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」
にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別
図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図28に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(
図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)
が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S19
01でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセット
する(S1902)。そして、時短フラグがONか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1
903でYES)、時短カウンタを1減算し(S1904)、時短カウンタの値が「0」か否かを判
定する(S1905)。S1905で時短カウンタが「0」であると判定した場合、時短フラグをO
FFし、S1907の処理に移行する。一方、時短フラグがONでないと判定した場合(S1903
でNO)、S1907の処理に移行する。尚、時短カウンタは、時短状態で行われる特別図柄の
変動表示回数を計数するカウンタである。
S1907では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1907)。そして、特別図柄の
変動表示を、特別図柄当否判定乱数の判定結果(当否判定の結果)と、大当り種別決定用
乱数または小当り種別決定用乱数の判定結果に応じた態様で停止させる等のその他の処理
を行い(S1908)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図29に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであ
るか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、当該ON
となっている大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウン
トするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口30の1ラウンドあた
りの開放回数および開放時間(図6参照)をセットする(S2003)。上述したように、本
実施例1では、特図1大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」、特図2大当りに
係る大当り遊技のラウンド数が「4R」または「15R」となることから、S2003では、
ラウンドカウンタの値として「4」または「15」をセットし、第1大入賞口30の1ラ
ウンドあたりの開放回数および開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2003の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンド
をセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特
図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当り
フラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008で
YES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする
小当り用開放カウンタの値をセットするとともに、第2大入賞口35の開放時間(図6参
照)をセットする(S2009)。上述したように、本実施例1では、小当り遊技における第
2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」であることから、S200
9では、小当り用開放カウンタの値として「1」をセットし、開放時間として「1.6秒
」をセットする。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンド
をセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特
図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがO
Nでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステ
ータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図30に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、時短フラグがONか否
かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S
2104)。つまり、大当り遊技の実行中は非時短状態に制御される。本実施例1では非時短
状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御される
ことにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグ
は、大当り遊技において第1大入賞口30の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したこ
とを示すフラグである。
大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か
を判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、第1大入賞口30を開放させる
時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1
ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過し
て次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYES
であればS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1
大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。
S2106において第1大入賞口30の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにお
ける第1大入賞口30への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当
り9個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S
2111でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわ
ち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定
する(S2112)。そして第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)
、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は第1大入賞口30
の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのい
ずれかが成立した場合には、第1大入賞口30を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンド
カウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか
否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを
開始するため、処理を終える。
一方、「0」と判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理
として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエン
ディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処
理を終える。尚、ラウンドカウンタは、今回の大当りが15R大当りであれば第1大入賞
口30の開放が15回実行されると「0」になり、4R大当りであれば第1大入賞口30
の開放が4回実行されると「0」になる。
またS2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが
終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過し
たか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処
理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラ
グをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当
りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処
理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として
再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図31に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがO
Nであるか否かを判定する(S2201)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大
入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当り終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か
を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、第2大入賞口35を開放させる
時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1
回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの
時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2203)。
S2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2203の判定結果がYES
であれば、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべ
く第2大入賞装置36を作動させるとともに(S2204)、第2大入賞装置36に設けられ
た特定領域39を開状態とすべく、所定の動作パターンに従って可動片(図示せず)の動
作を開始させ(S2205)、さらに、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判
定するV有効期間を設定する(S2206)。尚、特定領域センサ39aによる遊技球の検知
を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいて大当
りフラグをONする(後述のステップS2211〜S2221参照)ということであり、特定領域セ
ンサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによ
る遊技球の検知があったとしても大当りフラグをONしないということである。
ここで、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数
「1回」、開放時間「1.6秒」としている。また、本実施例1では、可動片の動作パタ
ーンを、第2大入賞口35の開放開始に伴い特定領域39を「0.5秒」開状態とし、そ
の後、「0.4秒」の閉状態を経て再度「0.7秒」開状態とし、第2大入賞口35の閉
鎖に合わせて特定領域39を閉状態とするものとしている。さらに、本実施例1では、小
当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後(小当り遊
技での第2大入賞口35の開放終了後)の数秒間をV有効期間に設定するものとしている
。第2大入賞口35の開放中だけでなく第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間もV有効期間
とするのは、例えば、第2大入賞口35の開放が終了する間際に第2大入賞口35に入球
した遊技球が第2大入賞口35の閉鎖後に特定領域センサ39aにより検知される(特定
領域39を通過する)可能性があることを考慮したものであり、こうすることで、第2大
入賞口35に入球した遊技球が正当に特定領域39を通過したにもかかわらず大当りとな
らないといったトラブルの発生を防ぐことが可能となる。本実施例1ではV有効期間を「
2.6秒」としており、小当り遊技での第2大入賞口35の開放時間「1.6秒」に加え
、第2大入賞口35の閉鎖後「1秒」は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有
効と判定することとしている。
次に、S2202において第2大入賞口35の開放中であれば(S2202でYES)、第2大入賞
口35への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では8個)に達しているか否かを
判定する(S2207)。規定入球個数に達していなければ(S2207でNO)、第2大入賞口35
を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放
時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2208)。そして、第2大入賞口35の
開放時間が経過していなければ(S2208でNO)、S2211の処理に移行する。
これに対して、第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達したか(S2207でYES
)、あるいは第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2208でYES)には、第2大入
賞口35を閉鎖し(S2209)、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントする(S2210
)。尚、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「
1回」、開放時間「1.6秒」としていることから、第2大入賞口35に遊技球が8個入
球することは実質的に不可能である。このことからS2207の処理で肯定判定される可能性
は無いに等しい。
次に、S2211で特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否か(遊技球が特
定領域39を通過したか否か)を判定する(S2211)。検知があったと判定した場合(S22
11でYES)、図32に示すS2220以降の処理に進み、検知がないと判定した場合(S2211でN
O)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2212)。S2212で「
0」でないと判定した場合(S2212でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2212で「0」
であると判定した場合(S2212でYES)、S2213の小当り終了処理に移行する。S2213では、
小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセット
するとともに、小当りのエンディング演出を開始する(S2214)。そして、小当り終了フ
ラグをONにし(S2313)、処理を終える。尚、本実施例1では、小当り用開放カウンタ
は第2大入賞口35の開放が1回なされると「0」になる。
S2201において、小当り終了フラグがONであれば(S2201でYES)、第2大入賞口35
の1回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定
し(S2216)、エンディング時間が経過していなければ(S2216でNO)、処理を終える。一
方、エンディング時間が経過していれば(S2216でYES)、小当り終了フラグをOFFにす
るとともに(S2217)、小当りフラグをOFFにし(S2218)、さらに、特図動作ステータ
スを「1」にセットし(S2219)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理にお
いて、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されること
になる。
尚、小当り遊技の開始に際して時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない
。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図35)を行わない
。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を
変化させない。
S2211で特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったと判定した場合(S2211でYE
S)、V大当りを発生させるための処理、すなわち、小当り遊技を終了して大当り遊技を
開始させるための処理を行う。具体的には、図32に示すように、特定領域センサ39a
による遊技球の検知がV有効期間中における検知であるか否かを判定する(S2220)。そ
して、V有効期間中であると判定した場合(S2220でYES)、小当りフラグをOFFにする
とともに(S2221)、大当りフラグをONにし(S2222)、V通過コマンドをセットする(
S2223)。ここで、本実施例1では、上述したように小当りフラグを小当り種別毎に対応
して設けており、また、図6(C),(D)に示すように小当り種別に応じてV大当りの
種別(4R時短大当り、4R非時短大当り、15R非時短大当り、15R時短大当り)が
定まっている。また、本実施例1では、上述した特図1大当りフラグAや特図2大当りフ
ラグA等の大当り種別に対応した大当りフラグの他、V大当り種別に対応した大当りフラ
グである「4R時短大当りフラグ」「4R非時短大当りフラグ」「15R非時短大当りフ
ラグ」「15R時短大当りフラグ」を設けている。このことから、S2222では、S2221でO
FFにする小当りフラグ、すわなち、S1308またはS1608でONにした小当りフラグの小当
り種別に基づいて、これに対応するV大当り種別の大当りフラグ(4R時短大当りフラグ
、4R非時短大当りフラグ、15R非時短大当りフラグ、15R時短大当りフラグの何れ
か)をONにする(S2222)。
S2224では、S2222でONとした大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウ
ンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口3
0の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間(図6参照)をセットする(S2224)。
本実施例1では、図6(C),(D)に示すようにV大当りに係る大当り遊技のラウンド
数が「4R」「15R」の何れかとなることから、S2224では、ラウンドカウンタの値と
して「4」「15」の何れかをセットし、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回
数および開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2224の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンド
をセットするとともに(S2225)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2226)、特
図動作ステータスを「4」にセットする(S2227)。尚、本オープニングコマンドは、小
当り遊技に基づいて遊技球がV通過したこと(「小当りV」ともいう)により実行される
大当り遊技に係るオープニングコマンドであることを特定可能なコマンドとすることが可
能である。
一方、S2220でV有効期間中でないと判定した場合(S2220でNO)、今回の特定領域セン
サ39aによる遊技球の検知は正当なものではなく不正の可能性が考えられるので、V大
当りを発生させることなくエラー処理を行い(S2227)、そのまま処理を終える。エラー
処理としては、V有効期間中でないときに特定領域センサ39aによる遊技球の検知が発
生したことを示す異常状態報知を行ったり、第1始動口20又は第2始動口21への入球
に基づく各種乱数の取得や特別図柄当否判定等の特別図柄変動に係る処理を一時的に停止
(中断)したりする処理を例示できる。また、エラー処理の実行による異常状態報知や遊
技進行の一時停止等は、所定の解除条件の成立により解除可能とすればよく、解除条件と
して、例えば、時間経過や電源再投入、RAMクリア等を例示できる。
[遊技状態設定処理]
図33に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、今回実行した大当り遊技
に係る大当り種別、すなわち、終了した大当りの種別が時短大当りであるか否かを判定す
る(S2301)。S2301では、現在ONとなっている大当りフラグ、すなわち、S1312、S1612お
よびS2222の何れかでONにした大当りフラグに対応する大当り種別に基づいて、終了し
た大当りの種別が時短大当りであるか否かを判定する。具体的には、今回の大当りが「特
図1大当りA」または時短状態(高ベース状態)にて発生した「特図2大当りB,C」で
あるか、時短状態(高ベース状態)にて発生した「特図2小当りB」を契機とするV大当
りとしての「4R時短大当り」または時短状態(高ベース状態)にて発生した「特図2小
当りC」を契機とするV大当りとしての「15R時短大当り」であれば、今回終了した大
当りの種別は時短大当りということになる(図6を参照)。
S2301で時短大当りであると判定した場合(S2301でYES)、時短フラグをONにし(S23
02)、時短カウンタに「100」をセットし(S2303)、処理を終える。これにより、今
回の大当り遊技終了後の遊技状態が特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち時短
高ベース状態)になる。この時短高ベース状態は、次の大当り(V大当りを含む)が発生
することなく特別図柄が100回変動表示することか、当該100回の変動表示が完了す
るまでに次の大当り(V大当りを含む)が発生することの、何れかの条件の成立により終
了する。尚、時短カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回
数とを合算した回数を計数するものである。
一方、S2301で時短大当りでないと判定した場合(S2301でNO)、すなわち今回の大当り
が「特図1大当りB」、「特図2大当りA」、通常状態(低ベース状態)にて発生した「
特図2大当りB,C」の何れかであるか、「特図2小当りA」を契機とするV大当りとし
ての「4R非時短大当り」であるか、通常状態(低ベース状態)にて発生した「特図2小
当りB」を契機とするV大当りとしての「4R非時短大当り」または通常状態(低ベース
状態)にて発生した「特図2小当りC」を契機とするV大当りとしての「15R非時短大
当り」であれば、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の
大当り遊技終了後の遊技状態が特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち非時短
低ベース状態)になる。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで保留球
数処理(S207)を行う。保留球数処理(S207)では図34に示すように、まず、主制御基
板80のRAMに記憶されている特図1保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2
501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信
するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S207)に次いで電源断
監視処理(S208)を行う。電源断監視処理(S208)では図35に示すように、まず、電源
断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する
。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか
、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)
に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)
、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図36〜図44に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚
、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッ
ファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板9
0に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サ
ブ制御基板90のROMから図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出し
て実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う
(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の
設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ
、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常で
あるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、
サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYE
Sであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進
む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの
内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、
停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4
002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス
及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投
入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。
乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更
新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず
)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動
演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱
数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御
基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1
ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定め
られたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始
動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主
制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたと
きや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決
定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図
示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。
コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各
種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制
御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマ
ンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ6
6及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出、大当り遊技及び小
当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込
みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中において
は、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタ
イマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図37に示すように、ストローブ信号(STB信号
)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイ
コン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で
、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S41
01で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から
送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を
終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先
して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込
みパルスが入力する度に実行する処理である。図38に示すように、2msタイマ割り込
み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基
づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4
201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力する
ランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14を駆動するための駆
動データの作成及び出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチ
ドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割
り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、10msタイマ
割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次い
で、出力するランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)の作
成及び演出時間の管理等を行う電飾制御処理(S4302)と、2msタイマ割り込み処理で
作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制
御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理(S4303)と、スイッチ状態取得処
理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ
処理(S4304)とを、行う。その後、演出決定用乱数を更新等のその他の処理を実行する
(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図40及び図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御
用マイコン91が主制御基板80(主制御部)からゲート通過コマンドを受信したか否か
を判定し(S4419)、ゲート通過コマンドを受信したと判定した場合(S4419でYES)、後
述するゲート通過時処理(S4420)を実行し、S4401の処理に移行する。S4419で、ゲート
通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4419でNO)、ゲート通過時処理を行う
ことなく、S4401の処理に移行する。ゲート通過コマンドは、前述したゲート28(「普
図始動ゲート」ともいう)への通過に基づいて主制御部80からサブ制御部90に送信さ
れるコマンドである。
S4401では、始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンド
を受信したと判定した場合(S4401でYES)、入球時演出開始処理を行い(S4402)、S4403
の処理に移行する。S4401で始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401で
NO)、入球時演出開始処理を行うことなく、S4403の処理に移行する。この入球時演出開
始処理は、第1始動口20への遊技球の入球があったことを示す始動入球コマンドを主制
御部から受信した際に実行する処理であり、本処理を行うことで、サブ制御部90が有す
る演出保留記憶部(図示せず)に未消化の演出保留情報(本実施例1では未消化の第1特
図保留に対応する演出保留情報)を記憶したり、画像表示装置7の表示画面7aに表示さ
れる第1演出保留9aの表示制御(表示個数や演出保留の表示態様の変化に関する制御)
を行ったり、始動口への入球時に主制御部で取得した取得情報に基づいて所謂先読み演出
(「事前演出」ともいう)を行ったりする。
尚、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該第1始動口20への入球に基づ
いて取得した取得情報を示す情報が、始動入球コマンドに含められて若しくは当該情報を
示すコマンドとして、主制御部80からサブ制御部90に送信され、サブ制御部90の演
出保留記憶部に未消化の演出保留情報(演出情報)として、加算して記憶される。演出保
留記憶部に記憶される演出保留情報(「第1演出保留」ともいう)の数の上限数は、特図
保留記憶部に記憶される第1特図保留の数と同じ数(4個)とされ、その時々の記憶数も
同じとされる。また、後述の変動開始コマンドを受信した場合には、それが第1特別図柄
を示すものである場合には、対応する第1演出保留記憶部104に記憶される最も古い演
出保留情報が削除される。
S4403では、主制御部から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動
開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理を行
い(S4404)、S4407の処理に移行する。S4403で変動開始コマンドを受信していないと判
定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。
S4407では、主制御部から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、変動停
止コマンドを受信したと判定した場合(S4407でYES)、後述する変動演出終了処理を行い
(S4408)、S4409の処理に移行する。S4407で変動停止コマンドを受信していないと判定
した場合(S4407でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4409の処理に移行する。
続いて、S4409では、主制御部からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S44
09)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4409でYES)、特別遊技の際に
実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(
S4410)。特別遊技演出には、少なくとも、大当り遊技開始に伴う大入賞口開放前のオー
プニング期間中に実行するオープニング演出と、大当り遊技での大入賞口の開放中に実行
するラウンド演出および開放と開放との間(ラウンド間)のインターバル中に実行するイ
ンターバル演出と、が含まれる。次いで、主制御基板80からエンディングコマンドを受
信したか否かを判定し(図41のS4411)、エンディングコマンドを受信したと判定した
場合(S4411でYES)、特別遊技終了時演出のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種
類等を選択するエンディング演出選択処理を行う(S4412)。一方、S4409で、オープニン
グコマンドを受信していないと判定した場合(S4409でNO)、特別遊技演出選択処理(S44
10)を行うことなく、S4411の処理に移行する。また、S4411で、エンディングコマンドを
受信していないと判定した場合(S4411でNO)、エンディング演出選択処理(S4412)を行
うことなく、S4413の処理に移行する。
ここで、演出モードは、後述のモードステータスに応じて設定されるもので、モードス
テータスは遊技状態(本実施例1では低ベース状態、高ベース状態)に対応している。こ
のため、エンディング演出選択処理(S4412)では、例えば、大当り遊技終了後の遊技状
態が高ベース状態に変化するのであれば、当該高ベース状態に応じたモードステータスを
設定する。これにより、大当り遊技終了後の高ベース状態での遊技が、当該高ベース状態
(モードステータス)に応じた演出モードのもとで進行していくこととなる。また、特別
遊技の前後、例えば小当り遊技の開始前と終了後(V大当り発生せず)とで遊技状態が変
化しない場合には、小当り発生時のモードステータスが維持される。これにより、小当り
遊技終了後の遊技も、小当り遊技開始前と同じ遊技状態(モードステータス)に応じた演
出モードのもとで進行していくこととなる。
S4413では、主制御部からV通過コマンド(小当り遊技の発生に基づいてV通過したこ
とを示すコマンド)を受信したか否かを判定し(S4413)、V通過コマンドを受信したと
判定した場合(S4413でYES)、V通過報知コマンドをセットし(S4414)、S4415の処理に
移行する。尚、V通過コマンドは、特別図柄当否判定の結果が「特図2小当りA〜D」の
何れかとなり、当該小当り遊技中に第2大入賞口35に入球した遊技球が、V有効期間中
に特定領域39を通過したことを、主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマ
ンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100
(画像制御部)等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の画像情報を画
像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過
!大当り!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り
遊技が実行されることが遊技者に報知される。一方、S4413で、V通過コマンドを受信し
ていないと判定した場合(S4413でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S44
15の処理に移行する。S4415では、その他の処理を実行し、処理を終える。
尚、V有効期間外に特定領域39を遊技球が通過した場合にも、V有効期間外の通過で
あることを特定可能な情報を含むV通過コマンドを受信するものとしてもよい。これによ
り、当該有効期間外V通過コマンドの受信に基づいて、サブ制御部90で制御するスピー
カ67や画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5等を用いてエラー報知を行うこと
が可
[ゲート通過時処理]
図42に示すように、ゲート通過時処理(S4420)ではまず、S4901で、遊技状態が高ベ
ース状態かどうかを判定し(S4901)、高ベース状態であると判定した場合(S4901でYES
)、左打ち指示演出を実行することなく、処理を終える。本実施例1のパチンコ遊技機1
は、高ベース状態(「第2遊技状態」に相当)では、遊技球を右遊技領域3Bに発射して
遊技を行うので、右打ちを行っていることを検知したとしても左打ち指示演出を行うこと
はない。ここで、ゲート通過時処理は、ゲート通過コマンドを受信した場合に実行される
処理で、所定の遊技状態において、遊技者が右打ち遊技を行っていることを検知した場合
に、「現在の遊技状態では右打ち遊技が禁止されており、左打ち遊技を行う(左打ちに戻
す)こと」を指示する報知演出を実行するための処理である。よって、ゲート28は、発
射方向を報知(指示)する発射方向報知機能と、普通図柄を変動表示させる普通図柄始動
機能とを兼ね備えているといえる。また、ゲート28は、右遊技領域3B(「第2遊技領
域」に相当)を流下する遊技球が通過可能であって、左遊技領域3A(「第1遊技領域」
に相当)を流下する遊技球は通過不能な位置に設けられており、このゲート28で遊技球
を検知することで、遊技者が、遊技球を右遊技領域3B(第2遊技領域)に向けて発射し
たことを検知することが可能となる。
S4901で、遊技状態が高ベース状態でない、すなわち低ベース状態(「第1遊技状態」
に相当)であると判定した場合(S4901でNO)、左打ち指示演出実行コマンドをセットし
(S4902)、処理を終える。S4902でセットされた左打ち指示演出実行コマンドが、コマン
ド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の
CPUは、画像表示装置7の表示画面7a上で発射方向指示演出を行う。ここでの発射方
向指示演出としては、例えば、「左打ちに戻してください」や「右打ちを止めてください
」等の文字を表示したり、発射ハンドル60を左方向(反時計周りの方向)に回転させる
様子を示す画像を表示したりすること等が挙げられる。
尚、本実施例1では、大当り遊技の開始や、大当り遊技終了後の高ベース状態での遊技
開始の際にも、画像表示装置7の表示画面7a上で発射方向指示演出を行うものとなって
いる。この場合の発射方向指示演出としては、例えば、「右打ちしてください」等の文字
を表示したり、第1大入賞口30に向けて遊技球が右遊技領域3Bを流下する様子を示す
画像を表示したり、第2始動口21に向けて遊技球が右遊技領域3Bを流下する様子を示
す画像を表示したり、発射ハンドル60を右方向(時計周りの方向)に回転させる様子を
示す画像を表示したりすること等が挙げられる。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行わ
れる変動演出開始処理(S4404)について説明する。図43に示すように、変動演出開始
処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告
演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数
処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信した
タイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。
この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する
演出図柄等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)
。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選
択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情
報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パター
ン情報(P1乃至P15)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄
当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別や小当り種別を指定する
図柄情報等が含まれている(図8参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特
別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パター
ン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示
)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変
動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以
外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503
)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステー
タスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当
てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異な
ると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされ
る。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に
表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるもの
とすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に
、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モ
ードA,B,Cは低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは高
ベース状態に制御されているときに実行される。遊技者は、演出モードを通じて現在の遊
技状態を把握することが可能である。
次に、S4504で、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変
動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定
テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在
の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用
する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コ
マンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であ
った場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時
変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例1では、演出モード(モードス
テータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROM
に予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中か
ら、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択
されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行
態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テ
ーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変
動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
続いてS4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセット
した変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動
演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図
柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設
定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ
有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合
(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リー
チ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判
定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄
8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けて
いる場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成す
る図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の
演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄
決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定
し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別
図柄当否判定の結果が時短大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、非時
短大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのと
きは「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図
柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C
,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるよ
うになっている。本実施例1では、小当りのときも、外れのときと同じ態様(バラケ目)
で3個の演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するものとしている。但し、小当りについ
ては、「135」等の予め定めたチャンス目や「3★3」等の専用図柄を停止表示しても
よい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、停止演出図柄として何を停止
表示するかは適宜変更可能である。
本実施例1のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)とし
て、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、ス
ーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変
動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれら
の演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ
有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パタ
ーン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技
演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行され
る場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、ス
ーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとな
る可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が3
0000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを
受信した場合に設定(実行)され得る。
S4505では、これら「リーチ演出」等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演
出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS
4506で、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始
するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセット
し(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンド
が、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基
板100のCPUは、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すな
わちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板1
00のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置
7の表示画面7a上で実行する。
尚、本実施例1では、遊技状態が低ベース状態の場合に、例えば、図3に示すように画
像表示装置7の表示画面7aに演出図柄8(演出図柄8L,8C,8R)を表示して、リ
ーチ演出等を含む演出図柄遊技演出を行うものとしている。一方、遊技状態が高ベース状
態の場合には、演出図柄8を表示画面7aの縁の方(例えば画面右下)に小さく表示し、
特図2小当りを契機とするV大当りが発生するまで一連の演出を、表示画面7aの略全体
を用いて行うものとしている。一連の演出としては、例えば、味方キャラクタが対戦相手
となる敵キャラクタを探す様子を表現した演出が挙げられる。この場合、小当りを契機に
V大当りが発生すると、敵キャラクタ発見となり、当該V大当りに係る大当り遊技中に味
方キャラクタと敵キャラクタとが対戦する所謂バトル演出が繰り広げられる。そして、バ
トル演出の結果によって、大当り遊技後の遊技状態が高ベース状態となるか否かが示され
、例えば、味方キャラクタが勝利すれば、高ベース状態となることが確定する。
[変動演出終了処理]
図44に示すように、変動演出終了処理(S4408)ではまず、S4601で、演出制御用マイ
コン91が変動停止コマンドを解析し(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)
。これにより、現在の演出モードがA〜Eのうち何れかを判定する。次に、S4603で、遊
技状態が変化するか否かを判定する。例えば、高ベース状態から低ベース状態に移行する
か、低ベース状態から高ベース状態に移行するか等を判定する。S4603で、遊技状態が変
化すると判定した場合(S4603でYES)、変化後の遊技状態に対応する演出モード(A〜E
)設定コマンドをセットし(S4604)、S4605の処理に移行する。一方、S4603で、遊技状
態は変化しないと判定した場合(S4603でNO)、S4605の処理に移行する。S4605では、演
出制御用マイコン91が演出図柄遊技演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセ
ットし(S4605)、処理を終える。
以上、実施例1のパチンコ遊技機1について説明したが、当該パチンコ遊技機1では、
特図1大当りに係る大当り遊技として4R大当り遊技を設け、特図2大当りに係る大当り
遊技として4R大当り遊技および15R大当り遊技を設けているので、第2特別図柄で大
当り(V大当り含む)となった方が、遊技者に付与され得る利益の量が多くなる可能性が
高くなっている。このような遊技者にとって有利に働く第2特別図柄の変動表示が主体と
なる高ベース状態(時短状態)において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなっ
た場合、その後に高ベース状態(時短状態)となる確率(時短継続率)は「93%」とな
っており、高ベース状態(時短状態)にて第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなっ
た場合または小当りを契機とするV大当りが発生した場合の時短継続率「80%」よりも
高いものとなっている。つまり、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状
態(時短状態)では、多くの利益を得難い第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたと
しても、大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性は、第2特別図柄に係る
大当り遊技が実行される場合よりも高くなる。これにより、第2特別図柄の変動表示が遊
技の主体となる高ベース状態(時短状態)に移行したにもかかわらず、第1特別図柄が変
動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとしても、当該大当り遊技後に、高ベース
状態(時短状態)での遊技を極力続けられるようにすることが可能となる。
特に、実施例1のパチンコ遊技機1はいわゆる「1種2種タイプ」とされており、大当
り確率よりも小当り確率の方が高く設定されていることから、高ベース状態(時短状態)
では、特図2小当りを契機とするV大当りに係る大当り遊技の実行を効率的に狙うことが
可能となる。このような「1種2種タイプ」の仕様において高ベース状態(時短状態)で
の遊技を極力続けられるようにすることで、「1種2種タイプ」の遊技機に係る遊技興趣
の向上を図ることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、低ベース状態(非時短状態)のときに発生し
得る大当りのうち「特図1大当りA」だけが「時短大当り」となっており、その他の大当
りはすべて「非時短大当り」となっている。また、低ベース状態(非時短状態)のときに
発生し得る「特図2小当りA〜C」は、何れも「非時短大当り」を発生可能な小当りとな
っている。このため、低ベース状態(非時短状態)において「特図1大当りA」が発生し
ない限り、遊技状態が高ベース状態(時短状態)に移行することはない。つまり、低ベー
ス状態(非時短状態)では、特図2大当りに係る大当り遊技が実行されるより、特図1大
当りに係る大当り遊技が実行される方が、大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)とな
る可能性が高いものとなる。これにより、低ベース状態(非時短状態)では、第1特別図
柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態(時短状態)への移行を狙い、高ベース
状態(時短状態)では、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当
り遊技(例えば15R大当り遊技)の実行を狙えるとともに、利益量の少ない第1特別図
柄に係る大当り遊技が実行されたとしても引き続き高ベース状態(時短状態)で遊技を進
められる可能性が高い、といった遊技性を得ることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、低ベース状態(非時短状態)で特図1大当り
が発生してこれに係る大当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態(時短状
態)となる確率(時短突入率)は「50%」となっており、高ベース状態(時短状態)で
特図2大当りまたは特図2小当りを契機とするV大当りが発生してこれに係る大当り遊技
が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる確率(時短継続率)は
「80%」となっている。そして、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に
係る大当り遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれていることから、特図1大当りに
比べ特図2大当り(V大当り含む)の方が遊技者にとって有利である。このことから、高
ベース状態(時短状態)では、原則、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益
量の多い大当り遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策といえる。これにより、高ベ
ース状態(時短状態)では第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めるという遊技性を
損なわないようにすることが可能となる。尚、低ベース状態(非時短状態)での特図1大
当りに基づく時短突入率や、高ベース状態(時短状態)での特図2大当り(V大当り含む
)に基づく時短継続率は、「前者の時短突入率<後者の時短継続率」の関係を満足するよ
うに設定する限り、遊技性能(スペック)等を考慮して任意に設定することが可能である
また、前述のように、高ベース状態(時短状態)では、特図2大当り(V大当り含む)
に係る大当り遊技が実行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実行される方が、
大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性が高いので、高ベース状態(時短
状態)の継続という点では、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態(
時短状態)であるにもかかわらず、第1特別図柄の方が遊技者にとって有利に働くものと
なる。これにより、高ベース状態(時短状態)にて、仮に第1特別図柄が変動表示してこ
れに係る大当り遊技が実行されたとしても、当該大当り遊技は、大当り遊技後の高ベース
状態(時短状態)の継続を図るいわば「救済」として機能させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特図保留を記憶可能となっているととも
に、第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先して実行するものとなって
いる。これにより、例えば、高ベース状態(時短状態)において第1特図保留が存在した
としても、当該保留に基づく第1特別図柄の変動表示を先に実行して(終わらせて)、第
2特別図柄の変動表示が主体となる遊技を効率的に進めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、前述のように、特図2大当り(V大当り含む
)に、特図1大当りでは発生し得ない「15R時短大当り」が含まれており、大当り遊技
で獲得可能な利益の面では第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が遊技者にとって有利と
いえるが、低ベース状態(非時短状態)にて特図2大当りや特図2小当りを契機とするV
大当りが発生したとしても、これに係る大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)に移行
することはなく、低ベース状態(非時短状態)では「特図1大当りA」が発生しない限り
、高ベース状態(時短状態)に移行することはない。このため、低ベース状態(非時短状
態)にて、当該状態での遊技の主目的(本来の遊技性)に反して、遊技球を第2始動口2
1に入球させて第2特別図柄の当否判定(変動表示)を狙ったとしても、遊技者にとって
実益は大きくない。これにより、低ベース状態(非時短状態)にて、第2特別図柄を変動
表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させる行為(本来の遊技性を損なう行為
)の抑制を図ることが可能となっている。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、前述のように、低ベース状態(非時短状態)
での特図1大当りに基づく時短突入率を「50%」としており、特図2大当り(V大当り
含む)によっては高ベース状態(時短状態)への移行は望めないものとなっている。また
、高ベース状態(時短状態)での特図2大当り(V大当り含む)に基づく時短継続率は「
80%」となっており、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る大当り
遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれている。このため、低ベース状態(非時短状
態)では、第1特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態(時短状態)への
移行を狙い、高ベース状態(時短状態)に移行した上で、第2特別図柄を変動表示させて
利益量の多い大当り遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策といえる。これにより、
低ベース状態(非時短状態)において、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体であるにも
かかわらず、第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させる
といった行為の抑制を図り易くすることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特図保留だけ記憶するものとし、第2特
別図柄については保留記憶を行わない(第2特別図柄に対応する特図保留記憶部を設けな
い)構成としているので、低ベース状態(非時短状態)において、第1始動口20への遊
技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表示に比べ、第2始動口21への遊技球の入球に
基づく第2特別図柄の変動表示の実行機会は得難いものとなる。これにより、低ベース状
態(非時短状態)において、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体であるにもかかわらず
、第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させるといった行
為の抑制を一層図り易くすることが可能となる。
尚、実施例1では、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特図保留(特図1保
留)だけを記憶可能としているが、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得される
取得情報(第2取得情報)についても第2特図保留(特図2保留)として記憶可能に構成
してもよい。この場合、特図保留記憶部として、第1特図保留を記憶する第1特図保留記
憶部(第1保留記憶手段、第1取得情報記憶手段)と、第2特図保留を記憶する第2特図
保留記憶部(第2保留記憶手段、第2取得情報記憶手段)とを設けることが可能である。
この場合、第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部とで上限値を同じとすることも可能
であるが、前述したように低ベース状態(非時短状態)での本来の遊技性を損なうような
行為の抑制を考慮すると、第2特図保留記憶部の上限値は第1特図保留記憶部の上限値よ
りも少なくするのが望ましい。
また、前述の実施例1では、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合
の時短継続率を「93%」することで、例えば、特図2小当りを契機とするV大当りを狙
う高ベース状態(時短状態)での本来の遊技を行うことなく低ベース状態(非時短状態)
に戻ってしまう可能性を極力低くしているが、高ベース状態(時短状態)で特図1大当り
が発生した場合の時短継続率は「93%」に限られるものではない。例えば、高ベース状
態(時短状態)となった後、低ベース状態(非時短状態)に戻る(転落)するまでの間、
すなわち、高ベース状態(時短状態)が継続する一の連荘期間において、第1特別図柄だ
けを変動表示させて遊技を継続した場合の特図1大当りに係る賞球払出個数(以下、「総
量出玉(S1)」ともいう)を考慮して、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発
生した場合の時短継続率を定めることができる。
「総量出玉(S1)」を求めるにあたっては、まず、
(1)高ベース状態中(時短状態中)に大当りを引く確率(以下、「引き戻し率(H1
)」ともいう)と、
(2)高ベース状態(時短状態)となってから低ベース状態(非時短状態)に戻る(転
落)するまでの間に大当りを引く確率、すなわち、高ベース状態(時短状態)が継続する
一の連荘期間で大当りを引く確率(以下、「全引き戻し率(H2)」ともいう)と、
を算出する必要がある。これら「引き戻し率(H1)」および「全引き戻し率(H2)
」を求める計算式は以下の通りである。
式1:引き戻し率(H1)=1−(1−(大当り確率(X)))^時短回数(Y)
式2:全引き戻し率(H2)=引き戻し率(H1)×時短継続率(Z)
そして、上記計算式によって得られた全引き戻し率(H2)を用いて、高ベース状態(
時短状態)が継続する一の連荘期間での「特図1平均大当り回数(K)」と、特図1大当
り1回あたりの賞球払出個数(以下、「単位出玉(S2)」ともいう)とを求め、これら
を掛け合わせることで、「総量出玉(S1)」が得られる。すなわち、「総量出玉(S1
)」を求める計算式は以下の通りである。
式3:総量出玉(S1)=単位出玉(S2)×特図1平均大当り回数(K)
上記式1〜式3に基づき、前述した実施例1のパチンコ遊技機1を例に総量出玉(S1
)を求めてみる。尚、実施例1のパチンコ遊技機1は、大当り確率が「1/195.05
」、時短回数が「100回」、高ベース状態(時短状態)での特図1大当りによる時短継
続率が「93%」、特図1大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4」、第1大入賞口
30の規定入球個数が「9個」である。また、第1大入賞口30への入球1個あたりの賞
球個数は「15個」とする。この場合において、まず、上記式1に基づき引き戻し率(H
1)を求めると、「X=1/195.05」「Y=100」なので、引き戻し率(H1)
は、
H1=1−(1−1/195.05)^100=0.401906=40.1906%
となる。
次に、上記式2に基づき全引き戻し率(H2)を求めると、
「H1=40.1906%」「Z=93%」なので、全引き戻し率(H2)は、
H2=0.401906×0.93=0.373773=37.3773%となる。
ここで、前述の「特図1平均大当り回数(K)」は、
特図1平均大当り回数(K)=1/(1−全引き戻し率(H2))
によって求められるので、実施例1のパチンコ遊技機1の特図1平均大当り回数(K)
は、K=1/(1−0.373773)=1.596865
となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1の単位出玉(S2)は、
S2=4(ラウンド数)×15(賞球個数)×9(規定入球個数)=540
である。
以上により、上記式3に基づき総量出玉(S1)を求めると、
「S2=540」「K=1.596865」なので、総量出玉(S1)は、
S1=540×1.596865≒862個
となる。
このように、実施例1のパチンコ遊技機1において、高ベース状態(時短状態)が継続
する一の連荘期間で第1特別図柄だけを変動表示させて遊技を継続した場合の総量出玉(
S1)は「862個」となり、この値は、実施例1のパチンコ遊技機1で最も有利な15
R大当り1回あたりの賞球払出個数、すなわち、
15(ラウンド数)×15(賞球個数)×9(規定入球個数)=2025個
よりも明らかに少ない。よって、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した
場合の時短継続率を「93%」としても、射幸性が高くなることは無いので、遊技機の性
能(スペック)として何ら問題ないといえる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1において、高ベース状態(時短状態)で特図1大当
りが発生した場合の時短継続率を「100%」としたとしても、前述の計算によって求め
られる総量出玉(S1)は約「903個」なので、この場合においても射幸性が高くなる
ことは無く、遊技機の性能(スペック)上、何ら問題ないといえる。よって、高ベース状
態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率を、前述の実施例1よりも更
に高くすることも可能である。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、仮に、高ベース状態(時短状態)が継続する
一の連荘期間で第1特別図柄だけを変動表示させて遊技を継続したとしても、その場合の
総量出玉(S1)は、第2特別図柄の大当り(V大当り含む)に係る大当り遊技として実
行され得る15R大当り遊技の1回あたりの賞球払出個数(2025個)よりも明らかに
少なくなる。このことから、高ベース状態(時短状態)にて、当該状態での遊技の主目的
(本来の遊技性)に反して遊技球を第1始動口20に入球させて特図1大当りを狙ったと
しても(時短継続率が高いことによる恩恵を狙ったとしても)、遊技者にとって何ら実益
はない。
次に、実施例2のパチンコ遊技機について説明する。前述の実施例1では、本発明を「
1種2種タイプ」のパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明は「1種2種タイ
プ」以外のパチンコ遊技機にも適用可能である。その一例として、本実施例2では、本発
明を「1種タイプ」のパチンコ遊技機に適用した場合について説明する。尚、以下では、
実施例1との主な相違点から説明する。
まず、本実施例2のパチンコ遊技機では、小当りを備えていないことから、遊技盤2に
係る構成(盤面構成)のうち、前述の実施例1で小当り遊技に使用していた第2大入賞口
35や特定領域39を備えていないものとなっている。つまり、本実施例2の特別遊技(
当り遊技)は、第1大入賞口30を用いる大当り遊技となっている。
また、本実施例2では、主制御部80による制御処理のうち特別図柄当否判定で小当り
判定を行わず、大当り判定だけを行うものとなっている。大当り判定は、図45(A)に
示す大当り判定テーブルを用いて行う。ここで、本実施例2のパチンコ遊技機は、特別図
柄に対する確率変動機能を備えており、大当り確率が低確率に設定される低確率状態用の
大当り判定テーブルと、大当り確率が高確率に設定される高確率状態用の大当り判定テー
ブルとを備えている。具体的には、「0〜65535」の範囲で値をとる特別図柄当否判
定用乱数のうち、低確率状態では「65286〜65535」の250個の値を大当り判
定値(大当りと判定する値)としており、高確率状態では「64601〜65535」の
935個の値を大当り判定値としている。つまり、低確率状態での大当り確率は「1/2
62.14」となっており、高確率状態での大当り確率は「1/70.09」となってい
る。そして、本実施例2の確率変動機能は、大当り遊技終了後、特別図柄の変動表示が所
定回数(本実施例2では50回)行われると、その作動が終了するものとなっており、本
実施例2のパチンコ遊技機は所謂「ST機」(回数切り確変機)と呼ばれるタイプのパチ
ンコ遊技機となっている。
本実施例2においても、特別図柄当否判定で大当りとなった場合、前述の実施例1と同
じように、図45(B)に示す大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を決定する。
本実施例2における大当り種別は前述の実施例1と同様となっており、図46に示すよう
に、特図1大当り種別として「特図1大当りA,B」の2種類、特図2大当り種別として
「特図2大当りA〜C」の3種類を有している。そして、これらすべての大当りは、大当
り遊技終了後に「確率変動機能」を作動させる「確変大当り」となっている(図46(A
),(B)の確変機能の欄を参照)。尚、時短機能および開放延長機能について、本実施
例2の高ベース状態(時短状態)の終了条件、すなわち、時短機能および開放延長機能の
作動終了条件となる特別図柄の変動表示回数は「70回」となっており(図46(A),
(B)の時短機能および開放延長機能の欄を参照)、この点が前述の実施例1と異なって
いる。一方、大当り発生時の遊技状態毎の「特図1大当りA,B」および「特図2大当り
A〜C」の各当りの振分確率は、前述の実施例1と同様である(図46(A),(B)の
大当り種別決定用乱数の欄を参照)。また、図45では、判定テーブルとして大当り判定
テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示し、普通図柄当り判定テーブルおよび普通図
柄変動パターン選択テーブルを示していないが、これについては、前述の実施例1と同様
のテーブル(図8(D),(E)を参照)を用いることとしている
本実施例2では、「特図1大当りB」または「特図2大当りA」が発生した場合と、低
ベース状態(時短状態)にて「特図2大当りB」または「特図2大当りC」が発生した場
合には、当該大当りに係る大当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態且つ非時短状態且つ
低ベース状態(以下、「高確低ベース状態」ともいう)となり、「特図1大当りA」が発
生した場合と、高ベース状態(時短状態)にて「特図2大当りB」または「特図2大当り
C」が発生した場合には、当該大当りに係る大当り遊技後の遊技状態は高確率状態且つ時
短状態且つ高ベース状態(以下、「高確高ベース状態」ともいう)となる。そして、大当
り遊技後に高確高ベース状態となり、当該高確高ベース状態にて特別図柄の変動表示が5
0回行われると、遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(以下、「低確高
ベース状態」ともいう)となり、この後、さらに低確高ベース状態にて特別図柄の変動表
示が20回行われると、遊技状態が低確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態(以下、
「低確低ベース状態」ともいう)となる。また、大当り遊技後に高確低ベース状態となり
、当該高確低ベース状態にて特別図柄の変動表示が50回行われると、遊技状態が低確低
ベース状態となる。さらに、これらの各遊技状態に応じて、演出モード(モードステータ
ス)が設定されるものとなっている。
また、本実施例2では、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得される取得情報
についても保留として記憶するものとなっている。つまり、第1特図保留に加え第2特図
保留も記憶可能となっている。本実施例2では、第1特図保留と第2特図保留とで記憶可
能な上限値を同じ「4」としている。さらに、前述の実施例1では、第1特別図柄の変動
表示を第2特別図柄の変動表示に優先して行うものとしていたが、本実施例2では、第2
特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して行うものとしている(特図2優
先変動)。また、前述の実施例1では、高ベース状態(時短状態)における特別図柄の大
当り変動パターンと外れ変動パターンを夫々1種類としていたが、本実施例2では、夫々
複数種類設けている。
以上が、前述した実施例1との主な相違点であり、その他の「1種タイプ」の遊技に係
る基本的な構成(大当り判定、大当り遊技等)は、実施例1と同様である。
以上の実施例2のパチンコ遊技機においても、特図1大当りに係る大当り遊技として4
R大当り遊技を設け、特図2大当りに係る大当り遊技として4R大当り遊技および15R
大当り遊技を設けているので、第2特別図柄で大当りとなった方が、遊技者に付与され得
る利益の量が多くなる可能性が高くなっている。そして、第2特別図柄の変動表示が主体
となる高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)において、第1特別図
柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、その後に高ベース状態(時短状態)となる確
率(時短継続率)は「93%」となっており、高ベース状態(時短状態)にて第2特別図
柄の当否判定の結果が大当りとなった場合の時短継続率「80%」よりも高いものとなっ
ている。つまり、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態(時短状態)
では、多くの利益を得難い第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたとしても、大当り
遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性は、第2特別図柄に係る大当り遊技が実
行される場合よりも高くなる。これにより、高ベース状態(時短状態)に移行したにもか
かわらず、第1特別図柄が変動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとしても、当
該大当り遊技後に、高ベース状態(時短状態)での遊技を極力続けられるようにすること
が可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態(低確低ベース状態または
高確低ベース状態)のときに発生し得る大当りのうち「特図1大当りA」だけが「時短大
当り」となっており、その他の大当りはすべて「非時短大当り」となっている。このため
、低ベース状態において「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技状態が高ベース状態
に移行することはない。つまり、低ベース状態では、特図2大当りに係る大当り遊技が実
行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実行される方が、大当り遊技後に高ベー
ス状態となる可能性が高いものとなる。これにより、低ベース状態では、第1特別図柄の
変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態への移行を狙い、高ベース状態では、第2特
別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当り遊技(例えば15R大当り遊
技)の実行を狙えるとともに、万が一第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたとして
も引き続き高ベース状態で遊技を進められる可能性が高い、といった遊技性を、1種タイ
プのパチンコ遊技機で得ることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態で特図1大当りが発生して
これに係る大当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態となる確率(時短突
入率)は「50%」となっており、高ベース状態で特図2大当りが発生してこれに係る大
当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態となる確率(時短継続率)は「8
0%」となっている。そして、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る
大当り遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれていることから、特図1大当りに比べ
特図2大当りの方が遊技者にとって有利である。このことから、高ベース状態では、原則
、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当り遊技の実行を狙うの
が、遊技者にとって得策といえる。これにより、1種タイプのパチンコ遊技機において、
高ベース状態では第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めるという遊技性を損なわな
いようにすることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、遊技状態が高ベース状態にあるときには
、特図2大当りに係る大当り遊技が実行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実
行される方が、大当り遊技後に高ベース状態となる可能性が高いので、高ベース状態の継
続という点では、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態であるにもか
かわらず、第1特別図柄の方が遊技者にとって有利に働くものとなる。これにより、高ベ
ース状態にて、仮に第1特別図柄が変動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとし
ても、当該大当り遊技は、大当り遊技後の高ベース状態の継続を図るいわば「救済」とし
て機能させることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態にて特図2大当りが発生し
たとしても、これに係る大当り遊技後に高ベース状態に移行することはなく、低ベース状
態では「特図1大当りA」が発生しない限り、高ベース状態に移行することはない。この
ため、低ベース状態にて、当該状態での遊技の主目的(本来の遊技性)に反して、遊技球
を第2始動口21に入球させて第2特別図柄の当否判定(変動表示)を狙ったとしても、
遊技者にとって実益は大きくない。これにより、実施例2の1種タイプのパチンコ遊技機
においても、低ベース状態にて第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口
21に入球させる行為(本来の遊技性を損なう行為)の抑制を図ることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態での特図1大当りに基づく
時短突入率を「50%」としており、特図2大当りによっては高ベース状態への移行は望
めないものとなっている。また、高ベース状態での特図2大当りに基づく時短継続率は「
80%」となっており、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る大当り
遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれている。このため、低ベース状態では、第1
特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態への移行を狙い、高ベース状態に
移行した上で、第2特別図柄を変動表示させて利益量の多い大当り遊技の実行を狙うのが
、遊技者にとって得策といえる。これにより、実施例2の1種タイプのパチンコ遊技機に
おいても、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる低ベース状態で、第2特別図柄を
変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させるといった行為の抑制を図り易
くすることが可能となる。
尚、実施例2では、時短突入率および時短継続率を実施例1と同様としていたが、実施
例2においても、時短突入率および時短継続率は、前述した実施例1と同様の考え方のも
と、総量出玉(S1)やその他の遊技性能(スペック)等を考慮して、任意に設定するこ
とが可能である。
また、実施例2では、第1特図保留および第2特図保留を記憶可能とし、それぞれの記
憶可能な上限値を「4」としていたが、実施例2においても、本来の遊技性に反した遊技
の進行の抑制を図る観点から、第2特図保留を記憶しないものとしたり、第2特図保留の
記憶可能な上限値を第1特図保留の上限値よりも少なくしたりすることが可能である。
以上、本発明を1種2種タイプのパチンコ遊技機に適用した実施例1と、本発明を1種
タイプのパチンコ遊技機に適用した実施例2について説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限
定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常
有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、時短機能および開放延長機能の作動終了条件(高ベース
状態の終了条件)として「特別図柄の変動表示回数」を用い、その回数が所定回数(実施
例1では100回、実施例2では70回)になることで、高ベース状態が終了するものと
していたが、これ以外の終了条件を設定することも可能である。例えば、高ベース状態に
て時短大当りが発生し続ける限り、その後も高ベース状態での遊技を継続することが可能
で、高ベース状態にて非時短大当りが発生することで、当該大当りに係る大当り遊技後に
低ベース状態となる(高ベース状態が終了となる)仕様、すなわち、次回大当りが発生す
るまで高ベース状態が継続する所謂「ループタイプ」とすることも可能である。また、高
ベース状態の終了条件を「特別図柄の変動表示回数」により定める場合、その回数は前述
した実施例で示した回数に限定されるものではなく、大当り確率や小当り確率、大当り遊
技での賞球払出個数(利益量)等を考慮して、任意に設定することが可能である。
また、前述した実施例では、低ベース状態にあるときは、特図2大当り(V大当り含む
)が発生したとしても、高ベース状態に移行することはあり得ない(100%ない)構成
、すなわち、「特図1大当りA」が発生しない限り、高ベース状態に移行することはない
構成としていた。しかしながら、特図1大当りによる高ベース状態への移行よりも可能性
が低いのであれば、特図2大当り(V大当り含む)によっても高ベース状態への移行があ
り得る構成としてもよい。例えば、低ベース状態にて特図1大当りが発生した場合の高ベ
ース状態への移行率(時短突入率)を50%とした場合、特図2大当り(V大当り含む)
が発生した場合の高ベース状態への移行率(時短突入率)を10%としたり5%としたり
する等、可能性は低いものの高ベース状態への移行の可能性を持たせてもよい。つまり、
低ベース状態にて特図1大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行される場合より、
低ベース状態にて特図2大当り(V大当り含む)が発生してこれに係る大当り遊技が実行
される場合の方が、大当り遊技後に高ベース状態となる可能性が低いものとなっていれば
よい。
また、前述した実施例では、第2始動口21を第1始動口20の下方に設け、右遊技領
域3Bを流下する遊技球が第2始動口21に入球可能となる盤面構成としていたが、右遊
技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるのであれば、第2始動口21を設ける位置
は特に問わない。例えば、図3に示す盤面構成において、右遊技領域3Bであって第1大
入賞装置31(第1大入賞口30)と第2大入賞装置36(第2大入賞口35)との間の
部位に第2始動口(可変始動口)設けてもよい。
また、前述した実施例では、第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先
して行うか、あるいは、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して行
う構成としていたが、特別図柄の変動表示に係る仕様は、必ずしも優先変動としなくても
よい。例えば、第1始動口および第2始動口への遊技球の入球順に第1特別図柄および第
2特別図柄を変動表示する入球順変動としてもよい。
また、前述した実施例では、1ラウンドにおける大入賞口の開放回数を1回としている
が、1ラウンドにおける大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、ラウンドによって
は開放回数を異ならせるようにしてもよく、大当り遊技におけるラウンド数も4Rや15
Rに限定されるものではなく、種々のラウンド数を設定可能である。
また、前述した実施例2では、すべての大当りを「確変大当り」としていたが、大当り
種別として、確変大当りの他、確率変動機能を作動させる契機とならない「非確変大当り
」を設けてもよい。また、前述した実施例2では、確率変動機能の作動終了条件として「
特別図柄の変動表示回数」を用い、その回数が所定回数(実施例2では50回)になるこ
とで、高確率状態が終了するものとしていたが、これ以外の終了条件を設定することも可
能である。例えば、高確率状態にて確変大当りが発生し続ける限り、その後も高確率状態
での遊技を継続することが可能で、高確率状態にて非確変大当りが発生することで、当該
大当りに係る大当り遊技後に低確率状態となる(高確率状態が終了となる)仕様、すなわ
ち、次回大当りが発生するまで高確率状態が継続する所謂「確変ループタイプ」とするこ
とも可能である。さらに、確率変動機能を作動させる制御として、大当り種別(大当り図
柄)基づいて作動させるものとしていたが、例えば、大当り遊技中の特定ラウンド(チャ
ンスラウンド)で開放状態(入球可能状態)となる大入賞装置(大入賞口)内に設けられ
た特定領域を遊技球が通過した場合に確率変動機能を作動させるものとしてもよい。
[その他]
第1始動口への入球に基づき第1識別情報を変動表示させるよりも、第2始動口への入
球に基づき第2識別情報を変動表示させて遊技を進行させる方が、遊技者にとって有利と
なるように構成された遊技機では、第2始動口を遊技球の入球可能性が変化し得る可変式
の始動口とし、特別遊技後に、第2始動口への遊技球の入球頻度が通常の遊技状態よりも
高くなる高頻度状態に移行可能となっているのが一般的である。遊技状態が高頻度状態に
なることで、遊技者は遊技を有利に進めることが可能となるが、高頻度状態に移行したに
もかかわらず、第2識別情報が変動表示せずに第1識別情報が変動表示することがあり、
さらには、高頻度状態に移行後、早々に第1識別情報に係る特別遊技が行われて当該特別
遊技後に通常の遊技状態に戻ってしまう虞もある。このように、せっかく高頻度状態に移
行したにもかかわらず、高頻度状態での遊技を充分に楽しめないまま高頻度状態が終了し
てしまうことは、遊技者の遊技意欲を損ないやすく、結果として遊技興趣の低下を招いて
しまうという問題がある。これに対し、高頻度状態に移行した場合には当該高頻度状態で
の遊技を極力続けられるようにして、遊技興趣の向上を図ることが可能な遊技機に関する
発明を、以下に例示する。
(1−1)始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表
示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊
技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有
し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識
別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有
し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される
場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実
行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、
前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と
、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前
記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記
特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停
止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技
状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(1−2)上記(1−1)の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記
特別遊技が実行される場合より、前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停
止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技
状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(1−3)上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記
特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停
止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技
状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(1−4)上記(1−1)ないし(1−3)の遊技機において、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶
可能な保留記憶手段を備え、
前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行する
ことを特徴とする遊技機。
また、前述のような、第1識別情報に比べ第2識別情報を有利とした遊技機では、第1
識別情報の変動表示が遊技の主体となる通常の遊技状態であるにもかかわらず、第2識別
情報を繰り返し変動表示させて利益を得ようとすべく第2始動口に遊技球を入球させる行
為がなされる虞がある。このような本来の遊技性を損なう行為は、遊技の公平性の観点か
ら好ましくない。これに対し、第1識別情報の変動表示が遊技の主体となる通常の遊技状
態で本来の遊技性を損なう行為がなされるのを抑制することが可能な遊技機に関する発明
を、以下に例示する。
(2−1)始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表
示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊
技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有
し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識
別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有
し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される
場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実
行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、
前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と
、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前
記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記
特別遊技が実行される場合より、前記第1遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停
止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技
状態が前記第2遊技状態となる可能性が低い
ことを特徴とする遊技機。
(2−2)上記(2−1)の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記
特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停
止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技
状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(2−3)上記(2−1)または(2−2)の遊技機において、
未実行の前記識別情報の変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備え、
前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶
可能な数は、前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留
として記憶可能な数より少ない
ことを特徴とする遊技機。
(2−4)上記(2−3)の遊技機において、
前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶
可能な数はゼロである
ことを特徴とする遊技機。
尚、上記(1−1)ないし(1−4)の遊技機、または、上記(2−1)ないし(2−
4)の遊技機は、
前記特定態様として、第1特定態様と第2特定態様とを有し、
前記第1識別情報および前記第2識別情報のうち少なくとも前記第2識別情報が前記第
2特定態様で停止表示可能であり、
前記特別遊技実行手段は、少なくとも、前記第1識別情報が前記第1特定態様で停止表
示した場合と、前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識
別情報が前記第2特定態様で停止表示することで入球可能となる特定入球口に入球した遊
技球が特定領域を通過した場合とに、前記特別遊技を実行可能であり、
前記第1識別情報または前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示する可能性よ
り、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示する可能性の方が高い
こととしてもよい。
また、参考発明1の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
参考発明1の遊技機によれば、第1識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第2識別情報に係る特別遊技が実行される方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高いことから、特別遊技により得られる利益の面で、第2識別情報は第1識別情報に比べ遊技者にとって有利に働くものとなる。このような第2識別情報の変動表示の契機となる第2始動口への遊技球の入球頻度が高まる第2遊技状態において、第2識別情報が特定態様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報が特定態様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態となる可能性が高いものとなっている。つまり、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態では、多くの利益を得難い第1識別情報に係る特別遊技が実行されたとしても、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性は、第2識別情報に係る特別遊技が実行される場合に比べ高くなる。これにより、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態に移行したにもかかわらず、第1識別情報が変動表示して特定態様で停止表示し、これに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技後に、第2遊技状態での遊技を極力続けられるようにすることが可能となる。
また、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
参考発明2の遊技機によれば、第1遊技状態では、第2識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報に係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性が高いものとなる。これにより、第1遊技状態では、第1識別情報の変動表示を主体に遊技を進めて第2遊技状態への移行を狙い、第2遊技状態では、第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い特別遊技の実行を狙えるとともに、利益量の少ない第1識別情報に係る特別遊技が実行されたとしても引き続き第2遊技状態で遊技を進められる可能性が高い、といった遊技性を得ることが可能となる。
また、参考発明3の遊技機は、参考発明1または参考発明2の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
参考発明3の遊技機によれば、第1遊技状態で第1識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第2遊技状態で第2識別情報に係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性が高いので、第2遊技状態では、原則、第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い特別遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策である。これにより、第2遊技状態では第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進めるという遊技性を損なわないようにすることが可能となる。また、前述のように、第2遊技状態では、第2識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報に係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性が高いので、第2遊技状態の継続という点では、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態であるにもかかわらず、第1識別情報の方が遊技者にとって有利に働くものとなる。これにより、第2遊技状態にて、仮に第1識別情報が変動表示してこれに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技は、特別遊技後の第2遊技状態の継続を図るいわば「救済」として機能させることが可能となる。
また、参考発明4の遊技機は、参考発明1ないし参考発明3の遊技機において、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備え、
前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行する
ことを特徴としている。
参考発明4の遊技機によれば、第1識別情報の変動表示を保留として記憶することが可能となっているとともに、第1識別情報の変動表示を第2識別情報の変動表示に優先して実行するものとなっている。これにより、例えば、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態において第1識別情報の変動表示に係る保留が存在したとしても、当該保留に基づく第1識別情報の変動表示を先に実行して(終わらせて)、第2識別情報の変動表示が主体となる遊技を効率的に進めることが可能となる。
また、参考発明5の遊技機は、参考発明1ないし参考発明4の遊技機において、
前記特定態様として、第1特定態様と第2特定態様とを有し、
前記第1識別情報および前記第2識別情報のうち少なくとも前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示可能であり、
前記特別遊技実行手段は、少なくとも、前記第1識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示することで入球可能となる特定入球口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合とに、前記特別遊技を実行可能であり、
前記第1識別情報または前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示する可能性より、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示する可能性の方が高い
ことを特徴としている。
参考発明5の遊技機は、いわゆる「1種2種タイプ」の遊技機に相当するものである。この第5発明の遊技機によれば、第1識別情報や第2識別情報を変動表示させた場合、これら識別情報が第1特定態様で停止表示する可能性は、第2識別情報が第2特定態様で停止表示する可能性よりも低いことから、第2遊技状態では、第1特定態様の停止表示に基づく特別遊技の実行可能性より、第2特定態様の停止表示を経て特定入球口に入球した遊技球の特定領域通過に基づく特別遊技の実行可能性の方が高くなる。このため、第2遊技状態では、第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進め、特定領域通過に基づく特別遊技の実行を狙うのが遊技者にとって得策となる。この第2遊技状態において、仮に、第1識別情報が変動表示して特定態様(第1特定態様)で停止表示し、これに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技後に再び第2遊技状態となる可能性は高く、遊技者にしてみれば、引き続き、遊技球の特定領域通過に基づく特別遊技の実行を狙うことが可能となる。これにより、いわゆる「1種2種タイプ」の遊技機に係る遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、7 画像表示装置、8 演出図柄、
20 第1始動口、21 第2始動口、28 ゲート、30 第1大入賞口、35 第2
大入賞口、39 特定領域、40 主表示器、41 特別図柄表示部、41a 第1特別
図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部
)、80 主制御基板(主制御部)、90 サブ制御基板(サブ制御部)、100 画像
制御基板(画像制御部)。

Claims (1)

  1. 始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
    前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
    前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
    前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
    前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
    前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えると共に、前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えておらず、
    前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行するものとされ、
    前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
    前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
    ことを特徴とする遊技機。
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