[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムとしての画像形成システムについて説明する。図1には、第1実施形態に係る画像形成システムの一例が示されている。第1実施形態に係る画像形成システムは、機器としての画像形成装置10と、サーバ12と、情報処理装置としての端末装置14と、を含む。画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14は、ネットワーク等の通信経路Nを介して互いに接続されている。図1に示す例では、1つの画像形成装置10、1つのサーバ12及び1つの端末装置14が画像形成システムに含まれているが、複数の画像形成装置10、複数のサーバ12及び複数の端末装置14が画像形成システムに含まれていてもよい。
画像形成装置10は画像形成機能を備えた装置である。具体的には、画像形成装置10は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を備えた装置である。また、画像形成装置10は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
サーバ12は、ユーザ毎に、ユーザによって利用可能な機能を管理する装置である。例えば、ユーザによって購入された機能が当該ユーザによって利用可能な機能であり、サーバ12は、ユーザ毎に機能購入履歴を管理する。もちろん、無料で利用できる機能、追加アップデータ機能、管理者によって特別に管理されている機能等もあるので、サーバ12は、一概に購入の有無による機能を管理しているだけではない。機能の購入処理は、例えば、サーバ12によって行われる。また、サーバ12は、特定の機能を実行する装置である。サーバ12によって実行される特定の機能は、例えば、画像処理に関する機能等である。サーバ12によって管理される機能は、例えば、画像形成装置10を用いて実行される機能やサーバ12によって実行される機能等である。機能購入履歴の管理と特定機能の実行は、それぞれ別々のサーバ12によって行われてもよいし、同一のサーバ12によって行われてもよい。また、サーバ12は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
端末装置14は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、等の装置であり、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。端末装置14は、画像形成装置10の利用時に、画像形成装置10のユーザインターフェース部(UI部)として機能する。
第1実施形態に係る画像形成システムにおいては、端末装置14を利用することにより、ユーザによって機能が購入され、その購入の履歴が機能購入履歴としてサーバ12によって管理される。ユーザによって購入された機能は、例えば、画像形成装置10やサーバ12によって実行される。
以下、図2を参照して、画像形成装置10の構成について詳しく説明する。図2には、画像形成装置10の構成が示されている。
通信部16は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部16は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
画像形成部18は画像形成に関する機能を実行する。具体的には、画像形成部18は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を実行する。スキャン機能が実行されることにより、原稿が読み取られてスキャンデータ(画像データ)が生成される。プリント機能が実行されることにより、画像が用紙等の記録媒体上に印刷される。コピー機能が実行されることにより、原稿が読み取られて記録媒体上に印刷される。ファクシミリ機能が実行されることにより、画像データがファクシミリ送信又はファクシミリ受信される。また、複数の機能を組み合わせた機能が実行されてもよい。例えば、スキャン機能と送信機能(転送機能)とを組み合わせたスキャン転送機能が実行されてもよい。このスキャン転送機能が実行されることにより、原稿が読み取られてスキャンデータ(画像データ)が生成され、そのスキャンデータが送信先(例えば端末装置14等の外部装置)に送信される。もちろん、この組み合わせ機能は一例に過ぎず、別の組み合わせ機能が実行されてもよい。
記憶部20はハードディスク等の記憶装置である。記憶部20には、画像形成の命令を示す情報(例えばジョブ情報等)、プリントの対象となる画像データ、スキャン機能を実行することにより生成されたスキャンデータ、各種の制御データ、各種のプログラム、等が記憶される。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。
UI部22はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。なお、画像形成装置10はUI部22を備えていなくてもよいし、表示部を備えずに、ハードウェアとしてのハードウェアユーザインターフェース部(ハードウェアUI部)を備えていてもよい。ハードウェアUI部は、例えば、数字入力に特化したハードウェアキー(例えばテンキー)、方向の指示に特化したハードウェアキー(例えば方向指示キー)、等である。
制御部24は、画像形成装置10の各部の動作を制御する。
以下、図3を参照して、サーバ12の構成について詳しく説明する。図3には、サーバ12の構成が示されている。
通信部26は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部26は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部28はハードディスク等の記憶装置である。記憶部28には、デバイス機能情報30、機能購入履歴情報32、特定の機能を実行するためのプログラム、等が記憶される。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。ここで、デバイス機能情報30と機能購入履歴情報32について説明する。
デバイス機能情報30は、画像形成システムに含まれる各画像形成装置10が有する機能群を示す情報であり、例えば、画像形成装置10毎に、画像形成装置10を識別するためのデバイス識別情報と、当該画像形成装置10が有する各機能を識別するための機能識別情報と、の対応付けを示す情報である。デバイス識別情報は、例えば、デバイスID、デバイス名称、型番号、位置情報、等である。機能識別情報は、例えば、機能IDや機能名称等である。例えば、ある画像形成装置10がスキャン機能、プリント機能、コピー機能及びスキャン転送機能を有している場合、当該画像形成装置10のデバイス識別情報には、スキャン機能を示す機能識別情報、プリント機能を示す機能識別情報、コピー機能を示す機能識別情報及びスキャン転送機能を示す機能識別情報が対応付けられている。デバイス機能情報30を参照することにより、各画像形成装置10が有する機能群が特定される。
機能購入履歴情報32は、各ユーザによる機能の購入履歴を示す情報、つまり、各ユーザによって購入された機能を示す情報であり、例えば、ユーザ毎に、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザによって購入された機能を示す機能識別情報と、の対応付けを示す情報である。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザIDや氏名等のユーザアカウント情報である。ユーザによって購入された機能は、当該ユーザによって利用可能な機能である。機能購入履歴情報32を参照することにより、各ユーザが購入した機能、つまり、ユーザ毎にユーザによって利用可能な機能が特定される。機能購入履歴情報32は、例えば、ユーザが機能を購入する度に更新される。
機能実行部34は特定の機能を実行する。例えば、ユーザが端末装置14を利用して特定の機能を指定した上で当該機能の実行を指示した場合、機能実行部34は、ユーザによって指定された機能を実行する。機能実行部34は、例えば、文字認識機能、翻訳機能、画像加工機能、画像形成機能、等の画像処理に関する機能を実行する。もちろん、機能実行部34は、画像処理以外の処理に関する機能を実行してもよい。文字認識機能が実行されることにより、画像内の文字が認識されて当該文字を示す文字データが生成される。翻訳機能が実行されることにより、画像内の文字が特定の言語で表される文字に翻訳され、翻訳された文字を示す文字データが生成される。画像加工機能が実行されることにより、画像が加工される。例えば、機能実行部34は、スキャン機能を実行することにより生成されたスキャンデータを画像形成装置10から受信し、当該スキャンデータを対象として、文字認識機能、翻訳機能、画像加工機能、等の画像処理に関する機能を実行する。機能実行部34は、画像データを端末装置14から受信し、当該画像データを対象として各機能を実行してもよい。機能実行部34によって生成された文字データや画像データは、例えば、サーバ12から端末装置14に送信される。
制御部36は、サーバ12の各部の動作を制御する。また、制御部36は、購入処理部38、購入履歴管理部40及び特定部42を含む。
購入処理部38は、機能の購入処理を実行する。例えば、有料の機能がユーザによって購入された場合、購入処理部38は、当該ユーザに対して課金処理を適用する。ユーザによって購入された機能は、当該ユーザによって利用が可能となり、ユーザによって購入されていない機能は、当該ユーザによる利用が不可能となる。
購入履歴管理部40は、ユーザ毎にユーザによる機能の購入の履歴を管理し、その購入履歴を示す機能購入履歴情報32を生成する。購入履歴管理部40は、例えば、ユーザによって機能が購入される度に機能購入履歴情報32を更新する。機能購入履歴情報32に含まれる情報は、例えば、ユーザが機能を購入する際や購入した機能を確認する際等に、機能購入画面として、端末装置14に表示される。機能購入画面については、図6を参照して後で詳しく説明する。
特定部42は、利用対象の画像形成装置10を識別するためのデバイス識別情報を受け、記憶部28に記憶されているデバイス機能情報30において当該デバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能群が特定(認識)される。例えば、端末装置14からサーバ12にデバイス識別情報が送信され、特定部42によって、当該デバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報が特定される。当該各機能の機能識別情報(例えば各機能の名称を示す情報)は、例えば、サーバ12から当該端末装置14に送信され、当該端末装置14に表示される。これにより、当該デバイス識別情報によって特定される画像形成装置10が有する各機能の機能識別情報が、当該端末装置14に表示される。
また、特定部42は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、記憶部28に記憶されている機能購入履歴情報32において当該ユーザ識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これより、当該ユーザによって購入された機能群、つまり、当該ユーザによって利用可能な機能群が特定(認識)される。例えば、端末装置14からサーバ12にユーザ識別情報が送信され、特定部42によって、当該ユーザ識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報が特定される。当該各機能の機能識別情報(例えば各機能の名称を示す情報)は、例えば、サーバ12から当該端末装置14に送信され、当該端末装置14に表示される。これにより、当該ユーザ識別情報によって特定されるユーザによって利用可能な各機能の機能識別情報が、当該端末装置14に表示される。
例えば、特定部42は、デバイス識別情報とユーザ識別情報を受け、デバイス機能情報30において当該デバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定し、また、機能購入履歴情報32において当該ユーザ識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、当該デバイス識別情報によって特定される画像形成装置10が有する機能群であって、当該ユーザ識別情報によって特定されるユーザによって利用可能な機能群が特定(認識)される。当該画像形成装置10が有する各機能であって当該ユーザによって利用可能な各機能の機能識別情報は、例えば、サーバ12から端末装置14に送信され、当該端末装置14に表示される。これにより、当該画像形成装置10が有する各機能であって当該ユーザによって利用可能な各機能の機能識別情報が、当該端末装置14に表示される。
利用対象の画像形成装置10が有する各機能の機能識別情報や、ユーザによって利用可能な各機能の機能識別情報は、例えば、機能表示画面として、端末装置14に表示される。機能表示画面については、図7を参照して後で詳しく説明する。
本実施形態では、一例として、AR(Augmented Reality)技術(拡張現実技術)を適用することにより、デバイス識別情報が取得されて利用対象の画像形成装置10が特定(認識)される。AR技術として公知のAR技術が用いられる。例えば、2次元バーコード等のマーカを用いるマーカ型AR技術、画像認識技術を用いるマーカレス型AR技術、位置情報を用いる位置情報AR技術、等が用いられる。もちろん、AR技術を適用せずにデバイス識別情報が取得されて利用対象の画像形成装置10が特定されてもよい。
以下、図4を参照して、端末装置14の構成について詳しく説明する。図4には、端末装置14の構成が示されている。
通信部44は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部44は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。撮影手段としてのカメラ46は、撮影対象を撮影することにより画像データ(例えば静止画像データや動画像データ)を生成する。記憶部48はハードディスク、SSD等の記憶装置であり、各種のプログラム、各種のデータ、サーバ12のアドレス情報、各機器のアドレス情報(例えば各画像形成装置10のアドレス情報)、識別した連携対象の機器に関する情報、連携機能に関する情報等を記憶する。UI部50はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、等の入力装置である。制御部52は、端末装置14の各部の動作を制御する。制御部52は、例えば表示制御手段として機能し、機能購入画面や機能表示画面をUI部50の表示部に表示させる。
なお、上述したデバイス機能情報30は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよい。この場合、デバイス機能情報30は、サーバ12の記憶部28に記憶されていなくてもよい。同様に、上述した機能購入履歴情報32は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよい。この場合、機能購入履歴情報32は、サーバ12の記憶部28に記憶されていなくてもよい。また、端末装置14の制御部52は、上述した購入履歴管理部40を備え、当該端末装置14を利用するユーザによる機能の購入の履歴を管理してもよい。この場合、サーバ12は購入履歴管理部40を備えていなくてもよい。また、端末装置14の制御部52は、上述した特定部42を備え、デバイス識別情報に基づいて画像形成装置10を特定し、また、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザによって利用可能な機能を特定してもよい。この場合、サーバ12は特定部42を備えていなくてもよい。
以下、図5を参照して、画像形成装置10のデバイス識別情報の取得処理について詳しく説明する。図5には、画像形成装置10の外観が模式的に示されている。ここでは、マーカ型AR技術を適用してデバイス識別情報を取得するための処理について説明する。画像形成装置10の筐体には、2次元バーコード等のマーカ54が設けられている。マーカ54は、画像形成装置10のデバイス識別情報がコード化された情報である。ユーザは端末装置14のカメラ46を起動させ、利用対象の画像形成装置10に設けられているマーカ54をカメラ46によって撮影する。これにより、当該マーカ54を表す画像データが生成される。その画像データは、例えば、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、制御部36が、当該画像データに表されたマーカ像に対してデコード処理を適用することにより、デバイス識別情報を抽出する。これにより、利用対象の画像形成装置10(撮影されたマーカ54を有する画像形成装置10)が特定(認識)される。サーバ12の特定部42は、デバイス機能情報30において、抽出されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能が特定される。
なお、端末装置14の制御部52が、マーカ54を表す画像データにデコード処理を適用することにより、デバイス識別情報を抽出してもよい。この場合、抽出されたデバイス識別情報は、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12の特定部42は、デバイス機能情報30において、端末装置14から送信されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。端末装置14の記憶部48にデバイス機能情報30が記憶されている場合、端末装置14の制御部52が、そのデバイス機能情報30において、制御部52によって抽出されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定してもよい。
マーカ54には、画像形成装置10が有する各機能の機能識別情報がコード化されて含まれていてもよい。この場合、マーカ54を表す画像データにデコード処理を適用することにより、当該画像形成装置10のデバイス識別情報が抽出されるとともに、当該画像形成装置10が有する各機能の機能識別情報も抽出される。これにより、画像形成装置10が特定されるとともに、当該画像形成装置10が有する各機能が特定される。このデコード処理は、サーバ12によって行われてもよいし、端末装置14によって行われてもよい。
マーカレス型AR技術を適用してデバイス識別情報を取得する場合、例えば、ユーザは端末装置14のカメラ46によって、利用対象の画像形成装置10の外観の全部又は一部を撮影する。もちろん、利用対象機器の名称(例えば商品名)や型番号といった機器を特定するための情報を外観から撮影して得ることは役に立つ。撮影により、利用対象の画像形成装置10の外観の全部又は一部を表す外観画像データが生成される。その外観画像データは、例えば、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、制御部36が、当該外観画像データに基づいて利用対象の画像形成装置10を特定する。例えば、サーバ12の記憶部28には、画像形成装置10毎に、画像形成装置10の外観の全部又は一部を表す外観画像データと、当該画像形成装置10のデバイス識別情報と、の対応付けを示す外観画像対応付け情報が記憶されている。制御部36は、例えば、端末装置14から送信された外観画像データと外観画像対応付け情報に含まれる各外観画像データとを比較し、その比較結果に基づいて、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を特定する。例えば、制御部36は、端末装置14から送信された外観画像データから利用対象の画像形成装置10の外観の特徴を抽出し、外観画像対応付け情報に含まれる外観画像データ群において、その外観の特徴と同一又は類似の特徴を表す外観画像データを特定し、その外観画像データに対応付けられているデバイス識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10(カメラ46によって撮影された画像形成装置10)が特定(認識)される。別の例として、画像形成装置10の名称(例えば商品名)や型番号が撮影され、名称や型番号を表す外観画像データが生成されている場合、その外観画像データに表された名称や型番号に基づいて、利用対象の画像形成装置10を特定してもよい。サーバ12の特定部42は、デバイス機能情報30において、特定されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能が特定(認識)される。
なお、端末装置14の制御部52が、利用対象の画像形成装置10の外観の全部又は一部を表す外観画像データと外観画像対応付け情報に含まれる各外観画像データとを比較し、その比較結果に基づいて、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を特定してもよい。外観画像対応付け情報は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよい。この場合、端末装置14の制御部52は、端末装置14の記憶部48に記憶されている外観画像対応付け情報を参照することにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を特定する。または、端末装置14の制御部52は、サーバ12から外観画像対応付け情報を取得し、当該外観画像対応付け情報を参照することにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を特定してもよい。
位置情報AR技術を適用してデバイス識別情報を取得する場合、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を利用することにより、画像形成装置10が設置されている位置を示す位置情報が取得される。例えば、各画像形成装置10がGPS機能を備えており、画像形成装置10自身の位置を示すデバイス位置情報を取得する。端末装置14は、利用対象の画像形成装置10に対してデバイス位置情報の取得要求を示す情報を出力し、その取得要求に対する応答として、当該画像形成装置10から当該画像形成装置10のデバイス位置情報を受信する。そのデバイス位置情報は、例えば、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、制御部36が、当該デバイス位置情報に基づいて利用対象の画像形成装置10を特定する。例えば、サーバ12の記憶部28には、画像形成装置10毎に、画像形成装置10が設置されている位置を示すデバイス位置情報と、当該画像形成装置10のデバイス識別情報と、の対応付けを示す位置対応付け情報が記憶されている。制御部36は、その位置対応付け情報において、端末装置14から送信されたデバイス位置情報に対応付けられているデバイス識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が特定(認識)される。サーバ12の特定部42は、デバイス機能情報30において、特定されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能が特定(認識)される。
なお、端末装置14の制御部52が、位置対応付け情報において、利用対象の画像形成装置10の位置情報に対応付けられているデバイス識別情報を特定してもよい。位置対応付け情報は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよい。この場合、端末装置14の制御部52は、端末装置14の記憶部48に記憶されている位置対応付け情報を参照することにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を特定する。または、端末装置14の制御部52は、サーバ12から位置対応付け情報を取得し、当該位置対応付け情報を参照することにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を特定してもよい。
以下、端末装置14に表示される画面について詳しく説明する。まず、図6を参照して、機能を購入する際や購入した機能を確認する際等に表示される機能購入画面について説明する。図6には、機能購入画面の一例が示されている。
例えば、ユーザが端末装置14を利用してサーバ12にアクセスすると、当該ユーザのユーザ識別情報(ユーザアカウント情報)が、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、特定部42が、機能購入履歴情報32において当該ユーザ識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、当該ユーザによって購入された機能群、つまり、当該ユーザによって利用可能な機能群が特定(認識)される。例えば、販売対象となっている各機能を示す機能識別情報と、当該ユーザによって利用可能な各機能を示す機能識別情報と、を含む機能購入画面情報が、サーバ12から端末装置14に送信される。端末装置14の制御部52は、その機能購入画面情報に基づく機能購入画面を、端末装置14のUI部50の表示部に表示させる。端末装置14の制御部52は、例えば、各機能識別情報をUI部50の表示部に表示させるとともに、各機能についての購入ステータスを示す情報を表示部に表示させる。
図6(a)及び図6(b)に示されている機能購入画面56,58には、販売対象となっている機能を示す情報の一覧が表示されており、機能毎に、購入又は未購入を示す購入ステータス情報が対応付けられて表示されている。購入を示す購入ステータス情報が対応付けられている機能は、ユーザによって購入された機能、つまり、当該ユーザによって利用可能な機能である。未購入を示す購入ステータス情報が対応付けられている機能は、ユーザによって購入されていない機能、つまり、当該ユーザによる利用が不可能な機能(利用が禁止されている機能)である。
図6(a)に示す例では、機能購入画面56は、ユーザAについての機能購入履歴を示す画面である。機能購入画面56には、一例として、機能購入履歴が一覧表示されている。機能A,CはユーザAによって購入されており、ユーザAによって利用可能な機能である。機能B,D,EはユーザAによって購入されておらず、ユーザAによる利用は不可能である。機能購入画面56を介して機能が購入される。例えば、ユーザAが端末装置14を利用して未購入の機能Bを指定して購入指示を与えると、機能Bを示す機能識別情報と購入指示を示す情報が、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、購入処理部38が、機能Bの購入処理を実行する。機能Bが有料の場合、購入処理部38によって課金処理が実行される。また、購入履歴管理部40は、ユーザAについての機能購入履歴情報を更新する。すなわち、購入履歴管理部40は、機能購入履歴情報において、ユーザAのユーザ識別情報に、機能Bを示す機能識別情報を対応付ける。これにより、ユーザAによる機能Bの利用が可能となる。また、機能購入画面56においては、機能Bの購入ステータスが「未購入」から「購入」に変更される。なお、機能毎の対応機器を表示するようにしても良い。そうすることで、ユーザが利用したい機能に対応する機器が容易に分かるようになる。例えば、機能A,B,Cには、機能A,B,Cを実行可能な機器αが対応付けられており、機器αを示す情報が、機能A,B,Cに対応付けられて表示されている。また、機能D,Eには、機能D,Eを実行可能な機器βが対応付けられており、機器βを示す情報が、機能D,Eに対応付けられて表示されている。なお、実行可能な機器の記載は、機器群の名称で表示してもよいし、1つ1つの機器を列挙するような表示でもよい。また、図6(b)に示す機能購入画面58のように、機能と当該機能を実行可能な機器とを対応させ、実行可能な機器を別の列で表示してもよい。例えば、機能Aを実行可能な機器の機種は機種a,b,c,dであり、機能Bを実行可能な機器の機種は機種Z群である。機種Z群には、機種a,b,e,fが含まれる。
例えば、端末装置14にはWebブラウザのプログラムが記憶されており、そのWebブラウザを利用することにより、端末装置14からサーバ12へのアクセスが実現される。ユーザはWebブラウザを用いてサーバ12にアクセスすると、端末装置14のUI部50の表示部には、機能購入画面56又は機能購入画面58を表すWebページが表示され、そのWebページを介して機能が購入される。
次に、図7を参照して、機能表示画面について詳しく説明する。機能表示画面は、画像形成装置10を利用する際等に、端末装置14のUI部50の表示部に表示される。図7には、機能表示画面の一例が示されている。
例えば、上述したマーカ型AR技術、マーカレス型AR技術、又は、位置情報AR技術のいずれかの技術を用いることにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報が取得され、そのデバイス識別情報に対応付けられている各機能を示す機能識別情報、つまり、利用対象の画像形成装置10が有する各機能を示す機能識別情報が特定(認識)される。また、利用対象の画像形成装置10を利用する対象ユーザのユーザ識別情報に対応付けられている各機能を示す機能識別情報、つまり、当該対象ユーザによって利用可能な各機能を示す機能識別情報が特定(認識)される。それらの情報が、機能表示画面として端末装置14のUI部50の表示部に表示される。また、利用対象の画像形成装置10が有する機能群が特定されるので、販売対象となっている機能群の中で利用対象の画像形成装置10が有していない機能群が特定される。利用対象の画像形成装置10が有していない各機能を示す機能識別情報が、機能表示画面に表示されてもよい。
図7に示されている機能表示画面60には、機能識別情報の一例として、機能Aを表すボタン像62、機能Bを表すボタン像64、及び、機能Cを表すボタン像66が、表示されている。機能Aは、利用対象の画像形成装置10が有している機能であって、対象ユーザによって利用可能な機能、つまり、当該対象ユーザによって購入された機能である。機能Bは、利用対象の画像形成装置10が有している機能であって、対象ユーザによる利用が不可能な機能、つまり、当該対象ユーザによって購入されていない機能である。対象ユーザが機能Bを購入することにより、当該対象ユーザによる機能Bの利用が可能となる。機能Cは、利用対象の画像形成装置10が有していない機能、つまり、利用対象の画像形成装置10が対応していない機能である。端末装置14の制御部52は、ボタン像によって表されている機能が、利用対象の画像形成装置10が有している機能であるか否かに応じて、当該ボタン像の表示態様を変える。また、制御部52は、ボタン像によって表されている機能が、対象ユーザによって利用可能な機能であるか否かに応じて、当該ボタン像の表示態様を変える。例えば、制御部52は、ボタン像の色や形状を変える。図7に示す例では、制御部52は、ボタン像62,64,66を互いに区別して表示部に表示させる。制御部52は、例えば、ボタン像62,64,66のそれぞれの色を変える。一例として、利用対象の画像形成装置10が有している機能であって対象ユーザによって利用可能な機能を表すボタン像(例えば機能Aを表すボタン像62)は、青色で表示される。利用対象の画像形成装置10が有している機能であって対象ユーザによる利用が不可能な機能を表すボタン像(機能Bを表すボタン像64)は、黄色で表示される。利用対象の画像形成装置10が有していない機能を表すボタン像(例えば機能Cを表すボタン像66)は、灰色で表示される。別の例として、制御部52は、ボタン像62,64,66の形状を変えても良いし、機能表示名のフォントを変えてもよい。もちろん、別の手法によって表示態様を変えてもよい。これにより、ユーザに視認性良く各機能の利用可否が伝えられる。
例えば、対象ユーザが端末装置14を利用して機能Aを表すボタン像62を指定し、機能Aの実行の指示を与えると、機能Aの実行指示を示す実行指示情報が、端末装置14から画像形成装置10に送信される。その実行指示情報には、機能Aを実行するための制御データや、機能Aによる処理が適用される画像データ等のデータ、等が含まれる。画像形成装置10は実行指示情報を受けると、その実行指示情報に従って機能Aを実行する。例えば、機能Aがスキャン転送機能の場合、画像形成装置10の画像形成部18によってスキャン機能が実行され、これによりスキャンデータ(画像データ)が生成される。そのスキャンデータは、画像形成装置10から設定された送信先(例えば端末装置14)に送信される。また、機能Aが、画像形成装置10とサーバ12とが協働することにより実現される機能の場合、機能Aの一部の機能が画像形成装置10によって実行され、機能Aの他の機能がサーバ12によって実行される。例えば、画像形成装置10の画像形成部18によってスキャン機能が実行されることによりスキャンデータが生成され、そのスキャンデータが画像形成装置10からサーバ12に送信され、サーバ12の機能実行部34によって文字認識機能が実行されることにより、当該スキャンデータから文字データが抽出される。その文字データは、サーバ12から設定された送信先(例えば端末装置14)に送信される。
また、対象ユーザが端末装置14を利用して機能Bを表すボタン像64を指定し、機能Bの購入を指示した場合、端末装置14はサーバ12にアクセスする。これにより、端末装置14のUI部50には、対象ユーザによる機能Bの利用を可能にするための情報として、機能Bを購入するための画面(例えばWebサイト)が表示される。この画面上で購入手続きを行うことにより、対象ユーザによる機能Bの利用が許可され、対象ユーザが機能Bの実行を指示することにより、機能Bが実行される。別の例として、UI部50には、対象ユーザによる機能Bの利用を可能にするための情報として、管理者等に機能Bの利用を依頼するための利用許可依頼画面(例えばWebサイト)が表示されてもよい。この利用許可依頼画面を介して機能Bの利用の許可を管理者等に依頼し、その許可が得られた場合、対象ユーザによる機能Bの利用が可能となる。
機能表示画面の表示態様として別の表示態様が採用されてもよい。例えば、画像形成装置10の筐体には、端末装置14が設置される設置場所が設けられており、その設置場所に設置された端末装置14の設置態様に応じて、機能画面の表示態様(表示デザイン)が変更されてもよい。例えば、画像形成装置10の筐体には、端末装置14の形状に対応した形状を有し、端末装置14の設置場所として用いられる窪みが形成されている。その窪みの形状は縦長又は横長である。縦長の窪みに端末装置14が設置されることにより、端末装置14が画像形成装置10の筐体に対して縦に配置され、横長の窪みに端末装置14が設置されることにより、端末装置14が画像形成装置10の筐体に対して横に配置される。その配置状態に応じて、機能表示画面の表示態様が変更される。
図8には、端末装置14が画像形成装置10の筐体に対して縦に配置されたときの機能表示画面68が示されており、図9には、端末装置14が画像形成装置10の筐体に対して横に配置されたときの機能表示画面72が示されている。
縦配置の場合、図8に示すように、端末装置14の制御部52は、ボタン像62,64,66を縦に配置してUI部50の表示部に表示させる。つまり、制御部52は、縦に配置された端末装置14の長手方向に沿ってボタン像62,64,66を配置してUI部50の表示部に表示させる。また、制御部52は、機能表示画面68の長手方向の両側部に、端末装置14の長手方向に沿って設けられた帯状の画像70を表示させてもよい。
横配置の場合、図9に示すように、端末装置14の制御部52は、ボタン像62,64,66を横に配置してUI部50の表示部に表示させる。つまり、制御部52は、横に配置された端末装置14の長手方向に沿ってボタン像62,64,66を配置してUI部50の表示部に表示させる。また、制御部52は、機能表示画面72の長手方向の両側部に、端末装置14の長手方向に沿って設けられた帯状の画像74を表示させてもよい。画像74は、画像70とは異なる色やデザインを有する。
以上のように、端末装置14の設置態様に応じて機能表示画面の表示態様(表示デザイン)を変更することにより、表示態様が固定の場合と比べて、機能表示画面に表示された情報が見易くなり得る。
以下、第1実施形態に係る画像形成システムによる処理について詳しく説明する。まず、図10を参照して、機能購入処理について説明する。図10は、その機能購入処理を示すシーケンス図である。
まず、機能の購入を希望する対象ユーザは、端末装置14を利用して、機能購入処理用のアプリケーション(プログラム)の起動を指示する。端末装置14の制御部52は、その指示に応じて当該アプリケーションを起動させる(S01)。なお、そのアプリケーションは、端末装置14の記憶部48に予め記憶されていてもよいし、サーバ12等からダウンロードされてもよい。
次に、端末装置14の制御部52は、対象ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)を読み込む(S02)。ユーザアカウント情報は、例えば、端末装置14の記憶部48に予め記憶されており、端末装置14の制御部52は、ユーザ識別手段の一例として機能し、記憶部48から対象ユーザのユーザアカウント情報を読み込んで、対象ユーザを識別する。複数のユーザのユーザアカウント情報が記憶部48に記憶されている場合、対象ユーザは端末装置14を利用して、自身のユーザアカウント情報を指定する。これにより、対象ユーザのユーザアカウント情報が読み込まれ、対象ユーザが識別される。または、制御部52は、端末装置14にログインしているユーザのユーザアカウント情報を読み込むことにより、対象ユーザを識別してもよい。別の例として、同一の端末装置14に、1つのユーザアカウント情報のみが記憶されている場合、制御部52は、そのユーザアカウント情報を読み込むことにより対象ユーザを識別してもよい。なお、ユーザアカウントが設定されておらず、ユーザアカウント情報が作成されていない場合、初期設定が行われ、これにより、ユーザアカウント情報が作成される。
次に、端末装置14は、通信経路Nを介してサーバ12にアクセスする(S03)。このとき、端末装置14は、対象ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)をサーバ12に送信する。
サーバ12においては、特定部42が、当該ユーザアカウント情報を有する対象ユーザの機能購入履歴を読み出す(S04)。具体的には、特定部42は、サーバ12の記憶部28に記憶されている機能購入履歴情報32において当該ユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、対象ユーザによって購入された機能群、つまり、当該ユーザによって利用可能な機能群が特定される。
次に、サーバ12は、販売対象となっている各機能を示す機能識別情報と、対象ユーザによって利用可能な各機能を示す機能識別情報(当該対象ユーザによって購入された各機能を示す機能識別情報)と、を含む機能購入画面情報を、通信経路Nを介して端末装置14に送信する(S05)。
端末装置14においては、制御部52が、サーバ12から送信された機能購入画面情報に基づく機能購入画面を、端末装置14のUI部50の表示部に表示させる(S06)。例えば、図6(a)に示されている機能購入画面56又は図6(b)に示されている機能購入画面58が表示される。なお、機能購入画面56,58には、購入済みの機能の設定内容を示す情報が表示されてもよい。
対象ユーザは、端末装置14を用いて、機能購入画面56において購入対象の機能を選択する(S07)。または、対象ユーザは、機能購入画面56において、購入済みの機能の設定内容を変更してもよい。例えば、対象ユーザは、端末装置14を用いて、変更対象の機能を選択し、当該機能の設定内容を変更する。
購入対象の機能が対象ユーザによって選択されると、端末装置14の制御部52は、確認画面をUI部50の表示部に表示させる(S08)。この確認画面上で対象ユーザによって購入指示が与えられると、端末装置14は、購入指示を示す購入指示情報を、通信経路Nを介してサーバ12に送信する(S09)。その購入指示情報には、購入対象の機能を示す機能識別情報が含まれている。なお、確認画面の表示は省略されてもよい。この場合、ステップS07にて購入対象の機能が選択された上で、購入指示が与えられると、購入指示情報が端末装置14からサーバ12に送信される。対象ユーザによって機能の設定内容が変更された場合、端末装置14は、変更後の設定内容を示す情報を、通信経路Nを介してサーバ12に送信する。
サーバ12においては、購入処理が実行される(S10)。購入対象の機能が有料の場合、購入処理部38によって課金処理が実行される。また、購入履歴管理部40は、対象ユーザについての機能購入履歴情報32を更新する。すなわち、購入履歴管理部40は、機能購入履歴情報32において、対象ユーザのユーザ識別情報(ユーザアカウント情報)に、購入対象の機能を示す機能識別情報を対応付ける。これにより、購入対象の機能の利用が許可される。対象ユーザによって機能の設定内容が変更された場合、購入履歴管理部40は、当該機能の設定内容を変更する。
購入処理が完了すると、サーバ12は、購入処理が完了した旨を示す購入完了情報を、通信経路Nを介して端末装置14に送信する(S11)。これにより、端末装置14のUI部50の表示部には、購入手続きが完了した旨の情報が表示される(S12)。次に、端末装置14のUI部50の表示部には、今回の購入によって利用可能になった機能を示す機能識別情報が表示される(S13)。または、UI部50の表示部に機能購入画面が表示され、その機能購入画面において、今回の購入によって利用可能になった機能の表示態様が、利用不可能なことを示す表示態様から、利用可能なことを示す表示態様に変更される。例えば、当該機能を示すボタン画像の色や形状が変更される。また、機能の設定内容が変更された場合、サーバ12は、その変更処理が完了した旨を示す手続き完了情報を、通信経路Nを介して端末装置14に送信する。これにより、端末装置14のUI部50の表示部には、変更手続きが完了した旨の情報が表示される。
以下、図11を参照して、機能表示画面の表示処理について説明する。図11には、その処理を示すフローチャートが示されている。一例として、マーカ型AR技術を用いて画像形成装置10を認識する場合について説明する。
まず、機能表示画面の表示を希望する対象ユーザは、端末装置14を利用して、機能表示画面の表示処理用のアプリケーション(プログラム)の起動を指示する。端末装置14の制御部52は、その指示に応じて、当該アプリケーションを起動させる(S20)。なお、そのアプリケーションは、端末装置14の記憶部48に予め記憶されていてもよいし、サーバ12等からダウンロードされてもよい。
次に、端末装置14の制御部52は、対象ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)を読み込む(S21)。この読み込み処理は、上述したステップS02の処理と同じである。
次に、対象ユーザは、端末装置14を用いてカメラ46の起動を指示する。端末装置14の制御部52は、その指示に応じてカメラ46を起動させる(S22)。対象ユーザは、カメラ46によって、利用対象の画像形成装置10に設けられているマーカ54を撮影する(S23)。これにより、マーカ54を表す画像データが生成される。
次に、利用対象の画像形成装置10が有する機能群が特定される(S24)。例えば、マーカ54を表す画像データが、端末装置14からサーバ12に送信され、サーバ12において、画像データに対してデコード処理が適用される。これにより、利用対象の画像形成装置10を示すデバイス識別情報が抽出される。なお、端末装置14でデバイス識別情報を抽出した後、ユーザによる利用対象の機器(画像形成装置10)を特定する操作入力を追加で受け付けることなく、利用可能な機能群をUI部50で表示させることができる。これにより、利用対象の機器をユーザの操作入力で登録する作業ステップが簡略され、設定時間の短縮が図れる。別の例として、端末装置14において画像データに対してデコード処理が適用され、これにより、デバイス識別情報が抽出されてもよい。この場合、端末装置14によって抽出されたデバイス識別情報は、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、特定部42が、デバイス機能情報30においてデバイス識別情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能群が特定(認識)される。
また、対象ユーザによって利用可能な機能群が特定される(S25)。例えば、対象ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)が、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、特定部42が、機能購入履歴情報32において当該ユーザアカウント情報に対応付けられている各機能の機能識別情報を特定する。これにより、対象ユーザによって購入された機能群、つまり、対象ユーザによって利用可能な機能群が特定(認識)される。
なお、ステップS24とステップS25の処理は、同時に行われてもよいし、ステップS24の前にステップS25の処理が実行されてもよい。
サーバ12においては、制御部36が、利用対象の画像形成装置10が有する機能群と対象ユーザによって利用可能な機能群とを表示するための機能表示画面を示す機能表示画面情報を生成する。その機能表示画面情報は、サーバ12から端末装置14に送信される。これにより、端末装置14のUI部50の表示部には、機能表示画面が表示される(S26)。機能表示画面には、利用対象の画像形成装置10が有する各機能の機能識別情報と、対象ユーザによって利用可能な各機能の機能識別情報と、が表示される。また、販売対象となっている各機能であって利用対象の画像形成装置10が有していない各機能を示す機能識別情報が、機能表示画面に表示されてもよい。例えば、図7に示されている機能表示画面60が、UI部50の表示部に表示される。
機能表示画面60において、未購入の機能が対象ユーザによって選択されて購入指示が与えられた場合(S27,Yes)、選択された機能についての購入処理が実行される(S28)。これにより、購入された機能の利用が可能となる。購入指示が与えられない場合(S27,No)、処理はステップS29に移行する。
利用対象の画像形成装置10が有する機能であって対象ユーザによって利用可能な機能(購入済みの機能)が対象ユーザによって選択されて実行指示が与えられた場合(S29,Yes)、選択された機能が実行される(S30)。選択された機能が画像形成装置10によって実行される場合、その機能の実行指示を示す実行指示情報が、端末装置14から画像形成装置10に送信され、画像形成装置10によってその機能が実行される。また、選択された機能が、画像形成装置10とサーバ12とが協働することにより実現される場合、選択された機能の一部が画像形成装置10によって実行され、選択された機能の他の部分がサーバ12によって実行される。このとき、選択された機能を実行するために、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14の間で、制御データや処理対象のデータ等が送受信される。
機能の実行指示が対象ユーザによって与えられない場合(S29,No)、処理はステップS27に戻る。
以下、図12を参照して、機能表示画面の別の表示処理について説明する。図12には、その処理を示すフローチャートが示されている。一例として、マーカレス型AR技術を用いて画像形成装置10を認識する場合について説明する。
まず、端末装置14において、機能表示画面の表示処理用のアプリケーションが起動し(S40)、機能表示画面の表示を希望する対象ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)が読み込まれ(S41)、カメラ46が起動する(S42)。
次に、対象ユーザは、カメラ46によって、利用対象の画像形成装置10の外観の全部又は一部を撮影する(S43)。これにより、利用対象の画像形成装置10の外観の全部又は一部を表す外観画像データが生成される。
次に、利用対象の画像形成装置10が特定される(S44)。例えば、外観画像データは、端末装置14からサーバ12に送信され、サーバ12において、外観画像対応付け情報に含まれる各画像形成装置10の外観画像データと、端末装置14から送信された外観画像データと、を比較することにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報が特定される。
上記の比較処理の結果、複数の画像形成装置10が特定されず、1つの画像形成装置10が特定された場合(S45,No)、処理は、図11に示されているステップS24へ移行する。
一方、上記の比較処理の結果、複数の画像形成装置10が特定された場合(S45,Yes)、対象ユーザによって、当該複数の画像形成装置10の中から利用対象の画像形成装置10が選択される(S46)。例えば、特定された各画像形成装置10のデバイス識別情報が、サーバ12から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。対象ユーザは、端末装置14を利用して、複数のデバイス識別情報の中から利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報を選択する。対象ユーザによって選択されたデバイス識別情報は、端末装置14からサーバ12に送信される。次に、処理は、図11に示されているステップS24へ移行する。
ステップS24以降の処理は、図11を参照して説明した内容と同じであるため、その説明を省略する。
以下、図13を参照して、機能表示画面の別の表示処理について説明する。図13には、その処理を示すフローチャートが示されている。一例として、位置情報AR技術を用いて画像形成装置10を認識する場合について説明する。
まず、端末装置14において、機能表示画面の表示処理用のアプリケーションが起動し(S50)、機能表示画面の表示を希望する対象ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)が読み込まれる(S51)。
次に、端末装置14は、利用対象の画像形成装置10の位置情報を取得する(S52)。例えば、各画像形成装置10がGPS機能を備えており、画像形成装置10自身の位置を示す位置情報を取得する。端末装置14は、利用対象の画像形成装置10に位置情報の取得要求を示す情報を送信し、その応答として、当該画像形成装置10から当該画像形成装置10の位置情報を受信する。
次に、利用対象の画像形成装置10が特定される(S53)。例えば、利用対象の画像形成装置10の位置情報が、端末装置14からサーバ12に送信され、サーバ12において、位置対応付け情報に含まれる各画像形成装置10の位置情報と、端末装置14から送信された位置情報と、を比較することにより、利用対象の画像形成装置10のデバイス識別情報が特定される。
上記の比較処理の結果、複数の画像形成装置10が特定されず、1つの画像形成装置10が特定された場合(S54,No)、処理は、図11に示されているステップS24へ移行する。
一方、上記の比較処理の結果、複数の画像形成装置10が特定された場合(S54,Yes)、対象ユーザによって、当該複数の画像形成装置10の中から利用対象の画像形成装置10が選択される(S55)。対象ユーザによって選択された画像形成装置10のデバイス識別情報は、端末装置14からサーバ12に送信される。次に、処理は、図11に示されているステップS24へ移行する。
ステップS24以降の処理は、図11を参照して説明した内容と同じであるため、その説明を省略する。
以上のように、第1実施形態によると、AR技術を適用することにより利用対象の画像形成装置10が特定され、その画像形成装置10が有する機能群を示す機能識別情報と、対象ユーザによって利用可能な機能群を示す機能識別情報が、端末装置14に表示される。これにより、利用対象の画像形成装置10がどのような機能を有しているのかその外観からでは分からない場合であっても、対象ユーザにおいて、利用対象の画像形成装置10がどのような機能を有しているのかが分かり易くなり、また、利用対象の画像形成装置10が対象ユーザによって利用可能な機能を有しているのか否かが分かり易くなる。
また、第1実施形態によると、例えば、複数の機器(例えば複数の画像形成装置10)を複数のユーザが利用するという環境において、個々のユーザ毎に、機能に関する情報が各ユーザの端末装置14に適切に表示される。例えば、画像形成装置10等の機器からタッチパネル等のユーザインターフェースが取り除かれた場合であっても、端末装置14がそのユーザインターフェースとして用いられ、各ユーザに応じた機能に関する情報が、各ユーザの端末装置14に適切に表示される。別の場面として、例えば、ユーザの出先等で機器が一時的に利用される場合に、当該ユーザに適したユーザインターフェース、つまり、当該ユーザによって利用可能な機能を表すユーザインターフェースが、端末装置14にて実現される。
なお、図11,12,13に示す例では、ユーザアカウント情報が読み込まれてユーザが識別された後に、利用対象の機器(画像形成装置10)が識別されるが、利用対象の機器(画像形成装置10)が識別された後に、ユーザアカウント情報が読み込まれてユーザが識別されてもよい。マーカ型AR技術又はマーカレスAR技術を適用する場合、ユーザが機器(画像形成装置10)まで行ってカメラで機器を撮影するまで、機器を識別することができない。このような場合に、ユーザの識別を先に行い、利用対象の機器の識別を後から行うことにより、効率的に処理を実行することが可能となる。
以下、第1実施形態の変形例について説明する。
対象ユーザによって実行対象の機能が予め選択された場合、端末装置14の制御部52は、その実行対象の機能を有する画像形成装置10のデバイス識別情報をUI部50の表示部に表示させてもよい。例えば、端末装置14の制御部52は、対象ユーザによる指示に応じて、当該対象ユーザについての機能購入履歴情報32をサーバ12から取得し、当該対象ユーザによって購入された機能を示す機能識別情報、つまり、当該対象ユーザによって利用可能な各機能を示す機能識別情報を、UI部50の表示部に表示させる。例えば、対象ユーザによって利用可能な各機能を表すボタン像が、機能識別情報として表示部に表示される。次に、対象ユーザが、当該対象ユーザによって利用可能な機能群の中から実行対象の機能を選択する。例えば、対象ユーザは、表示部に表示されている機能識別情報群(例えばボタン像群)の中から実行対象の機能を示す機能識別情報(ボタン像)を選択する。これにより、対象ユーザによって選択された機能識別情報が、端末装置14からサーバ12に送信される。サーバ12においては、特定部42が、デバイス機能情報30において、対象ユーザによって選択された機能識別情報に対応付けられているデバイス識別情報を特定する。これにより、対象ユーザによって選択された機能を有する画像形成装置10が特定される。このとき、1又は複数の画像形成装置10が特定される。特定部42によって特定されたデバイス識別情報は、サーバ12から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50の表示部に表示される。これにより、対象ユーザにおいて、どの画像形成装置10が実行対象の機能を有しているのかが分かり易くなる。
また、実行対象の機能を有する画像形成装置10の位置情報が、サーバ12から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50の表示部に表示されてもよい。例えば、端末装置14の制御部52は、UI部50の表示部に地図を表示させ、その地図上に、実行対象の機能を有する画像形成装置10を示す情報(例えばマーク等の画像)を重畳して表示部に表示させてもよい。これにより、対象ユーザにおいて、実行対象の機能を有する画像形成装置10がどこに設置されているのかが分かり易くなる。
別の変形例として、対象ユーザによって実行対象の機能が予め選択された場合において、利用対象の画像形成装置10が当該実行対象の機能を有している場合、端末装置14の制御部52は、その利用対象の画像形成装置10に当該実行対象の機能を実行させてもよい。この場合、制御部52は、実行制御手段の一例として機能する。例えば、上記の例で説明したように、端末装置14の制御部52は、対象ユーザによって利用可能な各機能を示す機能識別情報(例えばボタン像)を、UI部50の表示部に表示させる。次に、対象ユーザが、表示部に表示された機能識別情報群(ボタン像群)の中から実行対象の機能を示す機能識別情報(ボタン像)を選択する。一方、AR技術を適用することにより利用対象の画像形成装置10が特定され、当該利用対象の画像形成装置10が有する各機能を示す機能識別情報が、サーバ12から端末装置14に送信される。利用対象の画像形成装置10が有する各機能を示す機能識別情報の中に、実行対象の機能を示す機能識別情報が含まれている場合、つまり、利用対象の画像形成装置10が実行対象の機能を有している場合、端末装置14の制御部52は、利用対象の画像形成装置10に、実行対象の機能の実行指示を示す情報を送信する。このとき、実行対象の機能を実行するための制御データ等が、端末装置14から画像形成装置10に送信される。実行指示を示す情報を受けた画像形成装置10は、実行対象の機能を実行する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能群の中から、対象ユーザによって利用可能な機能であって実行対象の機能を選択する場合と比べて、対象ユーザによる選択の手間が省ける。
更に別の変形例として、端末装置14のUI部50の表示部は、画像形成装置10のUI部22に関する情報を拡張して表示してもよい。例えば、端末装置14の制御部24は、画像形成装置10のUI部22に対する操作に応じて、UI部50に表示される情報を変更する。例えば、利用対象の画像形成装置10が有するハードウェアユーザインターフェース部(ハードウェアUI部)と、端末装置14のUI部50によって実現されるソフトウェアユーザインターフェース部(ソフトウェアUI部)と、の協働により、利用対象の画像形成装置10に対するユーザインターフェース部を実現する。上述したように、画像形成装置10のハードウェアUI部は、例えば、テンキーや方向指示キー等である。また、利用対象の画像形成装置10が有する各機能を示す機能識別情報や、対象ユーザによる利用が許可されている各機能を示す機能識別情報を、端末装置14のUI部50に表示することにより、ソフトウェアUI部が実現される。例えば、端末装置14が画像形成装置10に接続要求を示す情報を送信することにより、端末装置14と画像形成装置10との間で通信が確立される。この状態においては、端末装置14のソフトウェアUI部を用いて与えられた指示を示す情報が、端末装置14から利用対象の画像形成装置10に送信され、利用対象の画像形成装置10のハードウェアUI部を用いて与えられた指示を示す情報が、利用対象の画像形成装置10から端末装置14に送信される。例えば、対象ユーザが、ハードウェアUI部を構成するテンキーや方向指示キーを操作すると、その操作内容を示す情報が、利用対象の画像形成装置10から端末装置14に送信される。端末装置14の制御部52は、操作制御手段の一例として機能することにより、ソフトウェアUI部上でその操作内容を実現する。これにより、ハードウェアUI部を用いてソフトウェアUI部が操作される。例えば、対象ユーザがハードウェアUI部を操作して、ソフトウェアUI部に表示された機能識別情報(例えばボタン像)を選択して実行指示を与えると、その機能の実行指示を示す情報が、端末装置14から利用対象の画像形成装置10に送信され、その機能が実行される。このように、画像形成装置10に設けられているハードウェアUI部と端末装置14に表示されているソフトウェアUI部とを協働して画像形成装置10のUI部を実現することにより、1つの機器が有するユーザインターフェースのみ、例えば、画像形成装置10又は端末装置14のユーザインターフェースのみを用いる場合と比べて、UI部の操作性が向上し得る。また、ハードウェアUI部を用いて、ファックス番号等が入力されてもよいし、画像データのプレビュー画面がソフトウェアUI部に表示されてもよい。
更に別の変形例として、各ユーザの個別の設定情報が画像形成装置10に記憶されておらず、画像形成装置10以外の外部装置(例えば端末装置14やサーバ12等)に記憶されていてもよい。個別の設定情報は、例えば、ユーザの氏名、住所、電話番号、ファックス番号、電子メールのアドレス、端末装置14のアドレス、ユーザが管理するファックスの宛先、電子メールのアドレス帳、等である。一例として、端末装置14に設定情報が記憶されているものとする。利用対象の画像形成装置10において設定情報を用いて機能が実行される場合、その設定情報は、機能の実行を指示した端末装置14から利用対象の画像形成装置10に送信される。例えば、利用対象の画像形成装置10にてファクシミリ送信が行われる場合、そのファクシミリ送信にて使用されるファックス番号を示す情報が、ファクシミリ送信を指示した端末装置14から利用対象の画像形成装置10に送信される。利用対象の画像形成装置10は、端末装置14から送信されたファクシミリ番号を用いてファクシミリ送信する。別の例として、スキャン転送機能を実行する場合に、端末装置14は、画像データの送信先を示すアドレス情報を利用対象の画像形成装置10に送信する。画像形成装置10は、スキャン機能を実行することにより画像データを生成し、その画像データを、当該アドレス情報が示す送信先に送信する。このように、設定情報を画像形成装置10に記憶させないことにより、画像形成装置10からの設定情報の漏洩が防止又は抑制される。これにより、画像形成装置10に設定情報を記憶させる場合と比べて、画像形成装置10における設定情報に対するセキュリティが向上する。上記の例では、端末装置14に設定情報が記憶されているが、サーバ12に設定情報が記憶されていてもよい。この場合、端末装置14はサーバ12にアクセスして設定情報を取得してもよいし、画像形成装置10がサーバ12にアクセスして設定情報を取得してもよい。
[第2実施形態]
以下、図14を参照して、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムとしての画像形成システムについて説明する。図14には、第2実施形態に係る画像形成システムの一例が示されている。第2実施形態に係る画像形成システムは、複数の機器(例えば機器76,78)と、サーバ80と、端末装置14と、を含む。機器76,78、サーバ80及び端末装置14は、ネットワーク等の通信経路Nを介して互いに接続されている。図14に示す例では、2つの機器(機器76,78)が画像形成システムに含まれているが、3つ以上の機器が画像形成システムに含まれていてもよい。また、複数のサーバ80及び複数の端末装置14が、画像形成システムに含まれていてもよい。
機器76,78は、特定の機能を有する装置であり、例えば、第1実施形態に係る画像形成装置10、パーソナルコンピュータ(PC)、プロジェクタ等の表示装置、電話機、時計、監視カメラ、等の装置である。また、機器76,78は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
サーバ80は、複数の機器を連携させることによって実行される連携機能を管理する装置である。また、サーバ80は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
端末装置14は、第1実施形態に係る端末装置14と同じ構成を有し、例えば、機器の利用時に、機器のユーザインターフェース部(UI部)として機能する。
第2実施形態に係る画像形成システムにおいては、複数の機器が連携対象の機器として特定され、それら複数の機器が連携することによって連携機能が特定される。
以下、図15を参照して、サーバ80の構成について詳しく説明する。図15には、サーバ80の構成が示されている。
通信部82は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部82は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部84はハードディスク、SSD等の記憶装置である。記憶部84には、連携機能情報86、各種のデータ、各種のプログラム、等が記憶される。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。また、端末装置14に定期的に記憶部84に記憶されている連携機能情報86を提供するようにしてもよい。そうすることで、端末装置14の記憶部48に記憶されている情報を更新するようにしてもよい。ここで、連携機能情報86について説明する。
連携機能情報86は、複数の機器を連携させることによって実行される連携機能を示す情報であり、例えば、連携機能毎に、当該連携機能を実行するために連携される各機器を識別するためのデバイス識別情報の組み合わせと、当該連携機能を識別するための連携機能識別情報と、の対応付けを示す情報である。デバイス識別情報は、例えば第1実施形態に係るデバイス識別情報と同様に、デバイスID、デバイス名称、デバイスの種類を示す情報、型番号、位置情報、等である。連携機能識別情報は、例えば、連携機能IDや連携機能名称等である。連携機能は、互いに異なる機能を有する複数の機器を連携させることによって実行される機能であってもよいし、同一の機能を有する複数の機器を連携させることによって実行される機能であってもよい。例えば、連携機能は、連携前には利用できなかった機能である。その連携前には利用できなかった機能は、連携対象の機器が有する機能のうち、同じ機能を利用することによって利用できる機能であってもよいし、連携対象の機器が有する機能のうち、互いに異なる機能を組み合わせることによって利用できる機能であってもよい。例えば、プリント機能を有する機器(プリンタ)とスキャン機能を有する機器(スキャナ)を連携させることにより、コピー機能が実行される。すなわち、プリント機能とスキャン機能を連携させることにより、コピー機能が実行される。この場合、コピー機能と、プリント機能及びスキャン機能の組み合わせと、が対応付けられる。連携機能情報86においては、連携機能としてのコピー機能を識別するための連携機能識別情報と、プリント機能を有する機器を識別するためのデバイス識別情報及びスキャン機能を有する機器を識別するためのデバイス識別情報の組み合わせと、が対応付けられる。連携機能情報86を参照することにより、連携機能を実行するための複数の機器が特定される。
制御部88は、サーバ80の各部の動作を制御する。また、制御部88は、特定部90を含む。
特定部90は、連携対象の各機器を識別するためのデバイス識別情報を受け、記憶部84に記憶されている連携機能情報86において各デバイス識別情報の組み合わせに対応付けられている連携機能の連携機能識別情報を特定する。これにより、連携対象の各機器を連携させることによって実行される連携機能が特定(認識)される。例えば、端末装置14からサーバ80に複数のデバイス識別情報が送信され、特定部90によって、当該複数のデバイス識別情報に対応付けられている連携機能の連携機能識別情報が特定される。当該連携機能の連携機能識別情報(例えば連携機能の名称を示す情報)は、例えば、サーバ80から端末装置14に送信され、当該端末装置14に表示される。これにより、当該複数のデバイス識別情報によって特定される複数の機器によって実行される連携機能の連携機能識別情報が、当該端末装置14に表示される。
なお、上述した連携機能情報86は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよい。この場合、連携機能情報86は、サーバ80の記憶部84に記憶されていなくてもよい。また、端末装置14の制御部52は、上述した特定部90を備え、複数のデバイス識別情報に基づいて連携機能を特定してもよい。この場合、サーバ80は特定部90を備えていなくてもよい。
第2実施形態では、一例として、AR技術を適用することにより、連携対象の機器のデバイス識別情報が取得されて連携対象の機器が特定(認識)される。AR技術として、上記の第1実施形態と同様に、マーカ型AR技術、マーカレス型AR技術、位置情報AR技術、等が用いられる。
マーカ型AR技術が用いられる場合、端末装置14のカメラ46によって、連携対象の機器に設けられている2次元バーコード等のマーカ(例えば、画像形成装置10に設けられているマーカ54)が撮影され、当該マーカを表す画像データ(例えばマーカ54を表す画像データ)が生成される。その画像データは、例えば、端末装置14からサーバ80に送信される。サーバ80においては、制御部88が、当該画像データに表されたマーカ像に対してデコード処理を適用することにより、デバイス識別情報を抽出する。これより、連携対象の機器のデバイス識別情報が取得される。連携対象の各機器のマーカを撮影することにより、各機器のデバイス識別情報が取得され、これにより、連携機能が特定される。なお、端末装置14の制御部52が、デコード処理を適用することにより、デバイス識別情報を抽出してもよい。
マーカレス型AR技術が用いられる場合、端末装置14のカメラ46によって、連携対象の機器の外観の全部又は一部を撮影される。もちろん、連携対象の機器の名称(例えば商品名)や型番号といった機器を特定するための情報を外観から撮影して得ることは役に立つ。撮影により、連携対象の機器の外観の全部又は一部を表す外観画像データが生成される。その外観画像データは、例えば、端末装置14からサーバ80に送信される。サーバ80においては、制御部88が、第1実施形態と同様に、端末装置14から送信された外観画像データと外観画像対応付け情報に含まれる各外観画像データとを比較し、その比較結果に基づいて、連携対象の機器のデバイス識別情報を特定する。これにより、連携対象の機器が特定される。別の例として、機器の名称(例えば商品名)や型番号が撮影され、名称や型番号を表す外観画像データが生成されている場合、その外観画像データに表された名称や型番号に基づいて、連携対象の機器を特定してもよい。連携対象の各機器の外観を撮影することにより、各機器のデバイス識別情報が取得され、これにより、連携機能が特定される。なお、端末装置14の制御部52が、マーカレス型AR技術を適用することにより、連携対象の機器のデバイス識別情報を特定してもよい。
位置情報AR技術が用いられる場合、例えば、GPS機能を利用することにより、連携対象の機器が設置されている位置を示すデバイス位置情報が取得される。端末装置14は、第1実施形態と同様に、連携対象の機器のデバイス位置情報を取得する。そのデバイス位置情報は、例えば、端末装置14からサーバ80に送信される。サーバ80においては、制御部88が、第1実施形態と同様に、位置対応付け情報を参照することにより、連携対象の機器のデバイス識別情報を特定する。これにより、連携対象の機器が特定される。連携対象の各機器のデバイス位置情報を取得することにより、各機器のデバイス識別情報が取得され、これにより、連携機能が特定される。なお、端末装置14の制御部52が、位置情報AR技術を適用することにより、連携対象の機器のデバイス識別情報を特定してもよい。
以下、AR技術を適用して複数の機器を連携させる方法について説明する。
図16を参照して、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を適用して複数の機器を連携させる方法について説明する。図16には、連携対象の機器の一例が示されている。一例として、連携対象の機器76として第1実施形態に係る画像形成装置10が用いられ、連携対象の機器78としてPC92が用いられるものとする。例えば、画像形成装置10の筐体に2次元バーコード等のマーカ54が設けられており、PC92の筐体に2次元バーコード等のマーカ94が設けられている。マーカ94は、PC92のデバイス識別情報がコード化された情報である。マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術によって画像形成装置10とPC92のデバイス識別情報を取得する場合、ユーザは端末装置14のカメラ46によって、連携対象の画像形成装置10とPC92を撮影する。図16に示す例では、カメラ46の撮影領域に画像形成装置10とPC92の両方が含まれる状態で、画像形成装置10とPC92を一緒に撮影する。これにより、マーカ54,94を表す画像データが生成され、端末装置14からサーバ80に送信される。サーバ80においては、制御部88がその画像データにデコード処理を適用することにより、画像形成装置10のデバイス識別情報とPC92のデバイス識別情報を抽出する。または、画像形成装置10とPC92の両方の外観を表す外観画像データが生成され、端末装置14からサーバ80に送信されてもよい。この場合、サーバ80においては、制御部88が、外観画像対応付け情報を参照することにより、画像形成装置10のデバイス識別情報とPC92のデバイス識別情報を特定する。デバイス識別情報が特定されると、特定部90は、連携機能情報86において、画像形成装置10のデバイス識別情報及びPC92のデバイス識別情報の組み合わせに対応付けられている連携機能識別情報を特定する。これより、画像形成装置10とPC92を連携させることによって実行される連携機能が特定される。その連携機能を示す連携機能識別情報は、サーバ80から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。ユーザが端末装置14を用いて連携機能の実行を指示すると、その連携機能が実行される。なお、デバイス識別情報の特定処理及び連携機能の特定処理は、端末装置14にて行われてもよい。
ユーザの操作によって、連携対象の機器が指定されてもよい。例えば、画像形成装置10とPC92をカメラ46によって撮影することにより、図16に示すように、端末装置14の表示部の画面96には、画像形成装置10を表すデバイス像98とPC92を表すデバイス像100が表示される。なお、連携対象の機器を指定する際に端末装置14に表示される識別した機器に紐付く画像データは、カメラ46によって撮影された機器の画像(撮影時のサイズを有する画像であってもよいし、拡大又は縮小された画像であってもよい)であってもよいし、識別した機器に紐付く予め準備された外観画像データ(撮影で得られた画像そのものではなく、模式的な画像)であってもよい。例えば、機器を撮影することで得られた画像データを利用する場合、現在の機器そのものの外観(例えば、キズ、メモ書き、機器に貼り付けられたシール等が反映された外観)が画像に反映されるので、ユーザにとって他の同種の機器との違いが視覚的により分かる効果がある。ユーザが画面96上にてデバイス像98,100を指定することにより、連携対象の機器として画像形成装置10とPC92を指定する。例えば、ユーザがデバイス像98を指定すると、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術がデバイス像98に適用されることにより、画像形成装置10のデバイス識別情報が特定される。同様に、ユーザがデバイス像100を指定すると、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術がデバイス像100に適用されることにより、PC92のデバイス識別情報が特定される。これにより、画像形成装置10とPC92によって実行される連携機能が特定され、その連携機能を示す連携機能識別情報が端末装置14のUI部50に表示される。
また、図16中の矢印で示すように、ユーザが画面96上でデバイス像98をタッチして100までの間を指等で操作する(例えば指でなぞる)ことにより、その操作の先にあるデバイス像98,100が指定され、連携対象の機器として画像形成装置10とPC92が指定されてもよい。デバイス像98,100を触れる順番やなぞる方向は、上記の例と逆であってもよい。もちろん、画面96をなぞるためのペンといった指以外の画面接触指示手段が用いられてもよい。また、単になぞるだけではなく、丸を付けるような描画操作によって連携対象の機器を指定してもよいし、連携したい機器のデバイス像を予め設定された時間内にタッチすることで機器を特定するようにしてもよい。連携を解除する場合、ユーザが画面96上で解除対象の機器を指定してもよいし、連携解除ボタンを押下してもよい。また、連携対象ではない機器が画像に写り込んでいる場合、ユーザが画面96上にてその機器を指定することにより、その機器を連携対象の機器群から除外してもよい。解除の機器を指定するときの動作は、バツ印を付けるような予め定められた動作で機能するようにしてもよい。
例えば、画像形成装置10がスキャン機能を備えている場合、画像形成装置10とPC92を連携させることにより、スキャン転送機能が連携機能として実行される。スキャン転送機能が実行される場合、画像形成装置10のスキャン機能によってスキャンデータ(画像データ)が生成され、そのスキャンデータが画像形成装置10からPC92に送信される。別の例として、画像形成装置10がプリント機能を備えている場合、PC92から画像形成装置10に印刷対象の文書データが送信され、画像形成装置10のプリント機能によって文書データに基づく文書が用紙上に印刷されてもよい。
図17には、連携対象の機器の別の例が示されている。一例として、連携対象の機器76としてプリンタ102が用いられ、連携対象の機器78としてスキャナ104が用いられるものとする。プリンタ102は、画像形成機能としてプリント機能のみを有する装置であり、スキャナ104は、画像形成機能としてスキャン機能のみを有する装置である。例えば、プリンタ102の筐体に2次元バーコード等のマーカ106が設けられており、スキャナ104の筐体に2次元バーコード等のマーカ108が設けられている。マーカ106は、プリンタ102のデバイス識別情報がデコード化された情報であり、マーカ108は、スキャナ104のデバイス識別情報がデコード化された情報である。図16に示す例と同様に、カメラ46の撮影領域にプリンタ102とスキャナ104の両方が含まれる状態で、プリンタ102とスキャナ104を一緒に撮影する。この撮影によって生成された画像データに対してマーカ型AR技術又はマーカレス型ARを適用することにより、プリンタ102のデバイス識別情報とスキャナ104のデバイス識別情報が特定され、プリンタ102とスキャナ104を連携させることによって実行される連携機能が特定される。なお、デバイス識別情報の特定処理及び連携機能の特定処理は、サーバ80によって行われてもよいし、端末装置14によって行われてもよい。
図16に示す例と同様に、端末装置14の表示部の画面96には、プリンタ102を表すデバイス像110とスキャナ104を表すデバイス像112が表示され、ユーザが画面96上にてデバイス像110,112を指定することにより、連携対象の機器としてプリンタ102とスキャナ104を指定してもよい。これにより、連携機能としてのコピー機能を示す連携機能識別情報が端末装置14のUI部50に表示される。
プリンタ102とスキャナ104を連携させることにより、コピー機能が実行される。この場合、スキャナ104のスキャン機能によって原稿が読み取られ、その原稿を表すスキャンデータ(画像データ)が生成される。そのスキャンデータはスキャナ104からプリンタ102に送信され、プリンタ102のプリント機能によって、そのスキャンデータに基づく画像が用紙上に印刷される。このように、利用対象の機器がコピー機能を備えていない場合であっても、プリンタ102とスキャナ104を連携させることにより、連携機能としてのコピー機能が実行される。
以下、図18及び図19を参照して、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を適用して複数の機器を連携させる別の方法について説明する。図18及び図19には、端末装置14の表示部の画面が示されている。一例として、連携対象の機器76として画像形成装置10が用いられ、連携対象の機器78としてPC92が用いられるものとする。この例では、画像形成装置10とPC92が別々に撮影される。なぜならば、連携対象の機器が必ずしも近傍に配置されているとは限らないからである。もちろん、撮影手段の撮影領域のアングルを変えたり、撮影領域の拡大又は縮小によって対応することもできるが、そのような操作で対応しきれない場合、撮影手段による撮影を複数回に分けることで、連携対象の機器を識別することも解決手段としてあり得る。撮影手段による撮影を複数回に分けた場合、各撮影回で識別した機器の識別情報は端末装置14又はサーバ80の記憶部で記憶するようにする。例えば図18に示すように、カメラ46の撮影領域に画像形成装置10が含まれる状態で画像形成装置10が撮影され、図19に示すように、カメラ46の撮影領域にPC92が含まれる状態でPC92が撮影される。これにより、画像形成装置10を表す画像データとPC92を表す画像データが生成される。各画像データにマーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を適用することにより、画像形成装置10のデバイス識別情報とPC92のデバイス識別情報が特定され、連携機能が特定される。
更に別の方法として、連携対象の機器が基本連携機器として予め設定されていてもよい。例えば、画像形成装置10が基本連携機器として予め設定されているものとする。基本連携機器を示すデバイス識別情報は、端末装置14の記憶部48に予め記憶されていてもよいし、サーバ80の記憶部84に予め記憶されていてもよい。または、ユーザが端末装置14を利用して基本連携機器を指定してもよい。基本連携機器が設定されている場合、ユーザは端末装置14のカメラ46によって、基本連携機器以外の連携対象となる機器を撮影する。例えば、PC92を連携対象として用いる場合、図19に示すように、ユーザはカメラ46によってPC92を撮影する。これにより、PC92のデバイス識別情報が特定され、画像形成装置10とPC92が連携することによって実行される連携機能が特定される。
次に、図20を参照して、位置情報AR技術を適用して複数の機器を連携させる方法について説明する。図20には、検索エリア内に配置されている各機器が示されている。例えば、端末装置14はGPS機能を備えており、端末装置14自身の位置を示す端末位置情報を取得し、その端末位置情報をサーバ80に送信する。サーバ80の制御部88は、機器の設置位置を示すデバイス位置情報とデバイス識別情報との対応付けを示す位置対応付け情報を参照し、端末装置14の位置を基準にして、予め設定された範囲内に配置されている各機器を連携候補機器として特定する。例えば図20に示すように、端末装置14を基準にして予め設定された範囲114内に、画像形成装置10、PC92、プリンタ102及びスキャナ104が配置されているものとする。この場合、画像形成装置10、PC92、プリンタ102及びスキャナ104が連携候補機器として特定される。各連携候補機器のデバイス識別情報は、サーバ80から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。デバイス識別情報として、連携候補機器の画像が表示されてもよいし、デバイスID等の文字列が表示されてもよい。ユーザは、UI部50に表示されている連携候補機器群の中から連携対象の機器を指定する。ユーザによって指定された連携対象の機器のデバイス識別情報は、端末装置14からサーバ80に送信され、サーバ80において、連携対象の機器のデバイス識別情報に基づいて連携機能が特定される。端末装置14のUI部50には、その連携機能を示す連携機能識別情報が表示される。なお、連携候補機器の特定処理及び連携機能の特定処理は、端末装置14によって行われてもよい。
以下、図21を参照して、第2実施形態に係る画像形成システムによる処理について説明する。図21は、その処理を示すシーケンス図である。
まず、ユーザは、端末装置14を利用して、連携機能実行用のアプリケーション(プログラム)の起動を指示する。端末装置14の制御部52は、その指示に応じて当該アプリケーションを起動させる(S60)。なお、そのアプリケーションは、端末装置14の記憶部48に予め記憶されていてもよいし、サーバ80等からダウンロードされてもよい。
次に、端末装置14の制御部52は、ユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)を読み込む(S61)。この読み込み処理は、第1実施形態に係るステップS02の処理と同じである。
なお、ユーザ毎に連携機能の利用履歴が管理され、読み込まれたユーザアカウント情報が示すユーザによって過去に利用された連携機能を示す情報が、端末装置14のUI部50に表示されてもよい。その利用履歴を示す情報は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよいし、サーバ80の記憶部84に記憶されていてもよい。また、予め設定された利用頻度以上の頻度で利用されている連携機能を示す情報が表示されてもよい。このようなショートカット機能を設けることによって、連携機能に関するユーザの操作の手間が軽減される。
次に、マーカ型AR技術、マーカレス型AR技術又は位置情報AR技術を適用することにより、連携対象の機器が特定される(S62)。マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を適用する場合、ユーザは端末装置14のカメラ46によって、連携対象の機器を撮影する。一例として、機器76,78が連携機器として用いられる場合、ユーザは、カメラ46によって機器76,78を撮影する。これにより、機器76,78を表す画像データが生成され、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が適用されることにより、機器76,78のそれぞれのデバイス識別情報が特定される。位置情報AR技術を適用する場合、機器76,78のそれぞれのデバイス位置情報が取得され、そのデバイス位置情報に基づいて、機器76,78のそれぞれのデバイス識別情報が特定される。
次に、端末装置14は、連携対象の機器76,78に接続要求を示す情報を送信する(S63)。例えば、機器76,78のそれぞれのアドレスを示すアドレス情報が、サーバ80に記憶されている場合、端末装置14は、機器76,78のそれぞれのアドレス情報をサーバ80から取得する。デバイス識別情報にアドレス情報が含まれている場合、端末装置14は、機器76,78のそれぞれのデバイス識別情報から機器76,78のそれぞれのアドレス情報を取得してもよい。または、端末装置14に機器76,78のそれぞれのアドレス情報が記憶されていてもよい。もちろん、端末装置14は、別の手法によって機器76,78のアドレス情報を取得してもよい。端末装置14は、機器76,78のそれぞれのアドレス情報を用いて、機器76,78に接続要求を示す情報を送信する。
機器76,78は、端末装置14との接続を許可する、又は、許可しない(S64)。例えば、機器76,78が、接続が許可されていない機器に該当する場合や、接続を要求している端末装置の数が上限を超えている機器に該当する場合、接続は許可されない。なお、端末装置14からの接続が許可された場合、機器76,78に固有の設定情報が端末装置14から変更されないように、その変更操作を禁止してもよい。例えば、画像形成装置の色彩のパラメータや、節電に移行する際の設定時間等の変更が禁止される。これにより、機器76,78に対するセキュリティが向上する。または、機器76,78を連携させる場合、機器76,78を連携させずに単独で利用する場合と比べて、設定情報の変更が制限されてもよい。例えば、機器76,78を単独で利用する場合と比べて、より少ない設定項目の変更が許可されてもよい。また、稼働履歴のような他のユーザの個人情報の閲覧を禁止してもよい。これにより、ユーザの個人情報に対するセキュリティが向上する。
接続の許可又は不許可を示す結果情報が、機器76,78から端末装置14に送信される(S65)。機器76,78への接続が許可された場合、端末装置14と機器76,78との間で通信が確立される。
機器76,78への接続が許可された場合、端末装置14のUI部50には、機器76,78を連携させることにより実行される連携機能を示す連携機能識別情報が表示される(S66)。上述したように、機器76,78のそれぞれのデバイス識別情報によって、機器76,78を連携させることにより実行される連携機能が特定され、その連携機能を示す連携機能識別情報が端末装置14に表示される。その特定処理は、サーバ80によって行われてもよいし、端末装置14によって行われてもよい。
次に、ユーザは端末装置14を利用して連携機能の実行を指示する(S67)。この指示に応じて、連携機能の実行指示を示す実行指示情報が、端末装置14から機器76,78に送信される(S68)。機器76に送信される実行指示情報には、機器76にて実行される処理を示す情報(例えばジョブ情報)が含まれ、機器78に送信される実行指示情報には、機器78にて実行される処理を示す情報(例えばジョブ情報)が含まれる。
実行指示情報を受けた機器76,78は、実行指示情報に従って機能を実行する(S69)。例えば、画像形成装置10からPC92へスキャンデータを転送するスキャン転送機能のように、連携機能に、機器76,78の間でデータの送受信が行われる処理が含まれている場合、機器76,78の間で通信が確立される。この場合、例えば、機器76に送信される実行指示情報には機器78のアドレス情報が含まれ、機器76に送信される実行指示情報には機器78のアドレス情報が含まれ、それらのアドレス情報を用いて機器76,78間で通信が確立される。
連携機能の実行が終了すると、連携機能の実行完了を示す結果情報が、機器76,78から端末装置14に送信される(S70)。端末装置14のUI部50の表示部には、連携機能の実行が完了した旨が表示される(S71)。なお、実行指示を与えた時点から予め設定された時間が経過しても実行完了を示す旨が表示されない場合、端末装置14の制御部52は、エラーを示す情報をUI部50の表示部に表示させ、再度、実行指示情報、又は、接続要求を示す情報を、機器76,78に送信してもよい。
次に、ユーザは、機器76,78の連携状態を解除するか否かを確認し(S72)、解除の有無に応じた処理が実行される(S73)。連携状態を解除する場合、ユーザは、端末装置14を利用して解除の指示を与える。これにより、端末装置14と機器76,78との間の通信が解除される。同様に、機器76,78との間の通信も解除される。連携状態を解除しない場合、継続して実行指示を与えてもよい。
また、連携対象の機器を増やしてもよい。例えば3台目の機器のデバイス識別情報が取得され、機器76,78を含む3台の機器を連携させることによって実行される連携機能が特定される。なお、機器76,78が既に特定されていることを示す情報は、端末装置14又はサーバ80に記憶される。
連携対象の機器76,78のそれぞれのデバイス識別情報や、実行された連携機能を示す連携機能識別情報は、端末装置14やサーバ80等に記憶されてもよい。例えば、ユーザ毎に、ユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)と、連携対象の機器のそれぞれのデバイス識別情報と、実行された連携機能を示す連携機能識別情報と、が対応付けられた履歴情報が作成され、端末装置14やサーバ80等に記憶される。履歴情報は、端末装置14によって作成されてもよいし、サーバ80によって作成されてもよい。履歴情報を参照することにより、どのような連携機能がどのような機器群を用いて実行されたのかが特定される。
なお、機器76,78は、接続を要求したユーザを示すユーザアカウント情報や端末装置14を示す端末識別情報を履歴情報として記憶してもよい。この履歴情報を参照することにより、機器76,78を利用したユーザが特定される。例えば、機器76,78が壊れたときのユーザを特定する際や、消耗品等の課金を行う際に、履歴情報を活用してユーザを特定してもよい。履歴情報は、サーバ80や端末装置14に記憶されてもよいし、別の装置に記憶されてもよい。
次に、図22を参照して、連携対象の機器を認識してから連携機能を実行するまでの間に、端末装置14のUI部50に表示される画面の遷移について説明する。
一例として、図16に示すように、連携対象の機器として画像形成装置10とPC92を用いる場合について説明する。図22に示す例では、画像形成装置10は、画像形成機能として、少なくともスキャン機能、プリント機能及びコピー機能を備えており、いわゆる複合機として機能するものとする。
まず、図16に示すように、ユーザは端末装置14のカメラ46によって、連携対象の画像形成装置10(複合機)とPC92を撮影する。これにより、図22(a)に示すように、端末装置14のUI部50の画面96に、画像形成装置10を表すデバイス像98とPC92を表すデバイス像100が表示される。
一例として、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を適用することにより画像形成装置10とPC92が認識され、図22(b)に示すように、UI部50に認識機器画面116が表示される。この認識機器画面116には、画像形成装置10のデバイス識別情報とPC92のデバイス識別情報が表示される。認識機器画面116には、例えば、(1)複合機を示す文字列が画像形成装置10のデバイス識別情報として表示され、(2)パソコンを示す文字列がPC92のデバイス識別情報として表示される。その他、画像形成装置10及びPC92の名称や商品名等が表示されてもよい。
画像形成装置10のデバイス識別情報とPC92のデバイス識別情報が特定されると、画像形成装置10とPC92を連携させることによって実行される連携機能が特定され、図22(c)に示すように、UI部50に連携機能選択画面118が表示される。連携機能選択画面118には、例えば、(1)パソコンへのスキャンデータの転送機能(スキャン転送機能)を示す情報、及び、(2)パソコンに記憶されている文書データを印刷する機能を示す情報、が連携機能情報として表示される。(1)の連携機能の実行が指示されると、画像形成装置10(複合機)のスキャン機能によって原稿が読み取られてスキャンデータが生成され、そのスキャンデータが画像形成装置10からPC92へ転送される。(2)の連携機能の実行が指示されると、PC92に記憶されている文書データがPC92から画像形成装置10に送信され、画像形成装置10のプリント機能によって文書データに基づく文書が用紙上に印刷される。なお、図22(b)に示されている認識機器画面116においてユーザによって選択された機器群が連携対象の機器として利用され、ユーザによって選択された機器群を連携することによって実行される連携機能を示す連携機能情報が、連携機能選択画面118に表示されてもよい。
連携機能情報の表示形態として別の表示形態が採用されてもよい。例えば、端末装置14の制御部52は、連携機能を含む機能群を示す情報(例えばボタンの画像群)をUI部50の表示部に表示させるとともに、連携機能を連携して実行する複数の機器が特定(認識)されていない場合、当該連携機能の利用が不可能な状態で連携機能情報(例えばボタンの画像)を表示部に表示させる。当該連携機能を連携して実行する複数の機器のデバイス識別情報が取得されて当該複数の機器が認識された場合、制御部52は、当該連携機能の利用が可能な状態で連携機能情報を表示部に表示させる。具体例を挙げて説明すると、制御部52は、例えば、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及び、連携機能としてのスキャン転送機能、を示す情報(例えばボタンの画像群)をUI部50に表示させる。スキャン転送機能を連携して実行する複数の機器が認識されていない場合、制御部52は、スキャン転送機能の利用が不可能な状態で連携機能情報を表示部に表示させる。例えば、制御部52は、スキャン転送機能の実行指示を受け付けない。これにより、ユーザがスキャン転送機能を示す連携機能情報(例えばボタンの画像)を指定して実行指示を与えた場合であっても、スキャン転送機能は実行されない。スキャン転送機能を連携して実行する複数の機器が認識された場合、制御部52は、スキャン転送機能の利用が可能な状態で連携機能情報(例えばボタンの画像)を表示部に表示させる。スキャン転送機能の実行指示がユーザによって与えられた場合、制御部52は、その実行指示を受け付けて、スキャン転送機能の実行指示を示す実行指示情報を連携対象の機器群に送信する。
例えば、ユーザによって(1)スキャン転送機能が指定されると、図22(d)に示すように、UI部50に確認画面120が表示される。この確認画面120において、ユーザが「NO」ボタンを押下すると、画面は1つ前の連携機能選択画面118に戻る。ユーザが「YES」ボタンを押下すると、スキャン転送機能が実行される。スキャン転送機能の実行が完了すると、図22(e)に示すように、UI部50に、連携機能の実行完了を示す実行完了画面122が表示される。また、実行完了画面122には、連携対象の機器の接続を解除するか否かをユーザが指示するための情報が表示される。この実行完了画面122において、ユーザが機器の接続解除を指示すると、端末装置14、画像形成装置10及びPC92同士の接続が解除される。ユーザが機器の接続解除を指示しない場合、画面は連携機能選択画面118に戻る。
以上のように、第2実施形態によると、AR技術を適用することにより、連携対象の機器群を連携させることによって実行される連携機能が特定され、その連携機能を示す連携機能識別情報が端末装置14に表示される。これにより、連携対象の機器群によってどのような連携機能が実行可能であるのかその外観からでは分からない場合であっても、ユーザにおいて、どのような連携機能が実行可能であるのかが分かり易くなる。また、個々の機器が単独では実行できない機能が、複数の機器を連携させることによって実行できるようになり、便利である。また、AR技術を適用して連携対象の機器を認識するだけで連携機能の利用が可能になるため、連携機能を実行するための設定等をユーザがマニュアル操作で行う場合と比べて、簡単な作業で連携機能の利用が可能となり、ユーザの手間も軽減される。
また、第2実施形態によると、例えば、複数の機器を複数のユーザが利用するという環境において、連携機能に関する情報が各ユーザの端末装置14に適切に表示される。例えば、機器からタッチパネル等のユーザインターフェースが取り除かれた場合であっても、端末装置14がそのユーザインターフェースとして用いられ、複数の機器を連携させることによって実行される連携機能に関する情報が、各ユーザの端末装置14に適切に表示される。別の場面として、例えば、ユーザの出先等で複数の機器が一時的に利用される場合に、当該ユーザに適したユーザインターフェース、つまり、当該ユーザによって指定された複数の機器を連携させることによって実行される連携機能を表すユーザインターフェースが、端末装置14にて実現される。
以下、連携機能の具体例について説明する。
(具体例1)
具体例1に係る連携機能は、複合機としての画像形成装置10とプロジェクタ等の表示装置とを組み合わせることによって実行される連携機能である。この連携機能は、プロジェクタ等の表示装置に表示されている画面の内容を複合機(画像形成装置10)によって印刷する機能である。一例として、機器76が複合機であり、機器78がプロジェクタ等の表示装置であるとする。具体例1では、AR技術を適用することによって、複合機及び表示装置のそれぞれのデバイス識別情報が取得され、デバイス識別情報に基づいて、複合機と表示装置を連携されることによって実行される連携機能が特定される。連携機能を示す連携機能識別情報は端末装置14に表示される。ユーザが端末装置14を利用して連携機能の実行を指示すると、端末装置14は実行指示情報を複合機と表示装置に送信する。これに応じて、表示装置は、画面に表示している情報(画面情報)を複合機に送信し、複合機は、表示装置から送信された画面情報を用紙上に印刷する。具体例1によると、AR技術によって複合機と表示装置を認識するだけで、複合機と表示装置によってどのような機能が実行されるのかがユーザに分かるような情報が提供され、表示装置に表示されている画面の内容が複合機によって印刷される。それ故、ユーザがマニュアル操作で印刷設定等を行う場合と比べて、ユーザの手間が軽減される。
(具体例2)
具体例2に係る連携機能は、複合機としての画像形成装置10と電話機とを組み合わせることによって実行される連携機能である。この連携機能は、電話機を用いてユーザが会話している内容(通話内容)を複合機(画像形成装置10)によって印刷する機能A、その通話内容を示す電子文書データを、予め設定されたメールアドレス宛てに電子メールで送信する機能B、及び、電子文書データを、通話相手の電話番号に対応付けられたファックス番号宛てにファクシミリ送信する機能C、の中の少なくとも1つである。一例として、機器76が複合機であり、機器78が電話機であるとする。具体例2では、AR技術を適用することによって、複合機及び電話機のそれぞれのデバイス識別情報が取得され、デバイス識別情報に基づいて、複合機と電話機を連携させることによって実行される連携機能群(機能A,B,C)が特定される。連携機能としての機能A,B,Cを示す連携機能識別情報は端末装置14に表示される。ユーザが端末装置14を利用して機能A,B,Cの中から実行対象の機能を選択して連携機能の実行を指示すると、端末装置14は実行指示情報を複合機と電話機に送信する。これに応じて、電話機は、通話内容を示すデータを複合機に送信する。機能Aの実行が指定された場合、複合機は、通話内容を示す文字列を用紙に印刷する。機能Bの実行が指示された場合、複合機は、通話内容を示す電子文書データを、予め設定されたメールアドレス宛て(例えば通話相手のメールアドレス宛て)に電子メールで送信する。機能Cの実行が指示された場合、複合機は、その電子文書データを、通話相手の電話番号に対応付けられているファックス番号宛てにファクシミリ送信する。機能A,B,Cの中から複数の機能がユーザによって指定されて実行指示が与えられた場合、当該複数の機能が実行されてもよい。具体例2によると、AR技術によって複合機と電話機を認識するだけで、複合機と電話機によってどのような機能が実行されるのかがユーザによって分かるような情報が提供され、電話機の通話内容が複合機によって印刷、電子メール送信及びファクシミリ送信の中の少なくとも1つが実行される。それ故、ユーザがマニュアル操作で印刷設定等を行う場合と比べて、ユーザの手間が軽減される。
(具体例3)
具体例3に係る連携機能は、複合機としての画像形成装置10と時計とを組み合わせることによって実行される連携機能である。この連携機能は、複合機にタイマー機能を追加する機能である。一例として、機器76が複合機であり、機器78が時計であるとする。具体例3では、AR技術を適用することによって、複合機及び時計のそれぞれのデバイス識別情報が取得され、デバイス識別情報に基づいて、複合機と時計を連携させることによって実行される連携機能が特定される。連携機能を示す連携機能識別情報は端末装置14に表示される。ユーザが端末装置14を利用して連携機能の実行を指示すると、タイマー機能を利用した画像形成が実行される。例えば、複合機は、ユーザによって指定された時刻に、印刷等の画像形成を実行する。具体例3によると、AR技術によって複合機と時計を認識するだけで、複合機と時計によってどのような機能が実行されるのかがユーザによって分かるような情報が提供され、複合機にタイマー機能が付与される。それ故、タイマー機能を有していない複合機を利用する場合であっても、タイマー機能を用いた画像形成を行うことが可能となる。
(具体例4)
具体例4に係る連携機能は、複合機としての画像形成装置10と監視カメラとを組み合わせることによって実行される連携機能である。この連携機能は、監視カメラによって撮影され内容に応じて、複合機に記憶されている特定の情報(例えばジョブ情報や画像データ等)を削除する機能である。一例として、機器76が複合機であり、機器78が監視カメラであるとする。具体例4では、AR技術を適用することによって、複合機及び監視カメラのそれぞれのデバイス識別情報が取得され、デバイス識別情報に基づいて、複合機と監視カメラを連携させることによって実行される連携機能が特定される。連携機能を示す連携機能識別情報は端末装置14に表示される。ユーザが端末装置14を利用して連携機能の実行を指示すると、端末装置14は実行指示情報を複合機と監視カメラに送信する。これに応じて、監視カメラは、撮影内容を解析し、特定のイベントが発生した場合に、情報削除命令を複合機に送信する。例えば、業務時間外に不審者と推測される人物が監視カメラによって撮影された場合、監視カメラは、情報削除命令を複合機に送信する。複合機は、その情報削除命令に従って、当該複合機に記憶されているジョブ情報や画像データを削除する。これにより、複合機のセキュリティが向上する。具体例4によると、AR技術によって複合機と監視カメラを認識するだけで、複合機と監視カメラによってどのような機能が実行されるのかがユーザによって分かるような情報が提供され、監視カメラを利用して複合機に対する監視が実行される。それ故、ユーザがマニュアル操作で監視設定等を行う場合と比べて、ユーザの手間が軽減される。
また、上述した例以外にも、画像形成装置と翻訳装置を連携させることにより、画像形成装置で印刷しようとしていた原稿に含まれる文字を翻訳装置で翻訳可能な言語の対訳で翻訳して紙で出力する連携機能の組み合わせも考えられる。
(具体例5)
上述した例に係る連携機能は、互いに異なる機能を有する複数の機器を組み合わせることによって実行される連携機能であるが、同一の機能を有する複数の機器を組み合わせることによって連携機能が実行されてもよい。この場合、当該複数の機器が同一の機能を実行することにより、処理を分担して実行する。一例として、具体例5に係る連携機能は、複合機としての複数の画像形成装置10を組み合わせることによって実行される連携機能である。その連携機能は、例えば、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、等の画像形成機能である。具体例5では、AR技術を適用することによって、複数の複合機のそれぞれのデバイス識別情報が取得され、デバイス識別情報に基づいて、複数の複合機を連携させることによって実行される連携機能(例えば画像形成機能)が特定される。連携機能を示す連携機能識別情報は端末装置14に表示される。ユーザが端末装置14を利用して連携機能の実行を指示すると、端末装置14は実行指示情報を連携対象の複数の複合機に送信する。端末装置14は、連携対象の複合機の数に合わせて、処理内容(例えばジョブ)を分割し、分割後の処理内容(ジョブ)を各複合機に割り当て、分割後の処理内容を示す実行指示情報を各複合機に送信する。これに応じて、各複合機は、自身に割り当てられた処理(ジョブ)を実行する。例えば、端末装置14は、連携対象の複合機の数に合わせて、プリントに関する1つのジョブを分割し、分割後のプリントジョブを各複合機に割り当て、分割後のプリントジョブを示す実行指示情報を各複合機に送信する。これに応じて、各複合機は、プリント機能を実行することにより、自身に割り当てられたプリントジョブを実行する。また、端末装置14は、連携対象の各機器の性能に応じて、分割後の処理内容を各機器に割り当ててもよい。例えば、カラー印刷機能を有する複合機には、カラー印刷の設定がなされたジョブを割り当て、カラー印刷機能を有していない複合機には、モノクロ印刷の設定がなされたジョブを割り当ててもよい。
更に別の具体例として、同一の機能を有する複数の機器を連携させることによって、高速印刷モードや予備印刷モード(同じ内容の印刷物を複数部作成するモード)が連携機能として実行されてもよい。
以下、図23を参照して、第2実施形態に係る変形例について説明する。図23には、連携機能の実行優先順位が示されている。変形例では、複数の端末装置14が、同一の機器に対して同時に接続要求を行っている場合に、予め設定された実行優先順位に従って、接続が許可される。図23に示すように、緊急事態(急ぎ)のときの接続要求の場合、優先順位に対する影響度は「特大」となる。機器の所有者からの接続要求の場合、影響度は「大」となる。組織上の階級については、優先順位に対する影響度は「中」であり、階級の高いユーザからの接続要求ほど優先順位が高くなる。ジョブ(画像形成処理)の完了予定時間については、優先順位に対する影響度は「小」であり、ジョブの完了予定時間が短い接続要求ほど優先順位が高くなる。例えば、複数の端末装置14が同一の機器に対して同時に接続要求を行っている場合において、緊急事態を示す情報が含まれた接続要求を行った端末装置14が、当該機器に最優先で接続される。当該複数の端末装置14の中に緊急事態の接続要求を行った端末装置14が存在しない場合、当該機器の所有者の端末装置14が、当該機器に最優先で接続される。当該複数の端末装置14の中に、緊急事態の接続要求を行った端末装置14が存在せず、当該機器の所有者の端末装置14も存在しない場合、組織上の階級が高いユーザの端末装置14ほど優先的に当該機器に接続される。当該複数の端末装置14の中に、緊急事態の接続要求を行った端末装置14が存在せず、当該機器の所有者の端末装置14も存在せず、各ユーザの階級も同一の場合、完了見込み時間が短いジョブの実行を指示した端末装置14ほど、優先的に当該機器に接続される。なお、緊急事態、機器の所有者、組織上の階級、及び、ジョブの完了予定時間、の中で、どの項目を重視するのかは、連携対象の機器の管理者によって任意に設定されてもよい。例えば、管理者が、各項目の影響度を任意に変更してもよいし、優先順位の決定に関して一部の項目を用いなくてもよい。また、端末装置14のUI部50に、各ユーザの属性情報に応じて、機器の利用の優先順位が表示されてもよい。属性情報は、例えば、緊急度、機器の所有者か否か、組織上の階級、ジョブの完了予定時間、等である。以上のように連携機能の実行優先順位を決定することにより、同一の機器に対して同時に接続要求があった場合に、重要度の高いユーザほど優先的に機器に接続される。
別の変形例として、複数の端末装置14が、同一の機器に対して同時に接続要求を行っている場合、各端末装置14同士で、割り込みの通知を行ってもよい。例えば、各端末装置14は、当該同一の機器を介して他の端末装置14のアドレス情報を取得してもよいし、ブロードキャスト等の処理を利用することにより、他の端末装置14のアドレス情報を取得してもよい。例えば、ユーザは端末装置14を利用して割り込み要求を指示すると、当該端末装置14は、同一の機器に対して同時に接続要求を行っている他の端末装置14に、割り込み通知を送信する。他の端末装置14のUI部50には、割り込み通知を示す情報が表示される。例えば、他の端末装置14のユーザが、その割り込み通知に応じて、機器に対する接続要求を中止することにより、割り込み要求を行った端末装置14と機器との間で通信が確立される。または、他の端末装置14のユーザが、割り込み処理を許可すると、当該他の端末装置14は、その許可を示す情報を、割り込み要求を行った端末装置14に送信してもよい。この場合、割り込み要求を行った端末装置14が、その許可を示す情報を機器に送信することにより、当該端末装置14が優先的に当該機器に接続されてもよい。上記のように割り込み通知を行うことにより、急ぎで連携機能を実行したい場合に対処できる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る情報処理システムとしての画像形成システムについて説明する。図24には、第3実施形態に係るサーバ124が示されている。第3実施形態に係る画像形成システムは、第1実施形態に係る画像形成システムと第2実施形態に係る画像形成システムを組み合わせたシステムであり、第2実施形態に係るサーバ80の代りにサーバ124を含む。サーバ124以外の構成は、図14に示されている第2実施形態に係る画像形成システムの構成と同じである。
サーバ124は、第1実施形態に係るサーバ12と同様に、ユーザ毎に、ユーザによって利用可能な機能を管理するとともに、第2実施形態に係るサーバ80と同様に、複数の機器を連携させることによって実行される連携機能を管理する装置である。また、サーバ124は、第1実施形態に係るサーバ12と同様に、特定の機能を実行する装置である。サーバ124によって実行される特定の機能は、例えば、画像処理に関する機能等である。サーバ124によって管理される機能は、例えば、機器76,78を用いて実行される機能やサーバ124によって実行される機能等である。ユーザによって利用可能な機能の管理、連携機能の管理、及び、特定機能の実行は、それぞれ別々のサーバによって行われてもよいし、同一のサーバによって行われてもよい。また、サーバ124は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
第3実施形態に係る画像形成システムにおいては、端末装置14を利用することにより、ユーザによって機能が購入され、その購入の履歴が機能購入履歴としてサーバ124によって管理される。ユーザによって購入された機能は、例えば、機器76,78やサーバ124によって実行される。また、連携機能が購入された場合、複数の機器を連携させることによって当該連携機能が実行される。
以下、サーバ124の構成について詳しく説明する。
通信部126は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部126は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部128はハードディスク等の記憶装置である。記憶部128には、デバイス機能情報30、機能購入履歴情報32、連携機能情報86、各種のデータ、各種のプログラム、等が記憶されている。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。デバイス機能情報30及び機能購入履歴情報32は、第1実施形態に係るデバイス機能情報30及び機能購入履歴情報32と同じであり、連携機能情報86は、第2実施形態に係る連携機能情報86と同じである。
サーバ124の機能実行部34は、第1実施形態に係るサーバ12の機能実行部34と同じである。なお、第2実施形態と同様に、サーバ124は機能実行部34を備えていなくてもよい。
制御部130は、サーバ124の各部の動作を制御する。また、制御部130は、購入処理部38、購入履歴管理部40及び特定部132を含む。
サーバ124の購入処理部38及び購入履歴管理部40は、第1実施形態に係るサーバ12の購入処理部38及び購入履歴管理部40と同じである。
特定部132は、第1実施形態に係るサーバ12の特定部42と同様に、利用対象の機器を識別するためのデバイス識別情報を受けた場合、記憶部128に記憶されているデバイス機能情報30を参照することにより、利用対象の機器が有する機能群を特定する。また、特定部132は、第1実施形態に係る特定部42と同様に、対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報を受けた場合、記憶部128に記憶されている機能購入履歴情報32を参照することにより、当該対象ユーザによって利用可能な機能群を特定する。第1実施形態と同様に、例えば、特定部132は、利用対象の機器のデバイス識別情報と対象ユーザのユーザ識別情報を受けた場合、利用対象の機器が有する機能であって当該対象ユーザによって利用可能な機能を特定する。
また、特定部132は、第2実施形態に係るサーバ80の特定部90と同様に、連携対象の各機器を識別するためのデバイス識別情報を受けた場合、記憶部128に記憶されている連携機能情報86を参照することにより、連携対象の各機器を連携させることによって実行される連携機能を特定する。
さらに、第3実施形態においては、特定部132は、連携対象の機器群を連携させることによって実行される連携機能であって、対象ユーザによって利用可能な連携機能を特定する。例えば、機能購入履歴情報32には、ユーザ毎に、ユーザによって利用可能な連携機能を示す情報、つまり、ユーザによって購入された連携機能を示す情報が含まれている。連携機能の購入処理は、第1実施形態における機能の購入処理と同じである。特定部132は、連携対象の各機器を識別するためのデバイス識別情報を受け、記憶部128に記憶されている連携機能情報86を参照することにより、連携対象の各機器を連携させることによって実行される連携機能を特定する。また、特定部132は、対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、記憶部128に記憶されている機能購入履歴情報32を参照することにより、当該対象ユーザによって購入された連携機能、つまり、当該対象ユーザによって利用可能な連携機能を特定する。特定部132は、上記の処理によって、連携対象の機器群を連携させることによって実行される連携機能であって、対象ユーザによって利用可能な連携機能を特定する。その連携機能を示す連携機能識別情報は、サーバ124から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。これにより、対象ユーザにおいて、どのような連携機能の利用が可能であるのかが分かり易くなる。対象ユーザによって連携機能の実行指示が与えられた場合、第2実施形態と同様に、連携対象の機器群によって当該連携機能が実行される。
端末装置14の制御部52は、連携対象の機器群を連携させることによって実行される各連携機能を示す連携機能識別情報をUI部50の表示部に表示させるとともに、対象ユーザによって利用可能な連携機能を示す連携機能識別情報を、対象ユーザによる利用が不可能な連携機能を示す連携機能識別情報と区別してUI部50の表示部に表示させてもよい。これにより、対象ユーザにおいて、連携対象の機器群によってどのような連携機能が実行可能であるのかが分かり易くなり、また、対象ユーザによってどのような連携機能の利用が可能であるのかが分かり易くなる。
別の例として、特定部132は、機能購入履歴情報32を参照することにより、対象ユーザによって利用可能な複数の機能を特定し、それら複数の機能を連携させることによって実行される連携機能を特定してもよい。例えば、個別機能として、対象ユーザによってスキャン機能とプリント機能の利用が可能な場合、スキャン機能とプリント機能を連携させることによって実行されるコピー機能が、連携機能として、対象ユーザによる利用が可能となる。また、特定部132は、連携機能情報86を参照することにより、連携対象の複数の機器を連携させることによって実行される連携機能群を特定する。上記の処理によって、特定部132は、連携対象の複数の機器を連携させることによって実行される連携機能であって、対象ユーザによって利用可能な連携機能を特定してもよい。
第3実施形態においても、AR技術を適用することにより、機器のデバイス識別情報が取得される。もちろん、AR技術を適用せずに機器のデバイス識別情報が取得されてもよい。連携対象の複数の機器を連携させるときのユーザ操作や処理は、第2実施形態における操作や処理と同じである。また、第1及び第2実施形態と同様に、デバイス機能情報30、機能購入履歴情報32及び連携機能情報86は、端末装置14の記憶部48に記憶され、購入履歴管理部40及び特定部132は、端末装置14の制御部52に設けられ、これらを用いた処理が端末装置14によって実行されてもよい。
第3実施形態によると、ユーザが個々の機器にて当該ユーザによって利用可能な個別的な機能を知りたいときは、AR技術によって利用対象の機器を認識することによって、利用可能な機能を示す情報が端末装置14に表示される。また、ユーザが、連携対象の複数の機器を連携させることによって実行される連携機能であって、当該ユーザによって利用可能な連携機能を知りたいときは、AR技術によって連携対象の複数の機器を認識することにより、利用可能な連携機能を示す情報が端末装置14に表示される。このように、機器の利用態様に応じて、利用可能な機能に関する情報が端末装置14に表示される。
[第4実施形態]
以下、図25を参照して、本発明の第4実施形態に係る情報処理システムとしての画像形成システムについて説明する。図25には、第4実施形態に係るサーバ134が示されている。第4実施形態に係る画像形成システムは、第2実施形態に係るサーバ80の代りにサーバ134を含む。サーバ134以外の構成は、図14に示されている第2実施形態に係る画像形成システムの構成と同じである。
サーバ134は、利用対象の機能に応じた接続すべき機器群、つまり、利用対象の機能を実行するために接続すべき機器群を管理する装置である。利用対象の機能は、例えば、複数の機器(例えば機器76,78)を連携させることによって実行される連携機能であり、サーバ134は、連携機能を連携して実行可能な連携対象の機器群を管理する。もちろん、利用対象の機能は、個々の機器が単独で実行可能な機能であってもよい。また、サーバ134は、他の装置との間でデータを送受信する機能を備えている。
第4実施形態に係る画像形成システムにおいては、端末装置14を利用することにより、利用対象の機能(例えばユーザが利用したい機能)が指定され、その利用対象の機能を実行するために接続すべき機器群を示す情報が、端末装置14に表示される。
以下、サーバ134の構成について詳しく説明する。
通信部136は通信インターフェースであり、通信経路Nを介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部136は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部138はハードディスク等の記憶装置である。記憶部138には、連携機能情報86、デバイス管理情報140、各種のデータ、各種のプログラム、等が記憶されている。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されていてもよいし、1つの記憶装置に記憶されていてもよい。連携機能情報86は、第2実施形態に係る連携機能情報86と同じである。
デバイス管理情報140は、機器に関する情報を管理するための情報であり、例えば、機器毎に、機器のデバイス識別情報と、デバイス位置情報、性能情報及び利用状況情報の中の少なくとも1つの情報と、の対応付けを示す情報である。デバイス位置情報は、機器が設置されている位置を示す情報であり、性能情報は、機器の性能(スペック)を示す情報であり、利用状況情報は、機器の現在の利用状況(ステータス)を示す情報である。例えば、デバイス位置情報と性能情報は予め取得されてデバイス管理情報140に登録される。各機器のデバイス位置情報は、例えば、GPS装置を用いることによって取得される。また、各機器から利用状況情報がサーバ134に送信され、デバイス管理情報140に登録される。例えば、予め設定された時刻に、予め設定された時間間隔毎に、又は、利用状況が変化する度に、利用状況情報が機器からサーバ134に送信される。もちろん、別のタイミングで利用状況情報が取得されてデバイス管理情報140に登録されてもよい。
制御部142は、サーバ134の各部の動作を制御する。制御部142は、例えば、各機器の利用状況を管理し、各機器の利用状況情報を取得する度に、デバイス管理情報140を更新する。また、制御部142は、特定部144を含む。
特定部144は、利用対象の機能に応じた接続すべき機器群を特定する。例えば、特定部144は、利用対象の機能としての連携機能を示す連携機能識別情報を受け、記憶部138に記憶されている連携機能情報86において当該連携機能識別情報に対応付けられている複数のデバイス識別情報を特定する。これにより、利用対象の機能を実行するために接続すべき機器群、つまり、連携機能を連携して実行可能な機器群が特定(認識)される。例えば、端末装置14からサーバ134に連携機能識別情報が送信され、特定部144によって、当該連携機能識別情報に対応付けられている各機器のデバイス識別情報が特定される。当該各機器のデバイス識別情報は、例えば、サーバ134から端末装置14に送信され、当該端末装置14に表示される。これにより、利用対象の機能(例えば連携機能)を実行するために接続すべき機器群、つまり、利用対象の機能を連携して実行可能な機器群を示す情報が、端末装置14に表示される。
また、接続すべき機器群が特定されると、特定部144は、デバイス管理情報140において、接続すべき個々の機器毎に、デバイス識別情報に対応付けられているデバイス位置情報、性能情報及び利用状況情報の中の少なくとも1つを特定する。デバイス位置情報等の情報は、例えば、サーバ134から端末装置14に送信され、当該端末装置14に表示される。
なお、利用対象の機能は、個々の機器が単独で実行可能な機能であってもよい。この場合、特定部144は、利用対象の機能を実行するために接続すべき単体の機器、つまり、利用対象の機能を単独で実行可能な機器を特定する。その機器を示す情報は、サーバ134から端末装置14に送信されて端末装置14に表示される。
デバイス管理情報140は、端末装置14の記憶部48に記憶されていてもよい。この場合、デバイス管理情報140は、サーバ134の記憶部138に記憶されていなくてもよい。また、端末装置14の制御部52は、特定部144を備え、接続すべき機器群を特定してもよい。この場合、サーバ134は特定部144を備えていなくてもよい。
以下、図26を参照して、第4実施形態に係る画像形成システムによる処理について詳しく説明する。
例えば、端末装置14の制御部52は、機能の一覧をUI部50に表示させ、ユーザは、その一覧の中から利用したい機能(利用対象の機能)を選択する。一例として、図26中の符号146で示されているように、利用対象の機能として、「電話での会話内容を印刷する」という機能が選択されたものとする。この機能は、電話機とプリント機能を有する機器(例えばプリンタや複合機)とを連携させることによって実行される連携機能であり、符号148,150で示すように、接続すべき機器群(接続が必要な機器群)は、電話機とプリンタである。もちろん、プリンタの代りに、プリント機能を有する複合機が、接続すべき機器として用いられてもよい。
ユーザによって選択された連携機能を示す連携機能識別情報は、端末装置14からサーバ134に送信される。サーバ134においては、特定部144が、記憶部138に記憶されている連携機能情報86において、当該連携機能識別情報に対応付けられている複数のデバイス識別情報を特定する。これにより、当該連携機能を実行するために接続すべき機器群、つまり、当該連携機能を連携して実行可能な機器群が特定(認識)される。図26に示す例では、符号152,154,156で示すように、電話機A,B及びプリンタAが、「電話での会話内容を印刷」するという機能を実行するために接続すべき機器として認識されている。なお、電話機A,B及びプリンタAは、機器76,78と同様に、画像形成システムに含まれている機器である。
この段階で、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれのデバイス識別情報が、接続すべき機器群に関する情報として、サーバ134から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示されてもよい。これにより、ユーザに、利用対象の機能を実行するために接続すべき機器群を示す情報が提供される。
接続すべき機器群が特定されると、特定部144は、デバイス管理情報140を参照することにより、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれに関する情報を取得してもよい。例えば、特定部144は、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれの性能(スペック)を示す性能情報を取得する。図26に示す例においては、符号158で示す性能は電話機Aの性能であり、符号160で示す性能は電話機Bの性能であり、符号162で示す性能はプリンタAの性能である。電話機A,Bの性能として、対応可能な周波数帯が規定されている。また、電話機Aは海外対応の電話機であり、電話機Bは日本国内のみに対応の電話機である。プリンタAの性能として、解像度が規定されている。また、プリンタAは、カラー印刷対応のプリンタである。電話機A,B及びプリンタAのそれぞれの性能情報は、接続すべき機器群に関する情報として、サーバ134から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。これにより、利用対象の機能に適合した機器を選択する上で、ユーザに有用な情報が提供される。例えば、ユーザがカラー印刷を希望している場合、UI部50に表示された性能情報を参照することにより、その希望に適合する機器(カラー印刷対応のプリンタ)を見つけ易くなる。
また、連携機能を実行するために必要な機器や接続要求をするアプリケーションの例として、端末装置14のUI部50の画面遷移を、図27A〜27Nを参照しつつ説明する。ユーザは、アプリケーションを起動させてアカウントにログインすることで、識別される。もちろん、ログインを省略することも可能であるが、セキュリティ性やユーザ個々に特別な機能を実行させたり管理したい場合、アカウントのログインを要求することで、それが可能となる。図27Aには、実行したい連携機能をユーザに特定させる画面が示されている。図27Aに示されているユーザ入力部は、ユーザがテキスト入力や音声入力をする場所、又は、プルダウンメニューから利用したい連携機能を入力する場所である。ここで入力された連携機能の内容に応じて、以降の連携機能に必要な機器の特定処理が行われる。入力した連携機能で問題がなければ、OKボタンを押すことにより、画面は次の画面に遷移する。図27Bには、ユーザ入力部で入力された連携機能の内容に応じて必要な機器を自動的に特定した結果が示されている。一例として、連携機能が「電話での会話内容を印刷する」機能であるため、必要な機器として、電話機とプリンタが表示されている。
図27C及び図27Eには、特定された必要な機器のうち、ユーザが過去に識別して利用可能な同じ分野の機器や、ユーザが新たに利用可能なネットワークの中から識別して抽出した機器等が示されている。図27Cに示されている画面には、電話機の一覧が表示されており、図27Eに示されている画面には、プリンタの一覧が表示されている。ユーザは、この一覧から利用したい機器名をタッチして指定する。
図27D及び図27Fには、図27C及び図27Eに示された連携機能を実行するために必要な機器の候補の中からユーザによって選択された機器が示されている。図27Dに示すように、電話機Bが選択されており、図27Fに示すように、プリンタBが選択されている。誤って機器を指定してしまった場合、この確認画面で「NO」を選択することにより、選択画面に戻ることができる。「YES」を選択すると、画面は次の機器選択画面に移行する。
図27Gには、連携機能を実行するために必要な機器を全て指定し終えた後に、表示される確認画面が示されている。この確認画面で「NO」を選択すると、画面は各機器の選択画面に戻る。ここで、「YES」を選択すると、画面は、選択された機器に対する接続要求を送るときの画面に遷移する。図27Hには、その画面が示されている。
図27Iに示すように、連携機能が実行できる環境が整うと(例えば、ネットワーク接続や各機器が事前に行っていた実行機能が完了すると)、直ちに連携機能を実行するか否かをユーザに問うメッセージが表示される。ここで「YES」を選択すると、連携機能が直ちに実行され、「NO」を選択すると、接続状態が予め設定された時間保持され、ユーザに直ちに連携機能を実行できるよう待つようにすることもできる。
連携機能の実行が成功した場合と成功できず失敗した場合とで、画面に表示される内容を切り替えられるようにする。連携機能の実行が成功した場合、図27J、図27L及び図27Nに示されている画面の順番で、画面が遷移する。一方、連携機能の実行が失敗した場合、図27K、図27M及び図27Nに示されている画面の順番で、画面が遷移する。図27Nに示されている画面においては、再度、同じ連携機能の実行、別の連携機能の実行、又は、アプリケーションの終了を指示することができる。同じ連携機能を実行する場合、接続設定の処理は省略される。但し、連携機能の実行の失敗理由が連携機能の固有の問題であり、他に選択できる機器がある場合、図27Nに示されている画面で、「同じ連携機能を実行する」を選択した場合であっても、エラー原因となった機器の選択だけ、変更することができるようにしてもよい。「別の連携機能の実行」を選択した場合、画面は、図27Aに示されている画面に遷移する。「アプリケーションの終了」を選択した場合、このアプリケーションが終了させられる。
上記に示したように、連携機能を実行するために必要な機器や接続を要求するアプリケーションを端末装置14にインストールするだけで、ユーザは連携機能を実行するために必要な設定を容易に行うことが可能となる。
また、接続すべき各機器の性能情報を、優先条件に従って表示してもよい。その優先条件は、例えばユーザによって設定される。例えば、高画質印刷がユーザによって指定された場合、特定部144は、カラー印刷対応のプリンタの優先度や、他のプリンタよりも解像度が高いプリンタの優先度を、他のプリンタの優先度よりも高く設定する。端末装置14の制御部52は、その優先度に従い、カラー印刷対応のプリンタや高解像度のプリンタのデバイス識別情報を、他のプリンタのデバイス識別情報よりも優先的にUI部50に表示させる。別の例として、海外への通話がユーザによって指定された場合、特定部144は、海外対応の電話機の優先度を、日本国内のみ対応の電話機の優先度よりも高く設定する。制御部52は、その優先度に従い、海外対応の電話機のデバイス識別情報を、日本国内のみ対応の電話機のデバイス識別情報よりも優先的にUI部50に表示させる。他にも接続したい機器としてプリンタが候補として複数ある場合、よりユーザの位置に近いプリンタを優先的にUI部50に表示してもよい。例えば、制御部52は、優先度の高い機器のデバイス識別情報を他の機器のデバイス識別情報と比較して、UI部50の中心、上部といった目につきやすい位置に配置する。別の例として、ユーザが予め定めた優先度の高い機器を配置する特定の領域に、優先度の高い機器を配置して表示してもよい。更に別の例として、優先度の高い機器のデバイス識別情報に推奨の旨を示す情報を付したり、優先度の高い機器の情報を大きくしたり、文字のフォントや色や表示形式を変えてUI部50に表示させたりしてもよい。これにより、接続すべき機器群のデバイス識別情報がランダムに表示される場合と比べて、利用対象の機能に適合した機器の選択が容易になる。
図28から図31には、機器の優先表示の一例が示されている。例えば、図28に示すように、優先度に応じて、文字列の大きさや色やフォントが変更されて機器を示す文字列が、端末装置14のUI部50に表示される。また、優先度の高い機器(例えば海外対応の電話機A)を示す文字列が、優先度の低い機器(例えば国内対応の電話機B,C)よりも目につきやすい位置(例えば画面の左上の位置)に配置されて表示される。別の例として、図29に示すように、優先度に応じて、機器を示す画像やマークの形状が変更される。図29に示す例では、優先度の高い機器(例えばカラー印刷対応のプリンタC)を示す画像やマークが、優先度の低い機器(例えばモノクロ印刷対応のプリンタD)を示す画像やマークよりも、目立ちやすい形状で表示される。更に別の例として、図30に示すように、優先度の高い機器(例えば海外対応の電話機A)を示す文字列が、優先度の低い機器(例えば国内対応の電話機B,C)と比較して、UI部50の中央に配置されて表示されている。更に別の例として、図31に示すように、優先度の高い機器を配置する特定領域170(優先配置する領域)に、優先度の高い機器(例えばカラー印刷対応のプリンタC)を示す文字列が表示され、その特定領域170以外の領域に、優先度の低い機器(例えばモノクロ印刷対応のプリンタD)を示す文字列が表示される。特定領域170は、ユーザによって指定された領域であってもよいし、予め設定された領域であってもよい。以上のように優先表示を行うことにより、優先度の高い機器を示す文字列が見易くなり、利用対象の機能に適合した機器の選択が容易になる。
また、特定部144は、デバイス管理情報140を参照することにより、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれの現在の状態を特定してもよい。例えば、特定部144は、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれのデバイス位置情報をデバイス管理情報140から取得する。また、特定部144は、ユーザ又は端末装置14の位置を示すユーザ位置情報を取得する。特定部144は、接続すべき個々の機器毎に、機器のデバイス位置情報が示す位置と、ユーザ位置情報が示す位置と、を比較し、機器毎に、ユーザと機器との相対的な位置関係を特定する。図26に示す例においては、符号164で示すように、電話機Aは、ユーザ又は端末装置14から比較的に近い位置に設置されており、符号166,168で示すように、電話機B及びプリンタAは、ユーザ又は端末装置14から比較的に遠い位置に設置されている。その相対的な位置関係を示す情報は、接続すべき機器群に関する情報として、サーバ134から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。これにより、利用対象の機器を選択する上で、移動距離等に関して、ユーザに有用な情報が提供される。
なお、ユーザ位置情報は、端末装置14によって取得されたサーバ134に送信されてもよいし、別の手法によって取得されてもよい。例えば、ユーザ位置情報は、GPS機能を用いることにより取得され、サーバ134に送信される。別の例として、ユーザ位置情報は、端末装置14に予め登録されている位置情報であってもよいし、機器に予め登録されている当該機器のデバイス位置情報であってもよい。例えば、ユーザが当該機器の位置又はその近傍で画像形成システムを利用する場合、当該機器の位置がユーザの位置であるとみなせるため、当該機器のデバイス位置情報を当該ユーザの位置情報として用いてもよい。この場合、特定部144は、当該機器からデバイス識別情報をユーザ識別情報として取得する。なお、デバイス位置情報も、機器に予め登録されていてもよい。
また、特定部144は、デバイス管理情報140を参照することにより、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれの現在の利用状況を特定してもよい。例えば、特定部144は、電話機A,B及びプリンタAのそれぞれの利用状況情報を取得する。図26に示す例においては、符号164,168で示すように、電話機A及びプリンタAは、直ぐに利用可能であり、電話機Bは、現在利用不可能である。例えば、他のユーザによって利用されていない場合や故障が発生していない場合、機器は利用可能である。一方、他のユーザによって利用されている場合や故障が発生している場合、機器は利用不可能である。現在の利用状況を示す利用状況情報は、接続すべき機器群に関する情報として、サーバ134から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。これにより、利用対象の機器を選択する上で、利用のタイミング等に関して、ユーザに有用な情報が提供される。
接続すべき機器を優先的に利用するための予約処理が行われてもよい。例えば、ユーザが端末装置14を利用して利用対象の機能を指定すると、端末装置14の制御部52は、利用対象の機能を実行するために接続すべき機器を優先的に利用するための予約情報をサーバ134に送信する。サーバ134においては、制御部142が、予約対象の機器、つまり、接続すべき機器の予約を設定する。一例として、接続すべき機器群の中に、現在、他のユーザによって利用されているために利用不可能な機器が存在する場合、次に利用するための予約処理が行われてもよい。例えば、ユーザが端末装置14を利用して、利用不可能な機器(例えば電話機B)を指定して予約を指示した場合、端末装置14の制御部52は、指定された機器のデバイス識別情報と、当該機器を次に利用するための予約を示す予約情報を、サーバ134に送信する。サーバ134においては、制御部142が、予約対象の機器(例えば電話機B)の予約を設定する。これにより、他のユーザの利用の次に、予約対象の機器の利用が可能となる。例えば、制御部142は、利用可能になったときに予約対象の機器を利用するための予約番号等を発行し、その予約番号を、デバイス管理情報140において、予約対象の機器のデバイス識別情報に対応付ける。予約状態においては、その予約番号を用いることにより機器の利用が許可され、予約番号を用いない場合には機器の利用が許可されない。また、予約番号を示す情報は、サーバ134から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。予約対象の機器の利用が可能になった場合、ユーザは、予約番号を用いて予約対象の機器を利用する。例えば、予約番号を予約対象の機器に入力したり、端末装置14を利用してサーバ134に送信したりすることによって、予約対象の利用が許可される。なお、予約開始時点から予め設定された時間が経過すると、予約状態は解除され、予約を行っていないユーザであっても利用が許可されてもよい。また、既に予約されている機器を割り込んで利用したい場合、第2実施形態に係る変形例と同様に、割り込み通知の処理が実行されてもよい。
また、複数のユーザが同一の機器を利用したいと要求している場合、第2実施形態に係る変形例と同様に、実行優先順位に従って接続が許可されてもよいし、その優先順位が、端末装置14のUI部50に表示されてもよい。
機器を利用する場合、例えば図21を参照して説明したように、端末装置14から利用対象の機器に対して接続要求を示す情報が送信され、端末装置14と機器との間で通信が確立される。例えば、電話機A及びプリンタAが連携対象の機器として利用される場合、端末装置14から電話機A及びプリンタAに対して接続要求を示す情報が送信され、これにより、端末装置14、電話機A及びプリンタAの間で通信が確立され、電話機Aでの会話内容を示す情報がプリンタAによって印刷される。
以上のように、第4実施形態によると、利用対象の機能に応じた接続すべき機器群を示す情報が端末装置14に表示される。これにより、利用対象の機能を実行可能な機器群が分かるような情報がユーザに提供される。また、利用対象の機能は、ユーザ毎に利用可能な機器や機器に搭載されている機能のうち利用できる機能によって異なるので、ユーザ毎に端末装置14に表示される連携機能の検索に制限を掛けたり、実行できる連携機能を制限してもよい。そうすることで、例えば特定の連携機能(特定の機器の特定の機能を利用する連携機能)を実行しなければ暗号を解読して復号できないような電子文書等があった場合に、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
なお、端末装置14の制御部52は、当該端末装置14が既に接続している機器に関する情報を除いて、端末装置14が新規に接続すべき機器に関する情報をUI部50に表示させてもよい。例えば、電話機A及びプリンタAが連携対象の機器として利用される場合であって、端末装置14と電話機Aとの間で既に通信が確立されており、端末装置14とプリンタAとの間で通信が確立されていない場合、制御部52は、電話機Aのデバイス識別情報とデバイス管理情報をUI部50に表示させずに、プリンタAのデバイス識別情報をUI部50に表示させる。また、制御部52は、プリンタAに関するデバイス管理情報をUI部50に表示させてもよい。接続が完了して接続作業を行う必要のない機器に関する情報は表示されずに、接続が完了しておらず接続作業の必要な機器に関する情報が表示されるので、接続が完了している機器に関する情報をも表示する場合と比べて、利用対象の各機器が接続作業の必要な機器であるか否かの判断が容易になる。
また、端末装置14の制御部52は、接続すべき機器に応じた接続手段を示す情報をUI部50に表示させてもよい。その接続手段は、上述したマーカ型AR技術、マーカレス型AR技術、位置情報AR技術、ネットワーク接続、等である。例えば、デバイス管理情報140においては、個々の機器毎に、デバイス識別情報と、機器に適した接続手段を示す接続手段情報と、が対応付けられている。デバイス識別情報がコード化された2次元バーコード等のマークが設けられている機器は、マーカ型AR技術に適した機器であり、その機器のデバイス識別情報には、接続手段情報として、マーカ型AR技術を示す情報が対応付けられている。また、機器の外観画像データが生成されて上述した外観画像対応付け情報に含まれている場合、その機器はマーカレス型AR技術に適した機器であり、その機器のデバイス識別情報には、接続手段情報として、マーカレス型AR技術を示す情報が対応付けられている。また、機器の位置情報が取得されて上述した位置対応付け情報に含まれている場合、その機器は位置情報AR技術に適した機器であり、その機器のデバイス識別情報には、接続手段情報として、位置情報AR技術を示す情報が対応付けられている。接続すべき機器群が特定されると、サーバ134の特定部144は、デバイス管理情報140を参照して、接続すべき機器毎に接続手段を特定する。その接続手段を示す情報は、サーバ134から端末装置14に送信され、端末装置14のUI部50に表示される。例えば、接続すべき機器毎に、接続手段を示す情報が表示される。具体例を挙げて説明すると、接続すべき機器としての電話機Aがマーカ型AR技術に適した機器である場合、端末装置14のUI部50には、電話機Aの接続手段として、マーカ型AR技術を示す情報が表示される。なお、いずれの接続手段を用いても、接続を要求したユーザには接続が許可されないことが予め定められている場合、その機器を表示しないようにしてもよい。これにより、接続すべき機器にどのような手法によって接続できるのかが分かるので、便利である。
なお、第1実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。例えば、端末装置14のUI部50には、ユーザによって購入された機能群、つまり、ユーザによって利用可能な機能群が表示され、その機能群の中から特定の機能がユーザによって選択されると、その機能を実行するために接続すべき機器又は機器群を示す情報が、UI部50に表示される。連携機能が選択された場合、その連携機能を連携して実行可能な連携対象の機器群を示す情報が表示され、機器単体で実行可能な機能が選択された場合、その機能を実行可能な機器を示す情報が表示される。
上記の画像形成装置10、サーバ12,80,124,134、端末装置14及び機器76,78のそれぞれは、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置10、サーバ12,80,124,134、端末装置14及び機器76,78のそれぞれは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置10、サーバ12,80,124,134、端末装置14及び機器76,78の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。または、画像形成装置10、サーバ12,80,124,134、端末装置14及び機器76,78のそれぞれの各部は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。別の例として、画像形成装置10、サーバ12,80,124,134、端末装置14及び機器76,78のそれぞれの各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。