JP2017201220A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝熱管と接続管とのろう付け箇所から側板の表面までの距離を確保しつつ、伝熱管の側板より突出した部分の耐圧性を向上させる。【解決手段】熱交換器は、フィンの側板より突出した伝熱管と接続管との管接続構造であって、前記側板より突出した前記伝熱管は、前記側板内の前記伝熱管と同径の同径部と、前記接続管の接続部が挿入されてろう付けされ、前記同径部より大径の拡径部と、前記同径部から前記拡径部までを連絡するテーパ状の連絡部とを有する。同径部の長さをB、連絡部の長さをCとしたとき、同径部の外径が7.2mm以上かつ7.4mm以下で、拡径部の外径が7.8mm以上かつ7.9mm以下で、B+C≧5mm、C≧1.15×B、の各条件を満足する。【選択図】図3
Description
本発明は、空気調和機などに用いられる熱交換器に関する。
従来、互いに間隔を空けて積層された複数のフィンと、これらの各フィンに積層方向に設けられた貫通孔に挿通された複数の伝熱管(例えば、ヘアピン管)とを備えたフィンチューブ型熱交換器が知られている。フィンの積層方向の片側には、フィンの貫通孔の位置に対応した貫通孔を有する側板が設けられ、各伝熱管の端部は側板の貫通孔から突出している。熱交換器は、伝熱管の端部同士を接続するU字管等の接続管をさらに有する。伝熱管と接続管との接続箇所では、伝熱管の端部の内径が、接続管の端部の外径よりわずかに大きく形成されて拡径部となっており、その拡径部に接続管の端部が挿入されている。そして、伝熱管の拡径部の開口端がろう材によって接続管の外周面に接合されている。
伝熱管の内部を流れる冷媒は高圧となるが、この伝熱管のうちフィンの貫通孔に挿通されている部分は外側からフィンに押さえられており、側板から外部に突出している部分では拡径部の内周面が接続管の端部の外周面と重なっていることで径方向の変形が抑えられ、高圧に耐え得るようになっている。しかし、伝熱管の、側板に接触している部分と拡径部の間の伝熱管を押さえる部材がない部分は、相対的に伝熱管内部の圧力に対する耐圧性が弱い。
そこで、側板の伝熱管が挿入される貫通孔の周縁に、伝熱管の端部の突出方向へ向けて立ち上がるバーリング部を設け、伝熱管の側板に接触している部分と拡径部の間の部分を外側からバーリング部で押さえて補強するという手段が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたように側板にバーリング部を設けることで、以下の問題が生じる可能性がある。側板の表面には、温度が低くなり結露が発生した場合に錆びが発生しないように、錆止めの表面処理が施されていることが多い。この側板が立ち上がるように加工されたバーリング部によって伝熱管の側板に接触している部分と拡径部の間の部分の外周面を覆った場合、伝熱管と接続管とのろう付け箇所から亜鉛メッキや塗装による表面処理が施された側板の表面までの距離が短くなる。そのため、伝熱管と接続管とのろう付け時に、ろう付け箇所からの熱がバーリング部に伝わることにより、又はバーリング部の先端が直接炙られてしまうことにより、バーリング部やその周辺の側板の表面処理による防錆力が劣化してしまったり、剥がれてしまったりするおそれがある。
したがって、伝熱管と接続管とのろう付け箇所から、バーリング部も含めた側板の表面までの距離をある程度確保することが必要である。すなわち、伝熱管と接続管とのろう付け箇所と側板との間に、伝熱管のうち周囲に伝熱管を押さえるバーリング部がない部分の管の延伸方向長さをある程度の長さとしつつ、その部分の伝熱管の耐圧性を向上させる必要がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、伝熱管と接続管とのろう付け箇所から側板の表面までの距離を確保しつつ、伝熱管の側板より突出した部分の耐圧性を向上させた熱交換器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る熱交換器は、互いに等間隔で平行に配置された複数のフィンと、前記フィンの端部に前記フィンと並行に設けられた側板と、前記フィン及び前記側板に直交して配置された伝熱管と、前記伝熱管同士を接続する接続管を有する熱交換器であって、前記側板より突出した前記伝熱管は、前記側板と周囲が接触している箇所と外径が同径の同径部と、前記接続管の接続部の外径より大径の拡径部と、前記同径部から前記拡径部までを連絡するテーパ状の連絡部とを有し、前記同径部の長さをB、前記連絡部の長さをCとしたとき、
前記同径部の外径が7.2mm以上かつ7.4mm以下で、
前記拡径部の外径が7.8mm以上かつ7.9mm以下で、
C≧1.15×Bの各条件を満足し、
B+Cの下限値を5mm
とするように構成される。
前記同径部の外径が7.2mm以上かつ7.4mm以下で、
前記拡径部の外径が7.8mm以上かつ7.9mm以下で、
C≧1.15×Bの各条件を満足し、
B+Cの下限値を5mm
とするように構成される。
本発明では、側板から拡径部までの間にある同径部及び連絡部の合計の長さが5mm以上であるため、拡径部と接続管とをろう付けする際に、ろう付け箇所から側板の表面までの距離を確保することができる。これにより、伝熱管と接続管とのろう付け時に、ろう付け箇所からの熱がバーリング部に伝わることにより、又はバーリング部の先端が直接炙られてしまい、ろう付け時に側板の表面処理を劣化させてしまうことを防ぐことができる。そして、同径部の長さ(B)に対してテーパ状の連絡部の長さ(C)をC≧1.15×Bの関係が成り立つようにすることにより、連絡部の管内径の大きさの変化を緩やかにして、管内部を流れる冷媒から同径部及び連絡部が受ける応力を分散させることができる。これにより、伝熱管の側板より突出した部分の耐圧性を向上させることができる。
あるいは、本発明の一形態に係る熱交換器は、互いに等間隔で平行に配置された複数のフィンと、前記フィンの端部に前記フィンと並行に設けられた側板と、前記フィン及び前記側板に直交して配置された伝熱管と、前記伝熱管同士を接続する接続管を有する熱交換器であって、前記側板より突出した前記伝熱管は、前記側板と周囲が接触している箇所と外径が同径の同径部と、前記接続管の接続部の外径より大径の拡径部と、前記同径部から前記拡径部までを連絡するテーパ状の連絡部とを有し、前記同径部の長さをB、前記連絡部の長さをCとしたとき、前記連絡部の前記同径部に対する傾斜角度が6°以下とし、B+Cの下限値を5mmとするようにしてもよい。
上記同様、同径部及び連絡部の合計の長さを5mm以上とすることにより、ろう付け箇所から側板の表面までの距離を確保することができる。また、テーパ状の連絡部の傾斜角度を6°以下にすることにより、管内径の大きさの変化を緩やかにして、管内部を流れる冷媒から同径部及び連絡部が受ける応力を分散させることができる。これにより、伝熱管の側板より突出した部分の耐圧性を向上させることができる。
前記側板は、前記伝熱管を挿通させる孔を有し、前記伝熱管の前記同径部は、前記側板の前記孔に面した端面から突出していてもよい。
本発明によると、伝熱管の側板より突出した部分に十分な耐圧性を持たせることができるので、側板に伝熱管の耐圧性向上のためのバーリング部を設けなくてもよいという利点がある。そのため、耐圧性の要求を満たしながら、バーリング部の形成のための工程を削減し、加工コストや工数を削減することができる。また、側板の端面にバーリング部を持たせた場合には、ろう付け箇所から側板の表面までの距離がバーリング部の高さの分だけ短くなってしまうので、その分ろう付け箇所を離すように伝熱管の側板から突出した部分を延ばす必要が生じる。これに対して、上記の構成では、側板の端面をバーリング部のない平坦な端面とすることができるので、伝熱管の側板から突出した部分の長さを延ばすことなく、ろう付け箇所から側板までの距離を確保することができる。
本発明によれば、伝熱管と接続管とのろう付け箇所から側板までの距離を確保しつつ、伝熱管の側板より突出した部分の耐圧性を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
<第1の実施形態>
本実施形態は、本発明に係る管接続構造を、空気調和機の室外機に用いられる熱交換器に適用したものである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る管接続構造を適用した熱交換器1を示す斜視図である。
熱交換器1は、例えば、L字型に形成され図示しない室外機の筐体内に設置され、その筐体の背面から側面に沿って設けられる。熱交換器1は、互いに等間隔で平行に配置された複数のフィン20と、これらのフィン20の積層方向の端部にフィン20と並行に設けられた側板30と、これらのフィン20及び側板30に直交して配置された伝熱管40と、伝熱管40に接続された接続管50とを備える。
熱交換器1は、例えば、L字型に形成され図示しない室外機の筐体内に設置され、その筐体の背面から側面に沿って設けられる。熱交換器1は、互いに等間隔で平行に配置された複数のフィン20と、これらのフィン20の積層方向の端部にフィン20と並行に設けられた側板30と、これらのフィン20及び側板30に直交して配置された伝熱管40と、伝熱管40に接続された接続管50とを備える。
熱交換器1の使用時には、伝熱管40及び接続管50の内部を冷媒が流通し、伝熱管40及びフィン20を介して冷媒と空気との間で熱交換が行われる。
フィン20はアルミフィンであり、フィン20の積層方向の端部の側板30は、フィン20よりも強度の高い金属板であって、例えば鋼板である。側板30の表面には、熱交換により温度が低くなった際に結露が発生する可能性があるので、結露による錆びの発生を防ぐため錆止めの表面処理が施されている。
熱交換器1の伝熱管40は、ヘアピン状に曲げ加工されたヘアピン管である。各伝熱管40は、同じ方向に向けられた2つの開口端を、フィン20の積層方向の一端側の側板30の後述する貫通孔31に面する端面部30aから突出させるようにして設けられる。
これらの伝熱管40の開口端は、それぞれ対応する接続管50の端部と接続されている。接続管50には、例えば、異なる伝熱管40同士を接続するU字管51や、熱交換器1に冷媒を供給する冷媒配管と伝熱管40とを接続する接続配管52等がある。
本実施形態は、この熱交換器1における側板30より突出した伝熱管40と接続管50との管接続構造に係るものであり、以下、詳しく説明する。図2は、この管接続構造を示す断面図である。図3は、図2の要部を拡大した断面図である。
図2及び図3に示すように、側板30は、平坦な端面30aを有する鋼板等の金属板にフィン20の貫通孔21の位置に対応した貫通孔31が打ち抜かれている。伝熱管40は、フィン20の貫通孔21及び側板30の貫通孔31に挿通された直管部40aを有する。直管部40aのフィン20及び側板30に対応する部位は一次拡管され、直管部40aの外周面がフィン20の貫通孔21及び側板30の貫通孔31に圧接されている。
伝熱管40の側板30より突出した部分は、直管部40aの貫通孔31に圧接された部分と外径が同径で直管部40aより連続した同径部41と、同径部41より外径が大径で伝熱管40の開口端側に設けられた拡径部42と、同径部41から拡径部42までを連絡するテーパ状の連絡部43とを有する。
伝熱管40は、側板30の貫通孔31に挿通された直管部40aから同径部41にかけて、U字管51(接続管50)の接続部53の外径よりも小さい内径dを有し、それに肉厚分を足した外径Dを有する。これに対して、伝熱管40の拡径部42は、U字管51(接続管50)の接続部53を挿入して接続するため、U字管51の接続部53の外径よりもわずかに大きな内径eに拡管された部分であり、内径eに肉厚分を足した外径Eを有する。なお、伝熱管40は内面溝付伝熱管であって、内径dおよび内径eは内面溝の谷部分(伝熱管40の肉厚が薄くなる部分)における内径を指す。拡径部42は、連絡部43側の端部から開口端部42aの手前まで均一に、その拡管後の外形Eで形成されている。なお、拡径部42の開口端部42aは、さらにテーパ状に径を広げた形状を有する。以下の説明において「拡径部の外径」とは、外径Eをいうものとする。
図3の拡大図に示すように、U字管51の接続部53は、伝熱管40の拡径部42の開口端部42aから挿入され、その外周面が拡径部42の内周面にろう付けされている。ろう付けは、例えば拡径部42の開口端部42aと接続部53の外周面との間にろう材を挿入し、この開口端部42a付近を加熱することで、ろう材を溶融させて拡径部42の内周面に行き渡らせることにより行われる。これにより伝熱管40とU字管51とが接合され、ろう付け接合部61が形成される。
ここで、本実施形態では、拡径部42とU字管51の接続部53とを接合する際に、側板30の表面の表面処理を熱により劣化させてしまうことがないように、これらのろう付け箇所から側板30の表面までの距離を確保するようにしている。そのため本実施形態では、伝熱管40のうち側板30の表面と拡径部42との間の距離、すなわち同径部41の長さBと連絡部43の長さCとの合計の長さ(B+C)を後述のように特定される所定の長さ以上とする。
一方で、熱交換器1の使用中に伝熱管40の内部は高圧となるので、伝熱管40の側板30より突出した部分のうち、周囲に伝熱管40を押さえる部材がなく耐圧性が弱くなる部分の、内部の圧力に対する耐圧性を向上させる必要がある。
このため、本実施形態では、周囲に伝熱管40を押さえる部材がない部分である、同径部41から連絡部43にかけての範囲の、伝熱管40の内部を流れる冷媒の圧力に対する耐圧性を向上させるように同径部41及び連絡部43の形状を設定する。
具体的には、同径部41の外径Dが7.2mm以上かつ7.4mm以下で、拡径部42の外径Eが7.8mm以上かつ7.9mm以下である場合に、同径部41の長さBと連絡部43の長さCとを、
C≧1.15×Bの条件を満足した上で、B+C≧5mmとなるように設定する。
C≧1.15×Bの条件を満足した上で、B+C≧5mmとなるように設定する。
この同径部41の外径Dが7.2mm以上かつ7.4mm、拡径部42の外径Eが7.8mm以上かつ7.9mm以下というのは、伝熱管40として一般的な外径φ7mmのヘアピン管を使用した場合の値である。
このように、連絡部43の長さCの割合をある程度長くすることで、小径の外径Dの部位から大径の外径Eの部位への内径の変化が緩やかになるため、伝熱管40の内部を流れる冷媒から同径部41及び連絡部43が受ける応力を分散させることができ、耐圧性を向上させることができる。
上記の条件を満たすように長さB及び長さCを設定した場合、例えば伝熱管40の肉厚を0.21〜0.23mm程度とした場合でも、伝熱管40のうちの側板30より突出した部分が、周囲に伝熱管40を押さえる部材がないにもかかわらず、15.5MPaを超える圧力に耐えることができるという結果が得られている。この圧力の値は、熱交換器の設計圧力(空気調和機の運転時における冷媒の最大圧力)を大きく上回る値である。
したがって、同径部41の長さB及び連絡部43の長さCを上記の条件を満たす範囲に設定することにより、熱交換器1において、伝熱管40とU字管51の接続部53とのろう付け箇所から側板30の表面までの距離を十分に確保してろう付け作業時に側板30を炙ってしまうことを防止しつつ、伝熱管40の側板30より突出した部分の耐圧性を十分に向上させることができる。また、ろう付け箇所と側板30の距離が長いため、ろう付け箇所の熱が側板30に伝わる影響で側板30の表面処理が劣化することが無い。
また、本実施形態では、伝熱管40の側板30より突出した部分を押さえる部材がなくても十分な耐圧性が得られるため、例えば側板30に特許文献1に記載されたバーリング部等の構成を設ける必要がない。そのため、耐圧性の要求を満たしながら、バーリング部の形成のための工程を削減し、加工コストや工数を削減することができる。
本実施形態のように側板30にバーリング部を設けない構造とすると、以下の利点もある。例えば、仮に特許文献1に記載されたように側板30の端面から突出するバーリング部が設けられていたとすると、伝熱管40と接続部53とのろう付け箇所から側板30の端面までの距離よりも、ろう付け箇所から側板30のバーリング部までの距離が近くなるので、バーリング部を炙ってしまう。
本実施形態の熱交換器1では、側板30の端面30aが平坦な面であり、その表面にバーリング部のような凸部分が形成されていないので、上記のろう付け箇所から側板30の端面30aまでの距離が、ろう付け箇所から側板30の表面までの距離となる。したがって、側板30にバーリング部を設けないことにより、側板30の端面30aからの伝熱管40突出した部分の長さAを必要以上に長くすることなく、側板30を炙ってしまうことを防止でき、且つ、側板30がろう付け箇所の熱が伝わる影響で側板30の表面処理が劣化することを防止できる距離を確保することが可能である。
以上、本実施形態によると、バーリング部を設けることなく、ろう付け箇所と側板30の表面との直線距離を確保しつつ、伝熱管40の耐圧性を向上させることができる。
なお、図2及び図3では伝熱管40とU字管51の接続部53との接続構造の断面を示して説明したが、U字管51以外の接続管の接続部、例えば接続配管52の接続部54等も、同様の接続構造により伝熱管40と接続されてもよい。その場合にも、上記同様の効果が得られる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態における伝熱管40の同径部41及び連絡部43を、以下の条件を満たすように構成してもよい。本実施形態では、同径部41の長さB及び連絡部43の長さCについては、上記第1の実施形態と同様にろう付け箇所から側板30の表面までの距離を確保するためB+C≧5mmとする。一方、本実施形態は、連絡部43のテーパ角度θを6°以下と規定することを特徴とする。連絡部43のテーパ角度θを6°以下とすることにより、その小径側から大径側までの内径の変化を緩やかにすることができ、また同径部41と連絡部43との境界部分も、急激な形状の変化がないようにできる。したがって、伝熱管40の内部を流れる冷媒からの応力を分散させることができ、耐圧性を向上させることができる。
本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態における伝熱管40の同径部41及び連絡部43を、以下の条件を満たすように構成してもよい。本実施形態では、同径部41の長さB及び連絡部43の長さCについては、上記第1の実施形態と同様にろう付け箇所から側板30の表面までの距離を確保するためB+C≧5mmとする。一方、本実施形態は、連絡部43のテーパ角度θを6°以下と規定することを特徴とする。連絡部43のテーパ角度θを6°以下とすることにより、その小径側から大径側までの内径の変化を緩やかにすることができ、また同径部41と連絡部43との境界部分も、急激な形状の変化がないようにできる。したがって、伝熱管40の内部を流れる冷媒からの応力を分散させることができ、耐圧性を向上させることができる。
このように第2の実施形態では、同径部41と拡径部42との間の連絡部43の同径部41に対する傾斜角度の範囲内となる伝熱管40の形状であれば、上記第1の実施形態と同様の作用効果が得られるものとなる。このため同径部41及び拡径部42の径の大きさが、上記第1の実施形態のような範囲でなくともよいと考えられる。
<変形例>
図4は、本発明の変形例について説明するための断面図である。上記実施形態は、側板30にバーリング部が設けられてない構造としたが、本発明は、側板30にバーリング部を設けた構造にも適用可能である。図4に示す変形例では、伝熱管40の直管部40aの外周面がバーリング部32の内周面に圧接されている。同径部41は、側板30のバーリング部32内の直管部40aと同径で、側板30のバーリング部32の端部32aより突出した部分である。
図4は、本発明の変形例について説明するための断面図である。上記実施形態は、側板30にバーリング部が設けられてない構造としたが、本発明は、側板30にバーリング部を設けた構造にも適用可能である。図4に示す変形例では、伝熱管40の直管部40aの外周面がバーリング部32の内周面に圧接されている。同径部41は、側板30のバーリング部32内の直管部40aと同径で、側板30のバーリング部32の端部32aより突出した部分である。
図4に示す同径部41の長さB及び連絡部43の長さCに、上記実施形態と同様の条件を適用することで、側板30のバーリング部32の端部32aより突出した伝熱管40のうち、周囲に伝熱管40を押さえる部材がない部分を短くしなくても、内部を流れる冷媒の圧力に対する耐圧性を向上させることができる。したがって、バーリング部32の端部32aからろう付け箇所までの距離の分、側板30の端面30aからの伝熱管40の突出した部分の長さA'を長くすることになるものの、伝熱管40の耐圧性を向上させるという点では本発明の効果が得られる。
以上、室外機の熱交換器について本発明を適用した実施形態及び変形例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、室内機の熱交換器に本発明は適用可能である。その他、空気調和機以外の機器であって、伝熱管とその他の管の接合部のろう付けや溶接等の接合に際し、熱処理に弱い部材が近接している熱交換器であれば本発明は適用可能である。
[実施例]
以下、本発明に係る実施例を説明する。
以下、本発明に係る実施例を説明する。
本実施例では、上記図3に示した伝熱管40について各条件を変更して応力分布解析のシミュレーションを行った。以下の耐圧強度解析では、荷重条件は内面に内圧16MPaを与え、拘束条件は伝熱管40の側板30側の端部及び接続管50側の端部を完全固定とした。各条件、及び解析結果として得られた伝熱管40の応力分布における最大応力の値は、以下の表に示すとおりである。なお表中の応力の値の単位はMPaである。また、最大応力値が小さいほど、応力集中が緩和されるので、より高圧の冷媒を流すことが可能と考えられる。
表1は、伝熱管40の肉厚を0.22mm〜0.24mmの範囲として、同径部41の長さB及び連絡部43の長さCを変化させ、B+CやC/Bの変化に対しての最大応力の変化を示している。
表2は、同径部41及び拡径部42の外径寸法D及びEの組み合わせごとに、連絡部43の長さCを変化させて、それに対するB+C、C/B、連絡部43のテーパ角度θ、及び最大応力の変化を示している。
表2は、同径部41及び拡径部42の外径寸法D及びEの組み合わせごとに、連絡部43のテーパ角度θを変化させて、それに対する連絡部43の長さC、B+C、C/B、及び最大応力の変化を示している。
以上の結果から、少なくともB+Cの大きさが4.5mm以上である場合には、Bの長さに対してCの長さを大きくすること、及び、連絡部43のテーパ角度θをなだらかにすることで、伝熱管41に内側から加わる応力を低減し、耐圧性を高めることができるといえる。また、既存の熱交換器においては、同様のシミュレーションを行った場合に最大応力が277MPaである仕様のものが存在する。そのため、上記の表1〜表3に示した条件のうち、応力値が277MPa以下となるものであれば、十分な耐圧性を確保することができるといえる。
1…熱交換器
20…フィン
30…側板
30a…端面
31…貫通孔
40…伝熱管
40a…直管部
41…同径部
42…拡径部
43…連絡部
50…接続管
51…U字管(接続管)
53…接続部
61…ろう付け接合部
D…同径部の外径
E…拡径部の外径
20…フィン
30…側板
30a…端面
31…貫通孔
40…伝熱管
40a…直管部
41…同径部
42…拡径部
43…連絡部
50…接続管
51…U字管(接続管)
53…接続部
61…ろう付け接合部
D…同径部の外径
E…拡径部の外径
Claims (3)
- 互いに等間隔で平行に配置された複数のフィンと、
前記フィンの端部に前記フィンと並行に設けられた側板と、
前記フィン及び前記側板に直交して配置された伝熱管と、
前記伝熱管同士を接続する接続管を有する熱交換器であって、
前記側板より突出した前記伝熱管は、
前記側板と周囲が接触している箇所と外径が同径の同径部と、
前記接続管の接続部の外径より大径の拡径部と、
前記同径部から前記拡径部までを連絡するテーパ状の連絡部とを有し、
前記同径部の長さをB、
前記連絡部の長さをCとしたとき、
前記同径部の外径が7.2mm以上かつ7.4mm以下で、
前記拡径部の外径が7.8mm以上かつ7.9mm以下で、
C≧1.15×Bの各条件を満足し、
B+Cの下限値を5mm
とする熱交換器。 - 互いに等間隔で平行に配置された複数のフィンと、
前記フィンの端部に前記フィンと並行に設けられた側板と、
前記フィン及び前記側板に直交して配置された伝熱管と、
前記伝熱管同士を接続する接続管を有する熱交換器であって、
前記側板より突出した前記伝熱管は、
前記側板と周囲が接触している箇所と外径が同径の同径部と、
前記接続管の接続部の外径より大径の拡径部と、
前記同径部から前記拡径部までを連絡するテーパ状の連絡部とを有し、
前記同径部の長さをB、
前記連絡部の長さをCとしたとき、
前記連絡部の前記同径部に対する傾斜角度が6°以下とし、
B+Cの下限値を5mm
とする熱交換器。 - 請求項1又は2に記載の熱交換器であって、
前記側板は、前記伝熱管を挿通させる孔を有し、前記伝熱管の前記同径部は、前記側板の前記孔に面した端面から突出している
熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016092648A JP2017201220A (ja) | 2016-05-02 | 2016-05-02 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2016
- 2016-05-02 JP JP2016092648A patent/JP2017201220A/ja active Pending
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CN117916547A (zh) * | 2021-09-30 | 2024-04-19 | 大金工业株式会社 | 热交换器及空调装置 |
US12104862B2 (en) | 2021-09-30 | 2024-10-01 | Daikin Industries, Ltd. | Heat exchanger and air-conditioning apparatus |
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