以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。例えば、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の構成要素を含むことができる。以下、図中において、同一の符号を付した部分は特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を示す。
〔A〕第1実施形態
〔A−1〕システム構成例
図1は、光通信システム100aにおける伝送性能推定の一例を示す図である。
図1に示される光通信システム100aにおいては、図5を用いて後述する第1実施形態の光通信システム100と同様に、各ノード3aがメッシュ状に接続されてよい。すなわち、図1においては、メッシュ状に接続された複数のノード3aによって構成される複数の経路のうちの1つの経路が示されている。
光通信システム100aは、図1に示すように、ノード#1〜#Nとして示される複数(図示される例ではN個)のノード3aを備える。
また、図1においては、説明のために、各ノード3aに備えられる送受信器4a(「Tx/Rx#1〜#N」として示される。)を、各ノード3aとは独立して示している。図1に示される例において、ノード#1〜#Nには、Tx/Rx#1〜#Nがそれぞれ備えられてよい。
各ノード3aは、光ファイバ伝送路によって互いに通信可能に接続されてよい。ノード3a間の伝送区間は、「スパン」と称されてよい。図1に示される例において、ノード#1とノード#2との間の伝送区間をスパン#1と称し、ノード#2とノード#3との間の伝送区間をスパン#2と称し、ノード#3とノード#4との間の伝送区間をスパン#3と称する。また、ノード#N−1(図1には不図示)とノード#Nとの間の伝送区間をスパン#N−1と称する。
図1に示される光通信システム100aにおいては、例示的に、隣り合うノード3a間(別言すれば、「1スパン」)における伝送品質量Fがそれぞれ測定される。
例えば、ノード#1のTx/Rx#1からノード#2のTx/Rx#2へ信号光が伝送されることによって、スパン#1の伝送品質量F1が測定されてよい(符号A1参照)。また、ノード#2のTx/Rx#2からノード#3のTx/Rx#3へ信号光が伝送されることによって、スパン#2の伝送品質量F2が測定されてよい(符号A2参照)。更に、ノード#3のTx/Rx#3からノード#4のTx/Rx#4へ信号光が伝送されることによって、スパン#3の伝送品質量F3が測定されてよい(符号A3参照)。
伝送品質量Fは、一例として、OSNR(Optical Signal-to-Noise Ratio)であってもよい。以下の説明では、伝送品質量FがOSNRであるものとする。なお、後述するように、伝送品質量FはOSNR以外の指標で示されてもよい。
伝送品質量Fは、各ノード3a間における信号光の伝送方式がDP−QPSKである場合には、以下の式(1)に基づき、各スパンにおいて測定されたBER(Bit Error Rate)から変換されてよい。なお、DP−QPSKは、Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keyingの略称である。
ここで、Bnは雑音帯域幅であり、Rsは信号ボーレートである。
BERから変換された伝送品質量F(この場合、OSNR)はSNR(信号対雑音比)に準じているため、以下の式(2)に基づき、或る区間(例えば、ノード#1からノード#4までの区間)における伝送品質量F(例えば、F
1−>4)が算出されてよい。
図2は、図1に示された光通信システム100aにおける波長パスの一例を示す図である。
図2に示される波長パスλ1は、スパンA−B及びB−Cで構成され、波長パスλ2は、スパンB−C、C−D及びD−Eで構成されてよい。また、波長パスλ3は、スパンA−B、B−C、C−D、D−E、E−F及びF−Gで構成されてよい。更に、波長パスλ4は、スパンD−E、E−F及びF−Gで構成されてよい。
波長パスλ1、λ2及びλ4は運用中の波長パスであってよく、波長パスλ3はOSNRの推定対象の波長パスであってよい。
図3は、図1に示された光通信システム100aにおける伝送品質量(別言すれば、「OSNR」)の一例をテーブル形式で示した図である。
推定対象の波長パスλ3内の各スパンのOSNRは、他の波長パス内の各スパンのOSNRに基づいて算出されてよい。
例えば、推定対象の波長パスλ3内のスパンA−BのOSNRは、波長パスλ1のスパンA−BのOSNRに基づいて算出されてよい。この際、図3のテーブルには、波長パスλ3内のスパンA−Bと同一スパンのOSNRが1個あるため、波長パスλ1内のスパンA−BのOSNRが、波長パスλ3のスパンA−BのOSNRに割り当てられてよい。
波長パスλ3内のスパンB−CのOSNRは、波長パスλ1及び波長パスλ2内の同一スパンB−CのOSNRに基づいて算出されてよい。この際、図3のテーブルには、波長パスλ3内のスパンB−Cと同一スパンのOSNRが2個(別言すれば、「複数個」)あり、かつ波長パスλ3の波長が波長パスλ1とλ2との間にない。従って、波長パスλ1及びλ2のスパンB−CのOSNRの線形補外で波長パスλ3の同一スパンのOSNRが算出されてよい。
図3のテーブルには、波長パスλ3内のスパンC−Dと同一スパンのOSNRが1個あるため、波長パスλ2のスパンC−DのOSNRが、波長パスλ3のスパンC−DのOSNRに割り当てられてよい。
波長パスλ3内のスパンD−EのOSNRは、波長パスλ2及びλ4内の同一スパンD−EのOSNRに基づいて算出されてよい。この際、図3のテーブルには、波長パスλ3内のスパンD−Eと同一スパンのOSNRが2個(別言すれば、「複数個」)あり、かつ波長パスλ3の波長が波長パスλ2とλ4との間にある。従って、波長パスλ2及びλ4内のスパンD−EのOSNRの線形補間で波長パスλ3内の同一スパンD−EのOSNRが算出されてよい。
図3のテーブルには、波長パスλ3内のスパンE−Fと同一スパンのOSNRが1個あるため、波長パスλ4内のスパンE−FのOSNRは、波長パスλ3のスパンE−FのOSNRに割り当てられてよい。
図3のテーブルには、波長パスλ3のスパンF−Gと同一スパンのOSNRが1個あるため、波長パスλ4内のスパンF−GのOSNRは、波長パスλ3のスパンF−GのOSNRに割り当てられてよい。
そして、図3のテーブルの推定対象の波長パスλ3内の各スパンのOSNRに基づき、下記の式(3)を用いて、パスOSNRが算出されてよい。
ここで、kは、推定対象の波長パスに含まれるスパン数であってよい。
図4は、図1に示された光通信システム100aにおける伝送品質劣化の一例を示す図である。
信号光が1スパンを伝送されることによる劣化分FSPANには、非線形による信号品質劣化や、信号光が光フィルタを通過する際の帯域狭窄による信号品質劣化がほとんど含まれていない。
別言すれば、図4に示されるように、信号光が伝送されるスパン数が少ないほど、伝送品質劣化量の変化が小さい(符号B1参照)。一方、信号光が伝送されるスパン数が多いほど、伝送品質劣化量の変化が大きくなる(符号B2参照)。
従って、信号光が1スパンを伝送された際の劣化分FSPANから、信号光が多数スパンを伝送される際の伝送品質量を推定すると、推定誤差が大きくなるおそれがある。
そこで、伝送性能の推定精度を向上させるために、第1実施形態の光通信システム100は、以下に説明するような機能構成を有してよい。
図5は、第1実施形態の光通信システム100の構成例を示すブロック図である。
光通信システム100は、図5に示されるように、例示的に、推定装置1、制御装置2、及び、ノード#1〜#5として示される複数(図示される例では5つ)のノード3を備える。なお、推定装置1としての機能は、制御装置2に備えられてもよい。
制御装置2は、ネットワーク制御装置の一例であり、例示的に、ネットワーク内に備えられる各ノード3による信号光の伝送を制御する。制御装置2は、推定装置1及び各ノード3と通信可能に接続されてよい。
また、制御装置2は、或る経路(「区間」や「スパン群」と称されてもよい。)の始点ノード3から終点ノード3への信号光の伝送が可能であるかを推定装置1に問い合わせてもよい。なお、始点ノード3は信号光の送信元のノード3であってよく、終点ノード3は信号光の送信先のノード3であってよい。
ノード3は、例示的に、スパンを介して、他のノード3との間で、信号光の送受信を行なう。各ノード3は、光通信システム100に備えられる他のノード3の全部又は一部とスパンを介して通信可能に接続されてよい。また、各ノード3は、接続されていない他のノード3とも、接続されている他のノード3を介して、信号光の送受信を行なってよい。
図5に示される例において、ノード#1はノード#2及び#5と接続されており、ノード#2はノード#1及び#3〜5と接続されており、ノード#3は、ノード#2及び#4と接続されている。また、ノード#4はノード#2,#3及び#5と接続されており、ノード#5はノード#1,#2及び#4と接続されている。
図6は、図5に示された光通信システム100におけるノード3の構成例を示すブロック図である。
ノード3は、図6に示されるように、例示的に、ノード制御部31、光分岐挿入部32、入力アンプ33、出力アンプ34、Rxとして示される複数の受信部35、及び、Txとして示される複数の送信部36を備える。
入力アンプ33は、例示的に、光ファイバ37から入力される信号光を増幅する。出力アンプ34は、例示的に、光ファイバ38に出力される信号光を増幅する。
Rx35は、例示的に、信号光を受信する。Tx36は、例示的に、信号光を送信する。
光分岐挿入部32は、例示的に、波長パスを疎通する信号光の一部を光分岐するとともに、波長パスを疎通する信号光に新たな信号光を光挿入する機能と、波長パスを疎通する信号光のパワーを調整する機能とを有する。光分岐挿入部32は、信号光を光分岐し、光分岐した信号光をいずれかのRx35に伝送してよい。また、光分岐挿入部32は、信号光にTx36からの信号光を光挿入し、光挿入した信号光を出力アンプ34経由で光ファイバ38に出力してよい。光分岐挿入部32としては、例えばOADM(Optical add-drop multiplexer)等の光分岐挿入装置が挙げられる。
ノード制御部31は、例示的に、光分岐挿入部32、入力アンプ33及び出力アンプ34を制御する。また、ノード制御部31は、制御装置2と通信可能に接続され、Rx35に波長パスのBERを測定させ、BERの測定結果を含む情報を制御装置2に通知してよい。なお、制御装置2に通知される情報は、波長パスを識別するパス識別情報や、波長パスのBER等を含んでよい。
図7は、図5に示された光通信システム100における推定装置1の構成例を示すブロック図である。
推定装置1は、光伝送性能推定装置の一例であり、図7に示されるように、例示的に、CPU(Central Processing Unit)11及びメモリ12を備える。
メモリ12は、例示的に、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリの少なくとも一方を含む記憶装置である。メモリ12のROMには、BIOS(Basic Input/Output System)等のプログラムが書き込まれてよい。ROM又はRAMに書き込まれたソフトウェアプログラムは、CPU11に適宜に読み込まれて実行されてよい。また、メモリ12のRAMは、一次記録メモリあるいはワーキングメモリとして利用されてよい。
メモリ12は、図7に示されるように、例示的に、伝送品質情報記憶部121及びBER閾値情報記憶部122を備える。
伝送品質情報記憶部121は、例示的に、各スパンにおける伝送品質量(別言すれば、「品質劣化量」)を示す伝送品質量情報1211(図9を用いて後述)を記憶する。
BER閾値情報記憶部122は、例示的に、始点ノード3から終点ノード3までの或る経路(別言すれば、「区間」や「スパン群」)を用いた信号光の伝送が可能であるかを示すBER閾値情報を記憶する。
CPU11は、例示的に、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ12に格納されたOS(Operating System)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU11は、図7に示されるように、伝送品質量演算部111、伝送品質量情報管理部112、伝送性能算出部113、伝送可否判定部114、BER閾値情報管理部115及び更新量演算部116として機能してよい。
なお、これらの伝送品質量演算部111、伝送品質量情報管理部112、伝送性能算出部113、伝送可否判定部114、BER閾値情報管理部115及び更新量演算部116としての機能を実現するためのプログラムは、記録媒体に記録されてよい。プログラムが記録される記録媒体は、コンピュータが読み取り可能であってよく、例えば、フレキシブルディスク、CD、DVD、ブルーレイディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリであってよい。CDは、CD−ROM、CD−R、CD−RW等であってよい。また、DVDは、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、HD DVD等であってよい。半導体メモリは、種々のメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のフラッシュメモリであってよい。
そして、コンピュータ(第1実施形態ではCPU11)は上述した記録媒体から図示しない読取装置を介してプログラムを読み取って内部記録装置または外部記録装置に転送し格納して用いてよい。また、プログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク又は半導体メモリ等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、記憶装置から通信経路を介してコンピュータに提供してもよい。
CPU11の各機能を実現する際には、内部記憶装置(第1実施形態ではメモリ12)に格納されたプログラムがコンピュータ(第1実施形態ではCPU11)によって実行されてよい。また、記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータが読み取って実行してもよい。
伝送品質量演算部111は、例示的に、制御装置2から通知された波長パス情報及びBER情報に基づき、各スパンにおける伝送品質量を演算する。波長パス情報は、図2を用いて示したように、各波長の信号光が伝送される1又は複数のスパン(別言すれば、「波長パス」)を示す情報であってよい。BER情報は、1又は複数のスパンを伝送される信号光のBERを示す情報であってよい。
なお、制御装置2は、BERの測定対象のノード3に対して信号光の送信及び/又は受信を指示し、対象ノード3に信号光の送信及び/又は受信を実施させることで、スパン又はスパン群を伝送される信号光に係るBER情報を測定又は取得してよい。BER情報の測定又は取得は、伝送品質量演算部111が制御装置2を介して対象ノード3に信号光を送受信させることで行なわれてもよい。
なお、伝送品質量演算部111が制御装置2から取得する情報は、BER情報に限定されない。例えば、伝送品質量演算部111は、EVM(Error Vector Magnitude)に関する情報を制御装置2から取得してよい。また、伝送品質量演算部111は、OSNR、波長分散、偏波モード分散、PDL(偏波依存性ロス)、チャネル内非線形、チャネル間非線形、相互位相変調、又は、帯域狭窄等のパラメータに関する情報を制御装置2から取得してもよい。
図8は、図5に示された光通信システム100における伝送性能推定の一例を示す図である。
図8においては、メッシュ状に接続された複数のノード3によって構成される複数の経路(図5を参照)のうちの1つの経路が示されている。
なお、図8においては、推定装置1及び制御装置2の図示は、省略されている。また、図8においては、説明のために、各ノード3に備えられる送受信器4(「Tx/Rx#1〜#N」として示される。)を、各ノード3とは独立して示している。すなわち、図8に示されるTx/Rx4は、図6に示されたTx36及びRx35の一例である。図8に示される例において、ノード#1〜#Nには、Tx/Rx#1〜#Nがそれぞれ備えられてよい。
各ノード3は、光ファイバ伝送路によって互いに通信可能に接続されてよい。ノード3間の伝送区間は、「スパン」と称されてよい。図8に示される例において、ノード#1とノード#2との間の伝送区間をスパン#1と称し、ノード#2とノード#3との間の伝送区間をスパン#2と称し、ノード#3とノード#4との間の伝送区間をスパン#3と称する。また、ノード#N−1(図8には不図示)とノード#Nとの間の伝送区間をスパン#N−1と称する。
図8に示される例において、伝送品質量演算部111は、スパン#1及び#2により構成されるスパン群(符号C1参照)を示す波長パス情報と、当該スパン群を伝送される信号光のBERを示すBER情報とを、制御装置2から取得してよい。
また、図8に示される例において、伝送品質量演算部111は、スパン#1〜#3により構成されるスパン群(符号C2参照)を示す波長パス情報と、当該スパン群を伝送される信号光のBERを示すBER情報とを、制御装置2から取得してよい。
そして、伝送品質量演算部111は、符号C1で示されるスパン群に係る波長パス情報及びBER情報と、符号C2で示されるスパン群に係る波長パス情報及びBER情報とに基づき、スパン#3の伝送品質量を演算してよい。以下、伝送品質量演算部111によって伝送品質量を演算されるスパンを、対象スパンと表記する場合がある。
伝送品質量演算部111は、以下の式(4)を用いて、制御装置2から取得されたBER情報に含まれるBERを伝送品質量Fに変換してよい。式(4)は、スパン#1〜#3により構成されるスパン群(符号C2参照)に係る伝送品質量F
1−4を示す。別言すれば、式(4)は、ノード#1からノード#4を伝送される信号光の伝送品質量F
1−4を示す。
ここで、Bnは雑音帯域幅を示し、Rsは信号ボーレートを示してよい。
また、スパン#1及び#2により構成されるスパン群(符号C1参照)に係る伝送品質量F1−3は、上記の式(4)によって変換された伝送品質量F1−4と同様に、変換されてよい。
伝送品質量演算部111は、以下の式(5)を用いて、BERから変換した2つの伝送品質量に基づき、対象スパンの伝送品質量Fを演算してよい。式(5)は、スパン#3の伝送品質量F
3を示す。
なお、図8においては、同一の始点ノード#1から隣り合う終点ノード#3及び#4までの2つのスパン群における伝送品質量F1−3及びF1−4を用いて対象スパン#3における伝送品質量F3が演算されたが、これに限定されるものではない。例えば、同一の始点ノード#1から終点ノード#2及び#3までのスパン及びスパン群における伝送品質量F1−2及びF1−4を用いて対象スパン#2及び#3における伝送品質量F2−3が演算されてもよい。
すなわち、伝送品質量演算部111は、複数のノード3を経由する信号光の伝送経路において、第1の伝送性能に関する指標と第2の伝送性能に関する指標とを取得する取得部の一例であってよい。ここで、第1の伝送性能は、第1のノード3と第n(nは3以上の整数)のノード3との間のスパン群を伝送される信号光の伝送性能を示してよい。第2の伝送性能は、第1のノード3と第m(m<nを満たす自然数)のノード3との間のスパン又はスパン群を伝送される信号光の伝送性能を示してよい。
また、伝送品質量演算部111は、第1及び第2の伝送性能に関する指標に基づいて、第mのノード3と第nのノード3との間のスパンを伝送される信号光の伝送性能に関する指標を推定する推定部の一例であってよい。
これらにより、伝送性能の推定を適切に行なうことができる。例えば、各スパンにおける伝送品質量Fの推定精度を向上させることができる。
伝送品質量演算部111は、第1の伝送性能に関する指標と第2の伝送性能に関する指標との差分に基づいて、第mのノード3と第nのノード3との間のスパンを伝送される信号光の伝送性能に関する指標の推定を行なってよい。
これにより、伝送性能の推定を簡易な演算により行なうことができる。
伝送性能に関する指標は、例えば、伝送品質量F、BER、EVM、OSNR、波長分散、偏波モード分散、PDL(偏波依存性ロス)、チャネル内非線形、チャネル間非線形、相互位相変調、又は、帯域狭窄等のパラメータであってよい。
伝送品質量情報管理部112は、例示的に、伝送品質量演算部111によって演算された対象スパンの伝送品質量を伝送品質情報記憶部121に記憶させる。
図9は、図5に示された光通信システム100における伝送品質量情報1211の一例をテーブル形式で示した図である。
伝送品質量情報管理部112は、光通信システム100に備えられる各スパンについての伝送品質量を、伝送品質量情報1211として伝送品質情報記憶部121に記憶させてよい。
図9に示される例において、伝送品質量情報1211は、スパン#1〜#N−1についての伝送品質量F1〜FN−1をそれぞれ含んでいる。
伝送性能算出部113は、例示的に、伝送品質情報記憶部121が記憶している伝送品質量情報1211に基づき、複数のノード3を経由するいずれかの経路における伝送品質量を算出する。なお、「経路」には1以上の波長パスが含まれてよい。以下、「経路」を「波長パス」と表記する場合がある。伝送性能算出部113は、算出した伝送品質量から、複数のノード3を経由するいずれかの波長パスにおけるBERを算出してよい。
伝送性能算出部113は、以下の式(6)を用いて、伝送品質量Fを算出してよい。式(6)は、図8に示されたノード#1からノード#Nを経由する波長パスにおける伝送品質量F
1−>Nを示す。
また、伝送性能算出部113は、以下の式(7)を用いて、上記の式(6)により算出した伝送品質量Fに基づき、BERを算出してよい。式(7)は、図8に示されたノード#1からノード#Nを経由する波長パスにおけるBER
1−>Nを示す。
すなわち、伝送性能算出部113は、伝送品質量演算部111による伝送性能に関する指標の推定結果に基づいて、いずれか複数のスパンによって形成される区間を伝送される信号光の伝送性能に関する指標を算出する算出部の一例として機能してよい。
これにより、図4に示された非線形の影響が大きい領域(例えば、「始点ノード3からのスパン数が多い区間」)における伝送品質量の算出精度を向上させることができる。
BER閾値情報管理部115は、例示的に、BER閾値情報記憶部122によって記憶されたBER閾値(「BERth」と表記する場合がある)を読み出し、読み出したBERを伝送可否判定部114に入力する。
伝送可否判定部114は、例示的に、伝送性能算出部113によって算出されたBERに基づき、複数のノード3を経由するいずれかの波長パスを用いた信号光の伝送が可能であるかを判定する。
伝送可否判定部114は、伝送性能算出部113によって算出されたBERと、BER閾値情報管理部115によって読み出されたBER閾値とを比較して、伝送が可能であるかの判断を行なってよい。伝送可否判定部114は、算出されたBERがBER閾値より小さい場合(例えば、BER1−>N<BERthである場合)には、信号光の伝送が可能であると判断してよい。一方、伝送可否判定部114は、算出されたBERがBER閾値以上である場合には、信号光の伝送が可能でないと判定してよい。
すなわち、伝送可否判定部114は、伝送性能算出部113による伝送性能に関する指標の算出結果に基づいて、いずれか複数のスパンによって形成される区間における信号光の伝送可否を判定する判定部として機能してよい。
これにより、波長パスを用いた信号光の伝送の可否判断を適切に行なうことができる。
更新量演算部116は、例示的に、伝送品質情報記憶部121に記憶された伝送品質量情報1211を更新する。なお、更新量演算部116の詳細については、第7変形例において後述する。すなわち、第1実施形態の推定装置1におけるCPU11は、更新量演算部116としての機能を備えなくてもよい。
〔A−2〕動作例
上述の如く構成された第1実施形態の光通信システム100における伝送性能推定動作を、図10に示されるフローチャート(処理P1〜P9)に従って説明する。
伝送品質量演算部111は、制御装置2を介して複数のスパン群のBERを測定してよい(処理P1)。
伝送品質量演算部111は、測定したBERから伝送品質量を算出してよい(処理P2)。
伝送品質量演算部111は、対象スパンを含むスパン群における伝送品質量と、対象スパンを含まないスパン又はスパン群における伝送品質量との差分から、対象スパンの伝送品質量を算出してよい(処理P3)。
伝送品質量情報管理部112は、算出された各スパンの伝送品質量を伝送品質情報記憶部121に記憶させてよい(処理P4)。
伝送可否判定部114は、制御装置2から或る波長パスを用いた伝送可否判断のリクエストを受信してよい(処理P5)。
伝送性能算出部113は、伝送品質情報記憶部121に記憶させた各スパンの伝送品質量から、制御装置2からのリクエストに係る波長パスのBERを算出してよい(処理P6)。
伝送可否判定部114は、算出されたBERがBER閾値より小さいかを判定してよい(処理P7)。
算出されたBERがBER閾値より小さい場合には(処理P7でYes)、伝送可否判定部114は、制御装置2からのリクエストに係る波長パスを用いた信号光の伝送が可能である旨を制御装置2へ通知してよい(処理P8)。そして、処理は終了してよい。
一方、算出されたBERがBER閾値以上である場合には(処理P7でNo)、伝送可否判定部114は、制御装置2からのリクエストに係る波長パスを用いた信号光の伝送が可能でない旨を制御装置2へ通知してよい(処理P9)。そして、処理は終了してよい。
〔A−3〕第1実施形態の変形例
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
〔A−3−1〕第1変形例
上述した第1実施形態においては光通信システム100の運用の開始前における伝送性能の推定例について説明したが、伝送性能の推定は光通信システム100の運用の開始後に行なわれてもよい。
図11は、第1変形例の光通信システム101の構成例を示すブロック図である。
図11に示す光通信システム101は、図5に示された光通信システム100の運用開始時に備えられているノード#1〜#5に加えて、太線で示される2つのノード3(「ノード#6及び#7」として示される。)を備える。ノード#6及び#7は、図5に示された光通信システム100に対して増設されたノード3であってよい。
図11に示される例において、ノード#6はノード#3及び#4と接続されており、ノード#7はノード#2及び#3と接続されている。
推定装置1の伝送品質量演算部111は、増設されたノード3とスパンとに係る波長パス情報及びBER情報を制御装置2から取得してよい。また、伝送品質量演算部111は、取得した波長パス情報及びBER情報に基づき、増設された各スパン(図11の太線参照)における伝送品質量を算出してよい。
図11に示される例において、伝送品質量演算部111は、ノード#3とノード#6との間の対象スパンにおける伝送品質量、及び、ノード#4とノード#6との間の対象スパンにおける伝送品質量を算出してよい。また、伝送品質量演算部111は、ノード#2とノード#7との間の対象スパンにおける伝送品質量、及び、ノード#3とノード#7との間の対象スパンにおける伝送品質量を算出してよい。
第1変形例の光通信システム101に備えられる推定装置1によれば、光通信システム101の運用開始後に追加されたノード3及びスパンについての伝送品質量を適切に推定することができる。
〔A−3−2〕第2変形例
伝送品質量演算部111による差分の算出に用いられる2つの伝送品質量は、予め設定された閾値によって決定されてよい。
図12は、第2変形例の光通信システム100における伝送性能推定の一例を示す図である。
図12においては、メッシュ状に接続された複数のノード3によって構成される複数の経路(図5を参照)のうちの1つの経路が示されている。
なお、図12においては、推定装置1及び制御装置2の図示は、省略されている。また、図12においては、説明のために、各ノード3に備えられる送受信器4(「Tx/Rx#1〜#N」として示される。)を、各ノード3とは独立して示している。換言すれば、図12に示されるTx/Rx4は、図6に示されたTx36及びRx35の一例である。図12に示される例において、ノード#1〜#Nには、Tx/Rx#1〜#Nがそれぞれ備えられてよい。
各ノード3は、光ファイバ伝送路によって互いに通信可能に接続されてよい。ノード3間の伝送区間は、「スパン」と称されてよい。図12に示される例において、ノード#1とノード#2との間の伝送区間をスパン#1と称し、ノード#2とノード#3との間の伝送区間をスパン#2と称する。また、ノード#3とノード#4との間の伝送路をスパン#3と称し、ノード#4とノード#5との間の伝送区間をスパン#4と称する。更に、ノード#N−1(図12には不図示)とノード#Nとの間の伝送区間をスパン#N−1と称する。
図12に示される例において、伝送品質量演算部111は、スパン#1及び#2により構成されるスパン群(符号D1参照)を示す波長パス情報と、当該スパン群を伝送される信号光のBERを示すBER情報とを、制御装置2から取得してよい。
また、図12に示される例において、伝送品質量演算部111は、スパン#1〜#3により構成されるスパン群(符号D2参照)を示す波長パス情報と、当該スパン群を伝送される信号光のBERを示すBER情報とを、制御装置2から取得してよい。
更に、図12に示される例において、伝送品質量演算部111は、スパン#1〜#4により構成されるスパン群(符号D3参照)を示す波長パス情報と、当該スパン群を伝送される信号光のBERを示すBER情報とを、制御装置2から取得してよい。
図13は、図12に示された光通信システム100におけるスパン群伝送品質量情報1212の一例をテーブル形式で示した図である。
図12に示されるスパン群伝送品質量情報1212は、例示的に、伝送品質情報記憶部121に記憶される。スパン群伝送品質量情報1212には、伝送品質量演算部111によって取得された各スパン又はスパン群における伝送品質量が登録されてよい。
図12に示される例において、スパン#1における伝送品質量にはF1が登録されており、スパン群#1〜#2における伝送品質量にはF1−>2が登録されており、スパン群#1〜#3における伝送品質量にはF1−>3が登録されている。また、スパン群#1〜#4における伝送品質量にはF1−>4が登録されており、スパン群#1〜#5における伝送品質量にはF1−>5が登録されている。
例えば、伝送品質量演算部111は、測定スパン数を増加させていき、スパン又はスパン群の伝送品質量を取得する。ここで、測定したスパン又はスパン群の伝送品質量が、予め設定された伝送品質量の閾値F
thとの間で以下の式(8)の関係である場合を想定する。伝送品質量演算部111は、スパン群#1〜#5における伝送品質量F
1−>5を取得したときに、伝送品質量F
1−>5が閾値F
thを超えたと認識する。この場合、伝送品質量演算部111は、スパン群#1〜#4における伝送品質量F
1−>4と、スパン群#1〜#3における伝送品質量にはF
1−>3との差分を算出し、スパン#4の伝送品質量F
4を算出してよい。
すなわち、伝送品質量演算部111は、第1のノード3と第n+1(nは3以上の整数)のノード3との間のスパン群を伝送される信号光の第4の伝送性能に関する指標を更に取得する取得部の一例として機能してよい。そして、伝送品質量演算部111は、第4の伝送性能に関する指標が所定の閾値より大きい場合に、第m(m<nを満たす自然数)のノード3と第nのノード3との間のスパンを伝送される前記信号光の伝送性能に関する指標の推定を行なってよい。
これにより、各スパンにおける伝送品質量の推定を効率的に行なうことができる。
〔A−3−3〕第3変形例
伝送品質量演算部111による差分の算出に用いられる2つの伝送品質量は、予め設定された複数の閾値によって決定されてもよい。
伝送品質量演算部111は、図12に示された第2変形例と同様に各スパン群(符号D1〜D3参照)を示す波長パス情報と、各スパン群を伝送される信号光のBERを示すBER情報とを、制御装置2から取得してよい。
伝送品質量演算部111によって取得されたBER情報に含まれるBERは、伝送品質量に変換され、図13に示された第2変形例と同様に、スパン群伝送品質量情報1212に登録されてよい。
例えば、伝送品質量の上限の閾値F
th1と、下限の閾値F
th2とを決定しておき、伝送品質量演算部111は、F
th1とF
th2との範囲で各スパンの信号品質を算出してよい。一例として、伝送品質量演算部111が取得したスパン又はスパン群の伝送品質量が閾値F
th1及びF
th2と以下の式(9)の関係である場合、伝送品質量演算部111は、スパン群#1〜#4における伝送品質量F
1−>4と、スパン群#1〜#3における伝送品質量F
1−>3との差分を算出してよい。また、この場合、伝送品質量演算部111は、スパン群#1〜#5における伝送品質量F
1−>5と、スパン群#1〜#4における伝送品質量F
1−>4との差分を算出してよい。そして、伝送品質量演算部111は、スパン#3及び#4の伝送品質量F
3及びF
4を算出してよい。
すなわち、伝送品質量演算部111は、所定の条件が満たされる場合に、第m(m<nを満たす自然数)ノード3と第n(nは3以上の整数)のノード3との間のスパンを伝送される信号光の伝送性能に関する指標の推定を行なってよい。ここで、所定の条件が満たされる場合とは、第1の伝送性能に関する指標が所定の第1の閾値未満であり、かつ、第2の伝送性能に関する指標が所定の第2の閾値より大きい場合であってよい。第1の伝送性能は、第1のノード3と第nのノード3との間のスパン群を伝送される信号光の伝送性能であってよい。また、第2の伝送性能は、第1のノード3と第mのノード3との間のスパン又はスパン群を伝送される信号光の伝送性能であってよい。
これにより、各スパンにおける伝送品質量の推定を効率的に行なうことができる。
〔A−3−4〕第4変形例
伝送品質情報記憶部121には、各スパンに対して、複数の伝送品質量が記憶されてよい。
図14は、第4変形例の光通信システム100における伝送品質量情報1213の一例をテーブル形式で示した図である。
伝送品質量演算部111は、各対象スパンに対して、複数の伝送品質量を算出してよい。
図14には、伝送品質量演算部111が、信号光が伝送される際に経由するスパン数が少ない場合の伝送品質量と、信号光が伝送される際に経由するスパン数が多い場合の伝送品質量とを算出する例が示されている。スパン数が少ない場合は、少スパンの場合と称されてもよい。また、スパン数が多い場合は、多スパンの場合と称されてもよい。
伝送品質量情報1213において、少スパンの伝送品質量は、伝送品質量演算部111により、いずれも少スパンである2つのスパン群(又は1つのスパン及び1つのスパン群)の伝送品質量に基づいて算出された伝送品質量であってよい。なお、少スパンの伝送品質量は、1つのスパンについて測定又は算出された伝送品質量であってもよい。伝送品質量演算部111は、例えばスパン群のスパン数が所定値以下の場合に、当該スパン群が少スパンであると判断してよい。所定値は、切り替え閾値と称されてもよい。
また、伝送品質量情報1213において、多スパンの伝送品質量は、伝送品質量演算部111により、少なくとも一方が多スパンである2つのスパン群の伝送品質量に基づいて算出された伝送品質量であってよい。伝送品質量演算部111は、例えばスパン群のスパン数が所定値よりも大きい場合に、当該スパン群が多スパンであると判断してよい。
図14に示される例においては、スパン#1〜#N−1における少スパンの伝送品質量として、Fx1〜FxN−1がそれぞれ登録されている。また、スパン#1〜#N−1における多スパンの伝送品質量として、Fy1〜FyN−1がそれぞれ登録されている。
伝送性能算出部113は、少スパンの伝送品質量と、多スパンの伝送品質量とを用いて、制御装置2からのリクエストに係る波長パスの伝送品質量を算出してよい。伝送性能算出部113は、制御装置2からのリクエストに係る波長パスのうち、始点ノード3からスパン数が所定値に達するまでの各スパンについては、少スパンの伝送品質量を用いて波長パスの伝送品質量を算出してよい。また、伝送性能算出部113は、制御装置2からのリクエストに係る波長パスのうち、始点ノード3からのスパン数が所定値を超える各スパンについては、多スパンの伝送品質量を用いて波長パスの伝送品質量を算出してよい。
以下の式(10)は、所定値を3に設定した場合における、ノード#1からノード#Nまでの波長パスにおける伝送品質量を示す。
上記の式(10)においては、スパン#1〜#3については少スパンの伝送品質量が用いられており、スパン#4〜#N−1については多スパンの伝送品質量が用いられている。
すなわち、伝送品質量演算部111は、いずれか複数のスパンのそれぞれにおいて、nの値に応じた複数の伝送性能に関する指標について、第mのノード3と第nのノード3との間のスパンを伝送される信号光の伝送性能に関する指標の推定を行なってよい。ここで、nは3以上の整数であり、mはm<nを満たす整数であってよい。
そして、伝送性能算出部113は、いずれか複数のスパンのそれぞれについて複数の伝送性能に関する指標のうちのいずれかを用いて、いずれか複数のスパンによって形成される区間を伝送される信号光の伝送性能に関する指標の算出を行なってよい。
これらにより、波長パスの伝送品質量の算出精度を向上させることができる。
上述の如く構成された第4変形例の光通信システム100における伝送性能推定動作を、図15に示されるフローチャート(処理P11〜P21)に従って説明する。
伝送品質量演算部111は、制御装置2経由で複数のスパン群のBERを測定してよい(処理P11)。
伝送品質量演算部111は、測定したBERから伝送品質量を算出してよい(処理P12)。
伝送品質量演算部111は、対象スパンを含むスパン群における伝送品質量と、対象スパンを含まないスパン又はスパン群における伝送品質量との差分から、多スパンの場合における対象スパンの伝送品質量を算出してよい(処理P13)。
伝送品質量演算部111は、対象スパンを含むスパン群における伝送品質量と、対象スパンを含まないスパン又はスパン群における伝送品質量との差分から、少スパンの場合における対象スパンの伝送品質量を算出してよい(処理P14)。
伝送品質量情報管理部112は、算出された各スパンの伝送品質量を伝送品質情報記憶部121に記憶させてよい(処理P15)。
伝送可否判定部114は、制御装置2から或る波長パスを用いた伝送可否判断のリクエストを受信してよい(処理P16)。
伝送品質量情報管理部112は、所定値(「切り替え閾値」と称されてもよい。)に基づき、伝送品質情報記憶部121に記憶させた多スパン又は少スパンの場合の各スパンにおける伝送品質量を読み出してよい(処理P17)。
伝送性能算出部113は、多スパン又は少スパンの場合の各スパンにおける伝送品質量から、制御装置2からのリクエストに係る波長パスのBERを算出してよい(処理P18)。
伝送可否判定部114は、算出されたBERがBER閾値より小さいかを判定してよい(処理P19)。
算出されたBERがBER閾値より小さい場合には(処理P19でYes)、伝送可否判定部114は、制御装置2からのリクエストに係る波長パスを用いた信号光の伝送が可能である旨を制御装置2へ通知してよい(処理P20)。そして、処理は終了してよい。
一方、算出されたBERがBER閾値以上である場合には(処理P19でNo)、伝送可否判定部114は、制御装置2からのリクエストに係る波長パスを用いた信号光の伝送が可能でない旨を制御装置2へ通知してよい(処理P21)。そして、処理は終了してよい。
なお、少スパンの場合における伝送品質量は、図1に示されたように、1スパン毎に測定された伝送品質量であってもよい。
また、上述された切り替え閾値は、1つに限定されず、2つ以上設けられてもよい。切り替え閾値が2つ以上設けられる場合には、図14に示された伝送品質量情報1213には、多スパンの場合及び少スパンの場合に加えて、中間のスパン数の場合の伝送品質量が登録されてよい。
例えば、スパン#1〜#15を有する光通信システム100において、2つの切り替え閾値が5及び10である場合について説明する。この場合には、伝送性能算出部113は、スパン#1〜#5について、スパン数が4以下の2つのスパン群によって算出された伝送品質量を用いて、波長パスの伝送品質量を算出してよい。また、伝送性能算出部113は、スパン#6〜#10について、スパン数が9以下の2つのスパン群によって算出された伝送品質量を用いて、波長パスの伝送品質量を算出してよい。更に、伝送性能算出部113は、スパン#11〜#15について、スパン数が14以下の2つのスパン群によって算出された伝送品質量を用いて、波長パスの伝送品質量を算出してよい。
〔A−3−5〕第5変形例
図9に示された伝送品質量情報1211又は図14に示された伝送品質量情報1213は、光通信システム100の運用の開始後に更新されてよい。
以下の式(11)は、ノード#1〜#Nによって構成される波長パスを疎通させ、伝送品質量を実測した場合の、スパン#xにおける更新後の伝送品質量F
x′を示す。
上記の式(11)において、F1−>N_measuredは、ノード#1〜#Nにおいて実測された伝送品質量であってよい。また、αxは、スパン#xにおける更新係数であってよい。
更新係数には、以下の2つのいずれかが用いられてよい。
更新係数=該当スパンロス/スパンロスの総和
更新係数=該当スパンロスの伝送品質量の逆数/パスの伝送品質量の逆数
また、光通信システム100の運用後において、対象スパン以外の各スパンの伝送品質量も、上記と同様に更新されてよい。
すなわち、伝送品質情報記憶部121は、伝送品質量演算部111によって取得された第1のノード3と第n(nは3以上の整数)のノード3との間のスパン群を伝送される信号光の第1の伝送性能に関する指標を記憶する第1記憶部の一例として機能してよい。また、伝送品質情報記憶部121は、伝送品質量演算部111によって推定された第m(m<nの自然数)のノード3と第nのノード3との間のスパンを伝送される信号光の第3の伝送性能に関する指標を記憶する第2記憶部の一例として機能してよい。
そして、更新量演算部116は、記憶された第3の伝送性能に関する指標を更新する更新部の一例として機能してよい。第3の伝送性能に関する指標の更新は、第1のノード3と第nのノード3との間のスパン群を伝送される信号光の伝送性能に関する指標の実測値と、記憶された第1の伝送性能に関する指標と、記憶された第3の伝送性能に関する指標とに基づいて行なわれてよい。
これらにより、光通信システム100の運用開始後に生じたシステム環境の変化に応じて、波長パスの伝送品質量を適切に算出することができる。
〔A−3−6〕第6変形例
伝送性能算出部113による波長パスの伝送品質量の算出は、ノード3の送受信器において発生する信号光の性能を考慮して行なわれてもよい。
一つの例として、伝送性能算出部113による波長パスの伝送品質量の算出は、図6に示されたRx35及びTx36又は図8に示されたTx/Rx4において発生する信号光の劣化量F
Tx/Rxを考慮してもよい。以下の式(12)は、ノード#1〜#Nにより構成される波長パスの伝送品質量F
1−>Nを示す。
FTx/Rxは、例えば、Tx36とRx35とを直結した場合において発生する信号光の劣化量であってよい。
また、他の例として、伝送品質量がOSNRである場合には、ノード#1〜#Nにより構成される波長パスの伝送品質量F
1−>Nは、以下の式(13)により示されてよい。
ここで、Paseは、ASE(Amplified Spontaneous Emission)雑音量を表わす。また、PNLIは、非線形雑音量を表わす。更に、κ及びηは、TRPN(Transponder)のBtoB接続(別言すれば、「0kmの伝送」)における性能によって定まるパラメータである。なお、「BtoB」は、「Back To Back」の略称である。
スパン#N−1における伝送品質量は、以下の式(14)によって算出されてよい。
そして、伝送性能算出部113は、各スパンにおける伝送品質量に基づき、以下の式(15)を用いて、ノード#1〜#Nにより構成される波長パスの伝送品質量を算出してよい。
すなわち、伝送性能算出部113は、いずれか複数のスパンによって形成される区間における始点ノード3及び終点ノード3のそれぞれにおける信号光の劣化量を用いて、伝送される信号光の伝送性能に関する指標を算出してよい。
これにより、Tx/Rx4において発生する信号光の劣化量を考慮して、波長パスの伝送品質量を適切に算出することができる。
〔A−3−7〕第7変形例
伝送性能算出部113による波長パスの伝送品質量の算出は、ノード3において信号光に発生する雑音量を考慮して行なわれてもよい。
図16は、第7変形例の光通信システム102の構成例を示すブロック図である。
図16には、図5に示された光通信システム100のうち、直接に接続されるいずれか2つのノード3(例えば、ノード#1及び#2)が示されている。
各ノード3は、図16に示されるように、例示的に、2つの分岐部321、2つの挿入部322、2つの入力アンプ33、2つの出力アンプ34及びTx/Rx4を備える。更に、各ノード3は、例示的に、分波器51、合波器52、2つの分波器入力アンプ53及び2つの合波器出力アンプ54を備える。なお、図16においては、図6に示されたノード制御部31の図示は省略されている。
分岐部321及び挿入部322は、例示的に、図6に示された光分岐挿入部32の一例である。
分波器入力アンプ53は、例示的に、分岐部321から入力された信号光を増幅させる。
分波器51は、例示的に、分波器入力アンプ53から入力された信号光を波長毎に分波して、分波した信号光をTx/Rx4、例えば図6に示された複数のRx35のそれぞれに入力する。
なお、Tx/Rx4において受信される信号光がコヒーレント信号光である場合には、分波器51の代わりに、信号光のパワーをTx/Rx4における各Rx35に分配するスプリッタが備えられてもよい。
合波器52は、例示的に、Tx/Rx4、例えば図6に示された複数のTx36のそれぞれから入力された信号光を合波し、合波した信号光を合波器出力アンプ54に入力する。
合波器出力アンプ54は、例示的に、合波器52から入力された信号光を挿入部322に入力する。
2つの分波器入力アンプ53及び2つの合波器出力アンプ54においては、信号光に雑音量が発生する場合がある。分波器51、合波器52、2つの分波器入力アンプ53及び2つの合波器出力アンプ54は、Add/Drop部と称されてもよい。
そこで、伝送性能算出部113は、以下の式(16)を用いて、波長パスの伝送品質量を算出してよい。式(16)においては、第6実施例において上述したTx/Rx4において発生する信号光の劣化量F
Tx/Rxも考慮されている。
伝送性能算出部113によって算出される伝送品質量は、各スパンにおける伝送品質量Fiと、Tx/Rx4において発生する信号光の劣化量FTx/Rxと、Add/Drop部において信号光に発生する雑音量FAdd/Dropとに分割されてよい。
すなわち、伝送性能算出部113は、いずれか複数のスパンによって形成される区間における始点ノード3及び終点ノード3のそれぞれにおいて信号光に発生する雑音量を用いて、伝送される信号光の伝送性能に関する指標を算出してよい。
これにより、Add/Drop部において信号光に発生する雑音量を考慮して、波長パスの伝送品質量を適切に算出することができる。
〔B〕第2実施形態
第1実施形態では、メッシュ状に接続された複数のノード3によって構成される複数の経路のうちの1つの経路が与えられた状態において、当該1つの経路における各波長パスの伝送品質量の測定を通じて、対象スパンの伝送品質量を求める手法を説明した。
しかし、例えば、大規模なネットワークや、複数のノード3が複雑なメッシュ状に接続されているネットワーク等を新規に構築する場合等において、複数の経路から適切な経路を決定することが難しい場合がある。
例えば、測定対象の経路として、特定のノード3を複数回経由する経路が選択された場合、波長パスの伝送品質量の測定回数が増加するとともに、ノード3の制御回数も増加するため、測定時間や装置負荷が大きくなる可能性がある。また、測定対象の経路として、波長パスのスパン数の少ない(例えば特定のノード3が含まれない)経路が選択された場合、対象スパンの伝送品質量の推定精度が低下する可能性もある。
そこで、第2実施形態では、主に、複数のノード3がメッシュ状に接続されたネットワークトポロジにおいて、複数のノード3によって構成される複数の経路から測定対象となる経路を決定する手法を説明する。
〔B−1〕システム構成例
図17は、第2実施形態の光通信システム100Aの構成例を示すブロック図である。
光通信システム100Aは、図17に示されるように、例示的に、推定装置1A、制御装置2、及び、ノードA〜Eとして示される複数(図示される例では5つ)のノード3Aを備える。なお、推定装置1Aとしての機能は、制御装置2に備えられてもよい。
推定装置1A、制御装置2、及び、ノード3Aの機能及び構成、並びに、これらの接続関係は、特に言及しない限り、それぞれ、第1実施形態に係る推定装置1、制御装置2、及び、ノード3、並びに、これらの接続関係と同様であってよい。
図18は、図17に示された光通信システム100Aにおけるノード3Aの構成例を示すブロック図である。なお、ノード3Aとしては、例えば、ROADM(Reconfiguration Optical Add-Drop Multiplexer)等の再構成可能な光分岐挿入装置が挙げられる。ROADMは、例えば、CD(Color-less, Direction-less)或いはCDC(Color-less, Direction-less, Contention-less)等の機能を有してよい。
ノード3Aは、図18に示されるように、例示的に、ノード制御部31A、光分岐挿入部32A及び32B、入力アンプ33A及び33B、出力アンプ34A及び34B、複数の受信部35、複数の送信部36、並びに、光収容部39を備える。
受信部(図18の例では「Rx」)35及び送信部(図18の例では「Tx」)36は、それぞれ、図6に示す第1実施形態に係るRx35及びTx36と同様であってよい。また、符号32A〜34Aと、符号32B〜34Bとは、図6に示す第1実施形態に係る光分岐挿入部32、入力アンプ33、及び、出力アンプ34を2系統設けた構成、例えば、信号光の互いに異なる伝送方向ごとに設けた構成に相当する。
ノード制御部31Aは、例示的に、光分岐挿入部32A及び32B、入力アンプ33A及び33B、並びに、出力アンプ34A及び34Bを制御する。また、ノード制御部31Aは、第1実施形態のノード制御部31と同様に、制御装置2と通信可能に接続され、Rx35に波長パスのBERを測定させ、BERの測定結果を含む情報を制御装置2に通知してよい。
光収容部39は、光分岐挿入部32A及び32B、Rx35、並びに、Tx36と通信可能に接続される。光収容部39は、例えば、光分岐挿入部32A及び32Bから入力される信号光を分離してRx35に出力するとともに、Tx36から入力される信号光を多重して光分岐挿入部32A及び32Bに出力する。
なお、図6に示す第1実施形態に係るノード3において、光分岐挿入部32とRx35及びTx36との間のブロックを、光収容部39に置き換えてもよい。或いは、図18に示す光収容部39を、Rx35用の分離部とTx36用の多重部とに分割してもよい。
図19は、図17に示された光通信システム100Aにおける推定装置1Aの構成例を示すブロック図である。
推定装置1Aは、光伝送性能推定装置の一例であり、図19に示されるように、例示的に、CPU11A及びメモリ12Aを備える。
CPU11Aは、図7に示す第1実施形態に係るCPU11と同様の機能を備えるとともに、図19に示されるように、例示的に、経路決定部117を備える。
経路決定部117は、複数のノード3Aがメッシュ状に接続されたネットワークのトポロジ情報(「ネットワークトポロジ情報」と称されてもよい。)に基づいて、当該複数のノード3Aによって構成される複数の経路から測定対象の経路を決定する。なお、「経路」は、複数のノードを経由する信号光の伝送経路の一例である。
例えば、経路決定部117は、測定対象の経路として、ネットワーク内の伝送路を一筆書きで通過するような経路を選択してよい。測定対象の経路は、例えば、図8等に示すように、第1実施形態に係る伝送品質量演算部111等による伝送品質量の測定対象となる。
トポロジ情報は、ノード3A等の接続関係を示す情報の一例であり、例えば、ノード3Aが何れのノード3Aと接続されているかを示す情報を含んでよい。
第2実施形態において、トポロジ情報には、方路数が奇数のノード3Aが2つ含まれるものとする。方路数とは、ノード3Aに繋がってる伝送路(「リンク」と称されてもよい。)の数を意味してよい。方路数が奇数である2つのノード3A(図17の例では、ノードD及びE)は、それぞれ、経路決定部117により選択される一筆書きの経路の始点及び終点のノード3Aとなる。
トポロジ情報は、例えば、ノード3A又は制御装置2において生成又は管理されてよい。経路決定部117は、ノード3A又は制御装置2から制御装置2を介してトポロジ情報を取得してよく、或いは、図示しない管理端末等を介してオペレータにより入力されたトポロジ情報を取得してもよい。
なお、制御装置2又はノード3Aは、トポロジ情報の生成又は管理のために、例えば、SDN(Software Defined Networking)コントローラやNMS(Network Management System)等のネットワーク管理ソフトを有してよい。或いは、ノード3Aには、OSPF(Open Shortest Path First)等に対応した機能が実装されてもよい。
メモリ12Aは、図7に示す第1実施形態に係るメモリ12と同様の情報を記憶するとともに、図19に示されるように、例示的に、経路決定用トポロジ情報123(以下、単に、「トポロジ情報123」と表記する場合がある。)を記憶してよい。
例えば、経路決定部117は、制御装置2を介してトポロジ情報を取得すると、当該トポロジ情報を書き換えて、経路決定用トポロジ情報123としてメモリ12Aに格納してよい。
図20は、図17に示された光通信システム100Aにおける経路決定用のトポロジ情報123の一例を示す図である。
例えば、経路決定部117は、取得したトポロジ情報に含まれる各ノード3Aについて、ノード3Aの方路数N(Nは整数)が奇数の場合は(N+1)/2個のノード、Nが偶数の場合はN/2個のノードに分離するように、トポロジ情報を書き換える。
以下、分離したノードを、図17に示すノード3Aと区別するために、ノード3Bと表記する。また、特定のノード3Bを表す場合、図20の表記を用いて「ノードB1」、「ノードC2」のように表記する。ノード3Bは、実際のノード3Aとの関係では、経路決定用の仮の(又は、一時的な、仮想的な)ノードと位置付けられてよい。
なお、図20の例では、便宜上、トポロジ情報123を、ノード3A間の接続関係を表すブロック図により説明するが、メモリ12Aは、例えば、上述した接続関係を示す配列やデータベース等の情報をトポロジ情報123として記憶してよい。
トポロジ情報123では、図20に例示するように、ノード3A間のリンクがノード3B間の複数のリンクに置き換えられてよい。例えば、ノードB−C間のリンクは、トポロジ情報123において、ノードB1−C1間のリンク、ノードB1−C2間のリンク、ノードB2−C1間のリンク、及び、ノードB2−C2間のリンクに置き換えられる。
ノード3B間のリンクは、図21に例示するように、方向を考慮したエッジeの集合として捉えられてよい。例えば、ノードB1−C2間のリンクは、ノードB1からノードC2へのエッジeと、ノードC2からノードB1へのエッジeとを含んでよい。エッジeは、“0”又は“1”の値となる変数であってよく、例えば、エッジeには、経路として採用された場合は“1”、採用されなかった場合は“0”が設定されてよい。
以下、或るノードsrc(Source)から或るノードdst(Destination)へのエッジeを表す場合、エッジの符号「e」に続けて「src」「dst」の符号を付加する。例えば、ノードB1からノードC2へのエッジeをエッジeB1C2、ノードC2からノードB1へのエッジeをエッジeC2B1と表記する。
ここで、図20に例示するように、ノード3Bの各々には、通過順番hが対応付けられてよい。通過順番hは、整数の変数であってよく、経路において信号光がノード3Bを通過する順番が設定されてよい。
以下、特定のノード3Bの通過順番hを表す場合、通過順番の符号「h」に続けてノード3Bの符号を付加する。例えば、ノードB1の通過順番をhB1、ノードF2の通過順番をhF2と表記する。なお、通過順番hは、トポロジ情報123に含まれてもよいし、トポロジ情報123とは別の情報として、例えばノード3Bに対応付けて管理されてもよい。
経路決定部117は、各ノード3Bに係る通過順番hの合計値が最小となるように、各ノード3Bに係る通過順番hを算出してよい。例えば、経路決定部117は、各ノード3Bに係る通過順番hの合計値を最小とする目的関数と、その制約条件とに基づき、数理計画法を用いて通過順番hを算出してよい。
図20の例では、目的関数は、hA+hB1+hB2+hC1+hC2+hD1+hD2+hE1+hE2となる。経路決定部117は、以下の制約条件1〜3の下でこの目的関数が最小となるようなノード3Aのそれぞれの通過順番hを求める。
以下、図22〜図24を参照して、制約条件1〜3について説明する。
(制約条件1)
経路は、ノード3A間の各リンクを1度だけ通過する。
例えば、ノード3A間の各リンクについて、当該リンク内の複数のエッジeのうちのいずれか1つのエッジeのみが“1”になる。一例として、図22に示すように、ノードB−C間のリンクの場合、eB1C1+eC1B1+eB1C2+eC2B1+eB2C1+eC1B2+eB2C2+eC2B2=1の条件式が満たされる。
このように、制約条件1では、一度でも経路として選択されたエッジeが存在するリンクでは、当該リンク内の他のエッジeは選択されない。例えば、ノードB−C間のリンクについて、ノードB1からノードC2へのエッジeB1C2が選択された場合、ノードB−C間の他の残りのエッジeは選択されない。これにより、経路内に冗長なスパンが含まれることを回避できる。
(制約条件2)
ノード3Bの種別により、当該ノード3Bの入出力エッジ本数が制限される。
ノード3Bの種別としては、「始点ノード」、「中間ノード」、及び、「終点ノード」が挙げられる。例えば、経路の始点となる始点ノード3Aでは、当該ノード3A内のいずれかのノード3Bに始点ノード3Bが割り当てられ、経路の終点となる終点ノード3Aでは、当該ノード3A内のいずれかのノード3Bに終点ノード3Bが割り当てられる。始点又は終点ノード3Aにおいて始点又は終点ノード3Bとして選択されなかったノード3B、並びに、経路の中継点となる中間ノード3A内の各ノード3Bには、中間ノード3Bが割り当てられる。
始点ノード3Bでは、当該始点ノード3Bから出るエッジeの合計は“1”となり、当該始点ノード3Bに入るエッジeの合計は“0”となる。すなわち、始点ノード3Bでは、当該始点ノード3Bから出るエッジeが1本、当該始点ノード3Bに向かうエッジeが0本となる。
中間ノード3Bでは、当該中間ノード3Bから出るエッジeの合計は“1”となり、当該中間ノード3Bに入るエッジeの合計は“1”となる。すなわち、中間ノード3Bでは、当該中間ノード3Bから出るエッジeが1本、当該中間ノード3Bに向かうエッジeが1本となる。
終点ノード3Bでは、当該終点ノード3Bから出るエッジeの合計は“0”となり、当該終点ノード3Bに入るエッジeの合計は“1”となる。すなわち、終点ノード3Bでは、当該終点ノード3Bから出るエッジeが0本、当該終点ノード3Bに向かうエッジeが1本となる。
一例として、図23に示すように、ノードD1を始点ノード3Bとした場合、ノードD1から出るエッジeの合計は、eD1B1+eD1B2+eD1C1+eD1C2+eD1E1+eD1E2=1となる。また、ノードD1に入るエッジeの合計は、eB1D1+eB2D1+eC1D1+eC2D1+eE1D1+eE2D1=0となる。
また、例えば、ノードAを中間ノード3Bとした場合、ノードAから出るエッジeの合計は、eAB1+eAB2+eAC1+eAC2=1となる。また、ノードAに入るエッジeの合計は、eB1A+eB2A+eC1A+eC2A=1となる。
さらに、例えば、ノードE2を終点ノード3Bとした場合、ノードE2から出るエッジeの合計は、eE2B1+eE2B2+eE2C1+eE2C2+eE2D1+eE2D2=0となる。また、ノードE2に入るエッジeの合計は、eB1E2+eB2E2+eC1E2+eC2E2+eD1E2+eD2E2=1となる。
このように、制約条件2では、ノード3Bの種別に応じて、当該ノード3Bの隣接ノード3Bとの間で経路に採用されるエッジeの本数が制限される。これにより、経路内に冗長なスパンが含まれることを回避できる。なお、隣接ノード3Bとは、或るノード3Bとのリンクが存在する他のノード3Bを意味してよく、例えば、或るノード3Bと光ファイバ伝送路によって通信可能に接続されている他のノード3Bであってよい。
(制約条件3)
選択されたエッジeの両端のノード3Bの通過順番hの値はhsrc<hdstとなる。
例えば、図24に示すように、ノードB1からノードAへのエッジeB1Aが選択された場合、ノードA及びB1の通過順番hA及びhB1は、−M×(1−eB1A)+hB1−hA<0の条件式を満たすように決定される。なお、Mは十分に大きい数であるとする。
上記条件式において、エッジeB1Aが選択された場合、エッジeB1A=1となり、−M×(1−eB1A)=0となるため、hB1−hA<0が成り立つように(hB1<hAを満たすように)、hB1及びhAが決定される。
なお、エッジeB1Aが選ばれなかった場合は、−M×(1−eB1A)がマイナスの符号で大きな値となるため、上記条件式は、hB1及びhAについて無効な条件となる。
このように、制約条件3では、ノード3Bやエッジeについての制約を与える制約条件1及び2とは異なり、通過順番hについての制約を与える。例えば、上記条件式は、トポロジ情報123内の全てのノード3Bのうちの選択されたエッジeの両端のノード3Bの通過順番hについて有効な条件式となるため、通過順番hを適切に決定することができる。
経路決定部117は、以上のような目的関数、及び、制約条件1〜3に基づき、数理計画法を用いることで、トポロジ情報123内の各ノード3Bの通過順番hを算出し、経路を決定することができる。
次に、図25を参照して、経路の決定結果の一例について説明する。
図25に例示するように、経路決定部117により、ノードDを始点とし、ノードB→A→C→E→D→C→B→Eを一筆書きで巡る、全てのスパンを通過する経路を決定することができる。
なお、経路決定部117は、経路の計算が終了すると、得られた経路情報を制御装置2に通知し、各ノード3Aに対する光クロスコネクト設定を制御装置2に実施させてよい。制御装置2による光クロスコネクト設定の完了を検出すると、経路決定部117は、伝送品質量演算部111に対して、当該経路情報を用いた伝送品質量の測定を指示してよい。伝送品質量の測定は、例えば、上述した第1実施形態に係る手法によって実施されてよい。
なお、経路決定部117は、例えば、制御装置2からの完了通知の受信により光クロスコネクト設定の完了を検出してよい。或いは、経路決定部117は、始点ノード3A(例えばノードD)から中継ノード3Aを経由して終点ノード3A(例えばノードE)に信号光が到達したことを検出した場合に、光クロスコネクト設定の完了を検出してもよい。
これにより、一連の測定処理によってネットワーク全体の各伝送路の伝送品質量を測定することができる。また、制約条件1〜3により、複数のノード3Aが形成するネットワーク内の全てのスパンを通過する経路であって、重複するスパンを経由しない経路を、測定対象の経路として選択することができる。
以上のように、経路決定部117は、複数のノード3Aが形成するネットワーク内の全てのスパンを通過する信号光の伝送経路を、第1の伝送性能に関する指標と第2の伝送性能に関する指標とを取得する対象となる伝送経路に決定する決定部の一例である。
〔B−2〕動作例
上述の如く構成された第2実施形態の光通信システム100Aにおける経路決定動作及び伝送性能推定動作を、図26に示されるフローチャート(処理P31〜P34及びP1〜P4)に従って説明する。
経路決定部117は、制御装置2を介してネットワークトポロジ情報を取得してよい(処理P31)。
経路決定部117は、取得したトポロジ情報に基づいて、経路を決定してよい(処理P32)。経路の決定には、トポロジ情報をノード3Bに関するトポロジ情報123への変換、トポロジ情報123を基にした目標関数、制約条件1〜3の設定、及び、数理計画法に基づく経路順番hの決定が含まれてよい。
経路決定部117は、伝送品質量を未測定の経路が存在するか否かを判定してよい(処理P33)。未測定の経路が存在する場合(処理P33でYes)、経路決定部117は、制御装置2を介して、経路の対象ノード3Aに光クロスコネクトを設定してよい(処理P34)。
光クロスコネクトの設定が完了すると、処理がP1に移行してよい。なお、処理P1〜P4は、図10に例示する処理P1〜P4と同様でよい。例えば、処理P1〜P4では、伝送品質量演算部111により、複数のスパン群のBERの測定、測定したBERから伝送品質量の算出、対象スパンの伝送品質量の算出、及び、算出された各スパンの伝送品質量のメモリ12Aへの格納が行なわれてよい。処理P4が完了すると、処理がP33に移行してよい。
一方、処理P33において、未測定の経路が存在しない場合(処理P33でNo)、処理は終了してよい。なお、処理P33でNoの場合、図10に例示する処理P5〜P9の少なくとも1つの処理が実行されてもよい。
〔B−3〕第2実施形態の変形例
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
上述した第2実施形態においては光通信システム100Aにおける全てのリンクを経由する経路を決定する手法について説明したが、ネットワーク規模に応じて、経由されないリンクが存在してもよい。
例えば、第2実施形態において、一筆書きとなるような経路を抽出する際に、ネットワーク規模が大きい場合には、経路の全長が長くなり、ノード3Aでの伝送品質量の測定が正しく行なえない場合がある。
そこで、一筆書きの解となる経路が存在する場合、経路決定部117は、当該経路の始点ノード3A及び終点ノード3Aを固定した上で、リンクを減らして小規模のトポロジに分割し、小規模のネットワークトポロジについての経路を決定してもよい。換言すれば、経路決定部117は、ネットワーク内の全てのスパンを通過する信号光の伝送経路を、当該波長パスの始点ノード及び終点ノードが共通し、且つ、経由するスパンが互いに異なる複数の伝送経路に分離してよい。これにより、経路を短くすることができ、ノード3Aでの伝送品質量の測定を正しく行なうことができる。
なお、経路決定部117は、例えば、求めた経路内のスパン数が所定の閾値よりも大きい場合に、経路を短くすると判断してよい。
図27は、第2実施形態の変形例において決定された経路の一例を示す図である。
一例として、図27において実線で示すように、ノードB−C間、B−E間、C−E間のリンクを削除したトポロジの場合、経路決定部117は、ノードD→B→A→C→D→Eの経路を求めることができ、経路の全長を短くできる。
また、図27において破線で示すように、ノードB−A間、A−C間、C−D間、B−E間、D−E間のリンクを削除したトポロジの場合、経路決定部117は、ノードD→B→C→Eの経路を求めることができ、経路の全長を短くできる。
さらに、図27において一点鎖線で示すように、ノードB−A間、B−C間、A−C間、C−D間、C−E間、D−E間のリンクを削除したトポロジの場合、経路決定部117は、ノードD→B→Eの経路を求めることができ、経路の全長を短くできる。
経路決定部117は、このように小規模のネットワークトポロジに分割した複数の経路のそれぞれについて、順に、制御装置2に対してノード3Aのクロスコネクト設定を指示し、伝送品質量演算部111に対して各スパンの伝送品質量を算出させてよい。
上述した第2実施形態の変形例に係る処理は、図26の処理P32において実行されてよく、小規模のネットワークトポロジに分割した複数の経路は、処理P33及びP34で1つずつ、測定対象の経路として選択されてよい。換言すれば、伝送品質量演算部111は、分離された複数の伝送経路のそれぞれについて、第1実施形態と同様の手法により、伝送品質量の取得及び推定を行なってよい。
〔C〕その他
開示の技術は上述した各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。各実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した第5変形例と第6変形例とを組み合わせてもよい。すなわち、第5変形例によって更新された各スパンにおける伝送品質量と、第6変形例における各ノードのTx/Rx4において発生する信号光の劣化量とを用いて、波長パスの伝送品質量が算出されてもよい。
〔D〕付記
以上の実施形態及び変形例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数のノードを経由する信号光の伝送経路において、第1のノードと第n(nは3以上の整数)のノードとの間のスパン群を伝送される信号光の第1の伝送性能に関する指標と、前記第1のノードと第m(m<nを満たす自然数)のノードとの間のスパン又はスパン群を伝送される前記信号光の第2の伝送性能に関する指標と、を取得する取得部と、
前記第1及び第2の伝送性能に関する指標に基づいて、前記第mのノードと前記第nのノードとの間のスパンを伝送される前記信号光の伝送性能に関する指標を推定する推定部と、
を備えた、光伝送性能推定装置。
(付記2)
前記推定部は、前記第1の伝送性能に関する指標と前記第2の伝送性能に関する指標との差分に基づいて、前記推定を行なう、
付記1に記載の光伝送性能推定装置。
(付記3)
前記推定部は、いずれか複数のスパンのそれぞれについて前記推定を行ない、
前記推定結果に基づいて、前記いずれか複数のスパンによって形成される区間を伝送される前記信号光の伝送性能に関する指標を算出する算出部
を更に備える、付記1又は2に記載の光伝送性能推定装置。
(付記4)
前記算出結果に基づいて、前記区間における前記信号光の伝送可否を判定する判定部
を更に備える、付記3に記載の光伝送性能推定装置。
(付記5)
前記推定部は、前記いずれか複数のスパンのそれぞれにおいて、前記nの値に応じた複数の前記伝送性能に関する指標について前記推定を行ない、
前記算出部は、前記いずれか複数のスパンのそれぞれについて前記複数の伝送性能に関する指標のうちのいずれかを用いて、前記算出を行なう、
付記3又は4に記載の光伝送性能推定装置。
(付記6)
前記算出部は、前記区間における始点ノード及び終点ノードのそれぞれにおける前記信号光の劣化量を用いて、前記算出を行なう、
付記3〜5のいずれか1項に記載の光伝送性能推定装置。
(付記7)
前記算出部は、前記区間における始点ノード及び終点ノードのそれぞれにおいて前記信号光に発生する雑音量を用いて、前記算出を行なう、
付記3〜6のいずれか1項に記載の光伝送性能推定装置。
(付記8)
前記取得部によって取得された前記第1の伝送性能に関する指標を記憶する第1記憶部と、
前記取得部によって取得された前記第mのノードと前記第nのノードとの間のスパンを伝送される前記信号光の第3の伝送性能に関する指標を記憶する第2記憶部と、
前記第1のノードと前記第nのノードとの間のスパン群を伝送される信号光の伝送性能に関する指標の実測値と、前記第1記憶部によって記憶された前記第1の伝送性能に関する指標と、前記第2記憶部によって記憶された第3の伝送性能に関する指標とに基づいて、前記第2記憶部に記憶された第3の伝送性能に関する指標を更新する更新部と、
を更に備える、付記1〜7のいずれか1項に記載の光伝送性能推定装置。
(付記9)
前記取得部は、前記第1のノードと第n+1のノードとの間のスパン群を伝送される前記信号光の第4の伝送性能に関する指標を更に取得し、
前記推定部は、前記第4の伝送性能に関する指標が所定の閾値より大きい場合に、前記推定を行なう、
付記1〜8のいずれか1項に記載の光伝送性能推定装置。
(付記10)
前記推定部は、前記第1の伝送性能に関する指標が所定の第1の閾値未満であり、かつ、前記第2の伝送性能に関する指標が所定の第2の閾値より大きい場合に、前記推定を行なう、
付記1〜8のいずれか1項に記載の光伝送性能推定装置。
(付記11)
複数のノードを介して接続される信号光の伝送経路において、第1のノードと第n(nは3以上の整数)のノードとの間のスパン群を伝送される信号光の第1の伝送性能に関する指標と、前記第1のノードと第m(m<nを満たす自然数)のノードとの間のスパン又はスパン群を伝送される前記信号光の第2の伝送性能に関する指標と、を取得し、
前記第1及び第2の伝送性能に関する指標に基づいて、前記第mのノードと前記第nのノードとの間のスパンを伝送される前記信号光の伝送性能に関する指標を推定する、
光伝送性能推定方法。
(付記12)
前記第1の伝送性能に関する指標と前記第2の伝送性能に関する指標との差分に基づいて、前記推定を行なう、
付記11に記載の光伝送性能推定方法。
(付記13)
いずれか複数のスパンのそれぞれについて前記推定を行ない、
前記推定結果に基づいて、前記いずれか複数のスパンによって形成される区間を伝送される前記信号光の伝送性能に関する指標を算出する、
を更に備える、付記11又は12に記載の光伝送性能推定方法。
(付記14)
前記算出結果に基づいて、前記区間における前記信号光の伝送可否を判定する、
付記13に記載の光伝送性能推定方法。
(付記15)
前記いずれか複数のスパンのそれぞれにおいて、前記nの値に応じた複数の前記伝送性能に関する指標について前記推定を行ない、
前記いずれか複数のスパンのそれぞれについて前記複数の伝送性能に関する指標のうちのいずれかを用いて、前記算出を行なう、
付記13又は14に記載の光伝送性能推定方法。
(付記16)
前記区間における始点ノード及び終点ノードのそれぞれにおける前記信号光の劣化量を用いて、前記算出を行なう、
付記13〜15のいずれか1項に記載の光伝送性能推定方法。
(付記17)
前記区間における始点ノード及び終点ノードのそれぞれにおいて前記信号光に発生する雑音量を用いて、前記算出を行なう、
付記13〜16のいずれか1項に記載の光伝送性能推定方法。
(付記18)
前記取得された前記第1の伝送性能に関する指標を記憶し、
前記取得された前記第mのノードと前記第nのノードとの間のスパンを伝送される前記信号光の第3の伝送性能に関する指標を記憶し、
前記第1のノードと前記第nのノードとの間のスパン群を伝送される信号光の伝送性能に関する指標の実測値と、前記記憶された前記第1の伝送性能に関する指標と、前記記憶された第3の伝送性能に関する指標とに基づいて、前記記憶された第3の伝送性能に関する指標を更新する、
を更に備える、付記11〜17のいずれか1項に記載の光伝送性能推定方法。
(付記19)
前記第1のノードと第n+1のノードとの間のスパン群を伝送される前記信号光の第4の伝送性能に関する指標を更に取得し、
前記第4の伝送性能に関する指標が所定の閾値より大きい場合に、前記推定を行なう、
付記11〜18のいずれか1項に記載の光伝送性能推定方法。
(付記20)
前記第1の伝送性能に関する指標が所定の第1の閾値未満であり、かつ、前記第2の伝送性能に関する指標が所定の第2の閾値より大きい場合に、前記推定を行なう、
付記11〜18のいずれか1項に記載の光伝送性能推定方法。
(付記21)
前記複数のノードが形成するネットワーク内の全てのスパンを通過する信号光の伝送経路を、前記取得部が前記第1の伝送性能に関する指標と前記第2の伝送性能に関する指標とを取得する対象となる伝送経路に決定する決定部、
を更に備えた、付記1〜10のいずれか1項に記載の光伝送性能推定装置。
(付記22)
前記決定部は、前記ネットワーク内の全てのスパンを通過する信号光の伝送経路に含まれるスパン数が所定の閾値よりも大きい場合、当該伝送経路を、当該伝送経路の始点ノード及び終点ノードが共通し、且つ、経由するスパンが互いに異なる複数の伝送経路に分離し、
前記取得部及び前記推定部は、分離された複数の伝送経路のそれぞれについて、前記取得及び前記推定を行なう、
付記21に記載の光伝送性能推定装置。
(付記23)
前記複数のノードが形成するネットワーク内の全てのスパンを通過する信号光の伝送経路を、前記第1の伝送性能に関する指標と前記第2の伝送性能に関する指標とを取得する対象となる伝送経路に決定する、
付記11〜20のいずれか1項に記載の光伝送性能推定方法。
(付記24)
前記決定は、前記ネットワーク内の全てのスパンを通過する信号光の伝送経路に含まれるスパン数が所定の閾値よりも大きい場合、当該伝送経路を、当該伝送経路の始点ノード及び終点ノードが共通し、且つ、経由するスパンが互いに異なる複数の伝送経路に分離し、
分離された複数の伝送経路のそれぞれについて、前記取得及び前記推定を行なう、
付記23に記載の光伝送性能推定方法。