JP2017199251A - 識別体及びid生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振周波数を用いてIDを識別可能とする識別体において、所望のIDを容易に生成する。【解決手段】ベース基材2に、共振周波数が互いに同一の複数のアンテナ3a〜3eが形成されるとともに、アンテナ3a〜3dのそれぞれに、アンテナ3a〜3dの共振周波数を、付与されたIDに応じた共振周波数にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4a〜4dが積層されている。【選択図】図1

Description

本発明は、共振周波数を用いてIDを識別可能とする識別体及びID生成方法に関する。
昨今、情報化社会の進展に伴って、商品等に貼付されるラベルやタグに情報を記録し、このラベルやタグを用いて商品等の管理が行われている。このようなラベルやタグを用いた情報管理においては、ラベルやタグに対して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なICチップが搭載された非接触型ICラベルや非接触型ICタグ等のRFID技術を利用した識別体がその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。
このようなRFID技術を利用した識別体としては、上述したようにICチップが搭載されたものに限らず、共振周波数が互いに異なる複数のアンテナを有し、ICチップを用いずに複数のアンテナの組み合わせでIDを識別可能とするものも考えられている。例えば、複数のアンテナを構成する誘電子要素とコンデンサ要素の形状を異ならせたり、複数のアンテナの形状や向きを異ならせたりして共振周波数を複数のアンテナ毎に異ならせ、そのアンテナの組み合わせでIDを表現可能とする技術が、特許文献1に開示されている。この技術においては、IDに応じて、共振周波数が互いに異なるアンテナのうち任意のアンテナについて、配線を切断したりコンデンサ部を短絡させたりすることで、IDに応じたアンテナの共振周波数のみを検出できるようにすることにより、アンテナの数をN個とした場合、その共振周波数の検出の可否によって“1”,“0”の2つの情報を持たせることができ、(2N−1)個のIDを識別可能に表現することができる。
また、互いに分離された複数の配線セグメントを固定印刷であるアナログ印刷によって形成しておき、所望の配線セグメント間に接続セグメントを可変印刷であるデジタル印刷によって追加して形成することで所望の配線セグメントを接続し、それにより、アンテナの形状を異ならせる技術が、特許文献2に開示されている。この技術においては、アナログ印刷による固定印刷とデジタル印刷による可変印刷とを組み合わせることにより、アンテナの共振周波数を異ならせることができる。
特公平7−80386号公報 特許第5501601号公報
しかしながら、上述したようにIDに応じてアンテナを加工する場合、相当の設備が必要となり、容易に共振周波数を異ならせることができないという問題点がある。例えば、IDに応じて配線を切断する場合、相当の設備を用いることなく配線を容易に切断可能とするためには配線部分が外部に表出している必要があるが、配線部分が外部に表出していると、配線が意図せずに断線してしまう虞がある。また、コンデンサ部を短絡させる場合、専用の熱圧器/高周波設備等が必要となってしまい、不良が生じやすい。さらに、固定印刷と可変印刷とを組み合わせる場合、配線セグメントを構成する導電性インクを乾燥させるための高温の乾燥炉が必要となり、容易に共振周波数を異ならせることができない。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、共振周波数を用いてIDを識別可能とする識別体において、所望のIDを容易に生成することができる識別体及びID生成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
ベース基材上に導電性アンテナが形成されてなり、該導電性アンテナの少なくとも共振周波数を用いて、付与されたIDを識別可能とする識別体であって、
前記導電性アンテナには、当該導電性アンテナを封止するための封止剤及び前記ベース基材とは異なる非金属の誘電体が対向して配置されている。
上記のように構成された本発明においては、ベース基材上に形成された導電性アンテナに、導電性アンテナを封止するための封止剤及びベース基材とは異なる非金属の誘電体が対向して配置されていることで、導電性アンテナの周波数特性が変化する。そのため、この周波数特性の変化を利用することで、所望のIDが生成されることになる。
例えば、(比誘電率)×(誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される誘電体の損失係数が、0.75以下であり、かつ、導電性アンテナの共振周波数を所望のIDに応じた周波数にシフトさせる値であれば、誘電体を導電性アンテナに対向して配置することで導電性アンテナに誘電体が一体化することによって、結果として導電性アンテナの共振周波数がIDとして機能し、この共振周波数を検出することによってIDを生成することができる。
このように、ベース基材上に形成された導電性アンテナに、(比誘電率)×(誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される誘電体の損失係数が所望のIDに応じた値となる誘電体を対向して配置することで所望のIDが生成されるので、導電性アンテナに意図しない断線が生じることなく、かつ、専用の熱圧器/高周波設備や、高温の乾燥炉を用いることなく、所望のIDを容易に生成することができる。
本発明によれば、ベース基材上に形成された導電性アンテナに、導電性アンテナを封止するための封止剤及びベース基材とは異なる非金属の誘電体を対向して配置することで所望のIDが生成されるため、導電性アンテナに意図しない断線が生じることなく、かつ、専用の熱圧器/高周波設備や、高温の乾燥炉を用いることなく、所望のIDを容易に生成することができる。
例えば、(比誘電率)×(誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される誘電体の損失係数が、0.75以下であり、かつ、導電性アンテナの共振周波数を所望のIDに応じた周波数にシフトさせる値であれば、誘電体を導電性アンテナに対向して配置することで、導電性アンテナの共振周波数がIDに応じたものとなり、この共振周波数を検出することによってIDを生成することができる。
本発明の識別体の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は樹脂層4を取り除いた表面の構成を示す図である。 本発明の識別体の他の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は樹脂層を取り除いた表面の構成を示す図である。 図1及び図2に示したIDタグに付与されたIDを生成、判別するID生成システムの一例を示す図である。 アンテナ上に比誘電率が異なる樹脂層が積層された場合におけるアンテナからの反射波の周波数特性の変化を示す図である。 図1及び図2に示したIDタグからの反射波の周波数特性を示す図であり、(a)は図1に示したIDタグの周波数特性を示す図、(b)は図2に示したIDタグの周波数特性を示す図である。 本発明の識別体の他の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は裏面図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の識別体の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は樹脂層4a〜4dを取り除いた表面の構成を示す図である。なお、図1(c)においては樹脂層4a〜4dが積層される領域を破線で示している。
本形態における識別体は図1に示すように、樹脂フィルム等の絶縁性材料からなるベース基材2に5つの導電性のアンテナ3a〜3eが形成され、さらに、このアンテナ3a〜3eのうち、アンテナ3a〜3d上にそれぞれ樹脂層4a〜4dが積層されて構成されたIDタグ1aである。
アンテナ3a〜3eは、長方形の外形を有し、その短辺の1つからスリットが長手方向に入った形状となっており、互いに同一の形状を有することで、互いに同一の共振周波数を有している。IDタグ1aは、アンテナ3a〜3eの共振周波数を用いて任意のIDを識別可能とするものであるが、アンテナ3a〜3eは、ベース基材2にIDによらずに同一の形状で固定印刷によって形成されている。
樹脂層4a〜4dは、比誘電率が互いに異なっている。樹脂層4a〜4dは、例えば、樹脂を含有する液体を、アンテナ3a〜3dの外形よりも大きな長方形形状にベタ印刷によってアンテナ3a〜3dを覆って塗布することで、アンテナ3a〜3d上に積層することができる。これにより、アンテナ3a〜3dのそれぞれに樹脂層4a〜4dが対向して配置された構成となっている。
このように、アンテナ3a〜3d上に樹脂層4a〜4dが積層されることでアンテナ3a〜3dに樹脂層4a〜4dが一体化されることにより、アンテナ3a〜3dからの反射波にて検出される共振周波数が、アンテナ3a〜3d単体の場合に対して変化することになる。すなわち、アンテナ3a〜3dを封止する封止剤や、ベース基材2とは異なる非金属の誘電体となる樹脂層4a〜4dをアンテナ3a〜3dに対向して配置することで、アンテナ3a〜3dからの反射波にて検出される共振周波数を変化させ、この共振周波数をIDとして機能させることで、所望のIDを生成することになるが、樹脂層4a〜4dの比誘電率が互いに異なるものであるため、アンテナ3a〜3eの共振周波数が樹脂層4a〜4dの比誘電率に応じた量だけシフトし、それにより、アンテナ3a〜3eからの反射波においては、互いに異なる共振周波数が検出されることになる。その詳細は後述する。
図2は、本発明の識別体の他の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は樹脂層4a,4b,4dを取り除いた表面の構成を示す図である。なお、図1(c)においては樹脂層4a,4b,4dが積層される領域を破線で示している。
本形態における識別体は図2に示すように、図1に示したものに対して、ベース基材2に形成されたアンテナ3a〜3eのうち、樹脂層が積層されるアンテナが異なっている。本形態によるIDタグ1bは、アンテナ3a〜3eのうちアンテナ3a,3b,3dのみにそれぞれ樹脂層4a,4b,4dが積層されている。
このように構成されたIDタグ1a,1bは、それぞれ識別可能となるIDが付与されており、ベース基材2に形成されたアンテナ3a〜3eのうち、IDタグ1a,1bに付与されたIDに応じて選択されるアンテナ上に、IDに応じた比誘電率を有する樹脂層が積層されている。そして、IDタグ1a,1bに対して電磁波が送信された場合に、その電磁波に対する反射波が受信され、反射波における反射強度によって検出された共振周波数に応じた個別IDが共振周波数の順序で並べられることで、IDタグ1a,1bに付与されたIDが生成、判別されることになる。
以下に、上記のように構成されたIDタグ1a,1bに付与されたIDを生成、判別するID生成方法について説明する。
図3は、図1及び図2に示したIDタグ1a,1bに付与されたIDを生成、判別するID生成システムの一例を示す図である。なお、図3においては、IDタグ1bの図示を省略しているが、IDタグ1aと同様に、読取装置5から送信された電磁波がIDタグ1bにて反射することとなる。
本例におけるID生成システムは図2に示すように、図1に示したIDタグ1aと、IDタグ1aに付与されたIDを生成、判別する読取装置5とから構成され、読取装置5は、アンテナ30a,30bと、電磁波放射部10と、反射波受信部20と、処理部40と、制御部50とを有する。
電磁波放射部10は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数、及び、アンテナ3a〜3d上に樹脂層4a〜4dが積層されることによって変化したアンテナ3a〜3dの共振周波数を含む電磁波をアンテナ30aを介して送信する。
反射波受信部20は、電磁波放射部10からアンテナ30aを介して送信された電磁波に対してアンテナ30bを介して受信されたIDタグ1a,1bからの反射波を受信する。
処理部40は、反射強度検知部41と、ID生成部42とを有する。
反射強度検知部41は、反射波受信部20にて受信された反射波における反射強度を検知する。
ID生成部42は、反射強度検知部41にて検知された反射強度によってIDタグ1a,1bにおける共振周波数を検出し、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数、及び、アンテナ3a〜3d上に樹脂層4a〜4dが積層されることによって変化した共振周波数のそれぞれについて、検出された共振周波数についての個別IDを“1”とし、検出されなかった共振周波数についての個別IDを“0”とし、これら“1”と“0”とを共振周波数の順序で並べることで、IDタグ1a,1bに付与されたIDを生成、判別する。この際、ID生成部42においては、樹脂層4a〜4dが積層されていないアンテナ3eを基準アンテナとし、その基準アンテナに対する周波数のシフト量を用いて、樹脂層4a〜4dが積層されることによって変化した共振周波数を認識することが考えられる。なお、樹脂層4a〜4dが積層されていないアンテナ3eにおいては、後述するように、樹脂層4a〜4dが積層されたアンテナに対して共振周波数が高いものとなるため、ID生成部42においては、共振周波数を用いて基準アンテナを判別することができる。
制御部50は、電磁波放射部10における電磁波の放射、及び処理部40における各処理を制御する。
以下に、上記のように比誘電率が互いに異なる樹脂層4a〜4dを、互いに同一形状を有するアンテナ3a〜3d上に積層することで、IDを生成することができる原理について説明する。
図4は、アンテナ上に比誘電率が異なる樹脂層が積層された場合におけるアンテナからの反射波の周波数特性の変化を示す図である。
例えば、図4に示すように、8.3GHz近傍に共振周波数を有するアンテナ上に、膜厚が10μm、周波数10GHzにおける誘電正接が0.002の誘電体からなる樹脂層を積層し、その比誘電率εを2〜7と変化させて周波数特性を測定した。
すると、アンテナからの反射波における反射強度によって検出される共振周波数が、比誘電率が大きくなるに伴って低い周波数にシフトする。この現象は、樹脂層の比誘電率を変化させた場合に限らず、樹脂層の膜厚や誘電正接を変化させた場合にも生じる。ただし、(比誘電率)×(周波数10GHzにおける誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される損失係数が0.75を超えてしまうと、アンテナからの反射波における反射強度が、共振周波数を検出したと判断するための基準に達しない程度のものとなってしまう虞があるため、(比誘電率)×(周波数10GHzにおける誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される損失係数を0.75以下とすることが好ましい。なお、共振周波数を検出したと判断するための基準としては、反射強度における電力が半分となる程度のものが考えられる。
この原理を利用して、図1及び図2に示したIDタグ1a,1bにおいても、比誘電率が互いに異なる樹脂層4a〜4dを、互いに同一形状を有するアンテナ3a〜3d上に積層することで、アンテナ3a〜3dの共振周波数を変化させ、その共振周波数を用いて任意のIDを生成、判別することができる。
図5は、図1及び図2に示したIDタグ1a,1bからの反射波の周波数特性を示す図であり、(a)は図1に示したIDタグ1aの周波数特性を示す図、(b)は図2に示したIDタグ1bの周波数特性を示す図である。
図1に示したIDタグ1aは、上述したように、ベース基材2上に、互いに同一の形状を有することで互いに同一の共振周波数を有する5つのアンテナ3a〜3eが形成され、この5つの導電性のアンテナ3a〜3eのうち、アンテナ3a〜3d上に、互いに比誘電率が異なる樹脂層4a〜4dがそれぞれ積層されて構成されている。そして、樹脂層4aの比誘電率が最も大きく、樹脂層4bの比誘電率が2番目に大きく、樹脂層4cの比誘電率が3番目に大きく、樹脂層4dの比誘電率が最も小さなものとなっている。
そのため、IDタグ1aに対して図3に示した読取装置5の電磁波放射部10から電磁波を送信すると、図5(a)に示すように、読取装置5の反射波受信部20にて受信されたIDタグ1aからの反射波においては、アンテナ3e単体の共振周波数f1と、アンテナ3d単体の共振周波数f1がアンテナ3d上に積層された樹脂層4dによって低周波数側にシフトしたf2と、アンテナ3c単体の共振周波数f1がアンテナ3c上に積層された樹脂層4cによって低周波数側にシフトしたf3と、アンテナ3b単体の共振周波数f1がアンテナ3b上に積層された樹脂層4bによって低周波数側にシフトしたf4と、アンテナ3a単体の共振周波数f1がアンテナ3a上に積層された樹脂層4aによって低周波数側にシフトしたf5とにおいて、反射強度のピークによって共振周波数が検出されることになる。
読取装置5のID生成部43においては、上記のようにして共振周波数が検出される周波数f1〜f5のそれぞれについて、共振周波数が検出された場合にその個別IDを“1”とし、共振周波数が検出されなかった場合にその個別IDを“0”とし、これらを周波数が低い順序で並べることで、IDタグ1aに付与されたID“11111”が生成、判別される。
一方、IDタグ1bに対して図3に示した読取装置5の電磁波放射部10から電磁波を送信すると、図5(b)に示すように、読取装置5の反射波受信部20にて受信されたIDタグ1bからの反射波においては、アンテナ3e単体の共振周波数f1と、アンテナ3d単体の共振周波数f1がアンテナ3d上に積層された樹脂層4dによって低周波数側にシフトしたf2と、アンテナ3b単体の共振周波数f1がアンテナ3b上に積層された樹脂層4bによって低周波数側にシフトしたf4と、アンテナ3a単体の共振周波数f1がアンテナ3a上に積層された樹脂層4aによって低周波数側にシフトしたf5とにおいて、反射強度のピークによって共振周波数が検出されることになる。しかし、IDタグ1bにおいては、アンテナ3c上に樹脂層4cが積層されていないため、IDタグ1aのようにf3においては共振周波数が検出されず、アンテナ3cにおいては、アンテナ3eと同様にアンテナ3c単体の共振周波数f1にて共振周波数が検出されることになる。
読取装置5のID生成部43においては、上記のようにして共振周波数が検出される周波数f1〜f5のそれぞれについて、上記同様に、共振周波数が検出された場合にその個別IDを“1”とし、共振周波数が検出されなかった場合にその個別IDを“0”とし、これらを周波数が低い順序で並べることで、IDタグ1bに付与されたID“11011”が生成、判別される。
このように、IDタグ1a,1bにおいては、付与されたIDに応じてアンテナ3a〜3d上に樹脂層4a〜4dが積層されている。すなわち、IDタグ1a,1bに付与された5ビットからなるIDの1ビット目が“1”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf5にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4aがアンテナ3a〜3eのいずれかの上に積層され、付与されたIDの1ビット目が“0”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf5にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4aがアンテナ3a〜3eのいずれの上にも積層されていないものとなる。同様に、IDタグ1a,1bに付与された5ビットからなるIDの2ビット目が“1”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf4にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4bがアンテナ3a〜3eのいずれかの上に積層され、付与されたIDの2ビット目が“0”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf4にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4bがアンテナ3a〜3eのいずれの上にも積層されていないものとなる。同様に、IDタグ1a,1bに付与された5ビットからなるIDの3ビット目が“1”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf3にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4cがアンテナ3a〜3eのいずれかの上に積層され、付与されたIDの3ビット目が“0”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf3にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4cがアンテナ3a〜3eのいずれの上にも積層されていないものとなる。同様に、IDタグ1a,1bに付与された5ビットからなるIDの4ビット目が“1”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf2にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4dがアンテナ3a〜3eのいずれかの上に積層され、付与されたIDの4ビット目が“0”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf2にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4dがアンテナ3a〜3eのいずれの上にも積層されていないものとなる。なお、IDタグ1a,1bに付与された5ビットからなるIDの全てのビットが“0”である場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf2〜f2以外の周波数にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層をアンテナ3a〜3eの全ての上に積層すればよい。ただし、上述したように、樹脂層4a〜4dが積層されていないアンテナ3eを基準アンテナとして用いる場合は、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf2〜f2以外の周波数にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層をアンテナ3a〜3eの全ての上に積層することはできない。その場合は、ID生成部42においては、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数、及び、アンテナ3a〜3d上に樹脂層4a〜4dが積層されることによって変化した共振周波数をそれぞれ予め登録しておき、登録された共振周波数のそれぞれについて、共振周波数が検出された場合に個別IDを“1”とし、共振周波数が検出されなかった場合に個別IDを“0”とすることが考えられるが、IDタグ1a,1bの周辺環境によっても共振周波数が変化する可能性があるため、あまり好ましくはない。
このような構成とすることで、IDタグ1a,1bからの反射波の周波数特性を変化させ、周波数特性にて検出される共振周波数を、IDタグ1a,1bに付与されたIDに応じた値にシフトさせることができ、この共振周波数を検出することでIDを生成、判別することができる。それにより、アンテナに意図しない断線が生じることなく、かつ、専用の熱圧器/高周波設備や、高温の乾燥炉を用いることなく、所望のIDを容易に生成することができる。
(他の実施の形態)
図6は、本発明の識別体の他の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は裏面図である。
本形態における識別体は図6に示すように、図1に示したものに対して、アンテナ3a〜3d上に樹脂層4a〜4dがそれぞれ積層されているのではなく、ベース基材2のアンテナ3a〜3eが形成された面とは反対側の面に、アンテナ3a〜3dにそれぞれ対向して樹脂層4a〜4dが配置されている点が異なるIDタグ1cである。
本形態によるIDタグ1cにおいても、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf5にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4aがアンテナ3aに対向して配置され、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf4にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4bがアンテナ3bに対向して配置され、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf3にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4cがアンテナ3cに対向して配置され、アンテナ3a〜3e単体の共振周波数f1をf2にシフトさせることができる比誘電率を有する樹脂層4dがアンテナ3dに対向して配置された構成することで、図3に示した読取装置5の電磁波放射部10から電磁波が送信された場合、読取装置5の反射波受信部20にて受信されたIDタグ1cからの反射波においては、f1〜f5のそれぞれについて共振周波数が検出され、それにより、読取装置5のID生成部42において、IDタグ1cに付与されたID“11111”が生成、判別することになる。
なお、上述した実施の形態においては、アンテナ3a〜3eの外形よりも大きな長方形形状の樹脂層4a〜4dを、アンテナ3a〜3d上に積層することでこれらアンテナ3a〜3dに樹脂層4a〜4dを対向させて配置しているが、アンテナ3a〜3eと同一形状の樹脂層を用いたり、アンテナ3a〜3eの外形よりも小さな長方形形状の樹脂層を用いたりしてもよい。ただし、アンテナ3a〜3eの外形よりも小さな長方形形状の樹脂層を用いた場合は、共振周波数のシフト量が小さくなる。
また、上述した実施の形態においては、ベース基材上に同一形状を有することで同一の共振周波数を有するアンテナが複数形成されているが、形状が互いに異なることにより共振周波数が互いに異なる複数のアンテナや、向きが互いに異なることにより偏波方向が互いに異なる複数のアンテナをベース基材上に形成し、これらについても上記同様に、比誘電率や樹脂層の膜厚や誘電正接が互いに異なることで、(比誘電率)×(周波数10GHzにおける誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される損失係数が互いに異なる誘電体を積層させることで、より多くのIDを生成することができる。その場合も含めて、複数のアンテナのうち少なくとも1つのアンテナに樹脂層が積層されず、その他のアンテナに樹脂層が積層されるというように、樹脂層が積層されたアンテナと樹脂層が積層されていないアンテナとが、それぞれ少なくとも1つずつ混在した構成とすることで、IDが生成されることになる。なお、全てのアンテナに、損失係数が互いに異なる樹脂層を積層することで共振周波数を互いに異ならせる構成であってもよい。ただしその場合、基準アンテナとされるアンテナに積層される樹脂層の損失係数を一定のものとし、その損失係数に応じた共振周波数を把握しておく必要がある。
また、上述した実施の形態においては、共振周波数が検出された場合にその個別IDを“1”とし、共振周波数が検出されなかった場合にその個別IDを“0”とし、これらを周波数が低い順序で並べることで、IDタグ1a,1bに付与されたIDを生成、判別しているが、個別IDを並べる順序は周波数が高い順序であってもよい。その場合、IDタグ1a,1bにてアンテナ3a〜3d上に積層される樹脂層4a〜4dもこれに応じたものとなることは言うまでもない。
また、上述したように、複数のアンテナを用いて複数のビットからなるIDを生成、判別するものに限らず、一定の形状を有する1つのアンテナが形成されてなるIDタグについて、IDタグ毎に、アンテナの共振周波数をIDタグに付与されたIDに対応する共振周波数にシフトさせることができる損失係数を有する誘電体を、アンテナに対向して配置させることで、IDタグ毎に異なるIDを付与することができる。
また、上述した実施の形態においては、樹脂層によってアンテナの共振周波数をIDに応じた周波数にシフトさせているが、共振周波数が互いに異なる複数のアンテナのうちIDに応じたアンテナのみ樹脂層によってその共振周波数を検出できなくすることによって、所望のIDを生成してもよい。その場合は、樹脂層の比誘電率等の損失係数を、アンテナからの反射波における反射強度が、共振周波数を検出したと判断するための基準に達しない程度となる値とすればよい。
また、アンテナの形状としては、上述した実施の形態にて示したように、長方形の外形を有し、その短辺の1つからスリットが長手方向に入ったものに限らない。
また、上述した実施の形態においては、共振周波数が検出された場合にその個別IDを“1”とし、共振周波数が検出されなかった場合にその個別IDを“0”とし、これら“1”と“0”とを共振周波数の順序で並べることで、IDタグに付与されたIDを生成、判別しているが、共振周波数が検出された場合にその個別IDを“0”とし、共振周波数が検出されなかった場合にその個別IDを“1”とし、これら“0”と“1”とを共振周波数の順序で並べることで、IDタグに付与されたIDを生成、判別してもよい。
1a〜1c IDタグ
2 ベース基材
3a〜3e,30a,30b アンテナ
4a〜4d 樹脂層
5 読取装置
10 電磁波放射部
20 反射波受信部
40 処理部
41 反射強度検知部
42 ID生成部
50 制御部

Claims (3)

  1. ベース基材上に導電性アンテナが形成されてなり、該導電性アンテナの少なくとも共振周波数を用いて、付与されたIDを識別可能とする識別体であって、
    前記導電性アンテナには、当該導電性アンテナを封止するための封止剤及び前記ベース基材とは異なる非金属の誘電体が対向して配置されている、識別体。
  2. 請求項1に記載の識別体において、
    前記誘電体は、(比誘電率)×(誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される損失係数が、0.75以下であり、かつ、前記導電性アンテナの共振周波数を当該誘電体によって前記IDに応じた周波数にシフトさせる値である、識別体。
  3. ベース基材上に導電性アンテナが形成されてなる識別体について、前記導電性アンテナの共振周波数を用いてIDを生成するID生成方法であって、
    (比誘電率)×(誘電正接)×(膜厚[μm])1/2から算出される損失係数が、0.75以下であり、かつ、前記IDに応じた値となる誘電体を、前記導電性アンテナに対向して配置することで、当該導電性アンテナの共振周波数を前記IDに応じた周波数にシフトさせる、ID生成方法。
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