JP2017199094A - 自律走行装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの減り方の不均衡を是正して、タイヤの寿命の延命化と、メンテナンス回数の軽減を図ることを課題とする。【解決手段】タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、車輪を制御する走行制御部と、タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備える。タイヤ消耗判定部が、各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、走行経路設定部が、タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定する。【選択図】図8

Description

この発明は、自律走行装置に関し、特に、自律走行装置に装着されたタイヤの消耗量に基づいて走行経路を設定する機能を有する自律走行装置に関する。
今日、荷物を搬送する搬送用ロボットや、建物内および建物周辺や所定の敷地内の状況
を監視する監視用ロボットなど、自律的に移動する自律走行装置が利用されている。
このような従来の自律走行装置は、走行すべき領域の地図情報と移動経路情報とを予め
記憶し、カメラ、距離画像センサ、GPS(Global Positioning System)から取得した
情報を利用して、所定の経路を走行する。
また、自律走行装置は、長時間の走行、定位置旋回、急加速急停止、アライメント不良等のため、タイヤや駆動ベルトの摩耗が発生する。従来からタイヤ等の摩耗を検知する技術が提案され、たとえば、タイヤの回転数の累積値から検出した摩耗量に基づいて、メンテナンスの有無を判断し、タイヤのローテーションの必要性や、タイヤの交換時期に達したことなどの判断結果を運転者に提示する運転支援装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2015−51704号公報
しかし、回転数の累積値だけでメンテナンスの有無を判定する場合、例えば、タイヤの消耗ではなく、空気圧の低下や不均衡が生じた場合でも回転数の累積値が変化し、また左右のタイヤの回転数に差が出ることがあり、「タイヤのローテーションが必要」というような判断がされてしまう場合がある。
また、所定の走行経路を常に巡回する監視用の自律走行車では、同じ場所で同様の旋回動作等をすることになり、左右のタイヤの減り方に不均衡が生じやすく、頻繁にタイヤのローテーションが必要となる。また、不均衡が生じているにもかかわらず、一定期間の使用後にタイヤのローテーションをするというような運用形態では、左右のタイヤの不均衡が大きくなりやすく、タイヤの部品寿命も短くなる。
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、左右のタイヤの減り方に所定量以上の不均衡が生じた場合には、左右のタイヤの減り方の不均衡を是正して、タイヤの寿命の延命化と、メンテナンス回数の軽減と、走行の安定性を確保することを課題とする。
この発明は、タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を制御する走行制御部と、前記タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、前記タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備え、前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定することを特徴とする自律走行装置を提供するものである。
これによれば、タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定するので、タイヤの減り方を均衡にすることができる。特に、左右のタイヤの減り方が均衡になることにより、直進性能の向上など、走行の安定性を確保することができる。また、タイヤの減り方に不均衡が生じても、すぐにタイヤローテーションなどのメンテナンスをするのではなく、走行経路を再設定するだけなので、メンテナンスの回数を減らすことができる。
また、進行方向の方位を測定する方位測定部をさらに備え、前記方位測定部によって走行前に測定した基準方位と、所定の距離だけ直進走行させた後に測定した走行後方位との方位差が、予め設定された方位誤差よりも大きい場合は、前記タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判断することを特徴とする。
また、所定の空間の画像を撮影する撮影部をさらに備え、前記撮影部によって走行前に撮影した進行方向の基準画像と、所定の距離だけ直進走行させた後に撮影した走行後画像との間の水平方向のずれが、予め設定された画像ずれ角度よりも大きい場合は、前記タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判断することを特徴とする。
また、前記左右の車輪に取り付けられ左右の車輪の回転数をそれぞれ測定する左エンコーダと右エンコーダをさらに備え、走行前に前記左右のエンコーダによって走行前回転数を測定し、所定の距離だけ直進走行させた後に前記左右のエンコーダによって走行後回転数を測定し、左エンコーダによって測定された走行後回転数と走行前回転数の測定差と、右エンコーダによって測定された走行後回転数と走行前回転数の測定差との間に差異があり、前記左エンコーダの測定差と前記右エンコーダの測定差とのいずれかが、予め設定された計数差よりも大きい場合は、前記タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定することを特徴とする。
また、前記タイヤの溝の消耗量を測定する溝測定部を備え、前記溝測定部によって測定された左タイヤの溝の消耗量と右タイヤの溝の消耗量に所定量以上の差異が生じている場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定することを特徴とする。
また、自律走行装置が左旋回した累積回数と右旋回した累積回数とを計数する旋回数取得部を備え、前記計数した左旋回した累積回数と右旋回した累積回数との差が、所定のしきい値回数よりも大きくなった場合、前記走行経路設定部が、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数とが近づくように、走行経路を再設定することを特徴とする。
また、走行経路を再設定することには、走行経路の進行方向を逆転させることと、所定の位置での旋回方向を逆転させることを含むことを特徴とする。
また、前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定し、左タイヤのほうが消耗していると判定した場合は、前記走行経路設定部は、走行経路を反時計回りの多いルートに変更すること、および停止位置での旋回方向を反時計回りに変更することのうち、少なくともいずれか一方の変更を行うことを特徴とする。
また、前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定し、右タイヤのほうが消耗していると判定した場合は、前記走行経路設定部は、走行経路を時計回りの多いルートに変更すること、および停止位置での旋回方向を時計回りに変更することのうち、少なくともいずれか一方の変更を行うことを特徴とする。
これによれば、消耗が大きいほうのタイヤの減り方を少なくするように、走行経路を再設定するので、左右のタイヤの減り方を均衡にすることができる。
また、表示部をさらに備え、前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤのいずれかの消耗の程度が所定の判定値よりも大きい場合、タイヤのメンテナンスが必要と判定し、前記表示部に、タイヤのメンテナンスが必要であることを表示することを特徴とする。
さらに、この発明は、自律走行装置の走行経路設定方法であって、自律走行装置が、タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を制御する走行制御部と、前記タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、前記タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備え、前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定することを特徴とする自律走行装置の走行経路設定方法を提供するものである。
また、この発明は、自律走行装置と管理サーバとからなる走行経路設定システムであって、自律走行装置が、タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を制御する走行制御部と、タイヤの消耗を判定するための測定データを管理サーバに送信する第1通信部とを備え、管理サーバが、前記測定データを受信する第2通信部と、前記タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、前記タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備え、前記管理サーバのタイヤ消耗判定部が、各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定し、前記第2通信部が、タイヤの消耗の判定結果と、再設定した走行経路情報とを、自律走行装置に送信することを特徴とする走行経路設定システムを提供するものである。
この発明によれば、タイヤ消耗判定部が、車輪にそれぞれ取り付けられた各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、走行経路設定部が、タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定するので、タイヤの減り方が均衡になり、タイヤの寿命を長くすることができ、メンテナンスの回数を減らすことができる。
この発明の自律走行装置の一実施例の外観図である。 この発明の自律走行装置の走行に関係する構成の説明図である。 この発明の自律走行装置の一実施例の構成ブロック図である。 この発明の距離検出部の一実施例の概略説明図である。 この発明の距離検出部から出射されるレーザーの走査方向の概略説明図である。 この発明のレーザーの照射領域を、上方向および後方から見た概略説明図である。 この発明の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明の記憶部に記憶される判定条件情報の一実施例の説明図である。 車両の走行方向と左右のタイヤの摩耗の関係と、走行経路の変更基準の一実施例の説明図である。 時計回りの経路と、反時計回りの経路の一実施例の説明図である。 テスト走行におけるタイヤの消耗判定と走行経路の変更処理などのフローチャートである。
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
<自律走行装置の構成>
図1に、この発明の自律走行装置の一実施例の外観図を示す。
図1において、この発明の自律走行装置1は、所定の経路情報に基づいて、障害物を避けながら、自律的に移動する機能を有する車両である。
また、自律走行装置1は、移動機能に加えて、輸送機能、監視機能、掃除機能、誘導機能、通報機能などの種々の機能を備えてもよい。
以下の実施例では、主として、屋外の所定の監視領域や通路を自律走行し、監視領域等の監視や輸送を行うことのできる自律走行装置について説明する。
図1の外観図において、自律走行装置1(以下、車両とも呼ぶ)は、主として、車体10と、4つの車輪(21,22)と、監視ユニット2と、制御ユニット3とを備える。
監視ユニット2は、移動する領域や路面の状態を確認する機能や監視対象を監視する機能を有する部分であり、たとえば、移動する前方空間の状態を確認する距離検出部51、カメラ(撮像部)55、進行方向の方位を測定する方位測定部57、走行している現在位置の情報を取得する位置情報取得部58などから構成される。
制御ユニット3は、この発明の自律走行装置の有する走行機能や監視機能などを実行する部分であり、たとえば後述するような制御部50、走行制御部52、通信部54、画像認識部56、タイヤ消耗判定部62、記憶部70などから構成される。
この発明の自律走行装置1は、カメラ55、距離検出部51および位置情報取得部58等を利用して、車体10の進行方向の前方の状態を確認しながら自走する。たとえば、前方に、障害物や段差等が存在することを検出した場合には、障害物に衝突することなどを防止するために、静止、回転、後退、前進等の動作を行って進路を変更し、画像認識により障害物を認識した場合や、接触を検出した場合には、車体の停止動作など、所定の機能を実行する。
ただし、狭い通路を走行する場合、あるいは障害物を検出したが障害物に衝突することなく走行が可能な場合は、減速せずに自律走行を継続させる。
図2に、この発明の自律走行装置の走行に関係する構成の説明図を示す。
図2(a)は、車両1の右側面図であり、右側の前輪21や後輪22を仮想線で示している。また、図2(b)は、図2(a)のB−B線矢視断面図を示し、後述するスプロケット21b,22b,31b,32bを仮想線で示している。車体10の前面13に前輪(21,31)を配置し、後面14に後輪(22,32)を配置する。
車体10の各側面12R,12Lには帯状のカバー18が設置され、車体10の前後方向に沿って延びている。カバー18の下側には、前輪21、31および後輪22、32をそれぞれ回転支持する車軸21a,31aおよび車軸22a、32aが設けられている。各車軸21a,31a,22a,32aは、動力伝達部材によって結合されない場合は、独立して回転可能となっている。
左右のそれぞれ一対の前輪(21,31)と後輪(22,32)とには、動力伝達部材であるベルト23,33が設けられている。具体的には、右側の前輪21の車軸21aにはスプロケット21bが設けられ、後輪22の車軸22aにはスプロケット22bが設けられる。また、前輪のスプロケット21bと後輪のスプロケット22bとの間には、例えばスプロケットと歯合する突起を内面側に設けたベルト23が巻架されている。同様に、左側の前輪31の車軸31aにはスプロケット31bが設けられるとともに、後輪32の車軸32aにはスプロケット32bが設けられており、前輪のスプロケット31bと後輪のスプロケット32bとの間には、ベルト23と同様の構造を持つベルト33が巻架されている。
したがって、左右のそれぞれ一対の前輪と後輪(21と22,31と32)は、ベルト(23,33)によって連結駆動されるので、一方の車輪を駆動すればよい。たとえば、前輪(21,31)を駆動すればよい。一方の車輪を駆動輪とした場合に、他方の車輪は、動力伝達部材であるベルトによってスリップすることなく駆動される従動輪として機能する。
左右それぞれ一対の前輪と後輪とを連結駆動する動力伝達部材としては、スプロケットとこのスプロケットに歯合する突起を設けたベルトを用いるほか、例えば、スプロケットとこのスプロケットに歯合するチェーンを用いてもよい。さらに、スリップが許容できる場合は、摩擦の大きなプーリーとベルトを動力伝達部材として用いてもよい。ただし、駆動輪と従動輪の回転数が同じとなるように動力伝達部材を構成する。
図2では、前輪(21,31)が駆動輪に相当し、後輪(22,32)が従動輪に相当する。
車体10の底面15の前輪側には、右側の前後輪21,22を駆動するための電動モータ41Rと、左側の前後輪31,32を駆動するための電動モータ41Lの2つのモータが設けられている。右側の電動モータ41Rのモータ軸42Rと右側の前輪21の車軸21aとの間には、動力伝達機構としてギアボックス43Rが設けられている。同様に、左側の電動モータ41Lのモータ軸42Lと左側の前輪31の車軸31aとの間には、動力伝達機構としてギアボックス43Lが設けられている。ここでは、2つの電動モータ41R,41Lは車体の進行方向の中心線に対して左右対称となるように並列配置されており、ギアボックス43R,43Lもそれぞれ電動モータ41R,41Lの左右外側に配設されている。
ギアボックス43R,43Lは、複数の歯車や軸などから構成され、電動モータからの動力をトルクや回転数、回転方向を変えて出力軸である車軸に伝達する組立部品であり、動力の伝達と遮断を切替えるクラッチを含んでいてもよい。なお、左右の後輪22,32はそれぞれ軸受44R,44Lによって軸支されており、軸受44R,44Lはそれぞれ車体10の底面15の右側面12R、左側面12Lに近接させて配設されている。
以上の構成により、進行方向右側の一対の前後輪21,22と、左側の一対の前後輪31,32とは、独立して駆動することが可能となる。すなわち、右側の電動モータ41Rの動力はモータ軸42Rを介してギアボックス43Rに伝わり、ギアボックス43Rによって回転数、トルクあるいは回転方向が変更されて車軸21aに伝達される。そして、車軸21aの回転によって車輪21が回転するとともに、車軸21aの回転は、スプロケット21b、ベルト23、および、スプロケット22bを介して後軸22bに伝わり、後輪22を回転させることになる。左側の電動モータ41Lからの前輪31および後輪32への動力の伝達については上記した右側の動作と同様である。
2つの電動モータ41R,41Lの回転数が同じである場合、各ギアボックス43R,43Lのギア比(減速比)を同じにすれば、自律走行装置1は前進あるいは後進を行うことになる。自律走行装置1の速度を変更する場合は、各ギアボックス43R,43Lのギア比を同じ値に維持しつつ変化させればよい。
また、進行方向を変える場合は、各ギアボックス43R,43Lのギア比を変更して、右側の前輪21および後輪22の回転数と左側の前輪31および後輪32の回転数とに、回転差を持たせればよい。さらに、各ギアボックス43R,43Lからの出力の回転方向を変えることにより、左右の車輪の回転方向を反対にすることで車体中央部を中心とした定置旋回が可能になる。
自律走行装置1を定置旋回させる場合は、前後の車輪の角度を可変にするステアリング機構が設けられていないため、前後の車輪の間隔(ホイールベース)が大きいほど、車輪にかかる抵抗が大きくなり、旋回のために大きな駆動トルクが必要となる。しかし、各ギアボックス43R,43L内のギア比は可変にしているので、旋回時の車輪の回転数を下げるだけで車輪に大きなトルクを与えることができる。
例えば、ギアボックス43R内のギア比として、モータ軸42R側のギアの歯数を10、中間ギアの歯数を20、車軸21b側のギアの歯数を40とした場合、車軸21bの回転数はモータ軸42Rの1/4の回転数となるが、4倍のトルクが得られる。そして、更に回転数が小さくなるようなギア比を選択することによって、より大きなトルクを得ることができるため、不整地や砂地などの車輪に係る抵抗が大きな路面であっても旋回が可能となる。
また、モータ軸42R,42Lと車軸21a,31aとの間にギアボックス43R,43Lを設けているため、車輪21,31からの振動が直接モータ軸に伝わることがない。さらに、ギアボックス43R,43Lに動力の伝達と切り離し(遮断)を行うクラッチを設けておき、電動モータ41R,41Lの非通電時には、電動モータ41R,41L側と駆動軸となる車軸21a,31aとの間の動力伝達を遮断しておくことが望ましい。これにより、仮に停止時に車体10に力が加わり車輪が回転しても、電動モータ41R,41Lには回転が伝わらないため、電動モータ41R,41Lに逆起電力が発生することはなく、電動モータ41R,41Lの回路を損傷するおそれもない。
このように、左右のそれぞれ前後一対の前輪と後輪を動力伝達部材で連結し、前輪側に配置した2つの電動モータで駆動可能するようにして4輪を駆動しているので、後輪専用の電動モータ、さらに、この電動モータと後輪との間に必要な後輪専用のギアボックスを設ける必要がなく、後輪専用の電動モータやギアボックスのための設置スペースを削減することができる。
上記したように、車体10の底面15の前輪21,31側には2つの電動モータ41R,41Lを進行方向左右に配置し、さらに各電動モータ41R,41Lのそれぞれの左右側方にギアボックス43R,43Lを配置しているが、底面15の後輪22、32側には軸受44R,44Lを配置しているだけであるため、車体10の底面15には、その中央位置から例えば車体の後端までにわたって、広い収容スペース16を確保できる。
各電動モータ41R,41Lは、例えばリチウムイオン電池などのバッテリ(充電池)40を動力源とし、バッテリ40を収容スペース16に設置する。具体的には、バッテリ40は、例えば直方体の外形をなし、図2(b)に示すように、底面15の略中央位置に載置することが可能である。また、車体10の後面14は例えば上面あるいは底面15に対して開閉可能に構成し、収容スペース16へのバッテリ40の出し入れを容易にすることが望ましい。これにより、長時間走行を実現させるための大容量のバッテリ40を車体10の収容スペース16に搭載可能になり、また、バッテリ40の交換、充電、点検などの作業は、後面14から容易に実施可能になる。さらに、バッテリ40を底面15に配置することができるため、車体10の重心が低く、安定した走行が可能な電動車両を得ることができる。
図3に、この発明の自律走行装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
図3において、この発明の自律走行装置1は、主として、制御部50,距離検出部51,走行制御部52,車輪53,通信部54,カメラ55,画像認識部56,方位測定部57,位置情報取得部58,充電池59,速度検出部60,エンコーダ61,タイヤ消耗判定部62,走行経路設定部63,表示部64,記憶部70を備える。
また、自律走行装置1は、ネットワーク6を介して、管理サーバ5に接続され、管理サーバ5から送られる指示情報等に基づいて自律走行し、取得した監視情報などを管理サーバ5に送信する。
ネットワーク6としては、現在利用されているあらゆるネットワークを利用することができるが、自律走行装置1は、移動する装置であるので、無線通信が可能なネットワーク(たとえば、無線LAN)を利用することが好ましい。
無線通信のネットワークとしては、公衆に開放されているインターネットなどを利用してもよく、あるいは、接続できる装置が限定される専用回線の無線ネットワークを利用してもよい。また、無線通信路での無線伝送方式としては、各種無線LAN(Local Area Network)(WiFi(登録商標)認証の有無は問わない)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標) LE(Low Energy)などの規格に準じた方式が挙げられ、無線到達距離や伝送帯域などを考慮して使用すればよいが、例えば携帯電話網などを利用してもよい。
管理サーバ5は、主として、通信部91,監視制御部92,記憶部93を備える。
通信部91は、ネットワーク6を介して、自律走行装置1と通信する部分であり、無線による通信機能を有することが好ましい。
監視制御部92は、自律走行装置1に対する移動制御、自律走行装置1の情報収集機能および監視機能などを実行させる部分である。
記憶部93は、自律走行装置1に対して移動指示をするための情報、自律走行装置1から送られてきた監視情報(受信監視情報93a)や、監視制御のためのプログラムなどを記憶する部分である。
また、後述するように、自律走行装置1に備えるべきタイヤ消耗判定部62と走行経路設定部63の機能を、管理サーバ5に設けてもよい。この場合、自律走行装置1から、測定データ76を受信して、タイヤの消耗判定を、管理サーバ5で行う。また、走行経路を再設定した後、再設定した走行経路情報を、自律走行装置1に送信する。この場合、自律走行装置1と管理サーバ5により、走行経路設定システムを構成する。
自律走行装置1の制御部50は、走行制御部52などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の走行機能、タイヤ消耗判定機能、走行経路設定機能などを実行する。
距離検出部51は、車両の現在位置から、進行方向の前方空間を含む所定の空間(たとえば、障害物判定領域)内に存在する物体および路面までの距離を検出する部分である。距離検出部51は、車体の前面のほぼ中央付近に配置される。ここで、車両が屋外を走行する場合、物体とは、たとえば、建物、柱、壁、突起物などを意味する。
距離検出部51は、進行方向の前方空間の障害物判定領域に所定の光を出射した後、前方空間に存在する物体および路面によって反射された反射光を受光して、物体および路面までの距離を検出する。具体的には、距離検出部51は、主として、進行方向の所定の前方空間の障害物判定領域に光を出射する発光部51aと、物体によって反射された光を受光する受光部51bと、光の出射方向を、2次元的あるいは3次元的に変化させる走査制御部51cとから構成される。
図4に、この発明の距離検出部51の一実施例の説明図を示す。
ここでは、発光部51aから出射されたレーザー51dが、物体100に反射して、受光距離L0だけ往復して戻ってきたレーザーの一部分が受光部51bに受光されることを示している。
出射される光としては、レーザー、赤外線、可視光、超音波、電磁波などを用いることができるが、夜間でも測距が充分可能でなければならないため、レーザーを用いることが好ましい。
また、今日、距離検出用センサとして、LIDAR(Light Detection and Ranging、あるいはLaser Imaging Detection and Ranging:ライダー)が用いられているが、これを距離検出部51として用いてもよい。
LIDARは、所定の障害物判定領域内の2次元空間または3次元空間にレーザーを出射し、障害物判定領域内の複数の測点における距離を測定する装置である。
また、LIDARは、発光部51aからレーザーを出射した後、物体によって反射された反射光を受光部51bで検出し、たとえば、出射時刻と受光時刻との時間差から、受光距離L0を算出する。この受光距離L0が、後述する測定距離情報72に相当する。
発光部51aから出射されたレーザーが、距離L0だけ離れた動かない物体に当たったとすると、発光部51aの先端から物体表面までの距離L0の2倍に相当する距離(2L0)だけ進行して、受光部51bに受光される。
レーザーを出射した時刻と受光した時刻とは、レーザーが上記距離(2L0)を進行するのにかかる時間T0だけずれている。すなわち、時間差が生じている。この時間差T0と、光の速度とを利用することによって、上記受光距離L0を算出することができる。
また、この算出された受光距離L0から、物体(障害物)までの距離が検出される。
図4には、距離検出部51を動かさない場合を示しており、発光部51aから出射されるレーザーは同じ光路を進行する場合を示している。
したがって、物体100の一点に当たって反射してきた反射光を受光した場合、発光部51aの先端と物体の一点との距離のみが算出される。
走査制御部51cは、進行方向の前方空間にある障害物判定領域の所定の複数の測点に向けて光が出射されるように、光の出射方向を走査させる部分であり、距離検出部51の向きを一定時間ごとに少しずつ変化させることによって、出射されるレーザーが進行する光路を少しずつ移動させる。
LIDAR51では、水平方向の所定の2次元空間の範囲内で、レーザーの出射方向を所定の走査ピッチずつ変化させて、物体までの距離を算出する(水平方向の2次元走査)。また、3次元的に距離を算出する場合は、垂直方向に、所定の走査ピッチだけレーザーの出射方向を変化させて、さらに上記の水平方向の2次元走査を行って距離を算出する。
図5に、距離検出部(LIDAR)51から出射されるレーザーの走査方向の概略説明図を示す。
また、図6に、距離検出部(LIDAR)51から出射されたレーザーの照射領域を、上方から見た図(図6(a))と、後方から見た図(図6(b))を示す。
図5において、1つの点は、所定の距離だけ離れた位置の垂直方向の2次元平面(垂直平面)において、レーザーが当たった位置(以下、測点と呼ぶ)を示している。
たとえば、距離検出部51の発光部51aから出るレーザーの出射方向を、水平方向に所定の走査ピッチだけ右方向に移動するように、距離検出部51の向きを変化させると、レーザーは、水平方向の右方向に走査ピッチだけずれた隣の位置(測点)の垂直平面に当たる。
もし、この垂直平面の位置に物体が存在したとすると、各測点において反射されたレーザーの反射光の一部分が、受光部51bに受光される。
このように順次、水平方向に、所定の走査ピッチずつ、レーザーの照射方向をずらしていくと、所定数の測点に対してレーザーが照射される。レーザーが照射された複数の測点ごとに、反射光の受光の有無を確認して距離を算出する。
図6(a)には、レーザーの照射方向を、水平方向に走査ピッチずつずらして、図の左右方向(すなわち水平方向)に、レーザーを走査する例の説明図を示している。
たとえば、図6(a)に示すように、最も右側方向に、レーザーが照射された場合、その方向に物体が存在すれば、物体からの反射光を受光することによって、受光距離L0が算出される。
また、図5に示すように、レーザーを走査する方向を垂直方向とした場合、たとえば、レーザーを出射する方向を、垂直方向の上方向に所定の走査ピッチだけずらした場合は、レーザーは、垂直方向の上方向に走査ピッチだけずれた隣の位置(測点)の垂直平面に当たる。
レーザーの出射方向を垂直方向の上方向に1走査ピッチだけずらした後、図6(a)に示すように、水平方向にレーザーの照射方向をずらせば、前回の測点よりも上方向に1走査ピッチだけずれた位置の測点に対して、レーザーが照射される。
このように、水平方向のレーザーの走査と、垂直方向のレーザーの走査を順次行うことによって、所定の3次元空間に対してレーザーが照射され、3次元の測定空間に物体が存在すれば、その物体までの距離が算出される。
また、複数の測点に向けて出射された光(レーザー)が物体に反射された場合に、物体に反射された反射光が受光部に受光されたことが確認されると、距離が算出された測点の位置に物体の一部分が存在すると判定される。
さらに、物体の一部分が存在すると判定された複数の測点を含む領域内に、その物体が存在し、その複数の測点を含む領域の情報から、物体の形状あるいは人体の姿勢などを特徴づける検知情報を取得する。
検知情報は、何らかの物体を特徴づける情報であるが、距離検出部51によって取得してもよく、あるいは、カメラ55によって撮影された物体の画像データから取得してもよい。
なお、2次元走査において、レーザーを走査する方向を、水平方向として説明したが、これに限るものではなく、垂直方向にレーザーを出射する方向を変化させてもよい。
3次元的な測定空間にレーザーを照射する場合は、垂直方向の2次元走査をした後、水平方向に所定の走査ピッチだけずらして、順次、同様の垂直方向の2次元走査を行えばよい。
図6(b)には、レーザーを水平方向と垂直方向に走査した場合に、3次元空間に照射されるレーザーの測点の概略説明図を示している。
もし、レーザーが出射された1つの測点の方向に、物体が存在しなければ、レーザーはそのまま光路上を進行し、反射光は受光されず、距離は測定できない。
逆に、ある測点に出射されたレーザーに対して反射光が受光された場合は、距離が算出され、算出された距離だけ離れた位置に、物体が存在することが認識される。
図6(b)では、右下部分の6つの測点において、反射光が検出されたことを示しており、この6つの測点を含む領域に、何らかの物体(たとえば、人体、障害物など)が存在することが認識される。
距離検出部51の受光部51bにレーザー51dが入射されると、そのレーザーの受光強度に対応した電気信号が出力される。
制御部50は、受光部51bから出力される電気信号を確認し、たとえば、所定のしきい値以上の強度を有する電気信号が検出された場合に、レーザーを受光したと判断する。
発光部51aには、従来から用いられているレーザー発光素子が用いられ、受光部51bには、レーザーを検出するレーザー受光素子が用いられる。
また、制御部50は、発光部51aから出射されたレーザーの出射時刻と、受光部51bに反射光が受光されたことを確認された受光時刻との時間差T0を利用して、発光部51aと複数の測点との間の距離である受光距離L0を算出する。
制御部50が、たとえば、タイマーを利用して現在時刻を取得し、レーザーの出射時刻と、レーザーの受光が確認された受光時刻との時間差T0を算出し、この両時刻の時間差T0と、レーザーの速度とを利用して、受光距離L0を算出する。
走行制御部52は、車体を走行させる駆動部材を制御する部分であり、主として、駆動部材に相当する車輪53の回転を制御して、直線走行および回転動作などをさせることによって、自動的に車両を走行させる。駆動部材には、車輪やキャタピラ(登録商標)などが含まれる。
車輪53は、図1および図2に示したような4つの車輪(21,22,31,32)に相当する。通常の車両と同様に、4つの車輪には、それぞれタイヤが取り付けられている。タイヤは、同一形状および同一仕様のものであれば、特に限定するものではない。
また、上記したように、車輪のうち、左右の前輪(21,31)を駆動輪とし、左右の後輪(22,32)は回転制御をしない従動輪としてもよい。
また、後述するエンコーダ61を、駆動輪(21,31)の左輪と右輪にそれぞれ取付け、車輪の回転数や回転方向、回転位置、回転速度によって車両の移動距離等を計測し、走行を制御する。
通信部54は、ネットワーク6を介して、管理サーバ5と、データの送受信を行う部分である。上記したように、無線通信によってネットワーク6に接続し、管理サーバ5と通信できる機能を有することが好ましい。
たとえば、後述するようなタイヤの消耗を判定するための測定データ76を、管理サーバ5に送信する。また、管理サーバ5から、タイヤの消耗を判定した結果や、再設定した経路情報を受信する。
また、異常状態が発生し通知処理を実行する場合、通信部54は、異常状態が発生したこと、異常状態の発生日時および発生位置を含む通知情報を、自律走行装置とは異なる位置に配置された管理サーバ5に送信する。
また、通知情報は、自律走行装置とは異なる位置にいる担当者の所持する端末に送信してもよく、管理サーバおよび端末の少なくともどちらか一方または両方に送信すればよい。
なお、送信先をどこにするかは、予め設定しておく必要があるが、車両の運用形態に対応させて、異常状態の内容などに基づいて、送信先を変更、追加できるようにしてもよい。
カメラ55は、主として、車両の走行方向の前方空間を含む所定の空間の画像を撮影する撮影部であり、撮影する画像は、静止画でも、動画でもよい。撮影された画像は、入力画像データ71として、記憶部70に記憶され、管理サーバ5からの要求に応じて、管理サーバ5に転送される。
また、カメラ55は、1台だけでなく、複数台備えてもよい。たとえば、車体の前方、左方、右方、後方をそれぞれ撮影するように、4台のカメラを固定設置してもよく、また各カメラの撮影方向を変更できるようにしてもよく、ズーム機能を備えてもよい。
また、車両が屋外を走行する場合、天候がよく撮影領域が十分に明るい場合は、カメラで撮影した画像を分析することにより、人体、障害物、路面の状態等を検出する。
画像認識部56は、カメラ55によって撮影された画像データ(入力画像データ71)の中に含まれる物体を認識する部分である。たとえば、画像データに含まれる物体を抽出し、抽出された物体が、人体の所定の特徴を持つ物体である場合に、その物体を人体として認識する。さらに認識された人体の部分の画像データ(人体画像)と、記憶部70に予め記憶された人物登録情報とを比較して、人体画像が予め登録された人物に一致可能か否かを判断する。画像認識処理は、既存の画像認識技術を用いればよい。
認識する物体は、人体に限るものではなく、壁、柱、段差、動物、樹木、電柱、狭い通路のような障害物を認識してもよい。
方位測定部57は、車両が進行する方向の方位を測定する部分である。たとえば、車両の進行方向の東西南北の方位を、分解能が0.1度程度の精度で測定できるデジタル方位計が用いられる。
車両が真北に向かって進行している場合は、北を意味する方位データを取得する。あるいは、北を基準方位(ゼロ度)として設定し、現在進行している方向の方位を、北からの回転角として取得してもよい。たとえば、北東に向かって進行している場合は、+45度という方位が測定され、北西に向かって進行している場合は、−45度という方位が測定される。
位置情報取得部58は、車両の現在位置を示す情報(緯度、経度など)を取得する部分であり、たとえば、GPS(Global Position System)を利用して、現在位置情報73を取得してもよい。
取得された現在位置情報73と、記憶部70に予め記憶された経路情報74とを比較しながら、車両の進行すべき方向を決定し、車両を自律走行させる。
車両を自律走行させるためには、上記した距離検出部51、カメラ55、方位測定部57、位置情報取得部58などのすべてから得た情報を用いることが好ましいが、あるいは少なくともいずれか1つから得た情報を利用して自律走行させてもよい。
また、位置情報取得部58としては、GPSと同様に、現在利用されている他の衛星測位システムを用いてもよい。たとえば、日本の準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)、ロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)、EUのガリレオ、中国の北斗、インドのIRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)などを利用してもよい。
充電池59は、車両1の各機能要素に対して電力を供給する部分であり、主として、走行機能、距離検出機能、画像認識機能、速度検出機能、通信機能などを行うための電力を供給する部分である。
たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、Ni−Cd電池、鉛電池、各種燃料電池などの充電池が用いられる。
また、図示しない電池残量検出部を備え、充電池の残りの容量(電池残量)を検出し、検出された電池残量に基づいて、所定の充電設備の方へ帰還するべきか否かを判断し、電池残量が所定残量よりも少なくなった場合は、充電設備へ自動的に帰還するようにしてもよい。
速度検出部60は、車両1の走行中の速度を検出する部分であり、主として、車輪53に取り付けられたエンコーダ61から取得した情報(車輪の回転数)から、速度を算出する。CPUは、速度検出部60から速度情報をリアルタイムで取得し、状況に応じて、走行制御部52を制御して、加速あるいは減速をする。
エンコーダ61は、左右の車輪に取付けられ、左右の車輪の回転数をそれぞれ測定する部分である。エンコーダ61は、左の車輪に取付けられた左エンコーダと、右の車輪に取付けられた右エンコーダとからなる。左右のエンコーダからは、車輪の回転数すなわちタイヤの回転数に相当する情報が出力される。後述するように、たとえば、左右のタイヤの回転数が異なる場合、左右どちらかのタイヤが摩耗してきていると判断する。
タイヤ消耗判定部62は、所定の判定条件情報を用いて、タイヤの消耗の程度を判定し、その判定結果に基づく対応を決定する部分である。特に、左右のタイヤのどちらが摩耗しているかをチェックして、左右のタイヤの摩耗に不均衡を生じている場合は、その不均衡を解消するように、走行ルートを変更する必要があると判定する。
走行経路設定部63は、タイヤ消耗判定部62の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する部分である。特に、タイヤ消耗判定部62によって、各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定された場合は、タイヤの消耗の不均衡を解消するように、走行経路を再設定する。たとえば、左右のタイヤの摩耗に不均衡を生じている場合は、その不均衡を解消するように、走行経路を再設定する。すなわち、左右のタイヤの減り方が均等になるように、走行経路を再設定する。
走行経路を再設定することには、走行経路の進行方向を逆転させることや、所定の位置でのタイヤの旋回方向を逆転させることを含むものとする。
上記のタイヤ消耗判定部62と走行経路設定部63は、自律走行装置1に備えることが好ましいが、タイヤの消耗判定は、常時リアルタイムで行う必要はないので、タイヤ消耗判定部62と走行経路設定部63の機能の少なくともどちらか一方の機能または両方の機能を、管理サーバ5に設けてもよい。この場合は、タイヤの消耗判定に必要な情報、たとえば、記憶部70に記憶された入力画像データ71、消耗判定値75、測定データ76などを、自律走行装置1から管理サーバ5に送信し、管理サーバ5が、タイヤの消耗判定をした結果を自律走行装置に送信するか、あるいは走行経路の変更指示や変更後の走行経路情報を、自律走行装置に送信すればよい。
図9に、走行経路の変更基準の一実施例の説明図を示す。
図9(a)には、走行方向と、タイヤの消耗の一般的な関係を示している。もし、時計回りの回転、あるいは右旋回の走行が多い場合は、左タイヤの摩耗が大きく、右タイヤの摩耗は小さい。逆に、反時計回りの回転、あるいは左旋回の走行が多い場合は、右タイヤの摩耗が大きく、左タイヤの摩耗は小さい。
そこで、左右のタイヤの消耗に不均衡を生じている場合は、その不均衡を是正するために、図9(b)に示すような基準で、走行経路を変更する。
たとえば、タイヤ消耗判定部62が、左右のタイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定し、左タイヤのほうが消耗していると判定した場合は、走行経路設定部63は、走行経路を反時計回りの多いルートに変更するようにする。あるいは、停止位置での旋回方向を反時計回りに変更するようにしてもよい。また、反時計回りの多いルートに変更することと、停止位置での旋回方向を反時計回りに変更することの少なくともいずれか一方を行えばよいが、反時計回りの多いルート変更と反時計回りの旋回の両方を組み合わせてもよい。
すなわち、左タイヤの摩耗量が右タイヤに比べて大きい場合は、走行経路を、反時計回りの回転や、左旋回の多いルートに変更する。これにより、右タイヤのほうが左タイヤよりも摩耗しやすくなり、左右のタイヤの減り方が均衡になり、タイヤの寿命を長くすることができる。
また、タイヤ消耗判定部62が、左右のタイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定し、右タイヤのほうが消耗していると判定した場合は、走行経路設定部63は、走行経路を時計回りの多いルートに変更するようにする。あるいは、停止位置での旋回方向を時計回りに変更するようにしてもよい。また、時計回りの多いルート変更と時計回りの旋回の両方を組み合わせてもよい。
すなわち、右タイヤの摩耗量が左タイヤに比べて大きい場合は、走行経路を、時計回りの回転や、右旋回の多いルートに変更すれば、左右のタイヤの減り方を均衡にすることができる。
表示部64は、自律走行装置の各機能を実行するために必要な情報を表示する部分であり、たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられる。表示部には、後述するように、走行経路の変更が必要なこと、タイヤのローテーションが必要なこと、タイヤの交換が必要なこと、タイヤの現在の摩耗状況などが、表示される。
たとえば、後述するように、タイヤ消耗判定部62が、前記各タイヤのいずれかの消耗の程度が所定の判定値よりも大きい場合、タイヤのメンテナンスが必要と判定し、表示部64に、タイヤのメンテナンスが必要であることを表示する。
また、表示される情報を管理担当者等に音声で通知するために、スピーカを備えてもよい。
上記した構成要素に加えて、種々の構成を備えてもよい。
たとえば、距離検出部51から取得した情報を利用して、物体(障害物)を検出する障害物検出部を備えてもよい。
また、所定の監視対象の情報を取得する監視情報取得部を備えてもよい。たとえば、車両が所定の領域を自律走行して収集した情報や車両の走行状態の情報を取得して、記憶部70に記憶する。監視情報取得部に相当するデバイスとして、たとえば、温度計、湿度計、マイク、ガス検知装置などを備えればよい。監視情報は、走行中および停止中に取得した種々の監視対象の情報であり、ネットワーク6を介して管理サーバ5に送信される情報である。この情報としては、たとえば、カメラ55によって撮影された入力画像データ71、走行距離、移動経路、環境データ(温度、湿度、放射線、ガス、雨量、音声、紫外線など)、地形データ、障害物データ、路面情報、警告情報などが含まれる。
また、車両1が走行中に、障害物に衝突したこと、接触したこと、あるいは近づいたことを検出する衝突検出部を備えてもよい。たとえば、感圧スイッチ、マイクロスイッチ、超音波センサ、赤外線測距センサなどからなる接触センサや非接触センサが用いられ、たとえば、車体のバンパーに配置する。衝突検出部は、1つでもよいが、車体の前方、側面、後方からの衝突を検知するために、車体の前方、側面、後方の所定の位置に、それぞれ複数個設けることが好ましい。
走行制御部52が車両の減速処理を実行した後に、衝突検出部によって、障害物との衝突を検出した場合には、車体が破損しないようにするために、走行制御部52が、車体を停止させる処理を実行する。また、CPUが、衝突検出部から出力された信号に基づいて、障害物の存在する位置を認識してもよい。さらに、認識された障害物の位置情報に基づいて、CPUは、車体を停止させるか、あるいは、その障害物を避けて次に走行すべき方向を決定する。
記憶部70は、自律走行装置1の各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶部する部分であり、ROM,RAM,フラッシュメモリなどの半導体記憶素子,HDD,SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。記憶部70には、たとえば、入力画像データ71,測定距離情報72,現在位置情報73,経路情報74,消耗判定値75,測定データ76,判定条件情報77などが記憶される。
入力画像データ71は、カメラ55によって撮影された画像データである。カメラが複数台ある場合は、カメラごとに記憶される。画像データとしては、静止画および動画のどちらでもよい。画像データは、不審者の検知、異常状態の検出、車両の進路決定などに利用され、送信監視情報の1つとして、管理サーバ5に送信される。
測定距離情報72は、上記のように距離検出部51から取得した情報によって算出された受光距離L0である。1つの受光距離L0は、所定の距離測定領域内の1つの測点において測定された距離を意味する。
また、この情報72は、所定の距離測定領域内に属する測点ごとに記憶され、各測点の位置情報と対応づけて記憶される。たとえば、測点が水平方向にm個あり、垂直方向にn個ある場合は、合計m×n個の測点にそれぞれ対応した受光距離L0が記憶される。
また、各測点の方向に、レーザーを反射する物体(障害物、路面、柱など)が存在し、その物体からの反射光を受光できた場合は、その物体までの受光距離L0が記憶される。
ただし、測点方向に物体が存在しない場合は、反射光が受光されないので、測点距離情報72として、たとえば、受光距離L0の代わりに、測定できなかったことを示す情報を記憶してもよい。
現在位置情報73は、位置情報取得部58によって取得された車両の現在位置を示す情報である。たとえば、GPSを利用して取得された緯度と経度とからなる情報である。この情報は、たとえば、車両の進路を決定するのに用いられる。
経路情報74は、車両が走行すべき経路の地図を予め記憶したものであり、たとえば、移動する経路や領域が予め固定的に決まっている場合は、当初から固定的な情報として記憶される。ただし、経路変更をする必要がある場合などでは、ネットワーク6を介して、管理サーバ5から送信される情報を、新たな経路情報74として記憶してもよい。
消耗判定値75は、タイヤの消耗の程度を判定するための基準値である。この基準値と、走行時に測定される測定データとを比較することによって、タイヤの消耗の程度が判断される。
測定データ76は、走行時に測定されるデータであり、特に、タイヤの消耗を判定するためのテスト走行をしたときに測定されるデータを意味する。
図7(a)に、消耗判定値75の一実施例の説明図を示す。
図7(b)に、測定データ76の一実施例の説明図を示す。
測定データ76としては、左右の車輪にそれぞれ取り付けられたエンコーダから取得されたタイヤの回転数(左エンコーダカウント値、右エンコーダカウント値)、方位測定部57によって測定された方位測定値、カメラ55によって取得された画像データを記憶する。
図7(b)に示すように、テスト走行前の測定値と、テスト走行後の測定値とを記憶するものとする。ここで、テスト走行前の測定値として、左エンコーダカウント値をLCT0、右エンコーダカウント値をRCT0、方位測定値をDIC0、画像データをIMDT0とする。
また、テスト走行後の測定値として、左エンコーダカウント値をLCTn、右エンコーダカウント値をRCTn、方位測定値をDICn、画像データをIMDTnとする。
消耗判定値75としては、左右のエンコーダから取得されたテスト走行前後におけるタイヤ回転数の計数差(エンコーダカウント値の計数差=テスト走行後のカウント値―テスト走行前のカウント値)、テスト走行前後における方位測定値の誤差、およびテスト走行前後における画像データのずれ角度の判定値を、予め記憶する。
また、図7(a)に示すように、消耗判定値75としては、走行ルートの変更判定用の第1判定値と、メンテナンスの必要性判定用の第2判定値とを記憶するものとする。
ルート変更判定用の第1判定値として、エンコーダ計数差をECT01、方位誤差をDI01、画像ずれ角度をIMG01とする。また、 メンテナンス判定用の第2判定値として、エンコーダ計数差をECT02、方位誤差をDI02、画像ずれ角度をIMG02とする。
ここで、走行ルートの変更が必要となるタイヤの消耗度は、タイヤのローテーションや交換が必要となるタイヤの消耗度と比べると、小さいと考えられるので、第1判定値は、第2判定値よりも小さい数値を設定する。すなわち、ECT01<ECT02、DI01<DI02、IMG01<IMG02とする。
タイヤの消耗を判定するためのテスト走行は、たとえば、平坦な凹凸のない路面を、一定距離だけ直進走行することにより行われる。直進走行は、新品のタイヤを左右の車輪に取り付けているとみなして、車輪の駆動軸を直進方向に固定設定し、左右の車輪に同一の駆動力がかかるようにして行う。
テスト走行は、図7(c)に示すように、所定の走行判定距離L0だけ走行するものとし、走行中には、エンコーダから取得した情報などを利用して、実走行距離LNを測定するものとする。走行判定距離L0としては、たとえば、10mとか、100mを、予め設定すればよい。
テスト走行において、テスト走行開始前は、実走行距離LN=0であり、まずテスト走行前の測定データ76を測定しておく。その後、テスト走行を開始し、実走行距離LNがL0以上となった場合に、テスト走行を終了し、テスト走行後の測定データ76を測定する。テスト走行終了後、タイヤ消耗判定部62が、測定データ76と消耗判定値75とを利用して、判定条件情報77に基づいて、タイヤの消耗度を判定する。
判定条件情報77は、左右のタイヤの減り方の不均衡を判定するための条件を示した情報であり、走行ルートの変更や、メンテナンスの必要性の判断に用いる情報である。
図8に、判定条件情報77の一実施例の説明図を示す。
また、図7(d)に、判定条件情報77のうち、方位測定値を利用した方位判定条件に基づいてタイヤの摩耗を判定する例を示す。
まず、テスト走行をする前に、方位測定部57によって、車両がこれから直進進行しようとする方位を測定する。測定された走行前の方位を、基準方位DIC0として記憶する。
次に、テスト走行を開始し、車両を、所定の走行判定距離L0だけ走行させて停止する。
テスト走行を終了した後に、方位測定部57によって、現在の車両の進行方向の方位を測定し、テスト走行後の方位DICnとして記憶する。その後、DICn−DIC0を計算する。
方位は、北方向を基準のゼロ度として時計回りの方向に正の値として測定されるものとする。
たとえば、DICn−DIC0<0の場合、図7(d)の左側の図のように、テスト走行後の方位は、走行前の基準方位よりも左側を向いていることを示している。本来、左右のタイヤの減り方に差がない場合は、走行後の方位も基準方位と同じ方位を示しているはずであるが、この場合は、左側のタイヤが右側よりも摩耗していたために、基準方位よりもやや左側に進行して停止したことを意味している。すなわち、DICn−DIC0<0の場合は、左側のタイヤが右側よりも摩耗していると判定される。
また、DICn−DIC0の絶対値が、記憶部70に記憶されている方位誤差DI01よりも大きい場合は、走行ルートを変更する必要があると判定するものとする。さらに、DICn−DIC0の絶対値が、記憶部70に記憶されている方位誤差DI02よりも大きい場合は、左側のタイヤの摩耗がかなり大きいのでタイヤのメンテナンスをする必要があると判定するものとする。
また、DICn−DIC0>0の場合、図7(d)の右側の図のように、テスト走行後の方位は、走行前の基準方位よりも右側を向いていることを示している。この場合は、右側のタイヤが左側よりも摩耗していたために、基準方位よりもやや右側に進行して停止したことを意味している。すなわち、DICn−DIC0>0の場合は、右側のタイヤが左側よりも摩耗していると判定される。さらに、DICn−DIC0の絶対値が、方位誤差DI01よりも大きい場合は、走行ルートを変更する必要があると判定し、DICn−DIC0の絶対値が、方位誤差DI02よりも大きい場合は、右側のタイヤの摩耗がかなり大きいのでタイヤのメンテナンスをする必要があると判定するものとする。
図8(a)の3と4,図8(b)の13と14に、上記方位判定条件を示している。
図8(a)の1と2,図8(b)の11と12に、エンコーダのカウント値を利用した判定条件を示している。
まず、図8(a)の1において、テスト走行前後の左エンコーダカウント値の差(LCTn-LCT0)が、テスト走行前後の右エンコーダカウント値の差(RCTn-RCT0)よりも大きい場合(LCTn-LCT0)>(RCTn-RCT0)、左タイヤの直径が右タイヤの直径よりも小さくなっており、左タイヤのほうが右タイヤよりも摩耗していると判定される。
逆に、図8(a)の2において、テスト走行前後の右エンコーダカウント値の差(RCTn-RCT0)が、テスト走行前後の左エンコーダカウント値の差(LCTn-LCT0)よりも大きい場合(RCTn-RCT0)>(LCTn-LCT0)、右タイヤの直径が左タイヤの直径よりも小さくなっており、右タイヤのほうが左タイヤよりも摩耗していると判定される。
さらに、図8(a)の1において、左エンコーダカウント値の差(LCTn-LCT0)が、記憶部70に記憶されたルート変更判定用のエンコーダ計数差ECT01よりも大きい場合(LCTn-LCT0)>ECT01、左タイヤの摩耗が大きいので、左タイヤの摩耗を少なくするようなルート変更が必要と判断する。
また、図8(a)の2において、右エンコーダカウント値の差(RCTn-RCT0)が、記憶部70に記憶されたルート変更判定用のエンコーダ計数差ECT01よりも大きい場合(RCTn-RCT0)>ECT01、右タイヤの摩耗が大きいので、右タイヤの摩耗を少なくするようなルート変更が必要と判断する。
さらに、図8(b)の11において、左エンコーダカウント値の差(LCTn-LCT0)が、記憶部70に記憶されたメンテナンス判定用のエンコーダ計数差ECT02よりも大きい場合(LCTn-LCT0)>ECT02、左タイヤの摩耗がかなり大きいと考えられるので、タイヤのローテーションあるいはタイヤの交換のようなメンテナンスが必要と判断する。
また、図8(b)の12においても同様に、右エンコーダカウント値の差(RCTn-RCT0)が、記憶部70に記憶されたメンテナンス判定用のエンコーダ計数差ECT02よりも大きい場合(RCTn-RCT0)>ECT02、右タイヤの摩耗がかなり大きいと考えられるので、タイヤのローテーションあるいはタイヤの交換のようなメンテナンスが必要と判断する。
図8(a)の5と6,図8(b)の15と16に、カメラ55で撮影した画像データの左右方向のずれ角度を利用した判定条件を示している。
ここでは、テスト走行前に撮影した画像データと、テスト走行後に撮影した画像データとを比較し、両画像データがほぼ一致している場合は、左右方向(水平方向)には画像ずれがなく、想定どおり直進したことを示す。一方、両画像データの間に、左右方向のずれがある場合は、車両は、想定された直進方向に対して、左右どちらかにずれて進行したと判断され、左右どちらかのタイヤが摩耗していると判定する。
画像データのずれは、たとえば、テスト走行前に撮影された画像を認識し、その画像に含まれる基準対象物(動かない樹木、建造物、壁など)の位置と距離を測定しておき、テスト走行後に撮影された画像に含まれる基準対象物の位置と距離を測定する。そして、テスト走行前後の基準対象物のまでの距離差を考慮して、基準対象物の位置の左右方向へのずれ角度を算出する。算出されたずれ角度が、記憶部70に記憶された所定の画像ずれ角度よりも大きい場合に、左右どちらかのタイヤが摩耗していると判断し、ずれ角度の方向によって、どちらのタイヤが摩耗しているかを判定する。ここで、図7(b)に示すテスト走行前後の画像データの測定データの差(IMDTn − IMDT0)を、算出された左右方向のずれ角度とする。
たとえば、図8(a)の5において、画像データの左右方向のずれ角度(IMDTn − IMDT0)の絶対値が、記憶部70に記憶されたルート変更判定用の画像ずれ角度IMG01よりも大きく(IMDTn − IMDT0)>IMG01、その左右方向のずれ角度が左方向へのずれである場合(IMDTn − IMDT0)<0、車両は直進方向に対してやや左方向に進んだことになるので、左タイヤが摩耗していると判断し、左タイヤの摩耗を少なくするようなルート変更が必要と判定する。
また、図8(a)の6において、画像データの左右方向のずれ角度(IMDTn − IMDT0) の絶対値が、記憶部70に記憶された画像ずれ角度IMG01よりも大きく(IMDTn − IMDT0)>IMG01、その左右方向のずれ角度が右方向へのずれである場合(IMDTn − IMDT0)>0、車両は直進方向に対してやや右方向に進んだことになるので、右タイヤが摩耗していると判断し、右タイヤの摩耗を少なくするようなルート変更が必要と判定する。
さらに、図8(b)の15において、画像データの左右方向のずれ角度(IMDTn − IMDT0) の絶対値が、記憶部70に記憶されたメンテナンス判定用の画像ずれ角度IMG02よりも大きく(IMDTn − IMDT0)>IMG02、その左右方向のずれ角度が左方向へのずれである場合(IMDTn − IMDT0)<0、車両は直進方向に対してかなり左方向に進んだことになるので、左タイヤがかなり摩耗していると判断し、タイヤのメンテナンスが必要と判定する。
また、図8(b)の16において、画像データの左右方向のずれ角度(IMDTn − IMDT0) の絶対値が、記憶部70に記憶されたメンテナンス判定用の画像ずれ角度IMG02よりも大きく(IMDTn − IMDT0)>IMG02、その左右方向のずれ角度が右方向へのずれである場合(IMDTn − IMDT0)>0、車両は直進方向に対してかなり右方向に進んだことになるので、右タイヤがかなり摩耗していると判断し、タイヤのメンテナンスが必要と判定する。
なお、図8(a)の7において、左右のタイヤの摩耗差無しで、ルート変更をしないという判定をする場合の条件を示している。
たとえば、(LCTn-LCT0)≦ ECT01、(RCTn-RCT0)≦ ECT01が成立する場合は、タイヤの摩耗が少なく、(RCTn-RCT0)=(LCTn-LCT0)、DICn = DIC0、IMDTn = IMDT0のうち、いずれかが成立する場合は、左右のタイヤの摩耗差がなく、ルートを変更する必要がないと判定する。
以上のように、タイヤの消耗を判定する基準として、主として、エンコーダ計数差、方位誤差、画像ずれ角度を用いた判定条件情報を示したが、これらを組み合わせて判定してもよく、また、これ以外の判定条件を利用してタイヤの消耗度を判定してもよい。
たとえば、傾斜センサーで車体の横方向の傾きを検知し、車体が左へ傾いている場合には、左タイヤのほうが摩耗しておりルート変更が必要と判定してもよい。
<走行経路の変更の実施例>
走行経路を変更する必要があると判定された場合に、走行経路を変更する実施例について説明する。
図10に、時計回りの経路と、反時計回りの経路の説明図を示す。
図10には、左下の●地点を走行開始地点とし、図の矢印で示すような経路を走行して、●地点まで戻るルートを示している。
たとえば、自律走行装置の通常の走行経路として、図10(a)の時計回りの経路が設定されており、車両は、毎日数回、この経路に沿って走行していたとする。
図10(a)では、12ヶ所の方向変換場所があり、一回りする間に、右旋回が8回行われ、左旋回が4回行われるとする。この場合、右旋回の回数のほうが左旋回よりも多いので、図9(a)に示したように、左タイヤのほうが摩耗が大きいと考えられる。
したがって、もし、図10(a)の経路のまま自律走行を続けた後に、テスト走行を実施した場合、図8(a)の1、3、5に示したような条件を満たすようになる。すなわち、左タイヤのほうが右タイヤよりも摩耗し、走行ルートの変更条件を満たすようになる。
そこで、この場合は、左タイヤの摩耗を少なくするようなルートに変更する。
たとえば、図10(b)に示すような、反時計回りの走行経路に変更する。
図10(b)では、12ヶ所の方向変換場所があり、一回りする間に、右旋回が4回行われ、左旋回が8回行われる。この場合、左旋回の回数のほうが右旋回よりも多いので、右タイヤのほうが摩耗が大きいと考えられ、図10(b)の走行を継続することによって、左右のタイヤの減り方の不均衡が是正され、しだいに左右の消耗量が等しくなる。
したがって、左右のタイヤのうち、どちらか片方だけが摩耗してしまうことを防止でき、タイヤのローテーションの時期を延ばすことによってメンテナンスの回数を減らすことができ、左右のタイヤの減り方を均衡にすることによって、走行の安定性を確保することができる。
また逆に、図10(b)の反時計回りの経路が設定されており、車両が、毎日数回、この経路に沿って走行していた場合は、右タイヤのほうが摩耗が大きいと考えられるので、
図8(a)の2、4、6に示したような条件を満たすようになる。すなわち、右タイヤのほうが左タイヤよりも摩耗し、走行ルートの変更条件を満たすようになる。
そこで、この場合は、右タイヤの摩耗を少なくするように、図10(a)に示すような、時計回りの走行経路に変更すればよい。
さらに、自律走行装置の通常の走行経路として、図10(c)の時計回りの経路が設定されており、車両は、毎日数回、この経路に沿って走行していたとする。この場合は、一回りする間に、右旋回が4回(左旋回が0回)、行われることになり、左タイヤのほうが摩耗が大きいと考えられる。
そこで、図8(a)の1、3、5に示したような条件を満たすようになり、左タイヤのほうが摩耗したために、走行ルートの変更条件を満たすようになった場合は、左タイヤの摩耗を少なくするように、たとえば、図10(d)に示すような、反時計回りの走行経路に変更すればよい。
逆に、図10(d)の反時計回りの経路に沿って、毎日走行していた場合は、一回りする間に、左旋回が4回(右旋回が0回)、行われることになり、右タイヤのほうが摩耗が大きいと考えられる。この場合は、図8(a)の2、4、6に示したような条件を満たすようになり、右タイヤのほうが摩耗したために、走行ルートの変更条件を満たすようになった場合は、右タイヤの摩耗を少なくするように、たとえば、図10(c)に示すような、時計回りの走行経路に変更すればよい。
設定される走行経路は、図10に示したものに限られるものではなく、もっと複雑な経路が設定される場合もあるので、走行経路の変更基準は上記方法に限られるものではない。たとえば、設定された走行経路の左右の旋回方向の数を計算し、摩耗したほうのタイヤの減り方が少なくなるように、周り方を設定して旋回方向の数を変更し、走行経路を再設定すればよい。あるいは、単に、周り方を時計回りから反時計回りに変更するのではなく、摩耗したほうのタイヤの減り方が少なくなるルートを新たに再設定してもよい。
<テスト走行におけるタイヤの消耗判定と、走行経路の変更処理のフロー>
図11に、テスト走行におけるタイヤの消耗判定と走行経路の変更処理のフローチャートを示す。
テスト走行において、タイヤの消耗の程度を判定した後、その消耗の程度と、消耗したタイヤの方向に基づいて、走行経路の変更をするか、あるいはメンテナンスを実施する必要があるかを決定する。
図11のステップS1において、車両をテスト走行させる所定の位置に配車する。
たとえば、走行判定距離L0だけ、車両を、真北方向に直進走行させることのできる場所に設置する。ただし、進行方向は、真北でなくてもよい。
ステップS2において、走行前に、初期データを測定または設定し、記憶部70に記憶する。
ここでは、実走行距離LNをゼロに初期化し(LN=0)、左右のエンコーダカウント値をゼロに初期化し(LCT0,RCT0 = 0)、方位測定値の初期値を測定し(真北の場合、DIC0 = 0)、カメラによって画像データ(IMDT0)を撮影する。
ステップS3において、一定速度で、車両の直進走行を開始させる。また、エンコーダからの出力を利用して、実走行距離LNを測定する。
ステップS4において、実走行距離LNと、記憶部70に記憶されている走行判定距離L0とを比較し、LN≧LOとなっているか否かチェックする。
LN≧LOの場合、ステップS5に進み、そうでない場合は、ステップS4に戻り、直進走行を継続する。
ステップS5において、所定の走行判定距離L0だけ進行したので、テスト走行を停止させる。
ステップS6において、走行後のデータを測定し、テスト走行後データとして記憶部に記憶する。
ここでは、停止した状態で、左右のエンコーダカウント値(LCTn,RCTn)を測定し、方位測定値(DICn)を測定し、カメラによって画像データ(IMDTn)を撮影する。
ステップS7において、タイヤの消耗判定処理をする。
消耗判定処理では、上記したように、テスト走行前の測定データ76と、テスト走行後の測定データ76と、消耗判定値75とを用いて、図8に示したような判定条件情報77のどの条件を満たすかをチェックする。たとえば、図8(a)の1の条件を満たす場合は、左タイヤが摩耗していてルートの変更が必要という判定結果が出力される。
また、左右のエンコーダのカウント値に差がなく、テスト走行の前後で方位誤差もなく、画像の左右方向へのずれもない場合は、タイヤの摩耗差は無しと判定される。
ステップS8において、判定結果が、左右いずれかのタイヤの摩耗ありであった場合、ステップS10に進み、そうでない場合(タイヤの摩耗差無し)、ステップS9に進む。
ステップS9において、タイヤに摩耗差はなく、走行経路の変更もメンテナンスも必要ないので、テスト走行を終了し、必要ならば、通常の運用形態の走行を開始する。
ステップS10において、判定の結果、走行経路の変更が必要か否かチェックし、走行経路の変更が必要な場合は、ステップS11に進み、そうでない場合は、ステップS12に進む。
ステップS11において、走行経路の変更処理をする。
ここでは、図10に示したように、左右のタイヤの減り方が均衡となるように、走行経路を変更する。その後、テスト走行を終了する。
ステップS12において、判定の結果、メンテナンスが必要か否かチェックし、メンテナンスが必要な場合は、ステップS13に進み、そうでない場合は、ステップS14に進む。
ステップS13において、タイヤのメンテナンスが必要であることを、表示あるいは音声で通知し、その後、テスト走行を終了する。また、測定データから取得される現在のタイヤの状況(たとえば、タイヤの摩耗量、直径、摩耗差、ローテーションが必要なこと、交換が必要なことなど)を、表示あるいは音声で通知してもよい。
ステップS14において、タイヤの消耗があると判定されたが、走行ルートの変更もメンテナンスの必要もない場合であり、図8ではこのような条件を満たすものは設定されていないので、エラーが生じ、テスト走行による再測定を行うべきことを通知し、ステップS1に戻る。
<タイヤ消耗判定の実施形態>
以上のように、左右のタイヤの消耗度を判定する方法として、以下の3つの実施形態を示した。
(実施形態1−1)
左右の車輪にそれぞれ取り付けられた左右のエンコーダのカウント値を測定し、それらのカウント値の計数差を利用して、左右どちらのタイヤの減り方が大きいかを判定する。
具体的には、走行前に左右のエンコーダによって走行前回転数を測定し、所定の距離だけ直進走行させた後に左右のエンコーダによって走行後回転数を測定し、左エンコーダによって測定された走行後回転数と走行前回転数の測定差と、右エンコーダによって測定された走行後回転数と走行前回転数の測定差との間に差異があり、左エンコーダの測定差と右エンコーダの測定差とのいずれかが、予め設定された計数差よりも大きい場合は、タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定する。
(実施形態1−2)
方位測定部により、テスト走行の前後における車両の方位を測定し、その方位の誤差を利用して、左右どちらのタイヤの減り方が大きいかを判定する。
具体的には、方位測定部によって走行前に測定した基準方位と、所定の距離だけ直進走行させた後に測定した走行後方位との方位差が、予め設定された方位誤差よりも大きい場合は、タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定する。
(実施形態1−3)
カメラにより、テスト走行の前後における画像データを撮影し、その画像データの水平方向のずれを利用して、左右どちらのタイヤの減り方が大きいかを判定する。
具体的には、カメラによって走行前に撮影した進行方向の基準画像と、所定の距離だけ直進走行させた後に撮影した走行後画像との間の水平方向のずれが、予め設定された画像ずれ角度よりも大きい場合は、タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定する。
(実施形態1−4)
ただし、左右のタイヤの消耗度を判定する方法は、上記方法に限られるものではなく、他の測定データ等を用いて行ってもよい。
(a)たとえば、傾斜センサー、左右の駆動モータの電流値比較などを用いて、左右のタイヤの消耗度を判定してもよい。
(b)左右のタイヤごとに、それぞれ、タイヤの溝の消耗量を直接測定する装置(溝測定部)を取り付けて、左右のタイヤの消耗度を判定してもよい。
タイヤの溝の消耗量を測定するためには、たとえば、光を溝に向かって出射する発光素子と、溝に反射した光を受光する受光素子とからなる光学センサーを取付け、溝の深さを測定すればよい。
溝測定部によって測定された左タイヤの溝の消耗量と右タイヤの溝の消耗量に所定量以上の差異が生じている場合は、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定すればよい。
この方法によれば、直接タイヤの消耗量を、実際の走行中にリアルタイムで検出できるので、タイヤの消耗量を判定するためのテスト走行をする必要はなく、左右のタイヤの空気圧の誤差やタイヤの車輪への取付誤差など、タイヤの摩耗以外の要因による消耗判定の誤検知を排除することができる。
いずれの方法を用いても、図8(a)のような判定条件を満たす場合には、タイヤのローテーションや交換をする前に、走行経路の変更をして、左右のタイヤの減り方が均等になるようにするので、メンテナンス回数を減少させることができ、さらに、タイヤ寿命の延命化と、走行の安定性の確保をすることができる。
<走行経路の変更の実施形態>
上記のように、走行経路の変更は、左右のタイヤの減り方に不均衡が生じた場合に、左右のタイヤの減り方が均等になるようにするために行う。
左右のタイヤの減り方が均等になるようにするために、次のような実施形態が考えられる。
(実施形態2−1)
上記したように、所定の経路を巡回する場合、走行経路の進行方向を逆転させる。
これにより、右旋回の回数と、左旋回の回数とを変化させることができるので、左右のタイヤの減り方が均等になるようにすることができる。
(実施形態2−2)
走行経路そのものは変更せずに、所定の位置での旋回方向を変更してもよい。
たとえば、交差点の右折または左折をする場合、あるいは停止位置で90度の旋回や180度の旋回をする場合、旋回する方向を、逆回転にする。
ただし、単純にすべての旋回方向を逆回転するのではなく、左右のタイヤの減り方が均等になることを考慮して、必要な旋回位置においてのみ、旋回方向を逆回転にする。
左タイヤのほうの摩耗が大きい場合は、旋回方向が反時計回りになるように、旋回方向を設定する。これにより、左タイヤの摩耗を、以前よりも少なくできる。
また、交差点を右折する場合、今まで時計回りに90度旋回した後に右方向に進行していたのを、反時計回りに270度旋回した後に右方向に進行するようにする。
さらに、停止位置で180度旋回する場合、今まで時計回りに180度旋回していたのを、反時計回りに180度旋回するようにする。
逆に、右タイヤのほうの摩耗が大きい場合は、旋回方向が時計回りになるように、旋回方向を設定する。これにより、右タイヤの摩耗を、以前よりも少なくできる。
この場合、摩耗が大きかった側のタイヤの減り方が少なくなるように、所定の旋回位置での旋回の方向を逆回転にしているので、走行経路そのものは変更せずに、左右のタイヤの減り方を均等にすることができる。
(実施形態2−3)
上記2つの走行経路の変更方法を組合せ、走行経路そのものを変更し、かつ、所定の位置での旋回方向を逆回転するようにしてもよい。
上記のほか、たとえば、走行経路に路面が直射日光にさらされた高温の部分がある場合、タイヤの消耗の小さい方を高温(直射日光)側、消耗の大きい方を低温(日陰)側となるような走行をしてもよい。
この場合も、摩耗が激しい側において、消耗の小さいタイヤで走行するので、左右のタイヤの減り方を均等にすることができる。
(実施形態2−4)
通常、タイヤの寿命を判断するおおよその基準として、走行可能距離が設定されているが、所定の同一経路を毎日繰り返し巡回走行する監視用の自律走行装置では、旋回する場所や回数はほぼわかっているので、1日当たりの走行距離と、左旋回と右旋回の回数や、時計回りと反時計回りの回数を、おおよそ求めることができる。また、左旋回と右旋回の回数が大きく異なるような走行をしている場合や、時計回りの走行ばかりをしている場合に、左右のタイヤの減り方に違いが発生する可能性が大きい。
そこで、テスト走行をして厳密にタイヤの消耗判定をしなくても、実際の通常走行において、次のような基準によって走行経路を変更するようにしてもよい。
(a)たとえば、経路情報74などを利用して、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数とを計数する旋回数取得部を備え、実際の通常走行をしているときに、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数を記憶しておく。そして、たとえば1日の走行が終了した後に、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数との差が、予め決めておいたしきい値の回数よりも大きくなっていた場合、次の日から、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数とが近づくように、走行経路を再設定する。たとえば、通常の走行経路全体を逆方向に変更するか、あるいは、所定の区間の走行経路のみを変更してもよい。
(b) 実際の通常走行において、定期的に、たとえば、1ヶ月ごと、1週間ごと、または、1回の走行ごとに、所定の区間の走行方向を、逆転させるようにしてもよい。あるいは、タイヤの寿命の目安となる走行可能距離の約半分の距離を走行した後に、所定の区間の走行方向を、逆転させるようにしてもよい。
(c) 通常走行の直進走行中においても、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数との差が近づくようにするために、本来直進で向かう所定の目的地点まで、単純に直進するのではなく、旋回動作や蛇行走行を含むような走行をしてもよい。
(d) 実際の通常走行において、左右のエンコーダから取得されるタイヤの回転数の累積値(累積回転数)を記憶しておき、左右のタイヤの累積回転数の差が所定数よりも大きくなった場合に、左右のタイヤの累積回転数が近づくように、走行経路を変更してもよい。
以上の(a)から (d)の方法によれば、タイヤの消耗量を判定するためのテスト走行をする必要はなく、実際の走行中に、予想される左右のタイヤの消耗量の違いによって、左右のタイヤの減り方が均等になるように走行経路を変更するので、メンテナンスの回数を減少させることができ、タイヤの寿命を延ばすことができる。
1 自律走行装置、 2 監視ユニット、 3 制御ユニット、 5 管理サーバ、 6 ネットワーク、 10 車体、 12R 右側面、 12L 左側面、 13 前面、 14 後面、 15 底面、 16 収容スペース、 18 カバー、 21 前輪、 21a 車軸、 21b スプロケット、 22 後輪、 22a 車軸、 22b スプロケット、 23 ベルト、 31 前輪、 31a 車輪、 31b スプロケット、 32 後輪、 32a 車輪、 32b スプロケット、 33 ベルト、 40 バッテリ、 41R 電動モータ、 41L 電動モータ、 42R モータ軸、 42L モータ軸、 43R ギアボックス、 43L ギアボックス、 44R 軸受、 44L 軸受、 47 前方バンパー、 47a 外面基材、 47b 弾性部材、 47c,47d,47e 取付基材、 48 後方バンパー、 49 感圧スイッチ、 50 制御部、 51 距離検出部(LIDAR)、 51a 発光部、 51b 受光部、 51c 走査制御部、 51d レーザー、 52 走行制御部、 53 車輪、 54 通信部、 55 カメラ、 56 画像認識部、 57 方位測定部、 58 位置情報取得部、 59 充電池、 60 速度検出部、 61 エンコーダ、 62 タイヤ消耗判定部、63 走行経路設定部、64 表示部、70 記憶部、 71 入力画像データ、 72 測定距離情報、 73 現在位置情報、 74 経路情報、 75 消耗判定値、 76 測定データ、 77 判定条件情報、 91 通信部、 92 監視制御部、 93 記憶部、 93a 受信監視情報、 100 物体

Claims (12)

  1. タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、
    前記車輪を制御する走行制御部と、
    前記タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、
    前記タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備え、
    前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定することを特徴とする自律走行装置。
  2. 進行方向の方位を測定する方位測定部をさらに備え、
    前記方位測定部によって走行前に測定した基準方位と、所定の距離だけ直進走行させた後に測定した走行後方位との方位差が、予め設定された方位誤差よりも大きい場合は、前記タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
  3. 所定の空間の画像を撮影する撮影部をさらに備え、
    前記撮影部によって走行前に撮影した進行方向の基準画像と、所定の距離だけ直進走行させた後に撮影した走行後画像との間の水平方向のずれが、予め設定された画像ずれ角度よりも大きい場合は、前記タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
  4. 前記左右の車輪に取り付けられ左右の車輪の回転数をそれぞれ測定する左エンコーダと右エンコーダをさらに備え、
    走行前に前記左右のエンコーダによって走行前回転数を測定し、所定の距離だけ直進走行させた後に前記左右のエンコーダによって走行後回転数を測定し、
    左エンコーダによって測定された走行後回転数と走行前回転数の測定差と、右エンコーダによって測定された走行後回転数と走行前回転数の測定差との間に差異があり、前記左エンコーダの測定差と前記右エンコーダの測定差とのいずれかが、予め設定された計数差よりも大きい場合は、
    前記タイヤ消耗判定部が、左側の車輪に取り付けられた左タイヤと右側の車輪に取り付けられた右タイヤの消耗に不均衡が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
  5. 前記タイヤの溝の消耗量を測定する溝測定部を備え、
    前記溝測定部によって測定された左タイヤの溝の消耗量と右タイヤの溝の消耗量に所定量以上の差異が生じている場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定することを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
  6. 自律走行装置が左旋回した累積回数と右旋回した累積回数とを計数する旋回数取得部を備え、
    前記計数した左旋回した累積回数と右旋回した累積回数との差が、所定のしきい値回数よりも大きくなった場合、前記走行経路設定部が、左旋回した累積回数と右旋回した累積回数とが近づくように、走行経路を再設定することを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
  7. 走行経路を再設定することには、走行経路の進行方向を逆転させることと、所定の位置での旋回方向を逆転させることを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の自律走行装置。
  8. 前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定し、左タイヤのほうが消耗していると判定した場合は、前記走行経路設定部は、走行経路を反時計回りの多いルートに変更すること、および停止位置での旋回方向を反時計回りに変更することのうち、少なくともいずれか一方の変更を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自律走行装置。
  9. 前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定し、右タイヤのほうが消耗していると判定した場合は、前記走行経路設定部は、走行経路を時計回りの多いルートに変更すること、および停止位置での旋回方向を時計回りに変更することのうち、少なくともいずれか一方の変更を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自律走行装置。
  10. 表示部をさらに備え、
    前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤのいずれかの消耗の程度が所定の判定値よりも大きい場合、タイヤのメンテナンスが必要と判定し、前記表示部に、タイヤのメンテナンスが必要であることを表示することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の自律走行装置。
  11. 自律走行装置の走行経路設定方法であって、
    自律走行装置が、タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を制御する走行制御部と、前記タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、前記タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備え、
    前記タイヤ消耗判定部が、前記各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定することを特徴とする自律走行装置の走行経路設定方法。
  12. 自律走行装置と管理サーバとからなる走行経路設定システムであって、
    自律走行装置が、タイヤがそれぞれ取り付けられた複数の車輪と、前記車輪を制御する走行制御部と、タイヤの消耗を判定するための測定データを管理サーバに送信する第1通信部とを備え、
    管理サーバが、前記測定データを受信する第2通信部と、前記タイヤの消耗の程度を判定するタイヤ消耗判定部と、前記タイヤ消耗判定部の判定結果に基づいて、走行経路を再設定する走行経路設定部とを備え、
    前記管理サーバのタイヤ消耗判定部が、各タイヤの消耗の程度に不均衡が生じていると判定した場合は、前記走行経路設定部が、前記タイヤの不均衡を解消するように、走行経路を再設定し、前記第2通信部が、タイヤの消耗の判定結果と、再設定した走行経路情報とを、自律走行装置に送信することを特徴とする走行経路設定システム。
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