JP2017198294A - 車両用動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチでのスリップが比較的長期間である場合でも、摩擦材の温度の推定精度の低下を抑制させる車両用動力伝達装置の制御装置を提供する。
【解決手段】推定温度Tclと第1実油温T1oilとの差温ΔT1が第2油温T2以上となり、摩擦材温度推定部で推定された推定温度Tclがロックアップクラッチの摩擦材の実際の温度に対してずれが大きくなった可能性が高まると、所定期間Peの間ロックアップクラッチが係合する係合制御が禁止され摩擦材が冷却されるので、摩擦材の実際の温度が第1実油温T1oilに近づく。この後、摩擦材の実際の温度に近づいた前記禁止後の第1実油温T1oilが推定温度Tclとなるように推定温度算出式が再設定されるので、ロックアップクラッチでのスリップが比較的長期間である場合でも摩擦材の温度の推定精度の低下が抑制させられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、予め定められた推定温度算出式を用いてロックアップクラッチの摩擦材の温度を推定する車両用動力伝達装置の制御装置において、ロックアップクラッチにおいて比較的長期間スリップが実施された際の摩擦材の温度の推定精度の低下を抑制させる技術に関するものである。
ロックアップクラッチを有する流体継手を備える車両用動力伝達装置において、予め定められた推定温度算出式を用いて前記ロックアップクラッチの摩擦材の温度を推定する温度推定部を備える車両用動力伝達装置の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用動力伝達装置の制御装置がそれである。特許文献1では、ロックアップクラッチの係合状態、すなわちロックアップクラッチが解放している状態、ロックアップクラッチが完全係合している状態、ロックアップクラッチがスリップしている状態に応じて推定温度算出式を替えて、ロックアップクラッチの摩擦材の表面温度を推定することが記載されている。また、推定されたロックアップクラッチの摩擦材の表面温度が所定値以上である場合には、スリップ制御(フレックスロックアップ制御)が禁止されるので、ロックアップクラッチの摩擦材の耐久性低下が抑制される。
特開2011−247285号公報
ところで、上記特許文献1において、ロックアップクラッチでのスリップ(スリップ制御)が比較的短期間であれば、ロックアップクラッチの摩擦材の推定温度とロックアップクラッチの摩擦材の実際の実温とがずれる可能性が低いので、その摩擦材の推定温度だけに基いて例えばスリップ制御を禁止する制御等を実施しても、実際のロックアップクラッチの摩擦材の温度に即した制御となる。しかしながら、例えば、ロックアップクラッチでのスリップが比較的長期間である場合には、推定温度とロックアップクラッチの摩擦材の実際の実温との誤差の累積でその推定温度とロックアップクラッチの摩擦材の実際の実温とのずれが大きくなる可能性があるという問題があった。このため、推定温度のみに基いて例えばスリップ制御を禁止する制御等を実施すると、実際のロックアップクラッチの摩擦材の温度に合わない制御となり、ロックアップクラッチの耐久性低下等のおそれがあった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ロックアップクラッチでのスリップが比較的長期間である場合でも、摩擦材の温度の推定精度の低下を抑制させる車両用動力伝達装置の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)ロックアップクラッチを有する流体継手を備える車両用動力伝達装置において、予め定められた推定温度算出式を用いて前記ロックアップクラッチの摩擦材の温度を推定する温度推定部を備える車両用動力伝達装置の制御装置であって、(b)前記ロックアップクラッチよりも、油圧回路において下流側の実際の実油温を検出する油温検出部を備え、(c)前記温度推定部で推定された前記摩擦材の推定温度が予め定められた第1油温以上、且つ、前記推定温度と前記実油温との差温が予め定められた第2油温以上であると判定された場合には、前記判定された時から所定期間の間、前記ロックアップクラッチが係合する係合制御を禁止し、その禁止後の前記実油温が前記推定温度となるように前記推定温度算出式を再設定することにある。
第1発明によれば、前記ロックアップクラッチよりも、油圧回路において下流側の実際の実油温を検出する油温検出部を備え、前記温度推定部で推定された前記摩擦材の推定温度が予め定められた第1油温以上、且つ、前記推定温度と前記実油温との差温が予め定められた第2油温以上であると判定された場合には、前記判定された時から所定期間の間、前記ロックアップクラッチが係合する係合制御を禁止し、その禁止後の前記実油温が前記推定温度となるように前記推定温度算出式を再設定する。このため、前記推定温度と前記実油温との差温が前記第2油温以上となり、前記温度推定部で推定された推定温度が前記ロックアップクラッチの摩擦材の実際の温度に対してずれが大きくなった可能性が高まると、前記判定された時から所定期間の間、前記ロックアップクラッチが係合する係合制御が禁止されて前記摩擦材が冷却されるので、前記摩擦材の実際の温度が前記実油温に近づく。この後、前記摩擦材の実際の温度に近づいた前記禁止後の前記実油温が前記推定温度となるように前記推定温度算出式が再設定されるので、前記ロックアップクラッチでのスリップが比較的長期間である場合でも前記摩擦材の温度の推定精度の低下が抑制させられる。また、前記推定油温が前記第1油温未満であり、例えば、前記ロックアップクラッチの前記摩擦材の温度が上昇しても前記摩擦材付近の油温だけが上昇して前記油温検出部から検出される前記実油温が比較的上昇し難く、前記推定温度と前記実油温との差温が前記第2油温以上になり易くなる場合には、前記推定温度が前記ロックアップクラッチの摩擦材の実際の温度に対してずれが大きくなった推定温度でないと判定され、前記ロックアップクラッチが係合する係合制御が禁止されないので、好適に前記係合制御が継続して実施させられる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能を説明する図である。 図1の車両に設けられたトルクコンバータや自動変速機の一例を説明する骨子図である。 図2のトルクコンバータの断面図である。 図2の自動変速機の変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する係合作動表である。 図2のトルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの作動を制御するリニアソレノイドバルブ等に関する油圧制御回路の要部の一例を示す回路図である。 図1の電子制御装置において、フレックスロックアップ制御の実施中の制御作動の一例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた車両用動力伝達装置16(以下、動力伝達装置16という)とを備えている。動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース18(図2参照)内に配設されたトルクコンバータ(流体継手)20および自動変速機22と、自動変速機22の出力回転部材である変速機出力ギヤ24がリングギヤ26aに連結された差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)26と、差動歯車装置26に連結された一対の車軸28等とを備えている。動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、トルクコンバータ20、自動変速機22、差動歯車装置26、及び車軸28等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
エンジン12は、車両10の動力源であり、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。
図2は、トルクコンバータ20や自動変速機22の一例を説明する骨子図である。なお、トルクコンバータ20や自動変速機22等は、自動変速機22の入力回転部材である変速機入力軸30の軸心RCに対して略対称的に構成されており、図2ではその軸心RCの下半分が省略されている。
図2および図3に示すように、トルクコンバータ20は、相互に溶接されたフロントカバー34およびリヤカバー35と、リヤカバー35の内側に固定された複数のポンプ羽根20fとを有し、エンジン12のクランク軸12aと動力伝達可能に連結され、軸心RC回りに回転するように配設されたポンプ翼車20pと、リヤカバー35に対向し、変速機入力軸30に動力伝達可能に連結されたタービン翼車20tとを備えている。トルクコンバータ20は、後述する制御油室20d内にロックアップ係合圧PSLUが供給されることによってポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの間を直結するロックアップクラッチ(多板式ロックアップクラッチ)32を備えている。このように、トルクコンバータ20は、エンジン12と自動変速機22との間の動力伝達経路に設けられた、ロックアップクラッチ32付車両用流体式伝動装置として機能している。また、動力伝達装置16には、ポンプ翼車20pに動力伝達可能に連結された機械式のオイルポンプ33が備えられている。オイルポンプ33は、エンジン12によって回転駆動されることにより、自動変速機22を変速制御したり、ロックアップクラッチ32を係合したり、動力伝達装置16の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給したりする為の油圧を発生する(吐出する)。
ロックアップクラッチ32は、油圧式多板摩擦クラッチ(湿式多板クラッチ)であり、そのロックアップクラッチ32には、図3に示すように、ポンプ翼車20pと一体的に連結されたフロントカバー34に溶接によって固定された第1環状部材36と、第1環状部材36の外周に形成された外周スプライン歯36aに軸心RC回りに相対回転不能且つ軸心RC方向の移動可能に係合された複数枚(本実施例では3枚)の環状の第1摩擦板(摩擦材)38と、トルクコンバータ20内に設けられたダンパ装置40を介して変速機入力軸30およびタービン翼車20tに動力伝達可能に連結された第2環状部材42と、第2環状部材42の内周に形成された内周スプライン歯42aに軸心RC回りに相対回転不能且つ軸心RC方向の移動可能に係合され且つ複数の第1摩擦板38との間に配設された複数枚(本実施例では2枚)の環状の第2摩擦板(摩擦材)44と、フロントカバー34の内周部34aに固定され変速機入力軸30のフロントカバー34側の端部を軸心RC回りに回転可能に支持するハブ部材46に、軸心RC方向の移動可能に支持され、フロントカバー34に対向する環状の押圧部材(ピストン)48と、ハブ部材46に位置固定で支持され、押圧部材48のフロントカバー34側とは反対側に押圧部材48に対向するように配設された環状の固定部材50と、押圧部材48を軸心RC方向において固定部材50側に付勢するすなわち押圧部材48を軸心RC方向において第1摩擦板38および第2摩擦板44から離間させる方向に付勢するリターンスプリング52と、が備えられている。
トルクコンバータ20には、図3に示すように、フロントカバー34およびリヤカバー35内に設けられ、オイルポンプ33から出力された作動油が供給される作動油供給ポート20aおよび作動油供給ポート20aから供給された作動油を流出させる作動油流出ポート20bを有する主油室(トルクコンバータ油室)20cが形成されている。また、トルクコンバータ20の主油室20c内には、ロックアップクラッチ32と、ロックアップクラッチ32を係合させるためのすなわちロックアップクラッチ32の第1摩擦材38および第2摩擦材44を押圧する押圧部材48をフロントカバー34側へ付勢するための例えばロックアップ係合圧PSLUが供給される制御油室20dと、ロックアップクラッチ32を解放させるためのすなわち押圧部材48をフロントカバー34側とは反対側へ付勢するための後述する例えば第2ライン油圧Psecが供給されるフロント側油室20eと、フロント側油室20eと連通しフロント側油室20eからの作動油で満たされてその作動油を作動油流出ポート20bから流出させるリヤ側油室20gとが設けられている。なお、上記制御油室20dは押圧部材48と固定部材50との間に形成された油密な空間であり、上記フロント側油室20eは押圧部材48とフロントカバー34との間に形成された空間であり、上記リヤ側油室20gは主油室20cにおいて制御油室20dおよびフロント側油室20eを除く空間である。
トルクコンバータ20では、図3に示すように、例えば、制御油室20dに供給される油圧すなわちロックアップオン圧PLupON(kPa)が比較的大きく(フロント側油室20eの油圧すなわちトルクコンバータイン圧PTCin(kPa)が比較的小さく)なることにより押圧部材48が付勢されて一点鎖線に示すようにフロントカバー34側に移動させられると、押圧部材48によって第1摩擦板38および第2摩擦板44を押圧して第1環状部材36に連結されたポンプ翼車20pと第2環状部材42に連結されたタービン翼車20tとが一体回転する。すなわち、トルクコンバータ20では、ロックアップクラッチ32が係合すると、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとが直結する。また、例えば、制御油室20dのロックアップオン圧PLupON(kPa)が比較的小さく(フロント側油室20eのトルクコンバータイン圧PTCin(kPa)が比較的大きく)なることにより押圧部材48が実線に示すように第1摩擦板38から離間した位置に移動させられると、第1環状部材36に連結されたポンプ翼車20pと第2環状部材42に連結されたタービン翼車20tとが相対回転する。すなわち、トルクコンバータ20では、ロックアップクラッチ32が解放すると、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとが解放する。
ロックアップクラッチ32は、制御油室20d内のロックアップオン圧PLupON(kPa)と、フロント側油室20e内のトルクコンバータイン圧PTCin(kPa)および作動油流出ポート20bから出力されるトルクコンバータアウト圧PTCout(kPa)の平均値((PTCin+PTCout)/2)との差圧すなわちロックアップ差圧ΔP(=PLupON−(PTCin+PTCout)/2)に基づいて、伝達トルクが制御される。なお、上記したロックアップ差圧(係合圧)ΔP=PLupON−(PTCin+PTCout)/2の式は、予め実験等によって決定された実験式である。また、上記式において、トルクコンバータイン圧PTCinとトルクコンバータアウト圧PTCoutは、エンジン回転数Ne(rpm)、タービン回転数Nt(rpm)、それらの差回転(エンジン回転数−タービン回転数)ΔN(rpm)、第2ライン油圧Psec(kPa)、ATF油温Toil(℃)、エンジントルクTe(Nm)等により変化する。なお、上記トルクコンバータアウト圧PTCoutは、エンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、ATF油温Toil等が変化してトルクコンバータ20のリヤ側油室20g内の遠心油圧が変化することによって、変化する。
ロックアップクラッチ32は、電子制御装置(制御装置)56によって油圧制御回路(油圧回路)54を介してロックアップ差圧ΔPが制御されることで、例えば、ロックアップ差圧ΔPが負とされてロックアップクラッチ32が解放される所謂ロックアップ解放状態(ロックアップオフ)と、ロックアップ差圧ΔPが零以上とされてロックアップクラッチ32が滑りを伴って半係合される所謂ロックアップスリップ状態(スリップ状態)と、ロックアップ差圧ΔPが最大値とされてロックアップクラッチ32が完全係合される所謂ロックアップ状態(ロックアップオン)とのうちの何れかの作動状態に切り替えられる。なお、トルクコンバータ20は、ロックアップクラッチ32がロックアップ状態、ロックアップスリップ状態、ロックアップ解放状態であっても、フロント側油室20eとリヤ側油室20gとが同室すなわちフロント側油室20eとリヤ側油室20gとが常時相互に連通しており、作動油供給ポート20aからリヤ側油室20gへ向かう作動油によってロックアップクラッチ32が常時冷却される。
自動変速機22は、エンジン12から駆動輪14までの動力伝達経路の一部を構成し、複数の油圧式摩擦係合装置(第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2)およびワンウェイクラッチF1が選択的に係合又は解放されることによりギヤ比(変速比)が異なる複数のギヤ段(変速段)が形成される有段式の自動変速機として機能する遊星歯車式多段変速機である。例えば、車両によく用いられる所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機である。自動変速機22は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置58と、ラビニヨ型に構成されているシングルピニオン型の第2遊星歯車装置60およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置62とを同軸線上(軸心RC上)に有し、変速機入力軸30の回転を変速して変速機出力ギヤ24から出力する。
第1遊星歯車装置58は、外歯歯車である第1サンギヤS1と、第1サンギヤS1と同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1および第1リングギヤR1と噛み合う、一対の歯車対からなる第1ピニオンギヤP1と、その第1ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1とを有している。
第2遊星歯車装置60は、外歯歯車である第2サンギヤS2と、第2サンギヤS2と同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤR2と、第2サンギヤS2および第2リングギヤR2と噛み合う第2ピニオンギヤP2と、その第2ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2とを有している。
第3遊星歯車装置62は、外歯歯車である第3サンギヤS3と、第3サンギヤS3と同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤR3と、その第3サンギヤS3および第3リングギヤR3と噛み合う、一対の歯車対からなる第3ピニオンギヤP3と、その第3ピニオンギヤP3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3とを有している。
これら油圧式摩擦係合装置の係合と解放とが制御されることで、図4の係合作動表に示すように、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて前進8段、後進1段の各ギヤ段が形成される。図4の「1st」-「8th」は前進ギヤ段としての第1変速段−第8速変速段を意味し、「Rev」は後進ギヤ段としての後進変速段を意味しており、各変速段に対応する自動変速機22のギヤ比γ(=変速機入力軸回転速度Nin/変速機出力ギヤ回転速度Nout)は、第1遊星歯車装置58、第2遊星歯車装置60、及び第3遊星歯車装置62の各歯車比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)によって適宜定められる。
図5に示すように、油圧制御回路54には、ロックアップコントロールバルブ64と、オイルポンプ33から発生する油圧を元圧としてリリーフ形の第1ライン圧調圧弁67により調圧された第1ライン油圧PLを、ロックアップ係合圧PSLUに調圧するリニアソレノイドバルブSLUと、第1ライン油圧PLを元圧としてモジュレータ油圧PMODを一定値に調圧するモジュレータバルブ66とが備えられている。上記油圧制御回路54には、前記油圧式摩擦係合装置の図示しない各油圧アクチュエータの作動を制御するリニアソレノイドバルブSL1〜SL6(図1参照)が備えられている。なお、図5では、上記リニアソレノイドバルブSLUの元圧として第1ライン圧PLが用いられていたが、その第1ライン圧PLに替えてモジュレータ油圧PMODが用いられていても良い。
また、図5に示すように、ロックアップコントロールバルブ64は、ロックアップ係合圧PSLUが所定値を超えるとOFF位置からON位置へ切り換えられる型式の2位置切換弁であって、ON位置では、第1油路L1を閉路し、第2油路L2を第3油路L3へ接続し、第1油路L1を排出油路EXへ接続し、第4油路L4をクーラー68へ接続し、且つ第5油路L5を第6油路L6へ接続する。上記第1油路L1は、トルクコンバータ20の作動油流出ポート20bから出力されたトルクコンバータアウト圧PTCoutが導かれる油路である。上記第2油路L2は、リニアソレノイドバルブSLUによって調圧されたロックアップ係合圧PSLUが導かれる油路である。上記第3油路L3は、トルクコンバータ20の制御油室20dに供給されるロックアップオン圧PLupONが導かれる油路である。上記第4油路L4は、第1ライン圧調圧弁67からリリーフされた油圧を元圧として第2ライン圧調圧弁69により調圧された第2ライン油圧Psecが導かれる油路である。上記第5油路L5は、モジュレータバルブ66によって一定値に調圧されたモジュレータ油圧PMODが導かれる油路である。上記第6油路L6は、トルクコンバータ20のフロント側油室20eに供給されるトルクコンバータイン圧PTCinが導かれる油路である。
また、ロックアップコントロールバルブ64は、図5に示すように、OFF位置では、第1油路L1を第3油路L3へ接続し、第2油路L2を閉路し、第1油路L1をクーラー68へ接続し、第4油路L4を第6油路L6へ接続し、且つ第5油路L5を閉路する。ロックアップコントロールバルブ64は、スプール弁子をOFF位置側へ付勢するスプリング64aと、スプール弁子をON位置側へ付勢するためにロックアップ係合圧PSLUを受け入れる油室64bとを備えている。ロックアップコントロールバルブ64では、ロックアップ係合圧PSLUが比較的小さく設定された所定値より小さい場合には、スプリング64aの付勢力によってスプール弁子がOFF位置に保持される。また、ロックアップコントロールバルブ64では、ロックアップ係合圧PSLUが前記所定値より大きい場合には、スプリング64aの付勢力に抗してスプール弁子がON位置に保持される。なお、図5のロックアップコントロールバルブ64では、実線はスプール弁子がON位置であるときの流路を示し、破線はスプール弁子がOFF位置であるときの流路を示している。
上記のように構成された油圧制御回路54により、ロックアップコントロールバルブ64からトルクコンバータ20における制御油室20dおよびフロント側油室20eへ供給される油圧が切換えられることで、ロックアップクラッチ32の作動状態が切り替えられる。先ず、ロックアップクラッチ32がスリップ状態乃至ロックアップオンとされた場合を説明する。ロックアップコントロールバルブ64において、電子制御装置56から出力される指令信号によって前記所定値より大きくされたロックアップ係合圧PSLUが供給されると、ロックアップコントロールバルブ64がON位置に切り替えられ、ロックアップ係合圧PSLUがトルクコンバータ20の制御油室20dへ供給されると共に、ロックアップコントロールバルブ64に供給されたモジュレータ油圧PMODがトルクコンバータ20のフロント側油室20eへ供給される。すなわち、ロックアップ係合圧PSLUがロックアップオン圧PLupONとして制御油室20dに供給され、モジュレータ油圧PMODがトルクコンバータイン圧PTCinとしてフロント側油室20eに供給される。なお、ロックアップコントロールバルブ64がON位置に切り替えられると、ロックアップオン圧PLupONと、トルクコンバータイン圧PTCinと、トルクコンバータアウト圧PTCoutとの大きさの関係は、ロックアップオン圧PLupON>トルクコンバータイン圧PTCin>トルクコンバータアウト圧PTCoutとなる。これによって、トルクコンバータ20の制御油室20dのロックアップオン圧(係合圧)PLupONがリニアソレノイドバルブSLUにより調圧されることにより、ロックアップ差圧(PLupON−(PTCin+PTCout)/2)ΔPが調圧されて、ロックアップクラッチ32の作動状態がスリップ状態乃至ロックアップオン(完全係合)の範囲で切り替えられる。
次に、ロックアップクラッチ32がロックアップオフとされた場合を説明する。ロックアップコントロールバルブ64において、ロックアップ係合圧PSLUが前記所定値より小さい場合には、ロックアップコントロールバルブ64がスプリング64aの付勢力によりOFF位置に切り替えられ、トルクコンバータ20の作動油流出ポート20bから出力されたトルクコンバータアウト圧PTCoutがトルクコンバータ20の制御油室20dへ供給されると共に、第2ライン油圧Psecがトルクコンバータ20のフロント側油室20eへ供給される。すなわち、トルクコンバータアウト圧PTCoutがロックアップオン圧PLupONとして制御油室20dに供給され、第2ライン油圧Psecがトルクコンバータイン圧PTCinとしてフロント側油室20eに供給される。なお、ロックアップコントロールバルブ64がOFF位置に切り替えられると、上記ロックアップオン圧PLupONと、トルクコンバータイン圧PTCinと、トルクコンバータアウト圧PTCoutとの大きさの関係は、トルクコンバータイン圧PTCin>トルクコンバータアウト圧PTCout>ロックアップオン圧PLupONとなる。これによって、ロックアップクラッチ32の作動状態がロックアップオフに切り替えられる。
図1に戻り、車両10は、例えばロックアップクラッチ32のロックアップ係合圧PSLUすなわちロックアップ差圧ΔPを制御するロックアップ制御と、自動変速機22の変速時の油圧式摩擦係合装置の係合圧を制御する変速制御等とを油圧制御回路54を介して実行する電子制御装置56を備えている。図1は、電子制御装置56の入出力系統を示す図であり、電子制御装置56による制御機能の要部を説明する機能ブロックである。電子制御装置56は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各制御を実行する。
電子制御装置56には、車両10が備える各種センサにより検出される各種入力信号が供給されるようになっている。例えば、スロットル弁開度センサ70により検出されるスロットル弁開度θth(%)を表す信号、車速センサ72により検出される車速V(km/h)を表す信号、アクセル操作量センサ74により検出されるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度θacc(%)を表す信号、第1油温センサ76により検出される、ロックアップクラッチ32よりも油圧制御回路54において下流側の実際の第1実油温(実油温)T1oil(℃)例えばトルクコンバータ20の作動油流出ポート20bから流出される作動油の実際の第1実油温T1oil(℃)を表す信号、第2油温センサ78により検出される、ロックアップクラッチ32よりも油圧制御回路54において上流側の実際の第2実油温T2oil(℃)例えばトルクコンバータ20の作動油供給ポート20aに供給される作動油の実際の第2実油温T2oil(℃)を表す信号、エンジン回転センサ80により検出されるエンジン12のエンジン回転数Ne(rpm)を表す信号、タービン回転センサ82により検出されるトルクコンバータ20のタービン翼車20tのタービン回転数Nt(rpm)を表す信号等、が電子制御装置56に入力される。また、電子制御装置56からは、自動変速機22の変速に関する油圧制御の為の変速指示圧Satと、ロックアップクラッチ32の作動状態の切替制御のためのロックアップ指示圧Slu等とが、それぞれ出力される。なお、上記変速指示圧Satは、油圧式摩擦係合装置の図示しない各油圧アクチュエータへ供給される各油圧を調圧するリニアソレノイドバルブSL1〜SL6を駆動する為の指示信号であり、油圧制御回路54のリニアソレノイドバルブSL1〜SL6へ出力される。また、上記ロックアップ指示圧Sluは、ロックアップ係合圧PSLUを調圧するリニアソレノイドバルブSLUを駆動する為の指示信号であり、油圧制御回路54のリニアソレノイドバルブSLUへ出力される。
図1に示す電子制御装置56は、制御機能の要部として、ロックアップクラッチ制御部90と、油温検出部92と、摩擦材温度推定部(温度推定部)94と、誤判定検出部96と、推定温度再設定実行部98とを含んでいる。図1に示すロックアップクラッチ制御部90は、フレックスロックアップ制御実施判定部90aと、制御切替部90b等とを備えている。
ロックアップクラッチ制御部90は、ロックアップクラッチ32のロックアップ差圧(PLupON−(PTCin+PTCout)/2)ΔPすなわちロックアップ係合圧PSLUのロックアップ指示圧Sluを制御するロックアップ制御を実行する。ロックアップクラッチ制御部90は、車速Vおよびスロットル弁開度θthを変数として、ロックアップオフ領域、スリップ作動領域、ロックアップオン領域を有する予め定められた関係(ロックアップ領域線図)を用いて実際の車速Vおよびスロットル弁開度θthに基づいて、ロックアップオフ領域、スリップ作動領域、ロックアップオン領域の何れの領域であるかを判断し、その判断した領域に対応する作動状態にロックアップクラッチ32の作動状態がなるように、指示信号であるロックアップ指示圧Sluを制御する。このロックアップ指示圧Sluに従って、判断した領域に対応する作動状態にロックアップクラッチ32の作動状態がなるように油圧制御回路54に設けられたリニアソレノイドバルブSLUが駆動(作動)させられる。例えば、ロックアップクラッチ制御部90では、前記ロックアップ領域線図で前記ロックアップオン領域であると判断されると、ロックアップクラッチ32を完全係合するようにロックアップクラッチ32のロックアップ係合圧PSLUのロックアップ指示圧Sluを制御する完全ロックアップ制御が実行される。また、ロックアップクラッチ制御部90では、前記ロックアップ領域線図で前記スリップ作動領域であると判断されると、ロックアップクラッチ32を完全係合させずにトルクコンバータ20においてポンプ翼車20pとタービン翼車20tとを予め設定された目標差回転ΔN*(rpm)にロックアップクラッチ32の実際の差回転(スリップ回転)ΔNが一致するように、ロックアップクラッチ32のロックアップ係合圧PSLUのロックアップ指示圧Sluを制御するフレックスロックアップ制御が実行される。なお、上記差回転ΔNは、ポンプ翼車20pの回転数すなわちエンジン回転数Ne(rpm)と、タービン翼車20tの回転数すなわちタービン回転数Nt(rpm)との差回転である。
フレックスロックアップ制御実施判定部90aは、ロックアップクラッチ制御部90でフレックスロックアップ制御が実施中であるか否かを判定する。例えば、フレックスロックアップ制御実施判定部90aは、実際の車速Vおよびスロットル弁開度θthが、前記ロックアップ領域線図において、前記スリップ作動領域である時に、フレックスロックアップ制御が実施中であると判定し、前記ロックアップオン領域または前記ロックアップオフ領域である時に、フレックスロックアップ制御が実施中でないと判定する。
油温検出部92は、第1油温センサ76によってロックアップクラッチ32よりも油圧制御回路54において下流側の実際の第1実油温T1oil(℃)を検出すると共に、第2油温センサ78によってロックアップクラッチ32よりも油圧制御回路54において上流側の実際の第2実油温T2oil(℃)を検出する。
摩擦材温度推定部94は、発熱量推定部94aと、放熱量推定部94bと、記憶部94cとを備える。摩擦材温度推定部94は、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定されると、後述する式(4)(予め定められた推定温度算出式)を用いてロックアップクラッチ32の摩擦材の推定温度Tcl(℃)すなわちロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)を推定する。
発熱ゲイン設定部94dを有する発熱量推定部94aは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定されると、そのフレックスロックアップ制御によってロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発熱する発熱量Qhを発熱ゲイン設定部94dで設定された発熱ゲインKheatを用いて推定する。
発熱ゲイン設定部94dは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定されると、そのフレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定された時の、ロックアップクラッチ32におけるポンプ翼車20pとタービン翼車20tとの差回転ΔN、ロックアップクラッチ32に伝達されるクラッチ伝達トルクTQcL(Nm)を用いて、例えば、上記差回転ΔNと発熱ゲインKheatとの関係マップ、上記クラッチ伝達トルクTQcLと発熱ゲインKheatとの関係マップ等から、発熱ゲインKheatを設定する。例えば、発熱ゲイン設定部94dでは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定された時のロックアップクラッチ32のクラッチ伝達トルクTQcLが大きい程、発熱ゲインKheatが大きくなるように設定される。また、発熱ゲイン設定部94dでは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定された時のロックアップクラッチ32の差回転ΔNが大きい程、発熱ゲインKheatが大きくなるように設定される。なお、ロックアップクラッチ32のクラッチ伝達トルクTQcLは、次式(1)により算出される。
TQcL=Te−c×Ne ・・・(1)
式(1)において、Teはエンジン12の出力トルクであり、予め求められているアクセル開度θaccおよびエンジン回転数NeからなるエンジントルクTeの関係マップから、実際のアクセル開度θaccおよび実際のエンジン回転数Neに基いて求められる。また、上記cは、トルクコンバータ20の容量係数に対応しており、例えば、電子制御装置56に予め記憶されているトルクコンバータ20の性能曲線により求められる。
発熱量推定部94aは、発熱ゲイン設定部94dで発熱ゲインKheatが設定されると、その設定された発熱ゲインKheatを用いてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発熱する発熱量Qhを推定する。すなわち、発熱量推定部94aは、発熱ゲイン設定部94dで発熱ゲインKheatが設定されると、次式(2)を用いてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発熱する発熱量Qhを算出する。
Qh=Kheat×TQcL×ΔN ・・・(2)
放熱ゲイン設定部94eを有する放熱量推定部94bは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定されると、そのフレックスロックアップ制御によってロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44から放熱される放熱量Qcを、放熱ゲイン設定部94eで設定された放熱ゲインKcoolを用いて推定する。
放熱ゲイン設定部94eは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定されると、そのフレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定された時の、タービン回転数Nt(rpm)、記憶部94cに記憶されたロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度T0(℃)と油温検出部92で検出された第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT(℃)等を用いて、例えば、上記タービン回転数Ntと放熱ゲインKcoolとの関係マップ、上記差温ΔTと放熱ゲインKcoolとの関係マップ等から、放熱ゲインKcoolを設定する。例えば、放熱ゲイン設定部94eでは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定された時のタービン回転数Nt(rpm)が高い程、放熱ゲインKcoolが大きくなるように設定される。また、放熱ゲイン設定部94eでは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定された時の差温ΔT(℃)が大きい程、放熱ゲインKcoolが大きくなるように設定される。
放熱量推定部94bは、放熱ゲイン設定部94eで放熱ゲインKcoolが設定されると、その設定された放熱ゲインKcoolを用いてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44から放熱される放熱量Qcを推定する。すなわち、放熱量推定部94bは、放熱ゲイン設定部94eで放熱ゲインKcoolが設定されると、次式(3)を用いてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44から放熱する放熱量Qcを算出する。
Qc=Kcool×((T0−T2oil)−A) ・・・(3)
なお、式(3)において、Aは、予め設定された定数である。
記憶部94cは、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定されると、その推定された推定温度Tcl(℃)を推定温度T0(℃)として記憶する。なお、記憶部94cでは、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定されていない場合には、初期値として例えば油温検出部92で検出される第1実油温T1oil(℃)が推定温度T0(℃)として記憶される。
摩擦材温度推定部94は、発熱量推定部94aでロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発熱する発熱量Qhが推定され、且つ、放熱量推定部94bでロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44から放熱する放熱量Qcが推定されると、その推定された発熱量Qhからロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度が上昇する上昇温度ΔTheat(℃)を算出し、その推定された放熱量Qcからロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度が下降する下降温度ΔTcool(℃)を算出して、記憶部94cに記憶された推定温度T0(℃)を基にしてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)を推定する。すなわち、摩擦材温度推定部94では、発熱量推定部94aでロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発熱する発熱量Qhが推定され、且つ、放熱量推定部94bでロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44から放熱する放熱量Qcが推定されると、予め定められた推定温度算出式である次式(4)を用いてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)を算出する。
Tcl=T0+((Qh/Ccl)−(Qc/Ccl)) ・・・(4)
なお、式(4)において、Cclは、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の熱容量である。また、式(4)右辺の(Qh/Ccl)は上昇温度ΔTheatに対応し、(Qc/Ccl)は下降温度ΔTcoolに対応する。
制御切替判定部90cは、フレックスロックアップ制御実施判定部90aでフレックスロックアップ制御が実施中であると判定され、且つ、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定されると、その推定された推定温度Tcl(℃)に基づいてロックアップクラッチ制御部82で実施されているフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替える必要があるか否かを判定する。例えば、制御切替判定部90cでは、摩擦材温度推定部94で推定された推定温度Tcl(℃)とその推定温度Tcl(℃)が推定された時の油温検出部92で検出された第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が予め設定された閾値TA(℃)以上であると判定される場合には、ロックアップクラッチ制御部90で実施されているフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替える必要があると判定する。なお、上記閾値TAは、例えばロックアップクラッチ制御部90で継続してフレックスロックアップ制御が実施されることによってロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発熱する熱により、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44に耐久性低下等の影響が発生する可能性が高まる、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度(℃)である。
制御切替部90bは、制御切替判定部90cでフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替える必要があると判定されると、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度状態によって、フレックスロックアップ制御から切り替えられる他の制御を選択してその他の制御を実施する。
例えば、制御切替部90bでは、制御切替判定部90cでフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替えられる必要があると判定され、且つ、上記差温ΔT1(℃)が、上記閾値TA(℃)以上であり且つ予め定められた閾値TB(℃)未満である場合(TA≦ΔT1<TB)には、ロックアップクラッチ制御部90で実行されているフレックスロックアップ制御の予め定められた目標差回転(目標スリップ量)ΔN*(rpm)を減少(例えば目標スリップ量を50rpmから25rpm等に減少)させるスリップ量減少制御に切り替える。なお、上記閾値TBは、例えば制御切替部90bでフレックスロックアップ制御から上記スリップ量減少制御に切り替えられても、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44で発生する熱により、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44に耐久性低下等の影響が発生する可能性が高まる、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度である。
また、制御切替部90bでは、制御切替判定部90cでフレックスロックアップ制御から他の制御に切り替えられる必要があると判定され、且つ、上記差温ΔT1(℃)が、上記閾値TB(℃)以上であり且つ予め定められた閾値TC(℃)未満である場合(TB≦ΔT1<TC)には、ロックアップクラッチ制御部90で実行されているフレックスロックアップ制御からロックアップクラッチ32を完全係合させる完全ロックアップ制御に切り替える。なお、上記閾値TCは、例えば制御切替部90bでフレックスロックアップ制御から完全ロックアップ制御に切り替えてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44から熱を放熱させても、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44の熱により、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44に耐久性低下等の影響が発生する可能性が高まる、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度である。また、上記した閾値TA(℃)、閾値TB(℃)、閾値TC(℃)は、例えばTA<TB<TCとなるように設定されている。
また、制御切替部90bでは、制御切替判定部90cでフレックスロックアップ制御から他の制御に切り替えられる必要があると判定され、且つ、上記差温ΔT1(℃)が上記閾値TC(℃)以上である場合(TC≦ΔT1)には、ロックアップクラッチ制御部90で実行されているフレックスロックアップ制御からロックアップクラッチ32を完全解放させる完全解放制御に切り替える。なお、制御切替部90bでは、制御切替判定部90cでフレックスロックアップ制御から他の制御に切り替えられる必要がないと判定される場合(ΔT1<TA)には、ロックアップクラッチ制御部90で実行されているフレックスロックアップ制御が継続して実施される。
誤判定検出部96は、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定されると、その推定された推定温度Tcl(℃)がロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度に対してずれが小さい推定温度であり摩擦材温度推定部94で正しい判定が行われたか、または、その推定された推定温度Tcl(℃)がロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度に対してずれが大きい推定温度であり摩擦材温度推定部94で誤った判定が行われたかを判定(検出)する。例えば、誤判定検出部96では、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定されると、その推定された推定温度Tcl(℃)が予め定められた第1油温T1(℃)以上、且つ、推定温度Tcl(℃)と油温検出部92で検出された第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が予め定められた第2油温T2(℃)以上である場合に、摩擦材温度推定部94で誤った誤判定が行われたと判定し、上記した条件以外の場合には、摩擦材温度推定部94で正しい判定が行われたと判定する。なお、上記第2油温T2(℃)は、摩擦材温度推定部94で推定された推定温度Tcl(℃)を制御切替部90bで用いることによりロックアップクラッチ32の第1摩擦材38および第2摩擦材44に耐久性低下等の影響が発生する程度に、その推定温度Tcl(℃)が実際のロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度に対して比較的大きくずれる可能性が高まる、推定温度Tcl(℃)と第1実油温T1oil(℃)との温度が乖離した温度である。また、上記第1油温T1(℃)は、ロックアップクラッチ32の第1摩擦材38および第2摩擦材44の温度が上昇してもそれら第1摩擦材38および第2摩擦材44付近の油温だけが上昇して例えば第1油温センサ76から検出される第1実油温T1oilが比較的上昇し難く、推定温度Tcl(℃)と第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が上記第2油温T2(℃)より大きくなり易くなる環境温度(ロックアップクラッチ32の摩擦材の推定温度Tcl(実際の温度)、第1実油温T1oil等)である。なお、上記した第1油温T1(℃)、第2油温T2(℃)、閾値TA(℃)、閾値TB(℃)、閾値TC(℃)は、例えばT1<TA<TB<TC<T2となるように設定されている。
推定温度再設定実行部98は、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定され、誤判定検出部96において摩擦材温度推定部94で誤った判定が行われたと判定されると、誤判定検出部96で誤った判定が行われたと判定された時から所定期間Peの間、ロックアップクラッチ32が係合する係合制御を禁止し、その係合制御の禁止後に油温検出部92で検出された第1実油温T1oil(℃)が推定温度Tcl(℃)となるように式(4)を再設定する。すなわち、推定温度再設定実行部98では、摩擦材温度推定部94でロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定され、誤判定検出部96において摩擦材温度推定部94で誤った判定が行われたと判定されると、誤判定検出部96で誤った判定が行われたと判定された時から所定時間Peの間、ロックアップクラッチ制御部90で実施されるロックアップクラッチ32が係合する係合制御すなわちフレックスロックアップ制御および完全ロックアップ制御を強制的に禁止、つまりロックアップクラッチ32を強制的に完全解放する。そして、ロックアップクラッチ32を強制的に完全解放させた後の油温検出部92で検出された第1実油温T1oil(℃)が、式(4)の推定温度Tcl(℃)(Tcl=T1oil)またはサンプリングタイム経過後の次回の摩擦材温度推定部94で推定温度Tcl(℃)を推定する際の推定温度T0(℃)となるように再設定(T0=T1oil)する。なお、上記所定期間Peは、例えば、フレックスロックアップ制御中においてロックアップクラッチ32の第1摩擦材38および第2摩擦材44の温度と第1実油温T1oil(℃)との温度差が第2油温T2(℃)より大きい場合に、ロックアップクラッチ32を完全解放させそれら第1摩擦板38および第2摩擦板44から熱を放熱させることによって、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度が第1実油温T1oil(℃)と略同じなるまでの期間である。
図6は、電子制御装置56において、フレックスロックアップ制御の実施中の制御作動の一例を説明するフローチャートである。
先ず、フレックスロックアップ制御実施判定部90aの機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、フレックスロックアップ制御が実施中であるか否かが判定される。S1の判定が否定される場合には、再度S1が実行されるが、S1の判定が肯定される場合には、摩擦材温度推定部94、発熱量推定部94a、放熱量推定部94b、記憶部94c等の機能に対応するS2が実行される。S2では、発熱量Qhおよび放熱量Qcが推定され、それら発熱量Qhおよび放熱量Qc、記憶部94cに記憶された推定温度T0(℃)を用いて、ロックアップクラッチ32の摩擦材である第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が推定される。
次に、誤判定検出部96の機能に対応するS3において、S2で推定された推定温度Tcl(℃)が予め定められた第1油温T1(℃)以上であるか否かが判定される。S3の判定が否定される場合には、S1が実行されるが、S3の判定が肯定される場合には、油温検出部92、誤判定検出部96の機能に対応するS4が実行される。S4では、S2で推定された推定温度Tcl(℃)と第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が予め定められた第2油温T2(℃)以上であるか否か、すなわちS2での判定が誤りであるか否かが判定される。S4の判定が肯定される場合すなわちS2での判定が誤りであると判定される場合には、推定温度再設定実行部98の機能に対応するS5が実行されるが、S4の判定が否定される場合には、制御切替判定部90cの機能に対応するS6が実行される。
S5では、上記S4で判定された時から所定時間Peの間、ロックアップクラッチ32が係合する係合制御が強制的に禁止され、その禁止後の油温検出部92で検出された第1実油温T1oil(℃)が推定温度Tcl(℃)となるように式(4)が再設定される。また、S6では、S2で推定された推定温度Tcl(℃)とS2で推定温度Tcl(℃)が推定された時の第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が予め定められた閾値TA(℃)未満であるか否か、すなわちS2で推定された推定温度Tcl(℃)によって実施されているフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替える必要があるか否かが判定される。S6の判定が肯定される場合すなわち実施されているフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替える必要がないと判定される場合には、制御切替部90bの機能に対応するS7が実行されるが、S6の判定が否定される場合すなわち実施されているフレックスロックアップ制御を他の制御に切り替える必要があると判定される場合には、制御切替部90bの機能に対応するS8が実行される。
S7では、実施されているフレックスロックアップ制御が継続して実施される。また、S8では、差温ΔT1(℃)が閾値TA(℃)以上であり且つ閾値TB(℃)未満であるか否かが判定される。S8の判定が肯定される場合には、制御切替部90bの機能に対応するS9が実行されるが、S8の判定が否定される場合には、制御切替部90bの機能に対応するS10が実行される。また、S9では、実施されているフレックスロックアップ制御から、そのフレックスロックアップ制御の目標差回転(スリップ量)ΔN*(rpm)を減少させるスリップ量減少制御に切り替えられる。また、S10では、差温ΔT1(℃)が閾値TB(℃)以上であり且つ閾値TC(℃)未満であるか否かが判定される。S10の判定が肯定される場合には、制御切替部90bの機能に対応するS11が実行されるが、S10の判定が否定される場合すなわち差温ΔT1(℃)が閾値TC(℃)以上である場合には、制御切替部90bの機能に対応するS12が実行される。
S11では、実施されているフレックスロックアップ制御から、ロックアップクラッチ32を完全係合させる完全ロックアップ制御に切り替えられる。また、S12では、実施されているフレックスロックアップ制御から、ロックアップクラッチ32を完全解放させる完全解放制御に切り替えられる。
図6のフローチャートでは、S4においてS2での判定が誤りであると判定されてS2で推定された推定温度Tcl(℃)がロックアップクラッチ32の摩擦材の実際の温度に対してずれが大きくなった可能性が高まると、S5において、S4で判定された時から所定期間Peの間、ロックアップクラッチ32が係合する係合制御が禁止されてロックアップクラッチ32が完全解放されることによって、ロックアップクラッチ32の摩擦材である第1摩擦板38および第2摩擦板44が冷却されるので、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度が第1実油温T1oil(℃)に近づく。この後、S5では、第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度に近づいた前記禁止後の第1実油温T1oil(℃)が推定温度Tcl(℃)となるように式(4)が再設定されるので、フレックスロックアップ制御が比較的長期間実施される場合すなわちロックアップクラッチ32でのスリップが比較的長期間である場合でもロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度の推定精度の低下が抑制させられる。
上述のように、本実施例の動力伝達装置16の電子制御装置56によれば、ロックアップクラッチ32よりも、油圧制御回路54において下流側の実際の第1実油温T1oil(℃)を検出する油温検出部92を備え、摩擦材温度推定部94で推定された第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)が予め定められた第1油温T1(℃)以上、且つ、推定温度Tcl(℃)と第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が予め定められた第2油温T2(℃)以上であると判定された場合には、前記判定された時から所定期間Peの間、ロックアップクラッチ32が係合する係合制御を禁止し、その禁止後の第1実油温T1oil(℃)が推定温度Tcl(℃)となるように前記式(4)を再設定する。このため、推定温度Tcl(℃)と第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が第2油温T2(℃)以上となり、摩擦材温度推定部94で推定された推定温度Tcl(℃)がロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度に対してずれが大きくなった可能性が高まると、前記判定された時から所定期間Peの間、ロックアップクラッチ32が係合する係合制御が禁止されて第1摩擦板38および第2摩擦板44が冷却されるので、それら第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度が第1実油温T1oil(℃)に近づく。この後、第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度に近づいた前記禁止後の第1実油温T1oil(℃)が推定温度Tcl(℃)となるように式(4)が再設定されるので、ロックアップクラッチ32でのスリップが比較的長期間である場合すなわちフレックスロックアップ制御が比較的長期間実施される場合でも第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度の推定精度の低下が抑制させられる。また、推定油温Tcl(℃)が第1油温T1(℃)未満であり、例えば、ロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の温度が上昇してもそれら第1摩擦板38および第2摩擦板44付近の油温だけが上昇して油温検出部92から検出される第1実油温T1oil(℃)が比較的上昇し難く、推定温度Tcl(℃)と第1実油温T1oil(℃)との差温ΔT1(℃)が第2油温T2(℃)以上になり易くなる場合には、推定温度Tcl(℃)がロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の実際の温度に対してずれが大きくないと判定され、ロックアップクラッチ32が係合する係合制御が禁止されないので、好適に前記係合制御が継続して実施させられる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例のトルクコンバータ20は、作動油供給ポート20aと、作動油流出ポート20bと、制御油室20dにロックアップ係合圧PSLUを供給するポートとを有し、ロックアップ制御の開始時に押圧部材48が移動することによって押圧部材48とフロントカバー34との間の作動油が圧縮されて背圧((PTCin+PTCout)/2)が上昇する3ポート構造であったが、それ以外のトルクコンバータ20例えば、上記背圧((PTCin+PTCout)/2)が作用されない2ポート構造のトルクコンバータでも本発明を適用させることができる。
また、前述の実施例では、車両10にはトルクコンバータ20が用いられていたが、トルクコンバータ20に替えて、トルク増幅作用のない流体継手などが用いられても良い。
また、前述の実施例では、摩擦材温度推定部94で予め定められた推定温度算出式である式(4)を用いてロックアップクラッチ32の第1摩擦板38および第2摩擦板44の推定温度Tcl(℃)を推定していたが、その推定温度Tcl(℃)は、必ずしも式(4)を用いて算出される必要はなく、例えば特許文献1で示されている推定温度算出式を用いても良いしその他の推定温度算出式が用いられても良い。
また、前述の実施例では、ロックアップクラッチ32が多板式クラッチであったが、例えばロックアップクラッチ32として単板式クラッチを適用することも可能である。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
16:車両用動力伝達装置(動力伝達装置)
20:トルクコンバータ(流体継手)
32:ロックアップクラッチ
38:第1摩擦板(摩擦材)
44:第2摩擦板(摩擦材)
54:油圧制御回路(油圧回路)
56:電子制御装置(制御装置)
92:油温検出部
94:摩擦材温度推定部(温度推定部)
96:誤判定検出部
98:推定温度再設定実行部
Pe:所定期間
Tcl:推定温度
T1:第1油温
T1oil:第1実油温(実油温)
T2:第2油温
ΔT1:差温
(4):式(推定温度算出式)

Claims (1)

  1. ロックアップクラッチを有する流体継手を備える車両用動力伝達装置において、予め定められた推定温度算出式を用いて前記ロックアップクラッチの摩擦材の温度を推定する温度推定部を備える車両用動力伝達装置の制御装置であって、
    前記ロックアップクラッチよりも、油圧回路において下流側の実際の実油温を検出する油温検出部を備え、
    前記温度推定部で推定された前記摩擦材の推定温度が予め定められた第1油温以上、且つ、前記推定温度と前記実油温との差温が予め定められた第2油温以上であると判定された場合には、前記判定された時から所定期間の間、前記ロックアップクラッチが係合する係合制御を禁止し、その禁止後の前記実油温が前記推定温度となるように前記推定温度算出式を再設定することを特徴とする車両用動力伝達装置の制御装置。
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