以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、演出スイッチ132等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
演出スイッチ132は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ132は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回動可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図1や図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、制御基板によって制御されている。ここでは、制御基板の一例として、制御基板の機能を分担した、主制御基板200と、副制御基板202とを挙げて説明する。例えば、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312、コマンド送信手段314等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選種別抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の当選種別、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選種別抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、回転リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
判定手段308は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。状態移行手段312は、ボーナス役等、所定の当選種別の当選や所定の当選役の入賞に基づいて遊技状態を遷移させる。
コマンド送信手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段314は、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ132から検出信号を受信するとともに、当選種別コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。かかる各機能部については、後程詳述する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選種別の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、AT演出状態への移行を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選種別にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。また、演出には、上述したように、ART遊技状態(AT演出状態)において、後述する図9に示す当選種別抽選テーブルの当選領域17〜34の当選種別「移行リプレイ4」〜「移行リプレイ21」や、当選領域35〜40の当選種別「打順ベル1」〜「打順ベル6」に当選した場合に、遊技利益が大きい(RT遊技状態が昇格する、または、期待獲得枚数が最大となる)正解操作態様を報知する補助演出も含まれる。
本実施形態では、副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
上記の主制御基板200および副制御基板202を連動させることで、様々な遊技性を構築することができる。以下、主となる遊技形態を詳述する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、状態移行手段312により管理される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態等)に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示または入賞といい、当選役を含む当選種別に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、状態移行手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行することができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図であり、図6および図7は、当選役を説明するための説明図であり、図8は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図5(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。本実施形態において、有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインAとして設定している。また、図5(b)は、仮想ラインを示している。仮想ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示するラインであり、本実施形態では、5つの仮想ラインを想定している。具体的に、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB1、左リール134aの中段、中リール134bの中段、右リール134cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB2、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB3、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC2として設定している。ただし、仮想ラインB1、B2、B3、C1、C2は、見かけ上、図柄が直線的に表示されるというだけで、あくまで当選役の入賞を判定するのは有効ラインAのみである。
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「リプレイ4」、「リプレイ5」、「リプレイ6」、「リプレイ7」、「リプレイ8」、「リプレイ9」、「リプレイ10」、「リプレイ11」、「リプレイ12」、「リプレイ13」(以下、かかる13個のリプレイ役を単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)、当選役「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」、「小役6」、「小役7」、「小役8」、「小役9」、「小役10」、「小役11」、「小役12」、「小役13」、「小役14」、「小役15」、「小役16」、「小役17」、「小役18」、「小役19」、「小役20」、「小役21」、「小役22」、「小役23」、「小役24」(以下、当選役「小役1」〜「小役24」の24個の小役を単に当選役「小役」と略す場合がある)、当選役「CBB」が設けられている。図6では、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。このうち、当選役「リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「小役」が上記小役に相当し、当選役「CBB」が上記ボーナス役に相当する。
(リプレイ役)
当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ」のいずれかが含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、その当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ8」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「リプレイ8」に対応する複数の図柄組み合わせである、例えば、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄、「BAR A」図柄、「ハズレA」図柄、「ハズレB」図柄、または、「ハズレC」図柄のいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。図7(a)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「リプレイ」、「赤7」となっているが、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「リプレイ」、「リプレイ」となっており、遊技者は、当選役「リプレイ8」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別を構成する当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。具体的に、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ8」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。なお、無作為な操作タイミングでストップスイッチ130を操作したとき、該当する当選役の所定の回転リール134a、134b、134cに対応する図柄が有効ラインA上に表示される確率を「PB」と言い、0(0%)〜1(100%)の数値で表す。例えば、上記のように当選役「リプレイ8」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので、回転リール134a、134b、134cのいずれにおいてもPB=1となる。このようにして、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
なお、詳しくは後述するが、当選役「リプレイ8」が含まれる当選種別に当選した場合の停止制御は、その当選態様(例えば、当選役「リプレイ8」が単独で当選したか、他の当選役と重複当選したかによって異なるように設定されている。したがって、その当選態様および遊技者の操作態様に応じて、重複当選した当選役「リプレイ」のいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることとなる。
また、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ6」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される、当選役「リプレイ6」を構成する図柄が、例えば、図7(b)のように、有効ラインA上に表示可能となる。図7(b)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「リプレイ」、「ベル」となっているが、仮想ラインB3上に表示された図柄組み合わせは「アタックA」、「アタックA」、「アタックA」となっているので、遊技者は、当選役「リプレイ6」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ1」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される、当選役「リプレイ1」を構成する図柄が、例えば、図7(c)のように、有効ラインA上に表示可能となる。図7(c)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「アタックB」、「BAR A」、「ベル」となっているが、仮想ラインB2上に表示された図柄組み合わせは「BAR A」、「BAR A」、「BAR A」となっているので、遊技者は、当選役「リプレイ1」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
(小役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「小役18」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される、当選役「小役18」を構成する図柄が、例えば、図7(d)のように、有効ラインA上に表示可能となり、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、当選役「小役18」に対応した枚数(ここでは9枚)のメダルが遊技者に払い出される。つまり、当選種別抽選の結果、当選役「小役18」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件(後述する当選役「小役18」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、図6に示した当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(d)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「ベル」、「リプレイ」となっているが、仮想ラインB2上に表示された図柄組み合わせは「ベル」、「ベル」、「ベル」となっており、遊技者は、当選役「小役18」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここで、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。
なお、詳しくは後述するが、当選役「小役18」が含まれる当選種別に当選した場合の停止制御は、その当選態様(例えば、当選役「小役18」が単独で当選したか、他の当選役と重複当選したか)によって異なるように設定されている。したがって、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)ものの、当選役「小役18」が含まれる当選種別に当選しても、その操作態様によっては、取りこぼすことがあり、遊技者は、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選役「小役18」と異なり、当選役「小役1」〜「小役8」のいずれかが含まれる当選種別に当選した場合、例えば、当選役「小役1」が含まれる当選種別に当選した場合において、遊技者が無作為な操作態様でストップスイッチ130を操作した場合に当選役「小役1」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、1/4(20/20×5/20×20/20)となる。このように、当選役「小役1」に当選したとしても、遊技者は、当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「CBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となる。例えば、当選役「CBB」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図7(e)のように、図6に示した当選役「CBB」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「アタックA」図柄または「アタックB」図柄のいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。そして、当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば14枚)以上払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「CBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される(ただし、本実施形態の当選役「CBB」は、PB=1なので持ち越されることはない)。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図8を用い、上記ボーナス遊技状態を含む遊技状態の遷移について説明する。ここでは、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態(ARTの準備状態)、RT4遊技状態(ART遊技状態)、ボーナス遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態は、それぞれリプレイ役の当選確率が設定された(RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態=1/7.3、RT3遊技状態、RT4遊技状態=1/1.7、ただし、各RT遊技の当選確率は任意に設定することができる)、所謂、RT遊技状態であり、後述するように、主として所定の当選役が有効ラインA上に表示されることでRT遊技状態が移行することとなる。かかるRT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態を、ボーナス遊技状態に対応させてボーナス非成立遊技状態と呼ぶ場合もある。ここでは、RT3遊技状態、RT4遊技状態のリプレイ役の当選確率が比較的高く設定されており、遊技者はRT3遊技状態、RT4遊技状態に移行することで、遊技を有利に進行することができる。また、RT4遊技状態では、補助演出を行う、所謂、ATを並行して実行すること(AT演出状態)を想定しており、本実施形態においては、RT4遊技状態と並行してATを実行している状態をART遊技状態という場合がある。かかる演出状態については後程詳述する。
状態移行手段312は、当選役「リプレイ」や当選役「CBB」等、所定の当選種別の当選や入賞に基づいて、かかる複数の遊技状態を移行させる。また、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態へ移行するか否かを演出状態抽選により決定する。かかる演出状態抽選によりAT演出状態への移行が決定されると、それに伴い、遊技状態がRT4遊技状態に移行して、AT演出状態とRT4遊技状態が並行して進行するART遊技状態となる。
具体的に、RT0遊技状態における所定の契機(例えば、後述する図9に示す当選種別抽選テーブルの当選領域35〜40の当選種別「打順ベル1」〜「打順ベル6」に当選した場合に、なんらの小役も入賞しなかった場合)で、図8の(1)に示すように、RT1遊技状態に移行する。AT演出状態への移行が決定されると、遊技状態がRT1遊技状態であれば、補助演出を行い、後述するRT2遊技状態への移行を示す当選役(当選役「リプレイ11」)に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで、図8の(2)に示すように、遊技状態をRT2遊技状態に移行し、遊技状態がRT2遊技状態であれば、補助演出を行い、後述するRT3遊技状態への移行を示す当選役(当選役「リプレイ12」)に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで、図8の(3)に示すように、遊技状態をRT3遊技状態に移行し、遊技状態がRT3遊技状態であれば、補助演出を行い、後述するRT4遊技状態への移行を示す当選役(当選役「リプレイ13」)に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで、図8の(4)に示すように、遊技状態をRT4遊技状態に移行する。こうして遊技状態がRT4遊技状態に移行し、ART遊技状態となる。
ここでは、継続遊技数の間、AT演出状態とRT4遊技状態が並行して実行されるART遊技状態が継続する。ここで、継続遊技数は、その遊技状態を継続可能な(上限の)遊技数である。また、状態移行手段312は、ART遊技状態において、ART遊技状態の継続遊技数を加算するか否かの抽選、所謂、上乗せ抽選も実行する。この間に、継続遊技数が加算されると、加算された遊技数分、ART遊技状態が長く維持され、遊技者は、遊技を有利に進行することができる。そして、遊技数が継続遊技数に到達すると、ART遊技のうち、AT演出状態が終了し、補助演出が行われないことで、図8の(5)に示すように、RT1遊技状態への移行を示す当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで遊技状態がRT1遊技状態に移行される。
また、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態(ボーナス非成立遊技状態)のいずれかの遊技状態での当選種別抽選において、当選役「CBB」に当選し、BB内部当選フラグが成立すると、状態移行手段312は、遊技状態を、ボーナス遊技状態の準備状態に相当する不図示の内部中遊技状態に移行する。しかし、本実施形態では、遊技者は、当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に必ず表示させることができるので(PB=1)、BB内部当選フラグが次遊技に持ち越されることはなく(内部中遊技状態が維持されることはなく)、状態移行手段312は、遊技状態を、内部中遊技状態からボーナス遊技状態に移行する。結果的に、当選種別抽選において当選役「CBB」に当選すると、図8の(6)に示すように、状態移行手段312は、遊技状態を、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態からボーナス遊技状態に移行することとなる。また、ボーナス遊技状態において、所定枚数(例えば14枚)以上メダルが払い出されると、図8の(7)に示すように、状態移行手段312は、遊技状態を、ボーナス遊技状態から、ボーナス遊技状態に移行する前に滞在していた遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態のいずれか)に移行する(戻す)。
(当選種別抽選テーブル)
図9は、当選種別抽選乱数を判定する場合に用いられる当選種別抽選テーブルを示す図である。当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図9では、各遊技状態(RT0遊技状態(RT0)、RT1遊技状態(RT1)、RT2遊技状態(RT2)、RT3遊技状態(RT3)、RT4遊技状態(RT4)、ボーナス遊技状態(CBB))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」で表している。したがって、「○」が記載されていない当選領域は、その遊技状態に割り当てられていないことを示す。区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
図9の当選種別抽選テーブルによれば、当選領域0には、当選種別「不当選」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図6に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることなく、メダルの払い出し等が行われることはない。
当選領域1〜5には、当選種別「維持リプレイ1」〜「維持リプレイ5」が対応付けられており、当該当選種別の当選に応じて、それぞれ当選役「リプレイ3」、当選役「リプレイ8」、当選役「リプレイ11」、当選役「リプレイ12」、当選役「リプレイ13」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選種別抽選テーブルによれば、複数の当選役が重複した当選種別に当選することがある。例えば、当選領域6には、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ8」〜「リプレイ10」、「リプレイ13」が重複した当選種別「移行リプレイ1」が対応付けられている。このように、複数の当選役が重複して当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール134a、中リール134b、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順1」とし、左リール134a、右リール134c、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順2」とし、中リール134b、左リール134a、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順3」とし、中リール134b、右リール134c、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順4」とし、右リール134c、左リール134a、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順5」とし、右リール134c、中リール134b、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順6」とする。
例えば、RT4遊技状態において、当選領域6に対応する当選種別「移行リプレイ1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが最初に停止(第1停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1、2)、RT4遊技状態の維持を示す当選役「リプレイ13」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、RT1遊技状態への移行(転落)を示す当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
このように、複数の当選役が重複した当選種別には、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じ、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて、または、当選役が小役であった場合、その小役に対応するメダルの払出枚数に基づいて、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示するかが設定されており、リール制御手段306は、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順と操作タイミングに応じて停止制御する図柄を決定する。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に、遊技者によって、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cにおける、その操作タイミングで引込範囲内に存在している図柄のうち、まだ、入賞の可能性が残っている全ての当選役に対応する図柄組み合わせの当該回転リール134a、134b、134cの図柄が停止制御の対象となり、さらに、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて設定された優先度に基づき、リール制御手段306は、いずれか1の図柄を有効ラインA上に停止制御する。本実施形態では、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組み合わせの種類が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定され、当選役(小役)に対応するメダルの払出枚数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示されている図柄組み合わせに対応する小役の払出枚数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定される。
なお、上記した通り、当選種別「移行リプレイ1」に当選した場合には、その図柄配列上、いずれのタイミングでストップボタンスイッチ130a、130b、130cを押圧操作したとしても、重複するいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。したがって、遊技者が、左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれを最初に停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作したとしてもリプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することは可能であるが、その停止順により表示される図柄の組み合わせが異なることとなる。
このようなリプレイ役が重複した当選種別に当選した場合、補助演出を通じて重複当選した複数の当選役のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。例えば、RT4遊技状態において、AT演出状態へ移行していれば、所定の当選種別(例えば、当選種別「移行リプレイ1」)に当選したときに、補助演出を通じ、遊技者に、遊技状態の維持を示す所定の操作態様(例えば、打順1または打順2)による操作を行わせ、所定の当選役(例えば、当選役「リプレイ13」)に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、そのことをもって、状態移行手段312は、遊技状態をRT4遊技状態に維持させる。
同様に、当選種別抽選テーブルの当選領域7、8には、RT4遊技状態の維持を示す当選役「リプレイ13」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「移行リプレイ2」、当選種別「移行リプレイ3」が対応付けられている。そして、当選領域7の当選種別「移行リプレイ2」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順3、4に設定され、当選領域8の当選種別「移行リプレイ3」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順5、6に設定されている。かかる当選領域7、8における操作態様と表示される当選役との関係は、上記、当選領域6における操作態様と表示される当選役との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
同様に、当選種別抽選テーブルの当選領域9には、「アタックA」図柄または「アタックB」図柄が仮想ラインB3上に一直線に揃う当選役「リプレイ6」と、「赤7」図柄が仮想ラインB3上に一直線に揃う当選役「リプレイ2」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「アタックリプレイ1」が対応付けられている。そして、当選領域9の当選種別「アタックリプレイ1」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順3、4に設定され、当選役「リプレイ2」を入賞させるための停止操作が打順5、6に設定されている。また、当選領域10には、「アタックA」図柄または「アタックB」図柄が仮想ラインC2上に一直線に揃う当選役「リプレイ7」と、「赤7」図柄が仮想ラインB3上に一直線に揃う当選役「リプレイ2」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「アタックリプレイ2」が対応付けられている。そして、当選領域10の当選種別「アタックリプレイ2」は、当選役「リプレイ7」を入賞させるための停止操作が打順3、4に設定され、当選役「リプレイ2」を入賞させるための停止操作が打順5、6に設定されている。
同様に、当選種別抽選テーブルの当選領域11には、当選役「リプレイ4」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「バーハズレリプレイ」が対応付けられている。そして、当選領域11の当選種別「バーハズレリプレイ」は、当選役「リプレイ4」を入賞させるための停止操作が打順5、6に設定されている。また、当選領域12には、「BAR A」図柄が仮想ラインB2上に一直線に揃う当選役「リプレイ1」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「バー揃いリプレイ1」が対応付けられている。そして、当選領域12の当選種別「バー揃いリプレイ1」は、当選役「リプレイ1」を入賞させるための停止操作が打順5、6に設定されている。また、当選領域13には、「赤7」図柄が仮想ラインB3上に一直線に揃う当選役「リプレイ2」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「7揃いリプレイ」が対応付けられている。そして、当選領域13の当選種別「7揃いリプレイ」は、当選役「リプレイ2」を入賞させるための停止操作が打順5、6に設定されている。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域14〜16には、それぞれ、当選種別「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「バー揃いリプレイ2」が対応付けられており、当該当選種別の当選に応じて、それぞれ、当選役「リプレイ6」、当選役「リプレイ7」、当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域17〜22には、RT2遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ11」と、RT1遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ8」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「移行リプレイ4」〜当選種別「移行リプレイ9」が対応付けられている。そして、当選領域17の当選種別「移行リプレイ4」は、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順1に設定され、当選領域18の当選種別「移行リプレイ5」は、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順2に設定され、当選領域19の当選種別「移行リプレイ6」は、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域20の当選種別「移行リプレイ7」は、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順4に設定され、当選領域21の当選種別「移行リプレイ8」は、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域22の当選種別「移行リプレイ9」は、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。
同様に、当選種別抽選テーブルの当選領域23〜28には、RT3遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ12」と、RT1遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ8」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「移行リプレイ10」〜当選種別「移行リプレイ15」が対応付けられている。そして、当選領域23の当選種別「移行リプレイ10」は、当選役「リプレイ12」を入賞させるための停止操作が打順1に設定され、当選領域24の当選種別「移行リプレイ11」は、当選役「リプレイ12」を入賞させるための停止操作が打順2に設定され、当選領域25の当選種別「移行リプレイ12」は、当選役「リプレイ12」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域26の当選種別「移行リプレイ13」は、当選役「リプレイ12」を入賞させるための停止操作が打順4に設定され、当選領域27の当選種別「移行リプレイ14」は、当選役「リプレイ12」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域28の当選種別「移行リプレイ15」は、当選役「リプレイ12」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。
同様に、当選種別抽選テーブルの当選領域29〜34には、RT4遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ13」と、RT1遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ8」と、他のリプレイ役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「移行リプレイ16」〜当選種別「移行リプレイ21」が対応付けられている。そして、当選領域29の当選種別「移行リプレイ16」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順1に設定され、当選領域30の当選種別「移行リプレイ17」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順2に設定され、当選領域31の当選種別「移行リプレイ18」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域32の当選種別「移行リプレイ19」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順4に設定され、当選領域33の当選種別「移行リプレイ20」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域34の当選種別「移行リプレイ21」は、当選役「リプレイ13」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。
また、当選領域35には、当選役「小役1」、「小役5」、「小役9」、「小役18」が重複した当選種別「打順ベル1」が対応付けられている。かかる重複当選においても、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
例えば、当選領域35に対応する当選種別「打順ベル1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが第1停止し、中リール134bが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1)、払出枚数が多い当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。なお、上述したように、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせは、停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。また、当選種別「打順ベル1」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが第1停止し、右リール134cが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順2)、払出枚数が少ない当選役「小役9」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。なお、当選役「小役9」に対応する図柄組み合わせも、停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。
また、当選種別「打順ベル1」が当選種別抽選により決定され、中リール134bが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3、4)、払出枚数が少ない当選役「小役5」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5、6)、払出枚数が少ない当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。ただし、当選役「小役1」や当選役「小役5」はPB=1ではないので(図3および図6参照)、当選役「小役1」や当選役「小役5」に当選したとしても、遊技者は、当選役「小役1」や当選役「小役5」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。例えば、遊技者が無作為に操作した場合、PB=1/4の確率で当選役「小役1」や当選役「小役5」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる一方で、確率PB=3/4の確率で有効ラインA上に表示させることができない、所謂取りこぼしが生じ得る。
このように、当選領域35の当選種別「打順ベル1」に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順1によって操作すると、払出枚数9枚の当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=9枚)、打順2によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「小役9」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=1枚)、打順3〜6によって操作すると、当選役「小役18」の入賞を回避しつつ、払出枚数1枚の当選役「小役1」または「小役5」に対応する図柄組み合わせを約1/4の確率で有効ラインA上に表示でき、また、残りの約3/4の確率でいずれの当選役も入賞させないようにする(取りこぼし)ことができる(期待獲得枚数=1/4枚)。
同様に、当選領域36〜40には、払出枚数が多い当選役「小役18」と、他の小役のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「打順ベル2」〜当選種別「打順ベル6」が対応付けられている。そして、当選領域36の当選種別「打順ベル2」では、当選役「小役18」を入賞させるための停止操作が打順2に設定され、当選領域37の当選種別「打順ベル3」では、当選役「小役18」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域38の当選種別「打順ベル4」では、当選役「小役18」を入賞させるための停止操作が打順4に設定され、当選領域39の当選種別「打順ベル5」では、当選役「小役18」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域40の当選種別「打順ベル6」では、当選役「小役18」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。なお、当選領域35〜40の当選確率(当選範囲値の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域35〜40を設けることにより、選択当選役としての当選役「小役18」を入賞させることが極めて難しくなっている。ただし、このようなストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて遊技者の遊技利益が異なる当選種別に当選した場合においても、遊技者は、補助演出を通じて当選役「小役18」を入賞し得る正解操作態様を把握することで、当選役「小役18」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、補助演出が実行されない非AT演出状態より多くのメダルを獲得することが可能となる。
このように、補助演出を実行することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易いAT演出状態(本実施形態ではRT4遊技状態と並行して実行されるART遊技状態)と、補助演出を行わないことで(非AT演出状態)、遊技の進行に応じてメダルが減り易い遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態)とを実現することができる。具体的に、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態では、当選種別「打順ベル1」〜「打順ベル6」(当選種別「打順ベル1」〜「打順ベル6」の6つの当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある)が当選した遊技において、遊技者が無作為な操作態様でストップスイッチ130を操作すると、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は約11/6枚(9枚×1/6+1枚×1/6+1/4枚×4/6)となり、遊技の進行に応じてメダルが減り易くなる。一方で、補助演出が実行されるAT演出状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、当選役「小役18」を入賞させることができるので、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は9枚となり、当選種別「打順ベル」の当選確率を調整することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易くなる遊技を実現することができる。
また、当選領域41〜46には、当選種別「共通ベル」、「チャンス1」、「チャンス2」、「チャンス3」、「アタック小役1」、「アタック小役2」がそれぞれ対応付けられており、かかる当選種別それぞれの当選に応じて当選役「小役18」、「小役9」、「小役12」、「小役13」、「小役16」、「小役17」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選領域47には、当選種別「CBB」が対応付けられており、かかる当選種別「CBB」の当選に応じて当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。かかる当選役「CBB」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので(PB=1)、当選種別「CBB」に当選した場合、遊技者は、当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示することができる。そして、当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示するとボーナス遊技が開始される。かかるボーナス遊技状態では、対応する当選領域における当選種別を強制的に小役に設定する。例えば、当選種別抽選により、当選領域0〜34に当選すると、当選した当選領域に応じて、払出枚数が13枚である当選役「小役19」〜「小役24」のいずれかに設定され、遊技者は、当選役「小役19」〜当選役「小役24」のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することが可能となる。そして、払い出し枚数が所定の枚数(例えば14枚)を超えると、ボーナス遊技状態を終了する。
(演出状態の移行)
図10は、主制御基板200における演出状態の移行を説明するための説明図である。図8を用いて説明したように、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態へ移行するか否かを演出状態抽選により決定する。かかる演出状態抽選によりAT演出状態への移行が決定されると、それに伴い、遊技状態がRT4遊技状態に移行して、AT演出状態とRT4遊技状態が並行して進行するART遊技状態となる。以下、主制御基板200において状態移行手段312により移行される演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)について詳述する。
(非AT演出状態)
非AT演出状態としては、非AT通常演出状態と非ATチャンス演出状態とが設けられている。演出状態が非AT通常演出状態であった場合、補助演出の実行頻度がAT演出状態より極めて低く、ほぼ補助演出が行われない、または、補助演出が全く行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。かかる非AT通常演出状態は、複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。
状態移行手段312は、非AT通常演出状態における所定の契機、例えば、当選種別抽選で所定の当選種別が決定されたことに基づいて、演出状態を非ATチャンス演出状態に移行させ(1)、非ATチャンス演出状態において所定の終了条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、演出状態を非AT通常演出状態に戻す(2)。また、状態移行手段312は、非AT通常演出状態および非ATチャンス演出状態において、演出状態をAT演出状態(最初はAT開始演出状態)に移行することができる(3)。ただし、非ATチャンス演出状態の方が非AT通常演出状態よりAT演出状態に移行し易いように設定されている。例えば、非ATチャンス演出状態では、所定の遊技数の間、所定の昇格確率(例えば50%)で昇格抽選を実行し、昇格抽選の結果、昇格が決定されると、期待度を示すステージの段階が上がる。そして、昇格抽選を継続した結果、所定の段階(例えば5段階)以上ステージが昇格するとAT演出状態への移行が決定される。かかる非ATチャンス演出状態では、30%の確率でAT演出状態への移行が決定される。したがって、遊技者は、非AT通常演出状態より、非ATチャンス演出状態に滞在することを望むこととなる。また、AT演出状態に移行することなく非AT演出状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、ゾーンや天井に到達)、状態移行手段312は、演出状態をAT演出状態へ移行する。
(AT演出状態)
AT演出状態では、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態において、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
AT演出状態では、3つのAT演出状態(AT開始演出状態、AT通常演出状態、ATチャンス演出状態)が設けられている。状態移行手段312は、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態に移行させる場合、まず、3つのAT演出状態のうちのAT開始演出状態に移行する(3)。状態移行手段312は、AT開始演出状態に1遊技のみ滞在し、遊技者に付与すべき、AT通常演出状態の継続に関連する所定の権利(後述する攻撃権利)の数を抽選により決定する。すなわち、状態移行手段312は、例えば、AT開始演出状態の開始から所定の時間(例えば0.2秒)毎に所定の継続確率(例えば95%)で継続抽選を実行し、継続抽選において継続が途絶えるまでの時間に応じて、付与する所定の権利の数を決定する。例えば、継続抽選の結果、2.2秒間継続したら、切り上げて3秒間継続したこととし、所定の権利を3個(1秒に対して1個)付与する。かかる所定の権利については、後程詳述する。
また、状態移行手段312は、所定の権利の数が決定されると、演出状態をAT通常演出状態に移行する(4)。そして、演出状態がAT通常演出状態に移行された後、所定の到達条件を満たす前に、所定の終了条件を満たすとAT演出状態が終了し、状態移行手段312は、演出状態を非AT演出状態(非AT通常演出状態)に移行する(5)。一方、演出状態がAT通常演出状態に移行された後、終了条件を満たす前に、到達条件を満たすと、状態移行手段312は、演出状態を再びAT開始演出状態に移行させ(6)、AT通常演出状態を継続させる。かかる到達条件および終了条件は後程詳述する。
また、状態移行手段312は、AT開始演出状態やAT通常演出状態において、演出状態をATチャンス演出状態に移行することがある(7)、(8)。ATチャンス演出状態は、所定の遊技数(例えば15遊技)継続し、その間に所定の遊技利益を付与するか否かの抽選が行われる。かかるATチャンス演出状態が終了すると、状態移行手段312は、演出状態をAT開始演出状態に移行する(9)。かかるAT開始演出状態においては、上述したように、抽選により決定された数だけ、所定の権利を付与するが、ATチャンス演出状態における抽選により所定の遊技利益を付与することが決定されていれば、遊技者は、所定の遊技利益を付与することが決定されていない場合より、所定の権利を比較的多く得ることが可能となる。したがって、ATチャンス演出状態では、AT通常演出状態での遊技数を消化することなく、所定の権利が追加される可能性が高まるので、遊技者は、ATチャンス演出状態への移行を望むこととなる。
(演出状態の移行に関するテーブル)
メインROM200bには、さらに、複数の演出状態抽選テーブル等が格納されている。状態移行手段312は、現在の演出状態に基づいて対応する演出状態抽選テーブルをメインROM200bから抽出するとともに、抽出した演出状態抽選テーブルを参照し、スタートスイッチ128の操作に基づき、複数の演出状態のうち、いずれか1の演出状態を演出状態抽選によって決定する。
図11は、演出状態抽選テーブルを示す図であり、図11(a)は、非AT通常演出状態に用いられ、図11(b)は、非ATチャンス演出状態に用いられ、図11(c)は、AT開始演出状態に用いられ、図11(d)は、AT通常演出状態に用いられる。各演出状態抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、区画化された各当選領域にはそれぞれ置数と演出状態が対応付けられている。したがって、当選領域それぞれに当選する確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。例えば、図11(a)の非AT通常演出状態用演出状態抽選テーブルでは、3つの当選領域が区画されており、それぞれ、非ATチャンス演出状態、AT開始演出状態、ハズレが割り当てられ、当選領域毎の置数に応じて、各演出状態への移行確率が異なることとなる。また、図11(a)〜(d)のいずれの演出状態抽選テーブルにおいても、ハズレの当選領域が設けられている。非AT通常演出状態、非ATチャンス演出状態、および、AT通常演出状態においてハズレの当選領域が決定されると、それぞれの演出状態を維持し、AT開始演出状態においてハズレの当選領域が決定されると、AT開始演出状態として1遊技消化された後、演出状態がAT通常演出状態に移行される。以下、演出状態、特に、AT通常演出状態に係る遊技性を詳述する。
(AT通常演出状態)
状態移行手段312が、演出状態をAT通常演出状態に移行すると、演出制御手段334は、AT通常演出状態において、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う、所謂、バトル演出を実行する。具体的に、状態移行手段312が、演出状態をAT通常演出状態に移行すると、演出制御手段334は、敵キャラクタ(例えば1体)を決定するとともに、味方キャラクタの数(例えば3または4人)を決定する。そして、演出制御手段334は、敵キャラクタを紹介する導入画面を表示した後、バトル演出を開始する。遊技者は、バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利した演出を視聴することで、AT通常演出状態に再度移行(継続)することを把握でき、一方、味方キャラクタが敗北した演出を視聴することでAT通常演出状態の終了、すなわち、非AT演出状態に移行することを把握する。以下、AT通常演出状態の詳細な流れを説明する。
(敵キャラクタ決定)
状態移行手段312は、AT通常演出状態において所定の到達条件を満たすと、新たに、AT通常演出状態に再度移行させ、到達条件を満たす前に、所定の終了条件を満たすとAT通常演出状態を終了させ、演出状態を非AT演出状態に移行する。ここで、到達条件は、所定の更新契機で内部的に更新される内部更新値が所定の閾値に到達することであり、例えば、本実施形態では、主制御基板200において内部的に管理される敵ライフカウンタ(内部更新値)が、後述する攻撃権利を消化することで更新(減算)され、その累積により、敵ライフカウンタが所定の閾値(ここでは0)に到達することである。かかる敵ライフカウンタは、敵キャラクタが敗北するまでの残りライフ数を表す内部的なパラメータである。なお、到達条件として、継続抽選により遊技を継続し続けることで所定の遊技数に到達したり、所定の当選役を所定数入賞させたりすることを採用してもよい。また、ここでは、更新される敵ライフカウンタ(内部更新値)が閾値に達した(到達条件を満たした)場合に付与される所定の遊技利益として、AT通常演出状態に再度移行させる(継続させる)例を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、チャンスゾーン、上乗せ特化ゾーン、所定の継続遊技数の付与等、遊技者に有利な様々な遊技利益を採用することができる。
また、終了条件は、AT通常演出状態を終了させるトリガ(契機)となる条件であり、例えば、本実施形態では、所定の遊技数(以下、保証遊技数という。例えば40遊技)が経過し、かつ、後述する攻撃権利が全て消化されることである。なお、終了条件として、継続抽選により遊技を継続する旨の結果が得られなかったり、所定の当選役が入賞することを採用してもよい。
図12は、敵キャラクタを決定するまでの処理を説明するための説明図である。状態移行手段312は、到達条件としての閾値、すなわち、敵キャラクタの初期ライフ数(ここではキャラクタ種別も)を決定し、決定された初期ライフ数を敵ライフカウンタに設定する。図12(a)では、決定され得るキャラクタ種別と初期ライフ数との関係を示す。当該バトル演出では、敵ライフカウンタの値が閾値(ここでは0)になると、再度、AT通常演出状態へ移行することが決定される。かかる点を踏まえると、キャラクタ種別「通常」において、敵ライフカウンタの値が小さい程、到達条件を満たし易い、すなわち、敵キャラクタに勝利し易いこととなる。なお、状態移行手段312が決定したキャラクタ種別が「特殊A」の場合、今回のAT通常演出状態で到達条件を満たせば(敵キャラクタに勝利すれば)、次回のAT通常演出状態における次々回のAT通常演出状態への移行が確定する。また、同様に、状態移行手段312が決定したキャラクタ種別が「特殊B」の場合、次回のAT通常演出状態への移行(今回の勝利)が確定するとともに、次回のAT開始演出状態における攻撃権利に関する継続確率が優遇される。また、状態移行手段312は、キャラクタ種別「特殊A」が決定されるAT通常演出状態の1つ前のAT通常演出状態においてのみ、キャラクタ種別「特殊C」を決定し得る。したがって、キャラクタ種別「特殊C」が決定され、キャラクタ種別「特殊C」に属する敵キャラクタが出現したAT通常演出状態で到達条件を満たせば、次回のAT通常演出状態では、キャラクタ種別「特殊A」が決定されることが確定する。
このように、敵ライフカウンタに初期ライフ数が設定されると、演出制御手段334は、かかる敵ライフカウンタの値に基づいて報知用敵ライフカウンタ(報知更新値)を設定する。ここでは、仮に、敵ライフカウンタの値をそのまま報知用敵ライフカウンタに設定するとする。かかる報知用敵ライフカウンタは、遊技者に敵キャラクタのライフカウンタを報知するために演出制御手段334が管理するカウンタであり、敵キャラクタが敗北するまでの仮想的な残りライフ数を表している。
続いて、演出制御手段334は、図12(b)に示す敵キャラクタの抽選テーブルを参照し、キャラクタ種別、および、設定された報知用敵ライフカウンタの初期値に対応するグループ内における敵キャラクタのいずれかを抽選により決定する。例えば、演出制御手段334は、キャラクタ種別が「通常」であり、報知用敵ライフカウンタの値が「400」であれば、第1グループに属する複数の敵キャラクタのいずれかを決定することとなる。なお、上述したように、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」は、キャラクタ種別「通常」より遊技利益(特典)が高い。したがって、遊技者は、第1グループ〜第4グループに属する敵キャラクタより、第5グループ〜第7グループに属する敵キャラクタが決定されるのを望むこととなる。
ここで、上述した、状態移行手段312によるキャラクタ種別および初期ライフ数の決定処理について説明する。状態移行手段312は、AT通常演出状態を継続できるか否かのメリハリのある遊技性を提供すべく、キャラクタ種別「通常」に対応する複数の初期ライフ数(例えば、400、300、200、100)のいずれかを決定する。また、状態移行手段312は、キャラクタ種別「通常」の代わりに、遊技者が予期せぬタイミングで特典的にキャラクタ種別「特殊A」または「特殊B」を決定し、さらに、キャラクタ種別「特殊A」が決定された場合には、それに伴いキャラクタ種別「特殊C」を決定する場合がある。ここで、キャラクタ種別「通常」および初期ライフ数が決定されると、初期ライフ数によって到達条件(閾値)が設定されることになるが(以下、初期ライフ数を含むものを単に「到達条件」という場合がある)、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」が決定されると、その初期ライフ数によって到達条件が設定されるとともに、それに付随する特典も設定される。ここでは、到達条件に特典が付随するものを「特定の到達条件」という。なお、特定の到達条件は、他の到達条件と独立した条件であれば足り、このように到達により特典を付与するものや、敵ライフカウンタの更新態様を異ならせるもの等、到達条件自体に様々な仕様を付随させてもよい。また、AT通常演出状態が継続している間、AT通常演出状態毎のキャラクタ種別および初期ライフ数の変化にある程度の規則性を持たせるため、キャラクタ種別および初期ライフ数の複数の組み合わせが予め定められた順番に配列された、所謂、シナリオを用いる場合がある。なお、初期ライフ数は、到達条件の閾値であるため、結果的に、AT通常演出状態を継続させる確率(継続率)を示すこととなる。
図13は、キャラクタ種別および初期ライフ数を決定するまでの処理を説明するための説明図である。例えば、AT通常演出状態毎に、キャラクタ種別「通常」に対応する複数の初期ライフ数を変化させてメリハリを利かせ遊技性を取り入れたい場合、図13(a)のように、複数のキャラクタ種別「通常」と、対応する複数の初期ライフ数との組み合わせ(「通常400」、「通常300」、「通常200」、「通常100」)が予め定められた順番に配列されている、例えば、「シナリオA」〜「シナリオC」を準備する。また、遊技者が予期せぬタイミングで、恰も特典的にキャラクタ種別「特殊A」が決定されたかのように、キャラクタ種別「特殊A」や「特殊C」が割り当てられた、例えば、「シナリオH」や、遊技者が予期せぬタイミングで、恰も特典的にキャラクタ種別「特殊B」が決定されたかのように、キャラクタ種別「特殊B」が割り当てられた、例えば、「シナリオL」も準備される。状態移行手段312は、初回のAT通常演出状態において図13(a)のような複数のシナリオのいずれか(例えば「シナリオA」)を決定し、AT通常演出状態が継続している間、AT通常演出状態が開始される度に、決定されたシナリオから、キャラクタ種別および初期ライフ数の組み合わせを順番に参照し、その初期ライフ数を、敵ライフカウンタに設定する。
しかし、キャラクタ種別「通常」に対応する複数の初期ライフ数の変化パターンに加え、予期せぬタイミングでキャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」が決定されたかのような変化パターンを全て網羅しようとすると、シナリオとして無数の変化パターンを準備する必要が生じ、シナリオが占有する主制御基板200のメモリ容量が増加してしまう。そこで、キャラクタ種別および初期ライフ数の決定処理を工夫し、メモリ容量を削減しつつ、バリエーションに富んだ変化パターンで演出状態を継続させることで、演出効果の向上を図る。
具体的に、図13(b)のように、複数のキャラクタ種別「通常」と、対応する複数の初期ライフ数との組み合わせ(「通常400」、「通常300」、「通常200」、「通常100」)が予め定められた順番に配列されたシナリオを準備し、ここでは、シナリオ中にキャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」を含めない。そして、状態移行手段312は、初回のAT通常演出状態において、図13(b)のような複数のシナリオのいずれか(例えば「シナリオA」)を決定し、AT通常演出状態が継続している間、AT通常演出状態が改めて開始される度に、決定されたシナリオから、キャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせを順番に参照する(「通常400」→「通常300」→「通常200」→「通常100」→「通常400」…)。したがって、ここでは、キャラクタ種別「通常」と、対応する複数の初期ライフ数との組み合わせ(「通常400」、「通常300」、「通常200」、「通常100」)しか参照されないこととなる。
そして、状態移行手段312は、所定の抽選確率で、決定されたキャラクタ種別「通常」と初期ライフ数との組み合わせを、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」のいずれかと初期ライフ数との組み合わせ(特定の到達条件)へ置換するか否かを抽選(置換抽選)により決定する。状態移行手段312は、かかる置換抽選により、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」を含むキャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせへの置換が決定されなければ、参照されたキャラクタ種別「通常」と初期ライフ数との組み合わせを、開始されたAT通常演出状態の到達条件とする。一方、置換抽選によりキャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」を含むキャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせへの置換が決定されると、参照されたキャラクタ種別「通常」と初期ライフ数との組み合わせに代えて、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」を含むキャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせを、開始されたAT通常演出状態の到達条件とする。なお、置換抽選の抽選確率は、AT通常演出状態の回数に応じて異ならせたり、そのキャラクタ種別に応じて異ならせることもできる。
例えば、状態移行手段312が、初回のAT通常演出状態において、図13(c)のように「シナリオC」を決定したとする。状態移行手段312は、AT通常演出状態が継続している間、AT通常演出状態が開始される度に、決定された「シナリオC」から、キャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせを順番に参照する(「通常300」→「通常200」→「通常100」→「通常300」…)。そして、状態移行手段312は、所定の抽選確率で、置換抽選を行い、置換抽選により、例えば、3回目や9回目のAT通常演出状態に対し、図13(c)のように、キャラクタ種別「特殊A」と初期ライフ数「300」との組み合わせへの置換が決定されれば、参照されたキャラクタ種別「通常」と初期ライフ数との組み合わせに代えて、キャラクタ種別「特殊A」と初期ライフ数「300」との組み合わせを、開始されたAT通常演出状態の到達条件とする。なお、状態移行手段312は、図13(c)のように、キャラクタ種別「特殊A」を決定すると、そのAT通常演出状態の1つ前(8回目)のAT通常演出状態において、キャラクタ種別「特殊C」を決定することがある。
このように、シナリオと置換抽選とを掛け合わせることで、キャラクタ種別「通常」と初期ライフ数とをシナリオに基づいて決定し、AT通常演出状態を継続できるか否かのメリハリをつけつつ、置換抽選により、遊技者が予期せぬタイミングで特典的にキャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」を決定することができる。また、シナリオとして、図13(b)のように、キャラクタ種別「通常」と、対応する複数の初期ライフ数のいずれかとの組み合わせに関するシナリオのみを準備すればよいので、キャラクタ種別および初期ライフ数のバリエーションに富んだ変化パターンを実現しつつ、シナリオが占有する主制御基板200のメモリ容量を削減することが可能となる。
また、上述したように、状態移行手段312は、キャラクタ種別「特殊A」が決定されるAT通常演出状態の1つ前のAT通常演出状態においてのみキャラクタ種別「特殊C」への置換を決定し得る。かかる仕様を実現すべく、状態移行手段312は、AT通常演出状態が継続している間の次回以降のAT通常演出状態に対する特定の到達条件への置換を、今回のAT通常演出状態中における置換抽選により決定する。例えば、図13(c)の例では、状態移行手段312は、8回目のAT通常演出状態の開始時に、9回目のAT通常演出状態におけるキャラクタ種別「通常」と初期ライフ数「300」の組み合わせに対し、置換抽選を行い、置換抽選により、キャラクタ種別「特殊A」と初期ライフ数「300」との組合せへの置換を決定したとする(置換フラグをONする)。ここで、置換フラグは、置換抽選の結果を示す。また、状態移行手段312は、8回目のAT通常演出状態の開始時に、9回目のAT通常演出状態における置換の決定に加えて、8回目のAT通常演出状態におけるキャラクタ種別「特殊C」への置換抽選を行い、キャラクタ種別「特殊C」と初期ライフ数「300」との組合せへの置換が決定されると、図13(c)のように、当該8回目のAT通常演出状態におけるキャラクタ種別「通常」と初期ライフ数「100」の組み合わせを、キャラクタ種別「特殊C」と初期ライフ数「300」との組合せに置換する。こうして、演出制御手段334は、置換抽選により、キャラクタ種別「特殊A」と初期ライフ数「300」との組合せへの置換が決定されると、8回目のAT通常演出状態においてキャラクタ種別「特殊C」に属するキャラクタを出現させ、次のAT通常演出状態において特定の到達条件が設定されることを示唆する演出を実行することができる。そして、当該8回目のAT通常演出状態において到達条件を満たすと、状態移行手段312は、9回目のAT通常演出状態において、置換フラグがONしていれば、キャラクタ種別「通常」と初期ライフ数「300」の組み合わせを、キャラクタ種別「特殊A」と初期ライフ数「300」との組合せに置換することになる。
かかる構成により、演出制御手段334は、当該AT通常演出状態で到達条件を満たせば、次回のAT通常演出状態における次々回のAT通常演出状態への移行が確定するといったように特典の高いキャラクタ種別「特殊A」に属する敵キャラクタの出現を、キャラクタ種別「特殊C」に属する敵キャラクタによって煽ったり、予告することが可能となる。したがって、遊技者は、キャラクタ種別「特殊C」に属する敵キャラクタが出現することで、当該AT通常演出状態の長期継続を期待することができる。
なお、ここでは、置換抽選により特定の到達条件への置換が決定されると、演出制御手段334が、キャラクタ種別「特殊C」に属する敵キャラクタを出現させることで特定の到達条件が設定されることを示唆する例を挙げているが、特定の到達条件が設定されていることを示唆できれば、キャラクタ種別「特殊C」に属する敵キャラクタに限らず、所定のキャラクタを出現させる、所定の演出を行う、所定の背景に変化させる、および、敵キャラクタに所定の攻撃を行う等、様々な報知態様で、そのことを示唆してもよい。また、ここでは、状態移行手段312が、AT通常演出状態が継続している間の次回以降のAT通常演出状態に対する特定の到達条件への置換を、今回のAT通常演出状態の開始時に置換抽選により決定する例を挙げて説明したが、今回のAT通常演出状態中であれば、いずれのタイミングで置換抽選を行ってもよい。このようにAT通常演出状態の途中で、キャラクタ種別「特殊C」への置換が決定されると、演出制御手段334は、その決定されたタイミング以降に、それまでバトルしていた敵キャラクタを、キャラクタ種別「特殊C」に属する敵キャラクタに割込的に変更する。
また、ここでは、キャラクタ種別「特殊C」への置換が決定されると、置換する前のキャラクタ種別や初期ライフ数に拘わらず、キャラクタ種別「特殊C」と初期ライフ数「300」との組合せに置換する例、すなわち、初期ライフ数を固定値「300」とする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、キャラクタ種別のみ「特殊C」に置換し、初期ライフ数は、置換する前の初期ライフ数を引き継いだり(例えば、キャラクタ種別「通常」と初期ライフ数「100」の組み合わせを、キャラクタ種別「特殊C」と初期ライフ数「100」との組合せに置換する。)、その都度、抽選により決定したりしてもよい。かかる構成により、キャラクタ種別「特殊C」への置換とともに、少ない初期ライフ数が設定される可能性が生じるので、遊技者は、特典の高いキャラクタ種別「特殊A」によるAT通常演出状態へ移行する期待感を高めることができる。
また、ここでは、主制御基板200の状態移行手段312が、キャラクタ種別「特殊C」への置換を置換抽選により決定する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、副制御基板202の演出制御手段334が、キャラクタ種別「特殊C」への置換を置換抽選により決定し、初期ライフ数は、置換する前の初期ライフ数を引き継ぐとしてもよい。かかる構成により、主制御基板200のメモリ容量を削減することが可能となる。
また、ここでは、シナリオとして、状態移行手段312が、AT通常演出状態において到達条件を満たすとAT通常演出状態に再度移行させ、到達条件を満たす前に、終了条件を満たすとAT通常演出状態を終了させ、AT通常演出状態が継続している間、複数の到達条件が予め定められた順番に配列されたシナリオから、AT通常演出状態が開始される度に到達条件を順番に参照し、特定の到達条件への置換抽選を行い、置換抽選により特定の到達条件への置換が決定されなければ、参照された到達条件を、開始されたAT通常演出状態の到達条件とし、置換抽選により特定の到達条件への置換が決定されると、参照された到達条件に代えて特定の到達条件を、開始されたAT通常演出状態の到達条件とする例を挙げて説明した。しかし、シナリオの対象となる条件は、到達条件に限らず、その上位概念である、AT通常演出状態を継続する継続条件を対象とすることができる。例えば、到達条件も、継続し易さを示すという意味で継続率(継続条件)に置き換えることができる。かかる継続条件は、AT通常演出状態の継続を決定するための条件であり、例えば、到達条件の他、AT通常演出状態の継続を決定する継続率等も含まれる。この場合、状態移行手段312は、AT通常演出状態において、継続抽選を行い、継続条件に相当する継続率で継続抽選に当選すると(継続条件を満たすと)、AT通常演出状態に再度移行させ、継続抽選に落ちると(継続条件を満たさないと)、AT通常演出状態を終了させる。そして、状態移行手段312は、AT通常演出状態が継続している間、複数の継続条件が予め定められた順番に配列されたシナリオから、AT通常演出状態が開始される度に継続条件を順番に参照し、特定の継続条件への置換抽選を行い、置換抽選により特定の継続条件への置換が決定されなければ、参照された継続条件を、開始されたAT通常演出状態の継続条件とし、置換抽選により特定の継続条件への置換が決定されると、参照された継続条件に代えて特定の継続条件を、開始されたAT通常演出状態の継続条件とする。
また、ここでは、シナリオにおける継続条件を満たした場合に継続可能な、遊技者に有利な所定の演出状態としてAT通常演出状態(AT演出状態)を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、非ATチャンス演出状態、ATチャンス演出状態、その他のチャンスゾーン、上乗せ特化ゾーン等、遊技者に有利な様々な演出状態や遊技利益を採用することができる。例えば、所定の演出状態として非ATチャンス演出状態を採用した場合に、非ATチャンス演出状態において継続条件を満たすと、状態移行手段312は、演出状態を、再度、非ATチャンス演出状態に移行し、その非ATチャンス演出状態が継続している間、遊技者は、図11(b)の演出状態抽選テーブルによる抽選機会を得ることができ、さらに、継続条件を満たし続け、例えば、所定の回数(例えば5回)継続することでAT演出状態に移行できるといったような遊技性を取り入れることができる。
(バトル演出)
このように敵キャラクタが決定され、味方キャラクタの数が決定されると、演出制御手段334は、敵キャラクタを紹介する導入画面を表示した後、バトル演出を開始する。バトル演出では、敵キャラクタの敵ライフカウンタを更新するための所定の権利(かかる権利を、敵キャラクタを攻撃する権利という意味で「攻撃権利」という)が付与され、その攻撃権利を消化することで(攻撃権利の消化の対価として)敵ライフカウンタが更新される。ここでは、攻撃権利の消化を以下のように回転リール134a、134b、134cの停止制御によって表現する。
図14は、攻撃権利の消化処理を説明するための説明図である。主制御基板200では、攻撃権利の数が攻撃権利カウンタにより管理され、状態移行手段312により、攻撃権利の付与が決定されると、攻撃権利カウンタの値が更新される。また、演出制御手段334は、攻撃権利カウンタの値に基づいて、遊技者に、攻撃権利の数を報知する。したがって、遊技者は、攻撃権利の数を把握することができる。
状態移行手段312は、当選種別抽選手段により、当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選したとき(ここでは当選種別「アタックリプレイ1」が当選したとする)、攻撃権利カウンタの値が1以上であれば(攻撃権利があれば)、攻撃権利を消化するか否かを所定の消化確率(例えば1/5)で抽選(消化抽選)により決定し、その消化抽選の結果を演出制御手段334に伝達する。そして、演出制御手段334は、消化抽選の結果が攻撃権利の消化を示していれば、遊技者に、正解操作態様(打順3、4)を報知し、正解操作態様による操作を行わせ、図14(a)のように、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させる。状態移行手段312は、消化抽選の結果(攻撃権利の消化)と遊技者の操作に応じて、敵キャラクタの敵ライフカウンタを更新(減算)し、演出制御手段334は、敵キャラクタへ攻撃する画像を表示する。こうして、遊技者は、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたこと、および、攻撃権利に基づいて敵キャラクタを攻撃したことを把握することができる。
また、当選種別抽選手段により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選したときであっても、攻撃権利カウンタの値が0であるか(攻撃権利がないか)、または、攻撃権利カウンタの値が1以上であっても消化抽選により攻撃権利を消化する旨の決定がなされていなければ、演出制御手段334は、遊技者に、正解操作態様を報知することはない。したがって、遊技者が、打順1、2による操作を行うことで、図14(b)のように、当選役「リプレイ13」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示される。
なお、ここでは、状態移行手段312が、当選種別抽選手段により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選し、かつ、攻撃権利カウンタの値が1以上であれば、消化抽選により攻撃権利を消化するか否か決定する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、遊技状態や演出状態等、その遊技状況に応じて攻撃権利を消化するか否か決定してもよい。
また、ここでは、当選種別抽選手段により当選種別「アタックリプレイ1」が当選したときに、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することで攻撃権利を消化する例を挙げたが、当選種別「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」のいずれかが当選した際に、それぞれ当選役「リプレイ6」、「リプレイ7」、「小役16」、「小役17」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示された場合も、攻撃権利が消化され、敵ライフカウンタが更新される。ただし、攻撃権利の消化抽選は、当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選したときのみ行われ、当選種別「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」のいずれかが当選した場合は、消化抽選が行われることなく必ず攻撃権利が消化されることとなる。なお、ここでは、当選種別「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」のいずれかが当選した場合に攻撃権利が消化されるとしたが、かかる当選種別については、補助演出を受けることなく、当選役「リプレイ6」、「リプレイ7」、「小役16」、「小役17」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができるので、その当選(入賞)によっては攻撃権利が消化されないとする仕様を採用することもできる。
なお、ここでは、消化抽選により攻撃権利を消化することが決定されると、その消化に応じて所定の遊技利益を付与、すなわち、敵キャラクタの敵ライフカウンタを更新(減算)し、その更新された敵ライフカウンタが閾値に達することでAT通常演出状態へ移行する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、消化抽選により攻撃権利を消化することが決定されると、その消化に応じて、直接、AT通常演出状態へ移行するか否かを所定の確率で抽選により決定する等、様々な遊技利益を付与することができる。
また、攻撃権利を消化しなくとも、当選種別抽選の結果に応じて、敵ライフカウンタが更新される場合がある。例えば、当選種別抽選により当選種別「バー揃いリプレイ1」が決定され、当選役「リプレイ1」の入賞条件となる正解操作態様を報知することが所定の報知確率(例えば1/10)で抽選(報知抽選)により決定されると、もしくは、当選種別抽選により当選種別「バー揃いリプレイ2」が決定されると、遊技者は、当選役「リプレイ1」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させることが可能となる。この場合、状態移行手段312は、その時点の遊技の進行状態に拘わらず、すなわち、経過した遊技数や敵ライフカウンタの値に拘わらず、敵ライフカウンタの値を強制的に閾値(「0」)に更新し、新たなAT通常演出状態への移行を決定する。また、当選種別抽選により当選種別「7揃いリプレイ」が決定され、当選役「リプレイ2」の入賞条件となる正解操作態様を報知することが所定の報知確率で報知抽選により決定されると、遊技者は、当選役「リプレイ2」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させることが可能となる。この場合、状態移行手段312は、その時点の遊技の進行状況に拘わらず、敵ライフカウンタの値を強制的に閾値(「0」)に設定し、新たなAT通常演出状態への移行を決定するとともに、次回のAT通常演出状態における次々回のAT通常演出状態への移行も決定する。
続いて、攻撃権利の消化に応じて敵ライフカウンタを更新する処理について説明する。ここでは、状態移行手段312が、攻撃権利の消化に応じて敵ライフカウンタの値を更新し、演出制御手段334が、それと連動して、報知用敵ライフカウンタを更新する。
図15は、バトル演出に用いられる抽選テーブルを説明する図である。状態移行手段312は、攻撃権利を消化した遊技において、図15の減少ライフ数の抽選テーブルを参照し、減少ライフ数として「20」、「40」、「60」、「80」、「100」、「120」のいずれかを決定する。ここで、減少ライフ数は、敵キャラクタのダメージに相当し、敵ライフカウンタにおけるライフ数の減少度合いを示す。例えば、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」が当選し、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されると(攻撃権利が消化されると)、状態移行手段312は、抽選により、減少ライフ数として「40」を決定する。そして、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値から、決定された減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを更新する。そして、上述したように、状態移行手段312は、AT通常演出状態において敵ライフカウンタが所定の閾値(ここでは0)に到達すると新たなAT通常演出状態に再度移行させ、敵ライフカウンタが所定の閾値(ここでは0)に到達する前に、所定の終了条件を満たすとAT通常演出状態を終了させる。
なお、敵ライフカウンタは、このように攻撃権利を消化した場合のみならず、様々な契機で更新される。例えば、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」、「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」のいずれかが決定されれば、攻撃権利の消化に応じて敵ライフカウンタを更新するが、一方で、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」、「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」以外の当選種別(例えば、当選種別「共通ベル」)が決定されると、その当選種別に基づいて、敵ライフカウンタを更新するか否かを抽選により決定する。そして、抽選により敵ライフカウンタを更新することが決定されると、当選種別に応じて、減少ライフ数(例えば「20」)が抽選により決定され、敵ライフカウンタから減算される。こうして、遊技者は、当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」、「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」に当選しなくとも、他の当選種別に応じて敵キャラクタにダメージを与える(敵ライフカウンタを更新する)ことが可能となり、様々な契機で敵ライフカウンタが更新されるのを期待することができる。
また、ここでは、攻撃権利の消化態様として、例えば、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」が当選し、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されると、状態移行手段312が、敵ライフカウンタの値から、決定された減少ライフ数を減算して敵ライフカウンタを更新する例を挙げて説明したが、攻撃権利の消化態様(減少ライフ数の決定態様)はかかる場合に限らず、様々な仕様を適用することができる。例えば、当選種別抽選で決定された当選種別(当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」、「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」を除く)に基づいて毎遊技、敵ライフカウンタを更新するか否か(更新する場合、その減少ライフ数)を抽選により決定する仕様を適用し、かかる抽選において敵ライフカウンタを更新する決定がなされなかった場合に、はじめて、救済措置として、攻撃権利を消化するか否かを所定の消化確率で抽選により決定し、消化抽選に当選すると、減少ライフ数を決定して敵ライフカウンタを更新するとしてもよい。こうして、敵ライフカウンタを更新する機会を1遊技に対して複数回与えることが可能となる。この場合、演出制御手段334は、当選種別に基づいて敵ライフカウンタを更新する決定がなされなかった場合に、一旦、味方キャラクタが敵キャラクタの攻撃を受ける演出を行い、消化抽選に当選したこと(攻撃権利を消化したこと)に応じて、その攻撃を躱し、味方キャラクタが敵キャラクタに反撃する演出を行うとしてもよい。
続いて、状態移行手段312による敵ライフカウンタの更新に応じ、演出制御手段334は、敵ライフカウンタの値に基づいて報知用敵ライフカウンタを更新する。しかし、本実施形態において、バトル演出の演出効果を高めるべく、演出制御手段334は、敵ライフカウンタの値をそのまま用いず、敵ライフカウンタの値より、閾値に近くならないように報知用敵ライフカウンタを更新する。ここで、「近くならないように」とは数値として敵ライフカウンタの値と同一または遠いことを示す。例えば、ここでは、敵ライフカウンタの値が減算により更新されるので、報知用敵ライフカウンタの値は、敵ライフカウンタの値より閾値「0」に近くない、すなわち、敵ライフカウンタの値以上の値となるように更新される。具体的に、状態移行手段312は、減少ライフ数を決定すると、敵ライフカウンタから、その減少ライフ数をそのまま減算し、敵ライフカウンタを更新する一方で、演出制御手段334は、更新後の敵ライフカウンタと、報知用敵ライフカウンタの前回値との差分に応じ、その差分の範囲で報知用の減少ライフ数である報知用減少ライフ数を決定し、報知用敵ライフカウンタから、その報知用減少ライフ数を減算し、報知用敵ライフカウンタを更新する。以下、その具体例を示す。
図16は、バトル演出の演出態様を説明するための説明図である。AT通常演出状態に移行すると、まず、演出制御手段334は、図16(a)のように、敵キャラクタを紹介する導入画面を表示するとともに、液晶表示部138の上方左側に敵キャラクタのライフゲージ(バー)を表示する。ここでは、初期ライフ数として「200」が決定され、敵ライフカウンタおよび報知用敵ライフカウンタのいずれにも「200」が設定されているとする。したがって、ここでは、第3グループから敵キャラクタが決定されていることになる(図12(b)参照)。そして、図16(b)のように、状態移行手段312が、攻撃権利の消化に応じ、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「200」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「160」に更新する。一方、演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタに対し、減少ライフ「40」を直接反映せずに、更新後の敵ライフカウンタの値「160」と、報知用敵ライフカウンタの初期値「200」との差分「40」の範囲内で、抽選により報知用減少ライフ数(例えば、「20」)を決定し、その報知用減少ライフ数「20」を、報知用敵ライフカウンタの初期値「200」から減算して報知用敵ライフカウンタを「180」に更新する。演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、報知用敵ライフカウンタの値「180」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、味方キャラクタが敵キャラクタに「20」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
続いて、図16(c)のように、状態移行手段312が、攻撃権利の消化に応じ、減少ライフ数として「80」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「160」から減少ライフ数「80」を減算して敵ライフカウンタを「80」に更新する。一方、演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタに対し、減少ライフ「80」を直接反映せずに、更新後の敵ライフカウンタの値「80」と、報知用敵ライフカウンタの前回値「180」との差分「100」の範囲内で、抽選により報知用減少ライフ数(例えば、「100」)を決定し、その報知用減少ライフ数「100」を、報知用敵ライフカウンタの前回値「180」から減算して報知用敵ライフカウンタを「80」に更新する。演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、報知用敵ライフカウンタの値「80」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、味方キャラクタが敵キャラクタに「100」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
このように構成することで、報知用敵ライフカウンタの値が、敵ライフカウンタの値より閾値に近くなることなく(敵ライフカウンタの値未満となることなく)、すなわち、敵キャラクタの本来のダメージを過大に表示することなく、本来のダメージを内部に保留することで、敵キャラクタへのダメージをバリエーションに富んだ表示態様で表現することが可能となる。
なお、かかる構成によると、更新後の敵ライフカウンタと、報知用敵ライフカウンタの前回値との差分に応じ、その差分の範囲内で報知用減少ライフ数を様々な態様で更新できるので、例えば、本来の到達条件(敵ライフカウンタが閾値に到達する)を変えることなく、表示上、報知用減少ライフ数で高確率に更新するゾーンと低確率で更新するゾーンとを形成することもできる。また、攻撃権利の消化の複数回分で、減少ライフ数を内部的に蓄積し、いずれかのタイミングで一度に報知することで、敵キャラクタに大打撃を与えたような演出を実行することもできる。また、内部的に蓄積した減少ライフ数を、複数のタイミングで徐々に報知することで、毒に侵される等、少しずつダメージを与える演出を実行することもできる。ここでは、報知用減少ライフ数を、演出制御手段334、すなわち、副制御基板202で加工するので、主制御基板200の処理負荷およびメモリ容量を削減することが可能となる。
しかし、上記のように構成したとしても、バトル演出の開始時には、内部的に減少ライフ数が蓄積されていないので、更新後の敵ライフカウンタの値と報知用敵ライフカウンタの前回値との差分が小さく、報知用減少ライフ数として大きな値を採用できない。したがって、バトル演出が進行した後では、バリエーションに富んだ演出が可能であるが、バトル演出の開始時には、その演出が制限されてしまう。そこで、バトル演出開始時の報知用敵ライフカウンタの値を敵ライフカウンタと同一値としないことで、バトル演出開始時からバリエーションに富んだ演出を可能とする。
具体的に、演出制御手段334は、上述したように、バトル演出において、敵ライフカウンタの値より閾値に近くならないように報知用敵ライフカウンタを更新するのみならず、バトル演出(所定の演出状態)の開始時において、敵ライフカウンタの値(内部更新値)より閾値から遠くなるように報知用敵ライフカウンタの値(報知更新値)を設定する。
図17は、バトル演出の他の演出態様を説明するための説明図である。ここでは、初期ライフ数として「200」が決定され、敵ライフカウンタに「200」が設定されているとする。ただし、図17の例では、図16と異なり、演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタの値として、敵ライフカウンタの値より閾値から遠い値(「200」より大きい値)である「300」を設定する。したがって、報知用敵ライフカウンタには「300」が設定される。そうすると、敵キャラクタは、第3グループからではなく、第2グループから決定されることとなり(図12(b)参照)、演出制御手段334は、図17(a)のように、第2グループに属する敵キャラクタを紹介する導入画面を表示する。そして、図17(b)のように、状態移行手段312が、攻撃権利の消化に応じ、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「200」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「160」に更新する。一方、演出制御手段334は、更新後の敵ライフカウンタの値「160」と、報知用敵ライフカウンタの初期値「300」との差分「140」の範囲内で、抽選により報知用減少ライフ数(例えば、「120」)を決定し、その報知用減少ライフ数「120」を、報知用敵ライフカウンタの初期値「300」から減算して報知用敵ライフカウンタを「180」に更新する。演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、報知用敵ライフカウンタの値「180」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、味方キャラクタが敵キャラクタに「120」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
続いて、図17(c)のように、状態移行手段312が、攻撃権利の消化に応じ、減少ライフ数として「80」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「160」から減少ライフ数「80」を減算して敵ライフカウンタを「80」に更新する。一方、演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタに対し、更新後の敵ライフカウンタの値「80」と、報知用敵ライフカウンタの前回値「180」との差分「100」の範囲内で、抽選により報知用減少ライフ数(例えば、「100」)を決定し、その報知用減少ライフ数「100」を、報知用敵ライフカウンタの前回値「180」から減算して報知用敵ライフカウンタを「80」に更新する。演出制御手段334は、報知用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、報知用敵ライフカウンタの値「80」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、味方キャラクタが敵キャラクタに「100」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
このように構成することで、バトル演出の開始時から、ダメージを内部的に保留することができ、バトル演出のいずれのタイミングにおいても、敵キャラクタへのダメージをバリエーションに富んだ表示態様で表現することが可能となる。また、上述したように、本来、敵キャラクタは第3グループから決定されるところ、それより勝利し難い第2グループから決定される。そうすると、同じ第2グループから敵キャラクタが決定されているにも拘わらず(報知用敵ライフカウンタの初期値=「300」)、敵ライフカウンタの初期値が「200」である場合と「300」である場合とが存在することになり、敵キャラクタに対する勝利し易さに関してもバリエーションに富んだ演出ができる。ここでも、報知用減少ライフ数を、演出制御手段334、すなわち、副制御基板202で加工しているので、主制御基板200の処理負荷およびメモリ容量を削減することが可能となる。
なお、ここでは、AT通常演出状態の開始時において、敵ライフカウンタの値が設定されると、敵ライフカウンタの値より閾値から遠くなるように報知用敵ライフカウンタを設定する例として、閾値が0であり、敵ライフカウンタの初期値が正の整数であり、減少ライフ数を敵ライフカウンタから減算する場合、報知用敵ライフカウンタの値を敵ライフカウンタの値より大きくなるように設定することを挙げて説明したが、かかる場合に限らず、閾値が正の整数であり、敵ライフカウンタの初期値が閾値より小さい正の整数または0であり、減少ライフ数を敵ライフカウンタに加算する場合、報知用敵ライフカウンタの値を敵ライフカウンタの値未満となるように設定してもよい。
また、ここでは、敵ライフカウンタの値より閾値から遠くなるように報知用敵ライフカウンタを設定することで、異なる報知用敵ライフカウンタの初期値に対応する、異なるグループから敵キャラクタを決定する例を挙げて説明したが(図12(b)参照)、例えば、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」が決定された場合、敵ライフカウンタの値をそのまま報知用敵ライフカウンタに設定し、決定するグループを変更しないとしてもよい。
(バトルの勝利を示す演出)
このようにして、敵ライフカウンタが閾値に到達すると、演出制御手段334は、例えば4遊技の間、バトルの勝利を示す演出を実行し、その後、状態移行手段312は、演出状態を、一旦、AT開始演出状態に移行させた後、新たなAT通常演出状態に移行する。ただし、上述したように、敵ライフカウンタの値と報知用敵ライフカウンタの値が異なり、敵ライフカウンタが閾値に到達しているにも拘わらず、報知用敵ライフカウンタが未だ閾値に到達していない場合がある。この場合、演出制御手段334は、攻撃権利の有無や数に拘わらず(攻撃権利を消化することなく)、自発的に、攻撃権利を消化するような演出を行う。例えば、当選種別抽選手段304により当選種別「アタックリプレイ1」が当選したとき、演出制御手段334は、自発的に、遊技者に正解操作態様(打順3、4)を報知し、正解操作態様による操作を行わせ、図14(a)のように、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させる。こうすることで、余計に攻撃権利を消化することなく、報知用敵ライフカウンタを閾値に設定し、バトルの勝利を示す演出を実行できる。
図18は、バトル演出の他の演出態様を説明するための説明図である。例えば、図18(a)のように、敵ライフカウンタの値が「40」であり、報知用敵ライフカウンタの値が「100」であるときに、図18(b)のように、状態移行手段312が、攻撃権利の消化に応じ、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「40」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「0」に更新する。こうして、バトルの勝利が確定する。一方、演出制御手段334は、更新後の敵ライフカウンタの値「0」と、報知用敵ライフカウンタの前回値「100」との差分「100」の範囲内で、抽選により報知用減少ライフ数(例えば、「40」)を決定し、その報知用減少ライフ数「40」を、報知用敵ライフカウンタの初期値「100」から減算して報知用敵ライフカウンタを「60」に更新する。ここでは、バトルの勝利が確定しているのに、まだ、敵キャラクタのライフゲージが報知用敵ライフカウンタの値「60」に相当する長さで残ることとなる。
ここで、演出制御手段334は、バトルの勝利を示す演出を開始し、攻撃権利を消化するような演出を実行することで、図18(c)のように、報知用敵ライフカウンタの値を強制的に「0」に設定する。かかる構成により、本来の敵ライフカウンタの値と報知用敵ライフカウンタの値とを合わせ、バトルの勝利を遊技者に報知することができる。なお、バトルの勝利が確定した場合、残った攻撃権利は、次のAT通常演出状態に持ち越される。
ここでは、敵ライフカウンタの値が「0」に更新されることで、バトルの勝利が確定すると、報知用敵ライフカウンタの値を迅速に「0」に設定して、即座にバトルの勝利を遊技者に報知する。したがって、後述するように、AT通常演出状態の終了条件には、保証遊技数の経過が含まれるが、バトルの勝利が確定した場合は、保証遊技数の経過を待つことなく、上記のバトルの勝利を示す演出を開始し、新たなAT通常演出状態が開始されることとなる。
(バトルの敗北を示す演出)
また、到達条件を満たす前に、終了条件を満たすと、状態移行手段312は、AT通常演出状態を終了させる。終了条件は、上述したように、所定の遊技数(保証遊技数、例えば40遊技)が経過し、かつ、攻撃権利が全て消化されたことである。かかる終了条件を満たすと、保証遊技数より少ない遊技数(例えば4遊技)の間、バトルに敗北したことを示す演出を行い、その後、AT通常演出状態が終了する。すなわち、攻撃権利が全て消化された状態でバトルの勝利が決定されていないと、40遊技(保証遊技数)と4遊技(敗北報知)とを合わせた44遊技が経過したところでAT通常演出状態が終了する。また、攻撃権利が全て消化されていない状態でバトルの勝利が決定されていないと、その攻撃権利が全て消化された後にAT通常演出状態が終了することとなる。なお、バトルに敗北したことを示す演出は、バトルの勝利を示す演出と基本的に等しい演出となるように同一の演出テーブルを用いている。したがって、バトルに敗北したことを示す演出とバトルの勝利を示す演出とが一見判別し難いようになっている。ここで、終了条件に攻撃権利を全て消化することを含んでいるのは、攻撃権利が残存する状態で、バトルに敗北させてしまうと、遊技者が、攻撃権利に対する損失感を覚えるからである。したがって、演出制御手段334は、AT通常演出状態において保証遊技数が経過すると、バトルの敗北が近くなったことを示すべく、バトルの敗北を示す演出を開始し、その後、到達条件を満たすことなく、攻撃権利が全て消化されることで、AT通常演出状態が終了した旨の報知を行う。
なお、AT通常演出状態における遊技の経過は、味方キャラクタの数に対応しており、遊技が所定数経過する毎に、味方キャラクタの数が減り、保証遊技数へ到達したときには、味方キャラクタの数が1となる。したがって、遊技者は、報知された味方キャラクタの数に応じて遊技の経過度合いを把握でき、味方キャラクタが1になることで、バトルに敗北する可能性が高いことを把握する。
ところで、上述したように、バトルに敗北したことを示す演出は、バトルの勝利を示す演出と基本的に等しい演出となるように同一の演出テーブルを用いている。したがって、遊技者は、バトルに敗北したことを示す演出とバトルの勝利を示す演出との違いを判別し難いようになっており、最終的な報知によって、その勝敗を把握することとなる。したがって、最終的な勝敗を報知するまでAT通常演出状態への移行を煽ることができる。また、バトルに敗北したことを示す演出が実行されており、かつ、攻撃権利が残されている間、攻撃権利の消化抽選が遂行され、攻撃権利の消化が決定し、その結果によっては、逆転的に、再度のAT通常演出状態への移行が決定される場合がある。一方、バトルの勝利を示す演出を実行している間は、既にAT通常演出状態への移行が決定されているので、次回のAT通常演出状態に持ち越すことが可能な攻撃権利を不要に消化させてしまうと、遊技者が損失感を覚えるおそれがある。そうすると、バトルに敗北したことを示す演出が実行されている間は、攻撃権利が消化され、バトルの勝利を示す演出が実行されている間は、攻撃権利が消化されない。したがって、遊技者は、攻撃権利が消化されたことをもって、その演出が、バトルに敗北したことを示す演出であることを把握してしまい、遊技意欲を喪失することとなる。
そこで、本実施形態では、バトルの勝利を示す演出が実行される間であっても、あたかも攻撃権利が消化されているかのような演出を実行する。すなわち、バトルの勝利を示す演出が実行されている間に、当選種別抽選手段により、当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選したとき、演出制御手段334は、攻撃権利を消化するか否かを所定の消化確率で抽選により決定し、消化抽選の結果が攻撃権利の消化を示していれば、遊技者に、正解操作態様(打順3、4)を報知し、正解操作態様による操作を行わせて、敵キャラクタへ攻撃する画像を表示する。ただし、このとき、既にAT通常演出状態への移行が決定されているので、仮想的に攻撃権利を消化し、実際の攻撃権利は消化しない。こうして、次回のAT通常演出状態に持ち越すことが可能な攻撃権利を不要に消化させることで遊技者に損失感を与えることなく(実際には攻撃権利を消化させず)、バトルに敗北したことを示す演出およびバトルの勝利を示す演出のいずれにおいても、攻撃権利を消化させる演出(攻撃権利を消化しているように見える演出)を実行することができるので、遊技者が、バトルに敗北したことを示す演出とバトルの勝利を示す演出とを判別し難いように構成することが可能となる。
また、保証遊技数に到達して、このようにバトルの敗北を示す演出が開始されても、AT通常演出状態における遊技利益は変わらないので、遊技者は、保証遊技数に到達する前と同様の遊技利益、例えば、補助演出を受けることができる。この状態で、攻撃権利が全て消化されるまでAT通常演出状態を終了させることができないとなると、当選種別抽選手段により、当選種別「アタックリプレイ1」や「アタックリプレイ2」が当選し、かつ、その当選に基づいて攻撃権利の消化抽選に当選するのを待たなければなない。ここで、当選種別「アタックリプレイ1」や「アタックリプレイ2」の当選確率はAT通常演出状態を通して変わらないので、消化確率が固定されている条件の下では、バトルの敗北を示す演出の方が、保証遊技数(例えば40遊技)より遊技数が少ないので(例えば4遊技)、攻撃権利を消化する頻度(確率)が低くなる。そうすると、バトルの勝利が決定されていない場合に、所定の遊技数(例えば4遊技)でAT通常演出状態を終了させたくとも、消化抽選に当選し難いので、終了段階であるにも拘わらず、不要に、バトルの敗北を示す演出が長くなってしまう。一方、かかるバトルの敗北を示す演出が開始されたとしても、残りの攻撃権利の消化により到達条件を満たすことで、AT通常演出状態に再度移行することもできる。しかし、この場合においても、保証遊技数に到達するまでと同等の頻度で攻撃権利を消化するとなると、やはり、不要に、バトルの敗北を示す演出が長くなってしまう。ここで、保証遊技数を経過した後、攻撃権利を消化する頻度を高めるべく、当選種別「アタックリプレイ1」や「アタックリプレイ2」が当選する確率がRT4遊技状態より高い別途のRT遊技状態を準備することも可能ではあるが、遊技状態を移行させるための処理が煩雑になることを考慮すると現実的ではない。
そこで、AT通常演出状態において、到達条件を満たすことなく、保証遊技数に到達すると、その後、攻撃権利を消化する確率を変化させる。そうすることで、保証遊技数に到達した後と、保証遊技数に到達する前との消化確率が異なることとなる。
図19は、バトルの敗北を示す演出における攻撃権利の消化態様を示した説明図である。図19に示すように、AT通常演出状態の保証遊技数に到達する前において、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選すると、状態移行手段312は、攻撃権利カウンタの値が1以上であることを条件に、攻撃権利を消化するか否かを所定の消化確率(ここでは1/5)で消化抽選により決定する。そして、演出制御手段334は、消化抽選の結果が攻撃権利の消化を示している場合にのみ、遊技者に、正解操作態様(打順3、4)を報知し、正解操作態様による操作を行わせ、当選役「リプレイ6」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させる。状態移行手段312は、消化抽選の結果(攻撃権利の消化)と遊技者の操作に応じて、敵ライフカウンタを更新する。しかし、保証遊技数に到達する前は、消化確率が1/5なので、図19に示すように、消化抽選により攻撃権利を消化することが決定されることがそもそも少なく、保証遊技数に至ったときに攻撃権利が消化されないまま残ることが多くなる。
一方、図19に示すように、AT通常演出状態の保証遊技数に到達した後において、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選すると、状態移行手段312は、攻撃権利カウンタの値が1以上であることを条件に、攻撃権利を消化するか否かを所定の消化確率(ここでは1/2)で消化抽選により決定する。したがって、保証遊技数に到達した後では、消化抽選により攻撃権利を消化する確率(頻度)が高まり、それに伴って、敵ライフカウンタの更新確率も高まる。
このように、当選種別「アタックリプレイ1」や「アタックリプレイ2」の当選確率を変えることなく、攻撃権利を消化する確率を高めることで、到達条件を満たさなかった場合に、早期にAT通常演出状態を終了することができる。また、敵ライフカウンタの更新確率が高まるので、到達条件を満たした場合においても、早期に、次回のAT通常演出状態に移行することが可能となる。
なお、ここでは、バトルの敗北を示す演出が実行される場合において、攻撃権利を消化する確率を高める例を説明したが、上記のように、バトルの勝利を示す演出が実行されている間において、あたかも攻撃権利を消化したかのような演出を行う場合、かかる攻撃権利を仮想的に消化する確率も、バトルの敗北を示す演出が実行される場合同様、高めるようにしてもよい。こうすることで、次回のAT通常演出状態に持ち越すことが可能な攻撃権利を不要に消化させて遊技者に損失感を与えることなく(実際には攻撃権利を消化させず)、バトルに敗北したことを示す演出およびバトルの勝利を示す演出のいずれにおいても、攻撃権利を消化させる演出(攻撃権利を消化しているように見える演出)を同一の確率で実行することができ、バトルに敗北したことを示す演出とバトルの勝利を示す演出とを判別し難いように構成することが可能となる。
また、ここでは、AT通常演出状態において到達条件を満たすことなく保証遊技数に到達した後の消化確率が、保証遊技数に到達する前の消化確率より高くなる場合を説明したが、かかる場合に限らず、消化確率が異なれば足り、保証遊技数に到達した後の消化確率を、保証遊技数に到達する前の消化確率より低くすることもできる。かかる構成により、バトルに敗北した演出を意図的に延長することができ、この場合、補助演出を延長するのみならず、以下に示すような、当選種別「バー揃いリプレイ1」、「バー揃いリプレイ2」、「7揃いリプレイ」の出現を待つことができるので、遊技者に対し、AT通常演出状態の延長という遊技利益を付与する遊技性を用いることができる。
また、ここでは、攻撃権利の消化に応じ敵ライフカウンタを更新する例として、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選したときに補助演出を実行する例を挙げて説明したが、遊技者に攻撃権利が付与され、その攻撃権利をなんらかの契機で消化できれば、このような当選種別や停止制御に限定されるものではない。
また、ここでは、消化抽選により攻撃権利を消化することが決定されると、その消化に応じて、敵キャラクタの敵ライフカウンタを更新(減算)し、その更新された敵ライフカウンタが閾値に達することでAT通常演出状態へ移行することを前提に、AT通常演出状態の保証遊技数に到達した後において、攻撃権利の消化確率を高める例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、上述したように、例えば、消化抽選により攻撃権利を消化することが決定されると、その消化に応じて、直接、AT通常演出状態へ移行するか否かを所定の確率で抽選により決定する等、様々な遊技利益を付与することを前提に、AT通常演出状態の保証遊技数に到達した後において、攻撃権利の消化確率を高めてもよい。この場合においても、当選種別「アタックリプレイ1」や「アタックリプレイ2」の当選確率を変えることなく、攻撃権利を消化する確率を高めることで、AT通常演出状態への移行が決定されなかった場合に、早期にAT通常演出状態を終了することができる。また、AT通常演出状態への移行抽選の頻度が高まるので、AT通常演出状態への移行有無を早期に決定させ、迅速に演出状態を移行することが可能となる。
また、上述したように、例えば、当選種別抽選で決定された当選種別に基づいて毎遊技、敵ライフカウンタを更新するか否か(更新する場合、その減少ライフ数)を抽選により決定する仕様を適用し、かかる抽選において敵ライフカウンタを更新する決定がなされなかった場合に、救済措置として、攻撃権利を消化するか否かを所定の消化確率で抽選により決定し、消化抽選に当選すると、減少ライフ数を決定して敵ライフカウンタを更新する等の消化態様を適用した場合であっても、同様に、AT通常演出状態の保証遊技数に到達した後において、攻撃権利の消化確率を高めることができる。この場合においても、攻撃権利を消化する確率を高めることで、到達条件を満たさなかった場合に、早期にAT通常演出状態を終了することができる。また、敵ライフカウンタの更新確率が高まるので、到達条件を満たした場合においても、早期に、次回のAT通常演出状態に移行することが可能となる。
(バトルの敗北を示す演出時の救済措置)
また、バトルに敗北する演出が実行され、遊技者がバトルに敗北する可能性が高いことを把握したときの救済措置として、AT通常演出状態において、到達条件を満たすことなく、保証遊技数に到達した場合に、当選種別「バー揃いリプレイ1」や「7揃いリプレイ」が当選したときにおける、正解操作態様を報知するか否か決定する報知抽選の報知確率を変化させることができる。そうすることで、保証遊技数に到達した後と、保証遊技数に到達する前との報知確率が異なることとなる。
図20は、バトルの敗北を示す演出における報知態様を示した説明図である。図20に示すように、AT通常演出状態の保証遊技数に到達する前において、当選種別抽選により当選種別「バー揃いリプレイ1」または「7揃いリプレイ」が当選すると、状態移行手段312は、正解操作態様(打順5、6)を報知するか否かを所定の報知確率(ここでは1/10)で報知抽選により決定する。そして、演出制御手段334は、報知抽選の結果が補助演出の実行を示している場合にのみ、遊技者に、正解操作態様(打順5、6)を報知し、正解操作態様による操作を行わせ、当選役「リプレイ1」または「リプレイ2」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させる。状態移行手段312は、当選役「リプレイ1」または「リプレイ2」の入賞に応じて、少なくとも、次回のAT通常演出状態への移行を決定する。しかし、保証遊技数に到達する前は、報知確率が1/10なので、補助演出を実行することが決定されることがそもそも少なく、AT通常演出状態が継続することは少ない。
一方、図20に示すように、AT通常演出状態の保証遊技数に到達した後において、当選種別抽選により当選種別「バー揃いリプレイ1」または「7揃いリプレイ」が当選すると、状態移行手段312は、正解操作態様を報知するか否かを所定の報知確率(ここでは1/2)で報知抽選により決定する。したがって、保証遊技数に到達した後では、報知抽選により補助演出を実行させる確率(頻度)が高まる。
このように、攻撃権利を消化する確率が高まることで、遊技者は、バトルに敗北する演出中であっても、当選役「リプレイ1」または「リプレイ2」を入賞させることで、AT通常演出状態に逆転的に移行させることが可能となる。
なお、ここでは、AT通常演出状態において到達条件を満たすことなく保証遊技数に到達した後の報知確率が、保証遊技数に到達する前の報知確率より高くなる場合を説明したが、かかる場合に限らず、報知確率は異なれば足り、保証遊技数に到達した後の報知確率を、保証遊技数に到達する前の報知確率より低くすることもできる。かかる構成により、バトルに敗北した演出に突入した場合に、AT通常演出状態へ移行する全体的な確率を低くすることができ、遊技のメリハリをつけることが可能となる。
また、ここでは、保証遊技数に到達すると、バトルの敗北を示す演出を開始し、保証遊技数に到達する前と後で、消化確率や報知確率を異ならせる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、遊技の進行に関する経過条件を満たすことでバトルの敗北を示す演出を開始し、保証遊技数に到達する前と後で、消化確率や報知確率を異ならせてもよい。例えば、経過条件として、所定の遊技数(保証遊技数)のみならず、AT通常演出状態において、補助演出により正解操作態様を報知する遊技数であるナビ回数が所定回数に到達したこと、設定された払出枚数に到達したこと、または設定された獲得枚数(払出枚数−投入枚数)に到達したこと等を採用することができる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図21は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成した投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ128が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図9に示した複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する。また、コマンド送信手段314は、スタートスイッチ128の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成した当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。かかる抽選処理S300は後程詳述する。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。また、リール制御手段306は、リール演出を実行する場合もある。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを有効化し、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド送信手段314は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成した停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図5(a)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成した入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、内部中遊技状態において当選役「CBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス遊技状態に移行し、図9に示す当選種別抽選テーブルを設定する。さらに、状態移行手段312は、ART遊技状態への移行が決定されると、演出制御手段334に補助演出を開始させ、ART遊技状態における継続遊技数を消化すると、補助演出を終了させる。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態移行手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス遊技状態に移行する前の遊技状態に戻し、その遊技状態に対応する当選種別抽選テーブルを設定する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド送信手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図22は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に応じた当選種別抽選テーブル(図9)を参照し、スタートスイッチ128の操作に基づき、複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する。
(ステップS302)
続いて、当選種別抽選手段304は、演出状態がAT通常演出状態であるか否か判定する。その結果、AT通常演出状態であれば、ステップS303に処理を移し、AT通常演出状態でなければ、ステップS306に処理を移す。
(ステップS303)
ステップS302において、演出状態がAT通常演出状態であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、その遊技がAT通常演出状態の開始遊技であるか否か判定する。その結果、開始遊技であれば、ステップS304に処理を移し、開始遊技でなければ、ステップS305に処理を移す。
(ステップS304)
ステップS303において、その遊技がAT通常演出状態の開始遊技であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、当該AT通常演出状態の到達条件を決定する。かかる到達条件決定処理S304は後程詳述する。
(ステップS305)
ステップS303において、その遊技がAT通常演出状態の開始遊技ではないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、当該AT通常演出状態の到達条件を満たすか否かを判定する。かかる到達条件判定処理S305は後程詳述する。
(ステップS306)
次に、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別を構成する当選役に当選役「CBB」が含まれるか否か、すなわち、BB内部当選フラグが成立しているか否か判定する。その結果、当選役「CBB」が含まれていれば、ステップS307に処理を移し、当選役「CBB」が含まれていなければ、ステップS308に処理を移す。
(ステップS307)
上記ステップS306において当選役「CBB」が含まれていると判定されれば、状態移行手段312は、現在の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態)を記憶して、遊技状態を内部中遊技状態に移行する。
(ステップS308)
続いて、状態移行手段312は、その時点の遊技状態に応じて、スタートスイッチ128の操作に基づき、AT演出状態へ移行するか否かを演出状態抽選により決定する。また、状態移行手段312は、演出状態が非AT通常演出状態であれば、非ATチャンス演出状態へ移行するか否かを抽選により決定し、演出状態がAT開始演出状態やAT通常演出状態であれば、ATチャンス演出状態へ移行するか否かを抽選により決定する。
(到達条件決定処理S304)
図23は、上記ステップS304の到達条件決定処理を示したフローチャートである。ここで、状態移行手段312は、AT通常演出状態の到達条件を決定する。
(ステップS304−1)
まず、状態移行手段312は、当該AT通常演出状態が、演出状態がAT演出状態に移行して1回目のAT通常演出状態であるか否か判定する。その結果、1回目であれば、ステップS304−2に処理を移し、1回目でなければ、すなわち、継続したAT通常演出状態であれば、ステップS304−3処理を移す。
(ステップS304−2)
上記ステップS304−1において当該AT通常演出状態が、演出状態がAT演出状態に移行して1回目のAT通常演出状態であると判定されれば、状態移行手段312は、図13(a)のような複数のシナリオのいずれかを決定する。
(ステップS304−3)
続いて、状態移行手段312は、ステップS304−2において決定されたシナリオから、キャラクタ種別および初期ライフ数の組み合わせ(到達条件)を順番に参照する。
(ステップS304−4)
次に、状態移行手段312は、置換フラグがONしているか否か判定する。その結果、置換フラグがONしていれば、すなわち、後述するステップS304−6の置換抽選において置換が決定されていれば、ステップS304−5に処理を移し、置換フラグがONしていなければ、ステップS304−6処理を移す。
(ステップS304−5)
上記ステップS304−4において置換フラグがONしていると判定されれば、状態移行手段312は、ステップS304−3で参照したキャラクタ種別および初期ライフ数の組み合わせを、後述するステップS304−6の置換抽選において置換が決定されたキャラクタ種別および初期ライフ数の組み合わせに置換し、置換フラグをOFFする。こうして、到達条件が特定の到達条件へ置換される。
(ステップS304−6)
続いて、状態移行手段312は、所定の抽選確率で、キャラクタ種別「特殊A」、「特殊B」を含むキャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせそれぞれについて置換抽選を行う。
(ステップS304−7)
次に、状態移行手段312は、置換抽選の結果、置換が決定しているか否か判定する。その結果、置換が決定していれば、ステップS304−8に処理を移し、置換が決定していなければ、ステップS304−12処理を移す。
(ステップS304−8)
上記ステップS304−7において置換抽選の結果、キャラクタ種別「特殊A」または「特殊B」への置換が決定していると判定されれば、状態移行手段312は、AT通常演出状態が継続した場合、次のAT通常演出状態において到達条件を置換すべく、決定されたキャラクタを関連付けて置換フラグをONする。
(ステップS304−9)
続いて、状態移行手段312は、所定の抽選確率で、キャラクタ種別「特殊C」を含むキャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせについて置換抽選を行う。
(ステップS304−10)
次に、状態移行手段312は、置換抽選の結果、キャラクタ種別「特殊C」への置換が決定しているか否か判定する。その結果、置換が決定していれば、ステップS304−11に処理を移し、置換が決定していなければ、ステップS304−12処理を移す。
(ステップS304−11)
上記ステップS304−10において置換抽選の結果、キャラクタ種別「特殊C」への置換が決定していると判定されれば、状態移行手段312は、ステップS304−3で参照したキャラクタ種別および初期ライフ数の組み合わせを、キャラクタ種別「特殊C」および初期ライフ数の組み合わせに置換する。
(ステップS304−12)
続いて、状態移行手段312は、参照または置換された初期ライフ数を敵ライフカウンタに設定する。
(ステップS304−13)
次に、コマンド送信手段314は、参照または置換されたキャラクタ種別と初期ライフ数との組み合わせを副制御基板202に送信し、当該到達条件決定処理S304を終了する。
(到達条件判定処理S305)
図24は、上記ステップS305の到達条件判定処理を示したフローチャートである。ここで、状態移行手段312は、当該AT通常演出状態の到達条件を満たすか否かを判定する。
(ステップS305−1)
まず、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値が0以下であるか、または、AT通常演出状態において保証遊技数に到達したか否か判定する。その結果、敵ライフカウンタの値が0以下であるか、または、保証遊技数に到達していれば、バトルの勝利を示す演出、または、バトルに敗北したことを示す演出を開始すべく、ステップS305−2に処理を移し、敵ライフカウンタの値が0より大きく、かつ、保証遊技数に到達していなければ、ステップS305−7に処理を移す。上述したように、バトルの勝利を示す演出とバトルに敗北したことを示す演出とは基本的に等しい演出となる。また、バトルに敗北したことを示す演出であっても、遊技の進行に応じ、AT通常演出状態への移行が決定されると、バトルの勝利を示す演出に変更される場合もある。したがって、ここでは、バトルの勝利を示す演出およびバトルに敗北したことを示す演出のいずれかへの移行条件を満たすことで、AT通常演出状態を終了させる処理に移行し、かかるタイミングで、演出制御手段334は、バトルの勝利を示す演出またはバトルに敗北したことを示す演出のいずれかを開始する。
(ステップS305−2)
上記ステップS305−1において敵ライフカウンタの値が0以下であるか、または、保証遊技数に到達していると判定されれば、状態移行手段312は、かかる条件を満たしてから所定の遊技数(例えば4遊技)が経過したか否か判定する。その結果、所定の遊技数が経過していれば、ステップS305−3に処理を移し、所定の遊技数が経過していなければ、ステップS305−7に処理を移す。ここでは、少なくとも所定の遊技数の間、演出状態を移行させないことで、バトルの勝利を示す演出またはバトルに敗北したことを示す演出を実行させている。
(ステップS305−3)
上記ステップS305−2において所定の遊技数が経過していると判定されれば、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値が0以下であり、かつ、ステップS305−1の条件を満たした後に、攻撃権利の消化が可能な所定の当選種別(当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」、「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」)に当選したか否か判定する。その結果、敵ライフカウンタの値が0以下であり、かつ、所定の当選種別に当選していれば、ステップS305−4に処理を移し、敵ライフカウンタの値が0より大きい、または、まだ、所定の当選種別に当選していなければ、ステップS305−5に処理を移す。ここで、状態移行手段312が所定の当選種別の当選を待つのは以下の理由による。すなわち、上述したように、本実施形態では、必ずしも敵ライフカウンタの値と報知用敵ライフカウンタの値が一致するとは限らず、敵ライフカウンタの値が0となっているが報知用敵ライフカウンタの値が0より大きい場合がある。しかし、状態移行手段312は報知用敵ライフカウンタの値を把握することができない。ここで、演出制御手段334は、バトルの勝利を示す演出中に、攻撃権利を消化するような演出を実行することで、報知用敵ライフカウンタの値を強制的に「0」に設定する場合がある。例えば、敵ライフカウンタの値が0になっているが報知用敵ライフカウンタの値が0より大きい状態で、当選種別抽選手段304により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選すると、後述するステップS1304−6において、演出制御手段334は、補助演出を実行し、所定の当選役(当選役「リプレイ6」、「リプレイ7」)を入賞させ、報知用敵ライフカウンタの値を強制的に「0」に設定する。また、敵ライフカウンタの値が0となっており、かつ、報知用敵ライフカウンタの値が既に0となっていれば、当選種別抽選手段304により当選種別「アタックリプレイ1」または「アタックリプレイ2」が当選しても、演出制御手段334は、補助演出を実行しない。いずれにしても、当選種別抽選手段304により、所定の当選種別(当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」、「アタックリプレイ3」、「アタックリプレイ4」、「アタック小役1」、「アタック小役2」)が当選した場合、演出制御手段334により、少なくとも、報知用敵ライフカウンタの値が0となるので(なっているので)、状態移行手段312は、AT通常演出状態を終了することができる。
(ステップS305−4)
上記ステップS305−3において敵ライフカウンタの値が0以下であり、かつ、所定の当選種別に当選していると判定されれば、すなわち、到達条件を満たしており、かつ、演出制御手段334が、少なくとも、後述するステップS1304−6において、報知用敵ライフカウンタを閾値にすべく、自発的に、攻撃権利を消化するような演出を行っていると推定できる場合、状態移行手段312は、演出状態を、一旦、AT開始演出状態に移行させた後、再度、AT通常演出状態に移行する。
(ステップS305−5)
上記ステップS305−3において敵ライフカウンタの値が0より大きい、または、まだ、所定の当選種別に当選していないと判定されれば、状態移行手段312は、AT通常演出状態において保証遊技数に到達し、かつ、攻撃権利カウンタの値が0以下であるか否か判定する。その結果、保証遊技数に到達し、かつ、攻撃権利カウンタの値が0以下であれば、ステップS305−6に処理を移し、保証遊技数に到達していない、または、攻撃権利カウンタの値が1以上であれば、ステップS305−7に処理を移す。
(ステップS305−6)
上記ステップS305−5において保証遊技数に到達し、かつ、攻撃権利カウンタの値が0以下であると判定されれば、すなわち、AT通常演出状態の終了条件を満たしていれば、状態移行手段312は、演出状態を、非AT通常演出状態に移行する。
(ステップS305−7)
続いて、状態移行手段312は、AT通常演出状態において保証遊技数に到達し、かつ、敵ライフカウンタの値が0より大きいか否か判定する。その結果、保証遊技数に到達し、かつ、敵ライフカウンタの値が0より大きければ、ステップS305−10に処理を移し、保証遊技数に到達していない、または、敵ライフカウンタの値が0以下であれば、ステップS305−8に処理を移す。
(ステップS305−8)
上記ステップS305−7において保証遊技数に到達していない、すなわち、バトルの敗北を示す演出がまだ開始されていない、または、敵ライフカウンタの値が0以下である、すなわち、AT通常演出状態の継続が確定していれば、状態移行手段312は、攻撃権利を消化するか否かを決定する消化確率を1/5に設定する。
(ステップS305−9)
次に、状態移行手段312は、当選種別「バー揃いリプレイ1」や「7揃いリプレイ」が当選したときにおいて、正解操作態様を報知するか否かを決定する報知確率を1/10に設定する。
(ステップS305−10)
上記ステップS305−7において保証遊技数に到達し、かつ、敵ライフカウンタの値が0より大きい、すなわち、バトルの敗北を示す演出が既に開始されていれば、状態移行手段312は、攻撃権利を早期に消化すべく、攻撃権利を消化するか否かを決定する消化確率を1/2に設定する。
(ステップS305−11)
次に、状態移行手段312は、救済措置のため、当選種別「バー揃いリプレイ1」や「7揃いリプレイ」が当選したときにおいて、正解操作態様を報知するか否かを決定する報知確率を1/2に設定する。
(ステップS305−12)
続いて、状態移行手段312は、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」が決定された遊技において、攻撃権利カウンタの値が1以上であることを条件に、設定された消化確率で、攻撃権利を消化するか否かを消化抽選により決定する。
(ステップS305−13)
次に、状態移行手段312は、当選種別抽選により当選種別「バー揃いリプレイ1」、「7揃いリプレイ」が決定された遊技において、設定された報知確率で、それぞれ、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」の入賞条件となる正解操作態様を報知するか否かを報知抽選により決定する。
(ステップS305−14)
続いて、状態移行手段312は、攻撃権利を消化した遊技において、図15の減少ライフ数の抽選テーブルを参照し、減少ライフ数として「20」、「40」、「60」、「80」、「100」、「120」のいずれかを決定し、決定された減少ライフ数を敵ライフカウンタから減算するとともに、攻撃権利カウンタの値を1だけ減算する。
(ステップS305−15)
次に、状態移行手段312は、攻撃権利を付与するか否かを抽選により決定し、攻撃権利を付与することが決定されると、付与する数を攻撃権利カウンタに加算する。
(ステップS305−16)
次に、コマンド送信手段314は、消化抽選の結果、報知抽選の結果、敵ライフカウンタの値、および、攻撃権利カウンタの値を副制御基板202に送信し、当該到達条件判定処理S305を終了する。
(副制御基板202のサブ処理)
図25は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。
(ステップS1100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されているか否か判定する。その結果、コマンドが受信されていれば、ステップS1300に処理を移し、コマンドが受信されていなければ、ステップS1400に処理を移す。
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。かかるコマンド受信処理S1300は後程詳述する。
(ステップS1400)
演出制御手段334は、演出スイッチ132の検出信号を解析し、その解析結果に基づいて種々の処理を行う。
(ステップS1500)
演出制御手段334は、実行が決定された各種演出の実行情報(タイムテーブル)を参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行い、ステップS1200からの処理を繰り返す。この処理では、液晶表示部138の表示画像を挿入したり切り替えたりし、また、各種のコマンドを各デバイスに送信する。これにより各種演出が実行されることとなる。
(コマンド受信処理S1300)
図26は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。ここでは、特に、AT演出状態の遷移について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1306に処理を移す。
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。ここで、状態移行手段312が管理する演出状態がAT演出状態であり、かつ、当選種別コマンドに示される当選種別が当選種別「移行リプレイ」または当選種別「打順ベル」である場合、演出制御手段334は、その当選種別の正解操作態様を報知する補助演出を決定する。また、演出制御手段334は、敵ライフカウンタの値が0以下となるか、または、AT通常演出状態において保証遊技数に到達すると、バトルの勝利を示す演出またはバトルに敗北したことを示す演出を開始し、最終的に、バトルの勝敗結果を報知する。こうして、遊技者は、AT通常演出状態を継続できるか否かを把握することができる。かかる演出決定処理S1304は後程詳述する。
(ステップS1305)
次に、演出制御手段334は、決定した演出を実行開始する。例えば、決定した演出が補助演出であれば、演出制御手段334は、当該補助演出をタイムテーブルに設定する。
(ステップS1306)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1307に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1308に処理を移す。
(ステップS1307)
上記ステップS1306において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、種々の処理を行うとともに、演出態様を変動させる。
また、演出制御手段334は、AT通常演出状態において、停止コマンドが第3停止コマンドであり、かつ、主制御基板200で管理されている敵ライフカウンタが更新されると、それに応じて、報知用敵ライフカウンタを、敵ライフカウンタの値より、閾値に近くならないように更新し、報知用敵ライフカウンタを参照して、液晶表示部138に敵キャラクタのライフゲージとして表示する。
(ステップS1308)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1309に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1310に処理を移す。
(ステップS1309)
上記ステップS1308において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該入賞コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定する。
(ステップS1310)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1311に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
(ステップS1311)
上記ステップS1310において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該払出コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。そうすると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158の数値が更新される。
(演出決定処理S1304)
図27は、上記ステップS1304の演出決定処理を示したフローチャートである。ここでは、演出制御手段334は、遊技の演出を決定する。
(ステップS1304−1)
まず、演出制御手段334は、その遊技がAT通常演出状態の開始遊技であるか否か判定する。その結果、開始遊技であれば、ステップS1304−2に処理を移し、開始遊技でなければ、ステップS1304−4に処理を移す。
(ステップS1304−2)
ステップS1304−1において、その遊技がAT通常演出状態の開始遊技であると判定されれば、演出制御手段334は、敵ライフカウンタの値より閾値から遠くなるように報知用敵ライフカウンタの値を設定する。
(ステップS1304−3)
続いて、演出制御手段334は、図12(b)に示す敵キャラクタの抽選テーブルを参照し、キャラクタ種別、および、設定された報知用敵ライフカウンタの初期値に対応するグループ内における敵キャラクタのいずれかを抽選により決定する。
(ステップS1304−4)
次に、演出制御手段334は、当選種別抽選により当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」が決定された遊技において、攻撃権利を消化することが決定されていれば、当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」の正解操作態様を報知し、当選種別抽選により当選種別「バー揃いリプレイ1」、「7揃いリプレイ」が決定された遊技において、正解操作態様を報知することが決定されていれば、当選種別「バー揃いリプレイ1」、「7揃いリプレイ」の正解操作態様を報知する。
(ステップS1304−5)
まず、演出制御手段334は、敵ライフカウンタの値が0以下であり、報知用敵ライフカウンタの値が0より大きく、かつ、当選種別抽選により特定の当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」が当選しているか否か判定する。その結果、敵ライフカウンタの値が0以下であり、報知用敵ライフカウンタの値が0より大きく、かつ、特定の当選種別が当選していれば、ステップS1304−6に処理を移し、敵ライフカウンタの値が0より大きい、報知用敵ライフカウンタの値が0以下である、または、特定の当選種別が当選していなければ、当該演出決定処理S1304を終了する。
(ステップS1304−6)
上記ステップS1304−5において敵ライフカウンタの値が0以下であり、報知用敵ライフカウンタの値が0より大きく、かつ、特定の当選種別が当選していると判定されれば、演出制御手段334が、報知用敵ライフカウンタを閾値にすべく、当選種別「アタックリプレイ1」、「アタックリプレイ2」の正解操作態様を報知するとともに、バトルの勝利を報知する演出を決定し、当該演出決定処理S1304を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、状態移行手段312が、主制御基板200において遊技状態や演出状態を管理する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、状態移行手段312は、副制御基板202において遊技状態や演出状態を管理してもよい。また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態において、AT演出状態は、設定された継続遊技数に到達することで終了する旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得るAT演出状態は、補助演出により正解操作態様を報知する遊技数であるナビ回数に到達したこと、設定された払出枚数に到達したこと、または設定された獲得枚数(払出枚数−投入枚数)に到達したこと等、補助演出を受け得る様々な遊技機会の消化により終了するとしてもよい。また、上述した実施形態においては、補助演出を受け得る各演出状態において、継続遊技数の上乗せ抽選が行われ、当選することで継続遊技数が延長される旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る様々な遊技機会の数を増減したり、変更したりする等、その演出状態の終了条件を変更する様々な抽選を行うことができる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。