以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。また、スロットマシン100は、ホールコンピュータ112と外部表示器(データカウンタ)114とを含む別体の外部装置110に接続され、外部表示器114は、遊技者が視認可能となるようにスロットマシン100の上方に配置されている。
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、演出スイッチ132等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
演出スイッチ132は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ132は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回動可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図1や図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、制御基板によって制御されている。ここでは、制御基板の一例として、制御基板の機能を分担した、主制御基板200と、副制御基板202とを挙げて説明する。例えば、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312、コマンド送信手段314、外部出力手段316等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選種別抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の当選種別、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選種別抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、回転リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
判定手段308は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。状態移行手段312は、ボーナス役等、所定の当選種別の当選や所定の当選役の入賞に基づいて遊技状態を遷移させる。
コマンド送信手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。また、コマンド送信手段314は、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。外部出力手段316は、スロットマシン100の内部の状態を、信号(外部信号)により、ホールコンピュータ112を介して外部表示器114に出力する。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ132から検出信号を受信するとともに、当選種別コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。かかる各機能部については、後程詳述する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選種別の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、AT演出状態への移行を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選種別にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。また、演出には、上述したように、ART遊技状態(AT演出状態)において、後述する図9に示す当選種別抽選テーブルの当選領域3〜14の当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ12」や、当選領域15、16の当選種別「チャンス煽りリプレイ」、「チャンス揃いリプレイ」や、当選領域22〜27の当選種別「選択小役左1」〜「選択小役右2」に当選した場合に、遊技利益が大きい(RT遊技状態が昇格する、または、期待獲得枚数が最大となる)正解操作態様を報知する補助演出も含まれる。
本実施形態では、副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
上記の主制御基板200および副制御基板202を連動させることで、様々な遊技性を構築することができる。以下、主となる遊技形態を詳述する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、状態移行手段312により管理される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態等)に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示または入賞といい、当選役を含む当選種別に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、状態移行手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行することができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図であり、図6および図7は、当選役を説明するための説明図であり、図8は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図5(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。本実施形態において、有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインAとして設定している。また、図5(b)は、仮想ラインを示している。仮想ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示するラインであり、本実施形態では、4つの仮想ラインを想定している。具体的に、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB1、左リール134aの中段、中リール134bの中段、右リール134cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB2、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB3、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインCとして設定している。ただし、仮想ラインB1、B2、B3、Cは、見かけ上、図柄が直線的に表示されるというだけで、あくまで当選役の入賞を判定するのは有効ラインAのみである。
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「リプレイ4」、「リプレイ5」、「リプレイ6」、「リプレイ7」、「リプレイ8」、「リプレイ9」、「リプレイ10」、「リプレイ11」、「リプレイ12」、「リプレイ13」(以下、かかる13個のリプレイ役を単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)、「正解小役1」、「正解小役2」、「正解小役3」(以下、当選役「正解小役1」〜「正解小役3」の3つの小役を単に当選役「正解小役」と略す場合がある)、「不正解小役1」、「不正解小役2」、「不正解小役3」、「不正解小役4」、「不正解小役5」、「不正解小役6」、「不正解小役7」、「不正解小役8」、(以下、当選役「不正解小役1」〜「不正解小役8」の8つの小役を単に当選役「不正解小役」と略す場合がある)、「スイカ」、「スイカ補助」、「強小役1」、「強小役2」、「CBB1」、「CBB2」、「CBB3」(以下、当選役「CBB1」、「CBB2」、「CBB3」の3つのボーナス役を単に当選役「BB」と略す場合がある)が設けられている。図6では、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。このうち、当選役「リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「正解小役」、「不正解小役」、「スイカ」、「スイカ補助」、「強小役1」、「強小役2」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。
(リプレイ役)
当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ」のいずれかが含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、その当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ1」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「リプレイ1」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(a)のように、左リール134aに記される「スイカA」図柄または「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ベルA」図柄または「ベルB」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(a)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「スイカA」、「リプレイ」、「ベルA」となっているが、仮想ラインC上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「リプレイ」、「リプレイ」となっており、遊技者は、当選役「リプレイ1」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別を構成する当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。具体的に、当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ1」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。なお、無作為な操作タイミングでストップスイッチ130を操作したとき、該当する当選役の所定の回転リール134a、134b、134cに対応する図柄が有効ラインA上に表示される確率を「PB」と言い、0(0%)〜1(100%)の数値で表す。例えば、上記のように当選役「リプレイ1」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので、回転リール134a、134b、134cのいずれにおいてもPB=1となる。このようにして、当選役「リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
なお、詳しくは後述するが、当選役「リプレイ1」が含まれる当選種別に当選した場合の停止制御は、その当選態様(例えば、当選役「リプレイ1」が単独で当選したか、他の当選役と重複当選したか)によって異なるように設定されている。したがって、その当選態様および遊技者の操作態様に応じて、重複当選した当選役「リプレイ」のいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることとなる。
また、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ9」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「リプレイ9」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(b)のように、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される、当選役「リプレイ9」を構成する図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(b)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「ベルA」、「リプレイ」、「リプレイ」となっているが、仮想ラインB2上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「リプレイ」、「ハズレ」となっており、また、右リール134cの下段(仮想ラインB2に相当する中段の1つ下の段)に表示された図柄は「リプレイ」となっているので、遊技者は、レア役「チャンス」に相当する当選役「リプレイ9」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここで、レア役とは、遊技者が、その当選役に当選することで、一般的に遊技利益を得られる可能性が高いと認識している当選役である。ここでは、レア役「チャンス」をリプレイ役(当選役「リプレイ9」、「リプレイ11」等)で実現している。
また、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ10」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「リプレイ10」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(c)のように、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される、当選役「リプレイ10」を構成する図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(c)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「チェリー」、「スイカA」となっているが、仮想ラインC上に表示された図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「チェリー」となっており、遊技者は、レア役「チェリー」に相当する当選役「リプレイ10」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここでは、レア役「チェリー」をリプレイ役(当選役「リプレイ10」等)で実現している。
(小役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「正解小役」のいずれかが含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「正解小役」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、各当選役に対応した枚数のメダルが遊技者に払い出される。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「正解小役1」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件(後述する当選役「正解小役1」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、図6に示した当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(d)のように、左リール134aに記される「ベルA」図柄または「ベルB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ハズレ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(d)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「ベルA」、「ハズレ」、「リプレイ」となっているが、仮想ラインB1上に表示された図柄組み合わせは「ベルA」、「ベルA」、「ベルA」となっており、遊技者は、当選役「正解小役1」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここで、当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態においては、当選役「正解小役」が単独で当選することがなく、必ず他の当選役(例えば、当選役「不正解小役」)と重複当選するので、その重複当選の当選態様によって停止制御が異なるように設定されている。したがって、当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)ものの、当選役「正解小役1」が含まれる当選種別に当選しても、その操作態様によっては、取りこぼすことがあり、遊技者は、当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選役「正解小役」と異なり、当選役「不正解小役」が含まれる当選種別に当選した場合、例えば、当選役「不正解小役1」が含まれる当選種別に当選した場合において、遊技者が無作為な操作態様でストップスイッチ130を操作した場合に当選役「不正解小役1」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、13/20(20/20×20/20×13/20)となる。このように、当選役「不正解小役」に当選したとしても、遊技者は、当選役「不正解小役」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選種別抽選の結果、当選役「スイカ」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(e)のように、左リール134aに記される「スイカA」図柄または「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「スイカA」図柄または「スイカB」が有効ラインA上に表示可能となる。図7(e)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「スイカA」、「スイカA」、「スイカA」となっているので、遊技者は、レア役「スイカ」に相当する当選役「スイカ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ただし、中リール134bにおいては、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄(「スイカA」図柄)が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている。そのため、当選役「スイカ」が含まれる当選種別に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「BB」のいずれかが含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役「BB」に対応する図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となる。例えば、当選役「CBB2」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「CBB2」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(f)のように、左リール134aに記される「ベルA」図柄または「ベルB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「スイカA」図柄または「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そして、当選役「CBB2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば14枚)以上払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。本実施形態において、ボーナス遊技状態は、所定の確率で移行し、ART遊技状態に移行しているか否かによる期待獲得枚数の調整に用いられる。なお、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「BB」が含まれる当選種別に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図8を用い、上記ボーナス遊技状態を含む遊技状態の遷移について説明する。ここでは、RT1遊技状態、RT2遊技状態(ARTの準備状態)、RT3遊技状態(ART遊技状態)、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態は、それぞれリプレイ役の当選確率が設定された(RT1遊技状態=1/7.3、RT2遊技状態=1/7.3、RT3遊技状態=1/1.7、ただし、各RT遊技の当選確率は任意に設定することができる)、所謂、RT遊技状態であり、後述するように、主として所定の当選役が有効ラインA上に表示されることでRT遊技状態が移行することとなる。かかるRT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態を、内部中遊技状態やボーナス遊技状態に対応させて通常遊技状態と呼ぶ場合もある。ここでは、RT3遊技状態のリプレイ役の当選確率が比較的高く設定されており、遊技者はRT3遊技状態に移行することで、遊技を有利に進行することができる。また、RT3遊技状態では、補助演出を行う、所謂、ATを並行して実行すること(AT演出状態)を想定しており、本実施形態においては、RT3遊技状態と並行してATを実行している状態をART遊技状態という場合がある。かかる演出状態については後程詳述する。
状態移行手段312は、当選役「リプレイ」や当選役「BB」等、所定の当選種別の当選や入賞に基づいて、かかる複数の遊技状態を遷移させる。また、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態へ移行するか否かを演出状態抽選により決定する。かかる演出状態抽選によりAT演出状態への移行が決定されると、それに伴い、遊技状態がRT3遊技状態に移行して、AT演出状態とRT3遊技状態が並行して進行するART遊技状態が実行される。
具体的に、AT演出状態への移行が決定されると、遊技状態がRT1遊技状態であれば、補助演出を行い、後述するRT2遊技状態への移行を示す当選役(当選役「リプレイ4」、「リプレイ5」)に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで、図8の(1)に示すように、遊技状態をRT2遊技状態に移行し、遊技状態がRT2遊技状態であれば、補助演出を行い、後述するRT3遊技状態への移行を示す当選役(当選役「リプレイ6」、「リプレイ7」)に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで、図8の(2)に示すように、遊技状態をRT3遊技状態に移行する。こうして遊技状態がRT3遊技状態に移行し、ART遊技状態が実行される。
ここでは、継続遊技数の間、AT演出状態とRT3遊技状態が並行して実行されるART遊技状態が継続する。ここで、継続遊技数は、その遊技状態を継続可能な(上限の)遊技数である。また、状態移行手段312は、ART遊技状態において、ART遊技状態の継続遊技数を加算するか否かの抽選、所謂、上乗せ抽選も実行する。この間に、継続遊技数が加算されると、加算された遊技数分、ART遊技状態が長く維持され、遊技者は、遊技を有利に進行することができる。そして、遊技数が継続遊技数に到達すると、ART遊技のうち、AT演出状態が終了し、補助演出が行われないことで、図8の(3)に示すように、RT2遊技状態への移行を示す当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで遊技状態がRT2遊技状態に移行されるか、もしくは、図8の(4)に示すように、RT1遊技状態への移行を示す当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで遊技状態がRT1遊技状態に移行される。
また、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態のいずれかの遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態を合わせてボーナス非成立遊技状態という)での当選種別抽選において、当選役「BB」に当選し、BB内部当選フラグが成立すると、図8の(5)に示すように、状態移行手段312は、遊技状態を、ボーナス遊技状態の準備状態に相当する内部中遊技状態に移行する。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(内部中遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。内部中遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率が比較的高く(例えば、1/3.0)設定されるので、メダルの消費を抑えつつ、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるように狙うことができる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図8の(6)に示すように、状態移行手段312は、遊技状態を、内部中遊技状態からボーナス遊技状態に移行する。また、ボーナス遊技状態において、所定枚数(例えば14枚)以上メダルが払い出されると、図8の(7)に示すように、状態移行手段312は、遊技状態を、ボーナス遊技状態から、内部中遊技状態に移行する前に滞在していた遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態のいずれか)に移行する(戻す)。ただし、図8の(8)に示すように、当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、内部中遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に移行する。
(当選種別抽選テーブル)
図9は、当選種別抽選乱数を判定する場合に用いられる当選種別抽選テーブルを示す図である。当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図9では、各遊技状態(RT1遊技状態(RT1)、RT2遊技状態(RT2)、RT3遊技状態(RT3)、内部中遊技状態(内部中)、ボーナス遊技状態(BB))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」で表している。したがって、「○」が記載されていない当選領域は、その遊技状態に割り当てられていないことを示す。区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果としている。かかる当選領域と抽選結果の関係については後程詳述する。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
図9の当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、当選種別「不当選」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図6に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、上述したように、BB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当該当選種別「不当選」の当選により、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
当選領域2には、当選種別「通常リプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「通常リプレイ」の当選に応じて当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選種別抽選テーブルによれば、複数の当選役が重複した当選種別に当選することがある。例えば、当選領域3には、当選役「リプレイ4」、「リプレイ8」が重複した当選種別「移行リプレイ1」が対応付けられている。このように、複数の当選役が重複して当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール134a、中リール134b、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順1」とし、左リール134a、右リール134c、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順2」とし、中リール134b、左リール134a、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順3」とし、中リール134b、右リール134c、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順4」とし、右リール134c、左リール134a、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順5」とし、右リール134c、中リール134b、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順6」とする。
例えば、RT1遊技状態において、当選領域3に対応する当選種別「移行リプレイ1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが最初に停止(第1停止)するように、かつ、中リール134bが2番目に停止(第2停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1)、RT2遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、左リール134aが第1停止、かつ、右リール134cが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順2)、もしくは、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
このように、複数の当選役が重複した当選種別には、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じ、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて、または、当選役が小役であった場合、その小役に対応するメダルの払出枚数に基づいて、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示するかが設定されており、リール制御手段306は、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順と操作タイミングに応じて停止制御する図柄を決定する。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に、遊技者によって、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cにおける、その操作タイミングで引込範囲内に存在している図柄のうち、まだ、入賞の可能性が残っている全ての当選役に対応する図柄組み合わせの当該回転リール134a、134b、134cの図柄が停止制御の対象となり、さらに、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて設定された優先度に基づき、リール制御手段306は、いずれか1の図柄を有効ラインA上に停止制御する。本実施形態では、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組み合わせの種類が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定され、当選役(小役)に対応するメダルの払出枚数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示されている図柄組み合わせに対応する小役の払出枚数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定される。
なお、上記した通り、当選種別「移行リプレイ1」に当選した場合には、その図柄配列上、いずれのタイミングでストップボタンスイッチ130a、130b、130cを押圧操作したとしても、重複するいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。したがって、遊技者が、左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれを最初に停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作したとしてもリプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することは可能であるが、その停止順により表示される図柄の組み合わせが異なることとなる。
このようなリプレイ役が重複した当選種別に当選した場合、補助演出を通じて重複当選した複数の当選役のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。例えば、状態移行手段312が、RT1遊技状態において、AT演出状態への移行を決定した後に、所定の当選種別(例えば、当選種別「移行リプレイ1」)に当選すると、補助演出を通じ、遊技者に、遊技状態の移行を示す所定の操作態様(例えば、打順1)による操作を行わせ、所定の当選役(例えば、当選役「リプレイ4」)に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、そのことをもって、遊技状態をRT2遊技状態に移行する。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域4〜8には、RT2遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ4」または「リプレイ5」と、他のリプレイ役のいずれか1または複数の当選役が重複した当選種別「移行リプレイ2」〜当選種別「移行リプレイ6」が対応付けられている。そして、当選領域4の当選種別「移行リプレイ2」は、当選役「リプレイ4」を入賞させるための停止操作が打順2に設定され、当選領域5の当選種別「移行リプレイ3」は、当選役「リプレイ5」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域6の当選種別「移行リプレイ4」は、当選役「リプレイ5」を入賞させるための停止操作が打順4に設定され、当選領域7の当選種別「移行リプレイ5」は、当選役「リプレイ5」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域8の当選種別「移行リプレイ6」は、当選役「リプレイ5」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。かかる当選領域4〜8における操作態様と表示される当選役との関係は、上記、当選領域3における操作態様と表示される当選役との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域9〜14には、RT3遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ6」と、RT1遊技状態への移行を示す当選役「リプレイ1」とが少なくとも重複した当選種別「移行リプレイ7」〜当選種別「移行リプレイ12」が対応付けられている。そして、当選領域9の当選種別「移行リプレイ7」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順1に設定され、当選領域10の当選種別「移行リプレイ8」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順2に設定され、当選領域11の当選種別「移行リプレイ9」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域12の当選種別「移行リプレイ10」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順4に設定され、当選領域13の当選種別「移行リプレイ11」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域14の当選種別「移行リプレイ12」は、当選役「リプレイ6」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。かかる当選領域9〜14における操作態様と表示される当選役との関係は、上記、当選領域3〜8における操作態様と表示される当選役との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。なお、以下では、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ12」を単に当選種別「移行リプレイ」と略す場合がある。
また、当選領域15には、当選役「リプレイ8」と、他のリプレイ役が重複した当選種別「チャンス煽りリプレイ」が対応付けられている。ここでは、どの操作態様を行おうと、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるが、打順5および打順6によって入賞する当選役「リプレイ8」は、レア役「リプレイ11」の当選を煽る役目を担っている。また、当選領域16には、レア役「チャンス」に相当する当選役「リプレイ11」と、他のリプレイ役が重複した当選種別「チャンス揃いリプレイ」が対応付けられている。そして、当選役「リプレイ11」を入賞させるための停止操作が打順5または6に設定されている。
また、当選領域17〜21には、当選種別「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ1」、「チャンスリプレイ2」、「7揃いリプレイ」がそれぞれ対応付けられており、かかる当選種別の当選に応じてそれぞれ当選役「リプレイ10」、「リプレイ10」、「リプレイ9」、「リプレイ11」、「リプレイ7」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。上述したように、当選役「リプレイ10」はレア役「チェリー」に相当し、当選役「リプレイ9」および「リプレイ11」はレア役「チャンス」に相当し、当選役「リプレイ7」はRT3遊技状態への移行を表す。
また、当選領域22には、当選役「正解小役1」、「正解小役3」、「不正解小役1」、「不正解小役2」、「不正解小役5」、「不正解小役6」が重複した当選種別「選択小役左1」が対応付けられている。かかる重複当選においても、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
例えば、当選領域22に対応する当選種別「選択小役左1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または2)、払出枚数が多い当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。なお、上述したように、当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせは、停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。
また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、重複する当選役「不正解小役」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。ただし、当選役「不正解小役」に当選したとしても、遊技者は、当選役「不正解小役」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
例えば、当選領域22に対応する当選種別「選択小役左1」が当選種別抽選により決定され、中リール134bが第1停止、左リール134aが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3)、当選役「正解小役1」、「正解小役3」、「不正解小役1」、「不正解小役2」、「不正解小役5」、「不正解小役6」に対応する図柄組み合わせのいずれかが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。具体的に、ストップボタンスイッチ130bが操作されると、引き込み可能な図柄のうち、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類が4種類と最も多くなる「スイカA」図柄または「チェリー」図柄を優先的に表示するように設定する。そして、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130bの操作に応じて、当選役「不正解小役1」、および、当選役「不正解小役2」に対応する図柄組み合わせのうち中リール134bに対応する「スイカA」図柄または「チェリー」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。このとき、中リール134bの有効ラインA上に「スイカA」図柄または「チェリー」図柄が停止することで、当選役「正解小役1」、「正解小役3」、「不正解小役5」、「不正解小役6」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される可能性がなくなることとなる。続いて、ストップボタンスイッチ130aが操作されると、引き込み可能な図柄のうち、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類が2種類と最も多くなる「ベルA」図柄または「ベルB」図柄を優先的に表示するように設定する。そして、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、当選役「不正解小役1」に対応する図柄組み合わせのうち左リール134aに対応する「ベルA」図柄または「ベルB」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。このとき、左リール134aの有効ラインA上に「ベルA」図柄または「ベルB」図柄が停止することで、当選役「不正解小役2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される可能性がなくなることとなる。次に、ストップボタンスイッチ130cが、右リール134cの図柄番号1〜11の間または図柄番号19〜20の間のいずれかの図柄(図3参照)が有効ラインA上に位置しているときに操作されると、「青7」図柄または「ベルB」図柄を有効ラインA上に表示させることができるが、ストップボタンスイッチ130cが、右リール134cの図柄番号12〜18の間のいずれかの図柄(図3参照)が有効ラインA上に位置しているときに操作されると、「青7」図柄または「ベルB」図柄を有効ラインA上に表示させることができない。すなわち、当選役「不正解小役1」に対応するいずれかの図柄組み合わせを確率PB=13/20で有効ラインA上に表示させることができる一方、確率PB=7/20で有効ラインA上に表示させることができない、所謂取りこぼしが生じる。
このように、当選領域22の当選種別「選択小役左1」に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順1または2によって操作すると、払出枚数9枚の当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=9枚)、打順3〜6によって操作すると、当選役「正解小役1」の入賞を回避しつつ、払出枚数1枚の当選役「不正解小役」に対応する図柄組み合わせを約1/2の確率で有効ラインA上に表示でき、また、残りの約1/2の確率でいずれの当選役も入賞させないようにする(取りこぼし)ことができる。すなわち、第1停止では、正解操作態様による操作であれば当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせを優先的に表示し、正解操作態様による操作でなければ、当選役「不正解小役」に対応する図柄組み合わせを優先的に表示することで、当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせの表示を回避し、正解操作態様による操作が行われなかった場合の第2停止または第3停止において、その操作タイミングにより、当選役「不正解小役」に対応する図柄組み合わせを表示したり、当選役「不正解小役」を取りこぼすことでいずれの当選役も入賞させないといったことが可能となる。このように、正解操作態様以外で操作すると、約1/2で当選役「不正解小役」に対応する図柄組み合わせを表示させない(取りこぼす)構成により、期待獲得枚数(ベース)を下げることができ、補助演出を行った場合と、遊技者が無作為に操作した場合との期待獲得枚数の差を大きくすることができる。また、第3停止まで入賞可否を把握できないので、遊技者は、第3停止まで入賞の期待感を維持させることができる。
また、当選領域23〜27には、当選役「正解小役1」〜「正解小役3」のいずれか複数と、当選役「不正解小役1」〜「不正解小役8」のいずれか複数の当選役が重複した当選種別「選択小役左2」〜当選種別「選択小役右2」が対応付けられている。そして、当選領域23は、当選役「正解小役1」を入賞させるための停止操作が打順1または2に設定され、当選領域24、25は、当選役「正解小役2」を入賞させるための停止操作が打順3または4に設定され、当選領域26、27は、当選役「正解小役2」を入賞させるための停止操作が打順5または6に設定されている。かかる当選領域23〜27における操作態様と期待獲得枚数との関係は、上述した当選領域22における操作態様と期待獲得枚数との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
このように、当選種別抽選テーブルの当選領域22〜27全てにおいて、当選役「正解小役1」〜「正解小役3」のいずれか複数と、当選役「不正解小役1」〜「不正解小役8」のいずれか複数の当選役が重複当選するようになっており(以下、当選領域22〜27における当選種別「選択小役左1」、「選択小役左2」、「選択小役中1」、「選択小役中2」、「選択小役右1」、「選択小役右2」を合わせて当選種別「選択小役」と略す場合がある)、期待獲得枚数が当選役「不正解小役1」〜当選役「不正解小役8」より多い当選役「正解小役1」または当選役「正解小役2」を入賞させるための停止操作が当選領域によって異なるように設定されている。なお、当選領域22〜27の当選確率(置数の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域22〜27を設けることにより、選択当選役としての当選役「正解小役1」または当選役「正解小役2」を入賞させることが極めて難しくなっている。ただし、このようなストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて遊技者の遊技利益が異なる当選種別に当選した場合においても、遊技者は、補助演出を通じて当選役「正解小役1」または当選役「正解小役2」を入賞し得る正解操作態様を把握することで、当選役「正解小役1」または「正解小役2」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、補助演出が実行されない非AT演出状態より多くのメダルを獲得することが可能となる。
このように、補助演出を実行することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易いAT演出状態(本実施形態ではRT3遊技状態と並行して実行されるART遊技状態)と、補助演出を行わないことで、遊技の進行に応じてメダルが減り易い非AT演出状態(主として、RT1遊技状態、RT2遊技状態)とを実現することができる。具体的に、補助演出が行われない非AT演出状態では、当選種別「選択小役」が当選した遊技において、遊技者が無作為な操作態様でストップスイッチ130を操作すると、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は約10/3枚(9枚×1/3+約1/2枚×2/3)となり、遊技の進行に応じてメダルが減り易くなる。一方で、補助演出が実行されるAT演出状態では、当選種別「選択小役」が当選した遊技において、当選役「正解小役」を入賞させることができるので、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は9枚となり、当選種別「選択小役」の当選確率を調整することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易くなる遊技を実現することができる。
また、当選領域28には、当選役「正解小役1」と当選役「正解小役2」とが重複した当選種別「共通ベル」が対応付けられている。例えば、当選種別抽選により当選種別「共通ベル」が決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1、2)、当選役「正解小役1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、当選役「正解小役2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。上述したように、当選役「正解小役1」や当選役「正解小役2」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので(PB=1)、当選種別「共通ベル」に当選した場合、遊技者は、当選役「正解小役1」または当選役「正解小役2」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示することができる。
また、当選領域29には、当選役「スイカ」と当選役「スイカ補助」とが重複した当選種別「スイカ」が対応付けられており、かかる当選種別の当選に応じて当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。上述したように、当選役「スイカ」はレア役「スイカ」に相当する。また、当選領域30には、当選役「強小役1」のみを含む当選種別「強ベル1」が対応付けられており、かかる当選種別の当選に応じて当選役「強小役1」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域31には、当選役「強小役2」のみを含む当選種別「強ベル2」が対応付けられており、かかる当選種別の当選に応じて当選役「強小役2」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。当選役「強小役1」、「強小役2」はレア役「強ベル」に相当する。
また、当選領域32には、当選役「CBB1」〜「CBB3」が重複した当選種別「CBB1」が対応付けられている。例えば、当選種別抽選により当選種別「CBB1」が決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1、2)、当選役「CBB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3、4)、当選役「CBB2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5、6)、当選役「CBB3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。上述したように、当選役「CBB1」〜「CBB3」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので(PB=1)、当選種別「CBB1」に当選した場合、遊技者は、当選役「CBB1」〜「CBB3」のいずれかに対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示することができる。そして、当選役「CBB1」〜「CBB3」のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示するとボーナス遊技が開始される。
また、当選領域33には、当選役「CBB1」〜「CBB3」と、当選役「リプレイ8」とが重複した当選種別「CBB2」が対応付けられている。そして、当選種別抽選により当選種別「CBB2」が決定されると、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組み合わせを優先的に有効ラインA上に表示することが可能となる。また、当選領域34には、当選役「CBB1」〜「CBB3」と、当選役「リプレイ9」、「リプレイ10」とが重複した当選種別「CBB3」が対応付けられている。そして、当選種別抽選により当選種別「CBB3」が決定されると、当選役「リプレイ10」に対応する図柄組み合わせを優先的に有効ラインA上に表示することが可能となる。上述したように、当選役「リプレイ10」は、レア役「チェリー」に相当し、当選役「リプレイ9」および「リプレイ11」は、レア役「チャンス」に相当する。本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順で優先的に停止制御されるように設定されているので、当選種別「CBB2」、「CBB3」に当選したとしても、当選役「リプレイ8」および「リプレイ10」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に必ず表示されるので(PB=1)、当選役「BB」のいずれかに対応する図柄組み合わせを当該遊技で有効ラインA上に表示することはできない。したがって、遊技者は、次遊技以降の遊技で、当選役「CBB1」〜「CBB3」のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することでボーナス遊技を開始することが可能となる。
かかる当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1に当選種別「不当選」が対応付けられ、当選領域2〜21にリプレイ役のいずれかが含まれる当選種別(当選種別「リプレイ」)が対応付けられ、当選領域22〜31に小役のいずれかが含まれる当選種別(当選種別「小役」)が対応付けられ、当選領域32〜34にボーナス役のいずれかが含まれる当選種別(当選種別「ボーナス役」)が対応付けられている。したがって、当選領域の番号の低い方から、当選種別「不当選」、当選種別「リプレイ役」、当選種別「小役」、当選種別「ボーナス役」といった当選種別のカテゴリ単位で当選種別抽選テーブルに配置されていることになる。そして、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態において、当選種別「不当選」、当選種別「リプレイ役」のカテゴリが共通して対応付けられ、当選種別「小役」のカテゴリは、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、内部中遊技状態に対応付けられているが、ボーナス遊技状態には対応付けられておらず、当選種別「ボーナス役」のカテゴリは、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態に対応付けられているが、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態には対応付けられていない。
(内部中遊技状態における当選態様)
上述したように、当選役「BB」が含まれる当選種別に当選したとしても、その当選した遊技で当選役「CBB1」〜「CBB3」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されボーナス遊技をすぐに開始できる場合と、その当選した遊技においては当選役「CBB1」〜「CBB3」のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示できず一旦内部中遊技状態に移行する場合がある。本実施形態では、かかる内部中遊技状態を利用して、以下のように、レア役の高確率状態を実現する。
図10は、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態および内部中遊技状態における当選態様の違いを説明するための図である。RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態における当選種別抽選により当選種別「CBB2」、「CBB3」のいずれかに当選すると、遊技状態が内部中遊技状態に移行する。そうすると、図10に示すように、当選領域の一部の当選種別に当選した場合に、有効ラインA上に表示されるレア役に相当しない当選役(レア役以外の役)がレア役に相当する当選役に変更される。
すなわち、当選領域22の当選種別「選択小役左1」の当選時、打順1または2による操作を行った場合に有効ラインA上に表示される当選役が、当選役「正解小役1」から、レア役「チェリー」に相当する当選役「正解小役3」に変更され、当選領域23の当選種別「選択小役左2」の当選時、打順1または2による操作を行った場合に有効ラインA上に表示される当選役が、当選役「正解小役1」から、レア役「チェリー」に相当する当選役「正解小役3」に変更され、当選領域24の当選種別「選択小役中1」の当選時、打順3または4による操作を行った場合に有効ラインA上に表示される当選役が、当選役「正解小役2」から、レア役「チェリー」に相当する当選役「正解小役3」に変更され、当選領域25の当選種別「選択小役中2」の当選時、打順3または4による操作を行った場合に有効ラインA上に表示される当選役が、当選役「正解小役2」から、レア役「チェリー」に相当する当選役「正解小役3」に変更され、当選領域26の当選種別「選択小役右1」の当選時、打順5または6による操作を行った場合に有効ラインA上に表示される当選役が、当選役「正解小役2」から、レア役「チェリー」に相当する当選役「正解小役3」に変更され、当選領域27の当選種別「選択小役右2」の当選時、打順5または6による操作を行った場合に有効ラインA上に表示される当選役が、当選役「正解小役2」から、レア役「チェリー」に相当する当選役「正解小役3」に変更される。また、内部中遊技状態以外における当選領域32〜34は、内部中遊技状態では抽選の対象とならない。
ここでは、遊技状態が内部中遊技状態に移行することでレア役「チェリー」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される確率が高くなる。そして、レア役「チェリー」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、内部中遊技状態であるか否かに拘わらず有効ラインA上に表示され得る、レア役「チェリー」に相当する当選役「リプレイ10」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合と同等の確率で遊技利益を獲得する抽選を行う。このように、内部中遊技状態に移行し、その状態を維持することで、レア役の高確率状態を実現し、結果的に、遊技利益を得る確率を高めることができる。したがって、遊技者は、当選役「BB」の当選により内部中遊技状態に移行すること、および、内部中遊技状態を長く維持することを望むこととなる。
(ボーナス遊技状態における当選態様)
図11は、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態およびボーナス遊技状態における当選態様の違いを説明するための図である。RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態または内部中遊技状態において当選役「CBB1」〜「CBB3」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、ボーナス遊技状態に移行する。かかるボーナス遊技状態では、対応する当選領域における当選種別を強制的に小役に設定する。例えば、当選種別抽選により、当選領域1〜16に当選すると、当選種別が当選種別「共通ベル」に設定され、遊技者は、当選役「正解小役1」または当選役「正解小役2」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することが可能となる。また、当選種別抽選により、当選領域17〜21に当選すると、当選種別が当選種別「強ベル」に設定され、遊技者は、当選役「強小役1」または当選役「強小役2」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することが可能となる。そして、払い出し枚数が所定の枚数(例えば11枚)を超えると、ボーナス遊技状態を終了する。
(当選種別抽選)
上述したように、各遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態)に対し、図9のように、共通した当選種別抽選テーブルが対応付けられている。また、当選種別抽選テーブル(遊技状態)同士で共通する当選領域には共通の置数が対応付けられている。したがって、遊技状態毎に個別に当選種別抽選テーブルを準備する必要がなく、また、各遊技状態で共通する当選種別については共通の1の置数を準備すれば済むので、当選種別抽選テーブルに占有されるメモリ領域を削減することが可能となる。ただし、一部の当選領域(例えば、当選領域2)において遊技状態毎に個別に置数を設ける場合がある。
また、上述したように、遊技状態によっては所定の当選領域が割り当てられている場合と割り当てられていない場合がある。例えば、RT1遊技状態には当選領域9〜14が割り当てられておらず、RT2遊技状態には当選領域3〜8が割り当てられておらず、RT3遊技状態には当選領域3〜14が割り当てられておらず、また、ボーナス役を重ねて当選させないため、内部中遊技状態やボーナス遊技状態には当選領域32〜34が割り当てられていない。また、当選役の当選率を調整すべく、ボーナス遊技状態に割り当てない当選領域(例えば、当選領域22〜31)もある。
本実施形態においては、このように割り当てられなかった当選領域に相当する他の当選種別を敢えて設けず、割り当てられなかった当選領域を統合し、不当選として扱う。このように、割り当てられる当選領域の違いを不当選で吸収することで、当選種別抽選テーブルをシンプルに構成することができる。例えば、図9の当選種別抽選テーブルでは、当選種別抽選テーブルに対応付けられた当選領域全ての置数の合計が、総数(65536)以下となるように設定されており、当選種別抽選手段(当選領域決定手段)304は、当選領域全ての置数の合計が総数未満であった場合に、当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていなければ、不当選を決定する。したがって、総数から、当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域に対応付けられた置数の合計を減算した値が、不当選の置数に相当することとなる。
具体的に、当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、図9の当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果とする。ただし、複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていないと判断すると、すなわち、当選領域1に対応付けられた置数を取得し、その置数を、当選種別抽選乱数または前回の減算値から減算し、その減算値が0以上であれば、当選種別抽選手段304は、当該当選種別抽選の結果として不当選を決定する。
図12は、当選種別抽選を説明するための説明図である。ここでは、ボーナス遊技状態の当選種別抽選テーブルを挙げて、当選種別抽選手段304の具体的な処理を説明する。例えば、遊技状態がボーナス遊技状態である場合に、乱数発生器200dが当選種別抽選乱数として「300」を生成したとする。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態(ボーナス遊技状態)に基づいて、図12に示すボーナス遊技状態に対応付けられている当選領域の番号が高い方から順に置数を取得する。
当選種別抽選手段304は、まず、当選領域21の当選種別「強ベル」の置数である「100」を取得し、その置数「100」を当選種別抽選乱数「300」から減算して減算値「200」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選種別抽選手段304は、引き続き、当選領域の番号が次に高い、当選領域20の当選種別「強ベル」の置数である「100」を取得し、その置数「100」を減算値「200」から減算して減算値「100」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選種別抽選手段304は、当選領域の番号が次に高い、当選領域19の当選種別「強ベル」の置数である「200」を取得し、その置数「200」を減算値「100」から減算して減算値「−100」を導出する。ここで、減算値が0未満となると、当選種別抽選手段304は、その時点の当選領域19に対応付けられた当選種別「強ベル」を抽選結果とする。
また、他の例として、遊技状態がボーナス遊技状態である場合に、乱数発生器200dが当選種別抽選乱数として「12000」を生成したとする。当選種別抽選手段304は、まず、当選領域21の当選種別「強ベル」の置数である「100」を取得し、その置数「100」を当選種別抽選乱数「12000」から減算して減算値「11900」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選種別抽選手段304は、引き続き、当選領域の番号が次に高い、当選領域20の当選種別「強ベル」の置数である「100」を取得し、その置数「100」を減算値「11900」から減算して減算値「11800」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選種別抽選手段304は、当選領域の番号が次に高い当選領域19を参照する。このように、当選種別抽選手段304は、番号の高い方から、順次、当選領域を参照し、減算値が「3000」となったところで、最後の当選領域1を参照し、当選領域1の当選種別「共通ベル」の置数である「1000」を取得し、その置数「1000」を当選種別抽選乱数「3000」から減算して減算値「2000」を導出する。このように、全ての当選領域を参照しても(対応付けられている最後の当選領域を参照しても)、減算値が0以上であれば、当選種別抽選手段304は、当該当選種別抽選の結果として不当選を決定することとなる。
このように、当選種別抽選手段304が、複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていなければ不当選を決定する構成を採用することで、当選種別抽選テーブルに対応付けられた当選領域全ての置数の合計を総数以下としさえすれば、置数の合計と総数とを同一にする必要がなくなる。ここで、複数の当選領域に対応付けられた置数の範囲のいずれにも乱数が含まれていない場合の不当選の置数は、総数から当選種別抽選テーブルに対応付けられた当選領域全ての置数の合計を減算した値に相当することとなる。したがって、各当選領域の置数を変更した場合に、その変更を他の置数に反映しなくとも、不当選に相当する置数が自動的に変更されることとなるので、不当選の置数を計算する必要がなくなり、設計やデバッグの負荷を抑制することが可能となる。また、このような構成により、不当選という当選領域自体を設けなくてもよくなるので、メモリ容量の増大を抑制することもできる。
ここでは、当選領域決定手段として遊技利益を抽選により決定する当選種別抽選手段304を挙げて説明したが、かかる抽選の手順は、遊技利益や演出を抽選により決定する様々な他の抽選においても適用できる。また、当選領域を参照する順は、その番号が高い順(高→低)に限られず、番号が低い順(低→高)を採用してもよい。この場合、各遊技状態の当選種別抽選テーブルに対応する当選領域のうち、番号が最大となる当選領域の置数を減算しても、その減算値が0以上であれば、当選種別抽選手段304は、当該当選種別抽選の結果として不当選を決定する。
また、ここでは、当選種別抽選手段304が、その時点の遊技状態に基づいて、当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、置数を取得し、その置数を、当選種別抽選乱数(初回)から、または、前回の減算値(初回以外)から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選役を抽選結果とする例を挙げて説明したが、減算に限らず、加算(積算)を利用する手法を用いてもよい。例えば、当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、置数を取得し、その置数を順次積算し、毎回、同一の当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満の場合に、その時点の当選領域に対応付けられた当選役を抽選結果としてもよい。
なお、上述したように、遊技状態によっては所定の当選領域(カテゴリ)がその抽選テーブルに割り当てられている場合と割り当てられていない場合がある。したがって、当選種別抽選手段304は、図9に示した複数の抽選テーブルそれぞれにおいて、参照を開始する当選領域(カテゴリ)が異なる場合が生じる。例えば、当選種別抽選手段304は、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態であれば、当選領域34、すなわち、当選種別「ボーナス役」のカテゴリから参照を開始し、当選種別「ボーナス役」、当選種別「小役」、当選種別「リプレイ役」、当選種別「不当選」といったカテゴリ順に参照する。しかし、内部中遊技状態には当選領域32〜34(当選種別「ボーナス役」のカテゴリ)が割り当てられていないので、当選種別抽選手段304は、当選領域32〜34(当選種別「ボーナス役」のカテゴリ)を参照することなく、当選領域31、すなわち、当選種別「小役」のカテゴリから参照を開始し、当選種別「小役」、当選種別「リプレイ役」、当選種別「不当選」といったカテゴリ順に参照することとなる。また、ボーナス遊技状態には当選領域22〜34(当選種別「ボーナス役」および当選種別「小役」のカテゴリ)が割り当てられていないので、当選種別抽選手段304は、当選領域22〜34(当選種別「ボーナス役」および当選種別「小役」のカテゴリ)を参照することなく、当選領域21、すなわち、当選種別「リプレイ役」のカテゴリから参照を開始し、当選種別「リプレイ役」、当選種別「不当選」といったカテゴリ順に参照することとなる(ただし上述したように、当選種別として強制的に小役に設定される)。
このように、当選種別抽選テーブル内で複数の当選領域が所定のカテゴリに纏められ、遊技状態毎の抽選テーブル同士において、当選領域を参照する方向(番号が高い方から低い方に向かう方向)に、いずれかの遊技状態で参照するカテゴリ、複数の遊技状態で共通して参照するカテゴリの順となるように当選領域が配置されることで、当選種別抽選テーブルが単純化され、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選テーブルそれぞれにおいて、参照順を変えず、単純に参照を開始するカテゴリを異ならせるだけで、当選領域を決定することが可能となる。したがって、処理負荷の軽減を図ることができる。
また、図9における内部中遊技状態およびボーナス遊技状態の当選種別抽選テーブルを参照すると、いずれも当選領域および当選種別のカテゴリが連続しているのが理解できる。このように当選領域や当選種別のカテゴリを連続させ、間欠させないことで、当選種別抽選手段304は、参照を開始する当選領域(カテゴリ)さえ特定すれば、その後は、参照する当選領域がいずれであるかを特定する処理を要さず、当選領域を連続的に参照すればよいので、さらなる処理負荷の軽減を図ることができる。なお、本実施形態では、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態の当選種別「リプレイ役」のカテゴリにおいて、当選領域が一部、不連続(間欠的)となっているが、当選領域の順を変更することで、当選領域を連続的に表すことができ、内部中遊技状態およびボーナス遊技状態の当選種別抽選テーブルの関係同様、処理負荷の軽減を図ることができる。
また、ボーナス遊技状態では、対応する当選領域における当選種別を強制的に小役に設定することができるところ、小役として、複数種類の当選種別、例えば、当選種別「強ベル」と当選種別「共通ベル」を準備した場合に、参照を開始する当選領域を任意に変更することで、不当選の決定確率および複数種類の当選種別それぞれの決定確率を調整することができる。例えば、図9の当選種別抽選テーブルの例では、当選種別抽選手段304が、当選領域21から参照を開始することで、総数から、当選領域1〜21に対応付けられた置数の合計を減算した値を不当選とすることができ、また、置数が比較的小さい当選領域17〜21を任意の当選種別に対応させることが可能となる。
(演出状態の移行)
図13は、主制御基板200における演出状態の移行を説明するための説明図である。図8を用いて説明したように、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態へ移行するか否かを演出状態抽選により決定する。かかる演出状態抽選によりAT演出状態への移行が決定されると、それに伴い、遊技状態がRT3遊技状態に移行して、AT演出状態とRT3遊技状態が並行して進行するART遊技状態が実行される。以下、主制御基板200において状態移行手段312により移行される演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)について詳述する。
(非AT演出状態)
非AT演出状態としては、非AT通常演出状態と非ATチャンス演出状態とが設けられている。演出状態が非AT通常演出状態であった場合、補助演出の実行頻度がAT演出状態より極めて低く、ほぼ補助演出が行われない、または、補助演出が全く行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。かかる非AT通常演出状態は、複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。
状態移行手段312は、非AT通常演出状態における所定の契機、例えば、当選種別抽選で所定の当選種別が決定されたことに基づいて、演出状態を非ATチャンス演出状態に移行させ(1)、非ATチャンス演出状態において所定の終了条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、演出状態を非AT通常演出状態に戻す(2)。また、状態移行手段312は、非AT通常演出状態および非ATチャンス演出状態において、演出状態をAT演出状態(最初は第1AT上乗せ演出状態)に移行することができる(3)。ただし、非ATチャンス演出状態の方が非AT通常演出状態よりAT演出状態に移行し易いように設定されている。例えば、非AT通常演出状態および非ATチャンス演出状態のいずれの演出状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてAT演出状態へ移行するか否かが抽選(演出状態抽選)により決定される場合に、当選種別抽選により当選種別「チェリーリプレイ1」が決定された場合において、演出状態が非AT通常演出状態であれば1/20の確率でAT演出状態に移行するのに対し、非ATチャンス演出状態であれば1/5の確率でAT演出状態に移行する。このように、当選種別抽選により決定されるいくつかの当選種別それぞれに対してAT演出状態へ移行する確率が設定されており、その確率は非AT通常演出状態より非ATチャンス演出状態の方が高くなるように設定されている。したがって遊技者は、非AT通常演出状態より、非ATチャンス演出状態に滞在することを望むこととなる。また、AT演出状態に移行することなく非AT演出状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、ゾーンや天井に到達)、状態移行手段312は、演出状態をAT演出状態へ移行する。
(AT演出状態)
AT演出状態では、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態において、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
AT演出状態では、4つのAT演出状態(AT通常演出状態、ATチャンス演出状態、第1AT上乗せ演出状態、第2AT上乗せ演出状態)が設けられている。状態移行手段312は、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態に移行させる場合、まず、第1AT上乗せ演出状態に移行する。状態移行手段312は、第1AT上乗せ演出状態を複数遊技間継続し、AT通常演出状態において維持可能な継続遊技数の上限である上限継続遊技数(継続期間)を決定する。かかる第1AT上乗せ演出状態については後程詳述する。
また、状態移行手段312は、第1AT上乗せ演出状態における遊技結果に応じて、演出状態をAT通常演出状態に移行(4)、または、AT通常演出状態より遊技利益の高い第2AT上乗せ演出状態に移行する(5)。そして、演出状態がAT通常演出状態に移行された後、AT通常演出状態における継続遊技数(消化期間)が上限継続遊技数以上となると(所定の終了条件を満たすと)、AT演出状態が終了し、状態移行手段312は、演出状態を非AT演出状態(非AT通常演出状態)に移行する(6)。
また、状態移行手段312は、AT通常演出状態における所定の契機、例えば、当選種別抽選で所定の当選種別が決定されたことに基づいて、演出状態をATチャンス演出状態に移行させ(7)、ATチャンス演出状態のまま所定の条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、演出状態をAT通常演出状態に戻す(8)。また、状態移行手段312は、ATチャンス演出状態において、所定の移行条件を満たすと、演出状態を第1AT上乗せ演出状態に移行することができる(9)。
ATチャンス演出状態から第1AT上乗せ演出状態に移行された場合にも、非AT演出状態から第1AT上乗せ演出状態に移行された場合と同様、第1AT上乗せ演出状態が複数遊技間継続し、状態移行手段312は、ここで決定された上乗せにかかる継続遊技数を上限継続遊技数に加え、上限継続遊技数を更新する。
また、演出状態が第2AT上乗せ演出状態に移行された場合、状態移行手段312は、スタートスイッチ128の操作に応じて、予め定められた複数の倍率のいずれかを決定し、直前に設定されていた第1AT上乗せ演出状態において決定された継続遊技数に、決定された倍率を乗じ、その乗じた継続遊技数を上限継続遊技数に加える。その後、状態移行手段312は、演出状態をAT通常演出状態に移行する(10)。一方、この抽選に不当選(1倍)となると、さらに加算、更新することなく(第1AT上乗せ演出状態における継続遊技数のみを加算し)、演出状態をAT通常演出状態に移行する(10)。
(演出状態の移行に関するテーブル)
メインROM200bには、さらに、複数の演出状態抽選テーブル等が格納されている。状態移行手段312は、現在の演出状態に基づいて対応する演出状態抽選テーブルをメインROM200bから抽出するとともに、抽出した演出状態抽選テーブルを参照し、スタートスイッチ128の操作に基づき、複数の演出状態のうち、いずれか1の演出状態を演出状態抽選によって決定する。
図14は、演出状態抽選テーブルを示す図であり、図14(a)は、非AT通常演出状態に用いられ、図14(b)は、非ATチャンス演出状態に用いられ、図14(c)は、AT通常演出状態に用いられ、図14(d)は、ATチャンス演出状態に用いられる。各演出状態抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、区画化された各当選領域にはそれぞれ置数と演出状態が対応付けられている。したがって、AT演出状態やハズレのそれぞれに当選する確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。例えば、図14(a)の非AT通常演出状態用演出状態抽選テーブルでは、3つの当選領域が区画されており、それぞれ、非ATチャンス演出状態、AT演出状態、ハズレが割り当てられ、当選領域毎の置数に応じて、各演出状態への移行確率が異なることとなる。図14(a)〜(d)のいずれの演出状態抽選テーブルにおいても、ハズレの当選領域がある。以下、非AT演出状態に属する非AT通常演出状態、非ATチャンス演出状態、および、AT演出状態に属する第1AT上乗せ演出状態、第2AT上乗せ演出状態、AT通常演出状態、ATチャンス演出状態それぞれにおける、特に演出に係る遊技性を詳述する。
(非AT通常演出状態)
上述したように、非AT通常演出状態は、複数の演出状態のうちでも初期状態に相当し、スロットマシン100が初期化された場合に滞在する演出状態である。かかる非AT通常演出状態において、状態移行手段312は、所定の契機、例えば、当選種別抽選で所定の当選種別が決定されたことに基づいて、AT演出状態への移行(所定の遊技利益)を決定する。ただし、状態移行手段312は、AT演出状態への移行を決定しても即座にAT演出状態に移行させるわけではなく、所定のゲーム数後に移行(発動)することとしている。このように本実施の形態では、AT演出状態への移行が決定された遊技から所定の遊技数後にAT演出状態に移行するようになっているため、所定のゲーム数の直前の遊技にて、AT演出状態に移行する報知を行うようになっている。すなわち、演出制御手段334では、AT演出状態への移行を即座に報知せず、AT演出状態へ移行するか否かを報知する遊技(所定の遊技数の直前の遊技)を起点として複数遊技(このように、AT演出状態への移行が決定された遊技の次の遊技から、所定の遊技数の直前の遊技までの間に前兆が実行され、この前兆が実行される遊技数を「前兆遊技数」という)前から、その前兆遊技数に亘ってAT演出状態への移行を示唆する前兆演出(以下、AT演出状態へ移行することが報知される前兆演出を「リアル前兆演出」ともいう)を行う。
また、演出制御手段334は、AT演出状態への移行が決定されていない場合においても、当選種別抽選の抽選結果等に応じ、前兆遊技数に亘って、このような前兆演出(以下、AT演出状態へ移行しないことが報知される前兆演出を「フェイク前兆演出」ともいう)を実行する。この場合、演出制御手段334は、前兆演出の最後の遊技において、AT演出状態への移行が決定されていないことを報知する。したがって、遊技者は、かかる前兆演出(リアル前兆演出またはフェイク前兆演出)が開始されることによってAT演出状態への移行を期待することとなり、前兆演出に続く、AT演出状態への移行が決定されているか否かの報知を受け、その結果に一喜一憂することとなる。なお、AT演出状態へ移行するか否かを報知するタイミングは、前兆演出中のどの遊技のどの契機(例えば、第3停止時)であっても構わない。
ここで、前兆演出について説明する。前兆演出としては、上述したように、AT演出状態への移行が決定されているか否かに基づいて、リアル前兆演出とフェイク前兆演出とが準備されている。また、その前兆演出の契機としては、当選種別抽選の抽選結果に基づく場合と、所定の遊技数に到達することに基づく場合とがあり、当選種別抽選の抽選結果に基づく前兆演出(リアル前兆演出とフェイク前兆演出のいずれも含む)を特に抽選契機前兆演出といい、所定の遊技数に到達することに基づく前兆演出(リアル前兆演出とフェイク前兆演出のいずれも含む)を特に到達契機前兆演出という。例えば、状態移行手段312が、当選種別抽選の抽選結果に基づいてAT演出状態へ移行するか否か決定し、AT演出状態へ移行するか否かの決定結果を遊技者に報知する場合に、AT演出状態への移行が決定された遊技の次の遊技から前兆遊技数に亘って実行される前兆演出が抽選契機前兆演出である。そして、状態移行手段312は、抽選契機前兆演出の最後の遊技の次の遊技から演出状態をAT演出状態に移行する。ただし、抽選契機前兆演出の開始タイミングは、AT演出状態への移行が決定された遊技の次の遊技に限らず、AT演出状態への移行が決定された遊技から所定の遊技数を消化して開始するとしてもよく、また、AT演出状態への移行タイミングは、抽選契機前兆演出の最後の遊技の次の遊技に限らず、抽選契機前兆演出の最後の遊技から所定の遊技数を消化して移行するとしてもよい。
また、非AT演出状態においてAT演出状態に移行することなく所定の遊技数が経過したことへの報酬(救済措置)として、AT演出状態に移行させる場合がある(所謂、ゾーンや天井)。ここで、状態移行手段312は、AT演出状態終了時等の所定のタイミングで、AT演出状態に移行するために経過すべき予め定められた複数の遊技数(例えば、100、200、…、900、1000)から1の遊技数(例えば、100)を決定する。そして、AT演出状態終了後の所定のタイミング、例えば、非AT演出状態の開始時(開始遊技)を起点とし、当選種別抽選の抽選結果等、他の契機によりAT演出状態に移行することなく、非AT演出状態において、決定した遊技数(例えば、100)を消化し、決定した遊技数に到達すると、状態移行手段312は、演出状態をAT演出状態に移行する。このように決定された遊技数に到達し、AT演出状態へ移行することを、例えば、決定された遊技数の前の遊技で遊技者に報知する場合に、その報知を起点として前兆遊技数前から前兆遊技数に亘って実行される前兆演出が到達契機前兆演出である。ただし、AT演出状態へ移行することを報知する遊技(到達契機前兆演出の最後の遊技)は、決定された遊技数の前の遊技に限らず、決定された遊技数より複数遊技前としてもよい。この場合、到達契機前兆演出は、決定された遊技数の、この複数遊技と前兆遊技数との合計遊技数前から開始されることとなる。なお、到達契機前兆演出は、決定された遊技数に到達する場合のみならず、選択肢である予め定められた複数の遊技数のいずれかに到達する場合も実行される場合がある。こうして、予め定められた複数の遊技数それぞれの前兆遊技数前から前兆遊技数に亘って到達契機前兆演出が実行され、遊技者は、当該到達契機前兆演出によって、複数の遊技数のいずれかが近づいたことを把握するとともに、AT演出状態への移行を期待することが可能となる。
なお、ここでは、状態移行手段312が、所定の遊技数に到達したことを契機にAT演出状態に移行させる例として、前回のAT演出状態終了時に予め定められた複数の遊技数から1の遊技数を決定し、その遊技数に到達したことを契機にAT演出状態に移行する例を挙げて説明するが、予め定められた遊技数に到達したことを契機に、AT演出状態に移行するか否かを抽選により決定し、AT演出状態に移行することが決定された場合に、その時点またはそれ以降のタイミングでAT演出状態に移行する遊技性を採用することもできる。ここで、予め定められた遊技数が複数ある場合、AT演出状態への移行が決定するまで、その遊技数に到達する度に、AT演出状態に移行するか否かを抽選により決定するとしてもよい。
したがって、前兆演出の種別としては、その契機と、AT演出状態へ移行するか否かの決定との組み合わせにより、例えば、(1)当選種別抽選の抽選結果に基づくリアル前兆演出(以下、「抽選契機リアル前兆演出」という)、(2)当選種別抽選の抽選結果に基づくフェイク前兆演出(以下、「抽選契機フェイク前兆演出」という)、(3)所定の遊技数に到達することに基づくリアル前兆演出(以下、「到達契機リアル前兆演出」という)、(4)所定の遊技数に到達することに基づくフェイク前兆演出(以下、「到達契機フェイク前兆演出」という)の4種類の前兆演出が存在することになる。
また、状態移行手段312は、前兆演出の種別のみならず、前兆演出の期間である前兆遊技数も任意に決定することができる。例えば、前兆演出の期間について、遊技数が1〜12遊技と少なく、比較的短い前兆演出(以下、単に「短前兆演出」という)と、遊技数が25〜36遊技と多く、比較的長い前兆演出(以下、単に「長前兆演出」という)という分け方をした場合に、前兆演出の種別と前兆演出の期間とを組み合わせる遊技性を取り入れることができる。例えば、到達契機リアル前兆演出の場合、短前兆演出が選択される可能性があり、到達契機フェイク前兆演出の場合、短前兆演出が選択されない仕様とした場合、遊技者は、所定の遊技数に到達することによりAT演出状態への移行が見込まれる状況下(例えば、ゾーン)で前兆演出(到達契機前兆演出)が開始され、その結果が短前兆演出を経由して報知される流れだった場合、所定の遊技数に到達することに基づくAT演出状態への移行決定を確信することとなる。こうして、前兆演出の種別と期間との組み合わせにより、演出効果を高めることが可能となる。ただし、このように前兆演出の種別と期間とを組み合わせる仕様とした場合、前兆演出の種別の分だけテーブルが必要となる。
図15は、前兆遊技数を決定する抽選テーブルを説明するための説明図である。図15(a)に示す前兆遊技数の抽選テーブルでは、上述した(1)抽選契機リアル前兆演出、(2)抽選契機フェイク前兆演出、(3)到達契機リアル前兆演出、(4)到達契機フェイク前兆演出の4種類の前兆演出それぞれに対し、前兆遊技数「1G」〜「36G」(当選領域1〜36)およびその決定確率(%)が割り当てられている。なお、図15(a)で省略している当選領域の決定確率は0%である。
かかるテーブルを参照すると、(3)到達契機リアル前兆演出では、前兆演出として短前兆演出に対応する1〜12遊技のうち1〜3遊技の決定確率がそれぞれ10%あるのに対し、(4)到達契機フェイク前兆演出では、短前兆演出に対応する1〜12遊技が決定されることがない。したがって、遊技者は、前兆演出が1〜3遊技で終了すると、AT演出状態への移行を確信できる。しかし、このような前兆演出の種別と期間との組み合わせを採用することで、前兆演出の種別の分だけテーブルを要し、テーブルに占有されるメモリ容量が増大してしまう。
そこで、本実施形態では、4種類の前兆演出のいずれを実行するかを決定し、それと並行して、前兆演出の期間を短前兆演出とするか長前兆演出とするか決定する。そして、抽選テーブルとしては、短前兆演出に相当する所定の範囲内から、前兆遊技数の揺らぎ(分散)を示す遊技数の候補である第1前兆遊技数候補を決定する図15(b)のようなテーブルのみを準備する。
ここで、状態移行手段312は、各遊技における当選種別抽選の抽選結果に基づいてAT演出状態へ移行するか否か決定し、また、AT演出状態終了時等の所定のタイミングで、AT演出状態へ移行するために経過すべき予め定められた複数の遊技数から1の遊技数を決定する。当選種別抽選の抽選結果に基づいてAT演出状態へ移行するか否かが決定されると、状態移行手段312は、抽選契機前兆演出を実行するか否かを決定するとともに、抽選契機前兆演出を実行することを決定すると、その遊技または次の遊技から抽選契機前兆演出を開始する。そして、抽選契機前兆演出の最後の遊技においてAT演出状態へ移行する旨の報知が行われると、状態移行手段312は、報知の次の遊技において演出状態をAT演出状態へ移行する。
また、状態移行手段312は、予め定められた複数の遊技数のいずれかに対する、前兆遊技数の最大値(36遊技)より前のタイミング(例えば、非AT演出状態の開始時)で、所定の遊技数に到達することに基づく前兆遊技数を決定し、予め定められた複数の遊技数のいずれかに到達しそうになると、すなわち、複数の遊技数のいずれかに到達するより前兆遊技数前になると、到達契機前兆演出を開始する。そして、到達契機前兆演出の最後の遊技においてAT演出状態へ移行する旨の報知が行われると、状態移行手段312は、次の遊技(複数の遊技数のいずれかに到達した遊技)で演出状態をAT演出状態へ移行する。
状態移行手段(前兆遊技数候補決定手段)312は、上記のように前兆演出の実行が決定されると、前兆遊技数を分散させるべく、図15(b)の第1前兆遊技数候補の抽選テーブルを参照し、AT演出状態へ移行するか否か、すなわち、その前兆演出がリアル前兆演出であるかフェイク前兆演出であるかに応じて、所定の範囲(1〜12遊技)内の複数の第1前兆遊技数候補から1の第1前兆遊技数候補を決定する。
次に、状態移行手段(前兆遊技数候補決定手段)312は、前兆演出の種別に基づいて、短前兆演出および長前兆演出のいずれかを決定する。このとき、状態移行手段312は、所定の契機でAT演出状態への移行が決定された場合、または、所定の契機でAT演出状態への移行が決定されなかった場合のいずれか一方においてのみ、短前兆演出および長前兆演出のうち予め定められたいずれか一方(ここでは短前兆演出)を決定できるとしてもよい。例えば、状態移行手段312は、所定の遊技数に到達したことを契機にAT演出状態に移行することを決定している場合(到達契機リアル前兆演出の場合)、短前兆演出および長前兆演出のいずれも決定できるとし、一方で、所定の遊技数に到達したことを契機にAT演出状態に移行することを決定していない場合(到達契機フェイク前兆演出の場合)、長前兆演出しか決定しないとする。
具体的には、図15(c)のように、前兆演出の種別に応じ、(1)抽選契機リアル前兆演出であれば、必ず短前兆演出を決定し、(2)抽選契機フェイク前兆演出であれば、必ず短前兆演出を決定し、(3)到達契機リアル前兆演出であれば、短前兆演出:長前兆演出を30%:70%の確率で決定し、(4)到達契機フェイク前兆演出であれば、必ず長前兆演出を決定する。こうして、上述した、前兆演出の種別と、それが短前兆演出であるか長前兆演出であるかの組み合わせ(例えば、到達契機リアル前兆演出と、短前兆演出との組み合わせ)に応じて、遊技者がAT演出状態への移行決定を確信する遊技性を実現することができる。
続いて、状態移行手段(導出手段)312は、決定した短前兆演出と長前兆演出とにそれぞれ対応する第2前兆遊技数候補を、第1前兆遊技数候補に加算して前兆遊技数を決定する。ここで、第2前兆遊技数候補は、第1前兆遊技数候補同様、前兆遊技数を導出するために用いられる数値である。短前兆演出が決定されると、状態移行手段312は、既に決定されている第1前兆遊技数候補に、短前兆演出に対応する第2前兆遊技数候補(例えば0遊技)を加算して前兆遊技数とし、結果的に、第1前兆遊技数候補をそのまま前兆遊技数とする。一方、長前兆演出が決定されると、状態移行手段312は、第1前兆遊技数候補に、長前兆演出に対応する第2前兆遊技数候補(例えば24遊技)を加算して前兆遊技数とする。例えば、第1前兆遊技数候補として10遊技が決定され、前兆演出の期間として長前兆演出が決定されると、第1前兆遊技数候補としての10遊技に、第2前兆遊技数候補としての24遊技を加算して、前兆遊技数は34遊技となる。ここでは、到達契機リアル前兆演出であれば短前兆演出が選択され得る仕様なので、到達契機リアル前兆演出であれば、第2前兆遊技数候補として0を加算するか24を加算するか(短前兆演出か長前兆演出か)いずれも決定することができ、到達契機フェイク前兆演出であれば、第2前兆遊技数候補として0を加算するか24を加算するか予め定められたいずれか一方、ここでは、24を加算する(長前兆演出)ことを決定することとなる。
なお、ここでは、短前兆演出が決定された場合、状態移行手段312が、第2前兆遊技数候補として0とするか否かを決定し、0とすることを決定した場合、第1前兆遊技数候補に0を加算し、結果的に第1前兆遊技数候補がそのまま前兆遊技数となる例を挙げて説明したが、状態移行手段312が、第2前兆遊技数候補を用いるか否かを決定するとしてもよい。具体的に、状態移行手段312が、第2前兆遊技数候補を用いるか否か決定し、第2前兆遊技数候補を用いないことを決定した場合、第1前兆遊技数候補と第2前兆遊技数候補との加算処理を行うことなく、第1前兆遊技数候補をそのまま前兆遊技数として導出する。このように、第2前兆遊技数候補の加算処理をそもそも行わないとすることでも同一の処理結果を得ることができ、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
そして、演出制御手段334は、AT演出状態へ移行するか否か報知する遊技より前兆遊技数前から前兆演出を行う。このように図15(b)に示した第1前兆遊技数候補の抽選テーブルにより、短前兆演出および長前兆演出に共通な第1前兆遊技数候補を決定するだけで、短前兆演出および長前兆演出のいずれにも対応する前兆遊技数を決定することができるので、前兆遊技数に費やすメモリ容量を削減することができる。また、メモリ容量を削減したとしても、少ないメモリ容量で、前兆演出の種別と期間との全ての組み合わせに基づいてAT演出状態への移行期待度を異ならせる遊技性を維持することができる。
なお、ここでは、前兆演出の期間を短前兆演出とするか長前兆演出とするか決定してから第1前兆遊技数候補を決定しているが、第1前兆遊技数候補を決定してから前兆演出の期間を決定してもよい。また、ここでは、短前兆演出を1〜12遊技、長前兆演出を25〜36遊技とし(13〜24遊技には前兆遊技数が割り当てられていない)、遊技数が排他的に選択される例を挙げて説明したが、例えば、短前兆演出を1〜20遊技、長前兆演出を17〜36遊技として遊技数を重複させてもよい。
また、ここでは、状態移行手段312が、前兆演出の種別に基づいて、前兆演出の期間(短前兆演出、長前兆演出)を決定し、それに対応する第2前兆遊技数候補(0または24)を決定する例を挙げて説明したが、期間を決定しなくとも第2前兆遊技数候補さえ直接決定されれば足りる。すなわち、前兆遊技数候補決定手段としての状態移行手段312が、前兆演出の種別に基づいて、第1前兆遊技数候補および第2前兆遊技数候補をいずれも決定し、決定された第1前兆遊技数候補に、第2前兆遊技数候補を加算して前兆遊技数とすることができる。こうして、第1前兆遊技数候補と第2前兆遊技数候補とを決定し、それを加算するだけで複数種類の前兆演出に対応する前兆遊技数を生成できるので、メモリ容量を削減することができる。また、前兆演出の種別に応じて、例えば、所定の契機でAT演出状態への移行を決定した場合、または、所定の契機でAT演出状態への移行を決定しなかった場合のいずれかにおいてのみ所定の第2前兆遊技数候補(例えば0)を決定する仕様とすることで、前兆演出の種別と第2前兆遊技数候補との組み合わせに基づいてバリエーションに富んだ遊技性を実現することができる。
また、ここでは、前兆演出の種別、すなわち、前兆演出の契機と、AT演出状態へ移行するか否かの決定との組み合わせに基づいて、第2前兆遊技数候補を決定しているが、前兆演出の契機、または、AT演出状態へ移行するか否かの決定のいずれか一方のみに基づいて第2前兆遊技数候補を決定してもよい。このように、前兆演出の契機に基づいて第2前兆遊技数候補を決定することで、遊技者は、前兆遊技数に応じて前兆演出の契機を推測することが可能となり、また、AT演出状態へ移行するか否かの決定に基づいて第2前兆遊技数候補を決定することで、遊技者は、前兆遊技数のみに応じてAT演出状態への移行決定を確信することが可能となる。また、ここでは、前兆演出の種別に応じて第2前兆遊技数候補を決定する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、第2前兆遊技数候補を決定する時点において、遊技状態が、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態のいずれであるか、また、演出状態が、非AT通常演出状態、非ATチャンス演出状態、AT通常演出状態、ATチャンス演出状態、第1AT上乗せ演出状態、第2AT上乗せ演出状態のいずれであるか等、様々な遊技状況に応じて第2前兆遊技数候補を決定してもよい。
また、ここでは、状態移行手段312が、第1前兆遊技数候補と第2前兆遊技数候補とを加算することによって前兆遊技数を導出する例を挙げて説明したが、両者の演算は、加算に限らず、四則演算(加算、減算、乗算、除算)、比較演算、論理演算等、様々な演算を用いることができる。また、ここでは、第1前兆遊技数候補と第2前兆遊技数候補とを1回演算(加算)する例を挙げているが、その演算回数および演算の種別は、これに限らず、状態移行手段312が、第2前兆遊技数候補を複数決定し、その複数の第2前兆遊技数候補を複合して演算し、例えば、第1前兆遊技数候補を1の第2前兆遊技数候補で演算した後、その演算結果に対して他の第2前兆遊技数候補で演算して前兆遊技数を導出するとしてもよい。また、状態移行手段312が、第2前兆遊技数候補のみならず、前兆演出の種別に基づいて、複数の演算の種別のいずれかを決定することもできる。
また、ここでは、第1前兆遊技数候補と第2前兆遊技数候補とを演算する例を挙げているが、第1前兆遊技数候補または第2前兆遊技数候補のいずれか一方を用いないことを決定した場合、演算をするまでもなく、第1前兆遊技数候補または第2前兆遊技数候補をそのまま前兆遊技数候補とすることができる。すなわち、必ずしも演算を実行しなくとも、第1前兆遊技数候補および第2前兆遊技数候補のいずれか一方を用いさえすれば前兆遊技数を導出することができる。
また、ここでは、状態移行手段312が、前兆演出の種別に基づいて、第2前兆遊技数候補として0または24を決定し、もしくは、第2前兆遊技数候補として24を用いるか否かを決定し、すなわち、第2前兆遊技数候補を用いる場合、24を固定的に決定して、1〜12から変動的に決定された第1前兆遊技数候補に加算する例を挙げて説明した。しかし、このような第1前兆遊技数候補を変動的に決定し、第2前兆遊技数候補を固定的に決定する場合に限らず、変動的、固定的な様々な組み合わせを用いることができ、例えば、第1前兆遊技数候補および第2前兆遊技数候補を、それぞれ、固定的および変動的に決定、固定的および固定的に決定、または、変動的および変動的に決定することもできる。
また、図15(b)の例では、AT演出状態への移行有無(リアル前兆演出、フェイク前兆演出)に応じて2つの第1前兆遊技数候補の抽選テーブルを準備したが、AT演出状態への移行有無に拘わらず1つの第1前兆遊技数候補の抽選テーブルで第1前兆遊技数候補を決定することもできる。
(前兆演出が重複した場合の処理)
また、このような前兆演出は、複数の遊技数(前兆遊技数)に亘って実行されるので、異なる前兆演出同士が重なる(前兆演出が実行されている間に、新たな前兆演出が実行されることが決定される)場合がある。この場合、基本的に、リアル前兆演出をフェイク前兆演出より優先して実行し、また、到達契機前兆演出を、抽選契機前兆演出より優先して実行する。
このように、リアル前兆演出を、フェイク前兆演出より優先して実行するために、以下のような処理が考えられる。例えば、フェイク前兆演出の間に、所謂レア役に当選してAT演出状態への移行が決定されると、演出制御手段334は、フェイク前兆演出をリアル前兆演出に書き換える。すなわち、元々は、最終的にAT演出状態へ移行する旨の報知が行われない前兆演出であったものを、最終的にAT演出状態へ移行する旨の報知を行う前兆演出に差し替えてしまう。こうして、遊技者は、AT演出状態への移行が決定されたタイミングは明確に把握できないものの、最終的にAT演出状態へ移行することを把握することができる。しかし、前兆演出の種別には、例えば、抽選契機前兆演出と、到達契機前兆演出とがあり、いずれの前兆演出であっても、前兆演出が重なった場合に、単に前兆演出の書き換えを行うとなると、遊技が単調になり、また、遊技者が、どのような契機でAT演出状態への移行が決定したのかを推測することができなくなる。
そこで、本実施形態では、フェイク前兆演出中に、新たな契機に基づくAT演出状態へ移行するか否かの決定に対する前兆演出を実行(開始)することが決定されると、決定された前兆演出が抽選契機前兆演出であるか、到達契機前兆演出であるかに応じて、フェイク前兆演出中に決定された新たな前兆演出の実行態様を異ならせる。
図16は、前兆演出の実行態様を説明するための説明図である。図16(a)に示すように、通常の演出を実行している間に、当選種別抽選の抽選結果(例えばレア役の当選)に基づいてAT演出状態への移行が決定されると、演出制御手段334は、抽選契機リアル前兆演出を開始し、前兆遊技数(例えば10遊技)の間、前兆演出を継続して、最後にAT演出状態への移行を報知する。なお、当選種別抽選の抽選結果に基づいてAT演出状態への移行が決定されなかった場合、演出制御手段334は、抽選契機フェイク前兆演出を実行して、最後にAT演出状態へ移行しないことを報知し、通常の演出に戻る。また、図16(b)に示すように、所定の遊技数(例えば、100)に到達したことを契機にAT演出状態に移行することが決定されていると、演出制御手段334は、その所定の遊技数の前兆遊技数(例えば34遊技)前から到達契機リアル前兆演出を開始し、前兆遊技数の間、前兆演出を継続して、最後にAT演出状態への移行を報知する。なお、所定の遊技数(例えば、100)に到達したことを契機にAT演出状態に移行することが決定されていなかった場合、演出制御手段334は、その所定の遊技数の前兆遊技数前から到達契機フェイク前兆演出を実行して、最後にAT演出状態へ移行しないことを報知し、通常の演出に戻る。
そして、このような前兆演出が重複すると、以下のように前兆演出を実行する。すなわち、図16(c)に示すように、通常の演出を実行している間に、当選種別抽選の抽選結果(例えばレア役の当選)に基づいて、AT演出状態への移行は決定されなかったがフェイク前兆演出が実行されたとする。そして、抽選結果に基づくフェイク前兆演出の間、すなわち、フェイク前兆演出が終了しておらず、AT演出状態へ移行するか否かも報知していないうちに、新たな抽選結果(例えばレア役の当選)に基づく前兆演出を実行することが決定されると、演出制御手段334は、直前まで実行していたフェイク前兆演出の終了を待つことなく、実行していたフェイク前兆演出を、新たな抽選結果に基づく前兆演出(例えば、抽選契機リアル前兆演出)に書き換え、前兆遊技数(例えば10遊技)の間、前兆演出を継続して、最終的にAT演出状態への移行を報知する。ここでは、フェイク前兆演出がリアル前兆演出に書き換えられただけなので前兆遊技数は変更されない。ただし、フェイク前兆演出で消化した遊技数に応じ、書き換えられた前兆演出の前兆遊技数を変更することもできる。例えば、前兆遊技数を延長して、AT演出状態へ移行している可能性が低い演出を、AT演出状態へ移行している可能性が高い演出に変化させたり、AT演出状態へ移行している演出へ逆転的に変化させる演出を追加したりすることが可能となる。このような前兆演出によって、遊技者は、いずれの当選種別に応じてAT演出状態が決定されたのか把握できないが、少なくとも当選種別に基づいてAT演出状態が決定されたことを把握できる。
また、図16(d)に示すように、通常の演出を実行している間に、当選種別抽選の抽選結果(例えばレア役の当選)に基づいてAT演出状態への移行は決定されなかったがフェイク前兆演出が実行されたとする。そして、抽選結果に基づくフェイク前兆演出の間、すなわち、フェイク前兆演出が終了しておらず、AT演出状態へ移行するか否かも報知していないうちに、新たに、所定の条件下で所定の遊技数に到達すること(例えば、非AT演出状態において100遊技経過したこと)に基づく前兆演出を実行すること(フェイク前兆演出の間に到達契機前兆演出が開始されること)が決定されていると、演出制御手段334は、新たな抽選結果(例えばレア役の当選)に基づく前兆演出を実行することが決定された場合と異なり、前兆演出を実行する権利をストックし(前兆フラグをONし)、直前まで実行していたフェイク前兆演出をそのまま継続する。ここで、前兆フラグは、前兆演出を実行する権利がストックされていることを示すフラグであり、ONでストック有り、OFFでストック無しを示す。そして、演出制御手段334は、直前まで実行していたフェイク前兆演出の終了後、ストックされた前兆演出を実行する権利に従って、新たな、前兆演出(ここでは到達契機リアル前兆演出)を開始し、前兆遊技数(例えば34遊技)の間、前兆演出を継続して、最後にAT演出状態への移行を報知する。
このように、フェイク前兆演出中に、新たな契機で前兆演出が実行されることが決定された場合に、その契機の違い(抽選契機前兆演出であるか、あるいは、到達契機前兆演出であるか)によって前兆演出の実行態様を異ならせることで、遊技のバリエーションを増やすとともに、遊技者に対し、どのような契機でAT演出状態への移行が決定したのかを推測する遊技性を付与することができるので、遊技性の向上を図ることが可能となる。また、遊技者が、所定の条件下で所定の遊技数を経過したこと(ゾーンや天井)を把握している場合、抽選契機前兆演出に引き続き、到達契機前兆演出を個別に実行することで、所定の遊技数に到達したことに対するAT演出状態への移行がキャンセルされたのではないかという損失感を払拭して、遊技者へ高揚感を付与し、AT演出状態への移行抽選の機会が確保されているという安心感を与えることができる。
なお、ここでは、既に実行されているフェイク前兆演出として、抽選契機フェイク前兆演出を挙げて説明したが、到達契機フェイク前兆演出であってもよい。また、ここでは、フェイク前兆演出中に、新たな契機に基づいてリアル前兆演出を実行する例を挙げて説明したが、新たな契機に基づく前兆演出はフェイク前兆演出であってもよい。かかる構成により、前兆演出のバリエーションを増やし、遊技性の向上を図ることができる。また、新たな到達契機前兆演出に基づいてAT演出状態への移行が決定された場合(到達契機リアル前兆演出であった場合)のみ、前兆演出を実行するという仕様を採用した場合、フェイク前兆演出の終了後に新たな前兆演出が開始されると、AT演出状態への移行が確定するといった遊技性を付与することが可能となる。
また、前兆演出を行う対象である所定の遊技利益としてAT演出状態への移行を例示したが、かかる場合に限らず、非ATチャンス演出状態やATチャンス演出状態への移行、AT演出状態における継続遊技数の上乗せ等、様々な遊技利益に対して前兆演出を行うことが可能である。
(非ATチャンス演出状態)
また、状態移行手段312は、非AT通常演出状態における所定の契機で演出状態を非ATチャンス演出状態に移行させ、所定の終了条件が満たされると演出状態を非AT通常演出状態に戻す。かかる非ATチャンス演出状態は、非AT通常演出状態より遊技者に有利となるように設定され、所定の遊技利益、例えば、AT演出状態への移行確率が高く設定されている。したがって、非ATチャンス演出状態では、非AT通常演出状態と異なる演出仕様の演出テーブルが準備され、演出制御手段334は、演出状態が非ATチャンス演出状態である間、かかる演出テーブルを参照して演出を実行する。
図17は、演出テーブルの一例を示す説明図である。非ATチャンス演出状態では、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルが繰り広げられ、所定の終了条件が満たされるまでに、味方キャラクタが敵キャラクタを倒せば、状態移行手段312は、演出状態をAT演出状態に移行する。ここで、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別に応じていずれのキャラクタの攻撃かを決定する。例えば、図17(a)に示すように、当選種別抽選により当選種別「小役」または当選種別「ボーナス役」に当選すると、演出制御手段334は、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する複数の演出(攻撃演出パターン1〜50)のいずれかを決定し、図17(b)に示すように、当選種別抽選により当選種別「リプレイ役」に当選すると、演出制御手段334は、敵キャラクタの攻撃を味方キャラクタが防御する複数の演出(防御演出パターン1〜50)のいずれかを決定し、図17(c)に示すように、当選種別抽選により当選種別「不当選」に当選すると、演出制御手段334は、いずれのキャラクタも攻撃を行わず、待機している様子を示す複数の演出(待機演出パターン1〜50)のいずれかを決定する。
ここでは、説明の便宜上、演出テーブルを参照し、当選種別抽選の結果に応じて演出パターンを決定する例を挙げて説明したが、演出テーブルでは、背景、キャラクタ、武器、攻撃の激しさ、カウンター攻撃を行うか否か、必殺技等の特定の技を繰り出すか否か等、様々な演出態様を並行して決定することができる。
(第1AT上乗せ演出状態)
また、状態移行手段312は、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態に移行させる場合、まず、複数の遊技に亘る第1AT上乗せ演出状態(所定の演出状態)に移行させ、演出制御手段334は、第1AT上乗せ演出状態において、味方キャラクタおよび敵キャラクタが戦う、所謂、バトル演出を実行し、そのバトル演出での結果に応じて維持可能な継続遊技数の上限である上限継続遊技数(継続期間)を決定する。かかる第1AT上乗せ演出状態は、例えば、1セット4遊技のバトル演出が、少なくとも1セット実行され、その後は、所定の確率の継続抽選によりセット単位で継続する。この第1AT上乗せ演出状態の間、状態移行手段312は、継続遊技数を上乗せし、演出制御手段334は、液晶表示部138に味方キャラクタと敵キャラクタとが戦うといった内容のバトル画像を表示する。
図18は、第1AT上乗せ演出状態のバトル演出に用いられる抽選テーブルを説明する図である。なお、説明の便宜上、省略するが、実際には、味方キャラクタ、敵キャラクタ、バトルの勝ちやすさ等、様々な抽選テーブルを採用することができる。第1AT上乗せ演出状態の間、状態移行手段312は、毎遊技、当選種別抽選の結果に応じ、継続遊技数の上乗せ抽選を実行する。この第1AT上乗せ演出状態については、予め定められた、第1終了条件と第2終了条件の2つの終了条件のいずれかを満たすことで終了する。ここで、第1終了条件は、当選種別抽選の結果に応じて、第1AT上乗せ演出状態を終了させるための更新値である第1値が決定され、この第1値が積み重なって第1閾値に到達することで満たされる。また、第2終了条件は、当選種別抽選の結果に応じて、加算する継続遊技数に相当する第2値が決定され(第1条件)、この第2値の累積値が第2閾値に達したときから、この累積状態を継続させるための継続抽選(ループ抽選)に外れる(換言すれば、累積状態を終了する転落抽選に当選する)ことで満たされる。なお、この継続抽選については、状態移行手段312が行っているが、例えば、当選種別抽選手段304等の他の機能部が行ってもよいことは言うまでもない。
具体的に、状態移行手段312は、まず、両キャラクタの初期ライフ数(HP)を決定し(例えば、味方キャラクタ、敵キャラクタ=240)、その値を、第1閾値および第2閾値として、それぞれ、味方ライフカウンタ(第1閾値)と敵ライフカウンタ(第2閾値)に設定する。ここで、味方ライフカウンタおよび敵ライフカウンタは、キャラクタが敗北するまでの残りライフ数を表すパラメータである。第1AT上乗せ演出状態が開始されて、当選種別抽選手段304により、当選種別抽選が実行されると、状態移行手段312は、当選種別抽選の結果に基づいて、図18(a)の攻撃方向の抽選テーブルを参照し、攻撃方向を「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」、「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」、「両キャラクタ待機」から決定し、それと並行して、図18(b)の減少ライフ数の抽選テーブルを参照し、減少ライフ数を「20」、「40」、「60」、「80」、「100」、「120」から決定する(すなわち、「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定した場合の減少ライフ数が上記の第2値であり、「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」を決定した場合の減少ライフ数が上記の第1値である。)。例えば、状態移行手段312は、当選種別抽選により、当選種別「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ1」、「チャンスリプレイ2」、「7揃いリプレイ」、「選択小役」、「共通ベル」、「スイカ」、「強ベル1」、「強ベル2」のいずれかに当選すると、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、当選種別抽選により、当選種別「通常リプレイ」、「移行リプレイ」、「チャンス煽りリプレイ」、「チャンス揃いリプレイ」のいずれかに当選すると、攻撃方向として「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」を決定し、当選種別抽選により、当選種別「不当選」に当選すると、攻撃方向として「両キャラクタ待機」を決定する。また、当選種別抽選により、所謂レア役(当選種別「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ1」、「チャンスリプレイ2」、「7揃いリプレイ」、「スイカ」、「強ベル1」、「強ベル2」)に当選した場合、状態移行手段312は、当選種別「選択小役」、「共通ベル」に当選した場合と比べ、比較的高い減少ライフ数を決定するようになっている。ここで、減少ライフ数は、各キャラクタのダメージに相当し、攻撃されたキャラクタのライフカウンタにおけるライフ数の減少度合いを示す。例えば、当選種別抽選により当選種別「選択小役」に当選し、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」が決定され、減少ライフ数として「40」が決定されると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値から「40」を減算して敵ライフカウンタを更新する。また、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ」に当選し、攻撃方向として「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」が決定され、減少ライフ数として「20」が決定されると、状態移行手段312は、味方ライフカウンタの値から「20」を減算して味方ライフカウンタを更新する。また、当選種別抽選により当選種別「不当選」に当選し、攻撃方向として「両キャラクタ待機」が決定されると、決定された減少ライフ数に拘わらず、状態移行手段312は、味方ライフカウンタおよび敵ライフカウンタのいずれの値も維持する。このように、攻撃方向および減少ライフ数が決定されることで、味方ライフカウンタや敵ライフカウンタ(更新値)が更新される。
また、状態移行手段312は、当選種別抽選の結果に基づき、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定した場合(所定の第1条件を満たした場合)、敵ライフカウンタを更新するとともに、決定された減少ライフ数の分だけ継続遊技数を上限継続遊技数に上乗せする。
ここで、第1条件は、少なくとも第1AT上乗せ演出状態を継続させることであり、例えば、本実施形態では、上記の第2値が決定されたこと、すなわち、当選種別抽選により、当選種別「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ1」、「チャンスリプレイ2」、「7揃いリプレイ」、「選択小役」、「共通ベル」、「スイカ」、「強ベル1」、「強ベル2」のいずれかに当選し、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」が決定され、かつ、有意な(0より大きい)減少ライフ数が決定された(敵キャラクタにダメージを与えた)こととしている。なお、第1条件として、継続抽選により遊技を継続したり、所定の当選役を入賞させたりすることを採用してもよい。かかる第1条件を満たすと、状態移行手段312は、所定の遊技利益を付与する。例えば、本実施形態では、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」が決定され、かつ、有意な減少ライフ数が決定されると(第1条件が満たされると)、決定された減少ライフ数分の遊技数が継続遊技数として付与されるとともに、敵ライフカウンタから決定された減少ライフ数が減算される。したがって、敵ライフカウンタの初期ライフ数から、第1AT上乗せ演出状態終了時の敵ライフカウンタの値を減算した値が当該第1AT上乗せ演出状態で上乗せされた継続遊技数となる。
ここで、敵キャラクタに勝利することなく(所定の第2条件を満たすことなく)、1セット4遊技のバトル演出が継続せず終了すると、もしくは、敵キャラクタに勝利することなく、味方ライフカウンタの値が0になると(所定の第3条件を満たすと)、状態移行手段312は、第1AT上乗せ演出状態を終了する。
ここで、第2条件は、第1AT上乗せ演出状態を所定の閾値に到達するまで継続することであり、例えば、本実施形態では、第1条件が満たされる(第2値が決定される)ことで、敵ライフカウンタが更新され(決定された減少ライフ数が敵ライフカウンタから減算され)、その累積により、敵ライフカウンタが所定の値(ここでは0)に到達する(第2閾値に到達する)ことである。なお、第2条件として、継続抽選により遊技を継続し続けることで所定の遊技数に到達したり、所定の当選役を所定数入賞させたりすることを採用してもよい。かかる第2条件を満たすと、状態移行手段312は、所定の遊技利益を付与する。例えば、本実施形態では、第2AT上乗せ演出状態への移行を決定(確定)する。また、第3条件は、第1AT上乗せ演出状態の終了条件であり、例えば、本実施形態では、上記の第1終了条件に相当し、第1値が決定されることで、味方ライフカウンタが更新され(決定された減少ライフ数が味方ライフカウンタから減算され)、その累積により、味方ライフカウンタが所定の値(ここでは0)に到達する(第1閾値に到達する)ことである。なお、第3条件として、継続抽選により遊技を継続する旨の結果が得られなかったり、所定の当選役を入賞させたりすることを採用してもよい。かかる第3条件を満たすと、状態移行手段312は、第1AT上乗せ演出状態を終了する。したがって、1セット4遊技のバトル演出が継続することなく終了した時点、または、味方ライフカウンタが0になった時点の、すなわち、バトル演出が終了した時点の敵ライフカウンタの初期ライフ数から、第1AT上乗せ演出状態終了時の敵ライフカウンタの値を減算した値が継続遊技数として上限継続遊技数に加算される。
なお、ここでは、第2条件として、まず、敵ライフカウンタに初期ライフ数としての「240」(第2閾値)を設定し、第1条件が満たされることで、敵ライフカウンタに対する減少ライフ数(例えば「40」)を決定し、その減少ライフ数(第2値)を敵ライフカウンタから減算し、このような減算が累積された結果、敵ライフカウンタが「0」に到達することとする例を挙げて説明している。かかる第2条件は、換言すれば、減少ライフ数に対応する負となる第2値(例えば「−40」)の演算(加算)を累積した結果、第2閾値(例えば「−240」)に到達したことと捉えることができる。このように、第2条件は、減少ライフ数の演算を累積した結果、所定の値(第2閾値)に到達すれば足り、例えば、第2条件を、敵ライフカウンタに初期ライフ数としての「0」を設定し、第1条件が満たされることで、第2値(減少ライフ数)が決定され、その第2値を敵ライフカウンタに加算し、このような加算が累積された結果、敵ライフカウンタが所定の値「240」(第2閾値)に到達することとしてもよい。同様に、ここでは、第3条件として、まず、味方ライフカウンタに初期ライフ数としての「240」(第1閾値)を設定し、味方ライフカウンタに対する減少ライフ数(例えば「40」)が決定され、その減少ライフ数(第1値)を味方ライフカウンタから減算し、このような減算が累積された結果、味方ライフカウンタが「0」に到達する例を挙げて説明しているが、減少ライフ数の演算を累積した結果、所定の値(第1閾値)に到達すれば足り、例えば、第3条件を、味方ライフカウンタに初期ライフ数としての「0」を設定し、第1値(減少ライフ数)が決定され、その第1値を味方ライフカウンタに加算し、このような加算が累積された結果、味方ライフカウンタが所定の値「240」(第1閾値)に到達することとしてもよい。
一方、1セット4遊技のバトル演出が継続しており、かつ、味方ライフカウンタが0になることなく(第3条件を満たすことなく)、「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」が累積されて、敵ライフカウンタが0になると(第2条件を満たすと)、状態移行手段312は、少なくとも、敵ライフカウンタの初期ライフ数を継続遊技数として上限継続遊技数に加算する。さらに、ここでは、敵ライフカウンタが0になったこと、すなわち、敵キャラクタに勝利したことへの報酬として、状態移行手段312は第2AT上乗せ演出状態への移行(特定の遊技利益の付与)を確定する。したがって、遊技者は、1セット4遊技のバトル演出の継続、および、そのバトル演出中に何度も敵キャラクタへ攻撃すること(敵ライフカウンタの減少)を望むとともに、さらに、敵キャラクタに勝利すること(敵ライフカウンタ=0)を望むこととなる。なお、ここでは、特定の遊技利益の付与として第2AT上乗せ演出状態への移行を挙げているが、チャンスゾーン、上乗せ特化ゾーン、所定の継続遊技数の付与等、遊技者に有利な遊技利益であれば足りる。
ただし、第1AT上乗せ演出状態の開始時に、唐突にバトルが開始されると、非AT演出状態のストーリーとAT演出状態のストーリーとの連続性が途切れ、演出全体としてのバランスが悪くなる。そこで、演出制御手段334は、バトル演出の前段において、バトル演出の開始を示す導入画面を液晶表示部138に表示する導入演出(第1演出)を実行し、導入演出後、バトル演出の後段において、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルして両者のライフカウンタを更新する更新演出(第2演出)を実行する。このような更新演出では、所定の更新契機で、味方ライフカウンタおよび敵ライフカウンタ(更新値)が更新され、更新値が閾値に達することで第1AT上乗せ演出状態が終了する。ここで、更新契機は、ライフカウンタを更新するトリガであり、例えば、本実施形態では、当選種別抽選により、当選種別「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ1」、「チャンスリプレイ2」、「7揃いリプレイ」、「選択小役」、「共通ベル」、「スイカ」、「強ベル1」、「強ベル2」のいずれかに当選し、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」が決定されたこと、または、当選種別抽選により、当選種別「通常リプレイ」、「移行リプレイ」、「チャンス煽りリプレイ」、「チャンス揃いリプレイ」のいずれかに当選し、攻撃方向として「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」が決定されたこととしている。なお、更新契機として、継続抽選により遊技を継続したり、所定の当選役を入賞させたりすることを採用してもよい。また、導入演出では、いずれが味方キャラクタで、いずれが敵キャラクタであるかを明確にし、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うことが示される。したがって、その導入演出には1遊技から複数遊技を費やす場合があり、導入演出中はバトル(更新演出)を開始しない。しかし、このような導入演出に対応する遊技において継続遊技数の上乗せ抽選を行わないとすると、第1AT上乗せ演出状態が無駄に経過することになり、また、第1AT上乗せ演出状態であるにも拘わらず継続遊技数の上乗せ抽選が行われないので、遊技者が導入演出の分だけ損失感を覚えるおそれもある。
そこで、本実施形態では、演出制御手段334が更新演出においてバトルを実行しているときのみならず、その前段の導入演出を実行しているときも、状態移行手段312は、継続遊技数の上乗せ抽選、すなわち、当選種別抽選の結果に基づいて、攻撃方向および減少ライフ数の抽選を行う。このとき、演出制御手段334は、導入演出の間、実際に味方ライフカウンタまたは敵ライフカウンタが更新されたか否かに拘わらず、味方ライフカウンタまたは敵ライフカウンタが更新されたことを報知せず、更新演出の間、味方ライフカウンタまたは敵ライフカウンタが更新されると、少なくとも、そのタイミングで更新された値(減少ライフ数)を報知する。そして、演出制御手段334は、まだ報知されていない、導入演出の間に更新された味方ライフカウンタまたは敵ライフカウンタの値(減少ライフ数)を、更新演出のいずれかのタイミングで報知する。ただし、内部的な継続遊技数の上乗せは、導入演出であるか更新演出であるかに拘わらず、敵ライフカウンタの更新に応じて、その都度行われる。かかる報知態様を実現すべく、上述した味方ライフカウンタや敵ライフカウンタに加え、液晶表示部138に表示するための表示用味方ライフカウンタや表示用敵ライフカウンタを設ける。ここで、表示用味方ライフカウンタおよび表示用敵ライフカウンタは、遊技者に両キャラクタのライフカウンタを報知するために演出制御手段334が管理するカウンタであり、キャラクタが敗北するまでの仮想的な残りライフ数を表している。
図19は、第1AT上乗せ演出状態における導入演出および更新演出を説明するための説明図である。第1AT上乗せ演出状態に移行すると、まず、演出制御手段334は、図19(a)のように、導入演出(ここでは1遊技)を行う。演出制御手段334は、かかる導入演出において、バトル演出が開始されたことを報知するとともに敵キャラクタを出現させ、最終的に、液晶表示部138の中央に敵キャラクタを表示し、液晶表示部138の上方左側に敵キャラクタのライフゲージ(バー)を、液晶表示部138の上方右側に味方キャラクタのライフゲージを表示する。また、かかる導入演出と並行して、状態移行手段312は、攻撃方向および減少ライフ数の抽選(上乗せ抽選)を実行する。具体的に、第1AT上乗せ演出状態の開始時に、状態移行手段312は、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタに初期ライフ数(ここでは240)を設定し、演出制御手段334は、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタに初期ライフ数(ここでは240)を設定する。当該導入演出が実行された遊技で、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「240」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「200」に更新する。したがって、内部的には、継続遊技数「40」の上乗せが決定される。一方、導入演出ではバトルが行われていないので、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタを「240」のまま更新しない。演出制御手段334は、敵ライフカウンタではなく、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージとして、表示用敵ライフカウンタの値「240」に相当する最大長のライフゲージを表示する。ここでは、継続遊技数の上乗せ抽選の結果(ここでは「40」)を内部的に保留し、表面上、遊技者には報知しない。したがって、遊技者は、まだ更新演出が開始されていないのに、唐突にライフゲージが変化する違和感を覚えることがない。
続いて、演出制御手段334は、図19(b)のように、更新演出を行う。演出制御手段334は、かかる更新演出において、味方キャラクタと敵キャラクタとの攻防を表示する。状態移行手段312は、導入演出に引き続き、更新演出でも、継続遊技数の上乗せ抽選を実行する。例えば、更新演出の1遊技目の遊技において、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「200」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「160」に更新する。したがって、内部的には、合算して継続遊技数「80」の上乗せが決定される。また、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値「240」から決定された減少ライフ数「40」を減算して表示用敵ライフカウンタを「200」に更新する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「200」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃(ダメージ)を受けている演出を実行する。こうして、遊技者は、敵キャラクタに「40」に相当するダメージを与えたことを把握することができる。
続いて、図19(c)のように、更新演出の2遊技目において、状態移行手段312が、攻撃方向として「両キャラクタ待機」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値を「160」のまま維持し、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を「200」のまま維持する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138のライフゲージを変化させることなく、敵キャラクタが攻撃を待機している演出を実行する。
続いて、図19(d)のように、更新演出の3遊技目において、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「120」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「160」から減少ライフ数「120」を減算して敵ライフカウンタを「40」に更新する。したがって、内部的には、合算して継続遊技数「200」の上乗せが決定される。また、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値「200」から減少ライフ数「120」を減算して表示用敵ライフカウンタを「80」に更新する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「80」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。こうして、遊技者は、敵キャラクタに「120」に相当するダメージを与えたことを把握することができる。
続いて、図19(e)のように、更新演出の4遊技目において、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「40」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「0」に更新する。したがって、内部的には、合算して継続遊技数「240」の上乗せが決定される。敵ライフカウンタが「0」ということは、敵キャラクタの敗北、すなわち、味方キャラクタの勝利が決定し、敵ライフカウンタの初期ライフ数と等しい継続遊技数の上乗せが確定するとともに、第2AT上乗せ演出状態への移行が確定する。したがって、更新演出においても敵キャラクタの敗北を報知すべく、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値「80」から減少ライフ数「40」を減算し、さらに、内部的に保留された導入演出における減少ライフ数「40」を減算して表示用敵ライフカウンタを「0」に更新する。すなわち、更新演出において更新値が更新されたタイミングで、この更新値「40」と、導入演出において更新された更新値「40」とを合算した合算値「80」を、更新演出を実行しているときに更新された更新値として報知する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「0」に相当するライフゲージ無しの状態に変化させるとともに、敵キャラクタが敗北した演出を実行する。このとき、遊技者は、敵キャラクタに「80」に相当するダメージを与えて、味方キャラクタが勝利したと把握することとなる。
このように、導入演出で獲得した継続遊技数を保留する構成により、複数の遊技に亘って継続遊技数の上乗せ抽選を実行する第1AT上乗せ演出状態において、導入演出を採用しつつ、導入演出においては継続遊技数が上乗せされたことを報知することなく、更新演出において、その遊技毎の上乗せ抽選の結果を報知し、最終的に、本来、遊技者が得られるべき継続遊技数を把握することが可能となる。ここでは、導入演出に対応する遊技においても継続遊技数の上乗せ抽選を行っているので、第1AT上乗せ演出状態の開始時から上乗せ抽選が有効になり、その分、導入演出と更新演出とを合わせたバトル演出自体を短縮することができる。また、遊技者は、導入演出においては把握できないものの、導入演出における上乗せ抽選の結果は最終的に報知されるので、損失感を覚えることもない。
また、第1AT上乗せ演出状態が、AT演出状態中に実行された回数や、抽選により、バトル演出の実行態様が異なる場合、例えば、AT演出状態中の1回目の第1AT上乗せ演出状態と、2回目の第1AT上乗せ演出状態とで、導入演出の有無が異なる場合に、導入演出における抽選処理と、更新演出における抽選処理とをそれぞれ設定すると、主制御基板200の処理負荷およびメモリ容量が増加する。本実施形態では、導入演出および更新演出における報知態様を工夫し、導入演出における抽選処理と、更新処理における抽選処理とを共通化することで、主制御基板200の処理負荷およびメモリ容量を削減することが可能となる。
なお、ここでは、更新演出の間、攻撃方向および減少ライフ数を抽選により決定し、その都度、抽選により決定された攻撃方向および減少ライフ数のいずれも報知する例を挙げて説明したが、抽選により決定された攻撃方向のみを報知し、減少ライフ数を報知しないとしてもよい。この場合、1セット4遊技のバトル演出が継続しており、かつ、味方ライフカウンタが0になることなく(第3条件を満たすことなく)、敵ライフカウンタが0になると(第2条件を満たすと)、状態移行手段312は、その結果(味方キャラクタの勝利)に対して、累積的に付与された所定の遊技利益(例えば、所定の継続遊技数)を一度に付与することができる。
また、ここでは、最初に導入演出を実行し、それに引き続き更新演出を実行する例を挙げて説明しているが、導入演出の後に更新演出が実行されれば、導入演出の前に、別途の更新演出を行ってもよく、更新演出を跨いで複数の導入演出を行ってもよい。ここでは、導入演出で保留された遊技利益を、最終的に更新演出に反映(報知)しさえすれば足りる。
また、ここでは、導入演出で継続遊技数を獲得した場合に、その獲得した継続遊技数を合算して、更新演出の最後に合算した合算値を報知する例を挙げて説明したが、導入演出で獲得した継続遊技数の反映タイミングはかかる場合に限らず、更新演出のいずれかの遊技であれば足りる。例えば、更新演出の途中の遊技で、その遊技の上乗せ抽選結果に加え、導入演出で獲得した継続遊技数を報知してもよいし、上乗せ抽選の結果、継続遊技数が上乗せされなかった遊技で、その代わりに導入演出で獲得した継続遊技数を報知してもよい。
また、ここでは、第1演出として、バトル演出の開始を示す導入演出を挙げて説明したが、第1演出は、ライフカウンタが更新されたこと(更新値)が報知されなければ、様々な演出を適用できる。また、第2演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルする更新演出を挙げて説明したが、第2演出は、ライフカウンタが更新されたこと(更新値)が報知されさえすれば、様々な演出を適用できる。
また、ここでは、所定の契機で更新される更新値が閾値に達することで終了する所定の演出状態として、第1AT演出状態を挙げ、2つのライフカウンタ(味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタ)のいずれかの更新値が閾値に達する(0となる)ことで、第1AT演出状態が終了するとしたが、更新値の対象は、味方ライフカウンタおよび敵ライフカウンタの予め定められたいずれか一方のみとしてもよい。
(第1AT上乗せ演出状態の他の表示例)
また、上述した演出態様では、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタ、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタを準備し、バトル演出における減少ライフ数は、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタに直接反映し、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタが「0」になった場合のみ、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタも「0」としていた。ここでは、他の表示例として、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタ、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタは準備するが、継続遊技数の上乗せ抽選の結果を異なる態様で表示する例を挙げる。具体的に、バトル演出における減少ライフ数は、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタのみに直接反映し、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタは、更新後の味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタと、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタの前回値との差分に応じ、その差分の範囲内で反映し、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタが「0」になった場合のみ、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタも「0」とする。例えば、演出制御手段334は、更新後の味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタと、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタの前回値との差分の範囲内で、抽選により減少ライフ数を決定して、その減少ライフ数を、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタの前回値から減算して表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタを更新する。
図20は、第1AT上乗せ演出状態における導入演出および更新演出の他の表示例を説明するための説明図である。第1AT上乗せ演出状態に移行すると、まず、演出制御手段334は、図20(a)のように、導入演出(ここでは1遊技)を行う。また、かかる導入演出と並行して、状態移行手段312は、攻撃方向および減少ライフ数の抽選(上乗せ抽選)を実行する。具体的に、第1AT上乗せ演出状態の開始時に、状態移行手段312は、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタに初期ライフ数(ここでは240)を設定し、演出制御手段334は、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタに初期ライフ数(ここでは240)を設定する。当該導入演出が実行された遊技で、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「240」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「200」に更新する。したがって、内部的には、継続遊技数「40」の上乗せが決定される。一方、導入演出ではバトルが行われていないので、表示用敵ライフカウンタは「240」のまま更新しない。演出制御手段334は、敵ライフカウンタではなく、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージとして、表示用敵ライフカウンタの値「240」に相当する最大長のライフゲージを表示する。ここでは、継続遊技数の上乗せ抽選の結果(ここでは「40」)を内部的に保留し、表面上、遊技者には報知しない。
続いて、演出制御手段334は、図20(b)のように、更新演出を行う。例えば、更新演出の1遊技目の遊技において、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「200」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「160」に更新する。したがって、内部的には、合算して継続遊技数「80」の上乗せが決定される。そして、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタに対し、減少ライフ「40」を直接反映せずに、更新後の敵ライフカウンタの値「160」と、表示用敵ライフカウンタの前回値「240」との差分「80」の範囲内で、抽選により減少ライフ数(例えば、「20」)を決定し、その減少ライフ数「20」を、表示用敵ライフカウンタの前回値「240」から減算して表示用敵ライフカウンタを「220」に更新する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「220」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、敵キャラクタに「20」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
続いて、図20(c)のように、更新演出の2遊技目において、状態移行手段312が、攻撃方向として「両キャラクタ待機」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値を「160」のまま維持する。したがって、内部的には、継続遊技数は「80」のままである。そして、演出制御手段334は、更新後の敵ライフカウンタの値「160」と、表示用敵ライフカウンタの前回値「220」との差分「60」の範囲内で、抽選により減少ライフ数(例えば、「40」)を決定し、その減少ライフ数「40」を、表示用敵ライフカウンタの前回値「220」から減算して表示用敵ライフカウンタを「180」に更新する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「180」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、敵キャラクタに「40」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
続いて、図20(d)のように、更新演出の3遊技目において、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「120」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「160」から減少ライフ数「120」を減算して敵ライフカウンタを「40」に更新する。したがって、内部的には、合算して継続遊技数「200」の上乗せが決定される。そして、演出制御手段334は、更新後の敵ライフカウンタの値「40」と、表示用敵ライフカウンタの前回値「180」との差分「140」の範囲内で、抽選により減少ライフ数(例えば、「80」)を決定し、その減少ライフ数「80」を、表示用敵ライフカウンタの前回値「180」から減算して表示用敵ライフカウンタを「100」に更新する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「100」に相当する長さのライフゲージに変化させるとともに、敵キャラクタが攻撃を受けている演出を実行する。このとき、遊技者は、敵キャラクタに「80」に相当するダメージを与えたと把握することとなる。
続いて、図20(e)のように、更新演出の4遊技目において、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「40」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値「40」から減少ライフ数「40」を減算して敵ライフカウンタを「0」に更新する。したがって、内部的には、合算して継続遊技数「240」の上乗せが決定される。敵ライフカウンタが「0」ということは、敵キャラクタの敗北、すなわち、味方キャラクタの勝利が決定し、敵ライフカウンタの初期ライフ数と等しい継続遊技数の上乗せが確定するとともに、第2AT上乗せ演出状態への移行が確定する。したがって、更新演出においても敵キャラクタの敗北を報知すべく、演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を「0」に更新する。演出制御手段334は、表示用敵ライフカウンタの値を参照し、液晶表示部138に、敵キャラクタのライフゲージを、表示用敵ライフカウンタの値「0」に相当するライフゲージ無しの状態に変化させるとともに、敵キャラクタが敗北した演出を実行する。このとき、遊技者は、敵キャラクタに「100」に相当するダメージを与えて、味方キャラクタが勝利したと把握することとなる。
このように構成することで、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタの値が、味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタの値未満となることなく、すなわち、本来遊技者が得られるべき継続遊技数を過大に表示することなく、継続遊技数の上乗せをバリエーションに富んだ表示態様で表現することが可能となる。
なお、かかる構成によると、更新後の味方ライフカウンタ、敵ライフカウンタと、表示用味方ライフカウンタ、表示用敵ライフカウンタの前回値との差分に応じ、その差分の範囲内で減少ライフ数を様々な態様で付与できるので、例えば、最終的に付与される継続遊技数(遊技利益)を変えることなく、表示上、減少ライフ数を高確率で付与するゾーンと低確率で付与するゾーンとを形成することもできる。ここでは、減少ライフ数を演出制御手段334、すなわち、副制御基板202で加工できるので、主制御基板200の処理負荷およびメモリ容量を削減することが可能となる。
(第1AT上乗せ演出状態の終了)
上述したように、バトル演出において味方キャラクタが勝利すると(第2条件を満たすと)、敵ライフカウンタの初期ライフ数と等しい継続遊技数の上乗せが確定するとともに、第2AT上乗せ演出状態への移行(特定の遊技利益の付与)が確定する。しかし、味方キャラクタの勝利後、即座に第1AT上乗せ演出状態を終了し、第2AT上乗せ演出を開始するとなると、敵キャラクタの初期ライフ数(例えば「240」)が上乗せできる継続遊技数の実質的な上限値となってしまい、味方キャラクタが勝利してしまうと、遊技者は、第1AT上乗せ演出状態において、それ以上の継続遊技数の上乗せを望めなくなる。したがって、遊技者によっては、損失感を覚えるおそれもある。
そこで、本実施形態においては、味方ライフカウンタが0になることなく(第3条件を満たすことなく)、敵ライフカウンタが0になると(第2条件を満たすと)、敵ライフカウンタの減算とは別の終了条件(第4条件)を満たすまで、第1AT上乗せ演出状態を継続する。したがって、敵キャラクタに勝利した後であっても、第1AT上乗せ演出状態が終了するまでは、上述した第1条件を満たす度に、継続遊技数が付与される。ここで、第4条件は、第2条件を満たした後における第1AT上乗せ演出状態の終了条件であり、例えば、本実施形態では、第2条件を満たした後、毎遊技、継続抽選を実行し、その継続抽選において第1AT上乗せ演出状態を継続する旨の抽選結果を得られなかった(換言すれば転落抽選に当選した)こととなる。なお、第2条件を満たした後、第4条件を満たすまでが上記の第2終了条件に相当する。また、第4条件として、所定の遊技数が経過することや、所定の当選役を所定数入賞させたりすることを採用してもよい。
図21は、第1AT上乗せ演出状態の終了態様を説明するための説明図である。図21(a)に示すように、例えば、更新演出の4遊技目において、味方キャラクタが勝利したとしても、即座に第1AT上乗せ演出状態を終了せず、演出制御手段334は、液晶表示部138における敵キャラクタのライフゲージおよび敵キャラクタの敗北状態を維持する。
そして、状態移行手段312は、第4条件を満たすまで、継続遊技数の上乗せ抽選を継続する。例えば、状態移行手段312が、攻撃方向として「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」を決定し、減少ライフ数として「10」を決定したとする。そうすると、状態移行手段312は、減少ライフ数「10」に相当する継続遊技数を、上限継続遊技数に加算する。そして、演出制御手段334は、図21(b)、図21(c)のように、かかる継続遊技数の加算に応じて、液晶表示部138に、継続遊技数が「10」加算された旨の表示「+10」のみを重畳する。そして、特定の当選役の入賞等により、第4条件を満たすと、次の遊技から第2AT上乗せ演出状態が開始される。
ただし、味方キャラクタが勝利した後に、更新演出より多い継続遊技数を上乗せすべきではないので、第1AT上乗せ演出状態のうち、敵ライフカウンタが0になる(第2条件を満たす)前と後では、敵ライフカウンタが0になる後の方が、敵ライフカウンタが0になる前より、上乗せされる継続遊技数が比較的少なくなる(遊技利益が小さい)ように設定されている。
このように、敵キャラクタの初期ライフ数を上乗せできる継続遊技数の実質的な上限値とせず、味方キャラクタの勝利後も第4条件を満たすまで継続遊技数を上乗せすることで、遊技者は更なる特典を得ることができ、味方キャラクタが思いの外早く勝利してしまったり、まだ余裕があった場合の損失感を払拭することが可能となる。
(第2AT上乗せ演出状態)
第1AT上乗せ演出状態で敵キャラクタに勝利し、第2AT上乗せ演出状態が開始すると、状態移行手段312は、スタートスイッチ128の操作に応じて、予め定められた複数の倍率、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍のいずれかを抽選により決定する。そして、状態移行手段312は、第1AT上乗せ演出状態において決定された継続遊技数、すなわち、敵ライフカウンタの初期ライフ数と等しい継続遊技数と、味方キャラクタの勝利後に上乗せされた継続遊技数とを合計した継続遊技数に、決定された倍率を乗じ、その乗じた継続遊技数を上限継続遊技数に加える。こうして、遊技者は、多くの遊技利益を得ることができる。
(ATチャンス演出状態)
第1AT上乗せ演出状態または第2AT上乗せ演出状態が終了すると、演出状態がAT通常演出状態に移行し、状態移行手段312は、所定の契機、例えば、当選種別抽選で所定の当選種別が決定されたことに基づいて、演出状態をATチャンス演出状態に移行させ、ATチャンス演出状態のまま所定の条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、演出状態をAT通常演出状態に戻す。かかるATチャンス演出状態は、AT通常演出状態より遊技者に有利となるように設定され、所定の遊技利益、例えば、第1AT上乗せ演出状態への移行確率が高く設定されている。したがって、ATチャンス演出状態では、AT通常演出状態と異なる演出仕様の演出テーブルが準備され、演出制御手段334は、演出状態がATチャンス演出状態である間、かかる演出テーブルを参照して演出を実行する。ただし、ATチャンス演出状態で用いられる演出テーブルは、AT通常演出状態とは異なるものの、非ATチャンス演出状態と共通している。
したがって、ATチャンス演出状態でも、非ATチャンス演出状態同様、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルが繰り広げられ、所定の終了条件が満たされるまでに、味方キャラクタが敵キャラクタを倒せば、状態移行手段312は、演出状態を第1AT上乗せ演出状態に移行する。このように、状態移行手段312は、非ATチャンス演出状態と共通する図17の演出テーブルを用い、当選種別抽選により決定された当選種別に応じていずれのキャラクタの攻撃かを決定する。例えば、図17(a)に示すように、当選種別抽選により当選種別「小役」または当選種別「ボーナス役」に当選すると、演出制御手段334は、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃する複数の演出のいずれかを決定し、図17(b)に示すように、当選種別抽選により当選種別「リプレイ役」に当選すると、演出制御手段334は、敵キャラクタの攻撃を味方キャラクタが防御する複数の演出のいずれかを決定し、図17(c)に示すように、当選種別抽選により当選種別「不当選」に当選すると、演出制御手段334は、いずれのキャラクタも攻撃を行わず、待機している様子を示す複数の演出のいずれかを決定する。
また、ここでは、ATチャンス演出状態と非ATチャンス演出状態とで演出態様を共通化する例として、演出テーブルや演出パターンを共通化させることを説明したが、背景、キャラクタ、武器、攻撃の激しさ、カウンター攻撃を行うか否か、必殺技等の特定の技を繰り出すか否か等、様々な演出態様を共通化することができる。
このように、演出制御手段334が、非ATチャンス演出状態とATチャンス演出状態において、同一の演出仕様、例えば、共通の演出テーブルを参照して演出を実行する構成により、メモリ容量を削減することができる。また、同一の演出仕様により、遊技者は、チャンスゾーンに突入したことは把握できても、そのチャンスゾーンが非ATチャンス演出状態なのかATチャンス演出状態なのか明確に把握することができず、遊技者の興趣をより一層引き立たせることができる。また、非ATチャンス演出状態なのかATチャンス演出状態なのか明確に把握することができないことで、遊技者は、まだ、チャンスが残っているかもしれないと考え、遊技を安易に止めづらくなり、スロットマシン100の稼働率を高めることが可能となる。
なお、ここでは、ATチャンス演出状態と非ATチャンス演出状態とで演出態様を共通化させる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、AT通常演出状態と非AT通常演出状態とで演出態様を共通化したり、通常遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態のうち少なくとも2つの遊技状態で演出態様を共通化することもできる。
(当選種別の丸め込み処理)
ところで、図9を参照して説明したように、当選種別抽選によって決定される当選種別には、所定の正解操作態様による操作が入賞条件として設定された選択当選役と他の当選役が重複した選択当選種別が含まれる。例えば、図9の当選種別抽選テーブルにおける当選領域22の当選種別「選択小役左1」に当選すると、遊技者は、打順1または打順2による操作を行うことで、払出枚数の多い当選役「正解小役1」を入賞させることができるが、その他の操作を行うと払出枚数の少ない当選役が入賞することとなる。
このように、出玉率に関係する選択当選種別(当選種別「移行リプレイ」や当選種別「選択小役」)に当選すると、遊技者は、自らの操作態様に応じて異なる遊技利益のいずれかを得ることとなる。したがって、選択当選種別の当選時に、入賞条件となる正解操作態様が把握されてしまうと、遊技利益を不正に獲得されるおそれがある。そこで、当選種別を特定するパラメータ(選択当選種別に含まれる当選役や入賞条件等)等により、その当選種別を簡略化(上位概念化)する、所謂、丸め込み処理を施すことで、入賞条件情報の不正取得防止を実現する。具体的に、ここでは、選択当選種別の概念を、選択当選種別を簡略化した当選種別グループを示す当選種別グループ情報と、入賞条件を示す入賞条件情報とに分け、入賞条件情報を必要としない演出状態では、当選種別グループ情報のみを伝達し、入賞条件情報の不正取得を防止する。なお、図9の当選種別抽選テーブルにおける当選領域3〜14の当選種別「移行リプレイ」は、当選種別グループ「移行リプレイ」に属し、当選領域22〜27の当選種別「選択小役」は、当選種別グループ「選択小役」に属す。ここでは、当選種別「移行リプレイ」を、当選種別「移行リプレイ」が属する当選種別グループ「移行リプレイ」に変換することによって、また、当選種別「選択小役」を、当選種別「選択小役」が属する当選種別グループ「選択小役」に変換することによって、当選種別を簡略化し、丸め込み処理を施す。
図22は、選択当選種別に当選した場合の情報の流れを説明するための説明図であり、図22(a)では、副制御基板202のコマンド受信手段332において、図22(b)、図22(c)では、主制御基板200において丸め込み処理が施される。図22(a)を参照すると、主制御基板200の当選種別抽選手段304が当選種別抽選により選択当選種別を決定すると、その抽選結果をコマンド送信手段314に伝達し、コマンド送信手段314は、その選択当選種別を示す当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。副制御基板202のコマンド受信手段332は、選択当選種別を示す当選種別コマンドを受信したときの演出状態が非AT演出状態であれば、当選種別コマンドに示される選択当選種別に基づいて丸め込み処理を施し、選択当選種別が属する当選種別グループを示す当選種別グループ情報を生成し、かかる当選種別グループ情報を演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、当選した当選種別が当選役「正解小役」や当選役「不正解小役」を含む当選種別であることは把握できるが、正解操作態様(入賞条件)を把握することができない。また、選択当選種別を示す当選種別コマンドを受信したときの演出状態がAT演出状態であれば、コマンド受信手段332は、当選種別コマンドに示される選択当選種別をそのまま演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、選択当選種別、例えば、当選種別「選択小役左1」に基づき、入賞条件、例えば、正解操作態様(打順1または打順2)を把握できるので、その正解操作態様を遊技者に報知することができる。
ここでは、コマンド受信手段332が、AT演出状態において、当選種別グループ情報と入賞条件情報とのいずれも演出制御手段334に伝達しているが、非AT演出状態においては、入賞条件情報を伝達せず、当選種別グループ情報のみを伝達しているので、演出制御手段334において入賞条件を把握することができず、仮に、演出制御手段334に係るプログラムを改竄したとしても、そもそも、入賞条件情報を取得することができないので、遊技利益を不正に獲得することができなくなる。
しかし、不正行為者が演出制御手段334に係るプログラムのみならず、コマンド受信手段332に係るプログラムまでも改竄し、両プログラムを連携させて入賞条件情報を不正取得した場合、遊技利益が不正に獲得されるのを防止することが難しくなる。そこで、本実施形態では、非AT演出状態において、入賞条件情報を主制御基板200内に留め、副制御基板202に伝達するのを回避する。すなわち、主制御基板200のコマンド送信手段314が、AT演出状態では、当選種別グループ情報と入賞条件情報とをいずれも副制御基板202に伝達するものの、非AT演出状態では、伝達する情報を制限して当選種別グループ情報のみを伝達し、入賞条件情報を伝達しない。
具体的に、図22(b)に示すように、主制御基板200における丸め込み手段としての当選種別抽選手段304は、当選種別抽選により選択当選種別を決定すると、選択当選種別が決定されたときの演出状態が非AT演出状態(第2演出状態)であれば、選択当選種別に基づき、その当選種別を特定するパラメータ(選択当選種別に含まれる当選役や入賞条件等)等により、その当選種別を簡略化(上位概念化)する丸め込み処理を施す。具体的に、当選種別抽選手段304は、選択当選役の入賞条件を示す入賞条件情報を除外するとともに、選択当選種別が属する当選種別グループを示す当選種別グループ情報を生成する。そして、コマンド送信手段314は、選択当選種別に代えて、丸め込み処理が施された結果に対応した、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。副制御基板202のコマンド受信手段332は、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを受信すると、かかる当選種別グループ情報を演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、当選した当選種別が当選役「正解小役」や当選役「不正解小役」を含む当選種別であることは把握できるが、正解操作態様(入賞条件)を把握することができず、正解操作態様を遊技者に報知できない。一方、選択当選種別が決定されたときの演出状態がAT演出状態(第1演出状態)であれば、当選種別抽選手段304は、丸め込み処理を施さず、コマンド送信手段314は、選択当選種別を示す当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。副制御基板202のコマンド受信手段332は、当選種別コマンドを受信すると、当選種別コマンドに示される選択当選種別をそのまま演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、選択当選種別、例えば、当選種別「選択小役左1」に基づき、入賞条件、例えば、正解操作態様(打順1または打順2)を把握できるので、その正解操作態様を遊技者に報知することができる。
ここでは、コマンド送信手段314が、AT演出状態では、当選種別グループ情報と入賞条件情報とのいずれも副制御基板202に伝達しているが、非AT演出状態では、入賞条件情報を伝達せず、当選種別グループ情報のみを伝達しているので、副制御基板202において入賞条件を把握することができず、仮に、不正行為者が、副制御基板202のコマンド受信手段332や演出制御手段334に係るプログラム全体を改竄したとしても、そもそも、入賞条件情報を取得することができないので、遊技利益を不正に獲得することができなくなる。
また、他の実施形態として以下のように構成することもできる。すなわち、図22(c)に示すように、主制御基板200の当選種別抽選手段(丸め込み手段)304は、当選種別抽選により選択当選種別を決定すると、選択当選種別が決定されたときの演出状態に拘わらず(非AT演出状態およびAT演出状態のいずれであっても)、選択当選種別に基づいて丸め込み処理を施し、選択当選役の入賞条件を示す入賞条件情報を除外するとともに、選択当選種別が属する当選種別グループを示す当選種別グループ情報を生成する。また、主制御基板200における入賞条件生成手段としての当選種別抽選手段304は、選択当選種別が決定されたときの演出状態がAT演出状態(正解操作態様を報知する演出状態)であれば、選択当選種別に基づいて、入賞条件、例えば、正解操作態様(打順1または打順2)を示す入賞条件情報を生成する。そして、コマンド送信手段314は、現在の演出状態が非AT演出状態であれば、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを副制御基板202に送信し、現在の演出状態がAT演出状態であれば、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドと、これとは別のコマンドとして、入賞条件情報を示す入賞条件コマンドとをいずれも副制御基板202に送信する。副制御基板202のコマンド受信手段332は、当選種別コマンドを受信すると、当選種別コマンドが当選種別グループ情報のみを示している場合、かかる当選種別グループ情報のみを演出制御手段334に伝達し、当選種別コマンドが当選種別グループ情報を示し、かつ、他の入賞条件コマンドが入賞条件情報を示す場合、かかる当選種別グループ情報と入賞条件情報を演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、非AT演出状態において、当選した当選種別が当選役「正解小役」や当選役「不正解小役」を含むことは把握できるが、正解操作態様(入賞条件)を把握することができず、正解操作態様を遊技者に報知できない。また、演出制御手段334は、AT演出状態において、入賞条件、例えば、正解操作態様(打順1または打順2)を把握できるので、その正解操作態様を遊技者に報知することができる。
ここでも、コマンド送信手段314が、AT演出状態では、当選種別グループ情報と入賞条件情報とのいずれも副制御基板202に伝達しているが、非AT演出状態では、入賞条件情報を伝達せず、当選種別グループ情報のみを伝達しているので、副制御基板202において入賞条件を把握することができず、仮に、不正行為者が、コマンド受信手段332や演出制御手段334に係るプログラム全体を改竄したとしても、そもそも、入賞条件情報を取得することができないので、遊技利益を不正に獲得することができなくなる。また、当選種別抽選手段304が、選択当選種別に当選したときの演出状態に拘わらず(非AT演出状態およびAT演出状態のいずれであっても)、選択当選種別に基づいて丸め込み処理を施し、常に当選種別グループ情報を生成して送信する構成により、当選種別グループ情報を生成する際の演出状態を確認する処理が不要になり処理負荷を軽減することができる。
また、ここでは、コマンド送信手段314が、AT演出状態において、当選種別グループ情報と入賞条件情報とのいずれも副制御基板202に伝達し、非AT演出状態において、入賞条件情報を伝達せず、当選種別グループ情報のみを伝達する例を挙げて説明したが、演出状態に基づくのみならず、コマンド送信手段314が、補助演出を実行したいタイミングで当選種別グループ情報と入賞条件情報とのいずれも副制御基板202に伝達し、その他のタイミングで当選種別グループ情報のみを伝達するとしてもよい。こうして、入賞条件の不正取得を防止しつつ、任意のタイミングで補助演出を実行することが可能となる。
なお、上記では、当選種別グループ情報が、選択当選種別が属する当選種別グループを示すとしたが、選択当選種別がどのようなカテゴリや集合に属するか把握できれば足り、例えば、小役であることや、当選役「ベル」や当選役「リプレイ」を含むことを示すとしてもよい。
また、上記では、丸め込み手段としての当選種別抽選手段304が、丸め込み処理を施す丸め込み条件として、当選種別抽選により、所定の正解操作態様による操作が入賞条件として設定された選択当選種別が決定された場合、もしくは、選択当選種別が決定され、そのときの演出状態が非AT演出状態であった場合を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、予め定められた当選種別が決定された場合や、所定の演出状態に滞在している場合等、様々な条件を適用できる。そして、コマンド送信手段314は、このような丸め込み処理が施された結果に対応したコマンド、例えば、その当選種別を特定するパラメータ等を示すコマンドを送信する。
また、上記では、第1演出状態としてAT演出状態を挙げ、第2演出状態として非AT演出状態を挙げているが、第1演出状態は、当選種別抽選により選択当選種別が決定された少なくともいずれかの遊技において正解操作態様を報知する演出状態であれば足り、第2演出状態は、第1演出状態と正解操作態様を報知する頻度が異なる(報知しないことも含む)演出状態であればよい。
また、上記では、入賞条件生成手段としての当選種別抽選手段304が、選択当選種別が決定されたときの演出状態がAT演出状態(正解操作態様を報知する演出状態)であれば、選択当選種別に基づいて、入賞条件を示す入賞条件情報を生成し、コマンド送信手段314が、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドとともに、入賞条件情報を示す入賞条件コマンドを副制御基板202に送信する例、換言すれば、選択当選種別が決定されたときの演出状態が非AT演出状態であれば、入賞条件生成手段としての当選種別抽選手段304が、入賞条件情報を生成せず、コマンド送信手段314が、入賞条件コマンドを副制御基板202に送信しない例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、選択当選種別が決定されたときの演出状態が非AT演出状態であれば、入賞条件生成手段としての当選種別抽選手段304が、入賞条件が含まれないことを示す非入賞条件情報(ナビ無し情報)を生成し、コマンド送信手段314は、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドとともに、非入賞条件情報を示す入賞条件コマンドを副制御基板202に送信するとしてもよい。
(当選種別の丸め込み処理の他の例)
また、当選種別抽選手段304は、所定の演出、例えば、レア役「チャンス」に相当する当選役を、正解操作態様を報知することで入賞させる演出(変換演出)において、当選種別を特定するパラメータ等により、その当選種別を簡略化(上位概念化)する丸め込み処理を施す場合もある。本実施形態では、レア役「チャンス」に相当する当選役を入賞させるための補助演出の実行(例えば、当選種別「チャンス揃いリプレイ」当選時の当選役「リプレイ11」への変換決定)を示す補助実行情報(ここでは具体的な操作態様を含まない)を主制御基板200内に留め、副制御基板202に伝達するのを回避する。すなわち、主制御基板200のコマンド送信手段314が、レア役「チャンス」に相当する当選役を入賞させるために補助演出の実行が決定されていれば、当選種別グループ情報と補助実行情報とをいずれも副制御基板202に伝達するものの、補助演出の実行が決定されていなければ、当選種別グループ情報のみを伝達し、補助実行情報を伝達しない。
図23は、丸め込み処理の他の例を示した説明図である。図23に示すように、主制御基板200の当選種別抽選手段304が当選種別抽選により当選種別「チャンス揃いリプレイ」を決定すると、主制御基板200における丸め込み手段としての当選種別抽選手段304が、当選種別「チャンス揃いリプレイ」に基づいて丸め込み処理を施す。ここで、当選種別「チャンス揃いリプレイ」は、他の全てのリプレイ役とともに、当選種別グループ「リプレイ」に属するとする。したがって、当選種別抽選手段304は、当選種別「チャンス揃いリプレイ」に基づいて、当選役「リプレイ11」の入賞条件を示す入賞条件情報を除外し、当選種別「チャンス揃いリプレイ」が属する当選種別グループ「リプレイ」を示す当選種別グループ情報を生成して、コマンド送信手段314に伝達する。また、これと並行して、状態移行手段312は、正解操作態様を報知する補助演出を実行させるか否かをチャンス揃い変換抽選により(例えば、20%の確率で)決定する。ここで、コマンド送信手段314は、チャンス揃い変換抽選の結果に拘わらず、当選種別「チャンス揃いリプレイ」に当選した遊技で、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。副制御基板202のコマンド受信手段332は、当選種別「チャンス揃いリプレイ」に当選した遊技で補助演出を実行させることが決定されていない場合に、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを受信すると、かかる当選種別グループ情報を演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、当選した当選種別がリプレイ役を含むことは把握できるが、当選種別「チャンス揃いリプレイ」であることや、正解操作態様(入賞条件)を把握することができず(補助実行情報を特定できず)、正解操作態様を遊技者に報知できない。したがって、演出制御手段334は、補助演出を実行することなく、遊技者は、図23(a)のように、打順1により、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することとなる。
一方、状態移行手段312が、当選種別「チャンス揃いリプレイ」に当選した遊技で、レア役「チャンス」に相当する当選役を入賞させるべく、補助演出の実行を決定すれば、状態移行手段312は、補助演出を実行させる補助実行情報を生成し、補助実行情報をコマンド送信手段314に伝達する。コマンド送信手段314は、上述した当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドに加え、補助実行情報を示す補助実行コマンドを副制御基板202に送信する。副制御基板202のコマンド受信手段332は、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドおよび補助実行情報を示す補助実行コマンドを受信すると、当選種別グループ情報および補助実行情報を演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、当選種別グループ情報によってリプレイ役に関する当選種別に当選したことを把握するとともに、補助実行情報によって補助演出を実行することを把握できるので、当選役「リプレイ11」に対応する図柄組合せを表示させるべく、当選種別「チャンス揃いリプレイ」の正解操作態様(打順5または打順6)を報知することができる。このとき、演出制御手段334は、副制御基板202内に、当選種別「チャンス揃いリプレイ」と正解操作態様とが対応付けられた情報を有し、当選種別「チャンス揃いリプレイ」の正解操作態様が打順5および打順6であることを把握しているとする。したがって、遊技者は、図23(b)のように、打順5または打順6により、当選役「リプレイ8」ではなく、当選役「リプレイ11」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができる(当選役「リプレイ8」が当選役「リプレイ11」に変換される)。このように、当選役「リプレイ11」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されると、当選役「リプレイ11」に基づいて、例えば、継続遊技数の上乗せに特化した状態に移行する等、遊技利益が付与される。
ここでは、コマンド送信手段314が、補助演出の実行が決定されていれば、当選種別グループ情報と補助実行情報とのいずれも副制御基板202に伝達しているが、補助演出の実行が決定されていなければ、補助実行情報を伝達せず、当選種別グループ情報のみを伝達しているので、副制御基板202において補助実行情報を把握することができず、仮に、不正行為者が、コマンド受信手段332や演出制御手段334に係るプログラム全体を改竄したとしても、そもそも、補助実行情報を取得することができないので、遊技利益を不正に獲得することができなくなる。
ただし、コマンドに補助実行情報が示されている場合に、演出制御手段334が常に、正解操作態様(打順5または打順6)を報知するとなると、以下の課題が生じる。例えば、非ATチャンス演出状態、ATチャンス演出状態、第1AT上乗せ演出状態、第2AT上乗せ演出状態のいずれかの間や、それらの継続抽選が行われる演出等、連続した演出が実行されている間に、当該正解操作態様が報知されることでレア役「チャンス」に相当する当選役「リプレイ11」に入賞すると、連続演出による遊技の興趣が低下し、また、当選役「リプレイ11」の出現により演出状態の継続が確定したと勘違いされるおそれがある。そこで、本実施形態では、補助演出の実行が決定されている(当選種別コマンドに補助実行情報が含まれている)場合であっても、連続した演出が実行されているような、補助禁止条件を満たす場合には、補助演出を行わず、補助禁止条件を満たしていない場合には、補助演出を行う。ここで、補助禁止条件は、補助演出を制限する状態であることであり、例えば、本実施形態では、非ATチャンス演出状態、ATチャンス演出状態、第1AT上乗せ演出状態、第2AT上乗せ演出状態のいずれかの間や、それらの継続抽選が行われる演出等、連続した演出が実行されている状態であることとしている。なお、補助禁止条件として、遊技状態が、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態のいずれであるか、また、演出状態が、非AT通常演出状態、非ATチャンス演出状態、AT通常演出状態、ATチャンス演出状態、第1AT上乗せ演出状態、第2AT上乗せ演出状態のいずれであるか等、様々な状態であることを採用してもよい。
具体的に、状態移行手段312が、当選種別「チャンス揃いリプレイ」に当選した遊技で補助演出の実行を決定した場合に、副制御基板202のコマンド受信手段332は、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドおよび補助実行情報を示す補助実行コマンドを受信し、当選種別グループ情報および補助実行情報を演出制御手段334に伝達する。したがって、演出制御手段334は、当選種別グループ情報によってリプレイ役に関する当選種別に当選したことを把握するとともに、補助実行情報によって補助演出を実行することを把握できる。ただし、連続した演出が実行されており、補助禁止条件を満たす場合(補助演出のタイミングではない場合)、演出制御手段334は、補助演出を実行することなく、遊技者は、図23(a)のように、打順1により、当選役「リプレイ8」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することとなる。こうして、不正行為者が遊技利益を不正に獲得することを防止しつつ、演出の状態に応じて、補助演出の実行可否を決定でき、演出に関する所定の条件を満たす場合に意図的に当選役を入賞させないことが可能となる。
なお、ここでは、丸め込み手段としての当選種別抽選手段304が、選択当選種別(当選種別「チャンス揃いリプレイ」)を決定すると当選種別グループ情報を生成し、コマンド送信手段314が当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを送信し、補助演出の実行が決定されると、コマンド送信手段314が補助実行情報を示す補助実行コマンドを送信する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、当選種別抽選手段304が、選択当選種別(当選種別「チャンス揃いリプレイ」)を決定すると、補助演出の実行が決定されない場合にのみ当選種別グループ情報を生成し、コマンド送信手段314は、補助演出の実行が決定されると、選択当選種別を示す当選種別コマンドを送信し、補助演出の実行が決定されないと、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを送信するとしてもよい。
また、ここでは、副制御基板202内で補助実行情報に選択当選種別の正解操作態様が対応付けられており、演出制御手段334は、補助実行コマンドを受信したときに、所定の補助禁止条件を満たしていなければ、補助実行情報に対応付けられている正解操作態様を報知する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、コマンド送信手段314が、補助実行情報に、入賞条件(正解操作態様)を含めて送信し、演出制御手段334は、補助実行コマンドを受信したときに、所定の補助禁止条件を満たしていなければ、補助実行情報に含まれている入賞条件を参照して正解操作態様を報知するとしてもよい。
また、ここでは、演出状態や遊技状態に拘わらず、状態移行手段312が、所定の選択当選種別(当選種別「チャンス揃いリプレイ」)の当選に基づいて補助演出を実行させるか否か決定しているが、演出状態(非AT演出遊技状態やAT演出状態)のいずれかでのみ、また、遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態)のいずれかでのみ補助演出を実行させるか否か決定するとしてもよい。
また、ここでは、当選種別抽選手段304が丸め込み手段や入賞条件生成手段として機能する例を挙げて説明したが、主制御基板200に含まれるいずれの機能部、例えば、初期化手段300、ベット手段302、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312、コマンド送信手段314、外部出力手段316等が丸め込み手段や入賞条件生成手段として機能するとしてもよい。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図24は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ128が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図9に示した複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する。また、コマンド送信手段314は、スタートスイッチ128の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。かかる抽選処理S300は後程詳述する。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。また、リール制御手段306は、リール演出を実行する場合もある。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを有効化し、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド送信手段314は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図5(a)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、内部中遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス遊技状態に移行し、図9に示す当選種別抽選テーブルを設定する。さらに、状態移行手段312は、ART遊技状態への移行が決定されると、演出制御手段334に補助演出を開始させ、ART遊技状態における継続遊技数を消化すると、補助演出を終了させる。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態移行手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス遊技状態に移行する前の遊技状態に戻し、その遊技状態に対応する当選種別抽選テーブルを設定する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド送信手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図25は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に応じた当選種別抽選テーブル(図9)を参照し、スタートスイッチ128の操作に基づき、複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する。かかる当選種別抽選処理S301は後程詳述する。
(ステップS302)
続いて、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選により決定された当選種別を特定するパラメータ(選択当選種別に含まれる当選役や入賞条件等)等により、その当選種別を簡略化する丸め込み処理を施す。かかる丸め込み処理S302は後程詳述する。
(ステップS303)
次に、状態移行手段312は、当選種別抽選により決定された当選種別を構成する当選役に当選役「BB」が含まれるか否か、すなわち、BB内部当選フラグが成立しているか否か判定する。その結果、当選役「BB」が含まれていれば、ステップS304に処理を移し、当選役「BB」が含まれていなければ、ステップS305に処理を移す。
(ステップS304)
上記ステップS303において当選役「BB」が含まれていると判定されれば、状態移行手段312は、現在の遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態)を記憶して、遊技状態を内部中遊技状態に移行し、図9に示す当選種別抽選テーブルを設定する。
(ステップS305)
続いて、状態移行手段312は、演出状態が非AT演出状態であれば、当選種別抽選の抽選結果に基づいて、また、非AT演出状態においてAT演出状態に移行することなく所定の遊技数に到達したことに基づいて、AT演出状態へ移行するか否かを演出状態抽選により決定する。また、状態移行手段312は、演出状態が非AT通常演出状態であれば、非ATチャンス演出状態へ移行するか否かを抽選により決定し、演出状態がAT通常演出状態であれば、ATチャンス演出状態へ移行するか否かを抽選により決定する。また、演出状態として第1AT上乗せ演出状態が決定された場合、状態移行手段312は、両キャラクタの初期ライフ数を決定し(例えば、味方キャラクタ、敵キャラクタ=240)、その値を、味方ライフカウンタと敵ライフカウンタに設定する。
(ステップS306)
次に、状態移行手段312は、AT演出状態への移行を決定したか否かに応じて、AT演出状態への移行を示唆する前兆演出の前兆遊技数を決定する。かかる前兆遊技数決定処理S306は後程詳述する。
(ステップS307)
続いて、状態移行手段312は、演出状態が第1AT上乗せ演出状態であるか否かに応じて、第1AT上乗せ状態における処理を遂行する。かかる第1AT上乗せ演出状態での処理S307は後程詳述する。
(当選種別抽選処理S301)
図26は、上記ステップS301の当選種別抽選処理を示したフローチャートである。ここでは、当選種別抽選手段304が、その時点の遊技状態に応じた当選種別抽選テーブル(図9)を参照し、スタートスイッチ128の操作に基づき、複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選処理により決定している。
(ステップS301−1)
まず、当選種別抽選手段304は、遊技状態に応じて参照を開始する当選領域を特定する。例えば、当選種別抽選手段304は、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態であれば、当選領域34、すなわち、当選種別「ボーナス役」のカテゴリから参照を開始し、内部中遊技状態であれば、当選領域31、すなわち、当選種別「小役」のカテゴリから参照を開始し、ボーナス遊技状態であれば、当選領域21、すなわち、当選種別「リプレイ役」のカテゴリから参照を開始する。
(ステップS301−2)
次に、当選種別抽選手段304は、特定された当選領域の置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数または前回の減算値から減算する。
(ステップS301−3)
当選種別抽選手段304は、その減算値が0未満であるか否か判定する。その結果、減算値が0未満であると判定されれば、ステップS301−4に処理を移し、減算値が0以上であると判定されれば、ステップS301−5に処理を移す。
(ステップS301−4)
ステップS301−3において減算値が0未満であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果とし、当該当選種別抽選処理S301を終了する。
(ステップS301−5)
ステップS301−3において減算値が0以上であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、特定された当選領域が最後の当選領域(当選領域1)であるか否か判定する。その結果、特定された当選領域が最後の当選領域であれば、ステップS301−7に処理を移し、特定された当選領域が最後の当選領域でなければ、ステップS301−6に処理を移す。
(ステップS301−6)
ステップS301−5において特定された当選領域が最後の当選領域ではないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、図9の当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち、特定されていた当選領域の次に番号が高い当選領域を特定し、ステップS301−2からの処理を繰り返す。
(ステップS301−7)
ステップS301−5において特定された当選領域が最後の当選領域であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選の結果として不当選を決定し、当該当選種別抽選処理S301を終了する。
(丸め込み処理S302)
図27は、上記ステップS302の丸め込み処理を示したフローチャートである。ここでは、当選種別抽選手段304が、当選種別抽選により決定された当選種別を簡略化する丸め込み処理を行う。
(ステップS302−1)
まず、当選種別抽選手段304は、現在の演出状態がAT演出状態であり、かつ、当選種別抽選によって決定された当選種別が出玉率に関係する所定の選択当選種別(当選種別「移行リプレイ」、当選種別「選択小役」)であるか否か判定する。その結果、かかる条件を満たしていれば、ステップS302−3に処理を移し(丸め込み処理は行わない)、かかる条件を満たしていなければ、ステップS302−2に処理を移す。
(ステップS302−2)
ステップS302−1において現在の演出状態がAT演出状態ではない、または、当選種別抽選によって決定された当選種別が所定の選択当選種別ではないと判定されれば、コマンド送信手段314は、当選種別の丸め込み処理を行う。例えば、当選種別抽選によって決定された当選種別が当選種別「選択小役左1」であった場合、コマンド送信手段314は、当選種別「選択小役左1」が属する当選種別グループ「選択小役」を示す当選種別グループ情報を生成する。
(ステップS302−3)
次に、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選によって決定された当選種別が所定の選択当選種別(当選種別「チャンス煽りリプレイ」、当選種別「チャンス揃いリプレイ」)であるか否か判定する。その結果、所定の選択当選種別であれば、ステップS302−4に処理を移し、所定の選択当選種別でなければ、ステップS302−8に処理を移す(丸め込み処理は行わない)。
(ステップS302−4)
ステップS302−3において当選種別が所定の選択当選種別であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、当選種別の丸め込み処理を行う。例えば、当選種別抽選によって決定された当選種別が当選種別「チャンス揃いリプレイ」であった場合、コマンド送信手段314は、当選種別「チャンス揃いリプレイ」が属する当選種別グループ「リプレイ」を示す当選種別グループ情報を生成する。
(ステップS302−5)
次に、状態移行手段312は、正解操作態様を報知する補助演出を実行させるか否かを抽選により決定する。
(ステップS302−6)
続いて、コマンド送信手段314は、状態移行手段312が補助演出の実行を決定したか否か判定する。その結果、補助演出の実行が決定されていれば、ステップS302−7に処理を移し(丸め込み処理は行わない)、補助演出の実行が決定されていなければ、ステップS302−8に処理を移す。
(ステップS302−7)
ステップS302−6において補助演出の実行が決定されていると判定されれば、状態移行手段312は、補助演出を実行させる補助実行情報を生成する。
(ステップS302−8)
続いて、コマンド送信手段314は、当選種別グループ情報を示す当選種別コマンドを副制御基板202に送信し、補助実行情報が生成されていれば、補助実行情報を示す補助実行コマンドを副制御基板202に送信して、当該丸め込み処理S302を終了する。
(前兆遊技数決定処理S306)
図28は、上記ステップS306の前兆遊技数決定処理を示したフローチャートである。ここでは、状態移行手段312が、AT演出状態への移行を決定したか否かに応じて、AT演出状態への移行を示唆する前兆演出の前兆遊技数を決定する。
(ステップS306−1)
まず、状態移行手段312は、AT演出状態への移行が決定したか(決定した遊技であるか)、また、前兆演出中ではないときに(前兆演出が終わって)前兆フラグがONとなっているか否か判定する。その結果、かかる条件を満たせば、ステップS306−2に処理を移し、かかる条件を満たさなければ、当該前兆遊技数決定処理S306を終了する。
(ステップS306−2)
ステップS306−1においてAT演出状態への移行が決定している、または、前兆演出中ではないときに前兆フラグがONとなっていると判定されれば、状態移行手段312は、フェイク前兆演出中であるか、すなわち、既にフェイク前兆演出が開始され、まだ、フェイク前兆演出が終了していないか否か判定する。その結果、フェイク前兆演出中であれば、ステップS306−6に移行し、フェイク前兆演出中でなければ、ステップS306−3に移行する。
(ステップS306−3)
ステップS306−2においてフェイク前兆演出中ではないと判定されれば、状態移行手段312は、前兆遊技数の揺らぎ(分散)を決定すべく、図15(b)の第1前兆遊技数候補の抽選テーブルを参照し、AT演出状態へ移行するか否か、すなわち、その前兆演出がリアル前兆演出であるかフェイク前兆演出であるかに応じて、所定の範囲(1〜12遊技)内の複数の第1前兆遊技数候補から1の第1前兆遊技数候補を決定する。
(ステップS306−4)
次に、状態移行手段312は、前兆演出の種別に基づいて、短前兆演出および長前兆演出のいずれかを決定する。このとき、状態移行手段312は、前兆演出が到達契機リアル前兆演出である場合、短前兆演出および長前兆演出のいずれも決定できるとし、一方で、前兆演出が到達契機フェイク前兆演出である場合、長前兆演出しか決定しないとする。
(ステップS306−5)
続いて、状態移行手段312は、短前兆演出が決定されると、既に決定されている第1前兆遊技数候補を前兆遊技数とし、長前兆演出が決定されると、第1前兆遊技数候補に予め定められた第2前兆遊技数候補(例えば24遊技)を加算して前兆遊技数とし、当該前兆遊技数決定処理S306を終了する。なお、前兆フラグがONとなっていれば、前兆フラグをOFFにリセットする。
(ステップS306−6)
ステップS306−2においてフェイク前兆演出中であると判定されれば、状態移行手段312は、決定されたAT演出状態が、抽選契機前兆演出であるか否か判定する。その結果、抽選結果に基づく前兆演出であれば、ステップS306−7に処理を移し、抽選結果に基づく前兆演出でなければ、すなわち、到達契機前兆演出であれば、ステップS306−8に処理を移す。
(ステップS306−7)
ステップS306−6において抽選結果に基づく前兆演出であると判定されれば、状態移行手段312は、フェイク前兆演出をリアル前兆演出に書き換え、当該前兆遊技数決定処理S306を終了する。
(ステップS306−8)
ステップS306−6において抽選結果に基づく前兆演出ではないと判定されれば、状態移行手段312は、前兆フラグをONして、当該前兆遊技数決定処理S306を終了する。こうして、直前まで実行していたフェイク前兆演出をそのまま継続しつつ、そのフェイク前兆演出の終了後、ストックされた前兆演出を実行する権利に従って、新たな到達契機前兆演出を開始することができる。
(第1AT上乗せ演出状態での処理S307)
図29は、上記ステップS307の第1AT上乗せ演出状態での処理を示したフローチャートである。ここでは、状態移行手段312は、演出状態が第1AT上乗せ演出状態であるか否かに応じて、第1AT上乗せ状態における処理を遂行する。
(ステップS307−1)
まず、状態移行手段312は、当選種別抽選の結果に基づいて、図18(a)の攻撃方向の抽選テーブルを参照し、攻撃方向を「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」、「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」、「両キャラクタ待機」から決定し、それと並行して、図18(b)の減少ライフ数の抽選テーブルを参照し、減少ライフ数を「20」、「40」、「60」、「80」、「100」、「120」から決定する。ただし、敵ライフカウンタが0になる前と後では、敵ライフカウンタが0になる後の方が、敵ライフカウンタが0になる前より、上乗せされる継続遊技数が比較的少なくなるように設定されている。
(ステップS307−2)
次に、状態移行手段312は、決定された攻撃方向が「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」か否か判定する。その結果、「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」であれば、ステップS307−3に処理を移行し、「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」でなければ、ステップS307−4に移行する。
(ステップS307−3)
ステップS307−2において「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」であると判定されれば、状態移行手段312は、敵ライフカウンタの値から、決定された減少ライフ数を減算して敵ライフカウンタを更新する。
(ステップS307−4)
ステップS307−2において「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」ではないと判定されれば、状態移行手段312は、決定された攻撃方向が「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」か否か判定する。その結果、「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」であれば、ステップS307−5に処理を移行し、「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」でなければ、すなわち、「両キャラクタ待機」であれば、ライフカウンタの更新を行わず、ステップS307−6に移行する。
(ステップS307−5)
ステップS307−4において「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」であると判定されれば、状態移行手段312は、味方ライフカウンタの値から、決定された減少ライフ数を減算して味方ライフカウンタを更新する。
(ステップS307−6)
次に、状態移行手段312は、敵ライフカウンタが0以下であるか否か判定する。その結果、敵ライフカウンタが0以下であれば、ステップS307−9に処理を移し、敵ライフカウンタが0以下でなければ、ステップS307−7に処理を移す。
(ステップS307−7)
ステップS307−6において敵ライフカウンタが0以下ではないと判定されれば、状態移行手段312は、味方ライフカウンタが0以下であるか否か判定する。その結果、味方ライフカウンタが0以下であれば、ステップS307−8に処理を移し、味方ライフカウンタが0以下でなければ、当該第1AT上乗せ演出状態での処理S307を終了する。
(ステップS307−8)
ステップS307−7において味方ライフカウンタが0以下であると判定されれば、状態移行手段312は、初期ライフ数から敵ライフカウンタの値を減算した値を継続遊技数として上限継続遊技数に加算し、味方キャラクタが敗北したとして、演出状態をAT通常演出状態に戻し、当該第1AT上乗せ演出状態での処理S307を終了する。
(ステップS307−9)
ステップS307−6において敵ライフカウンタが0以下であると判定されれば、状態移行手段312は、第4条件、例えば、特定の当選役の入賞等を満たすか否か判定する。その結果、第4条件を満たしていれば、ステップS307−10に処理を移し、第4条件を満たしていなければ、当該第1AT上乗せ演出状態での処理S307を終了する。
(ステップS307−10)
ステップS307−9において第4条件を満たしていると判定されれば、状態移行手段312は、少なくとも、初期ライフ数から敵ライフカウンタの値を減算した値を継続遊技数として上限継続遊技数に加算すべく、演出状態を第2AT上乗せ演出状態に移行させ、当該第1AT上乗せ演出状態での処理S307を終了する。
(副制御基板202のサブ処理)
図30は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。
(ステップS1100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されているか否か判定する。その結果、コマンドが受信されていれば、ステップS1300に処理を移し、コマンドが受信されていなければ、ステップS1400に処理を移す。
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。かかるコマンド受信処理S1300は後程詳述する。
(ステップS1400)
演出制御手段334は、演出スイッチ132の検出信号を解析し、その解析結果に基づいて種々の処理を行う。
(ステップS1500)
演出制御手段334は、実行が決定された各種演出の実行情報(タイムテーブル)を参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行い、ステップS1200からの処理を繰り返す。この処理では、液晶表示部138の表示画像を挿入したり切り替えたりし、また、各種のコマンドを各デバイスに送信する。これにより各種演出が実行されることとなる。
(コマンド受信処理S1300)
図31は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。ここでは、特に、AT演出状態の遷移について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1306に処理を移す。
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。例えば、演出制御手段334は、第1AT上乗せ演出状態において、攻撃方向が「味方キャラクタから敵キャラクタへ攻撃」であれば、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃する演出を行い、「敵キャラクタから味方キャラクタへ攻撃」であれば、味方キャラクタが敵キャラクタからの攻撃を受ける演出を行う。
また、演出制御手段334は、AT演出状態へ移行するか否か報知する遊技より前兆遊技数前から前兆演出を行い、最終的に、AT演出状態へ移行するか否か報知する。ただし、前兆演出が重なると、演出制御手段334は、新たに実行される前兆演出が抽選契機前兆演出でれば、既に実行されている前兆演出を新たな抽選契機前兆演出に書き換え、新たに実行される前兆演出が到達契機前兆演出であれば、既に実行されている前兆演出の終了後に、新たに実行される到達契機前兆演出を行うものとする。
また、演出制御手段334は、ATチャンス演出状態および非ATチャンス演出状態のいずれにおいても共通した演出テーブルを用いて演出を決定する。
また、演出制御手段334は、当選種別コマンドに含まれる当選種別が選択当選種別であれば、正解操作態様を報知する補助演出を決定し、当選種別コマンドに含まれる当選種別が当選種別グループ情報のみであれば、当選種別グループ情報が示す当選種別グループに基づいて演出を決定する(補助演出は行わない)。
また、演出制御手段334は、補助実行情報を示す補助実行コマンドを受信していれば、所定の補助禁止条件を満たさない場合にのみ、補助実行情報に対応付けられた正解操作態様を報知する補助演出を決定する。また、演出制御手段334は、補助実行コマンドを受信したが、所定の補助禁止条件を満たしていたり、また、補助実行コマンドを受信していなければ、当選種別コマンドが示す当選役に当選したとして演出を決定する(補助演出は行わない)。
(ステップS1305)
次に、演出制御手段334は、決定した演出を実行開始する。例えば、決定した演出が補助演出であれば、演出制御手段334は、当該補助演出をタイムテーブルに設定する。
(ステップS1306)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1307に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1308に処理を移す。
(ステップS1307)
上記ステップS1306において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、種々の処理を行うとともに、演出態様を変動させる。
また、演出制御手段334は、第1AT上乗せ演出状態において、停止コマンドが第3停止コマンドであれば、主制御基板200で管理されている味方ライフカウンタおよび敵ライフカウンタの変化に応じて、表示用味方ライフカウンタおよび表示用敵ライフカウンタを変化させ、表示用味方ライフカウンタおよび表示用敵ライフカウンタを参照し、液晶表示部138に、味方キャラクタおよび敵キャラクタのライフゲージとして表示する。ただし、演出制御手段334は、導入演出の間、表示用味方ライフカウンタおよび表示用敵ライフカウンタの値を更新せず、更新演出の間、味方ライフカウンタおよび敵ライフカウンタの変化に応じて、その変化分だけ、表示用味方ライフカウンタおよび表示用敵ライフカウンタを変化させ、敵ライフカウンタが0になると、表示用敵ライフカウンタも0に更新して、敵キャラクタが敗北した演出を実行する。
(ステップS1308)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1309に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1310に処理を移す。
(ステップS1309)
上記ステップS1308において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該入賞コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定する。
(ステップS1310)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1311に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
(ステップS1311)
上記ステップS1310において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該払出コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。そうすると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158の数値が更新される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、当選種別「選択小役」に関し、正解操作態様で入賞する当選役「正解小役」(選択当選役)の払出枚数を9枚とし、正解操作態様以外で入賞可能な当選役「不正解小役」(失敗当選役)の払出枚数を1枚としたが、総合的な期待獲得枚数や、補助演出の有無による期待獲得枚数の差等を踏まえ、任意に設定できることは言うまでもない。
また、上述した実施形態では、状態移行手段312が、主制御基板200において遊技状態や演出状態を管理する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、状態移行手段312は、副制御基板202において遊技状態や演出状態を管理してもよい。また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態において、AT演出状態は、設定された継続遊技数に到達することで終了する旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得るAT演出状態は、補助演出により正解操作態様を報知する遊技数であるナビ回数に到達したこと、設定された払出枚数に到達したこと、または設定された獲得枚数(払出枚数−投入枚数)に到達したこと等、補助演出を受け得る様々な遊技機会の消化により終了するとしてもよい。また、上述した実施形態においては、補助演出を受け得る各演出状態において、継続遊技数の上乗せ抽選が行われ、当選することで継続遊技数が延長される旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る様々な遊技機会の数を増減したり、変更したりする等、その演出状態の終了条件を変更する様々な抽選を行うことができる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。