以下、添付図面を参照して、医用画像表示装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下、医用画像表示装置を含む医用情報処理システムを例に挙げて説明する。なお、図1に示す医用情報処理システム1においては、各装置が1台ずつ示されているが、実際にはさらに複数の装置を含むことができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、医用画像表示装置100と、医用画像診断装置200と、サーバ装置300とを備える。医用画像表示装置100と、医用画像診断装置200と、サーバ装置300とは、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)2により、直接的、又は間接的に相互に通信可能な状態となっている。例えば、医用情報処理システム1にPACS(Picture Archiving and Communication System)が導入されている場合、各装置は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、医用画像等を相互に送受信する。また、医用情報処理システム1においては、例えば、HIS(Hospital Information System)や、RIS(Radiology Information System)などが導入され、各種情報が管理される。
医用画像診断装置200は、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、又はこれらの装置群等である。また、第1の実施形態に係る医用画像診断装置200は、3次元の医用画像データ(ボリュームデータ)を生成可能である。なお、医用画像診断装置200は、モダリティ装置とも呼ぶ。
具体的には、医用画像診断装置200は、被検体を撮影することによりボリュームデータを生成する。例えば、医用画像診断装置200は、被検体を撮影することにより投影データやMR信号等のデータを収集し、収集したデータから、被検体の体軸方向に沿った複数のアキシャル面の医用画像データを再構成することで、ボリュームデータを生成する。例えば、医用画像診断装置200は、500枚のアキシャル面の医用画像データを再構成する。この500枚のアキシャル面の医用画像データ群が、ボリュームデータである。なお、医用画像診断装置200により撮影された被検体の投影データやMR信号等自体をボリュームデータとしても良い。
例えば、医用画像診断装置200は、医用画像表示装置100から直接受信した検査オーダー、或いは、検査オーダーを受信したサーバ装置300によって作成されたモダリティ装置ごとの患者リスト(モダリティワークリスト)から患者情報を取得して、患者ごとの医用画像データを収集する。そして、医用画像診断装置200は、収集した医用画像データを医用画像表示装置100や、サーバ装置300に送信する。なお、医用画像診断装置200は、収集した医用画像データ(例えば、X線CT画像データや、MR画像データなど)に対して各種画像処理を行うことで生成した画像データを医用画像表示装置100やサーバ装置300に対して送信することもできる。また、医用画像診断装置200は、医用画像データや画像データをサーバ装置300に送信する際に、付帯情報として、例えば、患者を識別する患者ID、検査を識別する検査ID、医用画像診断装置200を識別する装置ID、医用画像診断装置200による1回の撮影を識別する画像シリーズID等を送信する。
サーバ装置300は、医用画像診断装置200から受信した医用画像データ及び画像データを記憶する。そして、サーバ装置300は、医用画像表示装置100からの取得要求に応じた医用画像データを医用画像表示装置100に送信する。なお、サーバ装置300に保管された医用画像データ及び画像データは、患者ID、検査ID、装置ID、画像シリーズID等と対応付けて保管される。このため、医用画像表示装置100は、患者ID、検査ID、装置ID、画像シリーズID等を用いた検索を行なうことで、必要な医用画像データ及び画像データをサーバ装置300から取得する。
また、サーバ装置300は、医用画像データを保管する画像保管装置としてだけではなく、種々の処理を行わせることもできる。例えば、サーバ装置300は、医用画像診断装置200によって収集された医用画像データの保管に加えて、医用画像データに対して各種画像処理を行うことで、画像データを生成するPACSサーバなどであってもよい。このような場合には、例えば、サーバ装置300は、各診療科に配置された医用画像表示装置100から複数の検査オーダーを受信して、医用画像診断装置200ごとに患者リストを作成して、作成した患者リストを各医用画像診断装置200に送信する。一例を挙げると、サーバ装置300は、医用画像診断装置200による検査を実施するための検査オーダーを各診療科の医用画像表示装置100からそれぞれ受信して患者リストを作成し、作成した患者リストを医用画像診断装置200に送信する。そして、サーバ装置300は、医用画像診断装置200によって収集された医用画像データ及び画像データを記憶し、医用画像表示装置100からの取得要求に応じて、医用画像データ及び画像データを医用画像表示装置100に送信する。
医用画像表示装置100は、病院内の各診療科に配置され、各診療科に勤務する医師によって操作される装置であり、PC(Personal Computer)やタブレット式PC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等である。例えば、医用画像表示装置100は、放射線科に配置され、読影医によって操作される装置であり、読影医の操作に応じて各種画像処理や画像データの表示を行う。読影医は、医用画像表示装置100に表示された画像データを用いて読影を行う。
また、医用画像表示装置100は、その他の診療科に配置され、各診療科の医師による操作に応じて各種画像処理や画像データの表示を行うことも可能である。この場合、医用画像表示装置100は、各種画像処理や画像データの表示以外の種々の処理を行う。例えば、医用画像表示装置100は、医師によって患者の症状や医師の所見などのカルテ情報が入力される。また、医用画像表示装置100は、医用画像診断装置200による検査をオーダーするための検査オーダーが入力され、入力された検査オーダーを医用画像診断装置200やサーバ装置300に送信する。すなわち、診療科の医師は、医用画像表示装置100を操作して、来院した患者の受付情報と電子カルテの情報とを読み出し、該当する患者の診察を行い、読み出した電子カルテにカルテ情報を入力する。そして、診療科の医師は、医用画像診断装置200による検査の要否に応じて、医用画像表示装置100を操作して検査オーダーを送信する。
以下、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の詳細について説明する。図2は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の構成の一例を示す図である。図2に示すように、医用画像表示装置100は、入力回路110と、ディスプレイ120と、通信回路130と、記憶回路140と、処理回路150とを有する。
入力回路110は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を有し、医用画像表示装置100に対する各種操作の入力を操作者から受け付け、操作者から受け付けた指示や設定の情報を処理回路150に転送する。例えば、入力回路110は、操作者から、医用画像データの取得要求や画像処理条件等を受け付ける。また、入力回路110は、医用画像データ及び画像データの画像処理や画像表示に関する画像パラメータの変更操作を受け付ける。なお、パラメータの変更操作については、後に詳述する。なお、本実施形態で説明する入力回路110は、特許請求の範囲に記載した受付部に対応する。
ディスプレイ120は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路150による制御のもと、画像データを操作者に表示したり、入力回路110を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。通信回路130は、NIC(Network Interface Card)等であり、他の装置との間で通信を行う。
記憶回路140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などであり、図2に示すように、医用画像141や画像パラメータ142などを記憶する。ここで、医用画像141は、後述する処理回路150によって取得された医用画像データ及び画像データである。例えば、医用画像141は、投影データやMR信号などのデータ、それらから再構成されたボリュームデータ(医用画像データ)、さらに、ボリュームデータから生成された画像データなどである。また、画像パラメータ142は、医用画像データ及び画像データの画像処理や画像表示に関するパラメータである。なお、画像パラメータの詳細については、後述する。
処理回路150は、医用画像表示装置100の全体制御を行う。具体的には、処理回路150は、入力回路110から転送された指示に応じて、医用画像の取得処理や、画像処理、画像表示等を実行する。例えば、処理回路150は、図2に示すように、画像取得機能151、画像生成機能152及び表示制御機能153を実行する。ここで、例えば、図2に示す処理回路150の構成要素である画像取得機能151、画像生成機能152及び表示制御機能153が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路140に記録されている。処理回路150は、各プログラムを記憶回路140から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図2の処理回路150内に示された各機能を有することとなる。なお、本実施形態で説明する画像生成機能152は、特許請求の範囲に記載した生成部に対応する。また、表示制御機能153は、特許請求の範囲に記載した表示制御部に対応する。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable GateArray:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
以上、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1及び医用画像表示装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、読影の効率を向上させることを可能とする。上述したように、多くの医用画像診断装置200(モダリティ装置)が、複数の画像データから構成されるボリュームデータの形式でデータを収集する。これらボリュームデータのデータ量は、全身を撮像した場合数千枚にも及ぶため、これらのデータを用いて読影を行う読影医などに負担がかかる場合がある。そこで、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、表示させる画像データの位置を変化させる操作及び画像パラメータの変更操作をシームレスに行えるようにすることで、読影の効率を向上させる。なお、以下では、表示させる画像データの位置を変化させる操作を「めくり操作」と呼ぶ場合がある。
まず、医用画像表示装置100におけるめくり操作について、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3A及び図3Bは、第1の実施形態に係るめくり操作の一例を説明するための図である。ここで、図3Aにおいては、読影医が読影を行う際に用いる画像データの表示ウィンドウの一例を示す。例えば、医用画像表示装置100における表示制御機能153は、図3Aに示すように、「ファイル」、「編集」、「表示」、「画像操作」、「階調変更」、「画像処理」、「計測/マーキング」、「マウスモード」、「ツール」、「他システム」、「ヘルプ」などの種々の機能に対応するボタンが配置された表示ウィンドウをディスプレイ120に表示させる。読影医は、マウスなどでそれらのボタンを操作することで、読影対象の画像データをディスプレイに表示させ、読影を行う。
一例を挙げると、読影医は、図3Aに示すように、マウス等を操作して「画像シリーズID:4(図中、Series 4)」のボリュームデータを読み出し、読み出したボリュームデータにおける所定の位置のアキシャル断面画像を表示ウィンドウ内に表示させる。そして、読影医は、図3Aに示すように表示されたアキシャル断面画像を用いて読影を行う。ここで、医用画像表示装置100は、読影医によるめくり操作に応じて、表示されるアキシャル断面画像の位置を変化させる。すなわち、読影医は、めくり操作を行い、アキシャル断面画像の位置を変化させながら、ボリュームデータに含まれる部位を詳細に観察する。
ここで、医用画像表示装置100においては、簡単なマウス操作で、表示させる画像データ(例えば、アキシャル断面画像)の位置を変化させることができる。例えば、表示制御機能153は、図3Bに示すように、表示されたアキシャル断面画像の横にスクロールバーを表示させる。読影医は、配置されたスクロールバーをマウスで上下に動かすことでめくり操作を実行する。一例を挙げると、胸部のボリュームデータを用いて読影する場合に、読影医がマウスを操作してスクロールバーを上に動かすことで、表示される画像データが首側のアキシャル断面画像に順次切り替わり、読影医がマウスを操作してスクロールバーを下に動かすことで、表示される画像データが腹部側のアキシャル断面画像に順次切り替わる。
すなわち、画像生成機能152がスクロールバーの移動方向及び移動量に応じてボリュームデータの対応する位置のアキシャル断面画像を順次生成する。そして、表示制御機能153は、画像生成機能152によって順次生成されたアキシャル断面画像をディスプレイ120に順次表示させる。これにより、読影医は、スクロールバーを上下に動かしながら、ボリュームデータ全体を効率よく読影することができる。なお、図3A及び図3Bにおいては、表示される画像データがアキシャル断面画像である場合を例に挙げたが、これはあくまでも一例であり、その他、種々の断面について同様のめくり操作を行うことができる。
次に、医用画像表示装置100における画像パラメータの変更操作について説明する。現在、医用画像表示装置100においては、投影データやMR信号等のデータ、或いは、これらのデータから再構成されたボリュームデータに対して種々の画像処理を実行することで、様々な診断に適した画像データを生成することができる。例えば、医用画像表示装置100は、投影データやMR信号等のデータからボリュームデータを再構成する際の画像パラメータ(例えば、再構成関数や、スライス厚等)や、表示させる画像データをボリュームデータから生成する際の画像パラメータなどを変更することで、同一のデータから表示状態が異なる画像データを生成することができる。
一例を挙げると、医用画像表示装置100は、Slab MIP(Maximum Intensity Projection)画像のSlab厚を変化させることで、3次元的な形状を把握させやすい画像データをディスプレイ120に表示させることができる。また、例えば、医用画像表示装置100は、フュージョン画像の重ね合せの強調比率を変化させることで、より観察しやすいフュージョン画像をディスプレイ120に表示させることができる。
そこで、医用画像表示装置100は、このような画像パラメータの変更についても簡易な操作で実行可能とし、読影の効率を向上させる。例えば、医用画像表示装置100は、読影医が読影を行う際に用いる画像データの表示ウィンドウで、めくり操作と同様に、簡単なマウス操作などで画像パラメータの変更操作を実行可能とする。以下、医用画像表示装置100による画像パラメータの変更操作の詳細な処理について説明する。
処理回路150によって実行される画像取得機能151は、通信回路130を介して、医用画像診断装置200やサーバ装置300から読影の対象となる医用画像を取得して、記憶回路140に格納する。例えば、画像取得機能151は、入力回路110を介して操作者から入力された情報に基づいて、投影データやMR信号などのデータ、それらから再構成されたボリュームデータ、さらに、ボリュームデータから生成された画像データなどを取得して、記憶回路140に格納する。
画像生成機能152は、医用画像診断装置200によって収集されたデータに対して各種処理を実行することで、表示用の画像データを生成する。例えば、画像生成機能152は、記憶回路140によって記憶された投影データやMR信号などのデータを用いてボリュームデータを再構成する。また、画像生成機能152は、ボリュームデータに対して各種画像処理を行うことで、画像データを生成する。ここで、画像生成機能152は、入力回路110によって受け付けられた入力操作に応じて、画像データの生成処理とボリュームデータにおける画像データの位置の決定を実行する。
具体的には、医用画像表示装置100においては、入力回路110が異なる方向に沿った入力操作を受け付ける。そして、画像生成機能152は、第1の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像の生成に関する画像パラメータの値を変化させ、第2の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像に含まれる被検体の表示位置を変化させた表示画像を生成する。例えば、画像生成機能152は、入力回路110を介した読影医の操作方向に応じて、画像パラメータの値の変更と画像データに含まれる被検体の位置の変更を行う。
図4は、第1の実施形態に係る入力操作と処理の対応関係の一例を示す図である。例えば、図4に示すように、入力回路110を介した上下方向の操作に対して画像のめくり操作が割り当てられ、左右方向の操作に対して画像パラメータの調整操作が割り当てられる。すなわち、読影医がマウスなどの入力回路110を用いて上下方向に操作を行うことで、画像のめくりが実行され、左右方向に操作を行うことで画像パラメータの値が変化される。
ここで、上下方向及び左右方向への入力操作は、スクロールバーを用いたものであってもよく、マウスの直接操作であってもよい。例えば、スクロールバーを用いる場合、表示された画像データ(例えば、図4に示すようなアキシャル断面画像など)の近傍に縦方向と横方向のスクロールバーが配置される。そして、読影医は、マウスやキーボードなどを用いて縦方向のスクロールバーを操作することでめくり操作を行い、横方向のスクロールバーを操作することで画像パラメータの値を変化させる。
また、マウスの直接操作の場合、マウスの縦方向の動きにめくり操作が割り当てられ、横方向の動きにパラメータ値の調整操作が割り当てられる。例えば、読影医は、表示された画像データ上で左ボタンをクリックし、マウスを縦方向に動かすことでめくり操作を行い、横方向に動かすことで画像パラメータの値を変化させる。
例えば、診断部位が胸部であり、画像パラメータがボリュームデータを再構成する際の画質パラメータである場合、画像生成機能152は、横方向への操作量(例えば、横方向のスクロールバーの移動量、或いは、横方向へのマウスの移動量)に対応する分の画質パラメータの値を変化させてボリュームデータを再構成する。そして、画像生成機能152は、縦方向への操作量(例えば、縦方向のスクロールバーの移動量、或いは、縦方向へのマウスの移動量)に対応する分、胸部における位置を移動させた画像データを生成する。そして、表示制御機能153は、生成された画像データをディスプレイ120に表示させる。
ここで、画像生成機能152は、読影医による操作が受け付けられるごとに上述した画像データの生成処理を実行する。すなわち、画像生成機能152は、読影医がスクロールバーやマウスを移動させている間、移動量に応じた画像データを随時生成する。例えば、読影医がマウスを横方向に動かしている間、画像生成機能152は、画像パラメータの値を連続的に変化させ、各画像パラメータでのボリュームデータを順次再構成する。そして、画像生成機能152は、再構成した各ボリュームデータから胸部における現在の位置の画像データをそれぞれ生成する。表示制御機能153は、生成された画像データを順次更新しながらディスプレイ120に表示する。これにより、読影医は、横方向への操作に応じて徐々に画像パラメータが変化する画像データを観察することができる。
また、画像生成機能152は、縦方向への操作でも同様の処理を実行する。すなわち、画像生成機能152は、読影医がマウスを縦方向に動かしている間、胸部の位置を連続的に変化させ、各位置での画像データを順次生成する。表示制御機能153は、生成された画像データを順次更新しながらディスプレイ120に表示する。これにより、読影医は、縦方向への操作に応じて徐々に位置が変化する画像データを観察することができる。
このように、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、画像パラメータの値の調整操作と、画像のめくり操作とをシームレスに行うことができる。従って、医用画像表示装置100を用いて読影を行うことで、読影医は、注目している部位から目を離すことなく、画像パラメータの値を変化させることができる。
ここで、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100においては、上述した操作方向とは異なる方向への操作で画像パラメータの調整と画像のめくりを同時に行うことも可能である。例えば、画像生成機能152は、第1の軸方向と第2の軸方向とを組み合わせた方向に沿った入力操作の操作量に応じて、パラメータの値及び表示位置を同時に変化させた表示画像を生成する。一例を挙げると、画像生成機能152は、斜め方向への操作に応じて、画像パラメータの値と表示位置を同時に変化させた表示画像を生成する。
すなわち、画像生成機能152は、斜め方向への操作量(例えば、斜め方向のスクロールバーの移動量、或いは、斜め方向へのマウスの移動量)に含まれる横方向への操作量に対応する分の画質パラメータの値を変化させてボリュームデータを再構成し、斜め方向への操作量に含まれる縦方向への操作量に対応する分、胸部における位置を移動させた画像データを生成する。なお、上述した斜め方向への操作に対する処理についても、画像生成機能152は、読影医がスクロールバーやマウスを移動させている間、移動量に応じた画像データを随時生成する。そして、表示制御機能153は、生成された画像データを更新しながらディスプレイ120に表示させる。
なお、上述した例では、ボリュームデータの再構成に関する画像パラメータを調整する場合について説明したが、ボリュームデータから画像データを生成する場合の画像パラメータを用いる場合も同様の処理が実行される。すなわち、画像生成機能152は、画像のめくり操作とは異なる方向への操作に応じて画像パラメータの値を変化させながらボリュームデータから画像データを生成する。
以下、図5を用いて、画像生成機能152による画像生成処理の一例を説明する。図5は、第1の実施形態に係る画像生成機能152による画像生成処理の一例を説明するための図である。なお、図5においては、画像パラメータとしてSlab MIP画像のSlab厚を用いる場合について示す。また、図5においては、縦方向の操作に画像のめくり操作が割り当てられ、横方向の操作にSlab MIP画像のSlab厚の調整操作が割り当てられた場合について示す。なお、図5においては、説明の便宜上、9枚の画像データが示されているが、実際にはさらに多数の画像データが生成される。また、図5は、操作に応じて生成される画像データを示すものであり、実際にディスプレイ120にて表示される画像は、9枚のうちの1枚である。
例えば、図5に示すように、画像生成機能152は、横方向の右への操作に応じてSlab厚を徐々に厚くし、左への操作に応じてSlab厚を徐々に薄くした画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、横方向への操作量に応じて、MIP画像を生成する際のボリュームデータ内の厚みを変化させたSlab MIP画像を生成する。例えば、読影医は、肺の画像データに描出された陰影が結節によるものなのか、或いは、血管の一部分なのかを判断するために、Slab厚を厚くして確認する場合がある。このような場合にも、医用画像表示装置100では、陰影に注目しながらSlab厚を自由に変化させることができ、読影を効率よく行うことを可能にする。
また、画像生成機能152は、図5に示すように、縦方向の上への操作に応じて肺の上側の画像データを生成し、下への操作に応じて肺の下側の画像データを生成する。これにより、医用画像表示装置100では、肺全体の読影を効率よく行うことを可能にする。また、画像生成機能152は、斜め方向への操作に応じて、Slab厚と表示位置を同時に変化させた画像データを生成する。なお、画像生成機能152は、デフォルトの画像データとして、表示位置と画像パラメータが中央値となる画像データ(例えば、図5における中心の画像データ)を生成し、縦方向、横方向及び斜め方向への操作に応じて画像データを生成するようにしてもよい。
上述した例はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではなく、画像パラメータはその他種々のものを適用することができる。例えば、画像パラメータとしては、フュージョン画像の強調比率や、MR画像の拡散強調画像における拡散強調の程度、画像の回転、画像の拡大及び縮小なども適用させることができる。例えば、図6に示すように、横方向への操作に応じてフュージョンの強調比率を変化させた画像データを生成することもできる。一例を挙げると、パーフュージョン(Perfusion)画像やPET画像などの機能画像と、CT画像やMR画像などの形態画像をフュージョンさせたフュージョン画像や、造影画像と非造影画像とのフュージョン画像などを生成する場合に、画像生成機能152は、横方向への操作量に応じて強調させる比率を変化させたフュージョン画像を生成する。例えば、画像生成機能152は、図6に示すように、横方向の右への操作に応じて、機能画像の比率を高く、且つ、形態画像の比率を低くしたフュージョン画像を生成する。また、画像生成機能152は、図6に示すように、横方向の左への操作に応じて、機能画像の比率を低く、且つ、形態画像の比率を高くしたフュージョン画像を生成する。なお、図6は、第1の実施形態に係る画像生成機能152による画像生成処理の一例を説明するための図である。
また、例えば、拡散強調画像の拡散の程度を示す値を画像パラメータとして用いる場合、例えば、横方向の操作に対してcDWI(computed Diffusion-Weighted Imaging)のb値を割り当て、画像生成機能152は、横方向への操作に応じてb値を変化させた拡散強調画像を生成する。また、例えば、画像の回転を画像パラメータとして用いる場合、画像生成機能152は、横方向への操作に応じて視点位置を変化させた画像データを生成する。一例を挙げると、コロナル断面画像が表示されている場合に、入力回路110が横方向の操作を受け付けると、画像生成機能152は、横方向の操作量に応じて視点位置を変化させた断面画像を生成する。すなわち、画像生成機能152は、横方向の操作に伴い、コロナル断面画像から徐々にサジタル断面画像に変化する画像データを生成する。また、例えば、画像の拡大及び縮小を画像パラメータとして用いる場合、画像生成機能152は、横方向への操作に応じて拡大又は縮小させた画像データを生成する。一例を挙げると、画像生成機能152は、右方向への操作量に応じて拡大させた表示画像を生成する。また、画像生成機能152は、左方向への操作量に応じて縮小させた表示画像を生成する。
なお、画像パラメータを上記したものに限らず、任意に設定することができる。例えば、ユーザが所望の画像パラメータを設定する場合であってもよい。また、上記した例では、1つの画像パラメータを変化させる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、複数の画像パラメータを変化させる場合であってもよい。この場合、例えば、入力回路110が、画像パラメータの種類を変化させるための操作をさらに受け付ける。そして、画像生成機能152が、操作を受け付けるごとに画像パラメータの種類を変化させ、第1の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、変化後の画像パラメータの値を変化させる。
一例を挙げると、表示ウィンドウ内に画像パラメータを変更するためのボタンが配置され、入力回路110は、配置されたボタンの押下操作を受け付ける。画像生成機能152は、入力回路110がボタンの押下操作を受け付けるごとに画像パラメータの種類の変更し、横方向或いは斜め方向の操作に応じて変更後の画像パラメータの値を変化させた画像データを生成する。例えば、画像生成機能152は、ボタンが押下されるごとにSlab厚と回転を切り替え、切り替え後の横方向或いは斜め方向への操作に応じて、切り替え後の画像パラメータの値を変化させた画像データを生成する。
なお、切り替えられる画像パラメータの数は任意であり、例えば、ユーザが所望の数の画像パラメータを切り替えるように設定することができる。また、入力回路110が受け付ける操作に対する画像パラメータの変化量は、任意に設定することができ、例えば、画像パラメータの種類に応じて適宜設定することができる。一例を挙げると、スクロールバーの移動量や、マウスの移動量に対する画像パラメータの値の変化量は、Slab厚、フュージョン画像の強調比率、cDWIのb値及び回転などの画像パラメータごとに任意に設定することができる。
次に、図7を用いて、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100の処理について説明する。図7は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100による処理の手順を示すフローチャートである。図7に示すステップS101、ステップS104及びステップS106は、入力回路110によって実行されるステップである。ステップS101では、入力回路110が、読影が開始されたか否かを判定する。例えば、入力回路110は、読影を行うための表示ウィンドウの起動に関する操作を受け付けたか否かを判定する。
図7のステップS102は、処理回路150が記憶回路140から画像取得機能151に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。ステップS101において読影が開始されたと判定された場合(ステップS101肯定)、ステップS102では、処理回路150が、指定された医用画像141を取得する。例えば、処理回路150は、入力回路110によって受け付けられた取得要求に基づいて、医用画像診断装置200又はサーバ装置300から医用画像141を取得する。
図7のステップS103は、処理回路150が記憶回路140から表示制御機能153に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。ステップS103では、処理回路150が、デフォルトの画像パラメータの値で生成した画像データをディスプレイ120に表示させる。そして、ステップS104では、入力回路110は、所定の方向への操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、入力回路110は、めくり操作及び画像パラメータの調整操作が割り当てられた方向への操作を受け付けたか否かを判定する。
図7のステップS105は、処理回路150が記憶回路140から画像生成機能152及び表示制御機能153に対応するプログラムを読み出して実行されるステップである。ステップS104において、操作を受け付けたと判定された場合(ステップS104肯定)、処理回路150が、受け付けた操作に応じた画像パラメータ値及び表示位置の画像データを生成して、生成した画像データをディスプレイ120にて表示させる。
ステップS106では、入力回路110が、終了操作を受け付けたか否かを判定する。ここで、終了操作を受け付けたと判定された場合(ステップS106肯定)、医用画像表示装置100は処理を終了する。一方、終了操作を受け付けていないと判定された場合(ステップS106否定)、ステップS104に戻って処理を継続する。また、ステップS101の判定において、読影が開始されるまで医用画像表示装置100は待機状態となる(ステップS101否定)。また、ステップS104の判定において、操作を受け付けるまで、医用画像表示装置100は、デフォルトの画像パラメータ値で生成した画像データの表示を継続する(ステップS104否定)。
上述したように、第1の実施形態によれば、入力回路110は、異なる方向に沿った入力操作を受け付ける。画像生成機能152は、第1の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像の生成に関する画像パラメータの値を変化させ、第2の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像に含まれる被検体の表示位置を変化させた画像データを生成する。表示制御機能153は、画像データをディスプレイ120に表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、画像パラメータを変化させた画像データをシームレスで表示させることができ、読影の効率を向上させることを可能にする。
例えば、医用画像表示装置100は、種々のボタンを用いた操作を受け付けることなく、簡易なマウス操作を受け付けるだけで画像パラメータを変化させることができる。すなわち、医用画像表示装置100によって読影を行う読影者は、現時点で表示された画像データ(例えば、アキシャル断面画像)において注目している位置から目を離すことなく、所望の画像が表示されるように画像パラメータを種々変更することができる。従って、医用画像表示装置100は、画像パラメータを変更した後、表示させた画像データにおける同一の注目位置を探す読影者の手間を省き、読影の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像生成機能152は、第1の軸方向と第2の軸方向とを組み合わせた方向に沿った入力操作の操作量に応じて、画像パラメータの値及び表示位置を同時に変化させた画像データを生成する。従って、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、読影に適した画像データを容易に表示させることができ、読影の効率をより向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、入力回路110は、画像パラメータの種類を変化させるための操作をさらに受け付ける。そして、画像生成機能152は、操作を受け付けるごとにパラメータの種類を変化させ、第1の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、変化後の画像パラメータの値を変化させる。従って、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、複数の画像パラメータを複合的に変化させた画像データを容易に表示させることができ、読影の効率をさらに向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像生成機能152は、入力操作の操作量に応じた画像パラメータの値の変化量を、画像パラメータの種類に応じて変化させる。従って、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100は、入力回路110を介した操作を最適化することを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、画像パラメータの調整を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、入力回路110を介した操作に対してその他の処理を割り当てることも可能である。第2の実施形態では、入力回路110を介した操作に対して画像シリーズの切り替えを割り当てる場合について説明する。なお、第2の実施形態に係る医用画像表示装置100は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置100と比較して、画像生成機能152による処理内容が異なる。以下、これを中心に説明する。
第2の実施形態に係る画像生成機能152は、第1の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像の画像シリーズを変化させ、第2の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像に含まれる被検体の表示位置を変化させた表示画像を生成する。例えば、画像生成機能152は、入力回路110を介した読影医の操作方向に応じて、画像シリーズの変更と画像データに含まれる被検体の位置の変更を行う。
図8は、第2の実施形態に係る入力操作と処理の対応関係の一例を示す図である。例えば、図8に示すように、入力回路110を介した上下方向の操作に対して画像のめくり操作が割り当てられ、左右方向の操作に対して画像シリーズの切替操作が割り当てられる。すなわち、読影医がマウスなどの入力回路110を用いて上下方向に操作を行うことで、画像のめくりが実行され、左右方向に操作を行うことで画像シリーズが変化される。ここで、上下方向及び左右方向への入力操作は、第1の実施形態と同様に、スクロールバーを用いたものであってもよく、マウスの直接操作であってもよい。
ここで、第2の実施形態における画像シリーズとは、医用画像診断装置200によって収集された各医用画像及び同一のデータから異なる画像パラメータで生成された各ボリュームデータを意味し、各データに対して画像シリーズIDが付与される。例えば、画像シリーズIDは、医用画像診断装置200としてのX線CT装置によって収集された各投影データ、及び、同一の投影データを用いて異なる画像パラメータで再構成した複数のボリュームデータに対してそれぞれ付与される。
例えば、画像シリーズとしては、スライス厚の異なるボリュームデータや、モダリティ装置の異なる医用画像、種々の画像パラメータを用いて生成された医用画像(例えば、MRI装置で画像パラメータを変化させながら収集された複数の医用画像など)、過去の検査で収集された医用画像、異なる時相の医用画像(例えば、心臓の4D−CTなど、複数の時相をもつ各医用画像)などが挙げられる。
例えば、画像生成機能152は、左右方向や斜め方向への操作に応じて画像シリーズを切り替える。一例を挙げると、画像生成機能152は、左右方向への操作に応じて、同一被検体から収集されたCT画像とMR画像とを切り替える。ここで、画像生成機能152は、画像シリーズの切替に際し、現時点で表示されている被検体の表示位置と同一の位置の画像データを生成する。例えば、異なるモダリティ装置で収集された医用画像や、収集時期の異なる医用画像などは、スライス厚やスライス間隔、撮影範囲が異なる場合がある。その場合、単に画像シリーズを切り替えただけでは、現時点で観察している位置と全く異なる位置の他シリーズの画像データが表示される場合がある。
そこで、第2の実施形態に係る画像生成機能152は、画像シリーズを切り替えた場合でも表示される画像データの位置が変化しないように、同一位置の画像データを生成する。図9は、第2の実施形態に係る画像生成機能152による画像生成処理の一例を説明するための図である。ここで、図9における各矩形は、画像データ1枚の撮影位置とスライス厚を示す。また、図9における矩形内の各番号は、画像番号を示す。
例えば、図9に示すように、画像シリーズ1〜5の医用画像は、撮影範囲とスライス厚がそれぞれ異なる。そこで、画像生成機能152は、図9に示すように、画像シリーズ1〜5の各医用画像を、実際に収集した実空間座標上に配置して、各画像シリーズにおける画像データ間の位置関係を対応付ける。一例を挙げると、画像生成機能152は、各画像シリーズのDICOMタグに含まれる付帯情報に基づいて、各画像シリーズの医用画像を実空間座標上に配置することで、医用画像間の位置合わせを実行する。これにより、例えば、図9に示すように、画像シリーズ1の画像番号3に対応する他の画像シリーズの画像番号として、画像シリーズ2の画像番号3、画像シリーズ3の画像番号3、画像シリーズ4の画像番号6、画像シリーズ5の画像番号3を対応付けることができる。
そして、画像生成機能152は、入力回路110を介して操作者の操作に応じた実空間座標と表示する画像シリーズを決定する。その後、画像生成機能152は、決定した実空間座標と画像シリーズから対応する画像データを表示する画像データとして選択する。表示制御機能153は、選択された画像データをディスプレイ120に表示させる。例えば、画像シリーズを切り替える場合に、単純に同じ画像番号の画像データを選択するのではなく、上述した医用画像間の位置合わせと位置合わせ後の画像選択を行うことで、同一位置での画像シリーズの切り替えを行うことができる。
上述した画像シリーズの切替処理においても、画像生成機能152は、読影医による操作が受け付けられるごとに上述した画像シリーズの切替処理を実行する。すなわち、画像生成機能152は、読影医がスクロールバーやマウスを移動させている間、移動量に応じて画像シリーズを随時切り替える。
上述したように、第2の実施形態によれば、画像生成機能152は、第1の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像の画像シリーズを変化させ、第2の軸方向に沿った入力操作の操作量に応じて、医用画像に含まれる被検体の表示位置を変化させた表示画像を生成する。従って、第2の実施形態に係る医用画像表示装置100は、画像シリーズの切り替えをシームレスに行うことができ、読影の効率を向上させることを可能にする。例えば、読影医は、注目している部位から目を離すことなく、他の画像シリーズの同一位置の画像データを観察することができ、例えば、複数種類の画像データを用いた診断の効率を向上させることを可能にする。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上記した第1及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した第1及び第2の実施形態では、横方向への操作に画像パラメータの調整操作及び画像シリーズの切替操作を割り当てる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、割り当てる方向は任意に設定することができる。一例を挙げると、縦方向への操作に画像パラメータの調整操作及び画像シリーズの切替操作を割り当て、横方向への操作に画像のめくり操作を割り当てる場合であってもよい。
また、第1の実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、第1の実施形態で説明した表示方法は、予め用意された表示プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この表示プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この表示プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上、説明したとおり、各実施形態によれば、読影の効率を向上させることを可能とする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。