以下、本発明の実施の形態に係る情報端末装置、情報端末システム、画面構築方法及びプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る情報端末システム1000は、図1に示すように、情報端末装置1と、1つ以上の遮光設備開閉センサ2と、表示装置3と、を備える。ただし、情報端末装置1が液晶モニタなどの表示デバイスを有する場合は、独立した表示装置3を備えなくても良い。この場合は、情報端末装置1が表示装置3を含む。また、表示装置3は、スマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末であっても良い。
情報端末装置1は、遮光設備開閉センサ2から建屋に設置された遮光設備の開閉状態の情報を受け取り、その情報に基づき、各遮光設備の開閉状態を建屋内の設置場所と共に提示する画面を構築し、表示装置3に出力する。
遮光設備開閉センサ2は、遮光設備の開閉状態を検出するセンサである。電動シャッター、電動カーテン等の電動遮光設備には備え付けられている場合が多いが、そのようなものに限定する必要はない。例えば、撮像装置であって、遮光装置の開閉状態を画像解析によって判断するものであっても良い。その他、遮光設備の開閉状態を検出できるものであれば、どのような方式のものであっても良い。遮光設備開閉センサ2の出力は、完全に開いた状態である開放状態と、完全に閉まった状態である閉鎖状態の二つの状態だけでもかまわないし、開放状態と閉鎖状態の間に複数段階の状態、つまり途中まで開いた状態があっても良い。通常は、開放の割合を数値で出力する。つまり、完全に開いた状態である場合は100%、完全に閉まった状態である場合は0%、半分開いた状態である場合は50%を出力する。
なお、遮光設備とは、シャッター、カーテン、ブラインド、雨戸、シェード、スクリーン等、開閉状態を変えることにより、屋内外の光の通過の度合いを変化させることのできる設備である。開閉状態の変更は、手動でも良いし、電動でも良い。また、物理的な可動部を備えた遮光設備だけでなく、液晶カーテンのような可動部を備えない遮光設備も含む。
表示装置3は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備えており、情報端末装置1が構築した画面を表示する。情報端末装置1と表示装置3との間のインタフェースは何でもよく、例えば、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)を用いることができる。また、表示装置3がスマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末である場合は、情報端末装置1と表示装置3との間のインタフェースは、Ethernet(登録商標)のような有線の通信インタフェースである場合や、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)のような無線の通信インタフェースである場合もあり得る。
情報端末装置1は、図2に示すように、機能構成として、制御部10と、記憶部20と、通信部31と、出力部32と、を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することにより、情報端末装置1の各部(機器状態取得部11、画像取得部12、位置取得部13、画面構築部14)の機能を実現する。
機器状態取得部11は、後述する通信部31を介して、遮光設備開閉センサ2から、遮光設備の開閉状態の情報を取得する。
画像取得部12は、後述する画面構築部14が表示画面を構築する際に必要となる遮光設備、他の設備、間取り図、模式図等の画像の情報を後述する記憶部20から取得する。
位置取得部13は、後述する画面構築部14が表示画面を構築する際に必要となる、各設備の配置位置や、遮光設備と遮光設備開閉センサ2との対応関係を後述する記憶部20から取得する。
画面構築部14は、機器状態取得部11で取得した遮光設備の開放量の情報と、画像取得部12で取得した画像の情報と、位置取得部13で取得した画像の画像位置の情報と、に基づき、遮光設備及び他の設備を含む建屋の間取り図又は模式図を構築する。
記憶部20は、ハードウェアとしてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。ROMには制御部10のCPUが実行するプログラムや、プログラムを実行する上で予め必要なデータが記憶されている。RAMには、プログラム実行中に作成されたり変更されたりするデータが記憶される。記憶部20は機能的には、画像情報記憶部21、建屋情報記憶部22、機器状態記憶部23及び画面記憶部24を備える。
画像情報記憶部21は、図3(a)に示すように、遮光設備、家具等の他の設備、建屋の模式図及び間取り図の画像の情報を記憶する。図3(a)の例では、遮光設備の画像として、「画像ID」#0011の遮光設備1と、「画像ID」#0021のシャッター1が記憶されている。図3(a)で、「ベース種別」となっているのは、その画像データが建屋の模式図用のデータなのか、間取り図用のデータなのかを表す。模式図用なら1、間取り図用なら2である。「画像名称」は、その画像の名称を表す。「開く方向」はその遮光設備が閉鎖状態から開放状態になる際の開く方向を表す。「シンボル画像サイズ」は、対象となる設備を模したシンボル画像のサイズを表す。「シンボル画像データ」は、シンボル画像の画像データを示す。「アイコン画像サイズ」は、対象となる設備を見やすく表現するためのアイコン画像のサイズを表す。「アイコン画像データ」は、アイコン画像の画像データを示す。
これらの画像データにより表示される具体的な画像を図3(b)〜図3(h)に示す。図3(b)で示される「遮光設備1」のシンボル画像は、窓を模した図形である。遮光設備は窓に設置されることが多いため、窓を模した画像で表現することで、様々なタイプの遮光設備を一括して表現する趣旨である。また、間取り図用のデータの場合、遮光設備の配置位置を示すシンボルの画像データ以外に、その遮光設備が何かをわかりやすく表現するためのアイコン画像のデータも存在している。例えば、図3(c)はシャッター1の間取り図用のシンボル画像であるが、これだけではシャッターなのかカーテンなのか見分けがつかないので、図3(d)に示すようなアイコン画像も用意されており、間取り図中では、シンボル画像とアイコン画像の両方ともを配置する。
遮光設備の画像中で、灰色となっている部分の明暗や面積等を変化させることで開閉量を示すのであるが、この詳細は後述する。図3(a)に示すように、画像情報記憶部21には、これら遮光設備の画像データだけでなく、開く方向や画像サイズも記憶されているので、模式図や間取り図の上に遮光設備の画像を適切なサイズで、開閉量も含めて表現することが可能である。
画像情報記憶部21には、また、他の設備の画像として、例えば、図3(a)の「シンボル画像データ」の項目に示すように、模式図用の「エアコン1」の画像である図3(e)の画像や、間取り図用の「食卓1」の画像である図3(f)の画像も記憶されている。これら他の設備の画像も配置することで、建屋の情報をよりわかりやすく表現することができる。
画像情報記憶部21には、また、ベース画像として、模式図及び間取り図自体の画像も記憶されている。例えば、図3(a)では、模式図及び間取り図自体を示すベース画像として、「模式図1」及び「間取り図1」のベース画像が記憶されている。画像IDが#1001は「模式図1」の画像データであり、図3(g)に示す画像が記憶されている。また、画像IDが#2001は「間取り図1」の画像データであり、図3(h)に示す画像が記憶されている。このベース画像である模式図や間取り図の上に、遮光設備や他の設備の画像を重ね合わせることにより、ユーザに提示する画面が構築される。
建屋情報記憶部22は、建屋内の部屋の構造を示すベース画像として、どの画像IDのベース画像を、どの位置にどのようなサイズで配置するかを記憶する。また、建屋情報記憶部22は、どの設備がどのようなサイズでどの部屋に配置されているかも記憶する。これらの情報は、画像情報記憶部21に記憶されている画像をどのように配置して建屋の情報を表現させるかを示す建屋情報となる。ここで、建屋内の玄関や廊下等、一般には部屋とは言えない場所も、建屋情報においては部屋として扱う。また、建屋情報としては、各遮光設備がどの遮光設備開閉センサ2に対応しているかの情報も記憶する。例えば、図4(a)は、図4(b)に示す建屋9の模式図の画面を構築するための建屋情報の例である。「ベースID」が#1001となっているので、図3(a)に示す画像情報記憶部21を参照してベース画像として「模式図1」が選択される。そして、この「模式図1」の画像サイズを「ベースサイズ」にある700×600に伸縮し、「ベース位置」にある(0,600)の座標に配置する。そして、「遮光設備数」が3となっているので、この後に「画像ID、シンボル画像の画像位置、シンボル画像の画像サイズ、センサID」という遮光設備の情報の4つの情報のセットが3つ存在する。
ここで、画像IDは画像情報記憶部21に記憶されている画像IDを表す。図4(a)では、#0011となっているので、画像情報記憶部21を参照して、「遮光設備1」が選択される。また、シンボル画像の画像位置は画面左下を(0,0)として、右方向にX、上方向にYを取ったときの(X,Y)で表している。シンボル画像の画像サイズについては、画像情報記憶部21に記憶されている画像のサイズを、建屋情報記憶部22に記憶されている画像サイズに合うように縦横に収縮して配置する。センサIDは、その遮光設備がどの遮光設備開閉センサ2に対応するかを示すセンサIDの情報である。
次に「他設備数」が1となっているので、この後に「画像ID、シンボル画像の画像位置、シンボル画像の画像サイズ」という他設備の情報の3つの情報のセットが1つ存在することになる。なお、遮光設備開閉センサ2以外に、他設備用のセンサも存在しているなら、当該他設備用のセンサのセンサIDを4番目のデータとして記述し、他設備の情報も4つの情報のセットとして構成しても良い。このようにすることで、遮光設備だけでなく、当該他の設備についても、その状態を取得して、遮光設備同様に、当該他の設備の設置位置と状態とを同時に確認できるようになる。
図4(a)に示す建屋情報記憶部22のデータ例に基づき、画面を構築すると図4(b)のような模式図の画面となる。この図で、書斎となっている部屋90bの遮光設備91bは、シンボル画像位置(100,300)とセンサIDとの対応に基づき、遮光設備開閉センサ2のセンサID=2のセンサが対応することがわかる。同様に、寝室となっている部屋90cの遮光設備91cはシンボル画像位置が(500,320)なので、遮光設備開閉センサ2のセンサID=3のセンサが対応し、リビングとなっている部屋90aの遮光設備91aはシンボル画像位置が(100,200)なので、遮光設備開閉センサ2のセンサID=1のセンサが対応することが、建屋情報記憶部22に記憶されているシンボル画像位置とセンサIDの対応からわかる。
図5(a)は、図5(b)に示す建屋9の間取り図の画面を構築するための建屋情報の例である。ベースIDが#2001となっているので、画像情報記憶部21を参照してベース画像として「間取り図1」が選択される。そして、この「間取り図1」の画像サイズを「ベースサイズ」にある700×900に伸縮し、「ベース位置」にある(0,900)の座標に配置する。そして、「遮光設備数」が3となっているので、この後に「画像ID、シンボル画像の配置位置、シンボル画像の描画サイズ、アイコン画像の配置位置、アイコン画像の描画サイズ、センサID」という遮光設備の情報の6つの情報のセットが3つ存在する。間取り図の場合は、上から見た図であるシンボル画像だけでは遮光設備の開閉量を表現することが難しい場合が多いため、アイコン画像も存在する。したがって、図5(a)に示す間取り図の建屋情報記憶部22のデータ量は、図4(a)に示す模式図の建屋情報記憶部22のデータ量よりも多くなる。
図5(a)に示す例では、遮光設備の画像IDは、#0021、#0022、#0031の3種類になっている。#0022及び#0031の画像IDの画像データは図3(a)には示さなかったが、画像情報記憶部21に記憶されており、#0022は、左から右に開く「シャッター2」、#0031は中央から左右に開く「カーテン1」である。
図5(a)の建屋情報記憶部22のデータに基づき、画面を構築すると図5(b)のような画面になる。図5(b)において、左下の部屋90cのシャッター2は遮光設備開閉センサ2のセンサID=5のセンサが対応することが、シャッター2を示すシンボル画像91cの画像位置(300,35)やアイコン画像92cの画像位置(300,200)とセンサIDとの対応からわかる。また、図5(b)の右下の部屋90bのシャッター1は遮光設備開閉センサ2のセンサID=4のセンサが対応することが、シャッター1を示すシンボル画像91bの画像位置(510,30)やアイコン画像92bの画像位置(500,200)とセンサIDとの対応からわかる。
また、図5(b)の上の部屋90aのカーテン1は遮光設備開閉センサ2のセンサID=6のセンサが対応することが、カーテン1を示すシンボル画像91aの画像位置(340,450)やアイコン画像92aの画像位置(350,600)とセンサIDとの対応からわかる。また、部屋90aには食卓93aが存在することも、建屋情報記憶部22に記憶されている他設備の画像ID#0211とそのシンボル画像位置(550,700)との情報からわかる。
情報端末装置1を工場から出荷する際又は販売店で販売する際には、その情報端末装置1のユーザの住んでいる住居に存在する設備の情報や、建屋9の情報に基づき、画像情報記憶部21や建屋情報記憶部22に必要なデータを記憶してから出荷又は販売する。ユーザ毎にカスタマイズするのが煩雑な場合は、市場に流通している代表的な設備をできるだけ多く画像情報記憶部21に記憶しておくようにしても良い。建屋情報記憶部22については、ユーザの建屋9にカスタマイズすることが必要なので、模式図や間取り図をユーザが画面上で編集した結果を建屋情報記憶部22に記憶させることができるアプリケーションソフトを情報端末装置1に内蔵させても良い。
機器状態記憶部23は、機器状態取得部11が取得した遮光設備の開閉状態を記憶する。開閉状態に変化があるかどうかを判定するために用いる。
画面記憶部24は、画面構築部14が構築する画面の情報を記憶する。表示装置3がHDMI(登録商標)、DVI(Digital Visual Interface)等の映像インタフェースで接続される場合や、情報端末装置1に含まれる場合は、画面記憶部24は所謂ビデオRAMであり、画面記憶部24の記憶アドレスと画面上の出力位置とが対応し、画面記憶部24に書き込まれるデータの値は、画面上の色や明暗に対応している。表示装置3がスマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末である場合は、画面記憶部24はビデオRAMではなく、表示装置3の表示デバイスに出力される表示データが記憶される。この場合、この表示データをどのようなデータ構造にするかは任意であるが、以下の説明ではこの表示データを記憶する場合も、画面記憶部24の記憶アドレスと表示装置3の画面上の出力位置とが対応し、画面記憶部24に書き込まれるデータの値が、表示装置3の画面上の色や明暗に対応しているものとして説明する。
通信部31は、情報端末装置1が遮光設備開閉センサ2から遮光設備の開放量を取得するために、通信を行う通信デバイスである。これは任意の通信デバイスを利用可能である。通信インタフェースにも制限はなく、例えばEthernet(登録商標)のような有線の通信インタフェースでも良いし、無線LANやBluetooth(登録商標)のような無線の通信インタフェースでも良い。
出力部32は、画面構築部14が構築し、画面記憶部24に書き込んだ画面を表示装置3に出力するための出力インタフェースである。このインタフェースは何でも良く、例えばHDMI(登録商標)が用いられる。なお、情報端末装置1が表示デバイスを備えている場合、出力部32が表示装置3と一体化していると考えても良い。また、表示装置3がスマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末である場合は、出力部32は、Ethernet(登録商標)のような有線の通信インタフェースでも良いし、無線LANやBluetooth(登録商標)のような無線の通信インタフェースでも良い。いずれの場合も、表示装置3は、出力部32からの情報を受け取ることができるインタフェースを備えている。
次に、実施の形態1に係る情報端末装置1が行う画面構築処理について、図6を参照して説明する。画面構築処理は、情報端末装置1の制御プログラムが起動すると開始され、この処理により、各機器の状態が設置場所とともにわかりやすく出力される。情報端末装置1の制御プログラムは情報端末装置1の電源を入れると起動するので、情報端末装置1の電源を入れると、画面構築処理が開始される。
まず、機器状態取得部11が、通信部31を介して、遮光設備開閉センサ2から遮光設備の開閉状態を取得する(ステップS101)。そして、制御部10は、機器状態取得部11が取得した遮光設備の開閉状態を機器状態記憶部23に記憶する(ステップS102)。次に、画像取得部12が画像情報記憶部21から表示画面構築に必要な画像の情報を取得し、位置取得部13が建屋情報記憶部22から表示画面構築に必要な画像の位置及びセンサIDとの対応の情報を取得する(ステップS103)。
次に、ステップS101で取得した遮光設備の開閉状態とステップS102で取得した各種情報とに基づき、画面構築部14は、図4(b)や図5(b)のような建屋9の画面を構築して画面記憶部24に書き込む。そして、画面構築部14が構築した画面を表示する情報が出力部32から表示装置3に出力される(ステップS104)。
次に制御部10は30秒待つ(ステップS105)。遮光設備の開閉には一定の時間がかかるので、開閉状態の描画はそれほど頻繁に更新する必要はない。頻繁に遮光設備開閉状態を取得するのは省電力の観点でも無駄なので、ここで30秒の待機時間を設けている。この30秒というのは、予め設定された待機時間の一例であり、待機時間は1分、20秒等の任意の時間を設定可能である。なお、制御部10は図示しないタイマーを備えており、このタイマーを利用して待機時間を計測する。
次に、再度、機器状態取得部11が、通信部31を介して、遮光設備開閉センサ2から遮光設備の開閉状態を取得する(ステップS106)。そして、制御部10は、機器状態記憶部23に記憶されている開閉状態と今取得した開閉状態とを比較することで、遮光設備の開閉状態に変化があるかどうかを判定する(ステップS107)。
開閉状態に変化があるなら(ステップS107;Yes)、ステップS102に戻って、今取得した開閉状態を機器状態記憶部23に記憶する。開閉状態に変化がないなら(ステップS107;No)、制御部10は制御プログラムが動作中かを判定する(ステップS108)。
制御プログラムが動作中であれば(ステップS108;Yes)、ステップS105に戻る。制御プログラムが動作中でなければ(ステップS108;No)、処理を終了する。
次に、ステップS104での画面構築・出力処理について説明する。この処理は、画面構築部14が、建屋9の模式図や間取り図の上に、遮光設備の開閉量を表現する画面を構築し、出力部32を介して出力する処理である。この開閉量の表現の方法には、(1)シンボル画像の色の明暗による方法、(2)シンボル画像の色の明暗+数値表示による方法、(3)遮光設備が設置された部屋の色の明暗による方法、(4)遮光設備が設置された部屋の色の明暗+数値表現による方法、(5)開放量を示す画像による方法、(6)開放量を示す画像+数値表現による方法がある。これら6つの方法のどれで出力するかは情報端末装置1の生産時にモデル毎に選択されていても良いし、購入後にユーザが選択可能にしても良い。後者の場合は、情報端末装置1は内部にこの6つの方法の全てを処理する能力を備えており、それをユーザが任意に選択できる。この6つの方法について順に説明する。
最初に、(1)のシンボル画像の色の明暗による画面構築・出力処理について、図7を参照して説明する。
まず、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得したベースIDで示される画像IDの模式図又は間取り図の画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮し、ベース位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS201)。
次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した他設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像サイズに伸縮し、建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS202)。
次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した遮光設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像サイズに伸縮する。そして、図6のステップS101又はステップS106で取得した遮光設備の開閉量に基づき、画像データ中の灰色部分の明暗を変更する(ステップS203)。この明暗は、例えば図8及び図9に示すシンボル画像91a、91b及び91cの色の明暗に示されるように、全開放なら100%の明度である白に、75%開放なら75%の明度の灰色に、50%開放なら50%の明度の灰色に、全閉鎖なら0%の明度である黒にすることができる。また、図8及び図9では白〜灰色〜黒で示しているが、白〜水色〜青〜紺など、色+明度で示しても良い。
灰色部分の明暗を変更することにより、遮光設備の他の部分との明度の差がなくなる場合は、見づらいので、遮光設備の他の部分の明度や色を変更しても良い。例えば図8(d)では、灰色部分を黒にしたため、シンボル画像91の枠の色を黒から薄い灰色に変更している。
そして、画面構築部14は、明暗を変更した遮光設備の画像データを建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込み(ステップS204)、終了する。
以上の処理により、図8及び図9に示す画面が出力され、遮光設備の開閉量が、表示画面上の遮光設備のシンボル画像91の色の明暗によって判別できるようになる。図8は模式図、図9は間取り図により、建屋9内の部屋90や設備を描画した例である。図8に示す模式図には、建屋9内に配置された部屋90a、90b、90cと、各部屋90a、90b、90cそれぞれに配置された遮光設備のシンボル画像91a、91b、91cと、部屋90cに配置された他設備のシンボル画像93cが描画されている。図9に示す間取り図には、建屋9内に配置された部屋90a、90b、90cと、各部屋90a、90b、90cそれぞれに配置された遮光設備のシンボル画像91a、91b、91cと、遮光設備のアイコン画像92a、92b、92cと、部屋90aに配置された他設備のシンボル画像93aが描画されている。
図8(a)は、全ての遮光設備が全開放になっていた場合の図で、遮光設備のシンボル画像91は全て白色で表現されている。図8(b)は、全ての遮光設備が75%開放状態になっていた場合の図で、遮光設備のシンボル画像91は明度75%の灰色で表現されている。図8(c)は、全ての遮光設備が50%開放になっていた場合の図で、遮光設備のシンボル画像91は明度50%の濃い灰色で表現されている。図8(d)は、全ての遮光設備が全閉鎖になっていた場合の図で、遮光設備シンボル画像91は黒色で表現されている。
図9は、カーテン1が全開放、シャッター1が全閉鎖、シャッター2が75%開放になっていた場合の図で、カーテン1のシンボル画像91aは白、シャッター1のシンボル画像91bは黒、シャッター2のシンボル画像91cは明度75%の灰色で表現されている。
次に、(2)のシンボル画像の色の明暗+数値表現による画面構築・出力処理について、図10を参照して説明する。
ステップS301〜ステップS304の処理は、図7を参照して説明したステップS201〜ステップS204と同じ処理である。ステップS305では、画面構築部14は、遮光設備の開閉量を数値にしたものを、ステップS304で書き込んだ遮光設備の画像データの上に書き込み(ステップS305)、終了する。
以上の処理により、図11や図12に示すような画面が出力され、遮光設備の開閉量が、表示画面上の遮光設備の明暗と数値によって判別できるようになる。図11は模式図、図12は間取り図の例である。
図11は、書斎90bの遮光設備が全開放、寝室90cの遮光設備が75%開放、リビング90aの遮光設備が全閉鎖になっていた場合の図で、書斎90bの遮光設備のシンボル画像91bは白色、寝室90cの遮光設備のシンボル画像91cは明度75%の灰色、リビング90aの遮光設備のシンボル画像91aは黒色になっていて、それぞれ開放量が数値で表現されている。
図12は、カーテン1が全開放、シャッター1が全閉鎖、シャッター2が75%開放になっていた場合の図で、カーテン1のシンボル画像91aは白、シャッター1のシンボル画像91bは黒、シャッター2のシンボル画像91cは明度75%の灰色になっていて、それぞれ開放量が数値で表現されている。なお、図12では開放量の数値は遮光設備のシンボル画像91の上に配置しているが、遮光設備のアイコン画像92の上に配置しても良い。
また、開閉量の数値を描画する際の明度は、遮光設備の画像データの明暗との兼ね合いで、見づらくならない明度に設定する。例えば、開閉量が50%以下の場合は、遮光設備の明度が50%以下になり、開閉量の数値を黒で描画すると見づらくなるため、図11では、リビング90aの開閉量数値「0%」を白文字で描画している。また、開閉量の数値を黒で描画する場合、遮光設備の画像データ中の黒い部分と重なると見づらい。したがって、数値の表示色と遮光設備の画像データ中の色とが近い色になる場合は、遮光設備の画像データ中のその色を変更しても良い。図11では、書斎や寝室の遮光設備の枠は、黒から灰色に色を変更することで、黒で描画している数値が見づらくならないようにしている。
次に、(3)の遮光設備が設置された部屋の色の明暗による画像構築・出力方法について、図13を参照して説明する。
まず、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得したベースIDで示される画像IDの模式図又は間取り図の画像データをベース画像として、画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮する。そして、建屋情報記憶部22に記憶されている各遮光設備のシンボル位置又はアイコン位置に対応する部屋の色の明暗を、当該遮光設備の開閉量に基づいて変更する(ステップS401)。この明暗は、図7のステップS203と同様に設定すれば良い。
そして、画面構築部14は、部屋の明暗を変更したベース画像を、建屋情報記憶部22から取得したベース位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS402)。
次に、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した他設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像サイズに伸縮し、建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS403)。
そして、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した遮光設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像サイズに伸縮し、建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込み(ステップS404)、終了する。
以上の処理により、図14や図15に示すような画面が出力され、遮光設備の開閉量が、表示画面上の部屋の色の明暗によって判別できるようになる。図14は、書斎である部屋90bの遮光設備が全開放、寝室である部屋90cの遮光設備が75%開放、リビングである部屋90aの遮光設備が25%開放になっていた場合の模式図である。書斎である部屋90bが白色、寝室である部屋90cが明度75%の灰色、リビングである部屋90aが明度25%の灰色で示されている。
図15は、カーテン1が全開放、シャッター1が25%開放、シャッター2が75%開放になっていた場合の間取り図である。カーテン1が設置されている部屋90aが白色、シャッター1が設置されている部屋90bが明度25%の濃い灰色、シャッター2が設置されている部屋90cが明度75%の灰色で示されている。
次に、(4)の遮光設備が設置された部屋の色の明暗+数値表現による画面構築・出力処理について、図16を参照して説明する。
ステップS501〜ステップS504の処理は、図13を参照して説明したステップS401〜ステップS404と同じ処理である。ステップS505では、画面構築部14は、遮光設備の開閉量を数値にしたものを、ステップS501で明暗を変更した部屋の画像データの上に書き込み(ステップS505)、終了する。この数値は、ベース画像の部屋の中で、遮光設備のシンボル画像91及びアイコン画像92並びに他設備のシンボル画像93が配置されていない領域に描画するのが望ましい。
以上の処理により、図17や図18に示すような画面が出力され、遮光設備の開閉量が、表示画面上の部屋の色の明暗と数値によって判別できるようになる。図17は図14と同じ状況の図であり、図18は図15と同じ状況の図である。
次に、(5)の開放量を示す画像による画面構築・出力処理について、図19を参照して説明する。
ステップS601〜ステップS602の処理は、図7を参照して説明したステップS201〜ステップS202と同じ処理である。
ステップS603では、画面構築部14は、建屋情報記憶部22から取得した遮光設備の画像IDの画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得した画像サイズに伸縮する。そして、図6のステップS101又はステップS106で取得した遮光設備の開閉量に基づき、画像データ中の灰色部分の面積を変更する(ステップS603)。この面積変更は、例えば図20のシンボル画像91や図21のアイコン画像92に示すように、全開放なら灰色の面積を0にし、75%開放なら灰色の面積を25%にし、50%開放なら灰色の面積を50%にし、全閉鎖なら灰色の面積を変更しない。
そして、画面構築部14は、面積を変更した遮光設備の画像データを建屋情報記憶部22から取得した画像位置に対応する画面記憶部24のアドレスに書き込み(ステップS604)、終了する。
以上の処理により、図20及び図21に示す画面が出力され、遮光設備の開閉量が、表示画面上の遮光設備の灰色部分の面積によって判別できるようになる。
図20は、書斎である部屋90bの遮光設備が全開放、寝室である部屋90cの遮光設備が75%開放、リビングである部屋90aの遮光設備が25%開放になっていた場合の模式図の例である。書斎である部屋90bの遮光設備のシンボル画像91bの灰色部分の面積が0、寝室である部屋90cの遮光設備のシンボル画像91cの灰色部分の面積が25%、リビングである部屋90aの遮光設備のシンボル画像91aの灰色部分が75%で描画されている。灰色部分をどちらから無くしていくかは、画像情報記憶部21の「開く方向」に記憶されている。なお、図20は、設置されている遮光設備の「開く方向」が全て「右から左」だった場合の図である。
図21は、カーテン1が全開放、シャッター1が25%開放、シャッター2が75%開放になっていた場合の間取り図の例である。カーテン1のアイコン画像92aの灰色部分の面積は0、シャッター1のアイコン画像92bの灰色部分の面積は75%、シャッター2のアイコン画像92cの灰色部分の面積は25%で描画されている。なお、図21は、カーテン1の「開く方向」が「中央から左右」、シャッター1の開く方向が「下から上」、シャッター2の開く方向が「左から右」だった場合の図である。
次に、(6)の開放量を示す画像+数値表現による画面構築・出力処理について、図22を参照して説明する。
ステップS701〜ステップS704は、図19を参照して説明したステップS601〜ステップS604と同じ処理である。ステップS705では、画面構築部14は、遮光設備の開閉量を数値にしたものを、ステップS704で書き込んだ遮光設備の画像データの上に書き込み(ステップS705)、終了する。
以上の処理により、図23や図24に示すような画面が出力され、遮光設備の開閉量が、表示画面上の遮光設備の灰色部分の面積と数値によって判別できるようになる。図23は図20と同じ状況の図であり、図24は図21と同じ状況の図である。
また、実施の形態1に係る情報端末システム1000において、スマートホンやタブレット等の情報端末を表示装置3として使用する場合、画面構築部14が、画面記憶部24に表示データを書き込むのではなく、描画情報生成部(図示せず)が、機器状態取得部11で取得した遮光設備の開放量の情報と、画像取得部12で取得した画像の情報と、位置取得部13で取得した画像の画像位置の情報と、に基づいて、遮光設備及び他の設備を含む建屋の間取り図又は模式図を描画するための描画情報を生成する構成としても良い。この場合、描画情報生成部が生成した描画情報を出力部32が表示装置3に出力し、表示装置3は、出力部32から出力された描画情報に基づいて、自機の備える表示デバイスに遮光設備及び他の設備を含む建屋の間取り図又は模式図を描画する。ここで、描画情報とは、例えば、画面上における設備や建屋を示す画像の表示サイズ、表示位置、表示色、表示形状等の、表示装置3が画面を描画するための情報である。したがって、スマートホンやタブレット等の情報端末を表示装置3として使用する場合、情報端末装置1は、画面記憶部24を備えなくてもよく、描画情報生成部は画面構築部14と同様の処理で画面を構築し、その構築した画面を描画するための描画情報を生成する。
以上で説明したように、実施の形態1に係る情報端末システムによれば、建屋9内に設置された複数の遮光設備の設置場所と開閉状態を直感的に判断できる画面を表示することができる。
(実施の形態1の変形例)
なお、上述の実施の形態1で建屋9の間取り図を出力させると、遮光設備のアイコン画像が表示されるので、アイコン画像により部屋の間取りの一部が隠れてしまう。また、遮光設備以外のアイコン画像を表示させたい場合もある。そこで、図28に示す機器・設備選択領域8を画面上に配置して、ユーザがどの機器・設備のアイコンを表示するかを選択できるようにした実施の形態1の変形例について説明する。
実施の形態1の変形例に係る情報端末システム1000の構成は実施の形態1と同じであり、図1に示す。実施の形態1の変形例に係る情報端末装置1の機能構成は、図25に示すように、実施の形態に係る情報端末装置1の機能構成に加えて入力部33を備え、記憶部20内に選択機器記憶部25を備える。また、画像情報記憶部21は、図26に示すように、間取り図用の画像に、その機器の種別を示す項目である「機器種別」が追加されている。図26の例では、機器種別が1であれば遮光設備、機器種別が2であればAV機器、機器種別が3であれば空調機器であることを示している。そして、これらAV機器や空調機器は、遮光設備ではない他設備であるが、間取り図用のデータにはシンボル画像だけでなくアイコン画像も定義されている。
また、図示しないが、建屋情報記憶部22には、他設備のデータに対しても、アイコン画像位置及びアイコン画像サイズが定義されている。そして、空調機器やAV機器の動作状況を検出する他設備用のセンサが用意されている場合は、当該センサのセンサIDも設定可能である。
入力部33は、情報端末装置1がユーザからの操作を受け付けるための入力デバイスである。例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。ユーザが、画面上に配置された機器・設備選択領域8の機器・設備アイコン81,82,83を、タップ、クリック、カーソル移動+エンターキー等で選択/非選択したことが入力部33により入力される。
選択機器記憶部25は、ユーザが入力部33を介して選択した、アイコンを表示する機器の種類を記憶する。
では、実施の形態1の変形例に係る情報端末装置1が行う画面構築処理について、図27を参照して説明する。
まず、制御部10が、選択機器記憶部25に記憶されているデータを初期化する(ステップS801)。この初期化処理では、通常、遮光設備を示す「1」を選択機器記憶部25にセットする。ステップS802〜ステップS804は、図6のステップS101〜ステップS103と同じ処理である。
そして、ステップS805では、画面構築部14が、機器・設備選択領域8も画面に配置するように画面構築することと、選択機器記憶部25に記憶された値に示される機器種別で表されるアイコン画像を選択して画面構築を行う点以外は、図6のステップS104の処理と同じである。なお、選択機器記憶部25に記憶された値が0の場合は、画面構築部14は全てのアイコン画像を表示しない。
次に制御部10が30秒待つ(ステップS806)のは、図6のステップS105と同じ処理である。そして、制御部10は入力部33を介して、ユーザが選択した機器を取得し、選択機器記憶部25に記憶する(ステップS807)。なお、ユーザが全ての機器種別を解除する操作をした場合は選択機器記憶部25には0が記憶される。
ステップS808〜ステップS810は、図6のステップS106〜ステップS108と同じ処理である。
ステップS807でのユーザの機器選択は、ユーザが画面上の機器・設備選択領域8の機器・設備アイコン81,82,83を、タップ、クリック、カーソル移動+エンターキー等で選択/非選択することにより行われる。
初期値としては、遮光設備が選択されているので、図28に示すように、遮光設備のアイコン画像92が表示される。ここで、ユーザが遮光設備を示す機器・設備アイコン81をクリックして、遮光設備の選択を外すと、図29に示すように、遮光設備のアイコン画像92が非表示になる。また、ユーザがAV機器を示す機器・設備アイコン82をクリックしてAV機器を選択すると、図30に示すように、AV機器であるテレビ1のアイコン画像94aが表示される。また、ユーザが空調機器を示す機器・設備アイコン83をクリックして空調機器を選択すると、図31に示すように、空調機器であるエアコン2のアイコン画像95aが表示される。
以上のように、機器・設備選択領域8の機器・設備アイコン81,82,83の選択/非選択の切り替えを行うことにより、選択した種別に属する機器のアイコン画像のみが表示される。したがって、間取り図の限られた領域の上に表示するアイコン画像を切り替えて、ユーザが必要な機器又は設備に絞って情報を確認することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、遮光設備の開閉状態を確認するのみで、開閉を制御することはできなかった。そこで、GUI(Graphical User Interface)により、電動遮光設備の開閉を制御できるようにした実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2に係る情報端末システム2000は、図32に示すように、情報端末装置1と、1つ以上の電動遮光設備5と、表示装置3と、を備える。実施の形態1と同様に、情報端末装置1がスマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末装置1である場合は、独立した表示装置3を備えなくても良い。この場合は、情報端末装置1が表示装置3を含む。
ここで、電動遮光設備5は、例えば、電動シャッターであり、外部からの制御信号を入力することによって電動で開閉でき、また、開閉状態を外部に通知可能な設備である。また表示装置3は、実施の形態1の表示装置3と同じである。
情報端末装置1は、電動遮光設備5から、開閉状態の情報を受け取り、その情報に基づき、各電動遮光設備5の開閉状態を建屋内の設置場所と共に提示する画面を構築し、表示装置3に出力することができる。この点は、実施の形態1と同じである。ただし、建屋情報記憶部22に記憶されている情報のうち「センサID」の項目は「電動遮光設備ID」となり、遮光設備開閉センサ2のIDの代わりに、電動遮光設備5のIDが記憶される。
情報端末装置1は、さらに、図33に示すように、機器制御部15と操作画面生成部16と制御内容取得部17と入力部33とを備えることにより、電動遮光設備5の開閉を制御可能である。図33のこれ以外の構成要素は、図2に示す同じ符号の構成要素と同じであるが、通信部31は、情報端末装置1と電動遮光設備5との通信を行うデバイスとなる。この通信は、電動遮光設備5の開閉量を取得する通信と、電動遮光設備5の開閉を制御する通信の2種類がある。情報端末装置1は、開閉量取得用の通信部31と、開閉制御用の通信部31の、二つの通信部31を備えても良い。また、情報端末装置1は、一つの通信部31のみを備え、この一つの通信部31が、開閉量を取得する通信と開閉を制御する通信の、2種類の通信を行っても良い。
入力部33は、情報端末装置1がユーザからの操作を受け付けるための入力デバイスである。例えば、情報端末装置1がコンピュータの場合は、入力部33として、キーボード、マウスを備える。情報端末装置1がスマートホンやタブレットの場合は、入力部33として、タッチパネルや押しボタンを備える。
機器制御部15は、電動遮光設備5に対して、通信部31を介して開閉を制御する制御信号を送信する。
操作画面生成部16は、電動遮光設備5の制御を行うための操作画面を生成する。
制御内容取得部17は、入力部33を介して、電動遮光設備5の制御内容を取得する。
実施の形態2に係る情報端末装置1による、電動遮光設備5の開閉制御処理について、図34を参照して説明する。この開閉制御処理は、制御プログラムにより出力された情報端末装置1の画面上で、ユーザが任意の電動遮光設備5を選択すると、開始される。例えば、図4(b)の模式図や図5(b)の間取り図において、遮光設備を示すシンボル画像91や、アイコン画像92を選択、タップ又はクリックすることにより、開始される。
電動遮光設備5が選択されると、操作画面生成部16は、電動遮光設備5の制御を行うための操作画面を生成する(ステップS901)。次に、制御内容取得部17は、入力部33を介して、ユーザからの制御操作を受け付けて、制御内容を取得する(ステップS902)。そして、取得した制御内容にしたがった制御信号を、機器制御部15が、通信部31を介して電動遮光設備5に送信する(ステップS903)。
次に、送信された制御信号による電動遮光設備5の処理が終了するまで待つために、制御部10は通信部31を介して電動遮光設備5の状態を取得して、電動遮光設備5が制御処理中か否かを判定する(ステップS904)。電動遮光設備5が制御処理中であるなら(ステップS904;Yes)、電動遮光設備5の状態取得と制御処理中か否かの判定を繰り返す(ステップS904)。
電動遮光設備5が制御処理中でなくなったら(ステップS904;No)、機器状態取得部11は、通信部31を介して、電動遮光設備5の開閉状態を取得する(ステップS905)。そして、制御部10は、機器状態取得部11が取得した電動遮光設備5の開閉状態が、機器制御部15がステップS903で送信した制御信号で示される制御内容と一致するか否かを判定する(ステップS906)。
一致するなら(ステップS906;Yes)、ステップS905で取得した開閉状態に基づき、画面構築部14が出力画面を更新し(ステップS908)、終了する。一致しなければ(ステップS906;No)、ステップS902でユーザから取得した制御内容の状態にはならなかった旨を通知する警告表示を行い(ステップS907)、ステップS905で取得した開閉状態に基づき、画面構築部14が出力画面を更新し(ステップS908)、終了する。
ここで、ステップS908における画面更新処理は、図6のステップS103〜ステップS104の処理により行われる。
上記中、ステップS901で生成される操作画面は、電動遮光設備5の開閉のタイプによって異なる。この開閉のタイプは、画像情報記憶部21の「開く方向」の項目に記憶されているので、対称となる電動遮光設備5の開閉のタイプは、画像情報記憶部21を参照することで取得することができる。まず、電動遮光設備5が右から左へ開くタイプの場合の操作画面例に詳細を説明し、他のタイプについては、後述する。
図35は、電動遮光設備5が右から左へ開くタイプの場合の操作画面例である。図34のステップS901で生成され、操作画面100は、外枠106、状態表示領域101、操作シンボル102を備える。状態表示領域101は、開状態を示す状態表示領域101aと、閉状態を示す状態表示領域101bとからなり、操作シンボル102は、状態表示領域101aと状態表示領域101bとの境界に表示される。
図35の操作画面例は、右から左へ開くタイプの遮光設備であり、例えば、図3(a)に記載されている画像ID#0011の「遮光設備1」が該当する。図4(b)の模式図において、遮光設備を示すシンボル画像91を選択、タップ又はクリックすることにより、図4(b)の画面上に表示される。その際、表示された時点での電動遮光設備5の開閉量に応じた状態で表示される。なお、図5(b)の間取り図においても、右から左へ開くタイプの遮光設備のシンボル画像91又はアイコン画像92が存在している場合は、シンボル画像91又はアイコン画像92を選択、タップ又はクリックすることにより、図35の例に示す操作画面が図5(b)の画面上に表示される。
図35の例では、電動遮光設備5は、開状態及び閉状態の他に、少なくとも3段階の中間状態を取ることが可能であることが示されている。図35(a)は全開放状態、図35(b)は75%開放状態、図35(c)は50%開放状態、図35(d)は25%開放状態、図35(e)は全閉鎖状態であることを示している。なお、図35は、右から左へ開くタイプの遮光設備の生成例であるため、操作シンボルが状態表示領域101の左端にある状態が全開状態、右端にある状態が全閉状態となる。
図34のステップS902での制御内容を取得する際の、ユーザによる制御の入力方法を説明する。ユーザは、図35の操作シンボル102をドラッグ又はスライドして左右に動かすことにより、開閉量を入力する。操作シンボル102がどこまでドラッグ又はスライドされたかを入力部33を介して制御内容取得部17が取得する。図35は、右から左へ開くタイプの遮光設備の場合なので、ドラッグする方向は、開放する場合は左方向、閉鎖する場合は右方向となる。またドラッグする量は、電動遮光設備5を全開放したい場合は状態表示領域101の左端まで、全閉鎖したい場合は状態表示領域101の右端まで、50%開放したい場合は、状態表示領域101の中間地点までドラッグすればよい。
電動遮光設備5の開閉量は、例えば100%、75%、50%、25%、0%のように、何種類かの特定の値に限定されている場合がある。この場合において、ユーザが操作シンボル102をドラッグした位置が、それら特定の値に対応する位置では無かった場合は、図34のステップS903で送信する制御信号の内容は、電動遮光設備5が取り得る開閉量の中で、ドラッグされた位置に最も近い開閉量を指示するものにする。そして、図35の操作画面100における操作シンボル102の位置は、ユーザがドラッグした位置ではなく、ステップS903で送信される制御信号に対応する位置に変化することが望ましい。
例えば、電動遮光設備5の取り得る開閉量が、図35(a)〜図35(e)に示す5種類だった場合において、ユーザ操作により図35(f)に示す位置まで操作シンボル102がドラッグされた場合、送信する制御信号は図35(b)の開閉量に対応する75%開放を指示する制御内容になり、操作画面はこの位置に最も近い図35(b)の操作画面に変化することになる。
上述のように、操作画面生成部16が、電動遮光設備5の開閉位置の境界部分に操作シンボル102を配置することにより、ユーザは、操作シンボル102をドラッグすると開閉制御を行えることが直感的に理解できる。
なお、図34のステップS904では、電動遮光設備5が開閉制御動作中である場合、その制御処理が終わるまで待つことになる。制御処理の終了を待っている間は、電動遮光設備5は操作を受け付けられない。したがって、図36(a)に示す操作画面100を表示して、ユーザによる操作を受け付けられないことがわかるようにするのが望ましい。
また、図34のステップS905で、情報端末装置1が電動遮光設備5の開閉状態を取得するのに時間がかかる場合も、やはりその間、電動遮光設備5は操作を受け付けることができない。したがって、図36(b)に示す操作画面100を表示して、ユーザによる操作を受け付けられないことがわかるようにするのが望ましい。
図36では、操作画面100の外枠106内全体をグレーアウトし、その上に現在のシステムの状態を示すメッセージを表示しているが、表現方法はこれに限らない。ユーザによる操作ができないことが直感的にわかる表現であればよい。また、図36では、制御処理中と状態取得中の2つの状態について示したが、これ以外でも、ユーザが操作を受け付けられない状態が存在する場合には、同様の画面を表示することが可能である。
以上、電動遮光設備5が、右から左に開くタイプの場合を例に説明したが、電動遮光設備5が、例えば下から上に開くタイプだったり、中央から左右に開くタイプだったりした場合は、そのような各タイプに合わせた操作画面を表示するのが望ましい。そこで、これらの例について、順に説明する。
電動遮光設備5が下から上に開くタイプの場合の操作画面例について、図37を参照して説明する。図37の操作画面例も、図35と同様、操作画面100は、外枠106、状態表示領域101、操作シンボル102を備える。図37の操作画面100は、操作シンボル102を上下にドラッグすることにより、電動遮光設備5の開閉制御を行う。図37(a)が全開放状態、図37(b)が75%開放状態、図37(c)が50%開放状態、図37(d)が25%開放状態、図37(e)が全閉鎖状態である。
電動遮光設備5が中央から左右に開くタイプの場合の操作画面例について、図38を参照して説明する。図38の操作画面例も、図35と同様、操作画面100は、外枠106、状態表示領域101、操作シンボル102を備える。中央から左右に開くタイプの電動遮光設備5の場合、全閉鎖時を除き、状態表示領域101aと状態表示領域101bとの境界が2カ所存在する。そのため、図38では、操作シンボル102もそれぞれの境界に表示している。しかし、電動遮光設備5が左右連動して対称に動作する場合は、どちらか片方のみに操作シンボル102を配置するようにしてもよい。
なお、中央から左右対称に左右に開くタイプの電動遮光設備5の場合、図38の操作画面100での開閉操作としては、どちらか一方の操作シンボル102をドラッグするだけで左右対称に開閉が行われるようにしてもよいし、操作シンボル102を両方使用してピンチイン、ピンチアウトで行うようにしてもよい。また、どちらか一方の操作シンボル102のドラッグでも、操作シンボル102を両方使用してのピンチイン、ピンチアウトでも、どちらで行えるようにしてもよい。図38(a)は全開放状態、図38(b)は75%開放状態、図38(c)は50%開放状態、図38(d)は全閉鎖状態である。
また、中央から左右に開くが、左右対称ではなく、左右独立に開くタイプの電動遮光設備5の場合、図38の操作画面100での開閉操作としては、どちらか一方の操作シンボル102をドラッグすると、その一方側のみの開閉が行われるようにする。
また、別のタイプの電動遮光装置5として、電動ブラインドをはじめとする、軸を中心にスラットを回転動作させる電動遮光装置5の場合の操作画面例について、図39を参照して説明する。図39の操作画面100は、少なくとも外枠106、操作シンボル102、スラット103を備える。スラット103の可動領域を示す可動範囲マーカー104及び電動遮光設備5を開放状態とするための開放位置マーク105の表示も備えることが望ましい。図39では、操作シンボル102を、可動範囲マーカー104上でドラッグすることにより、電動遮光設備5のスラットの角度の制御を行う。
図39(a)はスラット103を可動範囲の一番上まで上げた状態、図39(c)はスラット103を可動範囲の一番下まで下げた状態、図39(b)はその間の状態である。
なお、上述の例では、状態表示領域101は長方形で表現したが、状態表示領域101を示す図形が長方形である必要はない。また図形ではなく、実際の遮光設備の画像を状態表示領域101の表示用に使用してもよい。
以上、実施の形態2では、電動遮光設備5の実物を開閉するのと同じ感覚で開閉制御ができる操作画面を生成することにより、対象の電動遮光設備5の状態確認及び制御をより直感的に行うことが可能となる。
(実施の形態3)
実施の形態1や実施の形態2では、遮光設備の開閉状態の確認や開閉制御を行うことはできたが、時刻や天候等の建屋の周囲の状況を取得することはできなかった。遮光設備は、日の出/日没/天候等の周囲の状況に応じて制御できる方が便利である。そこで、太陽光発電システムを用いることで、周囲の状況を把握できるようにした実施の形態3について説明する。
本発明の実施の形態3に係る情報端末システム3000は、図40に示すように、情報端末装置1と、1つ以上の遮光設備開閉センサ2と、表示装置3と、太陽光発電システム6と、を備える。実施の形態1に係る情報端末システム1000に、太陽光発電システム6が追加された構成である。実施の形態1と同様に、情報端末装置1がスマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末装置1である場合は、独立した表示装置3を備えなくても良い。この場合は、情報端末装置1が表示装置3を含む。
ここで、太陽光発電システム6は、直流電力を出力する太陽光発電モジュールと、太陽光発電モジュールが出力した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナと、を備える。また、表示装置3及び遮光設備開閉センサ2は、実施の形態1の表示装置3及び遮光設備開閉センサ2と同じである。
情報端末装置1は、遮光設備開閉センサ2から、開閉状態の情報を受け取り、その情報に基づき、各遮光設備の開閉状態を建屋内の設置場所と共に提示する画面を構築し、表示装置3に出力することができる。この点は、実施の形態1と同じである。
情報端末装置1は、さらに、図41に示すように、外部環境推定部18、発電情報記憶部26、発電パターン記憶部27、判定条件記憶部28及び発電情報取得部34を備えることにより、建屋の周囲の外部環境を推定可能である。そして、画面構築部14は、機器状態取得部11、画像取得部12及び位置取得部13で取得した情報に基づく模式図や間取り図に、外部環境推定部18で推定した外部環境の情報を付加した画面を構築する。図41のこれ以外の構成要素は、図2に示す同じ符号の構成要素と同じである。
外部環境推定部18は、後述する発電情報記憶部26に記憶された過去の発電量に関する情報と、後述する発電パターン記憶部27に記憶された季節や気象条件毎の発電パターンと、に基づいて、現在の屋外の明るさや、必要に応じて現在の天候、季節、時刻等の外部環境を推定する。
発電情報記憶部26は、後述する発電情報取得部34から取得した発電量に関する情報を記憶する。
発電パターン記憶部27は、季節や気象条件毎の時間帯別発電量を記憶する。時間帯別発電量とは例えば1時間間隔での時間帯毎の発電量である。この時間帯別発電量をグラフで表すと図42のように、季節や気象条件毎のパターンを示すため、時間帯別発電量の24時間分のデータを発電パターンとも言う。図42は夏季晴天時の発電パターンの例であるが、他の各季節での晴天時の発電パターンも記憶している。なお、季節毎ではなく、月毎の晴天時の発電パターンを記憶しても良い。
また、後述する天候の推定が不要の場合は、正確な発電パターンである必要はなく、単に季節毎(月毎)の夜の時間帯の長さ(日没から翌日の日の出までの時間の長さ)を記憶しているだけでも良い。また、晴天時の発電パターンだけでなく、曇天時、雨天時等、各季節(各月)の各天候での発電パターンをも記憶しておいても良い。各天候における発電パターンも記憶しておくと、天候の推定の精度を向上させることができる。
情報端末装置1を工場から出荷する際又は販売店で販売する際には、その情報端末装置1のユーザの使用場所に応じた典型的な発電パターンを予め発電パターン記憶部27に記憶してから出荷又は販売する。ユーザ毎にカスタマイズするのが煩雑な場合は、出荷国毎にその国での典型的な発電パターンを発電パターン記憶部27に記憶しておくようにしても良い。
判定条件記憶部28は、図43に示すように、情報端末装置1で処理を行う条件である判定条件と、その判定条件が満たされた場合の処理内容を記憶する。図43の上から一つ目の例は、日没の30分前に遮光設備開閉センサ2から取得した値が「全閉鎖」でなければ、「遮光設備が開いています」というメッセージを出力する処理を行うように設定している。また、上から二つ目の例は、季節が夏季で、天候が晴天の場合に、日の出1時間後から日没1時間前までの間で、遮光設備開閉センサ2から取得した値が「全閉鎖」でなければ、「遮光設備が開いています」というメッセージを出力する処理を行うように設定している。これらのメッセージの出力位置は、記憶部20に記憶していてもよいし、模式図や間取り図に重ね合わせて出力するようにしてもよい。
また、図43の上から三つ目の例は、天候が晴天の場合、日の出から日没までの間は、背景部分に「太陽」のシンボル画像を配置する処理を行うように設定している。また、上から四つ目の例は、天候が晴天以外の場合に、背景部分に「雲」のシンボル画像を配置する処理を行うように設定している。「太陽」や「雲」のシンボル画像は、画像情報記憶部21に記憶されている。
この判定条件記憶部28には、発電パターン記憶部27と同様に、工場から出荷する際または販売店で販売する際に、その情報端末装置1のユーザの希望に合わせた判定条件を記憶しておくようにしても良いし、購入後にユーザが設定できるようにしても良い。ユーザが設定できるようにする場合は、情報端末装置1はボタンやタッチパネル等の入力デバイスで構成された入力部を備え、制御部10は、入力部から入力された内容を判定条件記憶部28に記憶させる。
判定条件記憶部28に記憶されている制御条件は通常複数あるため、制御部10は、判定条件を上から順番に判定していき、判定条件を満たしたものに対応する処理が順次実行され、最終的には最後に満たした判定条件に対応する処理が実行される。また、各判定条件に優先度を設定するようにしても良い。この場合、優先度の高い順に判定条件を見ていき、最初に満たした判定条件に対応する処理を実行することになる。もし、複数の判定条件を同時に判定したい場合は、それらに同じ優先度を設定する。
発電情報取得部34は、太陽光発電システム6から発電情報を取得する。発電情報は、発電量を示す情報であり、太陽電池モジュールの出力電圧又はパワーコンディショナの出力電力である。発電情報として、太陽電池モジュールの出力電圧を使用する場合は、パワーコンディショナが検知する太陽電池モジュールの出力電圧のデータを発電情報取得部34で取得すれば良い。また、発電情報として、パワーコンディショナの出力電力を使用する場合は、パワーコンディショナから分電盤に伸びる電源ラインに電流センサを取り付け、電流センサの計測値を発電情報取得部34で取得すれば良い。なお、一般的な太陽光発電システムは発電量モニタが付属しており、上述の後者の方法で発電量を取得しているため、本情報端末システムの構築にあたり新規にセンサ類を追加する必要はない。
この発電情報は瞬時値ではなく、数秒間、数分間等の一定の時間に発電された量の積分値である電力量であることが望ましいため、必要な場合には、発電情報取得部34は、太陽電池モジュールの出力電圧又はパワーコンディショナの出力電力を積分する電力量計を備える。
次に、実施の形態3に係る情報端末装置1が行う画面構築及び判定処理について、図44を参照して説明する。この画面構築処理は、情報端末装置1の制御プログラムが起動すると開始する。
まず、制御部10は、発電情報取得部34を介して太陽光発電システム6から発電量に関する情報を取得し、発電情報記憶部26に記憶する(ステップS1001)。次に、外部環境推定部18は、発電情報記憶部26に記憶された発電量に関する過去の情報と、発電パターン記憶部27に記憶された発電パターンとを比較することで、現在の屋外の明るさ、現在時刻、天候、季節等の外部環境を推定する(ステップS1002)。
次に、機器状態取得部11が、通信部31を介して、遮光設備開閉センサ2から遮光設備の開閉状態を取得する(ステップS1003)。そして、画面構築部14は、機器状態取得部11が取得した遮光設備の開閉状態に基づいて、画面を構築し、出力する(ステップS1004)。そして、制御部10は、現在の外部環境及び遮光設備の開閉状態が、判定条件記憶部28に記憶されている判定条件に一致するか否かを判定する(ステップS1005)。ステップS1005において、制御部10は判定部に相当する。
判定条件のいずれかに一致するなら(ステップS1005;Yes)、判定条件記憶部28に記憶されている一致した判定条件に対応する処理内容を実行し(ステップS1006)、ステップS1007に進む。判定条件のいずれにも一致しないなら(ステップS1005;No)、ステップS1007に進む。
ステップS1007では、制御部10は、制御プログラムが動作中かを判定する(ステップS1007)。制御プログラムが動作中であれば(ステップS1007;Yes)、ステップS1001に戻る。制御プログラムが動作中でなければ(ステップS1007;No)、処理を終了する。
ステップS1004での画面構築・出力処理は、図6のステップS104での処理と同じである。
ステップS1002での外部環境の推定について説明する。季節の推定は、発電量が連続して0になる時間帯の長さを計測することで行う。例えば発電量が連続して0になる時間帯の長さは、夏季であれば19時から5時までの約10時間であるのに対し、冬季は17時から7時までの約14時間である。したがって、過去24時間のうちの発電量が0となっている時間帯の長さに基づいて、現在の季節が夏に近いのか冬に近いのかを推定することができる。
この推定を容易にするために、夜間長記憶期間として1日分、3日分、200日分等の期間を設定することも考えられる。これは、記憶部20にさらに夜間長記憶部(図示せず)を夜間長記憶期間の日数分設けて、発電情報記憶部26に記憶されている発電情報に基づき、24時間ごとの発電量が0であった時間帯の長さを毎日、夜間長記憶部に記憶するようにするものである。夜間長記憶期間として半年分以上の日数を設定すれば、半年分以上の期間において、発電量が0であった時間帯の長さが現在増えつつあるのか、減りつつあるのか等もわかるので、季節をかなり正確に推定できるようになる。
例えば、半年間、発電量が0であった時間帯の長さがずっと増え続けていたなら、現在は冬至付近と推定できる。逆に半年間、ずっと減り続けていたなら夏至付近と推定できる。そして、この時間帯の長さにピークや底が存在していたなら、その日付近が冬至や夏至と推定できるので、そこからの日数に基づき、現在が何月頃かを推定できる。
また、現在時刻についても、発電量が連続して0になる時間帯に基づいて推定することができる。具体的には、発電量が連続して0になる時間帯のちょうど真ん中の時刻を午前0時と推定し、そこから現在までの経過時間を制御部10が備えるタイマーの値に基づいて求めれば、それが推定現在時刻(午前0時からの経過時間)となる。例えば、発電量が正から0になった時のタイマーの値をTs、発電量が0から正になった時のタイマーの値をTe、現在のタイマーの値をTcとすると、推定現在時刻(午前0時からの経過時間)は、Ts<Teの場合は「Tc−(Ts+Te)÷2」で、Ts>Teの場合は「Tc−(Ts+Te)÷2+12時間」で表すことができる。
ここで、TsやTeは、発電情報記憶部26に格納されている発電情報を過去の情報から時系列順に見ていき、発電量が正の値から0に切り替わった時の時間情報をTs、0から正の値に切り替わった時の時間情報をTeとすれば良い。
また、発電量0が数時間以上継続した後に発電量が0よりも大きくなった場合は日の出時刻を迎えたことが推定でき、発電量が一度ピークを迎えた後に発電量が日の出時刻の時と同等の低い値になった場合は日没間近であることが推定できる。そして、日の出の時刻や日没の時刻は、前日のそれらの時刻から大きく変化することは無いため、前日の日の出時刻や日没時刻でのタイマーの値(上述のTeやTsに対応する)からT時間経過した時刻は「日の出(日没)の(24−T)時間前」であると推定することもできる。
上述した季節の推定は、発電パターンの情報として、最低限、発電量が連続して0になる時間帯の長ささえあれば可能である。さらに言えば、夜間長記憶部に発電量が連続して0になる時間帯の長さを半年分以上記憶させていれば、この時間帯の長さの変化率に基づいて、発電パターン情報が無くても季節の推定が可能になる。また上述した時刻の推定は、発電パターンの情報が無くても、発電量が0になっている時間帯に基づいて行うことができる。したがって、後述する天候の推定が不要な場合は、発電パターン記憶部27に記憶する情報は、発電パターンではなく、単に季節毎の夜の時間帯の長さだけでも良い。さらに、天候の推定も季節の推定も不要な場合(及び天候の推定が不要で季節の推定は夜間長記憶部に記憶されている情報に基づいて行う場合)は、発電パターンは不要となるので、この場合は、発電パターン記憶部27は無くても良い。
発電パターン記憶部27に晴天時の発電パターンしか記憶されていない場合は、天候の推定を、直近の実際の発電量と推定した季節の晴天時の発電パターンにおける推定現在時刻での発電量との比(「実際の発電量」÷「発電パターンにおける発電量」)の値に基づいて行うことができる。例えば、この比の値が0.8以上なら「晴天」、0.4以上0.8未満なら「曇天」、0.4未満なら「雨」と推定することができる。もっともこの推定は単に明るさに基づく推定であり、実際の天候とは異なる可能性もある。そこで、この比の値を外部環境の情報の一つである「明るさ」の値として用いても良い。
発電パターン記憶部27に各天候での発電パターンも記憶されている場合は、天候や時刻の推定を、発電情報記憶部26に記憶されている過去24時間の実際の発電量と、推定した季節の各天候での発電パターンとを比較して行うことができる。比較の際は、過去24時間の実際の発電量データを、少しずつずらしながら発電パターンと比較していく。ずらす時間は、30分、1時間等、発電パターンの一つの時間帯に対応する時間以下の時間にするのが望ましい。例えば、過去24時間の実際の発電量データをn時間ずらす場合は、n時間前の発電量から現在までの発電量の後に、24時間前の発電量からn時間前までの発電量が続くデータを用いる。そして、最も類似する発電パターンが見つかったら、その発電パターンに対応する天候をその日の天候と推定する。そして、そのときの実際の発電量の時間をずらした量に基づき現在時刻を推定することができる。例えば、n時間ずらした場合に晴天時の発電パターンと最も類似することがわかったら、この日の天候は晴天であり、現在時刻はn時と推定できる。
ただし、この推定は、天候が一日の間中変化しないことを前提とした推定になる。天候が変化する場合は、各時間帯で、実際の発電量を各天候の発電パターンと比較して、最も近い発電パターンに対応する天候を、その時間帯の天候と推定したり、各天候の発電パターンをどのように組み合わせれば現在の実際の発電量を近似できるかを公知の推論アルゴリズムを用いて求めたりすることで、各時間帯の天候や現在時刻を推定可能である。
以上説明したように、実施の形態3に係る情報端末システム3000によれば、遮光設備の開閉状態を表現するだけでなく、天候、時刻、季節等の外部環境に応じてメッセージの出力や太陽等のシンボル画像の描画を行うことができる。この結果、ユーザは外部環境と遮光設備の開閉状態とを同時に把握できる。また、メッセージを出力することにより、ユーザが遮光設備の開閉をし忘れている事に気づきやすくすることができる。
(実施の形態4)
上述した実施の形態3では、遮光設備の開閉制御ができなかったので、例えば、「遮光設備が開いています」というメッセージが出力されたら、ユーザは手動で遮光設備を閉める必要があった。電動遮光設備を用いることで、ユーザが開閉しなくても、自動的に開閉制御できる実施の形態4について、説明する。
本発明の実施の形態4に係る情報端末システム4000は、図45に示すように、情報端末装置1と、1つ以上の電動遮光設備5と、表示装置3と、太陽光発電システム6と、を備える。実施の形態2に係る情報端末システム2000に、実施の形態3に係る情報端末システム3000が備える太陽光発電システム6が追加された構成である。また、実施の形態3に係る情報端末システム3000において、遮光設備開閉センサ2を電動遮光設備5に置き換えた構成とも言える。実施の形態2と同様に、情報端末装置1がスマートホンやタブレット等の表示デバイスを備えた情報端末装置1である場合は、独立した表示装置3を備えなくても良い。この場合は、情報端末装置1が表示装置3を含む。
ここで、表示装置3及び電動遮光設備5は、実施の形態2の表示装置3及び電動遮光設備5と同じである。また、太陽光発電システム6は実施の形態3の太陽光発電システム6と同じである。
情報端末装置1は、電動遮光設備5から、開閉状態の情報を受け取り、その情報に基づき、各電動遮光設備5の開閉状態を建屋内の設置場所と共に提示する画面を構築し、表示装置3に出力することができる。この点は、実施の形態2と同じである。
情報端末装置1は、図46に示すように、機器制御部15、操作画面生成部16、制御内容取得部17及び入力部33を備えることにより、電動遮光設備5の開閉を制御可能である。また、外部環境推定部18、発電情報記憶部26、発電パターン記憶部27、判定条件記憶部28及び発電情報取得部34を備えることにより、建屋の周囲の外部環境を推定可能である。そして、画面構築部14は、機器状態取得部11、画像取得部12及び位置取得部13で取得した情報に基づく模式図や間取り図に、外部環境推定部18で推定した外部環境の情報を付加した画面を構築する。図46のこれ以外の構成要素は、図2に示す同じ符号の構成要素と同じである。
また、上述した図2から追加された構成要素も、図33及び図41に示す同じ符号の構成要素と同じであるため、これらの構成要素の説明は省略する。ただし、判定条件記憶部28に記憶される処理内容は、出力だけでなく、電動遮光設備5の制御に関する処理内容も含めることができるので、これについて説明する。
実施の形態4における判定条件記憶部28には、図47に示すように、処理内容に電動遮光設備5の制御処理を含めることができる。図47の上から一つ目の例は、日没の30分前に電動遮光設備5から取得した値が「全閉鎖」でなければ、「遮光設備が開いています」というメッセージを出力する処理を行うように設定している。これは実施の形態3における判定条件記憶部28と同様である。また、上から二つ目の例は、季節が夏季で、天候が晴天の場合に、日の出1時間後に、電動遮光設備5から取得した値が「全閉鎖」でなければ、電動遮光設備5を全閉鎖する制御を行うように設定している。夏季は日の光が室内に入らないようにするための制御である。
また、図47の上から三つ目の例は、日没時刻になっても電動遮光設備5がまだ全閉鎖になっていなければ、電動遮光設備5を全閉鎖する制御を行うように設定している。また、上から四つ目の例は、季節が冬季で、天候が晴天の場合に、日の出1時間後に、電動遮光設備5から取得した値が「全開放」でなければ、電動遮光設備5を全開放する制御を行うように設定している。冬季は日の光を室内に入れるようにするための制御である。
実施の形態4に係る情報端末装置1が行う画面構築処理は、実施の形態3に係る情報端末装置1が行う画面構築処理と同じであり、図44の処理フローで示される。また、実施の形態4に係る情報端末装置1による、電動遮光設備5の開閉制御処理は、実施の形態2に係る情報端末装置1が行う開閉制御処理と同じであり、図34の処理フローで示される。したがって、電動遮光設備5が開閉制御された場合は、図34のステップS905〜ステップS908の処理により、開閉制御が正常に行われたか否かを画面上でわかりやすく確認することができる。
以上説明したように、実施の形態4に係る情報端末システム4000によれば、遮光設備の開閉状態を表現するだけでなく、天候、時刻、季節等の外部環境や、電動遮光設備5の開閉状態に応じて、自動的に電動遮光設備5の開閉を制御することができる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、遮光設備開閉センサ2以外に、他の機器・設備の状態を取得するセンサを備え、そのセンサが取得した状態を、画面に表現させることも可能である。また、別途センサを備えずに、その機器・設備自体が備える状態通知機能を用いても良い。そして、上述した各実施の形態を、実施の形態1の変形例と組み合わせることにより、間取り図の画面構築において、表示するアイコンの機器種別を自由に変更することも可能である。例えば、エアコンの状態として、エアコンから設定温度及び現在気温を取得して、エアコンのシンボル画像やアイコン画像の位置に、設定温度及び現在気温を表示することが可能である。またテレビの状態として、現在のオン/オフ及び受信チャンネル等をテレビから取得して、テレビのシンボル画像やアイコン画像の位置に、現在のオン/オフ及び受信チャンネル等を表示することも可能である。
また、実施の形態1に係る情報端末システム1000において、スマートホンやタブレット等の情報端末を表示装置3として使用する場合、画面構築部14が遮光設備及び他の設備を含む建屋の間取り図又は模式図を描画するための描画情報を生成し、出力部32がこの描画情報を表示装置3に出力する構成としても良いことを説明した。スマートホンやタブレット等の情報端末を表示装置3として使用する場合、実施の形態1だけでなく、他の実施の形態においてもこの構成を取ることが可能である。
また、上述した実施の形態2や実施の形態4に係る情報端末システムは電動遮光設備5を含んでいたが、外部からの制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて動作する機能を持っている機器であれば、他にも様々な機器を接続して自動制御することができる。例えば車庫のシャッター、店舗のシャッター、植木や芝生等へ水撒きするスプリンクラー等を日の出や日没の時刻に合わせて自動制御するシステムも考えられる。そして、電動遮光設備5やその他の自動制御する機器が利用する電力は、太陽光発電システム6が発電する電力である必要はないため、夜間や雨天時等、太陽光発電システム6からの電力供給が困難な場合でも、問題なく自動制御することが可能である。
本発明の実施の形態に係る情報端末装置1のハードウェアは、例えば図48に示すように、プロセッサ1001、メモリ1002、インタフェース1003で構成されている。情報端末装置1の各機能はプロセッサ1001がメモリ1002に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。インタフェース1003は情報端末装置1と、遮光設備開閉センサ2、表示装置3、電動遮光設備5、太陽光発電システム6等の構成要素を接続し、通信を確立させるためのものであり、必要に応じて複数種のインタフェースから構成されてもよい。また、図48では、プロセッサ1001およびメモリ1002をそれぞれ一つで構成する例を示しているが、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実行してもよい。
また、上述のいずれの実施の形態においても、各機能は、通常のコンピュータによっても実施することができる。具体的には、上述の実施の形態では、制御部10が実行するプログラムが、記憶部20のROMに予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)及びMO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
なお、上述のいずれの実施の形態においても、記憶部20に含まれる各部(画像情報記憶部21、建屋情報記憶部22、機器状態記憶部23、発電情報記憶部26、発電パターン記憶部27、判定条件記憶部28等)は、これらの一部乃至は全てを、情報端末装置1が備えず、通信ネットワークを介して接続された他の情報端末装置1、記憶装置、クラウドサーバ等から取得する構成であってもよい。
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。