JP2017194924A - エネルギー供給計画策定装置及びエネルギー供給計画策定プログラム - Google Patents

エネルギー供給計画策定装置及びエネルギー供給計画策定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】熱電併給型のエネルギー供給システムに対して実行可能なエネルギー供給計画を策定するエネルギー供給計画策定装置を得ること。【解決手段】エネルギー供給計画策定装置100は、エネルギー供給機器の特性、作業計画、物理的制約条件、接続関係及び需要データを少なくとも含む入力データ200aを設定するデータ設定部1と、データ設定部1に設定された入力データ200aを用いてエネルギー供給機器の接続状態を設定する機器接続設定処理を含む複数の処理を行い計画対象期間の計画策定結果を演算する計画策定部2と、計画策定部2の計画策定結果から出力に必要な形式の結果データを算出する結果処理部3とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電併給型のエネルギー供給機器の運用制約を満足するエネルギー供給計画策定装置及びエネルギー供給計画策定プログラムに関する。
熱電併給型のエネルギー供給システムに対して、運転スケジュールである供給計画を策定するには、各機器の特性及び物理的な制約条件といった様々な要素を考慮しなければならない。特に起動停止計画は、混合整数計画問題として定式化されるため、計算対象となる機器台数及び時間断面数が多くなるにつれて組み合わせ数が増大し、求解が困難になるという課題があった。そのような課題に対し、特許文献1では、ラグランジュ緩和法を適用し制約条件を緩和して発電機毎の部分問題として独立して取り扱うと共に、起動停止回数制約及び燃料消費量制約を統合的に考慮して全体運転コストが最小となる運転スケジュールを策定していた。特許文献2では、ナップサック問題の解法で熱電併給型のエネルギー供給システムの起動停止計画を決定していた。特許文献3では、運転計画期間を複数に分解して熱電併給型のエネルギー供給システムの運転計画を解くことで演算時間を短縮していた。
特開2008−154430号公報 特開2009−282799号公報 特開2010−169328号公報
特許文献1では、火力発電機を対象としており、言い換えれば、燃料を電力に変換する機器のみを扱っていた。コージェネレーションシステムを代表とする熱電併給型のエネルギー供給機器は、燃料を電力に変換するだけでなく、燃料を同時に電力及び熱に変換し、燃料を熱に変換し、電力を熱に変換し、蒸気または温水を冷水に変換するといった様々な変換があり、従来技術をそのまま熱電併給型のエネルギー供給システムに応用することができなかった。特許文献2では、対象とする機器の台数及び時間断面数が増加すると、組み合わせ爆発を起こすため、良好な起動停止計画が得られないという問題があった。特許文献3では、運転計画期間を複数に分解して解くため、起動停止回数制約といった、期間をまたぐような制約には対応できないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱電併給型のエネルギー供給システムに対して実行可能なエネルギー供給計画を策定するエネルギー供給計画策定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のエネルギー供給計画策定装置は、エネルギー供給機器の特性、作業計画、物理的制約条件、接続関係及び需要データを少なくとも含む入力データを設定するデータ設定部と、データ設定部に設定された入力データを用いてエネルギー供給機器の接続状態を設定する機器接続設定処理と、データ設定部に設定された入力データを用いてエネルギー供給機器のそれぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定処理と、起動停止状態初期データ設定処理において初期起動状態とされたエネルギー供給機器に対して特定のアルゴリズムを用いて出力を決定する機器初期出力決定処理と、エネルギー供給機器のそれぞれの部分問題として機器初期出力決定処理で算定された値に基づいて動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する部分問題処理と、起動停止スケジュール案が他のエネルギー供給機器への影響を考慮して実行可能か否かを判定する実行可否判定処理と、実行可否判定処理で実行可能と判定された起動停止スケジュール案を特定の基準で選択しエネルギー供給機器の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更処理と、起動停止スケジュール変更処理により起動停止状態が決定している複数のエネルギー供給機器の出力を決定する機器出力決定処理とを行い、計画対象期間の計画策定結果を演算する計画策定部と、計画策定部の計画策定結果から出力に必要な形式の結果データを算出する結果処理部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、熱電併給型のエネルギー供給システムに対して実行可能なエネルギー供給計画を策定することができる、という効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置に入力される入力データを示す図 図2に示す電力契約データの一例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置で実行されるエネルギー供給計画策定のフロー図 図2に示す機器接続関係データの一例を示す図 図1に示す熱電併給型のエネルギー供給システムを構成する複数の機器の接続関係を示す図 図6に示す各エネルギーが他のエネルギーと比べて上流であるか下流であるかを設定するデータの一例を示す図 本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置で実行される処理において(11)式に示す需要バランス制約の判定式のイメージ図 図8の(a)から(e)に示す制約遵守可否の状態を説明するための図 本発明の実施の形態2に係るエネルギー供給計画策定装置で実行されるエネルギー供給計画策定のフロー図 図10に示す起動停止可能時刻判定処理S15の詳細なフロー図 実施の形態3に係るエネルギー供給計画策定装置のデータ格納部に保存されている機器接続関係データの一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係るエネルギー供給計画策定装置及びエネルギー供給計画策定プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置の構成を示すブロック図である。以下では実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置100を単に「計画策定装置100」と称する場合がある。
計画策定装置100は、熱電併給型のエネルギー供給システム200の運転スケジュールであるエネルギー供給計画を策定するために必要となる種々の入力データ200aの設定を行うデータ設定部1を備える。以下では熱電併給型のエネルギー供給システム200を単にシステム200と称する場合がある。
システム200は、複数のエネルギー供給機器A,B,C,D,E,Fを備える。以下では複数のエネルギー供給機器A,B,C,D,E,Fを単に「複数の機器」、「各機器」または「機器」と称する場合がある。システム200を構成する機器としては、具体的には以下の機器を例示できる。(1)ガスまたは石油といった燃料を消費して電力と熱とを出力するガスエンジン、ガスタービン、ディーゼルエンジン、または燃料電池。ここで述べる熱とは、蒸気または温水を例示できる。(2)電力を消費して蒸気または温水を出力するエコキュートまたはターボ冷凍機。(3)蒸気または温水を消費して冷水を出力する吸収式冷凍機。(4)蒸気または温水だけでなくガスを消費して冷水を出力するジェネリンク。
入力データ200aは、複数の機器のそれぞれの特性と、複数の機器のそれぞれの機器作業計画データと、複数の機器のそれぞれの物理的制約条件データと、複数の機器のそれぞれの機器接続関係データと、需要データとを含む。これらのデータの詳細は後述する。
また計画策定装置100は、入力データ200aに基づいて経済的なエネルギー供給計画を策定する計画策定部2と、計画策定部2が演算した計画策定結果に基づいて、出力に必要な形式の結果データを算出する結果処理部3とを備える。結果データとしては運転コストを例示できる。
また計画策定装置100は、データ設定部1、計画策定部2及び結果処理部3の少なくとも1つの演算結果を画面上に表示する表示部4を備える。なお計画策定装置100は、計画策定装置100の内部に設けられた表示部4の代わりに、計画策定装置100の外部に設けられた図示しない表示装置または出力装置に上記の演算結果のデータを出力して、当該表示装置に演算結果を表示させ、または当該出力装置から演算結果を出力させる構成としても良い。表示装置としては液晶表示装置を例示でき、出力装置としてはプリンタを例示できる。
また計画策定装置100は、データ設定部1に設定された入力データ200aと、計画策定部2による計画策定結果と、結果処理部3による処理の結果データとを格納するデータ格納部5を備える。なお計画策定装置100は、計画策定装置100の内部に設けられたデータ格納部5の代わりに、計画策定装置100の外部に設けられた記憶手段をデータ格納部5として利用する構成としても良い。
計画策定装置100としてはコンピュータを例示できる。データ設定部1には、マウスまたはキーボードといった図示しない入力手段を用いて操作者が入力した入力データ200aが設定される。表示部4は、結果処理部3による処理の結果を操作者が確認するための処理結果表示手段である。表示部4としてはパソコンに付属の液晶ディスプレイを例示できる。計画策定部2は、計画策定部2用のプログラムとして、コンピュータが備えるメモリに予め保存され、または、図示しない伝送媒体を介してコンピュータのメモリに保存されており、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)といったプロセッサが当該プログラムを実行することにより実現される。結果処理部3は、計画策定部2と同様に、プロセッサが結果処理部3用のプログラムを実行することにより実現される。データ格納部5は、コンピュータが備えるメモリ上にデータが記憶されることで構築されるデータベースとして実現される。
図2は本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置に入力される入力データを示す図である。図3は図2に示す電力契約データの一例を説明するための図である。
入力データ200aには、機器データ11、機器作業計画データ12、物理的制約条件データ13、機器接続関係データ14、需要データ15及び電力契約データ16が含まれる。
機器データ11は、複数の機器のそれぞれの入出力のエネルギー種別と、複数の機器のそれぞれの入出力上下限値と、複数の機器のそれぞれの起動パターンと、複数の機器のそれぞれの停止パターンと、複数の機器のそれぞれの起動費と、複数の機器のそれぞれの最小運転時間と、複数の機器のそれぞれの最小停止時間と、複数の機器のそれぞれの機器入出力特性である曲線係数といった、機器毎の特性を示すデータである。これらのデータは、複数のエネルギー供給機器A,B,C,D,E,Fのそれぞれに格納されている。
機器作業計画データ12は、複数の機器のそれぞれの定期点検作業により運転を停止する期間と、複数の機器のそれぞれの定期点検作業により出力値を一定に制限する期間といったデータである。
物理的制約条件データ13は、エネルギー供給計画を立案するにあたって満足すべき条件データである。物理的制約条件データ13の一例としては、複数の機器のそれぞれの入力値に関するデータと、複数の機器のそれぞれの出力値に関するデータと、複数の機器のそれぞれの起動停止回数の指定に関するデータを例示できる。
機器接続関係データ14は、複数の機器のそれぞれが他機器とどのように接続しているかを表したデータである。需要データ15は、エネルギー供給先の需要家が各時刻において電力を消費し、または当該需要家が各時刻において熱を発生しているかを予測する需要予測データである。
電力契約データ16は、電力事業者との間で売買する電力の上限値である契約電力と、電力事業者との間で売買する電力の単価とに関するデータである。具体的には図3に示すように電力契約データ16は、電力事業者から購入する電力の上限値である契約電力と、当該電力の購入単価と、電力事業者に販売する電力の上限値である最大販売電力と、当該電力の販売単価とを、時間帯毎に対応付けたデータテーブル形式のデータである。
機器データ11、機器作業計画データ12、物理的制約条件データ13、機器接続関係データ14、需要データ15及び電力契約データ16を含む入力データ200aは、データ設定部1に設定されると共にデータ格納部5に記憶される。入力データ200aは、キーボードを利用して直接入力したデータでも良いし、表示部4に表示される情報からマウスを用いて選択されたデータでも良いし、予め用意されたデータファイルから読み込むことでも良い。データファイルとしては、CSV(Comma Separated Values)に代表される2次元のデータテーブル形式でファイルに保存された電子ファイルを例示できる。
ここで計画策定装置100で取り扱う目的関数について説明する。計画策定装置100の目的は、エネルギー供給計画の対象期間である計画対象期間において、複数の機器のそれぞれの燃料費と、複数の機器のそれぞれの起動費と、電力売買費の総和とを、複数の制約条件を満足させながら最小化することである。燃料費が機器の出力の二次関数として与えられる場合、計画策定装置100で取り扱う目的関数は下記(1)式で記述される。
Figure 2017194924
上記(1)式では、tが時刻、iが機器の個別番号、aFが燃料単価、Fi_inが機器iの燃料消費量、SCiが機器iの起動費、uiが機器iの起動停止状態、e買が電力購入単価、E買が電力購入量、e売が電力販売単価、E売が電力販売量をそれぞれ表している。起動停止状態は起動が「1」で表され、停止が「0」で表される。
実施の形態1では、説明を簡略化するために、燃料は一種類であるとする。燃料が複数種類ある場合、上記(1)式のaF及びFを複数用意すれば良い。具体的には、複数のaFはaF1、aF2、・・・aFn(nは2以上の整数)であり、複数のFはF1、F2、・・・Fn(nは2以上の整数)である。
制約条件としては、各機器の入力上下限制約が下記(2)式、各機器の出力上下限制約が下記(3)式、各時刻の需給バランス制約が下記(4)式から(7)式にそれぞれ記述される。下記(4)式は電力の需給バランス制約、下記(5)式は蒸気の需給バランス制約、下記(6)式は温水の需給バランス制約、下記(7)式は冷水の需給バランス制約をそれぞれ表す。
Figure 2017194924
Figure 2017194924
Figure 2017194924
Figure 2017194924
Figure 2017194924
Figure 2017194924
なお上記(2)式では、Vi_inは機器iの入力、Vi_in_minは機器iの最小入力、Vi_in_maxは機器iの最大入力をそれぞれ表している。上記(3)式ではVi_outは機器iの出力、Vi_out_minは機器iの最小出力、Vi_out_maxは機器iの最大出力をそれぞれ表している。
上記(2)式及び上記(3)式では、機器iの起動停止状態を表すuiが0、すなわち停止状態であれば、入力及び出力が0となることを表している。上記(2)式及び上記(3)式では、Vは汎用的な値として示しているが、Vを、燃料を示すFに置き換え、電力を示すPに置き換え、蒸気を示すSに置き換え、温水を示すHに置き換え、冷水を示すCに置き換えることで、各機器に合わせた入出力上下限制約を記述することができる。ただし、機器によっては、複数の入力、複数の出力を持つ場合があり、そのような機器は、入力の上下限制約を複数、出力の上下限制約を複数持たせることにする。また、上記(4)式ではPdemが電力の需要予測、上記(5)式ではSdemが蒸気の需要予測、上記(6)式ではHdemが温水の需要予測、上記(7)式ではCdemが冷水の需要予測をそれぞれ表している。
上記(2)式から上記(7)式の制約条件以外にも、各機器には、最小運転時間または最小停止時間といった制約条件がある。最小運転時間は、停止している機器を起動すると運転を継続しなければならない最小時間である。最小停止時間は、運転している機器を停止すると停止を継続しなければならない最小時間である。また、起動パターンまたは停止パターンといった制約条件も考えられる。起動パターンは、起動時に機器の出力を上昇させるための固定出力パターンである。停止パターンは、停止時に機器の出力を減少させるための固定出力パターンである。
さらに制約条件としては、下記(8)式に示すように、エネルギー供給計画の対象期間に亘って機器の総燃料消費量に対する上下限制約を表す燃料消費量制約条件が考えられる。なお下記(8)式では、Qminが最小燃料消費量、Qmaxが最大燃料消費量をそれぞれ表している。
Figure 2017194924
また下記(9)式に示すように、エネルギー供給計画の対象期間に亘って各機器が実行する総起動停止回数の上限制約を表す起動停止回数制約条件も考えられる。なお下記(9)式では、NSSi_maxは機器iの最大起動停止回数を表している。
Figure 2017194924
実施の形態1では、燃料消費量が起動状態にある機器の出力による燃料の消費分で定義されているため、燃料消費量が機器の出力値及び起動停止状態に依存することになる。また、実施の形態1では、燃料消費量制約条件は燃料を消費する機器に対して設定されているものとして扱い、起動停止回数制約条件は起動停止を伴う機器に対して設定されているものとして扱う。
なお、実施の形態1においても、燃料消費量制約の下限制約量を0、上限制約量をエネルギー供給計画の対象期間で消費可能な最大量異常の値を与えれば、実質的に燃料消費量制約のない条件を模擬できることから、汎用的なモデルの一般性を失わない。さらに、起動停止回数制約についても、上限制約回数を供給計画の対象期間に対して十分に大きな回数を与えれば、実質的に起動停止回数制約のない条件を模擬できることから汎用的なモデルの一般性を失わない。
図4は本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置で実行されるエネルギー供給計画策定のフロー図である。計画策定装置100の計画策定部2は、データ格納部5に格納されている入力データ200aを読み込み、機器接続状態設定処理S10及び起動停止状態初期データ設定処理S11を行う。具体的には、計画策定部2は、機器データ11より機器データを参照し、機器作業計画データ12より作業計画データを参照し、物理的制約条件データ13より制約条件データを参照し、機器接続関係データ14より機器接続関係データを参照し、需要データ15より需要データを参照し、電力契約データ16より電力契約データを参照して、各機器における他機器との接続状態を設定する機器接続状態設定処理S10を行い、また各機器の起動停止状態の初期化を実行する起動停止状態初期データ設定処理S11を行う。
前述したようにシステム200を構成する機器は多種多様であり、その接続の仕方によっては、様々なパターンのシステム構成が可能である。計画策定部2は、機器接続状態設定処理S10において、機器接続関係データ14を参照して、このような機器の接続状態を設定する。具体例を以下に示す。
図5は図2に示す機器接続関係データの一例を示す図である。図6は図1に示す熱電併給型のエネルギー供給システムを構成する複数の機器の接続関係を示す図である。図7は図6に示す各エネルギーが他のエネルギーと比べて上流であるか下流であるかを設定するデータの一例を示す図である。
図6に示すシステム200では、機器A,Bは、燃料に含まれるエネルギーaを用いて発電すると共に温水を作り、電力を機器C、機器Dまたは需要300へ供給し、温水を機器E、機器Fまたは需要300へ供給する。また機器Cは、機器A,Bから供給される電力に含まれるエネルギーbを用いて冷水を作り需要300へ供給する。また機器Dは、機器A,Bから供給される電力に含まれるエネルギーbを用いて温水を作り機器E、機器Fまたは需要300へ供給する。また機器E,Fは、機器A,B,Dから供給される温水に含まれるエネルギーcを用いて冷水を作り需要300へ供給する。冷水にはエネルギーdが含まれているものとする。
このように図6に示すシステム200では複数の機器A,B,C,D,E,Fがエネルギーを介して相互に接続されている。図6に示すようなシステム200では、ガスエンジンまたはガスタービンで燃料を消費して電力及び熱を発生し、その電力及び熱の一部を下流のエネルギー変換機器で消費して別の熱源を生成するという流れになっている。エネルギー変換機器は吸収式冷凍機またはターボ冷凍機を例示できる。
図6のシステム200において、エネルギーが図6の紙面左側から紙面右側へ流れていくとすると、エネルギーaが最上流のエネルギーとなり、エネルギーbが次に上流であり、エネルギーcがその次に上流であり、エネルギーdが最下流のエネルギーとなる。
このように、機器接続状態設定処理S10では、各機器の接続状態を設定する中で、対象とするシステム200において、図7に示すように燃料、電力、温水および冷水といった各エネルギーの各々が他のエネルギーと比べて上流であるか、下流であるかも併せて設定する。また、機器の接続状態によっては、2つ以上のエネルギーが同位となることもあり得る。なお、同じエネルギーである温水が2系統以上ある場合、機器接続関係データ14が、温水を「温水1」、「温水2」といった具合に名称を区別することで、異なる系統とすることができる。
計画策定部2は、起動停止状態初期データ設定処理S11において、全期間の各時刻において起動状態の指定可能な機器に対して起動状態となるように初期化する。このとき、計画策定部2は、機器作業計画データ12より作業計画データを参照して、作業停止期間中の機器は起動状態の指定が不可能として、停止状態で初期化する。
次に、図4に示すフロー図では、計画策定部2は、起動状態にある全ての機器に対して特定のアルゴリズムを用いて初期出力を決定する機器初期出力決定処理S12を実行する。初期出力を決定するアルゴリズムとしては、全ての機器の増分燃料費が等しくなるように各機器の出力を割り振る等増分燃料コスト法を例示できる。この等増分燃料コスト法は、電力事業者が発電計画の策定を行うとき従来から一般的に使用されているものであり、燃料費が最小となるように起動状態にある各機器の出力を決定する方法である。なお、等増分燃料コスト法については、高橋一弘著、「電力システム工学」、コロナ社に詳述されている。実施の形態1では、機器の入力は燃料以外である場合もあるため、等増分燃料コストを、単に、等増分コストと呼ぶことにする。
次に、図4に示すフロー図では、計画策定部2は、機器初期出力決定処理S12で算定された各時刻の等増分コストを示すλ値を利用することにより、全機器を対象にしたエネルギー供給計画問題を、各機器の部分問題として処理する部分問題作成処理S13を実行する。具体的には、計画策定部2は部分問題作成処理S13において、各時刻のλ値である等増分コストを利用することにより、全機器を対象にしたエネルギー供給計画問題を、単一機器からなり、単一機器の起動停止状態を決定する最大NG個の独立した各問題として、上記(1)式を下記(10)式に変換する。NGは機器数とする。ただし下記(10)式のλi_inは機器iの入力側のエネルギーに対する等増分コストであり、λi_outは機器iの出力側のエネルギーに対する等増分コストである。ここで、機器iの入力が燃料である場合は、λi_inは燃料単価aFであるとする。
Figure 2017194924
次に、図4に示すフロー図では、計画策定部2は、複数ある部分問題から最初の部分問題を選択する選択処理S14を実行する。
次に、図4に示すフロー図では、計画策定部2は、動的計画法(Dynamic Programming)によりエネルギー供給計画の対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理S17を実行する。計画策定部2は、機器の初期状態が全て起動状態とされており、最小運転時間/最小停止時間といった条件、または起動/停止パターンといった条件を満足しながら、各時刻の既起動状態を停止状態に変更するか否かのみを動的計画法で検討し、単一機器からなる部分問題に対して最適な多段決定方策、すなわち起動停止状態の遷移を策定する。
ここで、機器iの部分問題に対して動的計画法を適用するが、計画策定部2は、以下の実行可否判定処理S18により、需給バランス制約を満足する出力値の可能解が存在することを保証するように起動停止状態を決定する。
計画策定部2は、機器接続状態設定処理S10で設定したエネルギーの上流及び下流の設定に従い、最上流のエネルギーから順に、需給バランス制約を満足しているか否かを判定する。具体的には、最上流のエネルギーが電力であるとすれば、計画策定部2は、初めに電力の需給バランス制約を満足できるか否かを判定する。この判定では下記(11)式を用いる。ただし下記(11)式のPi_inは、機器iの電力の入力値であり、最小値Pi_in_minから最大値Pi_in_maxまで、取り得る値に幅があるものとする。
Figure 2017194924
図8は本発明の実施の形態1に係るエネルギー供給計画策定装置で実行される処理において(11)式に示す需要バランス制約の判定式のイメージ図である。図9は図8の(a)から(e)に示す制約遵守可否の状態を説明するための図である。上記(11)式の左辺を供給側、右辺を需要側とすると、需給バランス制約は、図8に示す(a)から(e)の状態に分けることができる。(a)から(e)の各状態で上記(11)式を満たすか否かを図9にまとめる。
図8の(a)、(b)の場合、需給バランス制約を満たすことができるので、引き続き下流の需給バランス制約を満たすか否かを判定する。図8の(c)、(d)の場合、需給バランス制約を満たすために需要側の機器の運転に制約を課した上で、下流の需給バランス制約を満たすか否かを判定する。図8の(e)の場合、需給バランス制約を満たすことができないので、その起動停止スケジュール案が実行不可能であると判定する。最下流の需給バランス制約まで満たすことができれば、その起動停止スケジュール案は実行可能であると判定する。図8の(c)、(d)の場合には、次の下記1−(1)から1−(4)のように需要側の機器の運転制約を課すこととする。
1−(1)供給側の値の合計から需要側の需要(機器の入力以外)の値を引く。
1−(2)上記1−(1)の値から、さらに需要側の機器の入力値の下限の合計を引く。
1−(3)上記1−(2)の値を、需要側の各機器の入力値の下限から上限までの範囲に対して按分する。
1−(4)上記1−(3)までで決定した需要側の機器の入力値の範囲及び需要側の機器の特性式に基づいて需要側の機器の出力範囲を決定する。
上記の処理を数値例で表すと次のようになる。まず、供給側の値の合計を5,000とする。需要側の値は、機器が2台あるとして、1代目の「機器1」の入力値が800から2,000、2代目の「機器2」の入力値が1,200から3,000、需要が1,500、すなわち需要側の値の合計を2,500から5,500とする。
2−(1)供給側の値5,000から、需要側の需要(機器の入力以外)の値1,500を引く。すると残り3,500は需要側の機器への供給となる。
2−(2)2−(1)の値3,500から、需要側の「機器1」の下限値800及び「機器2」の下限値1,200を引く。すると残りは1,500となる。
2−(3)需要側の「機器1」は上限値まで残り1,200(=2,000−800)供給でき、「機器2」は上限値まで残り1,800(=3,000−1,200)供給できる。この供給可能分に対して、2−(2)の値1,500を按分する。すると需要側の「機器1」には600、下流側の「機器2」には900供給することにする。
2−(4)従って、需要側の「機器1」には800から1,400の入力が可能となり、「機器2」には1,200から2,700の入力が可能となる。計画策定部2は、この機器の入力範囲から、機器の特性式に基づいて出力範囲を計算し、下流の需給バランス制約ではこの機器の出力範囲を使って判定を行う。
計画策定部2は、電力の次に上流のエネルギーが蒸気であるとすれば、次に蒸気の需給バランス制約を満足できるか否かを判定する。判定式は下記(12)式に示すような式となる。
Figure 2017194924
計画策定部2は、蒸気の次に上流のエネルギーが温水であるとすれば、次に温水の需給バランス制約を満足できるか否かを判定する。判定式は下記(13)式に示すような式となる。
Figure 2017194924
計画策定部2は、最下流のエネルギーが冷水であるとすれば、最後に冷水の需給バランス制約を満足できるか否かを判定する。判定式は下記(14)式に示すような式となる。
Figure 2017194924
何れの需給バランス制約においても、図8及び図9に示すような方法で、需給バランス制約を満足できるか否かを判定すると共に、下流の機器の出力範囲を絞る処理を行う。判定式が全て満足できれば、機器iの起動停止スケジュール案は実行可能である。判定式が1つでも満足できなければ、機器iの起動停止スケジュール案は実行不可能である。以上のように計画策定部2は、需給バランス制約を満足する出力値の可能解が存在することを保証するように起動停止状態を決定する。
以上のように、計画策定部2は、需給バランス制約を満足する、機器iの部分問題に対する起動停止状態を決定する。このとき計画策定部2は、機器iの部分問題に対する起動停止状態の変更に基づく単位変更電力当たりのコスト改善量Eiを、下記(15)式のように算定することができる。このコスト改善量Eiは、新しい起動停止スケジュール案と一緒に記憶される。コスト改善量Eiが正であれば、部分問題における新しい起動停止スケジュール案が全体のコストを改善することができることが分かる。なお下記(15)式では、ui’が機器iの新しい起動停止スケジュール案での機器の起動停止状態、TCiが動的計画法の適用前の機器iの総コスト、TCi’が動的計画法の適用後の機器iの総コストをそれぞれ表している。
Figure 2017194924
次に、図4に示すフロー図では、計画策定部2は、全ての部分問題を選択し尽しているか否かを判断する部分問題選択終了判定処理S19を実行する。部分問題選択終了判定処理S19において、計画策定部2は、部分問題を全て選択し尽くしていない場合(S19,No)、未選択部分問題選択処理S20に進み、未選択の部分問題の中から次の部分問題を選択し、起動停止スケジュール作成処理S17以降の処理を繰り返す。一方、計画策定部2は、部分問題選択終了判定処理S19において、部分問題を全て選択し尽くしている場合(S19,Yes)、演算終了判定処理S21に進む。
次に、計画策定部2は、上記(10)式に示した目的関数であるエネルギー費、起動費の合計値の改善を示す正の改善量を持つ新しい起動停止スケジュール案が存在するか否かを確認する演算終了判定処理S21を実行する。すなわち演算終了判定処理S21では目的関数を改善する変更案があるか否かの判断が行われる。計画策定部2は、演算終了判定処理S21において、正の改善量を持つ起動停止スケジュール案が存在しない場合(S21,No)、全体の計画演算を終了し、その結果を出力する出力処理S22へ進む。一方、計画策定部2は、演算終了判定処理S21において、正の改善量を持つ起動停止スケジュール案が少なくとも1つ以上存在する場合(S21,Yes)、起動停止スケジュール変更処理S23に進む。
次に、計画策定部2は、少なくとも1つ以上存在する正の改善量を持つ新しい起動停止スケジュール案のうち、最大の改善量を有する起動停止スケジュール案を採用する起動停止スケジュール変更処理S23を実行する。すなわち、起動停止スケジュール変更処理S23では、最もコスト改善が期待できる機器の起動停止スケジュール案に基づいて部分問題の計画を更新して、それ以外の機器の起動停止スケジュール案については変更を加えない。このとき、繰り返し計算において策定した新しい起動停止スケジュール案は全てリセットされる。
次に、計画策定部2は、更新された1つの機器の起動停止スケジュール案を含む全機器の起動停止状態に対して機器の出力を求める機器出力決定処理S24を実行する。機器出力決定処理S24は、等増分コスト法により各時刻の機器出力を経済的に決定する。機器出力決定処理S24の処理が終了すると、部分問題作成処理S13に戻り、上述した一連の処理を繰り返す。
次に、表示部4は、計画策定部2による出力処理S22の結果を、ディスプレイを代表とする表示画面に適時表示し、操作者に必要な結果を提供する。このように、実施の形態1に係る計画策定装置100では、システム200に対して、動的計画法を適用して各機器の起動停止スケジュール案を立案すると共に、エネルギーの流れを考慮して他の機器への影響を評価し、起動停止スケジュール案の実行可否を判定することにより実行可能なエネルギー供給計画を作成できる。また、実施の形態1に係る計画策定装置100では、運用者による結果の補正により処理を行っていた業務の負荷を軽減し効率化を図ることができる。
実施の形態1に係る計画策定装置100では、図4に示すフローチャートを用いてエネルギー供給計画を策定する装置について説明したが、本実施の形態はこれに限られず、図4に示すフローチャートのエネルギー供給計画の策定装置における各処理の実行手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムで実現しても良い。また当該プログラムはハードディスクに格納されているプログラムでも良い。さらに当該プログラムを記録した記憶媒体は、コンピュータで読取可能な記憶媒体であればCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)またはMO(Magneto−Optical disk)といった記憶媒体であっても良い。
以上に説明したように実施の形態1に係る計画策定装置100によれば、システム200に対して、動的計画法を適用して各機器の起動停止スケジュール案を立案すると共に、エネルギーの流れを考慮して他の機器への影響を評価し、起動停止スケジュール案の実行可否を判定することにより実行可能なエネルギー供給計画を策定することができる。
また実施の形態1に係る計画策定装置100は、データ設定部で入力された入力データ、計画策定部の計画策定結果、及び結果処理部の結果データを格納するデータ格納部と、少なくとも結果処理部の結果データを表示する表示部とを備える構成にしても良い。この構成により、さらに運用者による結果の補正により処理を行っていた業務を負荷軽減し効率化を図ることができる。
また実施の形態1に係る計画策定装置100では、機器初期出力決定処理と機器出力決定処理で用いる特定のアルゴリズムが等増分コスト法であり、機器出力決定処理で算定された値が等増分コストを表すλ値であるように構成しても良い。この構成により、λ値を簡易に入手でき、起動停止スケジュール案を高速に立案することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る計画策定装置100の構成は、図1に示す計画策定装置100と同様である。実施の形態1,2に係る計画策定装置100の相違点はエネルギー供給計画策定の処理内容である。図10は本発明の実施の形態2に係るエネルギー供給計画策定装置で実行されるエネルギー供給計画策定のフロー図である。実施の形態2では、処理S10からS14において実施の形態1と同じ処理が行われるが、処理S15からS17において以下の処理が行われる。
計画策定部2は、選択処理S14で選択した部分問題に対し、機器の停止が有効となる時刻を判断し特定する起動停止可能時刻判定処理S15を実行する。実施の形態2では、機器の初期状態を全て起動状態としている。また、起動停止回数の制約条件から見ると、制約内容は上限回数内で与えられるため、初期状態では必ず制約条件を満足する状態から検討を開始することになり、以降の処理では上限回数内で起動停止状態の変更を策定することになる。
一方、燃料消費量の制約条件から見ると、当該起動停止状態において取り得る出力値に相当する消費量が必ずしも制約条件を満足しているとは限らない。従って、燃料消費量の制約条件を満足していない場合、すなわち出力決定時の消費量が消費量上限制約量を超過している場合には、それ以降の処理で燃料消費量の制約条件を満足する方向で部分問題を処理することになる。燃料消費量の制約条件を満足している場合には、それ以降の処理で燃料消費量の制約条件から逸脱しないように部分問題を処理することになる。このように実施の形態2では、起動停止回数及び燃料消費量の制約条件が、各部分問題における起動停止状態の決定に際して統合的に考慮される。
図11は図10に示す起動停止可能時刻判定処理S15の詳細なフロー図である。当該処理において計画策定部2は、まず処理S150において、機器初期出力決定処理S12で策定されたλ値と、当該機器の起動停止回数の残存回数とを読み込む。
次に、図11に示すフロー図では、計画策定部2は、処理S150の結果を、開始時刻、終了時刻、λの形式で候補セットとしてメモリに格納する処理S151を行う。処理S152において計画策定部2はメモリに格納された全ての候補セットをλの昇順に並べ替える。処理S153において計画策定部2は、λが最小の候補セットを選択する。なお、処理S153では、選択済候補セットの数をゼロにセットする。
次に、処理S154において計画策定部2は、選択した候補セットが起動停止残存回数より少ないか否かを判断し、候補セットが起動停止残存回数以上の場合(S154,No)、S15の処理を終了し、候補セットが起動停止残存回数より少ない場合(S154,Yes)、処理S155に進む。
処理S155において計画策定部2は、開始時刻から終了時刻までの時間範囲が選択済候補セットと重複するか否かを判定し、時間範囲が選択済候補セットと重複していない場合(S155,Yes)、処理S156に進む、時間範囲が選択済候補セットと重複している場合(S155,No)、処理S157に進む。
処理S156において計画策定部2は、処理S153で選択した候補セットを選択済候補セットとしてメモリに登録する。なお、処理S156では、選択済候補セットの数を1つ繰り上げる処理も行う。一方、処理S157では、処理S152で並べ替えた全ての候補セットについて処理S154からS156を行ったか否かの判断を行う。全ての候補セットについて処理S154からS156を行っていない場合(S157,No)、計画策定部2は、処理S158において、次にλの小さい候補セットを選択する。全ての候補セットについて処理S154からS156を行っている場合(S157,Yes)、計画策定部2はS15の処理を終了し、図10に示すS16の処理を行う。
このように実施の形態2に係る計画策定装置100の計画策定部2は、起動停止可能時刻判定処理S15において、起動停止回数以内の選択済候補セットの開始時刻から終了時刻までの範囲を停止可能時刻として判定する。
次に、図10に示すフロー図では、計画策定部2は、停止オプションを全てゼロにする初期化を行う起動停止可能時刻設定処理S16を実行する。その後、計画策定部2は、起動停止可能時刻判定処理S15で停止可能時刻として判定された選択済候補セットに包含される時刻に対してのみ、停止オプションを1(停止可能)と設定する。
次に、図4に示すフロー図では、計画策定部2は、動的計画法によりエネルギー供給計画の対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理S17を実行する。実施の形態2の計画策定部2は、機器の初期状態が全て起動状態とされており、最小運転時間/最小停止時間といった条件、または起動/停止パターンといった条件を満足しながら、各時刻の既起動状態を停止状態に変更するか否かのみを動的計画法で検討し、単一機器からなる部分問題に対して最適な多段決定方策(=起動停止状態の遷移)を策定する。
また、実施の形態2では、長期間のエネルギー供給計画における起動停止回数制約及び燃料消費量制約を考慮した起動停止状態の経済性を検討するために動的計画法を拡張している。実施の形態2に係る動的計画法では、部分問題の各時刻の状態において一般的な動的計画法に従って次に遷移可能な状態を最小運転時間/最小停止時間、または起動/停止パターンの条件を反映して計画を限定し、さらに各時刻の状態に対して停止状態への遷移を制御する停止オプションを用いて計画を限定している。すなわち、実施の形態2に係る動的計画法では、停止オプションを持つ期間のみが停止状態の検討を行うことができる。なお、停止オプションは、0(停止権利なし)または1(停止権利あり)の二値で表されるものとする。停止時刻以後の起動状態への遷移には、最小運転時間/最小停止時間、または起動/停止パターンの条件を参照して、動的計画法にて自動的に検討されるものとし、特にその他の制限はない。
起動停止スケジュール作成処理S17では、計画策定部2は、機器iの部分問題に対して動的計画法により停止オプションを考慮して最適な起動停止状態を決定し、機器iの新しい起動停止スケジュール案としてメモリに記憶する。図10の処理S18以降は実施の形態1と同様であるため説明を割愛する。
このように実施の形態2に係る計画策定装置100は、システム200に対して、起動停止回数制約及び燃料消費量制約といった機器の運転上の各種制約条件を統合的に考慮して、エネルギー供給計画を策定することができる。
また実施の形態2に係る計画策定装置100の部分問題処理では、機器初期出力決定処理で算定された値と残存停止回数に基づいてエネルギー供給機器の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定処理と、起動停止可能時刻判定処理の結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定処理と、起動停止可能時刻設定処理で設定された停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理とを行うように構成しても良い。この構成によりシステム200に対して、起動停止回数制約及び燃料消費量制約といった、機器の運転上の各種制約条件を統合的に考慮してエネルギー供給計画を策定することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る計画策定装置100の構成は、図1に示す計画策定装置100と同様である。実施の形態1及び実施の形態2ではシステム200の各機器が同時に電力及び熱を出力できるものとした。実施の形態3では、電力が伝わる速さよりも熱が伝わる速さが遅いことに着目し、熱の流れに時間遅れを考慮している。実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2における機器接続関係データ14の機器接続関係データに加えて、熱の時間遅れを設定したデータを、機器接続関係データ14aとする。ここで設定される熱の時間遅れとは、上流側の機器から出力された熱が自身に入力されるまでの時間、または、上流側の機器から出力された熱が需要300側に供給されるまでの時間を指す。
図12は実施の形態3に係るエネルギー供給計画策定装置のデータ格納部に保存されている機器接続関係データの一例を示す図である。図12に示す機器接続関係データ14aは、機器A、機器B及び機器Dから出力された温水が、機器E及び機器Fに入力されるまでTd1だけ時間がかかり、また需要300側に供給されるまでにTd2だけ時間がかかる場合、機器E及び機器Fには、需要300の温水時間遅れとして、Td1及びTd2を設定する。また機器C、機器E及び機器Fから出力された冷水が需要300側に供給されるまでにTd3だけ時間がかかる場合、需要300の冷水時間遅れとして、Td3を設定する。なお、この時間遅れは、温水または冷水を流す配管長の断面積及び長さに依存する。
次に需給バランス制約に時間遅れを考慮する。上流側の機器から出力された温水が、下流側の機器に入力されるまでTd1だけ時間がかかり、また需要300側に供給されるまでにTd2だけ時間がかかる場合、上記(6)式で表される温水の需給バランス制約は、下記(16)式のように、温水時間遅れTd1及びTd2を付加して表すことができる。蒸気といった他の熱についても同様にして需給バランス制約を考慮する。
Figure 2017194924
このように実施の形態3に係る計画策定装置100は、システム200のエネルギー供給計画策定において、需給バランス制約に時間遅れを考慮することにより、熱の伝達を正確に模擬したエネルギー供給計画を策定することが可能となる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 データ設定部、2 計画策定部、3 結果処理部、4 表示部、5 データ格納部、11 機器データ、12 機器作業計画データ、13 物理的制約条件データ、14,14a 機器接続関係データ、15 需要データ、16 電力契約データ、100 エネルギー供給計画策定装置、200 熱電併給型のエネルギー供給システム、200a 入力データ、300 需要。

Claims (7)

  1. 熱電併給型のエネルギー供給システムが備える複数のエネルギー供給機器のそれぞれの起動停止状態及び出力を決定するエネルギー供給計画策定装置であって、
    前記エネルギー供給機器の特性、作業計画、物理的制約条件、接続関係及び需要データを少なくとも含む入力データを設定するデータ設定部と、
    前記データ設定部に設定された前記入力データを用いて前記エネルギー供給機器の接続状態を設定する機器接続設定処理と、前記データ設定部に設定された前記入力データを用いて前記エネルギー供給機器のそれぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定処理と、前記起動停止状態初期データ設定処理において初期起動状態とされた前記エネルギー供給機器に対して特定のアルゴリズムを用いて出力を決定する機器初期出力決定処理と、前記エネルギー供給機器のそれぞれの部分問題として前記機器初期出力決定処理で算定された値に基づいて動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する部分問題処理と、前記起動停止スケジュール案が他のエネルギー供給機器への影響を考慮して実行可能か否かを判定する実行可否判定処理と、前記実行可否判定処理で実行可能と判定された前記起動停止スケジュール案を特定の基準で選択し前記エネルギー供給機器の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更処理と、前記起動停止スケジュール変更処理により起動停止状態が決定している複数の前記エネルギー供給機器の出力を決定する機器出力決定処理とを行い、前記計画対象期間の計画策定結果を演算する計画策定部と、
    前記計画策定部の前記計画策定結果から出力に必要な形式の結果データを算出する結果処理部と
    を備えることを特徴とするエネルギー供給計画策定装置。
  2. 前記データ設定部で設定された前記入力データ、前記計画策定部の前記計画策定結果、及び前記結果処理部の前記結果データを格納するデータ格納部と、
    少なくとも前記結果処理部の前記結果データを表示する表示部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー供給計画策定装置。
  3. 前記機器初期出力決定処理と前記機器出力決定処理で用いる特定のアルゴリズムは、等増分コスト法であり、前記機器出力決定処理で算定された値は、等増分コストを表すλ値であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギー供給計画策定装置。
  4. 前記部分問題処理では、
    前記機器初期出力決定処理で算定された値と残存停止回数に基づいて前記エネルギー供給機器の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定処理と、前記起動停止可能時刻判定処理の結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定処理と、前記起動停止可能時刻設定処理で設定された前記停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理とを行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のエネルギー供給計画策定装置。
  5. 前記部分問題処理では、需給バランス制約に熱伝達の時間遅れを考慮することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のエネルギー供給計画策定装置。
  6. 熱電併給型のエネルギー供給システムにおける複数のエネルギー供給機器それぞれの起動停止状態及び出力を決定するエネルギー供給計画策定プログラムであって、
    前記エネルギー供給機器の特性、作業計画、物理的制約条件、接続関係及び需要データを少なくとも含む入力データを用いて前記エネルギー供給機器の接続状態を設定する機器接続設定手段と、
    前記入力データを用いて前記エネルギー供給機器のそれぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定手段と、
    前記起動停止状態初期データ設定手段において初期起動状態とされた前記エネルギー供給機器に対して特定のアルゴリズムを用いて出力を決定する機器初期出力決定手段と、
    前記エネルギー供給機器のそれぞれの部分問題として、前記機器初期出力決定手段で算定された値に基づいて動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する部分問題手段と、
    前記起動停止スケジュール案が他のエネルギー供給機器への影響を考慮して実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、
    前記実行可否判定手段で実行可能と判定された前記起動停止スケジュール案を特定の基準で選択し前記エネルギー供給機器の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更手段と、
    前記起動停止スケジュール変更手段により起動停止状態が決定している複数の前記エネルギー供給機器からの出力を決定する機器出力決定手段と
    を備えることを特徴とするエネルギー供給計画策定プログラム。
  7. 前記部分問題手段は、
    前記機器初期出力決定手段で算定された値と残存停止回数に基づいて前記エネルギー供給機器の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定手段と、
    前記起動停止可能時刻判定手段の結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定手段と、
    前記起動停止可能時刻設定手段で設定された前記停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成手段と
    を備えることを特徴とする請求項6に記載のエネルギー供給計画策定プログラム。
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