JP2017191592A - 無線タグ装置、無線タグ通信装置、無線タグ通信システム - Google Patents

無線タグ装置、無線タグ通信装置、無線タグ通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】障害に強い無線タグ装置を提供するとともに、無線タグ装置から出力されるデータの衝突を抑制する技術を提供する。【解決手段】無線タグユニットは、複数の無線タグと、指向性変更部材とを有する。該部材は、複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする。無線タグ通信装置は,無線タグユニットと相対運動し,無線タグユニットごとに識別情報を得て,順序或いは得られた数に基づき,相対運動の方向の特定,或いは故障有無判定を行う。【選択図】図2

Description

この明細書に記載の実施形態は、無線タグが出力する電波の出力範囲を変更、調整する技術に関する。
識別情報を記憶した無線タグが普及しており、商品や機材等の物品に貼付するのみならず、建築物や道路周辺などにも無線タグが貼付され、管理され始めている。無線タグとして、識別情報などを記憶し、数cm〜数mの近距離無線通信を行うRFIDタグ(RFID:radio frequency identifier)がある。無線タグ通信装置(リーダライタ)でRFIDタグを読み取ると、読取られた識別情報に紐付けられた情報により、商品情報や位置情報などを入手することができる。
無線タグが破損などすると、無線タグ通信装置で無線タグを読み取ることができなくなる。この読み取り不可となる状況を回避するため、複数の無線タグを一体にして1つのユニットを形成し、このユニット単位で物品などに設置、貼付することが考えられる。この場合、たとえ1つの無線タグに障害が発生しても、他方の無線タグを読み取ることで、無線タグ通信装置はユニット単位で情報を得ることができる。
また読み取りの際、周波数やプロトコルの異なる複数の無線タグを用いることで、タグが故障した場合にも識別情報を読み取ることができるシステムも開示されている。
特開2007−334703公報
ここで、無線タグ通信装置が移動して無線タグを読み取る例について、図12を参照して説明する。無線タグ通信装置は、図12の矢印に示す方向に移動して、無線タグを複数有する無線タグユニット上を通過する。本例ではt2になった際に無線タグ通信装置が無線タグユニット上を通過する。無線タグ通信装置の電波範囲に入った無線タグは、識別情報(以下、必要に応じてタグIDと称する)をそれぞれ出力し、無線タグ通信装置がこれらタグIDを読み取る。
本例のように無線タグ通信装置と無線タグとの間で相対速度を有する状況下において、読取り処理を単純にするため、同じプロトコルの無線タグを用いると、無線タグ通信装置が通過する際ほぼ同時に2つの無線タグが起動する。同時起動すると、これらタグが同時に応答し、応答信号(電波)が空間で重なり(衝突し)、無線タグ通信装置側で正確にタグIDを読むことができない場合がある。この場合、受信側の無線タグ通信装置では、不正なデータとしてエラー扱いとなる。
一方、上記衝突を回避するため、周波数やプロトコルがそれぞれ異なる無線タグを用いると、無線タグ通信装置での動作や読取り方法が複雑になる。よって、その分読取り動作に時間がかかり、読み取りが完了する前に無線タグ通信装置が移動し、電波範囲外となってしまう可能性がある。
実施形態は、障害に強い無線タグ装置を提供するとともに、無線タグ装置から出力されるデータの衝突を抑制する技術を提供することを目的とする。
実施形態の無線タグ装置は、複数の無線タグと、第1部材とを有する。第1部材は、複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする。
実施形態の無線タグ通信装置は、複数の無線タグと、複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする第1部材を有する無線タグ装置と通信する、無線タグ装置と相対運動が形成される無線タグ通信装置であって、アンテナ部と、制御部とを有する。アンテナ部は、無線タグ装置の各無線タグから、無線タグごとに異なる、事前に定義される識別情報を受信する。制御部は、アンテナ部により識別情報の得られた順序或いは得られた数に基づき、無線タグ装置との相対運動の方向の特定、或いは前記無線タグ装置の故障有無判定を行う、無線タグ装置進行方向/故障判定機能を持つ。
実施形態の無線タグ通信システムは、無線タグ装置と、無線タグ通信装置とを含む。無線タグ装置は、複数の無線タグと、複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする第1部材とを有する。無線タグ通信装置は、無線タグ装置と通信する、無線タグ装置と相対運動が形成されており、アンテナ部と、制御部とを有する。アンテナ部は、無線タグ装置の各無線タグから、無線タグごとに異なる、事前に定義される識別情報を受信する。制御部は、アンテナ部により識別情報の得られた順序或いは得られた数に基づき、無線タグ装置との相対運動の方向の特定、或いは無線タグ装置の故障有無判定を行う、無線タグ装置進行方向/故障判定機能を持つ。
実施形態の無線タグ装置は、複数の無線タグを有する。複数の無線タグは、無線タグ装置、および当該無線タグ装置と通信する無線タグ通信装置のいずれか一方または両方が移動することで形成される相対運動の方向で、設置位置が異なっている。
実施形態の無線タグ装置は、複数の無線タグを有する無線タグ装置である。また複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが電波を受けて起動する。また第1無線タグは、他の無線タグが起動する前にクエリーを受信する位置に設置されている。
実施形態の無線タグ装置であって、複数の無線タグと、第1部材とを有する。第1部材は、複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグについて、所定軸方向での指向性を変える。
また実施形態の無線タグ通信装置は、所定方向において指向性が異なる複数の無線タグを有する無線タグ装置と通信する、所定方向で無線タグ装置と相対運動が形成される無線タグ通信装置である。この無線タグ通信装置は、アンテナ部と、制御部とを有する。アンテナ部は、無線タグ装置の各無線タグから、無線タグごとに異なる、事前に定義される識別情報を受信する。制御部は、アンテナ部により識別情報の得られた順序或いは得られた数に基づき、無線タグ装置との相対運動の方向の特定、或いは無線タグ装置の故障有無判定を行う、無線タグ装置進行方向/故障判定機能を持つ。
無線タグユニットの構成例を示すブロック図である。 無線タグ通信装置の構成例を示すブロック図である。 無線タグ通信部の内部構成例を示す図である。 指向性変更部材として壁部材を用いた場合の態様例を説明する図である。 指向性変更部材としてスロープ材を用いた場合の態様例を説明する図である。 指向性変更部材として壁部材を用いた場合の態様例を説明する図である。 指向性変更部材としてスロープ材を用いた場合の態様例を説明する図である。 無線タグユニットが保持しているデータのフォーマット例を示す図である。 従来構成での読取り動作の一例を示す図である。 実施形態の読取り動作の一例を示す図である。 実施形態の読取り動作の一例を示す図である(複数回読み取り)。 無線タグユニットと無線タグ通信装置とが相対速度を有する状況を説明する図である。
以下、本実施形態の態様について図面を用いて説明する。また実施形態で例示する無線タグユニットと無線タグ通信装置とは、図12に示すように、いずれか一方が移動することで相対速度を有するものとする。この態様の一例としては、車両などの移動体に無線タグ通信装置を設置しておき、無線タグ通信装置が、車両の移動に伴い通路上の通過ポイントに位置する無線タグユニットをそれぞれ読み取る例を挙げることができる。また、ベルトコンベア上に載置され、ベルトコンベアが回動することで進行する無線タグユニットを、固定の無線タグ通信装置で読み取る態様も、相対速度を有する読取シーンの別例として挙げることができる。これら以外にも、さまざまな応用例を挙げることができる。尚、無線タグユニットと無線タグ通信装置との両方が移動して相対速度を有する構成や、いずれも移動しない構成でも以下の実施形態を適用することができる。
図1は実施形態の無線タグユニットの構成例を示すブロック図である。無線タグユニットTG(無線タグ装置)は、商品や機材等の物品や通路上に配置されており、後述の無線タグ通信装置100で読み取られる。
無線タグユニットTGは、無線タグTG1、TG2の2つの無線タグを有する。無線タグTG1は、上記のRFIDタグである。無線タグTG1は、ICチップ11と、タグアンテナ16とを有する。タグアンテナ16は、後述の無線タグ通信装置100からの電波を受ける。ICチップ11は、受信した電波から起動電源を得る電源部15、識別情報(タグID)などを保存するタグ記憶部14、タグ記憶部14のデータを送受信するタグ無線送受信部13、および無線タグTG1の内部ハードウェアを制御するタグ制御部12を有する。
無線タグTG2も無線タグTG1と同様構成であり、ICチップ21、タグアンテナ26を有する。ICチップ21は、上記無線タグTG1と同様にタグ制御部22、タグ無線送受信部23、タグ記憶部24、電源部25を含む。尚、無線タグTG1、TG2は、従前の無線タグを用いてもよい。
無線タグユニットTGは、指向性変更部材3を有する。指向性変更部材3は、所定の軸方向について、無線タグTG1、TG2それぞれの電波放射の方向と強度との関係性(指向性)を変更するための部材である。この指向性変更部材3の具体例については後述する。
図2は、実施形態の無線タグ通信システムを例示した図であり、主に無線タグ通信装置の内部構成を示したものである。無線タグ通信システム500は、複数の無線タグユニットTG、および無線タグ通信装置100を含んでいる。または上位機器200を無線タグ通信システム500に含ませてもよい。無線タグ通信装置100は、通知部130、入力部140を有する。通知部130は、ディスプレイやブザーなどを含み、ユーザに状況を通知し、また設定するための画面を提供する。入力部140は、ユーザが操作する部位であり、物理ボタンでもよく、通知部130のディスプレイ上に配置したタッチパネルでもよい。
無線タグ通信装置100は、装置内に供給される電力を制御する電源部150、上位機器200との通信手段を提供する上位通信部160を有する。電源部150は、バッテリとその充電及び放電の制御回路からなる場合でもよい。また無線タグ通信装置100が移動体に設置される場合、当該移動体から電力を受ける制御回路を有してもよい。
無線タグ通信装置100は、無線タグ通信部120を有する。無線タグ通信部120はアンテナ121と接続しており、無線タグユニットTGと通信して各無線タグTG1、TG2に記憶されたタグIDなどを受信する。無線タグ通信部120の詳細については後述する。
無線タグ通信装置100は、制御部110を有する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置であるプロセッサ801を主体として構成されている。制御部110は、通知部130、入力部140、電源部150、上位通信部160、及び無線タグ通信部120を制御して、無線タグ通信装置100の全体を制御する。
制御部110は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む記憶部802を有する。ROMには、制御部110が使用するプログラムや設定データ等が予め格納されている。RAMには、制御部110の作用により、可変的なデータが一時的に書き込まれる。RAMは、無線タグ通信部120が受信した識別情報を含む読取情報などを格納する。尚、制御部110での制御機能の一部または全てをASIC(application specific integrated circuit)などの回路で実装してもよい。
制御部110には、無線タグ装置進行方向/故障判定機能803を有する。この機能の詳細については後述する。
上位機器200は、プロセッサ811、記憶部812を少なくとも有するコンピュータである。上位機器200は、無線タグユニットTGから得られたタグIDなどのデータに基づき、これに対応付けられた位置情報などのデータを例えばデータベースから取得し、加工などの処理を行う。また上位機器200は、無線タグユニットTGから得られたデータを、現在時刻などと対応付けてデータベースに蓄積してもよい。上位機器200と上位通信部160との通信は、有線/無線を問わず、従前より用いられるプロトコルで行われる。尚、上位機器200のこれら動作の一部については、他の外部サーバが行ってもよい。
図3は、無線タグ通信部120の具体的な構成を示すブロック図である。無線タグ通信部120は、無線タグTG1(無線タグTG2も同様)にデータを送信するための送信部502と、無線タグTG1からデータを受信するための受信部501と、サーキュレータ等の方向性結合器503と、ローパスフィルタ(LPF)504とを備える。方向性結合器503は、送信部502、受信部501及びローパスフィルタ504と接続し、ローパルフィルタ504を介してアンテナ121と接続している。
送信部502は、符号化部551、PLL(Phase Locked Loop)部555、振幅変調部552、バンドパスフィルタ(BPF)553及び電力増幅器(Amp)554を備えている。
符号化部551は、送信制御部541から出力される送信信号を符号化する。PLL部555は、振幅変調部552にローカルキャリア信号を供給する。振幅変調部552は、PLL部555からのローカルキャリア信号を、符号化部551にて符号化された送信信号で振幅変調する。バンドパスフィルタ553は、振幅変調部552で振幅変調された送信信号から、不要な成分を除去する。電力増幅器554は、送信出力設定部540からの送信出力設定信号に応じた増幅率で、バンドパスフィルタ553を通過した送信信号を増幅する。送信信号を増幅することにより、送信出力が可変される。電力増幅器554で増幅された送信信号は、方向性結合器503に供給される。
方向性結合器503は、送信部502からの送信信号を、ローパスフィルタ504を介してアンテナ121に供給する。アンテナ121に供給された送信信号は、アンテナ121から電波として放射される。
アンテナ121から放射された電波を受信すると、無線タグTG1は起動する。そして、起動した無線タグTG1は、無変調信号に対してバックスキャッタ変調を行うことにより、無線タグTG1の内部メモリに格納された情報を無線タグ通信装置100に無線送信する。無線タグTG1からの無線信号は、アンテナ121で受信される。
無線タグTG1からの無線信号をアンテナ121が受信すると、その受信信号がアンテナ121からローパスフィルタ504を介して方向性結合器503に供給される。方向性結合器504は、アンテナ121の受信信号、すなわち無線タグTG1からの信号を受信部501に供給する。
受信部501は、I信号生成部561、Q信号生成部562、I信号処理部514、Q信号処理部563及び受信信号レベル検出部527を備えている。
I信号生成部561は、第1ミキサ511と、ローパスフィルタ512と、2値化回路513とからなる。Q信号生成部562は、第2ミキサ519と、ローパスフィルタ520と、2値化回路521と、90度位相シフト器526とからなる。
受信部501は、方向性結合器503からの受信信号を、第1ミキサ511と第2ミキサ519にそれぞれ入力する。また、受信部501は、PLL部555からのローカルキャリア信号を、第1ミキサ511と90度位相シフト器526とに入力する。90度位相シフト器526は、ローカルキャリア信号の位相を90度シフトして、第2ミキサ519に供給する。
第1ミキサ511は、受信信号とローカルキャリア信号とを混合して、ローカルキャリア信号と同相成分のI信号を生成する。I信号は、ローパスフィルタ512を介して2値化回路513に供給される。ローパスフィルタ512は、I信号から不要な高周波成分を除去して、符号化されたデータ成分を取り出す。2値化回路513は、ローパスフィルタ512を通過した信号を2値化する。
第2ミキサ519は、受信信号と90度位相がシフトされたローカルキャリア信号とを混合して、ローカルキャリア信号と直交成分のQ信号を生成する。Q信号は、ローパスフィルタ520を介して2値化回路521に供給される。ローパスフィルタ520は、Q信号から不要な高周波成分を除去して、符号化されたデータ成分を取り出す。2値化回路521は、ローパスフィルタ520を通過した信号を2値化する。
I信号処理部514は、I信号同期クロック生成部515、I信号プリアンブル検出部516、I信号復号部517及びI信号エラー検出部518を含む。Q信号処理部563は、Q信号同期クロック生成部522、Q信号プリアンブル検出部523、Q信号復号部524及びQ信号エラー検出部525を含む。
受信部501は、I信号生成部561の2値化回路513で2値化したI信号を、I信号処理部514に供給する。またQ信号生成部562は、2値化回路521で2値化したQ信号を、Q信号処理部563に供給する。ここでI信号処理部514とQ信号処理部563は、その動作が共通である。このため、以下ではI信号処理部514について説明し、Q信号処理部563の説明は省略する。
I信号同期クロック生成部515は、2値化回路513からの2値化信号と同期したクロック信号を常時生成し、生成したクロック信号を、受信制御部530、I信号プリアンブル検出部516、I信号復号部517及びI信号エラー検出部518に供給する。
I信号プリアンブル検出部516は、I信号同期クロック生成部515からのクロック信号を基に、I信号の先頭に付されているプリアンブルを検出する。プリアンブルが検出されると、I信号プリアンブル検出部516は、受信制御部530に検出信号を出力する。プリアンブル検出信号を受信すると、受信制御部530は、I信号復号部517に復号開始の指令信号を供給する。I信号復号部517は、I信号同期クロック生成部515からのクロック信号に同期して、2値化回路513からの2値化信号をサンプリングする。そして、受信制御部530から復号開始の指令を受けると、そのサンプリングした2値化信号を復号する。復号されたデータは、受信制御部530に供給される。
受信制御部530は、復号されたデータをI信号エラー検出部518に供給する。I信号エラー検出部518は、復号されたデータのチェックコードからエラーの有無を検出する。そして、その検出結果を示すデータを受信制御部530に供給する。受信制御部530は、少なくともI信号或いはQ信号の一方で誤りが無い場合、正しくデータを受信したと判定する構成となっている。正しく受信した受信データは、制御部110の制御に従い、記憶部802に読取情報として格納される。
受信信号レベル検出部527は、ローパスフィルタ512を通過したI信号の振幅と、ローパスフィルタ520を通過したQ信号の振幅とをそれぞれ検出する。そして、大きい方の振幅の値を、受信信号レベルとして受信制御部530に通知する。或いは、ベクトル合成した値(√{I2+Q2})を受信信号レベルとして通知してもよい。
次に、無線タグユニットTGに備えられる指向性変更部材3の具体例について、図4〜図7を用いて説明する。
図4は、指向性変更部材3として、無線タグからの放射を遮る壁部材を設けた図である。図4(A)は、無線タグユニットTGを上方より視認したときの平面図であり、図4(B)は側面から視認したときの側面図である。図4(A)、図4(B)には、無線タグ通信装置100の進行方向を矢印で示している。この進行方向は、無線タグ通信装置100と無線タグユニットTGとのいずれか、もしくは一方が移動することで形成される相対運動の方向を示している。また図4(B)には、無線タグTG1、TG2の電波範囲も模式的に示している。尚、ここでの電波範囲は、無線タグTG1、TG2から出力される電波の放射方向と放射強度との関係性(指向性)として示される。
図4(A)、図4(B)の各図に示すように、無線タグTG1、TG2、および壁部材31、32がベース部材40上に配置されている。無線タグTG1および無線タグTG2の各配置位置は、進行方向の軸(X軸)で一致しており、進行方向と垂直を成す軸(Y軸)で異なる位置となっている。また高さ方向(Z軸方向)においては、無線タグTG1および無線タグTG2の位置は一致する。
壁部材31は、進行方向における無線タグTG1の下流側に位置する。壁部材32は、進行方向における無線タグTG2の上流側に位置する。壁部材31、32は、Y軸成分で互いに異なる位置となっている。壁部材31は、Y軸成分において無線タグTG1と一致し、壁部材32は、Y軸成分において無線タグTG2と一致する。
壁部材31は、進行方向の軸において、無線タグTG1から出力される電波を遮り、電波範囲を壁部材31側で狭めるための障壁として機能する。壁部材32も、無線タグTG2から出力される電波を遮り、電波範囲を壁部材32側で狭めるための障壁として機能する。同様に、図示しないが、無線タグ通信装置100から出力された電波も、壁部材31、32で遮られる。壁部材31、32を設置することで、無線タグTG1、無線タグTG2から出力される電波は、壁部材側での範囲が狭まるため、結果、壁部材が設置されていない方向に偏る指向性を有するものとなる。
図4(C)は、壁部材31と壁部材32とが無い場合の無線タグTG1および無線タグTG2の電波範囲を示す図であり、図4(B)と対比するための図である。進行方向での無線タグTG1、無線タグTG2は同位置であることから、壁部材31と壁部材32が無い場合、本来は、図4(C)に示すように進行方向での双方の電波範囲はほぼ一致する。図4(B)に示すように、障壁として機能する壁部材31、32を設けることで、無線タグTG1は紙面左方向(進行方向の上流側)に指向性を有し、無線タグTG2は紙面右方向(進行方向の下流側)に指向性を有するものとなる。無線タグTG1と無線タグTG2の読取開始位置は、図4(B)に示すように距離Lの分だけ異なったものとなる。
壁部材31、壁部材32を設け、無線タグ通信装置100が移動して無線タグユニットTGを読み取る場合、図4(A)、図4(B)に示すように、まずは無線タグTG1の電波範囲に到達し、次に無線タグTG2の電波範囲に到達する。これにより、無線タグ通信装置100は、まずは無線タグTG1を読み取り、次に無線タグTG2を読み取ることとなる。本例により、無線タグ通信装置100は、無線タグTG1、TG2の読取りタイミングをずらすことができ、衝突回避などの対策を行う事無く、無線タグTG1、TG2を読み取ることができる。
壁部材31と壁部材32は、電波の透過率が100%でない部材であれば良い。また本例のように、壁部材31と壁部材32とを両方設けてもよく、或いはどちらか一方のみとしてもよい。
尚、進行方向における無線タグTG1から壁部材31までの距離、無線タグTG2から壁部材32までの距離、壁部材31、32のZ軸方向の高さは、無線タグTG1、無線タグTG2のサイズ、形状、電波強度などや、どの程度電波範囲を異ならせるか(距離Lをどの程度確保するか)などに依拠し、設計される。また壁部材31、32の、X軸方向から視認した場合の形状は、本実施形態では矩形形状としているが、これに限定されない。例えば半円弧形状、三角形状など、設計上好適となる形状が選定されてもよい。
指向性変更部材3の別の態様例について、図5を用いて説明する。図5(A)、図5(B)は、高低差を形成する斜面を有するスロープ材33、34を指向性変更部材3として設けた図である。図5(A)は、無線タグ装置TGを上方より視認したときの平面図であり、図5(B)は側面から視認したときの側面図である。また図5(B)には、各無線タグの電波範囲を模式的に示している。
図5に示す無線タグユニットTGは、ベース部材40上に、スロープ材33、34を有し、これらスロープ材の斜面上に無線タグTG1、TG2が設置されている。無線タグTG1および無線タグTG2の各位置は、図4に示す無線タグユニットTGと同様、いずれも進行方向の軸(X軸)で一致しており、進行方向と垂直を成す軸(Y軸)で異なる位置となっている。
スロープ材33は、図5(B)に示すように傾斜面331を有し、無線タグTG1が傾斜面331上に設置されている。スロープ材34は、図3(B)に示すように傾斜面341を有し、無線タグTG2が傾斜面341上に設置されている。傾斜面331は、進行方向の上流側が低く、下流側に進むにつれて高くなる傾斜となっている。傾斜面341は、傾斜面331とは逆に、進行方向の上流側が高く、進行方向の下流側に進むにつれて低くなる傾斜となっている。このように、傾斜面331と傾斜面341とは互いに逆の勾配となっている。
図5(C)は、スロープ材33、34が無い場合の無線タグTG1、無線タグTG2の電波範囲を示す模式図であり、図5(B)と対比するための図である。本例において、進行方向での無線タグTG1、無線タグTG2とは同位置である。よってスロープ材33、34が無い場合、無線タグTG1、第2無線タグTG2の進行方向上の電波範囲は、双方でほぼ一致する(図5(C)参照)。図5(B)に示すように、異なる傾斜面上に無線タグTG1、無線タグTG2をそれぞれ配置することで、各無線タグの指向性を異ならせることができる。本例においても、無線タグTG1と無線タグTG2との読取りタイミングが異なり、無線タグTG1が先に読み取られ、その後、無線タグTG2が読み取られる。このように読取りタイミングを異ならせることで、衝突回避などの対策を行う事無く、双方のタグIDを読取ることができる。
なお、図5に示すようにスロープ材33、34を両方設けてもよく、或いはどちらか一方のみを設けても良い。また本例では、双方で逆の勾配となるようにしているが、態様はこれに限定されない。
上記図4、図5では、無線タグTG1、TG2が進行方向において同じ位置に配置されているが、以下では、進行方向において異なる位置に無線タグTG1、TG2が配置される場合について説明する。進行方向において異なる位置に各タグが設置される場合、この構成のみで先ずは一方の無線タグを読み、次に他方の無線タグTG2を読むことができるが、ここでは、より指向性を異ならせる実装例について説明する。
図6に示す例では、無線タグTG1と無線タグTG2との間に、無線タグからの放射を遮る壁部材35を設けている。壁部材35は、無線タグTG1、TG2から出力される電波をそれぞれ壁部材35の方向で遮って電波範囲を狭める。同様に、図示しないが、無線タグ通信装置100から出力された電波も、壁部材35で遮られる。これにより、壁部材35が設置されていない方向に指向性が偏るようになる。すなわち、図6(B)に示すように、進行方向上流側に位置する無線タグTG1の電波範囲は上流寄りとなり、進行方向下流側に位置する無線タグTG2の電波範囲は下流寄りとなる。
図6(C)は、壁部材35が設置されていない場合の無線タグTG1、TG2の電波範囲を示す図であり、図6(B)と対比するための図である。図6(C)に示すように、無線タグTG1、TG2の位置が進行方向の軸において既に異なっているため、その分電波範囲も異なる。これに加え、図6(B)に示すように、無線タグTG1と無線タグTG2との間に壁部材35を設けることで、さらに進行方向の軸での指向性を異ならせることができる。
尚、壁部材35は、電波の透過率が100%でない部材であれば何でも良い。壁部材35の高さ、幅などのサイズや、X軸方向から視認した場合の形状、設置位置(無線タグTG1と無線タグTG2との中間位置にするのか、いずれかに寄らすのか、など)は、無線タグTG1、TG2の電波強度、無線タグの部材サイズ、どの程度指向性を異ならせるかなどに依拠し、設計される。
図7は、無線タグTG1および無線タグTG2の進行方向の軸上の位置が異なる構成において、傾斜面を用いて指向性をさらに異ならせる態様を示した図である。図7(A)、図7(B)は、高低差を形成する傾斜面361を有するスロープ材36と、傾斜面371を有するスロープ材37とを図示している。図7(B)に示すように、進行方向上流側に位置する無線タグTG1は、上流側が低く、下流側に向かうにつれ高くなる傾斜面361上に設置されている。また一方、進行方向下流側に位置する無線タグTG2は、上流側が高く、下流側に向かうにつれ低くなる傾斜面371上に設置されている。
図7(A)、図7(B)に示す無線タグユニットTGを、進行方向の軸上を相対的に移動する無線タグ通信装置100で読み取る場合、衝突回避などの対策を行う事無く、先ず無線タグTG1を読み、次に無線タグTG2を読むことができる。スロープ部材36により、無線タグTG1の指向性は、図7(B)に示すように進行方向の軸に対してさらに上流側になる。スロープ部材37により、無線タグTG2の指向性は進行方向の軸に対してさらに下流側になる。
尚、図7(C)に示すように、無線タグTG1と無線タグTG2を進行方向の軸について異なる位置に配置するだけでも目的を達成させることができる。また本例では、スロープ材36、37を両方設けたが、どちらか一方を設けても目的を達成させることができる。
図6、図7に示す無線タグユニットTGは、各図面に示すように、無線タグ通信装置100の進行方向の軸において互いに位置が異なり、設置位置が互いにずれている無線タグTG1と無線タグTG2を含んでいる。このように、進行方向の軸で互いに位置を異ならせることのみでも、各無線タグから出力される電波が互いに干渉することを抑制し、データの衝突を抑制することができる。
次に、読取りデータのフォーマットについて図8を参照しつつ説明する。図8の上段に示すデータは、無線タグTG1のタグ記憶部14に記憶されており、下段に示すデータは、無線タグTG2のタグ記憶部24に記憶されている。「企業コード」は、製造業者を識別するためのコードである。「無線タグの配置場所に関する情報」は、当該無線タグを配置する物品などを識別するためのコートである。例えば「無線タグの配置場所に関する情報」は、商品種別を特定するためのコードであったり、管理ポイントの位置などを特定するためのコードであったりする。「企業コード」、「無線タグの配置場所に関する情報」は、無線タグTG1、TG2で共通となっている。「無線タグTG1(TG2)を示す情報」は、当該無線タグを一意に識別するためのコードであり、無線タグごとに異なっている。
図8に示すデータを読み取る際の動作例を図9〜図11に示す。まずは指向性変更部材3を有さない無線タグユニットを読み取る場合の、横軸を時間軸としたタイミングチャートを図9に示す。ここでは、RFIDの規格の一つであるISO18000-6typeCのプロトコルに準拠する例を示しており、1ラウンドあたりのスロット数を“2”とした場合である。本例では1つのスロットを4ミリ秒とする。よって図9の場合、1つのラウンドは8ミリ秒(4ミリ秒×2スロット)となる。
図9において、記号[Q]、[RN]、[A]、[ID]は、いずれも通信データを示しており、各通信データの先頭には、データの先頭を示すプリアンブル符号が含まれる。また、各通信データには、CRC(Cyclic Redundancy Check)符号などの誤り検出符号が含まれており、受信側ではCRC符号を用いてエラーを検出することができる。
先ず、無線タグ通信装置100は、無変調のキャリア信号を電波として送信する。無線タグTG1および無線タグTG2は、この電波を受けて起動する。各タグは、規格上定義されている規定時間、無変調のキャリア信号を受信し、これを電波の出力エネルギーとして蓄積する。
次に、無線タグ通信装置100は、第1ラウンドの読取開始を指令するためのQueryコマンド[Q]を送信する。このQueryコマンド[Q]は、無変調のキャリア信号の出力開始(タグが無変調キャリア信号の受信開始)から上記の規定時間が経過した以降に出力される。尚、このQueryコマンド[Q]を出力してから次のQueryコマンド[Q]を出力するまでの時間間隔は、例えば移動速度などに応じて、無線タグ通信システム500ごとなどで任意に指定、設定することができる。また、Queryコマンド[Q]を出力してから1ミリ秒後にQueryコマンド[Q]を出力し、さらに次のQueryコマンド[Q]は2ミリ秒後に出力するなど、Queryコマンド[Q]の出力時間間隔を毎回任意に異ならせることも可能となる。例えば移動速度が低速の場合はQueryコマンド[Q]の出力時間間隔を長めにとり、高速になるにつれ出力時間間隔を短くするなど、現在の移動速度に応じてQueryコマンド[Q]の出力時間間隔を変化させる実装も可能となる。
本例のQueryコマンド[Q]には、1ラウンドあたりのスロット数を“2”とするパラメータが含まれている。各無線タグはQueryコマンド[Q]を受信すると、乱数を生成する。そして、この乱数により、各無線タグTG1、TG2は、1ラウンド中の2つのスロットのうち、どのスロットで応答するかを決定する。また、同じく乱数により、各無線タグTG1、TG2は応答データ[RN]を生成する。応答データ[RN]は、生成した乱数を含むため、無線タグ毎に異なる値となる。また同じ無線タグでも乱数を生成する毎に異なる値となる。
例えば無線タグTG1がスロット0で応答し、無線タグTG2がスロット1で応答する場合など、それぞれが異なるスロットで応答する場合は衝突しない。これに対し、図9のラウンド1のように、同じスロットで各無線タグが応答する場合は衝突する。よって、1つのラウンド中に2つスロットがある場合、衝突の確率は1/2となる。衝突が生じた場合、無線タグ通信装置100は無線タグからタグIDなどの情報を入手することができない。
ラウンド1中のスロット0が終了すると、無線タグ通信装置100は次のスロット1に移行するために[Q]を送信するが、無線タグTG1、TG2は1つのラウンドで1回しか応答できない。よってラウンド1のスロット1では無線タグは応答しない。
次のラウンド2では、無線タグTG1がスロット0、TG2がスロット1を選択したため、衝突は発生しない。よって、無線タグ通信装置100は無線タグTG1、TG2からそれぞれ識別情報を入手することができる。
無線タグTG1からの応答データ[RN]を受信すると、無線タグ通信装置100は、その応答データ[RN]を正常に受信したことを指令するAckコマンド[A]を送信する。このAckコマンド[A]には、無線タグTG1から受信した応答データ[RN]の乱数が含まれる。
応答データ[RN]を送信した無線タグTG1は、Ackコマンド[A]を待機する。そして、Ackコマンド[A]を受信すると、無線タグTG1は自身が送信した応答データ[RN]の乱数が含まれているか否かを確認する。自身で生成した乱数が含まれている場合、無線タグTG1はAckコマンド[A]が自身宛であると認識する。自身宛のAckコマンド[A]を受信したならば、無線タグTG1はタグ記憶部14に記憶しているタグID情報[ID]を送信する。
Ackコマンド[A]を送信したら、無線タグ通信装置100は、タグID情報[ID]を待機する。そして、タグID情報[ID]を受信したら、CRCによる誤りの有無を検出し、誤りが無い場合には、受信したタグID情報[ID]を記憶部802に受信情報として記憶する。
ラウンド1のスロット0で示したように、ISO18000-6typeCの規格に準拠した無線タグが同時に起動する場合には、衝突が発生し、無線タグを読めないことがある。これを回避するため、ラウンド内のスロット数を増加させ、衝突の確率を低減させるようにすることも可能である。しかしながら、スロット数を増加させると、未使用となるスロット(例えば図9でのラウンド1のスロット1)が増加し、その分通信が発生しない時間も増加する。このことから、スロット数を増加させることによる時間的な不利益も生じ得るため、ラウンド内のスロット数を少なくすることが望まれる。
そこで本実施形態では、図4〜図7で説明した指向性変更部材3を設け、無線タグTG1と無線タグTG2の指向性を所定軸方向で異ならせて、各無線タグの読取りタイミングを異ならせる。また指向性変更部材3を設けることで、衝突を回避することができるため、ラウンド内のスロット数も少なくすることができる。図10では、図4〜図7で説明した指向性変更部材3を設け、無線タグTG1と無線タグTG2との指向性が異なるようにし、且つ、ラウンド内のスロット数を“1”に設定した場合のシーケンスを示す。
無線タグ通信装置100は、図4など示すように進行方向の軸を左から右方向に移動するものとする。無線タグTG1の指向性は軸の左側(上流側)に寄っており、無線タグ2の指向性は軸の右側(下流側)に寄っている。この状態で無線タグ通信装置100が軸の左側から右方向に移動していくと、先ず無線タグTG1が電波を受けて起動する。無線タグTG2が起動する前に無線タグ通信装置100が[Q]を送信すると、ラウンド1のスロット0では無線タグTG1のみが応答し、ID情報を返す。無線タグTG1は、ID情報を返答したので、以降のラウンドでは応答しないようにすることができる。
次に、ラウンド2の時に無線タグTG2が起動していれば、無線タグTG2はラウンド2のスロット0で応答し、ID情報を返す。同様に、以降のラウンドでは応答しないようにすることができる。図示しないが、仮にラウンド2で起動しておらず、ラウンド3で起動した場合には、ラウンド3のスロット0で応答する。
また、無線タグ通信装置100の記憶部802に、図8に示す情報を記憶させておき、無線タグTG1と無線タグTG2の送信データの中に、図8に示すそれぞれの無線タグの識別情報を含ませる。また、図4の左から右方向に移動する場合には、例えば、無線タグTG1が先に読めるように、無線タグ装置を配置する。無線タグ装置進行方向/故障判定機能803により、無線タグ通信装置100の進行方向(無線タグユニットと無線タグ通信装置100との相対運動の方向)を判定することができる。すなわち、先に無線タグTG1の識別情報を読んでから無線タグTG2の識別情報を読んだ場合、無線タグ通信装置100が図4の左から右方向に移動したことが分かる。一方、先に無線タグTG2の識別情報を読んで無線タグTG1の識別情報を読んだ場合、無線タグ通信装置100が図4の右から左方向に動いたことが分かる。また、事前に移動方向(例えば左から右)が分かっている場合には、無線タグ装置進行方向/故障判定機能803は、前記無線タグ装置に故障が無いと判定する。また、無線タグTG1、TG2のいずれか一方の識別情報しか取得できなかった場合、無線タグ通信装置100の無線タグ装置進行方向/故障判定機能803は、他方の無線タグに不具合が生じていると認定することも可能である。或いは、事前に無線タグ通信装置100の移動方向が分かっており、例えば、図4の左から右に移動している時に、無線タグTG2を先に読んで次に無線タグTG1を読んだ場合に、無線タグ通信装置100の無線タグ装置進行方向/故障判定機能803は無線タグ装置TGに何らかの異常が発生したと判定する。
なお、進行方向とは、無線タグ通信装置100と無線タグ装置TGの相対的な移動方向のことを示す。
上述動作を行う条件としては、無線タグTG1が電波を受けて起動し、無線タグTG2が起動する前に無線タグTG1が[Q]を受信することである。これを式に表すと、
L > v × tq
但し、
L :無線タグTG1と無線タグTG2の読取開始位置の差(図4〜図7に図示)
v :無線タグ通信装置100の移動速度
tq:無線タグが電波範囲に無い時のQueryの送信時間間隔
上記の式を満たせば、図10の読み取りシーケンスのように、無線タグTG1と無線タグTG2とを読み取ることができる。
また一方で、無線タグTG1、TG2から読んだタグIDの信頼性を高めるために、複数回読んで2つ以上一致している場合に、確かなタグIDと判定することができる。図11は、本例の無線タグ通信装置100の無線通信シーケンスを示している。
図11の例では、無線タグ通信装置100の制御部110が、タグIDを受信した後に直ぐにAckコマンド[A]を送信するよう、動作制御を行う。図11の例では、[ID]を2回得るようにAckコマンド[A]を2回送信している。2回読んで一致する場合に、読み込まれたタグIDの信頼性は高いものとする。仮に読んだ結果が一致しなかった場合、本例では再度Ackコマンド[A]を出して3回目の読み取りを行う。この3回目の読取りが前2回のいずれかと一致した場合、制御部110は、一致したタグIDについては信頼性が高いものであると判定する。このようにAckコマンド[A]を複数回連続して送信することで、短時間で識別情報を複数回読み取ることができる。
本実施形態の「通信」とは、信号やデータのやり取りができている状態を意味し、無線タグ通信装置と無線タグとの間で行われる、要求(コマンド)と応答(レスポンス)のやり取りを意味する。また、無線タグ通信装置がQueryを出力してから、無線タグがタグ内の情報を出力して通信装置が受信するまでの一連の動作を通信としてもよい。また、キャリアセンスを行っている状態や無変調キャリアを出力している状態は、本実施形態では通信として扱わないが、これらのいずれか、または両方を含めて通信としてもよい。
本実施形態では、無線タグ全体(ICチップおよびタグアンテナ)を斜面上に配置するなどして、指向性を変更するものとして説明したが、指向性についてはアンテナの向きに依拠するため、タグアンテナのみを斜面上に配置して向きを変える実装などでもよい。壁部材を設置する場合についても、無線タグ全体ではなくタグアンテナのみに影響を与えるように壁部材を設置してもよい。
本実施形態では、通信の一例として、無線タグ通信装置の読み取り動作に着目して説明しているが、無線タグ通信装置の無線タグに対するデータ書き込み動作にも、上記各実施形態の態様を適用させることができる。
本実施形態では、2つの無線タグを含む無線タグユニット(無線タグ装置)について説明したが、態様はこれに限定されず、3つ以上の無線タグを含んだ構成でもよい。また、上記図4〜図7を用いて説明した壁部材、スロープ材は、それぞれで組み合わせ可能であり、組み合わせることで無線タグの指向性を変更してもよい。
実施形態の壁部材31、32、35は、図4、図6に示すように、進行方向(所定方向)に沿って各無線タグと並んで配置され、無線タグに面して配置されている。また、実施形態のスロープ材33、34、36、37は、図5、図7に示すように、進行方向で高低差を形成する斜面を有するスロープ材であり、無線タグはスロープ材の斜面上に設置されている。
以上に詳説したように、実施形態では、一方の無線タグで障害が発生しても、他方の無線タグからデータを得ることができる。また同じプロトコルや同じ周波数となる無線タグを無線タグ装置内に用いても、各無線タグ間でのデータ衝突を抑制することができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
3 指向性変更部材(第1部材)
11、21 ICチップ、16、26 タグアンテナ、
31、32、35 壁部材、33、34、36、37 スロープ材、
100 無線タグ通信装置、110 制御部、120 無線タグ通信部、
121 アンテナ、130 通知部、140 入力部、150 電源部、
160 上位通信部、200 上位機器、500 無線タグ通信システム、
801、811 プロセッサ、802、812 記憶部、
TG 無線タグユニット(無線タグ装置)、
TG1、TG2 無線タグ。

Claims (11)

  1. 無線タグ装置であって、
    複数の無線タグと、
    前記複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする第1部材と、
    を有する無線タグ装置。
  2. 請求項1に記載の無線タグ装置において、
    前記第1部材は、前記無線タグから出力される電波の放射方向を制限する
    無線タグ装置。
  3. 請求項1または2に記載の無線タグ装置において、
    前記第1部材は、前記無線タグからの放射を遮る壁部材である
    無線タグ装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線タグ装置において、
    前記第1部材は、高低差を形成する斜面を有するスロープ材であり、
    前記無線タグは、前記スロープ材の前記斜面の上に設置されている
    無線タグ装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線タグ装置において、
    前記第1部材は、前記無線タグ装置、および当該無線タグ装置と通信する無線タグ通信装置のいずれか一方または両方が移動することで形成される相対運動の方向で、前記第1無線タグが他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする
    無線タグ装置。
  6. 請求項5に記載の無線タグ装置において、
    前記複数の無線タグのそれぞれは、少なくとも前記複数の無線タグごとに異なる識別情報を記憶し、前記無線タグ通信装置からの要求に応じて、前記識別情報を出力する
    無線タグ装置。
  7. 複数の無線タグと、前記複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする第1部材を有する無線タグ装置と通信する、前記無線タグ装置と相対運動が形成される無線タグ通信装置であって、
    前記無線タグ装置の各無線タグから、前記無線タグごとに異なる、事前に定義される識別情報を受信するアンテナ部と、
    前記アンテナ部により前記識別情報の得られた順序或いは得られた数に基づき、前記無線タグ装置との相対運動の方向の特定、或いは前記無線タグ装置の故障有無判定を行う、無線タグ装置進行方向/故障判定機能を持つ制御部と、
    を有する無線タグ通信装置。
  8. 無線タグ装置であって、
    複数の無線タグと、
    前記複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが、他の無線タグとは異なる指向性を持つようにする第1部材と、
    を有する無線タグ装置と、
    前記無線タグ装置と通信する、前記無線タグ装置と相対運動が形成される無線タグ通信装置であって、
    前記無線タグ装置の各無線タグから、前記無線タグごとに異なる、事前に定義される識別情報を受信するアンテナ部と、
    前記アンテナ部により前記識別情報の得られた順序或いは得られた数に基づき、前記無線タグ装置との相対運動の方向の特定、或いは前記無線タグ装置の故障有無判定を行う、無線タグ装置進行方向/故障判定機能を持つ制御部と、
    を有する無線タグ通信装置と、
    を含む無線タグ通信システム。
  9. 無線タグ装置であって、
    前記無線タグ装置、および当該無線タグ装置と通信する無線タグ通信装置のいずれか一方または両方が移動することで形成される相対運動の方向で、設置位置が異なっている複数の無線タグを有する
    無線タグ装置。
  10. 複数の無線タグを有する無線タグ装置であって、
    前記複数の無線タグのうちの少なくとも1つの第1無線タグが電波を受けて起動し、他の無線タグが起動する前に前記第1無線タグがクエリーを受信する位置に前記第1無線タグが設置されている
    無線タグ装置。
  11. 請求項10に記載の無線タグ装置であって、
    前記第1無線タグと前記他の無線タグとの読取開始の位置の差Lが以下の条件を満たすように、前記複数の無線タグが設置されている無線タグ装置。
    L > v × tq
    但し、
    v :前記無線タグ装置、および当該無線タグ装置と通信する無線タグ通信装置のいずれか一方または両方が移動することで形成される相対運動の方向での相対速度。
    tq:無線タグが電波範囲に無い時の、無線タグ通信装置によるクエリーの送信時間間隔。
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