JP2017190755A - 冷却装置 - Google Patents

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友章 廣澤
Tomoaki Hirosawa
友章 廣澤
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Abstract

【課題】冷却水の温度が過度に上昇することを軽減する技術を提供する。【解決手段】冷却回路9において、車両に搭載されるディーゼルエンジン2を冷却するための冷却水8が循環する。ラジエータ3は、冷却水8を冷却する。制御部30は、冷却水8をラジエータ3に流入させるための弁の開弁温度を制御する。ブレーキ検知部は、車両を制動させるための補助ブレーキ25の作動状態を検知する。負荷検知部は、ディーゼルエンジン2の負荷状態を検知する。制御部30は、ディーゼルエンジン2が無負荷状態であっても、補助ブレーキ25の作動時は補助ブレーキ25の非作動時よりも開弁温度を低くする。【選択図】図1

Description

本発明は、冷却装置に関し、特にディーゼルエンジンを駆動力とする車両に搭載される冷却装置に関する。
車両に搭載されているエンジンの冷却システムは、環状に接続されたラジエータ、ウォータポンプ、エンジン本体及びウォータポンプの吸入口へ分岐するサーモスタットと、同じく環状に接続されたウォータポンプ、エンジン本体及び水冷式のEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラとを、冷却水がそれぞれ循環する冷却回路を備えている(例えば、特許文献1参照)。
これらのサーモスタットは、冷却水の温度に反応して通路を自動的に開閉する一種の弁であり、エンジン始動時にエンジンの暖機を急速に行うためや、エンジンの負荷に対応して冷却水の温度を適温に保つために設けられるものである。サーモスタットが開弁すると冷却水はラジエータに流入して冷却される。
特開2002−227646号公報
エンジンの負荷に対応してサーモスタットが動作する場合、エンジン負荷に起因する熱によって冷却水の温度が過度に上昇する前にサーモスタットを開弁することによって、冷却水をラジエータで冷却することができる。しかしながら、この場合ではエンジンの負荷に起因せずに発生した熱によって冷却水の温度が上昇したとしても、サーモスタットが早めに開弁することがない。このため、条件によっては冷却水の温度が過度に上昇しかねないという問題が生じていた。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、冷却水の温度が過度に上昇することを軽減する技術を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、冷却装置である。この装置は、車両に搭載されるエンジンを冷却するための冷却水が循環する冷却回路と、前記冷却水を冷却するラジエータと、前記冷却水を前記ラジエータに流入させるための弁の開弁温度を制御する制御部と、前記車両を制動させるための補助ブレーキの作動状態を検知するブレーキ検知部と、前記エンジンの負荷状態を検知する負荷検知部と、を備える。ここで前記制御部は、前記エンジンが無負荷状態であっても、前記補助ブレーキの作動時は前記補助ブレーキの非作動時よりも前記開弁温度を低くする。
前記補助ブレーキは、第1補助ブレーキと、前記第1補助ブレーキとは異なる第2補助ブレーキとの少なくとも二つの補助ブレーキを備えてもよく、前記制御部は、作動している前記補助ブレーキの数が多い場合は、少ない場合よりも、前記開弁温度を低くしてもよい。
前記車両の外気温を計測する気温計測部をさらに備えてもよく、前記制御部は、外気温が高い場合は、外気温が低い場合よりも前記開弁温度を低くしてもよい。
前記補助ブレーキは、前記冷却水で冷却される流体式リターダを含んでもよく、前記制御部は、前記流体式リターダの作動時は、前記流体式リターダの非作動時よりも前記開弁温度を低くしてもよい。
本発明によれば、冷却水の温度が過度に上昇することを軽減できるという効果を奏する。
実施の形態に係る冷却システムを模式的に示す図である。 補助ブレーキが作動していないときの冷却システムの動作を説明するための図である。 補助ブレーキが作動しているときの冷却システムの動作を説明するための図である。 外気温との開弁温度との関係を示す図である。 実施の形態に係る制御部が実行する第2開弁温度設定処理の流れを説明するためのフローチャートである。
<実施の形態の概要>
本発明の実施の形態の概要を述べる。
実施の形態に係る冷却システムは、車両に搭載されるディーゼルエンジンを冷却するために好適に用いられる。実施の形態に係る冷却システムは、この他にもEGRクーラや流体式リターダ等の冷却にも用いられる。このため冷却装置は、ディーゼルエンジン等の発熱部材を冷却するための冷却水が循環する冷却水路と、冷却水を冷却するためのラジエータとを備えている。冷却装置は、エンジンを冷却する冷却水の温度が設定された開弁温度以上となることを契機として、ラジエータで冷却水を冷却する。
ディーゼルエンジンは負荷がかかっている状態、すなわちディーゼルエンジン内で噴射された燃料が燃焼している状態(以下、「負荷状態」と記載する。)では、ディーゼルエンジンは燃料の燃焼熱によって発熱する。冷却装置の主な冷却対象はディーゼルエンジンであるため、冷却装置は、ディーゼルエンジンが負荷状態のときは、ディーゼルエンジン内に噴射される燃料が所定量以下の状態(以下、「無負荷状態」と記載する。)のときよりも、開弁温度を低く設定する。この結果、冷却水をラジエータで冷却するタイミングが早まる。
なお、ディーゼルエンジンが無負荷状態か否かを定める「所定量」とは、ディーゼルエンジンがアイドリングのときに噴射される燃料の量である。「無負荷状態」は、ディーゼルエンジンへの燃料噴射がカットされている状態、すなわち燃料噴射量が0の状態も含まれる。
例えば重量物を積載したトラック等は車両重量が重くなる。このような車両が勾配を下っているとき等には、エンジンブレーキが用いられてディーゼルエンジンが無負荷状態となる場合がある。このような場合においてはさらなる制動力を得るために、補助ブレーキが併用される場合がある。補助ブレーキの使用により発生した熱も冷却水の温度上昇の要因となるので、勾配が終わったときには冷却水が高温となることも起こりうる。そのような状態で車両が上り勾配に差し掛かるとディーゼルエンジンが負荷状態となるが、冷却水が高温となっていると冷却性能が低下しかねない。
そこで実施の形態に係る冷却装置は、ディーゼルエンジンが無負荷状態の場合であっても、補助ブレーキが作動しているときは、ラジエータで冷却水を冷却するための開弁温度を低く設定する。これにより補助ブレーキの使用による発熱で温められる冷却水がラジエータで冷却されるタイミングが早まり、冷却水の温度上昇を抑制できる。冷却水が低温で保たれるため、下り勾配が終わって上り勾配となって負荷状態となっても、ディーゼルエンジンを十分に冷却することができる。
以下、実施の形態に係る冷却システムについてより詳細に説明する。
<冷却システム>
図1は実施の形態に係る冷却システム1を模式的に示す図である。冷却システム1は、車両に搭載されたディーゼルエンジン2を主な冷却対象とするものである。冷却システム1は、ラジエータ3、ウォータポンプ4、エンジン本体5、及びサーモスタット6の間を冷却水8が循環する冷却回路9を備える。この冷却回路9において、冷却水8はさらに、ウォータポンプ4、エンジン本体5、及び水冷式のEGRクーラ7の間も循環するように構成されている。
サーモスタット6は、エンジン本体5から流出した冷却水8bの温度が、後述する制御部30によって設定された開弁温度よりも低いときには閉弁し、冷却水8bはラジエータ3を迂回する。サーモスタット6はまた、冷却水8bの温度が開弁温度よりも高いときには開弁し、冷却水8bはラジエータ3に流入する。ラジエータ3に流入した冷却水8bは、車両の走行により生じる車速風と、ラジエータ3の後方に対向して配置された冷却ファン10による冷却風とによって冷却される。
冷却ファン10は、エンジン本体5により回転駆動されるバイメタル式の冷却ファンである。冷却ファン10は、ラジエータ3を通過する空気の温度に応じてファンの回転数が制御されるように構成されている。
ターボチャージャ13のコンプレッサー14は、吸入した空気Aを圧縮する。圧縮された空気Aは吸入空気12となって吸気通路11を流通する。吸入空気12は、吸気通路11に設けられたインタークーラ15で冷却された後にインテークマニホールド16を経てエンジン本体5に供給される。
エンジン本体5の気筒内に噴射された燃料は吸入空気12と混合され、燃焼する。燃料は燃焼によって熱エネルギーを発生させた後に、燃焼ガス17となってエキゾーストマニホールド18から排気通路19へ排気される。このときエキゾーストガスの一部はEGRガス21となり、吸気通路11に延びるEGR通路20に分流する。EGRガス21は、EGRクーラ7により冷却された後に、EGRバルブ22により流量が調整されて吸入空気12と合流する。
一方で、EGR通路20に分流しなかった燃焼ガス17は、ターボチャージャ13のタービン23を回転駆動させた後に、排ガスGとなって放出される。
冷却回路9においてEGRクーラ7の下流側には、ラジエータ3の入り口へ分岐可能な流路切替手段24が設置されている。この流路切替手段24は、EGRクーラ7から流出した冷却水8aの温度が、予め設定された温度以下であるときは、ウォータポンプ4の吸入口への流路を開通する。流路切替手段24はまた、冷却水8aの温度が予め定められた温度を超えたときには、流路をラジエータ3の入り口へ切り替える。
排気通路19には補助ブレーキ25の一種である既知の排気ブレーキ25aが設けられている。排気ブレーキ25aは排気通路19上に設けられたバルブであり、排気経路を閉塞することでディーゼルエンジン2のフリクションを大きくし、車両を減速させる。図示はしないが、実施の形態に係る冷却システム1を搭載する車両には補助ブレーキ25として圧縮解放ブレーキも搭載されている。
また、エンジン本体5には、補助ブレーキ25の一種である既知の流体式リターダ25bも設置されている。図1に示す流体式リターダ25bは冷却回路9と統合されており、図示しないクランクシャフトと連結されたロータと、エンジン本体5に固定されたステータとの間を冷却水8が流れている。クランクシャフトの回転と連動させてロータを回転させることにより、クランクシャフトの回転運動は流体式リターダ25b内の冷却水8の運動エネルギーに変換され、車両が減速する。
コンビネーションスイッチ31は、運転手が補助ブレーキ25の作動を制御するために操作するスイッチであり、排気ブレーキ25a、圧縮解放ブレーキ、及び流体式リターダ25bの使用を制御するために用いられる。
図示はしないが、コンビネーションスイッチ31は0から3までの4つの段階が設定可能である。運転手がコンビネーションスイッチ31を0に設定すると、排気ブレーキ25a、圧縮解放ブレーキ、及び流体式リターダ25bは作動しない。運転手がコンビネーションスイッチ31を1に設定すると排気ブレーキ25aが作動し、コンビネーションスイッチ31を2に設定すると排気ブレーキ25aと圧縮解放ブレーキとが作動する。運転手がコンビネーションスイッチ31を3に設定すると、排気ブレーキ25a、圧縮解放ブレーキ、及び流体式リターダ25bが作動する。この意味で、コンビネーションスイッチ31は車両を制動させるための補助ブレーキ25の作動状態を検知するブレーキ検知部として機能する。
制御部30は、冷却水8をラジエータ3に流入させるための弁であるサーモスタット6の開弁温度を制御する。より具体的には、制御部30は、ディーゼルエンジン2が負荷状態か否か、及び補助ブレーキ25が作動されているか否かに基づいて、サーモスタット6の開弁温度を第1開弁温度と、第1開弁温度よりも低い温度である第2開弁温度とのいずれかの温度に設定する。限定はしないが、一例として、第1開弁温度は90度から95度程度であり、第2開弁温度は85度程度かそれ以下の温度である。なお第2開弁温度の詳細については後述する。
一般に、サーモスタット6は、内部に配置されたサーモワックスが膨張する温度であるベース開弁温度が定められており、このベース開弁温度が第1開弁温度に相当する。サーモワックスは温度が高い冷却水8によって温められると膨張し、その温度が第1開弁温度に至るとサーモスタット6内に設けられた弁を開弁するように構成されている。逆に言うと、サーモワックスが第1開弁温度に至るまでは、サーモスタット6は開弁しない。
そこで制御部30は、冷却水8の温度が第1開弁温度よりも低い第2開弁温度のときにサーモスタット6を開弁させる場合は、サーモワックスを温めて強制的に膨張させる。このように、実施の形態に係る冷却システム1で用いられるサーモスタット6は、弁の開閉を任意に制御可能な電子制御サーモスタットが採用されている。なお、冷却水8の温度は、水温センサ32によって測定される。
アクセル開度センサ33は、運転手によるアクセルペダル34の踏み込み量を検知する。ここでアクセルペダル34の踏み込み量に応じてエンジン本体5の気筒内に噴射される燃料の量が決定される。すなわち、アクセルペダル34の踏み込み量はディーゼルエンジン2の負荷状態を決定する。この意味で、アクセル開度センサ33は、ディーゼルエンジン2の負荷状態を検知する負荷検知部として機能する。
また、気温計側部35は、車両100の外気温を計測する。
なお、図1において、冷却回路9、ラジエータ3、サーモスタット6、制御部30等は、ディーゼルエンジン2を含む発熱部材を冷却するための冷却装置の一部を構成する。
<補助ブレーキ非作動時の動作>
図2は、補助ブレーキ25が作動していないときの冷却システム1の動作を説明するための図である。図2において、車両100は実施の形態に係る冷却システム1を搭載しているトラックである。図2に示すように、車両100は平坦な道を走行している。図2は、車両100のディーゼルエンジン2が地点P0から地点P1に至るまでの間は負荷状態であり、地点P1から地点P2に至るまでの間は無負荷状態であることを示している。また、図2は、車両100の補助ブレーキ25は地点P0から地点P2に至るまで一貫して作動していないことを示している。
実施の形態に係る冷却システム1の主要な冷却対象はディーゼルエンジン2であるため、制御部30は、ディーゼルエンジン2が負荷状態のときは開弁温度の温度制御を実行する。これにより、冷却水8の温度がベース開弁温度である第1開弁温度よりも低い第2開弁温度に至った時点で、サーモスタット6は強制的に開弁される。結果として冷却水8はその温度が第1開弁温度に至るよりも早い段階においてラジエータ3で冷却され、ディーゼルエンジン2及びEGRクーラ7の冷却効率が維持される。
<補助ブレーキ作動時の動作>
次に補助ブレーキ25の作動時における冷却システム1の動作を説明する。
図3(a)−(b)は、補助ブレーキ25が作動しているときの冷却システム1の動作を説明するための図である。より具体的には、図3(a)は実施の形態に係る冷却システム1において、補助ブレーキ25が作動しているときの動作を説明するための図であり、図3(b)は、比較例を説明するための図である。
図3(a)−(b)において、地点P3から地点P4に至るまでは上り坂であり、地点P4から地点P5に至るまでは下り坂である。また地点P5から地点P6に至るまでは再び上り坂となる。このため、図3(a)−(b)に示すように、車両100が地点P3からP4に至るまでの間、及び地点P5から地点P6に至るまでの間は、ディーゼルエンジン2は負荷状態となっている。一方、車両100が地点P4から地点P5に至るまでの間においてディーゼルエンジン2は無負荷状態となっており、さらに補助ブレーキ25が作動している。
図3(b)に示す比較例においては、車両100が地点P4からP5に至るまでの間においてディーゼルエンジン2は無負荷状態であるため、制御部30は開弁温度を制御していない。このため図3(b)に示すように、冷却水8の水温は補助ブレーキ25が車両100を制動することによって生じる熱によって上昇する。冷却水8の温度がベース開弁温度である第1開弁温度となるとサーモスタット6が開弁するため、冷却水8の温度上昇は停止し、第1開弁温度となる。
この状態で車両100が地点P5に到達すると、ディーゼルエンジン2に負荷がかかり、ディーゼルエンジン2は燃料の燃焼熱によって発熱する。また、EGRクーラ7に流入するエキゾーストガスも高温となる。この結果、図3(b)に示す例では、車両100が地点P5を通過した後に、破線の円Cで示すように冷却水8の温度が過度に上昇している。冷却水8の温度の過度な上昇はディーゼルエンジン2やEGRクーラ7の耐久信頼性を損ねる要因となるため、抑制することが望まれる。
そこで実施の形態に係る冷却システム1においては、図3(a)に示すように、ディーゼルエンジン2が無負荷状態であっても、補助ブレーキ25の作動時には、制御部30は開弁温度を第2開弁温度に設定する。このため、ディーゼルエンジン2が無負荷状態であっても、補助ブレーキ25の作動時には、補助ブレーキ25の非作動時よりも開弁温度が低くなる。図3(a)に示すように、車両100が地点P4を過ぎると補助ブレーキ25の作動によって生じる熱で冷却水8が温められるが、冷却水8の温度が第2開弁温度となるとサーモスタット6は開弁するため、冷却水8の温度上昇が停止する。
この状態で車両100が地点P5に到達すると、ディーゼルエンジン2に負荷がかかり、ディーゼルエンジン2は燃料の燃焼熱によって発熱する。また、EGRクーラ7に流入するエキゾーストガスも高温となる。しかしながら冷却水8の温度は第1開弁温度よりも低く抑えられているため十分な冷却力が保たれている。このため、図3(b)に示す比較例とは異なり、冷却水8の温度は過度に上昇することが抑制される。結果としてディーゼルエンジン2やEGRクーラ7の耐久信頼性を向上することができる。
<第2開弁温度の設定>
続いて、制御部30が設定する第2開弁温度について説明する。
図4(a)−(d)は、外気温との第2開弁温度との関係を示す図である。図4(a)において、破線は第1開弁温度を示し、実線は第2開弁温度を示している。図4(a)に示す例では、制御部30は外気温の高低にかかわらず、第2開弁温度を固定している。この場合であっても、第2開弁温度は第1開弁温度よりも低く抑えられているため、ディーゼルエンジン2が無負荷状態かつ補助ブレーキ25の作動時における冷却水8の温度上昇が抑えられる。結果として、ディーゼルエンジン2やEGRクーラ7の耐久信頼性の向上に一定の効果がある。
ここでラジエータ3による冷却水8の冷却効率は車両100の外気温によって変化する。より具体的には、車両100の外気温が高い場合は、低い場合よりもラジエータ3による冷却水8の冷却効率が悪化する。
そこで制御部30は、車両100の外気温に応じて第2開弁温度を変化させてもよい。より具体的には、図4(b)に示すように、制御部30は車両100の外気温が高い場合は、外気温が低い場合よりも第2開弁温度を低く設定する。これにより、ラジエータ3による冷却水8の冷却効率が低いときは冷却水8の温度が低いうちから冷却水8がラジエータ3に流入する。結果として冷却水8の温度が過度に上昇することを抑制できる。
実施の形態に係る冷却システム1を搭載する車両100は、複数の補助ブレーキ25を備える。上述したように、車両100の運転者はコンビネーションスイッチ31を操作することにより、作動させる補助ブレーキ25の数を変更することができる。ここで補助ブレーキ25として排気ブレーキ25aが単独で用いられている場合と、排気ブレーキ25a、圧縮解放ブレーキ、及び流体式リターダ25bが全て用いられている場合とでは、補助ブレーキ25の作動に起因する発熱量は異なる。
そこで制御部30は、作動している補助ブレーキ25の数に応じて第2開弁温度を変化させてもよい。より具体的には、制御部30は作動している補助ブレーキ25の数が多い場合は、少ない場合よりも第2開弁温度を低くする。図4(c)において、実線は排気ブレーキ25aのみが作動中の第2開弁温度を示し、一点鎖線は排気ブレーキ25aと圧縮解放ブレーキとが作動中の第2開弁温度を示している。さらに、図4(c)において2点鎖線は排気ブレーキ25a、圧縮解放ブレーキ、及び流体式リターダ25bが作動中の第2開弁温度を示している。
特に冷却水8の抵抗を利用して車両100を減速させる流体式リターダ25bの動作中は、車両100の運動エネルギーが直接冷却水8の温度上昇に変換される。そこで制御部30は、流体式リターダ25bの作動時は、流体式リターダ25bの非作動時よりも開弁温度を低くする。
車両100の重量が大きい場合、制動のためにより多くの補助ブレーキ25が使用されると考えられる。車両の重量が大きい場合は登坂時のディーゼルエンジン2の負荷も大きくなる。つまり、車両100で使用されている補助ブレーキ25の数が多い場合、下り坂の走行中に冷却水8の温度が上がりやすく、さらに上り坂の走行でも冷却水8の温度が上がりやすい。したがって制御部30は、使用されている補助ブレーキ25の数が多いときは、少ないときよりも、開弁温度を低くすることが好ましい。
このように作動している補助ブレーキ25の数に応じて第2開弁温度を変化させることにより、補助ブレーキ25の作動に起因する発熱量が大きいときには冷却水8の温度が低いうちから冷却水8がラジエータ3に流入する。結果として冷却水8の温度が過度に上昇することを抑制できる。
なお制御部30は、車両100の外気温と作動している補助ブレーキ25の数との両方を考慮して、第2開弁温度を設定してもよい。図4(d)は、外気温と作動中の補助ブレーキ25の数とに応じた第2開弁温度を示す図である。制御部30は、図4(d)に示すように、車両100の外気温が高いほど、また作動している補助ブレーキ25の数が多いほど、第2開弁温度を低く設定する。これにより、ディーゼルエンジン2が無負荷状態かつ補助ブレーキ25の作動時において冷却水8の温度が過度に上昇することが抑制できる。
<処理フロー>
図5は、実施の形態に係る制御部30が実行する第2開弁温度設定処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えばディーゼルエンジン2が始動したときに開始する。
アクセル開度センサ33は、アクセルペダル34の踏み込み量を検知することにより、ディーゼルエンジン2の負荷状態を検知する(S2)。ディーゼルエンジン2の負荷がある場合(S4のYes)、制御部30はサーモスタット6の開弁温度を、ベース開弁温度である第1開弁温度よりも低い第2開弁温度に設定する(S6)。
ディーゼルエンジン2の負荷がない場合(S4のNo)、コンビネーションスイッチ31は、運転手による設定の有無に基づいて補助ブレーキ25の作動状態を検知する(S8)。補助ブレーキ25が作動中でない場合(S10のNo)、制御部30は、サーモスタット6の開弁温度をベース開弁温度である第1開弁温度に設定する(S6)。第1開弁温度は、第2開弁温度よりも高い温度である。
ディーゼルエンジン2の負荷がない場合(S4のNO)であっても、補助ブレーキ25が作動中の場合(S10のYes)は、制御部30はサーモスタット6の開弁温度をベース開弁温度である第1開弁温度に設定する(S6)。制御部30がサーモスタット6の開弁温度を設定すると、本フローチャートにおける処理は終了する。制御部30は、上記のフローを所定の間隔で繰り返すことにより、サーモスタット6の開弁温度を制御する。
以上説明したように、実施の形態に係る冷却システム1によれば、ディーゼルエンジン2等を冷却するための冷却水8の温度が過度に上昇することを軽減できる。特に、ディーゼルエンジン2が無負荷状態かつ補助ブレーキ25の作動時における冷却水8の温度上昇を抑えることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
上記では、ラジエータ3へ冷却水8を流入させるか否かの開弁制御にサーモワックスの熱膨張を利用するサーモスタット6を用いる場合について説明したが、この他にもバタフライバルブ式やロータリーバルブ式の電動バルブを用いることもできる。
上記では、冷却システム1の主な冷却対象がディーゼルエンジン2である場合について説明したが、例えばガソリンエンジン等の他の種類のエンジンであってもよい。
1・・・冷却システム
2・・・ディーゼルエンジン
3・・・ラジエータ
4・・・ウォータポンプ
5・・・エンジン本体
6・・・サーモスタット
7・・・EGRクーラ
9・・・冷却回路
10・・・冷却ファン
11・・・吸気通路
13・・・ターボチャージャ
14・・・コンプレッサー
15・・・インタークーラ
16・・・インテークマニホールド
18・・・エキゾーストマニホールド
19・・・排気通路
20・・・EGR通路
22・・・EGRバルブ
23・・・タービン
24・・・流路切替手段
25・・・補助ブレーキ
30・・・制御部
31・・・コンビネーションスイッチ
32・・・水温センサ
33・・・アクセル開度センサ
34・・・アクセルペダル
35・・・気温計側部
100・・・車両

Claims (4)

  1. 車両に搭載されるエンジンを冷却するための冷却水が循環する冷却回路と、
    前記冷却水を冷却するラジエータと、
    前記冷却水を前記ラジエータに流入させるための弁の開弁温度を制御する制御部と、
    前記車両を制動させるための補助ブレーキの作動状態を検知するブレーキ検知部と、
    前記エンジンの負荷状態を検知する負荷検知部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記エンジンが無負荷状態であっても、前記補助ブレーキの作動時は前記補助ブレーキの非作動時よりも前記開弁温度を低くする、
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記補助ブレーキは、第1補助ブレーキと、前記第1補助ブレーキとは異なる第2補助ブレーキとの少なくとも二つの補助ブレーキを備え、
    前記制御部は、作動している前記補助ブレーキの数が多い場合は、少ない場合よりも、前記開弁温度を低くする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記車両の外気温を計測する気温計測部をさらに備え、
    前記制御部は、外気温が高い場合は、外気温が低い場合よりも前記開弁温度を低くする、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。
  4. 前記補助ブレーキは、前記冷却水で冷却される流体式リターダを含み、
    前記制御部は、前記流体式リターダの作動時は、前記流体式リターダの非作動時よりも前記開弁温度を低くする、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却装置。
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CN107781330A (zh) * 2017-11-17 2018-03-09 潍柴动力股份有限公司 整车匹配液力缓速器的散热系统及汽车

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107781330B (zh) * 2017-11-17 2024-02-20 潍柴动力股份有限公司 整车匹配液力缓速器的散热系统及汽车

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